JP5749196B2 - 弾球遊技機 - Google Patents

Description

本発明は、遊技盤面上に遊技球を発射して遊技を行う弾球遊技機に関する。

遊技盤面に遊技球を発射して、遊技盤面上に設けられた入球口に遊技球が入球すると、賞球として所定個数の遊技球が払い出される遊技を行う弾球遊技機が広く知られている。また、始動口と呼ばれる所定の入球口に遊技球が入球すると図柄の変動表示を開始して、所定の当り図柄で停止表示された場合には、大入賞口と呼ばれる可変入球口を開口させて、いわゆる大当たり遊技を開始する弾球遊技機も知られている。この大入賞口は、通常時には閉鎖状態となっており遊技球が入球することはないが、開口状態になると高い確率で遊技球が入球する。そのため、大当り遊技になると遊技者は多数の賞球を獲得することが可能となる。

また、大当り遊技では、大入賞口を開口させた後、所定個数の遊技球が入球するか、所定時間が経過すると大入賞口を閉鎖させるという一連の動作を、複数回繰り返すのが一般的である。尚、このように、大入賞口を開口させてから閉鎖させるまでの期間は「ラウンド」と呼ばれている。そして、大当り遊技中は、ラウンド回数が多くなるほど、遊技者が獲得する賞球数も多くなる。

こうした大当り遊技を備えた弾球遊技機では、大当り遊技の終了後に、通常の遊技状態よりも遊技者にとって有利な特定遊技状態に移行させることによって、次回の大当り遊技が開始されるまで、遊技者の遊技興趣を高めておくことを可能とする技術も提案されている（特許文献１）。

特開２００５−６７４２号公報

しかし、提案の技術では、大当り遊技を終了してから次回の大当り遊技が開始されるまでの間、遊技者の興趣を高めておく上で効果的であるものの、特定遊技状態で当りとなった場合の大当り遊技であっても、通常の遊技状態で当りとなった場合（いわゆる初当り）の大当り遊技であっても、遊技者が大当り遊技中に獲得する利益の大きさ（例えば賞球数）に差がないことから、特定遊技状態から発生した大当り遊技において、遊技者の興趣を十分に盛り上げることができないという問題があった。

もちろん、特定遊技状態から発生した大当り遊技でのラウンド回数を、初当りの大当り遊技よりも多く設定しておくことによって、特定遊技状態から発生した大当り遊技における遊技者の遊技興趣を効果的に盛り上げることができる。とは言え、それでは逆に、初当りの大当り遊技ではラウンド回数が少ないという印象を遊技者に与えてしまい、初当り時の遊技興趣を低下させるおそれがある。

この発明は、従来の弾球遊技機が有する上述した課題を解決するためになされたものであり、初当り時の遊技者の遊技興趣を低下させることなく、大当り遊技終了後の特定遊技状態において発生した大当り遊技を効果的に盛り上げることが可能な技術の提供を目的とする。

上述した課題の少なくとも一部を解決するために、本発明の弾球遊技機は次の構成を採用した。すなわち、請求項１に記載の発明は、
第１始動口と、開放状態と閉鎖状態とに変化可能な第２始動口と、開放状態と閉鎖状態とに変化可能な大入賞口とを遊技盤面上に設けた弾球遊技機において、
前記第１始動口または前記第２始動口に遊技球が入賞することを契機として、当り外れを判定する当否判定手段と、
前記判定の結果が当りの場合に、前記大入賞口を開閉する大当り遊技を実行する大当り遊技実行手段と、を備え、
前記大当り遊技の終了後には、前記判定の結果が当りとなる確率を通常確率よりも高い確率とし、且つ、前記第２始動口が開放状態となる頻度を向上させる特定の遊技状態を発生可能であって、
前記大当り遊技として、前記大入賞口をラウンド１回につき１回開閉する通常ラウンドを所定回数発生させる第１大当り遊技と、前記大入賞口をラウンド１回につき複数回開閉する特殊ラウンドを前記所定回数よりも少ない回数発生させる第２大当り遊技と、前記特殊ラウンドを前記所定回数と同じ回数発生させる第３大当り遊技と、を有し、
前記第２大当り遊技として、前記特殊ラウンドが発生する回数の異なる複数の第２大当り遊技を有し、
前記複数の第２大当り遊技および前記第３大当り遊技の実行確率は、前記第２始動口への遊技球入賞を契機とする前記判定の結果が当りとなる場合よりも、前記第１始動口への遊技球入賞を契機とする前記判定の結果が当りとなる場合の方が高く、且つ、前記第１大当り遊技の実行確率は、前記第１始動口への遊技球入賞を契機とする前記判定の結果が当りとなる場合よりも、前記第２始動口への遊技球入賞を契機とする前記判定の結果が当りとなる場合の方が高い
ことを特徴とする。

このような構成によれば、初当り時の遊技者の遊技興趣を低下させることなく、大当り遊技終了後の特定遊技状態において発生した大当り遊技を効果的に盛り上げることが可能となる。

本実施例の遊技機の正面図である。 遊技盤の盤面構成を示す説明図である。 本実施例の遊技機に搭載された第１図柄表示装置および第２図柄表示装置の構成を示す説明図である。 本実施例の遊技機に搭載された変動表示装置の画面構成を示す説明図である。 本実施例の遊技機に搭載された始動口ユニットを示す説明図である。 本実施例の遊技機における制御回路の構成を示したブロック図である。 普通図柄が変動表示している様子を概念的に示した説明図である。 第１特図あるいは第２特図が変動表示している様子を概念的に示した説明図である。 変動表示装置で行われる演出の一態様を例示した説明図である。 主制御基板に搭載されたＣＰＵが遊技の進行を制御するために行う遊技制御処理の大まかな流れを示したフローチャートである。 普通電動役物停止処理の流れを示すフローチャートである。 特別図柄遊技処理を開始するか否かを判断するために行う特別図柄遊技開始判断処理の流れを示すフローチャートである。 特別図柄遊技処理の前半部分の流れを示すフローチャートである。 特別図柄遊技処理の後半部分の流れを示すフローチャートである。 第２特図関連処理の流れを示したフローチャートである。 本実施例の遊技機に記憶されている特別図柄の当否判定テーブルを例示した説明図である。 第２特図の当り図柄を決定するために参照される第２特図用の当り図柄決定テーブルを例示した説明図である。 特別図柄の外れ図柄を決定するために参照される外れ図柄決定テーブルを例示した説明図である。 第１特図関連処理の流れを示したフローチャートである。 第１特図の当り図柄を決定するために参照される第１特図用の当り図柄決定テーブルを例示した説明図である。 特別電動役物遊技処理の一部を示すフローチャートである。 特別電動役物遊技処理の残りの部分を示すフローチャートである。 大入賞装置の作動態様に応じて異なる態様で大当り遊技が進行する様子を概念的に示した説明図である。 遊技を繰り返す中で特殊態様の大当り遊技および通常態様の大当り遊技が行われる様子を示したタイムチャートである。

以下では、上述した本願発明の内容を明確にするために、次のような順序に従って実施例を説明する。
Ａ．遊技機の装置構成：
Ａ−１．装置前面側の構成：
Ａ−２．遊技盤の構成：
Ａ−３．制御回路の構成：
Ｂ．遊技の概要：
Ｃ．遊技機の制御内容：
Ｃ−１．遊技制御処理：
Ｃ−２．特別図柄遊技処理：
Ｃ−２−１．第２特図関連処理：
Ｃ−２−２．第１特図関連処理：
Ｃ−３．特別電動役物遊技処理：

Ａ．遊技機の装置構成 ：
Ａ−１．装置前面側の構成 ：
図１は、本実施例の遊技機１の正面図である。図１に示すように、遊技機１の前面部は、大きくは、前面枠４、上皿部５、下皿部６、遊技盤１０などから構成されている。なお、図１では遊技盤１０の詳細な図示を省略している。前面枠４は、図示しない中枠３に取り付けられており、中枠３は図示しない本体枠２に取り付けられている。中枠３はプラスチック材料で成形されており、本体枠２の内側に取り付けられている。本体枠２は、木製の板状部材を組み立てて構成された略長方形の枠体であり、遊技機１の外枠を形成している。前面枠４の一端は、中枠３に対して回動可能に軸支されており、中枠３の一端は本体枠２に対して回動可能に軸支されている。遊技盤１０は、中枠３の前面側に着脱可能に取り付けられており、その前面側が前面枠４で覆われている。

前面枠４は、プラスチック材料で成形されており、略中央部には、円形状の開口部４ａが形成されている。この開口部４ａにはガラス板等の透明板がはめ込まれており、奥側に配置される遊技盤１０の盤面が視認可能となっている。また、前面枠４には、遊技効果を高めるための各種ランプ類４ｂ〜４ｆが設けられている。

前面枠４の下方には、上皿部５が設けられており、上皿部５の下方には下皿部６が設けられている。また、前面枠４の右側には施錠装置９が設けられており、前面枠４の左側にはプリペイドカード式の球貸装置１３（ＣＲユニット）が設けられている。

上皿部５には、皿状の凹部と、凹部を取り巻くように形成された皿外縁部５ａとが設けられている。遊技球は、上皿部５に形成された凹部に投入されて、発射装置ユニット１２（図６参照）に供給される。また、皿外縁部５ａには、遊技球の球貸スイッチ５ｂ、返却スイッチ５ｃ、投入した遊技球を排出するための排出ボタンなど、各種のボタン類が設けられている。さらに、上皿部５の略中央部には複数の長孔とその上部に多数の小穴が形成された第１スピーカ５ｙが設けられている。更に、上皿部５の手前側（遊技者側）には、２つの操作スイッチＳＷ１，ＳＷ２が設けられており、遊技者は、このスイッチを押すことによって、遊技中に遊技条件を変更するなど、遊技の進行に介入することが可能となっている。

下皿部６には、遊技機１の内部から遊技球を排出するための排出口６ａが設けられており、排出された遊技球は下皿部６内に貯留される。また、下皿部６の前面の左右には、第２スピーカ６ｃが設けられている。

下皿部６の右端には発射ハンドル８が設けられている。発射ハンドル８には、遊技者がハンドルに触れていることを検出するタッチスイッチ８ａが設けられている。発射ハンドル８の回転軸は、下皿部６の奥側に搭載された図示しない発射装置ユニット１２に接続されており、遊技者が発射ハンドル８を回転させると、その動きが発射装置ユニット１２に伝達され、ユニットに内蔵された図示しない発射モータが回転して、回転角度に応じた強さで遊技球が発射される。発射ハンドル８の左側面には、遊技者が操作して遊技球の発射を一時的に停止する発射停止スイッチ８ｂが配置されている。

Ａ−２．遊技盤の構成 ：
図２は、遊技盤１０の盤面構成を示す説明図である。前述したように、遊技盤１０は中枠３の前面側に着脱可能に取り付けられている。図２に示すように、遊技盤１０の中央には、外レール１４と内レール１５とによって囲まれた略円形状の遊技領域１１が形成されている。

遊技領域１１の略中央には中央装置２６が設けられており、また、遊技領域１１の下方には変動入賞装置１８が設けられ、そして、中央装置２６と変動入賞装置１８との間には始動口ユニット１７が設けられている。後述するように始動口ユニット１７は、２つの始動口が上下に組み合わせて構成されており、上側に設けられた第１始動口１７ａは、固定式の入球口であり、下側に設けられた第２始動口１７ｂは、左右に一対の翼片部が開閉可能に構成されたいわゆるチューリップ式の入球口となっている。始動口ユニット１７の詳細な構成については、別図を用いて後述する。

中央装置２６のほぼ中央には、変動表示装置２７が設けられている。変動表示装置２７は、液晶画面を搭載しており、意匠図柄や背景図柄などの種々の演出用図柄を変動停止表示することが可能となっている。変動表示装置２７の画面上で表示される各種図柄については後述する。

