JP5756522B2 - ジチイン−テトラカルボキシイミド類を製造する方法 - Google Patents

ジチイン−テトラカルボキシイミド類を製造する方法 Download PDF

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Description

本発明は、ジチイン−テトラカルボキシイミド類を調製するための新規方法に関する。
ジチイン−テトラカルボキシイミド類自体は、既に知られている。それらのジチイン−テトラカルボキシイミド類が、動物の内部寄生生物(より特定的には、線虫類)に対する駆虫薬として使用することができること、及び、殺虫活性を有していることも知られている(cf. US 3,364,229)。さらに、特定のジチイン−テトラカルボキシイミド類が、抗細菌活性を有していること、及び、ヒト真菌症の原因微生物に対してある種の活性を有していることも知られている(cf. Il Farmaco 2005, 60, 944−947)。さらにまた、ジチイン−テトラカルボキシイミドが、電子写真感光体中の顔料又は塗料及びポリマー中の染料として使用することができることも知られている(cf. JP−A 10−251265、PL−B 143804)。
式(I)
Figure 0005756522
〔式中、
及びRは、同一であるか又は異なっており、そして、水素であるか、又は、C−C−アルキル(ここで、該アルキルは、ハロゲン、−OR及び/又は−CORで1回以上置換されていてもよい)であるか、又は、C−C−シクロアルキル(ここで、該シクロアルキルは、ハロゲン、C−C−アルキル又はC−C−ハロアルキルで1回以上置換されていてもよい)であるか、又は、アリール若しくはアリール−(C−C−アルキル)(ここで、これらは、それぞれ、ハロゲン、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル,−COR又はスルホニルアミノで1回以上置換されていてもよい)であり;
は、水素、C−C−アルキル若しくはC−C−アルキルカルボニルであるか、又は、アリール(ここで、該アリールは、ハロゲン、C−C−アルキル又はC−C−ハロアルキルで1回以上置換されていてもよい)であり;
は、ヒドロキシル、C−C−アルキル又はC−C−アルコキシである〕
で表されるジチイン−テトラカルボキシイミドは、さまざまな既知方法で調製することができる。
例えば、1調製方法(cf. US 3,364,229;Chem. Ber. 1967, 100, 1559−1570)では、第1段階において、式(II)で表される無水ジクロロマレイン酸を、場合により希釈剤の存在下で、式(III)で表されるアミンと反応させる。次いで、得られた式(IV)で表されるジクロロマレイミドを硫黄化合物(例えば、硫化水素又はチオ尿素)と反応させる。この調製方法による式(I)のジチイン−テトラカルボキシイミドの調製は、下記スキームによって例証され得る:
Figure 0005756522
この調製方法は、例えば、極めて毒性が高い気体状硫化水素を用いた作業は、技術的な観点から、非常に困難であり、大きな費用がかかり、及び、非常に不便である、という不利点を有している。チオ尿素が使用される場合、目的とする生成物と一緒に望ましくない副生物が得られ、この副生物は、除去するのが極めて困難であり、そして、達成可能な収率を損ねる(cf. J. Heterocycl. Chem. 1988, 25, 901−906)。
既に開示されている別の調製方法(cf. Synthetic Communications 2006, 36, 3591−3597)では、第1段階において、式(V)で表される無水コハク酸を、場合により希釈剤の存在下で、式(III)で表されるアミンと反応させる。次いで、得られた式(VI)で表されるコハク酸モノアミドを、室温で、希釈剤としてのジオキサンの存在下に、大過剰量の塩化チオニルと6時間反応させ、最後に、一連の多くの反応段階で、式(I)で表されるジチイン−テトラカルボキシイミドを生成させる。そのジチイン−テトラカルボキシイミド類は、場合により、当該反応混合物から直接単離されるか、又は、水を加えた後、濾過することにより単離される。反応条件(希釈剤)及びラジカルRの種類に応じて、特定の状況においては、式(VII)で表されるジチイン−ジイソイミドを単離することが可能であり、その後、それらを式(I)で表されるジチイン−テトラカルボキシイミドに変換する。式(I)で表されるジチイン−テトラカルボキシイミドに関するこの調製方法は、下記スキームによって例証され得る:
Figure 0005756522
この調製方法の不利な点は、反応時間が長いこと、並びに、さらに、得られる収率が一般に理論値の約30〜40%を超えないか又は単離された生成物の純度が不充分であるという結果である(比較実施例を参照されたい)。該反応混合物を水性の後処理に付す場合におけるさらなる不利な点は、それが大量の塩化チオニルの分解を伴うことである:形成されたガス(SO、及び、HCl)を処理しなければならない。経験(比較実施例を参照されたい)から、生成物が1フラクションでは得られないという事実も、同様に、不利な点である。それどころか、多くの場合、生成物を濾過によって最初に単離した後、長期間(例えば、一晩)放置した後で当該濾液からさらなる生成物が沈澱し、この生成物は、濾過によって再度単離しなくてはならない。場合によっては、この操作をもう一度繰り返して実施しなければならない。この手順は、非常に労力を要し、時間がかかる。
