JP5742388B2 - マスクパターン描画方法 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体素子などのパターン形成に用いられるフォトマスク(以下、単にマスクとも言う)を作製する際の電子ビームによるマスクパターン描画方法に関するものであり、特に、レジストを塗布したマスクブランク基板上の描画領域に、複数個の描画ショットで電子ビームを露光して所定のパターンを描画するマスクパターン描画方法に関する。
半導体素子の高集積化・微細化は、デザインルール45nmノードから32nmノードへと進展し、さらに22nmノードの半導体素子の開発が進められている。これらの半導体素子の高集積化・微細化を実現するために、現在、露光波長193nmのArFエキシマレーザを用いた光学式の投影露光装置により、フォトマスクを用いてウェハ上にパターン転写するフォトリソグラフィ技術が行なわれている。半導体素子のデザインルールの微細化、高精度化に伴い、フォトマスクへの要求は非常に厳しくなっており、マスクパターンの寸法精度(CD:Critical Dimension精度)や重ね合わせ精度などの精度向上、マスク納期の短縮、製造コスト高騰化傾向の抑制などが重要課題となっている。
半導体素子用のフォトマスクのパターン形成には、主に電子ビーム描画による方法が用いられている。電子ビームの描画方式としては、ナノメートルのオーダーまで細く絞った電子ビームを走査する円形ビーム方式、最大数μm以下のサイズの矩形や三角形など、微細な基本図形に描画するパターンを分割して、各基本図形の形状のビームをショット描画していく可変成形ビーム(VSB:Variable Shaped Beam)方式、繰り返しショットするパターン形状のステンシルマスクの開口を利用したキャラクタ・プロジェクション(CP:Character Projection)方式が実用されている。これらの描画方式の中で、可変成形ビーム(VSB)方式とキャラクタ・プロジェクション(CP)方式はスループットに優れた描画方式である。
しかしながら、描画すべきパターンの微細化に伴い、所定のパターンを電子ビーム描画しても、目的とするレジストパターンが解像されないという問題が生じてきている。特に、半導体のコンタクトホールパターン(以後、コンタクトパターンと称する)のように微細な矩形パターンは設計通りに解像させるのが困難となっている。
以下に図面を用いて説明する。
図8は、レジスト像として解像させたいパターンの一例として、目標とするコンタクトパターンのレジスト像の部分平面模式図を示す。フォトマスクブランクス基板80上のレジスト81に複数の正方形の目標とするコンタクトパターン82が形成されている状態を示している。
図9は、図8に示す目標とするコンタクトパターンのレジスト像を得るために、電子ビームの描画ショットサイズをホールパターンサイズに合わせて調節し、コンタクトパターンごとに適正露光量で正方形にショット描画した領域83を示す部分平面模式図である。図9に示すパターンでは、可変成形ビーム方式での描画ショット数は16ショットである。
しかし、図9に示す電子ビーム描画した基板を現像すると、図10(a)およびその一部を拡大した図10(b)に示すように、現像後のコンタクトパターン84のコーナーが丸まってしまい、目標とする正方形のコンタクトパターンが得られないという問題が生じている。正方形のコンタクトパターンが得られないことにより、設計した半導体に支障をきたすことになる。そのために、パターンに複雑な光近接効果補正(OPC:Optical Proximity Correction)を用いる方法なども行われている。
目標とするレジストパターンが得られずパターン寸法がばらつく一因として、描画時の電子ビーム照射によりレジストの温度が上昇し、その影響で寸法が変動してしまうというレジストヒーティング効果が指摘されている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1では、レジストヒーティング効果の影響を低減するために、多重露光を行い、描画1回あたりの露光量を下げトータルの露光量は変わらないようにして、同一パターンを複数回重ね描画する方法において、描画ショットの順番を毎回異ならせるパターン描画方法が開示されている。
