JP5757415B2 - 空気調和機等の冷凍装置 - Google Patents
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Description
従って、冷凍サイクル中に於いて上記気液分離装置の使い方は限られたものであった。その一例を以下図27、図28をもって説明する。
先ず、図27に示すものは、特許文献1で開示されたものであるが、このものは冷房専用の空気調和機に気液分離装置を採用した例である。
その液冷媒は減圧器33(膨張弁)で減圧され気液二相流冷媒となり、入り口管5から気液分離装置43に流入し、そこで分離された液相冷媒は液相出口管7から蒸発器35に入り、蒸発用送風機36で送られる空気から熱を奪い低温低圧の気相冷媒となり、圧縮機27に吸い込まれる。
この冷房専用の空気調和機であれば、気相冷媒は蒸発器35に流入しないため、蒸発器35での圧力損失を抑えることが出来、圧縮動力が節減でき高効率な運転を可能にすることが出来る。
即ち、この冷凍サイクルの場合、冷蔵要素29(毛細管12と冷却器13)には冷房、暖房切替に関係なく一定方向より冷媒を流す必要がある。
これを達成する為に流路切換逆止弁ブリッジ50を組み込んだものである。この流路切換逆止弁ブリッジ50を冷房、暖房切替可能な冷凍サイクルに組み込めば冷媒の流れ方向が特定されるので図27で説明した気液分離装置の採用も可能となる。
この流路切換逆止弁ブリッジ50と先の気液分離装置43を併用した、空気調和機であれば蒸発に寄与しない気相冷媒は冷房運転時に蒸発器となる室内側熱交換器に流入しないし、暖房運転時に蒸発器となる室外側熱交換器に流入しない為、蒸発器となる側の熱交換器での圧力損失を抑えることが出来、圧縮動力が節減でき、高効率な運転を可能にすることが出来るものである。
以下、これを図29、図30をもって説明する。
先ず図29に於いて、
図29に示されたバルクオイルセパレータは2枚以上のバッフル45a、45b---でシェル内を複数のセクション(44a、44b---)に区画し、ガス及びオイルの混合物をセクション44a内に取り込む入り口管20を設けると共に、セクション内で分離されたオイル及びガスを持ち出す管としてライン21(オイル用)及び出口ガス管31(ガス用)をセクション44dに設け、ガス及びオイルの混合物を各セクションでガスとオイルに分離するようにしたものである。
図30に示された気液分離装置は室内熱交換器と室外熱交換器との間に配置されたもので、気相冷媒を、下流側熱交換器をバイパスして圧縮機に戻し、冷房、暖房運転に合わせ、気液二相流冷媒の入る入り口管が変るようにしたものであって、冷凍サイクル中に組み込まれた気液分離装置は、筒状容器13底面に遮蔽板16を設け、筒状容器13下部を第1冷媒室17と第2冷媒室18に区画し、この区画された室17、18に第1冷媒管10、第2冷媒管11を設け、一方の冷媒管より冷媒室に入った気液二相流冷媒を密度差により気相と液相に分離し、液相冷媒は他方の冷媒管を通して次の熱交換器側に導出し、気相冷媒は筒状容器13内の上方に臨んで設けられた第3冷媒管12を通して圧縮機側に戻すようにしたものである。
(1)セクション44dはライン21及び出口ガス管31を設ける関係上、他のセクションより大きな室としなければならないので、ガス及びオイルの混合物を、ガス及びオイルに分離するセクション44b、44cの容積が小さくなる。これに伴ない気液分離装置自体を大きくしなければならない等の課題が出てくる。
(2)また、セクション44dにライン21及び出口ガス管31があるので、出口ガス管31にオイルが混入する確立が高くなる課題があった。
(1)筒体内径を36〜55mmで作り、それを縦にして使う気液分離装置であると、分離に必要となる筒体内径が分離に必要な表面積となるので、表面積が十分にとれず気相と液相を効率良く分離することが出来なかった。
これを可能にしようとすると、筒体内径を大きくすることとなるので、気液分離装置自体が大形化し、重量も増えてしまうと言う課題があった。
