JP5746729B2 - 建築物用防水シート装置 - Google Patents
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Description
ところでこの場合、防水シートの左右両端縁と開口部の左右両端縁とのあいだを防水構造にする必要があり、そこでこのものは、開口部である通路の側壁の屋外側面に補助支柱を防水状に立設し、該補助支柱の屋外側面に形成の凹溝に弾性があるシール材を埋設したものとし、そして開口部の床下に収納される防水シートを上方に引き出して補助支柱の屋外側面に当てがった状態で、防水シートの屋外側面から押さえ支柱を当てがい、係止部材で押さえ支柱を補助支柱に対して押圧状に固定することにより、防水シートを、弾性変形したシール材と共に変形させて補助支柱と押さえ支柱とのあいだに挟み込むことで水密状に封止するようにしていた。
請求項2の発明は、前記シール材は、開口部縦枠、押さえ柱、防水シートの何れかに少なくとも一つが設けられていることを特徴とする請求項1記載の建築物用防水シート装置である。
請求項3の発明は、長さ調整部材はターンバックルであることを特徴とする請求項1又は2記載の建築物用防水シート装置である。
請求項4の発明は、係止部材は、防水シートの左右両端縁を係止部材に当接または近接対向させることで展張姿勢の位置決めをするための位置決め部材となっていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1記載の建築物用防水シート装置である。
請求項5の発明は、シール材を押圧変形せしめるよう押さえ柱を組み付けるための押圧係止金具が押さえ柱と開口部縦枠との左右方向外側面に設けられていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1記載の建築物用防水シート装置である。
請求項6の発明は、押さえ柱の上端部は、開口部縦枠とのあいだに隙間を存するよう切欠き部が形成され、該切欠き部の下部に前記支持部材の左右端部が配され、切欠き部の上部には、支持部材側に設けられた補助部材が開口部縦枠の屋外側面と近接対向または当接するように配されていて、係止部材が左右外方に拡開する方向の負荷を受けたとき補助部材が開口部縦枠の屋外側面を押圧して該負荷を開口部縦枠で受けるように構成されていることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1記載の建築物用防水シート装置である。
請求項7の発明は、補助部材は、係止部材を介して支持部材に設けられていることを特徴とする請求項6記載の建築物用防水シート装置である。
請求項8の発明は、左右の開口部縦枠の中間には補強縦柱が着脱自在に立設され、該補強縦柱と左右開口部縦枠とは補強横柱を介して連結補強されるものであり、開口部縦枠の左右方向内側面には補強横柱の左右方向外端に設けた係合突起が嵌入する嵌入孔が形成された孔形成部材が組み込まれ、補強縦柱の左右両側面には、補強横柱の左右方向内端に設けた係止フックを上側から係止できるフック受けが形成されていることを特徴とする請求項1乃至7の何れか1記載の建築物用防水シート装置である。
請求項9の発明は、開口部縦枠は中空状であり、開口部縦枠内には、シール材を内嵌するために形成される凹溝の溝底面と孔形成部材の孔底面と開口部縦枠内面とに固着される補強部材が設けられていることを特徴とする請求項8記載の建築物用防水シート装置である。
請求項2の発明とすることにより、シール材は開口部縦枠、押さえ柱、防水シートの何れに設けても良いことになって、防水シート装置が設置される状況に応じてシール材の取り付け箇所を選択することが出来ることになり、設計の自由度の高い防水シート装置とすることが出来る。
請求項3の発明とすることにより、支持部材の長さ調整部材を、ターンバックルを用いて簡単に構成することが出来る。
請求項4の発明とすることにより、係止部材は、さらに防水シートを展張姿勢に位置させるための位置決め部材としても機能するため、部材の兼用化を図ることが出来る。
請求項5の発明とすることにより、押さえ柱を縦枠に押圧状に係止するための金具が、従来のように補助支柱の上面でなく、縦枠左右外側面に設けられることになって、外観を損ねることがないだけでなく、引っかかったりして通行の妨げになることもない。
請求項6の発明とすることにより、防水シートが水圧を受けることにより支持部材が屋内側に撓む方向の負荷を受けることに伴い係止部材が左右外方に拡開して係止受け部から外れようとしたときに、支持部材側に設けた補助部材が躯体側縦枠の屋外側面を押圧することになって前記拡開規制をすることになり、この結果、係止部材の抜け止め補強ができることになってより高い防水機能を発揮できることになる。
請求項7の発明とすることにより、係止部材が補助部材を支持部材に設けるための取付け部材に兼用化されることになる。
請求項8の発明とすることにより、中間に補強縦柱を設け、該補強縦柱と縦枠とを補強横柱で連結して補強するものでありながら、該補強横柱と縦枠との連結は、補強横柱に設けた係合突起と縦枠に形成した嵌入孔との嵌合でなされることになって、縦枠には嵌入孔が形成されることになり、従って縦枠に左右方向内側に突出する係止フックを設ける必要がなくなって縦枠の外観を損ねてしまうことがない。
請求項9の発明とすることにより、シール材が内嵌される凹溝の溝底面と孔形成部材の孔底面との補強を1つの補強部材によって行うことが出来て、補強部材の兼用化が図れる。
図中、1は建築物の開口部であって、該開口部1は、共に躯体に一体に固定される左右両側の縦枠2、2、上枠3、下枠4で枠組み構成されている。
そして、該開口部1の屋外側の床面Gには、本発明の建築用防水シート装置Aが収納される箱状の床下収納箱(床下収納部)5が、開口端面(上端面)5aを床面Gと略同一高さとなるようにして埋設されている。この開口端面5aより低い部分には開口端面5aに沿って段差状となった段差面5bが形成されていて、該段差面5bに蓋6が嵌り込むことによって防水シート装置Aの不使用時には床下収納箱5が床面Gと同一高さに覆蓋されるようになっており、これによって通常時には該防水シート装置Aの上を通行人が支障なく通行できるようになっている。
尚、接着剤Cは、さらに前記シール材8にも封止状に接着固定されている。
因みに蓋6は、立設孔5j部分が屋内側に突出した構造になっており、これによって立設孔5jは防水シート11の不使用時には蓋6によって覆蓋されるようになっている。
また、床下収納箱5の底面には、該床下収納箱5に浸入した水を排出するための排出路17が形成されている。
尚、7は、板状部材を折曲して階段状に4面を形成してなる補強部材であるが、該補強部材7は、屋内側端面7aが縦枠2の左右方向内側面の内面に溶着等により固定され、屋外側端面7bが凹溝2dの溝底面の溝底面2eに同じく固定されており、これによって凹溝2dの変形防止がなされている。また、このように両端面7a、7bが縦枠2に固定されることで孔形成部材2bの孔底面2gが屋外側端面7bの隣に形成される面部7cに当接するようになっており、これによって孔形成部材2bの孔底面2gは面部7cによって補強支持されるようになっている。
また、嵌入孔2hの開口端2fは、防水シート装置Aの不使用時には適宜の蓋体により塞いでおくことで、嵌入孔2bから縦枠2内への雨水やゴミ等の侵入を防止することが出来るようになっている。
尚、ロック棒19aのロック解除はロック部材19に設けた解除ボタン19bを押し操作することでできるようになっているが、このロック部材19は汎用技術を採用したものであって、その詳細については省略する。
因みに本実施の形態では、補強縦枠12については1本、補強横柱13については左右2本の構成としたが、これに限定されるものでなく、必要において増減できることは言うまでもない。
防水シート11の上端縁11cには、防水シート装置Aの組み立て作業者が支持部材18を直接把持して防水シート11を引き上げることができるよう切欠き部11e、11f、11gが適宜間隔を存して複数形成されるが、本実施の形態においては、左右縦枠2側に偏寄した第一、第三の切欠き部11e、11gと補強縦柱12対応部位の第二の切欠き部11fとの3箇所になっている。
尚、本実施の形態では、防水シート11の上端左右両コーナー部にも第四の切欠き部11hが形成されている。
尚、補強縦柱12の天面板12cは、屋外側に延設され、延出先端12fが上方に向けて折曲されていて支持部材18を下側および屋外側から受け止め支持できるようになっている。
因みに、係止プレート18aは、基端部が支持部材18に移動自在に外嵌取り付けされている。
そして支持部材18を、左右の係止部材18b、18bが左右の支持プレート20、20とのあいだに隙間Uを存して遊嵌状に外嵌する長さとなるようターンバックル18dにより長さ調整をし(既にこのような長さ調整がなされている場合にはこの長さ調整は不要となる。)、しかる後、図14(A)、(B)に示すように、左右係止部材18b、18bを屋内方向に移動させて係止溝18cを係止受け部20aに外嵌する。そして係止受け部20aを係止溝18cの溝奥部まで移動せしめることで左右係止部材18bが縦枠2側とのあいだに隙間Uを存した遊嵌状の保持ができるようになっている。尚、係止受け部20aは、左右方向外端面が係止溝18cの溝幅よりも大径となっており、これによって係止部材18bが縦枠2の左右方向外方へ抜け出ないようになっている。
そしてこの挟持状の取付け保持状態になったら、図14(D)に示すように、防水シート11の左右両端部をそれぞれ左右方向外方に引張って第四切欠き部11hの左右外端縁を係止部材18bに当接させるか近接対向させることで防水シート11の展張姿勢の位置決めができるようになっている。
因みに、防水シート11の第四切欠き部11hは、下縁がアジャストレバー14fの下側に位置する設定となっており、また押さえ柱14に形成される突条14cはアジャストレバー14fよりも上側位置までシール材8の押圧変形をするように設定されている。
尚、本実施の形態では、押さえ柱14を縦枠2に固定した状態ではアジャストレバー14fの屋外側端部が押さえ柱14の屋外側面よりも突出しているが、固定した状態で屋外側端部が押さえ柱14の屋外側面よりも突出しないようアジャストレバー14f若しくは押さえ柱14を調整して実施しても良いことは勿論であり、このようにした場合には突出部位に何かが引っかかってアジャストレバー14fが不用意に外れてしまうことを回避できるという利点がある。
従って、部品点数の削減を図ることが出来る。また、開口部縦枠2の屋外側面2aに補助支柱を設けることによって外観が損なわれてしまうこともないうえ、補助支柱が該開口部を出入りする通行人の通行の妨げになることもない。
さらに、補助支柱を設けないことによって、補助支柱設置分だけ床下収納部を躯体に近づけた状態で設置できるため、省スペース化も図ることが出来る。
さらにまた、押さえ柱14の引き寄せ金具14dは、縦枠左右外側面に設けられることになって、天板面に設けられたもののように外観を損ねることがないだけでなく、通行人に引っかかったりする惧れもない。
その上、張設した防水シート11が水圧を受けることによって、支持部材18が屋内側に撓む方向の負荷を受けることになり、これによって係止部材18bの屋内側端が左右外方に拡開して係止受け部から外れようとしたときに、補助部材18eが躯体側縦枠2の屋外側面2aを屋内側に押圧することになって係止部材18bの左右方向への拡開を規制することになり、この結果、係止部材18bの縦枠2からの抜け止め補強ができることになってより高い防水機能を発揮できることになる。
さらにまた、補強横柱13と縦枠2との連結は、補強横柱13に設けた係合突起13aを縦枠2に形成した孔形成部材2bの嵌入孔2hに嵌合することでなされるため、縦枠2に左右方向内側に突出する受け金具を設ける必要がなくなり、縦枠の外観を損ねてしまうことがないばかりでなく、縦枠から受け金具が突出することによって通行が妨げられることもない。
2 縦枠
2a 縦枠屋外側面
8 シール材
11 防水シート
11a 上端縁
14 押さえ柱
A 建築用防水シート装置
Claims (9)
- 建築物躯体に形成される開口部の屋外側に設置される床下収納部と、
該床下収納部に引き上げ可能な状態で収容され、下端縁が水密状に封止され、前記引き上げた状態では左右両側部が躯体側部材に対して屋外側で対向する防水シートと、
前記引き上げられた防水シートの左右両側部に沿うようそれぞれ設けられる左右のシール材と、
前記防水シート及びシール材を屋内外方向に挟む状態で躯体側部材に対して屋外側で対向するよう着脱自在に立設される押さえ柱とを備え、
前記押さえ柱の立設に伴うシール材の押圧変形により防水シート左右両側部と躯体側部材とのあいだを水密状に封止するように構成した建築物用防水シート装置において、
前記躯体側部材は、開口部の左右両側部を構成している開口部縦枠であり、
防水シートは、上端縁が横長状の支持部材により展張状に支持されるものであり、
該支持部材の左右両端縁には屋内側に向けて突出する係止部材が設けられ、該係止部材を屋内側に向けて移動させることで、係止部材が開口部縦枠の左右方向外側面に設けた係止受け部に係脱自在に係止することになって左右係止部材の開口部縦枠側への保持ができるものであり、
前記支持部材には、左右係止部材が開口部縦枠の左右方向外側面から離間していて支持部材を係止部材に遊嵌できる状態と、当接していて支持部材が開口部縦枠を挟持する状態とのあいだの長さ調整をするための長さ調整部材が設けられていることを特徴とする建築物用防水シート装置。 - 前記シール材は、開口部縦枠、押さえ柱、防水シートの何れかに少なくとも一つが設けられていることを特徴とする請求項1記載の建築物用防水シート装置。
- 長さ調整部材はターンバックルであることを特徴とする請求項1又は2記載の建築物用防水シート装置。
- 係止部材は、防水シートの左右両端縁を係止部材に当接または近接対向させることで展張姿勢の位置決めをするための位置決め部材となっていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1記載の建築物用防水シート装置。
- シール材を押圧変形せしめるよう押さえ柱を組み付けるための押圧係止金具が押さえ柱と開口部縦枠との左右方向外側面に設けられていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1記載の建築物用防水シート装置。
- 押さえ柱の上端部は、開口部縦枠とのあいだに隙間を存するよう切欠き部が形成され、該切欠き部の下部に前記支持部材の左右端部が配され、切欠き部の上部には、支持部材側に設けられた補助部材が開口部縦枠の屋外側面と近接対向または当接するように配されていて、係止部材が左右外方に拡開する方向の負荷を受けたとき補助部材が開口部縦枠の屋外側面を押圧して該負荷を開口部縦枠で受けるように構成されていることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1記載の建築物用防水シート装置。
- 補助部材は、係止部材を介して支持部材に設けられていることを特徴とする請求項6記載の建築物用防水シート装置。
- 左右の開口部縦枠の中間には補強縦柱が着脱自在に立設され、該補強縦柱と左右開口部縦枠とは補強横柱を介して連結補強されるものであり、開口部縦枠の左右方向内側面には補強横柱の左右方向外端に設けた係合突起が嵌入する嵌入孔が形成された孔形成部材が組み込まれ、補強縦柱の左右両側面には、補強横柱の左右方向内端に設けた係止フックを上側から係止できるフック受けが形成されていることを特徴とする請求項1乃至7の何れか1記載の建築物用防水シート装置。
- 開口部縦枠は中空状であり、開口部縦枠内には、シール材を内嵌するために形成される凹溝の溝底面と孔形成部材の孔底面と開口部縦枠内面とに固着される補強部材が設けられていることを特徴とする請求項8記載の建築物用防水シート装置。
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