JP5743521B2 - 光学機器およびその制御方法 - Google Patents

光学機器およびその制御方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5743521B2
JP5743521B2 JP2010277871A JP2010277871A JP5743521B2 JP 5743521 B2 JP5743521 B2 JP 5743521B2 JP 2010277871 A JP2010277871 A JP 2010277871A JP 2010277871 A JP2010277871 A JP 2010277871A JP 5743521 B2 JP5743521 B2 JP 5743521B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
unit
image
shake
image shooting
blur
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2010277871A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2012128066A (ja
Inventor
晋平 宮原
晋平 宮原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2010277871A priority Critical patent/JP5743521B2/ja
Publication of JP2012128066A publication Critical patent/JP2012128066A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5743521B2 publication Critical patent/JP5743521B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Adjustment Of Camera Lenses (AREA)
  • Studio Devices (AREA)

Description

本発明は、防振制御機能を有する光学機器およびその制御方法に関するものである。
デジタルカメラなどの振れを検出して像ブレを補正するために、可動レンズを含む撮像光学系の駆動制御を行う振れ補正機能をもつ光学機器が知られている。また近年では動画記録時にワイド(広角)端側にて防振範囲を広げることで、歩き撮りなどにより生じる大きな手ブレに対して従来よりも手ブレ補正効果を高める技術も知られている(以下、このような防振技術を、大ブレ防振と呼ぶ)。
大きな手ブレに対して補正制御を行う光学機器では、撮影モード(静止画撮影モードや動画撮影モードなど)に応じて、手ブレ補正用のシフトレンズの駆動範囲及び制御分解能を変更する。これにより撮影状態に応じて、目立つ揺れを対象として手ブレ補正を行える。
一方、画面の方位角によって画像劣化の度合が異なる、いわゆる片ボケと称する現象が知られ、撮影レンズの光学特性である片ボケ量については、シフトレンズの中心位置をずらすことで補正する、片ボケ補正が行われる。レンズ特性が個々に異なるため、光学機器の生産時に片ボケ量を計測し、装置ごとに調整することで片ボケ補正を個別的に行っている。
しかしながら、従来技術では撮影モードの切り替えに合わせてシフトレンズの可動範囲を広げた場合、シフトレンズ駆動の制御分解能が低下し、それに伴い片ボケ調整の分解能も低下する。これにより、静止画撮影と動画撮影のモード切り替えの際に画角変化が起こる可能性がある。
本発明の目的は、防振制御機能をもつ光学機器において、補正部材の駆動に係る制御分解能を切り替えて可動範囲を変更しても、画角変化が目立たない光学機器およびその制御方法を提供することである。
上記課題を解決するために本発明に係る装置は、像振れ補正手段と、前記像振れ補正手段の位置を検出する位置検出手段と、振れを検出する振れ検出手段から出力される振れ検出信号に基づいて前記像振れ補正手段を制御する制御手段と、片ボケ調整量を変更して前記像振れ補正手段の駆動中心をずらして撮像光学系に係る片ボケを調整する調整手段と、を有する光学機器であって、前記調整手段は、動画撮影時の前記位置検出手段の分解能が静止画撮影時の前記位置検出手段の分解能よりも低くなるように制御された場合、前記動画撮影時の前記像振れ補正手段の駆動中心と前記静止画撮影時の前記像振れ補正手段の駆動中心が一致するように前記片ボケ調整量を調整する。
本発明によれば、補正部材の駆動に係る制御分解能を切り替えて可動範囲を変更しても、画角変化が目立たないように防止できる。
