JP5748052B2 - 長尺ノズル内面加工装置 - Google Patents
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Description
容器2は、例えば化学プラント用の反応容器、原子炉の圧力容器や反応炉である。
この溶接時において、信頼性の高い溶接を行うために、溶接部の内側に裏当て金6が用いられる。裏当て金6は、長尺ノズル1の内面を下端ノズル5の内面と同芯に位置決めする芯出し機能も有する。
そのため、従来の中ぐり盤では長尺かつ小径の穴加工は不可能であった。
また、裏当て金6の切削除去の際に発生する切り屑が下方に落ちるため、容器2の内側に装置を設けることができない。
長尺ノズルの上端に固定された駆動部と、
駆動部から前記内面内に吊下げられ、内面加工部より上方に位置決め可能であり、かつ中心軸に対し線対称の第1中空貫通穴を有する支持ヘッドと、
駆動部から第1中空貫通穴を通して下方に延び、支持ヘッドにより回転可能に支持され、駆動部により中心軸に沿って上下動可能であり、かつ中心軸を中心に上端部が回転駆動される中空円筒形の主軸と、
支持ヘッドより下方の主軸下端部に設けられた加工工具を駆動部により半径方向に移動可能な切込調整機構とを備え、
支持ヘッドは、中心軸の軸方向に間隔を隔てた1対の芯だし装置を備え、
各芯だし装置は、周方向に互いに180度ずれた3組のチャック装置を有し、
各チャック装置は、支持ヘッドのヘッド本体内に半径方向に移動可能に案内され、半径方向内端に中心軸に対し一定の勾配を有する第1テーパ面を有するチャックと、
第1テーパ面と摺動する第2テーパ面を有し、ヘッド本体を通して駆動部まで延びるチャック駆動ロッドとを有し、
駆動部は、各チャック駆動ロッドを中心軸の軸方向に独立に駆動するチャック駆動装置を有する、ことを特徴とする長尺ノズル内面加工装置が提供される。
また、支持ヘッドが内面加工部より上方に位置決めされ、主軸が支持ヘッドにより回転可能に支持され、加工工具が支持ヘッドより下方の主軸下端部に設けられるので、加工反力を支持ヘッドで支持して主軸のたわみを抑えることができる。
なお、この例では中空貫通穴の直径は、上端から下端まで一定であるが、本発明はこれに限定されず、部分的にテーパ面があってもよい。
連結部材50はこの例では支持ヘッド20と駆動部10を連結するパイプである。しかし、連結部材50は中実の円筒部材であってもよい。
連結部材50の長さは、主軸下端部32(図3参照)に設けられた加工工具41が、内面加工部7をカバーする範囲で上下動できるように設定される。
内面加工部7は、裏当て金6とその近傍の長尺ノズル1の内面下端部であり、内面の上下方向120〜150mmの範囲である。
さらに、この例において、ツール駆動ロッド44は駆動傾斜歯45の上部に拡径部46を有する。拡径部46は、第2中空貫通穴31の内面で案内され駆動傾斜歯45を上下に円滑に案内するようになっている。
駆動部本体12は、この例では上面が開口し、底板12aと側板12bを有する中空円筒部材である。
なお、長尺ノズル1の上端に傾斜や段差がある場合には、主軸30の軸心が長尺ノズル1の中心軸3と一致するように、底板12aの形状を設定する。
移動部本体14は、この例では上面が開口し、底板14aと側板14bを有する中空円筒部材であり、側板14bの外周面が、駆動部本体12の内面に設けられたすべり軸受13により上下動可能に案内されている。
送り駆動装置16は、この例では、駆動部本体12の外面に固定された送り用モータ16aと、送り用モータ16aで回転駆動され上方に鉛直に延びる送りネジ16bと、送りネジ16bと噛み合い移動部本体14の上部に固定されたナット部材16cとを有する。
送りネジ16bは例えばボールネジであり、ナット部材16cは例えばボールナットである。
送り駆動装置16のストロークは、主軸下端部32(図3参照)に設けられた加工工具41(図3参照)が、内面加工部7をカバーする範囲で上下動できるように設定される。
主軸駆動装置34は、この例では、移動部本体14の内部に固定された回転駆動用モータ34aと、回転駆動用モータ34aで回転駆動され鉛直軸を中心に回転する駆動歯車34bと、駆動歯車34bと噛み合い主軸上端部33に固定された従動歯車34cとを有する。
また、主軸上端部33は、移動部本体14に設けられた軸受35により、主軸30の軸心を中心に回転可能に支持されている。
ツール駆動装置48は、この例では、移動部本体14の内部に固定されたツール駆動用モータ48aと、ツール駆動用モータ48aで回転駆動され上方に鉛直に延びる送りネジ48bと、送りネジ48bとツール駆動ロッド44の上部に固定されたナット部材48cとを有する。
送りネジ48bは例えばボールネジであり、ナット部材48cは例えばボールナットである。
図5において、支持ヘッド20は、中心軸3の軸方向に間隔を隔てた1対の芯だし装置22を備える。図6において、各芯だし装置22は、周方向に互いに180度ずれた3組のチャック装置24からなる。
チャック25は、支持ヘッド20のヘッド本体27内に半径方向に移動可能に案内され、半径方向内端に中心軸に対し一定の勾配を有する第1テーパ面25aを有する。
チャック駆動ロッド26は、ヘッド本体27を通して駆動部10まで延びる。また、チャック駆動ロッド26は、ロッド下端部26aに、第1テーパ面25aと摺動する第2テーパ面26bを有する。
また、1対の芯だし装置22にそれぞれ対応するチャック駆動ロッド26を独立に上下動することにより、長尺ノズル1の内面4がテーパ面であっても内面4に支持ヘッド20を位置決めすることができる。
チャック駆動装置28は、この例では、駆動部本体12の下部に設けられ中心軸3に直交する水平軸を中心に回転駆動されるチャック駆動軸28aと、チャック駆動軸28aの内方端とチャック駆動ロッド26の上端部との間に設けられ、チャック駆動軸28aの回転をチャック駆動ロッド26の上下動に変換するモーション変換器29とを備える。
モーション変換器29は、例えばチャック装置24と同様のテーパ駆動装置、又は歯車、ネジ等で構成することができる。
従って、上述したチャック駆動装置28の構成により、各チャック駆動ロッド26を独立に上下動させて、下端ノズル5の内面に合わせて支持ヘッド20を同芯に位置決めできる。
内面計測センサ52として、例えばレーザ距離計を用いることができる。この計測の際に、内面計測センサ52と外部とのデータ通信は、容器2の内部からの有線接続又は無線で行うことができる。
なお、内面計測センサ52はこの計測後に主軸下端部32から取り外すのが好ましいが、取り付けたままであってもよい。
また、支持ヘッド20が内面加工部7(図2参照)より上方に位置決めされ、主軸30が支持ヘッド20により回転可能に支持され、加工工具41が支持ヘッド20より下方の主軸下端部32に設けられるので、加工時の加工反力を支持ヘッド20で支持して主軸30のたわみを抑えることができる。
また、内面加工部7より下方に構成部材がないので、切り屑の影響を受けるおそれがない。
5 下端ノズル、6 裏当て金、7 内面加工部、
10 駆動部、12 駆動部本体、12a 底板、12b 側板、
13 すべり軸受、14 移動部本体、14a 底板、14b 側板、
16 送り駆動装置、16a 送り用モータ、
16b 送りネジ、16c ナット部材、
20 支持ヘッド、21 第1中空貫通穴、21a すべり軸受、
22 芯だし装置、24 チャック装置、
25 チャック、25a 第1テーパ面、
26 チャック駆動ロッド、26a ロッド下端部、
26b 第2テーパ面、27 ヘッド本体、
28 チャック駆動装置、28a チャック駆動軸、
29 モーション変換器、30 主軸、
31 第2中空貫通穴、32 主軸下端部、
33 主軸上端部、34 主軸駆動装置、
40 切込調整機構、41 加工工具、
42 ツール台、43 従動傾斜歯、
44 ツール駆動ロッド、45 駆動傾斜歯、
46 拡径部、48 ツール駆動装置、
48a ツール駆動用モータ、48b 送りネジ、
48c ナット部材、50 連結部材、52 内面計測センサ、
100 長尺ノズル内面加工装置
Claims (5)
- 中心軸に対し線対称の内面を有し、中心軸が鉛直に保持された長尺ノズルの内面加工部を切削加工する長尺ノズル内面加工装置であって、
長尺ノズルの上端に固定された駆動部と、
駆動部から前記内面内に吊下げられ、内面加工部より上方に位置決め可能であり、かつ中心軸に対し線対称の第1中空貫通穴を有する支持ヘッドと、
駆動部から第1中空貫通穴を通して下方に延び、支持ヘッドにより回転可能に支持され、駆動部により中心軸に沿って上下動可能であり、かつ中心軸を中心に上端部が回転駆動される中空円筒形の主軸と、
支持ヘッドより下方の主軸下端部に設けられた加工工具を駆動部により半径方向に移動可能な切込調整機構とを備え、
支持ヘッドは、中心軸の軸方向に間隔を隔てた1対の芯だし装置を備え、
各芯だし装置は、周方向に互いに180度ずれた3組のチャック装置を有し、
各チャック装置は、支持ヘッドのヘッド本体内に半径方向に移動可能に案内され、半径方向内端に中心軸に対し一定の勾配を有する第1テーパ面を有するチャックと、
第1テーパ面と摺動する第2テーパ面を有し、ヘッド本体を通して駆動部まで延びるチャック駆動ロッドとを有し、
駆動部は、各チャック駆動ロッドを中心軸の軸方向に独立に駆動するチャック駆動装置を有する、ことを特徴とする長尺ノズル内面加工装置。 - 主軸は、中心軸に対し線対称の第2中空貫通穴を有しており、
切込調整機構は、加工工具を半径方向外端部に有し、主軸下端部内に半径方向に移動可能に案内され、中心軸に対し傾斜した従動傾斜歯を有するツール台と、
従動傾斜歯と噛合する駆動傾斜歯を有し、第2中空貫通穴を通して駆動部まで延びるツール駆動ロッドとを有する、ことを特徴とする請求項1に記載の長尺ノズル内面加工装置。 - 駆動部は、長尺ノズルの上端に固定された駆動部本体と、
駆動部本体に案内され中心軸に沿って上下動可能な移動部本体と、
移動部本体を駆動部本体に対し上下動する送り駆動装置とを備える、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の長尺ノズル内面加工装置。 - 移動部本体は、
主軸上端部を中心軸を中心に回転駆動する主軸駆動装置と、
ツール駆動ロッドを中心軸の軸方向に駆動するツール駆動装置とを有する、ことを特徴とする請求項3に記載の長尺ノズル内面加工装置。 - 支持ヘッドは、第1中空貫通穴の内面に、主軸を回転可能に支持するすべり軸受を有する、ことを特徴とする請求項1に記載の長尺ノズル内面加工装置。
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