米国特許第3,364,229号 特開平第10−251265号 ポーランド特許出願公告第143804号
Il Farmaco 2005, 60, 944−947 Chem. Ber. 1967, 100, 1559−1570 J. Heterocycl. Chem. 1988, 25, 901−906 Synthetic Communications 2006, 36, 3591−3597
従って、式(I)で表されるジチイン−テトラカルボキシイミドに関する技術的に単純で経済的な調製方法が、絶えず求められている。
一般式(I)
Figure 0005756522
〔式中、R及びRは、上記で示されている定義を有する〕
で表されるジチイン−テトラカルボキシイミドを調製するための新規調製方法が見いだされ、ここで、該調製方法は、
第1段階において、式(VI)
Figure 0005756522
〔式中、Rは、R又はRである〕
で表されるコハク酸モノアミドを、場合により希釈剤の存在下において、過剰量の塩化チオニルと反応させ、次いで、過剰な塩化チオニルを除去し、得られた生成物の混合物を、第2段階において、有機溶媒と水と相間移動触媒の混合物の中で、式(I)で表されるジチイン−テトラカルボキシイミドに変換することを特徴とする。
このようにして、式(I)で表されるジチイン−テトラカルボキシイミドを、比較的高い収率で、比較的短時間で、及び、比較的良好な純度で、得ることができる。さらに、有機溶媒を回収することも可能である。
本発明の調製方法の第1段階で得られた生成物の混合物は、さらにまた、式(I)で表されるジチイン−テトラカルボキシイミドを既に含んでいるが、その主成分は、式(IX)
Figure 0005756522
で表されるポリスルフィドであり、また、後処理方法に応じて、式(VIII)
Figure 0005756522
で表されるチオスルホン酸誘導体である。
一般式(VIII)で表されるチオスルホン酸誘導体において、Rは、上記で示されているR及びRの定義を意味し、Xは、塩素又はヒドロキシルを意味する。
一般式(IX)で表されるポリスルフィドにおいて、R及びRは、上記で示されている定義を意味し、nは、0、1、2、3、4、5、6、7又は8を意味する。
一般式(VI)で表される化合物を塩化チオニルと反応させた後で、その反応混合物を濃縮する場合、一般式(VIII)で表される化合物は、他の生成物と一緒に得られる。
一般式(VI)で表される化合物を塩化チオニルと反応させた後で、その反応混合物を濃縮し、水と混和しない不活性溶媒(例えば、塩化メチレン)に溶解させ、及び、室温で水と一緒に振盪することによって抽出する場合、一般式(IX)で表される化合物は、他の生成物と一緒に得られる。有機相を除去し、乾燥させ、濃縮した後、式(I)で表されるジチイン−テトラカルボキシイミドに加えて一般式(IX)で表される化合物を主として含んでいる混合物が得られる。
式(I)で表されるジチイン−テトラカルボキシイミドを調製するための本発明の調製方法は、下記スキームによって例示することができる:
Figure 0005756522
本発明の調製方法を実施するときに出発物質として使用されるコハク酸モノアミドの一般的な定義は、式(VI)によって与えられる。Rは、R又はRの定義を意味する。
及びRは、好ましくは、同一であるか又は異なっており、そして、好ましくは、水素であるか、又は、フッ素、塩素、臭素、−OR及び/若しくは−CORで1回以上置換されていてもよいC−C−アルキルであるか、又は、塩素、メチル若しくはトリフルオロメチルで1回以上置換されていてもよいC−C−シクロアルキルであるか、又は、いずれもフッ素、塩素、臭素、メチル、トリフルオロメチル、−COR及び/若しくはスルホニルアミノで1回以上置換されていてもよいフェニル若しくはフェニル−(C−C−アルキル)である。
及びRは、さらに好ましくは、同一であるか又は異なっており、そして、さらに好ましくは、水素であるか、又は、フッ素、塩素、ヒドロキシル、メトキシ、エトキシ、メチルカルボニルオキシ及び/若しくはカルボキシルで1回以上置換されていてもよいC−C−アルキルであるか、又は、塩素、メチル若しくはトリフルオロメチルで1回以上置換されていてもよいC−C−シクロアルキルであるか、又は、いずれもフッ素、塩素、臭素、メチル、トリフルオロメチル、−COR及び/若しくはスルホニルアミノで1〜3回置換されていてもよいフェニル、ベンジル、1−フェネチル、2−フェネチル若しくは2−メチル−2−フェネチルである。
及びRは、極めて好ましくは、同一であるか又は異なっており、そして、極めて好ましくは、水素、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、2,2−ジフルオロエチル若しくは2,2,2−トリフルオロエチルであるか、又は、いずれも塩素、メチル若しくはトリフルオロメチルで置換されていてもよいシクロプロピル若しくはシクロヘキシルである。
及びRは、さらに特に好ましくは、同時に、メチルである。
は、好ましくは、水素、メチル、エチル、メチルカルボニル若しくはエチルカルボニルであるか、又は、フッ素、塩素、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル若しくはトリフルオロメチルで1回以上置換されていてもよいフェニルである。
は、さらに好ましくは、水素、メチル、メチルカルボニル又はフェニルである。
