JP6466873B2 - 周波数フィードバック方式のハンチング現象の解析方法、および回避方法 - Google Patents

周波数フィードバック方式のハンチング現象の解析方法、および回避方法 Download PDF

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Description

本発明は、太陽光発電用パワーコンディショナ(以下、「PCS」と言う。)の単独運転検出方式に用いられる周波数フィードバック方式のハンチング現象の解析方法、および回避方法に関する。
太陽光発電設備は、太陽光パネルと、太陽光パネルを電力会社の電力系統に接続するPCSとを備えている。PCSは、太陽光パネルで発生した直流の電力を交流にして電力系統に供給する機能と、単独運転を検出する機能と、単独運転を検出した場合に電力の供給を停止する機能を備えている。単独運転とは、変電所から配電線への電力の送電が事故等で停止した場合に、当該配電線に太陽光発電設備から電力供給が行われることを言う。
近年、太陽光発電の普及により、配電線に複数台の太陽光発電設備が連系される事案が増大している。そして各々のPCSの単独運転検出方式で発生させる信号が相互に干渉すると、PCSが単独運転を検出できなくなることから、単独運転検出方式を周波数フィードバック方式に統一することが日本電機工業会規格のJEM1498で定められている。
周波数フィードバック方式とは、1)電力系統の周波数を所定のサンプリング周期で取得し、2)図4に示すように2つの時期の周波数、つまり現在の周波数fnと過去の周波数fpを、それぞれ移動平均により算出し(この例では現在の周波数fnは現在から40ms前までの期間内の平均値、過去の周波数fpは現在よりも200ms前から80ms前までの期間内の平均値として算出し)、3)その算出した現在と過去の周波数の差、つまり周波数偏差Δf2を所定の周期ごとに検出して、周波数偏差Δf2の±方向および大きさに応じた無効電力を電力系統に供給することを繰り返すものである。そしてPCSは、周波数フィードバック方式によって単独運転時には単独運転系統の周波数変動を生じさせ、単独運転を検出するものである。
また周波数フィードバック方式のPCSの特性(周波数偏差Δf2に対する無効電力のゲイン特性)は図5に示すように、−0.01Hz≦Δf2≦+0.01Hzの場合にはΔf2の±方向に応じて同じ方向の無効電力を少量供給し、それよりもΔf2が拡大して−0.01Hz≦Δf2≦+0.01Hzの範囲外になった場合には−0.5Hz≦Δf2≦+0.5Hzの範囲内で、その拡大に比例して上限値および下限値±0.25p.u.(PCSの定格容量を基準値とする。)とする大量の無効電力を供給し、周波数偏差Δf2がさらに拡大して−0.5Hz>Δf2となった場合には、上限値の無効電力を供給し、+0.5Hz<Δf2となった場合には下限値の無効電力を供給するようになっている。つまりゲイン特性は、正確にはリミッタ付きゲイン特性と言える。
日本電機工業会規格 JEM1498 ステップ注入付周波数フィードバック方式(太陽光発電用パワーコンディショナの標準形能動的単独運転検出方式) 2012年(平成24年)8月27日制定
このように周波数フィードバック方式などの能動的単独運転検出方式は電力系統を不安定化させる危険がある。またPCSから供給された無効電力がハンチング現象を発生させたことが現実的に確認されているが、その仕組みは理論的に解明されていない。
本発明は上記実情を考慮して創作されたもので、その目的は、PCSがハンチング現象を起こす仕組みを理論的に解明し、その理論を適用した解析装置でハンチング現象を解析できるようにし、さらにはその解析装置でハンチング現象を回避できるようにすることを目的とする。
図1は、発電設備が連系された状態の電力系統を簡略化して示している。電力系統は、無限大母線1に線路2を介して、太陽光発電設備3と負荷4とが並列接続されたものである。また線路2のうち途中には開閉器5が介在しており、事故等の場合には開閉器5の箇所よりも下位系統を切り離すものである。そして単独系統になっていないにも係わらず、太陽光発電設備3内のPCSから供給される無効電力の出力が周期的に変動するハンチング現象を生じさせることがある。
