JP5740876B2 - 画像形成装置およびプロセスカートリッジ - Google Patents
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これまで、高速性及び画像再現性を要求される複写機、又は複写機をベースとした複合機等では、トナーの帯電安定性、立上り性、画像品質の長期的安定性等の要求から、二成分現像方式が多く採用されている。
昨今、いずれの現像方式においても、出力画像のカラー化が進み、画像の高画質化や画像品質の安定化に対する要求は、これまでにも増して強くなっている。このような高画質化を図るため、トナーの平均粒径は小さくなり、その粒子形状は角張った部分がなくなり、トナーはより丸い形状になってきている。
また、電子写真方式の画像形成装置は、現像方式の違いによらず、一般的に、ドラム形状やベルト形状の像担持体を回転させつつ一様に帯電し、レーザー光等により像担持体上に潜像パターンを形成し、該潜像パターンをトナーで可視像(トナー像)化して、記録媒体上に転写を行っている。
この課題を解消すべく、これまでにも像担持体とクリーニングブレードとの間での摩擦力を低減させるため、各種潤滑剤、潤滑成分の供給、潤滑膜の形成方法について、多くの提案がなされている。
像担持体表面の帯電処理をより均一に行うために、直流(DC)電圧に交流(AC)電圧を重畳させた帯電バイアスを印加する方式が採られている。この方式を用いた画像形成装置は、DCのみの帯電方式に比べ、所望の帯電電位を得るために多量のAC電流を流す必要があり、このときのAC周波数は像担持体線速のn倍(nは整数)以上にすることが必要である。
例えば、n=7のときは、像担持体線速を100mm/secとすると、100×7として700Hz以上が必要になる。
n倍以下にすると、ハーフトーン画像等の均一な中間電位画像にAC周波数周期のジターが見えてしまう。従って、1台の画像形成装置内に複数の像担持体線速を備えている場合、各々の線速に合わせたAC周波数にすることで同様な帯電能力を得ることができる。
つまり、像担持体保護剤にステアリン酸亜鉛を始めとした脂肪酸金属塩のみを使用した場合、帯電工程において像担持体近傍で行なわれる放電の影響により、クリーニングブレードと像担持体との潤滑性が損なわれ、トナーがすり抜けてしまうばかりでなく、過剰な放電により、オゾン成分の付着等が原因で像担持体表面にフィルミングが発生する。
フィルミングが像担持体表面に形成されると光照射による露光によっても表面電位が減衰(低下)しにくくなり、フィルミング物質の積層量(厚み)が多くなるに伴って減衰量も減少することとなる。その結果、フィルミング物質の増加に伴って露光後の像担持体上の電位上昇、即ち、残留電位が顕著に現れ、地汚れ等の不良画像が発生する原因となる。
例えば、像担持体保護剤に、ステアリン酸亜鉛を始めとした脂肪酸金属塩のみを使用した画像形成装置において、帯電工程で劣化したステアリン酸亜鉛の除去を目的として様々なセンサを搭載させて制御を行うようにした構成(例えば、特許文献3,4)、あるいは、像担持体保護剤に、ステアリン酸亜鉛を始めとした脂肪酸金属塩のみを使用した画像形成装置において、フィルミング除去モードとして、実行時には直流電圧に重畳させた交流帯電電流を下げ、像担持体へトナー入力し、クリーニング部材で、トナーとともに削り取る方法を用いる構成がある(例えば、特許文献5)。
しかし、ステアリン酸亜鉛はクリーニング性という面で大きな問題がある。
通常の作像プロセスでは転写後の残トナーを像担持体上から除去する手段としてブレードクリーニング方式が採用されているが、ステアリン酸亜鉛はこのブレードをトナーがすり抜けやすい性質がある。クリーニングブレードをトナーがすり抜けると、そのトナーが直接転写紙に転写されてしまったり、帯電部材の汚染をさらに加速してしまう結果となる。
また、このクリーニング工程でのトナーすり抜けは、トナーと同時に大量のステアリン酸亜鉛をもすり抜けてしまい、これが帯電部材を汚染するという問題になる特に帯電ローラーを像担持体に接触又は近接配置して帯電させる方式の場合、帯電部材の汚染は増大する。帯電部材が汚染された場合、濃度ムラ等の異常画像が発生してしまう。
しかし、無機潤滑剤を含有した保護剤は、無機潤滑剤自体の像担持体への付着力が高く、低い画像面積率や、非画像部の多い画像出力が、経時で連続して使用して通紙された場合あるいは、高温高湿環境下、及び、低線速モードで実施された場合、像担持体上に保護剤が堆積して、汚染されてしまうことがある。その結果、帯電不足が原因での不良画像や、画像ボケが発生するという不具合が発生する。
さらに、像担持体保護剤としてステアリン酸亜鉛のみを使用しているため、前述したように、クリーニング部材の摩耗が激しく、経時に渉り、保護剤の除去が実施できない。また、前述したように、帯電部材の汚染が激しく、帯電不良による異常画像が発生する。
特許文献5に記載されているところの、フィルミングの除去モードにおいても、像担持体保護剤にステアリン酸亜鉛のみを使用しているため、前述したように、クリーニング部材の摩耗が激しく、経時に渉り、フィルミングの除去が実施できない虞がある。
また、像担持体のフィルミングを除去するためには、より多くのトナーを入力し、除去しなければならず、トナーによるサプライコストが増加し、モード実施に対する時間を費やすという問題もある。
このような搬送速度で設定される作像プロセス速度は、像担持体に対して保護剤を塗布あるいは固着させて保護層を形成する場合、塗布厚や塗布量などの塗布特性が潜像担持体の線速度に依存し、潜像担持体の速度が低下した場合には潜像担持体上に堆積しやすくなり、これがフィルミングの発生に繋がることがある。
静電潜像を担持する潜像担持体と、該潜像担持体を帯電させる帯電手段と、潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、前記潜像担持体に形成したトナー像を転写媒体に転写する手段と、転写後のトナー像を定着する定着手段を有し、前記潜像担持体に対して少なくとも脂肪酸金属塩と無機潤滑剤とを含んだ潜像担持体保護剤を塗布または付着させて保護層を形成する保護層形成手段を備える画像形成装置において、
前記潜像担持体に形成されたトナー像を前記転写媒体に転写するまでの作像プロセス速度が複数選択可能であり、それら複数の作像プロセス速度において、
作像プロセス速度が遅い画像形成ジョブを選択された際には、該作像プロセスに応じた速度で駆動される前記定着手段での前記転写媒体の定着後、該定着手段と独立させて前記潜像担持体線速度を、次の画像形成ジョブの有無に関わらず、作像前後および作像間で作像時よりも早くすることを特徴としている。
前記潜像担持体保護剤に用いられる脂肪酸金属塩及び無機潤滑剤のうちで脂肪酸金属塩には、ステアリン酸金属塩が用いられることを特徴としている。
前記潜像担持体保護剤に用いられる無機潤滑剤には窒化ホウ素が用いられることを特徴としている。
前記現像装置に用いられるトナーは、下記式(1)で示される円形度SRが、0.93〜1.00であることを特徴としている。
図1は、本発明による画像形成装置に用いられる保護層形成装置の一例を示す概略図である。