(2)気相冷媒を導く第3冷媒管12が、筒状容器13が作る冷媒室の上方に臨んでいることより、液相冷媒が第3冷媒管12に混入する確率が高くなる課題もあった。
即ち、気相冷媒を、下流側熱交換器をバイパスして圧縮機に戻し、且つ冷房、暖房運転に合わせ、気液二相流冷媒の入る、入り口管側が変るようにした気液分離装置を室内熱交換器と室外熱交換器との間に備えた空気調和機に於いて、上記気液分離装置を、横置きされた容器本体と、気液二相流冷媒が通る孔を外周部近くに有し、且つ上記容器本体内を内容積が小さい2個の狭小空間と内容積が大きい急拡大室との3室に区画する2個の仕切り体と、狭小空間に挟まれた急拡大室に臨む気相冷媒導出管と、急拡大室の両側に位置する狭小空間に臨むように設けられた2本の出入り口パイプと、急拡大室内の表面積を拡大し、且つ上記仕切り体の孔を通る気液二相流冷媒を他側の仕切り体の孔に誘導する溝付き体とで構成した気液分離装置を備えた空気調和機等の冷凍装置である。
2.仕切り体で仕切られる急拡大室に気相冷媒導出管を設けるようにしたので、気液二相流冷媒が導入される狭小空間の内容積を拡大することなく、急拡大室の内容積を大きくとることが出来る。
3.気液二相流冷媒を導入する出入り口パイプと、気相冷媒の導出管となる気相冷媒導出管を別の室に設けるようにしたので、気相冷媒導出管に入る液相分を大幅に低減出来る気液分離装置が得られ、蒸発器となる側の熱交換器での圧力損失を抑えることが出来、圧縮動力が節減でき、高効率な運転を可能にすることが出来るものである。
この時、二つある膨張弁8a、8bの内、8aは減圧作用を行なうが8bは減圧作用を行なわないよう予め動作させておくものである。又、気液分離装置9には矢印に示す如く膨張弁8aで減圧された気液二相流冷媒が入り、膨張弁8b側には気液分離装置9で分離された液相冷媒が流れる(通過する)ものである。
尚、気液分離装置9内で分離された気相冷媒は気相戻し管11より冷媒吸入流路10を経由して、圧縮機2の吸入口4側に戻されるものである。
この時二つある膨張弁8a、8bの内、8bは減圧作用を行なうが、8aは減圧作用は行なわないよう予め動作させておくものである。
又、気液分離装置9には矢印に示す如く膨張弁8bで減圧された気液二相流冷媒が入り、膨張弁8a側には気液分離装置9で分離された液相冷媒が流れる(通過する)ものである。
尚、気液分離装置9内で分離された気相冷媒は気相戻し管11より冷媒吸入流路10を経由して、圧縮機2の吸入口4側に戻されるものである。
冷房運転の場合は気液分離装置9内に入る気液二相流冷媒の入口側が逆転し膨張弁8b側となるが、効果は暖房運転時と同じである。
次に、図3、図4をもって、気液分離装置9の詳細を説明する。
14は容器本体であり、通常金属管で作られている。この容器本体14の両端には絞り部14aが形成されており、この絞り部14aを利用し、図に示す如く出入り口管15、16が接続されている。
18は上記容器本体14の内壁部に取り付けられた溝付き体である。この溝付き体18は通常、薄板金属を波形に折り曲げ、それを図3にも示す如く略円筒等状に丸めたものである。
要は、容器本体14の内壁部に沿ってある程度の高さを持つ溝を、一方の出入り口管より取り込んだ気液二相流冷媒を表面張力の作用により気相冷媒と液相冷媒に分け、液相冷媒を他方の出入り口管側に誘導するように形成すれば良いものである。
この仕切り体19は容器本体14の内壁との間に狭小空間20を作る他、溝付き体18を容器本体14内に固定する役目を果す。更には出入り口管15(16)から気液分離装置9内に入る気液二相流冷媒を溝付き体18に配分する分配器の役目を果している。また上記仕切り体19にガイド19bを設けることにより、気液二相流冷媒の溝付き体18への分配効果を更に高めることが出来る。
換言すると、上記仕切り体19が、容器本体14との間に作る狭小空間20はこの空間20に臨むように設けられた出入り口管15(16)から入る気液二相流冷媒を仕切り体19の前面外周方向に導き、孔19aより溝付き体18全体に導入するものである。逆に液相冷媒の出口側に位置する仕切り体19は溝付き体18内の液相冷媒を上記孔19aより出入り口管に導出するものである。