一方、円形ビームを用い描画領域全面を走査してパターン部分のみ電子ビームをONするラスター走査による電子ビーム描画方式においても、多重露光を行う方法が知られているが、走査方向が一方向で描画単位のつなぎ部分が一方向に連続して存在するために、パターンのムラによるパターン異常が発生するという問題があった(例えば、特許文献2参照。)。このため、特許文献2では、円形ビームを用いた重ね描画において、1回目と2回目の描画方向を変え、2回目のパターン描画は1回目の描画と走査方向を90度変えて描画し、つなぎ部分を異なる位置に分散させてパターンのムラを軽減するパターン描画方法が提案されている。
特開平11−274038号公報 特開2007−163970号公報
しかしながら、特許文献1に記載されたパターン描画方法は、例えば、二重露光を用いた場合には、図8に示す個々のコンタクトパターンを1描画ショットで1回のみ露光するのではなく、適正露光の半分の露光量で2回ショット描画するために、可変成形ビーム方式でのショット数は通常の描画ショット数の2倍の32ショットとなり、描画時間が増大してしまうという問題があった。また、二重露光を行ったとしても、上記のコンタクトパターンの解像力は未だ十分とは言えないという問題があった。
特許文献2に記載されたパターン描画方法は、円形ビームを用いたラスター走査による描画であって、微細パターンになるほどビーム径を小さくするために、描画時間が大幅に増大し描画効率が低下するという問題があった。
そこで、本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明の目的は、可変成形ビーム(VSB)方式やキャラクタ・プロジェクション(CP)方式を用いた電子ビームによるマスクパターン形成において、複雑な光近接効果補正(OPC)を用いずに、コンタクトパターンなどの矩形パターンの解像性、特にコーナー部の解像性を向上させるとともに、電子ビームの描画ショット数を削減して描画効率を向上させたマスクパターン描画方法を提供することである。
上記の課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の発明に係るマスクパターン描画方法は、レジストを塗布したマスクブランク基板上の描画領域に、複数個の描画ショットで電子ビームを露光して、複数の同一形状のパターンが配列した所定のパターンを描画する可変成形ビーム方式のマスクパターン描画方法であって、前記所定のパターンを、前記描画領域のX方向に最大ショットサイズ以下の描画ショットで横長の矩形パターンとして描画する工程と、前記X方向と直交する前記描画領域のY方向に最大ショットサイズ以下の描画ショットで縦長の矩形パターンとして描画する工程とを有し、前記横長の矩形パターンとして描画する描画ショットと前記縦長の矩形パターンとして描画する描画ショットとが交差する描画交差部を重ね描画とし、前記描画交差部の前記X方向および/または前記Y方向に前記所定のパターンから突き出した矩形の描画領域を設け、前記横長の矩形パターンとして描画する描画の工程および前記縦長の矩形パターンとして描画する描画の工程に含めて描画し、前記突き出した矩形の描画領域を含む前記横長の矩形パターンとして描画する描画ショットの露光量と前記縦長の矩形パターンとして描画する描画ショットの露光量の和が、前記レジストを解像させる露光量であり、前記描画交差部で前記所定のパターンを解像させることを特徴とするものである。
本発明の請求項2に記載の発明に係るマスクパターン描画方法は、請求項1に記載のマスクパターン描画方法において、前記横長の矩形パターンとして描画する描画ショットの露光量と前記縦長の矩形パターンとして描画する描画ショットの露光量が、いずれも前記レジストを解像させる露光量の半分の露光量であることを特徴とするものである。
本発明の請求項3に記載の発明に係るマスクパターン描画方法は、請求項1または請求項2に記載のマスクパターン描画方法において、前記描画ショットの矩形パターンの短辺の幅が、前記所定のパターンの幅よりも小さく、前記描画交差部の露光量が、前記所定のパターンを解像させる適正露光量よりも大きいことを特徴とするものである。
本発明の請求項4に記載の発明に係るマスクパターン描画方法は、請求項1から請求項3までのうちのいずれか1項に記載のマスクパターン描画方法において、前記横長の矩形パターンとして描画する描画ショットおよび縦長の矩形パターンとして描画する描画ショットの1ショットが、前記複数の同一形状パターンを含むことを特徴とするものである。
本発明の請求項5に記載の発明に係るマスクパターン描画方法は、請求項1から請求項4までのうちのいずれか1項に記載のマスクパターン描画方法において、前記所定のパターンから突き出した矩形の描画領域のサイズが、前記マスクブランク基板上の前記レジストをあらかじめ電子ビーム描画し現像し、前記レジストのパターンのコーナー丸み量と縮退量とを実測し、前記コーナー丸み量と縮退量を上回るサイズに設定したものであることを特徴とするものである。
本発明の請求項6に記載の発明に係るマスクパターン描画方法は、請求項1から請求項5までのうちのいずれか1項に記載のマスクパターン描画方法において、前記所定のパターンが、コンタクトパターンまたはピラーパターンのいずれかであることを特徴とするものである。
本発明のマスクパターン描画方法によれば、複雑な光近接効果補正(OPC)を用いずに、電子ビーム描画におけるコンタクトパターンなどの矩形パターンの解像性、特にコーナー部の解像性を向上させるとともに、電子ビームの描画ショット数を削減して描画効率を向上させることが可能となる。
本発明の目標とする一例としてのコンタクトパターンのレジスト像の部分平面模式図である。 図1に示したコンタクトパターンを電子ビーム描画して形成するための描画シヨット群を示す説明図である。 図2に示す描画シヨットで描画したときの描画状態を示す部分平面模式図である。 図3に示す描画したマスク基板を現像した後のコンタクトパターンのレジスト像の部分平面模式図である。 本発明の第2の実施形態を説明する描画ショットとレジスト像の平面模式図である。 本発明の描画方法において、描画交差部にX方向およびY方向に突き出した矩形の描画領域を設けた状態を示す説明図である。 パターン端部のコーナーの丸みとレジストパターンの縮退量の説明図である。 従来技術において、レジスト像として解像させたいパターンの一例として、目標とするコンタクトパターンのレジスト像の部分平面模式図を示す。 従来技術により、描画ショットサイズをホールパターンに合わせて調節し、適正露光量でコンタクトパターンごとにショット描画した領域を示す部分平面模式図である。 図9に示す描画したマスク基板を現像した後のコンタクトパターンのレジスト像の部分平面模式図である。
マスク描画に使用される可変成形ビーム方式などの電子ビーム描画装置では、設計パターンデータから、光近接効果補正(OPC)や図形パターンの分割などの処理を施し、描画装置用の描画データが生成される。図形パターンの分割処理は、装置の有するビームサイズにより規定される最大ショットサイズ単位で行われ、その際に分割された各ショットの座標位置、サイズ、照射時間が設定される。また、描画する図形パターンの形状や大きさに応じてショットが成形されるように描画データが準備される。
本発明のマスクパターン描画方法は、レジストを塗布したマスクブランク基板上の描画領域に、複数個の描画ショットで電子ビームを露光して所定のマスクパターンを描画する方法である。以下、図面に基づいて、本発明の実施形態に係るマスクパターン描画方法について詳細に説明する。
(第1の実施形態)
本実施形態では、描画すべき所定のパターンとして多数の同一パターンが配列しているコンタクトパターンを例にとって説明する。図1は、マスクパターン描画する所定のパターンの一例としての目標とするコンタクトパターンのレジスト像の部分平面模式図であり、フォトマスクブランク基板10上に電子ビームレジスト11を塗布形成した描画領域に、正方形のコンタクトパターン12が複数形成されている状態を示している。
本発明において、描画領域とはレジストパターンが解像するか否かに係らず電子ビーム描画を行う領域を意味しており、図1のコンタクトパターン12が横方向(紙面左右方向)に配列している方向をX方向、縦方向(紙面上下方向)に配列している方向をY方向とする。図2以降の図面においても、X方向、Y方向の意味は図1と同じである。また本発明において、正方形は矩形の一形態として矩形の範疇に含むものである。
本実施形態は、電子ビームレジスト11にポジ型電子ビームレジストを用いた場合として説明する。マスク製造工程としては、図1に示すレジストパターンが所望する通りに解像していれば、次に、露出しているブランク基板10の遮光膜(不図示)をエッチングし、続いてレジスト11を剥離してフォトマスクが得られる。
