JP5743136B2 - 生分解性ハード及びソフトブロックを有するポリウレタン、並びにそのブレンドから作られた埋め込み型医療デバイス - Google Patents

生分解性ハード及びソフトブロックを有するポリウレタン、並びにそのブレンドから作られた埋め込み型医療デバイス Download PDF

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Description

[発明の背景]
本発明は、ポリウレタンブロックコポリマーから作られた埋め込み型医療デバイス、及びそのような埋め込み型医療デバイスを作製する方法に関する。
[現状技術の説明]
本発明は、身体の内腔に埋め込まれるように適合した、放射状に拡張可能なエンドプロテーゼに関する。「エンドプロテーゼ」は、身体の内部に取り付けられる人工デバイスに対応する。「内腔」とは、血管のような管状の器官の空洞を言う。
ステントは、そのようなエンドプロテーゼの一例である。ステントは、一般に円筒形の形状をしたデバイスであり、血管又は尿路及び胆管のような他の解剖学的内腔の1つのセグメントを開いた状態に維持し、そしてときには拡張するように機能する。ステントは、しばしば血管におけるアテローム硬化性狭窄の治療に使用される。「狭窄」とは、体内の通路又は開口部の直径が狭くなること又は収縮を言う。そのような治療において、ステントは、身体の血管を補強し、血管系の血管形成に続く再狭窄を防止する。「再狭窄」とは、血管又は心臓弁における狭窄が、治療(バルーン血管形成、ステント植え込み術、又は弁形成によるような)が成功したように見えた後に、再発することを言う。
疾患部位又は病変のステントによる治療は、ステントの送達及び配置の両者を含む。「送達」は、ステントを、身体の内腔を通じて、治療を必要とする血管中の病変のような領域へ、導入し、そして輸送することを言う。「配置」は、治療の領域において、内腔内でステントを拡張することに対応する。ステントの送達及び配置は、カテーテルの一方の末端にステントを取り付け、カテーテルのその末端を、皮膚を通して身体の内腔へ挿入し、身体の内腔内においてカテーテルを所望の治療の位置まで前進させ、治療の場所においてステントを拡張し、そしてカテーテルを内腔から除去することにより達成される。
バルーンで拡張可能なステントの場合、ステントはカテーテル上に配置されたバルーンに装着される。ステントの装着は、一般的にはステントをバルーン上に圧縮するか又は圧着(crimping)することを含む。次いで、バルーンを膨張させることによって、ステントを拡張する。その後バルーンはしぼませることができ、そしてカテーテルは引き抜かれる。自己拡張型ステントの場合、伸縮自在のシース(sheath)又はソック(sock)のような拘束部材によってカテーテルに固定することもできる。ステントが所望する身体の位置に達した場合、シースは取り去ることができ、これがステントの自己拡張を可能にする。
ステントは、数多くの機械的な要求を満足できなければならない。先ず第1に、ステントは、それが血管の壁を支持する際にステントに掛かる構造的な負荷、即ち、半径方向の圧縮力に耐えることができなければならない。従って、ステントは、適正な半径方向の強さを持たなければならない。半径方向の圧縮力に抵抗するステントの能力である半径方向の強さは、ステントの円周方向の周りの強さ及び剛性に起因する。従って、半径方向の強さ及び剛性は、また、フープ(hoop)又は円周方向の強さ及び剛性と記載されてもよい。
一旦拡張されたら、ステントは、心臓の鼓動によって誘発される周期的な負荷を含む、それに掛かることになり得る各種の力にも拘わらず、その使用期間を通してそのサイズ及び形状を適正に維持しなければならない。例えば、半径方向の力は、ステントを内側へ跳ね返させる傾向があり得る。一般的に、跳ね返りを最小化することが望ましい。また、ステントは、圧着、拡張、及び周期的負荷を可能にするために十分な柔軟性を持たなければならない。縦方向の柔軟性は、ステントが曲がりくねった血管の経路を通じて操作されることを可能にし、そして直線的でないかも知れない又はたわんでいる配置部位に適合することを可能にするために、重要である。最後に、ステントは、いかなる不都合な血管反応をも誘発しないように、生体適合性でなければならない。
ステントの構造は、一般に、しばしば業界で支柱(struts)又はバー・アーム(bar arms)と呼ばれる構造要素を相互に連結するパターン又はネットワークを含む足場から構成される。足場は、ワイヤー、管、又は円筒形状に巻いた材料のシートから形成できる。足場は、ステントが(圧着を可能にするために)半径方向に圧縮されることができ、そして(配置を可能にするために)半径方向に拡張されることができるように設計される。従来のステントは、1つのパターンの個々の構造要素が互いに動くことを通して、拡張及び収縮を可能にしている。
さらに、薬用のステントは、金属の又はポリマーのいずれかの足場の表面を、活性剤若しくは生物活性剤、又は医薬を含むポリマー担体でコーティングすることにより、作り得る。ポリマーの足場は、また、活性剤又は医薬の担体として働き得る。
さらに、ステントが生分解性であることが望ましい。多くの治療の適用において、身体の中にステントが存在することは、例えば、血管の開通を維持するという意図された機能及び/又は医薬の送達が達成されるまでの限られた期間、必要であると思われる。従って、生体吸収性ポリマーのような、生分解性、生体吸収性、及び/又は生体浸食性の材料から作り上げられたステントは、それらに対する臨床的必要性が終了した後でのみ、完全に磨滅するように設定すべきである。
ポリマーステントに伴う潜在的な問題は、それらが不適切な靭性を有していると思われること、及びそれらがある治療に対して望ましい速度より遅い分解速度を有していると思われることである。
[発明の概要]
本発明のさまざまの実施形態は、ブロックコポリマーを含むポリマー−ポリマー複合体から少なくとも1部が作られたステント体を含み、ブロックコポリマーがハードブロック及びソフトブロックを含み:ハードブロック及びソフトブロックはジウレタン結合によって結合し、そして材料は生分解性のガラス状ポリマーマトリックス中に分散した生分解性エラストマー相を含み、エラストマー相はソフトブロックを含み、マトリックスはハードブロックを含み、ソフトブロックは生理学的条件においてハードブロック及びポリマーマトリックスより強靭である。
本発明の更なる実施形態は、マトリックスポリマーとブレンドされたブロックコポリマーを含むポリマー複合体から少なくとも1部が作られたステント体を含み、ブロックコポリマーがハードブロック及びソフトブロックを含み:ハードブロック及びソフトブロックはジウレタン結合によって結合し、そしてポリマー複合体は生分解性のガラス状ポリマーマトリックス中に分散した生分解性エラストマー相を含み、エラストマー相はソフトブロックを含み、マトリックス相はマトリックスポリマー及びハードポリマーブロックを含み、ソフトブロックは生理学的条件においてハードブロック及びマトリックスポリマーより強靭である。
本発明の更なる実施形態は、少なくとも1部がポリマー複合体から作られたステント体を含み、ブロックコポリマーを含む前記複合体がハードブロック及びソフトブロックを含み:ハードブロック及びソフトブロックはジウレタン結合によって結合し、そしてポリマー複合体は生分解性のポリマーマトリックス中に分散した生分解性エラストマー相を含み、エラストマー相はソフトブロックを含み、そしてハードブロックはポリマーマトリックスの全て又は実質的に全てを構成し、ソフトブロックは生理学的条件においてハードブロック及びポリマーマトリックスより強靭である。
本発明の特定の他の実施形態は、ハードポリマージオール、ソフトポリマージオール、及びジイソシアネートを反応させて、ジウレタン結合によって結合したハードポリマーブロック及びソフトポリマーブロックを含む生分解性ポリウレタンを形成し;そしてポリウレタンを含むステント体を形成し;ソフトブロックが生理学的条件においてハードブロックより大きい靱性を有することを含むステントを作る方法を含む。