換言すると溝付き体18は、表面張力の作用により、気液二相流冷媒を気相冷媒と液相冷媒に分け、液相冷媒を重力に打ち勝ち出入り口管15(16)に導くように、溝高さ、溝ピッチ等が設計されている。
尚、22は保護材である。この保護材22は急拡大室21に臨む気相冷媒導出管17が液相冷媒を吸い込むことなく気相冷媒を吸い込むよう設けられている。また、この保護材22は気相冷媒導出管17より導出される気相冷媒の吸い込み抵抗とならないよう、内径の太い導管とされている。
更にこの保護材22は気相冷媒導出管17を急拡大室の中央まで延出することにより省略することも可能である。
換言すると、薄板金属を波形に折り曲げそれを円筒管状に丸めて溝付き体18としたものであると溝付き体18が邪魔する為、部分的な加工が必要となる等の課題が出る。これを図3では溝付き体18を完全な円筒体としないで気相冷媒導出管17を逃げた略円筒体としたものである。
即ち、狭小空間20に於いては、出入り口管15、16の何れか一方より狭小空間20内に取り込まれる気液二相流冷媒を、密度差により気液に大別し、気相冷媒は仕切り体19外周上方に設けられた孔19aを通し、急拡大室21に送り込む。
上記の如く、この狭小空間20は出入り口管15より導入された気液二相流冷媒の流速を落し密度差を利用し大別するだけの空間で、液相冷媒中に含まれる気液冷媒を主体的に分させるものではないので、その内容積は小さくとも良い。
一方、急拡大室21は狭小空間20側より孔19aを介し送られて来る気液二相流冷媒を、気相冷媒と液相冷媒に分離する室であることより、この室の内容積を大きくし、更に溝付き体18を用いて表面積を大きくする必要がある。
そして、急拡大室21を経た液相冷媒は溝内に保持され、他方の狭小空間20に入り他方の出入り口管16側に導出される。
上記狭小空間20と急拡大室21は働きの違いにより、急拡大室21の内容積は狭小空間20の内容積より大きく作られている。
この為に、容器本体14内を区画する仕切り体19は図にも示す如く容器本体14に作られる絞り部14aに近づけた位置に設け、急拡大室21の内容積を狭小空間20より大きくしている。
更に急拡大室21にあって、気液二相流冷媒は表面張力の作用により、溝付き体18の溝内に保持され他方の狭小空間側に向け流れるので、気相冷媒導出管17側に、この溝付き体18を流れる液相冷媒が吸い込まれて行くことはないものである。
尚、図5は図3とは異なる実施例の気液分離装置で容器本体一部切り欠き斜視図であり、図6は図5の横断面図である。
図に於いて、14は容器本体、14aは絞り部、15、16は出入り口管、17は気相冷媒導出管、19は仕切り体、19aは孔である。
本実施例2と実施例1との違いの一つは、溝付き体18が溝付き体18aと18bに分かれている点であるが、上記構成部材の働きは実施例1と同じである。
即ち、図に示す如く、本実施例2に於ける溝付き体18は気相冷媒導出管17が配設されている所で2つに別れている。
而して、溝付き体18の一方より出て、急拡大室21に溜る気相冷媒は空間25の上方に位置する気相冷媒導出管17より容器本体14の外に導出され、溝付き体18より押し出される液相冷媒は空間25底部に溜り、液相出口管23より液相導管26a(26b)を経て出入り口管15、16のどちらか一方に導出される。
即ち、本実施例の場合、使われる溝付き体18は18aか18bのどちらか一方(気液二相流冷媒が入ってくる方)で他側の溝付き体18の作用は休止しているものである。そしてこの溝付き体18を出た液相冷媒は空間25に溜ることとなる。溜った液相冷媒は空間25の底部に設けられた液相出口管23より液相導管26a、26bの何れか一方を通リ出入り口管側に導出される。
また、出入り口管16側より気液二相流冷媒が気液分離装置9内に入った時には切替弁は逆の流れを行なうよう切替弁24bが閉し、切替弁24aが開し、出入り口管15側に液相冷媒を流す。
尚、この切替弁28は逆の場合を考慮し、出入り口管15側にも当然、切替弁28aが設けられている。
