以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
先ず、図1及び図2を参照し、本発明に係る記録装置の一実施形態としてのインクジェットプリンタ1の全体構成について説明する。
プリンタ1は、共に直方体形状で且つサイズが略等しい上筐体1a及び下筐体1bを有する。上筐体(第2筐体)1aは下面が開口し、下筐体(第1筐体)1bは上面が開口している。上筐体1aが下筐体1b上に重なり、互いの開口面を封止することで、プリンタ1内部の空間が画定される(図2参照)。上筐体1aの天板上部には、排紙部31が設けられている。上及び下筐体1a,1bにより画定される空間には、後述の給紙ユニット1cから排紙部31に向けて、図2に示す太矢印に沿って、用紙Pが搬送される用紙搬送経路が形成されている。
上筐体1aは、図2に示すように、上筐体1aにおける副走査方向の一端部(図中右端部)の鉛直方向略中央において、主走査方向に延在する軸1hを介して下筐体1bに連結されている。そして、上筐体1aは、当該軸1hを中心として、下筐体1bに対して回動可能となっている。上筐体1aは、回動することで、下筐体1bに近接した近接位置(図2に示す位置)と、近接位置のときよりも下筐体1bから離隔した離隔位置(図1に示す位置)とを取り得る。なお、上筐体1aの回動によって移動する後述のガイドピン4、5の移動軌跡を図11に示す。図2に戻って、上筐体1aが離隔位置にあるとき、近接位置にある上筐体1a及び下筐体1bによって形成されている用紙搬送経路の一部が外部に露出され、用紙搬送経路上にユーザの作業空間が確保される。上筐体1aが離隔位置に位置することで、作業空間が確保されると、ユーザは、用紙搬送経路においてジャムした用紙Pを除去したり、記録部9や支持部60の保守作業を行うことができる。記録部9や支持部60の保守作業とは、例えば、吐出面10aや、支持面61a、対向面62aに付着した汚れを除去する作業である。軸1hには、上筐体1aを開放する方向に(近接位置から離隔位置に向けて)付勢するバネ(不図示)が設けられている。本実施形態において、上筐体1aは、水平面に対して略35度の傾斜角度まで開くことができる。また、軸1h近傍には、上筐体1aが近接位置にあるときだけ、検出信号を制御装置1pに出力するセンサ39(図7参照)が設けられている。このセンサ39からの検出信号の有無によって、制御装置1pが、上筐体1aが離隔位置及び近接位置のいずれにあるかを判定する。
上筐体1aの正面(図1の紙面左手前側の面)には、近接位置にある上筐体1aの回動を規制するロック機構70が設けられている。ロック機構70の構成については後に詳述する。下筐体1bの正面には、上筐体1aの正面を覆う開閉可能な蓋1dが設けられている。蓋1dを開放することによってロック機構70が露出される。
上筐体1aは、2つのヘッド10(図2に太矢印で示す用紙搬送方向上流側から順に、前処理液を吐出するプレコートヘッド10及びブラックインクを吐出するインクジェットヘッド10)、これら2つのヘッド10及び送りローラ対24のうちの上側のローラを支持するフレーム3、フレーム3を昇降させるヘッド昇降機構33(図7参照)、ヘッド10にそれぞれ対応する2つのカートリッジ(不図示)、プリンタ1各部の動作を制御する制御装置1p(図2参照)を収容している。本実施形態においては、2つのヘッド10とフレーム3とによって、用紙Pに画像を記録する記録部9が構成されている。記録部9は、ヘッド昇降機構33を介して上筐体1aに保持されている。
さらに、上筐体1aは、送りローラ対25,26のうちの上側のローラ、これらローラ対25,26間のガイド29のうちの上側のガイド、送りローラ対27,28及び用紙搬送方向に沿って送りローラ対26,28間の2組のガイド29も収容している。つまり、上筐体1aが近接位置から離隔位置に回動することで、これらの収容部品がすべて上筐体1aとともに移動する。なお、図2では、上筐体1aに収容されている一部の部品の図示を省略している。
下筐体1bは、支持部60、ワイパユニット67、2つの廃液トレイ65及び給紙ユニット1cを収容(保持)している。さらに下筐体1bは、用紙センサ32、送りローラ対22,23及び用紙搬送方向に沿って給紙ユニット1cと送りローラ対23との間の2組のガイド29も収容している。
各カートリッジは、対応するヘッド10に供給される前処理液又はブラックインク(以下、これらを「液体」と総称する。)を貯留している。前処理液は、インクの滲みや裏抜けを防止する機能、インクの発色性や速乾性を向上させる機能等を有する液体である。各カートリッジは、対応するヘッド10にチューブ(不図示)及びポンプ34(図7参照)を介して接続されている。なお、各ポンプ34は、対応するヘッド10に液体を強制的に送るとき(すなわち、パージ動作や液体の初期導入が行われるとき)だけ制御装置1pによって駆動される。また、画像記録時におけるヘッド10には、流路内に負圧が生じるため、カートリッジ内の液体が自動的にヘッド10に供給される。
