JP5753098B2 - 弱毒生ワクチン - Google Patents
弱毒生ワクチン Download PDFInfo
- Publication number
- JP5753098B2 JP5753098B2 JP2011550380A JP2011550380A JP5753098B2 JP 5753098 B2 JP5753098 B2 JP 5753098B2 JP 2011550380 A JP2011550380 A JP 2011550380A JP 2011550380 A JP2011550380 A JP 2011550380A JP 5753098 B2 JP5753098 B2 JP 5753098B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- mycoplasma
- vaccine composition
- group
- coli
- birds
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07K—PEPTIDES
- C07K14/00—Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
- C07K14/195—Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from bacteria
- C07K14/24—Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from bacteria from Enterobacteriaceae (F), e.g. Citrobacter, Serratia, Proteus, Providencia, Morganella, Yersinia
- C07K14/245—Escherichia (G)
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P31/00—Antiinfectives, i.e. antibiotics, antiseptics, chemotherapeutics
- A61P31/04—Antibacterial agents
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P31/00—Antiinfectives, i.e. antibiotics, antiseptics, chemotherapeutics
- A61P31/12—Antivirals
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P37/00—Drugs for immunological or allergic disorders
- A61P37/02—Immunomodulators
- A61P37/04—Immunostimulants
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07K—PEPTIDES
- C07K14/00—Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
- C07K14/195—Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from bacteria
- C07K14/30—Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from bacteria from Mycoplasmatales, e.g. Pleuropneumonia-like organisms [PPLO]
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K39/00—Medicinal preparations containing antigens or antibodies
- A61K2039/51—Medicinal preparations containing antigens or antibodies comprising whole cells, viruses or DNA/RNA
- A61K2039/52—Bacterial cells; Fungal cells; Protozoal cells
- A61K2039/522—Bacterial cells; Fungal cells; Protozoal cells avirulent or attenuated
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K39/00—Medicinal preparations containing antigens or antibodies
- A61K2039/51—Medicinal preparations containing antigens or antibodies comprising whole cells, viruses or DNA/RNA
- A61K2039/52—Bacterial cells; Fungal cells; Protozoal cells
- A61K2039/523—Bacterial cells; Fungal cells; Protozoal cells expressing foreign proteins
Landscapes
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- General Health & Medical Sciences (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
- Molecular Biology (AREA)
- Genetics & Genomics (AREA)
- Biophysics (AREA)
- Biochemistry (AREA)
- Gastroenterology & Hepatology (AREA)
- Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
- Pharmacology & Pharmacy (AREA)
- Veterinary Medicine (AREA)
- Public Health (AREA)
- Immunology (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- General Chemical & Material Sciences (AREA)
- Animal Behavior & Ethology (AREA)
- Pulmonology (AREA)
- Oncology (AREA)
- Communicable Diseases (AREA)
- Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Virology (AREA)
- Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)
- Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
- Medicinal Preparation (AREA)
- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
Description
本願は、2009年2月20日出願のオーストラリア仮特許出願第2009900736号の利益を主張する。この仮特許出願は、参照によりその全体を本願明細書に援用したものとする。
本願で使用する場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その、当該、前記(the)」は、文脈から明らかにそうではないとわかる場合を除いて、複数の言及対象を包含する。例えば、用語「1つのABCトランスポーター」は複数のABCトランスポーターをも包含する。
1つの実施形態では、本発明は、ワクチン組成物における使用のための、属Actinobacillus(アクチノバチルス)、Aeromonas(エロモナス)、Avibacterium(アビバクテリウム)、Bacillus(バチルス)、Brucella(ブルセラ)、Bartonella(バルトネラ)、Bordetella(ボルデテラ)、Burkholderia(バークホルデリア)、Escherichia(大腸菌類、エシェリキア)、Salmonella(サルモネラ)、Clostridium(クロストリジウム)、Campylobacter(カンピロバクター)、Chalmydia(クラミジア)、Coxiella(コクシエラ)、Erysipelothrix(エリシペロスリクス)、Francisella(フランシセラ)、Listeria(リステリア)、Actinobacillus(アクチノバチルス)、Haemophilus(ヘモフィルス)、Helicobacter(ヘリコバクター)、Listeria(リステリア)、Aeromonas(エロモナス)、Pasteurella(パスツレラ)、Streptococcus(ストレプトコッカス、連鎖球菌)、Shigella(赤痢菌)、Yersinia(エルシニア)、Mycoplasma(マイコプラズマ)、Mycobacterium(マイコバクテリウム)、Ornithobacterium(オルニソバクテリウム)、Mannheimia(マンヘミア)、Vibrio(ビブリオ)、Rickettsia(リケッチア)、Pseudomonas(シュードモナス)、Staphylococci(ブドウ球菌)、Ureaplasma(ウレアプラズマ)、およびPasteurella(パスツレラ)(これらに限定されない)などの生きた弱毒細菌に関する。これらの細菌属は、鳥類および様々な異なる動物(ヒトを含む)の両方にとって病原性である非常に多くの種を含む。
当該生きた弱毒細菌は対象の中で生き残る。この弱毒細菌の持続性は、好ましくは対象−疾患モデル系で評価されるが、本願明細書に記載されるワクチン組成物または免疫原性組成物が投与された対象の中で評価されてもよい。この弱毒細菌の持続性は、臨床徴候および/または症候の観察を手段として評価されてもよい。あるいはまたは加えて、持続性は、対象から採取された試料の中の当該弱毒細菌の存在の判定によって評価されてもよい。この試料は、組織試料(例えば血液、皮膚、毛髪、頬側擦過)または身体の分泌もしくは排泄の試料、例えば粘液、尿、糞便、涙液であってもよい。試料は、対象が生きている間に、または剖検もしくは死検で採取されてもよい。その試料の中の弱毒細菌の存在は、培養、分子的方法(ELISAもしくはPCRなど)または当該技術分野で公知のいずれかの方法によって評価されてもよい。さらには、剖検または死検の時のその対象の侵された領域の観察は、当該弱毒細菌がその対象の中で生き残るかどうかの判定を可能にする可能性もある。
ATP結合カセットトランスポーター(ABCトランスポーター)は、タンパク質および遺伝子の最大のスーパーファミリーのうちの1つを形成し、原核生物からヒトまでのすべての門において、代表的なABCトランスポーターが存在する。ABCトランスポーターは、ATPを利用して、細胞膜を越えて物質機能を輸送する膜貫通型タンパク質である。これらの物質としては、代謝産物ペプチド、オリゴペプチド、脂質およびステロール、および薬物が挙げられる。
当該生きた弱毒細菌が投与されることになる対象は、ヒト、ウシ亜科の動物、イヌ科の動物、ネコ科の動物、ヤギ亜科の動物、ヒツジ属の動物、ブタ類の動物、ラクダ科の動物、ウマ科の動物および鳥類を含めたいずれの脊椎動物であってもよいということが企図される。ウシ亜科の動物対象は、雌ウシ、雄ウシ、バイソンまたはバッファローであってもよい。イヌ科の動物対象は、イヌであってもよい。ネコ科の動物対象は、ネコであってもよい。ヤギ亜科の動物対象は、ヤギであってもよい。ヒツジ属の動物対象は、ヒツジであってもよい。ブタ類の動物対象は、ブタであってもよい。ラクダ科の動物対象は、ラクダ、ヒトコブラクダ、ラマ、アルパカ、ビクーナまたはグアナコであってもよい。ウマ科の動物対象は、ウマ、ロバ、シマウマまたはラバであってもよい。鳥類対象は、いずれの商業的にまたは家庭で飼育される鳥類であってもよい。特にこの鳥類は、ニワトリ(チャボを含む)、シチメンチョウ、アヒル、ガチョウ、キジ、ウズラ、ヤマウズラ、ハト、ホロホロチョウ、ダチョウ、エミューまたはクジャクであってもよい。
非機能的ABCトランスポータータンパク質を作り出すために利用される変異は、挿入、欠失もしくは置換変異またはこれらの組み合わせであってもよいが、ただしこの変異は、機能的ABCトランスポータータンパク質を発現できなくなることを導くものである。ABCトランスポータータンパク質は、複数の機能、例えばATP結合またはオリゴペプチド結合を有してもよい。非機能的ABCトランスポータータンパク質としては、その機能のうちの少なくとも1つにおいて欠損があるABCトランスポータータンパク質が挙げられる。
1つの実施形態では、当該生きた弱毒細菌は、他の病原菌またはウイルスの抗原をコードする異種の遺伝子のための担体として使用されてもよい。これにより、生きた弱毒細菌が複数の疾患に対する免疫応答を誘発するために使用することができるようになる。
当該生きた弱毒細菌は、ワクチン組成物における使用に適している。このワクチン組成物は、対象の中で生き残ることができる生きた弱毒細菌の免疫原性上有効量と、薬学的に許容できる担体または希釈剤とを含んでもよい。本願明細書に記載されるワクチン組成物または免疫原性組成物は、鼻腔内に、眼内に、皮内に、腹腔内に、静脈内に、皮下に、経口で、排泄腔を介して、エアロゾルによって(噴霧型ワクチン接種)または筋肉内に投与されてもよい。特に、点眼剤およびエアロゾルによる投与は、対象が鳥類である場合に好ましい。エアロゾル投与は、当該ワクチン組成物または免疫原性組成物を非常に多くの対象に投与するときに、特に好ましい。
