JP5758073B2 - 炎症性疾患の処置のためのcxcl13アンタゴニストおよびその使用 - Google Patents

炎症性疾患の処置のためのcxcl13アンタゴニストおよびその使用 Download PDF

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Description

発明の分野
本発明はCXCL13アンタゴニスト、および肺の障害および症状、および状態、ならびに関連する疾患および状態を処置するためのCXCL13アンタゴニストの使用法に関する。さらに詳細には本発明は、CXCL13アンタゴニスト単独あるいは干渉化RNA、DNAザイムのようなTNFαアンタゴニストと一緒に、およびCXCL13に向けられた抗体(少なくとも1つのタンパク質またはそのフラグメントに特異的な特異的部分もしくはバリアントを含む)を、CXCL13活性を阻害するために有効な量で使用することによるそのような疾患の処置法に関する。また本発明は、全身性エリテマトーデスのような他の炎症性疾患を持つ動物を処置するためのCXCL13アンタゴニストおよびTNFαアンタゴニストの使用法に関する。
発明の背景
喘息は、遺伝的および環境的要素を含む複雑な慢性的障害である(1)。これは可逆性の気道閉塞、気道の過剰応答(airway hyperresponsiveness)、気道炎症および再造形を特徴とする(2)。喘息は推定1500万人の米国人を襲い、そして喘息に関係する罹患率および死亡率は工業が発達した国々で上昇している(3,4)。アレルギー性喘息の気道の炎症はCD4T細胞のTヘルパー(Th)2サブセットおよび好酸球の粘膜浸潤を伴う(5,6)。これらの細胞間の相互作用は、喘息の病因に関与する種々の前−炎症性メディエーターの生産を導く(7,8)。喘息の他の形態は運動、ウイルス、アスピリンおよび職業により誘導されるものである。これらの形態の喘息の原因となるメカニズムには、Th2リンパ球およびサイトカインが関与するらしいが、喘息は様々に誘発される(9〜12)。多くのサイトカインおよびケモカインが喘息の病因に関与している(13,14)。特にTh2誘導化サイトカイン(インターロイキン4、5、9および13)は、喘息を含むアレルギー性疾患に重要な役割を果たしている。
慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、好中球、マクロファージ、BおよびT細胞の浸潤を特徴とする慢性の肺の炎症である。これらの免疫応答性細胞は、毒性のガスおよび粒子に対する長期被爆に応答して肺に放出される種々のサイトカインおよびケモカインにより活性化される(15)。気管支炎および気腫は不可逆性の気流閉塞と一緒にこの疾患の臨床的顕在化である。COPDを特徴付ける肺機能の加速された低下を遅らせる薬剤は知られていない。
最近、COPDの進行に、胚中心を含む異所性(ectopic)リンパ濾胞を形成する生来の、および適応炎症免疫細胞による実質組織浸潤が強く関連していることが観察された。リンパ濾胞の存在は、肥厚化した遠位小気道壁(distal small airway wall)の再造形プロセスと共役している(16)。この結果は、COPDにおける異所性のリンパ濾胞の潜在的な病理学的役割を強力に示唆している。
喘息の病因に関与する新規遺伝子を同定する試みにおいて、研究者は喘息の動物モデルで異なって発現する遺伝子をプロファイリングするために、DNAマイクロアレイ技術を使用した(17,18)。マイクロアレイ技術は、数千の遺伝子発現を同時に分析することを可能とし、そして自動化されて高処理様式を可能にすることができるので有力な道具である。喘息のような多因子性疾患では、マイクロアレイの結果は新規治療薬の設計において大変有用となることを示すことができる遺伝子発現プロファイルを提供することができる。またマイクロアレイ技術は新規遺伝子の同定および未知の機能の遺伝子の解釈にも
大変有力となることが証明され得る(19)。
CXCL13(a.k.a BLC(B細胞ホーミング ケモカイン)またはBCA−1(B細胞誘因ケモカイン1)またはAngie2))は、B細胞を最も強力かつ選択的に誘因する走化性因子である。またこれは受容体CXCR5を介して特定のT細胞およびマクロファージの移動も促進する(20)。CXCL13はパイヤー斑、脾臓およびリンパ節の小胞で発現され、そして小胞の発達およびホメオスタシスに重要であると考えられている(21)。
慢性的な炎症の部位では、炎症性の浸潤物(T、Bおよび間質細胞)の配置(arrangement)はリンパ組織と多くの構造的特徴を共有することが観察され、これはいわゆる異所性の(ectopic)リンパ濾胞を形成する(21)。さらにCXCL13のエクストピック(extopic)な高生産は、慢性関節リウマチ(21)、ショーグレン症候群(22)、全身性エリテマトーデスのような狼瘡の種々の形態(23,24)、潰瘍性大腸炎(25,26)、多発性硬化症(27〜29)、I型糖尿病(30〜32)および自己免疫甲状腺疾患(33,34)のような慢性の炎症性疾患でリンパ球の蓄積および異所性のリンパ濾胞の形成と関連する(21)。異所性のリンパ濾胞の正確な病理学的役割は明確ではないが、証拠は急性の消散する炎症から、リンパ球を局所的な炎症組織に蓄積できるようにする慢性の持続的炎症への切り替えにおけるその重要性を示唆している(35)。したがって異所性のリンパ濾胞を破壊または排除することは、慢性炎症疾患を制御するための新規な治療的取り組みを提供する。CXCL13は異所性のリンパ濾胞でのその高い発現レベル、およびそれらのミクロ構造の維持およびB細胞の誘因におけるその役割から理想的な治療的標的となる。
全身性エリテマトーデス(SLEまたは狼瘡)は、潜在的に消耗性で、そして時に免疫系が身体の細胞および組織を攻撃し、炎症および組織傷害を生じるので致命的となる慢性の自己免疫疾患である。SLEは身体のいかなる部分にも影響を及ぼすことができるが、最も多くは心臓、関節、皮膚、肺、血管、肝臓、腎臓および神経系に害を及ぼす。
CXCL13遺伝子(GenBank寄託番号NM 006419、配列番号1)は、ヒト染色体4q21にある。CXCL13はCXCケモカインファミリーに属する。CXCL13はリンパ系器官の形成/発達、B細胞小胞の形成およびB細胞再集合(recruitment)に重要である。CXCL13は多発性の慢性炎症疾患の炎症した組織では高度に異所的に生産され、そして局所的なBおよびT細胞活性化および炎症の維持に重要な役割を果たすと考えられる。
遺伝子発現は、siRNA、shRNA、アンチセンス分子およびDNAザイムの使用によることを含め、幾つかの異なる方法でモジュレートすることができる。siRNAおよびshRNAは両方ともRNAi経路を介して働き、そして遺伝子の発現を抑制するために成功裏に使用されてきた。RNAiは最初に虫から見いだされ、そしてdsRNAに関連する遺伝子サイレンシングの現象がFire and Melloにより植物で最初に報告され、そして植物細胞がRNAウイルスの感染を防除する手段になると考えられる。この経路では、長いdsRNAウイルス産物がDICER様酵素により21〜25bp長の小さいフラグメントにプロセッシングされ、次いで二本鎖分子の螺旋がほどけ、そしてRNAが誘導するサイレンシング複合体(RNA induced silencing complex:RISC)に乗せられる。類似の経路が哺乳動物細胞でも同定されたが、注目すべき差異はdsRNA分子はいわゆるインターフェロン応答の誘導を回避するために30bp長よりも小さくなければならない点であり、これは遺伝子特異的ではなく、そして細胞内でのタンパク質合成の全体的な活動停止を導く。
合成siRNAは1つの遺伝子を特異的に標的とするように設計することができ、そしてそれらはインビトロまたはインビボの細胞に容易に送達され得る。shRNAはsiRNA分子のDNA等価物であり、そして細胞のゲノムに取り込まれ、そして次に各有糸分裂のサイクル中で複製され得るという利点を有する。
またDNAザイムも遺伝子発現をモジュレートするために使用されてきた。DNAザイムは一本鎖RNAを開裂する触媒的DNA分子である。それらは標的RNA配列に対して高度に選択的であり、そしてそのまま使用されてメッセンジャーRNAの標的化を介して特異的遺伝子をダウンレギュレートすることができる。
したがって喘息のような肺疾患、および関連する疾患および状態のためのCXCL13に関連する診断および処置のための新規方法を同定し、そして特徴付ける必要性が存在する。さらに全身性エリテマトーデスのような障害を処置するための新規方法を同定し、そして特徴付ける必要性が存在する。
本発明の要約
本発明は、CXCL13またはその受容体、CXCR5のアゴニストおよび/またはアンタゴニスト、および/またはそれらの活性の1つもしくは双方(今後、「CXCL13アンタゴニスト」と言う)、ならびに肺に関連する障害を処置するためにCXCL13に向けられた抗体、および少なくとも1つのCXCL13タンパク質またはそのフラグメントに特異的なその特異的部分またはバリアントを含め、CXCL13アンタゴニストの使用法に関する。これらCXCL13アンタゴニストは、TNFα抗体、例えばインフリキシマブ(infliximab)等のようなTNFαアンタゴニストと一緒に投与することができる。モノクローナル抗体のようなCXCL13アンタゴニストは、局所的BおよびT細胞の再集合を阻害し、そして続いて活性化を阻害して慢性的な免疫媒介性炎症疾患を制御するための新規方法を提供する。
1つの態様では、CXCL13アンタゴニストはCXCL13またはその受容体に特異的に結合する抗体である。そのような抗体の特別な利点は、それらがCXCL13またはその受容体にその作用を防止する様式で結合することができる点にある。本発明の方法はこのように、ヒトまたヒト以外の患者における様々な肺に関連する障害に伴う疾患状態の治療的および防止的処置のために抗体を理想的に適するようにする望ましい中和特性を有する抗体を使用する。したがって本発明はそのような処置が必要な患者において肺に関連する疾患または状態を処置する方法を対象とし、この方法は肺に関連する疾患または状態を抑制するために、患者に中和するCXCL13抗体を量を投与することを含んでなる。
別の観点では、本発明はCXCL13またはその受容体の活性をモジュレートする方法を提供し、この方法は細胞中の活性または発現がモジュレートされるように、細胞を、CXCL13またはその受容体の活性または発現をモジュレート(抑制または強化)する作用物質(例えばアンタゴニストまたはアゴニスト)と接触させることを含んでなる。好適な態様では、作用物質はCXCL13またはその受容体に特異的に結合する抗体である。別の態様では、モジュレーターはペプチド、ペプチドミメティックまたは他の低分子である。
別の態様では、本発明はそのような処置が必要な患者において肺に関連する疾患または状態を処置する方法を対象とし、この方法は肺に関連する疾患または状態を抑制するために、患者に中和するCXCL13抗体または他のアンタゴニストの量を、1もしくは複数のTNFαアンタゴニストと一緒に投与することを含んでなる。
また本発明は肺または関連する障害を有する個体を処置する方法を提供し、ここで障害はCXCL13の量または活性をモジュレートすることにより改善され得る。また本発明は、CXCL13の活性のモジュレーターまたはCXCL13の発現のモジュレーターである作用物質を個体に投与することにより、CXCL13またはそれをコードするポリヌクレオチドの異常(aberrant)の活性を特徴とする障害を有する個体を処置する方法も提供する。
1つの態様では、モジュレーターはポリペプチドまたは低分子化合物である。別の態様では、モジュレーターはポリヌクレオチドである。特定の態様では、CXCL13アンタゴニストは細胞によるCXCL13の生産を防止することができるsiRNA分子、shRNA分子またはDNAザイムである。
本発明の別の観点は、全身性エリテマトーデスの動物を処置する方法であり、この方法はCXCL13のアンタゴニストを動物に提供すること、およびTNF−アルファのアンタゴニストを動物に提供することを含んでなり;ここで各アンタゴニストは動物の全身性エリテマトーデスの症状に減少を生じるために有効な量で提供される。この方法の1つの態様では、CXCL−13のアンタゴニストがCXCL−13結合抗体または抗体のCXCL−13結合フラグメントであり、そしてTNFαのアンタゴニストがTNFα結合抗体または抗体のTNFα結合フラグメントである。
この方法の別の態様では、動物は哺乳動物である。この方法の別の態様では、哺乳動物はヒトである。この方法の別の態様では、提供される各抗体または抗体の結合フラグメントの量は、約25mg/kg(動物の体重)〜約40mg/kg(動物の体重)である。この方法の別の態様では、全身性エリテマトーデスの症状が腎臓組織の検査により同定される動脈周囲のリンパ球浸潤病巣の数である。この方法の別の態様では、全身性エリテマトーデスの症状が尿中総クレアチニンに対する尿中総タンパク質の比率である。この方法の別の態様では、CXCL−13のアンタゴニストがCXCL−13結合抗体または抗体のCXCL−13結合フラグメントであり、そしてTNFαのアンタゴニストがTNFα結合抗体または抗体のTNFα結合フラグメントである。この方法の別の態様では、CXCL−13のアンタゴニストがCXCL−13結合抗体または抗体のCXCL−13結合フラグメントであり、そしてTNFαのアンタゴニストがTNFα結合抗体インフリキシマブである。
本発明はさらに本明細書に記載する任意の発明を提供する。
発明の詳細な説明
定義
以下の定義は、本発明を記載するために使用する様々な用語の意味および範囲を具体的に説明し、そして定めるために述べる。
ポリペプチドの「活性」、生物学的活性および機能的活性は、標準的技法に従い、インビボ、その場(in situ)、またはインビトロで測定されるようなCXCL13またはその受容体と他のタンパク質または分子との特異的相互作用に応答して、CXCL13またはその受容体により発揮される活性を指す。そのような活性は会合のような直接的活性、または第2のタンパク質への酵素的活性、またはタンパク質と第2のタンパク質との間の相互作用により媒介される細胞のプロセスのような間接的活性、または細胞内シグナリングまたは凝固カスケードのような一連の相互作用であることができる。
「抗体」には、限定するわけではないが重もしくは軽鎖の相補性決定領域(CDR)またはそのリガンド結合部分、重鎖もしくは軽鎖可変領域、重鎖もしくは軽鎖定常領域、骨
格領域またはそれらの任意の部分、フラグメントもしくはバリアントのような少なくとも1つの免疫グロブリン分子の少なくとも一部を含んでなる分子を含むポリペプチドまたはペプチドを含む。用語「抗体」はさらに抗体、消化フラグメント、特異的部分およびそれらのバリアントを包含し、抗体ミメティックスを含むか、あるいは単鎖抗体、単鎖ドメイン抗体およびそれらのフラグメントを含め抗体または特異的フラグメントまたはそれらの部分の構造および/または機能を模する抗体の部分を含んでなる。例えば抗体フラグメントには限定するわけではないが、Fab(例えばパパイン消化による)、Fab’(例えばペプシン消化および部分的還元による)およびF(ab’)2(例えばペプシン消化による)、facb(例えばプラスミン消化による)、pFc’(例えばペプシンまたはプラスミン消化による)、Fd(例えばペプシン消化、部分的還元および再凝集による)、FvもしくはscFv(例えば分子生物学的技術による)フラグメントがあり、これらは本発明により包含される(例えばColligan,et al.,eds.,Current Protocols in Immunology,John Wiley &
Sons,Inc.,NY(1994−2001);Colligan,et al.,Current Protocols in Polypeptide Science,John Wiley & Sons,NY(1997−2001)を参照にされたい)。
「キメラ」または「融合」分子は、例えば1もしくは複数のCXCL13アンタゴニスト(またはその部分)とさらなる核酸配列(1もしくは複数)とを組み合わせることにより作られる核酸またはポリペプチドである。そのような組合わされた配列は適切なベクターに導入され、そして発現してキメラまたは融合ポリペプチドを生じる。
本発明の核酸配列の「相補鎖」またはそれに「相補的」とは、相補的塩基配列および第1のポリヌクレオチドに比べて逆方向の配列を有するポリヌクレオチド分子を指す。
「フラグメント」は、CXCL13アンタゴニストの任意のアミノ酸配列の一部が全く同じであるが、すべてが同じではないアミノ酸配列を有するバリアントポリペプチド、あるいはCXCL13アンタゴニストポリヌクレオチドの任意の核酸配列の一部が全く同じであるが、すべてが同じではない核酸配列を有するバリアントポリヌクレオチドである。フラグメントは例えば、ヘテロロガスなアミノ−および/またはカルボキシ末端のアミノ酸配列を含む連続する残基のような切頭(truncation)ポリペプチドまたはそのバリアントを含むことができる。宿主細胞により、またはその中で生産されるCXCL13アンタゴニストの分解形も含まれる。他の例となるフラグメントは、アルファ−ヘリックスまたはアルファ−ヘリックス形成領域、ベータシートまたはベータシート形成領域、ターンまたはターン形成領域、コイルまたはコイル形成領域、親水性領域、疎水性領域、アルファ−両親媒性領域、ベータ−両親媒性領域、柔軟性領域、表面形成領域、基質結合領域、細胞外領域および高抗原性指数領域を含んでなるフラグメントのような構造的または機能的特性を特徴とする。
当該技術分野で知られている「同一性」とは、配列を比較することにより決定される2以上のポリペプチド配列間または2以上のポリヌクレオチド配列間の関係である。当該技術分野では、「同一性」とはまたそのような配列間の対合(match)により測定されるようなポリペプチド間またはポリヌクレオチド配列間の配列関連性(relatendness)の程度を意味する。「同一性」および「類似性」は限定するわけではないがComputational Molecular Biology,Lesk,A.M.,ed.,Oxford University Press,New York,1988;Biocomputing:Informatics and Genome Projects,Smith,D.W.ed.,Academic Press,New
York,1993;Computer Analysis of Sequence
Data,Part I,Griffin,A.M.,and Griffin,H.G.,eds.,Humana Press,New Jersey,1994;Sequence Analysis in Molecular Biology,von Heinje,G.,Academic Press,1987;and Sequence Analysis Primer,Gribskov,M.and Devereux,J.,eds.,M Stockton Press,New York,1991;およびCarillo,H.,and Lipman,D.,Siam J.Applied Math.,48:1073(1988)に記載されているものを含め既知の方法により容易に計算することができる。さらに同一性百分率の値は、Vector NTI Suite8.0(Informax,Frederick,MD)のAlignX要素に設定したデフォルトを使用して作成されたアミノ酸およびヌクレオチド配列のアライメントから得ることができる。
同一性を決定するための好適な方法は、試験する配列間で最大の対合を与えるように設計される。同一性および類似性を決定する方法は、公的に利用することができるコンピュータープログラムで体系化される。2つの配列間の同一性および類似性を決定するために好適なコンピュータープログラム法には、限定するわけではないがGCGプログラムパッケージ(Devereux,J.,et al.,Nucleic Acids Research 12(1):387(1984))、BLASTP、BLASTNおよびFASTA(Atschul,S.F.et al.,J.Molec.Biol.215:403−410(1990))がある。BLAST XプログラムはNCBIおよび他の供給元(BLAST Manual,Altschul,S.,et al.,NCBINLM NIH Bethesda,Md.20894:Altschul,S.,et al.,J.Mol.Biol.215:403−410(1990))から公に利用することができる。周知なSmith Watermanアルゴリズムも同一性を決定するために使用することができる。