又、上記溝付き体18a、18bは一方が仕切り体19a、19bで固定され、他側は図6にも示す如く固着具29等により容器本体14側に固定されている。
尚、図7は図3中に組み込まれる仕切り体の正面図であり、図8は図5中に組み込まれる仕切り体の正面図であり、図9は図3中に組み込まれる溝付き体の正面図であり、図10は図9とは異なる実施例の溝付き体の正面図である。
先ず図7、図8に於いて、仕切り体19に付いて説明する。
この仕切り体19は容器本体14との間に狭小空間20を作り、出入り口管16より気液分離装置9内に入る気液二相流冷媒を溝付き体18に導く働きを果す。通常上記気液分離装置9は水平か、わずか傾けた状態(15度位までの傾き)で使われる。
従って出入り口管15より気液分離装置9内に入る気液二相流冷媒は環流とならずかたよって流れる可能性がある。
この為の手段として仕切り体19には出入り口管16に対向する中央部から外周に設けた孔19a側に気液二相流冷媒を分散させる多数のガイド19bが設けられている。
尚、上記ガイド19bの入り口部は粗密に作られ、下側が密に上側が粗になるよう作られている。
また、図7が実施例1に使われる仕切り体19であり、図8が実施例2に使われる仕切り体19である。
この為、この気相冷媒導出管17を設ける位置には図3にも示す如く溝付き体18を設けることが出来ない。
従って、上記仕切り体19はこの溝付き体18が、無い所(図9,10に示すP部)に気液二相流冷媒が流れないようにする必要がある。
この為、上記仕切り体19の気相冷媒導出管17対応部(図9,10に示すP部)には孔19aを設けないようにしている。
一方、図8は実施例2に使われる仕切り体19である。この仕切り体19は溝付き体18が容器内周全体にあるので、このものは気液二相流冷媒を溝付き体18に流す為の孔19aが外周部に均一に設けられているものである。
溝付き体18の内部に流入した気液二相流冷媒の液相は溝の表面と裏面に付着し、液膜となる。また気相に乗って運ばれる液滴は溝付き体18の溝に衝突し液膜となり、下流に流入し、液相出口管から流出する。この間溝付き体18は液滴が自重で溝付き体18より落下しないよう表面張力の作用により保持する様に構成されている。
そして図9は等ピッチで薄板金属を波形に折り曲げたものである。また図10に示すものは、気液分離装置9を機器に組み込んだ時、上方に位置する所の折り曲げピッチを密にしたものである。このように折り曲げピッチを変えることにより表面張力が増し、気液分離装置の上方に位置する液相冷媒であっても自重で溝付き体18より落下することがないものである。
図に於いて、9は気液分離装置、14は箱状の容器本体、14aは図3、図4に示す絞り部相当、15、16は出入り口管、17は上記容器本体14の底面に設けられた気相冷媒導出管、18は溝付き体、この場合の溝付き体は実施例2で説明した略円筒管状でなく薄板金属板を波状に折り曲げたままで平板状を呈している。19は仕切り体である。この仕切り体19は平板状を呈し容器本体14との間に二つの狭小空間20と急拡大室21を作ると共に出入り口管15、16の一方から気液分離装置9内に入る気液二相流冷媒を平板状溝付き体全体に行きわたらせる役目を果す。
又、この形態の気液分離の原理は、同一出願人が出願し、公開した特開2006〜170589に記載されている通りである。
図14は図11とは異なる実施例の気液分離装置の断面図であり、図15は図14のA―A断面図である。
図に於いて、9は気液分離装置、14は箱状の容器本体、勿論このものにも、図には示してないが、絞り部相当14aはある。15、16は出入り口管、17は気相冷媒導出管で図14の場合、容器本体14の上面と底面に17a、17bの如く設けられ、それらは配管27を持って連接されている。18は実施例3で説明したものと同じ溝付き体、この溝付き体18は図15にも示す如く容器本体14の高さ方向を略二分する位置に設けられ、急拡大室21を容器本体14内に二つ形成している。この関係で先の、気相冷媒導出管17は上下に設けられているものである。