図2は、図1に示したコンタクトパターン12を電子ビーム描画して形成するための描画シヨット群を示す説明図である。本発明のマスクパターン描画方法においては、図1に示すコンタクトパターン12を、レジストを塗布したマスクブランク基板上の描画領域に、図2(a)に示すように、ブランク基板10の描画領域のX方向に最大ショットサイズ以下の描画ショット13で横長の矩形パターンとして描画する工程と、図2(b)に示すように、X方向と直交するブランク基板10の描画領域のY方向に最大ショットサイズ以下の縦長の描画ショット14で矩形パターンとして描画する工程とを有し、横長の矩形パターン描画と縦長の矩形パターン描画とが交差する描画交差部を重ね描画とするものである。
上記において、横長は描画領域のX方向に長い状態、縦長は描画領域のY方向に長い状態を意味するものである。図2では、縦横ともに4本の描画ショットで図1のパターンを描画する例を示している。図2において、x1〜x4はX方向の横長パターン13の描画ショットの順番の一例であり、y1〜y4はY方向の縦長パターン14の描画ショットの順番の一例である。X方向の描画ショットとY方向の描画ショットの順番は、どちらが先であってもよい。
本発明のマスクパターン描画方法の好ましい形態は、所定のパターンが複数の同一形状のパターンからなり、横長の矩形描画ショットおよび/または縦長の矩形描画ショットの1ショットが、上記の複数の同一形状パターンを含むものである。例えば、図2(a)の1描画ショットのX方向の横長パターン13に、図1の横方向4つのコンタクトパターン12が含まれ、図2(b)の1描画ショットのY方向の縦長パターン14に、図1の縦方向4つのコンタクトパターン12が含まれるような場合である。
図3は、図2に示す描画ショットで描画したときの描画状態を示す部分平面模式図である。本発明のマスクパターン描画方法においては、ショット描画において、図3に示されるように、横長の矩形パターン描画15aと縦長の矩形パターン描画16aとが交差する描画交差部17a(図3で黒く塗りつぶした部分)を重ね描画(二重描画)とし、描画交差部17aのX方向および/またはY方向に所定のパターンから突き出した矩形の描画領域を設け、横長の矩形パターン描画の工程および縦長の矩形パターン描画の工程に含めて描画するものである。このとき、上記の描画交差部17aから突き出した矩形の描画領域を含む横長の矩形パターン描画の露光量と縦長の矩形パターン描画の露光量の和が、レジストを解像させる露光量であり、描画交差部17aで所定のレジストパターンを解像させるものである。
本発明において、横長の矩形パターン描画の露光量と縦長の矩形パターン描画の露光量は、同じ露光量であっても良いし、異なる露光量であっても良いが、描画交差部17aにおける縦横のパターン描画の露光量の和は、レジストを解像させる露光量であることが必要である。
本発明のマスクパターン描画方法の好ましい形態は、上記のマスクパターン描画方法において、横長の矩形パターン描画の露光量と縦長の矩形パターン描画の露光量を、いずれもレジストを解像させる露光量の半分の露光量とするものである。X方向とY方向の描画ショットの露光量を同じにすることにより、描画工程が複雑化するのを避け、描画交差部17aにおける合算された露光量を適正露光量とすることにより、高解像のレジストパターンを形成することができる。
ここで、図3に示すように、矩形描画ショットの1ショットが、複数の同一形状パターンを含む場合には、描画交差部から突き出した矩形の描画領域の設定は、描画領域外周部の描画交差部のブランク基板中心から外側に向かうX方向および/またはY方向のみでもよい。図3に示すように、ショット描画領域の外周部の四隅にある4箇所の描画交差部17aの外側に向かうX方向およびY方向の2箇所と、四隅以外の外周部の8箇所の描画交差部17aの外側に向かうX方向またはY方向のいずれか1箇所とに、突き出した矩形の描画領域に設定すればよい。外周部とならない内側の描画交差部17a、および外周部の描画交差部17aであっても基板中心側に向かうX方向、Y方向は、各ショット描画に含まれてしまうので、あえて突き出した矩形の描画領域を設けなくてもよい。
図4は、図3に示す描画済みのマスク基板を現像した後のコンタクトパターンのレジスト像の部分平面模式図である。図4(a)は、ショット描画した矩形パターンの輪郭を表示してある。横長の矩形パターン描画部15bと縦長の矩形パターン描画部16bとは、両者が交差した描画交差部17bにおいて、縦と横の露光量が合算されてレジストを解像させる露光量となり、描画交差部17bに矩形のコンタクトパターンが解像する。描画交差部17bを除いた矩形パターン描画部15bと矩形パターン描画部16bとは、現像後に、後工程の遮光膜エッチングに耐えられるだけのレジスト膜が残膜している。図4(b)は、ショット描画の輪郭を除いた状態のレジストパターン形状を示し、目標とした所定のコンタクトパターン12が得られる。
