JP5751091B2 - 電磁クラッチ - Google Patents

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本発明は、電磁クラッチに関するものである。
従来より、励磁コイルを外包する磁性体である磁極体と、磁極体に対向する位置に配置されてシャフトと一体回転可能なロータと、シャフトの軸方向に摺動可能なアーマチュアとを備え、励磁コイルが励磁状態である場合に、磁気吸引力によりアーマチュアがロータに押圧することによって回転トルクを伝達するように構成した電磁クラッチが知られている(特許文献1参照)。このような電磁クラッチにおいて励磁コイルが励磁状態である場合、磁気吸引力は発生せず、磁極体とロータとは一体に回転せずに相対回転する。この相対回転をスムーズに行えるように、磁性体であるロータ及び磁極体のうち相互にシャフトの径方向に対面する面同士の間には、非磁性体である専用の軸受部品が配置されている。
これにより、ロータと磁極体とが磁力で相互に吸着することを回避しつつ、ロータと磁極体との間に励磁状態で磁気空隙として機能するスペースを確保している。
特開2002−48151号公報
ところが、専用の軸受部品を用いる態様では、部品点数や組立工数が増加するため、コストアップを招来し、低コスト化という要求を満たし難い。
そこで、励磁コイルを巻回状態で保持し磁極体と共にフィールドコアを構成する非磁性体であるボビンを軸受として機能させる態様も考えられる。具体的には、ボビンのうちシャフトの径方向にロータと対面する部分を軸受として機能させる態様も考えられる。
しかしながら、この態様では、ボビンの一部に軸受が構成されるため、安定した軸受状態を実現するには、シャフトの軸方向に沿った軸受面積を大きく確保しなければならず、これにより、シャフトの軸方向に沿った磁気空隙の面積は減少し、磁気的損失が大きくなり、完成品の性能低下を招来し得る。
本発明は、このような問題に着目してなされたものであって、主たる目的は、専用の軸受部品を用いることなく、シャフトの径方向に対面する磁性体である部品同士を安定した軸受状態で相対回転させることができ、シャフトの径方向に対向する磁性体同士の対向面積を大きく確保して、シャフトの軸方向に沿った磁気空隙の面積を増大させることが可能な電磁クラッチを提供することにある。
すなわち本発明は、シャフトと、励磁コイルを保持する非磁性体のボビンと、ボビンを一体的に組み付けた状態で収容可能な固定磁性体と、シャフトに一体回転可能に組み付けられ且つシャフトの径方向に対面する固定磁性体との間に磁気空隙を形成し得る可動磁性体と、固定磁性体及び可動磁性体と共に磁気回路を形成し得るアーマチュアとを備え、励磁コイルが励磁状態である場合にアーマチュアが電磁吸引力により可動磁性体に押圧するように構成した電磁クラッチに関するものである。ここで、「押圧」とは、接触した状態で押し付けて圧することを意味する。また、可動磁性体としては、「ロータ」や、ロータと一体回転可能な状態でスプライン係合など適宜の手段でシャフトに装着された「ハブ」を挙げることができる。
そして、本発明に係る電磁クラッチは、磁気空隙のシャフトの軸方向に沿った一端部に第1軸受部を配置し、他端部に第2軸受部を配置し、第1軸受部を、前記ボビンの一部からシャフトの軸心に向かう内向き方向に突出して固定磁性体よりも優先して可動磁性体に接触し得る内向き突出部を用いて構成するとともに、第2軸受部を、シャフトのうち第1軸受部と対向し得る部分から第1軸受部に向かってシャフトの軸方向に突出して固定磁性体と可動磁性体との間に介在し得る軸方向突出部を用いて構成していることを特徴としている。