本発明の実施形態に係る光学機器の構成例を示すブロック図である。 図1の防振制御部とこれに関係する部分を示すブロック図である。 ホールオフセット調整および片ボケ調整を説明する模式図である。 図2のシフトレンズ位置制御部の構成例を示すブロック図である。 シフトレンズ制御に係るAD分解能の詳細説明図である。 静止画撮影モードと動画撮影モードのAD分解能の切り替えを説明する図である。 シフトレンズ制御に係るAD分解能の切り替え処理を例示するフローチャートである。
以下に、本発明の実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。撮像光学系の光軸に対して直交する方向に駆動されることで像ブレを補正する補正部材は可動体を構成し、レンズなどの光学部材を駆動する方式と、撮像素子の位置制御を行う方式がある。以下では、補正レンズの駆動によって像ブレを低減する形態を例に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る光学機器の構成例を示すブロック図である。以下、光学機器の一例である撮像装置として、静止画像および動画像の撮影機能をもつデジタルカメラへの適用例を示す。
図1において、ズームユニット101は変倍用のズームレンズを含む。ズーム駆動制御部102はズームユニット101を駆動制御する。補正レンズユニット103は、撮像光学系の光軸に対して垂直な方向に移動可能な補正レンズ(シフトレンズ)を含む。補正レンズは光軸に対して直交する方向に駆動されることで、光学像のブレ量を低減する補正部材である。防振制御部104は補正レンズユニット103を駆動制御する。絞り・シャッタユニット105は露光制御に使用し、絞り・シャッタ駆動制御部106が駆動制御する。フォーカスユニット107はピント調節を行うフォーカスレンズを含み、フォーカス駆動制御部108が駆動制御する。
撮像素子を含む撮像部109は各レンズ群を通して結像される被写体の光像を電気信号に変換し、撮像信号処理部110に出力する。撮像信号処理部110は、撮像部109が出力した電気信号を映像信号に変換する。映像信号処理部111は、撮像信号処理部110が出力した映像信号を用途に応じて加工して表示部112に送る。表示部112は映像信号処理部111の出力信号に従い、必要に応じて画像表示を行う。電源部113はシステム全体へ用途に応じて電源を供給する。外部入出力端子部114は、不図示の外部装置との間で通信信号及び映像信号を送受する。操作部115はユーザがデジタルカメラの操作に使用する。記憶部116は、映像情報や制御情報などの様々なデータを記憶する。姿勢情報制御部117は、機器(デジタルカメラ)の姿勢判定を行い、姿勢判定情報を映像信号処理部111と表示部112に送る。カメラシステム制御部(以下、単にシステム制御部という)118はシステム全体を制御し、撮像光学系の駆動制御部や制御部などに指令を送る。システム制御部118は、CPU(中央演算処理装置)を用いて解釈及び実行するプログラムに従って後述する処理を行う。
次に、上記構成をもつ光学機器としてのデジタルカメラの動作について概要を説明する。
操作部115は、振れ補正(防振)モードを選択する不図示の防振スイッチを含む。ユーザ操作により防振スイッチで振れ補正モードが選択されると、システム制御部118は防振制御部104に防振動作を指示し、これを受けた防振制御部104は防振動作のオフ指示がなされるまで防振動作を行う。また操作部115は、ユーザが静止画撮影モードまたは動画撮影モードを選択するための撮影モード選択スイッチを含む。各撮影時モードにおいて補正レンズユニット103を駆動するアクチュエータの動作条件が変更される。なお、デジタルカメラの場合では操作部115に撮影モード選択スイッチが含まれるが、たとえばデジタル一眼レフカメラ用の交換レンズのような光学機器の場合は、レンズ側で撮影モード選択は行わない。そのため、本実施形態をデジタル一眼レフカメラ用の交換レンズに適用する場合は、カメラ本体からの撮影モード選択スイッチの情報を受ける受信部が撮影モード切替の指示を受信し、レンズに指示する手段としての働きをする。
操作部115はシャッタレリーズボタンを含み、その押し込み量に応じて第1スイッチ(SW1)および第2スイッチ(SW2)が順にオンする構成を有する。シャッタレリーズボタンが約半分押し込まれたときに第1スイッチSW1がオン状態となり、シャッタレリーズボタンが最後まで押し込まれたときに第2スイッチSW2がオン状態となる。SW1がオン状態になると、システム制御部118はフォーカス駆動制御部108、絞り・シャッタ駆動制御部106に指示を出す。この指示に従ってフォーカス駆動制御部108がフォーカスユニット107を駆動してピント調節を行うとともに、絞り・シャッタ駆動制御部106が絞り・シャッタユニット105を駆動して適正な露光量に設定する。さらに、SW2がオン状態になると、システム制御部118の制御下で、撮像部109に露光された光像から得た画像データが記憶部116に記憶される。