図1において、像担持体である像担持体ドラム1に対向して配設された保護層形成装置2は、潜像担持体保護剤21、保護剤供給部材22、押圧力付与機構23、保護層形成機構24の各部材と、クリーニング部材41、クリーニング押圧機構42などにより成るクリーニング機構4とを主要部として備えている。
脂肪酸の代表的な安定した金属塩には、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸鉛、ステアリン酸鉄、ステアリン酸ニッケル、ステアリン酸コバルト、ステアリン酸銅、ステアリン酸ストロンチウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸カドミウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、オレイン酸亜鉛、オレイン酸マグネシウム、オレイン酸鉄、オレイン酸コバルト、オレインサン銅、オレイン酸鉛、オレイン酸マンガン、パルミチン酸亜鉛、パルミチン酸コバルト、パルミチン酸鉛、パルミチン酸マグネシウム、パルミチン酸アルミニウム、パルミチン酸カルシウム、カプリル酸鉛、カプリン酸鉛、リノレン酸亜鉛、リノレン酸コバルト、リノレン酸カルシウム、リシノール酸亜鉛、リシノール酸カドミウム及びそれらの混合物があるが、これに限るものではない。また、これらを混合して使用してもよい。
無機潤滑剤とは、その物質自身が、へき開し、潤滑するまたは内部滑りを起こすものを指す。この例としては、マイカ、窒化ホウ素、二硫化モリブデン、二硫化タングステン、タルク、カオリン、モンモリロナイト、フッ化カルシウム、グラファイト、などがあるがこれに限るものではない。例えば窒化ホウ素は、原子がしっかりと組み合った六角網面が、広い間隔で重なり、層と層とをつなげるのは、弱いファンデルワールス力のみであるため、その層間は容易に、へき開し、潤滑する。
保護剤供給部材22は像担持体1と線速差をもって回転して摺擦し、この際に、保護剤供給部材22の表面に保持された潜像担持体保護剤21を、像担持体1の表面に供給する。またこの保護層は保護層形成機構24により薄層化される。
これらのブレードは、ブレード支持体に、先端部が像担持体表面へ押圧当接できるように、接着や融着等の任意の方法によって固定される。ブレード厚みについては、押圧で加える力との兼ね合いで一義的に定義できるものではないが、概ね0.5〜5mm程度であれば好ましく使用でき、1〜3mm程度であれば更に好ましく使用できる。
保護層形成機構24に用いられるブレード部材の他の構成としては、バネ板等の弾性金属ブレード表面に、必要によりカップリング剤やプライマー成分等を介して、樹脂、ゴム、エラストマー等の層をコーティング、ディッピング等の方法で形成し、必要により熱硬化等を行い、更に必要であれば表面研摩等を施して用いても良い。
弾性金属ブレードを用いる場合には、その厚みが、0.05〜3mm程度であれば好ましく使用でき、0.1〜1mm程度であればより好ましく使用できる。
また、弾性金属ブレードでは、ブレードのねじれを抑止するために、取り付け後に支軸と略平行となる方向に、曲げ加工等の処理を施しても良い。
表面層を形成する材料としては、PFA、PTFE、FEP、PVdF等のフッ素樹脂や、フッ素系ゴム、メチルフェニルシリコーンエラストマー等のシリコーン系エラストマー等を、必要により充填剤と共に、用いることができるが、これに限定されるものではない。
また、保護層形成機構24で像担持体を押圧する力は、潜像担持体保護剤21が延展し保護層や保護膜の状態になる力で十分であり、線圧として5gf/cm以上80gf/cm以下であることが好ましく、10gf/cm以上60gf/cm以下であることがより好ましい。
可撓性のブラシ繊維の具体的な材料としては、一般的に公知の材料から1種乃至2種以上を選択して使用する事ができる。具体的には、ポリオレフィン系樹脂(例えばポリエチレン、ポリプロピレン);ポリビニル及びポリビニリデン系樹脂(例えばポリスチレン、アクリル樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルエーテル及びポリビニルケトン);塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体;スチレン−アクリル酸共重合体;スチレン−ブタジエン樹脂;フッ素樹脂(例えばポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン);ポリエステル;ナイロン;アクリル;レーヨン;ポリウレタン;ポリカーボネート;フェノール樹脂;アミノ樹脂(例えば尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、ポリアミド樹脂);などの内、可撓性を持つ樹脂を使用することができる。
また、撓みの程度を調整するために、ジエン系ゴム、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、エチレンプロピレンゴム、イソプレンゴム、ニトリルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、ヒドリンゴム、ノルボルネンゴム等を複合して用いても良い。
保護剤供給部材22は、供給の均一性やその安定性の面から、極力、ブラシ密度の高い物を使用することが好ましく、1本の繊維を数本〜数百本の微細な繊維から作ることも好ましい。例えば、333デシテックス=6。7デシテックス×50フィラメント(300デニール=6デニール×50フィラメント)のように6、7デシテックス(6デニール)の微細な繊維を50本束ねて1本の繊維として植毛することも可能である。
帯電ローラー3aは、電源に接続されており、所定の電圧が印加される。その電圧は、DC電圧にAC電圧を重畳させた電圧である。AC電圧を印加することにより、潜像担持体1表面をより均一に帯電することができる。
本発明の画像形成装置に用いる潜像担持体1は、導電性支持体の上に感光層が設けられている。感光層の構成は電荷発生材と電荷輸送材を混在させた単層型、あるいは電荷発生層の上に電荷輸送層を設けた順層型、あるいは電荷輸送層の上に電荷発生層を設けた逆層型がある。また、像担持体の機械的強度、耐磨耗性、耐ガス性、クリーニング性等の向上のため、感光層の上に保護層を設けることもできる。感光層と導電性支持体の間には下引き層が設けられていてもよい。また各層には必要により可塑剤、酸化防止剤、レベリング剤等を適量添加することもできる。
〈モノフェノール系化合物〉
2、6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2、6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリル−β−(3、5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、3−t−ブチル−4−ヒドロキシニソールなど。
〈ビスフェノール系化合物〉
