JP5755207B2 - インクジェット受理溶液、この受理溶液を含むインクセット及びこのインクセットを用いたインクジェット記録方法 - Google Patents

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Description

本発明は、インクジェット受理溶液、この受理溶液を含むインクセット及びこのインクセットを用いたインクジェット記録方法に関する。
インクジェット記録方式は、非常に微細なノズルからインク液滴を紙等の記録媒体に直接吐出し、付着させて文字や画像を得る記録方式である。この記録方式は、小型化、高速化、低騒音化、省電力化、カラー化が容易であり、しかも記録媒体に対して非接触印刷が可能であることから、家庭用途のみならず、オフィス用途、商業印刷用途にまで適用範囲が拡大している。
インクジェット記録に使用されるインクとして、各種の水溶性染料を水、又は水と有機溶剤との混合液に溶解させた水性染料インクが広く用いられている。しかしながら、普通紙や再生紙等、広く一般に用いられる紙に対して水性染料インクを噴出すると、インクが紙繊維に吸収されるとともに、着弾位置の周囲に広がり、フェザリングと呼ばれるにじみが生じ得る。この課題を解決するために、記録媒体の表面に水性染料インクを吸収、受理する受理層を形成したインクジェット専用紙が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。しかしながら、オフィス用途や商業印刷用途では印字物自身のコストを抑えなければならず、記録媒体としては、印字適性を高めるような特別な処理が行われていない安価なコピー紙等の非塗工紙が使用されることが多い。
そこで、染料がアニオン性であることに着目し、記録媒体に水性染料インクを吐出するのに先立ち、多価金属塩を含む受理溶液を記録媒体に吐出し、その後、受理溶液上に水性染料インクを吐出することが提案されている(例えば、特許文献4〜6参照)。また、近年では、水性染料インクに比べてフェザリングを抑えられる点で、水性染料インクのみならず、水性顔料インクも広く用いられているが、水性顔料インクにおいても、上記受理溶液を用いて定着できることが知られている(例えば、特許文献7参照)。
中でも、記録媒体上に無色インクと顔料を含有する有色インクを射出し、該無色インクと該有色インクが混合することにより該顔料の凝集又は混合したインクの粘度上昇が生じるインクジェット記録方法において、上記無色インクが少なくとも水を含有し、かつ両末端が同時に水酸基ではないアルカンジオールをインクに対して50質量%以上90質量%未満含有することで、印刷した際の画像品質に優れ、裏抜け及びカールが少なくなることが提案されている(例えば、特許文献8参照)。
特開昭57−069054号公報 特開平6−143797号公報 特開2009−178912号公報 特開昭63−299970号公報 特開平5−202328号公報 特開2001−162920号公報 特開平11−034478号公報 特開2010−046810号公報
しかしながら、印刷した際の画像品質、及びカールの抑制については、さらなる改良の余地がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、インクジェット記録方式に求められる特性、とりわけ、印刷した際の画像品質を高め、かつ、カールを抑制することの可能なインクジェット受理溶液、及びこの受理溶液を含むインクセットを提供することである。
本発明者は、上記課題を解決するために、鋭意研究を重ねたところ、受理溶液に含まれる有機溶剤を特定のものにすることで、印刷した際の画像品質と、カール抑制効果との両方が特異的に高まることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、特許文献8等に開示されるように、印刷した際の画像品質と、カール抑制効果とを高めるために受理溶液に含まれる有機溶剤の種類及び量を検討することは従来から行われていたが、有機溶剤の種類は、両末端が同時に水酸基ではないアルカンジオールといった包括的な概念でしか検討されておらず、本発明者は、特定の有機溶剤を用いることで、印刷した際の画像品質と、カール抑制効果との両方が特異的に高まることを初めて見出した。具体的に、本発明では、以下のようなものを提供する。
(1)本発明は、多価金属塩と、沸点が180℃以上の多価アルコールと、水とを含有し、前記多価アルコールは、一方の末端が水酸基であり、他方の末端は水酸基ではないペンタンジオールを少なくとも含有する、インクジェット受理溶液である。
(2)また、本発明は、前記ペンタンジオールが1,2−ペンタンジオールである、請求項1に記載のインクジェット受理溶液である。
(3)また、本発明は、前記ペンタンジオールがインクジェット受理溶液100質量部に対して40質量部以上80質量部以下含有する、(1)又は(2)に記載のインクジェット受理溶液である。
(4)また、本発明は、前記多価金属塩がカルシウム塩、マグネシウム塩、ニッケル塩、アルミニウム塩又は亜鉛塩よりなる群から選択される1種又は2種以上の金属塩である、(1)から(3)のいずれかに記載のインクジェット受理溶液である。
(5)また、本発明は、前記多価金属塩が少なくとも1種類の有機酸塩を含有する、(1)から(4)のいずれかに記載のインクジェット受理溶液である。
(6)また、本発明は、前記有機酸塩が酢酸塩、プロピオン酸塩又はパントテン酸塩からなる群より選択される1種である、(5)に記載のインクジェット受理溶液である。
(7)また、本発明は、前記多価金属塩が少なくとも1種類の無機塩をさらに含有する、(5)又は(6)に記載のインクジェット受理溶液である。
(8)また、本発明は、前記多価金属塩の濃度が前記受理溶液1リットルに対して0.005〜2.0モルである、(1)から(7)のいずれかに記載のインクジェット受理溶液である。
(9)また、本発明は、(1)から(8)のいずれかに記載のインクジェット受理溶液と、色材を含有するインクと、を含有するインクジェット用インクセットである。
(10)また、本発明は、(9)に記載のインクジェット用インクセットを用いて記録媒体にインクジェット方式で記録する方法であって、前記インクジェット受理溶液を前記記録媒体の印刷面に付着させた後、その付着させた箇所に前記インクジェットインクを付着させて印刷する、インクジェット記録方法である。本発明のインクジェット記録方法においては、前記受理溶液の記録媒体への付着方法がスプレー法、コーター法、インクジェット法、グラビア法又はフレキソ法であることが好ましい。
(11)また、本発明は、前記記録媒体が塗工紙である、(10)に記載のインクジェット記録方法である。
本発明によれば、インクジェット記録方式に求められる特性、とりわけ、印刷した際の画像品質を高め、かつ、カールを抑制することの可能なインクジェット受理溶液、及びこの受理溶液を含むインクセットを提供できる。