は、ステントを描いたものである。 は、図1Aに描かれたステントの構造要素の部分を描いたものである。 は、機械的挙動の領域を示す、4つの温度において試験された典型的なポリマーに対する荷重−伸長曲線を表したものである。 は、図1Bに描かれた部分の概略拡大図を描いたものである。 は、二成分ポリマーブレンドの形成の概略図を描いたものである。 は、不連続なポリマー相と連続的なポリマー相の間の界面の概略拡大図を描いたものである。 は、ラットの組織中に埋め込まれたPLLA及びPGAのホモポリマー及びコポリマーの半減期を示したものである。 は、PLLAジオールの合成を描いたものである。 は、PDOジオールの合成を描いたものである。 は、PLLAハードブロックとPDOソフトブロックを用いた、ポリウレタンブロックコポリマーの合成を描いたものである。[発明の詳細な説明]
本明細書で使用される「埋め込み型医療デバイス」は、自己拡張型ステント、バルーン拡張型ステント、ステント・グラフト、及び一般的に管状の医療デバイスを含むが、これらに限定されない。
埋め込み型医療デバイスは、治療薬を局所送達のために設計することができる。薬用の埋め込み型医療デバイスは、デバイス又は基材を、治療薬を含有するコーティング材料でコーティングすることにより構築することができる。デバイスの基材も、また、治療薬を含有することができる。
図1Aは、ステント100の図を描いたものである。いくつかの実施形態においては、ステントは、相互に連結する構造要素105のパターン又はネットワークを有する本体又は足場を含んでよい。ステント100は管(示されていない)から形成されてもよい。構造要素110のパターンは、種々のパターンを取ることができる。デバイスの構造要素は、実質的にいずれのデザインのものも可能である。本明細書に開示される実施形態は、図1Aに示されるステント又はステントパターンに限定されない。本実施形態は、他のパターン及び他のデバイスに容易に適用可能である。パターンの構造における変形は、実質的に無限である。ステント100のようなステントは、レーザー・カッティング又は化学エッチングのような技法を用いてパターンを形成することにより、管から作ることができる。
埋め込み型医療デバイスは、部分的に又は完全に、生分解性、生体吸収性、又は生体安定性ポリマーから作ることができる。埋め込み型医療デバイスを作るのに使用されるポリマーは、生体安定性、生体吸収性、生分解性又は生体浸食性であり得る。生体安定性は、生分解性ではないポリマーを言う。用語、生分解性、生体吸収性及び生体浸食性は互換的に使用され、血液のような体液に暴露された場合、完全に分解される及び/又は浸食される能力があり、身体によって徐々に再吸収され、吸収され及び/又は除去されうるポリマーを言う。ポリマーの崩壊及び吸収の過程は、例えば、加水分解及び代謝過程によって引き起こされ得る。
ステント等の埋め込み型医療デバイスに好適と思われるある種のポリマーは、潜在的な欠点を有する。例えば、ある種の結晶性又は半結晶性ポリマーは、ステントの基材又は足場が内腔に対して適正な支持を提供できるように、主として生理学的条件における強さ及び剛性を基準にして選択することができる。生理学的条件とは、体温を含むがこれに限定されないヒトの患者内の条件を言う。そのようなポリマーは、ガラス状であるか又は体温より高いTgを有する可能性があり、約37℃の体温において、それらを堅くそして強いものにしている。「ガラス状のポリマー」とは、体温より高いTgを有するポリマーを言う。そのような結晶性又は半結晶性のポリマーのそのような欠点の1つは、それらの靭性が、特にステントの用途に使用するために所望されるものより低いことである。例えば、ポリ(L−ラクチド)(PLLA)、ポリグリコリド(PGA)、又はそれらのコポリマー、ポリ(L−ラクチド−co−グリコリド)(PLGA)のようなポリマーは、生理学的条件又はヒトの体内条件下では脆い傾向がある。
PGAは、他の生分解性ポリマーと比較して高度に結晶性であり、35〜75%の範囲に報告された結晶化度の範囲を有する。PGAの分子構造及びそれに続く結晶構造は、非常に密な鎖の充填を可能にし、従って、この材料にいくつかの非常にユニークな機械的、物理的及び化学的性質を与えている(下記の表1を参照)。例えば、その比重はおおよそ1.5〜1.7であり、これはポリマー材料としては非常に高い。それは、また、高い融点及び殆どの有機溶媒に対して低い溶解度を有する。最も単純な直鎖状の脂肪族ポリエステルであるPGAは、容易に接近可能な、そして加水分解に不安定な脂肪族−エステル結合の加水分解によって分解する。分解時間は通常数カ月であるが、分子量、結晶化度、結晶形態、及び環境の物理化学的特性のような複数の要因に依存する。
PGAに構造的には非常に類似しているものの、PLLAは、α−炭素上のペンダントメチル基の存在のために、いくつかの全く異なった化学的、機械的及び物理的性質を有する。これはPLLAをキラル分子にし、そしてD、L及びDL異性体が可能である。D、L−PLAは完全に非晶質の材料であるが、PLLAは半結晶性ポリマーである。PLLA中のメチル基は、エステル結合のカルボニルを立体的に加水分解的攻撃を受けにくくしており、そのことが、PLLAのタイプ、その分子量及びその結晶化度のような特定の因子に依存して、同じ環境に暴露された場合、PLLAを一般的にPGAよりも加水分解に対してより安定にしている。
図2は、試験した典型的なポリマーの4つの温度における荷重−伸長曲線を表し、機械的挙動の領域を示す。曲線Aは、低温(Tgより低い)において起こる脆性破壊メカニズムを代表する。曲線Aにおいて、荷重は、曲線の末端の破壊又は破断点まで、伸張の増加に伴いほぼ直線的に上昇する。破断点における伸張は、一般的に5%未満である。曲線Aにおける挙動においては、破壊に至るまで可塑的変形は殆ど又は全く起こらない。曲線Bは、より高い温度における延性破壊メカニズムを表し、その中では、一般に10〜20%の伸張の間で降伏点B1が観察され、その後荷重が落ち込んで破壊に至る。曲線A及びBに示される挙動を示すポリマーは、非常に剛直(高モジュラス)で比較的高い強さ(破壊時荷重)を有する可能性がある。そのようなポリマーは、比較的低い靭性を有する。曲線Cは、より高い温度におけるポリマーの挙動を表し、その中では歪み硬化が起こる。降伏点C1の後、頸部は安定化し、平坦領域C2で示されるように、低温延伸が結果として起こり、しばしば1000%までもの伸長が伴う。曲線Dは、それより高い温度における挙動を表し、その中では均質なゴム様の変形が起こり、破断点における非常に大きい伸張を伴う。非晶質のポリマーにおいては、このゴム様挙動はTgより上で起こり、従って、応力レベルは非常に低い。
以下に示すように、靭性の1つの尺度は、応力−歪み曲線又は荷重−伸長曲線下の、歪みゼロから破壊時の歪みまでの面積である。従って、モジュラス、破壊時の応力(強さ)、及び破壊時の伸張は、ポリマーの靭性に関連する。例えば、より低い強さを有するポリマーは、もしそのポリマーが破断時により高い伸張及びより低いモジュラスを有するならば、脆いポリマーより高い靱性を有することができる。
低破壊靭性ポリマーの生理学的条件下における破壊靭性を増大させる1つの方法は、生理学的条件においてより高い破壊靭性を有するポリマーとブレンドした、低破壊靭性ポリマーを含むポリマー−ポリマー複合体を形成することである。「複合体」とは、一般的に、2つ又はそれ以上のはっきりと異なる、構造的に相補的な物質が合体して、いずれの個々の成分にも存在しない構造的又は機能的性質を生み出す材料を言う。2つ又はそれ以上のはっきりと異なる物質は、金属、セラミックス、ガラス、及びポリマー等の異なるクラスの材料の組み合わせであってよい。2つ又はそれ以上の物質は、また、異なる相を形成する2つ又はそれ以上の異なるポリマーの組み合わせであり得る。
そのようなポリマー−ポリマー複合体において、低破壊靭性ポリマーは、生理学的条件下でより高い又は比較的高い破壊靭性を有する別のポリマーとブレンドされる。より高い破壊靭性ポリマーは、また、非混和性であり、低破壊靭性ポリマー内で不連続な又は分散した相を形成する。不連続相は、複合体から作られたデバイスに付与される応力から生じるエネルギーを吸収することができ、デバイスの破壊靭性を増大する。相の界面間での良好なエネルギー移行を確実にするために、相間に十分な結合又は接着があることが重要である。Y. Wang, etc., Journal of Polymer Science Part A: Polymer Chemistry, 39, 2001, 2755−2766。
