しかしながら、上記のダイアルノブ1つで運転席と助手席のそれぞれの制御パラメータを独立して変更できるよう構成するためには、運転席側パラメータを設定可能なモードと、助手席側のパラメータを設定可能なモードとの間でモード切り替えを行う必要がある。ところが、このモード切り替えをユーザーがマニュアルで行う構成とすると、ユーザーは、パラメータ変更操作の前に必ずモード切替操作を行う必要が生じてしまい、手番が多く煩わしい。
本発明の課題は、車両の左右の座席の双方から操作可能な操作ノブに対する操作が、それら双方の座席のいずれに座したユーザーであるかを簡易な構成で、なおかつ正確に特定できる車両用操作装置を提供することにある。
課題を解決するための手段および発明の効果
上記課題を解決するために本発明の車両用操作装置の第一は、
車両の左右双方の座席に座した双方のユーザーから操作可能となるようそれら双方のユーザーの間に位置し、外周面をユーザーが複数の指で触れる形で回転操作される操作ノブと、
外周面に触れる各指の接触位置を検出する接触位置検出手段と、
検出される各指の接触位置のうち、互いに近接する複数の接触位置からなる多指接触領域と、該多指接触領域よりも領域幅が狭くて該多指接触領域から離れて存在する親指接触領域とを特定する接触領域特定手段と、
操作ノブの回転軸線に直交する仮想平面上に該回転軸線を原点とする二次元座標系を定めるとともに、特定された多指接触領域と親指接触領域とに基づいて、該二次元座標系上で、多指接触領域と親指接触領域との双方に対応する位置をそれぞれ特定し、特定されたそれら双方の位置を結ぶ直線の傾きに基づいて、操作ノブに対し回転操作をしたユーザーが、車両の左右いずれの座席に座したユーザーであるかを特定する操作ユーザー特定手段と、
を備えることを特徴とする。
本発明の車両用操作装置の第二は、
車両の左右双方の座席に座した双方のユーザーから操作可能となるようそれら双方のユーザーの間に位置し、外周面をユーザーが複数の指で触れる形で回転操作される操作ノブと、
外周面に触れる各指の接触位置を検出する接触位置検出手段と、
検出される各指の接触位置のうち、互いに近接する複数の接触位置からなる多指接触領域と、該多指接触領域よりも領域幅が狭くて該多指接触領域から離れて存在する親指接触領域とを特定する接触領域特定手段と、
特定された多指接触領域と親指接触領域とに基づいて、多指接触領域から、操作ノブの回転操作方向に沿って該回転操作方向の第一側から延出して親指接触領域に達するまでの第一区間の長さと、該回転操作方向に沿って該回転操作方向の第一側とは逆の第二側から延出して親指接触領域に達するまでの第二区間の長さとを算出し、それら区間のうち短い方の区間の外周側が、主として車両右側よりも左側を臨む区間である場合は左の座席に座したユーザーを、主として車両左側よりも右側を臨む区間である場合には右の座席に座したユーザーを、操作ノブに対し回転操作をしたユーザーとして特定する操作ユーザー特定手段と、
を備えることを特徴とする。
本発明の車両用操作装置の第三は、
車両の左右双方の座席に座した双方のユーザーから操作可能となるようそれら双方のユーザーの間に位置し、外周面をユーザーが複数の指で触れる形で回転操作される操作ノブと、
外周面に触れる各指の接触位置を検出する接触位置検出手段と、
検出される各指の接触位置のうち、互いに近接する複数の接触位置からなる多指接触領域と、該多指接触領域よりも領域幅が狭くて該多指接触領域から離れて存在する親指接触領域とを特定する接触領域特定手段と、
特定された多指接触領域と親指接触領域とに基づいて、多指接触領域に属する接触位置のうち操作ノブの回転操作方向の第一側の端部の接触位置から延出して親指接触領域に達するまでの第一区間の長さと、第一側とは逆の第二側の端部の接触位置から延出して親指接触領域に達するまでの第二区間の長さとを算出し、それら区間のうち短い方の区間が、長い方の区間よりも車両左側に位置する場合は左の座席に座したユーザーを、長い方の区間よりも車両左側よりも右側を臨む区間である場合には右の座席に座したユーザーを、操作ノブに対し回転操作をしたユーザーとして特定する操作ユーザー特定手段と、
を備えることを特徴とする。
上記本発明の構成によれば、操作ノブに対し回転操作をしたユーザーが車両の左右いずれの座席に座したユーザーであるかを特定するためのユーザー特定用の操作は、操作ノブを回転操作するためにその操作ノブにユーザーが指で触れる操作である。このため、操作ノブの回転操作以外の操作として、ユーザー特定用の操作が別途必要となる構成に比べて手番が少なく、ユーザーの操作負担が少ない。また、操作ノブを掴む操作により、特定されたユーザー用の制御パラメータを変更する制御モード・画面表示に切り替えるショートカットすることもできるため、操作効率の高い操作装置を構成することができる。
なお、上記回転操作とは、操作ノブの外周面を複数の指で触れ、その接触状態を継続させたままその手を回転させることにより、該操作ノブに触れている指の位置がその回転方向に移動する操作であればよい。つまり、上記回転操作は、操作ノブに触れる手をノブの回転軸線周りに回転させる操作であればよく、操作されるノブ自体はそのときにどのような動きをしてもよい。
