JP5751578B2 - ホスホリルコリン−シラン化合物表面修飾材料 - Google Patents

ホスホリルコリン−シラン化合物表面修飾材料 Download PDF

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Description

本発明は、各種材質表面を単分子膜修飾可能な新規ホスホリルコリン−シラン化合物、及びその製造方法、並びに当該ホスホリルコリン−シラン化合物を用いた単分子膜表面修飾材料に関する。
バイオセンサー開発では、測定試料に含まれるタンパク質がセンシング素子に非特異に吸着してセンシング機能を低下させるため、タンパク質の非特異吸着を抑制する表面修飾材料が必要である。タンパク質の非特異吸着抑制可能な表面修飾材料の官能基として、ポリエチレングリコールなどのポリエーテル化合物やホスホリルコリンなどのツビッターイオン化合物等が知られている(非特許文献1、2)。特にホスホリルコリンは細胞膜を構成する脂質の主要構成官能基であり、ホスホリルコリンで表面修飾することによって生体適合性の高い表面が構築できることが報告されている(非特許文献2)。ホスホリルコリンを導入した表面修飾材料として、ホスホリルコリンと重合性官能基を含むモノマーを原料とした高分子化合物による表面修飾材料は種々報告されている(特許文献1〜3、非特許文献2)。が、高分子であるために修飾表面の膜厚が厚くなり、高感度バイオセンサー開発に用いる材料として十分な物性を有していない。
表面プラズモン共鳴(SPR)センサーや導波モードセンサーなどの高感度バイオセンサー開発では、センシング素子表面での分子認識をより感度よく検出するため、単分子膜を始めとするできるだけ薄い膜での表面修飾が求められる。さらには、センサーの安定性向上のため、修飾基板表面と反応し、共有結合を形成するような表面修飾材料が求められている。
薄膜表面修飾できる材料として、基板表面と反応するチオールやシランを導入した表面修飾材料が開発されている。チオールを導入することによって金表面に単分子膜修飾が容易にできることから、チオールを導入した表面修飾材料は多方面で開発され、ホスホリルコリンを導入したチオール表面修飾材料も報告されている(非特許文献2)。その一方でシランを導入した化合物は、ガラス、布、プラスチック、カーボンなどの多様な材料表面を修飾でき、さらに単分子膜修飾も可能であることから、より汎用性のある表面修飾材料として広く知られている。
特許文献4では、ホスホリルコリンを導入したカルボン酸誘導体と、プラズマ処理やアミノシラン化処理によってアミノ終端化した基板表面を反応させるという二段階処理によるホスホリルコリン薄膜表面修飾法が報告されている。しかしこのような二段階による表面修飾法では、基板表面のアミノ基をすべて反応させることは不可能であり、基板表面に残るアミノ基に起因するpH依存性やタンパク質非特異吸着誘起の可能性があるため、正確で精密な制御が要求される高感度バイオセンサー素子などの表面修飾用には適さない。特許文献5では、一段階でホスホリルコリン薄膜表面修飾できるホスホリルコリン基とカルボキシル基を有する化合物とアミノ基を有する有機シラン化合物との縮合化合物からなる表面修飾剤が記載され、クロマトグラフィー用充填剤、フィルター及びガラス製実験器具などの表面の改質に用いているが、ホスホリルコリンとシランの間の結合鎖に窒素原子を含む分子構造であるため、修飾表面のpH依存性は不可避である。さらには、窒素原子の水素結合形成性に起因する分子間会合体形成により、単分子膜構築に向けた表面修飾反応の精密制御は困難であって高感度バイオセンサー素子の表面修飾に適さない点では同様である。
一方で、単分子膜のような薄膜表面修飾が可能なホスホリルコリン表面修飾材料として、ホスホリルコリンを導入したチオール誘導体が開発されているが、修飾できるのは金などの金属表面に限られている(非特許文献3)ため、広汎な材質表面のセンシング素子全般には対応できない。したがって、金属以外の材質表面にも適用可能に、より広汎な材質のセンシング素子表面を薄膜修飾できるようなホスホリルコリンを導入したシラン誘導体であって、かつpH依存性や水素結合形成性といった、一般的な表面修飾材料としては不利になるような物性を排除したホスホリルコリン−シラン表面修飾材料の開発が望まれていた。
特開2000-212376号公報 特開2006-52400号公報 特開2009-101318号公報 特開2006-8987号公報 特開2005-187456号公報
Harris, J. M. Poly(ethylene glycol) Chemistry: Biotechnical and Biomedical Applications; Plenum Press: New York, 1992; Chapter 1. Y. Iwasaki and K. Ishihara, Anal. Bioanal. Chem., 2005, 381, 534-546. R. E. Holmlin, X. Chen, R. G. Chapman, S. Takayama, and G. M. Whitesides, Langmuir, 2001, 17, 2841-2850.
