JP5756649B2 - 自然エネルギー発電出力変動の推定方法 - Google Patents

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本発明は、電力系統に太陽光発電機等の自然エネルギー発電機が現在複数連系されている場合において、将来さらに自然エネルギー発電機が連系されることによって変動する出力を推定する方法に関する。
自然エネルギー発電機は出力が自然現象によって変動するものである。このため、出力変動が電力系統の周波数変動を引き起こす恐れがある。
電力系統の周波数は、対象とする負荷及び発電の変動周期によって給電調整、LFC等の幾つかの異なる手段を組み合わせることによって制御されている。このことから、自然エネルギー発電機が電力系統に与える影響を評価するにあたっては、その出力変動がどうような周波数成分を持つかを調べることが有効であると考えられる。
また、LFCに関わる短周期変動について、周波数成分の分析を行ったものとして、特許文献1が存在する。ここでは以下の内容が開示されている。
現在までの測定により得られた出力変動の時系列データをFast Fourier Transform (以後、「FFT」と言う。)解析してパワースペクトルを作成し、続いて、1/10ディケード刻みの周波数帯域ごとに含まれる変動成分のピタゴラス和を算出して、縦軸を当該の周波数帯域の理想的なバンドパスフィルタを通過した出力値の標準偏差(kW)に相当する値で表示している。
その上で、周波数fにおける、N箇所の風力発電機ないしサイトの出力変動Si(f)(i=1〜N)の総計をS(f)とすると、もし各出力変動が完全に同期(coherent)していれば、同期仮説の総出力変動Scoh(f)として下記の数式(1)が成り立つ。
Figure 0005756649
一方、もし各出力変動が完全にランダム(random)であれば、ランダム仮説の総出力変動Sran(f)として下記の数式(2)が成り立つ。
Figure 0005756649
ある変動周期Txから同期が崩れランダムに移行すると仮定すると、遷移型出力変動のスペクトラムStra(f)は前述した下記の数式(3)のように表現できる。式中、fは周波数(周期の逆数)、jは虚数単位である。
Figure 0005756649
また、変動周期Txを変化させた遷移型総出力変動Stra(f)と、実測型総出力変動S(f)との誤差が小さくなる変動周期Txを、遷移時定数という。
また、特許文献1では、現時点の測定により得られた変動幅が大量導入時にどの程度になるかについて検討している。現在までの測定により得られた変動幅としては、横軸の1/Time span をfとし、measuredで示す曲線(実測型総出力変動のスペクトラムS(f))をfの関数とした総出力変動のスペクトラムSpre(f)を用いる。なお、遷移型総出力変動のスペクトラムStra(f)も誤差が小さければ実測型総出力変動のスペクトラムS(f)とほぼ同じとなるので、Stra(f)をSpre(f)としても良い。また、大量導入時の想定変動のスペクトラムをSest(f)とする。そして、Sest(f)とSpre(f)の間に前述した下記の数式(4)の関係式があるものと仮定する。
Figure 0005756649
ここで、将来導入されるときの想定変動のスペクトラムSest(f)を算出するためには、ゲイン関数G(f)を想定する必要がある。G(f)は、以下の数式(5)で表される。
Figure 0005756649
上記ゲイン関数G(f)の遷移時定数Ty及びαを現在の自然エネルギー発電機の分布密度と将来のそれとの状況に応じて変化させる係数とする。ここで、現在のサイト分布状況と同じように、サイト数が増加する場合を想定すると、α=0、Ty=Txとなる。
前記した数式(5)では、Mを現在の導入量に対する将来の導入量の比率に用いているが、以後の説明では、Mを将来のサイト数として用い、Nを現在のサイト数として用いる。この場合、数式(5)は、α=0、Ty=Txとすると、以下の数式(6)で表される。
Figure 0005756649
また、前記した数式(4)を以後の説明では、下記の数式(7)として表す。
この場合、Sest(f)=Stra.N→M(f)、Spre(f)=Smea.N(f)とする。ただし、Stra.N→M(f)を、想定変動だけでなく、想定変動と密接に関連する日射量想定変動のスペクトラムとして用いることもある。また、Smea.N(f)を実測型総出力変動だけでなく、実測型総出力変動と密接に関連する実測型総日射量変動のスペクトラムとして用いることもある。
Figure 0005756649
特開2010−239782号公報