本発明は、接触位置検出手段により検出される各指の接触位置のうち、互いに近接する複数の接触位置からなる多指接触領域と、該多指接触領域よりも領域幅が狭くて該多指接触領域から離れて存在する親指接触領域とを特定する接触領域特定手段を備えて構成することができ、この場合、操作ユーザー特定手段は、特定された多指接触領域と親指接触領域との双方の位置の、操作ノブの回転操作方向における位置関係に基づいて、操作ノブに対し回転操作をしたユーザーが、車両の左右いずれの座席に座したユーザーであるかを特定するものとできる。手の構造上、親指の指先と残余の指の指先は離れているから、操作ノブを操作するために操作ノブの外周面に触れた指の接触領域のうち、親指が接触したであろう親指接触領域と、その他の指が接触したであろう多指接触領域とを特定することは容易である。また、操作ノブに対し回転操作をしようとした場合、操作ノブの左から出てくる手で操作する場合と、操作ノブの右から出てくる手で操作する場合とでは一定の傾向があるため、上記のように容易に特定される親指接触領域と多指接触領域を、その傾向に照らし合わせることで、操作ノブに対し回転操作をしたユーザーが、車両の左右いずれの座席に座したユーザーであるかは、容易に特定できる。
本発明における操作ユーザー特定手段は、親指接触領域が多指接触領域よりも車両左側に位置する場合には左の座席に座したユーザーを、車両右側に位置する場合には右の座席に座したユーザーを、操作ノブに対し回転操作をしたユーザーとして特定する構成とすることができる。この構成によれば、親指接触領域と多指接触領域との単純な位置関係により、操作ノブに対し回転操作をしたユーザーが、車両の左右いずれの座席に座したユーザーであるかを、容易に特定できる。
本発明における操作ユーザー特定手段は、操作ノブの回転軸線に直交する仮想平面上に、該回転軸線を原点とする二次元座標系を定めるとともに、該二次元座標系上で、多指接触領域と親指接触領域との双方に対応する位置をそれぞれ特定し、特定されたそれら双方の位置を結ぶ直線の傾きに基づいて、操作ノブに対し回転操作をしたユーザーが、車両の左右いずれの座席に座したユーザーであるかを特定するよう構成できる。この構成によれば、単純な二次元座標系上の計算により、操作ノブに対し回転操作をしたユーザーが、車両の左右いずれの座席に座したユーザーであるかを、容易に特定できる。
また、上記仮想平面上における多指接触領域及び親指接触領域に対応する位置は、上記仮想平面上において、それら接触領域に属する全接触位置に対応する位置の重心位置、もしくはそれら接触領域に属する全接触位置に対応する位置のうち両端の位置の間の中心位置とすることができる。この構成によれば、上記直線を得るための上記二次元座標系上の2つ位置の位置座標を単純な計算で得ることができる。
また、上記仮想平面上における多指接触領域に対応する位置は、上記仮想平面上において、当該接触領域に属する接触位置のうちの両端の接触位置の間に存在する、それら両端の接触位置とは別の接触位置に対応する位置として定めてもよい。この構成によれば、上記直線を得るための上記二次元座標系上の2つ位置のうち一方の位置の位置座標を、より単純に得ることができる。
本発明における操作ユーザー特定手段は、多指接触領域から、回転操作方向に沿って該回転操作方向の第一側から延出して親指接触領域に達するまでの第一区間の長さと、該回転操作方向に沿って該回転操作方向の第一側とは逆の第二側から延出して親指接触領域に達するまでの第二区間の長さとを算出したときに、それら区間のうち短い方の区間の外周側が、主として車両右側よりも左側を臨む区間である場合(車両右側を臨む区間よりも車両左側を臨む区間が長い場合)は左の座席に座したユーザーを、主として車両左側よりも右側を臨む区間である場合(車両左側を臨む区間よりも車両右側を臨む区間が長い場合)には右の座席に座したユーザーを、操作ノブに対し回転操作をしたユーザーとして特定するよう構成できる。この構成によれば、操作ノブの外周面上における親指接触領域と多指接触領域との距離関係から、操作ノブに対し回転操作をしたユーザーが、車両の左右いずれの座席に座したユーザーであるかを、容易に特定できる。
また、上記の第一区間及び第二区間は、回転操作方向において多指接触領域に属する複数の接触位置に基づいて定められる中間位置から、親指接触領域に属する1以上の接触位置に基づいて定められる中間位置に到達する区間とすることができる。この構成によれば、上記区間の2つの特定が、上記二次元座標系上において容易に算出される2つ位置の位置座標から容易に特定でき、それら2つの区間の距離の比較も容易に算出できる。
本発明における操作ユーザー特定手段は、多指接触領域に属する接触位置のうち回転操作方向の第一側の端部の接触位置から延出して親指接触領域に達するまでの第一区間の長さと、第一側とは逆の第二側の端部の接触位置から延出して親指接触領域に達するまでの第二区間の長さとを算出し、それら区間のうち短い方の区間が、長い方の区間よりも車両左側に位置する場合は左の座席に座したユーザーを、長い方の区間よりも車両左側よりも右側を臨む区間である場合には右の座席に座したユーザーを、操作ノブに対し回転操作をしたユーザーとして特定するよう構成できる。この構成においても、操作ノブの外周面上における親指接触領域と多指接触領域との距離関係から、操作ノブに対し回転操作をしたユーザーが、車両の左右いずれの座席に座したユーザーであるかを、容易に特定できる。