また操作部115は動画記録スイッチを含み、該スイッチの操作後に動画撮影が開始し、記録中にユーザが再度スイッチを操作すると記録動作が終了する。操作部115に設けられた不図示の再生モード選択スイッチは、ユーザが再生モードを選択するのに使用し、再生モード時には防振動作が停止する。また操作部115は、ズーム動作の指示を行う変倍スイッチを含む。変倍スイッチによる変倍操作指示をシステム制御部118が受け付けた場合、システム制御部118から指示を受けたズーム駆動制御部102はズームユニット101を駆動して、指示されたズーム位置にズームユニット101を移動させる。それとともに、撮像部109から撮像信号処理部110に送られて映像信号処理部111で処理された画像情報に基づいてシステム制御部118は焦点状態検出を行い、フォーカス駆動制御部108はフォーカスユニット107を駆動してピント調節を行う。
図2は防振制御部104とこれに関連する部分の構成例を詳細に示すブロック図である。なお、光学機器の振れ検出についてはピッチ(Pitch)方向およびヨー(Yaw)方向で同じ構成となるため、以下ではその一方だけを説明する。
防振制御部104は、光学機器の振れの検出信号とシフトレンズの位置検出信号に基づき、振れ補正の目標位置を算出する。そして防振制御部104は、シフトレンズの位置が目標位置に収束するように指令信号を生成してシフトレンズ駆動部206に出力し、シフトレンズの駆動制御を行う。
角速度検出部201はジャイロセンサなどを用いて光学機器の振れを検出する振れ検出手段であり、本例では角速度データを検出し、検出電圧を出力する。角速度検出AD変換部202は、角速度検出部201の出力データをデジタルデータに変換する。ジャイロゲイン部203は角速度検出部201の出力のばらつきを揃える為の出力調整部であり、調整後の出力信号をキャンセル量算出部204に送る。キャンセル量算出部204は、角速度データを積分して角度データに変換し、手ブレ角度データとは逆方向のデータを手ブレキャンセルデータとする。キャンセル量算出部204はシフトレンズの駆動範囲に応じた特性変更を行い、揺れキャンセル量を算出する。キャンセル量算出部204の出力データはシフトレンズ位置制御部205へ送出される。
シフトレンズ位置検出部207は振れ補正時におけるシフトレンズの位置を検出し、検出電圧を出力する。本例では位置検出素子にホール素子207aを用いるが、他の検出手段を用いてもよい。ホール素子207aの出力は増幅部207bでの増幅後、シフトレンズ位置AD変換部208に送られる。シフトレンズ位置検出部207の出力データはデジタルデータに変換され、シフトレンズ位置制御部205に送られる。
シフトレンズ位置制御部205は、キャンセル量算出部204からの揺れキャンセル量と、シフトレンズ位置AD変換部208からの位置データとの差分をとって偏差を算出し、この偏差がゼロに近づくようにフィードバック制御を行う。シフトレンズ位置制御部205は補正レンズユニット103の駆動制御信号をシフトレンズ駆動部206に出力する。シフトレンズ駆動部206は駆動制御信号に従って補正レンズユニット103を駆動する。
ホールゲイン部210とホールオフセット部209からなる調整手段は、撮影モードの切替時にシフトレンズ位置検出部207の制御分解能を変更するともに、シフトレンズの駆動中心をずらして片ボケを調整する。ホールオフセット部209は撮影モードの切替時に片ボケの調整量を変更する調整量変更手段である。本例ではホール素子207aの後段に設けた増幅部207bの一方の入力端子に電圧を印加することで、増幅後のホール出力に電圧オフセットを与え、シフトレンズ位置が調整される。つまり増幅部207bの基準電圧を変更することで、シフトレンズの検出位置が調整される。またホールゲイン部210は、撮影モードの切替時に制御分解能を変更する制御分解能変更手段であり、本例ではホール素子207aの入力部に所定の電圧を印加することによってホール素子207aの出力を制御する。姿勢検出部211は、本実施形態においては、シフトレンズ位置制御部205の情報から機器の姿勢を判定するが、加速度センサや姿勢検出センサのようなセンサを用いて機器の姿勢を判定してもよい。
次に、ホールオフセット部209を用いたホールオフセット調整/片ボケ調整と、ホールゲイン部210を用いたホールゲイン調整(シフトレンズAD分解能設定)について詳述する。
