JP5754663B2 - オリゴ乳酸セグメントを有する環状ホスファゼン化合物およびその製造方法 - Google Patents
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Description
A1基:炭素数1〜6のアルキル基、アルケニル基およびアリール基から選ばれる少なくとも一種の基が置換されていてもよい、炭素数6〜20のアリールオキシ基。
A2基:下記の式(2)で示されるオリゴ乳酸セグメントを有するフェニレンオキシ基からなる群から選ばれる基。
下記の式(5)で表されるヒドロキシメチル基含有環状ホスファゼン化合物と、下記の式(7)で表されるラクチドとを、触媒の存在下で開環反応する工程。
G2基:下記の式(6)で示されるヒドロキシメチル基置換フェニレンオキシ基からなる群から選ばれる基。
前記の式(5)で表されるヒドロキシメチル基含有環状ホスファゼン化合物と、下記の式(8)で表されるポリ乳酸とを、触媒の存在下でエステル交換反応する工程。
本発明のオリゴ乳酸セグメントを有する環状ホスファゼン化合物は、下記の式(1)で表されるものである。
炭素数が6〜20のアリールオキシ基。このアリールオキシ基は、炭素数が1〜6のアルキル基、アルケニル基およびアリール基から選ばれる少なくとも一種の基が置換されていてもよい。
下記の式(2)で示されるオリゴ乳酸セグメントを有するフェニレンオキシ基からなる群から選ばれる基。
4−オリゴ(乳酸)オキシメチレン基置換−2−アリルフェニルオキシ基および4−オリゴ(乳酸)オキシメチレン基置換−3−アリルフェニルオキシ基などのオリゴ(乳酸)オキシメチレン基置換アリルフェニルオキシ基、3−オリゴ(乳酸)オキシメチレン基置換−2,4−ジメチルフェニルオキシ基、3−オリゴ(乳酸)オキシメチレン基置換−2,5−ジメチルフェニルオキシ基、4−オリゴ(乳酸)オキシメチレン基置換−2,3−ジメチルフェニルオキシ基および4−オリゴ(乳酸)オキシメチレン基置換−3,5−ジメチルフェニルオキシ基などのオリゴ(乳酸)オキシメチレン基置換ジメチルフェニルオキシ基、並びに3−オリゴ(乳酸)オキシメチレン基置換−2,4,5−トリメチルフェニルオキシ基および4−オリゴ(乳酸)オキシメチレン基置換−2,3,5−トリメチルフェニルオキシ基などのオリゴ(乳酸)オキシメチレン基置換トリメチルフェニルオキシ基を挙げることができる。
2n+4個の全てのAがA2基のものである。この場合、Aは、全てが同じA2基であってもよいし、二種以上のA2基であってもよい。
2n+4個のAのうちの一部(すなわち、少なくとも一つ)がA2基であり、他のAがA1基からなる群から選ばれた基のものである。この場合、A2基以外のAは、全てが同じA1基であってもよいし、二種以上のA1基が混在したものであってもよい。
本発明のオリゴ乳酸セグメントを有する環状ホスファゼン化合物は、幾つかの方法により製造することができる。以下、代表的な製造方法1と製造方法2を説明する。
この製造方法は、特定のヒドロキシメチル基含有環状ホスファゼン化合物とラクチドとを原料として本発明のオリゴ乳酸セグメントを有する環状ホスファゼン化合物を製造する方法である。
この製造方法で用いられる特定のヒドロキシメチル基含有環状ホスファゼン化合物は、下記の式(5)で示されるものである。
G2基:下記の式(6)で示されるヒドロキシメチル基置換フェニレンオキシ基からなる群から選ばれる基。
炭素数が6〜20のフェノール類。
このフェノール類は、炭素数が1〜6のアルキル基、アルケニル基およびアリール基から選ばれる少なくとも一種の基が置換されていてもよい。
下記の式(10)で示されるホルミル基置換フェノール類。
この場合は、環状ホスホニトリルジハライドと化合物B2とを反応させ、環状ホスホニトリルジハライドのハロゲン原子(以下、活性ハロゲン原子という場合がある)の全てを化合物B2に由来のヒドロキシメチル基置換フェニレンオキシ基(G2基)の前駆体であるホルミル基置換フェノキシ基(これをJ2基とする。)で置換する。ここで用いられる化合物B2は、上述のホルミル基置換フェノール類のうちの一種若しくは二種以上である。環状ホスホニトリルジハライドと化合物B2とを反応させ、環状ホスホニトリルジハライドの全ての活性ハロゲン原子をJ2基で置換する方法としては、次のいずれかの方法を採用することができる。
環状ホスホニトリルジハライドと化合物B2のアルカリ金属塩とを反応させる。
この方法による場合、化合物B2のアルカリ金属塩の使用量は、通常、環状ホスホニトリルジハライドの活性ハロゲン原子の量の1.0〜2.0当量に設定するのが好ましく、1.05〜1.3当量に設定するのがより好ましい。当該使用量が1.0当量未満の場合は、活性ハロゲン原子の一部が残留し、目的とするオリゴ乳酸セグメントを有する環状ホスファゼン化合物が所要の効果を示さない可能性がある。一方、当該使用量が2.0当量を超える場合は、反応生成物の分離・精製が困難になるおそれがあり、また、不経済である。
環状ホスホニトリルジハライドと化合物B2とを、ハロゲン化水素を捕捉可能な塩基の存在下で反応させる。
この方法による場合、化合物B2の使用量は、環状ホスホニトリルジハライドの活性ハロゲン原子の量の1.0〜2.0当量に設定するのが好ましく、1.05〜1.3当量に設定するのがより好ましい。当該使用量が1.0当量未満の場合は、活性ハロゲン原子の一部が残留し、目的とするオリゴ乳酸セグメントを有する環状ホスファゼン化合物が所要の効果を示さない可能性がある。一方、当該使用量が2.0当量を超える場合は、反応生成物の分離・精製が困難になるおそれがあり、また、不経済である。また、塩基の使用量は、環状ホスホニトリルジハライドの活性ハロゲン原子の量の1.1〜2.1当量に設定するのが好ましく、1.1〜1.4当量に設定するのがより好ましい。当該使用量が1.1当量未満の場合は、活性ハロゲン原子の一部が残留し、目的とするオリゴ乳酸セグメントを有する環状ホスファゼン化合物が所要の効果を示さない可能性がある。一方、当該使用量が2.1当量を超える場合は、反応生成物の分離・精製が困難になるおそれがあり、また、不経済である。
この場合は、環状ホスホニトリルジハライドに対し、化合物B2のうちの少なくとも一種と、化合物B1のうちの少なくとも一つの化合物とを反応させ、環状ホスホニトリルジハライドの一部の活性ハロゲン原子を化合物B2に由来のJ2基で置換し、残りの活性ハロゲン原子の全てを化合物B1に由来の炭素数6〜20のアリールオキシ基(J1基: 前記したA1基およびG1基と同等)のうちの少なくとも一つの基で置換する。このための方法としては、次のいずれかの方法を採用することができる。
環状ホスホニトリルジハライドに対し、化合物B2のアルカリ金属塩と化合物B1のアルカリ金属塩との混合物を反応させ、活性ハロゲン原子の全てを置換する。当該混合物において、化合物B2のアルカリ金属塩の割合は、製造するヒドロキシメチル基含有環状ホスファゼン化合物の種類に応じて適宜設定することができる。
環状ホスホニトリルジハライドに対し、化合物B2と化合物B1との混合物を、ハロゲン化水素を捕捉可能な塩基の存在下で反応させ、活性ハロゲン原子の全てを置換する。当該混合物において、化合物B2の割合は、製造するヒドロキシメチル基含有環状ホスファゼン化合物の種類に応じて適宜設定することができる。
先ず、環状ホスホニトリルジハライドに対して化合物B2を反応させ、環状ホスホニトリルジハライドの活性ハロゲン原子の一部を化合物B2に由来のJ2基により置換した部分置換体を得る(第一工程)。次に、得られた部分置換体に対して化合物B1を反応させ、残りの活性ハロゲン原子の全てを化合物B1に由来のJ1基により置換する(第二工程)。
先ず、環状ホスホニトリルジハライドに対して化合物B1を反応させ、環状ホスホニトリルジハライドの活性ハロゲン原子の一部を化合物B1に由来のJ1基により置換した部分置換体を得る(第一工程)。次に、得られた部分置換体に対して化合物B2を反応させ、残りの活性ハロゲン原子の全てを化合物B2に由来のJ2基により置換する(第二工程)。
THFやジエチルエーテルなどのエーテル系溶媒中で、−30〜30℃の温度で行うことができる。
下記の式(7)で示される特定のラクチド類としては、L体、D体あるいはDL体の3種の光学異性体が存在するが、それらのいずれも使用可能であり、またこれらの混合物(混合比率は特に限定しない)を使用しても差し支えない。
本発明のオリゴ乳酸セグメントを有する環状ホスファゼン化合物は、上述の特定のヒドロキシメチル基含有環状ホスファゼン化合物のヒドロキシ基を開始端として、上述の特定のラクチド類とを触媒の存在下で開環反応することで製造することができる。この開環反応により、ヒドロキシメチル基含有環状ホスファゼン化合物のヒドロキシ基にラクチド類が開環付加した、目的のオリゴ(フェニレンオキシ)基含有環状ホスファゼン化合物が得られる。
この製造方法は、特定のヒドロキシメチル基含有環状ホスファゼン化合物とポリ乳酸とを原料として本発明のオリゴ乳酸セグメントを有する環状ホスファゼン化合物を製造する方法である。
この製造方法で用いられる特定のヒドロキシメチル基含有環状ホスファゼン化合物は、前記の式(5)で示されるものである。
本発明に係るポリ乳酸類としては、式(8)で表され、qは、70〜6,000の範囲であり、140〜4,000の範囲が好ましく、150〜3,000の範囲がより好ましい。
本発明のオリゴ乳酸セグメントを有する環状ホスファゼン化合物は、上述の特定のヒドロキシメチル基含有環状ホスファゼン化合物のヒドロキシ基と、上述の特定のポリ乳酸類とを触媒の存在下でエステル交換反応することで製造することができる。このエステル交換反応により、ヒドロキシメチル基含有環状ホスファゼン化合物のヒドロキシ基にポリ乳酸類が結合した、目的のオリゴ乳酸セグメントを有する環状ホスファゼン化合物が得られる。
〔式中のnは、1〜8の整数〕が特に好ましく、より具体的にはチタンテトライソプロポキシド、又はチタンテトラブトキシド等が挙げられる。
本発明の樹脂組成物は、本発明のオリゴ乳酸セグメントを有する環状ホスファゼン化合物と樹脂成分とを含むものである。
[工程1:方法B−dによるホルミル基含有環状ホスファゼン化合物の製造]
温度計、撹拌機、冷却管および滴下ロートを備え付けた3リットルの四つ口フラスコに、窒素気流下でヘキサクロロシクロトリホスファゼン(173.8g,1.50unit mol)のTHF(700mL)溶液を加えた。これに、予め調製したナトリウム
フェノキシド(307.7g,2.65mol)のTHF(1,000mL)溶液を1時間かけて滴下した後、25℃で24時間撹拌した。次に、この反応液を予め調製したナトリウム
4−ホルミルフェノキシド(178.9g,1.25mol)のトルエン(1,250mL)懸濁液に添加した後、110℃で3時間還流した。反応混合物を室温に冷却後、濃縮して溶媒を留去し、トルエン(1,000mL)および5%水酸化ナトリウム水溶液(500mL)を加えて分液ロートに移した。水層を分離後、トルエン層を5%水酸化ナトリウム水溶液(500mL)で洗浄し、さらに希硝酸で中和して水洗した。トルエン層を減圧濃縮し、337.3gの生成物を得た(収率:90.0%)。この生成物の分析結果は以下の通りであった。
6.5〜7.6(28H),9.8(2H)
◎31P−NMRスペクトル(重クロロホルム中、δ、ppm):
三量体(P=N)3 9.3〜9.7
◎TOF−MS(m/z):
722、750、778
◎残存塩素分析: <0.01%
温度計、撹拌機、還流冷却管を備え付けた1リットルの四つ口フラスコに、工程1で得られた化合物(174.9g,0.70unit mol)およびTHF(700mL)を仕込み、これに室温で水素化ホウ素ナトリウム(7.5g,0.20mol)を添加した後、3時間室温で撹拌した。反応終了を確認後、反応混合物を濾過し、乾燥、濃縮して173.2gの生成物を得た(収率98.5%)。この生成物の分析結果は以下の通りであった。
4.5(4H), 6.8〜7.3(28H)
◎31P−NMRスペクトル(重クロロホルム中、δ、ppm):
三量体(P=N)3 9.4〜9.8
◎CHNP元素分析:
理論値 C:60.6%、H:4.5%、N:5.6%、P:12.3%
実測値 C:60.5%、H:4.6%、N:5.5%、P:12.4%
◎水酸基当量
375g/eq.(理論値 377g/eq.)
◎TOF−MS(m/z):
724、754、784
◎残存塩素分析: <0.01%
[工程1:方法B−dによるホルミル基含有環状ホスファゼン化合物の製造]
温度計、撹拌機、冷却管および滴下ロートを備え付けた3リットルの四つ口フラスコに、窒素気流下でヘキサクロロシクロトリホスファゼン(173.8g,1.50unit mol)のTHF(700mL)溶液を加えた。これに、予め調製したナトリウム
フェノキシド(307.7g,2.65mol)のTHF(1,000mL)溶液を1時間かけて滴下した後、25℃で24時間撹拌した。次に、ナトリウム 3−メチル−4−ホルミルフェノキシド(196.4g,1.25mol)のトルエン(1,250mL)懸濁液に添加した後、110℃で3時間還流した。反応混合物を室温に冷却後、5%水酸化ナトリウム水溶液(500mL)を加えて分液ロートに移した。水層を分離後、トルエン層を5%水酸化ナトリウム水溶液(500mL)で洗浄してから希硝酸で中和し、水洗した。このトルエン層を減圧濃縮し、357.7gの生成物を得た(収率:92.0%)。この生成物の分析結果は以下の通りであった。
2.5(6H),6.5〜7.6(26H),9.8(2H)
◎31P−NMRスペクトル(重クロロホルム中、δ、ppm):
三量体(P=N)3 9.3〜9.7
◎TOF−MS(m/z):
736、778、820
◎残存塩素分析:
<0.01%
温度計、撹拌機および滴下ロートを備え付けた1リットルの四つ口フラスコに、工程1で得られた化合物(181.5g,0.70unit mol)およびTHF(700mL)を仕込み、これに室温で水素化ホウ素ナトリウム(7.5g,0.20mol)を添加した後、3時間室温で撹拌した。反応終了を確認後、反応混合物を濾過し、乾燥、濃縮して178.8gの生成物を得た(収率98.0%)。この生成物の分析結果は以下の通りであった。
2.4(6H),4.5(4H), 6.8〜7.3(26H)
◎31P−NMRスペクトル(重クロロホルム中、δ、ppm):
三量体(P=N)3 9.4〜9.8
◎CHNP元素分析:
理論値 C:61.5%、H:4.9%、N:5.4%、P:11.9%
実測値 C:61.5%、H:4.8%、N:5.5%、P:12.0%
◎水酸基当量
390g/eq.(理論値 391g/eq.)
◎TOF−MS(m/z):
738、782、826
◎残存塩素分析:
<0.01%
[工程1:方法B−dによるホルミル基含有環状ホスファゼン化合物の製造]
温度計、撹拌機、冷却管および滴下ロートを備え付けた3リットルの四つ口フラスコに、窒素気流下でヘキサクロロシクロトリホスファゼン(173.8g,1.50unit mol)のTHF(700mL)溶液を加えた。これに、予め調製したナトリウム
4−メチルフェノキシド(344.8g,2.65mol)のTHF(1,000mL)溶液を1時間かけて滴下した後、25℃で24時間撹拌した。次に、この反応液を予め調製したナトリウム
4−ホルミルフェノキシド(178.9g,1.25mol)のトルエン(1,250mL)懸濁液に添加した後、110℃で3時間還流した。反応混合物を室温に冷却後、濃縮して溶媒を留去し、トルエン(1,000mL)および5%水酸化ナトリウム水溶液(500mL)を加えて分液ロートに移した。水層を分離後、トルエン層を5%水酸化ナトリウム水溶液(500mL)で洗浄し、さらに希硝酸で中和して水洗した。トルエン層を減圧濃縮し、366.6gの生成物を得た(収率:91.0%)。この生成物の分析結果は以下の通りであった。
2.2(12H),6.5〜7.6(24H),9.8(2H)
◎31P−NMRスペクトル(重クロロホルム中、δ、ppm):
三量体(P=N)3 9.3〜9.7
◎TOF−MS(m/z):
791、806、820
◎残存塩素分析:
<0.01%
温度計、撹拌機および滴下ロートを備え付けた1リットルの四つ口フラスコに、工程1で得られた化合物(188.0g,0.70unit mol)およびTHF(700mL)を仕込み、これに室温で水素化ホウ素ナトリウム(7.5g,0.20mol)を添加した後、3時間室温で撹拌した。反応終了を確認後、反応混合物を濾過し、乾燥、濃縮して184.2gの生成物を得た(収率97.5%)。この生成物の分析結果は以下の通りであった。
2.2(12H),4.5(4H), 6.8〜7.3(24H)
◎31P−NMRスペクトル(重クロロホルム中、δ、ppm):
三量体(P=N)3 9.3〜9.7
◎CHNP元素分析:
理論値 C:62.3%、H:5.2%、N:5.2%、P:11.5%
実測値 C:62.1%、H:5.3%、N:5.1%、P:11.6%
◎水酸基当量
403g/eq.(理論値 405g/eq.)
◎
◎TOF−MS(m/z):
794、810、826
◎残存塩素分析:
<0.01%
[工程1:方法B−dによるホルミル基含有環状ホスファゼン化合物の製造]
温度計、撹拌機、冷却管および滴下ロートを備え付けた3リットルの四つ口フラスコに、窒素気流下でヘキサクロロシクロトリホスファゼン(173.8g,1.50unit mol)のTHF(700mL)溶液を加えた。これに、予め調製したナトリウム
4−メチルフェノキシド(344.8g,2.65mol)のTHF(1,000mL)溶液を1時間かけて滴下した後、25℃で24時間撹拌した。次に、この反応液を予め調製したナトリウム
3−メチル−4−ホルミルフェノキシド(194.5g,1.25mol)のトルエン(1,250mL)懸濁液に添加した後、110℃で3時間還流した。反応混合物を室温に冷却後、濃縮して溶媒を留去し、トルエン(1,000mL)および5%水酸化ナトリウム水溶液(500mL)を加えて分液ロートに移した。水層を分離後、トルエン層を5%水酸化ナトリウム水溶液(500mL)で洗浄し、さらに希硝酸で中和して水洗した。トルエン層を減圧濃縮し、387.8gの生成物を得た(収率:93.0%)。この生成物の分析結果は以下の通りであった。
2.2(12H),2.5(6H),6.5〜7.6(22H),9.8(2H)
◎31P−NMRスペクトル(重クロロホルム中、δ、ppm):
三量体(P=N)3 9.3〜9.7
◎TOF−MS(m/z):
806、834、862
◎残存塩素分析:
<0.01%
温度計、撹拌機および滴下ロートを備え付けた1リットルの四つ口フラスコに、工程1で得られた化合物(194.6g,0.70unit mol)およびTHF(700mL)を仕込み、これに室温で水素化ホウ素ナトリウム(7.5g,0.20mol)を添加した後、3時間室温で撹拌した。反応終了を確認後、反応混合物を濾過し、乾燥、濃縮して187.7gの生成物を得た(収率96.0%)。この生成物の分析結果は以下の通りであった。
2.2(12H),2.5(6H),4.5(4H), 6.8〜7.3(22H)
◎31P−NMRスペクトル(重クロロホルム中、δ、ppm):
三量体(P=N)3 9.3〜9.7
◎CHNP元素分析:
理論値 C:63.1%、H:5.5%、N:5.0%、P:11.1%
実測値 C:63.0%、H:5.6%、N:4.9%、P:11.0%
◎水酸基当量
420g/eq.(理論値 419g/eq.)
◎TOF−MS(m/z):
808、838、868
◎残存塩素分析:
<0.01%
[工程1:方法A−aによるホルミル基含有環状ホスファゼン化合物の製造]
温度計、撹拌機、冷却管および滴下ロートを備え付けた3リットルの四つ口フラスコに、窒素気流下でヘキサクロロシクロテトラホスファゼン(173.8g,1.50unit mol)のTHF(500mL)溶液を加えた。これに、予め調製したナトリウム
4−ホルミルフェノキシド(515.2g,3.6mol)のTHF(1,000mL)溶液を1時間かけて滴下した後、1時間加熱還流した。反応混合物を室温に冷却後、減圧濃縮し、トルエン(1,000mL)および5%水酸化ナトリウム水溶液(500mL)を加えて分液ロートに移した。水層を分離後、トルエン層を5%水酸化ナトリウム水溶液(500mL)で洗浄し、希硝酸で中和して水洗した。トルエン層を減圧濃縮し、409.3gの生成物を得た(収率:95.0%)。この生成物の分析結果は以下の通りであった。
6.5〜7.6(24H),9.8(6H)
◎31P−NMRスペクトル(重クロロホルム中、δ、ppm):
三量体(P=N)3 9.3〜9.6
◎TOF−MS(m/z):
862
◎残存塩素分析:
<0.01%
温度計、撹拌機および滴下ロートを備え付けた1リットルの四つ口フラスコに、工程1で得られた化合物(201.0g,0.70unit mol)およびTHF(700mL)を仕込み、これに室温で水素化ホウ素ナトリウム(7.5g,0.20mol)を添加した後、3時間室温で撹拌した。反応終了を確認後、反応混合物を濾過し、乾燥、濃縮して196.7gの生成物を得た(収率96.5%)。この生成物の分析結果は以下の通りであった。
4.5(12H), 6.8〜7.3(24H)
◎31P−NMRスペクトル(重クロロホルム中、δ、ppm):
三量体(P=N)3 9.3〜9.7
◎CHNP元素分析:
理論値 C:57.7%、H:4.8%、N:4.8%、P:10.6%
実測値 C:57.9%、H:4.6%、N:5.0%、P:10.4%
◎水酸基当量
145g/eq.(理論値 146g/eq.)
◎TOF−MS(m/z):
874
◎残存塩素分析:
<0.01%
[工程1:方法B−dによるホルミル基含有環状ホスファゼン化合物の製造]
温度計、撹拌機、冷却管および滴下ロートを備え付けた3リットルの四つ口フラスコに、窒素気流下でクロロシクロホスファゼンオリゴマー(分子式(PNCl2)nで表わされる、n=3〜8の混合物:173.8g,1.50unit mol)のTHF(700mL)溶液を加えた。これに、予め調製したナトリウム
フェノキシド(279.0g,1.95mol)のTHF(1,000mL)溶液を1時間かけて滴下した後、25℃で24時間撹拌した。次に、この反応液を予め調製したナトリウム
4−ホルミルフェノキシド(226.4g,1.95mol)のトルエン(1,250mL)懸濁液に添加した後、110℃で3時間還流した。反応混合物を室温に冷却後、濃縮して溶媒を留去し、トルエン(1,000mL)および5%水酸化ナトリウム水溶液(500mL)を加えて分液ロートに移した。水層を分離後、トルエン層を5%水酸化ナトリウム水溶液(500mL)で洗浄し、さらに希硝酸で中和して水洗した。トルエン層を減圧濃縮し、353.8gの生成物を得た(収率:91.0%)。この生成物の分析結果は以下の通りであった。
6.5〜7.6(27H),9.8(3H)
◎31P−NMRスペクトル(重クロロホルム中、δ、ppm):
三量体(P=N)3 9.3〜9.7
◎TOF−MS(m/z):
778、1,037、1,296、1,555、1,814、2,073
◎残存塩素分析: <0.01%
温度計、撹拌機、還流冷却管を備え付けた1リットルの四つ口フラスコに、工程1で得られた化合物(181.4g,0.70unit mol)およびTHF(700mL)を仕込み、これに室温で水素化ホウ素ナトリウム(7.5g,0.20mol)を添加した後、3時間室温で撹拌した。反応終了を確認後、反応混合物を濾過し、乾燥、濃縮して178.3gの生成物を得た(収率97.5%)。この生成物の分析結果は以下の通りであった。
4.5(4H), 6.8〜7.3(28H)
◎31P−NMRスペクトル(重クロロホルム中、δ、ppm):
三量体(P=N)3 9.4〜9.8
◎CHNP元素分析:
理論値 C:57.6%、H:5.2%、N:5.6%、P:12.4%
実測値 C:57.5%、H:5.1%、N:5.5%、P:12.4%
◎水酸基当量
260g/eq.(理論値 261g/eq.)
◎TOF−MS(m/z):
784、1,045、1,306、1,567、1,828、2,089
◎残存塩素分析: <0.01%
PHOSPHORUS−NITROGEN COMPOUNDS、H.R.ALLCOCK著、1972年刊、151頁、ACADEMIC PRESS社に記載されている方法に従い、ヘキサクロロシクロトリホスファゼン81%とオクタクロロシクロテトラホスファゼン19%とのシクロホスファゼン混合物を用いて[N=P(OC6H5)2]3と[N=P(OC6H5)2]4との混合物(白色固体/融点:65〜112℃)を得た。
温度計、撹拌機および冷却管を備え付けた1リットルの四つ口フラスコに、合成例1で得られた平均組成が[N3P3(OC6H4CH2OH)2.0(OC6H5)4.0]のヒドロキシメチル基含有環状ホスファゼン化合物(100g、0.40unit mol)、L-ラクチド(300g、2.08mol)を加えて150℃で加熱、溶解させ、その中にオクチル酸スズ(0.01g,0.025mmol)をさらに加えて150℃で15時間反応した。そして、この反応混合物をメタノール(5,000mL)に投入することで得られた沈殿を濾別した。この沈殿をメタノール(1,000mL)で洗浄後、減圧乾燥することでオリゴ乳酸セグメントを有する環状ホスファゼン化合物384gを得た(収率96.0%)。なお、収率はL‐ラクチドが全てヒドロキシメチル基含有環状ホスファゼン化合物に再分配した場合を100%として算出した。得られたオリゴ乳酸セグメントを有する有環状ホスファゼン化合物の分析結果は次のとおりである。
1.5〜1.7(121.8H),4.5(4H),5.0〜5.2(40.6H),6.7〜7.3(28H)
◎31P−NMRスペクトル(重クロロホルム中、δ、ppm):
三量体(P=N)3 9.4〜9.7
◎CHNP元素分析:
理論値 C:50.8%、H:5.6%、N:0.6%、P:1.4%
実測値 C:50.5%、H:5.4%、N:0.5%、P:1.4%
◎水酸基当量
3,350g/eq.(理論値 3,300g/eq.)
◎ゲルパーミエーションクロマトグラフィー:
数平均分子量 6,600
L‐ラクチドの使用量を150gに変更した点を除いて実施例1と同様に操作し、オリゴ乳酸セグメントを有する環状ホスファゼン化合物238.8gを得た(収率95.5%)。得られたオリゴ乳酸セグメントを有する環状ホスファゼン化合物の分析結果は次のとおりである。
1.5〜1.7(51H),4.5(4H),5.0〜5.2(17H),6.7〜7.3(28H)
◎31P−NMRスペクトル(重クロロホルム中、δ、ppm):
三量体(P=N)3 9.4〜9.7
◎CHNP元素分析:
理論値 C:51.7%、H:5.5%、N:1.4%、P:3.0%
実測値 C:51.5%、H:5.3%、N:1.5%、P:3.2%
◎水酸基当量
1,620g/eq.(理論値 1,600g/eq.)
◎ゲルパーミエーションクロマトグラフィー:
数平均分子量 3,200
合成例1で得られたヒドロキシメチル基含有環状ホスファゼン化合物に替えて合成例2で得られた平均組成が[N3P3(OC6H3(CH3)CH2OH)2.0(OC6H5)4.0]のヒドロキシメチル基含有環状ホスファゼン化合物(100g,0.38unit mol)を用いた点を除いて実施例1と同様に操作し、オリゴ乳酸セグメントを有する環状ホスファゼン化合物385.6gを得た(収率96.4%)。得られたオリゴ乳酸セグメントを有する環状ホスファゼン化合物の分析結果は次のとおりである。
1.5〜1.7(118.8H),2.4(6H),4.5(4H),5.0〜5.2(39.6H),6.7〜7.3(26H)
◎31P−NMRスペクトル(重クロロホルム中、δ、ppm):
三量体(P=N)3 9.4〜9.7
◎CHNP元素分析:
理論値 C:51.0%、H:5.6%、N:0.7%、P:1.4%
実測値 C:51.2%、H:5.7%、N:0.5%、P:1.4%
◎水酸基当量
3,200g/eq.(理論値 3,250g/eq.)
◎ゲルパーミエーションクロマトグラフィー:
数平均分子量 6,500
合成例1で得られたヒドロキシメチル基含有環状ホスファゼン化合物に替えて合成例3で得られた平均組成が[N3P3(OC6H4CH2OH)2.0(OC6H4CH3)4.0]のヒドロキシメチル基含有環状ホスファゼン化合物(100g,0.37unit mol)を用いた点を除いて実施例1と同様に操作し、オリゴ乳酸セグメントを有する環状ホスファゼン化合物381.6gを得た(収率95.4%)。得られたオリゴ乳酸セグメントを有する環状ホスファゼン化合物の分析結果は次のとおりである。
1.5〜1.7(120.6H),2.2(12H),4.5(4H),5.0〜5.2(40.2H),6.7〜7.3(24H)
◎31P−NMRスペクトル(重クロロホルム中、δ、ppm):
三量体(P=N)3 9.4〜9.7
◎CHNP元素分析:
理論値 C:51.5%、H:5.6%、N:0.6%、P:1.4%
実測値 C:51.6%、H:5.5%、N:0.5%、P:1.4%
◎水酸基当量
3,320g/eq.(理論値 3,300g/eq.)
◎ゲルパーミエーションクロマトグラフィー:
数平均分子量 6,600
合成例1で得られたヒドロキシメチル基含有環状ホスファゼン化合物に替えて合成例6で得られた平均組成が[NP(OC6H4CH2OH)(OC6H5)]n(n=3〜8)のヒドロキシメチル基含有環状ホスファゼン化合物(100g,0.36unit mol)を用いた点を除いて実施例1と同様に操作し、オリゴ乳酸セグメントを有する環状ホスファゼン化合物376gを得た(収率94.0%)。得られたオリゴ乳酸セグメントを有する環状ホスファゼン化合物の分析結果は次のとおりである。
1.5〜1.7(30H),4.5(2H),5.0〜5.2(10H),6.7〜7.3(9H)
◎31P−NMRスペクトル(重クロロホルム中、δ、ppm):
三量体(P=N)3 9.4〜9.7
◎CHNP元素分析:
理論値 C:51.5%、H:5.4%、N:0.8%、P:1.8%
実測値 C:51.6%、H:5.5%、N:0.6%、P:1.7%
◎水酸基当量
3,350g/eq.(理論値 3,400g/eq.)
◎ゲルパーミエーションクロマトグラフィー:
数平均分子量 6,800
温度計、撹拌機および冷却管を備え付けた1リットルの四つ口フラスコに、合成例1で得られた平均組成が[N3P3(OC6H4CH2OH)2.0(OC6H5)4.0]のヒドロキシメチル基含有環状ホスファゼン化合物(100g、0.401unit mol)、ポリ−L−乳酸(数平均分子量:5,000/200g)を加えて150℃で加熱、溶解させ、その中に酢酸カルシウム(0.01g,0.63mmol)をさらに加えて150℃で15時間反応した。そして、この反応混合物をメタノール(5,000mL)に投入することで得られた沈殿を濾別した。この沈殿をメタノール(1,000mL)で洗浄後、減圧乾燥することでオリゴ乳酸セグメントを有する環状ホスファゼン化合物282gを得た(収率94.0%)。なお、収率はポリ−L−乳酸が全てヒドロキシメチル基含有環状ホスファゼン化合物に再分配した場合を100%として算出した。得られたオリゴ乳酸セグメントを有する環状ホスファゼン化合物の分析結果は次のとおりである。
1.5〜1.7(72H),4.5(4H),5.0〜5.2(24H),6.7〜7.3(28H)
◎31P−NMRスペクトル(重クロロホルム中、δ、ppm):
三量体(P=N)3 9.4〜9.7
◎CHNP元素分析:
理論値 C:51.9%、H:5.4%、N:1.0%、P:2.2%
実測値 C:52.0%、H:5.3%、N:1.1%、P:2.2%
◎水酸基当量
2,040g/eq.(理論値 2,100g/eq.)
◎ゲルパーミエーションクロマトグラフィー
数平均分子量 4,200
ポリ−L−乳酸の使用量を100gに変更した点を除いて実施例6と同様に操作し、オリゴ乳酸セグメントを有する環状ホスファゼン化合物190gを得た(収率95.0%)。得られたオリゴ乳酸セグメントを有する環状ホスファゼン化合物の分析結果は次のとおりである。
1.5〜1.7(31.8H),4.5(4H),5.0〜5.2(10.6H),6.7〜7.3(28H)
◎31P−NMRスペクトル(重クロロホルム中、δ、ppm):
三量体(P=N)3 9.4〜9.7
◎CHNP元素分析:
理論値 C:53.5%、H:5.2%、N:1.8%、P:4.1%
実測値 C:53.3%、H:5.3%、N:1.9%、P:4.0%
◎水酸基当量
1,160g/eq.(理論値 1,150g/eq.)
◎ゲルパーミエーションクロマトグラフィー:
数平均分子量 2,300
合成例1で得られたヒドロキシメチル基含有環状ホスファゼン化合物に替えて合成例2で得られた平均組成が[N3P3(OC6H3(CH3)CH2OH)2.0(OC6H5)4.0]のヒドロキシメチル基含有環状ホスファゼン化合物(100g,0.38unit mol)を用いた点を除いて実施例6と同様に操作し、オリゴ乳酸セグメントを有する環状ホスファゼン化合物280.2gを得た(収率93.4%)。得られたオリゴ乳酸セグメントを有する環状ホスファゼン化合物の分析結果は次のとおりである。
1.5〜1.7(77.4H),2.4(6H),4.5(4H),5.0〜5.2(25.8H),6.7〜7.3(26H)
◎31P−NMRスペクトル(重クロロホルム中、δ、ppm):
三量体(P=N)3 9.4〜9.7
◎CHNP元素分析:
理論値 C:52.0%、H:5.5%、N:0.9%、P:2.1%
実測値 C:51.8%、H:5.3%、N:1.0%、P:2.2%
◎水酸基当量
2,260g/eq.(理論値 2,250g/eq.)
◎ゲルパーミエーションクロマトグラフィー:
数平均分子量 4,500
合成例1で得られたヒドロキシメチル基含有環状ホスファゼン化合物に替えて合成例3で得られた平均組成が[N3P3(OC6H4CH2OH)2.0(OC6H4CH3)4.0]のヒドロキシメチル基含有環状ホスファゼン化合物(100g,0.37unit mol)を用いた点を除いて実施例6と同様に操作し、オリゴ乳酸セグメントを有する環状ホスファゼン化合物283.2gを得た(収率94.4%)。得られたオリゴ乳酸セグメントを有する環状ホスファゼン化合物の分析結果は次のとおりである。
1.5〜1.7(81H),2.2(12H),4.5(4H),5.0〜5.2(27H),6.7〜7.3(24H)
◎31P−NMRスペクトル(重クロロホルム中、δ、ppm):
三量体(P=N)3 9.4〜9.7
◎CHNP元素分析:
理論値 C:52.1%、H:5.5%、N:0.9%、P:2.0%
実測値 C:52.0%、H:5.6%、N:0.9%、P:1.9%
◎水酸基当量
2,300g/eq.(理論値 2,350g/eq.)
◎ゲルパーミエーションクロマトグラフィー:
数平均分子量 4,700
合成例1で得られたヒドロキシメチル基含有環状ホスファゼン化合物に替えて合成例6で得られた平均組成が[NP(OC6H4CH2OH)(OC6H5)]n(n=3〜8)のヒドロキシメチル基含有環状ホスファゼン化合物(100g,0.36unit mol)を用いた点を除いて実施例6と同様に操作し、オリゴ乳酸セグメントを有する環状ホスファゼン化合物285gを得た(収率95.0%)。得られたオリゴ乳酸セグメントを有する環状ホスファゼン化合物の分析結果は次のとおりである。
1.5〜1.7(19.5H),4.5(2H),5.0〜5.2(6.5H),6.7〜7.3(9H)
◎31P−NMRスペクトル(重クロロホルム中、δ、ppm):
三量体(P=N)3 9.4〜9.7
◎CHNP元素分析:
理論値 C:52.1%、H:5.4%、N:1.2%、P:2.6%
実測値 C:52.2%、H:5.5%、N:1.0%、P:2.5%
◎水酸基当量
2,460g/eq.(理論値 2,400g/eq.)
◎ゲルパーミエーションクロマトグラフィー:
数平均分子量 4,800
乳酸系樹脂(NatureWorks LLC社製:「Ingeo バイオポリマー4032D」)、芳香族ポリカーボネート樹脂(三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社製:「ユーピロンS3000」)、フィブリル形成能を有するポリテトラフルオロエチレン(PTFE/三井・デュポンフロロケミカル株式会社製:「テフロン6−J」)、並びに表1に示す実施例1〜10で製造したオリゴ乳酸セグメントを有する環状ホスファゼン化合物、合成例7で製造したフェノキシ基全置換環状ホスファゼン化合物、および大八化学工業株式会社製:芳香族縮合リン酸エステル「PX−200」(表中、「PX−200」と表記する。)を、表1に示す割合でドライブレンドした後、三菱重工業株式会社製:40mmφ小型同方向二軸押出機を用いて220℃で混練し、ペレット化することで樹脂組成物を得た。次に、得られた樹脂組成物を東芝機械株式会社製:射出成型機IS50E(スクリュー径25mm、シリンダー温度:220℃、金型温度:40℃)を用いて板状に成形し、試験片を得た。この試験片について、成形品外観、熱変形温度、難燃性および高温信頼性を評価した結果を表1に示す。評価方法は次の通りである。なお、試験片は、評価項目に応じて大きさの異なるものを製造した。
長さ160mm、幅75mmおよび厚み1.3mmの試験片を目視観察し、試験片表面に0.1mm以上の凝集物による点状または筋状の外観不良(以下「ピット等」という)を調べた。評価の基準は次のとおりである。
○:ピット等の発生なし。
×:少なくとも1個のピット等が発生。
長さ127mm、幅12.7mmおよび厚み3mmの試験片について、ASTM D648「Standard Test Method for Deflection Temperature of Plastics Under Flexural Load in the Edgewise Position」に従い、荷重1.80MPaおよびアニーリング無しの条件で測定した。
アンダーライターズラボラトリーズ(Underwriter’s Laboratories Inc.)のUL−94規格垂直燃焼試験に基づき、長さ127mm、幅12.7mmおよび厚み2.5mmの試験片を用いて実施し、10回接炎時の合計燃焼時間と燃焼時の滴下物による綿着火の有無により、V−0、V−1、V−2および規格外の四段階の難燃性クラスに分類判定した。V−0が最高評価であり、V−1、V−2、規格外の順に評価が下がる。
長さ127mm、幅12.7mmおよび厚み3mmの試験片を温度85℃、湿度85%の恒温槽で500時間放置した後、試験片の外観変化を観察した。評価の基準は次のとおりである。
○:環状ホスファゼン化合物のブリードアウトによる外観変化がなく、高温信頼性が有る。
×:環状ホスファゼン化合物のブリードアウトによる外観変化があり、高温信頼性が無い。
乳酸系樹脂(NatureWorks LLC社製:「Ingeo バイオポリマー4032D」)、ポリブチレンアジペート/テレフタレート樹脂(BASFジャパン社製:「エコフレックス F」)、並びに表2に示す実施例1〜10で製造したオリゴ乳酸セグメントを有する環状ホスファゼン化合物、合成例7で製造したフェノキシ基全置換環状ホスファゼン化合物、および大八化学工業株式会社製:芳香族縮合リン酸エステル「PX−200」(表中、「PX−200」と表記する。)を、表2に示す割合でドライブレンドした後、三菱重工業株式会社製:40mmφ小型同方向二軸押出機を用いて200℃で混練し、ペレット化することで樹脂組成物を得た。次に、得られた樹脂組成物を東芝機械株式会社製:射出成型機IS50E(スクリュー径25mm、シリンダー温度:200℃、金型温度:40℃)を用いて板状に成形し、試験片を得た。この試験片について、成形品外観、熱変形温度、難燃性および高温信頼性を実施例11〜16および比較例1〜3と同様の方法で評価した結果を表2に示す。
Claims (9)
- 下記の式(1)で表されるオリゴ乳酸セグメントを有する環状ホスファゼン化合物。
(式(1)中、nは1〜6の整数を示し、Aは、各々独立の置換基であって、下記のA1基およびA2基からなる群から選ばれる基を示し、かつ2n+4個のAのうちの一部がA2基であり、他のAがA1基である。
A1基:炭素数1〜6のアルキル基、アルケニル基およびアリール基から選ばれる少なくとも一種の基が置換されていてもよい、炭素数6〜20のアリールオキシ基。
A2基:下記の式(2)で示されるオリゴ乳酸セグメントを有するフェニレンオキシ基からなる群から選ばれる基。
式(2)中、E1〜E5は、各々独立の置換基であって、水素原子、ヒドロキシメチル基、炭素数1〜6のアルキル基およびアルケニル基から選ばれる基であり、かつ少なくとも一つが下記の式(3)で示されるオリゴ乳酸セグメントを有する基である。
式(3)中、pは1〜6,000の整数を示し、Lは、下記の式(4)で示される乳酸残基である。)
- A2基が、オリゴ乳酸セグメント置換フェニレンオキシ基、オリゴ乳酸セグメント置換メチルフェニレンオキシ基、オリゴ乳酸セグメント置換ジメチルフェニレンオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つである、請求項1に記載のオリゴ乳酸セグメントを有する環状ホスファゼン化合物。
- 式(1)のnが1若しくは2である、請求項1から2のいずれかに記載のオリゴ乳酸セグメントを有する環状ホスファゼン化合物。
- 請求項1に記載のオリゴ乳酸セグメントを有する環状ホスファゼン化合物を製造するための方法であって、
下記の式(5)で表されるヒドロキシメチル基含有環状ホスファゼン化合物と、
(式(5)中、mは1〜6の整数を示し、Gは、各々独立の置換基であって、下記のG1基およびG2基からなる群から選ばれた基を示し、かつ2m+4個のGのうちの一部がG2基であり、他のGがG1基である。
G1基:炭素数1〜6のアルキル基、アルケニル基およびアリール基から選ばれる少なくとも一種の基が置換されていてもよい、炭素数6〜20のアリールオキシ基。
G2基:下記の式(6)で示されるヒドロキシメチル基置換フェニレンオキシ基からなる群から選ばれる基。
式(6)中、E6〜E10は、各々独立の置換基であって、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基およびアルケニル基から選ばれる基であり、かつ少なくとも一つがヒドロキシメチル基である。)
下記の式(7)で表されるラクチドとを、
触媒の存在下で開環反応する工程を含む、
オリゴ乳酸セグメントを有する環状ホスファゼン化合物の製造方法。 - 請求項1に記載のオリゴ乳酸セグメントを有する環状ホスファゼン化合物を製造するための方法であって、
下記の式(5)で表されるヒドロキシメチル基含有環状ホスファゼン化合物と、
(式(5)中、mは1〜6の整数を示し、Gは、各々独立の置換基であって、下記のG1基およびG2基からなる群から選ばれた基を示し、かつ2m+4個のGのうちの一部がG2基であり、他のGがG1基である。
G1基:炭素数1〜6のアルキル基、アルケニル基およびアリール基から選ばれる少なくとも一種の基が置換されていてもよい、炭素数6〜20のアリールオキシ基。
G2基:下記の式(6)で示されるヒドロキシメチル基置換フェニレンオキシ基からなる群から選ばれる基。
式(6)中、E 6 〜E 10 は、各々独立の置換基であって、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基およびアルケニル基から選ばれる基であり、かつ少なくとも一つがヒドロキシメチル基である。)
下記の式(8)で表されるポリ乳酸とを、
(式(8)中、qは70〜6,000の整数を示す。)
触媒の存在下でエステル交換反応する工程を含む、
オリゴ乳酸セグメントを有する環状ホスファゼン化合物の製造方法。 - 樹脂成分と、
請求項1から3のいずれかに記載のオリゴ乳酸セグメントを有する環状ホスファゼン化合物と、
を含む樹脂組成物。 - 前記樹脂成分が、ポリ乳酸樹脂、ポリブチレンサクシネート樹脂、ポリブチレンアジペート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、スチレン系樹脂およびポリオレフィン樹脂からなる群から選ばれたものである、請求項6に記載の樹脂組成物。
- 請求項6または7に記載の樹脂組成物からなる樹脂成形体。
- 請求項6または7に記載の樹脂組成物からなる電気・電子部品。
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