各ヘッド10は、主走査方向に長尺なライン式であり、略直方体の外形形状を有する。2つのヘッド10は、副走査方向に互いに離隔してフレーム3に支持されている。各ヘッド10において、上面には、チューブが取り付けられるジョイントが設けられ、下面の吐出面10aには、多数の吐出口が開口し、内部には、カートリッジから供給された液体が吐出口に至るまでの流路が形成されている。フレーム3には、各ヘッド10の下端外周を囲む環状部材40が設けられている。環状部材40の構成については後に詳述する。
ヘッド昇降機構(移動機構)33は、上筐体1aが近接位置にあるときにフレーム3を鉛直方向(所定の方向)に沿って昇降させ、2つのヘッド10を記録位置(図2及び図5(a)に示す位置)と退避位置(図5(b)に示す位置)の間で移動させる。記録位置では、2つのヘッド10が支持部60(後述する第1状態における支持面61a)と記録に適した間隔で対向する。なお、記録位置には、普通紙など比較的厚みの薄い用紙Pに対応した第1記録位置と、厚紙などの用紙Pに対応し第1記録位置よりも支持面61aから離れた第2記録位置とがある。退避位置では、図5(b)に示すように、2つのヘッド10が支持部60(後述する第2状態における対向面62a)から第2記録位置以上の間隔で離隔する。ヘッド昇降機構33は、制御装置1pの制御により、ヘッド10が第1記録位置と、第2記録位置と、退避位置とを選択的に取り得るように、フレーム3を昇降させる(図9参照)。
ヘッド10が第1記録位置にあるときの、記録部9(ヘッド10)と支持部60との位置関係を第1位置関係と称する。また、ヘッド10が第2記録位置にあるときの、記録部9(ヘッド10)と支持部60との位置関係を第3位置関係と称する。また、ヘッド10が退避位置にあるときの、記録部9(ヘッド10)と支持部60との位置関係を第2位置関係と称する。つまり、ヘッド昇降機構33は、記録部9と支持部60とが、第1位置関係と、ヘッド10と支持部60との鉛直方向の離隔距離が第1記録位置関係よりも大きい第3位置関係と、ヘッド10と支持部60との鉛直方向の離隔距離が第3位置関係よりも大きい第2位置関係とを取り得るように、記録部9を昇降させる。本実施形態における第1及び第3位置関係は、用紙Pに画像を記録する記録位置関係となっている。
給紙ユニット1cは、給紙トレイ20及び給紙ローラ21を有する。このうち給紙トレイ20が下筐体1bに対して副走査方向に着脱可能である。給紙トレイ20は、上方に開口する箱であり、複数種類のサイズの用紙Pを収容可能である。給紙ローラ21は、制御装置1pの制御により回転し、給紙トレイ20の最も上方にある用紙Pを送り出す。給紙ローラ21によって送り出された用紙Pは、ガイド29によりガイドされ且つ送りローラ対22,23によって順次挟持されつつ支持部60へと送られる。
支持部60は、図2に示すように、記録部9と鉛直方向に対向して配置されている。支持部60は、ヘッド10とそれぞれ対向する2つの回転体63と、回転体63の周面に固定された2つのプラテン61及び2つの対向部材(対向部)62と、2つの回転体63を回転可能に支持するフレーム11とを有している。回転体63は、主走査方向の軸を有し且つ制御装置1pの制御により当該軸を中心として回転する。また、フレーム11は、下側の送りローラ24も回転可能に支持している。
プラテン61及び対向部材62は、共に主走査方向及び副走査方向に関して吐出面10aより一回り大きなサイズを有し、且つ、鉛直方向に互いに対向して配置されている。
プラテン61の表面は、吐出面10aに対向しつつ用紙Pを支持する支持面61aであり、用紙Pを保持できるように材料や加工に工夫が施されている。例えば支持面61aに、弱粘着性のシリコン層を形成したり、副走査方向に沿ったリブを多数形成したりすることで、支持面61a上に載置された用紙Pの浮き等が防止される。また、プラテン61は、樹脂により構成されている。
対向部材62は、水分を透過しない又は透過し難い材料から構成されている。対向部材62の表面は、平滑であって、吐出面10aに対向する対向面62aである。
回転体63の回転により、支持面61aが吐出面10aに対向し且つ対向面62aが吐出面10aに対向しない第1状態(図2及び図5(a)参照)と、支持面61aが吐出面10aに対向せず且つ対向面62aが吐出面10aに対向する第2状態(図5(b)、図6及び図9参照)とが切り換わる。本実施形態において、制御装置1pは、用紙Pに向けて吐出口から液体を吐出して用紙Pに画像を記録するときは第1状態、パージ動作やワイピング動作が行われるとき及びキャッピング状態においては第2状態となるように、回転体63の駆動を制御する。