は、好ましくは、ヒドロキシル、メチル、エチル、メトキシ又はエトキシである。
は、さらに好ましくは、ヒドロキシル又はメトキシである。
出発物質として、N−メチルスクシンアミドを使用するのが特に好ましく、その場合、最終生成物として、化合物(I−1)2,6−ジメチル−1H,5H−[1,4]ジチイノ[2,3−c:5,6−c’]ジピロール−1,3,5,7(2H,6H)−テトロンが得られる。
出発物質として、N−tert−ブチルスクシンアミドを使用する場合、得られる最終生成物は、化合物(I−2)2,6−ジ−tert−ブチル−1H,5H−[1,4]ジチイノ[2,3−c:5,6−c’]ジピロール−1,3,5,7(2H,6H)−テトロンである。
出発物質として、N−シクロヘキシルスクシンアミドを使用する場合、得られる最終生成物は、化合物(I−3)2,6−ジシクロヘキシル−1H,5H−[1,4]ジチイノ[2,3−c:5,6−c’]ジピロール−1,3,5,7(2H,6H)−テトロンである。
出発物質として、N−プロピルスクシンアミドを使用する場合、得られる最終生成物は、化合物(I−4)2,6−ジプロピル−1H,5H−[1,4]ジチイノ[2,3−c:5,6−c’]ジピロール−1,3,5,7(2H,6H)−テトロンである。
得られる中間体は、特に好ましくは、以下のものである:
(VIII−1) S−(4−クロロ−1−メチル−2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−3−イル) クロロチオスルフェート(R=Me、X=Cl);
(IX−1) 3,3’−トリスルファン−1,3−ジイルビス(4−クロロ−1−メチル−1H−ピロール−2,5−ジオン)(R=R=Me、n=1);
(IX−2) 3,3’−ジスルファンジイルビス(4−クロロ−1−メチル−1H−ピロール−2,5−ジオン)(R=R=Me、n=0);
(IX−3) 3,3’−ジスルファンジイルビス(1−tert−ブチル−4−クロロ−1H−ピロール−2,5−ジオン)(R=R=t−Bu、n=0);
(IX−4) 3,3’−トリスルファン−1,3−ジイルビス(1−tert−ブチル−4−クロロ−1H−ピロール−2,5−ジオン)(R=R=t−Bu、n=1);
(IX−5) 3,3’−トリスルファン−1,3−ジイルビス(4−クロロ−1−シクロヘキシル−1H−ピロール−2,5−ジオン)(R=R=シクロヘキシル、n=1)。
本発明の調製方法の第1段階における塩化チオニルの量は、式(VI)で表されるをコハク酸モノアミドの1モル当たり、2〜100molである。式(VI)で表されるをコハク酸モノアミドの1モル当たり、4〜50molを使用するのが好ましく、さらに好ましくは、10〜40molの量を使用する。
本発明の調製方法の第1段階における反応温度は、広い範囲内で変えることが可能であり、そして、該反応温度は、0℃〜150℃である。充分な空時収量を達成するためには、20℃〜120℃の温度で実施するのが好ましく、さらに好ましくは、30℃〜100℃で実施する。
本発明の調製方法の第1段階における反応時間は、10分間〜24時間である。30分間〜6時間実施するのが好ましく、さらに好ましくは、1〜4時間実施する。
本発明の調製方法の第1段階は、場合により、当該反応条件下において可能な限り不活性である希釈剤の存在下で実施することができる。そのような希釈剤としては、例として、脂肪族炭化水素類、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、オクタン、イソオクタン、塩素化炭化水素類、例えば、塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、芳香族炭化水素類、例えば、トルエン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、アニソール、塩素化芳香族炭化水素類、例えば、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、エーテル類、例えば、ジエチルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ニトリル類、例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、エステル類、例えば、酢酸メチル及び酢酸エチルなどを挙げることができる。トルエン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、クロロベンゼン若しくは1,2−ジクロロベンゼンの中で、又は、希釈剤無しで、実施するのが好ましい。
該塩化チオニルは、原則として、水を用いた加水分解によって除去することができる。該塩化チオニルは、好ましくは、減圧下における蒸留によって除去する。
場合により存在している希釈剤も、同様に、減圧下で留去することが可能であり、そして、必用に応じて、別の溶媒で置き換えることができる。しかしながら、好ましくは、過剰な塩化チオニルのみを留去し、次いで、水及び相間移動触媒を添加した後で、同じ溶媒の中で反応を継続する。
本発明の調製方法の第2段階では、過剰な塩化チオニルを除去し及び場合により希釈剤を除去した後で得られる残渣を、新たな希釈剤に溶解させ、相間移動触媒を添加した後で、同溶媒の中で加熱することにより、式(I)で表されるジチイン−カルボキシイミドに変換させる。その反応混合物は、好ましくは、この手順の間中、撹拌する。
本発明の調製方法の第2段階では、有機溶媒又は溶媒混合物を使用する。これらの溶媒は、好ましくは、水とほんの僅かにしか混和しない。
本発明の調製方法の第2段階に適する希釈剤としては、特に、炭化水素類、例えば、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、オクタン、イソオクタン、トルエン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ニトロベンゼン、水又はこれらの希釈剤の混合物などを挙げることができる。
好ましくは、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、オクタン、イソオクタン、トルエン、キシレン、メシチレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、水又はこれらの希釈剤の混合物を使用する。
極めて特に好ましくは、水とトルエン、キシレン又はクロロベンゼンの混合物を使用する。
ここで、水と有機溶媒の混合比は、広い範囲内で、例えば、9:1〜1:9の範囲内で、変えることができる。
相間移動触媒(PTC)としては、原則として、PTCとしての既知活性を有している全ての化合物を使用することができる。そのような化合物は、例えば、一連の第4級アンモニウム塩又は第4級ホスホニウム塩から選択される相間移動触媒であり得る。
この相間移動触媒は、好ましくは、一般式(X)
Figure 0005756522
〔式中、
、R、R及びRは、互いに独立して、同一であるか又は異なっており、そして、それぞれ、直鎖若しくは分子鎖のC−C28−アルキル、C−C10−アリール又はベンジルであり;
Xは、ハロゲン、硫酸水素アニオン、硫酸アニオン、リン酸二水素アニオン、リン酸水素アニオン、リン酸アニオン又は酢酸アニオン(好ましくは、臭素、塩素、フッ素、硫酸水素アニオン、硫酸アニオン、リン酸アニオン及び酢酸アニオン)であり;
Aは、N又はPである〕
で表される。
そのような相間移動触媒の挙げることができる例としては、フッ化テトラブチルアンモニウム、塩化テトラブチルアンモニウム、臭化テトラブチルアンモニウム、ヨウ化テトラブチルアンモニウム、酢酸テトラブチルアンモニウム、硫酸水素テトラブチルアンモニウム、臭化テトラエチルアンモニウム、ヨウ化テトラエチルアンモニウム、塩化メチルトリブチルアンモニウム、臭化メチルトリブチルアンモニウム、ヨウ化メチルトリブチルアンモニウム、酢酸メチルトリブチルアンモニウム、硫酸水素メチルトリブチルアンモニウム、塩化ベンジルドデシルジメチルアンモニウム、臭化ベンジルドデシルジメチルアンモニウム、臭化ベンジルトリエチルアンモニウム、塩化ベンジルトリエチルアンモニウム、塩化ドデシルトリメチルアンモニウム、臭化ドデシルトリメチルアンモニウム、塩化テトラデシルトリメチルアンモニウム、臭化テトラデシルトリメチルアンモニウム、塩化メチルトリオクチルアンモニウム、塩化メチルトリデシルアンモニウム、臭化テトラオクチルアンモニウム、塩化テトラオクチルアンモニウム、塩化ジデシルジメチルアンモニウム、臭化ジデシルジメチルアンモニウム、臭化テトラフェニルホスホニウム、臭化エチルトリフェニルホスホニウム、ヨウ化エチルトリフェニルホスホニウム及び酢酸エチルトリフェニルホスホニウムなどがある。
さらに、4−ジアルキルアミノピリジニウム塩又はヘキサアルキルグアニジニウム塩などの相間移動触媒を使用することも可能である。
好ましくは、相間移動触媒として、塩化メチルトリオクチルアンモニウム(商品名「Aliquat(登録商標)336」;これは、塩化メチルトリデシルアンモニウムとの混合物の中に存在している)、塩化メチルトリデシルアンモニウム、臭化メチルトリデシルアンモニウム、臭化テトラオクチルアンモニウム、塩化テトラオクチルアンモニウム、塩化ドデシルトリメチルアンモニウム、臭化ドデシルトリメチルアンモニウム、塩化テトラデシルトリメチルアンモニウム、臭化テトラデシルトリメチルアンモニウム、塩化ジデシルジメチルアンモニウム、臭化ジデシルジメチルアンモニウム、塩化ベンジルドデシルジメチルアンモニウム又は臭化ベンジルドデシルジメチルアンモニウムを使用する。
本発明の調製方法における相間移動触媒の量は、広い範囲内で変えることができる。該量は、好ましくは、式(VI)で表されるスクシンイミドに基づいて、0.1〜10mol%であり、さらに好ましくは、式(VI)で表されるスクシンイミドに基づいて、1〜7mol%である。
本発明の調製方法のさらなる実施形態において、一般式(I)で表される生成物を濾過により単離した後で得られる濾液(ここで、該濾液は、好ましいものとして、水と混和しない有機希釈剤と水との混合物又は水とほんの僅かにしか混和しない有機希釈剤と水との混合物が使用される場合には、2相である)は、本発明の調製方法の第2段階を実施するために次のバッチで使用することが可能である。これは、何度も繰り返すことが可能であり、好ましくは、最大で10回まで繰り返すことが可能であり、さらに好ましくは、最大で5回まで繰り返すことが可能である。結果として、一般式(VI)で表されるスクシンイミドに対して相間移動触媒の使用が有意に低減されるのみではなく、同時に、有機希釈剤及び水の必要とされる量も有意に低減され、これによって、当該調製方法はさらに一層経済的なものとなる。
どのような相間移動触媒を使用するかに応じて、所望の生成物を除去した後で、有機相のみを再使用することも可能である。
本発明の調製方法の第2段階における反応温度は、広い範囲内で変えることが可能であり、そして、該反応温度は、0℃〜200℃である。20℃〜150℃の温度で実施するのが好ましく、さらに好ましくは、30℃〜130℃で実施する。
本発明の調製方法の第2段階における反応時間は、5分間〜24時間である。30分間〜12時間実施するのが好ましく、さらに好ましくは、1〜8時間実施する。
本発明の調製方法について、下記実施例によって例証するが、本発明の調製方法は、下記実施例に限定されるものではない。
実施例1
N−メチルスクシンイミド[5.24g;40mmol]を導入し、5℃で撹拌しながら、23.8g[200mmol]の塩化チオニルを滴下して加えた。次いで、得られた溶液を、60℃まで加熱しておいた23.8g[200mmol]の塩化チオニルの中に、約20分間かけて滴下して加えた。次いで、その混合物を80℃まで加熱し、その温度で1時間撹拌した。その反応混合物をロータリーエバポレーターで濃縮した。これにより、9.3gの濃褐色の油状物が得られた。この油状物は、HPLC分析及びLC/MS分析によれば、11.1面積%の化合物(VIII−1)、26.3面積%の化合物(I−1)、5.8面積%の化合物(IX−1、n=0)及び24.7面積%の化合物(IX−1、n=1)を含んでいる。
この油状物を30mLのトルエンに溶解させ、0.2gのAliquat(登録商標)336を添加し、次いで、10mLの水を滴下して加えた。この混合物を、充分に撹拌しながら80℃で4時間加熱した。その後、その混合物を室温まで冷却し、沈澱した固体を吸引濾過により単離し、水及びエタノールで洗浄し、乾燥させた。これにより、3.10gの黒色の固体が得られた。この固体は、HPLC分析によれば、部分的に、99.3面積%の(I−1)で構成されており、これは、理論値の54.5%の収率に相当する。
実施例2
相間移動触媒として、塩化ベンジルドデシルジメチルアンモニウムの50%強度水溶液(Zephirol(登録商標))0.4gを添加した以外は、実施例1の手順を繰り返した。これにより、3.27gの黒色の固体が得られた。この固体は、HPLC分析によれば、部分的に、99.1面積%の化合物(I−1)で構成されており、これは、理論値の57.4%の収率に相当する。
実施例3
相間移動触媒として、0.2gの臭化ドデシルトリメチルアンモニウムを添加した以外は、実施例1の手順を繰り返した。これにより、2.30gの黒色の固体が得られた。この固体は、HPLC分析によれば、部分的に、99.0面積%の化合物(I−1)で構成されており、これは、理論値の40.3%の収率に相当する。
実施例4
相間移動触媒として、0.2gの臭化テトラデシルトリメチルアンモニウムを添加した以外は、実施例1の手順を繰り返した。これにより、2.43gの黒色の固体が得られた。この固体は、HPLC分析によれば、部分的に、99.2面積%の化合物(I−1)で構成されており、これは、理論値の42.7%の収率に相当する。
実施例5
相間移動触媒として、0.2gの臭化テトラオクチルアンモニウムを添加した以外は、実施例1の手順を繰り返した。これにより、2.84gの黒色の固体が得られた。この固体は、HPLC分析によれば、部分的に、99.5面積%の化合物(I−1)で構成されており、これは、理論値の50.0%の収率に相当する。
実施例6
相間移動触媒として、塩化ジデシルジメチルアンモニウムの50%強度水溶液0.4gを添加した以外は、実施例1の手順を繰り返した。これにより、3.45gの黒色の固体が得られた。この固体は、HPLC分析によれば、部分的に、99.1面積%の化合物(I−1)で構成されており、これは、理論値の60.6%の収率に相当する。
実施例7
N−メチルスクシンイミド[15.74g;120mmol]を49mLのトルエンの中の懸濁液として導入し、10〜20℃で撹拌しながら、24.9g[209mmol]の塩化チオニルを滴下して加えた。これにより、二相溶液が得られた。その二相溶液の底相を分離し、60℃に加熱しておいた132.1g[1110mmol]の塩化チオニルの中に約60分間かけて滴下して加えた。次いで、その混合物を約80℃まで加熱し、その温度で一時間撹拌した。次いで、その反応混合物をロータリーエバポレーターで濃縮した。これにより、29.37gの濃褐色の油状物が得られた。この油状物は、HPLC分析によれば、5.0面積%の化合物(VIII−1)、14.5面積%の化合物(I−1)、19.5面積%の化合物(IX−1、n=0)及び26.9面積%の化合物(IX−1、n=1)を含んでいる。
この油状物を90mLのトルエンに溶解させ、0.6gのAliquat(登録商標)336を添加し、次いで、30mLの水を滴下して加えた。この混合物を、充分に撹拌しながら還流温度(85〜88℃)で4時間加熱した。その後、その混合物を室温まで冷却し、沈澱した固体を吸引濾過により単離し、30mLの水で洗浄し、及び、30mLのエタノールで2回洗浄し、乾燥させた。これにより、11.10gの黒色の固体が得られた。この固体は、HPLC分析によれば、部分的に、98.9面積%の化合物(I−1)で構成されており、これは、理論値の64.8%の収率に相当する。
比較例1
