以下、添付図面を参照し、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、以下説明する実施形態は、本発明を具体的に実施した場合の一例を示すもので、特許請求の範囲に記載の構成の具体的な実施例の1つである。
(実施形態1)
実施形態1では、本発明の文書作成装置をアルバム作成装置に適用する。本実施形態のサーバ装置やクライアント装置を構成するコンピュータ装置の構成について、図1のブロック図を参照して説明する。サーバ装置やクライアント装置はそれぞれ単一のコンピュータ装置で実現してもよいし、必要に応じた複数のコンピュータ装置に各機能を分散して実現するようにしてもよい。複数のコンピュータ装置で構成される場合は、互いに通信可能なようにLocal Area Network(LAN)などで接続されている。
図1において、100は、本実施形態のアルバム作成装置に適用するコンピュータ装置である。101はコンピュータ装置100全体を制御するCPUである。以降フローチャート等を用いて説明する各処理はCPU101によって制御される。
102は変更を必要としないプログラムやパラメータを格納するROMである。本発明のアルバム作成装置の制御プログラムもここに格納される。103は外部装置などから供給されるプログラムやデータを一時記憶するRAMである。
104はコンピュータ装置100に固定して設置されたハードディスクやメモリカード、あるいはコンピュータ装置100から着脱可能なフレキシブルディスク(FD)やCompact Disk(CD)等の光ディスク、磁気や光カード、ICカード、メモリカードなどを含む外部記憶装置である。
105はユーザの操作を受け、データを入力するポインティングデバイスやキーボードなどの入力デバイス109とのインターフェイスである。106はコンピュータ装置100の保持するデータや供給されたデータを表示するためのモニタ110とのインターフェイスである。107はインターネットなどのネットワーク回線111やスキャナ112やプリンタ113に接続するための通信インターフェイスである。108は101〜107の各ユニットを通信可能に接続するシステムバスである。
次に、本実施形態のアルバム作成装置の構成について図2を用いて説明する。図2はアルバム作成装置の機能構成を例示するブロック図である。
アルバム情報管理部201は、アルバムの設定情報を管理する。本実施形態では、アルバムは、複数のページからなる、本状に開くことができるものをアルバムと呼ぶ。アルバムの設定情報は、具体的にはアルバムのページサイズとページ数と印刷解像度などがある。例えば、1ページのページサイズとして縦幅297mm横幅210mm、ページ数20ページ、印刷解像度600dpiなどと記憶される。
加えて、アルバムの設定情報として、アルバムのテーマや紙の背景色などの装飾などの情報を保管してもよい。
コンテンツ管理部202は、アルバムに利用するコンテンツを保管する。コンテンツは種別とデータと使用フラグとメタデータとからなる。コンテンツの種別は、コンテンツの種類を示す情報であり、「写真」「紙アイテム」などである。データは、写真の画像データや紙アイテムの画像データである。そして、メタデータとして画像データの縦横のピクセルサイズも保管する。加えて、紙アイテムの縦幅・横幅といった原寸も保管する。例えば、紙アイテムの縦幅と横幅は、縦幅50mm縦幅100mmと記憶される。
また、使用フラグは、アルバム作成に使用するコンテンツであるか否かを示す。使用フラグがONであれば、アルバムの作成に使用する。一方で、OFFであれば使用しない。
さらに、写真の撮影日時,紙アイテムの取得日時,タイトル,コメントなどの他のメタデータを保管しても構わない。また、本実施形態では、コンテンツのグループ分けもメタデータとして記憶されている。本実施形態のコンテンツのグループは、関連のあるコンテンツ同士のまとまりである。例えば、旅行でお城などを訪れたときは、そのお城で撮影した写真やお城で取得した紙アイテムなどが一つのグループとされている。
さらに、コンテンツの種別に「テキスト」などを含んでもよく、本発明において、コンテンツは写真と紙アイテムのみに限定されるものではない。
本実施形態において、これらコンテンツの情報は、外部記憶装置104に記憶される。あるいは、ネットワーク回線111を介して接続された他のコンピュータ装置において記憶し、通信インターフェイス107を介して取得するようにしてもよい。
紙画像データ生成部203は、紙アイテムの画像データを生成する。具体的には、スキャナ112によって紙アイテムのイメージを取得する。そして、作成した紙画像データは、コンテンツ管理部202にて保管する。なお、本発明における紙アイテムは紙だけでなく、プラスチックなど、アルバムに貼付可能な形状であれば、紙に限定されるものではない。
原寸取得部204は、紙画像データ生成部203によって取得された紙画像データおよびスキャナ112から得られるスキャン情報から紙アイテムの原寸を取得する。具体的には、スキャナの読取解像度を取得し、スキャンされた画像データの縦幅および横幅のピクセルサイズを取得する。そして、ピクセルサイズを読取解像度で割ることによって得る。
例えば、読取解像度が600dpiの場合、縦幅のピクセルサイズが2362pixelであった場合、1インチ=25.4mmであることから、小数点以下を四捨五入して、縦幅100mmと求める。あるいは、スキャン情報として用紙サイズが取得できた場合は、それら情報を利用するようにしてもよい。あるいは、原寸サイズを入力する画面をモニタ110に表示し、キーボードなどの入力デバイス109によって入力するようにしてもよい。取得した紙アイテムの原寸はコンテンツ管理部202において保管する。
アルバム作成制御部208は、アルバムの設定情報と使用コンテンツとを得て、コンテンツを配置したアルバムの全ページのレイアウトデータを作成する。
具体的には、アルバム情報管理部201からページ数を得る。そして、コンテンツ管理部から使用コンテンツリストを取得する。これら設定情報に合う見開きページ1つに配置するコンテンツを決定する。なお、見開きページとはアルバムを開いたときの2ページのつながりをいう。そして自動レイアウト部205によってコンテンツを配置した見開きページのレイアウトデータを得る。レイアウトデータは、コンテンツの位置とサイズとコンテンツの描画指示とよりなる情報である。詳細なアルバム作成処理は後述する図4のフローチャートとともに説明する。
自動レイアウト部205は、アルバムの見開きページに対してコンテンツをレイアウトした、レイアウトデータを作成する。具体的には、アルバム情報管理部201からページサイズや印刷解像度などのアルバム設定情報を得る。そして、アルバム作成制御部208から見開きページ1つに配置するコンテンツを得て、そのコンテンツのデータをコンテンツ管理部202から得る。そして、これらコンテンツを見開きページに配置するレイアウトを行う。
本実施形態におけるコンテンツの位置とサイズを決定するレイアウトは、後述のレイアウトエンジン部207によってテンプレートに基づいて行われる。テンプレートは、コンテンツを配置するための複数のコンテナ(部分領域)と、コンテナのサイズおよび配置を決定する制約条件とからなる。詳細なテンプレートの説明は後述する。また、これらテンプレートは後述のテンプレート管理部206において保管されている。
本実施形態における自動レイアウト部205は、テンプレート管理部206とレイアウトエンジン部207とを持つ。それぞれの構成要素について順に説明する。
テンプレート管理部206は、本実施形態におけるアルバムの見開きページのレイアウトに用いるテンプレートを保管する。テンプレートは外部記憶装置104で記憶する。あるいは、ネットワーク回線111を介して接続された他のコンピュータ装置において記憶し、通信インターフェイス107を介して取得するようにしてもよい。
レイアウトエンジン部207は、テンプレートに基づいて自動レイアウトを行う。テンプレートは、コンテンツを配置するための複数のコンテナ(部分領域)と、それらのサイズおよび配置を決定する制約条件とからなる。