ホールオフセット部209を用いたメカ中心の算出処理では、シフトレンズを駆動制御範囲にて水平方向および垂直方向の限界点まで駆動させる移動指令がシステム制御部118からホールオフセット部209へ通知され、シフトレンズを駆動させる。このときの駆動制御範囲における各限界点を結んだ線分の中点がメカ的な中心となる。このメカ中心出しをホールオフセット部209で行うことを「ホールオフセット調整」という。この調整結果で得られたシフトレンズの中心位置を「メカ中心」と呼ぶ。図3(A)は、左側にシフトレンズ駆動の限界点の測定例を示し、UPおよびDPは垂直方向の限界点を示し、LPおよびRPは水平方向の限界点を示す。図3(A)の右側に示すメカ中心CPは、UPとDPを結ぶ線分およびLPとRPを結ぶ線分の中点として算出される。
ホールオフセット部209への移動指令により、メカ中心からシフトレンズを移動させてその駆動中心をずらし、片ボケがなくなるように調整することを片ボケ調整という。
次に、ホールゲイン部210を用いたシフトレンズ位置AD分解能の設定方法を説明する。図3(B)では左側に、シフトレンズに所定の移動指令量を出して該シフトレンズの駆動を行った場合の水平方向および垂直方向のレンズ位置を例示する。シフトレンズを駆動制御範囲にて水平方向および垂直方向に所定量(例えば50LSB)だけ駆動させる移動指令がシステム制御部118からシフトレンズ位置制御部205へ通知され、シフトレンズが駆動される。この時の画角の変化量が0.1度になるようにホールゲイン部210での値が設定される。この結果得られた値をホールゲイン値と呼び、この調整をホールゲイン調整と呼ぶ。図3(B)の右側には画角に対してシフトレンズの移動量を合わせる調整が行われた後の、シフトレンズの水平方向および垂直方向の位置をそれぞれ示す。このホールゲイン調整において0.1度の画角変化量に対して何LSBで駆動させるかがシフトレンズ位置AD分解能となる。本実施形態では制御精度の指標として、シフトレンズ駆動に係る制御分解能である、シフトレンズ位置AD分解能を用いる。尚、ホールゲイン調整はテレ(望遠)端位置で行うものとする。
図4はシフトレンズ位置制御部205の構成例を示すブロック図である。
キャンセル量算出部204の出力信号は減算部DECに正入力として送られる。減算部DECの負入力にはシフトレンズ位置AD変換部208の出力信号が供給される。減算部DECの出力は3つに分岐して、積分補償器(Ki)301、比例補償器(Kp)302、微分補償器(Kd)303にそれぞれ送られる。括弧内の記号は各補償器のゲインを表す。積分補償器301の前段には積分演算部が配置され、微分補償器303の前段には微分演算部が配置され、「Z−1」は遅延器を示す。これらの補償器の出力は加算器ADDに送られて合算された後、ゲイン調整部305に出力される。ゲイン調整部305は加算器ADDの出力を増幅して得られる駆動制御信号をシフトレンズ駆動部206のDA変換部に出力する。積分補償値読み出し部304には積分補償器301の出力値である積分補償値(Eviと記す。下式(1)の右辺第3項参照)が入力され、姿勢検出部211に送られて姿勢判定に用いられる。
ここでPID制御について目標位置と現在位置との差分を偏差量eとすると、出力となるフィードバック量(PIDoutと記す)は下式(1)のように表される。
Figure 0005743521
図4にてシフトレンズの目標位置はキャンセル量算出部204によって算出され、シフトレンズの現在位置はシフトレンズ位置AD変換部208の値から得られる。PID制御演算後、ゲイン調整部305で所定量のゲイン(通常は1)を乗じた駆動制御信号がシフトレンズ駆動部206へ送られる。シフトレンズ駆動部206は内部のDA変換部でデジタル信号からアナログ信号に変換した駆動信号に従ってシフトレンズを駆動する。
次に図5を用いて、シフトレンズAD分解能(以下、単にAD分解能という)について説明する。本例にてシフトレンズのADレンジは0から600とし、中央位置を300とする。図5(A)は静止画撮影モードを基準とする場合を例示し、ホールゲイン調整によりテレ端で0.4度画角が変化する時のシフトレンズ駆動量が200LSBに設定されているものとする。AD分解能が高い方が静止画撮影時の手ブレ補正に有利であるので、出来るだけテレ端でのAD分解能が高くなるように設定される。