また、上記構成の場合、第一区間及び第二区間の双方は、回転操作ノブの回転操作方向に沿った区間として定めることもできるが、直線区間として定めることもできる。上記2つの区間を、既に述べた仮想平面上において特定して距離を計算する場合、距離の比較が、直線区間の距離同士で行う構成とするとその処理をより単純なものとできる。
本発明における操作ユーザー特定手段は、操作ノブの回転軸線に直交する仮想平面上に、該回転軸線を原点とする二次元座標系を定めるとともに、該二次元座標系上に、第一区間及び第二区間に対応する区間をそれぞれ特定し、それら区間の長さに基づいて、操作ノブに対し回転操作をしたユーザーが、車両の左右いずれの座席に座したユーザーであるかを特定するよう構成できる。上記のように区間距離の比較で、操作ノブに対し回転操作をしたユーザーが、車両の左右いずれの座席に座したユーザーであるかを特定する場合も、単純な二次元座標系上の単純な計算により容易に可能となる。
本発明における接触位置検出手段により検出される各指の接触位置のうち、互いに近接する複数の接触位置からなる多指接触領域と、該指接触領域よりも領域幅が狭くて該多指接触領域から離れて存在する親指接触領域とを特定する接触領域特定手段を備えて構成することができ、この場合、操作ユーザー特定手段は、特定された親指接触領域が、車両左側に位置する場合は左の座席に座したユーザーを、車両右側に位置する場合には右の座席に座したユーザーを、操作ノブに対し回転操作をしたユーザーとして特定するよう構成できる。操作ノブに対し回転操作をしようとした場合、操作ノブの左から出てくる手で操作する場合と、操作ノブの右から出てくる手で操作する場合とでは、操作ノブに触れる指のうち、特に親指の触れる位置に一定の傾向がある。このため、親指接触領域を、その傾向に照らし合わせることで、操作ノブに対し回転操作をしたユーザーが、車両の左右いずれの座席に座したユーザーであるかを、容易に特定できる。
例えば、操作ユーザー特定手段は、親指接触領域が、操作ノブの外周面上における車両左側に位置する場合には左の座席に座したユーザーを、車両右側に位置する場合には右の座席に座したユーザーを、操作ノブに対し回転操作をしたユーザーとして特定する構成とすることができる。この構成によれば、操作ノブの外周面上で親指接触領域の位置を特定するだけで、操作ノブに対し回転操作をしたユーザーが、車両の左右いずれの座席に座したユーザーであるかを特定できる。
本発明における接触位置検出手段は、操作ノブの外周面全面を検知面とし、その検知面上で接触位置を検出する接触位置検出センサとしてもよいが、操作ノブにおいてその回転操作方向に複数配置され、各々の検知面への接触の有無を検知する接触検知センサとすることもできる。この場合、接触検知センサは、回転操作方向において等間隔おきに5個以上配置されていれば、回転操作ノブの外周面上において、これを操作する指の位置を正確に特定することができる。
また、上記接触検知センサは、回転操作方向において、車両左側と車両右側の中間となる位置には非配置となる形で、等間隔おきに偶数個に配置することができる。本発明においては、親指接触領域と多指接触領域が、車両左側に位置するか車両右側に位置するかが重要であるため、車両左側と車両右側の中間となる位置において指の接触を検知することにはあまり意味が無く、それよりも、その中間となる位置からわずかにでも左もしくは右にずれた位置において指の接触が検知されることが重要であるから、上記構成とすることで、接触検知センサを効率的に配置された状態とすることができる。
また、上記接触検知センサは、回転操作方向において、車両左側と車両右側の中間となる位置のうち車両後方側もしくは車両下側となる位置には非配置となる形で、等間隔おきに奇数個に配置することができる。この場合も同様に、車両左側と車両右側の中間となる位置において指の接触を検知することにはあまり意味が無く、それよりも、その中間となる位置からわずかにでも左もしくは右にずれた位置において指の接触が検知されることが重要である。さらに、車両左側と車両右側の中間となる位置のうち、親指が位置する傾向が高い、車両後方側もしくは車両下側の位置はより重要であるから、上記構成とすることで、接触検知センサを効率的に配置された状態とすることができる。
本発明においては、1つの指の接触で最大2つの接触検知センサが検知可能となる形で、操作ノブ上に配置させることができる。これにより、上記構成とすることで、適度な精度で操作ノブへの指の接触位置を検出することができ、接触検知センサを無駄に配置しなくてすむ。