2、2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2、2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4、4’−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4、4’−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)など。
〈高分子フェノール系化合物〉
1、1、3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1、3、5−トリメチル−2、4、6−トリス(3、5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3’、5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3、3’−ビス(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)ブチリックアシッド]グリコールエステル、トコフェノール類など。
〈パラフェニレンジアミン類〉
N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N、N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N、N’−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N、N’−ジメチル−N、N’−ジ−tーブチル−p−フェニレンジアミンなど。
〈ハイドロキノン類〉
2、5−ジ−t−オクチルハイドロキノン、2、6−ジドデシルハイドロキノン、2−ドデシルハイドロキノン、2−ドデシル−5−クロロハイドロキノン、2−t−オクチル−5−メチルハイドロキノン、2−(2−オクタデセニル)−5−メチルハイドロキノンなど。
〈有機硫黄化合物類〉
ジラウリル−3、3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3、3’−チオジプロピオネート、ジテトラデシル−3、3’−チオジプロピオネートなど。
〈有機燐化合物類〉
トリフェニルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、トリクレジルホスフィン、トリ(2、4−ジブチルフェノキシ)ホスフィンなど。
可塑剤としては、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレートなどの一般的な樹脂の可塑剤として使用されているものがそのまま使用でき、その使用量は結着樹脂100重量部に対して0〜30重量部程度が適当である。
電荷輸送層中にレベリング剤を添加してもかまわない。レベリング剤としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイル類や、測鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマーあるいはオリゴマーが使用され、その使用量は、バインダー樹脂100重量部に対して、0〜1重量部が適当である。
中間転写媒体60に表面層を設ける際には、上述の像担持体表面層に使用した表面層材料の内、電荷輸送材料を除く組成物に、適宜、導電性物質を併用して抵抗調整を行い、使用することができる。
まず、本発明のトナーは、平均円形度が0.93〜1.00であることが好ましい。本発明では、下記式(1)より得られた値を円形度と定義する。
平均円形度が0.93〜1.00の範囲では、トナー粒子の表面は滑らかであり、トナー粒子同士、トナー粒子と像担持体との接触面積が小さいために転写性に優れる。
トナー粒子に角がないため、現像装置内での 現像剤の攪拌トルクが小さく、攪拌の駆動が安定するために異常画像が発生しない。
ドットを形成するトナーの中に、角張ったトナー粒子がいないため、転写で転写媒体に圧接する際に、その圧がドットを形成するトナー全体に均一にかかり、転写中抜けが生じにくい。
トナー粒子が角張っていないことから、トナー粒子そのものの研磨力が小さく、像担持体の表面を傷つけたり、磨耗させたりしない。
円形度は、東亜医用電子製フロー式粒子像分析装置FPIA−1000を用いて測定することができる。
具体的な測定方法としては、容器中の予め不純固形物を除去した水100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩を0.1〜0.5ml加え、更に測定試料を0.1〜0.5g程度加える。試料を分散した懸濁液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、分散液濃度を3000〜10000個/μlとして前記装置によりトナーの形状、粒度を測定する。
また本発明では、トナーの重量平均径D4が3〜10μmであることが好ましい。
この範囲では、微小な潜像ドットに対して、十分に小さい粒径のトナー粒子を有していることから、ドット再現性に優れる。
重量平均径D4が3μm未満では、転写効率の低下、ブレードクリーニング性の低下といった現象が発生しやすい。
重量平均径D4が10μmを超えると、文字やラインの飛び散りを抑えることが難しい。
よって、(D4/D1)が1.00〜1.40の範囲では、トナー粒径による選択現像が起きないため、画質の安定性に優れる。
トナーの粒度分布がシャープであることから、摩擦帯電量分布もシャープとなり、カブリの発生が抑えられる。
トナー粒径が揃っていると、潜像ドットに対して、緻密に かつ整然と並ぶように現像されるので、ドット再現性に優れる。
コールターカウンター法によるトナー粒子の粒度分布の測定装置としては、コールターカウンターTA−IIやコールターマルチサイザーII(いずれもコールター社製)があげられる。以下に測定方法について述べる。
まず、電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩)を0.1〜5ml加える。ここで、電解液とは1級塩化ナトリウムを用いて約1%NaCl水溶液を調製したもので、例えばISOTON−II(コールター社製)が使用できる。ここで、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、前記測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、トナー粒子又はトナーの体積、個数を測定して、体積分布と個数分布を算出する。得られた分布から、トナーの重量平均径D4、個数平均径D1を求めることができる。
トナー作成に使用できる変性ポリエステル系樹脂から成るプレポリマーとしては、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)が挙げられ、また、該プレポリマーと伸長または架橋する化合物としては、アミン類(B)が挙げられる。