ポリペプチド配列の比較に好適なパラメーターには以下を含む:
(1)アルゴリズム:Needleman and Wunsch,J.Mol Biol.48:443−453(1970)比較マトリックス:Hentikoff and
HentikoffからのBLOSSUM62、Proc.Natl.Acad.Sci,USA.89:10915−10919(1992)
ギャップペナルティ:12
ギャップ長ペナルティ:4
これらのパラメーターに有用なプログラムは、Genetics Computer Group,Madison Wis.から“ギャップ”プログラムとして公的に利用することができる。前記パラメーターはペプチド配列の比較のためのデフォルトパラメーターである(エンドギャップに関するペナルティは加えず)。
ポリヌクレオチドの比較に関する好適なパラメーターには以下を含む:
(1)アルゴリズム:Needleman and Wunsch,J.Mol Biol.48:443−453(1970)
比較マトリックス:対合=+10、誤対合(mismatch)=0
ギャップペナルティ:50
ギャップ長ペナルティ:3
利用できるのは:Genetics Computer Group,Madison Wis.からの「ギャップ」プログラム。これらは核酸配列の比較のためのデフォルトパラメーターである。
例として、ポリヌクレオチド配列は配列に同一であることができ、すなわち100%同
一であるか、あるいは参照配列と比べて特定の整数までの数のヌクレオチド改変を含んでもよい。そのような改変は少なくとも1つのヌクレオチド欠失、置換(転移および転換を含む)または挿入からなる群から選択され、そしてここでこの改変は参照ヌクレオチド配列の5’もしくは3’末端位置に、あるいは参照配列中のヌクレオチド内で個々に、または参照配列内の1もしくは複数の連続する群で散在するかのいずれかで、これら末端位置の間の任意の場所に生じることができる。ヌクレオチド改変の数は、配列中の全ヌクレオチド数に個々の同一性百分率の数値であるパーセント(100で割って)を掛け、そしてその値を配列中の全ヌクレオチド数から引くことにより決定することができる、すなわち:
n.sub.n.ltorsim.x.sub.n−(x.sub.n.y),
ここでn.sub.nはヌクレオチド改変数であり、x.sub.nは配列中の全ヌクレオチド数であり、そしてyは例えば70%には0.70、80%には0.80、85%には0.85、90%には0.90、95%には0.95等であり、そしてここでx.sub.nおよびyの任意の整数でない値は、x.sub.n.から引く前に最も近い整数に切り捨てる。
配列をコードするポリヌクレオチド配列の改変は、非センス、ミスセンスまたはフレームシフト突然変異をこのコード配列中に作成することができ、これによりそのような改変後のポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチドを改変する。同様に、ポリペプチド配列は参照配列と同一であることができ、すなわち100%同一であるか、あるいは同一性の割合が100%未満になるように参照配列と比べて特定の整数までのアミノ酸の改変を含んでもよい。そのような改変は少なくとも1つのアミノ酸欠失、置換(保存的および非保存的置換を含む)または挿入からなる群から選択され、そしてここでこの改変は参照ポリペプチド配列のアミノ−もしくはカルボキシ−末端位置に、あるいは参照配列中のアミノ酸の間で個々に、または参照配列内の1もしくは複数の連続する群で散在するかのいずれかでこれら末端位置の間の任意の場所に生じることができる。所定の同一性%に関するアミノ酸改変の数は、配列中の全アミノ酸数に個々の同一性百分率の数値であるパーセント(100で割って)を掛け、次いでその値を配列中の全アミノ酸数から引くことにより決定することができる、すなわち:
n.sub.a.ltorsim.x.sub.a−(x.sub.a.y),
ここでn.sub.aはアミノ酸改変数であり、x.sub.aは配列中の全アミノ酸数であり、そしてyは例えば70%には0.70、80%には0.80、85%には0.85等であり、そしてここでx.sub.aおよびyの任意の整数でない値は、x.sub.a.から引く前に最も近い整数に切り捨てる。
「核酸」はヌクレオチドのポリマーであり、ここでヌクレオチドは糖に連結した塩基を含んでなり、この糖は次になかだちとなるリン酸のような少なくとも二価の分子により互いに連結されている。自然に存在する核酸では、糖は2’−デオキシリボース(DNA)またはリボース(RNA)のいずれかである。自然には存在しないポリ−もしくはオリゴヌクレオチドは、修飾塩基、糖または連結分子を含むが、一般にそれらが設計された後、自然に生じる核酸の相補的性質を模すると理解されている。自然には存在しないオリゴヌクレオチドの例は、ホスホロチオラート骨格を有するアンチセンス分子組成である。「オリゴヌクレオチド」は一般に30ヌクレオチド未満のヌクレオチドを有する核酸分子を指す。
「ポリペプチド」は、ペプチド結合により連結されたアミノ酸残基のポリマーであり、そしてペプチドは一般に12以下の残基のアミノ酸ポリマーを指す。ペプチド結合は核酸の鋳型により指令を受けて自然に生産されることができ、あるいは当該技術分野で周知の方法により合成で生産することができる。
「タンパク質」は、1もしくは複数のポリペプチド鎖を含んでなる高分子である。タンパク質はさらにペプチド結合の形成に関与しないアミノ酸の側鎖基に結合した置換基を含んでなることができる。典型的には真核細胞の発現により形成されるタンパク質は、炭水化物も含む。タンパク質は本明細書では、それらのアミノ酸配列または骨格という意味で定義し、そして置換基は知られていてもいなくても特定されない。
用語「受容体」は、特異的リガンドまたは結合パートナーとの相互作用の結果として、生物学的活性(例えば細胞中の)に影響を及ぼす能力を有する分子を表す。細胞膜に結合した受容体は、細胞外のリガンド結合ドメイン、1もしくは複数の膜に広がるもしくは膜貫通ドメイン、および典型的にはシグナル伝達に関与する細胞内エフェクタードメインにより特徴付けられる。リガンドの細胞膜受容体への結合は、1もしくは複数の細胞内タンパク質との直接的または間接的な相互作用で細胞膜をわたって連絡している細胞外ドメインに変化を引き起こし、そして酵素活性、細胞形または遺伝子発現プロファイルのような細胞特性を改変する。また受容体は細胞表面に繋がれてなくてもよく、そして細胞質ゾル、核にあってもよく、すなわち細胞から一緒に放出されてもよい。細胞に会合していない受容体は、可溶性受容体と呼ばれる。
本明細書に引用するすべての刊行物または特許は、それらが本発明の現時点での技術の水準を示しており、かつ/または本発明の説明および実施能(enablement)を提供するので、具体的に示されていてもいなくてもしかるべく参照により全部、編入される。刊行物とは任意の科学的または特許公報、あるいはすべての記録された電子的もしくは印刷された形式を含む任意の媒体形式で利用できる他の情報を指す。以下の参考文献は引用により全部、本明細書に編入する:Ausubel,et al.,ed.,Current Protocols in Molecular Biology,John
Wiley & Sons,Inc.,NY(1987−2001);Sambrook,et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,2nd Edition,Cold Spring Harbor,NY(1989);Harlow and Lane,antibodies,a Laboratory Manual,Cold Spring Harbor,NY(1989);Colligan,et al.,eds.,Current Protocols
in Immunology,John Wiley & Sons,Inc.,NY(1994−2001);Colligan et al.,Current Protocols in Protein Science,John Wiley & Sons,NY(1997−2001)。
CXCL13の生物学的機能
CXCL13の新規発現および新規機能、およびリンパ系器官の形成/発達、B細胞小胞形成およびB細胞再集合におけるその生物学的機能は、様々なヒト疾患および動物モデルで同定されてきた。最初に異所性の発現が、肺疾患、特に限定するわけではないがCOPDと関連するリンパ濾胞の形成に結び付けられた。
CXCL13の組成物は、1もしくは複数のタンパク質アイソフォーム、その免疫原性部分、またはそのようなタンパク質をコードするポリヌクレオチドを含んでなることができる。あるいは治療用組成物はCXCL13タンパク質を発現する細胞、またはこの遺伝子によりコードされるポリペプチドを発現する細胞に特異的であるT細胞、または他の種類のアゴニスト、および中和するモノクローナル抗体(mAb)のようなアンタゴニスト剤、核酸に基づく治療薬、またはCXCL13 DNA、RNAまたはタンパク質の任意の部分に対する低分子化合物を含んでなることができる。これらの組成物は例えば免疫が媒介する炎症疾患範囲の防止および処置に使用することができる。サンプル中のCXCL13タンパク質、またはそのようなタンパク質をコードするmRNAの検出に基づく診断
および予防法を開示する。
CXCL13およびその受容体タンパク質、ポリペプチドおよびそれらをコードする核酸分子は、特定の保存された構造および機能的特徴を有する分子のファミリーを含んでなる。これら各分子は、CXCL13の定義に含まれる。本明細書で使用する用語「ファミリー」とは、共通または類似するドメイン構造を有し、そして本明細書で定める十分なアミノ酸またはヌクレオチド配列の同一性を有する2以上のタンパク質または核酸分子を意味することを意図している。ファミリーのメンバーは、同じかまたは異なる種のいずれかであることができる。例えばファミリーは、ヒト起源の2以上のタンパク質を含んでなることができ、あるいはヒト起源の1もしくは複数のタンパク質とヒト以外の起源の1もしくは複数のタンパク質を含んでなることができる。
CXCL13タンパク質に存在できるドメインは、シグナル配列である。本明細書で使用する「シグナル配列」には、膜に結合するタンパク質のアミノ末端に存在し、そしてアラニン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニン、プロリン、チロシン、トリプトファンまたはバリンのような少なくとも約45%の疎水性アミノ酸残基を含む少なくとも約10アミノ酸残基長のペプチドを含む。好適な態様では、シグナル配列は少なくとも約10〜35個のアミノ酸残基、好ましくは約10〜20個のアミノ酸残基を含み、そして少なくとも約35〜60%、より好ましくは40〜50%、そしてより好ましくは少なくとも約45%の疎水性残基を有する。シグナル配列はそのような配列を含有するタンパク質を脂質二重層に向けるために役立つ。すなわち1つの態様では、CXCL13タンパク質はシグナル配列を含むことができる。シグナル配列は成熟タンパク質のプロセッシング中に開裂される。
CXCL13タンパク質は細胞外ドメインを含む。本明細書で使用する「細胞外ドメイン」とは、タンパク質をコードする核酸が細胞中で発現される時、細胞の脂質二重層の非細胞質側に局在化するタンパク質の部分を指す。
さらに、CXCL13タンパク質は膜貫通ドメインを含む。本明細書で使用する「膜貫通ドメイン」は少なくとも約15アミノ酸残基長であり、そしてアラニン、ロイシン、フェニルアラニン、タンパク質(protein)、チロシン、トリプトファンまたはバリンのような少なくとも約65〜70%の疎水性アミノ酸残基を含むアミノ酸配列を指す(Erik,et al.Proc.of.Sixth Int.Conf.on Intelligent Systems for Molecular Biology,p.175−182)。好適な態様では、膜貫通ドメインは少なくとも約15〜30アミノ酸残基、好ましくは約20〜25アミノ酸残基を含み、そして少なくとも60〜80%、より好ましくは65〜75%、そしてより好ましくは少なくとも約70%の疎水性残基を有する。
CXCL13タンパク質は細胞質ドメインを有し、特にカルボキシル末端に細胞質ドメインを有するタンパク質を含む。本明細書で使用する「細胞質ドメイン」は、タンパク質をコードする核酸が細胞中で発現される時、細胞の脂質二重層の細胞質側に局在化するタンパク質の部分を指す。CXCL13タンパク質は典型的には様々な潜在的な翻訳後修飾部位を含んでなる(しばしば細胞外ドメイン内に)。
CXCL13アンタゴニスト
本明細書で使用する用語「CXCL13アンタゴニスト」とは、CXCL13またはその受容体CXCR5の生物学的活性を阻害または中和する物質を指す。そのようなアンタゴニストは、様々な様式でこの効果を現す。CXCL13アンタゴニストの1クラスは、十分な親和性および特異性でCXCL13タンパク質に結合して、CXCL13の生物学
的効果を中和する。このクラスの分子には、抗体および抗体フラグメント(例えばF(ab)もしくはF(ab’)分子のような)を含む。別のクラスのCXCL13アンタゴニストは、CXCL13またはCXCL13の結合パートナーに結合し、これによりCXCL13の生物学的活性を阻害するCXCL13タンパク質のフラグメントまたはムテイン(muteins)、小有機分子、すなわちペプチドミメティックスを含んでなる。CXCL13アンタゴニストは、それがCXCL13の生物学的活性を阻害するかぎり、これら任意のクラスであることができる。CXCL13アンタゴニストは、CXCL13抗体、CXCL13受容体抗体、修飾CXCL13およびCXCL13の部分ペプチドを含む。他のクラスのCXCL13アンタゴニストには、本明細書に開示する当該技術分野で既知のCXCL13の遺伝子配列を標的とするsiRNA、shRNA、アンチセンス分子およびDNAザイムを含む。
したがって本明細書で使用する「CXCL13抗体」、「抗−CXCL13抗体」、「抗−CXCL13抗体部分」または「抗−CXCL13抗体フラグメント」および/または「抗−CXCL13抗体バリアント」等は、限定するわけではないが重もしくは軽鎖の相補性決定領域(CDR)またはそのリガンド結合部分、重鎖もしくは軽鎖可変領域、重鎖もしくは軽鎖定常領域、骨格領域またはそれらの任意の部分の少なくとも1つのような免疫グロブリン分子の少なくとも1つの部分、あるいは本発明で使用するために抗体に取り込むことができるCXCL13タンパク質またはペプチドから誘導されたCXCL13結合タンパク質の少なくとも一部を含んでなる分子を有するタンパク質またはポリペプチドを含む。そのような抗体は任意にさらに、限定するわけではないがそのような抗体がCXCL13活性をインビトロで、その場で、および/またはインビボでモジュレートし、下げ、上げ、拮抗し、作用し、和らげ、改善し、遮断し、阻害し、排除し、かつ/または妨害するような場合、特異的リガンドに影響を及ぼす。非限定的例として、本発明の適切な抗−CXCL13抗体、特定部分またはバリアントは、少なくとも1つのCXCL13タンパク質もしくはペプチド、またはその特異的部分、バリアントまたはドメインに結合することができる。適切な抗−CXCL13抗体、特定部分またはバリアントは、限定するわけではないがRNA、DNAまたはタンパク質合成、CXCL13放出、CXCL13シグナリング、CXCL13結合、CXCL13生産および/または合成のような様々な手段でCXCL13機能に影響を及ぼす。
抗体は少なくとも1つのCDR、少なくとも1つの可変領域、少なくとも1つの定常領域、少なくとも1つの重鎖(例えばg1、g2、g3、g4、m、a1、a2、d、e)、少なくとも1つの軽鎖(例えばkおよびl)、またはそれらの任意の部分もしくはフラグメントを含むことができ、そしてさらに鎖間および鎖内ジスルフィド結合、ヒンジ領域、ヒンジ領域により分離され得るグリコシル化部位、ならびに重鎖および軽鎖の1もしくは複数を含むことができる。軽鎖は典型的には約25Kdの分子量、および重鎖は典型的には約50K〜77Kdの範囲の分子量を有する。軽鎖は2つの異なる形態またはアイソタイプ、カッパ(k)およびラムダ(l)で存在することができ、これらは任意のタイプの重鎖と組合わさることができる。すべての軽鎖は少なくとも1つの可変領域および少なくとも1つの定常領域を有する。IgG抗体は典型的な抗体構造であると考えられ、そして2つの鎖内ジスルフィド結合を軽鎖中に有し(1つは可変領域そして1つは定常領域)、4つのジスルフィド結合を重鎖中に持ち、そしてそのような結合が鎖中に約110のアミノ酸の「ドメイン」を含んでなる約60〜70のアミノ酸のペプチドループを取り囲んでいる。IgG抗体は4つのクラス、IgG1、IgG2、IgG3およびIgG4に特徴付けることができる。各免疫グロブリンのクラスは異なる組の機能を有する。表1に各免疫グロブリンクラスおよびサブクラスの物理化学的特性をまとめる。
Figure 0005758073
表2に、ヒト抗体クラスおよびサブクラスに関する抗体のエフェクター機能の非限定的例をまとめる。
Figure 0005758073
したがって抗体またはそのフラグメントのタイプは、限定するわけではないが血清半減期、静脈内分布、補体結合等のような特定の治療的または診断的用途に望まれる所望の特性および機能に基づき、本発明により使用するために選択することができる。
単離されたCXCL13ポリペプチドまたはそのフラグメントを免疫原として使用して、ポリクローナルおよびモノクローナル抗体の調製のための標準的技術を使用して抗体を生成することができる。完全長のポリペプチドまたはタンパク質を使用することができ、あるいは本発明は免疫原として使用するための抗原性ペプチドフラグメントを提供する。CXCL13タンパク質の抗原性ペプチドは、少なくとも8(好ましくは10、15、20または30以上)のアミノ酸残基を含んでなり、そしてペプチドに対して生じた抗体がタンパク質と特異的な免疫複合体を形成するようにタンパク質のエピトープを包含する。
免疫原は典型的に、ウサギ、ヤギ、マウスまたは他の哺乳動物もしくは脊椎動物のような適切な(すなわち免疫応答性)個体を免疫感作することにより抗体を調製するために使用される。適切な免疫原調製物は、例えば組換え的に発現された、または化学的に合成されたポリペプチドを含むことができる。調製物はさらにフロインド完全もしくは不完全アジュバント、または類似の免疫刺激剤のようなアジュバントを含むことができる。
抗体生産細胞は目的の免疫原で免疫感作されたヒトもしくは他の適切な動物の末梢血、または好ましくは脾臓もしくはリンパ節から得ることができる。任意の他の適切な宿主細胞も本発明の抗体、その特異的フラグメントもしくはバリアントをコードするヘテロロガスな、または内因性の核酸を発現させるために使用することができる。融合細胞(ハイブリドーマ)または組換え細胞は、選択的な培養条件または他の適切な既知の方法を使用して単離し、そして限界希釈もしくはセルソーティングまたは他の方法によりクローン化す
ることができる。所望の特異性を持つ抗体を生産する細胞を適切なアッセイにより選択することができる(例えばELISA)。
1つの取り組みではハイブリドーマは、適切な不死化細胞株(例えば限定するわけではないがSp2/0,Sp2/0−AG14,NSO,NS1,NS2,AE−1,L.5,>243,P3X63Ag8.653,Sp2 SA3,Sp2 MAI,Sp2 SS1,Sp2 SA5,U937,MLA 144,ACT IV,MOLT4,DA−1,JURKAT,WEHI,K−562,COS,RAJI,NIH 3T3,HL−60,MLA 144,NAMALWA,NEURO 2A等のようなミエローマ細胞株)、またはヘテロミエローマ、その融合産物、またはそれらから派生する任意の細胞もしくは融合細胞、または当該技術分野で知られている他の適切な細胞株(例えばwww.atcc.org,www.lifetech.comなどを参照にされたい)を、限定するわけではないが単離もしくはクローン化された脾臓、末梢血、リンパ、扁桃または他の免疫もしくはB細胞含有細胞のような抗体生産細胞と、あるいは重鎖もしくは軽鎖定常もしくは可変もしくは骨格もしくはCDR配列を内因性もしくはヘテロロガスないずれかの核酸として、組換え体として、もしくは内因性の、ウイルスの、細菌の、藻類の、原核生物の、両生類の、昆虫の、爬虫類の、魚の、哺乳動物の、齧歯類の、ウマの、ウシの、ヤギの、ヒツジの、霊長類の、真核生物の、ゲノムのDNA、cDNA、rDNA、ミトコンドリアのDNAもしくはRNA、クロロプラストDNAもしくはRNA、hnRNA、mRNA、tRNA、単鎖、二本鎖もしくは三本鎖、ハイブリダイズされたもの、またはその組み合わせなどとして発現する任意の他の細胞と融合することにより生産される。例えばAusubel,supra,およびColligan,Immunology,supra,chapter 2を参照されたい(引用により本明細書に編入する)。