このような電磁クラッチであれば、ボビンの一部に形成した内向き突出部及びシャフトの一部に形成した軸方向突出部をそれぞれ第1軸受部、第2軸受部として機能させているため、専用の軸受部品を必要とする従来の態様と比較して、部品点数の削減及び組立の簡素化を図ることができ、低コスト化を実現することができる。さらに、磁気空隙のうちシャフトの軸方向に沿った一端部に第1軸受部を配置するとともに、他端部に第2軸受部を配置しているため、安定した軸受状態を実現することができるとともに、これら軸受部同士の間を空隙に設定することにより、固定磁性体と可動磁性体との対向面積を大きく確保することが可能である。その結果、シャフトの軸方向に沿った磁気空隙の面積を増大させることが可能になり、励磁状態における磁気的損失を抑制することができる。
また、本発明の電磁クラッチでは、第1軸受部を、内向き突出部と、内向き突出部の突出端から第2軸受部側に向かってシャフトの軸方向に突出して固定磁性体と可動磁性体との間に介在し得る補助突出部とを用いて構成することもできる。この場合、第1軸受部の補助突出部、第2軸受部の軸方向突出部の何れもが固定磁性体と可動磁性体との間に介在し得るため、より安定した軸受状態を実現することができる。
本発明によれば、磁気空隙の一端部にボビンの一部である内向き突出部を配置するとともに、磁気空隙の他端部にシャフトの一部である軸方向突出部を配置してそれぞれ第1軸受部、第2軸受部として機能させることにより、専用の軸受部品が不要であり、シャフトの径方向に対面する磁性体である固定磁性体と可動磁性体とを安定した軸受状態で相対回転させることができ、シャフトの径方向に対向する磁性体同士の対向面積を大きく確保して、シャフトの軸方向に沿った磁気空隙の面積を増大させることが可能な電磁クラッチを提供することができる。
本発明の一実施形態に係る電磁クラッチの断面模式図。 同実施形態に係る電磁クラッチの分解模式図。 同電磁クラッチの図2とは異なる角度から見た図2対応図。 同実施形態の一変形例に係る電磁クラッチの図1対応図。
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
本実施形態に係る電磁クラッチXは、図1及び図2に示すように、シャフト1と、励磁コイル21を保持する非磁性体のボビン2と、ボビン2を収容した状態でボビン2に一体的に組み付けられる固定磁性体3(以下「ヨーク3」と称する場合がある)と、シャフト1に一体回転可能に固定した可動磁性体4と、シャフト1の軸方向Aに沿ってロータ4に接離する方向に移動可能であって且つヨーク3及びロータ4と共に磁気回路を形成し得るアーマチュア5と、アーマチュア5を一体回転可能に保持した状態でシャフト1に相対回転可能に設けたギア6とを備えたものである。本実施形態では、可動磁性体としてロータ4を適用している。ここで、ボビン2、ヨーク3、ロータ4、アーマチュア5及びギア6はシャフト1を中心に同軸上に配置される。そして、本実施形態では、ロータ4が出力回転体として機能し、ギア6が入力回転体として機能する。
ボビン2は、励磁コイル21を巻回可能なコイル巻回用凹部22を有し、ヨーク3に収容されるものである。励磁コイル21には図示しない電源コード(リード線)が接続され、電源コードを介して外部電源から励磁電流が供給される。本実施形態では、外方に突出する回り止め部23をボビン2に設けている(図2参照)。
ヨーク3は、シェルとも称される金属製のものであり、中心に後述するロータ4の内側筒部43が挿通可能な挿通孔31を形成した概略円環状をなすリング部32と、リング部32の内周縁からシャフト1の軸方向Aに延びるヨーク内側筒部33と、リング部32の外周縁からヨーク内側筒部33と同一方向に延びるヨーク外側筒部34とを備えている。そして、これら各部(リング部32、ヨーク内側筒部33、ヨーク外側筒部34)によって形成される凹部にボビン2を組み付けることができる。なお、ヨーク外側筒部34の所定箇所には、ボビン2に設けた回り止め部23との干渉を回避してヨーク3に対するボビン2の組付位置を位置決めし得る切欠部35を形成している(図2参照)。ヨーク3及びボビン2を相互に組み付けたものは、フィールドコアやマグネット組立体、或いは電磁石部とも称され、以下の説明では「フィールドコア」と称する。
ロータ4は、例えば鋼などからなる金属製の磁性体であり、中心にシャフト1が挿通可能な挿通孔41を形成し且つシャフト1の軸方向Aに対して垂直な概略円環状をなすディスク部42と、このディスク部42の内周端からシャフト1の軸方向Aに延びてシャフト1に回転不能に外嵌可能なロータ内側筒部43と、ディスク部42の外周端からシャフト1の軸方向Aに延びてヨーク3の一部を外周側から被覆し得るロータ外側筒部44とを備えている。本実施形態では、ロータ4の挿通孔41の開口径をヨーク3の挿通孔31の開口径よりも小さく設定している。また、ロータ内側筒部43の外径をヨーク内側筒部33の内径よりも小さく設定するとともに、ロータ外側筒部44の内径をヨーク外側筒部34の外径よりも大きく設定している。なお、ロータ内側筒部43の一部に内方に膨出させた膨出部431を形成している(図2及び図3参照)。
アーマチュア5は、例えば鋼(鉄)を主材料(母材の材料)とするリング状の磁性体である。このアーマチュア5は、中心部分にシャフト1が挿通可能な貫通孔51を形成し、シャフト1の径方向Rに移動不能である一方、シャフト1の軸方向A(スラスト方向)にスライド移動可能なものである。本実施形態では入力回転体であるギア6にアーマチュア5を取り付けている。アーマチュア5の外周縁に鋸歯状の歯部52を形成し、この歯部52を、ギア6に設けた歯部64に噛み合わせることによって、ギア6に対するアーマチュア5の相対回転を規制し、アーマチュア5及びギア6を一体回転可能な状態で相互に組み付けている。また、アーマチュア5の中心部分に形成した貫通孔51の周縁には、図2に示すように、シャフト1の径方向R内向きに突出させた内向き突部53を所定間隔で複数(図示例では3つ)形成している。
ギア6は、シャフト1に対して回転自在に装着され、後述するシャフト1の一端部(先端部)に設けた弾性変形可能な止め部15と段部13とに挟まれて軸方向Aの移動が規制されている。また、このギア6は、シャフト1が挿通可能な挿通孔61と、アーマチュア5を収容するアーマチュア収容凹部62と、ロータ4の外側筒部44を所定の隙間を確保した状態で外側から被覆し得るカバー筒部63と、アーマチュア収容凹部62の外縁部に形成した歯部64と、アーマチュア収容凹部62の内縁部に設けられアーマチュア5の内向き突部53の各突出端が接触し得る内側段部65とを有する。アーマチュア収容凹部62にアーマチュア5を収容した状態において、アーマチュア5は、歯部52がギアの歯部64に噛み合うことによりギア6に対して回転不能となる一方、ギア6に対して軸方向Aに所定距離(アーマチュア収容凹部62によりアーマチュア5の収容状態が解除されない範囲内において)スライド可能である。なお、アーマチュア5がギア6に対して軸方向Aに所定距離スライド移動する際に、アーマチュア5の内向き突部53の各突出端がギア6の内側段部65に添接(摺接)する。これによりギア6に対するアーマチュア5の安定したスライド移動を実現できる。
また、本実施形態では、カバー筒部63の内径をロータ外側筒部44の外径よりも大きく設定している。なお、ロータ4とアーマチュア5との間には、アーマチュア5をロータ4から離間する方向に付勢する例えばポリエステル等の合成樹脂やゴム等の弾性高分子材料、あるいは、ステンレス等の弾性金属材料で形成された円環状の付勢部材(図示省略)を配設することができる。そして、本実施形態では、この付勢部材の外径をアーマチュア5の貫通孔51よりも小さく設定し、アーマチュア5がギア6から離反する方向に移動した場合に、アーマチュア5に設けた内向き突部53が付勢部材に当接することによりアーマチュア5がギア6から離脱しないように構成している。
シャフト1は、ロータ4の内側筒部43の内周面(挿通孔41)に嵌合可能な基端側軸部11と、ギア6の挿通孔61に挿通可能な先端側軸部12とを有する。本実施形態では概略中空筒状のシャフト1を適用しており、基端側軸部11の内周面及び先端側軸部12の内周面はフラットな形状で連続する一方で、基端側軸部11の外周面と先端側軸部12の外周面との境界部分には段部13が形成されている。具体的には、先端側軸部12を基端側軸部11よりも厚みを薄く設定している。そして、先端側軸部12の所定部分にスリットを形成し、一対のスリットによって他の先端側軸部12との連続性を遮断した部分を弾性変形可能な弾性変形部14として機能させ、この弾性変形部14の先端に上述の止め部15を設けている。また、本実施形態では、基端側軸部11の基端にリング状の鍔部16を設け、この鍔部16に固定磁性体3(ヨーク3)の一部(リング部32)が接触し得るように構成している。また、軸方向に貫通する内部中空孔17のうち基端側部分に、断面形状を円形以外の形状、例えばD字状に設定した異形状孔部171を形成している。
このように構成された電磁クラッチXは、例えばプリンタ等の画像形成装置(図示省略)における給紙機構部等の外部シャフトがシャフト1の内部中空部17に挿通されて異形状孔部171に嵌合し、外部シャフトとシャフト1とが一体回転可能な状態となり、ボビン2に設けた回り止め部23が画像形成装置等の機器内部の固定部材に固定されてボビン2及びヨーク3、すなわちフィールドコア全体が回転しないように取り付けられる。この状態で、外部の駆動源からギア6に回転力が与えられると、ギア6がアーマチュア5と共にシャフト1のうち先端側軸部12の外周を回転する。
この状態で励磁コイル21が通電状態(励磁状態)になると、ヨーク3及びロータ4で形成される磁路中に励磁コイル21による磁束が生成されることになり、この磁束はロータ4の近傍位置にあるアーマチュア5を経由して生成されることになる。このため、ロータ4にアーマチュア5を吸引する磁気吸着力が発生し、図1に示すように、アーマチュア5が付勢部材の弾性力に抗してロータ4側に移動してロータ4に押圧する。その結果、ロータ4がアーマチュア5と共に回転する結果、入力側回転体であるギア6の回転力をアーマチュア5を介してシャフト1に伝達することができ、シャフト1がギア6の回転に応じて回転することになる。これにより、外部シャフトもシャフト1と一体回転する。
一方、励磁コイル21への通電が遮断された状態(非励磁状態)では、磁束が消滅し、電磁力が作用しないアーマチュア5は付勢部材の付勢力によってロータ4から離反した元の位置に引き戻される(図示省略)。その結果、ギア6からシャフト1への回転力の伝達は遮断され、シャフト1は回転せずに停止した状態になる。したがって、外部シャフトへも回転力は伝達されない。
このように、電磁クラッチXは、励磁コイル21への電流の供給・切断により、アーマチュア5に対して電磁力を作用させてアーマチュア5をロータ4に押圧(吸着)させて回転力を伝達する動力伝達状態と、アーマチュア5をロータ4から離反させて回転力の伝達を遮断する遮断状態との間で切り替えることができる。
このような原理で作動する電磁クラッチXでは、ボビン2とヨーク3とからなるフィールドコアは常に静止しており、励磁状態でロータ4がフィールドコアに対してシャフト1と共に回転するため、何れも磁性体であるヨーク3とロータ4とが磁力で相互に吸着することを回避しつつ、ヨーク3とロータ4の間に励磁状態で磁気空隙として機能するスペース(ギャップS)を確保する必要がある。
本実施形態に係る電磁クラッチXは、図1に示すように、シャフト1の径方向Rに対面するロータ内側筒部43とヨーク内側筒部33との間に、軸方向Aに所定寸法を隔てて第1軸受部8と第2軸受部9を配置し、これら第1軸受部8及び第2軸受部9によってロータ4とヨーク3との間にギャップSを形成している。つまり、第1軸受部8と第2軸受部9との間にシャフト1の軸方向Aに延びるギャップSを形成し、励磁状態ではこのギャップSが磁気空隙として機能するように構成している。
第1軸受部8は、ボビン2の一部をシャフト1の軸心に向かう内向き方向に突出させた内向き突出部81によって構成したものである。この内向き突出部81は、ボビン2のうちロータ4のディスク部42に接触し得る部分をシャフト1の軸心に向かう内向き方向に突出させて形成したものであり、その突出寸法をヨーク3のヨーク内側筒部33の厚み寸法よりも大きく設定している。したがって、このようなボビン2をヨーク3に組み付けたフィールドコアをロータ4に組み付けた場合に、フィールドコアのうち内向き突出部81がヨーク内側筒部33よりも優先してロータ内側筒部43に当接して、ロータ内側筒部43とヨーク内側筒部33との間に磁気空隙として機能するギャップSを形成することができる。以下の説明では、フィールドコアとロータ4を相互に組み付けた状態のものを「半製品」と称する。
一方、第2軸受部9は、シャフト1のうち第1軸受部8と対向し得る部分を第1軸受部8に向かってシャフト1の軸方向Aに突出させた軸方向突出部91によって構成したものである。具体的には、シャフト1のうち基端側に設けた鍔部16のうち第1軸受部8と対向し得る部分からヨーク3側に向かって軸方向Aに突出した形状をなすこの軸方向突出部91は、その突出先端部がシャフト1の軸方向Aにおいて励磁コイル21よりもシャフト1の基端側に位置付けられるようにその突出寸法を設定している。また、第2軸受部9の厚み寸法は、シャフト1の径方向Rに沿ったロータ内側筒部43とヨーク内側筒部33との離間寸法を規定するものであり、本実施形態では第1軸受部8を構成する内向き突出部81の突出寸法からヨーク内側筒部33の厚み寸法を引いた値と同一または略同一に設定している。
そして、半製品をシャフト1の先端側から挿入すると、第1軸受部8を構成するボビン2の内向き突出部81の存在により相互に離間した状態でシャフト1の径方向Rに対向するロータ内側筒部43とヨーク内側筒部33との間にシャフト1の軸方向突出部91が嵌り込んで介在し、この軸方向突出部91が第2軸受部9として機能し得る状態となる。なお、ヨーク3のリング部32又はロータ4の内側筒部の少なくとも何れか一方がシャフト1の鍔部16に当接することによって半製品がシャフト1の基端側へ抜け外れることを防止することができる。また、半製品をシャフト1に挿入して組み付けた後に付勢部材、アーマチュア5及びギア6をシャフト1に挿入してもよいが、組付作業の効率化という観点からは、半製品に付勢部材、アーマチュア5及びギア6を組み付けた状態でシャフト1に挿入することが望ましい。また非効率的な組付手順ではあるが、シャフト1にフィールドコアを先に挿入してシャフト1の軸方向突出部91とヨーク内側筒部33とをシャフト1の径方向Rに接触させておき、この状態でシャフト1の径方向Rに対向するボビン2の内向き突出部81とシャフト1の基端側軸部11との間に形成される隙間にロータ内側筒部43を挿入することによってシャフト1、フィールドコア及びロータ4を相互に組み付けるようにしてもよい。
以上の構成により、本実施形態に係る電磁クラッチXでは、シャフト1の径方向Rに対面するロータ4とヨーク3との間に、シャフト1の軸方向Aに沿った両端部に第1軸受部8及び第2軸受部9を配置した磁気空隙Sを形成することができる。そして、本実施形態に係る電磁クラッチXは、第1軸受部8をボビン2の一部であってヨーク3よりも優先してロータ4に接触する内向き突出部81によって構成するとともに、第2軸受部9をシャフト1の一部であってロータ4とヨーク3との間に介在する軸方向突出部91によって構成しているため、専用の軸受部材を用いて磁気空隙Sを形成する態様と比較して、部品点数の削減及び組付手順の簡素化を図ることができ、低コスト化を実現することができる。また、本実施形態に係る電磁クラッチXは、シャフト1の径方向Rに対面するロータ4とヨーク3との間に形成した磁気空隙Sの両端部を各軸受部(第1軸受部8、第2軸受部9)によって支持する態様であるため、軸受機能の向上を図ることできる。
