JP5748224B2 - 化学結合した湿潤剤を有するシリコーンハイドロゲル材料 - Google Patents

化学結合した湿潤剤を有するシリコーンハイドロゲル材料 Download PDF

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Description

本発明は、潜在的なUV活性化ラジカル生成部分を有するシリコーン含有プレポリマーの一分類及びその使用に関する。詳細には本発明は、この分類のシリコーン含有プレポリマーから製造されたシリコーンハイドロゲルコンタクトレンズに関する。
背景
近年になり、ソフトシリコーンハイドロゲルコンタクトレンズは、高度の酸素透過度及び快適性により、益々人気を得るようになった。「ソフト」コンタクトレンズは、目の形状に密接に適応することができるため、酸素はレンズを容易に取り囲むことができない。角膜は、他の組織のように血液供給から酸素を受け取ることができないため、ソフトコンタクトレンズでは、周囲の空気(即ち、酸素)から酸素を角膜に届けなければならない。十分な酸素が角膜に届かなければ、角膜の膨潤が起こる。長期間の酸素の枯渇により、角膜内の血管が不適切に増殖する。シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズは、高度の酸素透過度を有することにより、十分な酸素を、レンズをとおして角膜に透過させて、角膜の健康への有害作用を最小限に抑えることができる。
しかし、シリコーンハイドロゲル材料は、典型的には疎水性(非湿潤性)の表面、又は少なくとも一部の表面領域を有する。疎水性表面又は表面領域は、目の環境から脂質又はタンパク質を取り込んで、目に接着する場合がある。つまり、シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズは、一般に、表面改質を必要とする。
比較的疎水性のコンタクトレンズ材料、例えば、Focus NIGHT & DAY(商標)及びO2OPTIX(商標)(CIBA VISION)、ならびにPureVision(商標)(Bausch & Lomb)などの市販のレンズの親水性を改質する公知の方法は、プラズマ処理を利用するものである。プラズマコーティングの利点は、持続性、比較的高度の親水性(又は良好な湿潤性)、ならびに脂質及びタンパク質の付着及び吸着への低い感受性である。しかし、予備成形されたコンタクトレンズは、プラズマ処理の前に乾燥させなければならず、そしてプラズマ処理設備に関連して比較的高い資本投資があることから、シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズのプラズマ処理は、費用効果が得られない場合がある。
比較的疎水性のコンタクトレンズ材料の親水性を改質する他の方法には、交互積層(LbL)ポリイオン材料付着技術(例えば、米国特許第6,451,871号、同第6,717,929号、同第6,793,973号、同第6,884,457号、同第6,896,926号、同第6,926,965号、同第6,940,580号を参照)がある。この技術は、シリコーンハイドロゲル材料に湿潤性を付与するための費用効果のある方法を提供することができる。しかし、そのようなLbLコーティングは、長期装用目的では、プラズマコーティングよりも持続性が低くなる可能性がある。
シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズの表面親水性を改質する他の方法は、米国特許第6,367,929号、同第6,822,016号、同第7,052,131号、及び同第7,249,848号で提案されたとおり、シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズを製造するためのレンズ配合剤に、湿潤剤(親水性ポリマー)を組み入れることである。この方法では、シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズの注入成形の後にレンズの表面親水性を改質するための更なる後処理が必要とならない場合がある。しかし湿潤剤は、レンズ配合材料中のシリコーン成分と相溶性がない場合があり、そしてその非相溶性により、得られたレンズに濁りが加わる場合がある。
それゆえ、湿潤性及び持続性のあるコーティング(表面)を有するシリコーンハイドロゲルコンタクトレンズを、費用効果のある手法で製造する方法が、求められている。
発明の概要
本発明は、一態様において、化学線架橋性プレポリマーを提供する。本発明のプレポリマーは、プレポリマーの共重合体鎖内に、(1)1種以上のシロキサン含有ビニルモノマー及び/又は1種以上のシロキサン含有マクロマーから誘導されたシロキサン単位と;(2)1種以上の親水性ビニルモノマー及び/又は1種以上の親水性マクロマーから誘導された親水性単位と;(3)潜在的なUV活性化フリーラジカル生成(UV−AFRG)部分を有する鎖延長単位と;(4)エチレン性不飽和基と、を含み、そのプレポリマーは、1種以上の親水性ビニルモノマーの存在下で化学線架橋して、ダングリング親水性ポリマー鎖(それぞれが1種以上の親水性ビニルモノマーから形成されていて、1個の鎖延長単位をとおしてシリコーンハイドロゲル材料のポリマーマトリックスに共有結合している)を含むシリコーンハイドロゲル材料を形成することができる。
他の態様において、本発明は、レンズ形成材料を型内で硬化させることにより得られる、シリコーンハイドロゲル材料を含むソフトコンタクトレンズを提供し、そのレンズ形成材料は、本発明の化学線架橋性プレポリマー及び少なくとも1種の親水性ビニルモノマーを含み、そのシリコーンハイドロゲル材料は、ダングリング親水性ポリマー鎖(それぞれが少なくとも1種の親水性ビニルモノマーから形成されていて、シリコーンハイドロゲル材料のポリマーマトリックスに共有結合している)を含み、形成されたソフトコンタクトレンズは、硬化後表面処理を行わなくとも親水性表面を有している。
更なる態様において、本発明は、レンズ形成材料を型内で光重合させることによりソフトコンタクトレンズを製造する方法を提供し、そのレンズ形成材料は、本発明のプレポリマー及び少なくとも1種の親水性ビニルモノマーを含む。
更なる態様において、本発明は、潜在的なUV活性化フリーラジカル生成部分(UV−AFRG)を含むビニルモノマーを提供する。
発明の実施態様の詳細な記載
他に断りがない限り、本明細書で用いられる全ての技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者に一般に理解されるものと同じ意味を有する。一般に本明細書で用いられる命名法及び実験室手順は、周知であり、当該技術分野で一般に用いられている。当該技術分野及び様々な一般的参考文献の中で提供される方法など、従来の方法が、これらの手順に用いられる。用語が、単数形で示されている場合、本発明人は、その用語の複数も企図する。本明細書で用いられる命名法及び以下に記載される実験室手順は、周知のものであり、当該術分野で一般に用いられる。
本明細書で用いられる「肉眼用装置」は、目又は目の周囲に接触して使用される、又はその周辺で使用されるコンタクトレンズ(ハード又はソフト)、眼内レンズ、角膜アンレー、他の肉眼用装置(例えば、ステント、緑内障シャントなど)を指す。
「コンタクトレンズ」は、装用者の目の表面又は内部に設置しうる構造を指す。コンタクトレンズは、使用者の視野を修正、改善、又は変化させることができるが、そうである必要はない。
「ハイドロゲル」又は「ハイドロゲル材料」は、完全に水和させると、水を少なくとも10重量%吸収しうる高分子材料を指す。「シリコーンハイドロゲル」は、少なくとも1種のシリコーン含有ビニルモノマー、又は少なくとも1種のシリコーン含有マクロマー、又は少なくとも1種の架橋性シリコーン含有プレポリマーを含む重合性組成物の共重合により得られるシリコーン含有ハイドロゲルを指す。
本明細書で用いられる「親水性」は、脂質よりも水と容易に会合する材料又はその部分を説明する。
本明細書で用いられる「ビニルモノマー」は、エチレン性不飽和基を有し、化学線又は熱により重合しうる低分子量化合物を指す。低分子量は、典型的には、700ダルトン未満の平均分子量を意味する。
用語「オレフィン性不飽和基」又は「エチレン性不飽和基」は、本明細書では広義で用いられ、少なくとも1個の>C=C<基を含む任意の基を包含するものとする。例示的なエチレン性不飽和基としては、非限定的に、アクリロイル、メタクリロイル、アリル、ビニル、スチレニル、又は他のC=C含有基が挙げられる。
本明細書で用いられる、重合性の組成物又は材料の硬化又は重合に関する「化学線により」は、硬化(例えば、架橋及び/又は重合)が、化学線照射、例えば、UV照射、電離放射線照射(例えば、γ線又はX線照射)、マイクロ波照射などにより実施されることを意味する。熱硬化法又は化学線硬化法は、当業者に周知である。
本明細書で用いられる「親水性ビニルモノマー」は、ホモポリマーを製造するのに用いられうるビニルモノマーを指し、典型的には水溶性であるか、又は完全に水和させると水を少なくとも10重量%吸収しうるポリマーを生成する。
本明細書で用いられる「疎水性ビニルモノマー」は、水に不溶性であり、そして完全に水和させると10重量%未満の水を吸収しうるポリマーを製造するのに用いることができるビニルモノマーを指す。
「マクロマー」は、更なる重合及び/又は架橋反応を受けうるエチレン性不飽和基を1個以上含む中及び高分子量化合物又はポリマーを指す。中及び高分子量は、典型的には、700ダルトンを超える平均分子量を意味する。
「プレポリマー」は、エチレン性不飽和基を含み、そして化学線又は熱により硬化(例えば、架橋及び/又は重合)して、出発ポリマーよりもかなり高い分子量を有する架橋及び/又は重合ポリマーを得ることができる出発ポリマーを指す。
「シリコーン含有プレポリマー」は、シリコーンを含み、そして化学線又は熱により架橋して出発ポリマーよりもかなり高い分子量を有する架橋ポリマーを得ることができるプレポリマーを指す。
本明細書で用いられる用語「流体」は、材料が液体のように流動可能であることを示す。
本明細書で用いられる高分子材料(モノマー又はマクロマー材料を含む)の「分子量」は、他に明記されない限り、又は検査条件が他に示されない限りは、数平均分子量を指す。
「ポリマー」は、モノマー1種以上を重合することにより形成される材料を意味する。
本明細書で用いられる、共重合体又は化合物に関する用語「エチレン性官能化する(ethylenically-functionalize)」は、1個以上のエチレン性不飽和基が、カップリング方法により、共重合体又は化合物のペンタント又は末端官能基をとおして、共重合体又は化合物に共有結合していることを説明するものとする。
本明細書で用いられる用語「複数」は、2以上を指す。
本発明のシリコーンハイドロゲル材料に関する用語「ダングリング親水性ポリマー鎖」は、親水性ポリマー鎖のそれぞれが、(好ましくは親水性ポリマー鎖の末端の一方で)一つの共有単結合をとおしてシリコーンハイドロゲルのポリマーマトリックスに固定されていることを説明するものとする。
「光開始剤」は、光の使用によりラジカル架橋/重合反応を開始する化学物質を指す。適切な光開始剤としては、非限定的に、ベンゾインメチルエーテル、ジエトキシアセトフェノン、ベンゾイルホスフィンオキシド、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、Darocur(登録商標)類及びIrgacure(登録商標)類、好ましくは、Darocur(登録商標)1173及びIrgacure(登録商標)2959が挙げられる。
「熱開始剤」は、熱エネルギーの使用によりラジカル架橋/重合反応を開始する化学物質を指す。適切な熱開始剤の例としては、非限定的に、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルペンタンニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロパンニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブタンニトリル)、過酸化物(例えば、過酸化ベンゾイル)などが挙げられる。好ましくは熱開始剤は、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)又は2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)である。
「化学線照射の空間的限定」は、輻射線の形態のエネルギー照射を、例えば、マスク、スクリーン又はその組合わせにより指図して、空間的に限定された手法で、明確な周辺境界を有する領域に衝突させる行為又は方法を指す。例えば、UV照射の空間的限定は、米国特許第6,627,124号(その全体が本明細書に参考として援用されている)の図1〜9に概略的に示されたとおり、UV不透過領域(マスク領域)に囲まれた透明又は開放領域(非マスク領域)を有するマスク又はスクリーンを用いることにより実現することができる。非マスク領域は、非マスク領域での明確な周辺境界を有する。架橋のために用いられるエネルギーは、照射エネルギー、特にUV照射、γ線照射、電子照射又は熱照射であり、好ましくは照射エネルギーは、一方では良好な制限を実現するため、そして他方ではエネルギーの十分な使用のために、実質的に平行な光線の形態である。
レンズに関する「可視性着色(visibility tinting)」は、レンズ保存、殺菌又は洗浄容器内の透明溶液中のレンズを、ユーザが容易に位置づけできるように、レンズを染色(又は着色)することを意味する。染色剤及び/又は顔料をレンズの可視性着色に用いうることは、当該技術分野で周知である。
「染色剤」は、溶媒に可溶性であり、色を付けるために用いられる物質を意味する。染色剤は、典型的には、半透明で光を吸収するが散乱させない。任意の適切な生体適合性染色剤を、本発明に用いることができる。
「顔料」は、不溶性の液体に懸濁されている粉末物質を意味する。顔料は、蛍光顔料、リン光性顔料、パールエッセント顔料、又は従来の顔料であってもよい。任意の適切な顔料を用いてもよいが、顔料が耐熱性、非毒性、及び水性溶液に不溶性であることが、目下好ましい。
本明細書で用いられる「表面改質」又は「表面処理」は、物品の形成の前又は後に、表面処理加工(又は表面改質加工)で処理して、(1)物品の表面にコーティングを施していること、(2)物品の表面に化学物質を吸着させていること、(3)物品の表面の化学基の化学的性質(例えば、静電荷)を変化させていること、又は(4)物品の表面特性を他の方法で改質させていること、を意味する。例示的な表面処理加工としては、非限定的に、エネルギー(例えば、プラズマ、静電気、放射線又は他のエネルギー源)による表面処理、化学処理、物品の表面への親水性モノマー又はマクロマーのグラフト化;米国特許第6,719,929号(全体が本明細書に参考として援用されている)に開示されているモールドトランスファコーティング加工;米国特許第6,367,929号及び同第6,822,016号(それらの全体が本明細書に参考として援用されている)で提案されたコンタクトレンズを製造するためのレンズ配合物への湿潤剤の組み入れ;米国特許出願第60/811,949号(その全体が本明細書に参考として援用されている)で開示されている強化されたモールドトランスファコーティング;ならびに米国特許第6,451,871号、同第6,719,929号、同第6,793,973号、同第6,811,805号、同第6,896,926号(それらの全体が本明細書に参考として援用されている)に記載されたLbLコーティングが挙げられる。表面処理加工の好ましい分類は、プラズマ加工であり、それは、電離気体を物品の表面に施すものである。プラズマ気体及び加工条件は、米国特許第4,312,575号及び同第4,632,844号(本明細書に参考として援用されている)により完全に記載されている。プラズマ気体は、好ましくは低級アルカンと、窒素、酸素又は不活性気体との混合物である。
シリコーンハイドロゲル材料又はソフトコンタクトレンズに関する「硬化後表面処理」は、型内でハイドロゲル材料又はコンタクトレンズを形成(硬化)させた後に実施される表面処理加工を意味する。
シリコーンハイドロゲル材料又はコンタクトレンズに関する「親水性表面」は、シリコーンハイドロゲル材料又はコンタクトレンズが、約110°以下、好ましくは約100°以下、より好ましくは約90°以下、より好ましくは約80°以下の平均前進水接触角を有し、一方で約80°以下、好ましくは約60°以下の平均後退水接触角を有することで特徴付けられる表面親水性を有することを意味する。
「平均接触角」は、少なくとも3枚の各コンタクトレンズの測定値を平均することにより得られる水接触角(セシルドロップ法により測定される前進及び後退角)を指す。
本明細書で用いられる、レンズの「酸素伝達率」は、酸素が特定の肉眼用レンズを透過する割合である。酸素伝達率Dk/tは、従来からバレル/mmの単位で表されるが、ここで、tは、測定された領域での材料の平均の厚さ(mm単位)であり、そして「バレル/mm」は、