必要とする特異性の抗体を生産し、または単離する他の適切な方法を使用でき、それらには限定するわけではないがペプチドまたはポリペプチドライブラリーから組換え抗体を選択する方法(例えば限定するわけではないがバクテリオファージ、リボソーム、オリゴヌクレオチド、RNA、cDNA等のディスプレイライブラリー;例えばCambridge antibody Technologies,Cambridgeshire,UK;MorphoSys,Martinsreid/Planegg,DE;Biovation,Aberdeen,Scotland,UK;BioInvent,Lund,Sweden;Dyax Corp.,Enzon,Affymax/Biosite;Xoma,Berkeley,CA; Ixsysから入手可能)を含む。例えば欧州特許第368,684号明細書、国際特許出願第PCT/GB91/01134号;同第PCT/GB92/01755号;同第PCT/GB92/002240号;同第PCT/GB92/00883号;同第PCT/GB93/00605号明細書;米国特許第5,962,255号明細書;国際特許出願第PCT/GB94/01422号;同第PCT/GB94/02662号;同第PCT/GB97/01835号明細書;(CAT/MRC);国際公開第WO90/14443号;同第WO90/14424号;同第WO90/14430号パンフレット;国際特許出願第PCT/US94/1234号明細書;国際公開第WO92/18619号;同第WO96/07754号パンフレット;(Scripps);欧州特許第EP614 989号明細書(MorphoSys);国際公開第WO95/16027号(BioInvent);同第WO88/06630号;同第WO90/3809号パンフレット(Dyax);米国特許第4,704,692号明細書(Enzon);国際特許出願PCT/US91/02989号明細書(Affymax);国際公開第WO89/06283号パンフレット;欧州特許第EP371 998号;同第EP550 400号;(Xoma);同第EP229 046号明細書;国際特許出願第PCT/US91/07149号明細書(Ixsys);あるいは確率論的に生産されるペプチドまたはポリペプチド−米国特許第5723323号、同第5763192号、同第5814476号、同第5817483号、同第5824514号お
よび同第5976862号明細書、国際公開第WO86/05803号パンフレット、欧州特許第EP590 689号明細書(Ixsys、現在はApplied Molecular Evolution(AME)を参照にされたい。各々、引用により本明細書に編入する)、あるいはトランスジェニック動物の免疫感作に依存する方法(例えばSCID mice,Nguyen et al.,Microbiol.Immunol.41:901−907(1997);Sandhu et al.,Crit.Rev.Biotechnol.16:95−118(1996);Eren et al.,Immunol.93:154−161(1998)、各々ならびに当該技術分野で知られており、および/または本明細書に記載するようなヒト抗体のレパートリーを生産できる関連する特許および出願は引用により本明細書に編入する。そのような技術には限定するわけではないが、リボゾームディスプレイ(Hanes et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,94:4937−4942(May 1997);Hanes et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,95:14130−14135(Nov.1998));単一細胞抗体生産技術(例えば選択されたリンパ球抗体法(“SLAM”)(米国特許第5,627,052号明細書、Wen et al.,J.Immunol.17:887−892(1987);Babcook
et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 93:7843−7848(1996));ゲルマイクロドロップレット(gel microdroplet)およびフローサイトメトリー(Powell et al.,Biotechnol.8:333−337(1990);一細胞系、Cambridge,MA;Gray et al.,J.Imm.Meth.182:155−163(1995);Kenny et al.,Bio/Technol.13:787−790(1995));B−細胞選択(Steenbakkers et al.,Molec.Biol.Reports 19:125−134(1994);Jonak et al.,Progress Biotech,Vol.5,In Vitro Immunization in Hybridoma Technology,Borrebaeck,ed.,Elsevier Science Publishers B.V.,Amsterdam,Netherlands(1988))を含む。
ヒト以外のまたはヒトの抗体を工作(engineering)またはヒト化(humanizing)する方法も使用することができ、そして当該技術分野では周知である。一般にヒト化または工作された抗体は、ヒト以外の起源、、例えば限定するわけではないがマウス、ラット、ウサギ、ヒト以外の霊長類または他の哺乳動物に由来する1もしくは複数のアミノ酸残基を有する。ヒトのアミノ酸残基はしばしば「輸入(import)」残基と呼ばれ、これは典型的には既知のヒト配列の「輸入」可変、定常または他のドメインから取られる。既知のヒトIg配列は例えばwww.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/query.fcgi;www.ncbi.nih.gov/igblast;
www.atcc.org/phage/hdb.html;www.mrc-cpe.cam.ac.uk/ALIGNMENTS.php;
www.kabatdatabase.com/top.html;ftp.ncbi.nih.gov/repository/kabat;www.sciquest.com;
www.abcam.com;www.antibodyresource.com/onlinecomp.html;
www.public.iastate.edu/~pedro/research_tools.html;www.whfreeman.com/immunology/CH05/kuby05.htm;www.hhmi.org/grants/lectures/1996/vlab;www.path.cam.ac.uk/~mrc7/mikeimages.html;mcb.harvard.edu/BioLinks/Immunology.html;www.immunologylink.com;pathbox.wustl.edu/~hcenter/index.html;
www.appliedbiosystems.com;www.nal.usda.gov/awic/pubs/antibody;www.m.ehime-u.ac.jp/~yasuhito/Elisa.html;www.biodesign.com;www.cancerresearchuk.org;
www.biotech.ufl.edu;www.isac-net.org;baserv.uci.kun.nl/~jraats/links1.html;www.recab.uni-hd.de/immuno.bme.nwu.edu;www.mrc-cpe.cam.ac.uk;www.ibt.unam.mx/vir/V_mice.html;http://www.bioinf.org.uk/abs;antibody.bath.ac.uk;www.unizh.ch;
www.cryst.bbk.ac.uk/~ubcg07s;www.nimr.mrc.ac.uk/CC/ccaewg/ccaewg.html;
www.path.cam.ac.uk/~mrc7/humanisation/TAHHP.html;
www.ibt.unam.mx/vir/structure/stat_aim.html;www.biosci.missouri.edu/smithgp/index.html;
www.jerini.de;Kabat et al.,Sequences of Proteins of Immunological Interest,U.S.Dept.Health(1983)に開示され、各々は全部、引用により本明細書に編入する。
そのような輸入配列は、免疫原性を下げ、または結合、親和性、オン−レイト(on−rate)、オフ−レイト(off−rate)、アビディティ(avidity)、特異性、半減期または当該技術分野で知られているような他の適切な特性を下げ、強化し、または修飾するために使用できる。一般にヒト以外またはヒトのCDR配列の一部または全部が維持されると同時に、ヒト以外の配列の可変および定常領域がヒトまたは他のアミノ酸に置き換えられる。また抗体は任意に抗原に対する高親和性および他の好ましい生物学的特性を保持してヒト化され得る。この目的を達成するために、ヒト化抗体は場合により親の、そしてヒト化された配列の三次元モデルを使用して、親の配列および種々の概念のヒト化生成物の分析工程により調製することができる。三次元的な免疫グロブリンモデルは一般的に利用可能であり、そして当業者にはよく知られている。選択された候補となる免疫グロブリン配列の可能な三次元的立体構造を説明し、そして表示するコンピュータープログラムを利用することができる。これら表示を考察することにより、候補となる免疫グロブリン配列の機能における残基の役割の見込みを分析すること、すなわち候補の免疫グロブリンがその抗原に結合する能力に影響する残基の分析が可能となる。このようにFR残基は、標的抗原(1もしくは複数)に対する上昇した親和性のような所望の抗体特性が達成されるように、コンセンサスおよび輸入配列から選択され、そして組み合わせることができる。一般にCDR残基は直接的かつ最も実質的に抗原結合の影響に関与している。本発明の抗体のヒト化または工作は、限定するわけではないがWinter(Jones et al.,Nature 321:522(1986);Riechmann
et al.,Nature 332:323(1988);Verhoeyen et al.,Science 239:1534(1988)),Sims et al.,J.Immunol.151:2296(1993);Clothia and Lesk,J.Mol.Biol.196:901(1987),Carter et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.89:4285(1992);Presta et al.,J.Immunol.151:2623(1993)、米国特許第5723323号;同第5976862号;同第5824514号;同第5817483号;同第5814476号;同第5763192号;同第5723323号;同第5766886号;同第5714352号;同第6204023号;同第6180370号;同第5693762号;同第5530101号;同第5585089号;同第5225539号;および同第4816567号明細書、国際特許出願第PCT/:US98/16280号;同第US96/18978号;同第US91/09630号;同第US91/05939号;同第US94/01234号;同第GB89/01334号;同第GB91/01134号;同第GB92/01755号明細書;国際公開第WO90/14443号;同第WO90/14424号;および同第WO90/14430号パンフレット;欧州特許第EP229246号明細書に記載されているような任意の既知の方法を使用して行うことができる(これら各々はそこに引用されている文献を含め全部、参照により全部、本明細書に編入する)。
またCXCL13抗体は、本明細書に記載し、かつ/または当該技術分野で知られているようにヒト抗体のレパートリーを生産することができるトランスジェニック動物(例えばマウス、ラット、ハムスター、ヒト以外の霊長類等)の免疫感作により任意に生成することもできる。ヒトのCXCL13抗体を生産する細胞は、本明細書に記載する方法のよ
うな適切な方法を使用してそのような動物から単離され、そして不死化させることができる。
ヒトの抗原に結合するヒト抗体のレパートリーを生産することができるトランスジェニックマウスは、既知の方法により生産することができる(例えば限定するわけではないがLonberg et al.へ発効された米国特許第:5,770,428,5,569,825,5,545,806,5,625,126,5,625,825,5,633,425,5,661,016および5,789,650号明細書;Jakobovits et al.国際公開第WO98/50433号パンフレット,Jakobovits et al.国際公開第WO98/24893号パンフレット,Lonberg et al.国際公開第WO98/24884号パンフレット,Lonberg et al.国際公開第WO97/13852号パンフレット,Lonberg et al.国際公開第WO94/25585号パンフレット,Kucherlapate et al.国際公開第WO96/34096号パンフレット,Kucherlapate et
al.欧州特許出願公開第EP0463 151 B1号明細書,Kucherlapate et al.欧州特許出願公開第EP0710 719 A1号明細書,Surani et al.米国特許第5,545,807号明細書,Bruggemann et al.国際公開第WO90/04036号パンフレット,Bruggemann et al.欧州特許出願公開第EP0438 474 B1号明細書,Lonberg
et al.欧州特許出願公開第EP0814 259 A2号明細書,Lonberg et al.英国特許出願第GB 2 272 440 A号明細書,Lonberg et al.Nature 368:856−859(1994),Taylor et al.,Int.Immunol.6(4)579−591(1994),Green et al,Nature Genetics 7:13−21(1994),Mendez et al.,Nature Genetics 15:146−156(1997),Taylor et al.,Nucleic Acids Research 20(23):6287−6295(1992),Tuaillon et al.,Proc Natl Acad Sci USA 90(8)3720−3724(1993),Lonberg et al.,Int Rev Immunol 13(1):65−93(1995)and Fishwald et al.,Nat Biotechnol 14(7):845−851(1996)、これらは各々、引用により全部、本明細書に編入する)。一般にこれらマウスは機能的に再配列された、または機能的な再配列を受けることができる少なくとも1つのヒト免疫グロブリン座(locus)からのDNAを含んでなる少なくとも1つの導入遺伝子(transgene)を含んでなる。そのようなマウスの内因性の免疫グロブリン座は、破壊されるか、または削除されて内因性遺伝子がコードする抗体を生産する動物の能力を排除する。
本発明の抗体はヤギ、ウシ、ウマ、ヒツジ等のようなそれらの乳の中に抗体を生産するトランスジェニック動物または哺乳動物に、少なくとも1つの抗CXCL13抗体をコードする核酸を投与することにより乳中に調製することもできる。そのような動物は既知の方法を使用して準備することができる。例えば限定するわけではないが米国特許第5,827,690;5,849,992;4,873,316;5,849,992;5,994,616;5,565,362;5,304,489号明細書等を参照にされたい(各々、引用により全部、本明細書に編入する)。本発明の抗体は、少なくとも1つのCXCL13抗体をコードする核酸を使用して、そのような抗体、特異的部分またはバリアントを植物の一部またはそれらから培養した細胞中に生産するトランスジェニック植物および培養された植物細胞(例えば限定するわけではないがタバコおよびトウモロコシ)を提供することによりさらに調製することができる。
本発明の抗体はヒトのCXCL13に広い範囲の親和性(K)で結合することができ
る。好適な態様では、本発明の少なくとも1つのヒトmAbは、任意にヒトCXCL13に高い親和性で結合することができる。例えばヒトmAbはヒトCXCL13に限定するわけではないが0.1−9.9(またはその中の任意の範囲または値)X 10−7、10−8、10−9、10−10、10−11、10−12、10−13(またはその中の任意の範囲または値)のような約10−7M以下のKで結合することができる。
抗体の抗原に対する親和性またはアビディティは、適切な方法を使用して実験的に測定することができる。(例えばBerzofsky,et al.,“Antibody−Antigen Interactions,”In Fundamental Immunology,Paul,W.E.,Ed.,Raven Press:New York,NY(1984);Kuby,Janis Immunology,W.H.Freeman and Company:New York,NY(1992);およびそこに記載されている方法を参照にされたい)。特定の抗体−抗原相互作用の測定される親和性は、異なる条件で測定されれば変動し得る(例えば、塩濃度、pH)。すなわち親和性および他の抗原−結合パラメーター(例えばK,K,K)の測定は、好ましくは抗体および抗原の標準化された溶液、および本明細書に記載するバッファーのような標準化バッファーを用いて行われる。
CXCL13アンタゴニスト(例えばモノクローナル抗体)は、アフィニティクロマトグラフィーまたは免疫沈降のような標準的技術によりCXCL13ポリペプチドを単離するために使用することができる。さらにそのような抗体は、ポリペプチドの量(abundance)および発現パターンを評価するために、タンパク質(例えば細胞溶解物または細胞上清中)を検出するために使用することができる。また抗体は例えば所定の処理計画の効力を測定するために、臨床的試験法の一部として組織内のタンパク質レベルを監視するために診断的に使用することもできる。検出は抗体を検出可能な物質にカップリングすることにより促進することができる。検出可能な物質の例には種々の酵素、補欠分子族、蛍光物質、発光物質、生物発光物質および放射性物質がある。適切な酵素の例には、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、β−ガラクトシダーゼおよびアセチルコリンエステラーゼを含み;適切な補欠分子族複合体の例にはストレプトアビジン/ビオチンおよびアビジン/ビオチンを含む;適切な蛍光物質の例にはウンベリフェロン、フルロオレセイン、フルロオレセインイソチオシアネート、ローダミン、ジクロロトリアジニルアミン フルオレセイン、ダンシルクロライドまたはフィコエリトリンを含む;発光物質の例にはルミノールを含む;生物発光物質の例にはルシフェラーゼ、ルシフェリンおよびエクオリンを含み、そして適切な放射性物質の例には125I、131I、35SまたはHを含む。