いくつかの生分解性ポリマーの別の欠点は、それらの分解速度が、特定のステント治療に所望される速度に比べて、より遅い又はより速い可能性があることである。例えば、分解速度は遅すぎる可能性がある。その結果、そのようなポリマーから作られたステントの分解時間は、所望されるものに比べてより長い可能性がある。分解時間を短縮することは、治療した血管に必要に応じて更なる外科手術又は治療介入をより早く行うことを可能にする。また、分解時間の短縮は、晩期ステント血栓症、凝血塊が配置後数カ月又は数年のステントの表面に形成する状態、のケースを低減するのを助ける。例えば、PLLAから作られるステントは、約2及び3年の間、又はそれ以上の分解時間を有しうる(表1を参照)。「分解時間」とは、血管中に埋め込まれたステントが完全に吸収される時間を言う。「分解時間」は、また、ステントがインビトロ条件下で完全に吸収される時間を言うことができる。いくつかの治療の状況においては、1年未満の分解時間、例えば、6〜12カ月の間、又はより狭く8〜10カ月の間が望ましいと思われる。
加水分解的に分解するポリマーの分解は、ポリマー中への水の浸透と、それに続くポリマー中の結合の加水分解を含む順序に従う。このように、ポリマーの分解は、水に対する親和性及びポリマーを通しての水の拡散速度によって影響され得る。疎水性ポリマーは、水に対して低い親和性を有し、そのことが比較的低い水の浸透性を招く。また、ポリマーの結晶領域を通しての水の拡散速度は、非晶質領域に比べてより低い。このように、ポリマーの水に対する親和性が低下するか又は結晶化度が増加するかのいずれかにおけるほど、水の浸透性及びポリマー中の含水量は減少し、より遅い分解速度を招く。
本発明の種々の実施形態には、ポリマーマトリックス又は連続的なポリマー相内に分散した不連続なポリマー相を含む、ポリマー−ポリマー複合体の少なくとも一部から作られた、ステントのような、埋め込み型医療デバイスが含まれる。いくつかの実施形態において、不連続相のポリマーは、マトリックスポリマーより高い靭性を有する。そのような実施形態においては、より高い靭性を有するポリマーは、より高い破断点伸張、より低いモジュラス、又はその両者を有することができる。他の実施形態においては、不連続相のポリマーは、マトリックスポリマーより大きい分解速度を有する。いくつかの実施形態においては、不連続相は、複合体の靭性を増大させ、複合体の分解速度を増大させ、又は複合体の靭性及び分解速度の両者を増大させる。
典型的な実施形態において、より高い靭性のポリマーは、ポリマーマトリックスより、少なくとも2、4、10倍、若しくは少なくとも100倍大きい、又は100倍よりも大きい破断点伸張を有することができる。他の典型的な実施形態においては、より高い靱性のポリマーは、マトリックスポリマーの20%、50%未満、又は80%未満のモジュラスを有することができる。いくつかの典型的な実施形態において、より高い靱性のポリマーの分解速度は、マトリックスポリマーの分解速度に比べて、20%、30%、50%未満、又は80%未満であり得る。
図1Bは、図1Aに表されるステントの支柱105のセグメント110の断面を表す。図3は、図1Bに表されるような支柱のセグメント110の部分140の微視的断面220を表す。部分140は、連続相210内の不連続な又は分散された相200を含む。
一般的に、ポリマー−ポリマー又はポリマーブレンドは、個々のポリマーの性質から際立って変わり得る性質を示す。Macaubas P.H., Demarquette N.R., Rheology as a Tool for Immiscible Polymer Blends Characterization: Interfacial tension and compatibilization, in RheoFuture, 2002, Thermo Electron Corporation: Karlsruhe, Germany。より高い破壊靭性のポリマーは、複合体の破壊靭性を強化することができる。デバイスが応力下に置かれた場合、不連続相は、破壊が構造要素を通して伝播し始める際、エネルギーを吸収する傾向があると考えられている。その時は、連続相を通じての亀裂の伝播は、低減され又は阻害され得る。その結果、複合体の、従って、複合体から作られたデバイスの構造要素の、破壊靭性は増大する。従って、脆いポリマーは、それらの微細構造中に、そのより低い引張モジュラス故に「応力集中部」として作用する、より高い靱性成分を組み込むことにより、強靭にすることができる。より脆い連続相中に埋め込まれた応力集中部は、破壊に対する抵抗を増大する弾性エネルギーの保存又は延性の降伏メカニズムを可能にする。Meredith J.C., Amis E.J., LCST phase separation in biodegradable polymer blends: poly (D,L−lactide) and poly (ε−caprolactone), Macromol. Chem. Phys., 2000. 201(6): p.733−739。
特定の実施形態において、不連続相は、エラストマー性のポリマーを有する。「エラストマー性の」又は「ゴム様の」ポリマーとは、天然ゴムにおけるように、力によって生じた変形に抵抗し、そしてそれから回復することができるポリマーを言う。1つの実施形態において、エラストマー又はゴム様ポリマーは、それらの元の長さの少なくとも2倍に繰り返し引き延ばすことができ、そして応力の解放直後に、それらのほぼ元の長さに力によって戻ることができる。エラストマー性のポリマーは、脆いポリマーのような、より低い靭性のポリマーより大きい破断点の伸長パーセントを有する傾向を有する。
いくつかの実施形態において、低靭性ポリマーは、デバイスが埋め込まれた場合、そのTgより上であり得る。いくつかの実施形態において、エラストマー性ポリマーのような、分散相の低靭性ポリマーは、体温より低いTgを有する。他の実施例において、分散相の低靭性ポリマーは、周囲温度より低いTgを有する。周囲温度とは、20℃と30℃の間の温度を言うことができる。さらに、いくつかのエラストマー又はゴム様ポリマーは、実質的に又は完全に非晶質である。
本発明の種々の実施形態は、少なくとも1部が、ハードブロック及びソフトブロックを含むポリウレタンブロックコポリマーを含むポリマー−ポリマー複合体から作られたステント体であって、ソフトポリマーブロックが、ハードポリマーブロックより高い靱性を有するステント体を含む。そのような実施形態においては、ハードブロック及びソフトブロックはジウレタン結合で結合されている。
いくつかの実施形態において、ソフトブロックは、エラストマー性ブロックである。そのような実施形態においては、ソフトブロックは、生理学的条件においてハードブロックより高い靱性を有する。ソフトブロックは、体温より低いTgを有することができる。また、ハードブロック又は剛直なブロックは、ヒトの体温より高いTgを有するガラス状のポリマーブロックであり得る。さらに、これらの実施形態において、複合体は、生分解性ポリマーマトリックス又は連続相内に分散した生分解性エラストマー相を含み、その結果、エラストマー相はソフトブロックを含み、そしてマトリックス又は連続相はハードブロックを含む。
一組の実施形態において、複合体は、ブロックコポリマーとマトリックスポリマーとのブレンドであり得る。そのような実施形態において、分散した又は不連続な相はソフトブロックを含み、そして連続相はハードブロック及びマトリックスポリマーを含む。別の一組の実施形態において、複合体は、ハードブロックがマトリックス又は連続相のかなりの部分又は100%までの部分を占める程度に、十分高い分子量を有するハードブロックを有するブロックコポリマーを含むことができる。
そのような実施形態の全てにおいて、ステントの1つ又はそれ以上の構造要素又は支柱を、複合体から作ることができる。他のそのような実施形態において、ステントの本体(body)、足場、又は基材を複合体から作ることができる。本体、足場、又は基材は、一旦ステントが身体の内腔内に配置された場合、身体の内腔の壁に対して機械的支持を提供することに第一に関与している可能性がある。ステント体(stent body)、足場、又は基材は、構造を作っている材料とは異なる材料のコーティング又は層を持たない、外表面を有するステント構造を言うことができる。もし本体がコーティング法で作成される場合は、ステント体は、異なる材料の更なるコーティング層を塗布する前の状態を言うことができる。「外表面」とは、いずれの表面をも意味するが、体組織又は体液と接触するように空間的に向いている。ステント体、足場、又は基材は、レーザー・カッティングにより、管状に、又は筒状の形状に巻かれたシート状に、パターンを形成されたステント構造を言うことができる。