ハンチング現象は、無効電力の出力の±方向が非常に短い時間内に繰り返し反転する現象なので、負荷中のモータの回転数は変化せず、従って負荷は定インピーダンスに見える。また無効電力の初期値を0とすることにより、図1の電力系統では負荷は抵抗のみで模擬している。
図2は、PCSのハンチング現象を解析するための解析用の制御系を示すブロック線図である。解析用の制御系は、PCSの周波数フィードバック方式の制御系20と、PCSが接続される電力系統の伝達系30との、フィードバック接続によって表現される。
フィードバック接続は、加え合わせ点10に対して電力系統の基準周波数の偏差Δf0(通常運転時は0)に電力系統の周波数偏差Δfcが加算されるように入力されるものである。これによってPCSは、基準周波数の偏差Δf0に対する電力系統の周波数偏差Δfcの和である第1の周波数偏差Δf1を検出でき、電力系統が単独運転であるか否かが検出できる。
PCSの周波数フィードバック方式の制御系20は、第1の周波数偏差Δf1の検出に要するむだ時間τの特性を示すむだ時間要素21と、電力系統の周波数を検出した2つの時期の時間差の特性をその時定数Trに基づいて示すハイパスフィルタ要素(以下、「HPF要素」とする。)22と、2つの時期のうち最新時期における周波数の検出時間の特性をその時定数Tdに基づいて示すローパスフィルタ要素(以下、「LPF要素」とする。)23と、2つの時期の周波数の差である第2の周波数偏差Δf2に応じてPCSが出力する無効電力のゲインGの特性を示すゲイン要素(リミッタ付きゲイン要素)24との積で表現される。したがってPCSの周波数フィードバック方式の伝達関数GPCS(s)は、以下の数式(1)で表現される。
Figure 0006466873
HPF要素の2つの時期とは、周期毎に過去と最近の周波数を検出するにあたって用いた時期であって、過去の周波数の検出に用いた周波数の時系列データからなる所定期間における最後の時(図4では、80msの移動平均に用いた時系列データの最後の時)と、最新の周波数の検出に用いた周波数の時系列データからなる所定期間における最後の時(図4では、40msの移動平均に用いた時系列データの最後の時)のことである。
制御理論を適用するために以下のようにする。PCSのゲイン特性、つまり図5で示した周波数偏差Δf2に応じて出力させる無効電力との関係の特性を線形近似し、ゲイン要素のゲインGは、G= -0.25/(0.5Hz/60Hz)= -30.0 とする。HPF要素の時定数Tr=0.2s。LPF要素の時定数Tdは、40msの移動平均の時定数であり、時定数Td=0.04s/2=0.02s。(分母の値2は経験値である。)また第1の周波数偏差Δf1の検出にはむだ時間e-τs(τ=0.5〜1サイクル程度)が伴うので、これも考慮する。
電力系統の伝達系30は、以下のようにして求める。
周波数フィードバック方式により発生する無効電力ΔQは、電力系統に供給され、電力系統の電圧の位相θ、および電圧の大きさVを変化させる。位相変化をΔθ、電圧の大きさ変化をΔVとする。また無効電力ΔQと負荷および太陽光発電の電圧特性により、負荷の有効電力PL、および太陽光発電の有効電力PGが変化する。負荷の有効電力の変化をΔPL、太陽光発電の有効電力の変化をΔPGとする。そうすると、位相変化Δθ、電圧の大きさの変化ΔVは、電力系統の有効電力をP、その変化をΔPとすると、以下の数式(2),(3)で表される。
Figure 0006466873
Figure 0006466873
ここで太陽光発電および負荷の有効電力特性指数をαGLとし、合成有効電力特性指数をαとすると、ΔPG、ΔPL、ΔP、αは以下の数式(4)、(5)、(6)、(7)で表される。
Figure 0006466873
PG0:太陽光発電の有効電力の初期値
Figure 0006466873
PL0:負荷の有効電力の初期値
Figure 0006466873
Figure 0006466873
数式(2)、(3)、(6)、(7)から以下の数式(8)、(9)が得られる。
Figure 0006466873
Figure 0006466873
第1の周波数偏差Δf1は、位相変化の時間微分であるから以下の数式(10)が得られる。
Figure 0006466873
ここでω0 =2πf0である。ω0:定格角周波数、f0:定格周波数。
上記した数式(10)が、電力系統の伝達系30での周波数偏差(Δfc)の元になるものを示すものであり、ブロック線図で表現すると、図2に示すようになる。
したがって電力系統の伝達関数Gx(s)は、以下の数式(11)で表現される。
Figure 0006466873
電力系統の伝達系30は、まずPCSの制御系20からの無効電力ΔQが並列接続された線路インピーダンスの抵抗RとリアクタンスXに別々に入力される。無効電力ΔQとリアクタンスXとの積である電圧XΔQが加え合わせ点31に対して加算されるように出力されると共に、抵抗の電圧−RΔPが加え合わせ点31に対して減算されるように出力され、加え合わせ点31で電圧変化ΔVが算出される。また電圧変化ΔVと電力系統の有効電力特性指数αとの積αΔV=−ΔPが、引出し点32を介して線路インピーダンスの抵抗Rに出力され、−ΔPと抵抗Rとの積が電圧−RΔPとなり、前記したように電圧−RΔPが加え合わせ点31に対して減算されるように出力される。いっぽう−ΔPが引出し点32を介して線路インピーダンスのリアクタンスXに出力され、−ΔPとリアクタンスXとの積である位相−XΔPが加え合わせ点33に対して加算されるように出力され、ΔQと線路インピーダンスの抵抗Rとの積である位相RΔQが加え合わせ点33に対して加算されるようにして出力される。加え合わせ点33では位相変化Δθの負値が算出され、位相変化の負値−Δθと微分係数s/ω0との積が電力系統の周波数偏差Δfcとして算出され、フィードバック接続の加え合わせ点10に出力される。
このように電力系統の伝達系30が表現できることから、PCSの周波数フィードバック方式の制御系20と電力系統の伝達系30は、フィードバック制御系を形成する。本例では、ゲインG=―30という大きな負値をとっているので、フィードバック制御系が正帰還になり、不安定になりやすくなる。
フィードバック制御系は、加え合わせ点10で切った場合における開ループ伝達関数(一巡伝達関数)G1(s)は、以下の数式(12)で表される。
Figure 0006466873
フィードバック制御系が安定となるためには、高周波域(概ね7Hz以上)での(11)式のゲインの絶対値AHが1未満でなければならない。またゲインの絶対値AHの数式(11)を簡略化し、ゲインの絶対値AHが1となるようなR、Xを変数とするものが、安定限界関数AH(R,X)であり、下記の数式(13)で示される。
Figure 0006466873
今、G=-30、 Td=0.02、αL=2、αG=1、PL=PG=1.0(p.u.:基準値は定格容量)の場合の安定限界関数AH(R,X)を安定限界曲線として示すR−X平面のグラフが、図6に示されている。グラフは、縦軸をX、横軸をRとするもので、安定限界曲線は右肩下がりの曲線になる。安定限界曲線の内側にRとXが位置する電力系統の場合には安定であり、ハンチング現象が発生せず、安定限界曲線の外側にRとXが位置する電力系統の場合には不安定であり、ハンチング現象が発生する。
図2の解析用の制御系を電中研Y法と称する電力系統安定度解析プログラム(以下、「Y法」)を用いてシミュレーションした。なおY法ではむだ時間要素を用いることが現時点では困難であったので考慮しなかったが、原理的にはむだ時間要素を考慮しなくても安定限界は変わらないと考えられる。そこで電力系統の電線(電線サイズ80〜100sq)を想定し、R=X/2 としてR、Xすなわち配電線の亘長を変化させて、ハンチング現象を再現することとした。シミュレーション結果を図7に示す。太陽光発電の定格容量を基準としてR=0.17、 X=0.34 (p.u.)のとき、時刻t=3 秒以降でハンチング現象が発生した。またこの条件(R=0.17、 X=0.34)以外にも、RとXの比を若干変化させて、Y法でのハンチング現象の発生状況を確認した。