特許文献1に開示された前記手法は、将来自然エネルギー発電が大量導入された場合の実態を良く再現するものであるが、スペクトラム=周波数データとしての分析である。そして、分析の途中で1/10ディケード刻みの周波数帯域ごとに含まれる変動成分のピタゴラス和を算出する処理を行っている。従って、時系列データとしての分析には使用できない。
本発明は上記実情に基づいて創作されたものであり、その目的は、将来、自然エネルギー発電機を大量導入した場合の出力変動の推定方法として、時系列データとしての分析に用いることのできるものを提供することである。
請求項1の発明は、自然エネルギー発電機(発電設備も含む。)が現在M箇所に設置されている場合であって、推定の元となる出力変動の時系列データとして日射量の実測データがN箇所(M>N)で取得されているときに日中の現在時刻における発電出力の出力変動を推定するにあたって、推定の元となる出力変動の時系列データとして、N箇所における今日の現在時刻までの日射量の実測データ、並びに現在時刻以降の補完データを用い、補完データを構成する各時刻におけるデータは、隣りの時刻におけるデータと同一又は近似している値であって、これら時系列データにより得られた出力変動の時系列データを総計した上で周波数データに変換することによって求められる実測型総出力変動のスペクトラムSmea.N(f)と、自然エネルギー発電機がN箇所からM箇所に設置されたときの出力変動の増幅度を表すゲイン関数G(f)とに基づく前記数式(7)により、M箇所における想定変動のスペクトラムStra.N→M(f)を求め、想定変動のスペクトラムStra.N→M(f)を時系列データに変換することによって想定変動の時系列データStra.N→M(t)を算出する自然エネルギー発電出力変動の推定方法である。
補完データを構成する各時刻におけるデータは、日射量が0よりも大きな値のデータである。
本発明によれば、少数箇所の実測データに基づいて、自然エネルギー発電機が大量導入された時の出力変動を時系列データで想定することができ、日中の現在時刻の出力変動の時系列データを、少数箇所の実測データに基づいて推定することができる。
晴天時における日射量の時系列データを示すグラフである。 等価ピーク日射とピーク想定誤差との関係を示すグラフである。 (a)はピーク想定誤差が最大の日、(b)はピーク想定誤差が最小の日を示すグラフである。 太陽光発電機を大量導入する前後の出力変動の時系列データを示すグラフである。 現在時刻まで実測された日射量の時系列データを示すグラフである。 現在時刻以降を補完した日射量の時系列データを示すグラフである。 太陽光発電出力の時系列データを示すグラフである。
まず、将来、太陽光発電が大量導入されたときの日射量変動を推定する手法について説明する。この場合、以下を条件とする。自然発電エネルギーのうち、太陽光発電の出力を規定する主要因となる実測データ(全天日射量の時系列データ)を分析に用いる。太陽光発電が設置される15サイトについて、時刻同期の取れた全天日射量の時系列データが実測されている。また、各サイトの日射量1kW/m2を1p.u.とする。
その上で、背景技術の欄で記載した数式(7)におけるゲイン関数G(f)は、実態を良く再現している実測データにも適用できるものと考えられる。従って、数式(7)を用いて、想定日射量変動の時系列データを求める手法を、以下に述べる。
(1)選択した3サイトの日射量の時系列データ(実測データ)を総計し、合計値として実測型総日射量変動の時系列データPmea.3(t)を得る。
(2)Pmea.3(t)をFFT分析して周波数データとなった実測型総日射量変動のスペクトルSmea.3(f)を求める。このとき背景技術の欄で記載したような1/10ディケード刻みの周波数帯域ごとに含まれる変動成分のピタゴラス和を算出する処理は、行わない。
(3)次にスペクトルSmea.3(f)に3サイトから15サイトに変換するための増幅度G(f)を乗じることで、15サイトの周波数データの想定日射量変動Stra.3→15(f)=G(f)・Smea.3(f)を求める。このとき増幅度G(f)については、背景技術の欄で記載したように位相特性を無視する。
(4)このスペクトルSmea.3(f)を逆FFT処理することにより、15サイトの想定日射量変動の時系列データ(想定値)Pmea.3→15(t)を得ることができる。
前記した手法により得られる15サイトの時系列データの想定値が、実態を再現しているか、以下、検討する。そのために、15サイトの日射量の時系列データ(実測値)を総計した合計値である、実測型総日射量変動の時系列データの実測値Pmea.15(t)を用いる。
想定値Stra.3→15(f)と実測値Smea.15(f)とが完全には一致していない場合には、誤差が生じる。1日における誤差を次の数式(8)で評価する。Ntは時系列データの数であり、ここでは1分平均データを用いているため、1日分のデータでは、Nt=1440となる。
Figure 0005756649
数式(8)右辺で二乗誤差の1日平均値をπ倍しているが、これは、次の理由からである。晴天日における時系列での日射量の概略は図1のようになるが、夜明けから日没までの日射量が0でない部分を正弦波カーブで近似すると、1日の平均日射量は正午ごろに現れるピーク日射APの1/πとなる。よって、晴天日の日射量の平均値をπ倍することでピーク値を求めることができる。また、日射量がピークとなる時間帯で出力変動は大きくなるであろうから、この時間帯では日射量について実測値と想定値の誤差も大きくなると考えられる。よって、誤差の評価は、日射量のピーク時で考慮すべきだと考えられる。ここで日射量の時系列での推移が晴天日の日射推移に比例すると仮定すると、二乗誤差の1日平均値からピーク時間における誤差を想定するためには、図1に示す平均値とピーク値との関係と同様にπ倍すればよいと考えられる。よって、ここでは、二乗誤差の1日平均値をπ倍した上記数式(8)をピーク想定誤差πerrと言い、これを評価に用いることにする。
また、ピーク想定誤差πerrはピーク日射に影響されるものと考えられるが、1日の日射量の平均値をπ倍したものを等価的にピーク日射と扱うことにして、これをπPave.とおく。この等価ピーク日射πPave.とピーク想定誤差πerrの関係を、分析対象とした3ヶ月の全ての日について求めた結果を図2に示す。同図において等価ピーク日射πPave.が6〜10の範囲を日射が強くも弱くもないという意味で中日射と呼ぶことにすると、この中日射の範囲でピーク想定誤差πerrが大きくなる傾向が分かる。これは、中日射に該当する日は日中の日射変動が大きいからであろう。
ここで3サイトの時系列データの実測値を合計したPmea.3(t)から15サイトの時系列データを想定した想定値Ptra.3→15(t)と、15サイトの時系列データの実測値Pmea.15(t)を比較した例として、中日射に該当する日のうちでピーク想定誤差πerrが最大の日と最小の日を図3に示す。なお、図中のPmea.3(t)は想定の元として選択した3サイトの時系列データである。同図(a)に示すピーク想定誤差πerrが最大の日は想定値Ptra.3→15(t)が日中を通じて実測値Pmea.15(t)より高めに出ており、そのために誤差が大きくなっている。この日については、選択した3サイトが15サイトを代表できていないと考えられる。これは、少数データとして選択したサイト数が3つと少ないためであり、選択するサイト数を増やせば誤差は小さくなるものと考えられる。
一方、同図(b)に示すピーク想定誤差πerrが最小の日は想定値Ptra.3→15(t)と実測値P
mea.15(t)が日中を通じてよく一致しており、この日については選択した3サイトが15サイトを代表できていると考えられる。以上で日射量変動を推定する手法についての説明を終わる。
次に、前記した日射量変動を推定する手法を用いて、太陽光発電が大量導入された場合の出力変動を推定する手法について説明する。この場合、以下を条件とする。太陽光発電機の出力は4kWと仮定する。また、15サイトで計測されたのは全天日射量であるため、これを太陽光発電機の出力に換算する必要があり、ここでは全天日射量1kW/m2のとき、太陽光発電機は4kWを発電するものとする。
(1)まず、15サイトの日射量の時系列データ(実測データ)を総計し、合計値として実測型総日射量変動の時系列データPmea.15(t)を得る。
(2)Pmea.15(t)をFFT分析して周波数データとなった実測型総日射量変動のスペクトルSmea.15(f)を求める。
(3)係数k=4kW/p.u.とし、N=計測サイト数15、M=大量導入時の太陽光発電機の基数(385,000=1,540MW/4kW)とする。その上で、Smea.15(f)に15サイトからMサイトに変換するための増幅度G(f)と係数kを乗じることで、Mサイトの周波数データとしての想定日射量変動のスペクトルStra.15→Hi-PV(f)を以下の数式(9)ように求める。
Figure 0005756649
(4)このスペクトルSmea.3(f)を逆FFT処理することにより、大量導入時の想定出力変動の時系列データ(想定値)Ptra.15→Hi-PV(t)を得ることができる。
上記した数式(9)の実測型総日射量変動のスペクトラムSmea.15(f)に係数kを乗じた値は、実測型総出力変動のスペクトラムと同義である。従って、k・Smea.15(f)→実測型総出力変動のスペクトラムSmea.15(f)と置換することにより、上記数式(9)は、下記の数式(10)として表される。
Figure 0005756649