ポリオール(1)としては、ジオール(1−1)および3価以上のポリオール(1−2)が挙げられ、(1−1)単独、または(1−1)と少量の(1−2)の混合物が好ましい。ジオール(1−1)としては、アルキレングリコール(エチレングリコール、1、2−プロピレングリコール、1、3−プロピレングリコール、1、4−ブタンジオール、1、6−ヘキサンジオールなど);アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど);脂環式ジオール(1、4-シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなど);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど);上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物;上記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコールおよびビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物であり、特に好ましいものはビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、およびこれと炭素数2〜12のアルキレングリコールとの併用である。3価以上のポリオール(1−2)としては、3〜8価またはそれ以上の多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど);3価以上のフェノール類(トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど);上記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
ポリオール(1)とポリカルボン酸(2)の比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、通常2/1〜1/1、好ましくは1.5/1〜1/1、さらに好ましくは1.3/1〜1.02/1である。
アミン類(B)としては、ジアミン(B1)、3価以上のポリアミン(B2)、アミノアルコール(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸(B5)、およびB1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)などが挙げられる。ジアミン(B1)としては、芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4、4’ジアミノジフェニルメタンなど);脂環式ジアミン(4、4’−ジアミノ−3、3’ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミンなど);および脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなど)などが挙げられる。3価以上のポリアミン(B2)としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。アミノアルコール(B3)としては、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。アミノメルカプタン(B4)としては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。アミノ酸(B5)としては、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、前記B1〜B5のアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)から得られるケチミン化合物、オキサゾリン化合物などが挙げられる。これらアミン類(B)のうち好ましいものは、B1およびB1と少量のB2の混合物である。
さらに、必要により伸長停止剤を用いてウレア変性ポリエステルの分子量を調整することができる。伸長停止剤としては、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミンなど)、およびそれらをブロックしたもの(ケチミン化合物)などが挙げられる。
また、本発明に用いるトナーは概ね以下の方法で製造することができるが勿論これらに限定されることはない。
トナー粒子は、水系媒体中でイソシアネート基を有するプレポリマー(A)からなる分散体を、(B)と反応させて形成しても良いし、あらかじめ製造したウレア変性ポリエステル(i)を用いても良い。水系媒体中でウレア変性ポリエステル(i)やプレポリマー(A)からなる分散体を安定して形成させる方法としては、水系媒体中にウレア変性ポリエステル(i)やプレポリマー(A)からなるトナー原料の組成物を加えて、せん断力により分散させる方法などが挙げられる。プレポリマー(A)と他のトナー組成物である(以下トナー原料と呼ぶ)着色剤、着色剤マスターバッチ、離型剤、荷電制御剤、未変性ポリエステル樹脂などは、水系媒体中で分散体を形成させる際に混合してもよいが、あらかじめトナー原料を混合した後、水系媒体中にその混合物を加えて分散させたほうがより好ましい。また、本発明においては、着色剤、離型剤、荷電制御剤などの他のトナー原料は、必ずしも、水系媒体中で粒子を形成させる時に混合しておく必要はなく、粒子を形成せしめた後、添加してもよい。たとえば、着色剤を含まない粒子を形成させた後、公知の染着の方法で着色剤を添加することもできる。
プレポリマー(A)からウレア変性ポリエステル(i)を合成する工程は水系媒体中でトナー組成物を分散する前にアミン類(B)を加えて反応させても良いし、水系媒体中に分散した後にアミン類(B)を加えて粒子界面から反応を起こしても良い。この場合製造されるトナー表面に優先的にウレア変性ポリエステルが生成し、粒子内部で濃度勾配を設けることもできる。
カチオン界面活性剤としては、フルオロアルキル基を有する脂肪族一級、二級もしくは二級アミン酸、パーフルオロアルキル(C6一C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩などの脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、商品名としてはサーフロンSーl21(旭硝子社製)、フロラードFC−135(住友3M社製)、ユニダインDSー202(ダイキンエ業杜製)、メガファックF−150、F−824(大日本インキ社製)、エクトップEFーl32(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF一300(ネオス社製)などが挙げられる。
さらに、水に難溶の無機化合物分散剤としてリン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイトなども用いる事が出来る。