本発明は、高感度バイオセンサーに用いるセンシング素子の表面のための表面修飾材料であって、測定試料に含まれるタンパク質の非特異吸着を抑制することができ、かつセンシング素子表面における分子認識の感度を損なわない安定な単分子膜による表面修飾材料を提供しようとするものである。
具体的には、タンパク質非特異吸着性の単分子膜修飾材料として用いることができる新規なホスホリルコリン−シラン化合物、及びその製造方法、並びにホスホリルコリン−シラン化合物を用いた単分子膜表面修飾材料を提供しようとするものである。
本発明者らは、安定な単分子膜を形成できるホスホリルコリン−シラン化合物を得るために、ホスホリルコリンとシランの間の結合鎖にpH依存性や水素結合形成性を誘起する窒素原子を含まない、各種ホスホリルコリン−シラン誘導体の合成や表面修飾について鋭意研究した結果、下記の一般式(1)で示される、硫黄原子、又はさらに酸素原子を含む新規なホスホリルコリン−シラン化合物を表面修飾材料として用いた場合に、各種材料表面をタンパク質非特異吸着性の安定な単分子膜で修飾することができることを見出した。当該新規なホスホリルコリン−シラン化合物は、オレフィンとチオールのラジカル付加反応を応用して、ホスホリルコリンを導入したオレフィン誘導体とチオールを導入したシラン誘導体を付加反応させることによって合成することができる。本発明のホスホリルコリン−シラン化合物を用いることで、いろいろな材質のセンシング素子を薄膜修飾し、タンパク質の非特異吸着を抑制することが可能になった。即ち、本発明は、高感度バイオセンサー開発に資する、タンパク質の非特異吸着を抑制する表面修飾材料として有望なホスホリルコリン−シラン化合物を提供するものである。
本願発明の新規化合物は、下記(化学式1)の一般式で記載することができ、下記(反応式1)により合成することができる。
(式中、X〜Xはそれぞれ独立してハロゲン、炭素数1〜3のアルコキシ基、又は炭素数1〜3のアルキル基を表す。ただし、X〜Xのうちの少なくとも1つはハロゲン、又は炭素数1〜3のアルコキシ基である。
は、−(CH−、又は−(CHCHO)−(CH−であり、Rは、−(CH−、又は−(CH−(OCHCH−を表す。m=2〜20の整数であり、n=1〜5の整数である。また、s=3〜20の整数であり、p=1〜5の整数である。)
(式中のX〜X、R及びRは、化学式(1)における定義と同一である。Rは、−(CHs-3−、又は−(OCHCH−を表し、sおよびpは化学式(1)における定義と同一である。)
即ち、本発明は以下の通りのものである。
〔1〕 下記の化学式(1)で表される、ホスホリルコリン−シラン化合物;
(式中、X〜Xはそれぞれ独立してハロゲン、炭素数1〜3のアルコキシ基、又は炭素数1〜3のアルキル基を表す。ただし、X〜Xのうちの少なくとも1つはハロゲン、又は炭素数1〜3のアルコキシ基である。
は、−(CH−、又は−(CHCHO)−(CH−であり、Rは、−(CH−、又は−(CH−(OCHCH−を表す。m=2〜20の整数であり、n=1〜5の整数である。また、s=3〜20の整数であり、p=1〜5の整数である。)。
〔2〕 前記〔1〕に記載のホスホリルコリン−シラン化合物(化学式1)の製造方法であって、
下記化学式(2)で表されるホスホリルコリン含有オレフィン誘導体
(式中、Rは、−(CHs−3−、又は−(OCHCH−を表し、sおよびpは化学式(1)における定義と同一である。)
と、下記化学式(3)で表されるチオール含有シラン誘導体
とを、ラジカル付加反応させることを特徴とする、方法。
〔3〕 前記ホスホリルコリン含有オレフィン誘導体が、「CH=CHCH−(CH −3−OH」で表される不飽和アルコール、又は「CH=CHCH−(OCHCH−OH」で表されるオリゴエチレングリコールモノアリルエーテルを、コリントシラートと共にオキシ塩化リンと反応させて製造されたものである、前記〔2〕に記載の方法。
〔4〕 前記〔1〕に記載のホスホリルコリン−シラン化合物からなる単分子膜。
〔5〕 前記〔4〕に記載の単分子膜により、少なくとも1つの表面が被覆されている装置又はその基材。