以下、本発明の具体的な実施形態について、詳細に説明するが、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。
<インクジェット受理溶液>
本発明のインクジェット受理溶液(以下単に「受理溶液」ともいう)は、多価金属塩と、沸点が180℃以上の多価アルコールと、水とを含有し、上記多価アルコールは、一方の末端が水酸基であり、他方の末端は水酸基ではないペンタンジオールを少なくとも含有する。
[多価金属塩]
本発明の受理溶液は、多価金属塩を含有する。使用可能な金属塩としては、2価以上の多価金属イオンと陰イオンから構成される。2価以上の多価金属イオンとしては、例えば、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、アルミニウムイオン、チタンイオン、鉄(II)イオン、鉄(III)イオン、コバルトイオン、ニッケルイオン、銅イオン、亜鉛イオン、バリウムイオン、ストロンチウムイオン等が挙げられる。
中でも、水への溶解度が0.1モル/リットル以上のカルシウム塩、マグネシウム塩、ニッケル塩、アルミニウム塩及び亜鉛塩から選択される1種又は2種以上であるものが好ましく、カルシウム塩、マグネシウム塩、ニッケル塩及び亜鉛塩から選択される1種又は2種以上であるものがより好ましい。
水への溶解度が0.1モル/リットル未満の金属塩では、金属イオンの、インクへの溶出が少なく、顔料に結合しているリン含有基との反応性が不十分となり、顔料の定着性の向上が不十分になる場合がある。金属塩としては以下に記載する無機塩と有機酸塩のいずれか一方を使用することもできるし、両方を併用することもできる。
〔無機塩〕
上記無機塩のうちカルシウム塩、マグネシウム塩としては、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、臭化カルシウム、臭化マグネシウム、硝酸カルシウム、硝酸マグネシウム、硫酸マグネシウム等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。これらの無機塩の中でも、一般に水への溶解度の高い塩化物又は硝酸塩がより好ましい。さらに、これらの無機塩の中でも、水への溶解度及びリン含有基との反応性の点から塩化カルシウム又は塩化マグネシウムがより好ましく、塩化カルシウムが特に好ましい。
〔有機酸塩〕
上記有機酸塩の具体例としては、パントテン酸、パントイン酸、プロピオン酸、アスコルビン酸、酢酸、リンゴ酸、o-安息香酸スルフィミド及び乳酸のカルシウム塩、マグネシウム塩、ニッケル塩、アルミニウム塩及び亜鉛塩が挙げられるがこれらに限定されるものではない。これらの有機酸塩の中でも、フェザリングとブリーディングの抑制の点からパントテン酸、プロピオン酸、及び酢酸のカルシウム塩がより好ましい。なお、本明細書において、ブリーディングとは、異なる色間の隣接する境界部で色が混ざって不鮮明になる状態をいい、フェザリングとは、主に非塗工紙において印字部が髭状に滲む状態をいう。
上記多価金属塩の濃度は、水性インクに含まれる色材との反応性、印刷品質、塗布方式等により適当な濃度範囲となるように適宜決定することができるが、好ましくは0.005〜2.0モル/リットル、より好ましくは0.01〜1.0モル/リットル程度である。なお、単位:モル/リットルは、受理溶液1リットルに対する上記多価金属塩のモル数をいう。上記多価金属塩の濃度が0.005モル/リットル未満であると、フェザリングやブリーディングを効果的に抑制できないため、好ましくない。上記多価金属塩の濃度が2.0モル/リットルを超えると、受理溶液を開放放置した場合に、受理溶液に含まれる塩が析出する可能性があるため、好ましくない。
[沸点が180℃以上の多価アルコール]
本発明の受理溶液は、沸点が180℃以上の多価アルコールを含有する。沸点が180℃以上の多価アルコールを含有することで、水分が蒸発したときの粘度上昇を抑えることができ、インク出射時のデキャップ特性を高めることができる。
多価アルコールは、一方の末端が水酸基であり、他方の末端は水酸基ではないペンタンジオールを少なくとも含有する。該ペンタンジオールを含有することで、カールの発生を抑えることができるとともに、印刷後の画像の品質を改善できる。カールを良好に抑制できる理由として、(ア)上記ペンタンジオールは粘度と表面張力が低いため、基材に濡れ広がりやすいこと、(イ)上記ペンタンジオールは沸点が高いため、受理溶液が揮発する前に基材内部に浸透すること、(ウ)上記ペンタンジオールは、特に記録媒体が塗工紙の場合において、基材表面の塗工層中の樹脂を溶解して基材内部に受理溶液を均一に浸透させることができること等が挙げられる。印刷後の画像の品質を改善できる理由として、上記ペンタンジオールは樹脂溶解性が高く、基材の塗工層の樹脂を溶解するため、印字物の光沢が高くなり、インクの発色を良好にすることができることが考えられる。
一方、両末端が水酸基である1,5−ペンタンジオールや末端に水酸基が無い2,4−ペンタンジオールからなる場合、これらが180℃以上の沸点を有する多価アルコールであったとしても、受理溶液が紙表面に留まりやすく紙内部への浸透性が悪いため、カール抑制効果が不十分であったり、乾燥性が遅くなってフェザリングやブリーディングが発生する可能性があり、好ましくない。
また、上記の一方の末端が水酸基であり、他方の末端は水酸基ではないペンタンジオールではなく、炭素数が4以下のアルカンジオールや、炭素数が6以上のアルカンジオールからなる場合、基材に濡れ広がりにくいことから、印刷後の記録媒体がカールする可能性があり、好ましくない。
一方の末端が水酸基であり、他方の末端は水酸基ではないペンタンジオールの具体例として、1,2−ペンタンジオール、1,3−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、4−メチル−1,2−ペンタンジオール等が挙げられる。中でも、常温液体で低粘度であり、水や有機溶剤との混和性が良好である点で、1,2−ペンタンジオールを用いることが特に好ましい。
沸点が180℃以上の多価アルコールの量は特に限定されるものではないが、受理溶液100質量部に対して40質量部以上80質量部以下であることが好ましく、50質量部以上75質量部以下であることがより好ましい。上記多価アルコールの量が40質量部未満であると、印刷後の記録媒体がカールする可能性があり、好ましくない。上記多価アルコールの量が80質量部を超えると、受理溶液に含まれる水の量が少なすぎるため、受理溶液の保管中に多価金属塩が析出する可能性があり、好ましくない。