投与されるべき投与量は、典型的には、投与方法およびワクチン接種が求められる対象である病原体の種類に加えて、年齢、体重およびワクチン接種を受けるべき動物によって変わることになろう。
本発明のワクチン組成物は、鼻腔内に、皮内に、排泄腔を介して、静脈内に、腹腔内に、皮下に、経口で、エアロゾルによって(噴霧型ワクチン接種)、飲料水の中に、餌の中にまたは筋肉内に投与されてもよい。家禽への施用のためには、エアロゾルによる投与および点眼剤による投与が好ましい。
シグナチャータグ化変異誘発法(Signature−tagged mutagenesis、STM)を使用して、M.gallisepticum(マイコプラズマ・ガリセプチカム)変異体ライブラリーを生成し同定した。STM戦略を図1に示す。ユニークなDNAタグが、病原体を形質転換するために使用されるトランスポゾンの中へと組み込まれ、このゲノムの中でのシグナチャータグのランダム挿入が生じる。場合によっては、このシグナチャータグ(図1A)は遺伝子の中へと組み込まれてその遺伝子を不活性化し、挿入変異をもたらす。次いで負の選択プロセスが使用され、適切な動物モデルの中でST変異体のプールがスクリーニングされる。入力側のプールおよび動物から回収されるST変異体は、個々のタグのPCR増幅、次いでハイブリダイゼーションを使用して比較される。この技術は、入力側(選択前)のプールの中に存在するが、動物対象の中での継代後に回収されるプールからは見つからない個々の変異体を同定する(図1B)。これらの見つからない変異体は、その対象の中でのコロニー形成および成長に関与する遺伝子の中に変異を含む可能性が最も高く、それゆえこれらの遺伝子は病原性に関連する決定因子をコードする可能性が高い。
菌種および培養条件
M.gallisepticum(マイコプラズマ・ガリセプチカム)(Mg) Ap3ASは、もともと、オーストラリアでブロイラーの気嚢から単離されたものであり、非常に病原性が高い。これを、10%ブタ血清を含有する改変Frey培地(MB)の中で、後期対数増殖期(pH およそ6.8)まで、37℃で成長させた。
トランスポゾンTn4001modを保有するプラスミドpISM 2062.2を使用してST変異体ライブラリーを調製した。このトランスポゾンTn4001modは、ゲンタマイシン耐性遺伝子を含有していた。各シグナチャータグは、ユニークな40bpのオリゴヌクレオチドDNA配列([NK]20;N=A、C、GまたはT;K=GまたはT)と、これに隣接する20bpの2つの不変アームからなっていた。この不変アームは、プライマー対P2/P4またはP3/P5を使用するPCRによってこのユニークな領域の増幅および標識を可能にする。このシグナチャータグをpISM 2062.2のKpnI制限酵素部位へとクローン化した(図1A)。個々のシグナチャータグの配列を表1に列挙する。
シグナチャータグによる形質転換
Mg Ap3ASの希釈物を、1.5mlのMBの中で一晩、37℃で成長させた。色の変化を示した希釈物を合わせ、室温で、16,000gで5分間の遠心分離によってその細胞をペレット化した。この細胞を、200μlの冷やしたHEPES−スクロース緩衝液(8mM HEPES、272mMスクロース(pH 7.4))の中で再懸濁させた。この細胞を、室温で、16,000gで5分間の遠心分離によってペレット化し、冷やしたHEPES−スクロース緩衝液でさらに2回洗浄し、次いで最後に4℃に冷やした400μlのHEPES−スクロース緩衝液の中で再懸濁させた。
プレート上で成長するMgコロニーを、パスツールピペットを使用して選択し、ゲンタマイシン(160μg/ml)を含有する1mlのMBの中に置き、培地が色の変化を示すまでこの培養液をインキュベーションした。200μlの体積の培養液からの細胞を、微量遠心管の中で16,000gで5分間、室温で遠心分離することによりペレット化し、そのペレットを、もとの体積の10分の1の蒸留水の中に再懸濁させた。次いでこの細胞を100℃で5分間加熱し、ここからの2μlをPCRのための鋳型として使用した。STトランスポゾンの存在を確認するために、オリゴヌクレオチドプライマーP2およびP4(表2)を使用して、ユニークな配列を含有する不変アーム内の領域を増幅させた(図3)。このPCRを20μlの反応液量の中で行った。これは2μlの10×反応緩衝液、1μMの各プライマー、200μMの各dNTP、1.5mM MgCl2 1.5UのTaq DNAポリメラーゼ(Promega)および2μlの鋳型DNAを含んでいた。この反応を、98℃で2分間の1サイクル、次いで、94℃で30秒間、50℃で30秒間および72℃で40秒間の35サイクル、および最終の72℃で7分間のインキュベーションを用いて、サーモサイクラー(Omnigene、Hybaid)の中で行った。PCR産物を、サイズ標品(HaeIIIで消化したpUC18)とともに2%アガロースゲルの中で電気泳動にかけた。
ST変異体からのDNAの単離
各ST形質転換体を、160μgのゲンタマイシン/mlを補った40mlのMBの中で、37℃で、後期対数増殖期(pH およそ6.8)まで成長させた。20,000gで30分間の遠心分離によって細胞を回収し、冷やしたPBSの中で2回洗浄し、SDSを加えて細胞を溶解し、次いでゲノムDNAにせん断を加えるためにその溶液を26ゲージ針に通した。ゲノムDNA抽出を、HighPure PCRキット(Roche)を用いて、わずかの変更を加えて製造業者の手順書に従って行った。最初のリゾチーム処理を省き、200μlではなく50μlの体積の10mM Tris緩衝液(pH 8.0)の中でDNAをカラムから溶出させた。既知の濃度の分子量標品(HindIIIで消化したファージλ DNA)と一緒に0.7%アガロースゲルの中で1μlの試料を電気泳動にかけることにより、精製したDNAの量を推定した。
ゲノムDNAの配列決定のための手順を、Wada(2000)から改変し変更した。Tn4001に結合するプライマーIGstmGenmeF3(表2)を、トランスポゾン−ゲノムDNA接合部にわたって、およびAp3AS ゲノムDNAへと配列決定するために使用した。この配列を、ABI PRISM Big Dye 3.1 Terminatorケミストリー(Applied Biosystems Incorporated)を使用して決定した。各反応液は、2〜3μgの精製したゲノムDNA、10μMのプライマーおよび4μlのBig Dye 3.1 酵素混合物からなっており、サイクルシークエンス法を、95℃で5分間の1サイクル、次いで95℃で30秒間、55℃で30秒間および60℃で4分間の60サイクルを使用してiCycler(商標) (Bio−Rad)の中で行った。次いで製造業者の推奨手順に従って生成物を清浄にし、次いでABI 3100キャピラリーシークエンサーおよび関連ソフトウェア(Applied Biosystems Incorporated)を使用して分析した。各STトランスポゾンについての挿入部位を、BLASTプログラム(National Center for Biotechnology Information、NCBI)またはFASTAバージョン 3.3t07(PearsonおよびLipman、1988)を使用して決定し、このDNA配列をM.gallisepticum(マイコプラズマ・ガリセプチカム)株RlowゲノムのDNA配列と比較した。
37のシグナチャータグの各々に相補的なオリゴヌクレオチドを合成した。このオリゴヌクレオチドを、TE緩衝液の中に100μMの濃度まで再懸濁させた。10μlの体積の、各オリゴヌクレオチドの溶液(3ピコモルを含有する)を、Bio−Dot SF(登録商標) Microfiltration Apparatus(Bio−Rad)を製造業者の取扱説明書に従って使用してHybond−N+ナイロン膜(Amersham Pharmacia Biotech)上にスポッティングし、次いでこのオリゴヌクレオチドを3分間のUV架橋によってその膜に固定した。各シグナチャータグに対応するDNAプローブを、オリゴヌクレオチドプライマーP2およびP4をジゴキシゲニン(DIG)(Roche)で、市販品を用いて標識したことを除いて、上記のPCR反応を使用して合成した。DIG標識したプローブを、振盪する水浴の中で、DIG Easy Hyb緩衝液(Roche)の中、40℃で16〜18時間、膜にハイブリダイズさせ、次いでその膜を、第2の洗浄を45℃で行ったことを除いて製造業者の取扱説明書に従って洗浄した。結合したプローブを、DIG Luminescent Detection Kit(Roche)を使用して検出し、検出を、Biomaxフィルム(Kodak)を使用して記録した。PCRも行い、ゲンタマイシン耐性遺伝子の存在およびマイコプラズマ形質転換体の種を確認した。1.5mMのMgCl2、200μMの各dNTPおよび1μMの各プライマーを含有する25μl反応混合物の中で1.5U Taq DNAポリメラーゼを使用して、各PCR反応を行った。Mg 16S rRNA遺伝子の1つの領域を、95℃で5分間、次いで95℃で10秒間、58℃で10秒間および72℃で25秒間の35サイクルを通したインキュベーションによって増幅した。予想される生成物はサイズが219bpであった。ゲンタマイシン耐性遺伝子の断片を、95℃で2分間、次いで95℃で30秒間、60℃で30秒間および72℃で15秒間の28サイクルを通してのインキュベーションによって、そして72℃で5分間の最終のインキュベーションによって増幅した。生成物の予想されるサイズは278bpであった。
DIG標識したシグナチャータグのプールを、上記のとおりの37のシグナチャー−タグオリゴヌクレオチドを含有する単一膜にハイブリダイズさせた。DIG標識したタグは、このタグとプローブとの間のクロスハイブリダイゼーションがない限り、対応するユニークなオリゴヌクレオチドにのみ結合すると予想されるであろう。例えば、標識したタグ02、03および04を含有するプールはドットブロット上のオリゴヌクレオチドタグ02、03 04にのみ結合すると予想され、いずれの他の陽性反応も交差反応とみなされるはずである。クロスハイブリダイゼーション反応は、標識したシグナチャータグの13の異なるプールを使用して評価した。
ST変異体の生細胞数の算出
1mlあたりの色変化の単位(CCU/ml)として測定した各ST変異体培養液の生菌数を、以下の手順を使用して決定した。滅菌した96穴マイクロタイタープレート(Nunculon、Nunc)の各ウェルに、ゲンタマイシン(160μg/ml)を含有する225μlの滅菌したMBを加えた。8ウェルの第1の列に、25μlの変異体培養液を各ウェルに加え、ピペット操作により数回混合し、そして各ウェルからの25μlを次の列に移し、新しい組のチップを使用して混合した。この一連の連続10倍希釈を列10まで繰り返し、この列10から25μlを捨てた。列11および12を陰性対照として使用した。次いでこのプレートをLinbro(登録商標) プレートシール(ICN Biochemicals)で密封し、37℃で最高2週間、インキュベーションした。培地のpHの大きな低下は培養液の成長を反映し、これは培地の中のフェノールレッド指示薬の赤色から黄色への色の変化によって示される。列1を1/10希釈物とみなし、この培養液の最初の希釈についての補正の後に、CCU/mlの数字を、最確数表を使用して算出した。ニワトリの接種のために必要とされる各形質転換体の用量は1×107CCU/mlであった。
16羽の4週齢の特定病原体不在(SPF)の白色レグホン(White Leghorn)種のニワトリを、陽圧のファイバーグラスの隔離飼育器の中で収容した。10のST変異体の一連の希釈物を、160μg/mlのゲンタマイシンを含有するMBの中で、マイクロタイタープレートで一晩成長させた(表3)。各クローンの成長を翌日に評価し、対数期にあると見積もった希釈物から採取した100μlをプールに加えた。次いでプールしたST変異体をさらに10倍MBの中で希釈し、この希釈したプールを接種材料として使用した。16羽のニワトリのうちの12羽を、エアロゾルとしての投与によってこのプールしたST変異体に感染させた。残りの4羽のトリは接触感染対照としての役割を果たし、エアロゾル感染の3日後に隔離飼育器に入れた。エアロゾルに感染したトリのうちの6羽を、感染から14日後に安楽死させて試料とし、残り(すべての接触感染のトリを含む)を、感染から28日後に安楽死させて試料とした。
エアロゾル感染前および安楽死前にすべてのトリから血液試料を採取し、室温で3時間放置して凝固させた。次いで試料を室温で10,000gで5分間遠心分離することにより血清を回収し、次いでM.gallisepticum(マイコプラズマ・ガリセプチカム)に対する抗体反応を判定するためのRSA試験を使用して試験した。このRSA試験は、25μlの未希釈の血清および25μlの染色した市販のMg RSA抗原(Intervet International)をガラスプレート上で混合し、1分間揺り動かすことにより、行った。試験は、0(塊の生成なし)〜4(抗原の大きい塊)の段階を使用して採点した。各試験は、対照として陰性血清および陽性血清の両方を含んでいた。ニワトリを二酸化炭素吸入によって安楽死させた。肉眼的気嚢病変を調べ、重症度について以下のとおりの0〜3の段階で採点した:
0=病変なし、気嚢は薄い透明な膜
1=気嚢に付着した乾酪性フィブリンの小さい斑点
2=気嚢は濁ったように見え、かつ厚化し、中程度の量の乾酪性フィブリンが気嚢に付着している
3=厚化した気嚢、および厚い乾酪性フィブリンで覆われた表面。
ST変異体の確認
P2/P4プライマー対を使用してシグナチャータグから生成されたPCR産物の予想したサイズは、タグ25からのサイズ(これは67bpであった)を除いて、79〜81bpの間であった。シグナチャータグを含有する各プラスミドをMg株Ap3ASに導入し、形質転換体を無作為に選択し、ゲンタマイシンを補った培地の中で成長させた。成長を示したすべてのMB培養液をPCRにかけ、ユニークなシグナチャータグを含有するST変異体(図2)の存在を検出した。ST変異体ライブラリーを、各シグナチャータグから生成した少なくとも9の形質転換体を用いて確立し、さらなる実験のために使用した。