ワイド端でのAD分解能はテレ端とワイド端での所定画角変化量当たりのシフトレンズ移動量の差で決定される。以下、この移動量をシフトレンズ敏感度と呼び、その値はレンズの構造および種類によって異なる。例えば、ある低倍率レンズの場合にテレ端とワイド端のシフトレンズ敏感度比を2:1とすると、テレ端での画角変化量0.4度に対応するAD分解能を200LSBとしたとき、ワイド端ではAD分解能が100LSBとなる。この時、ADレンジの制限によりワイド端ではシフトレンズの可動範囲が±1.2度となる。この設定では動画撮影モード時に大ブレ防振を行う場合、ADレンジが不足する。つまり、ワイド端でのシフトレンズの可動範囲が狭くなるため、歩き撮りなどの大きな振れに対して対応出来ない。
そこで図5(B)に示すように、動画撮影モードでの大ブレ防振に対応するために、動画撮影モードを基準として設定することが考えられる。例えば、ワイド端で可動範囲は4.8度のように広くとるようにAD分解能を設定すると、0.4度あたり25LSBとなる。しかし、シフトレンズ敏感度比「2:1」の場合、テレ端でのAD分解能が小さくなり、0.4度あたり50LSBとなる。この設定で静止画撮影モードに切り替えられた場合、静止画撮影モード時の手ブレ補正効果が著しく低下してしまう。ここでは動画撮影モード時にAD分解能を小さくした(低くした)時の手ブレ防振について説明したが、動画記録時には静止画像の場合よりも手ブレ防振効果の低下は目立たず、ある程度AD分解能を下げても(低くしても)見た目には殆ど劣化は分からない。その理由として動画記録時には記録画素数が静止画記録時より少ない事が挙げられる。また画質の点でも解像度に関して動画は静止画ほど劣化が顕著ではない。
図5(A)に示すように、静止画撮影モードを基準にしたAD分解能の設定では、静止画撮影モードは動画撮影モードよりもAD分解能が高いため、動画記録時の可動範囲が確保出来なくなる。また図5(B)に示すように動画撮影モードでの大ブレ防振に合わせたAD分解能の設定では、静止画撮影時の手ブレ補正効果が低下してしまう。
そこで本実施形態では、図6に示すように静止画撮影モードと動画撮影モードの切替時にAD分解能を切り替える手段を講じる。つまり、静止画撮影モードでは図6(A)に示すように画角0.4度に対してテレ端で200LSB、ワイド端で100LSBの設定とされる。また動画撮影モードでは図6(B)に示すように画角0.4度に対してテレ端で50LSB、ワイド端で25LSBの設定とされる。
AD分解能の切り替え方法としてはホールゲイン部210がホールゲイン値を変更する。以下、図7のフローチャートを用いて処理例について説明する。ここでは、工場出荷時に、テレ端における静止画撮影モードと動画撮影モードのそれぞれに適したホールゲイン値およびホールオフセット調整値が予め得られているものとする。本例ではテレ端で0.4度あたり、静止画撮影モードで200LSBとし、動画撮影モードで50LSBとする。また片ボケ調整値に関しては、静止画撮影モードでの最適値が予め得られているものとする。
まず、S101でデジタルカメラの電源が投入されると、S102に進む。S102でシステム制御部118は、操作部115に設けた不図示の撮影モード選択スイッチが操作されたか否かを判定する。該スイッチが切り替わっていると判定された場合、S103に進み、該スイッチが切り替わっていない場合、S113に進む。
S103でシステム制御部118は静止画撮影モードか動画撮影モードかを判定する。静止画撮影モードの場合、S104に進み、動画撮影モードの場合、S108に進む。なお、撮影モード選択スイッチではなく、単にレリーズスイッチ(静止画撮影スイッチ)と動画撮影スイッチによって静止画撮影と動画撮影を切り替えるような場合でも、本実施形態は適用可能である。この場合、動画撮影スイッチが押された場合に本実施形態の動画撮影モードに移行するなどの処理が実行される。
S104でシステム制御部118は防振制御部104に指令を出し、ホールオフセット部209、ホールゲイン部210は静止画撮影用のホール調整値(ホールオフセット調整値およびホールゲイン調整値)に設定する。つまり、AD分解能は静止画撮影モード用に設定されることになる。
ここでAD分解能の切替時にホールゲイン調整値だけでなくホールオフセット調整値も切り替える理由を説明する。ホールオフセット調整値を1LSB変化させた時のホール出力電圧値の変化は回路構成上、一定値となる。ホールゲイン調整により0.4度あたりのシフトレンズAD幅が設定された時、画角0.4度あたりのホール出力電圧幅も決定される。例えば0.4度あたりのAD幅を200LSBとした時と50LSBとした時とでは、その電圧幅が4倍異なる。それ故、ホールオフセット値1LSBあたりの補正画角量も4倍異なることになる。よってホールゲイン値を変更した場合、この変更に対応するホールオフセット値も異なってくるので、AD分解能の変更にはホールゲイン値とホールオフセット値の両方の変更が必要となる。