用語「抗体」は、さらに抗体(複数)、その消化フラグメント、特定部分およびバリアントを包含することを意図し、それらには抗体ミメティックスを含むか、または抗体もしくはその特定のフラグメントもしくは部分の構造および/または機能を模する抗体の部分を含んでなり、それらには単鎖抗体およびそのフラグメントがある。機能的フラグメントには哺乳動物のCXCL13に結合する抗原−結合フラグメントを含む。例えば限定するわけではないがFab(例えばパパイン消化による)、Fab’(例えばペプシン消化および部分的還元による)、およびF(ab’)2(例えばペプシン消化による)、facb(例えばプラスミン消化による)、pFc’(例えばペプシンまたはプラスミン消化による)、Fd(例えばペプシン消化、部分的還元、および再凝集による)、FvまたはscFv(例えば分子生物学的技術による)フラグメントを含むCXCL13またはその部分に結合することができる抗体のフラグメントが本発明に包含される(例えばColligan,Immunology,supraを参照にされたい)。
そのようなフラグメントは、当該技術分野で知られかつ/または本明細書に記載する酵
素的分解、合成または組換え技法により生産することができる。また抗体は、1もしくは複数の停止コドンが天然の停止部位の上流に導入された抗体遺伝子を使用して、様々な切頭化(trancated)形で生産することもできる。例えばF(ab’)2重鎖部分をコードする組み合わせ遺伝子は、重鎖のC1ドメインおよび/またはヒンジ領域をコードするDNA配列を含むように設計することができる。様々な抗体の部分を、通常の技術により化学的に一緒に連結することができ、またはそれらを遺伝子工学的技術を使用して連続タンパク質として調製することができる。
抗−CXCL13抗体は、霊長類、齧歯類またはヒト抗体であるか、またはキメラもしくはヒト化抗体であることができる。本明細書で使用する用語「ヒト抗体」は、実質的にタンパク質の各部分(例えばCDR、骨格、CL、CHドメイン(例えばC1、C2、C3)、ヒンジ、(VL、VH))が実質的にヒトで非免疫原性であり、わずかな配列の変化または変形(variation)があり、かつ/または既知のヒト抗体成分に工作されるか、またはそれから誘導化されるか、またはそれを含む抗体を指す。同様に、霊長類(サル、ヒヒ、チンパンジー等)、齧歯類(マウス、ラット、ウサギ、モルモット、ハムスター等)および他の哺乳動物を示す抗体は、そのような種、亜属、属、サブ−ファミリー、ファミリーに特異的な抗体を表す。さらに本発明のキメラ抗体は、上記の任意の組み合わせを含むことができる。そのような変化または変形は、任意にそして好ましくは非修飾化抗体に比べてヒトまたは他の種での免疫原性を保持または減少する。このようにヒト抗体はキメラまたはヒト化抗体とは異なる。ヒト抗体は、機能的に再配列したヒト免疫グロブリン(例えば重鎖および/または軽鎖)遺伝子を発現することができるヒト以外の動物または原核もしくは真核細胞により生産することができると指摘される。さらにヒト抗体が単鎖抗体である場合、これは自然なヒト抗体には見いだされないリンカーペプチドを含んでなることができる。例えばFvは2〜約8個のグリシンまたは他のアミノ酸残基のようなリンカーペプチド(これは重鎖の可変領域および軽鎖の可変領域を連結する)を含んでなることができる。そのようなリンカーペプチドはヒト起源であると考えられる。
また少なくとも2つの異なる抗原に対する結合特異性を有するモノクローナル、好ましくはヒトもしくはヒト化された抗体である二重特異性、ヘテロ特異性、ヘテロ結合体または類似の抗体も使用することができる。この場合、結合特異性の1つは少なくとも1つのCXCL13タンパク質に関し、もう1つは他の任意の抗原、例えばCXCL13受容体またはTNFαに関する。二重特異性抗体の作成法は、当該技術分野で知られている。典型的には二重特異性抗体の組換え生産は、2つの免疫グロブリン重鎖−軽鎖対の同時発現に基づき、ここで2つの重鎖は異なる特異性を有する(Milstein and Cuello,Nature 305:537(1983))。免疫グロブリン重鎖および軽鎖の無作為な取り合わせの故に、これらのハイブリドーマ(クワドローマ:quadromas)は10種の抗体分子の混合物を生産する可能性があり、その中のただ1つが正しい二重特異的構造を有する。通常、アフィニティクロマトグラフィー工程により行われる正しい分子の精製は、むしろ煩わしく、そして生成物の収量は低い。類似の手法が例えば国際公開第WO93/08829号パンフレット、米国特許第6210668号、同第6193967号、同第6132992号、同第6106833号、同第6060285号、同第6037453号、同第6010902号、同第5989530号、同第5959084号、同第5959083号、同第5932448号、同第5833985号、同第5821333号、同第5807706号、同第5643759号、同第5601819号、同第5582996号、同第5496549号、同第4676980号明細書、国際公開第W091/00360号、同第WO92/00373号パンフレット、欧州特許第EP03089明細書、Traunecker et al.,EMBO J.10:3655(1991),Suresh et al.,Methods in Enzymology 121:210(1986)に開示され、これらの各々は引用により全部、
本明細書に編入する。
本発明の方法および組成物に有用な抗−CXCL13抗体は、任意にCXCL13に対する高親和性の結合および任意に、かつ好ましくは低い毒性を有することを特徴とし得る。特に本発明の抗体、特異的フラグメントまたはバリアントは、可変領域、定常領域および骨格のような個別の成分が別々に、および/または集合的に任意に、そして好ましくは低い免疫原性を保有する場合、本発明で有用となる。本発明で使用できる抗体は、任意にそれらが長期間、症状の測定可能な改善、および低い、および/または許容できる毒性で患者を処置する能力を特徴とする。低い、または許容され得る免疫原性および/または高親和性、ならびに他の適切な特性は達成される治療的成果に貢献し得る。「低い免疫原性」は本明細書では重要なHAHA、HACAまたはHAMA応答を処置した患者の約75%未満、または好ましくは約50%未満で生じ(raising)かつ/または処置した患者の低い力価(titres)を生じることと定義する(二重抗原酵素イムノアッセイで測定される約300未満、好ましくは約100未満)(Elliott et al.,Lancet 344:1125−1127(1994)、全部、引用により本明細書に編入する)。
適切な抗体にはヒトCXCL13に対する結合を、CXCL13の活性化を遮断するモノクローナル抗体と競合するものを含む。
siRNA、shRNA、アンチセンス、リボザイムおよびDNAザイムの形態でのCXCL13アンタゴニスト
CXCL13のインデューサーを治療の標的とすることは、成功のより良いチャンスを提供することができる。遺伝子発現は、siRNA、shRNA、アンチセンス分子、リボザイムおよびDNAザイムの使用を含め、幾つかの異なる方法でモジュレートすることができる。合成siRNA、shRNA、リボザイムおよびDNAザイムは、1もしくは複数の遺伝子を特異的に標的とするように設計することができ、そしてそれらはインビトロまたはインビボで細胞に容易に送達されることができる。
本発明はアンチセンス核酸分子、すなわちCXCL13ポリペプチドをコードするセンス核酸に相補的である分子、例えば二本鎖cDNA分子のコード鎖に相補的、あるいはmRNA配列に相補的である分子を包含する。したがってアンチセンス核酸はセンス核酸と水素結合することができる。アンチセンス核酸は全コード鎖に相補的であることができ、あるいはその一部のみに相補的であることができ、例えばタンパク質のコード領域(またはオープンリーディングフレーム)のすべてまたは一部に相補的であることができる。アンチセンス核酸分子は、CXCL13ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列のコード鎖の非コード領域のすべてまたは一部にアンチセンスであることができる。非コード領域(「5’および3’非翻訳領域」)は、コード領域を挟み、そしてアミノ酸に翻訳されない5’および3’配列である。
アンチセンスオリゴヌクレオチドは、例えば約5、10、15、20、25、30、35、40、45または50以上のヌクレオチド長であることができる。本発明のアンチセンス核酸は、当該技術分野で既知の手順を使用した化学的合成および酵素連結反応を使用して構築することができる。例えばアンチセンス核酸(例えばアンチセンスオリゴヌクレオチド)は自然に存在するヌクレオチドであるか、または分子の生物学的安定性を上げるために、またはアンチセンスとセンスヌクレオチドとの間に形成される二本鎖の物理的安定性を上げるために設計された様々な修飾ヌクレオチド、例えばホスホロチオエート誘導体、ペプチド核酸(PNA)およびアクリジン置換ヌクレオチドを使用して化学的に合成されることができる。アンチセンス核酸を生成するために使用できる修飾ヌクレオチドの例には、5−フルオロウラシル,5−ブロモウラシル、5−クロロウラシル,5−ヨード
ウラシル、ヒポキサンチン、キサンチン、4−アセチルシトシン、5−(カルボキシヒドロキシルメチル)ウラシル、5−カルボキシメチルアミノメチル−2−チオウリジン、5−カルボキシメチルアミノメチルウラシル、ジヒドロウラシル、ベータ−D−ガラクトシルクエオシン、イノシン、N6−イソペンテニルアデニン、1−メチルグアニン、1−メチルイノシン、2,2−ジメチルグアニン、2−メチルアデニン、2−メチルグアニン、3−メチルシトシン、5−メチルシトシン、N6−アデニン、7−メチルグアニン、5−メチルアミノメチルウラシル、5−メトキシアミノメチル−2−チオウラシル、ベータ−D−マンノシルケオシン、5’−メトキシカルボキシメチルウラシル、5−メトキシウラシル、2−メチルチオ−N6−イソペンテニルアデニン、ウラシル−5−オキシ酢酸(v)、ワイブトキソシン(wybutoxosine)、プソイドウラシル、クエオシン(queosine)、2−チオシトシン、5−メチル−2−チオウラシル、2−チオウラシル、4−チオウラシル、5−メチルウラシル、ウラシル−5−オキシ酢酸メチルエステル、ウラシル−5−オキシ酢酸(v)、5−メチル−2−チオウラシル、3−(3−アミノ−3−N−2−カルボキシプロピル)ウラシル、(acp3)wおよび2,6−ジアミノプリンがある。あるいはアンチセンス核酸は、核酸がアンチセンス方向にサブクローン化された発現ベクターを使用して生物学的に生産することができる(すなわち挿入された核酸から転写されたRNAは、目的の標的核酸に対してアンチセンス方向である。以下の章でさらに記載する)。
本発明のアンチセンス核酸分子は、典型的にはそれらが選択したCXCL13ポリペプチドをコードする細胞のmRNAおよび/またはゲノムDNAとハイブリダイズするか、または結合して、これにより例えば転写および/または翻訳を阻害することにより発現を阻害するように、個体に投与されるか、またはその場で生成される。ハイブリダイゼーションは安定な二本鎖を形成するために通常のヌクレオチド相補性によるものであることができ、すなわち例えばDNA二本鎖に結合するアンチセンス核酸分子の場合、二重ヘリックスの主溝での特異的相互作用を介する。本発明のアンチセンス核酸分子の投与経路の例には、組織部位での直接的注射を含む。あるいはアンチセンス核酸分子は選択した細胞を標的化するために修飾し、次いで全身的に投与することができる。例えば全身的投与について、アンチセンス分子はそれらが選択した細胞の表面上に発現した受容体または抗原に特異的に結合するように、例えばアンチセンス核酸分子を、細胞表面受容体または抗原に結合するペプチドまたは抗体に連結することにより修飾することができる。またアンチセンス核酸分子は、本明細書に記載するベクターを使用して細胞に送達することもできる。アンチセンス分子の十分な細胞内濃度を達成するために、アンチセンス核酸分子が強力なpol IIまたはpol IIIプロモーターの制御下に置かれているベクター構築物が好適である。
本発明のアンチセンス核酸分子はα−アノマー核酸分子である。α−アノマー核酸分子は相補的RNAと特異的な二本鎖ハイブリッドを形成し、ここでは通常のα−単位とは対照的に、鎖が互いに平行に走る(Gaultier et al.(1987)Nucleic Acids Res.15:6625−6641)。またアンチセンス核酸分子は、2’−o−メチルリボヌクレオチド(Inoue et al.(1987)Nucleic Acids Res.15:6131−6148)またはキメラRNA−DNA類似体(Inoue et al.(1987)FEBS Lett.215:327−330)を含んでなることができる。
また本明細書はリボザイムも包含する。リボザイムはmRNAのような一本鎖核酸をそれらが相補的領域を有するmRNAに分解することができるリボヌクレアーゼ活性をもつ触媒的RNA分子である。すなわちリボザイム(例えばHaselhoff and Gerlach(1988)Nature 334:585−591に記載されているようなハンマーヘッドリボザイム)は、mRNA転写産物を触媒的に分解して、これによりm
RNAによりコードされるタンパク質の翻訳を阻害するために使用することができる。CXCL13ポリペプチドをコードする核酸分子に特異性を有するリボザイムは、本明細書に開示するcDNAのヌクレオチド配列に基づき設計することができる。例えばテトラヒメナL−19 IVS RNA誘導体は、活性部位のヌクレオチド配列が分解されるヌクレオチド配列に相補的であるように構築することができる(Cech et al.,米国特許第4,987,071号明細書;およびCech et al.,米国特許第5,116,742号明細書)。あるいはCXCL13ポリペプチドをコードするmRNAは、RNA分子のプールから特異的リボヌクレアーゼ活性を有する触媒的RNAを選択するために使用することができる。例えばHaselhoff and Gerlach supra;Bartel and Szostak(1993)Science 261:1411−1418を参照にされたい。
また本発明は、特異的遺伝子発現、この場合CXCL13をダウンモジュレートし、故にタンパク質発現を抑制し、そしてそれら各々の生物学的機能を解明するために使用することができる相補体、アンチセンス、二本鎖相同体、siRNAであるか、または短いヘアピン構造shRNA(集合的に干渉RNA)を形成する単鎖RNAに特異的な配列であるリボ核酸分子を包含する。(Fire,A.,et al.(1998)Nature
391:806−811;Paddison,P.J.et al.(2002)Genes Develop 16:948−958)。
本発明はさらにRNA(Breaker and Joyce,1994;Santoro and Joyce,1997)またはDNA(Carmi et al.,1996)分子を分解することができるDNAザイムを包含する。そのような核酸酵素の触媒的分解速度は、Ba2+、Sr2+、Mg2+、Ca2+、Ni2+、Co2+、Mn2+、Zn2+およびPb2+のような二価の金属イオンの存在および濃度に依存する(Santoro and Joyce,1998;Brown et al.,2003)。
10:23および8:17のDNAザイムのような触媒的DNAザイムは、多くのドメインを有する。DNAザイムは基質に特異的に結合する配列の領域である、2つの非保存基質結合のドメイン(ハイブリダイジングアーム)により挟まれた保存された触媒ドメイン(触媒的コア)を有する。この10:23および8:17のDNAザイムは特異的RNAホスホジエステル結合で核酸基質を分解することができる(Santoro and Joyce,1997)。この10:23のDNAザイムは、2つの基質認識アームにより挟まれた15個のデオキシヌクレオチドの触媒ドメインを有する。8:17のDNAザイムは類似サイズである。
触媒的核酸は、最小の要件を満たす標的配列で核酸基質を開裂することができる。基質配列は触媒的核酸がハイブリダイズするアームに実質的に相補的でなければならず、そして基質は開裂の部位に特異的配列を含まなければならない。開裂部位での特異的配列の要件には、例えば10:23DNAザイムによる開裂のためのプリン:ピリミジンリボヌクレオチド配列を含む(Santoro and Joyce,1997)。
様々な態様において、本発明の核酸分子を塩基部分、糖部分またはリン酸骨格で修飾して、例えば分子の安定性、ハイブリダイゼーションまたは溶解性を改善することができる。例えば上記のようなヌクレオチド類似体を自然に存在するヌクレオチドに置換することができる。
別の例では、核酸のデオキシリボースのリン酸骨格を修飾してペプチド核酸を生成することができる(Hyrup et al.(1996)Bioorganic & Me
dicinal Chemistry 4(1):5−23を参照にされたい)。本明細書で使用するように、用語「ペプチド核酸」または「PNA」は、核酸模造物、例えばDNA模造物を指し、ここではデオキシリボースのリン酸骨格がプソイドペプチド骨格に置き換えられ、そしてわずか4個の天然のヌクレオ塩基が保持されている。PNAの天然の骨格は、低イオン強度の条件下でDNAおよびRNAへの特異的ハイブリダイゼーションを可能にすることが示された。PNAオリゴマーの合成は、Hyrup et al.(1996),supra;Perry−O’Keefe et al.(1996)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 93:14670−675に記載されているような標準的固相ペプチド合成プロトコールを使用して行うことができる。
PNAは治療的および診断的応用に使用することができる。例えばPNAは、例えば転写もしくは翻訳の停止を誘導することにより、または複製を阻害することにより、遺伝子発現の配列特異的モジュレーションのためのアンチセンスまたは抗遺伝子剤(antigene agent)として使用され得る。またPNAは、例えばPNA依存的PCRクランピング(DNA directed PCR clamping)により例えば遺伝子の単一塩基対突然変異の分析に;他の酵素、例えばS1ヌクレアーゼ(Hyrup(1996),supra)と組み合わせて使用する時に人工的な制限酵素として;あるいはDNA配列およびハイブリダイゼーションのプローブもしくはプライマーとして(Hyrup(1996),supra;Perry−O’Keefe et al.(1996)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 93:14670−675)使用することができる。
別の態様では、PNAは例えばそれらの安定性または細胞の取り込みを強化するために親油性もしくは他のヘルパー基をPNAに結合させることにより、PNA−DNAキメラの形成により、あるいはリポソームまたは当該技術分野で知られている他の薬剤速達技術の使用により修飾することができる。例えばPNAとDNAの利点を組み合わせることができるPNA−DNAキメラを生成することができる。そのようなキメラはDNA認識酵素、例えばRNASE HおよびDNAポリメラーゼがDNAの部分と相互作用できるようにすると同時に、PNA部分は高い結合親和性および特異性を提供する。PNA−DNAキメラは塩基のスタッキング、ヌクレオ塩基間の結合数、および方向のという意味で選択される適切な長さのリンカーを使用して連結することができる(Hyrup(1996),supra)。PNA−DNAキメラの合成はHyrup(1996),supra,and Finn et al.(1996)Nucleic Acids Res.24(17):3357−63に記載されているように行うことができる。例えばDNA鎖は、標準的なホスホロアミダイトカップリング化学および修飾されたヌクレオシド類似体を使用して固体支持体上で合成することができる。5’−(4−メトキシトリチル)アミノ−5’−デオキシ−チミジンホスホロアミダイトのような化合物は、をPNAとDNAの5’末端との間のリンクとして使用することができる(Mag et al.(1989)Nucleic Acids Res.17:5973−88)。次いでPNAモノマーを段階的様式でカップリングして5’PNAセグメントおよび3’DNAセグメントを持つキメラ分子を生成する(Finn et al.(1996)Nucleic Acids Res.24(17):3357−63)。あるいはキメラ分子は5’DNAセグメントおよび3’PNAセグメントを用いて合成することができる(Peterser et al.(1975)Bioorganic Med.Chem.Lett.5:1119−11124)。