以下、本発明の車両用操作装置の一実施形態を、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態である車両用操作装置1の構成を簡略的に示すブロック図である。図1に示す車両用操作装置1は、車両に搭載可能な装置であり、制御部10に対し、横並びで隣接する左右の座席にそれぞれ座した双方のユーザーから操作可能となるようそれら双方のユーザーの間に位置し、外周面21をユーザーが複数の指で触れる形で回転操作可能な操作ノブ4と、その外周面21に触れる各指の接触位置を検出する接触位置検出部(接触位置検出手段)21Sとが接続する形で構成される。
なお、本実施形態の車両用操作装置1は、車両用空調装置であり、図2に示すように、車室内においてそれら双方のユーザーの間で、かつそれらユーザーの正面側に設けられ、車両の左右双方の座席に座した双方のユーザーから操作可能な操作パネル40に、上記操作ノブ4と共に、プッシュスイッチ等の各種スイッチ5と、各種制御パラメータの設定状態を示す表示部6とが設けられており、これらスイッチ5と表示部6も上記制御部10に接続する形で構成されている。
また、操作ノブ4は、上記の回転操作が可能な筒状の回転操作ノブ2と、筒状の回転操作ノブ2内にて該回転操作ノブ2の回転軸線方向に押圧操作可能な押圧操作ノブ3が設けられる共に、回転操作ノブ2と押圧操作ノブ3とを有してなる操作ノブ4の全体を、上記回転軸線21Qに垂直をなす予め定められた複数の方向へと移動させる移動操作が可能に構成された周知のマルチダイアルノブであり、それぞれの操作を検出する回転操作量検出部(回転角センサ)42、押圧操作検出部(タクトスイッチ)43、及び移動操作検出部(タクトスイッチ)44の各検出結果が制御部10に入力される。
表示部6は、周知の液晶表示装置等である。本実施形態においては、マルチダイアルノブ4により設定変更可能な制御パラメータが横並びに表示されており、設定変更対象に指定されている制御パラメータが、残余の制御パラメータに対し強調表示(ここでは枠画像により囲まれている)される。これに対しマルチダイアルノブ4は、表示部6に表示される制御パラメータの並び方向の双方(左右の2方向)へと移動させる移動操作が可能で、その移動操作が1回なされることにより、表示部6で強調表示されている制御パラメータの強調表示を解除し、その移動操作の移動方向側に隣接して表示されている制御パラメータを新たに強調表示して、その制御パラメータを新たな設定変更対象に指定することができる。そして、設定変更対象に指定された制御パラメータの現在設定値は、回転操作ノブ2への回転操作により変更可能である。また、押圧操作ノブ3は、上記回転操作等によりユーザー設定される設定温度に車室内温度を到達させるための最適な空調出力を行うオート空調制御を制御部10に実行させるための操作部とされている。
なお、回転操作ノブ2(操作ノブ4)への上記回転操作とは、操作ノブ2(4)の外周面21を複数の指で触れ、その接触状態を継続させたままその手を回転させることにより、該操作ノブに触れている指の位置がその回転方向に移動する操作であればよい。つまり、上記回転操作は、操作ノブ2に触れる手を上記回転軸線21Q周りに回転させる操作であればよく、操作されるノブ2自体がそのときにどのような動きをしてもよい。また、本実施形態において、上記回転操作により変更(移動)可能となる回転操作ノブ2の指示位置の指示範囲は、その回転操作方向における180度以内(240度以内でもよいが、望ましくは120度以内、より望ましくは90度以内)の角度範囲となる予め定められた範囲とされており、その範囲内で変更(移動)される指示位置を、回転操作量検出部42が検出するように構成される。
回転操作ノブ2は、図2に示すように、上記左右双方の座席に座した双方のユーザーの肩位置よりも下側にて該ユーザー側に突出する形で、なおかつ上記回転操作の回転軸線21Qが、車両左右方向に延びる直線に対し直交する形で、車室内のセンターコンソール部に、上記マルチダイアルノブを構成する形で配置されている。
また、回転操作ノブ2には、図3及び図4に示すように、外周面21への接触の有無を検知する接触検知センサ21S1〜21Sn(nはセンサの総数)が、該回転操作ノブ2の回転操作方向に複数個(n個)配置されている。本実施形態の接触検知センサ21S1〜21Snは、検知面に対する指などの導電体の近接によって生じる静電容量の変化を検出する周知の静電式のタッチセンサである。なお、抵抗膜式等の他のタッチセンサでもよい。本実施形態においては、接触検知センサ21S1〜21Snが、回転操作ノブ2に対し回転操作方向に等間隔おきに5個以上配置されており、それらセンサ21S1〜21Snの各検出面210Sが、外周面21上にセンサ非配置領域210を挟んで等間隔おきに並んでいる。
制御部10は、周知のCPU,ROM,RAM等を備える通常のコンピュータとして構成される制御手段であり、その記憶部には、図5に示す操作入力処理を実行するためのプログラム含む各種のプログラム、及びそれらの実行に必要な各種の情報が記憶されている。