次のS105では、予め記憶されている静止画撮影用の片ボケ調整値をホールオフセット値に加算して設定する処理が行われる。片ボケ調整値については、レンズ中心点からの相対的な量として予め記憶部116が記憶している。
次にS106に進み、シフトレンズ位置制御部205は、静止画撮影用の指令値換算および設定を行う。動画撮影モードから静止画撮影モードに切り替わった場合、指令値の換算は下式(2)に従って行われる。ここで指令値のレンジはシフトレンズAD値と等価である。
Figure 0005743521
次にS107に進み、防振制御部104にて静止画撮影用の各種防振パラメータについての設定処理が行われる。ここで各種防振パラメータとは、ジャイロゲイン部203のゲイン、パンニング動作時の画像の見え方を制御するパラメータ、三脚処理パラメータ、シフトレンズ制御のゲイン値(ゲイン調整部305のゲイン値)などである。またジャイロゲイン部203のゲイン値が変更されるので、キャンセル量算出部204内のデジタルフィルタ演算部での中間変数等の変更も必要となる。その後、S113に進む。
前記S103で動画撮影モードと判別された場合には、S108に進み、防振制御部104は動画撮影用のホール調整値を設定する。そして、S109では動画撮影用の片ボケ調整値が下式(3)に従って算出され、これがホールオフセット値として加算される。
Figure 0005743521
前記の設定例では静止画撮影モードと動画撮影モードでのAD分解能の比が4:1であるので、静止画撮影時の片ボケ調整値に対して1/4をかけることで、動画画撮影時の片ボケ調整値が算出される。このとき、静止画撮影時の片ボケ調整値が4で割り切れない場合、その余り分は、ホールオフセット部209では調整できない。そこで、次ステップS110では、片ボケ調整の誤差分(剰余)を算出し、レンズ目標位置にオフセットとして加算することでその誤差分の調整が行われる。ただし、静止画撮影時の片ボケ調整値を4で割ったときの余りはホールオフセット換算のため、下式(4)に示すように、変換係数の乗算によりレンズ目標位置への換算量に変換しなければならない。
Figure 0005743521
そしてS111に進み、下式(5)に従って動画撮影用の指令値換算及び設定が行われる。
Figure 0005743521
このように振れ補正の目標位置のオフセットを変更することにより、撮像光学系に係る片ボケ調整量を変更することができる。
次にS112で動画撮影用の防振パラメータ設定が行われる。設定項目はS107の静止画撮影の場合と同様である。その後、S113でシステム制御部118は電源スイッチのオン/オフ状態を判定する。電源スイッチがオン状態の場合、S102に戻って処理を続行する。一方、電源スイッチがオフ状態の場合、処理を終了する。
上記の例では、撮像光学系に係る片ボケ調整量に関し、増幅部207aの基準電圧の変更により調整し、片ボケ調整誤差については、振れ補正の目標位置のオフセットを変更することで補正している。シフトレンズ位置検出部207の制御精度が閾値より高い場合、片ボケ調整量を、増幅部207bの基準電圧によって変更するか、あるいは、振れ補正の目標位置のオフセットを変更することにより調整できる。また、シフトレンズ位置検出部207が閾値より低い場合には、片ボケ調整量を、増幅部207bの基準電圧によって変更し、かつ振れ補正の目標位置のオフセットを変更することで調整できる。
本実施形態によれば、撮影モードに応じてシフトレンズ駆動の制御分解能を切り替えて可動範囲を変更することにより、静止画と動画の撮影にそれぞれ最適な手ブレ補正処理を実行しつつ、撮影モードの切替時に画角変化が起きないように防止できる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、これに限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えばシフトレンズの代わりに撮像素子を駆動する機構であってもよい。また、図7のS104およびS108(ホール調整値の設定)にて調整値を一度に変更した場合、検出出力がステップ応答状になってしまうことが懸念される。その場合には、ホール調整値を一定時間間隔(例えば10ミリ秒毎)で微小量ずつ変更することにより、モード切替時の変化が目立たなくすればよい。
本実施形態では光学機器としてデジタルカメラを例にとったが、デジタルビデオカメラや、デジタル一眼レフ用の交換レンズ、振れ補正機構を搭載した携帯電話やゲーム機などの電子機器であってもよい。
103 補正レンズユニット
104 防振制御部
115 操作部
118 カメラシステム制御部
201 角速度検出部
205 シフトレンズ位置制御部
206 シフトレンズ駆動部
207 シフトレンズ位置検出部
209 ホールオフセット部
210 ホールゲイン部