他の態様では、オリゴヌクレオチドはペプチド(例えばインビボで宿主細胞受容体を標的とするために)、あるいは細胞膜(例えばLetsinger et al.(1989)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:6553−6556;Lemaitre et al.(1987)Proc.Natl.Acad.Sci.US
A 84:648−652;国際公開第WO88/09810号パンフレットを参照にされたい)、または血液脳関門(例えば国際公開第WO89/10134号パンフレットを参照にされたい)をわたる輸送を容易する作用物質のような他の追加の基を含むことができる。さらにオリゴヌクレオチドはハイブリダイゼーション−誘起型分解剤(例えばKrol et al.(1988)Bio/Techniques 6:958−976を参照にされたい)または挿入剤(intercalating agent)(例えばZon(1988)Pharm.Res.5:539−549を参照にされたい)で修飾することができる。このためにオリゴヌクレオチドを別の分子、例えばペプチド、ハイブリダイゼーション誘起型架橋結合剤、輸送剤、ハイブリダイゼーション誘起型分解剤などにコンジュゲートさせることができる。
タンパク質
また本発明はキメラまたは融合タンパク質も提供する。本明細書で使用する「キメラタンパク質」または「融合タンパク質」は、ヘテロロガスなポリペプチド(すなわち同じCXCL13ポリペプチド以外のポリペプチド)に操作可能に連結された(operably linked)CXCL13ポリペプチドのすべてまたは一部(好ましくは生物学的に活性)を含んでなる。融合タンパク質内で、用語「操作可能に連結された」とはCXCL13ポリペプチドおよびヘテロロガスなポリペプチドがインフレーム(in−frame)で互いに融合していることを示すことを意図している。ヘテロロガスなポリペプチドは、CXCL13ポリペプチドのアミノ末端またはカルボキシル末端に融合することができる。別の態様では、CXCL13ポリペプチドまたはそのドメインもしくは活性フラグメントを、ヘテロロガスなタンパク質配列またはそのフラグメントと融合してキメラタンパク質を形成することができ、ここでポリペプチド、ドメインまたはフラグメントは、端と端で融合していないが、ヘテロロガスなタンパク質の骨格(framework)内に挿入されている。
1つの有用な融合タンパク質はGST融合タンパク質であり、ここでCXCL13ポリペプチドはGST配列のカルボキシル末端に融合されている。そのような融合タンパク質は、組換えCXCL13ポリペプチドの精製を促進することができる。
別の態様では、融合タンパク質はそのアミノ末端にヘテロロガスなシグナル配列を含む。例えばCXCL13ポリペプチドの天然のシグナル配列を取り出し、そして別のタンパク質のシグナル配列に置き換えることができる。例えばバキュロウイルスエンベロップタンパク質のgp67分泌配列をヘテロロガスなシグナル配列として使用することができる(Current Protocols in Molecular Biology,Ausubel et al.,eds.,John Wiley & Sons,1992)。真核生物のヘテロロガスなシグナル配列の他の例には、メリチンおよびヒト胎盤アルカリホスファターゼの分泌配列を含む(Stratagene;La Jolla,Calif.)。さらに別の例では、有用な原核生物のヘテロロガスなシグナル配列はphoA分泌シグナル(Sambrook et al.,supra)およびプロテインA分泌シグナル(Pharmacia Biotech;Piscataway,N.J.)を含む。
さらに別の態様では、融合タンパク質は免疫グロブリン融合タンパク質であり、ここではCXCL13ポリペプチドのすべてまたは一部が免疫グロブリンタンパク質ファミリーのメンバーから誘導された配列に融合されている。本発明の免疫グロブリン融合タンパク質は製薬学的組成物に取り込まれ、そしてリガンド(可溶性または膜に結合)と細胞表面上のタンパク質(受容体)との間の相互作用を阻害するために個体に投与され、これによりインビボでのシグナル伝達を抑制することができる。免疫グロブリン融合タンパク質は、CXCL13ポリペプチドのコグネイトリガンド(cognate ligand)の
生物学的利用性に影響を及ぼすために使用することができる。リガンド/受容体の相互作用の阻害は、増殖的および分化的障害を処置するために、そして細胞の生存をモジュレート(例えば促進または抑制)するための両方に治療的に有用となり得る。免疫グロブリンキメラタンパク質の好適な態様は、同時係属出願である国際出願第WO/04002417号明細書に教示されているような修飾された骨格領域内に介入(interposed)された活性なポリペプチドフラグメントを有するC1ドメイン−欠失免疫グロブリンまたは「メミティボディ(mimetibody)」である。さらに本発明の免疫グロブリン融合タンパク質は、個体にCXCL13ポリペプチドに対して向けられた抗体を生成するために免疫原として、リガンドを精製するために、そしてスクリーニングアッセイで受容体とリガンドとの相互作用を阻害する分子を同定するために使用することができる。
本発明のキメラおよび融合タンパク質は、標準的な組換えDNA技法により生産することができる。別の態様では、融合遺伝子を、自動化DNA合成器を含む通例の技術により合成することができる。あるいはアンカープライマーを使用して遺伝子フラグメントのPCR増幅を行うことができ、これは2つの連続する遺伝子フラグメントの間に相補的な突出部(overhangs)を生じ、これが引き続きアニーリングされ、そして再増幅されてキメラ遺伝子配列を生成することができる(例えばAusubel et al.,supraを参照にされたい)。さらにすでに融合部分(例えばGSTポリペプチド)をコードする多くの発現ベクターが市販されている。CXCL13ポリペプチドをコードする核酸は、融合部分がインフレームでCXCL13ポリペプチドに連結されるように、そのような発現ベクターにクローン化することができる。
分泌されるタンパク質または目的の他のタンパク質の分泌および単離を容易にするために、CXCL13ポリペプチドのシグナル配列を使用することができる。シグナル配列は一般的に典型的には1もしくは複数の分解反応(event)で分泌している間に成熟タンパク質から開裂される疎水性アミノ酸のコアにより特徴付けられる。そのようなシグナルペプチドは、成熟タンパク質が分泌経路を通過するとき成熟タンパク質からシグナル配列の開裂を可能とするプロセッシング部位を含む。このように本発明は、シグナル配列を有する記載したポリペプチド、ならびにシグナル配列自体、およびシグナル配列が存在しないポリペプチド(すなわち開裂産物)に関する。1つの態様では、本発明のシグナル配列をコードする核酸配列を、通常は分泌しないか、またはそうではなく単離が難しいタンパク質のような目的のタンパク質に発現ベクター中で操作可能に連結することができる。シグナル配列は、発現ベクターが形質転換される真核宿主細胞からのようなタンパク質の分泌を支配し、そしてシグナル配列は引き続き、または同時に開裂される。次いでタンパク質は細胞外培地から認識されている方法により容易に精製することができる。あるいはシグナル配列はGSTドメインを用いるような精製を容易にする配列を使用して目的タンパク質に連結することができる。
別の態様では、本発明のシグナル配列は調節配列、例えばプロモーター、エンハンサーおよび/またはリプレッサーを同定するために使用することができる。シグナル配列はペプチドの最もアミノ末端の配列(the most amino−terminal sequences)であるので、核酸のアミノ末端側のシグナル配列を挟む核酸は、転写に影響を及ぼす調節配列の可能性がある。すなわちシグナル配列の全部または一部をコードするヌクレオチド配列は、シグナル配列およびそれらのフランキング領域を同定し、そして単離するためにプローブとして使用することができ、そしてこれらのフランキング領域を研究してその中の調節要素を同定すことができる。
また本発明はCXCL13ポリペプチドのバリアントにも関し、そして本明細書に特定するように自然な突然変異またはヒトによる操作のいずれかに由来する1もしくは複数のアミノ酸置換、欠失または付加を含有することができる。そのような突然変異または置換
にはムテインを含み、この突然変異はヒトCXCL13のそのリガンドへの結合を阻害するためのペプチドの生物学的活性を改変せずに、ペプチドの特性を改変するために有意に十分となることができる。もちろん当業者が作るアミノ酸置換の数は、上記に記載したものを含め多くの因子に依存する。本発明の特定の態様では、所定のCXCL13ポリペプチド、フラグメントまたはバリアントのためのアミノ酸置換、挿入または欠失の数は、本明細書に特定するように1〜5より多くはなく、すなわちこの中の任意の範囲または値となる。
CXCL13ポリペプチドは修飾された、自然には存在しないおよび普通でない(unusual)アミノ酸置換を含んでなるか、またはそれらのアミノ酸配列に加えることができる。例示の修飾された自然には存在しない、そして普通ではないアミノ酸のリストを以下に提供する。

修飾された(普通ではない)アミノ酸 記号
2−アミノアジピン酸 Aad
3−アミノアジピン酸 Baad
ベータ−アラニン、ベータ−アミノプロピオン酸 bAla
2−アミノ酪酸 Abu
4−アミノ酪酸、ピペリジン酸 4Abu
6−アミノカプロン酸 Acp
2−アミノヘプタン酸 Ahe
2−アミノイソ酪酸 Aib
3−アミノイソ酪酸 Baib
2−アミノピメリン酸 Apm
2,4−ジアミノ酪酸 Dbu
デスモシン Des
2,2’−ジアミノピメリン酸 Dpm
2,3−ジアミノプロピオン酸 Dpr
N−エチルグリシン EtGly
N−エチルアスパラギン EtAsn
ヒドロキシリシン Hyl
アロ−ヒドロキシルリシン Ahyl
3−ヒドロキシプロリン 3Hyp
4−ヒドロキシプロリン 4Hyp
イソデスモシン Ide
アロ−イソロイシン Aile
N−メチルグリシン、サルコシン MeGly
N−メチルイソロイシン MeIle
6−N−メチルリシン MeLys
N−メチルバリン MeVal
ノルバリン Nva
ノルロイシン Nle
オルニチン Orn
機能に必須なCXCL13ポリペプチドのアミノ酸は、位置指定突然変異誘発法またはアラニン−スキャニング突然変異誘発法のような当該技術分野で既知の方法により同定することができる(例えばAusubel,supra,Chapters 8,15;Cunningham and Wells,Science 244:1081−1085(1989))。後者の手法は1つのアラニン突然変異を分子の各残基に導入する。生じる変異体分子は、次いで限定するわけではないが少なくとも1つのCXCL13中和活
性のような生物学的活性について試験される。
そのようなバリアントは改変されたアミノ酸配列を有し、そしてアゴニスト(ミメティックス)またはアンタゴニストのいずかれかとして機能することができる。バリアントは突然変異誘発法、例えば離散的点突然変異(discrete point mutation)または切頭化により生成することができる。アゴニストは自然に存在する形態のタンパク質の生物学的活性と実質的に同じか、またはそのサブセットの活性を保持することができる。タンパク質のアンタゴニストは、例えば目的のタンパク質を含む細胞のシグナリングカスケードの下流もしくは上流のメンバーに競合的に結合することにより、自然に存在する形態のタンパク質の1もしくは複数の活性を阻害することができる。すなわち特異的な生物学的効果は、限定された機能のバリアントを用いて処置することにより発揮することができる。自然に存在する形態のタンパク質の生物学的活性のサブセットを有するバリアントで個体を処置することは、自然に存在する形態のタンパク質を用いた処置に比べて個体での副作用を少なくすることができる。
アゴニスト(ミメティックス)またはアンタゴニストのいずれかとして機能するCXCL13ポリペプチドのバリアントは、本発明のタンパク質の変異体(例えば切頭変異体)の組み合わせライブラリーを、アゴニストもしくはアンタゴニスト活性についてスクリーニングすることにより同定することができる。1つの態様では、変化を与えたバリアントのライブラリーを核酸レベルでの組み合わせ(combinatorial)突然変異誘発法により生成し、そして変化を与えた遺伝子ライブラリーによりコードさせる。バリアントの変化を与えたライブラリーは、例えば可能性のあるタンパク質配列の重縮セットが個々のポリペプチドとして発現可能となるか、またはより長い融合タンパク質のセット(例えばファージディスプレイ)として発現可能となるように、合成オリゴヌクレオチドの混合物を遺伝子配列に酵素的に連結することにより生産することができる。重縮オリゴヌクレオチド配列からCXCL13ポリペプチドの可能性があるバリアントのライブラリーを生成するために使用することができる様々な方法がある。重縮オリゴヌクレオチドの合成法は当該技術分野で既知である(例えばNarang(1983)Tetrahedron 39:3;Itakura et al.(1984)Annu.Rev.Biochem.53:323;Itakura et al.(1984)Science 198:1056;Ike et al.(1983)Nucleic Acid Res.11:477を参照にされたい)。
さらにCXCL13ポリペプチドのコード配列のフラグメントのライブラリーは、バリアントのスクリーニング、続いて選択のためにポリペプチドに変化を与えた集団を生成するために使用することができる。例えばコード配列のフラグメントのライブラリーは、目的のコード配列の二本鎖PCRフラグメントをヌクレアーゼを用いて、分子毎に約1回のみのニック(nicking)が生じ、二本鎖DNAを変性させ、DNAを再生して異なるニックの入った生成物(different nicked products)からのセンス/アンチセンス対を含むことができる二本鎖DNAを形成し、再形成した二本鎖から一本鎖部分をS1ヌクレアーゼの処理により除去し、そして生じたフラグメントのライブラリーを発現ベクターに連結する条件下で処理することにより生成できる。この方法により、目的タンパク質のアミノ末端および種々のサイズの内部フラグメントをコードする発現ライブラリーを誘導することができる。
点突然変異もしくは切頭化により作成された組み合わせライブラリーの遺伝子産物をスクリーニングするために、そして選択した特性を有する遺伝子産物についてcDNAライブラリーをスクリーニングするために、幾つかの技法が当該技術分野で知られている。大きな遺伝子ライブラリーをスクリーニングするために、高処理量の分析を吟味できる最も広く使用されている技法は、典型的に遺伝子ライブラリーの複製可能な発現ベクターへの
クローニング、生じたベクターのライブラリーでの適切な細胞の形質転換、そして所望する活性の検出が生成物が検出された遺伝子をコードするベクターの単離を促進する条件下での組み合わせ遺伝子の発現を含む。ライブラリー中の機能的突然変異の頻度を強化する技術である帰納的集合突然変異誘発法(recursive ensemble mutagenesis:REM)をスクリーニングアッセイと組み合わせて使用して、CXCL13アンタゴニストポリペプチドのバリアントを同定することができる(Arkin and Yourvan(1992)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:7811−7815;Delgrave et al.(1993)Protein Engineering 6(3):327−331)。
組成物およびそれらの用途
本発明に従い、本明細書に記載するモノクローナル抗体のような中和するCXCL13アンタゴニストは、CXCL13活性を阻害するために使用することができる。さらにそのようなアンタゴニストはそのような処置を分析することができるCXCL13に関連する炎症疾患を阻害するために使用することができ、これには限定するわけではないが肺に関連する障害を含むことができる。処置すべき個体は任意の哺乳動物でよく、そして好ましくは霊長類、哺乳動物であるコンパニオンアニマル、最も好ましくはヒト患者である。投与されるアンタゴニストの量は、使用される目的および投与法に従い変動するだろう。
抗−CXCL13アンタゴニストは、CXCL13活性が防止または停止されることが望まれる組織に効果を生じる多くの方法により投与することができる。さらにCXCL13アンタゴニストはCXCL13活性に関する効果を与えるために局所的に存在する必要はなく;したがってそれらはCXCL13を含有する身体の区分または流体への接近が達成される時にはいつでも投与することができる。炎症した、悪性の、あるいは障害を生じた組織の場合、これらの方法はアンタゴニストを含有する製剤の直接的適用を含むことができる。そのような方法は、液体組成物の静脈内投与、液体もしくは固体製剤の経皮的投与、経口、局所投与、または間質もしくは手術間(inter−operative)投与がある。投与は主要な機能が薬剤送達媒体でなくてもよいデバイスの移植により影響を及ぼすことができる。
投与は経口または腫瘍もしくは組織への局所的注射でもよいが、一般にモノクローナル抗体は静脈内に投与される。一般に投薬用量範囲は、約0.05mg/kg〜約12.0mg/kgである。これはボーラスとして、またはマイクロプロセッサーおよびプログラム可能なポンプデバイスにより制御され得るゆっくりとした、もしくは連続的な注入でよい。
あるいは好ましくはモノクローナル抗体のフラグメントをコードするDNAは、ハイブリドーマ細胞から単離され、そして哺乳動物に投与することができる。DNAはそのままの形態で、または患者の細胞中でのDNAの発現および抗体の送達が生じる様式で組換えベクター(例えばワクシニアウイルス)に挿入されて投与され得る。
本発明の方法で使用するモノクローナル抗体は、例えばRemington’s Pharmaceutical Sciences,1985に記載されているような任意の確立された製薬学的組成物の調剤法により配合することができる。投与の容易さから、モノクローナル抗体は典型的には製薬学的に許容され得る担体と組み合わせられる。そのような担体には水、生理食塩水または油を含む。
非経口投与に適する製剤には、酸化防止剤、バッファー、静菌剤および製剤の等張性を意図する受容体の血液とする溶質を含むことができる水性および非水性の滅菌注射溶液;ならびに沈殿防止剤および増粘剤を含むことができる水性および非水性の滅菌懸濁液を含む。通例の媒質が有効成分およびその意図する用途と適合しないことを除いて、媒質の任意の組成物中での使用が企図されている。
製剤は単位用量または多用量(multi−dose)容器、例えば密閉したアンプルおよびバイアル中に存在することができ、そして滅菌の液体担体、例えば注射用の水の添加を要するだけの凍結−乾燥(凍結乾燥)状態で使用直前まで保存することができる。
CXCL13アンタゴニスト核酸分子、ポリペプチドおよび抗体は、投与に適する製薬学的組成物に包含させることができる。そのような組成物は典型的には核酸分子、タンパク質または抗体および製薬学的に許容され得る担体を含んでなる。本明細書で使用する言語「製薬学的に許容され得る担体」とは、製薬学的投与に適合するありとあらゆる溶媒、分散媒質、コーティング、抗菌および抗菌・カビ剤、等張性および吸収遅延剤等を含むことを意図している。製薬学的に活性な物質にそのような媒質および作用物質を使用することは、当該技術分野では周知である。いかなる通例の媒質または作用物質も活性化合物と適合しないことを除き、組成物中でのその使用が企図される。補助的な活性化合物も組成物に包含され得る。