本発明のマスクパターン描画方法は、従来の描画方法として上記の図8で説明したように、コンタクトパターンを個々のパターンとして個別にショット描画するのではなく、X方向の横長の矩形パターン描画とY方向の縦長の矩形パターン描画とが交差する描画交差部を重ね描画とし、描画交差部でコンタクトパターンを解像させるものである。したがって、1回の描画ショットではレジストの適正露光量にはならず、レジストは解像しない。2回目の描画ショットで重ね描画となった描画交差部のレジストのみが現像することにより解像し、描画交差部以外のレジストはパターン形成されない。
上記の例では、レジストとしてポジ型レジストを用いた場合について説明したが、もとより本発明においてはポジ型、ネガ型のいずれのレジストも使用でき、求めるマスクパターンの形状に応じて適宜選択することができる。本発明においては、レジストの塗布および現像は、いずれも1回のみの処理であり、レジストパターン形成工程が煩雑になることはない。
本発明のマスクパターン描画方法は、各種のフォトマスク作製に用いることができ、バイナリマスク、ハーフトーン型の位相シフトマスク、レベンソン型の位相シフトマスクなどの各々のマスクブランク基板に用いることが可能であり、本マスクパターン描画方法はマスクの種別に限定されることはない。
上記の本発明のマスクパターン描画方法とすることにより、複数の矩形パターンをまとめて大きい描画ショットで描画するので、従来の描画方法に比べて描画ショット回数が減少するため、描画効率を高めることができ、描画時間を短縮することができる。その結果、マスク価格の上昇を抑制することができる。
また、本発明のマスクパターン描画方法は、少数の大きいショットサイズの描画ショットで露光する描画方法であるので、多数の小さいショットサイズの描画ショットで露光する従来の描画方法に対し、パターン寸法変化が低減されて、より安定した描画方法となる。転写された半導体素子パターンの寸法が100nm前後までは、レジストパターンの寸法変化に対して、本発明の描画方法と従来の描画方法とに差は生じてこないが、転写される半導体素子のパターン寸法が45nmから20nm程度になると、大きい描画ショットによる本発明の描画方法の方がレジストパターンの寸法安定性がより高まり顕著な差を示す。
本発明の描画方法は、電子ビームの描画ショットあたりの露光量を例えば適正露光量の1/2とすることができるため、レジストヒーティングによるレジスト寸法の変動が抑制されて解像力が向上する。また、本発明のマスクパターン描画方法における重ね描画は、従来の多重描画のように同じパターンを多重に描画するために生じる描画ショット間の位置ずれが生じることはなく、高い位置精度のパターン形成が可能となる。さらに、突き出した矩形の描画領域を設けることにより、パターンの丸みや縮退が防止され、複雑な光近接効果補正(OPC)処理を用いなくても高解像のパターン描画が可能となる。
(第2の実施形態)
本発明のマスクパターン描画方法の他の実施形態について説明する。図5は、本実施形態において、1箇所の描画交差部57aを中心にして、横長の矩形パターン描画55aと縦長の矩形パターン描画56aとでショット描画したときの描画状態を示す部分平面模式図(図5(a))と、描画したマスク基板を現像した後のレジストパターンの部分平面模式図(図5(b))である。
図5(a)において、横長の矩形パターン描画55aと縦長の矩形パターン描画56aの各々の短辺の幅x5、y5は、目的とする所定のパターンの幅x6、y6よりも小さく、描画交差部57aにおける横長の矩形パターンと縦長の矩形パターンとの露光量の和は、レジストパターンを解像させる適正露光量よりも大きく露光量オーバとしている。
上記の描画したマスク基板を現像すると、図5(b)に示すように、露光量オーバの影響は描画ショットの周辺部にまで及び、特に、露光量オーバとした描画交差部57aに大きく作用して描画ショットの幅よりも大きな幅で解像し、目的としたレジストパターン57bが形成される。本実施形態のマスクパターン描画方法を用いることにより、複雑なOPC処理をすることなく、微細な高解像のレジストパターンを形成することができる。
(突き出した矩形の描画領域)
次に、本発明における描画交差部のX方向および/またはY方向に設ける所定のパターンから突き出した矩形の描画領域について、孤立パターンを例にして、さらに詳しく説明する。
図6は、本発明の描画方法において、孤立パターンにおける描画交差部67bにX方向およびY方向に突き出した描画領域を設けた状態を示す説明図である。図6において、中央の矩形(正方形)部67bが目標とする所定のパターンである。ショット描画において、横長の矩形パターン描画65bと縦長の矩形パターン描画66bとが交差する描画交差部67bが重ね描画(二重描画)となり、所定のパターンとなる。
本発明の描画方法では、描画交差部67bのX方向およびY方向の4箇所に所定のパターンから突き出した矩形の描画領域(図6のドット塗りつぶし部分)を設け、横長の矩形パターン描画の工程および縦長の矩形パターン描画の工程に含めて描画するものである。このとき、好ましい形態としては、上記の所定のパターンから突き出した矩形の描画領域を含む横長の矩形パターン描画の露光量と縦長の矩形パターン描画の露光量は、いずれもレジストを解像させる露光量の半分の露光量であり、描画交差部でパターンを解像させる適正露光量とするものである。
図6に示す所定のパターンから突き出した矩形の描画領域のX方向の片側の突き出し量x7、およびY方向の片側の突き出し量y7は、あらかじめ電子ビーム描画し現像した後のレジストパターンを実測し、レジストパターンのX方向の片側の縮退量x8、Y方向の片側の縮退量y8とコーナー丸み量R1、R2を計測し、上記のコーナー丸み量および縮退量を上回るサイズに突き出し量を設定するものである。図6に示すように、所定のパターンがコンタクトパターンのような正方形である場合には、計測箇所は半分でよいことになる。上記の突き出し量は、シミュレーションを用いて求めることも可能であるが、レジストパターンの解像性に関与する因子が複雑な場合には、実測の方がより好ましい。
突き出した矩形の描画領域の例として孤立パターンを挙げて説明したが、本発明のマスクパターン描画方法においては、横長の矩形描画ショットおよび/または縦長の矩形描画ショットは、複数の同一形状パターンを含むのが、描画効率を高める上でより好ましい。
コンタクトパターンを例にとると、複数個のコンタクトパターンを、X方向とY方向の最大ショットサイズ以下の描画ショットに含めて電子ビーム描画することにより、描画効率が向上する。もしも複数個のコンタクトパターンの大きさが最大ショットサイズを超えている場合には、最大ショットサイズ以下の描画ショットを繋いでいくことによりパターンの大きさに対応することができる。
図7は、マスクブランク基板上のパターン端部のコーナーの丸みとレジストパターンの縮退量の説明図である。 図7において、Y方向に複数個のコンタクトパターンを、Y方向の最大ショットサイズ以下の描画ショットで電子ビーム描画するとき、Y方向描画末端の矩形ショット描画の一部71を示すものである。描画交差部は明示してない。X方向のショット幅は30nm、Y方向は100nmの矩形部分を図示している。図7のドット塗りつぶし部分が現像後のレジストパターンを示す。使用する電子ビーム描画装置と電子線レジストプロセスにより、あらかじめ調べておいたコーナー丸み量Rは、50nmであった。
図7に示すように、コーナー丸み量R(50nm)のために、矩形ショット描画された矩形パターンのレジスト像は、端部が14.3nmほど縮退していることが実測された(縮退量72は14.3nm)。したがって、本発明のマスクパターン描画においては、上記の縮退量14.3nmを上回る描画ショットサイズに、ブランク基板中心から外側に向かう突き出した矩形の描画領域を設け、ショット描画するものである。
本発明における所定のパターンから突き出した矩形の描画領域の作用効果について説明する。上記のように、本発明のマスクパターン描画方法は、所定のパターンから突き出した矩形の描画領域を設けることにより、パターンの丸みと縮退を生じる領域は突き出した矩形の描画領域に移行する。しかし、この所定のパターンから突き出した矩形の描画領域は、レジストが解像するだけの露光量が照射されていないので、レジストパターンとして顕在化されない。したがって、所定のパターン領域となる描画交差部のレジストパターンの丸みと縮退が防止され、コーナー部の解像性が向上し、描画交差部に高解像パターンを形成することが可能となる。さらに、電子ビームの描画ショット数が削減されて、描画効率が向上する。
本発明のマスクパターン描画方法は、矩形形状をなす微細パターンの電子ビーム描画に適した描画方法であり、さらに同一形状の多数の矩形微細パターンの描画により好ましい方法である。本発明の適用分野としては、例えば、半導体素子用のコンタクトパターンのパターン描画が挙げられる。しかし、本発明は半導体分野に限定されることはなく、微細パターンを転写するナノインプリントモールド用のピラーパターンの電子ビームによるパターン描画などにも用いることができる。
10 マスクブランク基板
11 レジスト
12 コンタクトパターン
13 横長パターン
14 縦長パターン
15a 横長矩形パターン描画
16a 縦長矩形パターン描画
17a、17b 描画交差部
15b 横長矩形パターン描画部
16b 縦長矩形パターン描画部
55a 横長矩形パターン描画
55b、56b 露光量オーバ影響部
56a 縦長矩形パターン描画
57a 描画交差部
57b 目的のレジストパターン
65b 横長矩形パターン描画部
66b 縦長矩形パターン描画部
67b 描画交差部
71 矩形ショット描画の一部
72 縮退量
80 マスクブランク基板
81 レジスト
82 コンタクトパターン
83 ショット描画領域
84 コンタクトパターン
x1、x2、x3、x4 描画ショットの順番
y1、y2、y3、y4 描画ショットの順番
x5、y5 描画パターンの短辺の幅
x6、y6 目的パターンの幅
x7、y7 突き出し量
x8、y8 縮退量
R1、R2 コーナー丸み量

Claims (6)

  1. レジストを塗布したマスクブランク基板上の描画領域に、複数個の描画ショットで電子ビームを露光して、複数の同一形状のパターンが配列した所定のパターンを描画する可変成形ビーム方式のマスクパターン描画方法であって、
    前記所定のパターンを、前記描画領域のX方向に最大ショットサイズ以下の描画ショットで横長の矩形パターンとして描画する工程と、前記X方向と直交する前記描画領域のY方向に最大ショットサイズ以下の描画ショットで縦長の矩形パターンとして描画する工程とを有し、
    前記横長の矩形パターンとして描画する描画ショットと前記縦長の矩形パターンとして描画する描画ショットとが交差する描画交差部を重ね描画とし、
    前記描画交差部の前記X方向および/または前記Y方向に前記所定のパターンから突き出した矩形の描画領域を設け、前記横長の矩形パターンとして描画する描画の工程および前記縦長の矩形パターンとして描画する描画の工程に含めて描画し、
    前記突き出した矩形の描画領域を含む前記横長の矩形パターンとして描画する描画ショットの露光量と前記縦長の矩形パターンとして描画する描画ショットの露光量の和が、前記レジストを解像させる露光量であり、前記描画交差部で前記所定のパターンを解像させることを特徴とするマスクパターン描画方法。
  2. 前記横長の矩形パターンとして描画する描画ショットの露光量と前記縦長の矩形パターンとして描画する描画ショットの露光量が、いずれも前記レジストを解像させる露光量の半分の露光量であることを特徴とする請求項1に記載のマスクパターン描画方法。
  3. 前記描画ショットの矩形パターンの短辺の幅が、前記所定のパターンの幅よりも小さく、前記描画交差部の露光量が、前記所定のパターンを解像させる適正露光量よりも大きいことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のマスクパターン描画方法。
  4. 前記横長の矩形パターンとして描画する描画ショットおよび縦長の矩形パターンとして描画する描画ショットの1ショットが、前記複数の同一形状パターンを含むことを特徴とする請求項1から請求項3までのうちのいずれか1項に記載のマスクパターン描画方法。
  5. 前記所定のパターンから突き出した矩形の描画領域のサイズが、前記マスクブランク基板上の前記レジストをあらかじめ電子ビーム描画し現像し、前記レジストのパターンのコーナー丸み量と縮退量とを実測し、前記コーナー丸み量と縮退量を上回るサイズに設定したものであることを特徴とする請求項1から請求項4までのうちのいずれか1項に記載のマスクパターン描画方法。
  6. 前記所定のパターンが、コンタクトパターンまたはピラーパターンのいずれかであることを特徴とする請求項1から請求項5までのうちのいずれか1項に記載のマスクパターン描画方法。
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