〔6〕 前記装置が導波モードセンサーであり、その基材が当該装置に用いるバイオセンシング素子である、前記〔5〕に記載の装置又はその基材。
本発明により提供された新規ホスホリルコリン−シラン化合物は、いろいろな材質のセンシング素子、バイオチップの表面を単分子膜修飾することが可能であり、これら高感度なセンシング素子本来の特性を失うことなく、表面の非特異的なタンパク質吸着を抑制することが可能になった。ペプチドアレイ、抗体アレイ、DNAチップなどのようなタンパク質の非特異吸着の厳密な排除が求められる高感度のバイオチップにおいてもきわめて有効である。また、このことにより、表面プラズモン共鳴(SPR)センサーや導波モードセンサーなどのさらなる高感度化を実現することが可能となった。
導波モードセンサーシリカチップ表面へのタンパク質の非特異吸着評価 縦軸は反射率ピーク波長シフト値(単位nm)を表し、図中、C6Pはホスホリルコリン−ヘキサン−トリエトキシシランを、1EGPはホスホリルコリン−エチレングリコール−トリエトキシシランを、2EGPはホスホリルコリン−ジエチレングリコール−トリエトキシシランを表す。
1.本発明のホスホリルコリン−シラン化合物について
本発明のホスホリルコリン−シラン化合物は文献未記載の新規化合物であり、いろいろな材質のセンシング素子表面を単分子膜修飾することが可能である。修飾した表面は優れたタンパク質非特異吸着抑制効果を示し、高感度バイオセンシング素子の構築材料として有望である。本発明では、合成したホスホリルコリン−シラン化合物のタンパク質非特異吸着抑制効果を評価するために、導波モードセンサーチップを表面修飾し、タンパク質非特異吸着を測定した。
本発明のホスホリルコリン−シラン化合物は下記の一般式(1)で表される。
(式中、X〜Xはそれぞれ独立してハロゲン、炭素数1〜3のアルコキシ基、又は炭素数1〜3のアルキル基を表す。ただし、X〜Xのうちの少なくとも1つはハロゲン、又は炭素数1〜3のアルコキシ基である。ここで、アルコキシ基としては、メトキシ基又はエトキシ基が好ましい。
は、−(CH−、又は−(CHCHO)−(CH−であり、Rは、−(CH−、又は−(CH−(OCHCH−を表す。m=2〜20の整数であり、好ましくは2〜10である。n=1〜5の整数であり、好ましくはn=1〜4である。また、s=3〜20の整数であり、好ましくは3〜10であり、p=1〜5の整数であり、好ましくはp=1〜4である。なお、本明細書中の化学式、反応式内で用いている記号、符号は、同一記号、符号であればそれぞれ全て同じ意味を表す。)
2.本発明のホスホリルコリン−シラン化合物の製造法
以下、本発明のホスホリルコリン−シラン化合物の製造法を説明する。
(2−1)ホスホリルコリン含有オレフィン誘導体の合成
まず、下記の反応式(2)に従って、ジメチルアミノエタノールとメチルトシラートとからコリントシラート(コリンヒドロゲントシラート)を合成する。
コリントシラートは市販もされており、製造方法も周知である。例えば、ジメチルアミノエタノールとメチルトシラートとを、THF溶液中で撹拌しながら反応させる。THF溶液を留去し、アセトン溶媒中で再結晶することで90%以上の高い収率で取得できる。
次いで、下記反応式(3)に従って、上記コリントシラートを、「CH=CHCH−R−OH」すなわち、「CH=CHCH−(CHs−3−OH」で表される不飽和アルコール、又は「CH=CHCH−(OCHCH−OH」で表されるオリゴエチレングリコールモノアリルエーテルと共にオキシ塩化リンと反応させる。なお、これらの式中、Rは反応式(1)における定義と同じであり、s及びpは化学式(1)における定義と同じである。
具体的には、オキシ塩化リンのジクロロメタン溶液中に、上記不飽和アルコール又はオリゴエチレングリコールモノアリルエーテルを、ピリジン+ジクロロメタン混合溶液として滴下して反応させ、粗リン酸クロライド化合物とし、ピリジン溶液とした後、コリントシラートを加えて縮合反応させる方法が採用できる。
その後、水を留去した後、シリカゲルカラムなどの周知手段で精製することで50%以上の収率で、目的の下記「ホスホリルコリン含有オレフィン誘導体(化学式2、化学式3又は4)」を得ることができる。
得られるホスホリルコリン含有オレフィン誘導体は、下記化学式(2)、又は化学式(3)又は(4)として示すことができる。
(2−2)チオールを含有するシラン誘導体について
チオールを有するシラン誘導体の一般式は、下記のように記載することができる。
チオールを有するシラン誘導体(化学式4)としては、市販化合物として入手できる。例えば、3−メルカプトプロピルトリハロゲン化シラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシランなどが東京化成社などにより市販されている。本実施例では、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン(東京化成社製)を用いている。
(2−3)ホスホリルコリン−シラン化合物の合成
下記反応式に従って、ホスホリルコリンを導入したオレフィン誘導体(化学式2)とチオールを有するシラン誘導体(化学式5)を、ラジカル付加反応させることによって、目的とするホスホリルコリン−シラン化合物(化学式1)を得ることができる。
(式中のX〜X、R及びRは、式(1)における定義と同じである。Rは、−(CHs-3−、又は−(OCHCH−を表す。sおよびpは化学式(1)における定義と同じである。)
オレフィン誘導体とシラン誘導体の反応割合は、前者1モルに対して後者を0.5〜2モル程度であり、好ましくは等モル程度である。
この反応は、触媒として2,2’−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル等のラジカル発生試薬を用いて行うことができる。触媒として、好ましくは2,2’−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノンが使用される。触媒の使用量は、オレフィン誘導体1モルに対して0.01〜0.05モルであり、好ましくは0.02モル程度である。
使用される溶媒としては、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、ベンゼン、アセトニトリル等の有機溶媒であるが、好ましくは無溶媒条件下で行われる。
触媒に応じて適正な波長の光を照射、あるいは加熱すればよいが、本反応の場合は光反応が望ましい。光反応の場合、反応温度は0〜50℃程度、好ましくは室温とし、反応時間は1時間程度とすればよい。
このようにして得られる本発明ホスホリルコリン−シラン化合物は、慣用されている精製法、例えばHPLC法、カラムクロマトグラフィー法、薄層クロマトグラフィー法などにより、又はこれら手法を組み合わせることによって容易に単離、精製できる。
また、本発明の目的物が合成できたことは、NMRや質量分析等により確認できる。
3.本発明のホスホリルコリン−シラン化合物を用いた単分子膜修飾方法
本発明のホスホリルコリン−シラン化合物は、ペプチドアレイ、抗体アレイ、DNAチップなどのようなタンパク質の非特異吸着の厳密な排除が求められる高感度の各種バイオセンシング素子、チップに用いられる種々の材料表面、例えばシリカ、窒化ケイ素、酸化処理プラスチック、酸化処理カーボンのチップ表面に単分子膜を形成することができる。そして、きわめて高いタンパク質の非特異吸着抑制機能を示すことから、広範なバイオセンシング素子表面修飾材料として有効に利用できる。これらのセンシング素子の他、繊維やステンレスの表面にも用いることもできる。
本発明において、基材表面が本発明のホスホリルコリン−シラン化合物のシリル基と共有結合を形成した単分子膜により被覆されることを「表面修飾」という。表面修飾の手法として浸積法の他、塗布、噴霧方法を用いることができるため、対象となる基材の形状、大きさはどのようなものでもよく、タンパク非特異性吸着抑制機能が求められる1部表面のみを修飾することが可能である。本発明における各種の修飾対象を「装置又はその基材」と表現することがある。