その確認結果を、図6に示すR−X平面のグラフに併記してある。ハンチング現象が発生した場合を黒三角で表記し、ハンチング現象が発生しなかった場合を白丸で表記してある。黒三角は、安定限界曲線の外側領域、つまり不安定領域に存在し、白丸の位置は、安定限界曲線の内側領域、つまり安定領域に存在している。したがってゲインの絶対値の数式(12)が1未満のときに、フィードバック制御系が安定となるという説が図6において矛盾しないことが分かる。
PCSの制御系20が不安定となる原因は、開ループ伝達関数G1(s)が高周波域で減衰しないためである。そこでハンチング対策として図3に示すように、PCSの制御系20(現状解析用の制御系)に、時定数Thに基づいて一次遅れの特性を示す一次遅れ要素25を付加したハンチング対策用の制御系20Aを作成し、高周波域でのゲインを落とすことを試みた。
ハンチング対策用の制御系20Aの伝達関数G2(s)は、現状解析用の開ループ伝達関数G1(s)と一次遅れ要素25との積から、下記の数式(14)で表現される。
Figure 0006466873
また開ループ伝達関数(一巡伝達関数)G1 (s)にs=jω(ω:角周波数)を代入して周波数伝達関数G2(jω)を作成する。そして周波数伝達関数G2(jω)を用いてナイキスト線図のグラフを作成する。ナイキスト線図は、縦軸を虚数軸、横軸を実数軸とするものである。図8に示すナイキスト線図は、Th=0、Th=0.05の2通りの場合に、R=0.17、 X=0.34、G=-30.0、HPF要素の時定数Tr=0.2s、LPF要素の時定数Td=0.02s、むだ時間e-τs(τ=0.017)とし、角周波数ωを0〜無限大まで変化させて、周波数伝達関数G2(jω)の座標が動いた軌跡を描いたものである。Th=0のときは現状解析用の制御系であり、このときのナイキスト軌跡はむだ時間要素により高周波域でも円を描き、不安定となっていることが分かる。いっぽうTh=0.05 の一次遅れを付加したときはハンチング対策用の制御系であり、このときのナイキスト軌跡は円が小さくなり、原点に収束する形になり、安定となっていることが分かる。
なおTh=0.05 の一次遅れを付加したハンチング対策用の制御系をY法に適用したシミュレーション結果を、図7に併記した。これによりハンチング対策用の制御系では、ハンチング現象が生じないことが確認された。したがってPCSの制御回路に一次遅れ要素を付加することが、ハンチング対策には有効である。
本発明によれば、現状解析用の開ループ伝達関数G1(s)を、上記した数式で表現できることから、PCSがハンチング現象を起こす仕組みが理論的に解明され、解析装置でハンチング現象を解析できるようになった。また現状解析用の開ループ伝達関数G1(s)を利用したハンチング対策用の伝達関数G2(s)を解析装置で解析させることにより、ハンチング現象を回避できるようになった。
発電設備が連系された状態の電力系統を示す説明図である。 ハンチング現象が生じる現状の制御系を説明するブロック線図である。 ハンチング対策用の制御系を説明するブロック線図である。 周波数フィードバック方式によって無効電力を演算する基になる周波数偏差の検出方法を示す説明図である。 周波数フィードバック方式の無効電力のゲイン特性を示す説明図である。 R−X平面図のグラフである。 ハンチング現象のシミュレーション結果を示すグラフである。 ナイキスト線図のグラフである。