いくつかの実施形態において、ステントの本体、足場、又は基材の大部分、実質的に全て、又は全てを、複合体から作ることができる。本体の実質的に全てとは、本体の90%超、95%、又は99%超を言うことができる。
上で述べたように、ポリウレタンブロックコポリマーは、ジウレタン結合によって結合したハードポリマーブロック及びソフトポリマーブロックを含む。そのようなポリウレタンブロックコポリマーの一般的な形は、下記式:
HO−(P−O(CO)NH−R−NH(CO)O−P−OH

式中、Pはハードブロックであり、Pはソフトブロックであり、NH(CO)O及びO(CO)NHはウレタン基であり、そしてO(CO)NH−R−NH(CO)Oはジウレタン結合である。Rは、ポリウレタンブロックコポリマーの生成に使用される反応物質の1つであるジイソシアネート由来の官能基である。
以下により詳しく記載されるように、ポリウレタンブロックコポリマーは、ハードブロックポリオール及びソフトブロックポリオールを、ジイソシアネート(O=C=N−R−N=C=O)と反応させることにより生成できる。脂肪族及び芳香族ジイソシアネートのような、種々のタイプのジイソシアネートが使用できる。典型的なジイソシアネートとしては、ジイソシアネートメタン、ジイソシアネートブタン、ジイソシアネートエタン、ジイソシアネートヘキサン、ジイソシアネートクバン(di−isocyanatocubane)、リジンジイソシアネート、及びジイソシアネートシクロヘキサンが挙げられるが、これらに限定されない。
一般的に、靭性の増大を促進するためには、不連続相領域が連続ポリマー相全体にわたって、均一に又は実質的に均一に分散していることが望ましい。不連続相領域がより分散していればいるほど、靭性の増大はより大きい。さらに、靭性の増大は、不連続相のサイズと関係している。分散の程度及び不連続相のサイズの両者は、ソフトブロックの長さ又は分子量によって制御できる。不連続相の特徴的な長さは、1nm〜100nm、100nm〜500nm、500nm〜1,000nm、又は1,000nm超であり得る。
いくつかの実施形態において、不連続相領域の所望される特徴的な長さを得るために、ソフトブロックの分子量は約0.2kg/mol〜2kg/molの間であり得る。他の実施形態において、ソフトブロックの分子量、Mn、は、2kg/mol〜20kg/mol、又は20kg/mol超であり得る。一般的に、ブロックコポリマーのソフトブロックは、マトリックスポリマーより高い破壊靭性を有するように選択される。いくつかの実施形態において、ソフトブロックは、マトリックスポリマーよりも、低いモジュラス、高い破断点伸張、又はその両者を有することができる。特定の実施形態において、ソフトブロックは、高破壊靭性を生成する官能単位又は官能基、又はエラストマー性ポリマーを含むことができる。比較的高い破壊靭性を有する生分解性ポリマーとしては、ポリカブロラクトン(PCL)、及びポリ(トリメチレンカーボネート)(PTMC)、ポリジオキサノン(PDO)、ポリ(4−ヒドロキシブチレート)(PHB)、及びポリ(ブチレンスクシネート)(PBS)が挙げられるが、これらに限定されない。このように、ソフトブロックのいくつかの実施形態はCL、TMC、DO、HB及びBSモノマーを含むことができる。いくつかのこれらポリマーの機械的及び分解性質が表1に提供される。
さらに、ハードブロック及びマトリックスポリマーは、ヒトの体温より高いTgを有するポリマーから選択することができる。典型的なハードブロックポリマーとしては、PLLA、PLGA、PGA及びポリマンデリド(Polymandelide、PM)が挙げられる。
特定の実施形態において、ソフトブロックは、ハードブロック及びマトリックスポリマーより速浸食性であるように選択することができる。その結果、ソフトブロックは不連続相にあるので、ソフトブロックは複合体の分解速度を増大させる傾向がある。そのような実施形態において、不連続相は、複合体ステント又は複合体から作られたステントの一部分の分解時間を短縮することができる。いくつかの実施形態において、複合体ステントの分解時間は、マトリックスポリマーから作られたステントの75%、50%、40%未満、又は25%未満であり得る。
典型的な実施形態において、ソフトブロックは、デバイスのための複合体の靭性を増大させるために選択することができる。さらに、ソフトブロックは、分解速度を増大させるように、従って、複合体から作られたデバイスの分解時間を短縮するように選択することができる。表1は、PCL及びPDOポリマーが、PLLA、PGA及びPLGAより低いモジュラス並びに高い破断点伸張を有することを示す。PCLは、比較的低いモジュラス並びにPLLA、PGA及びPLGAより何倍も大きい破断点伸張を有するエラストマー性ポリマーである。しかしながら、分解速度はPLLAに類似している。従って、CLを含有するソフトブロックは、より大きい破断点伸張及びより低いモジュラスによって示されるように、靭性を増大させることが期待されるが、複合体の分解速度を増大させることはできない。PDOも、また、PLLA、PGA及びPLGAより低いモジュラスを有するが、その破断点伸張は、これらのポリマーより高いものの、PCLよりはるかに低い。しかしながら、PDOは、PCLより高い分解速度を有する。その結果、DOを含有するソフトブロックは、複合体の分解速度を増大し、そしてその複合体から作られる複合体の分解時間を短縮することが期待される。以下で議論するように、ソフトブロックは、コポリマーであっても又はホモポリマーであってもよい。
Figure 0005743136
さらに、複合体の靭性及び分解速度は、ブロックコポリマーのソフトブロックの含有量(例えば、重量パーセント)に依存する。靭性及び分解速度は、ブロックコポリマーのソフトブロックの含有量が増大するほど、増大することが期待される。しかしながら、含有量が増大するにつれて、複合体の柔軟性もまた増大し、同時に半径方向の強さの減少を伴うことが期待される。従って、ブロックコポリマーのソフトブロックの含有量が高くなり過ぎて、複合体の半径方向の強さがステントの足場としては低すぎるようになることもあり得る。
いくつかの実施形態において、ソフトブロックはホモポリマーであり得る。ホモポリマーは、複合体に対して所望の靭性(機械的性質)及び分解速度を提供するように選択することができる。典型的な実施形態において、ソフトブロックは、PCL、PDO、PHB、又はPBSのホモポリマーであり得る。典型的なブロックコポリマーとしては、下記のポリマー:
HO−(PLLA−O(CO)NH−R−NH(CO)O−PCL)−OH,

HO−(PLLA−O(CO)NH−R−NH(CO)O−PDO)−OH,

HO−(PLLA−O(CO)NH−R−NH(CO)O−PHB)−OH, 又は

HO−(PLLA−O(CO)NH−R−NH(CO)O −PBS)−OH,
が挙げられる。
靭性及び分解速度は、複合体中のソフトブロックの重量パーセントによって調整できる。
表1に示すように、PDOブロックはPLLAよりはるかに短い分解時間を有し、PDOブロックは、1年以内に分解することができる。また、PDO及び他のエラストマー性ブロックの分解生成物は酸性であり、親水性である。従って、PDO及びこれらの他のエラストマー性ブロックが浸食されるにつれて、それらは酸性の分解生成物を生成し、それがPLLAのようなハードブロック及びマトリックスポリマーの分解速度を増進するように働く。分解生成物は、また、親水性であり、それはポリマー中の水分の平衡レベルを増大させるように働く。これらのメカニズムの両者は、これらの材料から作製されるいずれのインプラントの分解速度をも増大させる。加えて、ブロックコポリマーのソフトブロックが浸食されるにつれて、それらは多孔性の構造を後に残し、これがステント構造物の分解速度を増進するように働く。