図5に示す操作入力処理では、制御部10が、操作ノブ2に対し回転操作をしたユーザーを、その操作ノブへの指の接触位置から、車両の左右いずれの座席に座しているかを特定するとともに、それら双方の座席にそれぞれ独立して設定可能となる予め定められた制御パラメータのうち、特定された座席に対応する制御パラメータを、上記回転操作により設定変更する(制御手段)。つまり、操作ノブ2に対し回転操作をするために接触した指の位置から、車両の左右いずれの座席に座したユーザーであるかを特定し、その指の接触状態のままなされた回転操作に基づいて、特定された座席に対応する制御パラメータを設定変更することができる。本実施形態においては、その操作入力処理用のプログラムをCPUが実行することで、予め定められた空調制御用の制御パラメータの現在設定値を変更することができる。具体的にいえば、空調気流の吹出し温度と、吹出し風量とを示す制御パラメータの現在設定値を変更可能であり、さらにその設定値を、隣接する左右双方の座席(ここでは運転席と助手席)毎に独立して設定することができる。
以下、図5の操作入力処理について説明する。
まずS10にて、制御部10が、回転操作ノブ2からの操作入力の受け付けを開始する。S11では、制御部10が、回転操作ノブ4の外周面(操作面)21への接触(タッチ)の有無を検出する。これは、外周面21に配置された接触検知センサ21S1〜21Snから出力される操作信号の有無に基づいて判定する。この判定は接触ありと判定されるまで繰り返し実施され、接触ありと判定されるとS12に進む。
S12では、制御部10が、接触検知センサ21S1〜21Snにより検出される外周面21上の各指の接触位置(接触直後の各指の接触位置)のうち、互いに近接する複数の接触位置からなる多指接触領域21Tと、その多指接触領域21Tよりも領域幅が狭くてその領域21Tから離れて存在する親指接触領域21Pとを特定する(接触領域特定手段)。そして、S13では、特定された多指接触領域21Tと親指接触領域21Pとの双方の位置の、回転操作ノブ2の回転操作方向における位置関係に基づいて、当該回転操作ノブ2に対し回転操作をしたユーザーが、車両の左右いずれの座席に座したユーザーであるかを特定する(操作ユーザー特定手段)。この特定方法については後に詳細に説明する。
続いて制御部10は、S13の結果、回転操作ノブ2に対し回転操作をしたユーザーが右側の座席のユーザーであるとされた場合には(S14:Yes)、S15にて右側の座席に対応する制御パラメータの現在設定値を変更可能となる第一モードを設定する一方、回転操作ノブ2に対し回転操作をしたユーザーが左側の座席のユーザーであるとされた場合には(S14:No)、S17にて右側の座席に対応する制御パラメータの現在設定値を変更可能となる第一モードを設定する。そして、制御部10は、回転操作ノブ2の外周面21に対する接触が解除されるまで、その接触状態での回転操作ノブ2に対する回転操作により、設定されているモードで変更可能な制御パラメータを変更することができる。
回転操作ノブ2の外周面21に対する接触が解除されると(S16:Yes、又はS18:Yes)S19に進み、制御部10は、回転操作ノブ2への操作入力の受け付けを終了させる予め定められた制御情報の有無を判定する。この制御情報は、外部から入力されるものでもよいし(例えばイグニッションスイッチのOFF信号や車両空調装置のOFF信号等)、制御部10が別途実行する制御プログラム内で生じるものでもよい。この制御情報がない場合には、S11に戻って再び回転操作ノブ2の外周面21に対する接触判定を行い、この制御情報があった場合には、本処理は終了となる。
以下、S13において、回転操作ノブ2に対し回転操作をしたユーザーが、車両の左右いずれの座席に座したユーザーであるかを特定する方法について説明する。
本実施形態の制御部10は、回転操作ノブ2を回転操作したユーザーが車両の左右いずれの座席に座したユーザーであるかを、接触位置検出部21Sにより検出される各指の外周面21上における接触位置に基づいて特定する。ここでは、接触位置検出部21Sにより検出される外周面21上の各指の接触位置のうち、互いに近接する複数の接触位置からなる多指接触領域21Tと、その多指接触領域21Tから離れて存在する親指接触領域21Pとを特定し、特定されたそれら双方の位置の、回転操作ノブ2の回転操作方向における位置関係に基づいて特定する。
即ち、親指接触領域21Pとは親指が接触していると推測される接触位置であり、多指接触領域21Tとは残余の指が接触していると推測される接触位置である。回転操作するために回転操作ノブ2に触れる場合、その回転操作方向において、親指は、残余の指に対し離れた位置を取るから、本実施形態においては、そのときの親指の位置と、残余の指の位置との位置関係に基づいて、回転操作ノブ2の回転操作者が、左の座席に座したユーザーであるか右の座席に座したユーザーであるかを特定する。