上記ペンタンジオール以外の沸点が180℃以上の多価アルコールの具体例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール(プロピレングリコール)、1,3−プロパンジオール、グリセリン(グリセロール)、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール1,5−ペンタンジオールの他、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のオキシエチレン又はオキシプロピレン共重合体、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,2,6−ヘキサントリオール等のトリオール類、エリスリトール、ペンタエリスリトール、メソエリスリトール等の4価アルコール類、キシリトール等のペンチトール類、ソルビトール、マンニトール等のヘキシトール類等を挙げることができる。
[水]
本発明の受理溶液は、水を含有する。水は、受理溶液の流動性を高めるとともに、多価金属塩を受理溶液中に溶解させるために用いられる。水としては、種々のイオンを含有する一般の水ではなく、脱イオン水を使用することが好ましい。
[その他の成分]
受理溶液は、必要に応じて、さらに、従来公知の添加剤を含んでもよい。添加剤としては、例えば、粘度調整剤、界面活性剤、pH調整剤、表面張力調整剤、酸化防止剤、防黴剤、防腐剤等が挙げられる。粘度調整剤として、例えば、ポリビニルアルコール、セルロース、水溶性樹脂等が挙げられる。
界面活性剤としては、特に限定されるものではないが、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、フッ素系界面活性剤、アセチレングリコール系界面活性剤、シリコーン(シリコン)系界面活性剤等が好ましく用いられる。
アニオン性界面活性剤としては、エマール、ラテムル、ペレックス、ネオペレックス、デモール(いずれも、花王社製)、サンノール、リポラン、ライポン、リパール(いずれも、ライオン社製)等が挙げられる。
非イオン性界面活性剤としては、ノイゲン、エパン、ソルゲン(いずれも、第一工業製薬社製)エマルゲン、アミート、エマゾール(いずれも、花王社製)、ナロアクティー、エマルミン、サンノニック(いずれも、三洋化成工業社製)等が挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、メガファックF−114、F−410、F−440、F−447、F−553、F−556(DIC社製)、サーフロンS−211、S−221、S−231、S−233、S−241、S−242、S−243、S−420、S−661、S−651、S−386(AGCセイミケミカル社製)、等が挙げられる。
アセチレングリコール系界面活性剤としては、例えば、サーフィノール104、82、420、440、465、485、TG、2502、ダイノール604、ダイノール607(いずれも、アセチレングリコール系界面活性剤;エアープロダクツ社製)、オルフィンE1004、E1010、PD004、EXP4300(いずれも、アセチレングリコール系界面活性剤;日信化学工業社製)、アセチレノールEH、E40、E60、E81、E100、E200(いずれも、アセチレングリコール系界面活性剤;川研ファインケミカル社製)等が挙げられる。
シリコーン(シリコン)系界面活性剤としては、例えば、FZ−2122、FZ−2110、FZ−7006、FZ−2166、FZ−2164、FZ−7001、FZ−2120、SH 8400、FZ−7002、FZ−2104、8029 ADDITIVE、8032 ADDITIVE、57 ADDITIVE、67 ADDITIVE、8616 ADDITIVE(いずれも、東レ・ダウコーニング社製)、KF−6012、KF−6015、KF−6004、KF−6013、KF−6011、KF−6043、KP−104、110、112、323、341、6004(いずれも、信越化学社製)、BYK―300/302、BYK−306、BYK−307、BYK−320、BYK−325、BYK−330、BYK−331、BYK−333、BYK−337、BYK−341、BYK−344、BYK−345/346、BYK−347、BYK−348、BYK−375、BYK−377、BYK−378、BYK−UV3500、BYK−UV3510、BYK−310、BYK−315、BYK−370、BYK−UV3570、BYK−322、BYK−323、BYK−350、BYK−352、BYK−354、BYK−355、BYK−358N/361N、BYK−380N、BYK−381、BYK−392、BYK−340、BYK−Silclean3700、BYK―Dynwet800(いずれも、ビックケミー社製)等が挙げられる。
これらの界面活性剤は、単独で用いても2種以上を併用しても良い。界面活性剤の含有量は、インク混和性や洗浄性、流路内壁への濡れ性、インクジェット吐出性に合わせて適宜調整される。
また、受理溶液は、上記沸点が180℃以上の多価アルコールとは異なる各種の有機溶剤を併用してもよい。水溶性有機溶媒としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、n−ペンタノール等の炭素数1〜5のアルキルアルコール類;3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、3−メトキシ−1−プロパノール、1−メトキシ−2−プロパノール、3−メトキシ−n−ブタノール等の1価のアルコール類;1−ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、3−メトキシプロパンアミド、3−ブトキシプロパンアミド、N,N−ジメチル−3−メトキシプロパンアミド、N,N−ジブチル−3−メトキシプロパンアミド、N,N−ジブチル−3−ブトキシプロパンアミド、N,N−ジメチル−3−ブトキシプロパンアミド等のアミド類;アセトン、ジアセトンアルコール等のケトンまたはケトアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;エチレングリコールモノメチル(またはエチル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、n−ヘキシル、2−エチルヘキシル)エーテル、ジエチレングリコールモノメチル(またはエチル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、n−ヘキシル、2−エチルヘキシル)エーテル、トリエチレングリコールモノメチル(またはエチル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル)エーテル、プロピレングリコールモノメチル(またはエチル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル)エーテル、ジプロピレングリコールモノメチル(またはエチル、イソプロピル、n−ブチル,イソブチル)エーテル等のモノアルキルエーテル類;ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル等の多価アルコールのジアルキルエーテル類;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−エチルエタノールアミン、N−ブチルエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N−ブチルジエタノールアミン等のアルカノールアミン類;N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等の含窒素複素環化合物;γ−ブチロラクトン、スルホラン等の環状化合物等が挙げられる。これらの水および水溶性有機溶媒は、単独でもまたは混合物としても使用することができる。