制約条件は例えば、コンテナのサイズであれば、最大サイズや最小サイズや推奨サイズあるいは固定サイズなどを指定する。加えて、コンテナ同士あるいはコンテナとページ縁などとの距離の制約条件であれば、それらの距離の最大距離や最小距離や推奨距離あるいは固定距離などを指定する。さらに、コンテナの位置の制約条件であれば、コンテナのある辺・頂点・中心点などの絶対位置などで固定することがある。また、コンテナの位置と他のコンテナ等との位置の相対的な位置関係を示すこともある。これら制約条件は全て用いられる必要はなく、その一部のみを利用してもよい。
これらテンプレートを用いた自動レイアウト方法として、特登録4065545がある。この自動レイアウト方法は、コンテンツを配置するための複数の部分領域を含むテンプレートと、各部分領域に配置されるコンテンツと制約条件とに基づいてレイアウトする。
本実施形態におけるテンプレートの一例を図3(a)を用いて説明する。図3(a)はテンプレートの概念図である。300aはテンプレートの全体領域である。例えば、全体領域はアルバムの見開きページに対応する。全体領域300aは、部分領域であるコンテナ301a,302a,303aを含む。コンテナには、対応付けられたコンテンツが描画される。その描画サイズや位置はレイアウトエンジン部207によって決定される。
なお、本実施形態においてテンプレートやレイアウトデータなどの座標を論じるときは、左上座標を原点とし、右向きにX軸・下向きにY軸をとるものとする。また、座標や距離の単位は統一されていればよく、例えば、ミリメートルやインチやピクセルなどである。単位の変換は、ミリメートルとインチであれば1インチ=25.4mmとして変換する。インチとピクセルであれば、アルバムの印刷解像度Dを用いて、1インチ=Dピクセルとして変換する。
また、コンテナ内のコンテンツの描画は、コンテナに合わせてコンテンツの画像データをストレッチした描画や、画像データの中心を合わせコンテナからはみ出る部分を切り取った描画や、コンテナ内でトリミングを行った描画などがある。
304aと305aと3011aと3021aと3031a等に示す矢印はコンテナの辺や後述のガイドや全体領域の縁との距離の制約条件を示す。304aは実線の矢印を持つ。これは304aに示す距離が固定されていることを示す。そのため、304aは固定の距離を持つ。ゆえに、レイアウト結果においても304aの距離は保たれることになる。
一方で、305aは破線の矢印を持つ。これは305aの距離の制約条件が可変である(固定されていない)ことを示す。これらは最大距離・最小距離・推奨距離などを持つ。これらの距離は、コンテンツや他の制約条件との関係から距離が決定される。
ガイド306aは、コンテナおよび他のガイドの位置決めを補助するためにページの幅や高さ一杯にわたって示される線である。ガイドには固定ガイドと非固定ガイドがある。固定ガイドは位置座標が固定されている。そのため、レイアウトによってこれが動くことはない。
一方で、非固定ガイドは位置座標が固定されない。そのため、周囲の制約条件との兼ね合いから、その位置は変化する。なお、ガイドは線のためX座標かY座標のいずれか1つの値によって位置座標が示される。本実施形態において、固定ガイドは実線で示し、非固定ガイドは破線で示す。306aは固定ガイドである。特に、306aはアルバムの見開きページの境界(アルバムを閉じたときに折り曲がる部分)にあたる位置に固定されている。そのため、306aによって、各コンテナがページの境界からの距離の制約条件を設定することができている。なお、ガイドはデザインを補助する手段であるため、このテンプレートより作成される文書のイメージには表示されない。
コンテナ301aはコンテナ内に実線の矢印3011aを持つ。これはコンテナの辺同士の距離が固定されていることを示す。つまり、コンテナ301aのサイズは、3011aで示すサイズに固定されることを意味する。ゆえに、301aに対応付けられるコンテンツは、そのサイズが301aの固定のサイズになる。なお、本実施形態では、コンテナ内の距離の制約条件で示されるサイズを持って、コンテナのサイズと呼ぶことにする。
一方で、コンテナ302aと303aは、それぞれコンテナ内に破線の矢印3021aと3031aを持つ。これはコンテナの辺同士の距離が可変であることを示す。つまり、コンテナ302aと303aのサイズは、可変であることを示す。ゆえに、これらコンテナに対応付けられるコンテンツのサイズは可変となり、コンテンツやその他の制約条件との関係からサイズが決定される。
テンプレートと、そのコンテナとコンテンツの対応付けとをレイアウトエンジンに与えることによって、コンテンツのサイズと配置が決定する。例えば、図3bに示すコンテンツを、図3aに示すテンプレートにレイアウトする例を説明する。図3bの301bと302bと303bはテンプレート300aに対応付ける3枚の写真である。これを順にテンプレートのコンテナ301a,302a,303aに対応付け、レイアウトエンジン部207においてレイアウトした結果を図3cに示す。
301cでは、コンテナ301aのサイズが固定されていたことから、大きさが変化していない。一方で、303cでは、コンテンツ303bの形状がコンテナ303aに比べて縦長であったことから、コンテンツにあわせて横幅が小さくなり、一方で縦幅が大きくなっている。同様に、302cでも、コンテンツ302bに合わせてコンテナ302aが大きくなっている。このように、レイアウトエンジン部207は、各制約条件を満たしつつ、コンテンツのサイズとコンテナのサイズとの差が小さくなるようにレイアウトを行う。
アルバム出力部209は、レイアウトデータに基づいてアルバムおよびそのページを出力する。具体的には、アルバム作成制御部208から全ての見開きページのレイアウトデータを得る。コンテンツ管理部202からコンテンツの画像データを得て、レイアウトデータに基づいて印刷解像度に合わせてレンダリングする。
そして、これを印刷形式に合わせてプリンタ113に送り印刷する。例えば、ページサイズの用紙で1ページずつ印刷する場合は、1ページに分割して印刷をする。あるいは、外部記憶装置104にPDF(Portable Document Format)などで記憶する。あるいは、モニタ110に出力して表示してもよい。
次に、アルバムが作成されるまでの処理の全体を示すアルバム作成処理について、図4のフローチャートを用いて説明する。
S401は、アルバムの外装を決定する。具体的には、アルバムのページサイズ,ページ数,印刷解像度などのアルバムの設定情報を決定する。加えて、アルバム全体に共通する装飾(紙の背景色など)を合わせて決定してもよい。例えば、これらアルバムの設定情報は、モニタ110に設定画面を表示し、キーボードやマウス等の入力デバイス109によってユーザに入力させることによって得てもよい。これらアルバムの設定情報はアルバム情報管理部201において保持される。
S402は、アルバムに使用するコンテンツである「使用コンテンツ」を決定する。具体的には、コンテンツ管理部202に保存されているコンテンツから使用コンテンツを決定する。例えば、モニタ110にコンテンツ選択画面を表示し、アルバムに使うコンテンツをマウス等の入力デバイス109によってユーザに選択させることによって得てもよい。使用コンテンツに選ばれたコンテンツは、コンテンツ管理部202の使用フラグがONにされる。それ以外のコンテンツの使用フラグはOFFにすることで記憶される。なお、使用コンテンツ決定は、紙アイテムの画像データに対しても適用される。
S403は、使用コンテンツを見開きページ単位に分割する。具体的には、使用コンテンツをコンテンツ管理部202で記憶されたグループに分ける。そして、グループに含まれる写真の最も古い撮影時刻に従って、グループを撮影時刻順に並び変える。なお、写真が含まれないグループは並びの最後に位置させる。
そして、グループ数が多い場合は、コンテンツ数が少ないグループを隣接するグループに併合することによって、見開きページ数とグループ数を一致させる。一方で、グループ数が少ない場合は、コンテンツ数が多いグループを分割することによって、見開きページ数とグループ数を一致させる。これによって得たグループの一つ一つを見開きグループと呼ぶ。