そして、上記仕切り体19に導びかれ溝付き体18に至った気液二相流冷媒は、表面張力の作用により、気相冷媒と液相冷媒に分かれ、液相冷媒は溝付き体18が形成する上向き、下向きの溝内を流れ、例えば出入り口管15側が入り口管となった場合には溝付き体18の上下面を伝わって出入り口管16側に至るものである。
勿論この時急拡大室21側では気相冷媒導出管17a、17bが気相冷媒を吸い込み、配管27を使って一緒にしたものを、気相冷媒導出管17に導出するものである。
上記構成とすることにより溝付き体18の上下面が有効に活用出来るので気液分離装置の小型化が図れるものである。
上記の如く、本実施例に示す気液分離装置9は外形が筒体でなく、箱状を呈する為、溝付き体18、仕切り体19が実施例1、2のものと異なるが、各構成部品の働きは先に述べた実施例と同じであり、この実施例に於いても十分に気液分離の機能を果たすものである。
尚、図16は図14とは異なる実施例の気液分離装置の断面図であり、図17は図16のA―A断面図である。
図に於いて本実施例に示す気液分離装置9は実施例4に示す溝付き体18を容器本体14内に二個設け、溝付き体18の表面積を拡大し、気液分離装置9自体の効率化を図ると共に、小型軽量化を狙ったものである。図中同一符号は同様の機能を果す部材である。異なる点は急拡大室21が一個増えた為、この急拡大室21にも気相冷媒導出管17cが設けられている点と、仕切り体19、溝付き体18を片側二個とした関係で出入り口管15、16を二又に増した点である。
尚、図18は図11、図14、図16中に組み込まれる仕切り体の正面図であり、図19、図20は図11、図14、図16中に組み込まれる溝付き体の断面図である。
先ず図18に於いて、19は仕切り体である。この仕切り体19は勿論実施例1、2で説明した仕切り体19と異なり、平板状を呈するものである。
次に図19、図20をもって実施例3、4、5に使われる溝付き体18に付いて説明する。
図に於いて、18は溝付き体である。この溝付き体18も薄板金属板を波形に折り曲げたものである。この折り曲げピッチ及び高さは先に、同一出願人が出願し、公開した特開2006〜170589に記載した内容の溝付き体である。
図20に示すものは捕捉した液滴を落下させない為に工夫した事例で、特に下側の表面張力を増す為の形状で、下向きとなる溝内の液滴が自重で表面張力を破り落下しないように、溝を狭めた例を示すものである。
本実施例で説明する気液分離装置は、実施例1同様、気液分離装置9の全体形状を円筒状とし且つそれを横置としたものである。
図に於いて、9は気液分離装置、14は円筒状の容器本体で横置きされている。14aは絞り部、15、16は本実施例の出入り口管、17は気相冷媒導出管、18cは本実施例の溝付き体、19は仕切り体、19aは孔、20は狭小空間、21は急拡大室、22aは本実施例の保護材、30は切り欠き窓である。
図に於いて、本実施例の出入り口管15、16の先端は狭小空間20に対し狭小空間20の底部20aに近づけて設置されている。これは一方の出入り口管15側から気液二相流冷媒が狭小空間20に導入される際、気液二相流冷媒が確実に狭小空間20に導入されるようにしたもので、他方の出入り口管16は狭小空間20内の液相冷媒を確実に導出させる為である。
また、本実施例の溝付き体18cは、高さ方向で急拡大室21の略1/2以下の所に設置される半円弧状(図25に示す)をしている。
換言すると、本気液分離装置9内に導入する気液二相流冷媒量は高さ方向で気液分離装置9の1/2以下に設定されていると言うことでる。尚、この半円弧状の程度は、導入される気液二相流冷媒の量に応じて、変化させることが出来るものである。
また、この板状保護材22aは気相冷媒導出管17の吸い込み面積S1に対し、破線で示す周面積S3がS1≦S3となるような位置に設けられ、気相冷媒導出管17より導出される気相冷媒の抵抗とならないよう考慮されている。