Claims (5)

  1. 像振れ補正手段と、前記像振れ補正手段の位置を検出する位置検出手段と、振れを検出する振れ検出手段から出力される振れ検出信号に基づいて前記像振れ補正手段を制御する制御手段と、片ボケ調整量を変更して前記像振れ補正手段の駆動中心をずらして撮像光学系に係る片ボケを調整する調整手段と、を有する光学機器であって、
    前記調整手段は、動画撮影時の前記位置検出手段の分解能が静止画撮影時の前記位置検出手段の分解能よりも低くなるように制御された場合、前記動画撮影時の前記像振れ補正手段の駆動中心と前記静止画撮影時の前記像振れ補正手段の駆動中心が一致するように前記片ボケ調整量を調整することを特徴とする光学機器。
  2. 前記像振れ補正手段は、前記撮像光学系の光軸に対して直交する方向に駆動される光学手段であることを特徴とする請求項1に記載の光学機器。
  3. 前記像振れ補正手段は、前記撮像光学系の光軸に対して直交する方向に駆動される撮像素子であることを特徴とする請求項1に記載の光学機器。
  4. 前記片ボケ調整量を所定時間間隔で複数回に分けて変更することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の光学機器。
  5. 像振れ補正手段の位置を検出する位置検出工程と、振れを検出する振れ検出手段から出力される振れ検出信号に基づいて前記像振れ補正手段を制御する制御工程と、片ボケ調整量を変更して前記像振れ補正手段の駆動中心をずらして撮像光学系に係る片ボケを調整する調整工程と、を有する光学機器の制御方法であって、
    前記調整工程では、動画撮影時の前記位置検出工程の分解能が静止画撮影時の前記位置検出工程の分解能よりも低くなるように制御された場合、前記動画撮影時の前記像振れ補正手段の駆動中心と前記静止画撮影時の前記像振れ補正手段の駆動中心が一致するように前記片ボケ調整量を調整することを特徴とする光学機器の制御方法。
JP2010277871A 2010-12-14 2010-12-14 光学機器およびその制御方法 Expired - Fee Related JP5743521B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010277871A JP5743521B2 (ja) 2010-12-14 2010-12-14 光学機器およびその制御方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010277871A JP5743521B2 (ja) 2010-12-14 2010-12-14 光学機器およびその制御方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012128066A JP2012128066A (ja) 2012-07-05
JP5743521B2 true JP5743521B2 (ja) 2015-07-01