あるいは、他のメタデータを用いて見開きグループを得てもよい。例えば、イベント名などで分けて、イベントの発生順序などで並び変える。そして、コンテンツ数に応じて隣接するグループを併合・分割する。あるいは、家族イベント・学校イベントなどとあらかじめイベントを分類しておき、同じ分類にあるイベント同士は、同じ見開きグループになりやすくしてもよい。例えば、統合するときは、同分類にあるイベントへと優先的に統合するなどしてもよい。本発明における見開きグループの生成方法はこれらに限定されない。
S404は、全てのページを作成したか否かを判定する。未処理の見開きグループが残っていないならば、全てのグループを作成したと判断する。全てのページを作成していないならばS405へと移る。全てのページを作成していた場合、S406へ写る。なお、S405へと移るとき、未処理の先頭の見開きグループを処理対象として選択する。そして、選択した見開きグループを処理済みとする。
S405は、一つの見開きページのレイアウトデータを作成する。具体的には、これまでに作成した各見開きページのレイアウトデータと、S403で得た見開きグループと、を用いて自動レイアウト部205にて、レイアウトを行う。詳細な自動レイアウト処理の内容は、後述する図5のフローチャートを用いて説明する。S406では、S405で作成した各見開きページをアルバム出力部209から出力する。
次に、見開きページのレイアウトを作成する自動レイアウト処理について、図5のフローチャートを用いて説明する。なお、この処理は自動レイアウト部205において行われる。
自動レイアウト処理が開始するとき、見開きレイアウトデータと、見開きグループと、が与えられた状態で処理が開始される。見開きレイアウトデータとは、本状のアルバムを開いた状態である、見開きページのレイアウトデータである。
S501では、見開きグループに合わせてテンプレートを選ぶ。具体的には、テンプレート管理部206から、見開きグループのコンテンツをレイアウトするに適したテンプレートを選択する。例えば、テンプレートのサイズが見開きページのサイズと一致し、テンプレートのコンテナ数が見開きグループのコンテンツ数に一致するテンプレートを1つ選び出す。
尚、ここでは見開きページ単位でテンプレートを選んでレイアウトする例を説明するが、1つのアルバム単位でテンプレートを選んでもよいし、ページ単位であっても、単位は問わない。
S502では、見開きグループに未処理の紙アイテムを含むか否かを判定する。未処理の紙アイテムを含む場合はS503へ移る。なお、S503に移るとき、未処理の紙アイテムを一つ選択しS503以後の処理の対象とする。そして、選択した未処理の紙アイテムは処理済みとする。一方、未処理の紙アイテムが残っていない場合はS506へ移る。あるいは見開きグループが紙アイテムを含まない場合もS506へ移る。
S503では、後述するコンテナ選択ルールを適用して、それぞれのコンテナ選択ルールから候補コンテナを得る。コンテナ選択ルールとは、紙アイテムに適したコンテナを、テンプレートから選択するための処理である。例えば、紙アイテムの縦幅や横幅といった原寸サイズとコンテナのサイズの差が少ないコンテナを選択するルールがある。
本実施形態においては、コンテナ選択ルールは「固定枠選択ルール」「重複回避選択ルール」「またぎ回避選択ルール」の3つがある。それぞれのルールの詳細は後述する。これらルールは全て使われてもよいし、一部のみを用いてもよい。なお、各コンテナ選択ルールからは、候補コンテナは0個以上得る。加えて、候補コンテナごとにコンテナの良さを表わす評価値を持っていてもよい。
S504では、S503でそれぞれのコンテナ選択ルールから得られた候補コンテナから、最終的に一つのコンテナを選択する。例えば、多くのコンテナ選択ルールから候補コンテナとして選ばれているコンテナを選択する。このとき、コンテナ選択ルールのそれぞれに優先順位を付けて、優先順位の高いルールをたくさん満たしている(コンテナ選択ルールに候補コンテナとして選ばれている)コンテナを選択してもよい。
あるいは、コンテナ選択ルールのそれぞれに重み付けを与え、候補コンテナとして選ばれたルールの重みの和が最も大きいものを選んでもよい。さらに、各ルールから候補コンテナの評価値が得られるとき、評価値と重みとの積を得て、その和ないし積が大きい候補コンテナを選ぶようにしてもよい。
S505では、S504で選択したコンテナに紙アイテムを対応付ける。そして、後述するコンテナ制約ルールを適用する。コンテナ制約ルールとは、テンプレートに制約条件を加える処理である。例えば、コンテナのサイズを紙アイテムの原寸サイズ(縦幅と横幅)に固定する制約条件を加えるルールがある。本実施形態においては、コンテナ制約ルールは「枠固定化ルール」「原寸描画ルール」の2つがある。
それぞれのルールの詳細は後述する。これらルールの少なくとも、紙アイテムの原寸サイズに従う貼付領域を含ませるルール(本実施形態においては枠固定化ルール)のみ用いて他を使わなくても、あるいは全てを用いてもよい。ただし、コンテナ制約ルールが互いに矛盾する制約条件を設定するときは、これらルールに優先順位を付けて、優先順位の高いルールの制約条件のみを設定させるようにしてもよい。あるいは、あらかじめ競合関係にあるルールは一方を有効にした場合、他方を無効にするようにしてもよい。
S506では、残りのコンテンツを残りのコンテナに対応付けて、レイアウトを決定する。具体的には、見開きグループからコンテナに対応付けられていないコンテンツを得る。そして、これらコンテンツをテンプレート中のコンテナに対応付けていく。このとき、写真の撮影日時などの順番でコンテンツに対応付けるなどしてもよい。あるいは、写真のサイズとコンテナの推奨サイズの差が小さいコンテナに配置するなどしてもよい。本発明はこれらコンテンツの対応付け方法に限定されない。
そして、コンテンツの対応付けられたテンプレートを用いて、レイアウトエンジン部207によって、レイアウトが決定される。その結果、見開きレイアウトデータが作成される。
次に、紙アイテムの貼付に適したレイアウトを作成するにあたって適用されるルールを順に説明する。
[枠固定化ルールと固定枠選択ルール]
まずコンテナ制約ルールである「枠固定化ルール」について説明する。
枠固定化ルールは、アルバムの印刷紙面上での紙アイテムの印刷サイズを、元の紙である現物のサイズと一致させる。
これは、紙アイテムの貼付先が紙アイテムより小さくレイアウトされた場合、紙アイテムがはみ出してしまい、周りのコンテンツを隠してしまうことがあるためである。また、貼付先が紙アイテムより大きい場合、余分な領域が発生してしまう。この場合、余分な領域をなくし、周りのコンテンツを大きくすることが望ましい。そのため、枠固定化ルールは、テンプレート上での紙アイテムを配置するコンテナのサイズを固定する。
枠固定化ルールの処理について、図6に示すフローチャートを用いて説明する。
「枠固定化ルール」の処理が開始するとき、テンプレートと紙アイテム、紙アイテムとコンテナとの対応付けとが与えられた状態で処理が開始される。
S601では、コンテンツ管理部202から、紙アイテムの原寸サイズを得る。例えば、縦幅100mm横幅50mmなどのサイズが得られる。
S602では、テンプレート内の制約条件の単位系にS601で得た原寸サイズの単位系を変換する。例えば、テンプレート内制約条件の単位系がインチであれば、1インチ=25.4mmとして、縦幅を3.9インチと単位系を変換する。
S603では、紙アイテムに対応付けられているコンテナのサイズを固定する。具体的には、図3(a)に示したようにコンテナの上下辺および左右辺の間に固定の距離制約条件を設定し、S602で得たサイズをそれぞれ距離として設定する。
このとき、コンテナのサイズの変化分を周辺の距離制約条件に分配するようにしてもよい。例えば、コンテナを中心で固定し、サイズ固定により生じる辺の移動量を、周囲の距離の制約条件に加減算することが考えられる。本発明におけるコンテナのサイズを固定にするために付随する処理は、これらに限定されない。
枠固定化ルールによって、元の紙アイテムを貼り付けた前と後で、他のコンテンツとの配置関係に変化がなくなる。紙貼り付けを行った場合にあっても、スペースが大きすぎたり、不足したりするなどのレイアウトの損ないを抑えられる。
次に、コンテナ選択ルールである「固定枠選択ルール」について説明する。
固定枠選択ルールは、テンプレートのコンテナから、コンテナのサイズを紙アイテムのサイズに固定するにあたって、適したコンテナを選択する。具体的には、コンテナの推奨サイズと紙アイテムの原寸サイズの差が小さいコンテナを選択する。