中央装置２６の下方に設けられた変動入賞装置１８には、ほぼ中央に大入賞装置３１が設けられている。この大入賞装置３１（特別電動役物）は、略長方形状に大きく開口する大入賞口３１ｄや、大入賞口３１ｄを開閉するための開閉部材３１ｅ、開閉部材３１ｅを動作させる大入賞口ソレノイド３１ｍ（図６参照）などから構成されている。大入賞口３１ｄは、通常は開閉部材３１ｅによって遊技球が入球し得ない閉鎖状態となっているが、後述する所定の条件が成立すると、開閉部材３１ｅが開いて開口状態となる。この結果、遊技球が高い確率で大入賞口３１ｄに入球するようになり、遊技者にとって有利な遊技状態である大当り遊技が開始される。また、大入賞口３１ｄの内部には、大入賞口スイッチ３１ｓが設けられており、大入賞口３１ｄに入賞した遊技球を検出することが可能となっている。尚、大入賞口３１ｄは閉鎖状態と開口状態とに切換可能に構成され、通常時には閉鎖状態になっている入球口であることから、本実施例の大入賞口３１ｄは、本発明の「特定入賞口」の一態様を構成している。

始動口ユニット１７の両側には、第１図柄表示装置２８と第２図柄表示装置３２とが設けられている。このうち、始動口ユニット１７の左側に設けられた第１図柄表示装置２８では、普通図柄や第１特別図柄（第１特図）を変動停止表示することが可能となっており、始動口ユニット１７の右側に設けられた第２図柄表示装置３２では、第２特別図柄（第２特図）を変動表示することが可能となっている。第１図柄表示装置２８や、第２図柄表示装置３２の詳細な構成については後述する。

遊技領域１１の左端には、普通図柄作動ゲート３６が設けられており、このゲートの内部には、遊技球の通過を検出するゲートスイッチ３６ｓが設けられている。更に、普通図柄作動ゲート３６と中央装置２６との間には、ランプ風車２４が設けられている。これら各遊技装置の間および周辺には、多数の障害釘２３が設けられている。

遊技盤１０の下方にはアウト口４０が設けられ、そのアウト口４０の下方にはバック球防止部材４２が設けられている。バック球防止部材４２は、遊技領域１１に到達せず戻ってきた遊技球が再び発射位置に戻ることを防止する機能を有している。

図３は、本実施例の遊技機１に搭載された第１図柄表示装置２８および第２図柄表示装置３２の構成を示す説明図である。図３（ａ）は第１図柄表示装置２８を表しており、図３（ｂ）は第２図柄表示装置３２を表している。先ず初めに、第１図柄表示装置２８の構成について説明する。図３（ａ）に示すように、第１図柄表示装置２８は、大きくは、普通図柄表示部２９と、第１特図表示部３０とから構成されている。普通図柄表示部２９は、左普通図柄表示部２９ａと右普通図柄表示部２９ｂとから構成されており、第１特図表示部３０は、左第１特図表示部３０ａと右第１特図表示部３０ｂとから構成されている。２つの普通図柄表示部２９ａ，２９ｂは、発光ダイオード（ＬＥＤ）を用いて構成されており、左普通図柄表示部２９ａは赤色の光を点灯し、右普通図柄表示部２９ｂは緑色の光を点灯することが可能となっている。また、第１特図表示部３０には、いわゆる７セグメントＬＥＤが用いられており、このうちの７セグメント部分が左第１特図表示部３０ａを構成し、コンマ部分が右第１特図表示部３０ｂを構成している。この７セグメント部分およびコンマ部分は、赤色、橙色、緑色のいずれかの光を点灯可能となっている。また、第１図柄表示装置２８には、普通図柄保留表示部２９ｃ、および第１特図保留表示部３０ｃも設けられている。これらは、それぞれ４つのＬＥＤで構成されている。このような構成を有する第１図柄表示装置２８の表示内容については後述する。

図３（ｂ）に示した第２図柄表示装置３２は、上述した第１図柄表示装置２８とほぼ同様な構成となっている。すなわち、第２図柄表示装置３２の中央には、７セグメントＬＥＤによって構成された第２特図表示部３３が設けられており、このうちの７セグメント部分が左第２特図表示部３３ａを構成し、コンマ部分が右第２特図表示部３３ｂを構成している。また、７セグメントＬＥＤの右側には、４つのＬＥＤで構成された第２特図保留表示部３３ｃも設けられている。このような第２図柄表示装置３２の表示内容についても後述する。

図４は、本実施例の遊技機１に搭載された変動表示装置２７の画面構成を示す説明図である。前述したように、変動表示装置２７は、主に液晶表示画面を用いて構成されており、液晶画面上には、３つの意匠図柄２７ａ，２７ｂ，２７ｃ、およびその背景の背景図柄２７ｄが表示されている。このうち、３つの意匠図柄２７ａ，２７ｂ，２７ｃは、図３に示した第１特図表示部３０あるいは第２特図表示部３３で、それぞれ第１特図あるいは第２特図が変動表示されるのに合わせて種々の態様で変動表示され、遊技を演出することが可能となっている。

図５は、本実施例の遊技機１に搭載された始動口ユニット１７の構成を示す説明図である。前述したように始動口ユニット１７には、第１始動口１７ａと、第２始動口１７ｂとが設けられており、上側に設けられた第１始動口１７ａは固定式の入球口であり、下側に設けられた第２始動口１７ｂは、一対の翼片１７ｗを備えたチューリップ式の入球口となっている。この一対の翼片１７ｗは、ほぼ直立した通常状態（図５（ａ）参照）と、外側に向かって回転した開口状態（図５（ｂ）参照）との２つの状態を取ることが可能である。図５（ａ）に示したように、翼片１７ｗがほぼ直立した通常状態では、遊技球はほとんど第２始動口１７ｂに入球することができず、専ら第１始動口１７ａに入球するだけであるが、一対の翼片１７ｗが外側に開いた開口状態となると、第２始動口１７ｂにも遊技球が入球し得る状態となる。そして、図５（ｂ）に示されるように、開口状態では、第１始動口１７ａよりも第２始動口１７ｂの方が、遊技球が入球し易くなっている。

また、第１始動口１７ａあるいは第２始動口１７ｂに入球した遊技球は、それぞれの内部に設けられた通路を通って遊技盤１０の裏面側に導かれる。第１始動口１７ａの内部の通路の途中には第１始動口スイッチ１７ｓが設けられ、第２始動口１７ｂの内部の通路の途中には第２始動口スイッチ１７ｔが設けられており、第１始動口１７ａあるいは第２始動口１７ｂに入球した遊技球は、それぞれ第１始動口スイッチ１７ｓあるいは第２始動口スイッチ１７ｔによって検出されるようになっている。

Ａ−３．制御回路の構成 ：
次に、本実施例の遊技機１における制御回路の構成について説明する。図６は、本実施例の遊技機１における制御回路の構成を示したブロック図である。図示されているように遊技機１の制御回路は、多くの制御基板や、各種基板、中継端子板などから構成されているが、その機能に着目すると、遊技の基本的な進行や賞球に関わる当否についての制御を司る主制御基板２００と、図柄やランプや効果音を用いた遊技の演出の制御を司るサブ制御基板２２０と、サブ制御基板２２０の制御の下で変動表示装置２７の具体的な制御を行う演出制御基板２３０と、貸球や賞球を払い出す動作の制御を司る払出制御基板２４０と、遊技球の発射に関する制御を司る発射制御基板２６０などから構成されている。これら制御基板は、各種論理演算および算出演算を実行するＣＰＵや、ＣＰＵで実行される各種プログラムやデータが記憶されているＲＯＭ、プログラムの実行に際してＣＰＵが一時的なデータを記憶するＲＡＭ、周辺機器とのデータのやり取りを行うための周辺機器インターフェース（ＰＩＯ）、ＣＰＵが演算を行うためのクロックを出力する発振器、ＣＰＵの暴走を監視するウォッチドッグタイマ、定期的に割り込み信号を発生させるＣＴＣ（カウンター・タイマ・サーキット）など、種々の周辺ＬＳＩがバスで相互に接続されて構成されている。また、図６中に示した矢印の向きは、データあるいは信号を入出力する方向を表している。尚、図６では、主制御基板２００に搭載されたＣＰＵ２０１やＲＯＭ２０２、ＲＡＭ２０３のみが図示されており、主制御基板２００に搭載されているＰＩＯなど、およびサブ制御基板２２０などのその他の制御基板に搭載されているＣＰＵや、ＲＡＭ，ＲＯＭなどについては図示が省略されている。

図示されているように主制御基板２００は、第１始動口スイッチ１７ｓや、第２始動口スイッチ１７ｔ、大入賞口スイッチ３１ｓ、ゲートスイッチ３６ｓなどから遊技球の検出信号を受け取って、遊技の基本的な進行や賞球に関わる当否を決定した後、サブ制御基板２２０や、払出制御基板２４０、発射制御基板２６０などに向かって、各種の動作を指令するコマンドを出力する。また、主制御基板２００には、始動口ユニット１７の第２始動口１７ｂに設けられた一対の翼片部を開閉させるための普通電動役物ソレノイド１７ｍや、大入賞口３１ｄを開閉させるための大入賞口ソレノイド３１ｍ、更には、第１図柄表示装置２８や第２図柄表示装置３２などが中継端子板を介して接続されており、これら各種ソレノイド１７ｍ，３１ｍ、第１図柄表示装置２８、および第２図柄表示装置３２に向かって信号を出力することにより、これらの動作の制御も行っている。

サブ制御基板２２０は、主制御基板２００からの各種コマンドを受け取ると、コマンドの内容を解析して、その結果に応じた遊技の演出を行う。すなわち、前述した変動表示装置２７の表示制御を行う演出制御基板２３０に対して表示内容を指定するコマンドを出力したり、各種のスピーカ５ｙ、６ｃを駆動するアンプ基板２２６、装飾用の各種ＬＥＤやランプを駆動する装飾駆動基板２２８に駆動信号を出力することにより、遊技の演出を行う。また、前述した操作スイッチＳＷ１，ＳＷ２からの操作信号は、演出ボタン基板２２９を介してサブ制御基板２２０に入力される。

払出制御基板２４０は、いわゆる貸球や賞球の払い出しに関する各種の制御を司っている。例えば、遊技者が前述した上皿部５に設けられた球貸スイッチ５ｂや返却スイッチ５ｃを操作すると、この信号は、球貸表示基板２４２から払出制御基板２４０を介して球貸装置１３に伝達される。球貸装置１３は、払出制御基板２４０とデータをやり取りしながら、貸球の払出を行う。また、主制御基板２００が賞球の払出コマンドを出力すると、このコマンドを払出制御基板２４０が受け取って、払出モータ１０９ｍに駆動信号を出力することによって賞球の払い出しが行われる。払い出された賞球は、払出スイッチ１０９ｊによって検出され、払出制御基板２４０に入力される。

加えて、払出制御基板２４０は、主制御基板２００からの制御の下で、遊技球の発射を許可する信号（発射許可信号）を発射制御基板２６０に向かって出力しており、発射制御基板２６０は、この発射許可信号を受けて、遊技球を発射するための各種制御を行っている。

Ｂ．遊技の概要 ：
次に、上述した構成を有する本実施例の遊技機１で行われる遊技の概要について簡単に説明しておく。

本実施例の遊技機１では、次のようにして遊技が行われる。先ず、遊技者が上皿部５の凹部に遊技球を投入して発射ハンドル８を回転させると、上皿部５に投入された遊技球が、１球ずつ発射装置ユニット１２に供給されて、図２を用いて前述した遊技領域１１に発射される。遊技球を打ち出す強さは、発射ハンドル８の回転角度によって調整することが可能となっており、遊技者は発射ハンドル８の回転角度を変化させることによって、遊技球の狙いを付けることができる。

発射した遊技球が、遊技領域１１の左端に設けられた普通図柄作動ゲート３６を通過すると、始動口ユニット１７の左側に設けられた第１図柄表示装置２８において普通図柄の変動表示が開始される。図３（ａ）を用いて前述したように、第１図柄表示装置２８には左普通図柄表示部２９ａと、右普通図柄表示部２９ｂとが設けられている。左普通図柄表示部２９ａは赤色の光を点灯可能に構成されており、右普通図柄表示部２９ｂは緑色の光を点灯可能に構成されている。普通図柄の変動表示が開始されると、左右の普通図柄表示部２９ａ，２９ｂが点滅表示を行う。

図７は、普通図柄が変動表示している様子を概念的に示した説明図である。変動表示中の普通図柄は、図示されている４つの状態を取ることができる。先ず、図７（ａ）に示した状態は、左普通図柄表示部２９ａが点灯して、右普通図柄表示部２９ｂが消灯している状態を表している。図７（ｂ）は、左普通図柄表示部２９ａおよび右普通図柄表示部２９ｂがいずれも点灯した状態を表している。図７（ｃ）は、左普通図柄表示部２９ａが消灯し、右普通図柄表示部２９ｂが点灯した状態を表しており、図７（ｄ）は、左普通図柄表示部２９ａおよび右普通図柄表示部２９ｂがいずれも消灯した状態を表している。普通図柄の変動表示中は、これら４つの表示状態が速い速度で次々と切り換わる態様で表示され、そして所定時間が経過すると、４つの表示状態のいずれかの状態で停止表示される。このとき、所定の表示状態で停止表示されると、いわゆる普通図柄の当りとなって、第２始動口１７ｂ（始動口ユニット１７の下側の始動口）が所定時間（例えば０．５秒間）だけ開口状態となる。本実施例では、図７（ｃ）に示した表示状態、すなわち、左普通図柄表示部２９ａが消灯して右普通図柄表示部２９ｂが点灯している状態が、普通図柄の当りに設定されている。

尚、普通図柄の変動表示中に遊技球が普通図柄作動ゲート３６を通過した場合は、この遊技球の通過が保留として蓄えられて、現在の普通図柄の変動表示が終了後に、変動表示が行われる。普通図柄の保留は最大４個まで蓄えることが可能となっており、蓄えられている普通図柄の保留数は、第１図柄表示装置２８に設けられた普通図柄保留表示部２９ｃ（図３（ａ）参照）に表示される。

また、図３（ａ）を用いて前述したように、第１図柄表示装置２８には、第１特図表示部３０が設けられており、第１特別図柄（第１特図）を変動表示可能となっている。更に、図３（ｂ）に示したように、第２図柄表示装置３２に設けられた第２特図表示部３３では、第２特別図柄（第２特図）を変動表示可能となっている。このうち、第１特図は第１始動口１７ａに対応し、第２特図は第２始動口１７ｂに対応しており、第１特図あるいは第２特図は、それぞれ対応する始動口に遊技球が入球すると、変動表示を開始するようになっている。尚、図５を用いて前述したように、第２始動口１７ｂが開口していない状態（通常状態）では、遊技球はほとんど第２始動口１７ｂに入球しないので、この状態では、遊技球は主に第１始動口１７ａに入球して第１特図の変動表示を行い、逆に、第２始動口１７ｂが開口状態になると、遊技球は第１始動口１７ａよりも第２始動口１７ｂに入球し易くなるので、主に第２特図が変動表示するようになる。また、前述したように第１特図表示部３０および第２特図表示部３３は、何れも７セグメントＬＥＤによって構成されており、従って、第１特図も第２特図も同様な態様で変動表示を行う。

図８は、第１特図あるいは第２特図が変動表示している様子を概念的に示した説明図である。尚、第１特図も第２特図も変動態様は同様であるため、ここでは、第１特図を例に説明する。第１特図の変動表示中は、左第１特図表示部３０ａでは、「Ａ」または「Ｙ」のいずれかの図柄が表示され、右第１特図表示部３０ｂではコンマ「．」が表示される。また、左第１特図表示部３０ａの「Ａ」および「Ｙ」、右第１特図表示部３０ｂのコンマ「．」は、赤色、橙色、緑色の３つの状態を取ることができる。本実施例の第１特図表示部３０では、これらの表示状態が組み合わされて、図８に示す１２種類の状態を表示することが可能となっている。図中で７セグメントＬＥＤあるいはコンマ部分に細かいハッチングが付されているのは、赤色の状態で点灯されていることを表している。また、少し粗いハッチングが付されているのは橙色の状態で点灯表示されていることを表しており、粗いハッチングが付されているのは緑色の状態で点灯表示されていることを表している。特別図柄（第１特図または第２特図）の変動表示が開始されると、これら１２種類の表示状態が速い速度で次々と切り換わる態様で表示され、所定時間が経過すると、いずれかの状態で停止表示される。

停止表示された図柄が「−」である場合は、特別図柄は外れとなるが、それ以外の図柄の組合せが停止表示された場合は特別図柄の当りとなって、遊技者にとって有利な遊技状態である特別遊技状態（いわゆる大当り遊技）が開始される。すなわち、特別図柄が当りとなる図柄の組合せとしては、図８に示した１２種類の図柄から、「−」を除いた１０種類の組合せが存在することになる。また、本実施例の特別遊技状態は、大入賞装置３１が作動することで大入賞口３１ｄが開放状態となるラウンドが、複数回繰り返されるように構成されている。大入賞口３１ｄは大きく開口するために、遊技球が高い確率で入球する。その結果、所定回数のラウンドが繰り返される間に遊技者は多くの賞球を獲得することが可能となっている。

尚、特別図柄（第１特図あるいは第２特図の何れか）の変動表示中に、遊技球が第１始動口１７ａに入球した場合は、この遊技球の入球が第１特図の保留として蓄えられて、現在の特別図柄の変動表示が終了した以降に、第１特図の変動表示が行われる。同様に、特別図柄（第１特図あるいは第２特図の何れか）の変動表示中に、遊技球が第２始動口１７ｂに入球した場合は、この遊技球の入球が第２特図の保留として蓄えられる。これら第１特図あるいは第２特図の保留は、何れも最大４個まで蓄えることが可能となっており、蓄えられた保留数は、第１特図の保留については第１図柄表示装置２８の第１特図保留表示部３０ｃ（図３（ａ）参照）に、また、第２特図の保留については第２図柄表示装置３２の第２特図保留表示部３３ｃ（図３（ｂ）参照）に表示される。

また、図８に示した特別図柄が当りとなる１０種類の組合せのうち、実線で囲った５種類の組合せは、いわゆる「確変当り図柄（特殊確変当り図柄を含む）」と呼ばれる組合せであり、変動表示された第１特図あるいは第２特図が、これら確変当り図柄の組合せのいずれかで停止すると、特別遊技状態（大当たり遊技）が終了してから次の特別遊技状態が開始されるまでの間、当り図柄で停止表示される確率が通常の状態よりも高くなる。このように、当り図柄で停止表示される確率が高くなっている遊技状態は、確変遊技状態（若しくは、単に確変状態）と呼ばれる。

更に、図８に示した特別図柄が当りとなる１０種類の組合せのうち、破線で囲った５種類の組合せは、いわゆる「通常当り図柄」と呼ばれる組合せであり、変動表示された第１特図あるいは第２特図が、これら通常当り図柄の組合せのいずれかで停止すると、特別遊技状態の終了後、特別図柄（第１特図あるいは第２特図）が所定回数（本実施例では１００回）変動表示されるか、若しくは次回の特別遊技状態が開始されるまでの間、特別図柄の変動時間が短くなるとともに、第２始動口１７ｂの開口時間が長くなるように設定されている。このような遊技状態は、変動時間短縮状態（若しくは、時短状態）と呼ばれる。尚、本実施例の遊技機１においては、こうした特別図柄の変動時間が短くなる機能（以下、時短機能という）や、第２始動口１７ｂの開口時間が長くなる機能（以下、開口時間延長機能という）は、通常当り図柄で停止表示された場合だけでなく、確変当り図柄で停止表示された場合にも作動するようになっている。結局、第１特図あるいは第２特図が、図８に示した１０種類の当り図柄のいずれかで停止表示された場合は、特別遊技状態（大当り遊技）の終了後、必ず時短機能および開口時間延長機能が作動することになる。

また、詳しくは後述するが、本実施例の遊技機１では、５種類の確変当り図柄のうちの４種類は「特殊確変当り図柄」に設定されている。特別図柄（第１特図あるいは第２特図）が、「特殊確変当り図柄」で停止表示された場合には、特別遊技状態（大当り遊技）が、後述する特殊な態様で実行されるようになっている。

上述した特別図柄（第１特図あるいは第２特図）の変動停止表示に合わせて、変動表示装置２７では演出用図柄を用いた各種の演出が行われる。図９は、変動表示装置２７で行われる演出の一態様を例示した説明図である。図４を用いて前述したように、変動表示装置２７を構成する液晶表示画面には、３つの意匠図柄２７ａ，２７ｂ，２７ｃが表示されている。前述した第１図柄表示装置２８あるいは第２図柄表示装置３２の何れかで特別図柄の変動表示が開始されると、変動表示装置２７においても、これら３つの意匠図柄２７ａ，２７ｂ，２７ｃが一斉に変動表示を開始する。本実施例では、意匠図柄として「１」〜「９」までの９つの数字を意匠化した図柄が用意されている。

図９（ａ）には、３つの意匠図柄２７ａ，２７ｂ，２７ｃが一斉に変動表示している様子が概念的に示されている。変動表示が開始された後、所定時間が経過すると、初めに左意匠図柄２７ａが「１」〜「９」のいずれかの図柄で停止表示され、次いで、右意匠図柄２７ｃが停止表示され、最後に中意匠図柄２７ｂが停止表示される。これら変動表示装置２７で停止表示される３つの意匠図柄２７ａ，２７ｂ，２７ｃの組合せは、前述した第１図柄表示装置２８あるいは第２図柄表示装置３２で停止表示される特別図柄（第１特図あるいは第２特図）の組合せと連動するように構成されている。たとえば、第１特図あるいは第２特図が当り図柄で停止する場合は、変動表示装置２７の３つの意匠図柄２７ａ，２７ｂ，２７ｃが同じ図柄で停止表示される。特に、第１特図あるいは第２特図が、前述した確変当り図柄で停止する場合は、変動表示装置２７の３つの意匠図柄２７ａ，２７ｂ，２７ｃが、奇数を表す同じ図柄で停止表示される。また、第１特図あるいは第２特図が、前述した通常当り図柄で停止する場合は、変動表示装置２７の３つの意匠図柄２７ａ，２７ｂ，２７ｃが、偶数を表す同じ図柄で停止表示される。これに対して、第１特図あるいは第２特図が外れ図柄で停止する場合は、３つの意匠図柄２７ａ，２７ｂ，２７ｃは同じ図柄で揃わない任意の組合せで停止表示される。

このように、第１図柄表示装置２８あるいは第２図柄表示装置３２で表示される特別図柄（第１特図あるいは第２特図）と、変動表示装置２７で表示される３つの意匠図柄２７ａ，２７ｂ，２７ｃとは、表示内容が互いに対応しており、変動中の第１特図あるいは第２特図が停止表示すると、３つの意匠図柄２７ａ，２７ｂ，２７ｃも停止表示するようになっている。しかも、図２に示すように、変動表示装置２７は、第１図柄表示装置２８や第２図柄表示装置３２よりも目に付き易い位置に設けられており、表示画面も大きく、表示内容も分かり易いので、遊技者は変動表示装置２７の画面を見ながら遊技を行うことが通常である。従って、変動表示装置２７の表示画面上で初めに停止表示される左意匠図柄２７ａと、続いて停止表示される右意匠図柄２７ｃとが同じ図柄であった場合には、最後に停止表示される中意匠図柄２７ｂも同じ図柄で停止して、いわゆる大当り遊技（特別遊技状態）になるのではないかと、遊技者は図柄の変動を注視することになる。このように、２つの意匠図柄を同じ図柄で停止した状態で、最後の図柄を変動表示させる演出は、リーチ演出と呼ばれており、リーチ演出を行うことで遊技者の興趣を高めることが可能となっている。

Ｃ．遊技機の制御内容 ：
以下では、上述した遊技を実現するために、本実施例の遊技機１が行っている制御内容について詳しく説明する。

Ｃ−１．遊技制御処理 ：
図１０は、主制御基板２００に搭載されたＣＰＵ２０１が、遊技の進行を制御するために行う遊技制御処理の大まかな流れを示したフローチャートである。図示されているように、遊技制御処理では、賞球関連処理、普通図柄遊技処理、普通電動役物停止処理、特別図柄遊技処理、特別電動役物遊技処理などの各処理が繰り返し実行されている。一周の処理に要する時間は、ほぼ４ｍｓｅｃとなっており、従って、これら各種の処理は約４ｍｓｅｃ毎に繰り返し実行されることになる。そして、これら各処理中で、サブ制御基板２２０を初めとする各種制御基板に向けて、主制御基板２００から各種コマンドを送信する。こうすることにより、遊技機１全体の遊技が進行するとともに、サブ制御基板２２０では、遊技の進行に合わせた演出の制御が行われることになる。以下、フローチャートに従って、主制御基板２００に搭載されたＣＰＵ２０１が行う遊技制御処理について説明する。

主制御基板２００に搭載されたＣＰＵ２０１は、遊技制御処理を開始すると、遊技球を賞球として払い出すための処理（賞球関連処理）を行う（Ｓ１００）。かかる処理では、主制御基板２００に接続された各種スイッチの中で、遊技球の入賞に関わるスイッチ（第１始動口スイッチ１７ｓや、第２始動口スイッチ１７ｔ、大入賞口スイッチ３１ｓなど）について、遊技球が入球したか否かを検出する。そして、遊技球の入球が検出された場合には、払い出すべき賞球数を算出した後、払出制御基板２４０に向かって賞球数指定コマンドを出力する処理を行う。払出制御基板２４０は、主制御基板２００から出力された賞球数指定コマンドを受け取るとコマンドの内容を解釈し、その結果に従って、払出装置１０９に搭載された払出モータ１０９ｍに駆動信号を出力することにより、実際に賞球を払い出す処理を行う。

主制御基板２００のＣＰＵ２０１は、賞球に関連する処理を行うと（Ｓ１００）、今度は、普通図柄遊技処理を行うか否か、すなわち普通図柄の変動停止表示を行うか否かを判断する（Ｓ１０２）。かかる判断は、普通電動役物が作動中であるか否か、換言すると第２始動口１７ｂが開口中であるか否かを検出することによって行う。普通電動役物が作動中でなければ普通図柄遊技処理を行うものと判断して（Ｓ１０２：ｙｅｓ）、以下に説明する普通図柄遊技処理を行う（Ｓ１０４）。一方、普通電動役物が作動中であれば普通図柄遊技処理は行わないものと判断して（Ｓ１０２：ｎｏ）、普通図柄遊技処理（Ｓ１０４）はスキップする。尚、前述したように、普通図柄の変動表示中に遊技球が普通図柄作動ゲート３６を通過すると、その通過を普通図柄の保留として記憶するようになっており、普通図柄の保留数が上限値の「４」に達するまで加算していく処理も、Ｓ１０２の判断とともに行われる。

普通図柄遊技処理（Ｓ１０４）では、主に次のような処理を行う。先ず、普通図柄の保留数が存在するか否か（「０」であるか否か）を判定し、保留数が存在する場合には普通図柄の当否判定を行う。そして、普通図柄の当否判定の結果に基づき、普通図柄を当り図柄（図７（ｃ）参照）で停止表示させるか、それ以外の何れかの外れ図柄で停止表示させるかを決定する。次いで、普通図柄の変動表示時間を設定した後、普通図柄の変動表示を開始する。その後、変動表示時間が経過すると、決定しておいた図柄で普通図柄を停止表示させ、このときに、普通図柄の当り図柄が停止表示された場合には、普通電動役物の作動を開始させる。こうして普通電動役物が作動すると、第２始動口１７ｂに設けられた一対の翼片１７ｗが外側に向かって回動し、第２始動口１７ｂが開口状態となる。

以上のようにして普通図柄遊技処理を終了したら、普通電動役物が作動中か否かを判断する（Ｓ１０６）。そして、作動中である場合は（Ｓ１０６：ｙｅｓ）、普通電動役物を停止させるための処理（普通電動役物停止処理）を行う（Ｓ１０８）。一方、普通電動役物が作動していない場合は（Ｓ１０６：ｎｏ）、普通電動役物停止処理を行う必要はないのでスキップする。

図１１は、普通電動役物停止処理の流れを示すフローチャートである。図示されているように普通電動役物停止処理を開始すると、先ず初めに、普通電動役物の所定の作動時間が経過したか否かを判断する（Ｓ２００）。前述したように、普通電動役物が作動すると第２始動口１７ｂが開口状態となるが、所定時間が経過すると、再び一対の翼片１７ｗが直立した通常の状態に復帰する。そこで、Ｓ２００では、予め設定しておいた普通電動役物の作動時間に達したか否かを判断するのである。そして、作動時間に達したと判断された場合は（Ｓ２００：ｙｅｓ）、普通電動役物の作動を停止した後（Ｓ２０４）、普通電動役物遊技処理を終了して図１０に示した遊技制御処理に復帰する。尚、普通電動役物作動時間（すなわち、第２始動口１７ｂの開口時間）は、通常の遊技状態では約０．５秒間に設定されているが、大当り遊技の終了後に前述した開口時間延長機能が作動すると約１．５秒間に延長される。

一方、第２始動口１７ｂは、開口中に規定数の遊技球が入球すると、開口時間が設定時間に達していない場合でも、通常状態に復帰してしまう。このことと対応して、普通電動役物の作動時間が所定時間に達していない場合は（Ｓ２００：ｎｏ）、普通電動役物に規定数の遊技球が入球したか否かを判断し（Ｓ２０２）、規定数の遊技球が入球したと判断された場合は（Ｓ２０２：ｙｅｓ）、普通電動役物の作動を停止して（Ｓ２０４）、図１１に示した普通電動役物遊技処理を終了する。逆に、規定数の入球がないと判断された場合は（Ｓ２０２：ｎｏ）、普通電動役物を作動させたまま、図１１に示した普通電動役物遊技処理を終了して、図１０に示した遊技制御処理に復帰する。

図１０に示すように遊技制御処理では、普通電動役物停止処理に続いて、特別図柄遊技処理を開始するか否か、すなわち特別図柄の変動停止表示を行うか否かを判断する（Ｓ１１０）。その結果、特別図柄遊技処理を開始すると判断した場合は（Ｓ１１０：ｙｅｓ）、後述する特別図柄遊技処理（Ｓ１１２）を実行する。一方、特別図柄遊技処理を開始しないと判断した場合は（Ｓ１１０：ｎｏ）、特別図柄遊技処理（Ｓ１１２）をスキップする。

図１２は、特別図柄遊技処理を開始するか否かを判断するために行う処理（特別図柄遊技開始判断処理）の流れを示すフローチャートである。特別図柄遊技開始判断処理では、特別図柄遊技処理（Ｓ１１２）を開始するか否かの判断に先立って、特別図柄の保留に関する処理を行う。具体的には、先ず初めに、第１始動口１７ａに遊技球が入球したか否かを判断する（Ｓ３００）。前述したように、第１始動口１７ａの内部には、遊技球の入球を検出する第１始動口スイッチ１７ｓが設けられており、遊技球が入球したことを検出することができる。

遊技球が第１始動口１７ａに入球していた場合は（Ｓ３００：ｙｅｓ）、第１特図の保留数が上限値（本実施例では「４」）に達しているか否かを判断する（Ｓ３０２）。図３（ａ）を用いて前述したように第１特図の保留数は、第１図柄表示装置２８の第１特図保留表示部３０ｃでＬＥＤが点灯することによって表示されている。そして、第１特図の保留数が上限値に達していなければ（Ｓ３０２：ｎｏ）、第１特図の当否判定用乱数、および第１特図の図柄決定用乱数を取得して、主制御基板２００のＲＡＭ２０３に記憶する（Ｓ３０４）。ここで、第１特図の当否判定用乱数は、図３（ａ）に示した第１特図表示部３０で変動表示される第１特図の当否判定を行うために用いられる乱数である。また、第１特図の図柄決定用乱数は、第１特図表示部３０に停止表示させる第１特図を、第１特図の当否判定結果に応じて決定するための乱数である。

こうして第１特図の各種乱数を取得してＲＡＭ２０３に記憶したら（Ｓ３０４）、第１特図の保留数に「１」を加算する（Ｓ３０６）。一方、遊技球が第１始動口１７ａに入球していない場合（Ｓ３００：ｎｏ）や、第１特図の保留数が上限値「４」に達している場合は（Ｓ３０２：ｙｅｓ）、上述した一連の処理（すなわち、第１特図の各種乱数を記憶する処理、および第１特図の保留数に「１」を加算する処理）は行わない。従って、ＲＡＭ２０３に記憶する第１特図の各種乱数は、最大で４つまでである。尚、本実施例の第１特図の保留は、本発明の「第１保留」に相当しており、第１特図の保留を記憶しておく処理は、主制御基板２００に搭載されたＣＰＵ２０１によって実行されている。従って、本実施例の主制御基板２００に搭載されたＣＰＵ２０１は、本発明における「第１保留記憶手段」の一態様を構成している。

こうして第１特図の保留に関する処理を行ったら、続いて、第２始動口１７ｂに遊技球が入球したか否かを判断する（Ｓ３０８）。そして、第２始動口１７ｂに遊技球が入球していた場合は（Ｓ３０８：ｙｅｓ）、第２特図の保留数が上限値「４」に達しているか否かを判断し（Ｓ３１０）、上限値に達していなければ（Ｓ３１０：ｎｏ）、第２特図の当否判定用乱数、および図柄決定用乱数を取得して、主制御基板２００のＲＡＭ２０３に記憶した後（Ｓ３１２）、第２特図の保留数に「１」を加算する（Ｓ３１４）。尚、本実施例の第２特図の保留は、本発明の「第２保留」に相当しており、第２特図の保留を記憶しておく処理は、主制御基板２００に搭載されたＣＰＵ２０１によって実行されている。従って、本実施例の主制御基板２００に搭載されたＣＰＵ２０１は、本発明における「第２保留記憶手段」の一態様を構成している。

これに対して、第２始動口１７ｂに遊技球が入球していなかったと判断された場合（Ｓ３０８：ｎｏ）、あるいは、第２始動口１７ｂに遊技球が入球していたが第２特図の保留数が上限値「４」に達していると判断された場合は（Ｓ３１０：ｙｅｓ）、第２特図の各種乱数を取得して記憶したり、第２特図の保留数に「１」を加算する処理はスキップする。

以上のようにして第１特図および第２特図の保留に関する処理を終了すると、特別図柄遊技処理を行うか否かを判断するために、大当り遊技フラグがＯＮか否かを判断する（Ｓ３１６）。ここで、大当り遊技フラグとは、遊技状態を遊技者にとって有利な大当り遊技とするか否かを示すフラグであり、第１特図あるいは第２特図の何れかが当り図柄（通常当り図柄または確変当り図柄、図８参照）で停止表示された場合に、ＯＮの状態にセットされるフラグである。つまり、「大当たり遊技フラグがＯＮか否か」とは、「大当り遊技中であるか否か」ということである。そして、大当たり遊技フラグがＯＦＦであった場合には（Ｓ３１６：ｎｏ）、後述する特別図柄遊技処理を開始すると判断する（すなわち、図１０のＳ１１０：ｙｅｓ）。一方、大当り遊技フラグがＯＮであった場合は（Ｓ３１６：ｙｅｓ）、特別図柄遊技処理は開始しないと判断して（すなわち、Ｓ１１０：ｎｏ）、特別図柄遊技処理（Ｓ１１２）はスキップする。

Ｃ−２．特別図柄遊技処理 ：
図１３および図１４は、特別図柄遊技処理の流れを示したフローチャートである。特別図柄遊技処理を開始すると、先ず初めに、第１特図または第２特図の何れかが変動中か否かを判断する（Ｓ４００）。図３を用いて前述したように、本実施例の遊技機１では第１図柄表示装置２８および第２図柄表示装置３２が設けられており、第１図柄表示装置２８では第１特図の変動表示が可能であり、第２図柄表示装置３２では第２特図の変動表示が可能となっている。

第１特図あるいは第２特図の何れも変動中でない場合は（Ｓ３０２：ｎｏ）、第１特図あるいは第２特図を停止図柄で表示させる時間（特別図柄の停止表示時間）中であるか否かを判断する（Ｓ４０２）。すなわち、第１特図あるいは第２特図の何れも、特別図柄の変動表示が終了してしばらくの期間は、何れの図柄で停止表示されたかを、遊技者が確認するための停止表示時間が設けられているので、この停止表示時間中か否かを判断するのである。第１特図も第２特図も何れも変動表示されておらず且つ特別図柄の停止表示時間も経過していることが確認された場合は（Ｓ４０２：ｎｏ）、第２特図の保留数が「０」であるか否かを判断する（Ｓ４０４）。すなわち、前述したように、本実施例の遊技機１では、第１特図および第２特図の２つの特別図柄が設けられており、それぞれに対応する保留を記憶するようになっているが、先ず初めに第２特図の保留数について確認するのである。そして、第２特図の保留数が「０」でない場合、換言すれば、保留が残っている場合は（Ｓ４０４：ｎｏ）、後述する第２特図関連処理を開始する（Ｓ４０６）。

一方、第２特図の保留数が「０」であると判断された場合は（Ｓ４０４：ｙｅｓ）、次いで、第１特図の保留数が「０」であるか否かを判断する（Ｓ４０８）。そして、第１特図の保留が残っていた場合には（Ｓ４０８：ｎｏ）、後述する第１特図関連処理を開始するが（Ｓ４１０）、第１特図の保留数が「０」であった場合は（Ｓ４０８：ｙｅｓ）、そのまま特別図柄遊技処理を抜けて、図１０の遊技制御処理に復帰する。このように、第１特図については、第２特図の保留数が「０」であった場合にのみ、保留が残っているか否かを判断されるので、第２特図の保留が残っている間は、第１特図関連処理が行われることはない。つまり、第２特図関連処理は、第１特図関連処理に優先して実行される。尚、第２特図関連処理を第１特図関連処理に優先して実行することによって、第２始動口１７ｂへの入球に対する抽選（当否判定）が優先して行われる。また、これらの処理は、主制御基板２００のＣＰＵ２０１によって実行されることから、本実施例の主制御基板２００に搭載されたＣＰＵ２０１は、本発明の「優先抽選手段」の一態様を構成している。

Ｃ−２−１．第２特図関連処理 ：
図１５は、第２特図関連処理の流れを示したフローチャートである。図示されているように、第２特図関連処理を開始すると、先ず初めに、第２特図の当否判定用乱数の読み出しを行う（Ｓ５００）。前述したように、第２特図の当否判定用乱数は主制御基板２００のＲＡＭ２０３に最大で４つまで記憶されており（図１２のＳ３１２）、この中から、最も古く記憶された乱数を読み出す。

次いで、読み出した当否判定用乱数に基づいて、第２特図の当否判定を行うが、本実施例の遊技機１では、第２特図の当否判定に先立って、現在の遊技状態が確変状態となっているか否かを判断する（Ｓ５０２）。そして、確変中であれば（Ｓ５０２：ｙｅｓ）、大当りとなる確率が高めに設定された状態で第２特図の当否判定を行う（Ｓ５０４）。一方、確変中でなければ（Ｓ５０２：ｎｏ）、大当りの確率が通常の値に設定された状態で第２特図の当否判定を行う（Ｓ５０６）。

特別図柄の当否判定は、当否判定テーブルと呼ばれる専用のテーブルを参照することによって行う。図１６は、本実施例の特別図柄の当否判定に用いられる当否判定テーブルを概念的に示した説明図である。当否判定テーブルには、図１６（ａ）に示す非確変時用の当否判定テーブルと、図１６（ｂ）に示す確変時用の当否判定テーブルとが用意されており、確変中であれば（図１５のＳ５０２：ｙｅｓ）、確変時用のテーブルが用いられ、確変中でなければ（Ｓ５０２：ｎｏ）、非確変時用のテーブルが用いられる。そして、図１６に示されているように、それぞれのテーブルには、当否判定用乱数に対して、「当り」または「外れ」の何れかの当否判定結果が対応付けられている。ここで、前述したように、本実施例の遊技機１では、第１特図および第２特図の２つの特別図柄が設けられており、それぞれに対して当否判定用乱数が記憶されているが、図１６の当否判定テーブルは、第１特図または第２特図の何れの当否判定用乱数に対しても、共通に用いられている。

このような当否判定テーブルを用いれば、Ｓ５００で読み出した第２特図の当否判定用乱数値に対応する当否判定結果を参照して、「当り」または「外れ」の何れであるかを決定することができる。また、図１６（ａ）と図１６（ｂ）とを比較すれば明らかなように、図１６（ｂ）の確変時用の当否判定テーブルは、図１６（ａ）の非確変時用の当否判定テーブルよりも当りの確率が高く設定されている。

こうして第２特図の当否判定を行ったら、次に、第２特図の図柄決定用乱数の読み出しを行う（Ｓ５０８）。前述したように、第２特図の図柄決定用乱数は、第２特図を何れの図柄で停止表示させるかを決定するための乱数であり、当否判定用乱数とともに主制御基板２００のＲＡＭ２０３に記憶されている（図１２のＳ３１２）。Ｓ５０８では、最も古く記憶された乱数の読み出しを行う。

図柄決定用乱数の読み出しに続いて、Ｓ５０４またはＳ５０６で行った第２特図の当否判定の結果が「当り」であるか否かを判断し（Ｓ５１０）、「当り」であると判断された場合には（Ｓ５１０：ｙｅｓ）、第２特図表示部３３に停止表示させる第２特図の当り図柄を、読み出した図柄決定用乱数に基づいて、第２特図の当り図柄決定テーブルを参照することにより決定する（Ｓ５１２）。

図１７は、本実施例の遊技機１で用いられる第２特図の当り図柄決定テーブルを概念的に示した説明図である。前述したように、第２図柄表示装置３２の第２特図表示部３３には、図８に示した１０種類の当り図柄の何れかを停止表示することが可能であり、第２特図の当り図柄決定テーブルには、図１７に示されているように、図柄決定用乱数に対して、１０種類の当り図柄の何れかが設定されている。また、それぞれの当り図柄には、大当り遊技でのラウンド回数を含めた当り態様が予め対応付けられている。そのため、図柄決定用乱数に基づいて第２特図の当り図柄が決まるのと同時に、大当り遊技中に実行されるラウンドの回数、および当り態様が「確変当り」、「特殊確変当り」、「通常当り」の何れであるかも決まるようになっている。

一方、第２特図の当否判定結果が「外れ」であった場合は（Ｓ５１０：ｎｏ）、第２特図表示部３３に停止表示させる第２特図の外れ図柄を、Ｓ５０８で読み出した図柄決定用乱数に基づいて、外れ図柄決定テーブルを参照することにより決定する（Ｓ５１４）。図１８は、本実施例の遊技機１で用いられる外れ図柄決定テーブルを概念的に示した説明図である。図示されているように、外れ図柄決定テーブルには、図柄決定用乱数に対して、２種類の外れ図柄（図８参照）の何れかが設定されている。

以上のようにして、停止表示させる第２特図の当り図柄または外れ図柄を決定したら、今度は、第２特図の変動パターンを設定する処理を行う（Ｓ５１６）。ここで、第２特図の変動パターンとは、第２特図表示部３３における第２特図の変動表示時間を定めるものである。変動パターンは、当否判定結果が当りであるか否か、および、遊技状態が確変状態あるいは時短状態であるか否かに基づいて設定され、当否判定結果が当りである場合には、長めの変動パターンが設定される傾向にある。また、前述したように、遊技状態が確変状態あるいは時短状態である場合には、特別図柄の変動表示時間が短くなる時短機能が作動するため、短めの変動パターンが設定される。

その後、主制御基板２００のＣＰＵ２０１は、サブ制御基板２２０に向かって変動パターン指定コマンドを出力するとともに（Ｓ５１８）、特別図柄停止情報指定コマンドを出力する（Ｓ５２０）。ここで、変動パターン指定コマンドとは、変動表示装置２７での３つの意匠図柄２７ａ，２７ｂ，２７ｃの変動表示の開始を指示するとともに、変動表示時間（変動パターン）を指定するためのコマンドである。また、特別図柄停止情報指定コマンドとは、先に決定した特別図柄（ここでは第２特図）の停止表示に関する情報（何れの図柄で停止表示させるか）を伝達するためのコマンドである。

変動パターン指定コマンドおよび特別図柄停止情報指定コマンドの出力に続いて、主制御基板２００のＣＰＵ２０１は、第２図柄表示装置３２の第２特図表示部３３において第２特図の変動表示を開始した後（Ｓ５２２）、第２特図の保留数から１を減算する処理を行う（Ｓ５２４）。前述したように、本実施例の第２特図表示部３３では、図８に示した１２種類の図柄を次々と切り換えて表示することによって第２特図の変動表示を行う。また、第２特図の変動表示が開始されると第２特図の保留が１つ消化されるので、第２特図の保留数から「１」を減算しておくのである。こうして第２特図の保留数から１を減算したら、図１５の第２特図関連処理を終了して、図１３に示した特別図柄遊技処理に復帰する。

以上、特別図柄遊技処理において、第２特図の保留が残っていると判断された場合（Ｓ４０４：ｎｏ）に実行される第２特図遊技関連処理について説明した。これに対して、第２特図の保留が残っておらず（Ｓ４０４：ｙｅｓ）、第１特図の保留が残っている場合には（Ｓ４０８：ｎｏ）、以下に説明する第１特図関連処理を開始する（Ｓ４１０）。

Ｃ−２−２．第１特図関連処理 ：
図１９は、第１特図関連処理の流れを示したフローチャートである。第１特図関連処理においても、図１５を用いて前述した第２特図関連処理と同様に、処理を開始すると先ず初めに、ＲＡＭ２０３に記憶されている最も古い第１特図の当否判定用乱数の読み出しを行う（Ｓ６００）。その後、遊技状態が確変状態であるか否かを判断し（Ｓ６０２）、確変中であれば（Ｓ６０２：ｙｅｓ）、図１６（ｂ）に示した確変時用の当否判定テーブルを参照して第１特図の当否判定を行う（Ｓ６０４）。一方、確変中でなければ（Ｓ６０２：ｎｏ）、図１６（ａ）に示した非確変時用の当否判定テーブルを参照して第１特図の当否判定を行う（Ｓ６０６）。尚、本実施例の遊技機１では、第１特図の当否判定および第２特図の当否判定において共通の当否判定テーブルを参照していることから、第１特図が当りとなる確率は、第２特図が当りとなる確率と同じである。

第１特図の当否判定を行ったら、次いで、ＲＡＭ２０３に記憶されている最も古い第１特図の図柄決定用乱数を読み出した後（Ｓ６０８）、当否判定の結果が「当り」であるか否かを判断し（Ｓ６１０）、「当り」である場合には（Ｓ６１０：ｙｅｓ）、読み出した図柄決定用乱数に基づいて第１特図の当り図柄決定テーブルを参照することにより、第１特図の当り図柄を決定する（Ｓ６１２）。本実施例の遊技機１では、第１特図の当り図柄決定テーブルとして、前述した第２特図の当り図柄決定テーブル（図１７参照）とは異なるテーブルが設定されている。

図２０は、本実施例の遊技機１で用いられる第１特図の当り図柄決定テーブルを概念的に示した説明図である。第１特図の当り図柄決定テーブルは、図１７に示した第２特図の当り図柄決定テーブルと比較すると、当り態様が「１５Ｒ確変当り」である当り図柄（すなわち、橙「Ａ」−赤「．」の図柄）に対して割り当てられた図柄決定用乱数の範囲が大幅に縮小され、その代わりに、大当り遊技における様々なラウンド回数（本実施例では、１５Ｒ，８Ｒ，４Ｒ，２Ｒ）が設定された「特殊確変当り」の当り図柄（４種類）に対して広範な図柄決定用乱数が割り当てられている。そのため、第１特図については、様々なラウンド回数の特殊確変当りが発生し易く、１５Ｒの通常の確変当りは発生し難い。これに対して、第２特図については、１５Ｒの通常の確変当りが発生し易く、特殊確変当りは発生し難くなっている。

一方、第１特図の当否判定の結果が「外れ」である場合には（Ｓ６１０：ｎｏ）、Ｓ６０８で読み出した図柄決定用乱数に基づいて外れ図柄決定テーブルを参照することにより、第１特図の外れ図柄を決定する（Ｓ６１４）。尚、このとき参照する外れ図柄決定テーブルについては、第２特図の外れ図柄を決定する際に用いた外れ図柄決定テーブル（図１８）と共通になっている。

以上のように第１特図の当否判定を行って、第１特図の当り図柄あるいは外れ図柄を決定したら、前述した第２特図関連処理と同様に、第１特図関連処理においても、第１特図の変動パターンを設定する処理を行って（Ｓ６１６）、サブ制御基板２２０に向かって変動パターン指定コマンドを出力するとともに（Ｓ６１８）、特別図柄停止情報指定コマンドを出力する（Ｓ６２０）。続いて、第１図柄表示装置２８の第１特図表示部３０において第１特図の変動表示を開始した後（Ｓ６２２）、第１特図の保留数から１を減算する処理を行うと（Ｓ６２４）、図１９の第１特図関連処理を終了して、図１３に示した特別図柄遊技処理に復帰する。

主制御基板２００のＣＰＵ２０１は、以上のようにして第２特図関連処理、あるいは第１特図関連処理から復帰すると、図１３の特別図柄遊技処理を終了して、図１０に示した遊技制御処理に復帰する。

以上、図１３の特別図柄遊技処理の開始時に、第１特図または第２特図の何れも変動表示していない場合（Ｓ４００：ｎｏ）に行われる処理について説明したが、第１特図または第２特図の何れかが変動中である場合は（Ｓ４００：ｙｅｓ）、既に特別図柄（第１特図あるいは第２特図）の変動パターンおよび停止表示させる図柄（停止図柄）が決定されて、変動表示が開始されている場合に該当する。そこで、特別図柄変動時間が経過したか否かを判断する（Ｓ４１２）。すなわち、第１特図または第２特図の変動時間は変動パターンに応じて予め定められているので、第１特図または第２特図の変動表示を開始すると同時にタイマをセットすることにより、変動時間が経過したかを判断するのである。そして、未だ変動時間が経過していない場合は（Ｓ４１２：ｎｏ）、そのまま特別図柄遊技処理を終了して、図１０に示す遊技制御処理に復帰する。

これに対して、変動時間が経過したと判断された場合は（Ｓ４１２：ｙｅｓ）、変動表示装置２７で変動表示中の３つの意匠図柄２７ａ，２７ｂ，２７ｃの停止表示を指示するための図柄停止コマンドをサブ制御基板２２０に向かって出力するとともに（Ｓ４１４）、変動表示中の第１特図または第２特図を、先に決定しておいた停止図柄で停止表示させる（Ｓ４１６）。次いで、特別図柄の停止図柄を表示しておく時間（停止表示時間）を設定した後（Ｓ４１８）、設定した停止表示時間が経過したか否かを判断する（Ｓ４２０）。そして、停止表示時間が経過していなければ（Ｓ４２０：ｎｏ）、そのまま特別図柄遊技処理を終了して、図１０に示す遊技制御処理に復帰する。

一方、停止表示時間が経過した場合は（Ｓ４２０：ｙｅｓ）、停止表示された第１特図あるいは第２特図が当り図柄（図８に示した確変当り図柄または通常当り図柄）であるか否かを判断する（図１４のＳ４２２）。そして、当り図柄で停止表示された場合は（Ｓ４２２：ｙｅｓ）、大当り遊技中に実行するラウンドの回数を設定する（Ｓ４２４）。前述したように、本実施例の遊技機１では、当り図柄のそれぞれに、大当り遊技でのラウンド回数を含めた当り態様が予め対応付けられていることから（図１７および図２０参照）、停止表示された当り図柄に応じて、大当り遊技中に行うラウンド回数を設定する。

ラウンド回数の設定に続いて、主制御基板２００のＣＰＵ２０１は、停止表示された当り図柄が「特殊確変当り図柄」であるか否かを判断する（Ｓ４２６）。前述したように、本実施例の遊技機１では、図８に示した５種類の確変当り図柄のうち、４種類が特殊確変当り図柄（当り態様が「特殊確変当り」である当り図柄）に設定されている（図２０参照）。そして、停止表示された当り図柄がこれら４種類の特殊確変当り図柄の何れかであった場合は（Ｓ４２６：ｙｅｓ）、大入賞装置３１の作動態様を特殊態様に設定する（Ｓ４２８）。これに対して、停止表示された当り図柄が特殊確変当り図柄の何れでもなかった場合は（Ｓ４２６：ｎｏ）、大入賞装置３１の作動態様を通常態様に設定する（Ｓ４３０）。

前述したように、大当り遊技が開始されると、大入賞装置３１が作動して大入賞口３１ｄが開口するように構成されている。そして、詳しくは後述するが、大入賞装置３１の作動態様が通常態様に設定されている場合には、ラウンドの開始とともに大入賞口３１ｄを開口し、ラウンドの終了とともに大入賞口３１ｄを閉鎖する。すなわち、ラウンド１回につき大入賞口３１ｄの開閉を１回だけ行うようになっている。これに対して、大入賞装置３１の作動態様が特殊態様に設定されている場合には、ラウンドの開始によって開口状態にした大入賞口３１ｄをラウンド中に一旦閉鎖して、また直ぐに開口する動作を繰り返すようになっており、ラウンド１回につき大入賞口３１ｄの開閉を複数回行う。

こうして大当り遊技でのラウンド回数、および大入賞装置３１の作動態様を設定したら、大当り遊技フラグをＯＮの状態にセットする（Ｓ４３２）。前述したように、大当り遊技フラグは、遊技状態を大当り遊技とするか否かを示すフラグであり、大当り遊技フラグをＯＮにセットすることによって、遊技者にとって有利な大当り遊技が開始される。

また、本実施例の遊技機１では、大当り遊技中は、前述した確変機能や時短機能は働かないこととしている。そこで、Ｓ４３２において大当り遊技フラグをＯＮにセットしたら、現在の遊技状態が確変状態か否かを判断する（Ｓ４３４）。確変中であれば（Ｓ４３４：ｙｅｓ）、確変機能および時短機能が作動しているので、確変機能の作動を停止させるとともに（Ｓ４３６）、時短機能の作動を停止させる（Ｓ４３８）。一方、現在の遊技状態が確変状態ではなかった場合は（Ｓ４３４：ｎｏ）、時短中か否かを確認し（Ｓ４４２）、時短中であった場合は（Ｓ４４２：ｙｅｓ）、時短機能の作動を停止させる（Ｓ４３８）。また、本実施例の遊技機１では、時短機能が作動している場合は、始動口ユニット１７に設けられた第２始動口１７ｂ（普通電動役物）の開口時間を延長する機能も働いているので、Ｓ４３８において時短機能の作動を停止したら、普通電動役物の開口時間延長機能の作動も停止させた後（Ｓ４４０）、図１３および図１４に示した特別図柄遊技処理を抜けて、図１０の遊技制御処理に復帰する。一方、Ｓ３３６で大当り遊技フラグをＯＮにセットしたときの遊技状態が確変状態でも時短状態でもなかった場合は（Ｓ４４２：ｎｏ）、そのまま特別図柄遊技処理を抜けて、遊技制御処理に復帰する。

以上、第１図柄表示装置２８あるいは第２図柄表示装置３２で停止表示された特別図柄（第１特図または第２特図）が、当り図柄であった場合（Ｓ４２２：ｙｅｓ）の処理について説明したが、停止表示された図柄が当り図柄でなかった場合、すなわち、外れ図柄で停止表示された場合は（Ｓ４２２：ｎｏ）、次のような処理を行う。

まず、現在の遊技状態が時短状態か否かを判断する（Ｓ４４４）。そして、時短中と判断された場合は（Ｓ４４４：ｙｅｓ）、時短中に行った特別図柄の変動回数（第１特図または第２特図のどちらかを変動表示させた合計回数）を計数した後（Ｓ４４６）、変動回数が時短上限回数に達したか否かを判断する（Ｓ４４８）。本実施例の遊技機１では、時短状態は、次の大当り遊技状態が発生するか、もしくは特別図柄の変動回数が所定の上限回数（ここでは１００回）に達するまでは継続する設定となっている。そこで、現在の遊技状態が時短状態であった場合は（Ｓ４４４：ｙｅｓ）、特別図柄の変動回数が上限回数に達したか否かを判断するのである（Ｓ４４８）。また、本実施例の遊技機１では、第１特図および第２特図の２つの特別図柄が設けられていることから、両方の特別図柄の変動回数を合わせて計数するようになっている。そして、上限回数に達していれば（Ｓ４４８：ｙｅｓ）、時短機能の作動を停止させ（Ｓ４３８）、続いて、普通電動役物の開口時間延長機能の作動も停止させた後（Ｓ４４０）、図１３および図１４に示した特別図柄遊技処理を抜けて、図１０の遊技制御処理に復帰する。一方、特別図柄の変動回数が、未だ上限回数に達していなければ（Ｓ４４８：ｎｏ）、時短状態を維持したまま、特別図柄遊技処理を抜けて、図１０の遊技制御処理に復帰する。

尚、大当り遊技を開始するか否かについての抽選や、大当り遊技を開始する場合に、何れの態様で大当り遊技を行うかについての抽選は、図１３に示した特別図柄遊技処理の中の第１特図関連処理（Ｓ４１０）、あるいは第２特図関連処理（Ｓ４０６）で行われている。また、これらの処理は主制御基板２００のＣＰＵ２０１によって行われていることから、本実施例の主制御基板２００に搭載されたＣＰＵ２０１は、本発明における「大当り遊技態様抽選手段」の一態様を構成している。

図１０に示すように遊技制御処理では、上述した特別図柄遊技処理（Ｓ１１２）に続いて、大当り遊技フラグがＯＮか否か（すなわち、大当り遊技中か否か）を判断する（Ｓ１１４）。そして、大当り遊技フラグがＯＮであれば（Ｓ１１４：ｙｅｓ）、以下に説明する特別電動役物遊技処理を行うことにより、大当り遊技を実施する（Ｓ１１６）。これに対して、大当り遊技フラグがＯＦＦの場合は（Ｓ１１４：ｎｏ）、特別電動役物遊技処理を行うことなく、遊技制御処理の先頭に戻って、前述した賞球関連処理（Ｓ１００）以降の一連の処理を繰り返す。尚、本実施例における大当り遊技は、主制御基板２００に搭載されたＣＰＵ２０１が、以下に説明する特別電動役物遊技処理を実行することによって実行されている。従って、本実施例の主制御基板２００に搭載されたＣＰＵ２０１は、本発明における「大当り遊技実行手段」の一態様を構成している。

Ｃ−３．特別電動役物遊技処理 ：
図２１は、特別電動役物遊技処理の一部を示すフローチャートである。また、図２２は、特別電動役物遊技処理の残りの部分を示すフローチャートである。このような特別電動役物遊技処理が実行されることによって、いわゆる特別遊技状態（大当り遊技）が実施される。以下、図２１および図２２を参照しながら特別電動役物遊技処理について説明するが、その準備として、いわゆる大当り遊技と呼ばれる遊技の内容について簡単に説明しておく。

図２を用いて前述したように、遊技盤１０の下方には大入賞口３１ｄが設けられており、この大入賞口３１ｄは通常の遊技状態では閉鎖されている。しかし、大当り遊技が開始されると、大入賞装置３１の作動によって大入賞口３１ｄが開口するようになっている。本明細書中で言う「特別電動役物」とは、大入賞口３１ｄを備えた役物である。また、本実施例の遊技機１では、大入賞装置３１の作動態様として、ラウンド中は大入賞口３１ｄが初めから終わりまで開口状態となっている通常態様と、ラウンド中に大入賞口３１ｄが複数回開閉を繰り返す特殊態様の２種類が設定されている。そして、大入賞装置３１が何れの態様で作動した場合でも、ラウンド中は高い確率で遊技球が大入賞口３１ｄに入球することになる。また、１回のラウンドは、予め設定されたラウンド規定時間（本実施例では、約２６秒間に設定されている）が経過するか、あるいは開口中の大入賞口３１ｄに規定数の遊技球が入球すると終了となるが、所定の時間が経過すると次のラウンドが開始される。以下では、ラウンドを終了してから次のラウンドを開始するまでの時間を「ラウンド休止時間」と呼ぶことにする。もちろん、ラウンド休止時間が経過するまで、大入賞口３１ｄは閉鎖状態となっている。こうしたラウンドを繰り返して、大当り遊技の開始時に設定した回数のラウンドを全て消化したら大当たり遊技が終了する。以下、上述した大当り遊技を実施するために、主制御基板２００のＣＰＵ２０１が行う特別電動役物遊技処理について、図２１および図２２を参照しながら説明する。

図２１に示されるように、主制御基板２００のＣＰＵ２０１は、特別電動役物遊技処理を開始すると先ず初めに、ラウンド中であるか否かを判断する（Ｓ７００）。ラウンドは大当り遊技の開始に伴って開始されるが、大当り遊技フラグのＯＮによって大当り遊技が開始された直後は、ラウンドは未だ開始されていない。そこで、Ｓ７００では「ｎｏ」と判断され、次いで、実行したラウンドの回数が設定回数に達したか否かを判断する（Ｓ７０２）。前述したように、大当り遊技フラグをＯＮにセットするに際して、大当り遊技中に実行するラウンドの回数が当り図柄に応じて設定されている（図１４のＳ４２４）。そのため、ラウンド中でない場合は（Ｓ７００：ｎｏ）、設定回数のラウンドを全て消化したか否かを判断するのである（Ｓ７０２）。

もちろん、大当り遊技が開始された直後であれば、ラウンドの実行回数は設定回数に達していないので（Ｓ７０２：ｎｏ）、新たなラウンドを開始することになるが、その前に、ラウンド休止時間が経過したか否かを判断する（Ｓ７０４）。前述したように、ラウンドとラウンドとの間には、所定のラウンド休止時間が設けられており、ラウンド休止時間が経過するまでは新たなラウンドを開始しないようになっている。当然、大当り遊技が開始された直後は、ラウンド休止時間が経過していると判断されるので（Ｓ７０４：ｙｅｓ）、新たなラウンドを開始した後（Ｓ７０６）、図２１の特別電動役物遊技処理を一旦終了して、図１０に示した遊技制御処理に復帰する。こうして新たなラウンドが開始されると、先に設定された作動態様（図１４のＳ４３０，Ｓ４３２参照）で大入賞装置３１が作動して、大入賞口３１ｄが開口することになる。一方、ラウンド休止時間が経過していないと判断された場合は（Ｓ７０４：ｎｏ）、新たなラウンドを開始することなく、図２１の特別電動役物遊技処理をそのまま終了して、図１０の遊技制御処理に復帰する。

主制御基板２００のＣＰＵ２０１は遊技制御処理に復帰すると、図１０に示したように、賞球関連処理（Ｓ１００）以降の一連の各種処理を行った後、再び特別電動役物遊技処理（Ｓ１１６）を開始する。前述したように、図１０に示した遊技制御処理を、主制御基板２００のＣＰＵ２０１が一回、実行するために要する時間は、約４ｍｓｅｃとなっている。従って、図２１および図２２に示した特別電動役物遊技処理も、約４ｍｓｅｃ毎に実行されることになる。そして、大当たり遊技が開始されて最初の特別電動役物遊技処理では、前述したように、Ｓ７０６において新たなラウンドを開始して処理を終了するが、次回の特別電動役物遊技処理では、Ｓ７００において、ラウンド中である（Ｓ７００：ｙｅｓ）と判断されることになる。

ラウンド中であると判断された場合は（Ｓ７００：ｙｅｓ）、ラウンド規定時間が経過したか否かを判断する（Ｓ７０８）。前述したように、１回のラウンドは、予め設定されたラウンド規定時間（本実施例では約２６秒間）が経過するか、あるいは開口中の大入賞口３１ｄに規定数（本実施例では１０個）の遊技球が入球すると終了するようになっている。このことに対応して、Ｓ７０８では、ラウンド規定時間が経過したか否かを判断するのである。そして、ラウンド規定時間が経過した場合は（Ｓ７０８：ｙｅｓ）、ラウンドを終了した後（Ｓ７１２）、図２１の特別電動役物遊技処理を抜けて、図１０に示した遊技制御処理に復帰する。こうして１回のラウンドが終了すると、大入賞装置３１の作動は停止して、大入賞口３１ｄは閉鎖状態となる。

一方、ラウンド規定時間が経過していない場合は（Ｓ７０８：ｎｏ）、大入賞口３１ｄに入球した遊技球が規定数に達しているか否かを判断する（Ｓ７１０）。そして、遊技球が規定数に達した場合は（Ｓ７１０：ｙｅｓ）、ラウンドを終了する（Ｓ７１２）。これに対して、規定数に達していない場合は（Ｓ７１０：ｎｏ）、未だラウンド規定時間が経過しておらず、しかも大入賞口３１ｄに入球した遊技球も規定数に達していないことになるので、ラウンドを継続させたまま、図２１の特別電動役物遊技処理を抜けて、図１０に示した遊技制御処理に復帰する。

図１０の遊技制御処理を何回も繰り返し実行しているうちに、ラウンド規定時間が経過するか（Ｓ７０８：ｙｅｓ）、もしくは大入賞口３１ｄに規定数の遊技球が入球すると（Ｓ７１０：ｙｅｓ）、１回のラウンドを終了する（Ｓ７１２）。そして、次に特別電動役物遊技処理が実行された時には、Ｓ７００においてラウンド中ではないと判断されるので（Ｓ７００：ｎｏ）、ラウンド回数が設定回数に達したか否かが判断され（Ｓ７０２）、設定回数に達していなければ（Ｓ７０２：ｎｏ）、ラウンド休止時間が経過したことを確認した後（Ｓ７０４：ｙｅｓ）、再び新たなラウンドを開始する（Ｓ７０６）。一方、Ｓ７０２において、ラウンド回数が設定回数に達したと判断された場合は（Ｓ７０２：ｙｅｓ）、大当り遊技を終了させるべく、大当り遊技フラグをＯＦＦにセットする（図２２のＳ７１４）。このように大当り遊技は、設定回数に達するまでラウンドを繰り返し行うことによって実行される。また、前述したように、本実施例の遊技機１では、ラウンド中の大入賞装置３１の作動態様として、通常態様および特殊態様の２種類が設定されている。従って、大入賞装置３１の作動態様が何れであるかに応じて、大当り遊技も異なる態様で行われることになる。

図２３は、大入賞装置３１の作動態様に応じて異なる態様で大当り遊技が進行する様子を概念的に示した説明図である。図２３（ａ）は、大入賞装置３１の作動態様が通常態様に設定されている場合を表している。図示されているように、大当り遊技フラグのＯＮによって大当り遊技が開始されると、ほどなく１回目のラウンドが開始され、大入賞装置３１の作動により直ちに大入賞口３１ｄが開口する。大入賞装置３１が通常態様で作動する場合には、ラウンド中は大入賞口３１ｄの開口状態をそのまま維持する。そして、ラウンド規定時間が経過するか、あるいは規定数の遊技球が大入賞口３１ｄに入球してラウンドの終了条件が成立すると、大入賞装置３１の作動が停止して直ちに大入賞口３１ｄが閉鎖される。その後、大入賞口３１ｄを閉鎖したままの状態でラウンド休止時間が経過して、新たなラウンドが開始されると、大入賞装置３１が作動して再び大入賞口３１ｄが開口する。尚、本実施例の遊技機１では、ラウンド休止時間が約２秒間に設定されている。

このように、大入賞装置３１の作動態様が通常態様に設定されている場合は、ラウンド中は大入賞口３１ｄが開口状態のままになっており、ラウンドが終了すると大入賞口３１ｄが閉鎖されるという単純な態様で、ラウンド回数が設定回数に達するまで大当り遊技が継続される。尚、図２３中で斜線を付した矩形は、大入賞口３１ｄが閉鎖している期間を表しており、これに対して、白抜きの矩形は、大入賞口３１ｄが開口している期間を表している。

一方、図２３（ｂ）は、大入賞装置３１の作動態様が特殊態様に設定されている場合を表している。図示されているように、大入賞装置３１が特殊態様で作動する場合は、ラウンド中も大入賞口３１ｄの開口と閉鎖とが繰り返し行われる。本実施例の遊技機１では、特殊態様に設定されたラウンド中に大入賞口３１ｄが開口する１回の開口時間は約２．７秒間に設定されており、閉鎖時間は約１．５秒間に設定されている。そして、大入賞口３１ｄを一定間隔で開閉させる動作は、ラウンドの終了条件が成立するまで繰り返される。その後、ラウンド休止時間が経過するまで大入賞口３１ｄは閉鎖状態のままとなり、ラウンド休止時間が経過すると、新たなラウンド遊技が開始されて、再び大入賞口３１ｄが一定間隔で開閉を繰り返す。

ここで、本実施例の遊技機１では、ラウンド終了から次のラウンド開始までの間で大入賞口３１ｄが閉鎖状態となるラウンド休止時間は約２秒間に設定されており、この時間は、特殊態様に設定されたラウンド中に大入賞口３１ｄが閉鎖状態となる時間（約１．５秒間）と、ほぼ同じ長さに設定されている。このため、特殊態様設定時の大当り遊技では、大入賞口３１ｄが閉鎖された際に、ラウンドの終了によって閉鎖されたのか、それともラウンド中に閉鎖されたのかを見分けるのは困難であり、遊技者は、ラウンドが何回行われたかを把握し難くなる。これに加えて、特殊態様設定時には、大入賞口３１ｄの開閉が何度も繰り返されることから、遊技者には、実際の設定回数よりも多くのラウンドが行われているように感じられる。

また、特殊態様設定時においても、ラウンドの終了条件は、ラウンド規定時間が経過するか、あるいはラウンド規定時間が経過する前に規定数の遊技球が大入賞口３１ｄに入球するかの何れかである。しかし、前述したように、特殊態様設定時のラウンド中は大入賞口３１ｄの開閉が繰り返され、閉鎖時にはもちろん遊技球が入球し得ないので、規定数の遊技球の入球によってラウンドが早期に終了することは稀であり、多くのラウンドは、ラウンド規定時間の経過により終了する。従って、ラウンドの設定回数が同じであれば、特殊態様設定時の大当り遊技が終了するまでの時間は、通常態様設定時の大当り遊技よりも長くなる傾向にある。

図２２に示した特別電動役物遊技処理では、大当り遊技フラグのＯＦＦによって大当り遊技を終了したら（Ｓ７１４）、次いで、大当り遊技を開始することとなった当り図柄は、「確変当り図柄（特殊確変当り図柄を含む）」または「通常当り図柄」の何れであったかを判断する（Ｓ７１６）。そして、「確変当り図柄」によるものであった場合は（Ｓ７１６：ｙｅｓ）、確変機能の作動を開始した後（Ｓ７１８）、時短機能および普通電動役物の開口時間延長機能の作動を開始して（Ｓ７２０、Ｓ７２２）、図２１および図２２に示した特別電動役物遊技処理を終了する。尚、普通電動役物（第２始動口１７ｂ）の開口時間延長機能の作動を開始する処理は、主制御基板２００のＣＰＵ２０１が行っていることから、本実施例の主制御基板２００に搭載されたＣＰＵ２０１は、本発明における「開口時間延長手段」の一態様を構成している。

一方、大当り遊技を開始することとなった当り図柄が「確変当り図柄」ではないと判断された場合は（Ｓ７１６：ｎｏ）、大当り遊技は「通常当り図柄」によって開始されたことになる。そこで、確変機能の作動を開始する処理（Ｓ７１８）はスキップして、時短機能の作動を開始し（Ｓ７２０）、続いて普通電動役物の開口時間延長機能の作動を開始した後（Ｓ７２２）、図２１および図２２に示した特別電動役物遊技処理を終了して、図１０の遊技制御処理に復帰する。

主制御基板２００に搭載されたＣＰＵ２０１は、以上のような遊技制御処理を繰り返し行うことによって、遊技機１の遊技を進行させる。そして、遊技制御処理中の特別図柄遊技処理（図１３）の中で、第１特図あるいは第２特図のそれぞれについて当否判定が行われ（図１５および図１９参照）、当否判定の結果が「当り」であれば、大当り遊技フラグがＯＮにセットされて（図１４のＳ４２４）、特別遊技状態（大当り遊技）が開始される。また、遊技制御処理中の特別電動役物遊技処理（図２１および図２２）においては、所定の態様で大当り遊技を行い、大当り遊技の終了後は、当り態様に応じて確変機能、時短機能、普通電動役物の開口時間延長機能を作動させる処理が行われる。

ここで、前述したように、本実施例の遊技機１では、大当り遊技中に作動する大入賞装置３１の作動態様として、通常態様と特殊態様の２種類が設定されている。そして、第１特図あるいは第２特図が「特殊確変当り図柄」で停止した場合には、大入賞装置３１が特殊態様で作動する大当り遊技（以下、特殊態様の大当り遊技）が行われるのに対して、第１特図あるいは第２特図がそれ以外の当り図柄（「確変当り図柄」または「通常当り図柄」）で停止した場合には、大入賞装置３１が通常態様で作動する大当り遊技（以下、通常態様の大当り遊技）が行われるようになっている。このことに加えて、第１特図において「特殊確変当り図柄」が発生し易く設定しておくことによって、本実施例の遊技機１では、大当り遊技が行われるタイミングに応じて態様に変化を付けて、遊技者の遊技興趣を効果的に盛り上げることが可能となっている。以下では、この点について詳しく説明する。

図５を用いて前述したように、本実施例の遊技機１に搭載された始動口ユニット１７には、第１始動口１７ａと第２始動口１７ｂの２つの始動口が設けられており、このうち第２始動口１７ｂは、閉鎖状態では遊技球が入球し難く、開口状態となることで入球し得るようになる。また、本実施例の遊技機１では、第１始動口１７ａに遊技球が入球すると、第１特図の変動表示が行われ、第２始動口１７ｂに遊技球が入球すると、第２特図の変動表示が行われる。そして、第１特図あるいは第２特図が当り図柄（確変当り図柄、特殊確変当り図柄、通常当り図柄の何れか）で停止表示された場合には、大当り遊技が行われる。ここで、本実施例の大当り遊技には、図２３に示したように、通常態様と特殊態様の２種類が設けられており、停止表示された当り図柄に応じて、何れかの大当り遊技が行われる。

図２４は、遊技を繰り返す中で特殊態様の大当り遊技および通常態様の大当り遊技が行われる様子を示したタイムチャートである。先ず、遊技を開始した直後の「通常の遊技状態」では、前述した第２始動口１７ｂ（普通電動役物）の開口時間延長機能は作動しておらず、第２始動口１７ｂは一瞬しか開口しないので、第２始動口１７ｂへの入球は稀である。そのため、通常の遊技状態では、主に第１始動口１７ａに遊技球が入球して第１特図の変動表示が行われる。加えて、図２０を用いて前述したように、第１特図は、特殊確変当り図柄で停止表示される確率が高く設定されているため、通常の遊技状態で当りが発生する場合（いわゆる初当りの場合）は、停止表示される当り図柄が「特殊確変当り図柄」である可能性が高くなっている。そして、第１特図が特殊確変当り図柄で停止表示された場合には、特殊態様の大当り遊技が開始される。

特殊態様の大当り遊技では、図２３（ｂ）を用いて前述したように、ラウンド中に大入賞口３１ｄの開閉が何度も繰り返されるようになっている。もちろん、ラウンド中であっても大入賞口３１ｄが閉鎖されると遊技球は入球し得ないので、ラウンド終了まで大入賞口３１ｄを開口したままにしておく場合に比べて、大入賞口３１ｄへの入球数は少なくなる。結果として、特殊態様の大当り遊技において払い出される賞球（いわゆる出球）は少ない傾向にある。加えて、大入賞口３１ｄへの規定数の遊技球の入球によってラウンドが早期に終了することは少なく、多くの場合、ラウンドはラウンド規定時間が経過するまで継続されることから、特殊態様の大当り遊技が終了するまでに要する時間は長くなる傾向にある。そして、特殊態様の大当り遊技を終了すると、遊技状態は確変状態となる。

前述したように、確変状態では、普通電動役物の開口時間延長機能が作動するので、第２始動口１７ｂの開口時間が延長され、遊技球は第１始動口１７ａよりも第２始動口１７ｂに入球し易くなる（図５（ｂ）参照）。また、本実施例の遊技機１では、第２特図を優先して変動表示させるようになっているため（図１３のＳ４０４）、確変状態では、主に第２特図の変動表示が行われる。加えて、図１７を用いて前述したように、第２特図は、特殊確変当り図柄で停止表示される確率が低く設定されているため、確変状態で当りが発生する場合は、特殊確変当り図柄以外の当り図柄（すなわち、確変当り図柄あるいは通常当り図柄）で停止表示される可能性が高くなっている。そして、第２特図が確変当り図柄あるいは通常当り図柄で停止表示された場合には、通常態様の大当り遊技が開始される。尚、図２４では、確変当り図柄で停止表示されて例が示されている。

図２３（ａ）を用いて前述したように、通常態様の大当り遊技では、ラウンド中は大入賞口３１ｄが開口したままになっているため、ラウンド中に大入賞口３１ｄの開閉を繰り返す特殊態様の大当り遊技に比べて、遊技球が大入賞口３１ｄに入球し易い。その結果、通常態様の大当り遊技では、ラウンド内で規定数まで遊技球を入球させることが可能であり、遊技者は多数の賞球を獲得することができる。また、大入賞口３１ｄに規定数の遊技球が入球することによって、ラウンドは早期に終了することから、通常態様の大当り遊技は、同じラウンド数の特殊態様の大当り遊技に比べて短時間で終了する。そして、通常態様の大当り遊技が終了すると、遊技状態は再び確変状態（通常当り図柄によって通常態様の大当り遊技が開始された場合には、時短状態）となり、普通電動役物の開口時間延長機能が作動するので、前述と同様に、多くの遊技球が第２始動口１７ｂに入球して、主に第２特図の変動表示が行われる。

以上に説明したように、本実施例の遊技機１では、初当り（通常の遊技状態で発生する当り）の場合は、特殊態様の大当り遊技となる確率が高く、大当り遊技が終了した後の確変状態あるいは時短状態で発生する当りの場合は、通常態様の大当り遊技となる確率が高く設定されている。そして、特殊態様の大当り遊技中に払い出される賞球は、同じラウンド回数に設定された通常態様の大当り遊技に比べて少ないため、確変中あるいは時短中に当りが発生すると、初当りのときよりも大当り遊技で払い出される賞球（出球）が多いという印象を遊技者に与えることができる。その結果、遊技者の遊技興趣を効果的に盛り上げることが可能となる。

もちろん、初当りの際にラウンド回数の少ない大当り遊技を行うように設定しておけば、確変状態あるいは時短状態から発生する大当り遊技での出球を多く見せることができる。しかし、遊技者にしてみれば、初当りによる大当り遊技は直ぐに終わってしまい出玉が少ないと感じられるので、遊技台の魅力が損なわれてしまう。

これに対して、本実施例の遊技機１では、初当りの際に「特殊態様の大当り遊技」を行う確率が高く設定されている。そして、前述したように、特殊態様の大当り遊技では、ラウンド中に大入賞口３１ｄの開閉が何度も繰り返されるので、遊技者に対して、実際のラウンド回数よりも多くのラウンドが行われているように錯覚させることができる。また、開閉動作によって大入賞口３１ｄへの入球数が減少するのに伴って、多くのラウンドはラウンド規定時間（１回のラウンドの最長時間）の経過まで継続されるので、特殊態様の大当り遊技を終了するまでに要する時間は長くなる傾向にある。このように、初当りの際に特殊態様の大当り遊技を行うことによって、たとえラウンド回数を少なく設定しても、遊技者に「初当りによる大当り遊技は直ぐに終わってしまう」という印象を与えることはなく、初当りによる大当り遊技での出球を抑えることが可能となる。

また、本実施例の遊技機１では、初当りの際に行われる大当り遊技として、ラウンド回数の異なる複数種類の特殊態様の大当り遊技が設定されているので、ラウンド回数が何回であるかによって、初当りの大当り遊技にバリエーションを付けることができる。加えて、前述したように特殊態様の大当り遊技では、ラウンド中に大入賞口３１ｄの開閉が何度も繰り返されることによって、ラウンドの切れ目が遊技者に分かり難くなっている。そのため、ラウンド回数が比較的多く設定された特殊態様の大当り遊技が行われると、遊技者にとっては、ラウンドが延々と繰り返される特別な大当り遊技であるように感じられるという効果も得られる。その結果、初当りの大当り遊技を効果的に盛り上げることが可能となる。

以上、本発明について実施の形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。

例えば、上述した実施例では、第１特図の当否判定で当りとなった場合に、第２特図で当りとなった場合よりも、「特殊態様の大当り遊技」となる確率が高く設定され、「通常態様の大当り遊技」となる確率が低く設定されていた（図１７、図２０）。しかし、第１特図の当りに対して、必ずしも「通常態様の大当り遊技」となる確率が設定されていなければならないわけではなく、第１特図の当否判定で当りになると、「特殊態様の大当り遊技」のみが発生するように設定しておいてもよい。また、第２特図の当否判定で当りになると、特殊態様の大当り遊技よりも出球の多い「通常態様の大当り遊技」のみが発生するように設定しておいてもよい。こうすることにより、初当りによる大当り遊技と、開口時間延長機能の作動中（すなわち確変状態あるいは時短状態）に発生した大当り遊技とに、出球の差を確実につけることができる。その結果、開口時間延長機能の作動中に大当り遊技が発生すると、遊技者の遊技興趣を効果的に高めることが可能となる。

１…パチンコ機、 １７…始動口ユニット、
１７ａ…第１始動口、 １７ｂ…第２始動口、
２７…変動表示装置、 ３１…大入賞装置、
３１ｄ…大入賞口、 ２００…主制御基板、
２０１…ＣＰＵ（当否判定手段、大当り遊技実行手段、高確率状態発生手段、開放頻度向上手段、通常状態発生手段、決定手段）、
２０２…ＲＯＭ、 ２２０…サブ制御基板

Claims (1)

1. 第１始動口と、開放状態と閉鎖状態とに変化可能な第２始動口と、開放状態と閉鎖状態とに変化可能な大入賞口とを遊技盤面上に設けた弾球遊技機において、
   前記第１始動口または前記第２始動口に遊技球が入賞することを契機として、当り外れを判定する当否判定手段と、
   前記判定の結果が当りの場合に、前記大入賞口を開閉する大当り遊技を実行する大当り遊技実行手段と、を備え、
   前記大当り遊技の終了後には、前記判定の結果が当りとなる確率を通常確率よりも高い確率とし、且つ、前記第２始動口が開放状態となる頻度を向上させる特定の遊技状態を発生可能であって、
   前記大当り遊技として、前記大入賞口をラウンド１回につき１回開閉する通常ラウンドを所定回数発生させる第１大当り遊技と、前記大入賞口をラウンド１回につき複数回開閉する特殊ラウンドを前記所定回数よりも少ない回数発生させる第２大当り遊技と、前記特殊ラウンドを前記所定回数と同じ回数発生させる第３大当り遊技と、を有し、
   前記第２大当り遊技として、前記特殊ラウンドが発生する回数の異なる複数の第２大当り遊技を有し、
   前記複数の第２大当り遊技および前記第３大当り遊技の実行確率は、前記第２始動口への遊技球入賞を契機とする前記判定の結果が当りとなる場合よりも、前記第１始動口への遊技球入賞を契機とする前記判定の結果が当りとなる場合の方が高く、且つ、前記第１大当り遊技の実行確率は、前記第１始動口への遊技球入賞を契機とする前記判定の結果が当りとなる場合よりも、前記第２始動口への遊技球入賞を契機とする前記判定の結果が当りとなる場合の方が高い
   ことを特徴とする弾球遊技機。

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