[(酸素cm)/(cm)(秒)(mmHg)]×10−9
と定義される。
レンズ材料の固有「酸素透過度」Dkは、レンズの厚さに依存しない。固有酸素透過度は、酸素が材料を透過する割合である。酸素透過度は、従来からバレルの単位で表され、ここで、「バレル」は、
[(酸素cm)(mm)/(cm)(秒)(mmHg)]×10−10
と定義される。
これらは、当該技術分野で一般に用いられる単位である。つまり当該技術分野での使用と一致させるために、単位「バレル」は、先に定義された意味を有する。例えば、90バレルのDk(酸素透過度バレル)及び90ミクロン(0.090mm)の厚さを有するレンズは、100バレル/mmのDk/t(酸素伝達率バレル/mm)を有することになる。本発明によれば、材料又はコンタクトレンズに関する高度の酸素透過度は、100ミクロン厚の試料(フィルム又はレンズ)で測定すると、少なくとも35バレル以上の見かけ上の酸素透過度を特徴とする。
レンズへの「イオン透過性」は、イオノフラックス拡散係数及びイオノトン(Ionoton)イオン透過係数の両者と相関する。
イオノフラックス拡散係数Dは、以下のとおりFickの法則を適用することにより測定される:
D=−n’/(A×dc/dx)
(式中、 n’ = イオン輸送率 [mol/分]
A = 暴露されたレンズの面積 [mm2]
D = イオノフラックス拡散係数 [mm2/分]
dc = 濃度差 [mol/L]
dx = レンズの厚さ [mm])
そのため、イオノトンイオン透過係数Pは、以下の式により測定される:
ln(1−2C(t)/C(0))=−2APt/Vd
(式中: C(t) = 受け入れセル内の時間tでのナトリウムイオン濃度
C(0) = 供給セル内のナトリウムイオンの初期濃度
A = 膜面積、即ち、セルに暴露されたレンズ面積
V = セルコンパートメントの容量(3.0ml)
d = 暴露された領域での平均レンズ厚
P = 透過係数)
約1.5×10−6mm/分を超えるイオノフラックス拡散係数Dが好ましく、約2.6×10−6mm/分を超えることがより好ましく、そして約6.4×10−6mm/分を超えることが最も好ましい。
涙液の良好な交換を確保し、最終的には、角膜の良好な健康を確保するために、レンズの眼球上での運動が必要であることは公知である。イオン透過性は、水の透過性に正比例すると考えられるため、イオン透過性は、眼球上での運動の予測変数の一つである。
一般に本発明は、化学結合した内部湿潤剤を有するシリコーンハイドロゲル材料に向けられる。本発明は、一部では、一方がエチレン性不飽和基であり他方が潜在的UV活性化フリーラジカル生成部分(例えば、フェノンなど)である2種のペンダント基を含む化学線架橋性シリコーン含有プレポリマーの一分類を用いることにより、そのようなシリコーンハイドロゲル材料をワンステップのUV硬化操作で製造しうるという発見に基づく。そのようなプレポリマーが、1種以上の親水性ビニルモノマーの存在下で架橋して、硬化後表面処理を行わなくとも、比較的高度の酸素透過度及び親水性表面を有するシリコーンハイドロゲルコンタクトレンズを形成しうることが、発見された。プレポリマーのペンダントエチレン性不飽和基は、化学線により架橋して、シリコーンハイドロゲルポリマーマトリックスを形成することができるが、化学線の下では、ペンダントUV活性化フリーラジカル生成部分(本明細書において、以後、「UV−AFRG部分」と呼ぶ)は、フリーラジカルを生成し、その一方で、親水性ビニルモノマーのフリーラジカル鎖延長重合反応を開始して、潜在的なUV活性化フリーラジカル生成部分の一部をとおしてポリマーマトリックスに共有結合しているダングリング親水性鎖を形成することができると考えられる。ダングリング親水性ポリマー鎖は、硬化後表面処理を行わなくとも、得られたシリコーンハイドロゲル材料の表面に親水性を付与することができる。
本発明は、先行技術を超えた複数の利点を提供することできる。第一には、シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズを製造するために、親水性ポリマーでなく親水性ビニルモノマーをレンズ配合剤中で用いているため、親水性ポリマーと他のシリコーン含有モノマー又はマクロマーとの非相溶性による得られたレンズの濁りを、排除するか、又は最小限に抑えることができる。第二に、シリコーンハイドロゲルレンズの基盤となるポリマーマトリックス上で、非常に様々な親水性ビニルモノマーを用いて、親水性ポリマー鎖(例えば、DMA、NVP、HEMA、HEA、MAA、AAなど)を成長させることができる。第三に、ダングリング親水性ポリマー鎖は、シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズのポリマーマトリックスに共有結合しているため、時間の経過に伴う内部湿潤剤の浸出、又はレンズ製造過程(例えば、抽出、水和など)での内部湿潤剤の除去がない。内部湿潤剤の鎖長は、高分子量の範囲に限定する必要はない。第四に、親水性ポリマー(特に、高分子量のもの)の代わりに親水性モノマーを用いることにより、レンズ配合剤は、比較的低い粘度を有することができる。低粘度のレンズ配合剤は、一般に、高粘度の配合剤よりも容易に加工されて、得られたレンズの気泡による欠損が少ない。第五に、本発明のプレポリマーは、光開始剤部分を含むため、本発明のプレポリマーを用いることにより、光硬化メカニズムに基づくコンタクトレンズ製造用のレンズ配合剤に、光開始剤を添加する必要がない。
本発明は、一態様において、化学線架橋性プレポリマーを提供する。本発明のプレポリマーは、プレポリマーの共重合体鎖内に、(1)1種以上のシロキサン含有ビニルモノマー及び/又は1種以上のシロキサン含有マクロマーから誘導されたシロキサン単位と;(2)1種以上の親水性ビニルモノマー及び/又は1種以上の親水性マクロマーから誘導された親水性単位と;(3)潜在的なUV−AFRG部分を有する鎖延長単位と;(4)エチレン性不飽和基と、を含み、そのプレポリマーは、1種以上の親水性ビニルモノマーの存在下で化学線架橋して、ダングリング親水性ポリマー鎖(それぞれが1種以上の親水性ビニルモノマーから形成されていて、1個の鎖延長単位をとおしてシリコーンハイドロゲル材料のポリマーマトリックスに共有結合している)を含むシリコーンハイドロゲル材料を形成することができる。
本発明のプレポリマーは、複数のエチレン性不飽和基、好ましくは3個以上のエチレン性不飽和基を含む。
本発明のプレポリマーは、複数の潜在的なUV−AFRG部分、好ましくは3個以上の潜在的なUV−AFRG部分も含む。
潜在的なUV−AFRG部分は、任意のフェノン含有基であってもよい。好ましい潜在的なUV−AFRG部分は、式(I)
Figure 0005748224
[式中、Rは、H、C−C12アルキル、C−C12アルコキシ、C−C12アルキル−NH−又は−NR(ここで、互いに独立したR及びRは、C−Cアルキルである)であり;互いに独立したR及びRは、水素、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、もしくはC−Cアリールであるか、又はRとRは、一緒になって、−(CH−(ここで、nは、2〜6の整数である)となっており;Xは、
Figure 0005748224
(ここで、Rは、H又はC−Cアルキルである)からなる群から選択される連結である]で示される基である。Rが、プレポリマーバックボーンへの連結となりうることを理解しなければならない。Rが連結である場合、Xは、H又はC−Cアルキルを末端とする。
好ましい実施態様において、潜在的なUV−AFRG部分を含む鎖延長単位は、式(1):
Figure 0005748224
(式中、Zは、UV光又は可視光に暴露されるとフリーラジカルを生成しうる部分である)で示される1種以上のビニルモノマーから誘導される。
より好ましくは、潜在的なUV−AFRG部分を含む鎖延長単位は、式(II)又は(III):
Figure 0005748224
[式中、Rは、H、C−C12アルキル、C−C12アルコキシ、C−C12アルキル−NH−又は−NR(ここで、互いに独立したR及びRは、C−Cアルキルである)であり;互いに独立したR及びRは、水素、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、もしくはC−Cアリールであるか、又はRとRは、一緒になって、−(CH−(ここで、nは、2〜6の整数である)となっており;Xは、
Figure 0005748224
(ここで、Rは、H又はC−Cアルキルである)からなる群から選択される連結であり;Yは、二価−NR−又は−O−であり;Lは、C−C12アルキレン、C−C12置換アルキレン、C−C12シクロアルキレン、C−C16アリールアルキレンからなる群から選択される二価基であり;そしてRは、H又はCHである]で示される1種以上のビニルモノマーから誘導される。
式(II)又は(III)で示されるビニルモノマーの好ましい例としては、式(IV)及び(V):
Figure 0005748224
(式中、Rは、H又はCHである)が挙げられる。
フェノン以外のビニル官能化ラジカル生成物質も、本発明により用いうることを理解しなければならない。
本発明によれば、本発明のプレポリマーは、ペンダント又は末端官能基及び潜在的なUV−AFRG部分を有する中間共重合体から、中間共重合体をエチレン性官能化すること(即ち、任意の共有結合法により、化学線架橋性基を、ペンダント又は末端官能基をとおして中間共重合体に共有結合させること)により得られる。
一対の適合する反応基が、公知カップリング反応条件、例えば、酸化還元条件、脱水縮合条件、付加条件、置換条件、Diels-Alder反応条件、カチオン性架橋条件、及びエポキシ硬化条件の下で、共有結合又は連結を形成しうることは、当該技術分野で周知である。例えば、アミノ基は、アルデヒド基と反応してSchiff塩基を形成し、それを更に還元させてもよく;アミノ基は、酸塩化物と反応してアミド連結(−CO−N−)を形成し;アミノ基は、イソシアナートと反応して尿素連結を形成し;ヒドロキシルは、イソシアナートと反応して、ウレタン連結を形成し;ヒドロキシルは、エポキシと反応して、エーテル連結(−O−)を形成し;ヒドロキシルは、酸塩化物と反応して、エステル結合を形成する。
架橋性基の対の間に形成される例示的な共有結合又は連結としては、非限定的に、エステル、エーテル、アセタール、ケタール、ビニルエーテル、カルバマート、尿素、ウレタン、アミン、アミド、エナミン、イミン、オキシム、アミジン、イミノエステル、カルボナート、オルトエステル、ホスホナート、ホスフィナート、スルホナート、スルフィナート、スルフィド、スルファート、ジスルフィド、スルフィンアミド、スルホンアミド、チオエステル、アリール、シラン、シロキサン、複素環化合物、チオカルボナート、チオカルバマート、及びホスホンアミドが挙げられる。
例示的な反応基としては、ヒドロキシル基、アミン基、アミド基、酸無水物基、スルフィドリル基、−COOR(R及びR’は、水素又はC−Cアルキル基である)、ハロゲン化物(塩化物、臭化物、ヨウ化物)、塩化アシル、イソチオシアナート、イソシアナート、モノクロロトリアジン、ジクロロロトリアジン、モノ又はジ−ハロゲン置換のピリジン、モノ又はジ−ハロゲン置換のジアジン、ホスホラミダイト、マレイミド、アジリジン、ハロゲン化スルホニル、ヒドロキシスクシンイミドエステル、ヒドロキシスルホスクシンイミドエステル、イミドエステル、ヒドラジン、アキシドニトロフェニル基、アジド、3−(2−ピリジルジチオ)プロピオンアミド(proprionamide)、グリオキサール、アルデヒド、エポキシが挙げられる。
カップリング剤を用いてもよいことを、理解されたい。例えば、カルボジイミドを、カルボキシルとアミンとのカップリングに用いて、カップリングされる分子間にアミド連結を形成させることができる。カルボジイミドの例は、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1−シクロヘキシル−3−(2−モルホリノエチル)カルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド、又はそれらの混合物である。N−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)又はN−ヒドロキシスルホスクシンイミドを、所望なら、カルボジイミド(例えば、EDC)を介したカップリング反応に含めて、カップリング(共役結合)の効率を改善してもよい。EDCは、NHSをカルボキシルにカップリングさせて、分子上にNHS活性化部位を生成する。形成されたNHS−エステルは、アミンと反応して、アミドを形成することができる。
好ましくは、中間共重合体の官能基は、ヒドロキシル基(−OH)、第一級アミノ基(−NH)、第二級アミノ基(−NHR)、カルボキシル基(−COOH)、エポキシ基、アルデヒド基(−CHO)、アミド基(−CONH)、酸ハロゲン化物基(−COX、X=Cl、Br、又はI)、イソチオシアナート基、イソシアナート基、ハロゲン化物基(−X、X=Cl、Br、又はI)、酸無水物基、及びそれらの組合わせからなる群から選択される。
共重合鎖内の、シロキサン含有ビニルモノマー又はマクロマーから誘導されたシロキサン単位、1種以上の親水性ビニルモノマーから誘導された親水性単位、及び潜在的なUV−AFRG部分を含む鎖延長単位と、ペンダント又は末端官能基と、を含む任意の共重合体を、本発明の中間共重合体として用いることができる。そのような共重合体は、水、有機溶媒、水と少なくとも1種の有機溶媒との混合物、又は有機溶媒の混合物に可溶性でなければならない。
本発明によれば、ポリマー鎖内のポリマー単位に関する用語「から誘導された」は、ポリマー単位が重合反応において特定のモノマー又はマクロマーから得られることを意味する。
有機溶媒の例としては、非限定的に、テトラヒドロフラン、トリプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールn−ブチルエーテル、ジエチレングリコールn−ブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセタート、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセタート、プロピレングリコールn−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールn−プロピルエーテル、トリプロピレングリコールn−ブチルエーテル、プロピレングリコールn−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールn−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールn−ブチルエーテル、プロピレングリコールフェニルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチルアセタート、ブチルアセタート、アミルアセタート、メチルラクタート、エチルラクタート、i−プロピルラクタート、塩化メチレン、2−ブタノール、2−プロパノール、メントール、シクロヘキサノール、シクロペンタノール、エキソノルボルネオール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール、3−メチル−2−ブタノール、2−ヘプタノール、2−オクタノール、2−ノナノール、2−デカノール、3−オクタノール、ノルボルネオール、tert−ブタノール、tert−アミルアルコール、2−メチル−2−ペンタノール、2,3−ジメチル−2−ブタノール、3−メチル−3−ペンタノール、1−メチルシクロヘキサノール、2−メチル−2−ヘキサノール、3,7−ジメチル−3−オクタノール、1−クロロ−2−メチル−2−プロパノール、2−メチル−2−ヘプタノール、2−メチル−2−オクタノール、2,2−メチル−2−ノナノール、2−メチル−2−デカノール、3−メチル−3−ヘキサノール、3−メチル−3−ヘプタノール、4−メチル−4−ヘプタノール、3−メチル−3−オクタノール、4−メチル−4−オクタノール、3−メチル−3−ノナノール、4−メチル−4−ノナノール、3−メチル−3−オクタノール、3−エチル−3−ヘキサノール、3−メチル−3−ヘプタノール、4−エチル−4−ヘプタノール、4−プロピル−4−ヘプタノール、4−イソプロピル−4−ヘプタノール、2,4−ジメチル−2−ペンタノール、1−メチルシクロペンタノール、1−エチルシクロペンタノール、3−ヒドロキシ−3−メチル−1−ブテン、4−ヒドロキシ−4−メチル−1−シクロペンタノール、2−フェニル−2−プロパノール、2−メトキシ−2−メチル−2−プロパノール、2,3,4−トリメチル−3−ペンタノール、3,7−ジメチル−3−オクタノール、2−フェニル−2−ブタノール、2−メチル−1−フェニル−2−プロパノール、3−エチル−3−ペンタノール、1−エトキシ−2−プロパノール、1−メチル−2−プロパノール、t−アミルアルコール、イソプロパノール、1−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルプロピオンアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルプロピオンアミド、N−メチルピロリジノン、及びそれらの混合物が挙げられる。
幾つかの反応が、好ましくは触媒の存在下で実施されることを理解されたい。例えば、ヒドロキシ−イソシアナート反応は、反応時間を著しく短縮しうることから、有利には触媒の存在下で実施される。適切な触媒は、例えば、有機カルボン酸又は第三級アミン、例えば、(C−Cアルキル)N(トリエチルアミン,トリ−n−ブチルアミン)、N−メチルピロリジン、N−メチルモルホリン、N,N−ジメチルピペリジン、ピリジン又は1,4−ジアザ−ビシクロオクタンのアルカリ金属塩又はスズ塩などの金属塩である。スズ塩、特に、カルボン酸のアルキルスズ塩、例えばジブチルチンジラウラート(DBTDL)及びジオクタン酸スズは、特に効果的であることが立証されている。ヒドロキシル基とエポキシ基との反応は、例えば、塩化アルミニウム又は三フッ化ホウ素で触媒することができる。アルコール基をそのアルコキシド型に変換し、その後、それをエポキシ基と反応させることもできる。
好ましくは中間共重合体は、(1)エチレン性不飽和基を1個有する少なくとも1種のシロキサン含有モノマー、エチレン性不飽和基を1個有する少なくとも1種のシロキサン含有マクロマー、エチレン性不飽和基を2個以上有する少なくとも1種のシロキサン含有モノマー、エチレン性不飽和基を2個以上有する少なくとも1種のシロキサン含有マクロマー、又はそれらの2種以上の組合わせと;(2)少なくとも1種の親水性モノマーと;(3)式(II)又は(III)で示される少なくとも1種のビニルモノマーと、熱開始剤と、を含む組成物の熱共重合により得られるが、但し、重合性成分の少なくとも1種が、1個のエチレン性不飽和基に共有結合する官能基を含むことを条件とする。該組成物は、700ダルトン未満の分子量を有するシリコーン不含有架橋剤(即ち、エチレン性不飽和基を2個以上有する)、疎水性ビニルモノマー、シリコーン含有ビニルモノマー、及び連鎖移動剤(好ましくは先に記載された他の官能基とカップリング反応を受けうる官能基を有する)からなる群から選択される重合性成分の1種以上を更に含むことができる。
任意の適切な公知モノエチレン性官能化シロキサン含有モノマー又はマクロマー(即ち、エチレン性不飽和基を1個のみ有するポリシロキサン含有モノマー又はマクロマー)を、中間共重合体を製造するための重合性組成物中で用いることができる。プレポリマー中のシロキサン含有単位は、得られたシリコーンハイドロゲル材料に比較的高度の酸素透過度を提供することができると考えられる。
モノエチレン性官能化シロキサン含有モノマー又はマクロマーの好ましい分類は、式(VII):
Figure 0005748224
[式中、Xは、−COO−、−CONR18−、−OCOO−、又は−OCONR18−(ここで、各R18は、独立して、H又はC−Cアルキルである)を表し;R11は、二価C−C25アルキレン又はC−C30アリールアルキレン基を表し、−O−、−COO−、−CONR18−、−OCOO−、又は−OCONR18−により中断されていてもよく、そしてヒドロキシ基、第一級、第二級もしくは第三級アミン基、カルボキシ基、又はカルボン酸を含んでいてもよく;R12は、一価C−C25アルキル又はC−C30アリール基であり、−O−、−COO−、−CONR14−、−OCOO−、又は−OCONR14−により中断されていてもよく、そしてヒドロキシ基、第一級、第二級もしくは第三級アミン基、カルボキシ基、又はカルボン酸を含んでいてもよく;R、R、R、R10、R14、R15、R16、及びR17は、互いに独立して、C−Cアルキル、C−Cアルキル置換もしくはC−Cアルコキシ置換のフェニル、フルオロ(C−C18アルキル)、シアノ(C−C12アルキル)、ヒドロキシ−C−Cアルキル又はアミノ−C−Cアルキルであり;m及びpは、互いに独立して、5〜700の整数であり、そして(m+p)は、5〜700である]により定義されるポリシロキサン含有モノマー又はマクロマーである。そのようなモノマー又はマクロマーの好ましい例は、様々な分子量のモノメタクリル化又はモノアクリル化されたポリジメチルシロキサン(例えば、モノ−3−メタクリルオキシプロピル末端、モノブチル末端のポリジメチルシロキサン又はモノ−(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)プロピル末端、モノブチル末端のポリジメチルシロキサン)である。あるいは、先に記載されたとおり、一官能化ポリシロキサンのエチレン性官能化により(即ち、1個の単独の末端官能基、例えば、−NH、−OH、−COOH、エポキシ基などを用いて)、モノエチレン性官能化ポリシロキサンを得ることができる。適切な一官能化ポリシロキサンは、例えば、Aldrich、ABCR、GmbH & Co.、 Fluorochem、又はGelest, Inc, Morrisville, PAから市販されている。
好ましいシロキサン含有ビニルモノマーの例としては、非限定的に、3−メタクリルオキシプロピルペンタメチルジシロキサン、ビス(メタクリルオキシプロピル)テトラメチルジシロキサン、N−[トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピル]アクリルアミド、N−[トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピル]メタクリルアミド、トリストリメチルシリルオキシシリルプロピルメタクリラート(TRIS)、N−[トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピル]メタクリルアミド(TSMAA)、N−[トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピル]アクリルアミド(TSAA)、(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)プロピルビス(トリメチルシロキシ)メチルシラン、(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)プロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン、3−メタクリルオキシ−2−(2−ヒドロキシエトキシ)プロピルオキシ)プロピルビス(トリメチルシロキシ)メチルシラン、N−2−メタクリルオキシエチル−O−(メチル−ビス−トリメチルシロキシ−3−プロピル)シリルカルバマート、シリコーン含有ビニルカルボナート又はビニルカルバマートモノマー(例えば、1,3−ビス[4−ビニルオキシカルボニルオキシ)ブタ−1−イル]テトラメチル−ジシロキサン、3−(トリメチルシリル)プロピルビニルカルボナート、3−(ビニルオキシカルボニルチオ)プロピル−[トリス(トリメチルシロキシ)シラン]、3−[トリス(トリメチルシロキシ)シリル]プロピルビニルカルバマート、3−[トリス(トリメチルシロキシ)シリル]プロピルアリルカルバマート、3−[トリス(トリメチルシロキシ)シリル]プロピルビニルカルボナート、t−ブチルジメチルシロキシエチルビニルカルボナート、トリメチルシリルエチルビニルカルボナート、及びトリメチルシリルメチルビニルカルボナート)が挙げられる。
エチレン性不飽和基を2個以上有する任意の適切な公知シロキサン含有モノマー又はマクロマーを、中間共重合体を製造するための組成物中で用いることができる。そのようなモノマー又はマクロマーの好ましい例は、様々な分子量のジメタクリル化又はジアクリル化されたポリジメチルシロキサン;ビニル末端のポリジメチルシロキサン;ビス−3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシプロピルポリジメチルシロキサン;N,N,N’,N’−テトラキス(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)−α,ω−ビス−3−アミノプロピル−ポリジメチルシロキサン;ポリシロキサニルアルキル(メタ)アクリル酸モノマー;米国特許第5,760,100号(その全体が本明細書に参考として援用されている)に記載されているマクロマーA、マクロマーB、マクロマーC、及びマクロマーDからなる群から選択されるシロキサン含有マクロマー;グリシジルメタクリラートとアミノ官能基ポリジメチルシロキサンとの反応生成物;ヒドロキシル官能化シロキサン含有モノマー又はマクロマー;米国特許第6,762,264号(その全体が本明細書に参考として援用されている)に開示されているシロキサン含有マクロマー;米国特許第5,416,132号(その全体が本明細書に参考として援用されている)に開示されているシロキサン含有マクロマーである。
あるいは、先に記載されたとおり、二又は多官能化ポリシロキサンのエチレン性官能化により(即ち、2個以上の末端官能基、例えば、−NH、−OH、−COOH、エポキシ基などを用いて)、ジエチレン性又はマルチエチレン性官能化ポリシロキサンを得ることができる。適切な二又は多官能化ポリシロキサンは、例えば、Aldrich、ABCR GmbH & Co.、 Fluorochem、又はGelest, Inc, Morrisville, PAから市販されている。
ほとんど任意の親水性ビニルモノマーを、ペンタント又は末端官能基を有する中間共重合体を製造するための化学線重合性組成物中で用いることができる。適切な親水性ビニルモノマーは、排他的な列挙ではないが、ヒドロキシル置換のC−Cアルキルアクリラート及びメタクリラート、アクリルアミド、メタクリルアミド、C−Cアルキルアクリルアミド、C−Cアルキルメタクリルアミド、エトキシル化アクリラート、エトキシル化メタクリラート、ヒドロキシル置換のC−Cアルキルアクリルアミド、ヒドロキシル置換のC−Cアルキルメタクリルアミド、ヒドロキシル置換の低級アルキルビニルエーテル、ビニルスルホン酸ナトリウム、スチレンスルホン酸ナトリウム、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、N−ビニルピロール、N−ビニル−2−ピロリドン、2−ビニルオキサゾリン、2−ビニル4,4’−ジアルキルオキサゾリン−5−オン、2−及び4−ビニルピリジン、炭素原子を合計で3〜5個有するビニル型不飽和カルボン酸(vinylically unsaturated carboxylic acids)、アミノ(低級アルキル)−(ここで、用語「アミノ」は、第四級アンモニウムも包含する)、モノ(低級アルキルアミノ)(低級アルキル)及びジ(低級アルキルアミノ)(低級アルキル)アクリラート及びメタクリラート、アリルアルコール、N−ビニルアルキルアミド、N−ビニル−N−アルキルアミドなどである。
とりわけ好ましい親水性ビニルモノマーは、N,N−ジメチルアクリルアミド(DMA)、2−ヒドロキシエチルメタクリラート(HEMA)、2−ヒドロキシエチルアクリラート(HEA)、ヒドロキシプロピルアクリラート、ヒドロキシプロピルメタクリラート(HPMA)、トリメチルアンモニウム2−ヒドロキシプロピルメタクリラート塩酸塩、アミノプロピルメタクリラート塩酸塩、ジメチルアミノエチルメタクリラート(DMAEMA)、グリセロールメタクリラート(GMA)、N−ビニル−2−ピロリドン(NVP)、ジメチルアミノエチルメタクリルアミド、アクリルアミド、メタクリルアミド、アリルアルコール、ビニルピリジン、N−(1,1−ジメチル−3−オキソブチル)アクリルアミド、アクリル酸、200〜1500の重量平均分子量を有するC−Cアルコキシポリエチレングリコール(メタ)アクリラート、メタクリル酸、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルイソプロピルアミド、N−ビニル−N−メチルアセトアミド、アリルアルコール、及びN−ビニルカプロラクタムである。
ほとんど任意の疎水性ビニルモノマーを、中間共重合体を製造するための重合性組成物中で用いることができる。適切な疎水性ビニルモノマーとしては、非限定的に、C−C18アルキルアクリラート及び−メタクリラート、C−C18アルキルアクリルアミド及び−メタクリルアミド、C−C20シクロアルキルアクリラート及び−メタクリラート、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ビニル−C−C18アルカノアート、C−C18アルケン、C−C18ハロアルケン、スチレン、C−Cアルキルスチレン、アルキル部分が炭素原子を1〜6個有するビニルアルキルエーテル、C−C20ぺルフルオロアルキル−アクリラート及び−メタクリラート又は対応する部分フッ素化アクリラート及びメタクリラート、C−C12ぺルフルオロアルキル−エチル−チオカルボニルアミノエチル−アクリラート及び−メタクリラート、N−ビニルカルバゾール、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、メサコン酸などのC−C12アルキルエステルが挙げられる。好ましいのは、例えば、炭素原子を3〜5個有するビニル型不飽和カルボン酸のC−Cアルキルエステル、又は炭素原子を5個まで有するカルボン酸のビニルエステルである。幾つかのフッ素含有モノマーの例は、以下のとおりである:ペルフルオロシクロヘキシルメチルメタクリラート、2−(N−ブチルペルフルオロオクタンスルファミド)エチルアクリラート、1H,1H,7H−ドデカフルオロヘプチルアクリラート、トリヒドロペルフルオロヘプチルアクリラート、1H,1H,7H−ドデカフルオロヘプチルメタクリラート、トリヒドロペルフルオロヘプチルメタクリラート、1H,1H,11H−エイコサフルオロウンデシルアクリラート、1H,1H,2H,2H−ヘプタデカフルオロデシルアクリラート、1H,1H,2H,2H−ヘプタデカフルオロデシルメタクリラート、テトラヒドロペルフルオロデシルアクリラート、テトラヒドロペルフルオロデシルメタクリラート、1H,1H−ヘプタフルオロブチルアクリルアミド、1H,1H−ヘプタフルオロブチルアクリラート、1H,1H−ヘプタフルオロブチルメタクリルアミド、1H,1H−ヘプタフルオロ−n−ブチルメタクリラート、1H,1H,9H−ヘキサデカフルオロノニルアクリラート、1H,1H,9H−ヘキサデカフルオロノニルメタクリラート、2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチルアクリラート、ヘキサフルオロイソプロピルアクリラート、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチルアクリラート、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチルメタクリラート、ペンタフルオロベンジルアクリラート、ペンタフルオロベンジルメタクリラート、ペンタフルオロフェニルアクリラート、ペンタフルオロフェニルメタクリラート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルアクリラート、ペルフルオロシクロヘキシルメチルアクリラート、ペルフルオロオクチルアクリラート、1H,1H−ペルフルオロオクチルアクリラート、1H,1H−ペルフルオロオクチルメタクリラート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルアクリラート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルメタクリラート、2,2,2−トリフルオロエチルメタクリラート、イソシアナトエチルメタクリラートのヘキサフルオロイソプロピルウレタン。
好ましい疎水性ビニルモノマーの例としては、メチルアクリラート、エチルアクリラート、プロピルアクリラート、イソプロピルアクリラート、シクロヘキシルアクリラート、2−エチルヘキシルアクリラート、メチルメタクリラート、エチルメタクリラート、プロピルメタクリラート、ビニルアセタート、ビニルプロピオナート、ビニルブチラート、ビニルバレラート、スチレン、クロロプレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、1−ブテン、ブタジエン、メタクリロニトリル、ビニルトルエン、ビニルエチルエーテル、ぺルフルオロヘキシルエチル−チオ−カルボニル−アミノエチル−メタクリラート、イソボルニルメタクリラート、トリフルオロエチルメタクリラート、ヘキサフルオロ−イソプロピルメタクリラート、ヘキサフルオロブチルメタクリラート、シリコーン含有ビニルモノマー、3−メタクリルオキシプロピル−ペンタメチル−ジシロキサン及びビス(メタクリルオキシプロピル)−テトラメチル−ジシロキサンが挙げられる。
官能基連鎖移動剤(functional chain transfer agent)を用いて、得られた共重合体の分子量を制御し、そして/又は得られた中間共重合体の次なるエチレン性官能化のための官能基を提供する。連鎖移動剤は、チオール基を1個以上、例えばチオール基を2個、又は最も好ましくは1個含んでいてもよい。適切な連鎖移動剤としては、更なる官能基、例えば、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシ又は適切なそれらの誘導体を有する有機第一級チオール又はメルカプタンが挙げられる。連鎖移動剤は、中間共重合体を製造するための重合性組成物中に、重合性成分全ての総重量に対して、例えば、0.5〜5重量%、好ましくは1〜4重量%、特に1.5〜3.5重量%の量で存在してもよい。2−メルカプトエタノールは、共重合体の製造に用いることができ、そして約0.25%存在することができる。
シリコーン不含有架橋剤の例としては、非限定的に、テトラエチレングリコールジメタクリラート(TEGDMA)、トリエチレングリコールジメタクリラート(TrEGDMA)、エチレングリコールジメタクリラート(EGDMA)、ジエチレングリコールジメタクリラート、ポリエチレングリコールジメタクリラート、トリメチロールプロパントリメタクリラート、ペンタエリスリトールテトラメタクリラート、ビスフェノールAジメタクリラート、ビニルメタクリラート、エチレンジアミンジメタクリルアミド、グリセロールジメタクリラート、トリアリルイソシアヌラート、トリアリルシアヌラート、トリアリルトリメリアート、アリルメタクリラート、及びそれらの組合わせが挙げられる。
少なくとも1個の官能基を含む任意の適切な公知ビニルモノマーを、中間共重合体を製造するための重合性組成物中で用いることができる。そのようなビニルモノマーの好ましい例としては、メタクリル酸(MAA)、アクリル酸、グリシジルメタクリラート、グリシジルアクリラート、HEMA、HEA、無水メタクリル酸、tert−ブチルアミノエチルメタクリラート(又はその塩酸塩)、アミノプロピルメタクリラート(又はその塩酸塩)、N−ヒドロキシメチルアクリルアミド(NHMA)、2−ブロモエチルメタクリラート、及び塩化ビニルベンジルが挙げられる。
ビニルモノマーを、中間共重合体を製造するための重合性組成物中で、親水性ビニルモノマー及び官能化ビニルモノマーの両方として使用しうることを理解しなければならない。好ましくは、親水性ビニルモノマーは、官能基(例えば、DMA、NVP)を含まず、該組成物は、官能基を有する連鎖移動剤を含む。
中間共重合体を製造するための重合性組成物は、当業者に公知の融解物、無溶媒液(全ての必須成分が好ましくは1種以上の混和ビニルモノマー(blending vinylic monomers)の存在下で一緒に混和されている)、又は溶液(全ての必須成分が不活性溶媒(即ち、混合物中の反応体間の反応を妨害してはならない)、例えば、水、有機溶媒、もしくはそれらの混合物に溶解されている)であってもよい。溶媒の例は、先に記載されている。
1種以上の混和ビニルモノマーは、化学線重合性組成物の親水性成分及び疎水性成分の両方を溶解するのに十分な量である。「混和ビニルモノマー」は、化学線重合性組成物の親水性成分及び疎水性成分の両方を溶解する溶媒として、そして重合されてシリコーンハイドロゲル材料を形成する重合性成分の一種として機能しうるビニルモノマーを指す。好ましくは混和ビニルモノマーは、化学線重合性組成物中に、約5重量%〜約30重量%の量で存在する。
本発明の重合性組成物の親水性成分及び疎水性成分の両方を溶解して溶液を形成しうる任意の適切なビニルモノマーを、本発明に用いることができる。混和ビニルモノマーの好ましい例としては、非限定的に、芳香族ビニルモノマー、シクロアルキル含有ビニルモノマーが挙げられる。それらの好ましい混和モノマーは、それらの好ましい混和モノマーを含む重合性組成物を硬化することにより製造されるシリコーンハイドロゲル材料の主なガラス転移温度(predominant glass transition temperature)を上昇させることができる。シリコーンハイドロゲル共重合体の主な相のガラス転移温度が十分に高い場合、ポリマースラグ又はボンネットからコンタクトレンズを旋削することができる。
好ましい芳香族ビニルモノマーの例としては、スチレン、2,4,6−トリメチルスチレン(TMS)、t−ブチルスチレン(TBS)、2,3,4,5,6−ペンタフルオロスチレン、ベンジルメタクリラート、ジビニルベンゼン、及び2−ビニルナフタレンが挙げられる。これらのモノマーのうち、スチレン含有モノマーが、好ましい。スチレン含有モノマーは、本明細書において、フェニル基に直接結合したビニル基を含むモノマーと定義され、ここでフェニル基は、縮合環以外、例えば上記のC−Cアルキル基1〜3個で置換されていてもよい。スチレンそのもの[HC=CH−C]が、特に好ましいスチレン含有モノマーである。
シクロアルキル含有ビニルモノマーは、本明細書において、C−Cアルキル基3個までで置換されていてもよいシクロアルキルを含むビニルモノマーであると定義される。好ましいシクロアルキル含有ビニルモノマーとしては、非限定的に、アクリラート及びメタクリラート類で、それぞれがC−Cアルキル基3個までで置換されていてもよいシクロペンチル、シクロヘキシル又はシクロヘプチルを含むものが挙げられる。好ましいシクロアルキル含有ビニルモノマーの例としては、イソボルニルメタクリラート、イソボルニルアクリラート、シクロヘキシルメタクリラート、シクロヘキシルアクリラート、シクロヘキシルメチルメタクリラート、シクロヘキシルメチルアクリラートなどが挙げられる。
中間共重合体を製造するための重合性組成物の共重合は、熱で誘導されて、潜在的なUV−AFRG部分を保持する。適切な熱重合開始剤は、当業者に公知であり、例えば、ペルオキシド、ヒドロペルオキシド、アゾビス(アルキル−又はシクロアルキルニトリル)、ペルスルファート、ペルカルボナート又はそれらの混合物を含む。例は、ベンゾイルペルオキシド、tert−ブチルペルオキシド、ジ−tert−ブチルジペルオキシフタラート、tert−ブチルヒドロペルオキシド、アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)、1,1−アゾジイソブチルアミジン、1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)などである。重合は、簡便には、高温で、例えば、25〜100℃、好ましくは40〜80℃の温度で、上述の溶媒中で実施される。反応時間は、広い限界内で変動してもよいが、簡便には、例えば1〜24時間、又は好ましくは2〜12時間である。重合反応中で用いられる成分及び溶媒を予め脱気すること、及び不活性雰囲気下、例えば窒素又はアルゴン雰囲気下で前記共重合反応を実施することが、有利である。
好ましくは、中間共重合体を製造するための重合性組成物は、少なくとも1種のシロキサン含有ビニルモノマーを含む。
より好ましくは、本発明の中間共重合体は、1種以上のシロキサン含有モノマー及び/又は1種以上のシロキサン含有マクロマーから誘導されたシロキサン単位を約15重量%〜約70重量%、好ましくは約25重量%〜約60重量%;1種以上の親水性モノマー及び/又は1種以上の親水性マクロマーから誘導された親水性単位を約10重量%〜約60重量%、好ましくは約15重量%〜約45重量%;1種以上のシリコーン含有ビニルモノマーから誘導されたシリコーン含有単位を0重量%〜約50重量%、好ましくは約5重量%〜約30重量%;ならびに上記の式(II)又は(III)で示される少なくとも1種のビニルモノマーを約1重量%〜約15重量%、好ましくは約2重量%〜約10重量%含む。
本発明によれば、中間共重合体のエチレン性官能化は、エチレン性不飽和基を中間共重合体の官能基(例えば、アミン、ヒドロキシル、カルボキシル、イソシアナート、エポキシ基)に共有結合させることにより、実施することができる。カップリング剤(例えば、EDC、ジイソシアナート、又は二酸塩化物)の非存在下又は存在下で、中間共重合体のイソシアナート、アミン、ヒドロキシル、カルボキシ、又はエポキシ基と共反応性のあるヒドロキシ、アミノ、カルボキシル、エポキシ、酸塩化物、イソシアナート基を有する任意のビニルモノマーを、中間共重合体のエチレン性官能化に用いることができる。そのようなビニルモノマーの例としては、非限定的に、末端ヒドロキシ基との反応では、2−イソシアナトエチルメタクリラート、無水メタクリル酸、3−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアナート、塩化アクリロイル、塩化メタクリロイル又はグリシジルメタクリラート;末端アミン基との反応では、2−イソシアナトエチルメタクリラート、3−イソプロペニル−α、α−ジメチルベンジルイソシアナート、無水メタクリル酸、アクリル酸、メタクリル酸、塩化アクリロイル、又は塩化メタクリロイル;EDCの存在下での末端カルボキシ基との反応では、ビニルアミン、2−tert−ブチルアミノエチルメタクリラート、2−アミノエチルメタクリラート又は3−アミノプロピルメタクリラートが挙げられる。上記列挙は、排他的なものではなく、例示である。当業者は、中間共重合体をエチレン性官能化する官能基を有するビニルモノマーの選択方法を、理解しているであろう。
好ましくは、本発明で用いられるプレポリマーは、それ自体が公知の手法、例えば、有機溶媒、例えば、アセトンを用いた沈殿、ろ過及び洗浄、適切な溶媒での抽出、透析又は限外ろ過により予め精製されるが、限外ろ過が特に好ましい。精製工程により、プレポリマーを極めて純粋な形態で、例えば、反応生成物(例えば、塩)及び出発原料(例えば、非ポリマー成分)を含まない、又は少なくとも実質的に含まない濃縮溶液の形態で得ることができる。本発明の方法で用いられるプレポリマーに関して好ましい精製方法、限外ろ過は、それ自体が公知の手法で実施することができる。限外ろ過を繰り返し、例えば、2〜10回実施することができる。あるいは、選択された純度に達するまで、限外ろ過を連続して実施することができる。選択された純度は、原則として、所望どおり高くすることができる。純度に関する適切な尺度には、例えば、副生成物として得られる溶解された塩の濃度があり、それは公知の手法で簡便に測定することができる。
他の態様において、本発明は、ソフトコンタクトレンズを提供する。本発明のソフトコンタクトレンズは、レンズ形成材料を型内で硬化させることにより得られるシリコーンハイドロゲル材料を含み、そのレンズ形成材料は、化学線架橋性プレポリマー及び少なくとも1種の親水性ビニルモノマーを含み、そのプレポリマーは、(1)1種以上のシロキサン含有ビニルモノマー及び/又は1種以上のシロキサン含有マクロマーから誘導されたシロキサン単位と;(2)1種以上の親水性ビニルモノマー及び/又は1種以上の親水性マクロマーから誘導された親水性単位と;(3)潜在的なUV−AFRG部分を有する鎖延長単位と;(4)化学線架橋性基と、を含み、そのシリコーンハイドロゲル材料は、ダングリング親水性ポリマー鎖(それぞれが少なくとも1種の親水性ビニルモノマーから形成されていて、1個の鎖延長単位をとおしてシリコーンハイドロゲル材料のポリマーマトリックスに共有結合している)を含み、形成されたソフトコンタクトレンズは、硬化後表面処理を行わなくとも、親水性表面を有している。
本発明によれば、レンズ形成材料は、流体組成物であり、約20℃〜約85℃の温度では溶液又は融解物であってもよい。好ましくはレンズ形成材料は、水中、有機溶媒中、又は水と1種以上の有機溶媒との混合物中の、少なくとも1種の本発明のプレポリマー、少なくとも1種の親水性ビニルモノマー、及び他の所望の成分の溶液である。
少なくとも1種のプレポリマー及び少なくとも1種のビニルモノマーの溶液は、プレポリマー、親水性ビニルモノマー、及び他の成分を、当業者に公知の任意の適切な溶媒に溶解させることにより調製することができる。適切な溶媒の例は、先に記載されている。
本発明のプレポリマー及び上記の親水性ビニルモノマーの様々な実施態様の全てを、本発明のこの態様に用いることができる。
レンズ形成材料が、当業者に公知の様々な成分、例えば、シリコーン含有ビニルモノマー、疎水性ビニルモノマー、重合開始剤(例えば、光開始剤又は熱開始剤)、可視性着色剤(例えば、染色剤、顔料又はそれらの混合物)、UV遮断(吸収)剤、光増感剤、阻害剤、抗菌剤(例えば、好ましくは銀ナノ粒子、又は安定化銀ナノ粒子)、生物活性剤、浸出性の滑剤、充填剤などを更に含みうることを、理解しなければならない。
上記のシリコーン含有ビニルモノマー及び疎水性ビニルモノマーの様々な実施態様の全てを、本発明のこの態様に用いることができる。
開始剤は、例えば、重合の技術分野でのそのような使用で周知の材料から選択されるが、重合反応を促進するため、そして/又は重合反応の速度を上昇させるために、レンズ形成材料に含まれていてもよい。開始剤は、重合反応を開始しうる化学剤である。開始剤は、光開始剤又は熱開始剤であってもよい。
光開始剤は、光の使用によりフリーラジカル重合及び/又は架橋を開始することができる。適切な光開始剤は、ベンゾインメチルエーテル、ジエトキシアセトフェノン、ベンゾイルホスフィンオキシド、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンならびにDarocur及びIrgacure類、好ましくはDarocur1173(登録商標)及びDarocur2959(登録商標)である。ベンゾイルホスフィン開始剤の例としては、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド;ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−4−N−プロピルフェニルホスフィンオキシド;及びビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−4−N−ブチルフェニルホスフィンオキシドが挙げられる。例えば、マクロマーに組み入れることができる、又は特別なモノマーとして用いることができる反応性光開始剤も、適している。反応性光開始剤の例は、全体が本明細書に参考として援用されている欧州特許第632,329号に開示されたものである。その後、重合を、化学線、例えば光、特に適切な波長のUV光により惹起することができる。したがって、スペクトルの要件を、適宜、適切な感光剤の添加により、制御することができる。
適切な熱開始剤の例としては、非限定的に、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルペンタンニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロパンニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブタンニトリル)、過酸化物、例えば、ベンゾイルペルオキシドなどが挙げられる。好ましくは、熱開始剤は、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)又は2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(VAZO−52)である。
好ましい顔料の例としては、医療装置内での使用を承認され、FDAにより認可されている任意の色素、例えば、D&C Blue No.6、D&C Green No.6、D&C Violet No.2、カルバゾールバイオレット、特定の銅錯体、特定の酸化クロム、様々な酸化鉄、フタロシアニングリーン、フタロシアニンブルー、二酸化チタンなどが挙げられる。本発明で用いてもよい色素の列挙として、Marmiom DM Handbook of U. S. Colorantsを参照されたい。顔料のより好ましい実施態様(C.I.は、色インデックス番号である)としては、非限定的に、青色では、フタロシアニンブルー(顔料青15:3、C.I.74160)、コバルトブルー(顔料青36、C.I.77343)、Toner cyan BG(Clariant)、Permajet blue B2G(Clariant)、緑色では、フタロシアニングリーン(顔料緑7、C. I.74260)及び三二酸化クロム;黄色、赤色、茶色及び黒色では、様々な酸化鉄;PR122;PY154;紫色では、カルバゾールバイオレット;黒色では、Monolith black C-K(CIBA Specialty Chemicals)が挙げられる。
ポリマーマトリックス内に組み入れられる生物活性剤は、目の中の病を予防しうる、又は眼病の症状を軽減しうる任意の化合物である。生物活性剤は、薬物、アミノ酸(例えば、タウリン、グリシンなど)、ポリペプチド、タンパク質、核酸、又はそれらの任意の組合わせであってもよい。本明細書において有用な薬物の例としては、非限定的に、レバミピド、ケトチフェン、オラプチジン、クロモグリコラート、シクロスポリン、ネドクロミル、レボカバスチン、ロドキサミド、ケトチフェン、又はそれらの薬学的に許容しうる塩もしくはエステルが挙げられる。生物活性剤の他の例としては、2−ピロリドン−5−カルボン酸(PCA)、α−ヒドロキシ酸(例えば、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、マンデル酸、及びクエン酸、ならびにそれらの塩など)、リノレン酸及びγリノレン酸、ならびにビタミン類(例えば、B5、A、B6など)が挙げられる。
浸出性の滑剤の例としては、非限定的に、ムチン様材料及び非架橋性親水性ポリマー(即ち、エチレン性不飽和基を有さない)が挙げられる。例示的なムチン様材料としては、非限定的に、ポリグリコール酸、ポリラクチド、コラーゲン、ヒアルロン酸、及びゼラチンが挙げられる。
任意のエチレン性不飽和基を有さない任意の親水性ポリマー又は共重合体を、浸出性の滑剤として用いることができる。非架橋性親水性ポリマーの好ましい例としては、非限定的に、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリアミド、ポリイミド、ポリラクトン、ビニルラクタムのホモポリマー、1種以上の親水性ビニルコモノマーの存在下又は非存在下での少なくとも1種のビニルラクタムの共重合体、アクリルアミド又はメタクリルアミドのホモポリマー、アクリルアミド又はメタクリルアミドと1種以上の親水性ビニルモノマーとの共重合体、ポリエチレンオキシド(即ち、ポリエチレングリコール(PEG))、ポリオキシエチレン誘導体、ポリ−N−N−ジメチルアクリルアミド、ポリアクリル酸、ポリ(2−エチルオキサゾリン)、ヘパリンポリサッカライド、ポリサッカライド、及びそれらの混合物が挙げられる。
非架橋性親水性ポリマーの数平均分子量Mnは、好ましくは、20,000〜500,000、より好ましくは30,000〜100,000、更により好ましくは35,000〜70,000である。
本発明によれば、レンズ形成材料は、任意の公知方法により、型によって形成されるキャビティに導入(分注)することができる。
コンタクトレンズを製造するためのレンズ型は、当業者に周知であり、例えば、注入成形又はスピンキャスティングで用いられる。例えば、型(注入成形用)は、一般に、少なくとも2個の型区分(又は部分)又は型半部、即ち、第一及び第二の型半部を含む。第一の型半部は、第一の成形(又は光学)表面を画定し、第二の型半部は、第二の成形(又は光学)表面を画定する。第一及び第二の型半部が互いを受け留めるように構成されているため、レンズ形成キャビティが、第一の成形表面と第二の成形表面の間で形成される。型半部の成形表面は、型のキャビティ形成表面であり、レンズ形成材料と直接接触している。
コンタクトレンズを注入成形するための型区分を製造する方法は、一般に当業者に周知である。本発明の方法は、型を形成させる任意の特別な方法に限定されない。実際に、型を形成させる任意の方法を、本発明で用いることができる。第一及び第二の型半部は、様々な技術、例えば、射出成形又は旋盤加工により形成させることができる。型半部を形成させる適切な方法の例は、同じく本明細書に参考として援用されている、Schadへの米国特許第4,444,711号;Boehmらへの同第4,460,534号;Morrillへの同第5,843,346号;及びBonebergerらへの同第5,894,002号に開示されている。
型を製造するための当該技術分野で公知の材料の事実上全てを、肉眼用レンズを製造するための型の製作に用いることができる。例えば、高分子材料、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、PMMA、環状オレフィン共重合体(例えば、ドイツのフランクフルト及びニュージャージー州サミットのTicona GmbHのTopas(登録商標)COC;ケンタッキー州ルイビルのZeon Chemicals LPのZeonex(登録商標)及びZeonor(登録商標))などを用いることができる。UV光を透過させる他の材料、例えば、水晶、ガラス、CaF、及びサファイアを用いることができる。
好ましい実施態様において、再使用可能な型を用いることができる。水晶又はガラスで製造された再使用可能な型の例は、全体が参考として援用されている米国特許第6,627,124号に開示されたものである。この態様において、レンズ形成材料を、2個の型半部からなる型に注入するが、2個の型半部は互いに接触しておらず、それらの間に配置された環状設計の薄い間隙を有する。その間隙は、型キャビティに連結しているため、過剰なレンズ形成材料は、間隙に流れることができる。再使用可能な水晶、ガラス、サファイア型は、レンズの製造後に、水又は適切な溶媒を用いて迅速かつ効果的に、洗浄して未反応材料及び他の残渣を除去することができ、そして空気乾燥することができるため、一度しか使用できないポリプロピレン型の代わりに、これらの型を用いることが可能である。再使用可能な型は、環状オレフィン共重合体、例えば、ドイツのフランクフルト及びニュージャージー州サミットのTicona GmbHのTopas(登録商標)COC等級8007-S10(エチレンとノルボルネンとの透明で非晶質な共重合体)ならびにケンタッキー州ルイビルのZeon Chemicals LPのZeonex(登録商標)及びZeonor(登録商標)からも製造することができる。型半部の再利用性ゆえ、極めて高度の正確性及び再現性のある型を得るために、製造時に比較的高い経費がかかる可能性がある。型半部は、製造されるレンズの領域、即ち、キャビティ又は実際の型表面では互いに接触していないため、接触による損傷は問題外である。これにより、型の高い使用寿命が確保され、特に、製造されるコンタクトレンズの高度の再現性、及びレンズ設計への高度の忠実度が確保される。
レンズ形成材料を型に分注した後、それを重合して、コンタクトレンズを製造する。UV線照射など化学線により、好ましくは化学線の空間的限定により、架橋を型内で開始させて、レンズ形成材料を架橋させることができる。レンズ配合剤から様々な形状の部品(例えば、ポリマーボンネット、又はポリマーボタン)を製造し、その後、その部品を旋削して、コンタクトレンズを形成させることもできる。
本発明による架橋を、非常に短時間で、例えば、60分間以内で、有利には20分間以内で、好ましくは10分間以内で、最も好ましくは5分間以内で、特に好ましくは1〜60秒間以内で、そして最も特別には1〜30秒間以内で実行してもよい。
成形された物品を型から取り出すための型の開口は、それ自体が公知の手法で実施してもよい。
本発明では、レンズ配合剤のUV硬化を説明しているが、熱及びUV硬化の任意の数多くの組合せを用いて、内部湿潤剤に共有結合したシリコーンハイドロゲルレンズを得ることができる。これは、熱開始剤(例えば、AIBN、VAZO−52、ベンゾイルペルオキシド)をレンズ配合剤に添加することにより果たすことができる。レンズ配合剤を所定の期間加熱し、その後、UV光を照射することができる。あるいは、レンズ配合剤を、同時に加熱及びUV照射することができる。更に他の変形例において、最初に、レンズ配合剤をある程度の期間照射し、その後、UV光の非存在下で加熱することができる。
シリコーンハイドロゲル上の湿潤剤の鎖長は、連鎖移動剤(例えば、メルカプタン、溶媒)の使用、UV−AFRG部分に対するモノマーの比、及び温度により制御又は限定することができる。
成形されたコンタクトレンズは、更なる加工、例えば、表面処理、滅菌などを更に施すことができる。
本発明のコンタクトレンズは、好ましくは少なくとも約35バレル、より好ましくは少なくとも約45バレル、更により好ましくは少なくとも約60バレルの酸素透過度を有する。本発明によれば、酸素透過度は、実施例に記載された手順による見かけ上の(厚さ約100ミクロンの試料を検査した場合に直接測定される)酸素透過度である。
本発明のコンタクトレンズは、約0.2MPa〜約2.0MPa、好ましくは約0.25MPa〜約1.5MPa、より好ましくは約0.3MPa〜約1.2MPa、更により好ましくは約0.4MPa〜約1.0MPaの弾性係数を有する。
本発明のコンタクトレンズは、更に、好ましくは少なくとも約1.5×10−6mm/分、より好ましくは少なくとも約2.6×10−6mm/分、更により好ましくは少なくとも約6.4×10−6mm/分のイオノフラックス拡散係数Dを有する。
本発明のコンタクトレンズは、更に、完全に水和させると、好ましくは約15重量%〜約60重量%、より好ましくは約20重量%〜約50重量%の水分量を更に有する。シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズの水分量は、米国特許第5,849,811号に開示されているBulk Techniqueにより測定することができる。
更なる態様において、本発明は、ソフトコンタクトレンズの製造方法を提供する。その方法は、ソフトコンタクトレンズを製造するための型を提供するステップであって、その型が、コンタクトレンズの前部表面を画定する第一の成形表面を有する第一の型半部と、コンタクトレンズの後部表面を画定する第二の成形表面を有する第二の型半部と、を有し、前記第一及び第二の型半部が、互いを受け留めるように構成されているため、キャビティが、前記第一の成形表面と第二の成形表面の間で形成されるステップと;レンズ形成材料をキャビティに導入するステップであって、そのレンズ形成材料が、1種以上の化学線架橋性プレポリマー及び少なくとも1種の親水性ビニルモノマーを含み、前記1種以上のプレポリマーのそれぞれが、(1)1種以上のシロキサン含有ビニルモノマー及び/又は1種以上のシロキサン含有マクロマーから誘導されたシロキサン単位と;(2)1種以上の親水性ビニルモノマー及び/又は1種以上の親水性マクロマーから誘導された親水性単位と;(3)潜在的なUV−AFRG部分を有する鎖延長単位と;(4)エチレン性不飽和基と、を含むステップと;組成物を型内で化学線照射し、前記レンズ形成材料を架橋させて、シリコーンハイドロゲル材料を形成させるステップであって、そのシリコーンハイドロゲル材料が、ダングリング親水性ポリマー鎖(それぞれが少なくとも1種の親水性ビニルモノマーから形成されていて、1個の鎖延長単位をとおしてシリコーンハイドロゲル材料のポリマーマトリックスに共有結合している)を含み、形成されたソフトコンタクトレンズが、硬化後表面処理を行わなくとも、親水性表面を有するステップと、を含む。
レンズ配合剤の重合が、型内で熱により開始して、レンズを形成しうることを理解されたい。その後、潜在的なUV−AFRG部分を有する得られたレンズを、親水性ビニルモノマーの溶液と接触させ、そしてUV光を照射してレンズ表面を親水性にすることができる。
上記の本発明のプレポリマー、親水性ビニルモノマー、レンズ形成材料、及びコンタクトレンズの様々な実施態様の全てを、本発明のこの態様で用いることができる。
更なる態様において、本発明は、フェノン部分を有するビニルモノマーを提供する。好ましくは、フェノン部分を有するビニルモノマーは、先の式(II)又は(III)により定義される。
式(II)又は(III)で示されるビニルモノマーは、先に記載されたカップリング反応に基づいてフェノン含有化合物をエチレン性官能化することにより製造することができ、当業者に公知である。複数の好ましい式(II)又は(III)で示されるビニルモノマーの例示的製造を、以下のスキームに示す。
Figure 0005748224

Figure 0005748224
(式中、R、R、及びRは、先に定義されたとおりである)。
式(II)又は(III)で示されるビニルモノマーを用いて、くし形構造の重合体及び共重合体(ランダム又はブロック)を二段階重合法により製造することができる。第一に、式(II)又は(III)で示されるビニルモノマーを1種以上のビニルモノマー(潜在的なUV−AFRG部分を有さない)を用いて熱により共重合して、潜在的なUV−AFRG部分を有するポリマー鎖を形成させる。第二に、UV−AFRG部分を有するポリマー鎖の存在下での、1種以上の親水性ビニルモノマー(例えば、ビニルピロリドン、HEMA、HEA、DMAなど)の重合をUV照射により開始して、式(II)又は(III)で示されるビニルモノマーから誘導された単位から延長している親水性側鎖を形成させる。
プレポリマー、中間共重合体、及び式(II)又は(III)で示されるビニルモノマーを、コーティング材料として、又は色付きコンタクトレンズを製造するためのインク中で用いることができる。インクの場合、着色剤を、共重合体と溶媒とモノマーとの混合物に添加する。色付きコンタクトレンズは、例えば、ベースカーブの型に印刷し、インクをUV硬化し、フロントカーブの型にレンズ配合剤を充填し、型アセンブリを閉じて、レンズ配合剤を硬化させることにより製造される。あるいは、パターンを、レンズ(成形又は旋削された)に直接印刷し、その後、インクをUV硬化して色付きコンタクトレンズを製造することができる。任意の数多くの印刷技術、例えば、パッド印刷、インクジェット及びスクリーン印刷を用いることができる。UV照射では、潜在的なラジカル生成基が、架橋反応、及びインク又はレンズ配合剤の親水性鎖成長を惹起する。シリコーンハイドロゲルは、ペンダントフェノン部分を含むため、所望なら、光開始剤の、インク又はレンズ配合剤への添加を省略することができる。
これまでの開示により、当業者は本発明を実践することができよう。その具体的実施態様及び利点を読者によりよく理解させるために、以下の非限定的実施例の参照が示唆されている。しかし、以下の実施例を読むことで、本発明の範囲を限定してはならない。
実施例1
コンタクトレンズ上の水接触角は、コンタクトレンズの表面親水性(又は湿潤性)の一般的測定項目である。詳細には、低い水接触角は、より親水性の表面に対応する。コンタクトレンズの平均接触角(前進)を、セシルドロップ法を用いて測定した。
滑り(slippery)/湿潤性検査を、以下のとおり測定した。疎水性表面を有するシリコーンハイドロゲルレンズは、ガラス表面(例えば、ガラス管など)に突き刺さる傾向があるが、良好な湿潤性を有するレンズは、ガラス表面を容易に滑動する傾向がある。レンズの相対的滑り易さ(relative slipperiness)を、脱イオン水を含むガラス管への入れ易さ、及びガラス管からの出し易さに基づいて割り付けた。
レンズの酸素透過度及びレンズ材料の酸素透過率を、ポーラログラフィー法を用いて測定した。
レンズのイオン透過性を、米国特許第5,760,100号(その全体が本明細書に参考として援用されている)に記載された手順により測定した。以下の実施例に報告されたイオン透過性の値は、参照材料であるレンズ材料Alsaconに関する相対イオノフラックス拡散係数(D/Dref)である。Alsaconは、イオノフラックス拡散係数0.314×10−3mm2/分を有する。
実施例2
スキーム2による式(II)で示されるビニルモノマー(化合物I)の製造
ジブチルチンジラウラート0.224gを含む2−イソシアナトエチルメタクリラート(7.783g)を、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン10.145g、4−ヒドロキシ−TEMPO 23.5mg及びエチルアセタート約30mLからなる溶液に添加した。混合物を水浴中で40〜45℃で加熱して、反応の進行をFT−IR分光法によりモニタリングした。約3日後に、FT−IRで、イソシアナートのIRバンドがもはや存在しないことが示された。反応容器を加熱浴から取り出し、溶媒をロータリーエバポレーションにより除去した。得られた固体を、メタノールで再結晶化させた。結晶をヘキサンで洗浄して乾燥させ、化合物Iを12.483g得た。メタノール中の試料のUV−VIS分析で、320nm、280nm及び250nm付近にピーク又はショルダーが示された。320nm付近のピークは、比較的高濃度の溶液(〜9×10−4g/mL)では容易に観察された。固体(クロロホルムからのフィルムキャスト)のFT−IR分析で、3375、3060、2938、2861、1720、1637、1531、1448、1320、1294、1157、1040、974、及び822cm-1にピークが示された。結晶固体を10℃/分で加熱して、示差走査熱量測定(DSC)により分析した。DSC:DSC分析で、約65℃での融解の開始及び74℃を中心とする融解ピークが示された。融解転移を超えた連続加熱により、重合に特徴的な発熱ピークが、約175℃〜225℃で観察された。
実施例3
スキーム1による化合物IIの製造
ジブチルチンジラウラート0.2379gを含む2−イソシアナトエチルメタクリラート(9.411g)を、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン10.037g及び4−ヒドロキシ−TEMPO 22.7mgからなる溶液に添加した。得られた溶液を混合し、その後、浴に浸漬して、約45℃で加熱した。イソシアナートの消費をFT−IR分光法でモニタリングすることにより、反応の進行を追跡した。反応混合物は、約2時間後に顕著に、より粘性となったが、イソシアナートの存在が依然として示された。24時間以内に、反応混合物が固化した。その固体数ミリグラムをクロロホルム約0.5mLに溶解し、フィルムをNaClディスク上で流延した。フィルムを乾燥させて分析したが、イソシアナートは検出されず、反応が完了したことが示された。固体反応生成物を、イソプロパノールで再結晶化させた。白色結晶をイソプロパノールからろ過し、低温ヘキサンで洗浄し、その後、真空乾燥させて、生成物を合計で14.701g得た。メタノール中の試料のUV−VIS分析で、320nm、280nm及び245nm付近にピーク又はショルダーが示された。320nm付近のピークは、比較的高濃度の溶液(〜9×10−4g/mL)では容易に観察された。固体(クロロホルムからのフィルムキャスト)のFT−IR分析で、3365、3065、2996、2944、1712、1632、1533、1447、1382、1321、1294、1173、1130、及び984cm-1にピークが示された。試料を10℃/分で加熱して、結晶固体を示差走査熱量測定(DSC)により分析した。DSCの記録から、約104℃での融解の開始及び107℃を中心とする融解ピークが示された。融解転移を超えた連続加熱により、重合に特徴的な発熱ピークが観察された。加熱サイクルを繰り返すと、発熱ピークは消失し、63℃付近でガラス転移が観察された。
実施例4
スキーム2による化合物IIの製造
ジブチルチンジラウラート0.2251gを含む2−イソシアナトエチルメタクリラート(9.411g)を、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン10.017g及び4−ヒドロキシ−TEMPO 31.5mgからなる溶液に添加した。得られた溶液を混合して、室温(22℃)で反応させた。イソシアナートのバンドをFT−IRでモニタリングすることにより、反応の進行を確認した。24時間以内に、反応混合物が固化した。その固体数ミリグラムをクロロホルム約0.5mLに溶解し、フィルムをNaClディスク上で流延した。フィルムを乾燥させてFT−IRで確認したが、イソシアナートの存在は示されなかった。固体反応生成物を、イソプロパノールから再結晶化させた。白色結晶をイソプロパノールからろ過し、ヘキサンで洗浄し、その後、乾燥させて、生成物を合計で13.701g得た。結晶材料 数mgをクロロホルム約1mLに溶解し、フィルムをNaClディスク上で流延して乾燥させた。試料のFT−IR分析は、先の実施例3のものと一致した。希メタノール中の試料(〜8×10−5g/mL)のUV−VIS分析で、280nm及び245nm付近にピーク又はショルダーが示された。結晶試料を10℃/分で140℃まで加熱して、DSCで分析した。サーモグラムから、約104℃付近での融解の開始及び107℃付近を中心とする融解ピークが示された。冷却及び再加熱(2番目のDSCスキャン)の後、結晶化及び融解に特徴的な転移が観察された。DSCセルで約200℃までで繰り返し加熱すると、重合に特徴的な発熱ピーク及び約66℃付近でのガラス転移温度の発生が示された。
実施例5
潜在的なUV−AFRG部分を有するシリコーン含有共重合体の製造
窒素導入/放出口、コンデンサ、及び撹拌装置を具備した1Lのジャケット付きガラスケトルに、DMA(82.79g)、TRIS(80.14g)、HEMA(25.09g)、ポリジメチルシロキサンモノメタクリラート−MCR−M17(50.50g)、VAZO−52(1.4317g)、2−メルカプトエタノール(0.7045g)、化合物II(3.0285g)(実施例3又は4で製造)及びエチルアセタート(500mL)を充填した。材料を、均質になるまで混合した。混合物に窒素を、約100mL/分で約30分間放散した。窒素気流を減少させて撹拌速度を約250rpmに調整し、反応混合物を約24時間、約50℃まで加熱した。約24時間後に、反応混合物は重合開始時よりも顕著に、より粘性となった。中間共重合体溶液を、エチルアセタート約10mLに溶解された4−ヒドロキシ−TEMPO約17mgで阻害した。ジブチルチンジラウラート約0.2092g及び2−イソシアナトエチルメタクリラート4.5245gからなる溶液を、中間共重合体溶液に添加して、得られた混合物を約40℃で約4時間加熱した。エチルアセタートを、ロータリーエバポレーションにより除去した。エチルアセタートが蒸発されてもはや観察されなくなった後、試料をエタノール約500mLで希釈して、溶媒蒸発操作を継続した。プレポリマー試料をエタノールで希釈して、ロータリーエバポレーションを2回以上行った。試料を濃度約66%まで濃縮した。
実施例6
レンズ配合剤の調製
実施例5で製造されたプレポリマー及び他の成分をエタノールに溶解して混合することにより、表1に示された組成を有する数種のレンズ配合剤(透明溶液)を調製した。
コンタクトレンズの製造:ポリプロピレンレンズ型にレンズ配合剤約100μLを充填し、その後、型内のレンズ配合剤を3.5mW/cm2のUVAで約45分間硬化させた。レンズを実験室の照明下の型内で約24時間貯蔵し、その後、型から分離して取り出した。レンズをイソプロパノールで2回、それぞれ抽出時間30分間で、抽出に供試した。レンズを脱イオン水に30分間浸漬することにより、レンズを2回水和させた。
レンズを特徴づけして、特性を表2に報告した。
Figure 0005748224
* 相対ランキング(1〜5):5=滑り易さ及び湿潤性が最大、そして1=滑り易さ及び湿潤性が最小。
# ポーラログラフィー法により測定されたDk。
全ての引張り検査は、レンズ10枚(n=10)で実施した。
添加された親水性モノマーを含むレンズ配合剤(例えば、DMA、NVP)では、対照に比較して、イオン透過性の有意な増加が観察された。
実施例7
潜在的なUV−AFRG部分を有するシリコーン含有共重合体の製造
窒素導入/放出口、コンデンサ、及び撹拌装置を具備した1Lのジャケット付きガラスケトルに、DMA(17.59g)、TRIS(123.15g)、HEMA(12.55g)、ポリジメチルシロキサンモノメタクリラート−MCR−M17(87.58g)、VAZO−52(1.4476g)、2−メルカプトエタノール(0.7320g)、化合物II(3.0565g)(実施例3又は4で製造)及びエチルアセタート(500mL)を充填した。材料を、均質になるまで混合した。混合物に窒素を、約150mL/分で約30分間放散した。窒素気流を減少させて撹拌速度を約250rpmに調整し、反応混合物を約24時間、約50℃まで加熱した。中間共重合体溶液を、エチルアセタート約10mLに溶解された4−ヒドロキシ−TEMPO約22mgで阻害した。ジブチルチンジラウラート約0.2283g及び2−イソシアナトエチルメタクリラート4.4986gからなる溶液を、中間共重合体溶液に添加して、得られた混合物を約40℃で約4時間加熱した。エチルアセタートを、ロータリーエバポレーションにより除去した。エチルアセタートが蒸発されてもはや観察されなくなった後、試料をエタノール約600mLで希釈して、溶媒蒸発操作を継続した。プレポリマー試料をエタノールで希釈して、ロータリーエバポレーションを2回以上行った。試料を濃度約86%まで濃縮した。
実施例8
潜在的なUV−AFRG部分を有するシリコーン含有共重合体の製造
窒素導入/放出口、コンデンサ、及び撹拌装置を具備した1Lのジャケット付きガラスケトルに、DMA(37.57g)、TRIS(120.06g)、HEMA(12.57g)、ポリジメチルシロキサンモノメタクリラート−MCR−M17(70.06g)、VAZO−52(1.4430g)、2−メルカプトエタノール(0.7396g)、化合物II(3.0963g)(実施例3又は4で製造)及びエチルアセタート(500mL)を充填した。材料を、均質になるまで混合した。混合物に窒素を、約100mL/分で約30分間放散した。窒素気流を減少させて撹拌速度を約250rpmに調整し、反応混合物を約24時間、約50℃まで加熱した。中間共重合体溶液を、エチルアセタート約10mLに溶解された4−ヒドロキシ−TEMPO約23mgで阻害した。ジブチルチンジラウラート約0.2430g及び2−イソシアナトエチルメタクリラート4.5979gからなる溶液を、中間共重合体溶液に添加して、得られた混合物を約40℃で約4時間加熱した。エチルアセタートを、ロータリーエバポレーションにより除去した。エチルアセタートが蒸発されてもはや観察されなくなった後、試料をエタノール約500mLで希釈して、溶媒蒸発操作を継続した。プレポリマー試料をエタノールで希釈して、ロータリーエバポレーションを2回以上行った。試料を濃度約85%まで濃縮した。
実施例9
潜在的なUV−AFRG部分を有するシリコーン含有共重合体の製造
窒素導入/放出口、コンデンサ、及び撹拌装置を具備した1Lのジャケット付きガラスケトルに、DMA(62.50g)、TRIS(65.80g)、HEMA(25.15g)、ポリジメチルシロキサンモノメタクリラート−MCR−M17(65.87g)、VAZO−52(1.4574g)、2−メルカプトエタノール(0.7001g)、化合物II(3.0216g)(実施例3又は4で製造)及びエチルアセタート(500mL)を充填した。材料を、均質になるまで混合した。混合物に窒素を、約100mL/分で約30分間放散した。窒素気流を減少させて撹拌速度を約300rpmに調整し、反応混合物を約24時間、約50℃まで加熱した。約24時間後に、反応混合物は重合開始時よりも顕著に、より粘性となった。中間共重合体溶液を、エチルアセタート約10mLに溶解された4−ヒドロキシ−TEMPO約17mgで阻害した。ジブチルチンジラウラート約0.2120g及び2−イソシアナトエチルメタクリラート7.5529gからなる溶液を、中間共重合体溶液に添加して、得られた混合物を約40℃で約4時間加熱した。エチルアセタートを、ロータリーエバポレーションにより除去した。エチルアセタートが蒸発されてもはや観察されなくなった後、試料をエタノール約500mLで希釈して、溶媒蒸発操作を継続した。プレポリマー試料をエタノールで希釈して、ロータリーエバポレーションを2回以上行った。
実施例10
潜在的なUV−AFRG部分を有するシリコーン含有共重合体の製造
窒素導入/放出口、コンデンサ、及び撹拌装置を具備した1Lのジャケット付きガラスケトルに、DMA(80.15g)、TRIS(62.57g)、HEMA(25.02g)、ポリジメチルシロキサンモノメタクリラート−MCR−M17(65.80g)、VAZO−52(1.4561g)、2−メルカプトエタノール(0.7072g)、化合物II(3.0756g)(実施例3又は4で製造)及びエチルアセタート(500mL)を充填した。材料を、均質になるまで混合した。混合物に窒素を、約100mL/分で約30分間放散した。窒素気流を減少させて撹拌速度を約300rpmに調整し、反応混合物を約24時間、約50℃まで加熱した。約24時間後に、反応混合物は重合開始時よりも顕著に、より粘性となった。中間共重合体溶液を、エチルアセタート約10mLに溶解された4−ヒドロキシ−TEMPO約18mgで阻害した。ジブチルチンジラウラート約0.2136g及び2−イソシアナトエチルメタクリラート7.5124gからなる溶液を、中間共重合体溶液に添加して、得られた混合物を約40℃で約4時間加熱した。エチルアセタートを、ロータリーエバポレーションにより除去した。エチルアセタートが蒸発されてもはや観察されなくなった後、試料をエタノール約500mLで希釈して、溶媒蒸発操作を継続した。
以下の実施例(11及び12)には、潜在的なUV−AFRG部分を含む親水性ポリマーの製造が記載されている。潜在的なUV−AFRG部分を含む親水性ポリマーは、コンタクトレンズのための湿潤剤として有用となる可能性がある。潜在的なUV−AFRG単位を有する親水性ポリマーを、生理食塩水又はレンズ配合剤に添加することができる。
実施例11
潜在的なUV−AFRG部分を有するシリコーン含有プレポリマーの製造
窒素導入/放出口、コンデンサ、及び撹拌装置を具備した1Lのジャケット付きガラスケトルに、NVP(242.78g)、VAZO−52(1.5056g)、2−メルカプトエタノール(0.7544g)、化合物II(2.5148g)(実施例3又は4で製造)及びエタノール(500mL)を充填した。材料を、均質になるまで混合した。混合物に窒素を、約100mL/分で約30分間放散した。窒素気流を減少させて、反応混合物を撹拌し、約24時間、約50℃まで加熱した。約24時間後に、反応混合物はわずかに濁りを帯びて、重合開始時よりも顕著に、より粘性となった。重合体溶液を、エチルアセタート約10mLに溶解された4−ヒドロキシ−TEMPO約15mgで阻害した。
実施例12
潜在的なUV−AFRG部分を有するシリコーン含有プレポリマーの製造
窒素導入/放出口、コンデンサ、及び撹拌装置を具備した1Lのジャケット付きガラスケトルに、NVP(239.58g)、メタクリル酸(3.78g)、VAZO−52(1.5095g)、2−メルカプトエタノール(0.7592g)、化合物II(2.5095g)(実施例3又は4で製造)及びエタノール(500mL)を充填した。材料を、均質になるまで混合した。混合物に窒素を、約100mL/分で約30分間放散した。窒素気流を減少させて、反応混合物を撹拌し、約24時間、約50℃まで加熱した。約24時間後に、反応混合物は透明になり、重合開始時よりも顕著に、より粘性となった。重合体溶液を、エチルアセタート約10mLに溶解された4−ヒドロキシ−TEMPO約15mgで阻害した。
実施例13
4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)ケトンのビニルモノマー誘導体の製造
ガラス製のジャケット付き反応器に、中温(warm)エチルアセタート約250mLに溶解された4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)ケトン(CIBAのIrgacure 2959)30.010gからなる溶液を充填した。この混合物に、エチルアセタート約3mLに溶解された4−ヒドロキシ−TEMPO 0.0234gを添加した。溶液を約25℃まで冷却し、その後、ジブチルチンジラウラート0.4213gを含む2−イソシアナトエチルメタクリラート20.9301gからなる溶液を添加した。その後、反応混合物を撹拌して、約35℃で約20時間加熱した。その後、重量が約70gになるまで、反応混合物をロータリーエバポレーションにより濃縮し、その後、エチルアセタートを添加することにより、最終的な混合物の重量を約75gに調整した。一晩冷却した後、白色結晶をエチルアセタートからろ過して、ヘキサン50mLで3回洗浄した。結晶への通気によりフィルター上で数分間乾燥させた後、生成物約42.77gを得た。生成物を中温イソプロパノールに溶解した。冷却すると、得られた溶液から、きらきらと輝く白色結晶が得られた。結晶を回収して、ヘキサン約50mLで3回洗浄して風乾させ、生成物約37.02gを得た。イソプロパノール溶液を冷却すると、2回目の結晶回収物(2.07g)が得られた。反応生成物を室温で更に真空乾燥させた。エタノール中の試料のUV−VIS分光法で、275nm及び215nm付近にピークが示された。結晶生成物(クロロホルムからのフィルムキャスト)のFT−IR分析で、約3442、3363、3077、2960、2929、2885、1724(ショルダー)、1715、1703、1666、1602、1540、1509、1454、1377、1302、1251、1163、1067、956、837、及び769cm-1にピークが示された。試料を10℃/分で加熱して、結晶固体を示差走査熱量測定(DSC)により分析した。結晶生成物のDSCの記録から、約79℃での融解の開始及び82℃を中心とする融解ピークが示された。融解転移を超えた連続加熱により、重合に特徴的な発熱ピークが観察された。加熱サイクルを繰り返すと、発熱ピークは消失し、31℃付近でガラス転移が観察された。
実施例14
潜在的なUV−AFRG部分を有するシリコーン含有共重合体の製造
共重合体を、DMA(70.02g)、TRIS(42.39g)、HEMA(18.15g)、ポリジメチルシロキサンモノメタクリラート−MCR−M11(51.34g)、VAZO−52(0.5053g)、2−メルカプトエタノール(2.0174g)、化合物II(14.0315g)(実施例3又は4で製造)、VAZO−52(4.0601g)、及びエチルアセタート(600mL)からなる溶液から製造した。重合を、撹拌装置及び窒素導入/放出口を具備した1Lジャケット付きガラス反応ケトル内で、約50℃の窒素下で約24時間実施した。重合時に、窒素を反応混合物に約200mL/分でバブリングした。約24時間の反応の後、共重合体溶液を、エチルアセタート約5mLに溶解された4−ヒドロキシ−TEMPO約20mgで阻害した。重合溶液をタールを塗ったジャーに移し、その後、反応容器をエチルアセタートですすいだ。エチルアセタートすすぎ液を、重合溶液を含むジャーに添加して、溶液の重量をエチルアセタートで約700gに調整した。共重合溶液約50mLを重量約21gまで濃縮し、その後、脱イオン水約500mLと混合した。得られた固体を溶媒から分離して、エタノール約25mLに溶解し、その後、約40℃でのロータリーエバポレーションにより濃縮した。エタノール分量約25mLを2回以上添加して、ロータリーエバポレーションを行った。共重合体溶液を、約16.78gの重量まで濃縮した。共重合体溶液約2.5gを、真空下で蒸発させた。共重合体約20mgを、クロロホルムに溶解して、フィルムをNaClディスク上で流延し、FT−IR分析の前に約1分間、窒素気流下で乾燥させた。FT−IRで、3405、2959、1723、1643、1496、1463、1399、1360、1260、1201、1100、1054、843、801、及び757cm-1付近にピークが示された。
実施例15
潜在的なUV−AFRG部分を含むシリコーン含有共重合体:DMAとのUVグラフト反応
先の実施例14の共重合体溶液(104.10g、エチルアセタート中の共重合体約28.9%)をプラスチックビーカに入れて、撹拌プレート上でDMA7.58gと混合した。ビーカをポリエチレンプラスチックバッグに入れて密閉した。撹拌しながら、DMAを含む共重合体溶液に、UVA(強度約3.3mW/cm2)を約6時間照射した。中間共重合体溶液を、ジブチルチンジラウラート0.0812g及び2−イソシアナトエチルメタクリラート0.8485gと混合して、得られた混合物を約40℃で約4時間加熱した。エチルアセタートを、ロータリーエバポレーションにより除去した。エチルアセタートが蒸発されてもはや観察されなくなった後、試料をエタノール約50mLで希釈して、溶媒蒸発操作を継続した。プレポリマー試料をエタノールで希釈して、ロータリーエバポレーションを更に2回行った。試料を重量約50gまで濃縮した。エタノール溶液を脱イオン水約700mLと混合することにより、プレポリマーを単離した。プレポリマーを溶媒から分離し、その後、脱イオン水約500mlで3回洗浄した。その後、プレポリマーを脱イオン水約500mLに一晩浸漬した。プレポリマーを脱イオン水から分離し、その後、エタノール約50mLに溶解した。エタノールを、ロータリーエバポレーションにより除去した。エタノールが蒸発されてもはや観察なれなくなった後、プレポリマーを新しいエタノール約50mLで希釈して、溶媒のエバポレーションを継続した。プレポリマー溶液をエタノール約50mLで希釈して、ロータリーエバポレーションを更に2回行った。固形分が約60%になるまでプレポリマー溶液を濃縮して、エタノールに溶解させた4−ヒドロキシ−TEMPO約5mgで阻害した。固形分が約71.6%になるまで、プレポリマーをロータリーエバポレーションにより更に濃縮した。ロータリーエバポレーションに用いられたフラスコをエタノール約10mLですすぎ、すすぎ液を室温で真空乾燥させた。共重合体約20mgをクロロホルム約1mLに溶解して、フィルムをNaClディスク上で流延させ、FT−IR分析の前に約1分間、窒素気流下で乾燥させた。FT−IRで、3405、2959、1722、1643、1498、1463、1400、1358、1260、1195、1134、1092、1056、843、及び757cm-1付近にピークが示された。分子量を、GPCにより特徴づけた。重量平均分子量(M)=34389、及び数平均分子量(M)=10294。
実施例16
実施例15のプレポリマー溶液(7.1965g)を、Darocur1173 0.0385g及びエタノール0.8237gと混合した。プラスチック型にレンズ配合剤を充填し、その後、約3.5mW/cmのUVA光を照射した。レンズを型から回収して、イソプロパノールで約30分間以上抽出した。レンズを脱イオン水で30分間以上抽出し、PBSを含むガラス管に入れて滅菌した。レンズに曇りがあることに注目した。水接触角が、約100°であることが観察された。
実施例17
実施例14の共重合体溶液(104.07g、エチルアセタート中の共重合体約28.9%)をプラスチックビーカに入れて、撹拌プレート上でNVP7.55gと混合した。ビーカをポリエチレンプラスチックバッグで密閉した。撹拌しながら、NVPを含む共重合体溶液に、UVA(強度約3.3mW/cm2)を約6時間照射した。中間共重合体溶液を、ジブチルチンジラウラート0.0851g及び2−イソシアナトエチルメタクリラート0.8586gと混合して、得られた混合物を約40℃で約4時間加熱した。エチルアセタートを、ロータリーエバポレーションにより除去した。エチルアセタートが蒸発されてもはや観察されなくなった後、試料をエタノール約50mLで希釈して、溶媒蒸発操作を継続した。プレポリマー試料をエタノールで希釈して、ロータリーエバポレーションを更に2回行った。重量が約50gになるまで、試料を濃縮した。エタノール溶液を脱イオン水約700mLと混合することにより、プレポリマーを単離した。プレポリマーを溶媒から分離し、その後、脱イオン水約500mlで3回洗浄した。その後、プレポリマーを脱イオン水約500mLに一晩浸漬した。プレポリマーを脱イオン水から分離し、その後、エタノール約50mLに溶解した。エタノールを、ロータリーエバポレーションにより除去した。エタノールが蒸発されてもはや観察なれなくなった後、プレポリマーを新しいエタノール約50mLで希釈して、溶媒の蒸発を継続した。プレポリマー溶液をエタノール約50mLで希釈して、ロータリーエバポレーションを更に2回行った。プレポリマー溶液を濃度約66.9%まで濃縮した。ロータリーエバポレーションに用いられたフラスコをエタノール約10mLですすぎ、すすぎ液を室温で真空乾燥させた。共重合体約20mgをクロロホルム約1mLに溶解して、フィルムをNaClディスク上で流延させ、FT−IR分析の前に約1分間、窒素気流下で乾燥させると、3405、2959、1723、1643、1496、1463、1399、1357、1260、1195、1133、1092、1056、843、802、及び757cm-1付近にピークが示された。分子量を、GPCにより特徴づけた。重量平均分子量(M)=21273、及び数平均分子量(M)=9894。
実施例18
レンズ配合剤及び製造
実施例17のプレポリマー溶液(8.2687g)を、Darocur1173 0.0319g及びエタノール1.4744gと混合した。
コンタクトレンズの製造:プラスチック型にレンズ配合剤を充填し、その後、約3.5mW/cmのUVA光を約45分間照射した。抽出及びオートクレーブ処理の後、レンズ試料の水接触角(静的)が、約97°であることが観察された。
実施例19
実施例14の共重合体溶液(104.07g、エチルアセタート中の共重合体約28.9%)をプラスチックビーカに入れて、エチルアセタート30gで更に希釈した。ビーカをポリエチレンプラスチックバッグ内で密閉した。撹拌しながら、共重合体溶液に、UVA(強度約3.3mW/cm2)を約6時間照射した。中間共重合体溶液を、ジブチルチンジラウラート0.0898g及び2−イソシアナトエチルメタクリラート0.8859gと混合して、得られた混合物を約40℃で約4時間加熱した。エチルアセタートを、ロータリーエバポレーションにより除去して、エタノールと交換した。重量約50gまで、試料を濃縮した。エタノール溶液を脱イオン水約700mLと混合することにより、プレポリマーを単離した。プレポリマーを溶媒から分離し、その後、脱イオン水約500mlで3回洗浄した。プレポリマーをエタノール50mLに溶解し、その後、エタノール溶液を脱イオン水約700mLと混合することにより沈殿させた。プレポリマーを溶媒から分離し、遠心分離に供試して水を更に除去した。プレポリマーをエタノールに溶解し、その後、ロータリーエバポレーションにより濃縮した。固形分が約74.8%になるまで、プレポリマー溶液を濃縮した。ロータリーエバポレーションに用いられたフラスコをエタノール約5mLですすぎ、すすぎ液を室温で真空乾燥させた。共重合体約30mgをクロロホルム約1mLに溶解して、フィルムをNaClディスク上で流延させ、FT−IR分析の前に約1分間、窒素気流下で乾燥させた。FT−IRで、3385、2959、1723、1642、1498、1463、1400、1358、1260、1195、1134、1092、1057、844、802、及び757cm-1付近にピークが示された。分子量を、GPCにより特徴づけた。重量平均分子量(M)=18483、及び数平均分子量(M)=9997。
実施例20
レンズ配合剤及びレンズの製造
実施例19のプレポリマー溶液(4.0879g)を、Darocur1173 0.0319g及びエタノール1.0175gと混合した。
コンタクトレンズの製造:プラスチック型にレンズ配合剤を充填し、その後、約3.5mW/cmのUVA光を約45分間照射した。レンズを型から回収して、イソプロパノールで約30分間以上抽出した。レンズを脱イオン水で約30分間以上抽出し、PBSを含むガラス管に入れて滅菌した。レンズは、濁りがあることに注目し、水接触角(静的)約102°を有していた。
実施例21
潜在的なUV−AFRG部分を有するシリコーン含有共重合体の製造
共重合体を、DMA(23.1214g)、TRIS(22.0694g)、HEMA(9.2677g)、ポリジメチルシロキサンモノメタクリラート−MCR−M11(38.1506g)、VAZO−52(0.5053g)、2−メルカプトエタノール(0.2510g)、重合性フェノン(7.0197g)(実施例13で製造)、及びエチルアセタート(200mL)からなる溶液から製造した。重合を、撹拌装置を具備した1Lジャケット付きガラス反応ケトル内で、約50℃の窒素下で約24時間実施した。中間共重合体溶液を、エチルアセタート約3mLに溶解された4−ヒドロキシ−TEMPO約15mgで阻害した。重合溶液をタールを塗ったジャーに移し、その後、反応容器をエチルアセタートですすいだ。エチルアセタートすすぎ液を、重合溶液を含むジャーに添加して、溶液の重量をエチルアセタートで約500gに調整した。
実施例22
潜在的なUV−AFRG部分を有するシリコーン含有共重合体の製造
共重合体を、DMA(31.0950g)、TRIS(23.0876g)、HEMA(9.2019g)、ポリジメチルシロキサンモノメタクリラート−MCR−M11(32.2184g)、VAZO−52(0.5091g)、2−メルカプトエタノール(0.2390g)、重合性フェノン(5.0619g)(実施例13で製造)、及びエチルアセタート(300mL)からなる溶液から製造した。重合を、窒素導入/放出口、コンデンサ、及び撹拌装置を具備した1Lジャケット付きガラス反応ケトル内で、約50℃の窒素下で約24時間実施した。50℃での24時間後に、共重合体溶液を室温まで冷却して、エチルアセタート約5mLに溶解された4−ヒドロキシ−TEMPO約15mgで阻害した。反応混合物を貯蔵容器に移して、エチルアセタートの添加により、混合物の重量を500.20gに調整した。
実施例23
実施例22の共重合体溶液(62.57g)を、ジブチルチンジラウラート0.0421g及び2−イソシアナトエチルメタクリラート0.5291gと混和して、得られた混合物を約40℃で約4時間加熱した。エチルアセタートを、ロータリーエバポレーションにより共重合体溶液から除去して、1−プロパノールと交換した。1−プロパノール中の共重合体溶液を、固形分約68.0%まで濃縮した。ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)により測定すると、共重合体の重量平均分子量は、約55608となり、数平均分子量は、約27549となった。NaClディスク上で流延され、そして乾燥された共重合体のFT−IR分析で、3379、2960、1724、1643、1502、1463、1402、1260、1058、844、及び803cm-1付近にピークが示された。吸収比C=O(アミド)/C=O(エステル)は、約1.25であった。
実施例24
実施例23の共重合体溶液4.4580gをDarocur1173 0.0281g及び1−プロパノール0.5628gと混合することにより、レンズ配合剤を調製した。
プラスチック型にレンズ配合剤を充填して、約4mW/cmのUVB光を約20秒間照射することにより、コンタクトレンズを製造した。レンズをイソプロパノールで約30分間以上抽出した。レンズを脱イオン水で30分間以上抽出し、PBSを含むガラス管に入れて滅菌した。透明なレンズが得られた。
実施例25
実施例23の共重合体溶液4.5837gをDMA0.5560g及びDarocur1173 0.0351gと混合することにより、レンズ配合剤を調製した。プラスチック型にレンズ配合剤を充填し、その後、約3.5mW/cmのUVAを約30秒間照射した。レンズをイソプロパノールで約30分間以上抽出した。レンズを脱イオン水で30分間以上抽出し、PBSを含むガラス管に入れて滅菌した。透明なレンズが得られた。レンズ試料の水接触角は、約83°(前進)、及び22°(後退)であることが観察された。レンズのDkは、約54バレルであり、レンズのイオン透過性は、約9であった。レンズの弾性係数は、約1.37MPaであり、そして破断点伸びは、約67%であった。
実施例26
実施例22の共重合体溶液(62.5133g)を、400mLプラスチックビーカ内で、DMA(6.3496g)、MMA(1.2469g)及びエチルアセタート(50mL)と混和した。ビーカをポリエチレンプラスチックバッグに入れ、合計で3回、バッグを窒素で膨張させ、その後、収縮させ、その後、密閉した。試料を撹拌しながら、約3.4mW/cmのUVA光を照射した。合計で約6時間照射した後、反応混合物を、エチルアセタート約3mLに溶解された4−ヒドロキシ−TEMPO 約15mgで阻害した。中間共重合体溶液を、ジブチルチンジラウラート0.0552g及び2−イソシアナトエチルメタクリラート0.5253gと混合して、得られた混合物を約40℃で約4時間加熱した。エチルアセタートを、ロータリーエバポレーションにより共重合体から除去して、1−プロパノールと交換した。共重合体の濃度約64.1%に至るまで、溶媒を共重合体溶液から除去した。共重合体約0.53gを、エタノール数mgで希釈して、得られた溶液を室温で真空乾燥させた。共重合体約30mgをクロロホルム約1mLに溶解して、フィルムをNaClディスク上で流延し、FT−IR分析の前に約1分間、窒素気流下で乾燥させた。FT−IR分析で、3421、2959、1724、1641、1498、1458、1414、1400、1357、1260、1196、1136、1093、1057、844、802、及び757cm-1付近にピークが示された。分子量を、GPCにより特徴づけた。重量平均分子量(M)=60273、及び数平均分子量(M)=28178。
実施例27
実施例26の共重合体溶液5.6788gをDarocur1173 0.0348g及び1−プロパノール0.3475gと混合することにより、レンズ配合剤を調製した。
プラスチック型にレンズ配合剤を充填し、その後、約4mW/cmのUVB光を、プラスチック型に約20秒間照射することにより、コンタクトレンズを製造した。レンズをイソプロパノールで約30分間以上抽出した。レンズを脱イオン水で30分間以上抽出し、PBSを含むガラス管に入れて滅菌した。レンズに曇りがあることに注目した。
実施例28
実施例22の共重合体溶液(62.76g)を、400mLプラスチックビーカ内で、DMA(6.3175g)及びエチルアセタート(50mL)と混和した。ビーカをポリエチレンプラスチックバッグに入れ、合計で3回、バッグを窒素で膨張させ、その後、収縮させ、その後、密閉した。試料を撹拌しながら、約3.4mW/cmのUVA光を照射した。合計で約6時間照射した後、反応混合物を、4−ヒドロキシ−TEMPO約25mgで阻害した。中間共重合体溶液を、ジブチルチンジラウラート0.0487g及び2−イソシアナトエチルメタクリラート0.5105gと混合して、得られた混合物を約40℃で約4時間加熱した。エチルアセタートを、ロータリーエバポレーションにより共重合体から除去して、1−プロパノールと交換した。共重合体の濃度約55.5%に至るまで、溶媒を共重合体溶液から除去した。GPCにより測定すると、共重合体の重量平均分子量は、約66528であり、数平均分子量は、約21389であった。GPC分析の前にクロロホルム溶液を水で抽出することにより精製された共重合体は、重量平均分子量約70550及び数平均分子量約24072を示した。精製された共重合体のFT−IR分析で、約3400、2959、1723(C=O、エステル)、1642(C=O、アミド)、1498、1400、1356、1260、1138、1094、1058、844、803、及び757cm-1にピーク吸収が示された。吸収比C=O(アミド)/C=O(エステル)は、約1.71であった。これは、非UVグラフト共重合体(実施例23の共重合体)でのC=O(アミド)/C=O(エステル)比約1.25に比較した場合のアミド/エステル比の上昇を表している。
実施例29
実施例28の共重合体溶液5.6081gをDarocur1173 0.0472gと混合することにより、レンズ配合剤を調製した。プラスチック型にレンズ配合剤を充填し、プラスチック型に約3.5mW/cmのUVA光を約30秒間照射することにより、コンタクトレンズを製造した。レンズを型から回収して、イソプロパノールで約30分間以上抽出した。レンズを脱イオン水で30分間以上抽出し、PBSを含むガラス管に入れて滅菌した。透明なレンズが得られた。レンズ試料の水接触角は、約96°(静的)、101°(前進)及び23°(後退)であった。レンズのDkは、ポーラログラフィーでの測定では約51バレルであり、イオン透過性は、約50であった。レンズの引張り検査を行ったが、弾性係数約0.46MPa及び破断点伸び約81%を有していた。レンズ配合剤を約4mW/cmのUVB光で約20秒間硬化させることによっても、コンタクトレンズを製造した。
実施例30
実施例22の共重合体溶液(62.55g)を、プラスチックビーカ内で、DMA(3.7938g)、MMA(0.7891g)及びエチルアセタート(50mL)と混和した。ビーカをポリエチレンプラスチックバッグに入れ、合計で3回、バッグを窒素で膨張させ、その後、収縮させ、その後、密閉した。試料を撹拌しながら、約3.4mW/cmのUVA光を照射した。合計で約6時間照射した後、反応混合物を、エチルアセタート約3mLに溶解された4−ヒドロキシ−TEMPO 約15mgで阻害した。中間共重合体溶液を、ジブチルチンジラウラート0.0496g、エチルアセタート250mL及び2−イソシアナトエチルメタクリラート0.5281gと混合して、得られた混合物を約40℃で約4時間加熱した。エチルアセタートを、ロータリーエバポレーションにより共重合体から除去して、1−プロパノールと交換した。共重合体の濃度約51%に至るまで、溶媒を共重合体溶液から除去した。試料をNaClディスク上に塗り、その後、FT−IR分析前の約2分間、窒素気流下でフィルムを乾燥させることにより、共重合体溶液のフィルムを製造した。FT−IR分析で、3421、2959、1724、1642、1498、1457、1414、1400、1357、1260、1196、1136、1094、1057、844、802、及び757cm-1付近にピークが示された。分子量を、GPCにより特徴づけた。重量平均分子量(M)=108975及び数平均分子量(M)=22290を有するメインピークが、観察された。重量平均分子量(M)=約743879及び数平均分子量(M)=約693761を有するより高分子量の物質も、観察された。
実施例31
実施例30の共重合体溶液5.8794gをDarocur1173 0.0371g及び1−プロパノール0.1625gと混合することにより、レンズ配合剤を調製した。
プラスチック型にレンズ配合剤を充填し、約4mW/cmのUVB光をプラスチック型に約20秒間照射することにより、コンタクトレンズを製造した。レンズをイソプロパノールで約30分間以上抽出した。レンズを脱イオン水で30分間以上抽出し、PBSを含むガラス管に入れて滅菌した。レンズにわずかな曇りがあることに注目した。
実施例32
実施例21の共重合体溶液(62.5133g)を、400mLプラスチックビーカ内で、DMA(6.3334g)、MMA(1.2563g)及びエチルアセタート(50mL)と混和した。ビーカをポリエチレンプラスチックバッグに入れ、合計で3回、バッグを窒素で膨張させ、その後、収縮させ、その後、密閉した。試料を撹拌しながら、約3.3mW/cmのUVA光を照射した。合計で約6時間照射した後、反応混合物を、4−ヒドロキシ−TEMPO約16mgで阻害した。中間共重合体溶液を、ジブチルチンジラウラート0.0352g及び2−イソシアナトエチルメタクリラート0.5152gと混合して、得られた混合物を約40℃で約4時間加熱した。エチルアセタートを、ロータリーエバポレーションにより共重合体から除去して、1−プロパノールと交換した。共重合体溶液を、最終重量約32.76gまで濃縮した。重量測定分析により、共重合体溶液の固形分が、約51.3%であると測定された。数滴の共重合体をNaClディスク上に伸ばして、得られたフィルムを、FT−IR分析前に約2分間、窒素気流下で乾燥させた。FT−IR分析で、3421、2959、1724、1642、1498、1458、1412、1400、1357、1260、1195、1137、1093、1058、844、802、及び757cm-1付近にピークが示された。ロータリーエバポレーションで用いられたフラスコを、エタノール約10mLですすぎ、得られた溶液を、GPCによる分子量分析の前に乾燥させた。重量平均分子量(M)=195912及び数平均分子量(M)=26866。
実施例33
実施例32の共重合体溶液(7.8503g)をDarocur1173(0.0797g)及び1−プロパノール(0.2348g)と混合した。プラスチック型にレンズ配合剤を充填し、プラスチック型に約3.5mW/cmのUVA光を約45分間照射することにより、コンタクトレンズを製造した。レンズを型から回収して、イソプロパノールで約30分間以上抽出した。レンズを脱イオン水で30分間以上抽出し、PBSを含むガラス管に入れて滅菌した。透明なレンズが得られ、水により、レンズとの接触角約97°(静的)、101°(前進)及び57°(後退)が形成された。レンズのDkは、ポーラログラフィーでの測定では約40バレルであり、イオン透過性は、約50であると測定された。
実施例34
実施例23の共重合体溶液4.5946gをDMA1.0556g及びDarocur1173 0.0521gと混合することにより、レンズ配合剤を調製した。プラスチック型にレンズ配合剤を充填し、その後、約3.5mW/cmのUVA光を約45分間照射した。レンズをイソプロパノールで約30分間以上抽出した。レンズを脱イオン水で30分間以上抽出し、PBSを含むガラス管に入れて滅菌した。透明なレンズが得られた。水により、レンズとの接触角約90°(前進)及び55°(後退)が形成された。レンズのDkは、ポーラログラフィーでの測定では約40バレルであり、レンズのイオン透過性は、約17であると測定された。引張り検査で、レンズの弾性係数が約1.25MPaであり、そして破断点伸びが約55%であることが示された。

Claims (12)

  1. レンズ形成材料を型内でUV硬化させることにより得られる、シリコーンハイドロゲル材料を含むソフトコンタクトレンズであって、そのレンズ形成材料が、化学線架橋性プレポリマー及び少なくとも1種の第一の親水性ビニルモノマーを含み、
    そのプレポリマーが、プレポリマーの共重合体鎖内に、
    (1)1種以上のシロキサン含有ビニルモノマー及び/又は1種以上のシロキサン含有マクロマーから誘導されたシロキサン単位と;
    (2)1種以上の第の親水性ビニルモノマー及び/又は1種以上の親水性マクロマーから誘導された親水性単位と;
    (3)式(I):
    Figure 0005748224

    で示される基であり、かつ式(II)又は(III):
    Figure 0005748224

    [式中、
    Rは、H、C −C 12 アルキル、C −C 12 アルコキシ、C −C 12 アルキル−NH−又は−NR (ここで、互いに独立したR 及びR は、C −C アルキルである)であり;
    互いに独立したR 及びR は、水素、C −C アルキル、C −C シクロアルキル、もしくはC −C アリールであるか、又はR とR は、一緒になって、−(CH −(ここで、nは、2〜6の整数である)となっており;
    Xは、
    Figure 0005748224

    (ここで、R は、H又はC −C アルキルである)からなる群から選択される連結基であり;
    Yは、二価−NR −又は−O−であり;
    Lは、C −C 12 アルキレン基、C −C 12 置換アルキレン基、C −C 12 シクロアルキレン基、及びC −C 16 アリールアルキレン基からなる群から選択される二価基であり;そして
    は、H又はCH である]で示される1種以上のビニルモノマーから誘導される、潜在的なUV活性化フリーラジカル生成部分を有する鎖延長単位と;
    (4)エチレン性不飽和基と、を含み、
    そのシリコーンハイドロゲル材料が、ダングリング親水性ポリマー鎖を含み、ダングリング親水性ポリマー鎖のそれぞれが少なくとも1種の第一の親水性ビニルモノマーから形成されていて、かつ1個の鎖延長単位の潜在的なUV活性化フリーラジカル生成部分の一部をとおしてシリコーンハイドロゲル材料のポリマーマトリックスに共有結合しており、形成されたソフトコンタクトレンズは、硬化後表面処理を行わなくとも、親水性表面を有している、ソフトコンタクトレンズ
  2. 前記プレポリマーが、エチレン性不飽和基を第一の官能基に共有結合させることにより、第一のペンダント官能基を有する中間共重合体から得られ、前記中間共重合体が、
    (1)エチレン性不飽和基を1個有する少なくとも1種のシロキサン含有モノマー、エチレン性不飽和基を1個有する少なくとも1種のシロキサン含有マクロマー、エチレン性不飽和基を2個以上有する少なくとも1種のシロキサン含有モノマー、エチレン性不飽和基を2個以上有する少なくとも1種のシロキサン含有マクロマー、又はそれらの2種以上の組合わせと;
    (2)1種以上第二の親水性ビニルモノマーと;
    (3)式(II)又は(III)で示される少なくとも1種のビニルモノマーと、
    (4)熱開始剤と、を含む組成物の熱共重合により得られるが、但し、重合性成分の少なくとも1種が、第一の官能基を含むことを条件とする、請求項1記載のソフトコンタクトレンズ
  3. 式(II)又は(III)で示される少なくとも1種の前記ビニルモノマーが、式(IV)、(V)又は(VI):
    Figure 0005748224

    (式中、Rは、H又はCHである)により示される、請求項2記載のソフトコンタクトレンズ
  4. 前記中間共重合体が、1種以上のシロキサン含有モノマー及び/又は1種以上のシロキサン含有マクロマーから誘導されたシロキサン単位を15重量%〜70重量%;1種以上の第二の親水性モノマー及び/又は1種以上の親水性マクロマーから誘導された親水性単位を10重量%〜60重量%;ならびに式(II)又は(III)で示される少なくとも1種のビニルモノマーを1重量%〜15重量%を含む、請求項2又は3記載のソフトコンタクトレンズ
  5. 前記シロキサン含有ビニルモノマー又はマクロマーが、式(VII):
    Figure 0005748224

    [式中、
    は、−COO−、−CONR18−、−OCOO−、又は−OCONR18−(ここで、各R18は、独立して、H又はC−Cアルキルである)を表し;
    11は、二価C−C25アルキレン又はC−C30アリールアルキレン基を表し、−O−、−COO−、−CONR18−、−OCOO−、又は−OCONR18−により中断されていてもよく、そしてヒドロキシ基、第一級、第二級もしくは第三級アミン基、カルボキシ基、又はカルボン酸基を含んでいてもよく;
    12は、一価C−C25アルキル又はC−C30アリール基であり、−O−、−COO−、−CONR14−、−OCOO−、又は−OCONR14−により中断されていてもよく、そしてヒドロキシ基、第一級、第二級もしくは第三級アミン基、カルボキシ基、又はカルボン酸基を含んでいてもよく;
    、R、R、R10、R14、R15、R16、及びR17は、互いに独立して、C−Cアルキル、C−Cアルキル置換もしくはC−Cアルコキシ置換のフェニル、フルオロ(C−C18アルキル)、シアノ(C−C12アルキル)、ヒドロキシ−C−Cアルキル又はアミノ−C−Cアルキルであり;
    m及びpは、互いに独立して、5〜700の整数であり、そして(m+p)は、10〜700である]である、請求項1〜4のいずれか一項記載のソフトコンタクトレンズ
  6. 前記シロキサン含有ビニルモノマーが、3−メタクリルオキシプロピルペンタメチルジシロキサン、ビス(メタクリルオキシプロピル)テトラメチルジシロキサン、N−[トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピル]アクリルアミド、N−[トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピル]メタクリルアミド、トリストリメチルシリルオキシシリルプロピルメタクリラート(TRIS)、N−[トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピル]メタクリルアミド(TSMAA)、N−[トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピル]アクリルアミド(TSAA)、(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)プロピルビス(トリメチルシロキシ)メチルシラン、(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)プロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン、3−メタクリルオキシ−2−(2−ヒドロキシエトキシ)プロピルオキシ)プロピルビス(トリメチルシロキシ)メチルシラン、N−2−メタクリルオキシエチル−O−(メチル−ビス−トリメチルシロキシ−3−プロピル)シリルカルバマート、1,3−ビス[4−ビニルオキシカルボニルオキシ)ブタ−1−イル]テトラメチル−ジシロキサン、3−(トリメチルシリル)プロピルビニルカルボナート、3−(ビニルオキシカルボニルチオ)プロピル−[トリス(トリメチルシロキシ)シラン]、3−[トリス(トリメチルシロキシ)シリル]プロピルビニルカルバマート、3−[トリス(トリメチルシロキシ)シリル]プロピルアリルカルバマート、3−[トリス(トリメチルシロキシ)シリル]プロピルビニルカルボナート、t−ブチルジメチルシロキシエチルビニルカルボナート、トリメチルシリルエチルビニルカルボナート、トリメチルシリルメチルビニルカルボナート、又はそれらの混合物から選択される、請求項1〜5のいずれか一項記載のソフトコンタクトレンズ
  7. 前記1種以上の第二の親水性ビニルモノマーが、N,N−ジメチルアクリルアミド(DMA)、2−ヒドロキシエチルメタクリラート(HEMA)、2−ヒドロキシエチルアクリラート(HEA)、ヒドロキシプロピルアクリラート、ヒドロキシプロピルメタクリラート(HPMA)、トリメチルアンモニウム2−ヒドロキシプロピルメタクリラート塩酸塩、アミノプロピルメタクリラート塩酸塩、ジメチルアミノエチルメタクリラート(DMAEMA)、グリセロールメタクリラート(GMA)、N−ビニル−2−ピロリドン(NVP)、ジメチルアミノエチルメタクリルアミド、アクリルアミド、メタクリルアミド、アリルアルコール、ビニルピリジン、N−(1,1−ジメチル−3−オキソブチル)アクリルアミド、アクリル酸、200〜1500の重量平均分子量を有するC−Cアルコキシポリエチレングリコール(メタ)アクリラート、メタクリル酸、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルイソプロピルアミド、N−ビニル−N−メチルアセトアミド、アリルアルコール、又はN−ビニルカプロラクタムである、請求項1〜6のいずれか一項記載のソフトコンタクトレンズ
  8. 前記組成物が、700ダルトン未満の分子量を有するシリコーン不含有架橋剤、シリコーン含有ビニルモノマー、疎水性ビニルモノマー、及び他の官能基とカップリング反応を受けうる官能基を有する連鎖移動剤からなる群から選択される重合性成分1種以上を更に含む、請求項2記載のソフトコンタクトレンズ
  9. 前記中間共重合体の前記第一の官能基が、アミン、ヒドロキシル、カルボキシル、イソシアナート、又はエポキシ基であり、前記中間共重合体のエチレン性官能化が、カップリング剤の非存在下又は存在下で、前記中間共重合体の前記第一の官能基と共反応性のあるヒドロキシ、アミノ、カルボキシル、エポキシ、酸クロリド、イソシアナート基を有するビニルモノマーを反応させることにより実施される、請求項2記載のソフトコンタクトレンズ
  10. 前記少なくとも1種のの親水性ビニルモノマーが、N,N−ジメチルアクリルアミド(DMA)、2−ヒドロキシエチルメタクリラート(HEMA)、2−ヒドロキシエチルアクリラート(HEA)、ヒドロキシプロピルアクリラート、ヒドロキシプロピルメタクリラート(HPMA)、トリメチルアンモニウム2−ヒドロキシプロピルメタクリラート塩酸塩、アミノプロピルメタクリラート塩酸塩、ジメチルアミノエチルメタクリラート(DMAEMA)、グリセロールメタクリラート(GMA)、N−ビニル−2−ピロリドン(NVP)、ジメチルアミノエチルメタクリルアミド、アクリルアミド、メタクリルアミド、アリルアルコール、ビニルピリジン、N−(1,1−ジメチル−3−オキソブチル)アクリルアミド、アクリル酸、200〜1500の重量平均分子量を有するC−Cアルコキシポリエチレングリコール(メタ)アクリラート、メタクリル酸、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルイソプロピルアミド、N−ビニル−N−メチルアセトアミド、アリルアルコール、又はN−ビニルカプロラクタムである、請求項1〜9のいずれか一項記載のソフトコンタクトレンズ。
  11. 前記レンズ形成材料が、光開始剤、可視性着色剤、UV遮断(吸収)剤、光増感剤、抗菌剤、生物活性剤、浸出性の滑剤、及びそれらの組合せからなる群から選択される成分の少なくとも1つを更に含む、請求項10記載のソフトコンタクトレンズ。
  12. 前記ソフトコンタクトレンズが、少なくとも35バレルの酸素透過度、0.2MPa〜2.0MPaの弾性係数、少なくとも1.5×10−6mm/分のイオノフラックス拡散係数D、及び15重量%〜60重量%の水分量からなる群から選択される特性を少なくとも1つ有する、請求項10又は11記載のソフトコンタクトレンズ。
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