また、30は切り欠き窓である。この切り欠き窓30は溝付き体18cの上方に位置する仕切り体19に設けられている。本実施例では、溝付き体18cは半円弧状であるため、仕切り体19の上部は、溝付き体18cが無く気液二相流冷媒が流れない構造となっており、この溝付き体18cの無い仕切り体19の部分、すなわち溝付き体18cより上方の仕切り体19の部分に切り欠き窓30を設けるものである。尚、この切り欠き窓30は二個ある仕切り体19の両方に設けられている。これにより、狭小空間20内の気相冷媒のみを急拡大室21側に導入する切り欠き窓30が構築される。
換言すると仕切り体19には孔19aとこの切り欠き窓30とが設けられ上記気相冷媒の急拡大室21への導入を行っているものである。
本実施例7で説明するものは、実施例1同様、気液分離装置9の全体形状を円筒状とし且つそれを横置としたものである。
図に於いて、9は気液分離装置、14は円筒状の容器本体で横置されている。14aは絞り部、15、16は出入り口管、17は気相冷媒導出管、18cは半円弧状の溝付き体、19は本実施例の仕切り体、19aは孔、20は狭小空間、21は急拡大室、22は実施例1で説明したものと同じ保護材、30は切り欠き窓である。
上記した気液分離装置9の働きは上記実施例と同じであるが、仕切り体19の形状を異にしているので、この点の説明を以下に行う。
即ち、上記してきた気液分離装置9で使われている仕切り体19は円錐形をなし、その頂点が出入り口管15、16側に向くよう配設されたものであるが、図22に示すものは平板状の仕切り体19cである。
実施例6と同様に、この平板状の仕切り体19cにも孔19a、切欠き窓30は当然形成されており、また、この仕切り体19cと容器本体14の絞り部14aとは狭小空間20を形成しており、例えば出入り口管15より入る気液二相流冷媒の溝付き体18c(反円弧状)への導入を容易とすると共に、半円弧状溝付き体18cを出た液相冷媒の出入り口管16への導出を、該絞り部14aの斜面を活用し、容易なものとしている。
本実施例7によれば、仕切り体を平板状にすることにより、容器本体14を短く出来、気液分離装置9の小形化が図れる。
本実施例8で説明するものは、実施例1同様、気液分離装置9の全体形状を円筒状とし且つそれを横置としたものである。
図に於いて、9は気液分離装置、14は円筒状の容器本体で横置されている。14aは絞り部、15、16は出入り口管、17は気相冷媒導出管、18cは半円弧状の溝付き体、18dは第2の溝付き体で半円弧状をなし、上記溝付き体18cとの内側円弧内に図25に示す如く納まるものである。19は仕切り体、19aは孔、20は狭小空間、21は急拡大室、22aは保護材、30は切り欠き窓、31は溝付き体18c、18dの頂部にあけたスリットである。
上記した気液分離装置9の働きは上記実施例と同じであるが、溝付き体18cと構成を異にするので、この点の説明を以下に行なう。
また、図に示す気液分離装置9は急拡大室21内での気液分離を更に促進する為に半円弧状溝付き体18cと18dを図に示す如く、二段重ねして設けたものである。
そして、上記仕切り体19に設けられた二段の孔19aはそれぞれの半円弧状の溝付き体18cと18dに対応するよう配置されている。
即ち、狭小空間20に出入り口管15(16)の何れか一方より導入された気液二相流冷媒は狭小空間20に案内され、それぞれの孔19aより半円弧状の溝付き体18cと18dに導出される。
一方急拡大室21内の薄板を折り曲げ形成した半円弧状溝付き体18cと18dに入った気液二相流冷媒は、図25に示す如く、半円弧状溝付き体18cと18dの表面及び裏面に沿って他側の狭小空間20側に流れる。この過程に於いて半円弧状溝付き体18cと18dに沿って薄膜状に流れる気液二相流冷媒は表面張力の作用により液相冷媒は溝内に保持され気相冷媒は急拡大室側に放出される。
この時にあって、後述するスリット31がないと半円弧状溝付き体18cと18dの裏面で分離した気相冷媒は仕切り体19を通り越して出口側となる狭小空間20まで行かないと、急拡大室21側の気相冷媒導出管17側に戻ることは出来ない。
この点から言うと半円弧状溝付き体18cと18dの裏面18e側を流れる気液二相流冷媒の気相と液相の分離がうまく行なわれていなかったと言うことになる。