他の実施形態において、ソフトブロックはコポリマーであり得る。ホモポリマーのソフトブロックに対するコポリマーの利点の1つは、複数の官能基の存在が結晶化度を低減し、それが不連続相の分解速度を増大させることである。従って、コポリマーの分解速度は、マトリックスポリマーより高い分解速度を有することができ、それにより複合体の分解時間を短縮することができる。コポリマーの別の利点は、複数の官能基の存在が、不連続相の靭性及び分解速度を調整するための更なる自由度を可能にすることである。性質(機械的性質及び分解速度又は時間)及び官能基の相対的構成の両者は、複合体の性質に影響を与えることができる。
一例として、表1は、CLを含むホモポリマーソフトブロックは複合体の靭性を増大することはできるが、分解速度を所望する程度に増大させることはできないことを示す。従って、コポリマーは、靭性を増強する官能基(高靭性官能基)及び分解速度を増大させる官能基(高速分解官能基)を含むことができる。特に、ソフトブロックは、水に対してより高い親和性を有する、及び/或いは、高靭性官能基又はマトリックスポリマーより加水分解的に活性である、高速分解モノマーを含むことができる。典型的な実施形態において、ソフトブロックとしては、CL又はTMC等の高靭性官能基や、PLLA等のマトリックスポリマーより高速に分解する、グリコリド(GA)モノマーを挙げることができる。典型的なソフトブロックは、P(GA−co−CL)又はP(GA−co−TMC)のランダム又は交互コポリマーであり得る。他の例としては、P(DO−co−CL)又はP(DO−co−TMC)が挙げられる。高速分解性のGA又はDOモノマーは、平衡含水量及び複合体中への浸透を増大させることによって、ポリマー複合体の分解速度を増大させることができる。酸性であり親水性のGAセグメントの分解生成物は、また、複合体の分解速度を増大させるように作用する。典型的なブロックコポリマーとして、HO−(PLLA−O(CO)NH−R−NH(CO)O−P(GA−co−CL))−OHを挙げることができる。
いくつかの実施形態において、不連続相の靭性及び分解速度は、高速分解官能基及び高靭性官能基の比率によって調整できる。例えば、P(GA−co−CL)セグメントにおいてCLの比率が増大するにつれて、ポリマーはより柔軟にそしてより強靭になる。また、不連続相セグメントのTgは、成分モノマーの比率を調整することによって、所望する値に調整することができる。例えば、不連続相のTgは、生理学的条件下でより柔軟な不連続相を提供するように、体温より低く設計し得る。さらに、不連続相、従って、ブレンドの分解速度は、不連続相セグメント中のGAの割合を増大させることによって増大させることができる。典型的な実施形態において、P(GA−co−CL)セグメントは、1重量%、5重量%、20重量%、又は40重量%のGAモノマーを有し得る。
第1の組の実施形態において、ステント体の複合体は、ポリウレタンブロックコポリマー及びマトリックスポリマーのブレンドを含む。そのような実施形態において、不連続相はソフトブロックを含み、連続相はハードブロック及びマトリックスポリマーを含む。ハードブロック相は連続相のマトリックスの中に分離し、そして不連続相を連続相に結合し、ポリマーブレンドの破壊靭性の増大を促進する。典型的な実施形態において、ポリマーブレンド又は複合体は、約1〜10重量%、10〜30重量%、又は30重量%超のブロックポリマー、及び70〜99重量%、又は70重量%未満のマトリックスポリマーを含むことができる。
例えば、上記のブロックコポリマーの1つ:
HO−(PLLA−O(CO)NH−R−NH(CO)O−PDO)−OH
を、PLLAとブレンドする。PLLAハードブロック相はPLLAマトリックスポリマー中に分離する。
さらに、いくつかの実施形態において、ソフトブロックの重量パーセントはハードブロックより大きい。典型的な実施形態において、ハードブロックに対するソフトブロックの相対的な重量比は1〜2、2〜5、又は5より大きくてよい。他の典型的な実施形態において、ハードブロックに対するソフトブロックの相対的な重量比は60:40〜90:10の範囲内、又はより狭く、70:30〜80:20の間である。いくつかの実施形態において、マトリックスポリマーは、ポリマーブレンドの大部分であり、ここで、大部分とは、50重量%より大きいことを意味する。さらなる実施形態において、マトリックスポリマーは、ポリマーブレンドの60、80、90重量%より大きく、又は90重量%より大きい。これらの実施形態において、ソフトブロックはマトリックスポリマーと非混和性であり、マトリックスポリマー中に分散した不連続相の形成を可能にする。不連続相のソフトブロックは、複合体の靭性を増大させる傾向がある。
図4は、ブロックコポリマーとマトリックスポリマーとの二成分ブレンドの形成の略図を表す。ブロックコポリマー214は、ソフトブロック218及びハードブロック216を含む。ブロックコポリマー214は、矢印217によって示されるように、マトリックスポリマー220とブレンドされる。
さらに、ハードブロックは、マトリックスポリマーと混和性があり、ハードブロックが連続相内にあるように、ハードブロックを部分的に又は完全に連続相中に相分離できるようにする。そのような実施形態においては、ハードブロックの化学組成はマトリックスポリマーと同じである。これらの実施形態において、ハードブロックは、不連続相と連続相の間の接着を、両相を結合することにより増大させる傾向があるアンカーセグメントとして作用する。従って、ハードブロックは、両相の界面間のエネルギー移動を促進し、不連続な高靭性相が複合体の靭性を増大するのを可能にする。複合体の靭性の増大は、連続相と不連続相の間の接着の程度に依存することが期待される。
図5は、不連続相200及び連続ポリマー相210の間の界面を含む、断面250の概略拡大図を表す。ブロックコポリマー230は、ソフトブロック235及びハードブロック240を含む。線245は、不連続相200及び連続相210の間の境界を描くことを意味する。ハードブロック240は、連続相210内にあることが示されている。
複合体は、ブロックコポリマーをマトリックスポリマーと混合又はブレンドすることにより形成することができる。ポリマーは、当業界で公知の種々の混合方法、例えば、押出機内でのポリマーの混合による、を用いてブレンドすることができる。押出機の代表的な例としては、単軸押出機、咬み合い型同方向回転又は逆方向回転2軸押出機、及び他の多軸咬み合い型押出機が挙げられるが、これらに限定されない。
更なる実施形態において、マトリックスポリマーは、マトリックスポリマーの分解速度を増大させるように選択された官能基を有するコポリマーであり得る。そのような官能基は、コポリマーの他の官能基より、水に対してより大きい親和性を有することができ、又は加水分解的により活性であり得る。典型的な実施形態において、マトリックスコポリマーは、ポリ(L−ラクチド−co−グリコリド)(PLGA)であり得る。GAはLLAより加水分解的に活性なので、GAの含有量の増大により、PLGAの分解速度を増大することができる。コポリマー中のGAの重量%は、少なくとも約1%、5%、10%、15%、30%、40%、50%であるか、又は50%より大きくてよい。
表1の文献データが示すように、PLGAの分解時間は、GA含有量が0重量%から50重量%に増加するにつれて、3〜4年から6カ月未満に減少する。PLGAは、別のモノマーの添加によるポリマー鎖中の規則性の崩壊により、GA含有量の広い範囲にわたって非晶質である。分解時間の短縮は、結晶化度の低下及びGAの加水分解活性の増大の両者による。
さらに、図6に示すように、コポリマー組成並びに材料の機械特性及び分解特性の間の直線関係は、直線的ではない。図6は、ラット組織に埋め込まれたPLLA及びPGAのホモポリマー及びコポリマーの半減期を示す。Journal of Biomedical Materials Research, 11:711, 1977。図6の半減期は、ポリマーのモジュラスが、そのポリマーの分解により1/2に減少する時間量を言う。例えば、50%のGAと50%のLLAのコポリマーは、どちらのホモポリマーよりも速く分解する。
いくつかの実施形態において、ブロックコポリマー複合体の分解時間は、マトリックスポリマー中のGA含有量の使用によって短縮することができる。他の実施形態において、分解時間の短縮は、マトリックスポリマー中のGA含有量及び高速に浸食される不連続相の両者による。特定の典型的な実施形態において、GAの重量%及びエラストマーの含有量は、ステントの足場の分解時間が24カ月、16か月、12か月未満、又はより狭く12カ月未満となるように調整することができる。