図4には、このようにして得られた想定出力変動の時系列データPtra.15→Hi-PV(t)が、15サイトで計測された実測データを合計した実測型出力変動の時系列データPmea.15(t)と対比する形で示されている。この図において、Pmea.15(t)とPtra.15→Hi-PV(t)とは、縦軸の倍率を変えて表示されているが、同図からPtra.15→Hi-PV(t)は、Pmea.15(t)に比べて平滑化されていることが分かる。以上で将来大量導入された時の出力変動を推定する手法についての説明を終わる。
次に、前記した太陽光発電が大量導入された場合の出力変動を推定する手法を実行するための具体的な手法を説明する。この分析方法は、キーボードやマウス等からなる入力装置、ディスプレイ等からなる出力装置、分析プログラムの命令を順番に実行するCPU、分析プログラムや分析プログラムの実行に必要なデータ及び計算結果等を保存する記憶装置を構成要素とする標準的なコンピュータを用いて行われる。分析プログラムをコンピュータに実行させることにより、コンピュータが各種の手段として機能し、各種のステップが順番に行われる。
まず、データ入力ステップが行われる。データ入力ステップでは、N箇所(複数個所)の太陽光発電所における同一時刻範囲内の日射量データを入力する行列状の入力フォームを記憶装置から読み込んで、出力装置に表示する。入力フォームは、見出し欄の項目の1列目に通し番号、2列目に日時(年月日及び時分秒)、3列目以降に各計測箇所の実測データを並列して表示したものである。これら見出し欄の下に各内容の入力欄が時系列順(例えば1秒経過毎)に設けてある。この入力欄に、作業者が実測データ等を、入力装置から手作業で入力し、実測データ等の入力が完了したことを入力装置から入力すると、実測データ等が記憶装置に保存される。また、入力作業を簡略化するために、このコンピュータに別の記憶装置を接続した上で、この別の記憶装置に記憶されているファイルを入力装置から指定し、分析プログラムの入力フォームにファイルの内容を取り込む操作をすることによって、そのファイルの内容(入力欄に実測データが登録されたのもの)をこのコンピュータの記憶装置に保存させるものでも良い。その他に、データ入力ステップでは、M=大量導入時の太陽光発電機の基数も入力される。続いて、対象指定ステップが実行される。
対象指定ステップでは、先のデータ入力ステップで入力された実測データのうち、分析対象となる(推定の元となる)時間範囲及び計測箇所を指定する指定フォームを記憶装置から読み込んで、出力装置に表示する。指定フォームは、見出し欄の項目として時間範囲及びN箇所の計測箇所を表示し、各項目の下に指定欄を表示するものである。時間範囲の指定欄は、日時(何年何月何日何時何分何秒〜何年何月何日何時何分何秒)を指定(入力)するものである。また、計測箇所の指定欄は、N箇所(例えばA、B、C地点)を指定(入力)するものである。そして、これらデータの指定が完了したこと入力手段から入力すると、これら指定データが記憶装置に保存されると共に、分析ステップが実行される。
分析ステップでは、データ入力ステップで入力された実測データのうち指定された対象について、以下の第一〜第四の処理を行う。
第一の処理。まず、N箇所の日射量の時系列データを同一時刻毎に合計し、合計値である実測型総出力変動の時系列データをPmea.N(t)を記憶装置に保存する。
第二の処理。次に、合計値をFFT解析し、基本周波数1/T(Hz)、即ち周波数fの整数倍ごとの周波数成分を計算し、その計算結果を実測型総出力変動のスペクトラムSmea.N(f)として記憶装置に保存する。
第三の処理。続いて、前記した数式(9)を計算し、その計算結果を将来における想定変動のスペクトラムStra.N→M(f)として記憶装置に保存する。なお、既にデフォルト条件としてkは、記憶装置に保存され、G(f)はN、Mを入力することにより算出され、記憶装置に保存されているものとする。
第四の処理。最後に、逆FFT解析することにより、想定出力変動の時系列データPtra.15→Hi-PV(t)を求め、記憶装置に保存すると共に、出力装置に表示する。以上で、太陽光発電が大量導入された場合の出力変動を推定する手法をコンピュータで実行するための具体的な説明を終わる。
続いて、現在時刻における発電出力の出力変動を少数の計測箇所における実測データから推定する方法について説明する。この場合、以下を条件とする。
・自然エネルギー発電機(発電設備も含む。)が現在大量導入(現在M箇所に設置)されている。
・日射量の時系列データを取得するために、日射量計がN箇所(M>N)に設置されている。
・今日の午前0時から現在時刻までにN箇所で取得された日射量計の実測データを基に、大量導入された太陽光発電の現在時刻における出力値を推定する。