なお、分散安定剤としてリン酸カルシウム塩などの酸、アルカリに溶解可能な物を用いた場合は、塩酸等の酸により、リン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗するなどの方法によって、微粒子からリン酸カルシウム塩を除去する。その他酵素による分解などの操作によっても除去できる。
分散剤を使用した場合には、該分散剤がトナー粒子表面に残存したままとすることもできるが、伸長および/または架橋反応後、洗浄除去するほうがトナーの帯電面から好ましい。
得られた乳化分散体から有機溶媒を除去するためには、系全体を徐々に昇温し、液滴中の有機溶媒を完全に蒸発除去する方法を採用することができる。あるいはまた、乳化分散体を乾燥雰囲気中に噴霧して、液滴中の非水溶性有機溶媒を完全に除去してトナー微粒子を形成し、合せて水系分散剤を蒸発除去することも可能である。乳化分散体が噴霧される乾燥雰囲気としては、空気、窒素、炭酸ガス、燃焼ガス等を加熱した気体、特に使用される最高沸点溶媒の沸点以上の温度に加熱された各種気流が一般に用いられる。スプレイドライアー、ベルトドライアー、ロータリーキルンなどの短時間の処理で十分目的とする品質が得られる。
乳化分散時の粒度分布が広く、その粒度分布を保って洗浄、乾燥処理が行われた場合、所望の粒度分布に分級して粒度分布を整えることができる。
分級操作は液中でサイクロン、デカンター、遠心分離等により、微粒子部分を取り除くことができる。もちろん乾燥後に粉体として取得した後に分級操作を行っても良いが、液体中で行うことが効率の面で好ましい。得られた不要の微粒子、または粗粒子は再び混練工程に戻して粒子の形成に用いることができる。その際微粒子、または粗粒子はウェットの状態でも構わない。
具体的手段としては、高速で回転する羽根によって混合物に衝撃力を加える方法、高速気流中に混合物を投入し、加速させ、粒子同士または複合化した粒子を適当な衝突板に衝突させる方法などがある。装置としては、オングミル(ホソカワミクロン社製)、I式ミル(日本ニューマチック社製)を改造して、粉砕エアー圧カを下げた装置、ハイブリダイゼイションシステム(奈良機械製作所社製)、クリプトロンシステム(川崎重工業社製)、自動乳鉢などがあげられる。
また、該トナーに使用される着色剤としては、従来からトナー用着色剤として使用されてきた顔料及び染料が使用でき、具体的には、カーボンブラック、ランプブラック、鉄黒、群青、ニグロシン染料、アニリンブルー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ハンザイエローG、ローダミン6Cレーキ、カルコオイルブルー、クロムイエロー、キナクリドンレッド、ベンジジンイエロー、ローズベンガル等を単独あるいは混合して用いることができる。
更に、必要により、トナー粒子自身に磁気特性を持たせるには、フェライト、マグネタイト、マグヘマイト等の酸化鉄類、鉄、コバルト、ニッケル等の金属あるいは、これらと他の金属との合金等の磁性成分を単独または混合して、トナー粒子へ含有させればよい。また、これらの成分は、着色剤成分として使用/併用することもできる。
トナー中の着色剤の個数平均径が0.5μmより大きいときには、顔料の分散性が充分なレベルには到らず、好ましい透明性が得られないことがある。
0.1μmより小さい微小粒径の着色剤は、可視光の半波長より十分小さいため、光の反射、吸収特性に悪影響を及ぼさないと考えられる。よって、0.1μm未満の着色剤の粒子は良好な色再現性と、定着画像を有するOHPシートの透明性に貢献する。一方、0.5μmより大きな粒径の着色剤が多く存在していると、入射光の透過が阻害されたり、散乱されたりして、OHPシートの投影画像の明るさ及び鮮やかさが低下する傾向がある。
さらに、0.5μmより大きな粒径の着色剤が多く存在していると、トナー粒子表面から着色剤が脱離し、カブリ、ドラム汚染、クリーニング不良といった種々の問題を引き起こしやすいため、好ましくない。特に、0.7μmより大きな粒径の着色剤は、全着色剤の10個数%以下である事が好ましく、5個数%以下である事が、より好ましい。
予めの混錬に用いる結着樹脂としては、トナー用結着樹脂として例示した樹脂類をそのまま使用することができるが、これらに限定されるものではない。
前記の結着樹脂と着色剤の混合物を予め湿潤液と共に混練する具体的な方法としては、例えば、結着樹脂、着色剤及び湿潤液を、ヘンシェルミキサー等のブレンダーにて混合した後、得られた混合物を二本ロール、三本ロール等の混練機により、結着樹脂の溶融温度よりも低い温度で混練して、サンプルを得る。
この製法によると、得られるトナーに含有される着色剤粒子の粒径が小さくなるばかりでなく、該粒子の分散状態の均一性が高くなるため、OHPによる投影像の色の再現性がより一層良くなる。この他、本発明の構成をとる限り、トナー中に結着樹脂や着色剤とともにワックスに代表される離型剤を含有させることもできる。
これらのうち好ましいものは、カルボニル基含有ワックスである。カルボニル基含有ワックスとしては、ポリアルカン酸エステル(カルナバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1、18-オクタデカンジオールジステアレートなど);ポリアルカノールエステル(トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエートなど);ポリアルカン酸アミド(エチレンジアミンジベヘニルアミドなど);ポリアルキルアミド(トリメリット酸トリステアリルアミドなど);およびジアルキルケトン(ジステアリルケトンなど)などが挙げられる。
これらカルボニル基含有ワックスのうち好ましいものは、ポリアルカン酸エステルである。これら離型剤の融点は、通常40〜160℃であり、好ましくは50〜120℃、さらに好ましくは60〜90℃である。融点が40℃未満のワックスは耐熱保存性に悪影響を与え、160℃を超えるワックスは低温での定着時にコールドオフセットを起こしやすい。また、ワックスの溶融粘度は、融点より20℃高い温度での測定値として、5〜1000cpsが好ましく、さらに好ましくは10〜100cpsである。1000cpsを超えるワックスは、耐ホットオフセット性、低温定着性への向上効果に乏しい。トナー中のワックスの含有量は通常0〜40重量%であり、好ましくは3〜30重量%である。
帯電制御剤としては公知のものが全て使用でき、例えば、トリフェニルメタン系染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。具体的には第四級アンモニウム塩のボントロンPー51、オキシナフトエ酸系金属錯体のEー82、サリチル酸系金属錯体のEー84、フェノール系縮合物のEー89(以上、オリエント化学工業社製)、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTPー302、TP一415(以上、保土谷化学工業社製)、第四級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、第四級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRAー901、ホウ素錯体であるLRー147(日本カ一リット社製)、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。
使用される樹脂微粒子は、水性分散体を形成しうる樹脂であればいかなる樹脂も使用でき、熱可塑性樹脂でも熱硬化性樹脂でもよいが、例えばビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ケイ素系樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アニリン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。樹脂微粒子としては、上記の樹脂を2種以上併用しても差し支えない。このうち好ましいのは、微細球状樹脂粒子の水性分散体が得られやすい点から、ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂及びそれらの併用が好ましい。
ビニル系樹脂としては、ビニル系モノマーを単独重合また共重合したポリマーで、例えば、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、(メタ)アクリル酸−アクリル酸エステル重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
更に、トナー粒子の流動性や現像性、帯電性を補助するための外添剤としては、無機微粒子を好ましく用いることができる。
この無機微粒子の一次粒子径は、5mμ〜2μmであることが好ましく、特に5mμ〜500mμであることが好ましい。また、BET法による比表面積は、20〜500m2/gであることが好ましい。この無機微粒子の使用割合は、トナーの0.01〜5重量%であることが好ましく、特に0.01〜2.0重量%であることが好ましい。無機微粒子の具体例としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ペンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。
この他 高分子系微粒子たとえばソープフリー乳化重合や懸濁重合、分散重合によって得られるポリスチレン、メタクリル酸エステルやアクリル酸エステル共重合体やシリコーン、ベンゾグアナミン、ナイロンなどの重縮合系、熱硬化性樹脂による重合体粒子が挙げられる。
このような流動化剤は表面処理を行って、疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止することができる。例えばシランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイルなどが好ましい表面処理剤として挙げられる。
また、像担持体や一次転写媒体に残存する転写後の現像剤を除去するためのクリーニング性向上剤としては、例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸など脂肪酸金属塩、例えばポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子などのソープフリー乳化重合などによって製造された、ポリマー微粒子などを挙げることかできる。ポリマー微粒子は比較的粒度分布が狭く、体積平均粒径が0.01から1μmのものが好ましい。
像担持体に対する負荷を軽減した場合には、像担持体上のトナーや小径のキャリアの除去が不十分となり、これらはクリーニング装置を通過する際に、像担持体表面を傷つけ、画像形成装置の性能を変動させる要因となる。
また、本発明の画像形成装置は、上述のような、高品質な画像を得るに適した構成のトナーとの併用ばかりでなく、粉砕法による不定形のトナーに対しても適用でき、装置寿命を大幅に延ばすことは言うまでもない。
該トナーに使用される一般的な結着剤樹脂の例としては、ポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン/p−クロロスチレン共重合体、スチレン/プロピレン共重合体、スチレン/ビニルトルエン共重合体、スチレン/ビニルナフタレン共重合体、スチレン/アクリル酸メチル共重合体、スチレン/アクリル酸エチル共重合体、スチレン/アクリル酸ブチル共重合体、スチレン/アクリル酸オクチル共重合体、スチレン/メタクリル酸メチル共重合体、スチレン/メタクリル酸エチル共重合体、スチレン/メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン/α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン/アクリロニトリル共重合体、スチレン/ビニルメチルケトン共重合体、スチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/イソプレン共重合体、スチレン/マレイン酸共重合体等のスチレン系共重合体;ポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸ブチル、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸ブチル等のアクリル酸エステル系単重合体やその共重合体;ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル等のポリビニル誘導体;ポリエステル系重合体、ポリウレタン系重合体、ポリアミド系重合体、ポリイミド系重合体、ポリオール系重合体、エポキシ系重合体、テルペン系重合体、脂肪族または脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂などが挙げられ、単独あるいは混合して使用できるが特にこれらに限定するものではない。中でも、スチレン−アクリル系共重合樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオール系樹脂より選ばれる少なくとも1種以上であることが、電気特性、コスト面等から、より好ましいものである。更には、良好な定着特性を有するものとして、ポリエステル系樹脂および/またはポリオール系樹脂の使用が、一層好ましい。
図2に示す画像形成装置100は、異なる色画像を形成可能な複数の作像ステーションが転写装置に用いられる中間転写体60の展張面に沿って並置されたタンデム方式のカラープリンタである。
以下に、画像形成のための一連のプロセスについて、ネガ−ポジプロセスで説明を行う。
有機光導電層を有する感光体(OPC)に代表される像担持体は、除電ランプ(図示せず)等で除電され、帯電部材を有する帯電装置3で均一にマイナスに帯電される。
帯電装置3による像担持体の帯電が行われる際には、電圧印加機構(図示せず)から帯電部材に、像担持体1Y,1M,1C,1Kを所望の電位に帯電させるに適した、適当な大きさの電圧又はこれに交流電圧を重畳した帯電電圧が印加される。
帯電された像担持体1Y,1M,1C,1Kは、レーザー光学系等の潜像形成装置8によって照射されるレーザー光で潜像形成(露光部電位の絶対値は、非露光部電位の絶対値より低電位となる)が行われる。