加えて、ブロックポリマーのハードブロックは、ハードブロックがマトリックスコポリマーと混和するように選択することができる。一つの実施形態において、ハードブロックは、マトリックスコポリマーと同じ組成を有することができる。別の実施形態において、ハードブロックは、マトリックスコポリマーとは異なるが、ハードブロックがマトリックスポリマーと混和する程度に十分近い組成を有することができる。別の実施形態において、ハードブロックは、マトリックスコポリマーと混和するハードブロックを有するマトリックスポリマーとは異なる組成を有することができる。例えば、いくつかの実施形態は、PLLAのマトリックスポリマー及びPLGAのハードブロックを含むことができる。他の実施形態は、PLGAのマトリックスポリマー及びPLLAのハードブロック又はPLGAのハードブロックを含むことができる。
更なる実施形態は、マトリックス又は連続相の全て、一部、又は実質的に全てを形成するハードブロックを有する、ポリウレタンブロックコポリマーを含む複合体を含む。実質的に全てとは、連続相の95重量%を超える量を言う。そのような実施形態において、ソフトブロックに対するハードブロックの重量比は、ハードブロックがマトリックス又は連続相の大部分、実質的な部分、若しくは全てを占めるほど十分高い。例えば、ハードブロックは、連続相の70、80、90より大きく、又は90重量%より大きく占めることができる。
これらの実施形態において、ハードブロックは、上記のソフトブロックよりも長くてもよい。特定の実施形態において、ハードブロックの分子量、Mn、は、少なくとも1〜2、2〜5、又はソフトブロックの分子量の5倍超であってよい。典型的な実施形態において、ハードブロックの分子量は、1〜10kg/molであるか、又は10kg/molより大きくてよい。いくつかの実施形態において、マトリックスはブロックコポリマーのハードブロックでないマトリックスポリマーが無くてもよい。
これらの実施形態において、ソフトブロックは、上記したように、ホモポリマー又はランダム若しくは交互コポリマーであってよい。典型的な実施形態において、長いPLLAのハードブロックは、ジウレタン結合によって、含まれているソフトブロックに結合することができる。そのような典型的な実施形態において、そのポリマー材料は、1〜30重量%、又はより狭く5〜20重量%のソフトブロック、及び約80〜95重量%のハードPLLAブロックを含むことができる。他の典型的な実施形態において、ハードブロックに対するソフトブロックの重量比は、1:99〜30:70、又はより狭く5:95〜20:80の範囲内である。
更なる実施形態において、ブロックコポリマーのハードブロックは、PLGA等のランダム又は交互コポリマーであってよい。上記したように、GA含有量は複合体の分解速度を増大させ、それが複合体ステントの分解時間を短縮する。ハードブロック中のGA含有量は、それ単独で又は複合体の他のパラメータと組み合わせて、ステントの足場の分解時間が24カ月、16か月、12か月未満、又は12カ月未満であり得るように、調整することができる。
本明細書に記載されるポリウレタンブロックポリマーの実施形態は、溶液ベースの重合によって生成することができる。他の実施形態において、そのようなブロックコポリマーは、溶融相重合によって生成することができる。溶液ベースの重合においては、各合成工程において、重合反応に関与する反応成分は溶媒に溶解される。溶融相重合においては、反応は、例えば、押出機のような混合装置の中で行うことができる。上記で検討したように、ポリウレタンブロックコポリマーは、ジイソシアネート(O=C=N−R−N=C=O)を用いたハードブロックジオール及びソフトブロックジオールの反応から生成することができる。
ハードブロック及びソフトブロックジオールは、ジオール開始剤成分、即ち、2つのヒドロキシル末端基を有するアルコールとの反応によって製造される。例えば、PLLAジオール及びソフトブロックPDOジオールの生成は、下記式によって示される:

HO−R−OH + LLA → HO−(LLA)−R−(LLA)−OH;
及び
HO−R−OH + DO → HO−(DO)−R−(DO)−OH;

式中、HO−R−OHは、官能基Rを有するジオール開始剤、HO−(LLA)−R−(LLA)−OHはHO−PLLA−OHと記載されるPLLAハードブロックジオールであり、そしてHO−(DO)−R−(DO)−OHはHO−PDO−OHと記載されるPDOソフトブロックポリオールである。典型的なジオール開始剤は、エチレングリコールである。反応は、高温で(100℃より高い)、好適な溶媒中、そしてオクタン酸スズ(stannous octoate)のような好適な触媒の存在下で行われる。この反応を、ハードブロックPLLAジオール及びソフトブロックPDOジオールについて、図7及び8にそれぞれ示す。
次いで、ハード及びソフトジオールを、触媒の存在下で溶液中でジイソシアネートと反応させ、ポリウレタンブロックコポリマーを生成した。例えば、PLLAジオール及びPDOジオールは、以下の式のように反応する:

HO−PLLA−OH + HO−PDO−OH +
O=C=N−R−N=C=O →
HO−(PLLA−O(CO)NH−R−NH(CO)O−PDO)−OH
反応を、さらに図9に示す。反応は、室温(20〜30℃)又は高温(室温より高い)で、好適な溶媒中、オクタン酸スズのような好適な触媒の存在下で行われる。ブロックコポリマーの合成に続いて、溶液をブロックコポリマーの非溶媒中へ注ぐことにより、ブロックコポリマーを反応溶液から沈殿させる。複合体及び複合体から形成されるステントの強さ、靭性、分解速度は、ハードブロックジオール及びソフトブロックジオールの鎖長及びモル比により、制御することができる。
上記で検討したように、ブロックコポリマー中のハードブロックはPLGAであってよい。そのような実施形態に対して、ブロックコポリマーの合成には、PLGAジオールが使用される。さらに、PCLジオール、PHBジオール、PTMCジオール等のPDOジオール以外の各種のソフトブロックホモポリマージオールが使われてよい。また、そのようなソフトブロックを有するブロックコポリマーを合成するために、P(GA−co−CL)ジオール、P(GA−co−DO)ジオール、P(GA−co−TMC)ジオール、P(DO−co−CL)ジオール等の、ソフトブロックコポリマージオールが使われてよい。
ブロックコポリマーの溶液重合合成に使われる溶媒としては、クロロホルム、THF、ジオキサン、トルエン、キシレン及びシクロヘキサンが挙げられるが、これらに限定されない。開始剤としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール及びポリエチレングリコールが挙げられるが、これらに限定されない。ブロックコポリマーの合成を促進するために使用される触媒としては、オクタン酸スズ及びトリフルオロメタンスルホン酸スズが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書に開示される複合体の実施形態は、管並びに巻いて又は接着して管を形成し得るシート等のポリマー構造物に形成し得る。次いで、埋め込み型の医療デバイスはその構造物から形成することができる。例えば、ステントは、管にレーザーでパターンを加工することにより、管から作製することができる。別の実施形態において、ポリマー構造物は、射出成型装置を使用して、複合体混合物から形成してもよい。
上記したように、ステントは、一旦圧着された状態から配置されると、内腔を支持することができるように、高い半径方向の強さを有することが重要である。一般的に、ポリマー構造物を変形することにより、変形軸に沿った構造物のポリマーを強化することができる。ポリマー管からステントを作製するいくつかの実施形態において、管の半径方向の強さを増大させるために、ポリマー管を半径方向に拡張することができる。次いで、ステントは、拡張した状態のポリマー管から作ることができる。加えて、ステントパターンをカッティングする前に、管を半径方向に変形することは、ステントの足場の靭性を増大させることが観察されている。特に、半径方向の変形は、ステントの支柱の亀裂及び破断を低減し又は排除する。