これを改善すべく設けたものが図26に設けたスリット31である。このスリット31を設けることより溝付き体18の裏面18eでの気液分離も効率良く行なわれるものである。
即ち、半円弧状溝付き体18cと18dの裏面を流れる過程で分離した気相冷媒は上記スリット31を通し、急拡大室21側に出て行くので、気液分離が効率良く行なわれるものである。
また、気相冷媒導出管17は急拡大室21内にあるが溝付き体18を流れる液相冷媒は表面張力の作用によりしっかりと溝内に保持されているので、この部分で液相冷媒が、先の気相冷媒導出管17に吸い込まれて行くことはないものである。
以上の如く、本実施例は急拡大室内に設ける半円弧状溝付き体18cと18dにスリット31を設け、溝付き体18cと18dの裏面18e側を流れる冷媒の気液分離を行なうようにしたので、急拡大室内の更なる表面積拡大が図れ、気液分離装置の小形軽量化が図れるものである。
尚、スリットの効果を実施例8で説明したが、実施例1、3、6、7についても同じ効果が得られる。
即ち、気相冷媒を、下流側熱交換器をバイパスして圧縮機に戻し、且つ冷房、暖房運転に合わせ、気液二相流冷媒の入る、入り口管側が変るようにした気液分離装置を室内熱交換器と室外熱交換器との間に備えた空気調和機に於いて、上記気液分離装置を、横置きされた容器本体と、気液二相流冷媒が通る孔を外周部近くに有し、且つ上記容器本体内を内容積が小さい2個の狭小空間と内容積が大きい急拡大室との3室に区画する2個の仕切り体と、狭小空間に挟まれた急拡大室に臨む気相冷媒導出管と、急拡大室の両側に位置する狭小空間に臨むように設けられた2本の出入り口パイプと、急拡大室内の表面積を拡大し、且つ上記仕切り体の孔を通る気液二相流冷媒を他側の仕切り体の孔に誘導する溝付き体とで構成した気液分離装置を備えた空気調和機等の冷凍装置である。
1.気液二相流冷媒を気相冷媒と液相冷媒とに分離する急拡大室の容積が狭小空間の容積より大きくなるように仕切り体を配設し、且つ溝付き体をもって表面積の拡大を図った為、気液分離装置自体の小形軽量化が図れ、且つ性能向上が図れる気液分離装置が得られるものである。
2.仕切り体で仕切られる急拡大室に気相冷媒導出管を設けるようにしたので、気液二相流冷媒が導入される狭小空間の内容積を拡大することなく、急拡大室の内容積を大きくとることが出来る。
3.気液二相流冷媒を導入する出入り口パイプと、気相冷媒の導出管となる気相冷媒導出管を別の室に設けるようにしたので、気相冷媒導出管に入る液相分を大幅に低減出来る気液分離装置が得られ、蒸発器となる側の熱交換器での圧力損失を抑えることが出来、圧縮動力が節減でき、高効率な運転を可能にすることが出来るものである。
1.狭小空間内に入った気液二相流冷媒は容器本体側に設けた絞り部に案内されスムーズに、且つ仕切り体のガイドに沿って放射状に分散し、溝付き体に均一に分配されるので、効率の良い気液分離装置を得ることができる。
1.溝付き体により急拡大室の表面積を拡大し、気液二相流冷媒の接触する表面積を大きくしたので、気液二相流冷媒中に含まれる気相冷媒はほとんどが、この急拡大室で液相冷媒と分離される気液分離装置が得られる。
1.急拡大室に入る気液二相流冷媒の量に合わせた溝付き体とすることにより効率の良い気液分離装置を得ることが出来る。
2.また、液相冷媒の出口側に位置する狭小空間に於いても、わずかではあるが気、液の分離が行なわれ、気相冷媒は仕切り体の孔を通し急拡大室側に導入される。
3.更に、液相冷媒を次の工程である熱交換器側に送る出入り口パイプ先端を容器本体底部に近づけていることより液相冷媒の導出が容易になるので、上記熱交換器には液相が多い冷媒が導出される気液分離装置となる。
1.切り欠き窓を設け、気相冷媒の通路を拡大することで、入口側狭小空間、出口側狭小空間で発生した気相冷媒を、仕切り体の孔のみの場合に比べより一層抵抗無く急拡大室に送る事の出来る気液分離装置が得られる。