本発明のPCSの周波数フィードバック方式のハンチング現象の解析方法、およびハンチング現象の回避方法は、コンピュータからなる解析装置で実行される。解析装置は、キーボードやマウス等からなる入力装置、ディスプレイ、プリンター等からなる出力装置、解析プログラムの命令を順番に実行するCPU、解析プログラムや解析プログラムの実行に必要なデータ及び計算結果等を保存する記憶装置を構成要素とする標準的なコンピュータである。解析プログラムをコンピュータに実行させることにより、解析プログラムとコンピュータとが協働した各種の手段として機能し、各種のステップが順番に行われる。解析プログラムには、グラフとしてのナイキスト線図を描かせるものと、グラフとしてのR−X平面図を描かせるものが存在する。
まずR−X平面図を描かせる解析プログラムを実行させた場合を説明する。
初めにデータ入力ステップが行われる。データ入力ステップでは、入力フォーム表示手段によって、入力フォームが記憶装置から読み込まれて、出力装置のディスプレイに表示される。入力フォームは、ゲインG、LPF要素の時定数Td、合成有効電力特性指数α(αL、αG、PL、PG)、定格角周波数ω0、電力系統の線路インピーダンス(抵抗R、リアクタンスX)を入力するためのものである。そして入力フォームに対してこれら値を入力し、その入力操作を確定する操作をすると、これら入力値が記憶装置に保存されると共に、安定限界曲線を描画する安定限界曲線描画ステップが行われる。
安定限界曲線描画ステップでは、安定限界曲線描画手段が安定限界曲関数AH(R,X)を記憶装置から読み込んで、電力系統の線路インピ―ダンス以外の入力値を、安定限界関数AH(R,X)に代入し、その上で安定限界関数AH(R,X)中のRとXを変化させて、関数が1となるRとXを多数算出し、それらの値をグラフ中に安定限界曲線として出力装置のディスプレイに表示すると共に、記憶装置に保存する。
そして次に電力系統をグラフ中に描画する電力系統描画ステップが行われる。電力系統描画ステップでは、電力系統描画手段がその線路インピーダンスを記憶装置から読み込んで、グラフ中に電力系統を所定の印で描いて出力装置のディスプレイに表示する。以上でR−X平面図を描かせる解析プログラムの実行を終了する。
次にナイキスト線図を描かせる解析プログラムを実行させた場合を説明する。
初めにデータ入力ステップが行われる。データ入力ステップでは、入力フォーム表示手段によって、入力フォームが記憶装置から読み込まれて、出力装置のディスプレイに表示される。入力フォームは、むだ時間τ、HPF要素の時定数Tr、LPF要素の時定数Td、PCS要素のゲインG、合成有効電力特性指数α(αL、αG、PL、PG)、電力系統の線路インピーダンス(抵抗R、リアクタンスX)、一次遅れの時定数Thを入力するためのものである。なお一次遅れの時定数Thには、複数の値が入力できるようになっており、たとえば0を入力したときにはハンチング対策用の伝達関数G2(s)が現状解析用の伝達関数G1(s)として機能し、Thに0よりも大きな値を入力したときにはハンチング対策用の伝達関数G2(s)がそのまま機能する。そして入力フォームに対してこれら値を入力し、その入力操作を確定する操作をすると、これら入力値が記憶装置に保存されると共に、ナイキスト軌跡を描画するナイキスト軌跡描画ステップが行われる。
ナイキスト軌跡描画ステップでは、ナイキスト軌跡描画手段がハンチング対策用の開ループ伝達関数G2(s)を読み込んで、変数sをjωと置き換え、ω以外の値を開ループ伝達関数に代入し、その上でωを変数として0〜∞まで変化させたときの値を多数算出し、それらの算出した値(座標)を結んだナイキスト軌跡をグラフ中に描いて出力装置のディスプレイに表示すると共に、記憶装置に記憶する。以上でナイキスト線図を描かせる解析プログラムの実行を終了する。
1 無限大母線
2 線路
3 太陽光発電設備
4 負荷
5 開閉器
10 加え合わせ点
20 PCSの制御系
20A ハンチング対策用の制御系
21 むだ時間要素
22 HPF要素
23 LPF要素
24 ゲイン要素
25 一次遅れ要素
30 電力系統の伝達系
31 加え合わせ点
32 引出し点
33 加え合わせ点

Claims (3)

  1. 太陽光発電用パワーコンディショナ(以下、「PCS」という。)の単独運転検出に用いた周波数フィードバック方式によるハンチング現象を解析するために、周波数フィードバック方式の伝達関数と、PCSが接続される電力系統の伝達関数とに基づく下記の数式(1)の現状解析用の開ループ伝達関数(G1(s))を、その変数(s)に基づいて解析装置に演算させてグラフの中にナイキスト軌跡を描かせるものであって、
    周波数フィードバック方式の伝達関数は、基準周波数の偏差(Δf0)に対する電力系統の周波数偏差(Δfc)の和である第1の周波数偏差の検出に要するむだ時間(τ)の特性を示すむだ時間要素と、単独運転系統の周波数を検出した2つの時期の時間差の特性をその時定数(Tr)に基づいて示すハイパスフィルタ要素と、2つの時期のうち最新時期における周波数の検出時間の特性をその時定数(Td)に基づいて示すローパスフィルタ要素と、2つの時期の周波数の差である第2の周波数偏差に応じてPCSが出力する無効電力のゲイン(G)の特性を示すゲイン要素との積で表現し、
    電力系統の伝達関数は、負荷およびPCSの双方の有効電力特性指数に基づく合成有効電力特性指数(α)と、電力系統の線路インピーダンス(R,X)と、PCSから出力された無効電力とによって、影響を受けた電力系統の周波数偏差(Δfc)を位相変化の時間微分で表現することを特徴とするPCSの周波数フィードバック方式のハンチング現象の解析方法。
    Figure 0006466873
    但しω0=2πf0、R:線路インピーダンスの抵抗、X:線路インピーダンスのリアクタンスとする。
  2. 前記現状解析用の開ループ伝達関数G1(s)と、時定数Thに基づいて一次遅れの特性を示す一次遅れ要素との積に基づく下記数式(2)で示すハンチング対策用の伝達関数G2(s)を、その変数sと一次遅れの時定数Thとに基づいて解析装置に演算させてグラフの中にナイキスト軌跡を描かせることを特徴とする請求項1に記載のPCSの周波数フィードバック方式のハンチング現象の回避方法。
    Figure 0006466873
  3. 太陽光発電用パワーコンディショナ(以下、「PCS」という。)の単独運転検出に用いた周波数フィードバック方式によるハンチング現象を解析するために、周波数フィードバック方式の伝達関数と、PCSが接続される電力系統の伝達関数とに基づく下記の数式(3)の現状解析用の開ループ伝達関数G1(s)を簡略化した下記の数式(4)の安定限界関数AH(R,X)を、その変数R、Xに基づいて解析装置に演算させてグラフの中に安定限界曲線を描かせると共に、線路インピーダンスの抵抗RとリアクタンスXとに基づく電力系統をグラフの中に描かせるものであって、
    周波数フィードバック方式の伝達関数は、基準周波数の偏差(Δf0)に対する電力系統の周波数偏差(Δfc)の和である第1の周波数偏差の検出に要するむだ時間(τ)の特性を示すむだ時間要素と、電力系統の周波数を検出した2つの時期の時間差の特性をその時定数(Tr)に基づいて示すハイパスフィルタ要素と、2つの時期のうち最新時期における周波数の検出時間の特性をその時定数(Td)に基づいて示すローパスフィルタ要素と、2つの時期の周波数の差である第2の周波数偏差に応じてパワーコンディショナが出力する無効電力のゲイン(G)の特性を示すゲイン要素との積で表現し、
    電力系統の伝達関数は、負荷およびPCSの双方の有効電力特性指数に基づく合成有効電力特性指数(α)と、電力系統の線路インピーダンス(R,X)と、PCSから出力された無効電力とによって、影響を受けた電力系統の周波数偏差(Δfc)を位相変化の時間微分で表現し、
    安定限界関数AH(R,X)は、現状解析用の開ループ伝達関数G1(s)のむだ時間要素、ハイパスフィルタ要素、変数sをそれぞれ1とした上で、その絶対値を1とする下記の数式(4)で表現することを特徴とするPCSの周波数フィードバック方式のハンチング現象の解析方法。
    Figure 0006466873
    Figure 0006466873
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