この推定に、前記した太陽光発電が大量導入された場合の出力変動を推定する手法を用いる場合、精度を向上させるには、日射量の時系列データにはある程度の長さが必要となる。日射量の時系列データは、図5に示すように、今日の午前0時から現在時刻までは取得されているが、現在時刻以降については当然取得できない。そこで、図6に示すように、例えば、現在時刻から今日の最終時刻である午後12時(24:00)までは、現在時刻の値で補完することで24時間(1日)分の日射量の時系列データを作成する。従って、補完データは、現在時刻の値と同一となる。
N箇所における1日分の日射量の時系列データがあれば、前記した手法を用いて、M箇所の出力変動を推定することができる。このような推定により得られた時系列データが図7に示されている。この時系列データのうち、現在時刻の値を取得する。この値が、現在時刻における発電出力の出力変動を推定した値となる。次の時刻(例えば1分後)にも同様の手法で、改めて現在時刻の値を取得する。以上で、現在時刻における発電出力の出力変動を少数の計測箇所における実測データから推定する方法についての説明を終わる。
最後に、前記した現在時刻における発電出力の出力変動を少数の計測箇所における実測データから推定する方法をコンピュータで実行するための手法を説明する。
これは、太陽光発電が大量導入された場合の出力変動を推定する手法をコンピュータで実行する手法と、基本的には同じである。異なるのは次のステップである。
データ入力ステップでは、日射量計が設置されている箇所(複数個所)の太陽光発電所における同一時刻範囲内の日射量データがリアルタイムで記憶装置に自動的に保存されていく。また、データ入力ステップでは、M=推定する太陽光発電機の基数も入力される。続いて、対象指定ステップが実行される。
対象指定ステップでは、先のデータ入力ステップで入力された実測データのうち、分析対象となる(推定の元となる)時間範囲及び計測箇所を指定する指定フォームを記憶装置から読み込んで、出力装置に表示する。ここでは、現在時刻を含むその前後の時間範囲及びN箇所の計測箇所指定する。そして、これらデータの指定が完了したこと入力手段から入力すると、これら指定データが記憶装置に保存されると共に、分析ステップが実行される。
分析ステップでは、データ入力ステップで入力された実測データのうち指定された対象について、前記した第一〜第四の処理を行う。ここで異なるのは、現在時刻以降の時系列データについては、現在時刻と同一の値の補完データを用いる点である。それ以外は、前記した例と同様である。
本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、本発明は、太陽光発電に限らず、風力発電についても適用可能である。また、太陽光発電と風力発電との組み合わせに対しても、太陽光発電と風力発電に相関がなければ適用可能であると考えられる。
さらに、補完データを構成する各時刻におけるデータは、現在時刻と同一のデータに限らず、自分自身の隣りの時刻におけるデータと近似している値であればよい。つまり、時系列データが、極端に変化しなければ良い。

Claims (2)

  1. 自然エネルギー発電機(発電設備も含む。)が現在M箇所に設置されている場合であって、推定の元となる出力変動の時系列データとして日射量の実測データがN箇所(M>N)で取得されているときに日中の現在時刻における発電出力の出力変動を推定するにあたって、
    推定の元となる出力変動の時系列データとして、N箇所における今日の現在時刻までの日射量の実測データ、並びに現在時刻以降の補完データを用い、補完データを構成する各時刻におけるデータは、隣りの時刻におけるデータと同一又は近似している値であって、これら時系列データにより得られた出力変動の時系列データを総計した上で周波数データに変換することによって求められる実測型総出力変動のスペクトラムSmea.N(f)と、
    自然エネルギー発電機がN箇所からM箇所に設置されたときの出力変動の増幅度を表すゲイン関数G(f)とに基づく下記数式(1)により、M箇所における想定変動のスペクトラムStra.N→M(f)を求め、
    想定変動のスペクトラムStra.N→M(f)を時系列データに変換することによって想定変動の時系列データStra.N→M(t)を算出する自然エネルギー発電出力変動の推定方法。
    Figure 0005756649
  2. 補完データを構成する各時刻におけるデータは、日射量が0よりも大きな値のデータであることを特徴とする請求項1記載の自然エネルギー発電出力変動の推定方法。
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