本発明のホスホリルコリン−シラン化合物を用いたチップ表面の単分子膜修飾するための手法は、対象となるセンシング素子、チップ毎に最適な手法を選択すればよいが、典型的な手法としては、修飾したい基材、チップなどを完全に洗浄し乾燥した後、本発明のホスホリルコリン−シラン化合物の溶液中に当該基材、チップなどを浸積し、洗浄、乾燥する方法を適用できる。浸積工程に変えて塗布、噴霧法を用いても良い。ホスホリルコリン−シラン化合物の溶剤としてはシラン化合物を分解しない有機溶媒であれば何でも使用することができるが、典型的なものとしては、トルエン、エタノール、THFがある。ただし、基材の材質がプラスチックの場合は、プラスチック溶解性のあるトルエン、THFなどは用いることができないので、エタノールなどのアルコール系溶媒が好ましい。修飾の手順は、例えば、以下の様に行うことができる。
(1)アセトン中で10分間超音波洗浄
(2)1時間減圧乾燥
(3)合成した化合物の1mMトルエン溶液に15時間浸積
(4)アセトン中で1分間超音波洗浄
単分子膜が形成されたことは、XPS(X線光電子分光法)やエリプソメトリー(偏光解析法)などの膜厚測定法により確認することができる。
以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はそれに限られるものではない。
(実施例1)ホスホリルコリン−ヘキサン−トリエトキシシラン(C6P)の合成
(1−1)コリントシラートの合成
四口フラスコ(2L)にジメチルアミノエタノール22.3g(250mmol)とTHF1Lを入れ、室温で撹拌した。メチルトシラート51.2g(275mol)のTHF溶液250mLを滴下し、24時間室温で撹拌した。THFを留去し、アセトン1Lで再結晶にて目的物を精製した。
無色固体
収率95%
(1−2)ホスホリルコリンヘキセンの合成
ナスフラスコ(300mL)にオキシ塩化リン3.06g(20mmol)とジクロロメタン40mLを入れ、0℃で撹拌した。5−ヘキセン−1−オール200mg(2mmol)とピリジン158mg(2mmol)の混合ジクロロメタン溶液20mLをゆっくり滴下し、0℃で1時間、室温で1時間撹拌した。過剰のオキシ塩化リンとジクロロメタンを留去し、減圧乾燥した。得られた粗リン酸クロライドにピリジン40mLを加え、0℃で撹拌した。コリントシラート2.76g(10mmol)をよく撹拌しながら加え、室温で24時間撹拌した。反応液に水20mLを加え、さらに6時間室温で撹拌した。ピリジン、水を留去し、シリカゲルカラム(メタノール:クロロホルム=100:100→0)を二回行い、目的物を精製した。
無色固体
収率34%
(1−3)ホスホリルコリン−ヘキサン−トリエトキシシランの合成
ナスフラスコ(50mL)にホスホリルコリンヘキシン133mg(0.5mmol)を入れ、50℃に加熱して6時間減圧乾燥した。2,2’−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン(DMPA)5.1mg(0.02mmol)、メルカプトプロピルトリエトキシシラン179mg(0.75mmol)、脱水ジクロロメタン10mLを加え、素早く撹拌しながらジクロロメタンを留去して減圧乾燥(5分)し、365nmの紫外光を1時間まんべんなく照射した。ODSカラム(溶媒:脱水エタノール)で目的物を精製した。
無色ワックス状固体
収率75%
2046NO7SPSi、M=503.71
H−NMR;(CDCl、500MHz)δ:0.72(2H、t、J=8.25Hz)、1.22(9H、t、J=7.10Hz)、1.30〜1.41(4H、m)、1.50〜1.72(6H、m)、2.47(2H、t、J=7.33Hz)、2.51(2H、t、J=7.33Hz)、3.41(9H、s)、3.77〜3.87(10H、m)、4.29(2H、s、broad)
(実施例2)ホスホリルコリン−エチレングリコール−トリエトキシシラン(1EGP)の合成
(2−1)ホスホリルコリンエチレングリコールアリルエーテルの合成
ナスフラスコ(300mL)にオキシ塩化リン3.06g(20mmol)とジクロロメタン40mLを入れ、0℃で撹拌した。エチレングリコールモノアリルエーテル204mg(2mmol)とピリジン158mg(2mmol)の混合ジクロロメタン溶液20mLをゆっくり滴下し、0℃で1時間、室温で1時間撹拌した。過剰のオキシ塩化リンとジクロロメタンを留去し、減圧乾燥した。得られた粗リン酸クロライドにピリジン40mLを加え、0℃で撹拌した。コリントシラート2.76g(10mmol)をよく撹拌しながら加え、室温で24時間撹拌した。反応液に水20mLを加え、さらに6時間室温で撹拌した。ピリジン、水を留去し、シリカゲルカラム(メタノール:クロロホルム=100:100→0)を二回行い、目的物を精製した。
無色固体
収率65%
(2−2)ホスホリルコリン−エチレングリコール−トリエトキシシランの合成
ナスフラスコ(50mL)にホスホリルコリンエチレングリコールアリルエーテル134mg(0.5mmol)を入れ、50℃に加熱して6時間減圧乾燥した。2,2’−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン(DMPA)5.1mg(0.02mmol)、メルカプトプロピルトリエトキシシラン179mg(0.75mmol)、脱水ジクロロメタン10mLを加え、素早く撹拌しながらジクロロメタンを留去して減圧乾燥(5分)し、365nmの紫外光を1時間まんべんなく照射した。ODSカラム(溶媒:脱水エタノール)で目的物を精製した。
無色液体
収率75%
H−NMR;(CDCl、500MHz)δ:0.72(2H、t、J=8.23Hz)、1.21(9H、t、J=7.10Hz)、1.62〜1.85(4H、m)、2.50(2H、t、J=7.33Hz)、2.53(2H、t、J=7.10Hz)、3.37(9H、s)、3.51(2H、t、J=6.43Hz)、3.57(2H、t、J=4.83Hz)、3.71〜3.85(10H、m)、3.94(2H、q、J=5.25Hz)、4.29(2H、s、broad)
(実施例3)ホスホリルコリン−ジエチレングリコール−トリエトキシシラン(2EGP)の合成
(3−1)ジエチレングリコールモノアリルエーテルの合成
三口フラスコ(500mL)にアリルブロマイド12.1g(100mmol)、ジエチレングリコール42.4g(400mmol)、THF300mLを入れ、室温で撹拌した。カリウム−t−ブトキシド22.4g(200mol)を加え、60℃で20時間撹拌した。放冷後THFを留去して5wt%塩酸200mLを注ぎ、クロロホルム200mLで抽出した。クロロホルムを留去し、シリカゲルカラム(クロロホルム:メタノール=100:0→1)にて目的物を精製した。
淡褐色液体
収率57%
(3−2)ホスホリルコリンジエチレングリコールアリルエーテルの合成
ナスフラスコ(300mL)にオキシ塩化リン3.06g(20mmol)とジクロロメタン40mLを入れ、0℃で撹拌した。ジエチレングリコールモノアリルエーテル292mg(2mmol)とピリジン158mg(2mmol)の混合ジクロロメタン溶液20mLをゆっくり滴下し、0℃で1時間、室温で1時間撹拌した。過剰のオキシ塩化リンとジクロロメタンを留去し、減圧乾燥した。得られた粗リン酸クロライドにピリジン40mLを加え、0℃で撹拌した。コリントシラート2.76g(10mmol)をよく撹拌しながら加え、室温で24時間撹拌した。反応液に水20mLを加え、さらに6時間室温で撹拌した。ピリジン、水を留去し、シリカゲルカラム(メタノール:クロロホルム=100:100→0)を二回行い、目的物を精製した。
無色液体
収率50%
(3−3)ホスホリルコリン−ジエチレングリコール−トリエトキシシランの合成
ナスフラスコ(50mL)にホスホリルコリンジエチレングリコールアリルエーテル156mg(0.5mmol)を入れ、50℃に加熱して6時間減圧乾燥した。2,2’−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン(DMPA)5.1mg(0.02mmol)、メルカプトプロピルトリエトキシシラン179mg(0.75mmol)、脱水ジクロロメタン10mLを加え、素早く撹拌しながらジクロロメタンを留去して減圧乾燥(5分)し、365nmの紫外光を1時間まんべんなく照射した。ODSカラム(溶媒:エタノール)で目的物を精製した。
無色液体
収率73%
H−NMR;(CDCl、500MHz)δ:0.71(2H、t、J=8.25Hz)、1.20(9H、t、J=7.10Hz)、1.62〜1.71(2H、m)、1.77〜1.85(2H、m)、2.50(2H、t、J=7.78Hz)、2.53(2H、t、J=7.55Hz)、3.35(9H、s)、3.47〜3.70(10H、m)、3.76〜3.83(8H、m)、3.96(2H、q、J=5.33Hz)、4.29(2H、s、broad)
(実施例6)ホスホリルコリン−シラン化合物のタンパク質非特異吸着抑制機能評価
上記実施例1〜3により合成したC6P、1EGP、2EGPを用いて導波モードセンサーシリカチップの表面修飾を行い、修飾表面のタンパク質非特異吸着抑制効果を評価した。タンパク質にはBSAを用いた。チップの表面修飾は、
(1)アセトン中で10分間超音波洗浄
(2)1時間減圧乾燥
(3)合成した化合物の1mMトルエン溶液に15時間浸積
(4)アセトン中で1分間超音波洗浄
という手順で行った。
導波モードセンサーにおける反射率ピークの波長シフト測定は、まずPBS中でピーク波長を測定し、5mg/mLのBSA溶液に5分間浸積した後PBS溶液で洗浄し、再びピーク波長の測定を行い、その波長シフト値を求めた。
図1に、それぞれの化合物で表面修飾した場合の反射率ピーク波長シフト値を示した。比較対象として、表面修飾していない場合の波長シフト値も図中に示した。表面修飾していない場合はBSAの非特異吸着によって大きなピーク波長シフト値が観測された一方で、表面修飾した場合はいずれもBSAの非特異吸着が効果的に抑制されてピーク波長シフト値は小さくなるという結果が得られた(図1)。

以上の結果より、本発明で新たに合成された化合物、C6P、1EGP、2EGPは、いずれもタンパク質の非特異吸着を抑制する表面修飾材料として有用であることが明らかになった。

Claims (6)

  1. 下記の化学式(1)で表される、ホスホリルコリン−シラン化合物;
    (式中、X〜Xはそれぞれ独立してハロゲン、炭素数1〜3のアルコキシ基、又は炭素数1〜3のアルキル基を表す。ただし、X〜Xのうちの少なくとも1つはハロゲン、又は炭素数1〜3のアルコキシ基である。
    は、−(CH−、又は−(CHCHO)−(CH−であり、Rは、−(CH−、又は−(CH−(OCHCH−を表す。m=2〜20の整数であり、n=1〜5の整数である。また、s=3〜20の整数であり、p=1〜5の整数である。)。
  2. 請求項1に記載のホスホリルコリン−シラン化合物(化学式1)の製造方法であって、
    下記化学式(2)で表されるホスホリルコリン含有オレフィン誘導体
    (式中、Rは、−(CHs−3−、又は−(OCHCH−を表し、sおよびpは化学式(1)における定義と同一である。)
    と、下記化学式(3)で表されるチオール含有シラン誘導体
    とを、ラジカル付加反応させることを特徴とする、方法。
  3. 前記ホスホリルコリン含有オレフィン誘導体が、「CH=CHCH−(CH −3−OH」で表される不飽和アルコール、又は「CH=CHCH−(OCHCH−OH」で表されるオリゴエチレングリコールモノアリルエーテルを、コリントシラートと共にオキシ塩化リンと反応させて製造されたものである、請求項2に記載の方法。
  4. 請求項1に記載のホスホリルコリン−シラン化合物からなる単分子膜。
  5. 請求項4に記載の単分子膜により、少なくとも1つの表面が被覆されている装置又はその基材。
  6. 前記装置が導波モードセンサーであり、その基材が当該装置に用いるバイオセンシング素子である、請求項5に記載の装置又はその基材。
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