レーザー光は半導体レーザーから発せられて、高速で回転する多角柱の多面鏡(ポリゴン)等により像担持体1Y,1M,1C,1Kの表面を、像担持体の回転軸方向に走査する。
このようにして形成された潜像が、現像装置50にある現像剤担持体である現像スリーブ上に供給されたトナー粒子、又はトナー粒子及びキャリア粒子の混合物からなる現像剤により現像され、トナー可視像が形成される。
潜像の現像時には、電圧印加機構(図示せず)から現像スリーブに、像担持体1Y,1M,1C,1Kの露光部と非露光部の間にある、適当な大きさの電圧又はこれに交流電圧を重畳した現像バイアスが印加される。
各色に対応した像担持体1Y,1M,1C,1K上に形成されたトナー像は、転写装置6にて中間転写体60上に転写され、給紙機構200から給送された、紙などの記録媒体上に、トナー像が転写される。
このとき、転写装置6には、転写バイアスとして、トナー帯電の極性と逆極性の電位が印加されることが好ましい。その後、中間転写体60は、像担持体から分離され、転写像が得られる。
また、像担持体上に残存するトナー粒子は、クリーニング部材によって、クリーニング装置4内のトナー回収室へ、回収される。
本発明の画像形成装置は、上述したように、像担持体表面状態の変動、特に低抵抗部位の存在に対しての許容範囲に優れ、像担持体への帯電性能の変動等を高度に抑制した構成であるため、上記構成のトナーと併用することにより、極めて高画質な画像を長期にわたって安定に形成することができる。
(プロセスカートリッジ)
本発明のプロセスカートリッジは、像担持体と、本発明の前記保護層形成手段とを少なくとも有してなり、更に必要に応じて帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段、除電手段などのその他の手段を有してなる。
本発明のプロセスカートリッジは、各種電子写真装置に着脱自在に備えさせることができ、上述した本発明の画像形成装置に着脱自在に備えさせるのが好ましい。
前記プロセスカートリッジは、像担持体である感光体ドラム1に対向して配設された保護層形成装置2は、像担持体用保護剤21、保護剤供給部材22、押圧力付与部材23、保護層形成部材24等から構成される。
また、像担持体1は、転写工程後に部分的に劣化した像担持体用保護剤やトナー成分等が残存した表面となっているが、クリーニング部材41により表面残存物が清掃され、クリーニングされる。
図3では、クリーニング部材は、いわゆるカウンタータイプ(リーディングタイプ)に類する角度で当接されている。
クリーニング機構により、表面の残留トナーや劣化した像担持体用保護剤が取り除かれた像担持体表面へは、脂肪酸金属塩および無機潤滑剤を含む保護剤供給部材22から、像担持体用保護剤21が供給され、保護層形成部材24により皮膜状の保護層が形成される。
本発明は、複数の作像プロセスを選択できることを前提とし、プロセス速度において遅くさせる場合には、作像前後及び作像間での潜像担持体の線速度を速くするようになっている。これにより、脂肪酸金属塩および無機潤滑剤を必須成分として含む潜像担持体保護剤を用いる際に、無機潤滑剤が線速度の低下によって潜像担持体表面に堆積するのを防止できることと、この堆積を防止する時期として、作像処理に係る時期、つまり作像生産時期ではない、作像前後及び作像間のみを対象としてその期間での線速度の上昇制御であるので、生産性を低下させることなくフィルミングの発生を抑制できる。
使用する転写紙として、A4版用紙を用い、画像面積率100パーセントの帯部を含む厚紙で2000枚の連続通紙試験を行い、潜像担持体での汚染及び帯電装置で汚染状況を目視にて観察した。
作像プロセス線速度77mm/secのジョブが入力されると、感光体1Y〜1K及び中間転写体60は線速度230mm/secで2秒間回転し、その間、定着装置90は線速度77mm/secで回転しながら昇温する。
作像時は感光体1Y〜1K及び中間転写体60は線速度77mm/secでトナー像の作像を行い、給紙機構200から紙が送られ、2次転写部9においてトナー像が紙に転写され、線速度77mm/secで回転する定着装置90で加熱定着される。
この後、次の作像ジョブの有無に関わらず、感光体1Y〜1K及び中間転写体60は線速度230mm/secで2秒間回転させる。
この時、像担持体保護剤として脂肪酸金属塩と無機潤滑剤を重量比8対2で混合して圧縮成型したものを使用する。
脂肪酸金属塩としてステアリン酸亜鉛(日本油脂製)を無機潤滑剤として窒化ホウ素(モメンティブパフォーマンスマテリアルズ製)を使用した。
作像プロセス線速度77mm/secのジョブが入力されると、接離機構を備えた一次転写ローラー6Y〜6Kを感光体1Y〜1Kから離し、感光体1Y〜1Kは、線速度230mm/secで2秒間回転し、その間、中間転写体中間転写体60及び定着装置90は、線速度77mm/secで回転する。
作像時は接離機構を備えた一次転写ローラー6Y〜6Kを感光体1Y〜1Kに接触させ、感光体1Y〜1K及び中間転写体60は線速度77mm/secでトナー像の作像を行い、給紙機構200から紙が送られ、2次転写部9においてトナー像が紙に転写され、線速度77mm/secで回転する定着装置90で加熱定着される。
この後、次の作像ジョブの有無に関わらず、接離機構を備えた一次転写ローラー6Y〜6Kを感光体1Y〜1Kから離し、感光体1Y〜1Kは線速度230mm/secで2秒間回転させる。
この時、像担持体保護剤として脂肪酸金属塩と無機潤滑剤を重量比8対2で混合して圧縮成型したものを使用する。
脂肪酸金属塩としてステアリン酸亜鉛(日本油脂製)を無機潤滑剤として窒化ホウ素(モメンティブパフォーマンスマテリアルズ製)を使用した。
作像プロセス線速度77mm/secのジョブが入力されると、感光体1Y〜1K及び中間転写体60は線速度154mm/secで2秒間回転し、その間、定着装置90は線速度77mm/secで回転しながら昇温する。
作像時は感光体1Y〜1K及び中間転写体60は線速度77mm/secでトナー像の作像を行い、給紙機構200から紙が送られ、2次転写部9においてトナー像が紙に転写され、線速度77mm/secで回転する定着装置90で加熱定着される。
この後、次の作像ジョブの有無に関わらず、感光体1Y〜1K及び中間転写体60は線速度154mm/secで2秒間回転させる。
この時、像担持体保護剤として脂肪酸金属塩と無機潤滑剤を重量比8対2で混合して圧縮成型したものを使用する。
脂肪酸金属塩としてステアリン酸亜鉛(日本油脂製)を無機潤滑剤として窒化ホウ素(モメンティブパフォーマンスマテリアルズ製)を使用した。
作像プロセス線速度77mm/secのジョブが入力されると、接離機構を備えた一次転写ローラー6Y〜6Kを感光体1Y〜1Kから離し、感光体1Y〜1Kは線速度154mm/secで2秒間回転し、その間中間転写体中間転写体60及び定着装置90は線速度77mm/secで回転する。