具体的には、図6〜図13に示すように、多指接触領域21Tから親指接触領域21Pに向かって延出する直線21Lを判定用の直線とし、その判定用の直線21Lが車両左側に向って延出する位置関係にある場合には左の座席に座したユーザーを回転操作ノブ2に対し回転操作をしたユーザーとして特定し、車両右側に向って延出する位置関係にある場合には右の座席に座したユーザーを回転操作ノブ2に対し回転操作をしたユーザーとして特定する。つまり、図6、図8〜図10及び図12に示すように、直線21Lの先端の矢印が図中左に向っている場合が、左の座席に座したユーザーが回転操作ノブ2に対し回転操作をしたユーザーと特定され、他方、図9、図11及び図13に示すように、直線21Lの先端の矢印が図中右に向っている場合が、右の座席に座したユーザーが回転操作ノブ2に対し回転操作をしたユーザーと特定される。
以下、上記のように、多指接触領域21Tと親指接触領域21Pとの双方の位置関係に基づいて、回転操作ノブ2に対し回転操作をしたユーザーが、右の座席に座したユーザーか左の座席に座したユーザーかを特定するための具体的な処理について説明する。
まずは図6〜図13に示すように、回転操作ノブ2の回転軸線21Qの位置を原点21qとする仮想平面200を定め、その仮想平面200上に、原点21qを通過する形で車両上方向に向かって延出するY軸と、同じくこの原点21qを通過する形で車両右方向に向かって延出するX軸とを定めたX−Y直交座標系(二次元座標系)を定める。そして、このX−Y座標系において、回転操作ノブ2の外周面21に相当する外周縁図形(円軌跡)21R上に、外周面21に配置される接触検知センサ21S1〜21Snの配置位置に対応するセンサ位置(位置座標)21s1〜21snを予め特定しておく。
そして、回転操作ノブ2の回転操作があった場合には、その操作を行うために該回転操作ノブ2の外周面21に触れたときの、該外周面21上の初期位置を特定する。具体的には、回転操作ノブ2の外周面21に触れたときに、上記X−Y座標系において、接触を検知した接触検知センサ21S1〜21Snのセンサ位置21s1〜21snを、検知センサ位置として特定する。
次に、上記多指接触領域21Tを特定するために、上記X−Y座標系において、特定された検知センサ位置のうち、上記外周縁位置21R上で隣接する少なくとも一方の検知センサ位置が、予め決められた基準距離以内にあるものを特定する。ここで特定される複数の検知センサ位置21t1〜21tm(mは当該検知センサ位置の最大数)にまたがる区間21tが、多指接触領域21Tに対応する。そして、ここで特定された検知センサ位置21t1〜21tmの中間位置21t0を特定する(S12)。この位置21t0は、上記X−Y平面上における多指接触領域21Tの存在位置に対応する位置ということができるから、上記判定用の直線21Lの起点位置とされる。
なお、上記した予め定められた基準距離は、本実施形態においては、外周縁図形(円軌跡)21R上のセンサ位置21s1〜21snのうち、隣接するもの同士の距離よりも大で、1つ飛ばして隣接するもの同士の距離よりは小となるように定めることができる。この場合、図6〜図8、図10〜図12に示す多指接触領域21Tは多指接触領域と認識される。ただし、この場合、図9及び図13に示す多指接触領域21Tは多指接触領域と認識されないから、本実施形態では、上記基準距離を、センサ位置21s1〜21snのうち1つ飛ばして隣接するもの同士の距離よりは大で、2つ飛ばして隣接するもの同士の距離よりは小となるように定めている。
続いて、残余の検知センサ位置21p1〜21pk(kは当該検知センサ位置の最大数)が存在する区間21p内の予め定められた中間位置21p0を特定する(S12)。なお、残余の検知センサ位置が1つだけ(符号21p1のみ)であればその位置21p1を中間位置21p0として特定し、図8のように複数あればそれらの位置21p1,21p2から中間位置21p0を特定する(S12)。この位置21p0は、上記X−Y座標系における親指接触領域21Pの存在位置に対応する位置ということができ、上記判定用の直線21Lの通過位置とされる。
起点位置21t0と通過位置21p0が特定されると、上記X−Y座標系に上記判定用の直線21Lを定めることができるから、その傾きを算出する。ここでは上記X−Y座標系に、車両右側に対応する側がX軸の正方向、車両上方向に対応する側がY軸の正方向と定められているから、上記傾きが正の値となる場合には、左の座席に座したユーザーが回転操作ノブ2に対し回転操作をしたユーザーとして特定され、上記傾きが負の値となる場合には、右の座席に座したユーザーが回転操作ノブ2に対し回転操作をしたユーザーとして特定される(S13)。
この処理によれば、回転操作ノブ2の外周面21において、親指接触領域21Pが多指接触領域21Tよりも車両左側に位置する場合には左の座席に座したユーザーが回転操作ノブ2に対し回転操作をしたユーザーとして特定され、車両右側に位置する場合には右の座席に座したユーザーが回転操作ノブ2に対し回転操作をしたユーザーとして特定される。
なお、この処理の内容については、上記したものに限られる必要はなく、他の方法によって回転操作ノブ2上の多指接触領域21tと親指接触領域21Pとを特定し、それらの位置関係に基づいて、当該回転操作ノブ2に対し回転操作をしたユーザーが、車両の左右いずれの座席に座したユーザーであるかを特定してもよい。先に述べたような多指接触領域21Tと親指接触領域21Pとの位置関係を特定するものであれば、上記のような処理以外の処理でもよい。