N−メチルスクシンイミド[5.24g;40mmol]を導入し、5℃で撹拌しながら、23.8g[200mmol]の塩化チオニルを滴下して加えた。次いで、得られた溶液を、60℃まで加熱しておいた23.8g[200mmol]の塩化チオニルの中に、約20分間かけて滴下して加えた。次いで、その混合物を80℃まで加熱し、その温度で1時間撹拌した。その反応混合物をロータリーエバポレーターで濃縮した。これにより、10.3gの濃褐色の油状物が得られた。この油状物は、HPLC分析及びLC/MS分析によれば、6.6面積%の化合物(VIII−1)、19面積%の化合物(I−1)、16.6面積%の化合物(IX−1、n=0)及び34.1面積%の化合物(IX−1、n=1)を含んでいる。
この油状物を30mLのトルエンに溶解させ、次いで、相間移動触媒を添加することなく、10mLの水を滴下して加えた。この混合物を、充分に撹拌しながら80℃で4時間加熱した。その後、その混合物を室温まで冷却し、沈澱した固体を吸引濾過により単離し、水及びエタノールで洗浄し、乾燥させた。これにより、0.90gの暗緑色の固体が得られた。この固体は、HPLC分析によれば、部分的に、98.6面積%の化合物(I−1)で構成されており、これは、理論値の15.7%の収率に相当する。
実施例8
N−メチルスクシンイミド[5.24g;40mmol]を導入し、5℃で撹拌しながら、23.8g[200mmol]の塩化チオニルを滴下して加えた。次いで、得られた溶液を、60℃まで加熱しておいた23.8g[200mmol]の塩化チオニルの中に、約20分間かけて滴下して加えた。次いで、その混合物を80℃まで加熱し、その温度で1時間撹拌した。その反応混合物をロータリーエバポレーターで濃縮した。これにより、9.7gの濃褐色の油状物が得られた。この油状物は、HPLC分析によれば、4.2面積%の化合物(VIII−1)、15.3面積%の化合物(I−1)、20.1面積%の化合物(IX−1、n=0)及び28.3面積%の化合物(IX−1、n=1)を含んでいる。
この油状物を30mLのトルエンに溶解させ、0.1gのAliquat(登録商標)336を添加し、次いで、10mLの水を滴下して加えた。この混合物を、充分に撹拌しながら還流温度(約94〜97℃)で4時間加熱した。その後、その混合物を室温まで冷却し、沈澱した固体を吸引濾過により単離し、水及びエタノールで洗浄し、乾燥させた。これにより、3.29gの黒色の固体が得られた。この固体は、HPLC分析によれば、部分的に、99.4面積%の化合物(I−1)で構成されており、これは、理論値の57.9%の収率に相当する。
実施例9
相間移動触媒として、0.2gの臭化テトラオクチルアンモニムを添加した以外は、実施例8の手順を繰り返した。これにより、3.47gの黒色の固体が得られた。この固体は、HPLC分析によれば、部分的に、98.7面積%の化合物(I−1)で構成されており、これは、理論値の60.7%の収率に相当する。
比較例2
N−メチルスクシンイミド[5.24g;40mmol]を導入し、5℃で撹拌しながら、23.8g[200mmol]の塩化チオニルを滴下して加えた。次いで、得られた溶液を、60℃まで加熱しておいた23.8g[200mmol]の塩化チオニルの中に、約20分間かけて滴下して加えた。次いで、その混合物を80℃まで加熱し、その温度で1時間撹拌した。その反応混合物をロータリーエバポレーターで濃縮した。これにより、9.5gの濃褐色の油状物が得られた。この油状物は、HPLC分析によれば、7面積%の化合物(VIII−1)、18.5面積%の化合物(I−1)、17.6面積%の化合物(IX−1、n=0)及び30面積%の化合物(IX−1、n=1)を含んでいる。
この油状物を30mLのクロロベンゼンに溶解させ、次いで、相間移動触媒を添加することなく、10mLの水を滴下して加えた。この混合物を、充分に撹拌しながら80℃で4時間加熱した。その後、その混合物を室温まで冷却し、沈澱した固体を吸引濾過により単離し、水及びエタノールで洗浄し、乾燥させた。これにより、1.12gの黒色の固体が得られた。この固体は、HPLC分析によれば、部分的に、98.8面積%の化合物(I−1)で構成されており、これは、理論値の19.6%の収率に相当する。
実施例10
35.3gのトルエンの中のN−メチルスクシンイミド[26.23g;200mmol]を導入し、5〜10℃で撹拌しながら、42.35g[356mmol]の塩化チオニルを滴下して加えた。次いで、室温で生じたその溶液を、60℃まで加熱しておいた225g[1890mmol]の塩化チオニルの中に、2時間かけて滴下して加えた。次いで、その混合物を80℃まで加熱し、その温度で1時間撹拌した。次いで、その反応混合物をロータリーエバポレーター(浴温70℃及び25mbar)で濃縮した。これにより、43.7gの懸濁液が残渣として得られた。43.7gの該残渣を、まだ熱いうちに、174gのトルエンに溶解させ、4.05gのAliquat(登録商標)336を添加し、次いで、約55℃で開始して、55mLの水を約5分間かけて滴下して加えた。次いで、充分に撹拌しながら、その混合物を80℃で4時間加熱した。次いで、その混合物を放置して室温まで冷却し、沈澱した固体を吸引濾過により単離し、55mLの水で洗浄し、55mLのエタノールで2回洗浄し、乾燥させた。これにより、20.36gの黒色の固体が得られた。この固体は、HPLC分析によれば、部分的に、98.6面積%の化合物(I−1)で構成されており、これは、理論値の71.1%の収率に相当する。
実施例11
13.4gのクロロベンゼンの中のN−メチルスクシンイミド[8g;61mmol]を導入し、5〜10℃で撹拌しながら、12.57g[106mmol]の塩化チオニルを滴下して加えた。次いで、室温で生じたその溶液を、60℃まで加熱しておいた66.6g[560mmol]の塩化チオニルの中に、1時間かけて滴下して加えた。次いで、その混合物を80℃まで加熱し、その温度で1時間撹拌した。次いで、その反応混合物をロータリーエバポレーターで濃縮した。その残渣を、まだ熱いうちに、79gのトルエンに溶解させた。2.4gのAliquat(登録商標)336(N−メチルスクシンイミドに基づいて、約9.7mol%)を添加し、次いで、31mLの水を滴下して加えた。次いで、充分に撹拌しながら、その混合物を75℃で4時間加熱した。次いで、その混合物を放置して室温まで冷却し、沈澱した固体を吸引濾過により単離し、30mLの水で洗浄し、次いで、30mLのエタノールで洗浄し、乾燥させた。これにより、6.4gの固体(この固体は、HPLC分析によれば、部分的に、98面積%の化合物(I−1)で構成されており、これは、理論値の73%の収率に相当する)及び115gの2相濾液が得られた。
実施例12
13.4gのクロロベンゼンの中のN−メチルスクシンイミド[8g;61mmol]を導入し、5〜10℃で撹拌しながら、12.57g[106mmol]の塩化チオニルを滴下して加えた。次いで、室温で生じたその溶液を、60℃まで加熱しておいた66.6g[560mmol]の塩化チオニルの中に、1時間かけて滴下して加えた。次いで、その混合物を80℃まで加熱し、その温度で1時間撹拌した。次いで、その反応混合物をロータリーエバポレーターで濃縮した。その残渣を、まだ熱いうちに、滴下して、実施例11からの濾液と混合させた。次いで、充分に撹拌しながら、その混合物を75℃で4時間加熱した。次いで、その混合物を室温まで冷却し、沈澱した固体を吸引濾過により単離し、30mLの水で洗浄し、次いで、30mLのエタノールで洗浄し、乾燥させた。これにより、6.7gの固体(この固体は、HPLC分析によれば、部分的に、97.7面積%の化合物(I−1)で構成されており、これは、理論値の76%の収率に相当する)及び114gの濾液が得られた。
実施例13
13.4gのクロロベンゼンの中のN−メチルスクシンイミド[8g;61mmol]を導入し、5〜10℃で撹拌しながら、12.57g[106mmol]の塩化チオニルを滴下して加えた。次いで、室温で生じたその溶液を、60℃まで加熱しておいた66.6g[560mmol]の塩化チオニルの中に、1時間かけて滴下して加えた。次いで、その混合物を80℃まで加熱し、その温度で1時間撹拌した。次いで、その反応混合物をロータリーエバポレーターで濃縮した。その残渣を、まだ熱いうちに、滴下して、実施例12からの濾液と混合させた。次いで、充分に撹拌しながら、その混合物を75℃で4時間加熱した。次いで、その混合物を室温まで冷却し、沈澱した固体を吸引濾過により単離し、30mLの水で洗浄し、次いで、30mLのエタノールで洗浄し、乾燥させた。これにより、6.5gの固体(この固体は、HPLC分析によれば、部分的に、98.1面積%の化合物(I−1)で構成されており、これは、理論値の74%の収率に相当する)及び119gの濾液が得られた。
実施例14
13.4gのクロロベンゼンの中のN−メチルスクシンイミド[8g;61mmol]を導入し、5〜10℃で撹拌しながら、12.57g[106mmol]の塩化チオニルを滴下して加えた。次いで、室温で生じたその溶液を、60℃まで加熱しておいた66.6g[560mmol]の塩化チオニルの中に、1時間かけて滴下して加えた。次いで、その混合物を80℃まで加熱し、その温度で1時間撹拌した。次いで、その反応混合物をロータリーエバポレーターで濃縮した。その残渣を、まだ熱いうちに、滴下して、実施例13からの濾液と混合させた。次いで、充分に撹拌しながら、その混合物を75℃で4時間加熱した。次いで、その混合物を室温まで冷却し、沈澱した固体を吸引濾過により単離し、30mLの水で洗浄し、次いで、30mLのエタノールで洗浄し、乾燥させた。これにより、6.3gの固体(この固体は、HPLC分析によれば、部分的に、98面積%の化合物(I−1)で構成されており、これは、理論値の72%の収率に相当する)及び114gの濾液が得られた。
実施例15
13.4gのクロロベンゼンの中のN−メチルスクシンイミド[8g;61mmol]を導入し、5〜10℃で撹拌しながら、12.57g[106mmol]の塩化チオニルを滴下して加えた。次いで、室温で生じたその溶液を、60℃まで加熱しておいた66.6g[560mmol]の塩化チオニルの中に、1時間かけて滴下して加えた。次いで、その混合物を80℃まで加熱し、その温度で1時間撹拌した。次いで、その反応混合物をロータリーエバポレーターで濃縮した。その残渣を、まだ熱いうちに、滴下して、実施例14からの濾液と混合させた。次いで、充分に撹拌しながら、その混合物を75℃で4時間加熱した。次いで、その混合物を室温まで冷却し、沈澱した固体を吸引濾過により単離し、30mLの水で洗浄し、次いで、30mLのエタノールで洗浄し、乾燥させた。これにより、6.4gの固体が得られた。この固体は、HPLC分析によれば、部分的に、98.8面積%の化合物(I−1)で構成されており、これは、理論値の73%の収率に相当する。
一般的な情報
HPLC条件:Zorbax Eclipse Plus C18 4.6×50mm 1.8μm; 溶離液A:0.1% HPO、溶離液B:アセトニトリル; 勾配:90/10、20%/分、5/95(1.75); 流量:2mL/分; 55℃。

Claims (8)

  1. 一般式(I)