1.溝付き体を流れる気液二相流冷媒及び狭小空間より急拡大室に入る気相冷媒中に含まれる液相冷媒が直接気相冷媒導出管に吸い込まれないように該気相冷媒導出管の吸い込み口近くに保護材を設けたものであるから気相冷媒導出管より多量の液相冷媒が吸い込まれることがない気液分離装置が得られる。
1.溝付き体の裏面を流れる気液二相流冷媒から分離した気相冷媒を出口側狭小空間を経ないでスリットを介し直接急拡大部に放出し、気相冷媒導出管側に戻す構成としているので、溝付き体の裏面に於いても表面同様の気液分離が可能となるので、分離効率が良くなり気液分離装置自体の性能向上及び小形化、軽量化が更に図れるものである。
1.急拡大室内の溝付き体の表面積を大きくできるので分離効率が良くなり気液分離装置自体の性能向上及び小形化、軽量化が更に図れるものである。
2 圧縮機
3 吐出口
4 吸入口
5 四方弁
6 室内熱交換器
7 室外熱交換器
8 膨張弁 (8a、8b)
9 気液分離装置
10 冷媒吸入流路
11 気相戻し管
12 室内側送風機
13 室外側送風機
14 容器本体 14a 絞り部
15 出入り口管
16 出入り口管
17 気相冷媒導出管 (17a 、17b、17c)
18 溝付き体 18c 半円弧状の溝付き体 18d 第2の半円弧状の
溝付き体 18e 溝付き体の裏面
19 仕切り体 19a 孔 19b ガイド 19c 平板状の仕切り体
20 狭小空間 20a 底部
21 急拡大室
22 保護材 22a 板状の保護材
23 液相出口管
24 切替弁 (24a、24b)
25 空間
26 液相導管(26a、26b)
27 配管
28 切替弁 (28a、28b)
29 固着具
30 切り欠き窓
31 スリット
Claims (8)
- 気相冷媒を、下流側熱交換器をバイパスして圧縮機に戻し、且つ冷房、暖房運転に合わせ、気液二相流冷媒の入る、入り口管側が変るようにした気液分離装置を室内熱交換器と室外熱交換器との間に備えた空気調和機に於いて、上記気液分離装置を、横置きされた容器本体と、気液二相流冷媒が通る孔を外周部近くに有し、且つ上記容器本体内を2個の狭小空間と急拡大室との3室に区画する2個の仕切り体と、狭小空間に挟まれた急拡大室に臨む気相冷媒導出管と、急拡大室の両側に位置する狭小空間に臨むように設けられた2本の出入り口管とで構成したことを特徴とする空気調和機等の冷凍装置。
- 急拡大室内の表面積を拡大し、且つ仕切り体の孔を通る気液二相流冷媒を他側の仕切り体の孔に誘導する溝付き体を有する気液分離装置であることを特徴とする請求項1記載の空気調和機等の冷凍装置。
- 狭小空間内に臨む2本の出入り口管開口部を容器本体の底部に近づけて配設するようにした気液分離装置であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の空気調和機等の冷凍装置。
- 溝付き体を高さ方向で急拡大室の略1/2以下の所に設置した気液分離装置であることを特徴とする請求項2記載の空気調和機等の冷凍装置。
- 仕切り体の上方部分に、気相冷媒が狭小空間内より急拡大室側に入る切り欠き窓を設けた気液分離装置であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の空気調和機等の冷凍装置。
- 2個の狭小空間の個々の内容積より、急拡大室の内容積を大きく区画した気液分離装置であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の空気調和機等の冷凍装置。
- 急拡大室に臨む気相冷媒導出管の開口に対向して、液相冷媒が気相冷媒導出管に入るのを防止し且つ気相冷媒導出管より導出される気相冷媒の吸い込み抵抗とならないように保護材を設けた気液分離装置であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の空気調和機等の冷凍装置。
- 急拡大室内に配設される溝付き体の頂部に気相冷媒が通過するスリットを設けた気液分離装置であることを特徴とする請求項2記載の空気調和機等の冷凍装置。
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