また、この処理において、上記センサ位置21s1〜21snは、上記仮想平面200上(上記X−Y座標系)において回転操作ノブ2の外周面21に相当する円形をなす外周縁図形21Rに沿って存在しているが、それらから上記の中間位置(上記直線21Lの起点位置21t0や通過位置21p0となる位置)を算出する場合は、外周縁図形上(円軌跡上)21Rの位置として算出してもよいし、上記仮想平面200内で、外周縁図形上(円軌跡上)21Rから外れた位置として算出してもよい。
なお、本実施形態における上記の中間位置とは、上記仮想平面200において、複数ある接触位置に対応する各位置のうち、両端となる位置を除く、それら両端の間の区間内の位置とすることができる。本実施形態においては、図13に示すように、外周縁図形(円軌跡上)21R上において、対象とされた全ての接触位置に対する重心位置が上記中間位置とされている。また、中間位置は、図14に示すように、外周縁図形(円軌跡上)21R上において、対象とされた全ての接触位置のうちの両端位置間の中心位置(中心点位置)として定まる位置でもよい。また、対象とされた接触位置が3以上ある場合の中間位置は、図15に示すように、両端の接触位置を除く、間のいずれかの接触位置を中間位置としてもよい。
また、この処理において、接触位置21t1〜21tmは、接触を検知した接触検知センサ21S1〜21Snの位置を示すものであるから、隣接する2つの接触検知センサ21S1〜21Snの検知面210Sをまたがって指が位置する場合もあり、1つの指を2つの接触検知センサ21S1〜21Snが検知した状態となっていることがある。つまり、必ずしも接触した指の位置を特定しているわけではなく、本実施形態の接触検知センサ21S1〜21Snは、1つの指で接触可能な接触検知センサ21S1〜21Snの数が2以下(望ましくは1)となるよう、回転操作ノブ2に設けられている。例えば、回転操作ノブ2の回転操作方向において、接触検知センサ21S1〜21Snの検知面210Sの幅と、隣接する接触検知センサ21S1〜21Snの間の幅(センサ非配置領域210の幅)とを足した長さが、指幅より短くなるよう設けることができる。
以上、本発明の一実施形態を説明したが、これはあくまでも例示にすぎず、本発明はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づく種々の変更が可能である。
上記実施形態においては、回転操作ノブ2の回転軸線21Qに直交する仮想平面200上に、該回転軸線21Qを原点21qとする二次元座標系を定めるとともに、該二次元座標系上で、多指接触領域21tと親指接触領域21Pとの双方に対応する位置をそれぞれ特定し、特定されたそれら双方の位置を結ぶ直線21Lの傾きに基づいて、回転操作ノブ2に対し回転操作をしたユーザーが、車両の左右いずれの座席に座したユーザーであるかを特定しているが、別の方法を用いてもよい。
例えば、回転操作ノブ2の外周面21上に特定される多指接触領域21Tから、その回転操作方向に沿って該回転操作方向の第一側から延出して、同じく外周面21上に特定される親指接触領域21Pに達するまでの第一区間の長さと、多指接触領域21Tから、該回転操作方向に沿って該回転操作方向の上記第一側とは逆の第二側から延出して親指接触領域21Pに達するまでの第二区間の長さとを算出したときに、それら区間のうち短い方の区間の外周側が、主として車両右側よりも左側を臨む区間である場合(車両右側を臨む区間よりも車両左側を臨む区間が長い場合)は左の座席に座したユーザーを、主として車両左側よりも右側を臨む区間である場合(車両右側を臨む区間よりも車両左側を臨む区間が長い場合)には右の座席に座したユーザーを、回転操作ノブ2に対し回転操作をしたユーザーとして特定することができる。具体的には、図17に示すように、上記と同様の仮想平面200(二次元座標系)上で、上記第一区間及び第二区間に対応する区間21L1,21L2を特定し、それら区間21L1,21L2の長さに基づいて特定することができる。
なお、この場合、上記の第一区間及び第二区間は、回転操作ノブ2の回転操作方向において多指接触領域21Tに属する複数の接触位置に基づいて定められる中間位置から、親指接触領域21Pに到達する区間として定めることができる。
また、多指接触領域21Tに属する接触位置のうち回転操作ノブ2の回転操作方向の第一側の端部の接触位置から延出して親指接触領域21Pに達するまでの第一区間の長さと、該第一側とは逆の第二側の端部の接触位置から延出して親指接触領域21Pに達するまでの第二区間の長さとを算出し、それら区間のうち短い方の区間が、長い方の区間よりも車両左側に位置する場合は左の座席に座したユーザーを、長い方の区間よりも車両左側よりも右側を臨む区間である場合には右の座席に座したユーザーを、回転操作ノブ2に対し回転操作をしたユーザーとして特定してもよい。具体的には、図18及び図19に示すように、上記と同様の仮想平面200(二次元座標系)上で、上記第一区間及び第二区間に対応する区間21L1,21L2を、多指接触領域21Tに属する接触位置のうちの両端の接触位置に対応する位置からそれぞれ、親指接触領域21Pに対応する位置までの区間として特定し、それら区間21L1,21L2の長さに基づいて特定することができる。