これは、テンプレートはコンテナに割り当てられるコンテンツをある程度想定して作成されているためである。そのため、想定外のサイズなどのコンテンツが割り当てられると、最終的なレイアウトの見た目を損なう。そこで、固定枠選択ルールは、サイズを固定するにあたって適切なコンテナを選択する。
固定枠選択ルールの処理について、図7に示すフローチャートを用いて説明する。
「固定枠選択ルール」の処理が開始するとき、テンプレートと紙アイテムとが与えられた状態で処理が開始される。
S701では、コンテンツ管理部202から、紙アイテムの原寸サイズを得る。加えて、テンプレート内の制約条件の単位系に原寸サイズの単位系を変換する。
S702では、未処理のコンテナがあるか否かを判定する。未処理のコンテナがある場合は、S703へ移る。なお、未処理のコンテナのうち一つを選択して、S703以後の処理の対象とする。選択したコンテナは処理済みとする。また、未処理のコンテナがない場合は、S705へ移る。
S703では、コンテナのサイズを得る。具体的には、テンプレートからコンテナの辺間の距離の制約条件を得て最大サイズ・最小サイズ・推奨サイズを得る。あるいは固定サイズを得る。
S704では、S701で得た紙アイテムのサイズと、S703で得たコンテナの推奨サイズとの差を計算する。具体的には、縦幅の差の二乗と横幅の差の二乗を得てその和をサイズの差として計算する。また、紙アイテムのサイズがコンテナの最大サイズより大きい場合や、最小サイズより小さい場合は、サイズの差としてあらかじめ定めた「大きな値」として計算してもよい。また、固定サイズの場合もあらかじめ定めた大きな値としてもよい。
S705では、コンテナのサイズと紙アイテムの原寸サイズの差の小さいコンテナを得る。S704で計算したサイズ差をもとに、あらかじめ定めた閾値以下のサイズ差であるコンテナを選択する。この閾値は、少なくともS704で用いた「大きな値」よりも小さくすることによって、最大・最小サイズを満たさないコンテナを選択しないようにできる。
また、コンテナごとの評価値として、コンテナのサイズと紙アイテムの原寸サイズの差を用いて評価値を算出して、コンテナに関連付けて出力してもよい。例えば、サイズの差に1加えた後で逆数を算出するなどして評価値を得てもよい。
固定枠選択ルールによって、コンテナのサイズを固定したとしても、テンプレートの変化が少なくなり、レイアウト上の見た目を損なうことが少なくなる。
[原寸描画ルール]
次に、コンテナ制約ルールである「原寸描画ルール」について説明する。
原寸描画ルールは、紙アイテムをコンテナ内に原寸サイズで紙アイテムの画像イメージを描画するようにテンプレートに設定する。具体的には、画像イメージの中心とコンテナの中心を一致させ、画像イメージを原寸のサイズで描画する。
これによって、紙アイテムが貼り込まれた状態と同じアルバムのイメージを作成することができる。そのため、モニタ等においてアルバムを出力し、確認したりする際は、アルバムの完成形のイメージがわきやすくなる。また、アルバムを印刷した後に紙アイテムを貼り付けなかった場合においても、違和感のないアルバムとすることができる。
[重複回避選択ルール]
次に、コンテナ選択ルールである「重複回避選択ルール」について説明する。
アルバムを閉じたときに紙アイテムが重なると、紙アイテムの厚みによって、アルバムの厚みが増す。重複回避選択ルールは、アルバムを閉じたときに、貼り付けた紙アイテムの厚み方向の重なりが偏らないように、紙アイテムの重なりが均一になるように、コンテナを選択する。
重複回避選択ルールの処理について、図8(a)に示すフローチャートを用いて説明する。
「重複回避選択ルール」の処理が開始するとき、見開きレイアウトデータと、テンプレートと、紙アイテムと、が与えられた状態で処理が開始される。
S801aでは、見開きレイアウトデータから重複領域情報を作成する。重複領域情報は、ページ内の部分領域での紙アイテムの重複量を示す情報である。重複領域情報の作成は、すべての見開きレイアウトデータにある紙アイテムの配置とサイズを一つの面に射影したときの、その面における紙アイテム同士を重なり得ることによって作成される。
重複領域情報の作成処理の詳細を、図8(b)に示すフローチャートを用いて説明する。
S801bでは、重複領域情報を初期化する。本実施形態において、重複領域情報は、ページを分割する小領域と、各領域の重複量から構成される。また重複量は、その領域において重なる紙アイテムの枚数である。
具体的な重複領域情報の初期化は次の通りである。まず、見開きページの縦横のサイズを得て、縦サイズ・横サイズをそれぞれ等分割する分割領域を作成する。このとき、横サイズは偶数個に分割する。これによって、アルバムのページの境界(アルバムを閉じたときに折り曲がる部分)において縦に分割でき、その左右の分割数も同じなる。
次に、各分割領域の重複量を「0」に初期化する。図9(a)に重複領域情報のイメージ図を示す。901aは分割領域である。そして、分割領域901a内に記述された数値は重複量を示す。また、902aで示される直線は領域を分割する分割線である。
S802bでは、未処理の見開きレイアウトデータがあるか否かを判定する。未処理の見開きレイアウトデータがあるとき、処理はS803bに移る。このとき未処理の見開きレイアウトデータを一つ選択し、以後の処理の対象とする。選択した見開きレイアウトデータは処理済みとする。一方で、未処理の見開きレイアウトデータがないとき、処理はS804bに移る。
S803bでは、見開きレイアウトデータを用いて、重複領域情報の分割領域の重複量を更新する。具体的には、紙アイテムと領域を共有する分割領域を特定する。そして、その分割領域の重複量に1加える。例えば、図10(a)に示す見開きレイアウトデータを用いて、図9(a)に示す重複領域情報を更新する場合を説明する。
図11(a)は見開きレイアウトデータに分割領域を重ねて図示した例である。1101aによって示される灰色領域は、紙アイテム1001aと領域を共有する分割領域である。そのため、これら領域の重複量に1加算される。その結果、図9(b)に示すように重複領域情報が更新される。なお、1002aと1003aと1004aは写真であるため、これらと領域を共有する分割領域の重複量は更新されない。
なお、領域を共有する割合に応じて、重複量を更新してもよい。例えば、分割領域のすべてを紙アイテムが覆うときは、重複量に1を加える。一方で、分割領域の2割しか紙アイテムが覆わないときは、重複量に0.2を加えるなどとしてもよい。
S802b〜S803bは未処理の見開きレイアウトデータがある限り繰り返される。例えば、図10(b)に示す見開きレイアウトデータがまだあった場合、これがS802bによって選択される。そして、S803bによって、分割領域と紙アイテム1001bとの共有する領域が特定される。具体的には、図11(b)の1101bで示される灰色領域である。なお、1001b以外のコンテンツは写真アイテムである。そして、これら灰色領域に対応する分割領域に重複量が1加算される。その結果、図9(c)に示すように重複量が更新される。以上で見開きレイアウトデータが全て処理済みになった場合、次の処理S804bに移る。
S804bでは、アルバムを閉じたときの重複領域情報を求める。具体的には、縦に分割する中心の分割線の左側の領域に対して、線対称の位置にある右側の領域の値を加算する。そして、左側の領域の値を、線対称の位置にある右側の領域にコピーする。これによって、アルバムを閉じたときの重複量が得られる。例えば、図9(c)の重複領域情報から、アルバムを閉じたときの重複領域情報を得ると、図9(d)に示す重複領域情報が得られる。
重複回避選択ルールの処理(図8(a))の続きの説明を行う。
S802aでは、コンテナの重複量を得る。具体的には、コンテナを一つ選択し、そのコンテナと領域を共有する重複領域情報の分割領域を特定する。そして、それら分割領域の重複量の和をコンテナの重複量とする。これをすべてのコンテナに対して求める。
例えば、図12(a)に示すテンプレートを構成するコンテナの重複量を求める場合を説明する。なお、図12(a)のテンプレートは距離の制約条件などは省略している。コンテナは、1201〜1203の順に選択されたとする。1201の重複量は、領域を共有する分割領域は図12(b)に示すAと分割領域内に記載された分割領域の重複量の和である。
図9(d)に示す重複領域情報によると、Aと記載された分割領域は、重複量が2の分割領域が10個と、重複量が1の分割領域が5個ある。そのため、Aと記載された分割領域の重複量の和は25であるから、1201の重複量は25である。次に1202のコンテナの重複量はBと記載された分割領域の重複量の和である。Aと同様に計算すると、Bと記載された分割領域の重複量の和は15であるから、1202の重複量は15である。次に1203のコンテナの重複量はCと記載された分割領域の重複量の和である。同様に計算すると、Cと記載された分割領域の重複量の和は40であるから、1203の重複量は40である。
なお、選択したコンテナの重複量を求めるとき、選択したコンテナに対して原寸サイズにコンテナサイズを固定する枠固定化ルールを適用したのちに、コンテナの重複量を求めてもよい。あるいは、残りのコンテナに他のアイテムを対応付け、レイアウトを決定した後にコンテナの重複量を求めてもよい。
S803aでは、S802aで求めたコンテナから重複が少ないコンテナを得る。例えば、最も重複量が少ないコンテナを一つだけ選択してもよい。あるいは、あらかじめ定めた割合の数のコンテナを上位から選択してもよい。例えば、ただ一つのコンテナを選択する場合は、S802aより1201が25,1202が15,1203が40であったことから、1202が選択される。
また、コンテナごとの評価値として、コンテナの重複量を用いて評価値を算出して、コンテナに関連付けて出力してもよい。例えば、重複量に1加えた後で逆数を算出するなどして評価値を得てもよい。
例えば、図12(a)に示すコンテナの重複量はそれぞれ、S802aより1201が25,1202が15,1203が40であった。よって、これらの評価値は、1201が1/26,1202が1/16,1203が1/41と計算される。
重複回避選択ルールによって、アルバム内において紙アイテムが偏って配置されることが少なくなり、アルバムを閉じたときに紙アイテムが重なることが少なくなる。これによって、アルバムの厚みが増すことを抑えることができる。
一つの見開きページに複数の紙アイテムが配置されるときは、見開きページ内で紙アイテム同士が重ならないほうがよい。しかしながら、上記処理においては、配置対象となる見開きページ内の紙アイテム同士の配置は考慮されない。そこで、既にテンプレートに対応付けられた紙アイテムがあるとき、この配置も考慮して、重複領域情報を作成してもよい。
これによって、2つ目以降の紙アイテムを対応付けるコンテナを選択するとき、既に対応付けられている紙アイテムの配置を考慮したコンテナの選択ができる。
また、アルバムの印刷紙が固い場合などは、紙アイテムの厚みが複数ページにわたって影響することが少ない。この場合は、見開きページ内の紙アイテムの重なりのほうが、異なる見開きページ間の場合よりも影響が大きい。そこで、見開きページ内のみだけで重複領域情報を作成してもよい。あるいは、見開きページ内の紙アイテムの重なりは、他の場合より重複量を大きくするなどしてもよい。
重複領域情報を作成するときに、見開きレイアウトデータを用いている。しかしながら、写真などの他のコンテンツは重複量の計算には不要である。そこで、紙アイテムの配置とサイズを得て、重複領域情報を計算するようにしてもよい。具体的には、配置された複数の紙アイテムの配置とサイズを得る。例えば、紙アイテムの左上座標と縦幅と横幅を得る。次に、紙アイテムごとに、領域を共有する分割領域を求めて重複量を更新する。これによって、紙アイテムの配置とサイズからのみ重複領域情報を求めることができる。
[またぎ回避選択ルール]
次に、コンテナ選択ルールである「またぎ回避選択ルール」について説明する。
紙アイテムを、アルバムの見開きページの境界(アルバムを閉じたときに折り曲がる部分)に貼り付けることは望ましくい。なぜならば、アルバムを閉じたとき紙アイテムが折り曲がってしまうため、アルバムの保存状態が悪くなる。加えて、ページの境界では貼付け面が凹状に曲がっている場合は貼り付けにくくなる。さらに、アルバムの開閉が繰り返されることにより、紙アイテムに負荷がかかり、紙アイテムの貼付けが弱くなりはがれやすくなったり、紙アイテムが破れたりする。そのため、紙アイテムはページをまたぐ位置に配置しないことが望ましい。またぎ回避選択ルールは、ページをまたぐコンテナ以外を選択する。
またぎ回避選択ルールの処理について、図13に示すフローチャートを用いて説明する。
「またぎ回避選択ルール」の処理が開始するとき、テンプレートと、紙アイテムと、が与えられた状態で処理が開始される。
S1301では、アルバムのページの境界を得る。ページの境界は直線によって表現されるため、一つのX軸の座標値で表現される。具体的には、アルバムの横幅サイズを得て、その半分の長さから座標を得る。あるいは、テンプレート中のガイドの一つをページの境界として記憶しておき、これを得てもよい。あるいは、あらかじめページの境界座標をアルバム情報管理部201などで記憶しておいてもよい。
S1302では、ページの境界にかからないコンテナを選択する。具体的な処理は次の通りになる。まず、テンプレート中のコンテナを一つ選択する。選択したコンテナがページの境界にかかるか否かを判断する。例えば、ページ境界の座標よりコンテナの左辺座標が小さく、右辺座標が大きい場合に、境界にかかると判断する。そして、これを全てのコンテナについて求める。そして、境界にかかると判断されなかった(境界にかからない)コンテナを選択する。あるいは、境界から遠いコンテナを優先的に選択するなどしてもよい。
なお、ページの境界にかからないコンテナを選択するときに、選択したコンテナに対して原寸サイズにコンテナサイズを固定する枠固定化ルールを適用したのちに、ページの境界にかかるか否かを判断してもよい。あるいは、残りのコンテナに他のアイテムを対応付け、レイアウトを決定した後に、ページの境界にかかるか否かを判断してもよい。
また、コンテナごとの評価値として、ページの境界にかかるか否かを用いて評価値を算出して、コンテナに関連付けて出力してもよい。例えば、あらかじめ定めた「大きな評価値」と「小さな評価値」を用意し、ページの境界にかからない時は、「大きな評価値」をとし、ページの境界にかかるときは「小さな評価値」とする。
なお、本実施形態ではページの境界は縦の直線であらわされると考えているが、横の直線であらわされても構わない。この場合は、ページの境界は一つのY軸の座標として表現される。そして、コンテナが境界にかかるか否かは、ページ境界のY軸の座標が、コンテナの上辺座標より大きく、下辺座標より小さい場合に、境界にかかると判断する。
これによって、アルバムの見開きページの境界(アルバムを閉じたときに折り曲がる部分(曲折部))に貼り付ける必要のないコンテナが選択される。これらコンテナへ紙アイテムを配置することで、紙アイテムの折り曲げによる保存状態の悪化、紙アイテムの貼付強度の低下を防ぐことができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、本実施形態で示すアルバム作成装置によって、アルバムを作成する際に、写真と共にアイテムの閲覧が可能なアルバムを作成することが可能となる。また、ユーザはアルバムに紙アイテムを貼り付けることで、臨場感のある情報(紙の質感、スタンプや汚れ、メモ書き、経年による色の褪せ方など)を含んだフォトアルバムを作成できる。また、紙アイテムを写真とともにレイアウトできるために、紙アイテムが周りの写真を説明する情報をユーザに与え、写真を分かりやすくすることができる。
(実施形態2)
実施形態2では、紙アイテムには裏面が存在することがある。この場合、紙アイテムを貼り付けた場合、裏面が見えなくなる。本実施形態では、紙アイテムに裏面がある場合に、裏面を画像として配置する。
本実施形態のアルバム作成装置の構成について図2を用いて説明する。
アルバム作成装置の構成はコンテンツ管理部202を除いて、実施形態1と同じである。
コンテンツ管理部202は、実施形態1では紙アイテムの画像データは一つとしていた。本実施形態において、画像データは2つ存在する。そして、それぞれの画像データはページ情報を持つ。ページ情報は、表面が1ページであり、裏面が2ページとされる。加えて、コンテンツ管理部202は、紙アイテムの裏面を印刷するか否かの裏面印刷フラグを持つ。子のフラグがONならば、紙アイテムの裏面を印刷する。一方で、OFFならば、紙アイテムの裏面は印刷しないものと判断する。
紙画像データ生成部203は、紙アイテムの画像データを生成する。具体的には、スキャナ112によって紙アイテムの画像データを取得する。このとき、スキャナがシートフィードスキャナであって、紙アイテムの両面の画像データが取得できるとき、これらはコンテンツ管理部において一つの紙アイテムの画像データとして記憶される。加えて、それぞれの画像データにページ情報を関連付けて記憶する。あるいは、フラットヘッドスキャナであった場合は、連続してスキャンされた同サイズの画像データを一つの紙アイテムとみなしてもよい。あるいは、モニタ110や入力デバイス109などを介して、ユーザに入力させてもよい。本発明における、紙アイテムの情報の取得方法はこれらに限定されない。
本実施形態の自動レイアウト処理について、図14に示すフローチャートを用いて説明する。本実施形態の自動レイアウト処理は、S501が異なることと、S505の直後にS507〜S508が追加される以外は、実施形態1に示すフローチャート図5と同じである。
S501は、実施形態1において、テンプレートを選択するとき、テンプレートのコンテナ数が見開きグループのコンテンツ数に一致するテンプレートを1つ選び出していた。本実施形態では、紙アイテムの画像データの裏面印刷フラグがONであるならば、裏面画像を配置するコンテナが加えて必要である。そのため、表面だけでなく裏面も配置できる数のコンテナを備えたテンプレートを選び出す。
S507は、紙アイテムの裏面を印刷するか否かを判断する。具体的には、コンテンツ管理部202から紙アイテムの裏面印刷フラグを得て、裏面印刷フラグがONであるならば、S508に移る。OFFであるならば、S502に移る。
S508では、S503と同様にコンテナ選択ルールを適用して、それぞれのコンテナ選択ルールから候補コンテナを得る。ただし、S503と異なり裏面用のコンテナを選択するルールを適用する。裏面用のコンテナ選択ルールには「隣接選択ルール」「低印象選択ルール」などが存在する。これらルールの詳細は後述する。
S509では、S504と同様に、コンテナ選択ルールから得られた候補コンテナから、最終的に一つのコンテナを選択する。
S510では、S505と同様に、S509で選択したコンテナに裏面画像を対応付け、コンテナ制約ルールを適用する。ただし、裏面用のコンテナ制約ルールを適用する。裏面用のコンテナ制約ルールには「隣接化ルール」「低印象化ルール」などがある。
以下、裏面画像の配置に適したレイアウトを作成するにあたって適用されるルールを順に説明する。
[隣接選択ルールと隣接化ルール]
まずコンテナ選択ルールである「隣接選択ルール」について説明する。
裏面画像データは、紙アイテムに近い位置に配置されることが望ましい。これは、紙アイテムから離れた位置に配置された場合に、紙アイテムの裏面であることが分かりにくくなるためである。そこで、隣接選択ルールは、表面である紙アイテムに近いコンテナを選択する。
具体的には、表面の紙アイテムが配置されたコンテナを取得し、テンプレートの距離制約条件で直接そのコンテナと接続されたコンテナを選択する。あるいは、表面の紙アイテムが配置されたコンテナと、他のコンテナとの中心距離を得て、距離の小さいものを選択する。また、コンテナごとの評価値として、距離を用いて評価値を算出して、コンテナに関連付けて出力してもよい。例えば、距離に1加算してその逆数を評価値として出力してもよい。
これによって、紙アイテムの表面に近いコンテナを選択できる。このコンテナに裏面画像データを配置すると、紙アイテムの裏面であることが、推測しやすいレイアウトを作ることができる。
次に、コンテナ制約ルールである「隣接化ルール」について説明する。
隣接化ルールは紙アイテムと表面の距離が小さいことが望ましいことから、二つのコンテナが隣接するとき、その間の距離の制約条件を固定化して、固定サイズとしてあらかじめ定めた小さなサイズを与える。
これによって、表面と裏面がレイアウトによって離れることを防ぐことができ、両者が裏表の関係にあることが推測しやすいレイアウトを作ることができる。
[低印象化ルールと低印象選択ルール]
コンテナ制約ルールである「低印象化ルール」と、コンテナ選択ルールである「低印象選択ルール」について説明する。
裏面は表面に比べて目立たないことが望ましい。しかしながら、裏面画像データはレイアウトの過程において、そのサイズが変化する。そのため、紙アイテムの表面より裏面の画像データが大きくなる可能性がある。このとき、裏面が表面より目立ってしまう。
そこで、「低印象化ルール」では、裏面画像データを配置するコンテナの最大サイズに原寸サイズを指定する。具体的には、裏面画像データを配置するコンテナを得て、該コンテナの上下辺および左右辺の間の距離の制約条件の最大距離に、原寸サイズの縦幅および横幅を指定する。これによって、裏面が表面に比べて目立つことがなくなるレイアウトを作ることができる。
また、このルールを用いるときは、裏面画像データを配置するコンテナを選択するコンテナ選択ルールとして「低印象選択ルール」を利用する。低印象選択ルールは、裏面画像データの原寸サイズ以下のコンテナを選択する。具体的には、テンプレートの一つのコンテナを選択する。選択したコンテナから「コンテナの縦幅−原寸の縦幅」と「コンテナの横幅−原寸の横幅」を得る。それぞれが負の値であれば0とし、それぞれの値を2乗した和を得る。これをコンテナのサイズ差とする。これを全てのコンテナに求め、小さいコンテナを選択する。
例えば、サイズ差の最も小さいコンテナを一つ選択する。あるいは、あらかじめ定めた閾値以下のコンテナを選択する。あるいは、あらかじめ定めた割合数のコンテナをサイズ差が小さいものから順に選択する。また、コンテナごとの評価値として、サイズ差を用いて評価値を算出して、コンテナに関連付けて出力してもよい。例えば、サイズ差に1加算しその逆数を評価値として出力してもよい。
これによって、元のテンプレートを大幅に変更することなくなり、レイアウト上の見た目を損なうことが少なくなる。
また、表裏のみならず、冊子等であっても、上記ルールで複数面のコンテナを決定することが可能となる。
本実施形態によって、貼り付けによって見えなくなる裏面を画像として残すことができる。加えて、紙アイテムの裏面であることが、推測しやすいレイアウトを形成することができる。さらに、表面である紙アイテムに比べて、裏面が目立つことが抑えられる。
(実施形態3)
前記実施形態の重複回避選択ルールにおいて、紙アイテムの厚みは均一としていた。しかしながら、紙アイテムの厚みに差があることもある。そこで、本実施形態では、紙アイテムの厚みを利用した重複選択ルールを提案する。アルバム作成装置の基本構成は実施形態1と同様である。
本実施形態における紙アイテムの厚みは、アルバム作成装置のコンテンツ管理部202において、紙アイテムのメタデータとして記憶される。紙アイテムの厚みは、0.2mmなどの測定値であってもよい。あるいは、厚い・普通などの段階的な尺度であってもよい。
また、紙アイテムの厚みは、原寸取得部204によって取得される。具体的には、スキャナにおいて厚さ計測用センサ等があるとき、これらからセンサ値を取得する。あるいは、モニタ110に入力を求める画面を表示し、入力デバイス109から厚みを入力するようにしてもよい。本発明における厚みの取得方法はこれらに限定されない。
本実施形態における重複領域情報作成処理によって作成される重複領域情報は、紙アイテムの厚みを用いる。S803bにおいて、紙アイテムと領域を共有する分割領域を特定し、分割領域の重複量を更新するとき、紙アイテムの厚みを用いて重複量を更新する。例えば、紙アイテムの厚みを加算してもよい。
例えば、厚みが0.2mm等であれば、0.2が加算される。あるいは、紙アイテムの厚みが段階的な尺度であれば、それぞれの段階にあらかじめ定数を定めて、それらを加算するようにしてもよい。
そして、以上によって作成された重複領域情報を用いて、重複回避選択ルールを実施する。これによって、紙アイテムの厚みを考慮したコンテナの選択が可能となる。
(実施形態4)
アルバムのページサイズに比べて、紙アイテムが大きい場合、紙アイテムを貼り付けることができない。本実施形態では、紙アイテムを折り畳むことによって、紙アイテムを貼り付ける。
本実施形態のアルバム作成装置の構成は紙アイテム折畳部が加わることを除いて、前記実施形態と同じである。
コンテンツ管理工程は、紙アイテムの原寸に加えて、折り畳み後の縦幅と横幅と折り畳みの厚みとを保管する。加えて、折り畳みフラグによって紙アイテムが折り畳まれているか否かを保管する。折り畳みフラグがONであれば、折り畳みが行われている。一方で、折り畳みフラグがOFFであれば、折り畳みが行われていない。
紙アイテム折畳部は、紙アイテムの折り畳みを行い、折り畳み後のサイズと厚みである折り畳みサイズをコンテンツ管理部に記憶する。本実施形態における紙アイテムの折り畳みは、紙アイテムがページサイズより大きいときに、あらかじめ設定された1つ折り・2つ折りなどの折り畳み方法を適用し、折り畳み後のサイズがページサイズ以下になる折り畳み方法を選択する。
具体的には、2つ折りとして、紙アイテムを縦の中心線で折り曲げたのちに、横の中心線で折り曲げることを適用する。そして、折り畳み後のサイズとして、縦幅と横幅をもとの半分のサイズとする。そして、厚みをもとの値の4倍にする。
あるいは、紙アイテムの折り畳みは、モニタ110と入力デバイス109を介して、紙アイテムの折り畳み方法を入力させてもよい。本発明におけるこれら紙アイテムの折り畳みを設定する方法はこれらに限定されない。
なお、コンテンツ管理部においてもとの厚みが管理されていない場合は、折り畳み数としてもよい。そして、重複量を加算するときに、「折り畳まれていない時に加算する値」と「折り畳み数」とを積算した値を求めて、重複量に加算する値としてもよい。
前記実施形態の「固定枠選択ルール」「重複回避選択ルール」「またぎ回避選択ルール」「枠固定化ルール」「原寸描画ルール」「低印象化ルール」「低印象選択ルール」などにおいて、紙アイテムの原寸サイズを用いているが、紙アイテムが折り畳まれている(紙アイテムの折り畳みフラグがONの)とき、折り畳み後の縦幅・横幅を用いる。
紙アイテムが折り畳まれているとき、重複回避選択ルールでは、紙アイテムと分割領域の重複量を得るとき(S801b)に、折り畳まれた紙アイテムと領域を共有する分割領域の重複量は、折り畳み後の厚みを加算することによって求める。
これによって、アルバムのページサイズに比べて、紙アイテムが大きい場合においても、紙アイテムを折り畳むことによって、貼り付けることができるようになる。さらに、折り畳まれた厚みを考慮して配置が決まるため、アルバムの厚みが増すことを抑えることができる。
なお、紙アイテムはサイズが大きい場合に限って折り畳むのではなく、ユーザが望む場合やもともと紙アイテムが折り畳まれていた場合も折り畳むようにしてもよい。例えば、もともと紙アイテムがジャバラ折りされている場合は、紙画像データ生成部によって、スキャナなどで紙アイテムを取り込むときに、1枚に開いて取り込まれることもある。このとき紙アイテムがアルバムに貼付可能なサイズであっても、元の折り畳み方でアルバムに貼り付けるようにしてもよい。
例えば、元の折り畳み方を、前記の紙アイテム折畳部によってユーザに入力させるようにしてもよい。このとき、紙アイテムの画像データからもとの折り目を検出して、ユーザに提示することで、折り畳みを支援してもよい。折り目の検出として、例えば、画像データの明度成分のエッジを検出して得る等してもよい。本発明は、折り目の検出方法に限定されない。
これによって、折り畳まれている紙アイテムは折り畳んだ状態で、貼り付けることができるようになる。
(実施形態5)
実施形態5において、アルバム作成装置の基本構成は実施形態1と同様である。前記実施形態において、紙画像データ生成部はスキャナによって画像データを取得していた。しかしながら、カメラによって紙アイテムを撮影することによって、画像データを生成してもよい。例えば、紙アイテムとともにあらかじめサイズの分かっている比較アイテムとともに紙アイテムを撮影する。
そして、原寸取得部では、画像データ内での比較アイテムのサイズと紙アイテムの比を得て、既知の比較アイテムのサイズから紙アイテムのサイズを計算する。さらに、紙画像データ生成部は、画像データから紙部分の切り出しを行う。例えば、画像データにOCRを適用して、文字認識された領域を囲う矩形領域を設定し、領域内の画像特徴量を用いて、紙画像データ部分を特定する。以上によって、紙アイテムの画像データおよび原寸はカメラによって取得することができる。
あるいは、紙画像データ生成部は紙アイテムを電子化した文書データから画像データを取得してもよい。具体的には、外部記憶装置104などで記憶されたPDF(Portable Document Format)などの文書データを用いて、レンダリングした画像データを生成してもよい。そして、原寸取得部では、文書データに付随するメタデータから文書のサイズを得るようにしてもよい。
なお、本発明において、紙画像データ生成の方法および原寸の取得方法はこれらに限定されない。
(実施形態6)
アルバム作成装置の基本構成は実施形態1と同様である。アルバムの各ページのテンプレートをユーザに提示し、このテンプレート上のコンテナにコンテンツを割り当てることによって、ユーザが手作業でアルバムを作成することが考えられる。このとき、ユーザは自身の好みに従って、コンテンツを配置していく。しかしながら、紙アイテムの配置にあたっては、紙アイテムに合ったコンテナを選択することが望ましい。
そこで、本実施形態では、ユーザが紙アイテムを配置するときに、望ましいコンテナに配置するように指示するアルバム作成装置を提案する。
本実施形態のアルバム作成装置は、図15(a)に示すアルバム作成画面を表示することによって、ユーザにテンプレートのコンテナへのコンテンツの対応付けを行わせる。なお、この画面はモニタ110に表示される。
アルバム表示領域1501は、アルバムの見開きページ1502と、ページを前後に移動するページ送りボタン1503を表示する領域である。
アルバムの見開きページ1502は、そのページのテンプレートのコンテナ1504と、コンテナに割り当てられたコンテンツの画像データ1505を表示する。ユーザはアルバムの見開きページによって、ページの完成イメージをつかむことができる。
コンテンツ表示領域1506は、アルバムに配置できるコンテンツを並べて表示する領域である。コンテンツ表示領域1506には、コンテンツである紙アイテム1507や、写真1508が表示されている。加えて、コンテンツ表示領域内に表示できず画面外にあるコンテンツを表示させるために、表示領域を前後に移動させる移動ボタン1509が存在する。
ユーザはコンテンツ表示領域1506のコンテンツをコンテナ1504に、入力デバイス109のマウスによって、ドラックアンドドロップすることによって、コンテンツを関連付けることができる。
本実施形態において、ユーザがコンテンツを選択すると、後述する推奨コンテナ表示処理によって画面が更新される。具体的には、紙アイテム上にユーザがマウスをオーバーしたことを検知して、紙アイテムをユーザが選択したと判断する。そして、選択した紙アイテムを配置すべき推奨コンテナを表示する。以下、推奨コンテナ表示処理について、図16に示すフローチャートを用いて説明する。
S1601では、ユーザが選択したコンテンツが紙アイテムであるか否かを判定する。紙アイテムである場合は、処理はS1602に移る。一方で、紙アイテムでない場合は、処理は終了する。
S1602では、実施形態1において説明した紙アイテムの配置に適したコンテナを選択するコンテナ選択ルールを実行する。この処理は、実施形態1の自動レイアウト処理のS503と同じである。
S1603では、S1602で選択されたコンテナから、推奨コンテナとして表示するコンテナを選択する。選択するコンテナは一つであってもよいし、複数であってもよい。コンテナの選択は、例えば、全てのコンテナ選択ルールから候補コンテナとして選ばれているコンテナを選択する。
あるいは、コンテナの評価値を求めて、その評価値があらかじめ定められた閾値以上のコンテナを選択する。評価値の求め方として、コンテナ選択ルールのそれぞれに重み付けを与え、候補コンテナとして選ばれたルールの重みの和を評価値とする。さらに、各ルールから候補コンテナの評価値が得られるとき、評価値と重みとの積を得て、その和ないし積を評価値とする。
S1604では、S1603で推奨コンテナとして選択されたコンテナを表示する。具体的には、S1603で選ばれた推奨コンテナの色を変える。推奨コンテナの表示の例を図15(b)を用いて説明する。図15(b)は、紙アイテム1507上にマウスのポインタ1510を配置したことによって、紙アイテム1507が選択された状態を示している。そして、この紙アイテムを配置するべき推奨のコンテナとして、1512の色が他と変えて表示されている。
なお、上記の推奨コンテナ表示処理においては、紙アイテムが選択されたときに推奨コンテナを求めている。しかしながら、紙アイテムごとにあらかじめ推奨コンテナを計算しておき、紙アイテムが選択されたときは、その推奨コンテナを表示するようにしてもよい。
また、裏面画像を選択した時は、同様に裏面画像のコンテナ選択ルールを適用して、配置先を推奨してもよい。
これによって、ユーザは紙アイテムを配置した方がよい位置を把握できるようになり、この指示に従えば、紙アイテムに適したレイアウトが行われる。一方で、ユーザが別の位置に配置したいと望む場合は、この指示を無視することで好みの配置をつくれるようになる。そのため、最終的なレイアウトの決定にユーザの意思を反映させることができるため、より満足度の高いアルバムを作成できるようになる。
(実施形態7)
アルバム作成装置の基本構成は実施形態1と同様である。前記実施形態1において、原寸描画ルールによって、紙アイテムの原寸サイズの画像イメージをコンテナ内に描画していた。しかしながら、貼り付けると見えなくなる面であるため、画像イメージを原寸サイズで印刷する必要はない。そのため、原寸サイズの貼付枠のみを表示してもよい。これを原寸枠描画ルールと呼ぶ。
原寸枠描画ルールでは、貼付枠内に、貼り付ける紙アイテムが分かるような指示を印刷してもよい。例えば、紙アイテムのタイトルなど文字列を印刷してもよい。あるいは、縮小化した紙アイテムの画像イメージを印刷してもよい。あるいは、白黒で印刷することも考えられる。これによって、貼り付ける画像がどこかが分かりやすくなる。
また、原寸枠描画ルールを原寸描画ルールの代わりに用いると、貼り付けで見えなくなる面に無駄なインクを使用することがなくなり、インク利用量を抑えることができる。
しかしながら、原寸描画ルールを利用した場合、紙アイテムが貼り込まれた状態と同じアルバムのイメージを作成することができる。そのため、アルバムの完成形のイメージがわきやすくなるという効果があった。一方で、原寸枠描画ルールでは、枠と紙アイテムの貼り込み指示しか描画されないため、アルバムの完成イメージがわきにくい。
そこで、画面においてアルバムのイメージを確認するときは、原寸描画ルールを用いて、印刷時には原寸枠描画ルールを用いてもよい。これによって、両者の効果をともに得られる。
(実施形態8)
アルバム作成装置の基本構成は実施形態1と同様である。前記実施形態において、枠固定化ルールに、原寸描画ルールおよび原寸枠描画ルールによって、原寸サイズの貼付面を確保し、そこにイメージを描画していた。しかしながら、ユーザは貼り付ける際に少し斜めに貼り付けたりしてしまうことがある。このような貼付誤差を考慮して、枠固定化ルールでは少し原寸サイズより大きめの枠を設定してもよい。あるいは、原寸描画ルールおよび原寸枠描画ルールにおいて、原寸枠より少し小さめにイメージを描画するなどしてもよい。
これによって、ユーザの貼付誤差が考慮され、ユーザが少し貼付に失敗した場合においても、アルバムの見た目を損なうことが少なくなる。
(実施形態9)
アルバム作成装置の基本構成は実施形態1と同様である。前記実施形態において、重複回避選択ルールは、均等な分割領域によって作られる重複領域情報を用いていた。しかしながら、重複領域情報は、分割領域に、紙アイテムを配置するテンプレートのコンテナの位置とサイズを用いてもよい。具体的には、コンテナの領域を分割領域として扱って、その領域ごとに重複量を求める。これによって、直接コンテナの重複量を求めることができる。
あるいは、見開きレイアウトデータのコンテンツを一つの面に射影し、その重複量に応じた領域を作成してもよい。
本発明は、重複領域情報の作成方法はこれらに限定されない。
(実施形態10)
アルバム作成装置の基本構成は実施形態1と同様である。前記実施形態の自動レイアウト処理において、テンプレートは、アルバムの見開きページサイズと、コンテナとコンテンツとの数が一致するものが一つ選択されていた。しかしながら、これらは複数存在することもある。そこで、複数のテンプレートからコンテンツ選択ルールを用いて一つのテンプレ−トを選び出してもよい。S503〜S504を全てのテンプレートに適用して、各テンプレートから選ばれるコンテナを決定する。そして、そのコンテナの評価値をテンプレートの評価値として、最も高い評価値のテンプレートを選択するようにしてもよい。また、紙アイテムが複数あるときは、テンプレートごとに紙アイテムを配置するコンテナの評価値の全ての和ないし積をとって、これが最大となるテンプレートを選択してもよい。
(実施形態11)
アルバム作成装置の基本構成は実施形態1と同様である。前記実施形態において、紙アイテムの現物は必ず存在しているとされていたが、紙アイテムを破棄あるいは紛失していることがある。この場合は、紙アイテムの貼付は不可能である。そこで、紙アイテムの有無を入力する画面をモニタ110に表示し、マウス等の入力デバイス109で設定させる。そして、紙アイテムの有無をコンテンツ管理部において管理する。紙アイテムがないときは、写真などと同様に紙アイテムの画像データをレイアウトするようにしてもよい。
(実施形態12)
アルバム作成装置の基本構成は実施形態1と同様である。前記実施形態では、重複回避選択ルールは、紙アイテムの割り当てを見開きページごとに順番に行っていく。そのため、見開きページへと配置した順番に依存した結果となってしまい、必ずしも最適な配置を決定するとは限らない。
そこで、これらを同時に決定するようにしてもよい。例えば、複数の見開きページ上の紙アイテムの割り当てを仮に決定し、重複領域情報を作成する。次に、それぞれの見開きページごとに、紙アイテムの重複量を得る。例えば、紙アイテムと領域を共有する分割領域の重複量の和によって、紙アイテムの重複量を得る。
その次に、重複量の大きい紙アイテムを含む見開きページをいくつか特定する。特定した見開きページごとに、他のコンテナの重複量を求める。そして、最も重複量が小さいコンテナに紙アイテムの割り当てを変更する。このとき、最も評価値のよいコンテナへと紙アイテムを割り当てる。このように、複数の見開きページにおける紙アイテムの割り当て同時に決定してもよい。
あるいは、紙アイテムの割り当てを仮に決定し、重複領域情報を作成して、分割領域の重複量のばらつきを求める。例えば、ばらつきを分散として求める。そして、ばらつきを小さくするように、紙アイテムの割り当てを最適化手法などで求めるなどしてもよい。
さらには、その他のコンテナ選択ルールも含めて、複数の見開きページにおける紙アイテムの割り当てを同時に決定してもよい。例えば、紙アイテムの割り当てを仮に決定する。そして、各コンテナ選択ルールによるコンテナの評価値を求めて、この和ないし積がよくなるように、紙アイテムの割り当てを最適化手法などで求めてもよい。
(実施形態13)
上記してきた実施形態1〜12までは、文書作成装置として、アルバム作成装置の実施形態を示した。しかしながら、紙アイテムを貼りつけることを想定した文書であれば、本発明を適用することができる。基本的なハードウェア構成は実施形態1で示した図1と同様である。
例えば、原本添付をともなう申請用紙作成がある。申請用紙は、説明文・必要事項の記入欄・原本貼付領域などのいくつかのコンテンツがレイアウトされた文書である。また、用紙を封筒に入れて郵送を利用することがあるが、このとき封筒に入れるために用紙を折り畳むことが多い。
そのため本発明を適用すれば、原本貼付領域を有したレイアウトを作成できる。加えて、複数の原本貼付領域の重なりを避けるため、用紙を折り畳んだ時の厚みを均一にできる。さらに、折り目への原本貼付領域の重なりを避けることで、貼り付けた原本が折り曲がることを防ぐことができる。
(実施形態14)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。