作像時は接離機構を備えた一次転写ローラー6Y〜6Kを感光体1Y〜1Kに接触させ、感光体1Y〜1K及び中間転写体60は線速度77mm/secでトナー像の作像を行い、給紙機構200から紙が送られ、2次転写部9においてトナー像が紙に転写され、線速度77mm/secで回転する定着装置90で加熱定着される。
この後、次の作像ジョブの有無に関わらず、接離機構を備えた一次転写ローラー6Y〜6Kを感光体1Y〜1Kから離し、感光体1Y〜1Kは線速度154mm/secで2秒間回転させる。
この時、像担持体保護剤として脂肪酸金属塩と無機潤滑剤を重量比8対2で混合して圧縮成型したものを使用する。
脂肪酸金属塩としてステアリン酸亜鉛(日本油脂製)を無機潤滑剤として窒化ホウ素(モメンティブパフォーマンスマテリアルズ製)を使用した。
作像プロセス線速度77mm/secのジョブが入力されると、感光体1Y〜1K及び中間転写体60は線速度230mm/secで2秒間回転し、その間、定着装置90は線速度77mm/secで回転しながら昇温する。
作像時は感光体1Y〜1K及び中間転写体60は線速度77mm/secでトナー像の作像を行い、給紙機構200から紙が送られ、2次転写部9においてトナー像が紙に転写され、線速度77mm/secで回転する定着装置90で加熱定着される。
この後、次の作像ジョブの有無に関わらず、感光体1Y〜1K及び中間転写体60は線速度230mm/secで2秒間回転させる。
この時、像担持体保護剤として脂肪酸金属塩と無機潤滑剤を重量比8対2で混合して圧縮成型したものを使用する。
脂肪酸金属塩としてミリスチン酸亜鉛(和光純薬製)を無機潤滑剤として窒化ホウ素(モメンティブパフォーマンスマテリアルズ製)を使用した。
作像プロセス線速度77mm/secのジョブが入力されると、接離機構を備えた一次転写ローラー6Y〜6Kを感光体1Y〜1Kから離し、感光体1Y〜1Kは線速度230mm/secで2秒間回転し、その間中間転写体中間転写体60及び定着装置90は線速度77mm/secで回転する。
作像時は接離機構を備えた一次転写ローラー6Y〜6Kを感光体1Y〜1Kに接触させ、感光体1Y〜1K及び中間転写体60は線速度77mm/secでトナー像の作像を行い、給紙機構200から紙が送られ、2次転写部9においてトナー像が紙に転写され、線速度77mm/secで回転する定着装置90で加熱定着される。
この後、次の作像ジョブの有無に関わらず、接離機構を備えた一次転写ローラー6Y〜6Kを感光体1Y〜1Kから離し、感光体1Y〜1Kは線速度230mm/secで2秒間回転させる。
この時、像担持体保護剤として脂肪酸金属塩と無機潤滑剤を重量比8対2で混合して圧縮成型したものを使用する。
脂肪酸金属塩としてステアリン酸亜鉛(日本油脂製)を無機潤滑剤としてマイカ(資生堂製)を使用した。
作像プロセス線速度77mm/secのジョブが入力されると、感光体1Y〜1K、中間転写体中間転写体60及び定着装置90は線速度77mm/secで回転する。
作像時は感光体1Y〜1K、中間転写体中間転写体60及び定着装置90は線速度77mm/secでトナー像の作像を行い、給紙機構200から紙が送られ、2次転写部9においてトナー像が紙に転写され、線速度77mm/secで回転する定着装置90で加熱定着される。
この時像担持体保護剤として脂肪酸金属塩のみを使用し、脂肪酸金属塩としてステアリン酸亜鉛(日本油脂製)を使用した。
作像プロセス線速度77mm/secのジョブが入力されると、感光体1Y〜1K、中間転写体中間転写体60及び定着装置90は線速度77mm/secで回転する。
作像時は感光体1Y〜1K、中間転写体中間転写体60及び定着装置90は線速度77mm/secでトナー像の作像を行い、給紙機構200から紙が送られ、2次転写部9においてトナー像が紙に転写され、線速度77mm/secで回転する定着装置90で加熱定着される。
この時、像担持体保護剤として脂肪酸金属塩と無機潤滑剤を重量比8対2で混合して圧縮成型したものを使用する。
脂肪酸金属塩としてステアリン酸亜鉛(日本油脂製)を無機潤滑剤として窒化ホウ素(モメンティブパフォーマンスマテリアルズ製)を使用した。
2 保護層形成装置
3 帯電ローラー
4 クリーニング機構
5 現像装置
6 転写ローラー
8 潜像形成装置
21 像担持体用保護剤
22 保護層形成用部材
23 押圧力付与部材
24 保護層形成部材
41 クリーニング部材
42 クリーニング押圧部材
60 中間転写体
100 画像形成装置
200 給紙機構
Claims (8)
- 静電潜像を担持する潜像担持体と、該潜像担持体を帯電させる帯電手段と、潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、前記潜像担持体に形成したトナー像を転写媒体に転写する手段と、転写後のトナー像を定着する定着手段を有し、前記潜像担持体に対して少なくとも脂肪酸金属塩と無機潤滑剤とを含んだ保護剤像担持体保護剤を塗布または付着させて保護層を形成する保護層形成手段を備える画像形成装置において、
前記潜像担持体に形成されたトナー像を前記転写媒体に転写するまでの作像プロセス速度が複数選択可能であり、それら複数の作像プロセス速度において、
作像プロセス速度が遅い画像形成ジョブを選択された際には、該作像プロセスに応じた速度で駆動される前記定着手段での前記転写媒体の定着後、該定着手段と独立させて前記潜像担持体線速度を、次の画像形成ジョブの有無に関わらず、作像前後および作像間で作像時よりも早くすることを特徴とする画像形成装置。 - 前記作像前後及び作像間での潜像担持体の線速度として、作像時での線速度に関わらず全て最高線速度が設定されることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
- 前記作像時に用いられる帯電手段には、交流成分を有する電圧が印加されることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
- 前記作像前後及び作像間では、前記潜像担持体線速度が増加した状態であっても、前記帯電手段の交流成分周波数が同等以下に設定されることを特徴とする請求項3記載の画像形成装置
- 前記潜像担持体保護剤に用いられる脂肪酸金属塩及び無機潤滑剤のうちで脂肪酸金属塩には、ステアリン酸金属塩が用いられることを特徴とする請求項1乃至4のうちの一つに記載の画像形成装置。
- 前記潜像担持体保護剤に用いられる無機潤滑剤には窒化ホウ素が用いられることを特徴とする請求項1乃至5のうちの一つに記載の画像形成装置。
- 前記現像装置に用いられるトナーは、体積平均粒径が3〜8μmで、体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が1.00〜1.40の範囲であることを特徴とする請求項1乃至7のうちの一つに記載の画像形成装置。
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JP2010202453A JP5740876B2 (ja) | 2010-09-09 | 2010-09-09 | 画像形成装置およびプロセスカートリッジ |
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