各廃液トレイ65は、回転体63等の下方に配置されており、廃液タンク(図示せず)に連通している。パージ動作やワイピング動作の際に上方から落下してきた液体は、廃液トレイ65に受容され、廃液タンクに排出される。
ワイパユニット67は、ワイパ67aと、ワイパ67aを主走査方向に往復移動させるワイパ移動機構68(図7参照)とを有している。ワイパ67aは、回転体63等に対して図2の紙面奥側の位置を待機位置として(図1参照)、制御装置1pによってワイパ移動機構68が制御されることで、主走査方向に移動可能である。ワイパ67aは、ゴム等の弾性材料からなり、副走査方向に延在する板状部材である。ヘッド10がワイピング位置(後述する)にあるときにワイパ67aが主走査方向へ移動する際、ワイパ67aの上端が吐出面10aに、ワイパ67aの下端が対向面62aに接触するように、ワイパ67aはワイパ移動機構68に支持されている。これにより、吐出面10a及び対向面62aに付着した液体がワイパ67aによって除去される(すなわち、吐出面10a及び対向面62aの清掃が行われる)。
次いで、図3を参照し、ロック機構70の構成について説明する。
ロック機構70は、円柱状の回転部材71と、2つの連動部材73a,73bと、揺動部材74a,74bと、バネ76a,76bと、固定部材75a,75bと、軸部材75c、75dとを含む。回転部材71と、連動部材73a,73bと、揺動部材74a,74bと、バネ76a,76bとは、上筐体1aに保持されている。固定部材75a,75bと、軸部材75c、75dとは、下筐体1bに保持されている。連動部材73a,73bは、長手方向一端がそれぞれ回転部材71の周面に連結されている。揺動部材74a,74bは、各連動部材73a,73bの長手方向他端に連結され、軸部材75c、75dと係合可能な凹部74c、74dをそれぞれ有している。バネ76a,76bは、各揺動部材74a,74bの上端に連結されている。固定部材75a,75bは、下筐体1bから回転部材71に向かって突出している。軸部材75c、75dは、副走査方向に延出しており、固定部材75a、75bにそれぞれ固定され、凹部74c、74dと係合可能である。
回転部材71の正面には、棒状のツマミ72が固定されている。ツマミ72は、ユーザが手動で回転させることができ、回転部材71と一体的に回転する。ツマミ72の回転中心には、ユーザが押下可能なボタン72bが設けられている。また、ツマミ72の回転を禁止するソレノイド37(図7参照)が設けられている。
バネ76a,76bはそれぞれ揺動部材74a,74bの上端が回転部材71に近づく方向に付勢している。これにより、外力が付加されない状況において、ロック機構70の各部は、図3(a)に示すようにツマミ72が鉛直方向に延在した状態で、静止している。
ツマミ72は、通常はソレノイド37によって回転が禁止された回転禁止状態にあり、制御装置1pによるソレノイド37の駆動制御によって、回転禁止状態から回転許可状態に切り換えられる。例えば、ジャム処理(用紙搬送経路における用紙Pの詰まりを解消する作業)等を行うために、ユーザがボタン72bを押下すると、ロック機構70による規制が解除されることを示す規制解除信号が、ボタン72bに内蔵されたセンサ38(図7参照)から制御装置1pに出力される。また、ユーザがボタン72bを押下しなくとも、制御装置1pは、記録モード時におけるジャム(用紙搬送経路における用紙Pの詰まり)の発生を検知可能であり、ジャムの発生を検知したときに規制解除信号を受信したと判定する(具体的には、ジャムの発生は、用紙センサ32や、送りローラ対22〜28の駆動モータからの信号に基づいて、制御装置1pが検知する。制御装置1pは、ジャムの発生を検知した場合、そのとき用紙センサ32等から出力された信号を規制解除信号とみなして処理を行う)。本実施形態においては、センサ38及びジャムの発生を検知した場合の用紙センサ32等が規制解除信号を制御装置1pに出力する出力部を構成している。制御装置1pは、規制解除信号を受信した場合、ソレノイド37を駆動してツマミ72を回転禁止状態から回転許可状態に切り換える。
ロック機構70は、図3(a)に示す状態において、揺動部材74a、74bの凹部74c、74dが、軸部材75c、75dにそれぞれ係合している。この係合によって、近接位置にある上筐体1aが離隔位置に向かって回動しないように、上筐体1aの移動が規制されている。
回転許可状態とされたツマミ72を、ユーザがバネ76a,76bの付勢力に抗して時計回りに回転させると、図3(b)に示すように連動部材73a、73bが移動する。連動部材73a、73bが移動すると、揺動部材74a、74bの凹部74c、74dが軸部材75c、75dから外れるように揺動部材74a、74bが揺動する。これにより、上記係合が解除され(即ち、近接位置にある上筐体1aの移動規制が解除され)、ユーザが手動で上筐体1aを近接位置から離隔位置に移動させることができる。このとき、センサ39からの検出信号が制御装置1pに送られず、制御装置1pが上筐体1aが離隔位置にあると判定する。