<表面張力>
受理溶液の表面張力は、部材表面への濡れ性や、インクとの混和性の観点から、35mN/m以下が好ましく、32mN/m以下がより好ましく、30mN/m以下が更に好ましい。受理溶液をインクジェット法により吐出させる場合には、吐出ヘッドからの受理溶液の吐出安定性を良好にする点から、前記受理溶液の表面張力を20mN/m以上とすることが好ましい。受理溶液の表面張力は、上記の有機溶剤及び上記界面活性剤を適宜選択することにより調整することができる。なお、本発明における表面張力は、測定温度25℃にてWilhelmy法(協和界面科学製 型式:CBVP−Z)で測定された値である。
<インクジェット用インクセット>
本発明のインクジェット用インクセット(以下単に「インクセット」ともいう)は、上記受理溶液と、色材を含有するインクとを含有する。
インクは、インクジェット用として用いられるものであれば、どのようなものであってもよく、染料系であってもよいし、顔料系であってもよいが、印字物の耐水性や耐光性等の耐性が良好である顔料系インクを使用することが好ましい。
〔顔料インク〕
[顔料]
本発明において顔料インクの顔料は特に限定されず、従来インクジェットインクに使用されている有機顔料又は無機顔料等が挙げられる。これらは1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。具体的な有機顔料としては、例えば、不溶性アゾ顔料、溶性アゾ顔料、染料からの誘導体、フタロシアニン系有機顔料、キナクリドン系有機顔料、ペリレン系有機顔料、ジオキサジン系有機顔料、ニッケルアゾ系顔料、イソインドリノン系有機顔料、ピランスロン系有機顔料、チオインジゴ系有機顔料、縮合アゾ系有機顔料、ベンズイミダゾロン系有機顔料、キノフタロン系有機顔料、イソインドリン系有機顔料、キナクリドン系固溶体顔料、ペリレン系固溶体顔料等の有機固溶体顔料、その他の顔料として、カーボンブラック等が挙げられる。
有機顔料をカラーインデックス(C.I.)ナンバーで例示すると、
C.I.ピグメントイエロー1、2、3、12、13、14、16、17、20、24、73、74、75、83、93、95、97、98、109、110、114、117、120、125、128、129、130、137、138、139、147、148、150、151、153、154、155、166、168、180、185、213、214、
C.I.ピグメントレッド5、7、9、12、48、49、52、53、57、97、112、122、123、149、168、177、180、184、192、202、206、209、215、216、217、220、223、224、226、227、228、238、240、254、
C.I.ピグメントオレンジ16、36、43、51、55、59、61、64、 71、
C.I.ピグメントバイオレット19、23、29、30、37、40、50、
C.I.ピグメントブルー15、15:1、15:3、15:4、15:6、16、22、60、64、
C.I.ピグメントグリーン7、36、58、
C.I.ピグメントブラウン23、25、26等が挙げられる。
また、前記無機顔料の具体例としては、酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、炭酸バリウム、シリカ、タルク、クレー、合成マイカ、アルミナ、亜鉛華、硫酸鉛、黄色鉛、亜鉛黄、べんがら(赤色酸化鉄(III))、カドミウム赤、群青、紺青、酸化クロム緑、コバルト緑、アンバー、チタンブラック、合成鉄黒、無機固溶体顔料等を挙げることができる。
また、本発明において顔料は、記録媒体表面への定着性の点から、自己分散型の顔料を用いることができる。自己分散型の顔料とは、顔料表面に直接、親水性基を修飾させた顔料をいう。自己分散型の顔料に用いられる親水性基としては、受理溶液の2価の金属塩との相互作用が強く、顔料定着性に優れる点から、カルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、スルホニル基、スルホン酸基、リン含有基等が好ましい。中でも、カルボキシル基、スルホン酸基、リン含有基が好ましく、少なくとも1つのP−O又はP=O結合を有するリン含有基を有する自己分散型の顔料を用いることがさらに好ましい。
自己分散型の顔料は、上記有機顔料、又は上記無機顔料に、従来公知の方法で、上記親水性基を導入することにより得られる。
顔料に、P−O又はP=O結合を有するリン含有基を導入する方法は、例えば、米国特許第5,554,739号明細書、第5,707,432号明細書、第5,837,045号明細書等の記載された方法とすることができる。
市販の自己分散顔料としては、キャボット製の「Cab−O−Jet400、Cab−O−Jet450C、Cab−O−Jet465M、Cab−O−Jet470Y、Cab−O−Jet480V、Cab−O−Jet740Y、Cab−O−Jet300、Cab−O−Jet200、Cab−O−Jet250、Cab−O−Jet260、Cab−O−Jet270」、オリエント化学工業(株)製の「Microjet black CW1、Microjet black CW2」、東海カーボン(株)製の「Aqua−Black 162、Aqua−Black 001」等が挙げられる。
顔料の数平均粒子径は、所望の発色が可能なものであればよく、特に限定されない。用いる顔料の種類によっても異なるが、顔料の分散性及び分散安定性が良好で、充分な着色力を得る点から、数平均粒子径が5〜200nmの範囲内であることが好ましく、30〜150nmであることがより好ましい。数平均粒子径が上記の上限値以下であれば、インクジェットヘッドのノズル目詰まりを起こしにくく、再現性の高い均質な画像を得ることができ、得られる印刷物を高品質のものとすることができる。数平均粒子径が上記の下限値以下の場合には耐光性が低下する場合がある。なお、本発明において、顔料の数平均粒子径は、測定温度25℃にて濃厚系粒径アナライザー(大塚電子(株)製、型式:FPAR−1000)を用いて測定したものである。
本発明において、顔料の含有量は適宜調整されればよい。顔料の種類によっても異なるが、インクジェットインク全体における、顔料の含有量は、分散性と着色力を両立する点から、0.05〜20質量%が好ましく、0.1〜10質量%がより好ましい。