    Figure 0005756522
    〔式中、
    及びRは、同一であるか又は異なっており、そして、水素であるか、又は、C−C−アルキル(ここで、該アルキルは、ハロゲン、−OR及び/又は−CORで1回以上置換されていてもよい)であるか、又は、C−C−シクロアルキル(ここで、該シクロアルキルは、ハロゲン、C−C−アルキル又はC−C−ハロアルキルで1回以上置換されていてもよい)であるか、又は、アリール若しくはアリール−(C−C−アルキル)(ここで、これらは、それぞれ、ハロゲン、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル,−COR又はスルホニルアミノで1回以上置換されていてもよい)であり;
    は、水素、C−C−アルキル若しくはC−C−アルキルカルボニルであるか、又は、アリール(ここで、該アリールは、ハロゲン、C−C−アルキル又はC−C−ハロアルキルで1回以上置換されていてもよい)であり;
    は、ヒドロキシル、C−C−アルキル又はC−C−アルコキシである〕
    で表されるジチイン−テトラカルボキシイミドを調製する方法であって、
    第1段階において、式(VI)
    Figure 0005756522
    〔式中、Rは、R又はRである〕
    で表されるコハク酸モノアミドを、場合により希釈剤の存在下において、過剰量の塩化チオニルと反応させ、次いで、過剰な塩化チオニルを除去し、得られた生成物の混合物を、第2段階において、有機溶媒と水と相間移動触媒の混合物の中で、式(I)で表されるジチイン−テトラカルボキシイミドに変換することを特徴とする、前記調製方法。
  2. 第2段階における前記相間移動触媒が、
    (a) 式(X)
    Figure 0005756522
    〔式中、
    、R、R及びRは、互いに独立して、同一であるか又は異なっており、そして、それぞれ、直鎖若しくは分子鎖のC−C28−アルキル、C−C10−アリール又はベンジルであり;
    Xは、ハロゲン、硫酸水素アニオン、硫酸アニオン、リン酸二水素アニオン、リン酸水素アニオン、リン酸アニオン又は酢酸アニオン(好ましくは、臭素、塩素、フッ素、硫酸水素アニオン、硫酸アニオン、リン酸アニオン及び酢酸アニオン)であり;
    Aは、N又はPである〕
    で表される第4級アンモニウム塩若しくは第4級ホスホニウム塩;
    又は、
    (b) 4−ジアルキルアミノピリジニウム塩若しくはヘキサアルキルグアニジニウム塩;
    から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の調製方法。
  3. 第2段階における前記相間移動触媒が、下記リスト:フッ化テトラブチルアンモニウム、塩化テトラブチルアンモニウム、臭化テトラブチルアンモニウム、ヨウ化テトラブチルアンモニウム、酢酸テトラブチルアンモニウム、硫酸水素テトラブチルアンモニウム、臭化テトラエチルアンモニウム、ヨウ化テトラエチルアンモニウム、塩化メチルトリブチルアンモニウム、臭化メチルトリブチルアンモニウム、ヨウ化メチルトリブチルアンモニウム、酢酸メチルトリブチルアンモニウム、硫酸水素メチルトリブチルアンモニウム、塩化ベンジルドデシルジメチルアンモニウム、臭化ベンジルドデシルジメチルアンモニウム、臭化ベンジルトリエチルアンモニウム、塩化ベンジルトリエチルアンモニウム、塩化ドデシルトリメチルアンモニウム、臭化ドデシルトリメチルアンモニウム、塩化テトラデシルトリメチルアンモニウム、臭化テトラデシルトリメチルアンモニウム、塩化メチルトリオクチルアンモニウム、塩化メチルトリデシルアンモニウム、臭化テトラオクチルアンモニウム、塩化テトラオクチルアンモニウム、塩化ジデシルジメチルアンモニウム、臭化ジデシルジメチルアンモニウム、臭化テトラフェニルホスホニウム、臭化エチルトリフェニルホスホニウム、ヨウ化エチルトリフェニルホスホニウム、及び、酢酸エチルトリフェニルホスホニウム;
    から選択されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の調製方法。
  4. 第2段階において、水と僅かにしか混和しない有機溶媒を使用することを特徴とする、請求項1、2又は3に記載の調製方法。
  5. 第2段階において、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、オクタン、イソオクタン、トルエン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ニトロベンゼン、水又はこれらの希釈剤の混合物を使用することを特徴とする、請求項1、2、3又は4に記載の調製方法。
  6. 一般式(I)で表される生成物を濾過により単離した後で得られる濾液(ここで、該濾液は、水と混和しない有機希釈剤と水との混合物又は水とほんの僅かにしか混和しない有機希釈剤と水との混合物が使用される場合には、2相である)を、本発明の調製方法の第2段階を実施するために次のバッチで使用することを特徴とする、請求項1、2、3、4又は5に記載の調製方法。
  7. 前記濾液を最大で10回まで再使用することを特徴とする、請求項6に記載の調製方法。
  8. 所望の生成物を除去した後で有機相のみを再使用することを特徴とする、請求項6又は7に記載の調製方法。
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