一方、ユーザが上筐体1aを手動で離隔位置から近接位置に復帰させると、バネ76a,76bの付勢力によって揺動部材74a、74bの凹部74c、74dと、軸部材75c、75dとの係合が自動的に復帰する。このとき、センサ39から検出信号が制御装置1pに出力される。これにより、上筐体1aが離隔位置から近接位置に戻ったと制御装置1pが判定し(この時点で揺動部材74a、74bの凹部74c、74dと、軸部材75c、75dとの係合も復帰している)、ソレノイド37を制御してツマミ72を回転許可状態から回転禁止状態に切り換える。こうして、上筐体1aの移動規制が開始される。このように、センサ39からの検出信号は、上筐体1aの移動規制が開始されることを示す、規制開始信号である。つまり、本実施形態におけるセンサ39も、規制開始信号を制御装置1pに出力する出力部を構成している。
次いで、図1及び図5を参照し、フレーム3について説明する。
フレーム3は、環状に形成され、2つのヘッド10及び送りローラ対24のうちの上側のローラを支持する。さらに、フレーム3は、環状部材40が昇降可能なように環状部材40を支持している。フレーム3は、図5に示すように、2本のガイドピン4,5を有している。ガイドピン4,5は、フレーム3の下面であって後述のガイド穴12,13と対向する位置に配置されており、先細りの円柱部材からなる。また、ガイドピン4,5は、フレーム5の下面から吐出面10aに対して垂直な方向に沿って延出している。より具体的には、ガイドピン4,5は、上筐体1aが近接位置にあって2つのヘッド10が記録位置にあるときに(図2及び図5(a)に示す位置)、鉛直方向(所定の方向)に延出している。
次いで、図4及び図5を参照し、フレーム11について説明する。
フレーム11は、図4に示すように、環状に形成され、2つの回転体63及び送りローラ対24のうちの下側のローラを回転可能に支持している。フレーム11の上面には、ガイドピン4、5のそれぞれと係合可能な2つのガイド穴12、13が形成されている。ガイド穴12、13には、ヘッド10が記録位置(第1及び第2記録位置)にあって上筐体1aが近接位置にあるときにガイドピン4,5が挿入される。ガイド穴12、13にガイドピン4、5が挿入されることで、ガイドピン4,5とガイド穴12,13とが係合する。ガイドピン4,5とガイド穴12,13は、記録部9と支持部60との位置関係が第1及び第3位置関係のときに互いに係合する。これらガイドピン4,5及びガイド穴12,13によって記録部9と支持部60との水平方向の位置決め行う位置決め機構が構成されている。ガイドピン4,5は、図5(a)に示すように、上筐体1aが近接位置であってヘッド10が記録位置にあるときに、ガイド穴12,13と係合可能(ガイド穴12、13に挿入可能)な長さを有している。また、ガイドピン4,5は、図5(b)に示すように、上筐体1aが近接位置にあってヘッド10が退避位置及びワイピング位置(後述する)にあるときに、ガイド穴12,13と係合しない長さとなっている。
2つのガイド穴12,13は、フレーム11の主走査方向に関して図4中手前側の角部にそれぞれ形成されており、副走査方向に沿って並んで配置されている。ガイド穴12は、図4に示すように、平面視において円形状を有しており、その内径はガイドピン4の外径とほぼ同じ又は若干大きめに形成されている。また、ガイド穴12は、図5に示すように、鉛直方向に延出している。つまり、ガイド穴12は、円柱形状を有している。また、ガイド穴12の開口近傍にはすり鉢状のテーパ部12aが形成されている。これにより、ガイドピン4がガイド穴12に挿入されやすくなる。
ガイド穴13は、ガイド穴12と同様であり、平面視において円形状を有しており、その内径はガイドピン5の外径とほぼ同じ又は若干大きめに形成されている。また、ガイド穴13は、図5に示すように鉛直方向に延出している。つまり、ガイド穴13は、円柱形状を有している。また、ガイド穴13の開口近傍にはすり鉢状のテーパ部13aが形成されている。これにより、ガイドピン5がガイド穴13に挿入されやすくなる。
このように、ガイドピン4、5とガイド穴12、13とが係合することで、フレーム3とフレーム11の主走査方向及び副走査方向の相対位置が位置決めされる。また、ガイドピン4,5及びガイド穴12,13の対となる各組が2組設けられていることで、フレーム3とフレーム11の水平面に沿った相対的な回転角度が位置決めされる。
次いで、図6を参照し、環状部材40の構成について説明する。
環状部材40は、ゴム等の弾性材料からなり、平面視で吐出面10aの外周を囲む環状形状を有する。環状部材40の下端には、断面視逆三角形状の突出部40aが形成されている。
環状部材40は、キャップ昇降機構41により上下に昇降可能である。キャップ昇降機構41は、複数のギア41Gと、これらギア41Gを駆動する駆動モータ41M(図7参照)とを有しており、これらのギア41Gの駆動により環状部材40が鉛直方向に昇降する。この昇降によって、環状部材40は、突出部40aが吐出面10aよりも上方に位置する上昇位置と、突出部40aが吐出面10aよりも下方に位置し対向面62aと当接する下降位置とを取り得る。なお、環状部材40の昇降可能な距離は、ヘッド10が第1及び第2記録位置のいずれに配置されているときでも、環状部材40が対向面62aと当接することが可能な距離となっている。つまり、ヘッド10の記録位置は、環状部材40を下降位置に移動させることで、後述のように吐出面10aを封止可能なキャッピング位置でもある。本実施形態における第1及び第3位置関係は、吐出面10aを封止可能なキャッピング位置関係となっている。これにより、第1及び第3位置関係において吐出面10aをキャッピングすることが可能となる。このため、キャッピングするために、記録部9又は支持部60を大きく移動させる必要がなくなり、このときの退避スペースを装置内に設ける必要がなくなって、プリンタ1の小型化が図れる。
制御装置1pは、キャッピング中には環状部材40が下降位置を取り(図6参照)、それ以外の時には環状部材40が上昇位置を取るように、キャップ昇降機構41(駆動モータ41M)を制御してギア41Gを駆動する。キャッピング中、図6に示すように、対向面62aに突出部40aの先端が当接することによって吐出面10aを封止する、すなわち、吐出面10aと対向面62aとの間に形成される吐出空間V1が、外部空間V2から隔離される。これにより、吐出面10aの吐出口近傍の液体の乾燥が抑制される。このように環状部材40及びキャップ昇降機構41によって、キャッピング機構が構成されている。
次に、図7を参照し、プリンタ1の電気的構成について説明する。
制御装置1pは、演算処理装置であるCPU(Central Processing Unit)101に加えて、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory:不揮発性RAMを含む)103、ASIC(Application Specific Integrated Circuit )104、I/F(Interface)105、I/O(Input/Output Port)106等を有する。ROM102には、CPU101が実行するプログラム、各種固定データ等が記憶されている。RAM103には、プログラム実行時に必要なデータが一時的に記憶される。ASIC104では、画像データの書き換え、並び替え等(例えば、信号処理や画像処理)が行われる。I/F105は、外部装置(プリンタ1に接続されたPC等)とのデータ送受信を行う。I/O106は、各種センサの検出信号の入力/出力を行う。
制御装置1pは、各モータ21M,22M〜28M、用紙センサ32、ヘッド昇降機構33、ワイパ移動機構68、ソレノイド37、センサ38,39及びヘッド10の制御基板等に接続されている。制御装置1pはさらに、ポンプ34、回転モータ63M及び駆動モータ41Mに接続されている。なお、これらポンプ34、回転モータ63M及び駆動モータ41Mは、ヘッド10毎に設けられているが、図7では、1のヘッド10に対応するもののみ示し、簡略化している。
次に、図8を参照し、制御装置1pが実行するパージ動作及びワイピング動作及び画像記録動作の制御内容について説明する。
制御装置1pは、図8に示すように、先ず、パージ指令の受信の有無を判断する(ステップ1:F1)。パージ指令は、例えば、搬送経路内での紙ジャム(詰まり)時、所定時間以上継続した非吐出後等に受信される。
制御装置1pは、パージ指令を受信すると(F1:YES)、第2状態であるか否かを判定する(ステップ2:F2)。ステップ2において、第1状態のときはステップ3(F3)に進み、第2状態のときはステップ4(F4)に進む。ステップ3においては、制御装置1pが回転モータ63Mを駆動し、回転体63を回転させて第2状態にする。
ステップ4においては、制御装置1pが各ポンプ34を駆動し、図9(a)に示すように、すべての吐出口から対向面62a上に所定量の液体を排出する(パージ動作)。その後、制御装置1pは、ヘッド昇降機構33を制御して、図9(b)に示すように、ヘッド10を記録位置からワイピング位置に移動させる(ステップ5:F5)。ワイピング位置は、退避位置と第2記録位置との間であってガイドピン4,5がガイド穴12,13とちょうど係合しない位置(ガイドピン4,5がガイド穴12,13から抜けた位置であってガイドピン4,5の先端がガイド穴12,13に近接した位置)であり、ワイパ67aを主走査方向に移動すると、ワイパ67aの上端と吐出面10aとが接触する位置である。また、当該ワイピング位置において、ワイパ67aが主走査方向に移動すると、ワイパ67aの下端と対向面62aとが接触する。なお、ヘッド10が退避位置にあるときは、ワイパ67aが主走査方向に移動して吐出面10aと対向する位置を通過しても、ワイパ67aと吐出面10aとは接触しない。
ステップ5の後、制御装置1pは、ワイパ移動機構68を制御して、ワイパ67aを待機位置から主走査方向に沿って移動させて吐出面10a及び対向面62aをワイピングする(ワイピング動作:ステップ6(F6))。こうして、吐出面10a及び対向面62aに付着した液体を除去することができる。
ステップ6の後、制御装置1pは、ヘッド昇降機構33を制御して、ヘッド10をワイピング位置から退避位置に移動させる(ステップ7:F7)。そして、制御装置1pが、ワイパ移動機構68を制御して、ワイパ67aを待機位置に戻す(ステップ8:F8)。このとき、ワイパ67aで対向面62aだけを再度ワイピングする。ステップ8の後、制御装置1pは、ヘッド昇降機構33を制御して、図9(c)に示すように、ヘッド10を退避位置から記録位置に移動させる(ステップ9:F9)。このとき、通常は、第1記録位置にヘッド10を移動させるが、ヘッド10を第1記録位置に移動させるまでに、記録指令を受信し、その記録指令において、用紙Pの設定が厚紙である場合は、ヘッド10を第2記録位置に配置させる。
この後、制御装置1pは、所定時間が経過するまでに記録指令を受信したか否かを判定する。このとき、所定時間が経過するまでに記録指令を受信しない場合、キャピング動作を行う。つまり、制御装置1pが駆動モータ41Mを駆動し、環状部材40を上昇位置から下降位置に移動させる。これにより、吐出空間V1が外部空間V2から隔離されたキャッピング状態(吐出面10aの吐出口近傍の液体の乾燥が抑制された状態)となる。制御装置1pは、次に記録指令やパージ指令を受信するまで、キャッピング状態を維持する。
一方、所定時間が経過するまでに記録指令を受信した場合、制御装置1pが、第1状態であるか否かを判定する。そして、第2状態のときは、制御装置1pが回転モータ63Mを駆動し、回転体63を回転させて第1状態にする。一方、第1状態のときはそのままとなる。そして、制御装置1pは、受信した記録指令に基づいて、画像記録動作を行う。
画像記録動作において、制御装置1pは、外部装置から受信した記録指令に基づいて、ヘッド10を適宜の記録位置(第1又は第2記録位置)に配置させるようにヘッド昇降機構33を制御するとともに、給紙ローラ21用の給紙モータ21M(図7参照)、各送りローラ対22〜28用の送りモータ22M〜28M(図7参照)等を駆動する。給紙トレイ20から送り出された用紙Pは、ガイド29を通って支持部60に送られる。支持部60へと送られた用紙Pは、支持面61aに支持され且つ回転する送りローラ対23,24,25に挟持されつつ搬送される。用紙Pが2つのヘッド10の真下を順次通過する際に、制御装置1pの制御により各ヘッド10が駆動され、各吐出面10aの吐出口から用紙Pの表面に向けて液体が吐出されることで、用紙P上に画像が形成される。吐出口からの液体吐出動作は、用紙センサ32からの検出信号に基づき、制御装置1pによる制御の下で行われる。用紙Pは、その後ガイド29によりガイドされ且つ送りローラ対26,27,28によって挟持されつつ上方に搬送され、上筐体1a上部に形成された開口30から排紙部31へと排出される。
次に、図10を参照し、近接位置と離隔位置との間において上筐体1aを回動させるときの制御装置1pの制御内容について説明する。
制御装置1pは、図10に示すように、先ず、規制解除信号の受信の有無を判定する(ステップ1:K1)。規制解除信号は、ユーザがボタン72bを押下することでセンサ38から出力される信号、及び、ジャムの発生に伴って用紙センサ32等から出力される信号であり、制御装置1pは当該信号を受信する。
制御装置1pは、規制解除信号を受信すると(K1:YES)、ソレノイド37を駆動してツマミ72を回転禁止状態から回転許可状態に切り換えるとともに、ヘッド昇降機構33を制御してヘッド10を退避位置に移動させる(ステップ2:K2)。これにより、記録部9と支持部60とが第2位置関係となり、ガイドピン4,5とガイド穴12,13との係合が解除される。このため、ユーザがツマミ72を回転させて、上筐体1aを近接位置から離隔位置に移動させても、位置決め機構を構成するガイドピン4,5とガイド穴12,13とが干渉しなくなる。
ステップ2の後、制御装置1pは、センサ39からの検出信号に基づいて、上筐体1aが近接位置から離隔位置に移動したか否かを判定する(ステップ3:K3)。つまり、センサ39から制御装置1pに検出信号が出力されなくなると上筐体1aが近接位置から離隔位置に移動したと判定する。