この章に記載する研究で使用した10のMg STクローンの各々についてのトランスポゾン挿入部位を、ゲノムDNAを直接配列決定することによって決定した(表3)。このトランスポゾンは、5つのST変異体において、ユニークな仮想タンパク質または保存された仮想タンパク質のいずれかをコードする領域に挿入した。
シグナチャータグ間のクロスハイブリダイゼーション
ほとんどのタグは特異的であり、わずかにいくつかだけが他のタグに相補的なオリゴヌクレオチドとクロスハイブリダイゼーションした。タグ02と37との間の強い交差反応があった(プールA、E、GおよびHにおいて)。いくつかのクロスハイブリダイゼーションもタグ15と30との間で検出した(プールD、IおよびJにおいて)が、プールBに関してはクロスハイブリダイゼーションを検出しなかった。タグ13(これがプールの中にあるとき)とタグ28との間で一方向性のハイブリダイゼーションがあった。これは、タグ29と23(プールDおよびH)、およびタグ29と24(プールDおよびH)に関しても、見られた。
気嚢の血清学的試験および肉眼的検査
抗M.gallisepticum(マイコプラズマ・ガリセプチカム)抗体応答を、感染の前後でRSA(表4)によって測定した。感染前には、トリではM.gallisepticum(マイコプラズマ・ガリセプチカム)特異的抗体を検出しなかった。エアロゾルによって感染したニワトリのうちで、3分の2が、感染後2週間の時に1より大きいRSAスコアを有しており、そしてすべてが感染後4週間までに陽性となり、RSAスコアは1〜4の間であった。接触感染対照のうちのただ1羽のみが1のRSAスコアを有していた。軽度の気嚢病変(0.5のスコア)は感染後2週間の時に2/6のトリで見られ、感染後4週間の時に3/6のニワトリで見られ、一方で、1羽のトリは腹部気嚢に重篤な病変を有していた(2.5のスコア)。接触感染対照のうちのただ1羽のみが軽度の病変(0.5のスコア)を有していた。詳細な結果を表4に示す。
MAプレートを、ゲンタマイシンの存在下および不存在下でのM.gallisepticum(マイコプラズマ・ガリセプチカム)の成長について調べた。インビボ継代後の、ST変異体からのトランスポゾンの喪失の証拠はなかった。M.gallisepticum(マイコプラズマ・ガリセプチカム)は、接種から2週間後では1羽のトリの気嚢および2羽のトリの気管の拭き取り検体を接種したMAプレート上で、および感染後4週間では4羽のニワトリの気管の拭き取り検体を接種したMAプレート上で上でのみ単離した。M.gallisepticum(マイコプラズマ・ガリセプチカム)を、感染から14日後に1羽のトリの心臓から採取した拭き取り検体からも単離した。接触感染対照のどの器官の拭き取り検体からも、M.gallisepticum(マイコプラズマ・ガリセプチカム)を単離しなかった(表4)。感染後2週間に採取した気嚢の拭き取り検体の1つのブロス培養液および気管の4つのブロス培養液は色の変化を示し、10のユニークなタグのうちの3つを、これらの試料からDIGハイブリダイゼーションによって検出した。色の変化を示したブロス培養液は、感染から28日の2羽のトリの気嚢の拭き取り検体および3羽のトリの気管の拭き取り検体から、ならびに5羽のトリの肺、4羽のトリの心臓、2羽のトリの肝臓、3羽のトリの腎臓、4羽のトリの脾臓および1羽のトリの脳を含めた他の器官の拭き取り検体からも得られた。色の変化を示したブロス培養液は、接触感染のトリのうちの1羽の気管、2羽の腎臓および2羽の脳の拭き取り検体からも得られた。しかしながら、21日間のインキュベーション後の色の変化を示した培養液の中のゲンタマイシン耐性遺伝子およびMg 16S rRNA遺伝子の存在を検出するために行ったPCRはすべて陰性であった。これは、これらの培養液の中で観察した色の変化はM.gallisepticum(マイコプラズマ・ガリセプチカム)の成長から生じたものではないということを示唆した。タグ02、32、35および37を保有する変異体は、トリの気嚢、気管から、および1羽のトリの脳から忠実に回収され、最も一般的に検出したタグはタグ32および37であった(表4)。いくつかのブロス培養液はインキュベーション後7日以内に色の変化を示したが、タグはDIGハイブリダイゼーションによって検出することができなかった(データは示さず)。
(緒言)
STM技術は2つの主要な工程からなる:インビトロでのタグ化変異体ライブラリーの作成、次いで動物におけるインビボでの負の選択。上記の実施例1に記載した改変ハイブリダイゼーション検出システムを使用すると、入力側のプールは互いにクロスハイブリダイゼーションしないタグに由来する変異体のみを含有し、また検出のための明瞭なシグナルを与えた。実施例1のST変異体ライブラリーは、37の異なるタグ化トランスポゾンを使用して生成した。この実施例は、感染したニワトリにおける負の選択を使用して、病原性に関与するかまたはインビボでの生存のために必要とされる遺伝子を同定するための34の異なるタグを含有する102のST変異体のスクリーニングを記載する。
ST変異体の中の挿入部位の決定
各ST変異体由来のゲノムDNAを、特異的プライマー(表2)を使用する直接配列決定にかけた。配列データを得ることができなかったか、またトランスポゾンの末端の後に混合配列決定信号を生成したST変異体については、サザンブロッティングを使用してトランスポゾン挿入の数を決定した。次いで複数のトランスポゾン挿入を有するST変異体は、トランスポゾン挿入点を同定しようとするさらなる試みには含めなかった。サザンブロッティング用のプローブを、タグ領域を増幅するためのDIG標識したプライマー(P2およびP4)を使用して調製した(表2)。ST変異体のゲノムDNAを、20Uの制限エンドヌクレアーゼ BglII(New England Biolabs)を用いて、37℃で一晩消化し、得られた断片を2.5V/cmで0.7%アガロースゲルの中で一晩分離した。次いで、分離した断片をHybond N+ナイロン膜上に移し、DIG標識したプローブにハイブリダイズさせ、DIG Luminescent detection Kit(Roche)を製造業者の取扱説明書に従って使用してハイブリダイゼーションを検出し、ルミネセンスをBiomax Film(Kodak)上で記録した。
ST変異体の調製
3つの接種材料(グループA、BおよびC)の各々についての34のST変異体(この34のST変異体の各々が別個のタグを含有する)の各々の10倍希釈シリーズ(この3つの実験グループについて全部で102の変異体)を、ゲンタマイシン(160μg/ml)を補ったMBの中で、マイクロタイタープレートに作製し、37℃で一晩インキュベーションした(表5)。適切な色の変化をもたらした各変異体の希釈物を接種のために使用した。各変異体の適切な培養液の0.1ml試料を取り、他の変異体の培養液と混合して、プールした接種材料を作成した。次いでこのプールしたST変異体を、ニワトリのエアロゾル接種のためにすぐに使用した。
実験計画
全部で90羽の4週齢のSPFのニワトリを無作為に3つのグループに割り振り、これらの各々を、陽圧のファイバーグラスの隔離飼育器の中で別々に収容した(1グループあたり30羽のトリ)。各グループの20羽のトリを、ST変異体のプールを用いてエアロゾルによって接種し、残りの10羽のニワトリは、接触感染対照として働き、この10羽のニワトリは、エアロゾルへの曝露から3日後に、接種したトリと一緒に置いた。接触感染対照は、ST変異体の伝染の能力を検討するために使用した。感染から14日後に、10羽の接種したニワトリから血液試料を集め、そしてこれらのニワトリを安楽死させ、病変を調べた。この血液試料を、M.gallisepticum(マイコプラズマ・ガリセプチカム)に対する抗体について、後述するような、RSA試験を使用して試験した。すべてのトリを肉眼的気嚢病変について調べ、これらを、後述するような0〜3の段階で重症度について評価した。各トリの気嚢および気管の拭き取り検体を培養し、後述するようにマイコプラズマを回収した。色を変えた各ブロス培養液からDNAを抽出し、ユニークなタグ領域を増幅するためのPCRにおける鋳型として使用した。次いでPCR産物を、後述するように、存在するST変異体を同定するためのサザンブロットで使用した。MAプレートを、後述するように、10日間のインキュベーション後にチェックした。接種から28日後に同じ手順を使用して、残りのトリを安楽死させ、調べ、試料採取した。
M.gallisepticum(マイコプラズマ・ガリセプチカム)ST変異体の調製
初期スクリーニング実験で再単離しなかったST変異体の希釈物を、160μgゲンタマイシン/mlを含有するMBの中で、37℃で一晩成長させた。適切な程度の色の変化を引き起こした各ST変異体の希釈物を接種のために使用した。各変異体の培養液の0.1ml試料を他の変異体の試料と混合し、次いでこのプールを、新しいプールした接種材料として使用するためにMB中で10倍希釈し、これを、エアロゾルによってニワトリに接種するために使用した。
この確認的実験は、最終的な試験のための候補ST変異体の数を絞るために行った。実験計画および方法は、図4に示す初期スクリーニング実験と同様であった。全部で40羽の4週齢のSPFのニワトリを2つのグループに割り振った。初期スクリーニング実験では接種したトリの中で検出できなかったST変異体を、2つの接種材料(この各々を、トリの2つのグループのうちの1つにエアロゾルによって接種するために使用した)のうちの1つに割り振った。接触感染対照は、この実験には含めなかった。しかしながら、すべての40羽のトリを同じ陽圧のファイバーグラスの隔離飼育器の中に入れたので、従って、各グループは他のグループに対する接触感染対照として使用することができた。これまでに記載したように同じ手順を使用して、接種から14日後に試料採取を行った。手短に言えば、接種前および安楽死の直前に血液試料を集めた。気嚢および気管由来の拭き取り検体を、マイコプラズマの単離のために、死体解剖で集めた。すべてのトリを、肉眼的気嚢病変について調べた。RSAアッセイを使用して血清を試験した。色を変えた各ブロス培養液からDNAを抽出し、ユニークなタグ領域を増幅するためのPCRにおける鋳型として使用し、このあとこのユニークなタグ領域をドットブロットハイブリダイゼーションアッセイにおけるプローブとして使用した。これまでに記載したように、37℃で10日間のインキュベーション後にMAプレートをチェックした。MAプレートからいくつかのコロニーを集め、ゲンタマイシンを補ったMB中、37℃で、色の変化が見られるまで培養した。DNAを抽出し、実施例1にこれまでに記載されたとおりに、Mg 16S rRNA遺伝子の219bpの断片を増幅することによりマイコプラズマの種を確認するためのPCRアッセイにおける鋳型として使用した(図4)。
配列決定結果(表2)に基づいて各ST変異体に特異的なPCRプライマーを設計した。それらを、接種したトリ由来の培養液の中でST変異体の各々を検出するために、プライマーIGstmGenmeF3とともにPCRアッセイで使用した。2μlの鋳型としての抽出したDNA、2μlの10×反応緩衝液、1μMの各プライマー、200μMの各dNTPおよび1.5UのTaq DNAポリメラーゼ(Promega)を含有する20μlの体積でPCRを行った。PCRを、95℃で2分間の1サイクル、次いで94℃で45秒間、52℃で45秒間および72℃で1分間の35サイクル、および最終の2℃で7分間のインキュベーションを用いて、サーモサイクラー(Omnigene、Hybaid)の中で行った。
ST変異体における挿入点をマッピングすること
直接ゲノム配列決定技術を使用して、トランスポゾンの挿入部位を、91のST変異体において決定した。11の変異体については信頼できる配列データを得ることができなかった(表5)。ほとんどの場合、挿入部位はグループA、BおよびCでは同じであったが、唯一の例外はST変異体01−1、02−2、02−3、04−3、09−3および17−3であった。
病理学的および血清学的な知見
各実験グループからのRSA結果を表7に示す。いずれのトリ由来の血清においても、接種時には、抗マイコプラズマ抗体を検出しなかった。一般に、感染後2週間よりも4週間におけるほうがより多くの血清が陽性であり、どのグループにおいても接触感染のトリで抗体応答を検出しなかった。接種後4週間(グループA、BおよびCにおいてそれぞれ0、1および2)よりも、2週間(グループA、BおよびCにおいてそれぞれ2、2および4)におけるほうが、より多くのトリが気嚢病変を有していた。グループCで1羽のニワトリが接種後4週間で3.0の病変スコアを有していたことを除いて、より重篤な気嚢病変は、接種から2週間後(グループAにおいて0.5、グループBにおいて1.0〜2.0およびグループCにおいて0.5〜2.5のスコア)に観察された。より多くの気嚢病変がグループCで見出された。病変の重症度は、RSA結果とあまり相関しておらず、いくつかのトリは高いRSAスコアを有していたが検出可能な気嚢病変は有していなかった。
接種から14日後および28日後にトリから採取したブロス培養液の結果を表7に要約する。M.gallisepticum(マイコプラズマ・ガリセプチカム)の回収のパターンは、予備的な実験で見られたパターンと類似であり、気嚢よりも気管からより多く単離された。一般に、感染後4週間よりも2週間においてより多くの単離がなされた。グループBでは接触感染のトリからはST変異体は再単離されなかったが、グループAでは5つの異なるST変異体を接触感染のトリから再単離し、グループCでは接触感染のトリから2つの異なるST変異体を再単離した。タグ20を保有するST変異体は、気嚢から、および気管から回収される最も一般的なものであり、すべての3グループにおいて高い検出率を有していた。次に最も一般的に単離した変異体は、タグ28を保有する変異体であった。12の異なるタグによって表される16のST変異体は、再単離することができず、それらにはST変異体02−1(−2)、03−1(−2/−3)、04−1(−2)、04−3、06−1(−2/−3)、09−1(−2)、09−3、10−1(−2/−3)、15−1(−2/−3)、17−1(−2)、17−3、22−1(−2/−3)、23−1(−2/−3)、25−1(−2/−3)、33−1(−2/−3)および34−1(−2/−3)が含まれる。
初期スクリーニング実験で検出できなかった16のST変異体を2つのグループに分けた。トランスポゾン挿入部位に関する配列データおよびサザンブロッティングは、ST変異体04−1および04−2の中のトランスポゾンは同じ挿入部位を有するが04−3の挿入部位とは異なる挿入部位を有するということを示した。ST変異体09−1および09−2の中のトランスポゾン挿入部位は同一であるが、変異体09−3は複数の挿入を有していた。同じ状況は、ST変異体17−1、17−2および17−3においても見出された。これらの変異体のいずれも、初期スクリーニング実験では検出することができず、そのため、それらは、それらを見分けることができるように、2つの異なる接種材料の中へと入れた。グループ間で潜在的な伝染があり、これらの3つのシグナチャータグがドットブロットハイブリダイゼーションによって検出された場合は、PCRは、トリから再単離された変異体を同定するために使用することができた。
実験中にグループAの1羽のトリが死亡し、グループBの中の1羽が死亡した。グループAにおいて、重篤な気嚢病変(2.5のスコア)が1羽のトリで見られ、軽度の病変(0.5および1.0)が別の2羽のニワトリにおいて見られた。グループBでは1羽のトリが軽度の気嚢病変(1.0)を有していた。抗M.gallisepticum(マイコプラズマ・ガリセプチカム)抗体は、接種の前には検出されなかった.接種から2週間後に、グループAのニワトリの15/19がRSA陽性であったのに対し、グループBのトリの14/19が陽性であった。詳細な結果を表8に示す。
M.gallisepticum(マイコプラズマ・ガリセプチカム)は、両方のグループにおいて、気嚢からよりも気管から採取した拭き取り検体を用いて接種したMAプレート上で、より一般に単離された。M.gallisepticum(マイコプラズマ・ガリセプチカム)は、両方のグループにおいて、2羽のトリの気嚢の拭き取り検体を用いて接種したMAプレート上で単離され、そしてグループBのニワトリの18/19の拭き取り検体から接種したMAプレート上で単離された。
(ST変異体の調製)
初期スクリーニング実験でも確認的スクリーニング実験でも検出されたことがない2つのST変異体、04−1および33−1、ならびにまれに検出された5つ(ST変異体03、18、20、22および26)を、160μg/mlのゲンタマイシンを補ったMB中、37℃で後期対数増殖期まで培養した。野生型Ap3ASを、ゲンタマイシンを含有しないMBの中、37℃で培養した。各株の濃度を、上記の方法を使用して、およそ1×107CCU/mlに調整した。
実験計画
8つのグループの4週齢のSPFのニワトリを、陽圧のファイバーグラスの隔離飼育器の中に別々に収容した(1グループあたり20羽のトリ)。6つのグループの各々を、異なるST変異体を用いてエアロゾルへの曝露によって接種した。陰性対照のトリをMBに曝露し、陽性対照のトリを野生型Ap3ASに曝露した。これらのトリを感染から14日目に安楽死させ、上記のとおりに死体解剖検査を行った。血清および拭き取り検体を各トリから集め、MAプレート上に接種し次いでゲンタマイシンを含まないMBの中に入れた、Ap3AS感染グループから採取した拭き取り検体を例外として、抗マイコプラズマ抗体について検出およびマイコプラズマ単離を上記のとおりに行った。色の変化を示した各ブロス培養液からDNAを単離して、これを、P2/P4プライマー対(表2)を使用してユニークなタグ領域を増幅するためのPCRにおいて鋳型として使用した。PCR産物を、これまでに上で記載されたとおり、特異的タグの存在を検出するためのドットブロットハイブリダイゼーションにおけるプローブとして使用した。また、接種したトリの中のST変異体(表2)を同定するための付加的なツールとしてIGstmGenmeF3プライマーおよび各ST変異体に特異的なプライマーを使用してPCRを行った。気管の上部、中央部および下部を各トリから採取し、組織病理学的に調べ、粘膜の厚さを測定した。
ドットブロットハイブリダイゼーションおよびPCR増幅を使用して、ブロス培養液の中の各ST変異体を検出した。野生型Ap3ASはシグナチャータグを含有しないため、ドットブロットハイブリダイゼーションは、陽性対照グループからの培養液については使用することができなかった。ドットブロットハイブリダイゼーション技術は、上で詳述されている。手短に言えば、色の変化を示した培養液から抽出されたDNAの中のタグ領域は、DIG標識したプライマーセットを使用して増幅された。この実験で使用した変異体を同定する7つのシグナチャータグに対応するオリゴヌクレオチドをナイロン膜上にスポッティングし、その後、ハイブリダイゼーションで使用した。DIG Luminescent Detection Kit(Roche)を製造業者の取扱説明書に従って使用して、ハイブリダイゼーションを検出した。各変異体についての配列決定データを使用して、各ST変異体に特異的なPCRプライマーを設計した。野生型株Ap3ASの再単離を確認するために使用したプライマー対(STM13−KE−C’−1−RevおよびSTM13−KF−C’)は、ST変異体13−1、13−2および13−3を配列決定したときに同定された領域を標的にしていた(表2)。
気管切片の調製
上部、中央部および下部の気管の試料を集め、固定のために、10%の中性に緩衝化したホルマリン(1リットルあたり10% ホルマリン、4g NaH2PO4および6.5g Na2HPO4)に少なくとも24時間浸漬した。次いで組織をパラフィンワックスの中へと処理し、次いで真空包埋した。厚さ2μmの切片を切り出し、ガラススライドの上に採取した。脱ろうおよび再水和の後、この切片をヘマトキシリンおよびエオシンで染色し、病変についておよび粘膜の厚さの測定について光学顕微鏡法によって調べた。
気管の上部、中央部および下部の切片における組織学的な病変を、重症度について以下のとおりの0〜3の段階で採点した:
0=目立った変化なし;
0.5=リンパ球の非常に小さい凝集体(2未満の病巣)または非常にわずかの、散在性のリンパ球浸潤;
1=リンパ球の小さい凝集体(2よりも多い病巣)またはリンパ球の散在性の浸潤によって引き起こされる粘膜のわずかの肥厚;
2=偽好酸球およびリンパ球浸潤に起因する粘膜の中程度の肥厚、ならびに管腔の滲出に伴う、または管腔の滲出が伴わない上皮の変性に付随して起こる浮腫;
3=偽好酸球およびリンパ球の浸潤によって引き起こされるかなりの肥厚、ならびに扁平上皮化生または上皮の変性および管腔の滲出を伴う浮腫。
マンホイットニーのU検定(Mann−Whitney U test)(Windows(登録商標)用Minitab バージョン14.2)を使用して、各実験グループについての中央値組織学的気管病変スコアを比較した。スチューデントのt−検定(Student’s t−test)および一元配置分散分析(ANOVA)を使用して、平均の気管粘膜の厚さを比較した。確率(P値)≦0.05を、有意であるとみなした。
ST変異体の各々ならびにAp3ASおよびts−11株の対数増殖期中期(mid−log phase)の培養液1mlの試料の中の細胞を、16,000gで5分間の遠心分離によって集め、次いで1×SDS−PAGE溶解緩衝液に再懸濁させ、100℃で5分間インキュベーションし、その後に氷の上で急速冷却した。全細胞タンパク質を、12.5%ポリアクリルアミドゲルの中で分子質量標品(Marker 12(商標) Wide Range Protein Standard、Novex)と一緒に分離し、次いでクーマシーブリリアントブルー(Coomassie brilliant blue)で染色した。
(ST変異体の病原性および感染力)
臨床徴候および死体解剖検査
気嚢病変は、ST変異体04−1(グループ2)、33−1(グループ3)または22−1(グループ8)のエアロゾルに曝露されたトリでは、または陰性対照のトリ(グループ1)では、見られなかった。軽度の病変(0.25のスコア)を、ST変異体03−1(グループ4)で接種した1羽のトリで観察した。ST変異体26−1(グループ5)に感染した20羽のトリのうちで、4羽は軽度の病変(0.50〜1.00)を有していたのに対して、ST変異体18−1(グループ6)に曝露された4羽のトリの腹部気嚢で病変を観察したのみであった。ST変異体20−1に感染したグループ(グループ7)において20羽のトリのうちの6羽が軽度〜重篤な病変(0.50〜2.50)を有していたのに対し、軽度〜重篤な病変(0.50〜3.00)が、病原性のAp3AS株(グループ9)に感染した18羽のトリのうち11羽で見られた。結果を表9に要約し、図6でグラフによって示す。
感染の時に、抗マイコプラズマ抗体は、いずれの実験用のトリの血清においても、RSA試験を使用して検出されなかった。感染から2週間後に、抗体応答は、グループ2、3、5および8のトリのいずれにおいても検出されなかったが、一方で応答は、グループ4の中で1羽のトリだけで検出可能であった。対照的に、M.gallisepticum(マイコプラズマ・ガリセプチカム)に対する強いRSA反応は、グループ6および7のすべてのトリで検出可能であった。陰性対照トリ(グループ1)は、RSA試験においてMgに対する反応性を示さなかったが、一方ですべての陽性対照のトリ(グループ9)はMgに対して強いRSA反応を有していた(表9、図6)。M.gallisepticum(マイコプラズマ・ガリセプチカム)は、グループ2(ST変異体04−1に感染)またはグループ3(ST変異体33−1に感染)のいずれのトリの気嚢または気管の拭き取り検体を用いて接種したMAプレート上では単離されなかった(表9)。M.gallisepticum(マイコプラズマ・ガリセプチカム)は、グループ4(ST変異体03−1に感染)または8(ST変異体22−1に感染)のいずれのトリの気嚢の拭き取り検体を用いて接種したMAプレート上では単離されなかったが、それらは、グループ4の中の2羽のトリおよびグループ8の中の1羽のトリの気管から単離された。グループ5(ST変異体26−1に感染)では、M.gallisepticum(マイコプラズマ・ガリセプチカム)は1羽のトリの気嚢および6羽のトリの気管から単離された。M.gallisepticum(マイコプラズマ・ガリセプチカム)は、グループ6(ST変異体18−1に感染)の20羽のトリのうちの17羽およびグループ7(ST変異体20−1に感染)のすべてのトリの気管からも単離され、グループ6の20羽のトリのうちの5羽およびグループ7の20羽のトリのうちの7羽の気嚢の拭き取り検体からも単離された。陽性対照グループ(グループ9)では、M.gallisepticum(マイコプラズマ・ガリセプチカム)は、18羽のトリのうちの9羽の気嚢および18羽のトリのうちの17羽の気管から単離された。M.gallisepticum(マイコプラズマ・ガリセプチカム)は、MAプレート上よりもMB中でインキュベーションした拭き取り検体からより高頻度で単離された。M.gallisepticum(マイコプラズマ・ガリセプチカム)は、ST変異体04−1(グループ2)に曝露されたいずれのトリの気嚢または気管の拭き取り検体で接種したMBの中では単離されなかった(表9)。他の変異体に感染したグループでは、Mgは、グループ5(ST変異体26−1)の1羽のトリ、グループ6(ST変異体18−1)の7羽のトリおよびグループ7(ST変異体20−1)の8羽のトリの気嚢の拭き取り検体で接種したMBにおいて回収された。Mgは、ST変異体に曝露されたグループの6羽のトリの気管から回収され、感染したトリの数は、グループ3(ST変異体33−1に感染)の2羽からグループ7(ST変異体20−1に感染)の20羽の範囲であった。回収されたM.gallisepticum(マイコプラズマ・ガリセプチカム)ST変異体の正体(identity)は、それらが保有するユニークなシグナチャータグを使用して確認した(表9)。
中央値気管病変スコア(median tracheal lesion score)を表10に示す。変異体に感染したグループすべてのトリのスコアは、陽性対照グループ(グループ9)のトリのスコアとは有意に異なっていた(P<0.0001)。陰性対照グループ(グループ1)とグループ5(ST変異体26−1に感染)または7(ST変異体20−1に感染)との間で有意差はなかった。ST変異体18−1(グループ6)に感染したトリの下部気管病変スコアは、グループ2、3、4、5および7のトリの下部気管病変スコアとは異なっていなかったが、グループ8(ST変異体22−1に感染)のトリおよび陰性対照グループ(グループ1)のトリの下部気管病変スコアとは有意に異なっており、その一方で陽性対照グループのトリの気管中央部における病変スコアだけが、他のグループのいずれのもののトリの病変スコアと異なっていた。平均の気管粘膜の厚さを表10に示す。気管中央部の平均の粘膜の厚さは、変異体に感染グループ(グループ2〜8)のいずれの間でも有意には異ならなかった。しかしながら、それらは、グループ2および7における平均の粘膜の厚さを除いて、陰性対照グループ(グループ1)の平均の粘膜の厚さよりも、すべて有意に大きく、しかもそれらは陽性対照グループ(グループ9)の平均の粘膜の厚さよりも有意に小さかった。上部および中央部の気管の粘膜の厚さにおいて陰性対照とグループ7(ST変異体20−1に感染)との間に有意差はなかったが、下部気管においては差があった(P=0.004)。
(ST変異体ワクチンの調製)
ST変異体26−1を、160μgゲンタマイシン/mlを補ったMB中、37℃で成長させた。この培養液の中の生物の濃度を決定するために使用した方法は上記のとおりであった。ST変異体26−1の濃度は、ワクチン接種についておよそ1×107CCU/1滴(22.5μl)に調整し、次いで各トリに、この培養液の1滴によって眼内にワクチン接種した。
全部で80羽の5週齢のSPFのニワトリを無作為に4つのグループに割り当て、これらを陽圧のファイバーグラスの隔離飼育器の中に収容した。ST変異体26−1は、0日目に点眼剤によって投与した。野生型Ap3ASは、免疫化の2週間後にトリを抗原接種するために、エアロゾルによって投与した。グループ1のトリは、陰性対照としての役割を果たした。これらのトリは、0日目に点眼剤によってMBでワクチン接種を受け、14日目にエアロゾルによってMBで抗原接種された。グループ2のトリは、陽性対照としての役割を果たした。これらは、0日目に点眼剤によってMBでワクチン接種を受け、14日目にエアロゾルによって野生型Ap3ASで感染された。グループ3のトリは、ワクチン接種対照としての役割を果たした。これらのトリは、0日目に点眼剤によってST変異体26−1を投与された。次いでMBが、ワクチン接種から14日後に、エアロゾルによって与えられた。グループ4のトリは、ワクチン接種を受けかつ抗原接種したグループとしての役割を果たした。ニワトリは、0日目に点眼剤によってST変異体26−1で免疫化し、14日目にエアロゾルによって野生型Ap3ASで抗原接種した。
ワクチン接種、抗原接種および安楽死の前に、すべてのニワトリから血液試料を集めた。次いで血清を回収し、抗マイコプラズマ抗体レベルの濃度を測定するためにRSAによって試験した。免疫化の前、抗原接種時および死体解剖時に、各トリの体重も測定した。28日目(抗原接種から14日後)に、ニワトリを安楽死させ、死体解剖検査にかけ、M.gallisepticum(マイコプラズマ・ガリセプチカム)の培養のために試料を採取した。6つの気嚢を病変について目視により評価し、上記のとおり0〜3で採点した。拭き取り検体をトリの気嚢および気管から採取し、ゲンタマイシンを加えていないMA上に画線し、次いでM.gallisepticum(マイコプラズマ・ガリセプチカム)を単離するためにゲンタマイシンを含有しないMBの中へと移した。このMAプレートを37℃で10日間インキュベーションし、このMB培養液を、色の変化が観察されるまで37℃でインキュベーションした。色の変化を示したブロスからの生物を遠心分離によってペレット化し、ST変異体26−1および野生型Ap3AS(上記)を同定するためにPCR増幅にかけた。各トリの気管の上部、中央部および下部領域の試料を集め、10%の中性に緩衝化されたホルマリンの中で少なくとも24時間固定した。プロセシングおよび染色の後、光学顕微鏡法によって切片を調べた。病変を、上記のとおり、0〜3の段階で重症度について採点した。各気管領域について6つの異なる点で粘膜の厚さを測定し、次いで平均厚さを、これら3つの領域の各々について算出した。
ST変異体26−1に特異的な一対のPCRプライマー(IGstmGenmeF3およびSTM26−Rev)およびP2/P4プライマーセット(これはユニークなタグ領域を増幅する)を使用して、ST変異体26−1の再単離を確認した。プライマー対STM26−genomeおよびSTM26−RevはST変異体26−1の中のトランスポゾン挿入部位のいずれかの側に結合し、これを野生型Ap3ASの再単離を確認するために使用した。このPCRは、ST変異体26−1をAp3AS親株から容易に識別することができた(表2)。2μlの10×反応緩衝液、1μMの各プライマー、200μMの各dNTPおよび1.5UのTaq DNAポリメラーゼ(Promega)を含有する20μl反応液の中で、2μlの抽出したDNAを鋳型として用いて、PCRを行った。PCRを、95℃で2分間インキュベーションし、次いで94℃で45秒間、52℃で45秒間および72℃で1分間の35サイクルを通してインキュベーションし、72℃で7分間の最終のインキュベーションを行った。得られた産物を、DNA分子量マーカーと一緒に、2%アガロースゲルの中で分離した。
各グループについての平均体重増加百分率を、一元配置ANOVAおよびスチューデントのt−検定(Windows(登録商標)用Minitabs v14.2)を使用して、差について解析した。中央値気管病変スコアを、マンホイットニーのU検定を使用して比較した。上部、中央部および下部の気管の平均の粘膜の厚さを、スチューデントのt−検定および一元配置ANOVAを使用して比較した。P値≦0.05を有意であるとみなした。
(肉眼病変)
肉眼的気嚢病変は、陽性対照グループ(グループ2)のトリにおいてのみ見られた。このグループでは、5羽のトリが気嚢病変を有しており、全気嚢病変スコアは0.5〜2.5の範囲であった。結果を表10に要約し、図7にグラフによって示す。
ワクチン接種および抗原接種時にトリから採取した血清は、検出可能な抗マイコプラズマ抗体を含有していなかった。陰性対照グループ(グループ1)のニワトリで、死体解剖時にM.gallisepticum(マイコプラズマ・ガリセプチカム)に対する何らかの検出可能な血清抗体を有していたものはなかった。対照的に、他の3つのグループの大部分のトリは、死体解剖時にM.gallisepticum(マイコプラズマ・ガリセプチカム)に対する検出可能な抗体を有していた。陽性対照グループ(グループ2)のすべてのトリは、M.gallisepticum(マイコプラズマ・ガリセプチカム)に対する中程度から強いRSA抗体応答を生成した。抗マイコプラズマ抗体を、グループ3からの20の血清試料のうちの16で検出し、RSAスコアは低い〜中程度の範囲であった。グループ4(ST変異体26−1でワクチン接種を受け、かつ野生型株に感染させた)のすべてのトリで、中程度の抗マイコプラズマ抗体価を検出した。結果を表10に要約する。グループ2、3および4においては、M.gallisepticum(マイコプラズマ・ガリセプチカム)を、気嚢の拭き取り検体からよりも気管の拭き取り検体からより高頻度で単離し、そしてグループ1(陰性対照)のトリの気嚢または気管からはまったく単離されなかった。グループ2(抗原接種しただけ)および3(ワクチン接種を受けただけ)の各々1羽のトリにおいて気嚢の拭き取り検体からMgコロニーは成長したのに対して、再単離は、それぞれ19羽および2羽のトリの気管から達成された。ワクチンとしてST変異体26−1が与えられ、次いで株Ap3ASに感染させたグループ4では、Mgは、1羽のトリの気嚢からの、および7羽のトリの気管からのMAプレート上で回収された(表10)。これまでの実験でのように、再単離率は、MAプレート上よりもMB中でのほうが高かった。PCR増幅から、グループ2および3から再単離した唯一のマイコプラズマは、そのグループに投与された株であったということが確認された。株特異的プライマー対を使用したPCR増幅後、グループ4から再単離した唯一のマイコプラズマは野生型Ap3ASであった。結果を表10に示す。
ワクチン接種後14日間にわたって、いずれのグループ間でも体重増加における有意差はなかった。4週目(抗原接種後14日)で、陽性対照のトリ(グループ2)は、グループ1(陰性対照)または3(ワクチン接種対照)のトリよりも低い平均体重増加を有していたが(それぞれP=0.006および0.027)、グループ4(ワクチン接種を受け、かつ抗原接種した)のトリよりは少なくはなかった(P=0.332)(表11)。抗原接種と死体解剖との間の期間(14日目〜28日目)では、グループ2(抗原接種しただけ)のニワトリの平均体重増加は、他のグループの各々のトリの平均体重増加よりも有意に低かった。グループ3(ワクチン接種を受け、抗原接種していない)のトリの平均体重増加は、陰性対照の平均体重増加以下であったが、グループ4(ワクチン接種を受けかつ抗原接種した)のトリの平均体重増加よりも有意に大きかった(P=0.016)。しかしながら、グループ4のトリの平均体重増加は、グループ1のトリの平均体重増加とは有意に異ならなかった(P=0.580)。結果を表11に示す。
中央値気管病変スコアを表12に示す。病変は、グループ2(抗原接種しただけ)のトリで重篤であった。グループ2(陽性対照)のトリの中央値気管病変スコアは、他の3つのグループにおける中央値気管病変スコアとは有意に異なっていた(P<0.0001)。他のグループのトリの病変スコアは、互いに有意に異ならなかった。グループ2(抗原接種しただけ)のトリの上部、中央部および下部の気管の平均の粘膜の厚さは、他の3つのグループのトリの平均の粘膜の厚さよりも有意に大きかったが(P<0.0001)、これらの他の3つのグループのトリにおける平均の粘膜の厚さの間に有意差はなかった(表12)。しかしながら、中央部および下部の気管において、平均の粘膜の厚さは、グループ1(P=0.028)または3(P=0.036)のトリにおけるよりもグループ4のトリにおいて小さかった。
インビボ安全性研究から、dppDノックアウトまたは親E956と比べて、病変スコアおよびトリからの再単離率の両方に関して、oppDノックアウトの統計的に有意な弱毒化が示された。インビボ有効性研究から、APEC E956による抗原接種後の、oppDノックアウトのワクチン接種を受けたトリの統計的に有意な防御が示された。
E.coli(大腸菌)株、培地およびプラスミド
トリ病原性大腸菌株E956(APEC E956)は、もともとブロイラー飼育業者の農場で1日齢のヒナから単離され、抗生物質であるアンピシリン、スルファフラゾール、トリメトプリム、クロラムフェニコール、テトラサイクリン、およびカナマイシンに感受性があるということが見出された。この生物を、特段の記載がない限り適切な抗生物質選択物(アンピシリン、50ug/ml;カナマイシン、100ug/ml)とともに、ルリア−ベルターニ培地(Luria−Bertani broth)(LB)中またはLB寒天上で、30℃または37℃で一晩繁殖させた。E.coli(大腸菌)DH5α株を、標準的なクローニングおよびプラスミド産生のために使用した。
カナマイシン遺伝子を、オリゴヌクレオチドプライマーTXkanForおよびTYkanRev(表13)を使用してトランスポゾンTnphoAから増幅した。得られた1.064kbp PCR産物を、UltraClean PCR精製キット(MoBio、米国、カリフォルニア州)を製造業者の取扱説明書に従って使用して精製し、製造業者の手順書に従ってpGEM−Tベクター(Promega)にライゲーションした。このライゲーション混合物を使用して、2,500V、200Ω、250μFの設定値を有するGene Pulser(BioRad)および25μg/mlのカナマイシンを含有するLB寒天上で選択した組み換え体を使用する電気穿孔によってE.coli(大腸菌)DH5αを形質転換した。形質転換体を25μg/mlのカナマイシンを含有するLB培地の中で一晩成長させ、キット(Promega)を製造業者の取扱説明書に従って使用してプラスミドを抽出した。カナマイシン耐性遺伝子のクローニングを制限エンドヌクレアーゼ分析によって検証した。直鎖DNAを形質転換のために使用した:dppDノックアウトについては、GenBank Accession(受入番号) L08399のdppD遺伝子の中のそれぞれ領域4384〜4423bpおよび4829〜4868bpに相補的な40bpの5’領域を各々含有するプライマー対WEおよびWFを使用するPCRによってDNAを調製した。このWEおよびWFオリゴヌクレオチドプライマーは、当該カナマイシン遺伝子に相補的な20bpの3’領域を含有しており、PCRで使用されるとき、dppD DNAに相補的な40bp末端を有するカナマイシン遺伝子を増幅した。
APEC株E956を、2,500V、200Ω、250μFに設定したBio−Rad Gene Pulser(Bio−Rad)を使用する電気穿孔によって、pKD46を用いて形質転換した。30℃で一晩のインキュベーション後に、100μg/mlのアンピシリンを含有するルリア−ベルターニ寒天上で組み換え体を選択した。本発明者らは、公知の方法を使用する相同組み換えを通して遺伝子ノックアウトを生成した。APEC E956/pKD46の単一の新鮮なコロニーを、100μg/mlのアンピシリンを含有する5mlのLBの中に入れ、振盪しながら(200rpm)30℃で16時間インキュベーションした。翌日、一晩培養液の1:50希釈物を、100μg/mlのアンピシリンを含有する20mlのLBの量で作製し、この培養液を125mlの三角フラスコの中、30℃で振盪した(200rpm)。107細胞/mlの濃度で、L−アラビノース(Sigma)を、1mMの最終濃度になるように加えた。培養液を30℃でおよそ1時間誘導し、次いでこの細胞に42℃で15分間熱ショックを与え、そして直ちに氷水浴に10分間移し、次いで10,000×gで、4℃で10分間の遠心分離によって集めた。この細胞を、20%グリセロールを含有する1mlの氷冷した1mM MOPSの中に再懸濁させ、1.5ml遠心管に移し、卓上型微量遠心機の中で16,000×g、4℃で30秒間遠心分離した。上清を取り除き、細胞を、20%グリセロールを含有する1mlの1mM MOPSの中に再懸濁させ、上記のように遠心分離した。この工程をもう一回繰り返し、最後に細胞を、20%グリセロールを含有する100μlの1mM MOPSの中に再懸濁させた。次いでこの細胞を、予め冷却した電気穿孔キュベット(2mmギャップ、Bio−Rad)に加え、DpnIで消化したDNA 300ngを有する50μlの細胞を、上記の設定を使用して形質転換した。電気穿孔の直後に、0.3mlのLBの中での懸濁によって細胞を回収し、2.7mlのLBへと希釈し、振盪しながら37℃で1.5時間インキュベーションした。この培養液をLBの中で5倍に濃縮し、0.2mlを、20μg/mlのカナマイシンを含有するLBプレート上に接種し、37℃で一晩インキュベーションした。40ug/mlのカナマイシンを含有するLBの中で形質転換体を選択して成長させ、遺伝子ノックアウトをPCRおよびサザンブロッティングによって確認した。
dppDまたはoppDにおけるカナマイシン耐性遺伝子の挿入を検証するため、それぞれの遺伝子領域を増幅するためのdppD(TZIUA)およびoppD(WSIWT)についてのプライマー対を使用してPCRを行った。dppDおよびoppDについて、APEC E956親についてのPCR産物の予測されるサイズは、それぞれ0.89kbpおよび0.951kbpであろう。当該カナマイシン遺伝子(1.064kbp)の挿入に伴う予測されるサイズの増加は、dppDおよびoppDについてそれぞれ1.774kbpおよび1.924kbpであろう。
APEC E956、ΔdppD、およびΔoppD株のゲノムDNAを、これまでに記載されたとおりに(Sambrookら、2001)フェノール/クロロホルムを使用して調製した。E.coli(大腸菌)株由来のゲノムDNAをPstIを用いて消化し、その断片を、分子量マーカーと一緒にアガロースゲル電気泳動によって分離した。アガロースゲル電気泳動の後、ゲノムDNA断片を、キャピラリートランスファーによってそのゲルからナイロン膜(Hybond−N+、GE Healthcare)に移した。ランダムプライムドDNA標識キット(Roche)を使用してDNAプローブを[γ32P]dATPで標識した。プレハイブリダイゼーションおよびハイブリダイゼーションを、Church緩衝液(0.5M Na2HPO4[pH 7.4]、7% ドデシル硫酸ナトリウム、1mM EDTA、1% ウシ血清アルブミン BSA)(Church & Gilbert、1984)の中で54℃で一晩行った。膜を、2×SSC(1×SSCは、0.15M NaCIに0.015Mクエン酸ナトリウムを加えたものである)−0.1% ドデシル硫酸ナトリウムの中で2回(各々54℃で5分間)、次いで0.5×SSC、0.1% SDSの中で1回(65℃で15分間)洗浄し、Kodak BioMax MSフィルムを用いて−70℃でオートラジオグラフにかけた。
1日齢のヒナをAPEC E956、ΔdppD、およびΔoppD株に感染させ、未感染のものおよびAPEC E956に感染したものと比較して各変異体の病原性を評価した。全部で95羽の1日齢のヒナを購入し(SPAFAS、ウッドエンド
ビクトリア(Woodend Vic))、各々20羽のヒナの3つのグループおよび35羽の1つのグループに割り振った。これらのトリを陽圧の隔離飼育器の中に収容し、照射した市販の幼鳥用飼料(starter feed)を自由に取らせた。各グループの各々2羽のヒナから排泄腔の拭き取り検体を採取し、共生E.coli(大腸菌)を評価するために、マッコンキー(MacConkey)寒天培地上に画線した。カナマイシンを含まないE956と一緒に40ug/mlのカナマイシンを含むニュートリエントブロス(nutrient broth)中のE956 ΔdppD、ΔoppDの一晩培養液を、1E+10コロニー形成単位/ml(cfu/ml)の濃度を与えるように調製した。すべてのグループに、市販の伝染性気管支炎ウイルスワクチンVic S(Websters、オーストラリア)の通常の免疫用量の10倍を用いて、点眼剤によって接種した。20羽のヒナのグループ2および3は、各々、それぞれ1E+10cfu/mlのΔdppDおよびΔoppDを含有する20mlのエアロゾルを与えられ、一方で35羽のトリのグループ4は、20mlの1E+10cfu/mlのE956が与えられた。グループ1のヒナは処置されず、陰性対照としての役割を果たした。グループ2、3および4からのヒナを、さらに2回、3日齢および5日齢のときに同じAPEC株に曝露した。すべてのトリを、10日齢のときに死体解剖にかけた。肉眼所見によって疾患を評価し、気嚢病変を前述の基準に従って採点した。拭き取り検体を、左右の後気嚢および前気嚢、気管からおよび無菌で肝臓から採取した。これらの拭き取り検体を、カナマイシン(40ug/ml)を伴って、および伴わずにマッコンキー寒天培地の上に接種し、37℃で一晩インキュベーションした。翌日、プレートを、「レンガの赤色の」コロニー(典型的なE.coli(大腸菌)表現型)の存在について観察し、それらの数を数え記録した。コロニーの数が30未満である場合、E.coli(大腸菌)株を同定するためにPCRを行った。プライマー対を使用してAPEC株を同定した:dppDについてはWA/UA、oppDについてはWA/WT、E956については、pVM01上に存在するiucA遺伝子を増幅するSidfwdseq/bwd siderophore(表13)。共生E.coli(大腸菌)については16Sfwd/16Srevを用いて16s rDNAを増幅した。
E.coli(大腸菌)ワクチン候補の有効性を評価するために、60羽の1日齢のトリを、各々20羽のトリの3つのグループに分割した。グループ2および3を、上記のように1日目にE956 ΔdppD、ΔoppDでエアロゾルでワクチン接種し、一方、グループ1は対照としてワクチン接種しないまま残し、上記のように隔離飼育器の中に別々に収容した。ワクチン接種後12日目に、すべてのグループを、上記のように1E+10cfu/mlのAPEC E956を含有する20mlのエアロゾルで別々に抗原接種し、それらの隔離飼育器に戻した。4日後、すべてのトリをハロタンの吸入によって安楽死させ、死体解剖にかけた。気嚢病変スコアを上記のように評価し、感染性の生物の再単離のために採取した拭き取り検体を、カナマイシン(40ug/ml)を含む、および含まないマッコンキー寒天培地で培養した。
気嚢病変スコアの率および程度、生物の単離率およびトリの体重増加について統計解析を行った。使用した検定は、再単離率についてはフィッシャーの正確確率検定(Fisher’s Exact Test)、および病変スコアおよび体重変化についてはマンホイットニーのU検定であった。
APEC E956 ΔdppD、およびΔoppDの開発および検証
PCRによって生成される特定の遺伝子ノックアウトについての直鎖DNA構築物を使用して、APEC E956/pKD46を形質転換した。40μg/mlのカナマイシンを含有するLB寒天上で形質転換体を選択し、次いでクローンがカナマイシン遺伝子を保有しているかを確認するためにPCRを行った。オリゴヌクレオチドプライマー対TZ/UAを使用したE956 ΔdppDからの増幅産物のサイズは、E956親株(0.89kbp)と比べて、カナマイシンDNA(1.064kbp)の挿入に起因して1.774kbpであると予測された。図8Aおよび図9、パネルA、それぞれレーン2および1。同様に、オリゴヌクレオチドプライマー対WS/WTを使用するE956 ΔoppDについての増幅産物のサイズは、1.924kbpという予測されたサイズに近かったが、E956親株は0.951kbpの増幅産物を生成した。図8Bおよび図9、パネルB、それぞれレーン1および2。
大腸菌症の徴候について死体解剖時にニワトリを調べ、6つの気嚢を病変について調べ、ワクチン、親生物または共生生物の再単離のために、各トリの左右の前気嚢、気管および肝臓から試料拭き取り検体を採取した。これらの拭き取り検体を、カナマイシンを加えてまたは加えずにマッコンキー寒天培地上にプレーティングした。これらの研究からの結果は以下で論じる。結果は表14、16および19に要約してあり、これらのグループの各々の間で行った統計比較は、表15、17、18、20および21に要約する。
E956(143%)、ΔdppD(143%)およびワクチン接種を受けていないニワトリ(174%)の間の、病原性実験における体重増加の百分率の差は、ほとんど有意ではなく、一方で、ワクチン接種を受けていないトリの体重増加の百分率に対するΔoppD(155%)に関しては有意差は見られなかった(表14および15)。有効性実験では、抗原接種前または死体解剖時におけるいずれのトリのグループの体重増加の百分率においても統計的な有意差はなかった(表14および15)。
病原性実験において、対照およびΔoppDワクチン接種を受けたトリの気嚢または気管から再単離した生物の中央数の間に有意差はなかった(表16)。ワクチン接種を受けていないトリよりもE956またはΔdppDでワクチン接種を受けたトリからより多くの数の生物が単離された(表16)。有効性実験についての結果(表19)は、E956抗原接種したトリとΔoppDワクチン接種を受けたトリとの間で差を示さなかった。ΔdppDまたはΔoppDのいずれかでワクチン接種を受けたトリの中の気管 対 気嚢からなされた単離率に有意差はなかったが、気嚢と比べて、気管からの生物の単離の有意な増加が、E956を用いてワクチン接種を受けたトリに関して観察された(P<0.05)。
死体解剖時の気嚢および器官の検討から、いくつかのトリにおいて大腸菌症の徴候が示され、肝周囲炎および心膜炎が観察された。病原性実験においては、気嚢の率および病変スコアにおいてΔdppDまたはΔoppDのいずれかでワクチン接種を受けたトリの間で統計的に有意な差はなく、ΔoppDとE956との間でより少ない病変が観察されたが、ΔdppDでワクチン接種を受けたトリとE956でワクチン接種を受けたトリとの間で統計学的差異はなかった(表16および18)。防御実験では、ΔoppDワクチン接種を受けかつE956で抗原接種したトリの病変率およびスコアの比較から、ΔoppDを用いた先立つワクチン接種からの統計的に有意な保護効果が示され、ワクチン接種を受けたグループについて0.0およびワクチン接種を受けずに抗原接種したグループについては1.25の中央値病変率が示された(表19および21)。
Claims (23)
- 免疫原性上有効量の少なくとも1つのABCペプチドトランスポーター遺伝子の変異によって弱毒化された細菌であって、前記変異は、コードされたABCペプチドトランスポータータンパク質を非機能的にし、前記弱毒細菌は対象の中で生き残ることができ、前記ABCペプチドトランスポーター遺伝子はOppDまたはその相同体である、弱毒細菌と、薬理学的に許容できる担体とを含む、ワクチン組成物。
- 前記細菌は、Avibacterium(アビバクテリウム)、Bacillus(バチルス)、Brucella(ブルセラ)、Bartonella(バルトネラ)、Bordetella(ボルデテラ)、Burkholderia(バークホルデリア)、Vibrio(ビブリオ)、Escherichia(大腸菌類、エシェリキア)、Salmonella(サルモネラ)、Clostridium(クロストリジウム)、Campylobacter(カンピロバクター)、Chalmydia(クラミジア)、Coxiella(コクシエラ)、Erysipelothrix(エリシペロスリクス)、Francisella(フランシセラ)、Listeria(リステリア)、Actinobacillus(アクチノバチルス)、Haemophilus(ヘモフィルス)、Helicobacter(ヘリコバクター)、Aeromonas(エロモナス)、Pseudomonas(シュードモナス)、Streptococcus(ストレプトコッカス、連鎖球菌)、Shigella(赤痢菌)、Yersinia(エルシニア)、Mycoplasma(マイコプラズマ)、Mycobacterium(マイコバクテリウム)、Mannheimia(マンヘミア)、Ornithobacterium(オルニソバクテリウム)、Rickettsia(リケッチア)、Ureaplasma(ウレアプラズマ)、およびPasteurella(パスツレラ)を含む群から選択される、請求項1に記載のワクチン組成物。
- 前記細菌は、Avibacterium paragallinarum(アビバクテリウム・パラガリナルム)、Bordetella avium(ボルデテラ・アビウム)、Ornithobacterium rhinotracheale(オルニソバクテリウム・ライノトラキア)、Salmonella enteritidis(腸炎菌)、Pasteurella multocida(パスツレラ・マルトシダ)、Mannheimia haemolytica(マンヘミア・ヘモリチカ、ヘモリチカ菌)、E.coli(大腸菌)、Clostridium perfringens(クロストリジウム・パーフリンジェンス、ウェルシュ菌)、Mycoplasma agalactiae(マイコプラズマ・アガラクチアエ)、Mycoplasma alkalescens(マイコプラズマ・アルカレッセンス)、Mycoplasma anatis(マイコプラズマ・アナティス)、Mycoplasma anseris(マイコプラズマ・アンセリス)、Mycoplasma imitans(マイコプラズマ・イミタンス)、Mycoplasma arginini(マイコプラズマ・アルギニニ)、Ureaplasma parvum(ウレアプラズマ・パルハム)、Mycoplasma arthritidis(マイコプラズマ・アルスリチジス)、Mycoplasma bovigenitalium(マイコプラズマ・ボビゲニタリウム)、Mycoplasma bovirhinis(マイコプラズマ・ボビリニス)、Mycoplasma bovis(マイコプラズマ・ボビス)、Mycoplasma bovoculi(マイコプラズマ・ボーボクリ)、Mycoplasma californicum(マイコプラズマ・カリフォルニカム)、Mycoplasma capricolum(マイコプラズマ・カプリコルム)、Mycoplasma dispar(マイコプラズマ・ディスパー)、Mycoplasma felis(マイコプラズマ・フェリス)、Mycoplasma fermentans(マイコプラズマ・ファーメンタンス)、Mycoplasma genitalium(マイコプラズマ・ゲニタリウム)、Mycoplasma hominis(マイコプラズマ・ホミニス)、Mycoplasma hyopneumoniae(マイコプラズマ・ハイオニューモニエ)、Mycoplasma hyorhinis(マイコプラズマ・ハイオリニス)、Mycoplasma hyosynoviae(マイコプラズマ・ハイオシノビエ)、Mycoplasma iowae(マイコプラズマ・アイオワエ)、Mycoplasma mycoides subsp mycoides large colony and small colony(マイコプラズマ・ミコイデス ミコイデス大コロニー型および小コロニー型)、Mycoplasma gallisepticum(マイコプラズマ・ガリセプチカム)、Mycoplasma synoviae(マイコプラズマ・シノビエ)、Mycoplasma orale(マイコプラズマ・オラーレ)、Mycoplasma penetrans(マイコプラズマ・ペネトランス)、Mycoplasma ovipneumoniae(マイコプラズマ・オビニューモニエ)、Mycoplasma pullorum(マイコプラズマ・プローラム)、Mycoplasma alligatorus(マイコプラズマ・アリガトラス)、Mycoplasma pneumoniae(マイコプラズマ・ニューモニエ、肺炎マイコプラズマ)、Mycoplasma(マイコプラズマ)、Mycoplasma maleagridis(マイコプラズマ・メレアグリディス)、Mycoplasma haemofelis(マイコプラズマ・ヘモフェリス)、Mycoplasma haemominutum(マイコプラズマ・ヘモマイニュータム)、Mycoplasma haematoparvum(マイコプラズマ・ヘマトパルハム)である、請求項2に記載のワクチン組成物。
- 前記細菌は、トリ病原性大腸菌株E956、またはMycoplasma gallisepticum(マイコプラズマ・ガリセプチカム)株Ap3ASである、請求項3に記載のワクチン組成物。
- 前記弱毒細菌は異種抗原を発現する、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のワクチン組成物。
- 前記異種抗原は、同じまたは別の病原生物のいずれか由来の核酸によってコードされる、請求項5に記載のワクチン組成物。
- 前記異種抗原をコードする核酸は、Avibacterium(アビバクテリウム)、Bacillus(バチルス)、Brucella(ブルセラ)、Bartonella(バルトネラ)、Bordetella(ボルデテラ)、Burkholderia(バークホルデリア)、Vibrio(ビブリオ)、Escherichia(大腸菌類、エシェリキア)、Salmonella(サルモネラ)、Clostridium(クロストリジウム)、Campylobacter(カンピロバクター)、Chalmydia(クラミジア)、Coxiella(コクシエラ)、Erysipelothrix(エリシペロスリクス)、Francisella(フランシセラ)、Listeria(リステリア)、Actinobacillus(アクチノバチルス)、Haemophilus(ヘモフィルス)、Helicobacter(ヘリコバクター)、Aeromonas(エロモナス)、Pseudomonas(シュードモナス)、Streptococcus(ストレプトコッカス、連鎖球菌)、Shigella(赤痢菌)、Yersinia(エルシニア)、Mycoplasma(マイコプラズマ)、Mycobacterium(マイコバクテリウム)、Mannheimia(マンヘミア)、Ornithobacterium(オルニソバクテリウム)、Rickettsia(リケッチア)、Ureaplasma(ウレアプラズマ)、およびPasteurella(パスツレラ)、またはこれらのいずれかの組み合わせを含む群から選択される属から単離される、請求項6に記載のワクチン組成物。
- 前記異種抗原をコードする核酸は、Avibacterium paragallinarum(アビバクテリウム・パラガリナルム)、Bordetella avium(ボルデテラ・アビウム)、Ornithobacterium rhinotracheale(オルニソバクテリウム・ライノトラキア)、Salmonella enteritidis(腸炎菌)、Pasteurella multocida(パスツレラ・マルトシダ)、Mannheimia haemolytica(マンヘミア・ヘモリチカ、ヘモリチカ菌)、E.coli(大腸菌)、Clostridium perfringens(クロストリジウム・パーフリンジェンス、ウェルシュ菌)、Mycoplasma agalactiae(マイコプラズマ・アガラクチアエ)、Mycoplasma alkalescens(マイコプラズマ・アルカレッセンス)、Mycoplasma anatis(マイコプラズマ・アナティス)、Mycoplasma anseris(マイコプラズマ・アンセリス)、Mycoplasma imitans(マイコプラズマ・イミタンス)、Mycoplasma arginini(マイコプラズマ・アルギニニ)、Ureaplasma parvum(ウレアプラズマ・パルハム)、Mycoplasma arthritidis(マイコプラズマ・アルスリチジス)、Mycoplasma bovigenitalium(マイコプラズマ・ボビゲニタリウム)、Mycoplasma bovirhinis(マイコプラズマ・ボビリニス)、Mycoplasma bovis(マイコプラズマ・ボビス)、Mycoplasma bovoculi(マイコプラズマ・ボーボクリ)、Mycoplasma californicum(マイコプラズマ・カリフォルニカム)、Mycoplasma capricolum(マイコプラズマ・カプリコルム)、Mycoplasma dispar(マイコプラズマ・ディスパー)、Mycoplasma felis(マイコプラズマ・フェリス)、Mycoplasma fermentans(マイコプラズマ・ファーメンタンス)、Mycoplasma genitalium(マイコプラズマ・ゲニタリウム)、Mycoplasma hominis(マイコプラズマ・ホミニス)、Mycoplasma hyopneumoniae(マイコプラズマ・ハイオニューモニエ)、Mycoplasma hyorhinis(マイコプラズマ・ハイオリニス)、Mycoplasma hyosynoviae(マイコプラズマ・ハイオシノビエ)、Mycoplasma iowae(マイコプラズマ・アイオワエ)、Mycoplasma mycoides subsp mycoides large colony and small colony(マイコプラズマ・ミコイデス ミコイデス大コロニー型および小コロニー型)、Mycoplasma gallisepticum(マイコプラズマ・ガリセプチカム)、Mycoplasma synoviae(マイコプラズマ・シノビエ)、Mycoplasma orale(マイコプラズマ・オラーレ)、Mycoplasma penetrans(マイコプラズマ・ペネトランス)、Mycoplasma ovipneumoniae(マイコプラズマ・オビニューモニエ)、Mycoplasma pullorum(マイコプラズマ・プローラム)、Mycoplasma alligatorus(マイコプラズマ・アリガトラス)、Mycoplasma pneumoniae(マイコプラズマ・ニューモニエ、肺炎マイコプラズマ)、Mycoplasma(マイコプラズマ)、Mycoplasma maleagridis(マイコプラズマ・メレアグリディス)、Mycoplasma haemofelis(マイコプラズマ・ヘモフェリス)、Mycoplasma haemominutum(マイコプラズマ・ヘモマイニュータム)、Mycoplasma haematoparvum(マイコプラズマ・ヘマトパルハム)、またはこれらのいずれかの組み合わせに由来する、請求項7に記載のワクチン組成物。
- 前記異種抗原をコードする核酸は、ニューカッスル病ウイルス、伝染性気管支炎ウイルス、トリニューモウイルス、鶏痘、伝染性ファブリキウス嚢病、伝染性喉頭気管炎ウイルス、鳥インフルエンザ、アヒルウイルス性肝炎、アヒルウイルス性腸炎、ニワトリ貧血、マレック病ウイルスまたはこれらのいずれかの組み合わせを含む群から選択されるウイルスから単離される、請求項8に記載のワクチン組成物。
- 前記対象は、ニワトリ(チャボを含む)、シチメンチョウ、アヒル、ガチョウ、キジ、ウズラ、ヤマウズラ、ハト、ホロホロチョウ、ダチョウ、エミューまたはクジャクを含む群から選択される鳥類である、請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のワクチン組成物。
- 前記ワクチン組成物は、水、生理食塩水、培養液、安定剤、炭水化物、タンパク質、および緩衝液またはこれらのいずれかの組み合わせを含む群から選択される少なくとも1つの薬学的に許容できる担体または希釈剤をさらに含む、請求項1から請求項10のいずれか1項に記載のワクチン組成物。
- 前記安定剤はSPGAである、請求項11に記載のワクチン組成物。
- 前記炭水化物は、ソルビトール、マンニトール、デンプン、スクロース、グルコース、デキストランまたはこれらの組み合わせを含む群から選択される、請求項11に記載のワクチン組成物。
- 前記タンパク質はアルブミン、カゼイン、ウシ血清または脱脂粉乳である、請求項11に記載のワクチン組成物。
- 前記緩衝液は、マレイン酸塩、リン酸塩、CABS、ピペリジン、グリシン、クエン酸塩、リンゴ酸塩、ギ酸塩、コハク酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、ピペラジン、ピリジン、カコジル酸塩、コハク酸塩、MES、ヒスチジン、ビス−トリス、リン酸塩、エタノールアミン、ADA、炭酸塩、ACES、PIPES、イミダゾール、ビス−トリスプロパン、BES、MOPS、HEPES、TES、MOPSO、MOBS、DIPSO、TAPSO、TEA、ピロリン酸塩、HEPPSO、POPSO、トリシン、ヒドラジン、グリシルグリシン、TRIS、EPPS、ビシン、HEPBS、TAPS、AMPD、TABS、AMPSO、タウリン、ホウ酸塩、CHES、グリシン、水酸化アンモニウム、CAPSO、炭酸塩、メチルアミン、ピペラジン、CAPS、またはこれらのいずれかの組み合わせを含む群から選択される、請求項11に記載のワクチン組成物。
- 前記ワクチン組成物は凍結乾燥されているかまたはフリーズドライ状態にある、請求項1から請求項15のいずれか1項に記載のワクチン組成物。
- 少なくとも1つのアジュバントをさらに含む、請求項1から請求項16のいずれか1項に記載のワクチン組成物。
- 前記アジュバントは、フロインド完全アジュバント、フロイント不完全アジュバント、ビタミンE、非イオン性ブロックポリマー、ムラミルジペプチド、サポニン、鉱油、植物油、カルボポール 水酸化アルミニウム、リン酸アルミニウム、酸化アルミニウム、油乳剤サポニン、ビタミンE可溶化物またはこれらのいずれかの組み合わせを含む群から選択される、請求項17に記載のワクチン組成物。
- 前記アジュバントはE.coli(大腸菌)易熱性毒素またはコレラ毒素である、請求項18に記載のワクチン組成物。
- 前記ワクチン組成物は、鼻腔内に、眼内に、皮内に、腹腔内に、静脈内に、皮下に、経口で、排泄腔に、エアロゾルによって(噴霧型ワクチン接種)または筋肉内に投与するために用意される、請求項1から請求項19のいずれか1項に記載のワクチン組成物。
- 前記ワクチン組成物は、羽弁投与または点眼剤投与によって投与するために用意される、請求項1から請求項20のいずれか1項に記載のワクチン組成物。
- 前記ワクチン組成物は、1用量あたり少なくとも103 〜105弱毒細菌、または105 〜107弱毒細菌、または107 〜109弱毒細菌、または109 〜1011弱毒細菌、または1011 〜1013弱毒細菌、または1013 〜1015弱毒細菌、または1015 〜1017弱毒細菌、または1017 〜1019弱毒細菌、または少なくとも1019弱毒細菌を含む、請求項1から請求項21のいずれか1項に記載のワクチン組成物。
- 疾患の処置または予防のための、請求項1から請求項22のいずれか1項に記載のワクチン組成物。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
AU2009900736 | 2009-02-20 | ||
AU2009900736A AU2009900736A0 (en) | 2009-02-20 | Live attenuated vaccines | |
PCT/AU2010/000172 WO2010094064A1 (en) | 2009-02-20 | 2010-02-17 | Live attenuated vaccines |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2012518388A JP2012518388A (ja) | 2012-08-16 |
JP5753098B2 true JP5753098B2 (ja) | 2015-07-22 |
Family
ID=42633348
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2011550380A Expired - Fee Related JP5753098B2 (ja) | 2009-02-20 | 2010-02-17 | 弱毒生ワクチン |
Country Status (10)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US20120045475A1 (ja) |
EP (1) | EP2398892A4 (ja) |
JP (1) | JP5753098B2 (ja) |
CN (1) | CN102317439B (ja) |
AU (1) | AU2010215065B2 (ja) |
BR (1) | BRPI1008561A2 (ja) |
CA (1) | CA2750136A1 (ja) |
MX (1) | MX2011007606A (ja) |
RU (1) | RU2556813C2 (ja) |
WO (1) | WO2010094064A1 (ja) |
Families Citing this family (16)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
ES2660000T3 (es) | 2008-09-26 | 2018-03-20 | Ambrx, Inc. | Vacunas y microorganismos dependientes de la replicación de aminoácidos no naturales |
CA2799732A1 (en) * | 2010-05-19 | 2011-11-24 | Bioproperties Pty Ltd | Methods relating to an attenuated mycoplasma |
WO2013091040A2 (pt) * | 2011-12-22 | 2013-06-27 | Universidade Federal De Minas Gerais - Ufmg | Cepa atenuada de brucella ovis, composição vacinal e uso |
US8734814B2 (en) | 2012-03-02 | 2014-05-27 | Asis Datta | Recombinant microorganisms and uses thereof |
AU2013280718B2 (en) * | 2012-06-27 | 2016-06-09 | Boehringer Ingelheim Animal Health USA Inc. | Attenuated Streptococcus suis vaccines and methods of making and use thereof |
LT3334454T (lt) * | 2015-08-14 | 2022-12-27 | Zoetis Services Llc | Mycoplasma bovis kompozicijos |
US10071149B2 (en) | 2016-05-03 | 2018-09-11 | Brigham Young University | Temperature sensitive multivalent Bordetella avium vaccines |
CN105999281B (zh) * | 2016-07-26 | 2019-02-19 | 河南后羿生物工程股份有限公司 | 禽类活病毒用冻干保护剂、制备方法及应用 |
MX2018015344A (es) | 2016-12-15 | 2019-04-29 | Nestec Sa | Composiciones y metodos que modulan las bacterias en un animal de compañía. |
WO2018140717A1 (en) | 2017-01-27 | 2018-08-02 | University Of Florida Research Foundation Incorporated | A food safety vaccine to control salmonella enterica and reduce campylobacter in poultry |
CN107308445B (zh) * | 2017-07-26 | 2020-11-24 | 山东省滨州畜牧兽医研究院 | 羊三联四防亚单位疫苗及其制备方法 |
US20200164055A1 (en) * | 2017-07-31 | 2020-05-28 | Kansas State University Research Foundation | Vaccines against tick-borne diseases |
CN108414751A (zh) * | 2018-03-22 | 2018-08-17 | 山西省动物疫病预防控制中心 | 一种鸡白痢染色凝集抗原及其制备方法 |
CN108929864B (zh) * | 2018-07-19 | 2021-03-23 | 浙江农林大学 | 用于预防鸡传染性法氏囊病的致弱病毒及用途 |
CN109758427B (zh) * | 2019-02-26 | 2021-11-02 | 兆丰华生物科技(福州)有限公司 | 一种伪狂犬病活疫苗耐热保护剂及其制备方法和应用 |
CN117881785A (zh) * | 2021-08-30 | 2024-04-12 | 天野酶制品株式会社 | 具有提高了的蛋白质生产率的微生物及其利用 |
Family Cites Families (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4000256A (en) * | 1975-04-30 | 1976-12-28 | Merck & Co., Inc. | Varicella vaccine and process for its preparation |
AU2001295795A1 (en) * | 2000-10-26 | 2002-05-06 | Imperial College Innovations Ltd. | Streptococcal genes |
JP4183504B2 (ja) * | 2000-10-26 | 2008-11-19 | インペリアル イノベーションズ リミテッド | ストレプトコッカス遺伝子 |
GB0308691D0 (en) * | 2003-04-07 | 2003-05-21 | Xenova Res Ltd | Vaccine preparations |
WO2006089121A2 (en) * | 2005-02-18 | 2006-08-24 | Kent Seatech Corporation | Streptococcus iniae phosphoglucomutase is a virulence factor and target for vaccine development |
RU2468083C1 (ru) * | 2011-04-25 | 2012-11-27 | Закрытое акционерное общество "Научно-исследовательский институт Аджиномото-Генетика" (ЗАО "АГРИ") | Способ получения l-аминокислоты с использованием бактерии семейства enterobacteriaceae, в которой ослаблена экспрессия генов, кодирующих транспортер лизина/аргинина/орнитина |
-
2010
- 2010-02-17 CN CN201080007679.7A patent/CN102317439B/zh not_active Expired - Fee Related
- 2010-02-17 AU AU2010215065A patent/AU2010215065B2/en not_active Ceased
- 2010-02-17 BR BRPI1008561A patent/BRPI1008561A2/pt not_active IP Right Cessation
- 2010-02-17 CA CA2750136A patent/CA2750136A1/en not_active Abandoned
- 2010-02-17 RU RU2011138410/10A patent/RU2556813C2/ru not_active IP Right Cessation
- 2010-02-17 US US13/202,534 patent/US20120045475A1/en not_active Abandoned
- 2010-02-17 WO PCT/AU2010/000172 patent/WO2010094064A1/en active Application Filing
- 2010-02-17 MX MX2011007606A patent/MX2011007606A/es active IP Right Grant
- 2010-02-17 EP EP20100743320 patent/EP2398892A4/en not_active Withdrawn
- 2010-02-17 JP JP2011550380A patent/JP5753098B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
CN102317439B (zh) | 2015-11-25 |
RU2556813C2 (ru) | 2015-07-20 |
EP2398892A1 (en) | 2011-12-28 |
AU2010215065B2 (en) | 2014-05-15 |
CA2750136A1 (en) | 2010-08-26 |
CN102317439A (zh) | 2012-01-11 |
US20120045475A1 (en) | 2012-02-23 |
MX2011007606A (es) | 2011-08-08 |
EP2398892A4 (en) | 2013-03-06 |
JP2012518388A (ja) | 2012-08-16 |
RU2011138410A (ru) | 2013-03-27 |
AU2010215065A1 (en) | 2011-08-11 |
WO2010094064A1 (en) | 2010-08-26 |
BRPI1008561A2 (pt) | 2018-07-24 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5753098B2 (ja) | 弱毒生ワクチン | |
Evans et al. | Mycoplasma gallisepticum: current and developing means to control the avian pathogen | |
DK2866828T3 (en) | IMPROVED STREPTOCOCCUS SUIS VACCINES AND METHODS OF PRODUCING AND USING THEREOF | |
CN107197626B (zh) | 含有减毒睡眠嗜组织菌的免疫组合物 | |
US10603371B2 (en) | Attenuated Pasteurella multocida vaccines and methods of making and use thereof | |
JP2009531029A (ja) | 弱毒化サルモネラ生ワクチン | |
Sizemore et al. | Live, attenuated Salmonella typhimurium vectoring Campylobacter antigens | |
US20190000954A1 (en) | Attenuated mannheimia haemolytica strains | |
JP4338528B2 (ja) | 弱毒化グラム陰性菌 | |
Tuntufye et al. | Escherichia coli ghosts or live E. coli expressing the ferri-siderophore receptors FepA, FhuE, IroN and IutA do not protect broiler chickens against avian pathogenic E. coli (APEC) | |
EP2189164A1 (en) | Salmonella marker vaccine | |
Zheng et al. | Cross-protection study of a Mannheimia haemolytica serotype 1 vaccine against acute pasteurellosis in lambs induced by a serotype 2 strain | |
Rubinelli et al. | Regulated expression of virulence gene mviN provides protective immunity and colonization control of Salmonella in poultry | |
DK1957103T3 (en) | Bacterial vaccine against bacterial infectious agents for use in animals | |
Ferguson | The evaluation of a live Mycoplasma gallisepticum vaccine candidate and DNA sequence analysis in the molecular epidemiology of Mycoplasma gallisepticum | |
Selke | Development of a DIVA vaccine against Salmonella Typhimurium infection |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20130118 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20140624 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20140918 |
|
A602 | Written permission of extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602 Effective date: 20140926 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20141022 |
|
A602 | Written permission of extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602 Effective date: 20141029 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20141224 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20150428 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20150521 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5753098 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |