JP5754423B2 - ヒートポンプ給湯室外機 - Google Patents

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Description

本発明は、ヒートポンプ給湯室外機に関する。
空気の熱を吸収して湯を沸かすことのできる、エネルギー効率に優れたヒートポンプ式給湯システムが広く用いられている。ヒートポンプ式給湯システムの構成要素であるヒートポンプ給湯室外機は、空気の熱を冷媒に吸熱させる空気冷媒熱交換器、この空気冷媒熱交換器に送風する送風機、冷媒を圧縮する圧縮機、冷媒の熱によって水を加熱する水冷媒熱交換器などを搭載している。従来のヒートポンプ給湯室外機は、底部を形成するベースの上に、水冷媒熱交換器が発泡材等の断熱容器に収納され、更に金属製の水冷媒熱交換器収納容器に収納された状態で設置される。そして、ヒートポンプ給湯室外機の筐体の前面部の下端は、ベースとほぼ同じ高さ位置とされている(例えば、特許文献1参照)。
特開2008−145001号公報
従来のヒートポンプ給湯室外機では、筐体の各面の内、筐体前面部の面積が著しく大きく、筐体前面部の固有振動数が著しく低い。このため、圧縮機や送風機の作動時に筐体前面部が振動して筐体前面部から放射される音は、著しい低周波成分でレベル高く発生する。音は、低周波側になるほど減衰しにくい特性があり、聴感上も悪くなる場合が多いので、静粛性を著しく悪化させる等の問題点がある。
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、ヒートポンプ給湯室外機の筐体前面部が振動して筐体前面部から放射される音が、著しい低周波成分でレベル高く発生することを抑制することのできるヒートポンプ給湯室外機を提供することを目的とする。
本発明に係るヒートポンプ給湯室外機は、底部を形成するベースと、ベース上に搭載され、冷媒を圧縮する圧縮機、冷媒と水または液状熱媒体との熱交換を行う水冷媒熱交換器、および、冷媒と空気との熱交換を行う空気冷媒熱交換器を有する冷凍サイクル装置と、ベース上に設置され、水冷媒熱交換器を収納する水冷媒熱交換器収納容器と、冷凍サイクル装置の少なくとも一部を覆うように設けられた筐体と、を備え、筐体の前面部の下端の一部または全域が水冷媒熱交換器収納容器の前面部の上端とほぼ同じ高さ位置にあるものである。
本発明によれば、ヒートポンプ給湯室外機の筐体前面部が振動して筐体前面部から放射される音が、著しい低周波成分でレベル高く発生することを抑制することが可能となる。更に、金属材料の使用量を削減し、材料コスト、重量を低減させることができるので、静粛面、コスト面で優れたヒートポンプ給湯室外機を得ることが可能となる。
本発明の実施の形態1のヒートポンプ給湯室外機の外観を示す斜視図である。 本発明の実施の形態1のヒートポンプ給湯室外機の分解斜視図である。 本発明の実施の形態1のヒートポンプ給湯室外機のベース、水冷媒熱交換器および水冷媒熱交換器収納容器を示す分解斜視図である。 本発明の実施の形態2のヒートポンプ給湯室外機の外観を示す斜視図である。 本発明の実施の形態3のヒートポンプ給湯室外機のベース、水冷媒熱交換器および水冷媒熱交換器収納容器を示す分解斜視図である。 本発明の実施の形態4のヒートポンプ給湯室外機の外観を示す斜視図である。 本発明の実施の形態5のヒートポンプ給湯室外機の外観を示す斜視図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、各図において共通する要素には、同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1のヒートポンプ給湯室外機の外観を示す斜視図である。図2は、本発明の実施の形態1のヒートポンプ給湯室外機の分解斜視図である。なお、図1および図2中では、左下が前方、右上が後方である。図3は、本発明の実施の形態1のヒートポンプ給湯室外機のベース、水冷媒熱交換器および水冷媒熱交換器収納容器を示す分解斜視図である。
これらの図に示す本実施形態のヒートポンプ給湯室外機1は、空気(外気)の熱を冷媒に吸収し、圧縮機2にて圧縮されて高温高圧になった冷媒により水(または、例えば暖房用循環水等の液状熱媒体)を加熱して湯を生成可能な冷凍サイクル装置を搭載している。このようなヒートポンプ給湯室外機1は、後述する貯湯装置(図示せず)等と組み合わせて使用され、あるいは暖房用循環水を循環させる装置(図示せず)と組み合わせて使用される。
図1および図2に示すように、ヒートポンプ給湯室外機1の外郭は、底部を形成するベース17と、ベース17上に立設された筐体とで構成される。図2に示すように、ヒートポンプ給湯室外機1の外郭の内部には、右側の機械室14と、左側の送風機室15とが、仕切板16により分離されて形成されている。ヒートポンプ給湯室外機1の筐体は、筐体前面部18、筐体後面部19、筐体上面部20、筐体右側面部21および筐体左側面部22を有し、ベース17上に搭載された冷凍サイクル装置を覆って保護するように構成されている。ベース17および上記筐体は、金属材料で構成されていることが好ましい。
図示省略しているものもあるが、機械室14には、冷媒を圧縮するための圧縮機2、冷媒を減圧するための膨張弁、これらを接続する吸入管4や吐出管5等の冷媒配管、その他の冷媒回路部品が組み込まれている。送風機室15には、送風機6と、送風機6に隣接して空気冷媒熱交換器7とが組み込まれている。送風機室15内は、風路確保のため大きな空間を有している。送風機室15内の下部の、ベース17の上面に水冷媒熱交換器8が設置されている。
空気冷媒熱交換器7は、送風機室15の後面側に配置されている。筐体後面部19は、機械室14の後面を覆うように形成されている。空気冷媒熱交換器7の後面は、筐体後面部19に覆われておらず、外部に露出している。
筐体前面部18は、機械室14の前面を覆う部分と、送風機室15の前面を覆う部分とを有している。送風機室15の前面を覆う部分における筐体前面部18には、送風機6により送風され、空気冷媒熱交換器7を流れる空気(外気)が通過可能な開口が形成されており、この開口には格子状の部材が取り付けられる。
圧縮機2は、吐出管5を介して水冷媒熱交換器8の冷媒入口部と接続されている。水冷媒熱交換器8の冷媒出口部は、冷媒配管を介して膨張弁の入口部と接続されている。膨張弁の出口部は、別の冷媒配管を介して空気冷媒熱交換器7の冷媒入口部と接続されている。空気冷媒熱交換器7の冷媒出口部は、吸入管4を介して圧縮機2と接続されている。また、冷媒配管の途中に、その他の冷媒回路部品が取り付けられている場合もある。このように構成された冷媒回路の密閉空間内に所定の量の冷媒が封入されている。冷媒としては、通常、CO冷媒が好ましく使用されている。
機械室14の上方と、送風機室15の上方の一部とには、圧縮機2、膨張弁、送風機6等を駆動制御するインバータ電源等の電気部品を収納した電気部品収納箱9が配置されている。
また、機械室14内には、水冷媒熱交換器8の水入口部に接続された第一の内部水配管と、水冷媒熱交換器8の給湯出口部と接続された第二の内部水配管とを含む水回路部品が組み込まれている。ベース17の右部および筐体右側面部21の下部には、水入口バルブ29および給湯出口バルブ30が上下に並んで配置されている。第一の内部水配管は、水入口バルブ29に接続され、第二の内部水配管は、給湯出口バルブ30に接続されている。また、水入口バルブ29および給湯出口バルブ30を保護するために、サービスパネル23が筐体右側面部21に取り付けられている。
図3に示すように、送風機室15の下方に位置するベース17の上面には、板金材から成形された略直方体形状の収納囲部材10が取り付けられている。板金材から成形された収納蓋部材11は、収納囲部材10の上部開口を塞ぐように組み付けられる。本実施形態では、収納囲部材10および収納蓋部材11により、略直方体形状の水冷媒熱交換器収納容器3が構成されている。水冷媒熱交換器8は、断熱性を有する断熱容器12および断熱蓋13に覆われた状態で、水冷媒熱交換器収納容器3内に収納されている。より具体的には、収納囲部材10内に、例えば発泡材等で形成された略直方体形状の断熱容器12が収納され、この断熱容器12内に水冷媒熱交換器8が更に収納されている。断熱容器12の上部開口は、例えば発泡材等で形成された断熱蓋13で塞がれる。断熱蓋13の上に収納蓋部材11が取り付けられる。
図1に示すように、筐体前面部18の下端18aは、水平方向に沿ってほぼ平坦な形状になっている。筐体前面部18の下端18aは、全域に渡り、水冷媒熱交換器収納容器3の前面部3aの上端3bとほぼ同じ高さ位置にある。すなわち、筐体前面部18の下端18aと、水冷媒熱交換器収納容器3の前面部3aの上端3bとは、ほぼ隙間無く隣接している。筐体前面部18の下端18aは、収納囲部材10の上端部または収納蓋部材11に対し例えばネジ等により固定される。
本実施形態では、機械室14の前面を覆う部分の筐体前面部18の下端18aは、ベース17より高い位置にあり、両者の間に開口が形成される。この開口を塞ぐ前蓋部材24が、例えばネジ等により、着脱可能にベース17に取り付けられている。
以下、本ヒートポンプ給湯室外機1の構成および動作についてより詳細に説明する。図示省略しているものもあるが、圧縮機2の内部には、冷媒の圧縮動作を行う圧縮部と、圧縮部と接続され圧縮部を駆動するモータとが組み込まれ、外部から電源供給されることによりモータと圧縮部とが所定の回転数で駆動するようになっている。また、圧縮機2は、ゴムあるいは金属コイルの成形品からなる防振マウントを介してベース17の上面に設置される。冷媒を吸入するための吸入管4が圧縮機2に取り付けられ、冷媒を圧縮機2内部で圧縮後、吐出するための吐出管5が圧縮機2に取り付けられている。送風機6は、2〜3枚のプロペラ翼と、このプロペラ翼を回転駆動させるモータとが組み合わせられ、外部からの電源供給によりモータとプロペラ翼とが所定の回転数で回転するようになっている。送風機6のモータは支持部材25に取り付けられ、支持部材25は水冷媒熱交換器収納容器3あるいはベース17に取り付けられている。膨張弁は、冷媒流路本体外側面にコイル部材が取り付けられ、コイル部材に外部から通電することにより発生する電磁作用により、内部の流路抵抗調節部を稼動させて冷媒の流路抵抗を調節し、膨張弁の冷媒上流側高圧と冷媒下流側低圧とを所定の圧力に調節している。水冷媒熱交換器8は、水配管と冷媒配管とが接合され、水配管内の水と冷媒配管内の冷媒とで熱交換が行われるようになっており、断熱容器12に収納可能なように数回曲げ成形されている。空気冷媒熱交換器7は、複数回往復曲げ成形された長い冷媒配管に多数のアルミ薄板のフィンが密着して略平板状になっており、冷媒配管内の冷媒とフィン周辺の空気とで熱交換が行われるようになっており、送風機6による送風でフィン周辺を流れて通過する空気の風量が増やされて調節され、熱交換の量が増やされて調節されている。電気部品収納箱9は、圧縮機2、膨張弁、送風機6等を駆動制御するインバータ電源等の電気部品を収納する。インバータ電源は、圧縮機2のモータの回転数を数十rps(Hz)〜百rps(Hz)程度の所定の回転数に変化させ、また、膨張弁の開度を所定の量に変化させ、また、送風機6の回転数を数rps(Hz)〜数百rps(Hz)程度の所定の回転数に変化させるよう制御している。電気部品収納箱9右部には、外部電気配線を接続する端子台9aが設けられ、筐体右側面部21に取り付けられているサービスパネル23が端子台9aを保護している。
次に、ヒートポンプ給湯室外機1と貯湯装置との組み合わせ構成について説明する。図示省略しているが、ヒートポンプ給湯室外機1は、貯湯装置と組み合わされて使用される。貯湯装置には、数百リットル程度の容量の貯湯タンクと、貯湯タンク内の水を外部に送る送水ポンプとが組み込まれ、送水ポンプの入口部は貯湯タンク下部に接続された配管に接続され、送水ポンプの出口部は第一の外部水配管に接続され、貯湯タンク上部に接続された配管には第二の外部水配管が接続されている。ヒートポンプ給湯室外機1と貯湯装置とは、第一の外部水配管、第二の外部水配管および電気配線を介して接続されている。第一の外部水配管の貯湯タンク接続側と反対側は、ヒートポンプ給湯室外機1のサービスパネル23内の水入口バルブ29と接続される。第二の外部水配管の貯湯タンク接続側と反対側は、ヒートポンプ給湯室外機1のサービスパネル23内の給湯出口バルブ30と接続される。このように、ヒートポンプ給湯室外機1と貯湯装置とで給湯回路が構成されている。
次に、貯湯装置内の貯湯タンク内の湯量を増やすための沸き上げ運転におけるヒートポンプ給湯室外機1の動作について説明する。電気部品収納箱9に収納されたインバータ電源から圧縮機2内のモータに電源供給されるとモータが駆動し、モータと接続された圧縮機2内の圧縮部が駆動する。インバータ電源は、モータの回転数を数十rps(Hz)〜百rps(Hz)程度の所定の回転数に変化させ、冷媒が循環して行われるヒートポンプサイクルの循環速度、冷媒の流量を変化させることにより、所定の沸き上げ能力に調節制御している。また、電気部品収納箱9に収納されたインバータ電源から送風機6のモータに電源供給されるとモータが駆動し、モータと接続された送風機のプロペラ翼が回転駆動する。インバータ電源は、モータの回転数を数rps(Hz)〜数百rps(Hz)程度に変化させ、空気冷媒熱交換器7を通過する空気の流量を変化させることにより、空気冷媒熱交換器7での冷媒と空気の熱交換量を所定の量に調節制御している。空気は、送風機6の後方に設置された空気冷媒熱交換器7の後方から吸い込まれ、空気冷媒熱交換器7を通過し、筐体前面部18に形成された開口を通って、前方へ排出される。
また、電気部品収納箱9に収納されたインバータ電源から膨張弁の冷媒流路本体外側面に取り付けられたコイル部材に通電されると、冷媒流路本体内部の流路抵抗調節部が稼動して冷媒の流路抵抗度を調節し、膨張弁の上流側高圧と下流側低圧の冷媒を所定の圧力に調節制御している。圧縮機2の回転数、送風機6の回転数、膨張弁の流路抵抗度は、ヒートポンプ給湯室外機1の設置環境、使用環境に応じて制御される。圧縮機2内の圧縮部が駆動すると圧縮部内で冷媒の圧縮動作が行われ、低圧冷媒は吸入管4から圧縮機2に吸入される。低圧冷媒は圧縮機2内の圧縮部で高温高圧冷媒に圧縮され、圧縮機2から吐出管5に吐出され、高温高圧冷媒は吐出管5から水冷媒熱交換器8の冷媒入口部に流入し、高温高圧冷媒は水冷媒熱交換器8で低温水と熱交換し、低温水を加熱して高温湯を生成させる。高温高圧冷媒は水冷媒熱交換器8でエンタルピを低下させ、温度を低下させて水冷媒熱交換器8の冷媒出口部から膨張弁の入口部に流入する。高圧冷媒は膨張弁で所定の圧力に減圧され温度降下し低温低圧冷媒となり膨張弁の出口部から空気冷媒熱交換器7入口部に流入する。低温低圧冷媒は空気冷媒熱交換器7で空気と熱交換し、エンタルピを増加させ、空気冷媒熱交換器7の出口部から吸入管4に流入し、圧縮機2に吸入される。このように冷媒が循環してヒートポンプサイクルが行われる。同時に、貯湯装置内の水ポンプにより貯湯装置内の貯湯タンク内下部の低温水が第一の外部水配管を通り、ヒートポンプ給湯室外機1の水入口バルブ29を介して第一の内部水配管に流入し、水冷媒熱交換器8の水入口部に流入し、水冷媒熱交換器8で冷媒と熱交換し加熱されて高温湯に生成される。生成された高温湯は水冷媒熱交換器8の給湯出口部から第二の内部水配管に流入し、給湯出口バルブ30を介して第二の外部水配管を通り、貯湯装置内の貯湯タンク上部に戻される。このようにして、貯湯タンク内の高温湯の量が増やされる。
次に、圧縮機2および送風機6の動作と、ヒートポンプ給湯室外機1の低周波音発生について説明する。圧縮機2内の圧縮部が数十rps(Hz)〜百rps(Hz)の回転数で駆動し、圧縮部内で冷媒の圧縮動作が行われる時、冷媒の圧力変動および内部可動部品の動作により、圧縮機2には上下方向、横方向等いくつかの方向のそれぞれ並進振動、回転振動が発生し、その周波数成分は、回転数の整数倍で、低い倍数の周波数成分、すなわち低周波成分が大きく発生する。圧縮機2の振動は、防振マウントを介してベース17に伝達し、吸入管4、吐出管5から接続先の空気冷媒熱交換器7、水冷媒熱交換器8に伝達し、筐体前面部18を含む筐体の各面に伝達し、筐体からの低周波音放射の原因となる。また、送風機6のモータが数rps(Hz)〜数百rps(Hz)の回転数で駆動すると、送風機6にも圧縮機2と同様に回転数の整数倍で、低い倍数の周波数成分、すなわち低周波成分が大きく発生する。送風機6の振動は、支持部材25から水冷媒熱交換器収納容器3あるいはベース17に伝達し、筐体前面部18を含む筐体各面に伝達し、筐体各面が振動して筐体各面から低周波音が放射される原因となる。
一般に、筐体の各面のうち、筐体前面部18は、面積が最大であり、固有振動数が最小となる。このため、以上のような低周波振動が原因の音のうち、筐体前面部18から放射される音が最も低周波成分でレベル高く発生し易い傾向がある。これに対し、本実施形態のヒートポンプ給湯室外機1では、筐体前面部18の下端18aの全域を、水冷媒熱交換器収納容器3の前面部3aの上端3bとほぼ同じ高さ位置としたことにより、筐体前面部18の面積を抑制することができ、筐体前面部18の固有振動数の低下を有効に抑制することができる。その結果、筐体前面部18が振動して筐体前面部18から放射される音が、著しい低周波成分でレベル高く発生することを抑制できる。更に、筐体前面部18の面積を抑制することにより、金属材料の使用量を削減し、材料コストおよび重量を低減させることができる。
また、本実施形態では、前蓋部材24は、ネジによりベース17に取り付けられており、ヒートポンプ給湯室外機1から簡単に取り外し可能となっている。ヒートポンプ給湯室外機1の点検や修理を行う際には、この前蓋部材24を取り外すことにより、機械室14の前面を覆う部分の筐体前面部18の下端18aと、ベース17との間に開口が形成されるので、機械室14の下部を視認したり手や工具を入れたりすることができる。このため、機械室14の下部のみで点検あるいは修理が可能な場合は、筐体前面部18を取り外すことなく、容易に点検あるいは修理が可能となる。また、本実施形態では、筐体前面部18の下端18aが全域に渡り平坦な形状とされているので、点検あるいは修理の際に筐体前面部18を取り外したときに、取り外した筐体前面部18を地面等に安定して置くことができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、ヒートポンプ給湯室外機1の作動時の音が低周波側にシフトすることを有効に抑制する効果があり、音の減衰特性と聴感とを考慮して静粛面で優れたヒートポンプ給湯室外機1を得ることができる。一般に、給湯を行うヒートポンプ給湯室外機は、深夜電力を利用して作動する場合が多く、深夜の騒音や低周波音には使用者の関心が高い。また、CO冷媒を使用したヒートポンプ給湯室外機は、R410A冷媒を使用したヒートポンプ空調機と比較して、使用者および近隣に不快感を与える場合があったが、それらを抑制するという課題に対し、本実施形態による低周波音特性の効果は著しく貢献する。
実施の形態2.
次に、図4を参照して、本発明の実施の形態2について説明するが、上述した実施の形態1との相違点を中心に説明し、同一部分または相当部分は同一符号を付し説明を省略する。図4は、本発明の実施の形態2のヒートポンプ給湯室外機の外観を示す斜視図である。
図4に示すように、本実施の形態2のヒートポンプ給湯室外機1Aでは、前蓋部材24に代えて、筐体右側面部21を一部延長して前面に折り曲げた前面折り曲げ部21aを設けている。この前面折り曲げ部21aにより、機械室14の前面の下部が覆われている。筐体前面部18の構成は、実施の形態1と同様である。本実施の形態2によれば、実施の形態1と同様に、筐体前面部18の面積を抑制し、筐体前面部18の固有振動数の低下を抑制できるので、筐体前面部18が振動して筐体前面部18から放射される音が、著しい低周波成分でレベル高く発生することを抑制できる。更に、金属材料の使用量を削減し、材料コスト、重量を低減させることができる。また、本実施の形態2によれば、前蓋部材24を省略することができるので、実施の形態1に対し、部品数の増加を抑制し、組立コストの増加を抑制することができる。
実施の形態3.
次に、図5を参照して、本発明の実施の形態3について説明するが、上述した実施の形態1との相違点を中心に説明し、同一部分または相当部分は同一符号を付し説明を省略する。図5は、本発明の実施の形態3のヒートポンプ給湯室外機のベース、水冷媒熱交換器および水冷媒熱交換器収納容器を示す分解斜視図である。
図5に示すように、本実施の形態3では、水冷媒熱交換器収納容器3(収納囲部材10)の前面部3aを機械室14側に延長した前面延長部3cを設けている。この前面延長部3cにより、機械室14の前面の下部が覆われている。筐体前面部18の構成は、実施の形態1と同様である。本実施の形態3によれば、実施の形態1と同様に、筐体前面部18の面積を抑制し、筐体前面部18の固有振動数の低下を抑制できるので、筐体前面部18が振動して筐体前面部18から放射される音が、著しい低周波成分でレベル高く発生することを抑制できる。更に、金属材料の使用量を削減し、材料コスト、重量を低減させることができる。また、本実施の形態3によれば、前蓋部材24を省略することができるので、実施の形態1に対し、部品数の増加を抑制し、組立コストの増加を抑制することができる。
実施の形態4.
次に、図6を参照して、本発明の実施の形態4について説明するが、上述した実施の形態1との相違点を中心に説明し、同一部分または相当部分は同一符号を付し説明を省略する。図6は、本発明の実施の形態4のヒートポンプ給湯室外機の外観を示す斜視図である。
図6に示すように、本実施の形態4のヒートポンプ給湯室外機1Bでは、送風機室15の前面を覆う部分の筐体前面部18の下端18cは、水冷媒熱交換器収納容器3の前面部3aの上端3bとほぼ同じ高さ位置にある一方で、機械室14の前面を覆う部分の筐体前面部18の下端18dは、ベース17とほぼ同じ高さ位置にある。すなわち、筐体前面部18は、その機械室14側の部分が送風機室15側の部分よりも下方に延長された機械室側延長部18bを有しており、その下端18c,18dの間に段差がある形状となっている。この機械室側延長部18bにより、機械室14の前面の下部が覆われている。筐体前面部18の送風機室15側の下端18cは、収納囲部材10の上端部または収納蓋部材11に対し例えばネジ等により固定される。また、筐体前面部18の機械室14側の下端18dは、ベース17に対し例えばネジ等により固定される。
本実施の形態4のヒートポンプ給湯室外機1Bによれば、筐体前面部18の下端の一部(下端18c)が水冷媒熱交換器収納容器3の前面部3aの上端3bとほぼ同じ高さ位置にあることにより、筐体前面部18の下端の全域がベース17とほぼ同じ高さ位置にある構成と比べて、筐体前面部18の面積を抑制し、筐体前面部18の固有振動数の低下を抑制できる。このため、筐体前面部18が振動して筐体前面部18から放射される音が、著しい低周波成分でレベル高く発生することを抑制できる。更に、金属材料の使用量を削減し、材料コスト、重量を低減させることができる。また、本実施の形態4によれば、前蓋部材24を省略することができるので、実施の形態1に対し、部品数の増加を抑制し、組立コストの増加を抑制することができる。
なお、本実施の形態4のように、筐体前面部18の下端の一部(下端18c)が水冷媒熱交換器収納容器3の前面部3aの上端3bとほぼ同じ高さ位置にあり、筐体前面部18の下端の他の部分(下端18d)がそれより下方(ベース17とほぼ同じ高さ位置)まで延長されている構成の場合には、図6に示すように、水冷媒熱交換器収納容器3の前面部3aの上端3bとほぼ同じ高さ位置にある部分(下端18c)が、筐体前面部18の下端の全長の過半を占めるようにすることが好ましい。これにより、筐体前面部18の面積を十分に抑制することができ、上記効果をより確実に得ることができる。
実施の形態5.