上筐体1aが離隔位置に移動した場合(K3:YES)、制御装置1pは、その後、上筐体1aが離隔位置から近接位置に戻ったか否かを、センサ39の検出信号に基づいて判定する(ステップ4:K4)。つまり、制御装置1pがセンサ39からの検出信号(規制開始信号)を受信すると、上筐体1aが離隔位置から近接位置に戻ったと判定する。
上筐体1aが離隔位置に移動してから近接位置に戻るまでの間に、ユーザは、上及び下筐体1a,1b間に形成された作業空間において、例えば、ジャム処理などの作業を行うことができる。ユーザは、作業終了後、上筐体1aを離隔位置から近接位置に戻す。
上筐体1aが近接位置に戻った場合(K4:YES)、すなわち、制御装置1pが規制開始信号を受信した場合、制御装置1pがソレノイド37を駆動してツマミ72を回転許可状態から回転禁止状態に切り換えるとともに、ヘッド昇降機構33を制御してヘッド10を記録位置に移動させる(ステップ5:K5)。これにより、揺動部材74a、74bの凹部74c、74dが軸部材75c、75dと係合した状態においてツマミ72の回転を禁止することが可能となり、上筐体1aの移動規制が開始される。さらに、このとき、記録部9と支持部60とが第1位置関係となり、ガイドピン4,5とガイド穴12,13との係合が行われる。つまり、記録部9と支持部60との位置決めが行われる。こうして、上筐体1aの回動時の制御が終了する。
一方、制御装置1pが規制解除信号を受信しているにもかかわらず、センサ39から継続して制御装置1pに検出信号が出力されている場合は、上筐体1aが近接位置から離隔位置に移動していないと判定する。つまり、上筐体1aが離隔位置に移動することなく(K3:NO)、ステップK2の後、所定時間が経過した場合(K6:YES)、制御装置1pは処理をステップK5に進め、上筐体1aの回動時の制御が終了する。
上記のように、キャッピング状態にあるときには、ヘッド10はキャッピング位置にあるため、ガイドピン4、5とガイド穴12、13とは係合している。また、記録指令に基づいて用紙Pを搬送しているとき、及び、記録指令に基づいて用紙Pを搬送している最中に用紙Pがジャムしたときには、ヘッド10は記録位置にあるため、ガイドピン4、5とガイド穴12、13とが係合している。これらのときに、ユーザが上筐体1aを近接位置から離隔位置に移動させようとすると(制御装置1pが規制解除信号を受信したとき)、ヘッド10が退避位置に移動する。つまり、ガイドピン4,5とガイド穴12,13とが係合しない非係合状態となる。このため、上筐体1aの回動時におけるガイドピン4,5とガイド穴12,13の干渉を防ぐことが可能となる。また、上筐体1aが近接位置にあってヘッド10が記録位置にあるときは、ガイドピン4,5とガイド穴12,13との係合によって、記録部9と支持部60とが位置決めされている。このため、位置決め精度を確保することが可能となる。
位置決め機構が、上述のガイドピン4,5及びガイド穴12,13によって構成されることで、記録部9と支持部60の主走査方向及び副走査方向の相対位置、並びに記録部9と支持部60の水平面に沿った相対的な回転角度の位置決めが可能となる。ここで、図11に示すように、上筐体1aは、上筐体1aにおける図中右端部の鉛直方向略中央の位置において、軸1hに回動可能に支持されている。このため、上筐体1aが近接位置から離隔位置に回動すると、ガイドピン4、5はその移動軌跡が円弧状となるように、移動する。つまり、ガイドピン4の移動領域は、図中2点鎖線で示す円弧L3a、L4a間の領域であり、ガイドピン5の移動領域は、図中2点鎖線で示す円弧L1a、L2a間の領域である。仮に、ガイドピン4、5とガイド穴12、13とが係合した状態で、上筐体1aを近接位置から離隔位置に回動させようとすると、ガイドピン4、5の移動領域とガイド穴12、13の壁部とが重なることで、ガイドピン4、5とガイド穴12、13とが干渉してしまう。また、仮に、上筐体1aが離隔位置に回動する際に、ガイドピン4,5とガイド穴12,13とが干渉しないように、ガイド穴12,13を副走査方向に長い長穴形状に構成にすると、記録部9と支持部60の副走査方向の相対位置の位置決めが行えない。このように副走査方向の相対位置の位置決めが行えないと、記録部9及び支持部60に位置ずれが生じ、ヘッド10と対向面62aとが副走査方向にずれる。すると、用紙Pに対する画像の位置ずれが生じたり、ヘッド10を環状部材40でキャッピングする際に、キャッピングできない虞が生じる。又は、副走査方向の相対位置に位置ずれが生じていてもキャッピング可能なように対向面62aを大きくする必要が生じ、この場合はプリンタ自体が大きくなる。しかしながら、本発明においては、上筐体1aが近接位置と離隔位置との間において回動するときには、ガイドピン4,5とガイド穴12,13とが係合しない非係合状態となるので、上述のような問題が生じない。
また、制御装置1pは規制解除信号を受信することで、ヘッド10を退避位置に移動させるため、上筐体1aが近接位置から離隔位置へと回動する際に、ガイドピン4,5とガイド穴12,13とが確実に非係合状態となる。
また、制御装置1pは規制開始信号を受信することで、ヘッド10を記録位置に移動させるため、上筐体1aが離隔位置から近接位置に戻るまでの間、ガイドピン4,5とガイド穴12,13とが非係合状態となる。このため、ガイドピン4,5とガイド穴12,13の干渉をより確実に防ぐことが可能となる。
また、ヘッド昇降機構33が、ヘッド10を第1及び第2記録位置に移動させることが可能であるため、用紙Pの厚みに応じてヘッド10の位置を変化させることが可能となる。
変形例として、ステップK2において、制御装置1pがヘッド10をワイピング位置に移動させてもよい。第2位置関係が、ヘッド10がワイピング位置にあるときの記録部9と支持部60との位置関係であってもよい。つまり、制御装置1pがヘッド昇降機構33を制御して、ヘッド10と支持部60との鉛直方向の離隔距離が、ヘッド10が記録位置に配置されているときの位置関係よりもヘッド10がワイピング位置に配置されているときの位置関係の方が大きくなるように、記録部9を昇降させる。これにおいても、ガイドピン4,5とガイド穴12,13との係合が解除されるので、上述と同様な効果を得ることができる。別の変形例として、ステップK5において、制御装置1pがヘッド昇降機構33を制御してヘッド10を第2記録位置に移動させてもよい。別の変形例として、ソレノイド37がツマミ72を回転禁止状態にして、ロック機構70による上筐体1aの回動規制が開始されてから制御装置1pに規制開始信号を出力する出力部を設けてもよい。別の変形例として、ロック機構70は、ツマミ72の回転を禁止するソレノイド37を有していなくてもよい。この場合には、ツマミ72の回転状態を検知するセンサを設ける。そして、ツマミ72が鉛直方向に延在する状態(すなわち、上筐体1aの回動が規制された状態)から、ツマミ72が鉛直方向に対して傾斜した状態(すなわち、上筐体1aの回動が許容された状態)にツマミ72が移動したときに、当該センサが規制解除信号を出力する。また、ツマミ72が、鉛直方向に対して傾斜した状態から、ツマミ72が鉛直方向に延在する状態に、ツマミ72が移動したときに、当該センサが、規制開始信号を出力する。別の変形例として、ロック機構70はユーザが操作可能なツマミ72を有していなくても良い。この場合には、制御装置1pは、ロック機構70が、上筐体1aの回動を規制する状態と、上筐体1aの回動を許容する状態とを取り得るように、ロック機構70を制御する。この場合に、ロック機構70の状態を検知するセンサを設ける。そして、ロック機構70の状態が、上筐体1aの回動を規制する状態から、上筐体1aの回動を許容する状態に、変化したときに、当該センサは規制解除信号を出力する。また、ロック機構70の状態が、上筐体1aの回動を許容する状態から、上筐体1aの回動を規制する状態に、変化したときに、当該センサは規制開始信号を出力する。これにおいても、上述と同様な効果を得ることができる。
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能なものである。例えば、位置決め機構を構成するガイドピンとガイド穴は、1組だけ設けられていてもよい。また、ガイドピン4,5及びガイド穴12,13の対となる2組が、副走査方向及び主走査方向と交差する方向に並んで配置されていてもよいし、軸1hとの距離が互い同じになる位置であって、主走査方向に並んで配置されていてもよい。また、ガイドピン及びガイド穴の対となる組が3以上設けられていてもよい。また、ガイドピンは、上筐体1aが近接位置にある場合、ヘッド10がワイピング位置にあるときでもガイド穴と係合する長さを有していてもよい。また、ガイド穴12,13が記録部9に、ガイドピン4,5が支持部60に設けられていてもよい。また、ガイド穴12,13は、貫通していてもよい。また、記録部9はヘッド10のみから構成されていてもよい。この場合、ガイドピン又はガイド穴は、ヘッド10に直接、形成される。
また、ヘッド昇降機構33が、支持部60を昇降させてもよいし、記録部9及び支持部60の両方を昇降させてもよい。また、記録位置が第1記録位置だけでもよい。また、キャッピング機構は、環状部材40を支持面61aに当接させることで、吐出面10aを封止してもよい。また、キャッピング機構が設けられていなくてもよい。
本発明は、ライン式・シリアル式のいずれにも適用可能であり、また、プリンタに限定されず、ファクシミリやコピー機等にも適用可能であり、さらに、インク以外の液体を吐出させることで記録を行う記録装置にも適用可能である。本発明は、インクジェット式に限定されず、例えばレーザー式、サーマル式等の記録装置にも適用可能である。記録媒体は、用紙Pに限定されず、記録可能な様々な媒体であってよい。