また、本発明においては、顔料を界面活性剤や分散剤等によって水性溶媒中に分散させた、顔料分散体も、使用することができる。後述する具体例に限定されることなく、公知の方法によって適宜調整することができる。
[顔料分散剤]
本発明において、顔料分散剤は特に限定されない。例えば、カチオン系、アニオン系、ノニオン系、両性、シリコーン(シリコン)系、フッ素系等の界面活性剤を使用できる。界面活性剤の中でも、次に例示するような高分子界面活性剤(高分子分散剤)が好ましい。
高分子分散剤としては、例えば、ポリエステル系、ポリアクリル系、ポリウレタン系、ポリアミン系、ポリカプトラクトン系の主鎖を有し、側鎖に、アミノ基、カルボキシ基、スルホ基、ヒドロキシ基等の極性基を有する分散剤等が挙げられる。このような高分子分散剤としては、例えば、ポリアクリル酸エステル等の不飽和カルボン酸エステルの(共)重合体類;スチレン、αメチルスチレン等の芳香族ビニル化合物とアクリル酸エステル等の不飽和カルボン酸エステルの共重合体類;ポリアクリル酸等の不飽和カルボン酸の(共)重合体の(部分)アミン塩、(部分)アンモニウム塩や(部分)アルキルアミン塩類;水酸基含有ポリアクリル酸エステル等の水酸基含有不飽和カルボン酸エステルの(共)重合体やそれらの編成物;ポリウレタン類;不飽和ポリアミド類;ポリシロキサン類;長鎖ポリアミノアミドリン酸塩類;ポリエチレンイミン誘導体(ポリ(低級アルキレンイミン)と遊離カルボキシル基含有ポリエステルとの反応により得られるアミドやそれらの塩基);ポリアリルアミン誘導体(ポリアリルアミンと、遊離のカルボキシル基を有するポリエステル、ポリアミド又はエステルとアミドの共縮合物(ポリエステルアミド)の3種の化合物の中から選ばれる1種以上の化合物とを反応させて得られる反応生成物)等が挙げられる。高分子分散剤としては、中でも、不飽和カルボン酸エステルの(共)重合体類であることが、フェザリング及びブリーディングを抑制する点から好ましい。具体例として、SARTOMER社製「SMA1440」(スチレン−マレイン酸−マレイン酸エステル系高分子分散剤 重量平均分子量7,000、酸価185mgKOH/g)、BASFジャパン社製「ジョンクリル682」(スチレン−アクリル酸系高分子分散剤,重量平均分子量:1,700,酸価238mgKOH/g)、岐阜セラック社製「RY72」(スチレン−アクリル酸−アクリル酸エステル系高分子分散剤,重量平均分子量:14,800,酸価:170mgKOH/g)などが挙げられる。
本発明においては、上記の顔料分散剤を1種単独で、又は2種以上組み合わせて用いることができる。本発明において、顔料分散剤を用いる場合、顔料の種類によっても異なるが、顔料100質量%に対して顔料分散剤は、分散性及び分散安定性の点から、5〜50質量%が好ましく、5〜30質量%がより好ましい。さらに、分散された顔料の数平均粒子径が5〜200nmの範囲内であることが好ましく、30〜150nmであることがより好ましい。
[樹脂]
インクジェットインクに用いられる樹脂は、顔料の前記記録媒体への浸透を抑制して、当該記録媒体の表面への顔料の定着を促進するものである。当該樹脂としては、定着性に優れ、印刷物の耐水性に優れる点から樹脂エマルションが好ましい。
本発明において樹脂エマルションとは、連続相が水であり、分散粒子が樹脂微粒子である水性分散液を意味する。上記樹脂エマルションは、一般に連続相である水が蒸発や浸透などにより減少すると、増粘・凝集する性質を持ち、顔料の印刷用紙への浸透を抑制して該用紙への定着を促進する効果を有する。
樹脂エマルションは、例えば、水と、モノマーと、乳化剤と、重合開始剤とを混合して乳化重合反応させ、反応後に中和させて製造することができる。乳化剤としては、通常の高分子型界面活性剤を用いても良く、不飽和結合を有する反応性乳化剤を用いても良い。また、樹脂エマルションは、乳化重合反応させることなく、樹脂微粒子を、界面活性剤と共に、水と混合することによっても得ることができる。例えば、(メタ)アクリル酸エステルまたはスチレンと(メタ)アクリル酸エステルからなる樹脂微粒子及び界面活性剤を水中に添加して混合することにより得ることができる。この場合、樹脂成分と界面活性剤との混合割合(重量比)は、通常10:1〜5:1程度が好ましく、界面活性剤の使用量が該範囲より少ないとエマルションが形成しづらくなり、一方、前記範囲以外では、インクの耐水性が低下するおそれがあり、好ましくない。
樹脂エマルションを構成する樹脂成分の具体例としては、例えば、(メタ)アクリル樹脂、スチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン(シリコン)樹脂、アクリルアミド樹脂、エポキシ樹脂、(メタ)アクリル酸のような酸基を含有する樹脂、あるいはこれらの混合形であることが好ましい。特に、樹脂微粒子に(メタ)アクリル樹脂を含むことが好ましい。これら樹脂は、共重合の形態が特に限定されるものではなく、例えばブロックコポリマー、ランダムコポリマーなどとすることができる。樹脂エマルションの重量平均分子量は、1,000〜1,000,000であることが好ましい。インクジェットインク中の樹脂エマルションの含有量としては、特に限定されるものではないが、樹脂エマルションの固形分の含有量が、インクジェットインク全量に対して、例えば0.05〜20質量%程度とすることができる。
これらの樹脂成分としては、親水性部分と疎水性部分とを併せ持つ重合体が好ましく、また、その数平均粒子径はエマルションを形成できれば特に限定されないが、500nm以下が好ましく、200nm以下がより好ましく、更に100nm以下がより好ましい。樹脂エマルションを構成する樹脂成分の数平均粒子径が500nmより大きく、顔料粒子径との差が大きくなると、インクジェットインクから吐出されて基材上に画像を形成する際に樹脂エマルション粒子から形成される樹脂粒子同士が接触してその隙間に顔料粒子が存在するようになり、海島構造を形成し、顔料の定着性が阻害されるおそれがある。
[水性溶媒]
顔料インクに用いられる水性溶媒としては、水及び水溶性有機溶媒が挙げられる。水溶性有機溶媒は、前記受理溶液において例示された水溶性有機溶媒と同様のものとすることができる。水及び水溶性有機溶媒は、単独でもまたは混合物としても使用することができる。
[界面活性剤]
顔料インクに用いられる界面活性剤としては、前記受理溶液において例示された界面活性剤と同様のものとすることができる。界面活性剤は、単独でもまたは混合物としても使用することができる。
[その他の成分]
顔料インクには、前記受理溶液と同様に、必要に応じて、さらに、従来公知の添加剤を含んでもよい。添加剤としては、例えば、粘度調整剤、界面活性剤、pH調整剤、表面張力調整剤、酸化防止剤、防黴剤、防腐剤等が挙げられる。
〔インクジェットインクの調製方法〕
インクジェットインクの調製方法は、特に限定されない。例えば、水性溶媒に自己分散型の顔料を加え、分散した後、樹脂、界面活性剤及び必要に応じてその他の成分を添加して調製する方法、水性溶媒に、顔料と分散剤を加えて分散した後、樹脂、界面活性剤及び必要に応じてその他の成分を添加して調製する方法、水性溶媒に顔料と樹脂と界面活性剤と必要に応じてその他の成分を添加した後、顔料を分散して調製する方法等が挙げられる。
<インクジェット記録方法>
本発明では、上記インクセットのインクジェット受理溶液を記録媒体の表面に塗布した後、上記インクセットのインクをインクジェット方式で吐出することが好ましい。本発明のインクジェット記録方法においては、前記受理溶液の記録媒体への付着方法がスプレー法、コーター法、インクジェット法、グラビア法又はフレキソ法であることが好ましい。
[記録媒体]
本発明のインクジェット記録方法において、インクジェットインクを用いて印刷される記録媒体は特に制限されるものではなく、塗工紙、非塗工紙、布帛等の吸収体、非吸収性基材のいずれも使用することができる。具体的には、非塗工紙としては、更紙、中質紙、上質紙、塗工紙としては、コート紙、アート紙、キャスト紙、軽量コート紙、微塗工紙、布帛等の吸収体としては、綿、化繊織物、絹、麻、布帛、不織布、皮革等を例示でき、非吸収性基材としては、ポリエステル系樹脂、ポリプロピレン系合成紙、塩化ビニル樹脂、ポリイミド樹脂、金属、金属箔コート紙、ガラス、合成ゴム、天然ゴム等を例示できるがこれらに限定されるものはない。
本発明の受理溶液は、特に塗工紙において、カール抑制および画像改善の効果を得ることができる。塗工紙とは、原紙の表面に白色顔料、樹脂、接着剤などを混ぜた塗料を塗り、磨き加工を施すことによって、平滑度や白色度、光沢などを高めた印刷用紙の総称をいう。塗工紙はその表面に、樹脂やクレー等からなる疎水性の層を有しているため、水性インクをはじく。しかし、本発明の受理溶液は、一方の末端が水酸基であり、他方の末端は水酸基ではないペンタンジオールを含有することにより、疎水性の基材表面に濡れ広がることが可能であること、基材表面の塗工層中の樹脂を溶解して基材内部に受理溶液を均一に浸透させることができること等から、カール抑制および画像改善の効果を得ることができると考えられる。
[印刷装置]
本発明の受理溶液及びインクセットは、ピエゾ方式、サーマル方式、静電方式等のいずれのインクジェット記録装置にも適用することができるが、中でも、ピエゾ方式のインクジェット記録装置に用いられることが好ましい。ピエゾ方式の記録ヘッドは、圧力発生素子として圧電振動子を用い、圧電振動子の変形により圧力室内を加圧・減圧してインク滴を吐出させる。このような記録ヘッドでは、さらなる高画質化や記録速度の向上を図る試みとして、ノズル列の数を増やすことで記録可能な色の種類を増やしてさらなる高画質化を図る試みがなされ、また、1つのノズル列を構成するノズル開口部の数を増やすことで記録速度の向上を図る試みがなされている。さらに、1つのヘッドに設けられるノズルの数を増やすために、ノズルを微細化する試みもなされている。
しかしながら、ヘッドのノズルが微細化されると、付着・残留したインクにより、飛行曲がりやノズル詰まりが引き起こされやすくなる。また、長期間の使用においてインク成分中に凝集物が発生すると、インク滴の飛翔の障害となり、飛行曲がりやノズル詰まりといったトラブルが発生する。そのため、インクジェットヘッドでの目詰まりが発生せず、安定した吐出が可能なインクジェットインクの開発が急務となっている。したがって、サーマルジェット等のように加熱による凝集物を発生しやすい方式に比べ、その駆動方式から凝集物を発生し難く、さらにその凝集物の発生を抑制できる本発明のインクジェットインクはピエゾ方式のインクジェット記録装置に好適である。
[受理溶液の付着時期及び付着量]
受理溶液の記録媒体への付着時期は、インクと受理溶液が記録媒体上で接触するならば、特に限定されるものではないが、カールやコックリングをより効果的に抑制する点で、インクを吐出する直前に付着することが好ましい。受理溶液の記録媒体への付着量は特に限定されるものではないが、ブリーディングやフェザリングを有効に抑制するため、受理溶液に含まれる多価金属塩が記録媒体1cmあたり0.01〜2000μモル付着される程度であることが好ましい。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。なお、単位は特に断りのない限り、質量部である。
<有機溶剤の比較>
6種類の有機溶剤(プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール)有機溶剤について、カール抑制効果、部材適性及び樹脂溶解性を評価した。
<有機溶剤の評価 その1 −カール抑制効果−>
有機溶剤50質量部、水49.7質量部及び界面活性剤(商品名:ダイノール(登録商標)607,アセチレンジオール系界面活性剤,エアープロダクツジャパン社製)0.3質量部からなる混合液を、バーコーター♯8を使用してキャスト紙(商品名:ミラーコートプラチナ,王子製紙社製)に塗布し、カールの状態を評価した。評価は、A:紙の変形がほとんどない、B:紙がカールし、印刷に支障をきたす、C:紙が大きくカールし、印刷が困難、の基準で評価した。Aが実用範囲である。結果を表1に示す。
<有機溶剤の評価 その2 −部材適性−>
インクジェットヘッド部材において、特開2000−62196号公報にあるように、フェノール樹脂やエポキシ樹脂が接着剤として用いられることは公知である。従って部材適性の評価としてエポキシ樹脂の浸漬試験を行った。
各溶剤の50%水溶液にエポキシ樹脂片を浸漬して、60℃の条件で4週間放置した。エポキシ樹脂片は、二液室温硬化型エポキシ接着剤を、直径10mm、厚さ2mmの大きさに硬化させて作成した。浸漬後のエポキシ樹脂片の重量変化及び外観から、A:部材の重量変化が±2%以内で外観変化もほとんどない、B:部材の重量変化が±2%を超えている、又は膨潤、溶解して外観が著しく変化している、の基準で評価した。Aが実用範囲である。結果を表1に示す。
<有機溶剤の評価 その3 −樹脂溶解性−>
記録媒体が塗工紙の場合において、溶剤が十分な樹脂溶解性を有すると、基材表面の塗工層中の樹脂を溶解して基材内部に受理溶液を均一に浸透させることができる。また、樹脂溶解性が高いと、基材の塗工層の樹脂を溶解するため、印字物の光沢が高くなり、インクの発色を良好にすることができると考えられる。この塗工層の樹脂としては、アクリル系樹脂やロジン系樹脂を使用することが多い。従って本発明の有機溶剤の評価を行うに当たり、スチレンーマレイン酸樹脂とロジン樹脂について、その溶解性の評価を行った。
有機溶剤97質量部と、樹脂3質量部とを混合し、その混合状態を目視で観察した。樹脂は、(i)スチレン−マレイン酸樹脂(商品名:SMA1440,SARTOMER社製)及び(ii)ロジン樹脂(商品名:マルキードNo.32,荒川化学社製)の2種類を用いた。評価は、A:樹脂が均一に溶解する、B:溶け残りの樹脂がある、の基準で評価した。Aが実用範囲である。結果を表1に示す。
Figure 0005755207
一方の末端が水酸基であり、他方の末端は水酸基ではないペンタンジオールは、カール抑制、部材適性、樹脂溶解性のいずれも優れることが確認された。
一方、炭素数が4以下のアルカンジオールは、カール抑制効果及び樹脂溶解性が劣るため、上記ペンタンジオールに比べて受理溶液として好適でないことが確認された。また、炭素数が6の1,2−ヘキサンジオールは、カール抑制効果及び部材適性が劣っていることが確認された。
<受理溶液の調製>
下記の(A)から(D)を表3の配合として実施例及び比較例における受理溶液を得た。
(A)多価金属塩
(A1)酢酸カルシウム
(A2)塩化カルシウム
(A3)硫酸マグネシウム
(A4)プロピオン酸カルシウム
(A5)パントテン酸カルシウム
(B)一方の末端が水酸基であり、他方の末端は水酸基ではないペンタンジオール
(B1)1,2−ペンタンジオール
(C)水:イオン交換水
(D)その他の成分
(D1)界面活性剤:アセチレンジオール系界面活性剤(商品名:ダイノール(登録商標)607,エアープロダクツジャパン社製)
(D2)他の有機溶剤(沸点180℃以上の多価アルコール)
(D2−1)1,3−プロパンジオール
(D2−2)1,2−プロパンジオール(プロピレングリコール)
(D2−3)1,3−ブタンジオール
(D2−4)1,2−ブタンジオール
Figure 0005755207
<インクの調製>
〔顔料分散体A−1(黒)の調製〕
Kieczykowski等,J.Org.Chem.,1995,Vol.60,P.8310-8312、及び米国特許第4,922,007号明細書に示された手順と同様の手順を用いて、[2−(4−アミノフェニル)−1−ヒドロキシエタン−1,1−ジイル]ビスホスホン酸−ナトリウム塩を製造した。まず、500mL三つ口フラスコに、凝縮器の頂部にガス出口を備えた凝縮器、温度計及び乾燥窒素入口、及び100mL均圧添加漏斗を取り付けた。このフラスコに、最初に、32gの亜リン酸(380mmol)及び160mLのメタンスルホン酸(溶媒)を添加した。この撹拌混合物に、57.4gのアミノフェニル酢酸(380mmol)を少しずつ添加した。この撹拌混合物を65℃に1〜2時間加熱して、固体分を完全に溶解させた。この系全体を乾燥窒素でフラッシュし、固体分のすべてが溶解した後に、温度を40℃に減じた。この加熱溶液に、添加漏斗を通じて70mLのPCl(800mmol)をゆっくり添加した。反応により生じたHClガスは、ガス出口を通じて排出した。添加が完了した後、反応混合物を2時間撹拌かつ40℃にて加熱した。次いで、温度を65〜70℃に上げ、この混合物を一晩撹拌した。生じた清澄な茶色溶液を室温に冷却し、600gの氷/水混合物中への添加により急冷した。
この水性混合物を1Lビーカー中に入れ、90〜95℃に4時間加熱した(ビーカーの頂部をガラス板で覆った)。次いで、この混合物を室温に冷却し、この混合物のpHを50%NaOH溶液で4〜5に調整した。この混合物を氷浴で5℃に2時間冷却し、次いで生じた固体分を吸引濾過により集め、1Lの冷脱イオン水で洗浄し、60℃にて一晩乾燥して、白色又はオフホワイト色の固体生成物(収量は48g、収率は39%であった。)を得た。得られた固体生成物のH−NMRデータ(DO/NaOH)は、次のとおりであった。すなわち、7.3(2H,d)、6.76(2H,d)、3.2(2H,t)。得られた固体生成物の13C−NMRデータ(DO/NaOH)は、それぞれ、141、130、128、112、73であった。
カーボンブラック(Black Pearls(登録商標)700カーボンブラック(Cabot社製))20g、上記固体生成物20mmol、硝酸20mmol、及び脱イオン水200mLを、室温にてシルヴァーソン(Silverson)混合機(6000rpm)で混合した。30分後、この混合物中に少量の水中に溶解させた亜硝酸ナトリウム(20mmol)をゆっくり添加した。温度は混合によって60℃に達し、これを1時間進行させた。これにより、カーボンブラックに上記固体生成物が修飾した自己分散型の顔料(少なくとも2つのホスホン酸基又はその塩が結合されている顔料を含む。)が生成された。pHをNaOH溶液で8〜9に調整し、30分後、自己分散型の顔料の生じた分散液を、20容量部の脱イオン水を用いてスペクトラム(Spectrum)メンブランでダイアフィルトレーションし、固体分15質量%に濃縮し、顔料分散体A−1(黒)を得た。
〔顔料分散体A−2(青)、顔料分散体A−3(黄)及び顔料分散体A−4(赤)の調製〕
カーボンブラックの代わりに、C.I.ピグメントブルー15:4(PB15:4)、C.I.ピグメントイエロー74(PY74)、C.I.ピグメントレッド122(PR122)をそれぞれ用いた以外は、顔料分散体A−1(黒)の調製と同様にして、顔料分散体A−2(青)、顔料分散体A−3(黄)、及び顔料分散体A−4(赤)を得た。
〔インクA−1(黒)、インクA−2(青)、インクA−3(黄)、インクA−4(赤)の調製〕
顔料分散体A−1を30質量部、グリセリンを5質量部、プロピレングリコールを25質量部、Tg40℃、酸価25mgKOH/gである、アクリル樹脂エマルジョンを、樹脂固形分として5質量部、アセチレンジオール系界面活性剤(商品名:ダイノール(登録商標)607,エアープロダクツジャパン社製)を0.5質量部、イオン交換水を34.5質量部混合して合計100質量部とし、インクA−1(黒)を調製した。顔料分散体がA−2、A−3又はA−4であること以外は、インクA−1(黒)の調製と同様の方法にて、インクA−2(青)、インクA−3(黄)、インクA−4(赤)を調製した。
〔顔料分散体B−1(黒)の調製〕
イオン交換水80.1gに、スチレン−アクリル酸系高分子分散剤(商品名:ジョンクリル682,重量平均分子量1,700,酸価238mgKOH/g,BASFジャパン社製)3.0gと、トリエタノールアミン1.8gを溶解させ、カーボンブラック(Black Pearls(登録商標)700カーボンブラック(Cabot社製))を15gと消泡剤(商品名:サーフィノール104E,エアープロダクツ社製)を0.1g加え、ジルコニアビースを用いてペイントシェーカーにて分散し、顔料分散体B−1(黒)を得た。
〔顔料分散体B−2(青)、顔料分散体B−3(黄)及び顔料分散体B−4(赤)の調製〕
カーボンブラックの代わりに、上記PB15:4、上記PY74及び上記PR122をそれぞれ用いた以外は、顔料分散体B−1(黒)の調製と同様にして、顔料分散体B−2(青)、顔料分散体B−3(黄)、及び顔料分散体B−4(赤)を得た。
〔インクB−1(黒)、インクB−2(青)、インクB−3(黄)、インクB−4(赤)の調製〕
顔料分散体B−1を30質量部、1,3−プロパンジオールを5質量部、プロピレングリコールを30質量部、Tg40℃、酸価25mgKOH/gである、アクリル樹脂エマルジョンを、樹脂固形分として5質量部、ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤(商品名:シルフェイス(登録商標)503A,日信化学工業社製))を0.5質量部、イオン交換水34.5質量部を混合して合計100質量部とし、インクB−1(黒)を調製した。顔料分散体がB−2、B−3又はB−4であること以外は、インクA−1(黒)の調製と同様の方法にて、インクB−2(青)、インクB−3(黄)、インクB−4(赤)を調製した。
<受理溶液の評価 その1 −カール抑制効果 1−>
実施例及び比較例に係る受理溶液を、バーコーター♯8を使用してキャスト紙(商品名:ミラーコートプラチナ,王子製紙社製)に塗布し、カールの状態を評価した。評価は、A:紙の変形がほとんどない、B:紙がわずかにカールする、C:紙が著しくカールする、の基準で評価した。A、Bが実用範囲である。結果を表3に示す。
<受理溶液の評価 その2 −カール抑制効果 2−>
実施例及び比較例に係る受理溶液を、バーコーター♯8を使用して上記キャスト紙の全面に塗布してから1分以内に、インクA−1(黒)、インクA−2(青)、インクA−3(黄)、インクA−4(赤)を充填したPX−101(ピエゾ駆動方式インクジェットプリンター,セイコーエプソン社製)で100%ベタ印字を行った。そして、その後のカールの状態を評価した。評価は、A:紙の変形がほとんどない、B:紙がわずかにカールする、C:紙が著しくカールする、の基準で評価した。A、Bが実用範囲である。結果を表3に示す。
<受理溶液の評価 その3 −ブリーディング−>
<受理溶液の評価 その2>と同様にして、画像を印刷後、5分間室温で放置した後の印刷物の状態を、A:ブリーディングがほとんど観察されない、B:ブリーディングがわずかに観察される、C:著しいブリーディングが観察される、の基準で評価した。A、Bが実用範囲である。結果を表3に示す。
<受理溶液の評価 その4 −色むら−>
インクB−1(黒)、インクB−2(青)、インクB−3(黄)、インクB−4(赤)を使用して、<受理溶液の評価 その2>と同様に印刷後、60℃で5分間乾燥した後の印刷物の状態を、A:インクの広がりや色にむらが観察されない、B:インクの広がりや色にむらがわずかに観察される、C:著しい色ムラが観察される、の基準で評価した。A、Bが実用範囲である。結果を表3に示す。
<受理溶液の評価 その5 −光沢−>
<受理溶液の評価 その4>と同様にして作成した印字物の光沢を評価した。A:光沢があり発色が良好である、B:光沢が低く発色が悪い、の基準で評価した。Aが実用範囲である。結果を表3に示す。
<受理溶液の評価 その6 −保存安定性−>
保存安定性の促進試験として、実施例及び比較例に係る受理溶液を密封し、60℃で1週間保管した後、金属塩が析出しているか否かを目視で観察し、A:析出物を生じない、B:わずかに析出物を生じる、C:析出物を多く生じる、の基準で評価した。A、Bが実用範囲である。結果を表3に示す。
Figure 0005755207
本発明の受理溶液は、多価金属塩と、一方の末端が水酸基であり、他方の末端は水酸基ではないペンタンジオールと、水とを含有するため、インクジェット記録方式に求められる特性、とりわけ、印刷した際の高い画像品質と、カール抑制との両方に優れる点で好適であることが確認された(実施例1〜14)。また、本発明の受理溶液が十分な保存安定性を有することも確認された(実施例1〜14)。また、有機溶剤は上記ペンタンジオールに限られるものではなく、上記ペンタンジオールを含むものであれば、他の有機溶剤を含んでいても十分に好適であることが確認された(実施例7、8、10)。
1,2−ペンタンジオールを含有する、本発明のインクジェット記録用受理溶液が、カール抑制が良好なものであった理由として、1,2−ペンタンジオールは粘度と表面張力が低いため、基材に濡れ広がりやすいことと、沸点が高いため、受理溶液が揮発する前に基材内部に浸透することと、基材表面の塗工層中の樹脂を溶解して基材内部に受理溶液を均一に浸透させることができること、等が考察される。画像改善について良好なものであった理由として、樹脂溶解性が高く、基材の塗工層の樹脂を溶解するため、印字物の光沢が高くなり、インクの発色を良好にすることができる、と考察される。
一方、上記ペンタンジオールとは異なる他の有機溶剤のみを受理溶液の溶剤とした場合、上記ペンタンジオールに比べて印刷後に紙の変形が生じる可能性が高い点で好ましくないことが確認された(比較例1〜4)。また、多価金属塩を含有しない場合、印刷した際に高い画像品質を得られない点で好ましくないことが確認された(比較例5)。

Claims (11)

  1. 多価金属塩と、沸点が180℃以上の多価アルコールと、水とを含有し、前記多価アルコールは、一方の末端が水酸基であり、他方の末端は水酸基ではないペンタンジオールを少なくとも含有し、
    前記ペンタンジオールは、インクジェット受理溶液100質量部中に30質量部以上85質量部以下含有する、インクジェット受理溶液。
  2. 前記ペンタンジオールは1,2−ペンタンジオールである、請求項1に記載のインクジェット受理溶液。
  3. 前記ペンタンジオールは、インクジェット受理溶液100質量部中に40質量部以上80質量部以下含有する、請求項1又は2に記載のインクジェット受理溶液。
  4. 前記多価金属塩は、カルシウム塩、マグネシウム塩、ニッケル塩、アルミニウム塩又は亜鉛塩よりなる群から選択される1種又は2種以上の金属塩である、請求項1から3のいずれかに記載のインクジェット受理溶液。
  5. 前記多価金属塩は少なくとも1種類の有機酸塩を含有する、請求項1から4のいずれかに記載のインクジェット受理溶液。
  6. 前記有機酸塩は、酢酸塩、プロピオン酸塩又はパントテン酸塩からなる群より選択される、請求項5に記載のインクジェット受理溶液。
  7. 前記多価金属塩は、少なくとも1種類の無機塩をさらに含有する、請求項5又は6に記載のインクジェット受理溶液。
  8. 前記多価金属塩の濃度は前記受理溶液1リットルに対して0.005〜2.0モルである、請求項1から7のいずれかに記載のインクジェット受理溶液。
  9. 請求項1から8のいずれかに記載のインクジェット受理溶液と、
    色材を含有するインクと、
    を含有するインクジェット用インクセット。
  10. 請求項9に記載のインクジェット用インクセットを用いて記録媒体にインクジェット方式で記録する方法であって、
    前記インクジェット受理溶液を前記記録媒体の印刷面に付着させた後、その付着させた箇所に前記インクジェットインクを付着させて印刷する、インクジェット記録方法。
  11. 前記記録媒体は塗工紙である、請求項10に記載のインクジェット記録方法。
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