別の観点では、本発明は部分の共有結合により修飾された本明細書に記載するCXCL13アンタゴニストに関する。そのような修飾は改善された薬物動態学的特性(例えばインビボ血清半減期の上昇)を持つCXCL13アンタゴニストを生じることができる。この有機部分は直鎖または分岐した親水性のポリマー性基、脂肪酸基、または脂肪酸エステル基であることができる。特定の態様では親水性のポリマー性基は約800〜約120,000ダルトンの分子量を有することができ、そしてポリアルカングリコール(例えばポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール(PPG))、炭水化物ポリマー、アミノ酸ポリマーまたはポリビニルピロリドンであることができ、そして脂肪酸または脂肪酸エステル基は約8〜約40個の炭素原子を含んで成ることができる。本明細書で使用する用語「脂肪酸」は、モノ−カルボン酸およびジ−カルボン酸を包含する。本発明の抗体を修飾するために適切な脂肪酸および脂肪酸エステルは飽和であることができ、あるいは1もしくは複数の不飽和単位を含むことができる。本発明の抗体を修飾するために適切な脂肪酸には、例えばn−ドデカノエート(C12、ラウレート)、n−テトラデカノエート(C14、ミリステート)、n−オクタデカノエート(C18、ステアレート)、n−エイコサノエート(C20、アラキデート)、n−ドコサノエート(C22、ベヘネート)、n−トリアコンタノエート(C30)、n−テトラコンタノエート(C40)、シス−デルタ9−オクタデカノエート(C18、オレート)、オールシス−デルタ5,8,11,14−エイコサテトラエノエート(C20、アラキドネート)、オクタン二酸、テトラデカン二酸、オクタデカン二酸、ドコサン二酸等を含む。適当な脂肪酸エステルには、直鎖もしくは分枝低級アルキル基を含んで成るジカルボン酸のモノ−エステルを含む。低級アルキル基は、1から約12、好ましくは1から約6個の炭素原子を含んで成ることができる。
修飾されたヒトポリペプチドおよび抗体は、1もしくは複数の修飾剤を用いた反応によるような適当な方法を使用して調製することができる。本明細書で使用する用語「修飾剤」は、活性化基を含んで成る適当な有機基(例えば親水性ポリマー、脂肪酸、脂肪酸エステル)を指す。「活性化基」は、適当な条件下で第2の化学基と反応し、これにより修飾剤と第2の化学基との間に共有結合を形成することができる化学的部分または官能基である。例えばアミン反応性の活性化基には、トシラート、メシラート、ハロ(クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード)、N−ヒドロキシスクシンイミジルエステル(NHS)等のような求電子性基を含む。チオールと反応することができる活性化基には、例えばマレイミド、ヨードアセチル、アクリロリル、ピリジルジスルフィド、5−チオール−2−ニトロ安息香酸チオール(TNB−チオール)等を含む。アルデヒド官能基をアミンまたはヒドラ
ジドを含有する分子にカップリングさせることができ、そしてアジド基を三価のリン基と反応させてホスホルアミダートまたはホスホロイミド(phosphorimide)結合を形成することができる。活性化基を分子に導入する適当な方法は、当該技術分野で既知である(例えば、Hermanson,G.T.,Bioconjugate Techniques,Academic Press:San Diego,CA(1996)を参照にされたい)。
本発明はCXCL13ポリペプチド、核酸または抗体の発現または活性をモジュレートするための製薬学的組成物の調製法を含む。そのような方法は製薬学的に許容され得る担体とCXCL13ポリペプチド、核酸または抗体の発現または活性をモジュレートする作用物質とを配合することを含んでなる。そのような組成物はさらに追加の活性剤を含むことができる。すなわち本発明はさらに製薬学的に許容され得る担体とCXCL13ポリペプチド、核酸または抗体の発現または活性をモジュレートする作用物質、および1もしくは複数の追加の活性化合物とを配合することによる製薬学的組成物の調製法を含む。
発現または活性をモジュレートする作用物質は、例えば低分子であることができる。例えばそのような低分子には、ペプチド、ペプチドミメティックス、アミノ酸、アミノ酸類似体、ポリヌクレオチド、ポリヌクレオチド類似体、ヌクレオチド、ヌクレオチド類似体、モルあたり約10,000グラム未満の分子量を有する有機もしくは無機化合物(すなわちヘテロ有機および有機金属化合物を含む)、モルあたり約5,000グラム未満の分子量を有する有機もしくは無機化合物、モルあたり約1,000グラム未満の分子量を有する有機もしくは無機化合物、モルあたり約500グラム未満の分子量を有する有機もしくは無機化合物、およびそのような化合物の塩、エステル、および他の製薬学的に許容され得る形態を含む。
低分子剤およびタンパク質またはポリペプチド剤の適切な用量は、通常の技術を有する内科医、獣医師または研究者の知識における多くの因子に依存すると理解される。これら作用物質の用量(1もしくは複数)は、例えば処置する個体もしくはサンプルの同一性、サイズおよび状態に依存して、さらに投与する組成物の経路に依存して、そして適用可能ならば実施者がCXCL13ポリペプチド、核酸または抗体に有することを望む効果に依存して変動するだろう。低分子の用量の例には個体またはサンプルの重量1キログラムあたりミリグラムからマイクログラム量(例えば1キログラムあたり約1マイクログラム〜1キログラムあたり約500ミリグラム、1キログラムあたり約100マイクログラム〜1キログラムあたり約5ミリグラム、1キログラムあたり約1マイクログラム〜1キログラムあたり約50マイクログラム)を含む。タンパク質またはポリペプチドの用量の例には個体またはサンプルの重量1キログラムあたりグラム、ミリグラムまたはマイクログラム量(例えば1キログラムあたり約1マイクログラム〜1キログラムあたり約5グラム、1キログラムあたり約100マイクログラム〜1キログラムあたり約500ミリグラム、または1キログラムあたり約1ミリグラム〜1キログラムあたり約50ミリグラム)を含む。さらにこれら作用物質の1つの適切な用量は、モジュレートされる発現または活性に関する作用物質の効力に依存すると理解される。そのような適切用量は、本明細書に記載するアッセイを使用して決定することができる。
CXCL13ポリペプチド、核酸または抗体の発現または活性をモジュレートするために、1もしくは複数のこれら作用物質が動物(例えばヒト)に投与される場合、内科医、獣医師または研究者は例えば最初に比較的低い用量を処方し、続いて適切な応答が得られるまで用量を上げることができる。さらに任意の特定の動物個体に関する特異的用量レベルは、使用する特異的作用物質の活性、個体の年齢、体重、全般的な健康状態、性別および食事、投与時期、投与経路、排出速度、任意の薬剤の組み合わせ、およびモジュレートされる発現または活性の程度に依存すると考えられる。
本発明の製薬学的組成物は、意図する投与経路に適合するように配合される。投与経路の例には非経口的、例えば静脈内、皮内、皮下、経口(例えば吸入または頬内)、経皮(局所)、経粘膜および直腸投与がある。非経口、皮内または皮下適用に使用される溶液または懸濁液には、以下の成分:注射用水、塩水、固定油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコールまたは他の合成溶媒のような滅菌賦形剤;ベンジルアルコールまたはメチルパラベンのような抗菌剤;アスコルビン酸または重亜硫酸ナトリウムのような酸化防止剤;エチレンジアミン−四酢酸のようなキレート剤;酢酸塩、クエン酸塩またはリン酸塩のようなバッファーおよび塩化ナトリウムもしくはデキストロースのような等張性を調整する作用物質を含むことができる。pHは、塩酸もしくは水酸化ナトリウムのような酸または塩基で調整することができる。非経口調製物はガラスまたはプラスチック製のアンプル、使い捨てシリンジまたは多用量バイアルに包装することができる。
注射可能な用途に適する製薬学的組成物には、滅菌水溶液(水溶性の場合)または分散物、および滅菌された注射可能な溶液もしくは分散物の即時調合調製物用の滅菌粉末を含む。静脈内投与には、適切な担体には生理食塩水、静菌性の水、Cremophor EL(BASF;Parsippany,N.J.)またはリン酸緩衝化生理食塩水(PBS)を含む。すべての場合で、組成物は滅菌されなければならず、そして容易にシリンジ操作ができる程度に流体であるべきである。これは製造および保存の条件下で安定でなければならず、そして細菌および真菌のような微生物の混入作用に対して保存されなければならない。担体は例えば水、エタノール、ポリオール(例えばグリセロール、プロピレングリコール、および液体ポリエチレングリコール等)、およびそれらの適切な混合物を含有する溶媒または分散物であることができる。正しい流動性は、例えばレシチンのようなコーティングの使用により、分散物の場合には必要とされる粒子サイズの維持により、そして表面活性剤の使用により維持することができる。多くの場合で等張性剤、例えばマンニトール、ソルビトールのような糖、多価アルコール、または塩化ナトリウムを組成物に含むことが好ましい。注射用組成物の延長された吸収は、組成物中に吸収を遅らせる作用物質、例えばモノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンを含むことによりもたらすことができる。本組成物の安定化に有用な製薬学的賦形剤および添加剤には、限定するわけではないがポリペプチド、ペプチド、アミノ酸、脂質および炭水化物(例えば単糖、二−、三−、四−およびオリゴ糖を含む糖;アルジトール、アルドン酸、エステル化糖などの誘導化された糖;多糖または糖ポリマー)を含み、これらは単独でまたは組み合わせて存在することができ、単一でまたは1〜99.99重量または用量%を構成する。例示として限定するわけではないポリペプチド賦形剤には、ヒト血清アルブミン(HSA)、組換えヒトアルブミン(rHA)のような血清アルブミン、ゼラチン、カゼイン等を含む。緩衝能力においても機能する代表的なアミノ酸は、アラニン、グリシン、アルギニン、ベタイン、ヒスチジン、グルタミン酸、アスパラギン酸、システイン、リシン、ロイシン、イソロイシン、バリン、メチオニン、フェニルアラニン、アスパルテーム等がある。1つの好適なアミノ酸はグリシンである。
滅菌された注射可能な溶液は、活性化合物(例えばポリペプチドまたは抗体)を必要な量で、必要に応じて上に挙げた成分の1もしくは組み合わせたを含む適切な溶媒に取り込み、続いて滅菌濾過することにより調製できる。一般に分散物は活性化合物を、基本の分散媒質を含む滅菌賦形剤に取り込み、次いで必要な他の成分を上に挙げたものの中から取り込むことにより調製される。滅菌された注射可能な溶液を調製するための滅菌粉末の場合は、好適な調製法は真空乾燥および凍結−乾燥であり、これは有効成分に任意に所望の成分を追加した粉末を、事前に滅菌濾過したそれらの溶液から生じる。そのような滅菌溶液の非限定的例、および調製法は限定するわけではないがGennaro Ed.,Remington’s Pharmaceutical Sciences,18th Edition,Mack Publishing Co.(Easton,PA)199
0のように当該技術分野で周知である。
経口組成物は一般に不活性な希釈剤または可食性担体を含む。それらはゼラチンカプセルに封入されるか、または錠剤に打錠され得る。経口治療薬投与の目的に、活性化合物は賦形剤を用いて取り込まれ、そして錠剤、トローチまたはカプセルの状態で使用されることができる。また経口組成物は、口腔清浄剤として使用するための流体の担体を使用して調製するともでき、ここで流体の担体中の組成物が経口で適用され、そしてヒューと音をたて、そして喀出されるか、または飲み込まれる。
製薬学的に適合性がある結合剤および/または補助物質は、組成物の一部として含むことができる。錠剤、ピル、カプセル、トローチ等は、任意の以下の成分または類似の性質の化合物を含むことができる:微晶質セルース、トラガカントガムまたはゼラチンのような結合剤;澱粉またはラクトースのような賦形剤、アルギン酸、Primogelまたはコーンスターチのような崩壊剤;ステアリン酸マグネシウムまたはSterotesのような滑沢剤;コロイド状二酸化ケイ素のようなグライダント;シュクロースまたはサッカリンのような甘味料;またはペパーミント、サリチル酸メチルまたはオレンジ風味料のような風味料。
吸引による投与には、化合物は適切な推進剤、例えば二酸化炭素のようなガスを含む加圧化容器もしくはディスペンサー、またはネデライザーからエーロゾル化された粒子の状態で送達される。あるいは粒子として配合された組成物は静電的、機械的手段により分散されることができ、そのような手段には米国特許第4530464号;同第4533082号;同第5838350号;同第6113001号;同第6514496号;同第5518179号;同第5152456号;同第5261601号;および同第4605167号明細書に教示されているような振動または超音波を含む。
全身性の投与は、経粘膜または経皮的手段によることができる。経粘膜または経皮的投与には、浸透すべきバリアに適する浸透剤が製剤に使用される。そのような浸透剤は一般に当該技術分野で知られており、そして例えば経粘膜投与には界面活性剤、胆汁塩およびフシジン酸誘導体を含む。経粘膜投与は鼻噴霧または座薬の使用を介して達成することができる。経皮的投与には、活性化合物は当該技術分野で一般に知られている軟膏(ointment)、軟膏(salve)、ゲルまたはクリームに配合される。
また化合物は座薬(例えばカカオ脂および他のグリセリドのような通例の座薬基材を用いて)の形態に調製することができる。
1つの態様では、活性化合物はインプラントおよびマイクロカプセル化された送達系を含め、放出制御製剤のような身体からの迅速な排除に対して化合物を保護する担体を用いて調製される。エチレン酢酸ビニル、ポリ無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステルおよびポリ乳酸のような生分解性の生物適合性ポリマーを使用することができる。そのような製剤の調製法は当業者には明白である。リポソーム懸濁物(中、または上に取り込まれたモノクローナル抗体を有するリポソームを含む)も、製薬学的に許容され得る担体として使用できる。特に好適な組成物および方法は、米国特許第5,891,468号および同第6,316,024号明細書に教示されている。
投与の容易さおよび投薬用量の均一性から、単位剤形で経口または非経口組成物を配合することが特に有利である。本明細書で使用する単位剤形は、処置する患者に単位投薬用量として適する物理的に別れた単位を指し:各単位は、必要な製薬学的担体と一緒に所望する治療効果を生成するために算出された予め定めた活性化合物の量を含有する。本発明の単位剤形に関する仕様は、活性化合物の独自の特性および達成される特定の治療効果、
および個体を処置するためのそのような活性化合物の製剤の分野で固有の限界により指示され、そして直接的に依存する。
抗体について、好適な投薬用量は約0.1mg/kgの体重〜100mg/kgの体重である(一般に約10mg/kg〜20mg/kg)。抗体が脳で作用する場合、約50mg/kg〜100mg/kgの投薬用量が通常は適切である。一般に部分的ヒト抗体および完全なヒト抗体は、他の抗体よりもヒトの身体内で長い半減期を有する。したがって、より低い投薬用量および少ない投薬頻度の使用がしばしば可能となる。脂質化のような修飾は抗体を安定化し、そして取り込みおよび組織浸透(例えば脳への)を強化するために使用することができる。抗体の脂質化法は、Cruikshank et al.((1997)J.Acquired Immune Deficiency Syndromes and Human Retrovirology 14:193)により記載されている。
CXCL13アンタゴニスト核酸散分子はベクターに挿入され、そして遺伝子治療ベクターとして使用することができる。遺伝子治療ベクターは、例えば静脈内注射、局所的投与(米国特許第5,328,470号明細書)、または定位注射(例えばChen et
al.(1994)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91:3054−3057を参照にされたい)により個体に送達され得る。遺伝子治療ベクターの製薬学的調製物は、許容され得る希釈剤に遺伝子治療ベクターを含むことができ、または遺伝子送達媒体が包埋されている遅延放出型マトリックスを構成することができる。あるいは完全な遺伝子送達ベクターが組換え細胞(例えばレトロウイルスベクター)から無欠で生産できる場合、製薬学的調製物は遺伝子送達系を生産する1もしくは複数の細胞を含むことができる。
製薬学的組成物は投与のための使用説明書と共に容器、パックまたはディスペンサーに含めることができる。
薬理ゲノミックス
本明細書に記載するスクリーニングアッセイにより同定されるようなCXCL13ポリペプチドの活性または発現に対する刺激または阻害効果を有する作用物質、すなわちモジュレーターは、ポリペプチドの異所性活性を伴う障害を処置(予防的または治療的に)するために個体に投与することができる。そのような処置に関連して、個体の薬理ゲノミックス(すなわち個体の遺伝子型と外来化合物または薬剤に対する個体の応答との間の関係の研究)を考察することができる。治療薬の代謝における差異は、薬理学的に活性な薬剤の用量と血中濃度との間の関係を改変することにより、深刻な毒性または治療的失敗を引き起こす恐れがある。このように個体の薬剤ゲノミックスは、個体の遺伝子型の考察に基づき予防的または治療的処置のための効果的な作用物質(例えば薬剤)の選択を可能とする。そのような薬剤ゲノミックスはさらに適切な投薬用量および治療的処方を決定するために使用することができる。したがってCXCL13ポリペプチドの活性、CXCL13核酸の発現、または個体におけるCXCL13遺伝子の突然変異の内容(content)を測定し、これにより個体の治療的または予防的処置に適切な作用物質(1もしくは複数)を選択することができる。
薬剤ゲノミックスは、改変された薬剤の性質(disposition)および影響を受けている人における異常な作用により、薬剤に対する応答に臨床的に重要な遺伝性の変動を扱う。例えばLinder(1997)Clin.Chem.43(2):254−266を参照にされたい。一般に2つの型の薬理遺伝学的状態を区別することができる。薬剤が身体に作用する手段を改変する1つの因子として伝達される遺伝状態は、「改変される薬剤作用」と言う。身体が薬剤に作用する手段を改変する1つの因子として伝達され
る遺伝状態は、「改変される薬剤代謝」と言う。これらの薬理遺伝学的状態は、稀な欠失または多形のいずれかとして起こり得る。例えばグルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼ(G6PD)欠損は、主要な臨床的合併症がオキシダント剤(抗−マラリア剤、スルホンアミド、鎮痛剤、ニトロフラン)の摂取およびソラマメの消費後の溶血であるよくある遺伝型の酵素病である。
具体的説明の態様として、薬剤を代謝する酵素の活性は、薬剤作用の強度および期間の両方の主要な決定因子である。薬剤を代謝する酵素(例えばN−アセチルトランスフェラーゼ2(NAT2)およびチトクロームP450酵素CYP2D6およびCYP2C19)の遺伝的多形の発見は、なぜ患者の中には予想される薬剤効果を得ない人がいるのか、またはなぜ過大な薬剤応答および深刻な毒性を標準的および安全な薬剤用量を摂取した後に示すのかに対する説明を提供する。これらの多形は集団中2つの表現型、強力なメタボライザー(EM)および貧弱な(poor)メタボライザー(PM)で発現される。PMの罹病率は異なる集団間で異なる。例えばCYP2D6をコードする遺伝子は高度に多形性であり、そして幾つかの突然変異がPMで同定され、これはすべて機能的CYP2D6の不存在を導く。CYP2D6およびCYP2C19の貧弱なメタボライザーは、彼らが標準的用量を受容した時にかなり頻繁に過大な薬剤応答および副作用を経験する。代謝産物が活性な治療的部分ならば、CYP2D6が形成した代謝産物のモルフォリンにより媒介されるコデインの鎮痛性効果に示されるように、PMは治療的応答を示さない。他の極端な状態は、いわゆる超高速(ultra−rapid)メタボライザーであり、彼らは標準的用量応答しない。最近、超高速メタボライザーの分子的基礎が、CYP2D6遺伝子増幅によると同定された。
このように個体のCXCL13ポリペプチドの活性、このポリペプチドをコードする核酸の発現、またはこのポリペプチドをコードする遺伝子の突然変異の内容を測定して、これにより個体の治療的または予防的処置に適切な作用物質(1もしくは複数)を選択することができる。さらに薬理遺伝学的研究を使用して、薬剤を代謝する酵素をコードする多形対立遺伝子の遺伝子型の決定を、此処の薬剤応答表現型の同定に応用することができる。この知識は、投薬または薬剤選択に応用される場合、良くない反応または治療的失敗を回避し、これにより個体を本明細書に記載する例示的なスクリーニングアッセイの1つにより同定されるモジュレーターのようなポリペプチドの活性または発現のモジュレーターで処置した時、治療的または予防的効力を強化することができる。
処置法
本発明はCXCL13ポリペプチドの異常(aberrant)発現または活性を伴い、かつ/またはCXCL13ポリペプチドが関与する障害の危険性がある(または罹り易い)個体、あるいは障害を有する個体を処置する予防的および治療的法の両方を提供する。
本発明は、当該技術分野で知られているか、または本明細書に記載するような細胞、組織、器官、動物または患者における少なくとも1つのCXCL13関連疾患または状態を、少なくとも1つのCXCL13アンタゴニストを使用してモジュレートまたは処置する方法を提供する。
CXCL13アンタゴニストの組成物は、喘息、気腫、COPDのような肺の障害に関連する状態、および新生児の慢性肺疾患の処置に治療的用途を見いだすことができる。
また本発明は限定するわけではないが、慢性関節リウマチ、若年性慢性関節リウマチ、全身発症性の若年性慢性関節リウマチ、乾癬の関節炎、強直性脊髄炎、胃潰瘍、セロネガティブ関節炎、変形性関節炎、炎症性腸症候群、潰瘍性大腸炎、全身性エリテマトーデス
、抗リン脂質症候群、虹彩毛様体炎/ブドウ膜炎/視神経炎、突発性肺線維症、全身性脈管炎/ウェーゲナー肉芽腫症、サルコイドーシス、精巣炎/精管切除の逆転法、アレルギー性/アトピー性疾患、アレルギー性鼻炎、湿疹、アレルギー性接触皮膚炎、アレルギー性結膜炎、過敏性肺炎、移植、臓器移植拒絶、対宿主性移植片病、全身性炎症応答症候群、敗血症症候群、グラム陽性敗血症、グラム陰性敗血症、培養陰性敗血症、真菌性敗血症、好中球減少性発熱、尿路性敗血症、髄膜炎菌血症、外傷/出血、火傷、電離放射線被曝、急性膵炎、成人呼吸促進症候群、慢性関節リウマチ、アルコール誘導型肝炎、慢性炎症病(pathologies)、サルコイドーシス、クローン病、鎌状赤血球貧血、糖尿病、ネフローゼ、アトピー性疾患、過敏症反応、アレルギー性鼻炎、枯草熱、通年の鼻炎、結膜炎、子宮内膜症、蕁麻疹、全身性アナフラキシー、皮膚炎、悪性貧血、溶血性疾患、血小板減少症、任意の臓器または組織の移植片拒絶、腎臓移植拒絶、心臓移植拒絶、肝臓移植拒絶、膵臓移植拒絶、肺移植拒絶、骨髄移植(BMT)拒絶、皮膚の同種移植片拒絶、軟骨移植拒絶、骨移植片拒絶、小腸移植拒絶、胎児胸腺移植拒絶、副腎移植拒絶、任意の臓器または組織の異種移植片拒絶、同種移植片拒絶、抗−受容体過敏性反応、グレーヴス病、レーノー病、B型インスリン耐性糖尿病、重症筋無力症、抗体−媒介型細胞傷害、III型過敏性反応、全身性エリテマトーデス、POEMS症候群(多発性ニューロパシー、臓器巨大症、内分泌障害、モノクローナル高ガンマグロブリン血症および皮膚変化症候群(skin changes syndrome))、抗リン脂質症候群、天疱瘡、強皮症、混合結合組織疾患、突発性アディソン病、(真性)糖尿病、慢性活動性肝炎、原発性胆汁性肝硬変、白斑、脈管炎、ポスト−MI心臓切開症候群、IV型過敏症、接触皮膚炎、過敏性肺炎、同種移植片拒絶、細胞内生物による肉芽腫、薬剤感度、代謝性/突発性、ウィルソン病、血色素症、アルファ−1−アンチトリプシン欠損症、糖尿病性網膜症、橋本甲状腺炎、骨粗鬆症、視床下部−下垂体−副腎軸評価(hypothalamic−pituitary−adrenal axis evaluation)、原発性胆管硬変、甲状腺炎、脳脊髄炎、悪液質、嚢胞性線維症、家族性血球貪食リンパ組織球症、皮膚科学的状態、乾癬、脱毛症、ネフローゼ症候群、腎炎、糸球体腎炎、急性腎不全、血液透析、尿毒症、毒性、子かん前症、okt3療法、抗−cd3療法、サイトカイン療法、化学療法、放射線療法(例えば限定するわけではないがトースセニア(toasthenia)、貧血、悪液質等を含む)、慢性サリチル酸中毒等の少なくとも1つを含め、細胞、組織、器官、動物または患者における少なくとも1つの免疫関連疾患をモジュレートまたは処置する方法を提供する。例えばMerck Manual,12th−17th Editions,Merck & Company,Rahway,NJ(1972,1977,1982,1987,1992,1999),Pharmacotherapy Handbook,Wells et al.,eds.,Second Edition,Appleton and Lange,Stamford,Conn.(1998,2000)を参照にされたい(各々、引用により編入する)。
また本発明は限定するわけではないが、白血病、急性白血病、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、B−細胞、T−細胞もしくはFAB ALL、急性骨髄性白血病(AML)、急性前骨髄細胞性白血病(APL)、慢性骨髄嚢胞性白血病(CML)、慢性リンパ性白血病(CLL)、ヘアリーセル白血病、骨髄異形性症候群(MDS)、リンパ腫、ホジキン病、悪性リンパ腫、非ホジキンリンパ腫、バーキットリンパ腫、多発性骨髄腫、カポジ肉腫、結腸直腸癌、膵臓癌、鼻咽腔癌、悪性ヒスチオサイトーシス、新生物随伴症候群/悪性の高カルシウム血症、充実性腫瘍、腺癌、肉腫、悪性黒色腫、血管腫、転移性疾患、癌に関連する骨の吸収、癌に関する骨痛等の少なくとも1つを含め、細胞、組織、器官、動物または患者における少なくとも1つの悪性疾患をモジュレートまたは処置する方法を提供する。
CXCL13ポリペプチドの異常発現または活性により特徴付けられる障害は、さらに本開示のいたるところに記載する。
1.予防法
1つの観点では、本発明は個体におけるCXCL13ポリペプチドの異常発現または活性に関連する疾患または状態を、個体にこのポリペプチドの発現または少なくとも1つの活性をモジュレートする作用物質を投与することにより、少なくとも実質的に防止する方法を提供する。CXCL13ポリペプチドの異常発現または活性により引き起こされる、または寄与する疾患の危険性がある個体は、例えば本明細書に記載する任意の診断的または予防的アッセイまたはその組み合わせにより同定することができる。疾患または障害が防止されるか、あるいはその進行が遅れるように、異常性(aberrancy)の特徴的症状が現れる前に、予防的作用物質の投与を行うことができる。異常性のタイプに依存して、例えばアゴニストまたはアンタゴニスト剤を個体の処置に使用することができる。適切な作用物質を本明細書に記載のスクリーニングアッセイに基づき決定することができる。
2.治療法
本発明の別の観点は、治療目的にCXCL13ポリペプチドの発現または活性をモジュレートする方法に関する。本発明のモジュレート法は、細胞をポリペプチドの1もしくは複数の活性をモジュレートする作用物質と接触させることが関与する。活性をモジュレートする作用物質は、核酸またはタンパク質、ポリペプチドの自然に存在するコグネイトリガンド、ペプチド、ペプチドミメティックスまたは他の低分子のような本明細書に記載する作用物質であることができる。1つの態様では、作用物質はポリペプチドの1もしくは複数の生物学的活性を刺激する。別の態様では、作用物質はCXCL13ポリペプチドの1もしくは複数の生物学的活性を阻害する。そのような阻害剤の例にはアンチセンス核酸分子および抗体および本明細書に記載する他の方法を含む。これらのモジュラトリー法はインビトロで(例えば細胞を細胞物質と培養することにより)、あるいはインビボで(例えば作用物質を個体に投与することにより)行うことができる。このように本発明はCXCL13ポリペプチドの異常発現または活性により特徴付けられる疾患または障害に罹患している個体を処置する方法を提供する。1つの態様では、この方法には作用物質(例えば本明細書に記載するスクリーニングアッセイにより同定される作用物質)、または発現もしくは活性をモジュレート(例えばアップレギュレートまたはダウンレギュレートする)する作用物質の組み合わせを投与することが関与する。活性の阻害は、活性または発現が異常に(abnormally)高いか、またはアップレギュレートされ、および/または低下した活性が有益な効果を有する見込みがある状況で望ましい。
本発明の方法は、少なくとも1つのCXCL13アンタゴニストもしくは特定部分もしくはバリアントを含んで成る有効量の組成物または製薬学的組成物を、そのようなモジュレーション、処置または治療が必要な細胞、組織、器官、動物または患者に投与することを含んで成る。そのような方法は場合よりさらにそのような免疫疾患を処置するための同時投与または併用療法を含んで成ることができ、ここで該少なくとも1つCXCL13アンタゴニスト、それらの特定部分もしくはバリアントの投与は、さらに事前に、同時および/または後に、少なくとも1つの酢酸グルチラマー(glutiramer acetate;例えばCopaxone)、シクロホスファミド、アザチオプリン、グルココルチコステロイド、メトトレキセート、パクリタキセル(Paclitaxel)、2−クロロデオキシアデノシン、ミトザントロン、IL−10、TGBb、CD4、CD52、抗原、CD11、CD18、TNFアルファ、IL−1、IL−2および/またはCD4抗体または抗体受容体融合物、インターフェロンアルファ、免疫グロブリン、リスミド(Requinimax(商標))、インスリン−様増殖因子−1(IGF−1)、エルプロジル(elprodil)、ピルフェニドン(pirfenidone)、経口ミエリン、または少なくとも1つのミエリン破壊の自己免疫抑制、免疫調節、活性化、増殖、T細胞の移動および/またはサプレッサー機能、T細胞受容体/ペプチド/MHC−II相
互作用の阻害、T細胞アネルジーの誘導、自己反応性T細胞の欠失、血液脳関門をわたるトラフィッキングの減少、前−炎症性(Th1)と免疫調節(Th2)サイトカインのバランスの変化、マトリックス 金属プロテアーゼインヒビターの阻害、神経保護、神経膠症の低下、再−髄鞘形成の促進に作用する化合物、TNFアンタゴニスト(例えば限定するわけではないが、TNFIg誘導化タンパク質もしくはフラグメント、可溶性TNF受容体もしくはフラグメント、それらの融合タンパク質、または低分子TNFアンタゴニスト)、抗リウマチ薬、筋弛緩剤、麻薬、非−ステロイド系抗炎症剤(NSAID)、鎮痛剤、麻酔薬、鎮静剤、局所麻酔薬、神経筋遮断剤、抗菌剤(例えばアミノグルコシド、抗菌・カビ剤、駆虫剤、抗ウイルス剤、カルバペネム(carbapenem)、セファロスポリン、フルオロルキノロン(flurorquinolone)、マクロライド、ペニシリン、スルホンアミド、テトラサイクリン、他の抗微生物剤)、止痒剤、コルチコステロイド、同化性ステロイド、無機類、栄養、甲状腺剤、ビタミン、カルシウム関連ホルモン、止冩薬、鎮咳剤、制吐剤、抗潰瘍剤、緩下剤、抗凝血剤、エリスロポエチン(例えばエポエチン アルファ)、フィルグラスチム(filgrastim)(例えばG−CSF、Neupogen)、サルグラモスチン(GM−CSF、Leukine)、免疫感作、免疫グロブリン、免疫抑制薬(例えばバシリキシマブ、シクロスポリン、ダクリズマブ)、成長ホルモン、ホルモン代用薬、エストロゲン受容体モジュレーター、散瞳薬、毛様体筋麻痺薬、アルキル化薬、代謝拮抗物質、有糸分裂インヒビター、放射性薬品、抗鬱薬、抗躁薬、抗精神病薬、抗不安薬、催眠薬、交換神経作用薬、刺激物質、ドネゼピル、タクリン、喘息薬物療法、ベータアゴニスト、吸入ステロイド、ロイコトリエンインヒビター、メチルキサンチン、クロモリン、エピネフリンもしくは類似体、ドルナーゼアルファ(Pulmozyme)、サイトカインもしくはサイトカインアンタゴニストから選択される少なくとも1つを投与すること含んでなる。適切な投薬用量は、当該技術分野では周知である。例えばWells et al.、編集、薬理療法ハンドブック(Pharmacotherapy Handbook)、第2版、アペルトン アンド ランジ(Appleton and Lange)、スタムフォード、コネチカット州(2000):PDR薬局方、タラスコンポケット薬局方(Tarascon Pocket Pharmacopoeia)2000、豪華版、タラスコン出版社、ローマ リンダ、カリフォルニア州(2000)を参照にされたい(それぞれ引用により全部、本明細書に編入する)。
本発明の組成物、併用療法、同時投与、デバイスおよび/または方法に適するTNFアンタゴニスト(さらに本発明の少なくとも1つの抗体、それらの特定部分およびバリアントを含む)には、限定するわけではないが、抗−TNF Ig誘導化タンパク質、それらの抗原結合フラグメント、およびTNFに特異的に結合する受容体分子;サリドマイド、テニダップ(tenidap)、ホスホジエステラーゼインヒビター(例えばペントキシフィリンおよびロリプラム(rolipram))、A2bアデノシン受容体アゴニストおよびA2bアデノシン受容体エンハンサーのようなTNF合成、TNFの放出またはその標的細胞に対する作用を防止および/または阻害する化合物;マイトジェン活性化プロテイン(MAP)キナーゼインヒビターのようなTNF受容体シグナリングを防止および/または阻害する化合物;メタロプロティナーゼインヒビターのような膜TNF開裂を遮断および/または阻害する化合物;アンギオテンシン転換酵素(ACE)インヒビター(例えばカプトプリル)のようなTNF活性を遮断および/または阻害する化合物;およびMAPキナーゼインヒビターのようなTNF生産および/または合成を遮断および/または阻害する化合物を含む。
本明細書で使用する「腫瘍壊死因子Ig」、「TNF Ig誘導化タンパク質」、「TNFα Ig誘導化タンパク質」またはフラグメント等は、インビトロで、その場でおよび/または好ましくはインビボでTNFα活性を低下させ、遮断し、阻害し、排除し、または妨害する。例えば本発明の適当なTNFヒトIg誘導化タンパク質はTNFαに結合
することができ、そして抗−TNFIg誘導化タンパク質、それらの抗原結合フラグメント、およびTNFαに特異的に結合するそれらの特定した変異体またはドメインを含む。適当なTNF抗体またはフラグメントは、TNF RNA、DNAまたはタンパク質合成、TNF放出、TNF受容体シグナリング、膜TNF開裂、TNF活性、TNF生産および/または合成を低下させ、遮断し、排除し、妨害し、防止し、および/または阻害することもできる。
キメラ抗体Ig誘導化タンパク質cA2は、A2と命名された高親和性の中和マウス抗−ヒトTNFαIgG誘導化タンパク質の抗原結合可変領域、およびヒトIgG1カッパ免疫グロブリンの定常領域から成る。ヒトIgG1 Fc領域は同種Ig誘導化タンパク質エフェクター機能を向上させ、循環血清半減期を上昇させ、そしてIg誘導化タンパク質の免疫原性を低下させる。キメラIg誘導化タンパク質cA2のアビディティおよびエピトープ特異性は、マウスIg誘導化タンパク質A2の可変領域に由来する。特定の態様では、マウスIg誘導化タンパク質A2の可変領域をコードする核酸の好適な供給源はA2ハイブリドーマ細胞株である。
キメラA2(cA2)は、天然のおよび組換えヒトTNFαの両方の細胞傷害効果を用量依存的様式で中和する。キメラIg誘導化タンパク質cA2および組換えヒトTNFαの結合アッセイから、キメラIg誘導化タンパク質cA2の親和性定数は1.04×1010−1になると算出された。モノクローナルIg誘導化タンパク質の特異性および親和性を競合阻害により測定する好適な方法は、Harlow,et al.,Ig誘導化タンパク質:ア ラボラトリーマニュアル(Ig derived protein:Antibodies:A Laboratory Manual)、コールドスプリングハーバーラボラトリー出版、コールドスプリングハーバー、ニューヨーク、1988;Colligan et al.編集、免疫学における現在のプロトコール(Current Protocols in Immunology)、グリーネ出版アソシエイツ アンド ウィリー インターサイエンス(Greene Publishing Assoc.and Wiley Interscience)、ニューヨーク、(1992−2003);Kozbor et al.,Immunol.Today,4;72−79(1983);Ausubel et al.編集、分子生物学における現在のプロトコール(Current Protocols in Molecular Biology)、ウィリー インターサイエンス(Wiley Interscience)、ニューヨーク、(1987−2003);およびMuller,Meth.Enzymol.,92:589−601(1983)に見いだすことができ、これらは引用により全部、本発明に編入する。
特定の態様では、マウスモノクローナルIg誘導化タンパク質A2はc134Aと命名された細胞株により生産される。キメラIg誘導化タンパク質cA2はc168Aと命名された細胞株により生産される。
さらに本発明に使用することができるモノクローナル抗−TNF Ig誘導化タンパク質の例は、従来技術により記載されている(例えば米国特許第5,231,024号明細書;Moeller,A.et al.,Cytokine 2(3):162−169(1990);米国特許出願第07/943,852号明細書(1992年9月11日に出願);Rathjen et al.,国際公開第91/02078号パンフレット(1991年2月21日に公開);Rubin et al.,欧州特許出願公開第0218868号明細書(1987年4月22日に公開);Yone et al.,欧州特許出願公開第0288088号明細書(1988年10月26日);Liang,et.al,Biochem.Biophys.Res.Comm.137:847−854(1986);Meager,et al.,Hybridoma 6:305−311(1
987);Fendly et al.,Hybridoma 6:359−369(1987);Bringman,et al.,Hybridoma 6:489−507(1987);およびHirai,et al.,J.Immunol.Meth.96:57−62(1987)を参照にされたい(これらの参考文献は引用により全部、本明細書に編入する)。
TNF受容体分子
本発明に有用な好適なTNF受容体分子は、TNFαに高親和性で結合するものであり(例えばFeldmann et al.、国際公開第92/07076号パンフレット(1992年4月30日公開);Schall et al.,Cell 61:361−370(1990);およびLoetscher et al.,Cell 61:351−359(1990)を参照にされたい、これらは引用により全部、本明細書に編入する)、そして場合により低い免疫原性を有するものである。特に55KDa(p55 TNF−R)および75kDa(p75 TNF−R)TNF細胞表面受容体が本発明に有用である。受容体の細胞外ドメイン(ECD)またはその機能的部分を含んで成るこれらの受容体の短縮された形態も(例えばCorcoran et al.,Eur.J.Biochem.223:831−840(1994)を参照にされたい)、本発明に有用である。ECDを含んで成るTNF受容体の短縮化形は、尿および血清中に30kDaおよび40kDaのTNFα阻害結合タンパク質として検出された(Engelmann,H.,et al.,J.Biol.Chem.265:1531−1536(1990))。TNF受容体多量体分子およびTNF免疫受容体融合分子、およびそれらの誘導体およびフラグメントまたは部分は、本発明の方法および組成物に有用なTNF受容体分子のさらなる例である。本発明で使用できるTNF受容体分子は、症状の良好から優れた緩和および低い毒性で長期間、患者を処置するためのそれらの能力が特徴である。低い免疫原性および/または高い親和性、ならびに他の不確定な特性は、達成される治療的結果に寄与し得る。
本発明に有用なTNF受容体多量体分子は、1もしくは複数のポリペプチドリンカーまたはポリエチレングリコール(PEG)のような他の非ペプチドリンカーを介して連結された2以上のTNF受容体のECDの全てまたは機能的部分を含んで成る。多量体分子はさらに多量体分子の発現を支配するために、分泌されるタンパク質のシグナルペプチドを含んで成ることができる。これらの多量体分子およびそれらの生産法は、米国特許出願第08/437,533号明細書(1995年5月9日出願)に記載され、その内容は引用により全部、本明細書に編入する。
本発明の方法および組成物に有用な免疫受容体融合分子は、1もしくは複数の免疫グロブリン分子の少なくとも一部および1もしくは複数のTNF受容体の全てまたは機能的部分を含んで成る。これらの免疫受容体融合分子は、単量体またはヘテロ−もしくはホモ−多量体として集成することができる。この免疫受容体融合分子は、一価または多価であることができる。そのようなTNF免疫受容体融合分子の例は、TNF受容体/IgG融合タンパク質である。TNF免疫受容体融合分子およびそれらの生産法は従来技術に記載されている(Lesslauer et al.,Eur.J.Immunol.21:2883−2886(1991);Ashkenazi et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88:10535−10539(1991);Peppel et al.,J.Exp.Med174:1483−1489(1991);Kolls et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91:215−219(1994);Butler et al.,Cytokine 6(6):616−623(1994);Baker et al.,Eur.J.Immunol.24:2040−2048(1994);Beutler et al.,米国特許第5,447,851号明細書;および米国特許出願第08/442,133号明細書(
1995年5月16日に出願)、これら各々は引用により全部、本明細書に編入する)。免疫受容体融合分子の生産法も、Capon et al.、米国特許第5,116,964号明細書;Capon et al.、米国特許第5,225,538号明細書;およびCapon et al.,Nature 337:525−531(1989)に見いだすことができ、これらの参考文献は引用により全部、本明細書に編入する。
TNF受容体分子の機能的等価物、誘導体、フラグメントまたは領域とは、TNF受容体分子の部分、あるいは本発明に使用することができる(例えば高親和性でTNFαに結合し、そして低い免疫原性を有する)TNF受容体分子に機能的に似ている十分なサイズおよび配列のTNF受容体分子をコードするTNF受容体分子の配列の部分を称する。TNF受容体分子の機能的等価物には、本発明に使用することができる(例えば高い親和性でTNFαに結合し、そして低い免疫原性を有する)TNF受容体分子に機能的に似ている修飾TNF受容体分子も含む。例えばTNF受容体分子の機能的均等物は、“SILENT”コドンまたは1もしくは複数のアミノ酸置換、欠失または付加(例えば1つの酸性アミノ酸の別の酸性アミノ酸への置換;または同じかまたは異なる疎水性アミノ酸をコードする1コドンの、疎水性アミノ酸をコードする別のコドンへの置換)を含むことができる。Ausubel et al.、分子生物学における現在のプロトコール(Current Protocols in Molecular Biology)、グリーネ出版アソシエイツ アンド ウィリー インターサイエンス、ニューヨーク、(1987−2003)を参照にされたい。
本発明を一般的意味で記載してきているが、本発明の態様はさらに請求の範囲を限定するとは解釈されるべきではない以下の実施例に開示される。
実施例1
CXCL13 mRNA転写産物レべルは病んだ肺組織で上昇する
CXCL13タンパク質をコードするmRNA転写産物のレベルは、対照C57BL6マウスに比べて未処置SP−C/TNFαマウスおよびTNFα特異的mAbで処置したマウスの肺組織で上昇する(図1)。SP−C/TNF−アルファマウスは肺組織にマウスTNFαを構成的に過剰発現するC57BL6マウスに由来するトランスジェニックマウスである。肺におけるTNFαの過剰発現は(SP−C/TNFαトランスジェニックマウス)、COPD患者に見いだされるもののような多くの病理学的変化を引き起こし、それらには肺の炎症、気腫、肺線維症[16]および異所性のリンパ濾胞の形成を含む。SP−C/TNFαマウスは、肺の炎症気腫、肺線維症およびうっ血性閉塞肺疾患(Congestive Obstruction Plumonary Disease:COPD)のような肺疾患をモデルである。肺での異所性のリンパ小胞の形成は、これらの各肺疾患に伴う病状である。肺での異所性のリンパ濾胞は、B細胞の肺および他の肺組織への浸潤を介して形成され得る。図1のこの結果は、SP−C/TNFαマウスの肺組織中の上昇したCXCL13タンパク質レベルが肺での異所性のリンパ濾胞の形成およびこれらの動物に関係する肺疾患の発症に貢献することを示している。
この実験のために、12週齢の対照C57BL6マウスおよび未処置SP−C/TNFαマウスは200μLのPBSを月曜日および金曜日毎に6週間、受容した。SP−C/TNFαマウスは0.5mgのTNFα特異的cV1q mAb(200μLのPBS中)を、腹腔内注射により月曜日および金曜日毎に6週間、受けた。cV1q mAbは、TNFαに結合するモノクローナルラットIgG1アイソタイプモノクローナル抗体である。cV1q mAbは標準的方法を使用して生成された。注射を開始してから6週間後、マウスを研究用の動物管理および使用のガイドラインを順守して屠殺した。
肺を屠殺した動物から摘出し、均一化し、そしてmRNAを抽出し、そして標準的方法を使用して単離した。CXCL13 mRNAおよびGAPDH mRNAに特異的なRT−PCRも標準的方法を使用して行った。次いでCXCL13およびGAPDH mRNAレベルを標準的方法を使用して定量し、そしてCXCL13 mRNAレベルをGAPDHハウスキーピング遺伝子のmRNAレベルに対して標準化した。提示するデータは、5匹の異なるマウスから標準化したCXCL13 mRNAレベルの平均+/−標準偏差を表す(図1)。
実施例2
TNFαおよびCXCL13に特異的なモノクローナル抗体での同時処置は、肺の疾患症状を改善する
TNFαおよびCXCL13に特異的なmAbでの同時処置は、SP−C/TNFαマウスで肺の疾患症状を改善する(図2)。異所性濾胞のサイズは、未処置対照動物に比べてTNFαおよびCXCL13に特異的なmAbでの同時処置したSP−C/TNFαマウスで有意に低下した(図2)。抗−TNFα mAbで8週間処置したSP−C/TNFαトランスジェニックマウスでは、好中球の気道浸潤は有意に減少した:しかし処置は異所性のリンパ濾胞にほとんど影響を及ぼさなかった。この知見はいったん形成されれば、異所性のリンパ濾胞はそれらのホメオスタシスをTNFα非依存的様式で維持することを示す。
この実験のために、12週齢の対照SP−C/TNFαマウスは腹腔内注射を月曜日および金曜日毎に6週間、受容した。対照動物は200μLのPBS注射のみを受容した。抗−TNFα処置動物は、0.5mgのTNFα特異的cV1q mAb(200μLのPBS中)を受容した。抗−CXCL13処置動物は、0.5mgのCXCL13特異的MAB4701mAb(200μLのPBS中)を受容した。同時処置した動物は、0.5mgのTNFα特異的cV1q mAbおよび0.5mgのCXCL13特異的MAB4701mAb(200μLのPBS中)を受容した。MAB4701は、マウスCXCL13に結合するモノクローナルラットIgG1アイソタイプモノクローナル抗体である。MAB4701 mAbは標準的方法を使用して生成され、そして市販されている(R&D Systems,Inc.,Minneapolis MN)。注射を初めてから6週間後、マウスを研究用の動物管理および使用のガイドラインを順守して屠殺した。肺を屠殺した動物から摘出し、切片とし、スライドを調製し、そして組織病理学的分析を行って異所性濾胞のサイズおよび形成を標準法をしたがって定量した。Phase 3 Imaging System(Glen Mills,PA)および付属の分析ソフトウェアを使用して顕微鏡検査を行い、そしてマウス毎に組織スライドあたり10〜20個の小胞のサイズを測定した。提示するデータは(図2)、各処置群からの5匹の異なるマウスの分析からの平均+/−標準偏差を表す。
上記の結果は、抗−CXCL13治療単独で呼吸関連疾患の処置に有用となり得ることを示すことができる。マウスモデルはTNFαの発現を増加したので、抗−CXCL13治療と一緒のTNFαの阻害が、このモデルの疾患状態の改善を示すために必要かもしれない。TNFαが過剰発現されないモデルに関して、CXCL13の阻害は疾患状態の改善に十分となり得る。さらに上記のモデルでは、TNF発現はトランスジェニック動物を介し、そして疾患の進行には依存していない。病理学的状況、すなわち患者の処置では、TNF発現は炎症の減少で最も低下する見込みがあるので、もしCXCL13アンタゴニストがTNFα生産細胞の移動および蓄積を減少できれば、これは単独で治療に有効となる。これはインビボの疾患モデルで試験される。
実施例3
TNF−アルファおよびCXCL13に特異的なモノクローナル抗体での同時処置は、B
細胞の肺組織への浸潤減少する
TNFαおよびCXCL13に特異的なmAbでの同時投与は、B細胞の肺組織への浸潤減少する(図3、4、5および6)。B細胞浸潤アッセイは、それぞれCD22.2、CD19、CD45R/B220およびCD4のB細胞マーカーの検出を介してフローサイトメトリーによりアッセイした。肺組織でのB細胞の浸潤は、未処置対照動物に比べてTNFαおよびCXCL13に特異的なmAbで同時処置したSP−C/TNFαマウスで有意に減少した(図3、4、5および6)。
動物を上記実施例2に記載したように準備し、そして処置を行った。注射を開始してから6週間後、マウスを研究用の動物管理および使用のガイドラインを順守して屠殺した。次いで肺組織をミンチとし、そしてコラゲナーゼVII(1500IU/ml)を用いて37℃で45分間消化して、個々の細胞を遊離した。次いで細胞調製物を、標識した市販されているCD22.2(図3)、CD19(図4)、CD45R/B220(図5)およびCD4(図6)特異的mAbと標準法を使用してインキュベーションした。細胞集団調製物中のB細胞は、CD22.2、CD19、CD45R/B220またはCD4マーカーのいずれかを持ち、市販されているCD22.2、CD19、CD45R/B220またはCD4 mAbとインキュベーションした後に検出できるように標識される。この標識化はフローサイトメトリーによるB細胞の同定に基づく。フローサイトメトリーの分析は標識法を使用した細胞集団について行い、そして細胞集団中に存在するB細胞の割合は、例えば標準法を使用して各マーカーについて測定された。提示するデータは(図3、4、5および6)、各処置群からの5匹の異なるマウスの肺細胞調製物の分析からの平均+/−標準偏差を表す。
本明細書に記載するCXCL13、CXCR5およびTNFαの配列は以下の通り:
Figure 0005758073
実施例4
TNFαおよびCXCL13に特異的なモノクローナル抗体の同時処置は、全身性エリテマトーデスに伴う腎臓の病状を処置する
CXCL13およびTNFαに特異的なmAbでの同時投与により、SLEのマウスモデルで全身性エリテマトーデス(SLE)に伴う腎臓病を処置した。糸球体腎炎は糸球体と呼ばれる内部腎臓構造の炎症であり、そしてSLEの証明である。尿タンパク質は血清タンパク質の尿への過剰な分泌であり、そしてSLEに伴う糸球体腎炎から生じる腎臓疾患の尺度である。動脈周囲のリンパ球浸潤物の病巣(foci)の形成のような腎臓組織の組織学的変化は、SLEに伴う糸球体腎臓から生じる腎臓疾患の別の証明である。
CXCL13およびTNFαに特異的なmAbでの同時投与により、SLEの症状を現しているNZB/W F1マウスの尿中の糸球体腎炎に伴うタンパク質レベルは、PBS賦形剤のみを受けた未処置対照NZB/W F1マウスのレベル未満に低下した(図7)。
さらにCXCL13およびTNFαに特異的なmAbでの同時投与で、SLEの症状を現しているNZB/W F1マウスのSLEに伴う腎臓疾患のランク付けした重篤度が、PBS賦形剤のみを受けた未処置対照NZB/W F1マウスの重篤度のレベル未満に低下した(図8)。NZB/W F1マウスにおけるSLEに伴う腎臓疾患の重篤度は、ランクを付ける系を使用して決定した。スコアは各処置群からのNZB/W F1マウスの腎臓組織の組織学的検査により同定される動脈周囲のリンパ球浸潤物病巣の数、および腎臓組織中の糸球体腎炎に伴うタンパク質レベルの重篤度に基づく(図8)。
これらの実験のために、12週齢のNZB/W F1マウスをJackson Lab(Bar Harbor,ME)から得た。NZB/W F1マウスは加齢にしたがい全身性エリテマトーデス(SLE)様の症状を現し、SLEのマウスモデルとして受け入れられる。0日に、実験動物は対照または処置群(n=15/群)に無作為に割り当てられた。動物は、PBS賦形剤(対照動物)、抗−CXCL13 mAb(マウスあたりPBS中に1mg)、抗−TNFα mAb(マウスあたりPBS中に1mg)、または抗−CXCL13mAb(マウスあたりPBS中に1mg)および抗−TNFα mAb(マウスあたりPBS中に1mg)の両方を毎週、18週齢から38週齢にかけて腹腔内注射で投与した。抗−CXCL13mAbはラット抗CXCL13mAb(R&D Systems Inc.,Minneapolis,MN)を中和している。抗−TNF−アルファmAbは、標準法を使用して作成されたCentocorからのキメラ化ラット抗−TNF−アルファmAbである。動物は毎週モニタリングされた。尿は周期的にフリーキャッチ(free−catch)を介して集め、そして−80℃で保存した。動物は実験の終わりに屠殺し、そして腎臓を適切な保存バッファーに回収した後、さらに分析した。動物は認可された研究用の動物管理および使用のガイドラインを使用して管理され、取り扱われ、そして屠殺された。
採取した尿に存在する全タンパク質およびクレアチンは標準法およびAce Analyzer(Alpha Wasserman,West Caldwell,NJ)を使用して測定した。尿の総タンパク質は希釈していない100μlの尿サンプルで測定し、そしてクレアチニンは脱イオン化蒸留HOで1:10に希釈したサンプル100μlで測定した。次いでこれらの値を使用してクレアチンに対する尿の総タンパク質の生じた比率を算出した。尿の総タンパク質/クレアチニン比は平均プラスまたはマイナス標準誤差で表され、そしてサンプル間の統計的有意差は、p値<0.05で標準t−検定による変動の両側分析を使用して決定された。
組織学的分析は動物が38週齢に達した時に回収した腎臓について行った。回収した腎臓は、0.1Mリン酸バッファー、0.7%パラホルムアルデヒド、75mM Lリシンおよび10mM NaIOからなる0.7%の過ヨウ素酸リシンパラホルムアルデヒド(PLP)バッファーに直ちに浸漬した。腎臓はPLPバッファーで一晩固定した後、パラフィンブロックに包埋した。7μM切片の調製およびヘマトキシリンおよびエオシン染色に標準法を使用した。サンプルはSLEに伴う腎臓疾患の重篤度について盲検様式で検査され、そしてスコアを付けられた。スコアは各処置群からNZB/W F1マウスの腎臓組織を対象とした組織学的検査により同定される動脈周囲のリンパ球浸潤物病巣の数、および腎臓組織の中のタンパク質レベルに伴う糸球体腎炎に関連するタンパク質レベルの重篤度に基づいた。ランク分析に関する変数のKruskal−Wallis分析は多く
の比較のためにDunnの補正を用いて行い、そしてp−値<0.05を使用して処置群間の差異が統計的に有意と認められることを確認した。
特定の具体的態様について上で説明し、そして記載したが、本発明は示した詳細に限定されることを意図していない。むしろ本発明は本明細書に開示するCXCL13アンタゴニストポリペプチド、ポリヌクレオチド、抗体、装置およびキットおよびそれらの使用、ならびに場合によりTNFαのレベルを制御すると共にCXCL13のレベルを制御する方法を対象とし、そして様々な修飾を特許請求の範囲の等価物の観点および範囲内で、そして本発明の精神から逸脱せずに詳細に行うことができる。
CXCL13 mRNA転写産物レベルは病んだ肺組織中で上昇することを表す。 TNF−αおよびCXCL13に対して特異的なモノクローナル抗体での同時処置は、病んだ肺組織中の異所性濾胞のサイズにより評価する時、肺の疾患症状を改善する。 TNF−αおよびCXCL13に対して特異的なモノクローナル抗体での同時処置は、CD22.2を発現するB細胞の肺組織への浸潤を減少する。 TNF−αおよびCXCL13に対して特異的なモノクローナル抗体での同時処置は、CD19を発現するB細胞の肺組織への浸潤を減少する。 TNF−αおよびCXCL13に対して特異的なモノクローナル抗体での同時処置は、CD45R/B220を発現するB細胞の肺組織への浸潤を減少する。 TNF−αおよびCXCL13に対して特異的なモノクローナル抗体での同時処置は、CD4を発現するB細胞の肺組織への浸潤を減少する。 CXCL13およびTNF−αに対して特異的なmAbでの同時処置は、全身性エリテマトーデス(SLE)の症状を表すNZB/W F1マウスの尿中の糸球体腎炎に伴うタンパク質レベルを、PBS賦形剤のみを受けた未処置対照NZB/W F1マウスのレベル未満に下げたことを表す。 CXCL13およびTNF−αに対して特異的なmAbでの同時処置は、全身性エリテマトーデス(SLE)の症状を現すNZB/W F1マウスの全身性エリテマトーデス(SLE)に伴う腎臓疾患の重篤度のスコアのランクを、PBS賦形剤のみを受けた未処置対照NZB/W F1マウスのレベル未満に下げたことを表す。

Claims (12)

  1. 細胞、組織、器官または動物の、慢性閉塞性肺疾患(COPD)または全身性エリテマトーデスであるCXCL13活性関連障害を処置するための薬剤を製造するためのCXCL13結合モノクローナル抗体またはそのCXCL13結合フラグメント、及び、TNFα結合モノクローナル抗体またはそのTNFα結合フラグメントの使用方法であって、
    処置が、該細胞、組織、器官または動物のCXCL13活性を阻害するために有効な量である上記動物の体重につき10mg/kg〜20mg/kgの量でCXCL13結合モノクローナル抗体またはそのCXCL13結合フラグメントの、細胞、組織、器官または動物への投与、そして、該細胞、組織、器官または動物のTNFα活性を阻害するために有効な量である上記動物の体重につき10mg/kg〜20mg/kgのTNFα結合モノクローナル抗体またはそのTNFα結合フラグメントの、細胞、組織、器官または動物への投与を含む、
    方法。
  2. 抗体フラグメントがFab、Fab’またはF(ab’)2フラグメントである請求項1に記載の方法。
  3. 動物が哺乳動物である請求項1に記載の方法。
  4. 少なくとも1つのモノクローナル抗体またはフラグメントが非経口、皮下、筋肉内、静脈内、関節内、気管支内、腹内、嚢内、軟骨内、腔内小脳内、脳室内、結腸内、頚内、胃内、肝臓内、心筋内、骨内、骨盤内、心膜内、腹腔内、胸膜腔内、前立腺内、肺内、直腸内、腎臓内、網膜内、脊椎内、滑液包内、胸腔内、子宮内、膀胱内、病変内局所、ボーラス、膣、直腸、頬内、舌下、鼻内および経皮から選択される少なくとも1つの様式により投与される請求項3に記載の方法。
  5. 哺乳動物がヒト患者である請求項4に記載の方法。
  6. 少なくとも1つのモノクローナル抗体またはフラグメントが腹腔内に投与される請求項4に記載の方法。
  7. 少なくとも1つのモノクローナル抗体またはフラグメントが該抗体のボーラス投与に続いて注入により投与される請求項4に記載の方法。
  8. 全身性エリテマトーデスの動物を処置するための薬剤を製造するための、CXCL13結合抗体または抗体のCXCL13結合フラグメント、及び、TNFα結合抗体または抗体のTNFα結合フラグメントの使用方法であって、
    処置が、CXCL−13結合抗体または抗体のCXCL−13結合フラグメントの動物への提供、及び、TNFα結合抗体または抗体のTNFα結合フラグメントの動物への提供を含み、ここで、それぞれの抗体または結合フラグメントが全身性エリテマトーデスの症状に減少を生じるために有効な量である上記動物の体重につき10mg/kg〜20mg/kg提供される、
    方法。
  9. 動物が哺乳動物である請求項8に記載の方法。
  10. 哺乳動物がヒトである請求項8に記載の方法。
  11. 全身性エリテマトーデスの症状が腎臓組織の検査により同定される動脈周囲のリンパ球浸潤病巣の数によって認識される請求項8に記載の方法。
  12. 全身性エリテマトーデスの症状が尿中総クレアチニンに対する尿中総タンパク質の比率によって認識される請求項8に記載の方法。
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