埋め込み型医療デバイスを作製するために使用し得るポリマーの代表例としては、ポリ(N−アセチルグルコサミン)(キチン)、キトサン、ポリ(ヒドロキシ吉草酸)、ポリ(ラクチド−co−グリコリド)、ポリ(ヒドロキシ酪酸)、ポリ(ヒドロキシ酪酸−co−吉草酸)、ポリオルトエステル、ポリ無水物、ポリ(グリコール酸)、ポリ(グリコリド)、ポリ(L−乳酸)、ポリ(L−ラクチド)、ポリ(D、L−乳酸)、ポリ(L−ラクチド−co−グリコリド);ポリ(D、L−ラクチド)、ポリ(カプロラクトン)、ポリ(トリメチレンカーボネート)、ポリエチレンアミド、ポリエチレンアクリレート、ポリ(グリコール酸−co−トリメチレンカーボネート)、co−ポリ(エーテル−エステル)(例えば、PEO/PLA)、ポリホスファゼン、生体分子(例えば、フィブリン、フィブリノゲン、セルロース、でんぷん、コラーゲン及びヒアルロン酸)、ポリウレタン、シリコーン、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリイソブチレン及びエチレン−α−オレフィンコポリマー、ポリアクリレート以外のアクリル系ポリマー及びコポリマー、ハロゲン化ビニルポリマー及びコポリマー(例えば、ポリ塩化ビニル)、ポリビニルエーテル(例えば、ポリビニルメチルエーテル)、ポリハロゲン化ビニリデン(例えば、ポリ塩化ビニリデン)、ポリアクリロニトリル、ポリビニルケトン、ポリビニル芳香族(例えば、ポリスチレン)、ポリビニルエステル(例えば、ポリ酢酸ビニル)、アクリロニトリル−スチレンコポリマー、ABS樹脂、ポリアミド(例えば、ナイロン66及びポリカプロラクタム)、ポリカーボネート、ポリオキシメチレン、ポリイミド、ポリエーテル、ポリウレタン、レーヨン、レーヨン−トリアセテート、セルロース、酢酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、セロファン、硝酸セルロース、プロピオン酸セルロース、セルロースエーテル、及びカルボキシメチルセルロースが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書に開示された方法に記載の埋め込み型医療デバイスの作成に使用するのに、特に適している可能性のあるポリマーの更なる代表例としては、エチレンビニルアルコールコポリマー(一般名EVOH又は商品名EVALで一般に知られている)、ポリ(ブチルメタクリレート)、ポリ(ビニリデンフルオリド−co−ヘキサフルオロプロペン)(例えば、SOLEF 21508、Solvay Solexis PVDF, Thorofare, NJから入手可能)、ポリビニリデンフルオリド(KYNARとしても知られている、ATOFINA Chemicals, Philadelphia, PAから入手可能)、エチレン−酢酸ビニルコポリマー、及びポリエチレングリコールが挙げられる。
本発明の目的のために、以下の用語及び定義が適用される:
上記したように、ステント等の埋め込み型医療デバイスは、デバイスへのコーティング又はデバイスの基材内に活性な薬剤を包含することによって、薬用とすることができる。
本発明の目的のために、以下の用語及び定義が適用される:
「分子量」は、個々のセグメント、ブロック、又はポリマー鎖の分子量を言う。「分子量」は、また、セグメント、ブロック、又はポリマー鎖のタイプの重量平均分子量又は数平均分子量を言う。
数平均分子量(Mn)は、個々のセグメント、ブロック、又はポリマー鎖の分子量の一般的な平均の算術平均値である。それは、N個のポリマー分子の分子量を測定し、その重量を合計し、そしてNで除して決定される:
Figure 0005743136

式中、Niは分子量Miを有するポリマー分子の数である。重量平均分子量は、以下の式:
Figure 0005743136

式中、Niは分子量Miの分子の数である;
によって与えられる。
「ガラス転移温度」、Tg、は、大気圧下において、ポリマーの非晶質領域が、脆いガラス質の状態から変形可能な又は延性のある固体の状態に変わる温度である。言い換えれば、Tgは、ポリマー鎖中のセグメントの運動の開始が起こる温度に対応する。非晶質又は半結晶性のポリマーが上昇する温度に曝された場合、ポリマーの膨張係数及び熱容量の両者は、温度が上昇するにつれて増大し、分子運動の増大を示す。温度が上昇しても試料中の実際のモル体積は一定であるので、より高い膨張係数は、系に関係する自由体積の増大、従って、分子が運動するための自由度の増大を示す。増大する熱容量は、運動による熱放散の増大に対応する。あるポリマーのTgは、加熱速度に依存する可能性があり、ポリマーの熱履歴に影響され得る。さらに、ポリマーの化学構造は、可動性に影響を与えることによりガラス転移に大きく影響する。
「応力」は、平面内の小面積を通って作用する力における、単位面積当たりの力を言う。応力は、面に垂直な及び平行な成分に分割することができ、それぞれ法線応力及びせん断応力と呼ばれる。真の応力は、力と面積が同時に測定される場合の応力を意味する。張力や圧縮試験に適用されるような従来の応力は、元のゲージ長で除した力である。
「強さ」は、材料が破壊する前に持ちこたえている、軸方向に沿った最大の応力を言う。極限強さは、試験中加えられた最大荷重を元の断面積で除して計算される。
「モジュラス」は、材料に加えられた単位面積当たりの応力又は力の成分を、加えられた力によってもたらされる、加えられた力の軸方向に沿った歪みで除した比として定義することができる。例えば、材料は、引っ張りモジュラス及び圧縮モジュラスの両者を有する。比較的高いモジュラスを有する材料は、堅い又は剛直である傾向がある。反対に、比較的低いモジュラスを有する材料は、柔軟である傾向がある。材料のモジュラスは、分子組成及び構造、材料の温度、変形量、並びに歪み速度又は変形速度に依存する。例えば、Tgより低い温度では、高モジュラスを有するポリマーは脆い傾向がある。ポリマーの温度がTgより低い温度からTgより高い温度に上昇するにつれて、そのモジュラスは低下する。
「歪み」は、与えられた応力又は荷重において材料に発生する伸張又は圧縮の量を言う。
「伸張」は、応力が加えられた場合に発生する、材料における長さの増加として定義することができる。それは、一般に、元の長さに対するパーセンテージとして表される。
破断点伸張は、それが破断する際の試料に掛かる歪みである。それは、通常、パーセントで表される。
「靭性」は、破壊までに吸収されたエネルギー量、又は同等の意味で、材料を破壊するのに要する仕事量である。靭性の尺度の1つは、歪みゼロから破壊時の歪みまでの応力−歪み曲線の下の面積である。応力は、材料に掛かる張力に比例し、そして歪みはその長さに比例する。従って、曲線の下の面積は、ポリマーが破断するまでに伸長する距離にわたる、力の積分値に比例する。この積分値は、試料を破断するのに要する仕事(エネルギー)である。靭性は、試料が破断するまでに吸収できるエネルギーの尺度である。靭性と強さとの間には違いがある。強いが強靭ではない材料は、脆いと言われる。脆い物質は、強いけれども破断する前に大きく変形することはできない。
「溶媒」は、1つ若しくはそれ以上の他の物質を溶解若しくは分散し、又はその物質を部分的に溶解若しくは分散して、選択された温度及び圧力において、分子又はイオンサイズのレベルで均一に分散した溶液を形成する能力のある物質、と定義される。溶媒は、選択された温度及び圧力において、例えば、室温及び大気圧において、溶媒1ml中少なくとも0.1mgのポリマー、より狭くは、溶媒1ml中0.5mgのポリマーを溶解する能力を有する必要がある。
以下に説明する実施例及び実験データは、説明する目的だけのものであって、決して本発明を限定することを意図するものではない。以下の実施例は、本発明を理解するのを助けるために与えられるものであるが、本発明が実施例の特定の材料又は手順に限定されるものではないことが理解されよう。以下の実施例は、限定する目的ではなく、説明だけの目的で提供される。パラメータ及びデータは、本発明の実施形態の範囲を限定するものと解釈すべきではない。
[実施例1〜4]
マトリックスポリマーとブレンドしない複合体のためのポリウレタンブロックコポリマーの合成、及びステントの製造
[実施例1]
PLLAジオールオリゴマー(Mn=2000g/mol)の合成
本実施例において、開始剤としてエチレングリコール(Mn=62g/mol)、モノマーとしてLLA、及び触媒としてオクタン酸スズを使用した。
水分及び酸素を除去した反応器に、LLA(1000g)、エチレングリコール(0.25mol、16g)、及びオクタン酸スズ(250mg)を加えた。全ての化学品を130℃で12時間加熱して、PLLAジオールオリゴマーを得た。