なお、この場合、上記の第一区間及び第二区間の双方は、直線区間(図19)、もしくは回転操作方向に沿った円弧状の区間(図18)のいずれかことができる。つまり、上記と同様の仮想平面200(二次元座標系)上で、上記の第一区間及び第二区間の双方に対応する区間21L1,21L2は、外周縁図形(円軌跡上)21R上に定められる区間でもよいし、外周縁図形(円軌跡上)21R上ではない、仮想平面200上の直線区間として定められてもよい。
また、上記実施形態においては、回転操作ノブ2の外周面21上に特定される多指接触領域21Tと親指接触領域21Pとの双方の位置関係に基づいて、回転操作ノブ2に対し回転操作をしたユーザーが、車両の左右いずれの座席に座したユーザーであるかを特定しているが、回転操作ノブ2の外周面21上に特定される多指接触領域及び親指接触領域21Pのうちいずれか一方の位置に基づいて特定してもよい。特に、回転操作ノブ2の外周面21に対する親指の接触位置に相当する親指接触領域21Pが、車両左側に位置する場合は左の座席に座したユーザーを、車両右側に位置する場合には右の座席に座したユーザーを、回転操作ノブ2に対し回転操作をしたユーザーとして特定するようにしてもよい。
この場合、例えば制御部10は、親指接触領域21Pが、回転操作ノブ2の外周面上における車両左側に位置する場合には左の座席に座したユーザーを、車両右側に位置する場合には右の座席に座したユーザーを、回転操作ノブ2に対し回転操作をしたユーザーとして特定する構成とすることができる。具体的には、上記実施形態と同様の仮想平面200及び二次元座標系を定め、その中で上記実施形態と同様に、親指接触領域21Pに対応する領域21pを特定し、その位置が外周縁図形(円軌跡上)21R上において、車両左側に対応する側に位置するか、車両右側に対応する側に位置するかにより、回転操作ノブ2に対し回転操作をしたユーザーが、左右どちらの座席に座したユーザーであるかを特定できる。
また、接触位置検出部21Sは、回転操作ノブ2においてその回転操作方向に複数配置され、各々の検知面210Sへの接触の有無を検知する接触検知センサ21S1〜21Snであるが、回転操作ノブ2の外周面21に接触する指の接触位置を認識するためには、その数は5以上で、外周面21上に周方向に等間隔おきに設けられていることが望ましい。
また、回転操作ノブ2に対し回転操作をしたユーザーが、車両の左右いずれの座席に座したユーザーであるかを特定するということを考慮すれば、接触検知センサ21S1〜21Snが上記回転操作方向において等間隔おきに偶数個(例えば8個)配置される場合、図20に示すように、各接触検知センサ21S1〜21Snは、その回転操作方向において車両左側と車両右側の中間となる位置には非配置となる形で設けられているとよい。また、接触検知センサ21S1〜21Snが上記回転操作方向において等間隔おきに奇数個(例えば7個)配置される場合、図21に示すように、各接触検知センサ21S1〜21Snは、その回転操作方向において車両左側と車両右側の中間となる位置のうち車両後方側もしくは車両下側となる位置には非配置となる形でそれぞれが配置されているとよい。
また、上記実施形態においては、車載機器の制御パラメータのうち、左右の座席で独立に設定可能となる予め定められた制御パラメータの現在設定値を変更するにあたって、回転操作ノブ2に対し回転操作をしたユーザーが座した座席を特定し、特定された座席に対応する制御パラメータを変更するように構成されているが、特定された座席が予め定められた側の座席である場合に、その座席に対応する制御パラメータの変更を禁止する構成でもよい。例えば、特定された座席が予め定められた側の座席である場合に、そのときの操作ノブ2への指の接触状態での回転操作による操作入力を無効化する構成でもよい。具体的にいえば、既に述べた操作入力処理を図22に示すような処理とすることにより、車両の走行中において、上記のようにして特定された座席が運転席である場合には、運転席に対応する制御パラメータの変更を禁止することができる。
以下、図22の操作入力処理について説明する。
S110〜S113は、図5のS10〜S13と同様である。続くS114では、制御部10が、S112で特定された座席が運転席であるか助手席であるかを特定する。運転席である場合にはS115に進み、制御部10が、車両走行状態を検出する車両走行状態検出手段である車速センサ7の検出結果に基づいて、車両が走行中であるか否かを判定する。なお、走行中でない状態には、車両の予め定められた低速走行状態(例えば5km/h以下など)を含めることができる。走行中である場合にはS116に進み、回転操作ノブ2の回転操作に基づいて運転席に対応する制御パラメータの現在設定値を変更し、他方、走行中でない場合にはS117に進み、回転操作ノブ2が回転操作されてもその操作は無効化され、上記制御パラメータの現在設定値は変更されない。なお、S118〜S121は、図5のS16〜S19と同様である。