次に、図7を参照して、本発明の実施の形態5について説明するが、上述した実施の形態1との相違点を中心に説明し、同一部分または相当部分は同一符号を付し説明を省略する。図7は、本発明の実施の形態5のヒートポンプ給湯室外機の外観を示す斜視図である。
図7に示すように、本実施の形態5のヒートポンプ給湯室外機1Cでは、水冷媒熱交換器収納容器の前面部3aに板状の保護部材26を取り付けている。水冷媒熱交換器収納容器の前面部3aの一部または全域(図示の構成ではほぼ全域)は、保護部材26により覆われている。筐体前面部18の構成は、実施の形態1と同様である。本実施の形態5によれば、実施の形態1と同様に、筐体前面部18の面積を抑制し、筐体前面部18の固有振動数の低下を抑制できるので、筐体前面部18が振動して筐体前面部18から放射される音が、著しい低周波成分でレベル高く発生することを抑制できる。更に、金属材料の使用量を削減し、材料コスト、重量を低減させることができる。また、保護部材26を設けたことにより、水冷媒熱交換器収納容器の前面部3aに小傷や汚れが付くことを防止することができる。
保護部材26は、樹脂材料で構成されていることが好ましい。これにより、材料コストおよび重量を低減することができる。また、保護部材26は、例えばネジ、または嵌め合い等により、着脱可能に取り付けられていることが好ましい。これにより、保護部材26に著しい傷や汚れが付いたり保護部材26が損傷したりした等の場合に、水冷媒熱交換器収納容器3の前面部3aから保護部材26を容易に取り外して交換可能になるため、部品交換に要するコストを低減することができる。
1,1A,1B,1C ヒートポンプ給湯室外機、2 圧縮機、
3 水冷媒熱交換器収納容器、3a 前面部、3b 上端、3c 前面延長部、
4 吸入管、5 吐出管、6 送風機、7 空気冷媒熱交換器、8 水冷媒熱交換器、
9 電気部品収納箱、9a 端子台、10 収納囲部材、11 収納蓋部材、
12 断熱容器、13 断熱蓋、14 機械室、15 送風機室、16 仕切板、
17 ベース、18 筐体前面部、18a,18c,18d 下端、
18b 機械室側延長部、19 筐体後面部、20 筐体上面部、21 筐体右側面部、
21a 前面折り曲げ部、22 筐体左側面部、23 サービスパネル、
24 前蓋部材、25 支持部材、26 保護部材、29 水入口バルブ、
30 給湯出口バルブ

Claims (6)

  1. 底部を形成するベースと、
    前記ベース上に搭載され、冷媒を圧縮する圧縮機、前記冷媒と水または液状熱媒体との熱交換を行う水冷媒熱交換器、および、前記冷媒と空気との熱交換を行う空気冷媒熱交換器を有する冷凍サイクル装置と、
    前記ベース上に設置され、前記水冷媒熱交換器を収納する水冷媒熱交換器収納容器と、
    前記冷凍サイクル装置の少なくとも一部を覆うように設けられた筐体と、
    を備え
    記筐体の前面部の下端の一部または全域が前記水冷媒熱交換器収納容器の前面部の上端とほぼ同じ高さ位置にあるヒートポンプ給湯室外機。
  2. 前記筐体の前面部の下端は、前記水冷媒熱交換器収納容器の前面部の上端とほぼ同じ高さ位置にある部分と、前記ベースとほぼ同じ高さ位置にある部分とを有する請求項1記載のヒートポンプ給湯室外機。
  3. 記ベースの前端と、前記筐体の前面部の下端との間に開口が形成され、該開口を塞ぐ蓋部材が着脱可能に設けられている請求項1または請求項2に記載のヒートポンプ給湯室外機。
  4. 前記水冷媒熱交換器収納容器の前面部の一部または全域を覆う保護部材を備える請求項1乃至の何れか1項記載のヒートポンプ給湯室外機。
  5. 前記保護部材が着脱可能である請求項記載のヒートポンプ給湯室外機。
  6. 前記保護部材が樹脂材料で構成されている請求項または記載のヒートポンプ給湯室外機。
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