[実施例2]
PDOジオールオリゴマー(Mn=1000g/mol)の合成
本実施例において、開始剤としてエチレングリコール、モノマーとしてDO、及び触媒としてオクタン酸スズを使用した。
水分及び酸素を除去した反応器に、DO(100g)、エチレングリコール(0.05mol、3.1g)、及びオクタン酸スズ(25mg)を加えた。全ての化学品を130℃で12時間加熱して、PDOジオールオリゴマーを得た。
[実施例3]
PLLAハードブロック及びPDOソフトブロックを有するポリウレタンブロックコポリマーの合成
本実施例において、オリゴマーとしてPLLAジオール、PDOジオール、連結剤としてジイソシアネートブタン(Mn=140g/mol)、触媒としてオクタン酸スズを使用した。
工程1: 水分及び酸素を除去した反応器に、PLLAジオール(1000g)、PDOジオール(100g)、ジイソシアネートブタン(0.3mol、42g)、無水テトラヒドロフラン(THF)(3L)、及びオクタン酸スズ(250mg)を加えた。全ての化学品を60℃で24時間撹拌して、主成分としてPLLAを含む、PLLA/PDOポリウレタンを得た。
工程2: 最終の重合溶液をメタノール(8L)中に投入して沈殿させ、ろ過し、そして真空中80℃にて恒量になるまで乾燥した。
[実施例4]
合成したPLLA/PDOポリウレタンからのステントの製造
工程1: 単軸押出機を用い、190℃にて、合成したPLLA/PDOポリウレタンから、指定の内径(ID)及び外径(OD)(0.02”及び0.07”)を有する管を押し出した。
工程2: 押し出した管を拡張して、軸及び半径方向に沿った機械的性質を向上させた。
工程3: 拡張した管からフェムト秒レーザーによりステントを切り出し、圧接後全てのステントを殺菌した。
[実施例5〜8]
PLLAマトリックスポリマーとブレンドするためのポリウレタンブロックコポリマーの合成、及びステントの製造
[実施例5]
PLLAジオールオリゴマー(Mn=2000g/mol)の合成
本実施例において、開始剤としてエチレングリコール(Mn=62g/mol)、モノマーとしてLLA、及び触媒としてオクタン酸スズを使用した。
水分及び酸素を除去した反応器に、LLA(10g)、エチレングリコール(2.5mmol、0.155g)、及びオクタン酸スズ(2.5mg)を加えた。全ての化学品を130℃で12時間処理して、PLLAジオールオリゴマーを得た。
[実施例6]
PDOジオールオリゴマー(Mn=2,000g/mol)の合成
本実施例において、開始剤としてエチレングリコール、モノマーとしてDO、及び触媒としてオクタン酸スズを使用した。水分及び酸素を除去した反応器に、DO(100g)、エチレングリコール(25mmol、1.55g)、及びオクタン酸スズ(25mg)を加えた。全ての化学品を130℃で12時間加熱して、PDOジオールオリゴマーを得た。
[実施例7]
PLLAハードブロック及びPDOソフトブロックを有するポリウレタンブロックコポリマーの合成。
本実施例において、オリゴマーとしてPLLAジオール、PDOジオール、連結剤としてジイソシアネートブタン(Mn=140g/mol)、触媒としてオクタン酸スズを使用した。
工程1: 水分及び酸素を除去した反応器に、PLLAジオール(10g)、PDOジオール(100g)、ジイソシアネートブタン(27.5mmol、3.85g)、無水THF(100mL)、及びオクタン酸スズ(25mg)を加えた。全ての化学品を60℃で24時間撹拌して、主成分としてPDOを含む、弾力性のあるPLLA/PDOポリウレタンを得た。
工程2: 最終の重合溶液をメタノール(1L)中に投入して沈殿させ、ろ過し、そして真空中80℃にて恒量になるまで乾燥した。
[実施例8]
PLLA及びポリウレタンブロックコポリマーのブレンドからのステントの製造
工程1: PLLA(1000g)及びポリウレタン(100g)を混合し、それらを190℃にて2軸押出機を通して押出して、コンパウンドを得た。
工程2: 得られたコンパウンドを用い、190℃にて単軸押出機を通して、指定のID及びOD(0.02”及び0.07”)を有する管を押出した。
工程3: 押出した管を拡張して、軸及び半径方向に沿った機械的性質を向上させた。
工程4: 拡張した管からフェムト秒レーザーによりステントを切り出し、圧接した後全てのステントを殺菌した。
本発明の特定の実施形態が示され、記載されているが、当業者には当然のことながら、その広い態様において本発明から逸脱することなしに、変更や改良を加えることができる。従って、付属の特許請求の範囲は、全てのそのような変更や改良を、本発明の真の精神及び範囲内に入るものとしてそれらの範囲内に包含する。

Claims (10)

  1. ブロックコポリマーを含むポリマー−ポリマー複合体から少なくとも1部が作製されたステント体であって、
    前記ブロックコポリマーは、ハードブロック及びソフトブロックを含み、
    前記ハードブロック及びソフトブロックはジウレタン結合によって結合し、そして、
    前記ポリマー−ポリマー複合体は、生分解性のガラス状ポリマーマトリックス中に分散した生分解性エラストマー相を含み、前記エラストマー相は前記ソフトブロックを含み、
    前記マトリックスは前記ハードブロックを含み、
    前記ポリマーマトリックスはマトリックスポリマーをさらに含み、前記マトリックスポリマーはブロックコポリマーとブレンドされ、前記ハードブロックはマトリックスポリマーと混和性があり、前記ソフトブロックは生理学的条件において前記ハードブロック及び前記ポリマーマトリックスより強靭であり、前記ハードブロック及び前記マトリックスポリマーが体温より高いTgを有し、そして前記ソフトブロックが体温より低いTgを有し、
    前記ソフトブロックがポリカプロラクトン(PCL)、ポリ(トリメチレンカーボネート)(PTMC)、ポリ(4−ヒドロキシブチレート)(PHB)、及びポリジオキサノン(PDO)からなる群から選択され、そして、前記ハードブロックがポリ(L−ラクチド)(PLLA)である、ステント体。
  2. 前記ジウレタン結合が、脂肪族官能基及び芳香族官能基からなる群から選択される官能基によって結合したウレタン基を含む、請求項1に記載のステント体。
  3. ソフトブロックの分解速度が前記ハードブロック及び前記マトリックスポリマーより速く、前記ソフトブロックの分解が前記ステント体の分解時間を短縮する、請求項1に記載のステント体。
  4. 前記ブロックコポリマーが前記ポリマーマトリックスと前記エラストマー相の間の接着を増強させ、その結果前記エラストマー相が前記ステント体の靭性を増大させることができる、請求項1に記載のステント体。
  5. 前記ポリマー−ポリマー複合体が、70〜99重量%のマトリックスポリマーを含む、請求項1に記載のステント体。
  6. 前記ブロックコポリマーの前記ハードブロックが前記マトリックスと前記エラストマー相との間の接着を増強し、その結果前記エラストマー相が前記ステント体の靭性を増大することができる、請求項1に記載のステント体。
  7. 前記マトリックスポリマーがポリ(L−ラクチド)(PLLA)を含、請求項1に記載のステント体。
  8. ハードポリマージオール、ソフトポリマージオール、及びジイソシアネートを反応させて、ジウレタン結合によって結合したハードポリマーブロック及びソフトポリマーブロックを含む生分解性ポリウレタンを形成する工程;
    前記ポリウレタンをガラス状マトリックスポリマーとブレンドする工程;及び
    前記ポリウレタンを含むステント体を形成する工程;を含む、請求項1に規定するステントを作製する方法であって、
    前記ソフトブロックが生理学的条件において前記ハードブロックより大きい靱性を有する、方法。
  9. 前記ジイソシアネートが脂肪族ジイソシアネート又は芳香族ジイソシアネートを含む、請求項に記載の方法。
  10. 前記ジイソシアネートが、ジイソシアネートメタン、ジイソシアネートブタン、ジイソシアネートエタン、ジイソシアネートヘキサン、ジイソシアネートクバン、リシンジイソシアネート、及びジイソシアネートシクロヘキサンからなる群から選択される、請求項に記載の方法。
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