さらに、本実施形態に係る電磁クラッチXは、磁気空隙Sの両端部のみを各軸受部(第1軸受部8、第2軸受部9)で支持する態様であるため、ヨーク3のうち磁気空隙Sを隔ててシャフト1の径方向Rにロータ4と対面する面積と、ロータ4のうち磁気空隙Sを隔ててシャフト1の径方向Rにヨーク3と対面する面積をそれぞれ大きく確保することができ、シャフト1の軸方向Aに沿った磁気空隙Sの面積を増大させることが可能になる。したがって、本実施形態によれば、シャフト1の軸方向Aに沿った磁気空隙Sの面積減少に伴う磁気的損失を抑制することができ、完成品において所期の機能を有効に発揮し得る電磁クラッチXを提供することができる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。例えば、ボビンの内向き突出部やシャフトの軸方向突出部の突出寸法は適宜変更することができる。
また、図4に示すように、第1軸受部8を、内向き突出部81と、内向き突出部81の突出端から第2軸受部9に向かってシャフト1の軸方向Aに突出して固定磁性体(ヨーク3)と可動磁性体(ロータ4)との間に介在する補助突出部82とによって構成しても構わない。このような態様であれば、第1軸受部8の補助突出部82、第2軸受部9の軸方向突出部91の何れもがヨーク3とロータ4との間に介在し得るため、より安定した軸受状態を実現することができる。なお、第1軸受部8を構成する補助突出部82の厚み寸法は、第2軸受部9を構成するシャフト1の軸方向突出部91の厚み寸法と同一に設定すればよい。また、ヨーク3及びロータ4のうち、磁気空隙Sを隔ててシャフト1の径方向Rに相互に対向する面積を可能な限り大きく確保することが好ましい点を考慮した上で、補助突出部82の突出寸法は適宜変更することができる。
また、ロータが入力回転体として機能し、ギアが出力回転体として機能する態様であっても構わない。
また、可動磁性体が、ロータと一体回転可能な状態でスプライン係合など適宜の手段でシャフトに装着されたハブであってもよい。
その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
1…シャフト
2…ボビン
21…励磁コイル
3…固定磁性体(ヨーク)
4…可動磁性体(ロータ)
5…アーマチュア
8…第1軸受部
81…内向き突出部
9…第2軸受部
91…軸方向突出部
S…磁気空隙
X…電磁クラッチ

Claims (2)

  1. シャフトと、
    励磁コイルを保持する非磁性体のボビンと、
    当該ボビンを一体的に組み付けた状態で収容可能な固定磁性体と、
    前記シャフトに一体回転可能に組み付けられ且つ前記シャフトの径方向に対面する前記固定磁性体との間に磁気空隙を形成し得る可動磁性体と、
    前記固定磁性体及び前記可動磁性体と共に磁気回路を形成し得るアーマチュアとを備え、
    前記励磁コイルが励磁状態である場合に前記アーマチュアが電磁吸引力により前記可動磁性体に押圧するように構成した電磁クラッチであり、
    前記磁気空隙の前記シャフトの軸方向に沿った一端部に第1軸受部を配置し、他端部に第2軸受部を配置し、
    前記第1軸受部が、前記ボビンの一部から前記シャフトの軸心に向かう内向き方向に突出して前記固定磁性体よりも優先して前記可動磁性体に接触し得る内向き突出部を用いて構成したものであり、
    前記第2軸受部が、前記シャフトのうち前記第1軸受部と対向し得る部分から前記第1軸受部に向かって当該シャフトの軸方向に突出して前記固定磁性体と前記可動磁性体との間に介在し得る軸方向突出部を用いて構成したものであることを特徴とする電磁クラッチ。
  2. 前記第1軸受部を、前記内向き突出部と、当該内向き突出部の突出端から前記第2軸受部側に向かって前記シャフトの軸方向に突出し、且つ前記固定磁性体と前記可動磁性体との間に介在し得る補助突出部とを用いて構成している請求項1に記載の電磁クラッチ。
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