Family

ID=46645195

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010277871A Expired - Fee Related JP5743521B2 (ja) 2010-12-14 2010-12-14 光学機器およびその制御方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5743521B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015166771A (ja) * 2014-03-03 2015-09-24 キヤノン株式会社 撮像装置およびその制御方法

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09230254A (ja) * 1995-12-22 1997-09-05 Asahi Optical Co Ltd 防振装置を備えた望遠鏡
JP2006047742A (ja) * 2004-08-05 2006-02-16 Canon Inc 撮像装置
JP5296346B2 (ja) * 2007-08-14 2013-09-25 富士フイルム株式会社 撮影装置
JP5436014B2 (ja) * 2009-04-13 2014-03-05 キヤノン株式会社 像振れ補正装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2012128066A (ja) 2012-07-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6074298B2 (ja) 撮像装置、画像処理装置、及びそれらの制御方法
JP5419647B2 (ja) 像振れ補正装置およびそれを備えた撮像装置、像振れ補正装置の制御方法
US8279290B2 (en) Blur correcting image pickup apparatus and control method
JP6472176B2 (ja) 撮像装置、像振れ補正装置、撮像装置の制御方法及び像振れ補正方法
JP6530602B2 (ja) 撮像装置及びその制御方法
US8169487B2 (en) Image-shake correction apparatus and imaging apparatus
JP6465560B2 (ja) 像振れ補正装置およびその制御方法、プログラム、記憶媒体
JP2012037865A (ja) 像ブレ補正装置及びその制御方法及び撮像装置
JP6423658B2 (ja) 撮像装置及びその制御方法、プログラム、記憶媒体
US8866917B2 (en) Optical apparatus and control method therefor
JP5546272B2 (ja) 光学装置及びその制御方法
JP6525800B2 (ja) 像振れ補正装置およびその制御方法、撮像装置
JP6289243B2 (ja) 像振れ補正装置及びその制御方法、プログラム、記憶媒体
US6473566B2 (en) Lens system and camera system composed of camera provided with lens system
US9420179B2 (en) Optical device for performing image blur compensation
JP5743521B2 (ja) 光学機器およびその制御方法
JP2007057605A (ja) 撮像装置
JP5318078B2 (ja) 光学機器及びその制御方法
JP2012098493A (ja) 撮像装置
JP6039197B2 (ja) 撮像装置およびその制御方法
JP5213935B2 (ja) 像振れ補正装置及びその制御方法及び撮像装置
JP5404370B2 (ja) ブレ補正方法及び撮像装置
JP5053693B2 (ja) 像ぶれ補正装置またはそれを備えた光学機器、撮像装置
JP5967885B2 (ja) 光学機器およびそれを備えた撮像装置、光学機器の制御方法
JP5746775B2 (ja) 光学機器およびその制御方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20131212

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140812

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140813

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20141014

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150331

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150428

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5743521

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees