JP5740024B1 - 巾木等のカバー材の接続構造 - Google Patents
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Abstract
Description
近年、この木製のカバー材に代わって、壁面の裾に沿って床面との間に出来る直角状の隅部を被うための、つまり、この隅部に塵埃が溜り汚れとなるのを防止するため付設する巾木として、アルミ合金等の押出形材を基材にした巾木や台車ガード等のカバー材が広く利用されるようになっている。
ことに、この押出成形品によるカバー材は、断面形状を選択することによって所要の強度を出すことができ、また素材自体が耐水性に優れること等から、壁面の裾に沿って付設する巾木としての利用度が高く、取り分け食品の製造工場など室内において水の使用があり、しかも衛生管理が厳しい環境下ではその特性が充分発揮されるものとなり、利用度が取り分け高いものとなっている。
従来、上述した様に断面形状を立体的な形状に形成するものであっても衝き合わせる端部は、互いに衝き合わせるだけのものであるため、衝き合せた端部の間にズレを生じて一体性を欠き、これにより美観を損ねたり、端部相互の間に隙間を生じてカバー材の背後、つまり、壁面と床面との隅部に水や塵埃の侵入を許し、これを汚損させると言った問題があったのである。
ことに、押出形材からなるカバー材は、肉薄の帯板材として形成されることから衝き合せる端部相互は薄い板同士の衝き合せとなり、密着した状態で端部全体を接続することは簡単なことではなかったのである。
この目地材の充填によって空隙部を塞ぐ方法は、同時にこの目地材によってカバー材の端部間のズレを被い隠し、目立ち難くして連接されるカバー材同士の一体性を図ることにもなっている。
任意の断面形状に形成され、極肉薄に形成されるカバー材の端部間に設けられる狭い空隙内に目地材を適切に充填すること、しかもこの薄板の端部によって形成される空間内に充填材を安定的に留め置くには可なりの技術が求められ、作業員には相当な熟練が求められるものとなっている。
本発明は、この時の上記目地材の充填時における不安定性、ことに充填作業における不安定性、及び充填後における不安定を解消することを目的としたものである。
このカバー材は、巾木としたとき、床面とこの床面から起立する壁面との間に形成される直角状をなす隅部に対してその長さ方向に沿って付設することになるもので、カバー材の端部と端部の間に所定の間隔(後述する目地材を充填するため開かれる僅かな間隔)を置いて衝き合せるように並べ、次にこの間隔を背後から塞ぐ様にして裏打ち板を渡して間隔を閉ざし、同時にこれによりこの間隔の中に前面側に開放する充填溝を形成するのである。
本発明は、ここに形成される充填溝にむけて目地材を充填し、この溝を埋めることによってカバー材の端部同士の接続部分を被い隠すようにするのである。
ここでの裏打ち板の材質については特段限定されないが、金属製の板片等カバー材の材料に合せて同一素材によって形成するようにしてもよい。
端部同士を接続する際には繋ぎ合せる他方のカバー材の端部との間に所要の間隔を設けて、これと同時にここに作られる間隔の背後に上記裏打ち板を添わせて背面を塞ぎ、これによって前面に向けて開放する充填溝を形成するのである。
また、この様にして充填された目地材は、裏打ち板の支えを受けて安定して溝内に留まることから脱落することもなく、確実な防塵乃至防水機能を発揮することができるのである。
この係止突条は、一条であってもよいが、好ましくは長さ方向に沿って並行する二条以上の複数条であることが望まれる。複数条にすることによって裏打ち板を複数点で支えて安定した状態での支持を可能にするのである。
そして、この裏打ち板は切込受け部に係止突条を受け入れ係止することによってカバー材の背面側に取り付くと同時に、他方の側縁部、つまり切込受け部を設けない反対側の縁部をカバー材の端部から外に突き出し、これによってカバー材の端部同士を衝き合せにしたとき、この衝き出した側縁部を他方のカバー材の端部に渡し、カバー材相互の端部間に間隔を形成することになる。そして同時に、この裏打ち板は、上記間隔の背後に回り込んでこの間隔を塞ぐことから、ここに前面側に向けて開放する充填溝を形成することになる。
この取付位置が2か所以上となることによって取付けられる裏打ち板は左右にぶれることがなく、カバー材の端部間に形成される間隔を確実に塞いで充填溝を形成することができることになる。しかも、2か所以上を係止して安定的な止め付け状態が得られることから取付の修正作業などが不要になり、作業効率を上げることができることになる。
勿論、この取付構造における場合、裏打ち板の両端を折返し係止部に掛け止めると同時に、両者間に張りを持たせて緊張した状態で嵌め込むようにすれば、安定的に取付けることができることになる。この場合、裏打ち板には切込受け部のような加工を施すこともないので簡単に製造できることになる。
この発明は、カバー材が単に帯板状に形成される場合に限られるものでなく、中空の板状に形成される場合にも裏打ち板を組み付けることによってカバー材の端部間に間隔を形成し、同時にこの間隔を背面側から塞いで充填溝を形成できることを示したものである。
図面における符号1は、巾木たるカバー材であり、2は床面3から垂直に立ち上がる上記カバー材1を取付ける壁面であり、4は連接するカバー材1,1の端部1a,1a間に介挿してこの端部間に所要の間隔5を設けると共に、この間隔5の中に後述する目地材6を充填する充填溝7を形成する裏打ち板である。以下、これらについて更に詳述する。
尚、ここでは上記係止部10の下面から小突片11を長さの全長に亘り突設して当該カバー材1を壁面2に付設する際に、これを床面3上に突き当て床面3との隙間を塞ぐ状態で支持できるようにしている。
この係止突条12,13は、後述するように取付クリップ14に掛け止めるための係止用突条を兼用するもので、先端部を下に向けて鈎型に屈折させて上記取付クリップ14の上縁部と下縁部に設ける掛け止め部15,16に掛け止められるようにしてある。
上下の切込受け部20,21は、カバー材1の前記係止突条12,13を受け入れることによって裏打ち板4を一方のカバー材1の端部1aに止め付けることができるものであり、その切込幅は係止突条12,13の肉厚よりやや広くして係止時に咬み込めるようにしてある。そして、この切込みは、反対側の縁部との間に僅かな幅(この幅は後述する目地材6の充填溝7を設ける幅に相当する幅)を残す深さに切り込んである(図5〜7を参照)。
先ず、取付クリップ14は、カバー材1を付設する壁面2の所定の位置に適宜の間隔を置いてねじ23により止め付け固定することになる。この取付クリップ14は、カバー材1の取付位置に沿って壁面2に適宜の間隔を置いて多数個を並べて設置した後、この取付クリップ14の複数個を跨ぐようにしてカバー材1を添わせ、その背面部から突き出る係止突条12,13を上記取付クリップ14の掛け止め部15,16に掛け止めることにより取付けることになる。
このため、このカバー材1の端部1aを他方のカバー材1の端部1aに衝き合せると、上記取付けられた裏打ち板4の他方の側縁部が上記他方のカバー材1の端部1a乃至はこの端部1aに臨む係止突条12,13の端部に当接することになり、この衝き合うカバー材の端部1a,1aの間に間隔5を設けることになる。そして同時に、ここに形成される上記間隔5は、裏打ち板4によって背面側から塞がれることになることからここに前面側に開放する前記充填溝7を形成することになるのである。
この様にして、取付クリップ14を介して壁面2に沿って複数本のカバー材を互いに端部1a,1a同士を衝き合せにして連続させると、この端部間に充填溝7を形成することになり、その後、この充填溝7に前面側から目地材6を充填して溝を埋めると、端部間に形成される間隔5を塞ぐことになり、端部の衝き合せによって生じる隙間を密閉することになる。
目地材6は、端部1aの幅、つまり縦長に形成される充填溝7の全域に亘って埋め込み間隔5を完全に塞ぐことになる。そして、この目地材6は図示する様に、カバー材1の表面からやや盛り上がった状態に充填して端部1a,1aの縁を被い隠し、カバー材の一体的な連続性を図ることになる。
勿論、この様なことから特段熟練した作業員による施工の必要がなくなり、通常の作業員によって簡単に且つ確実に、しかも美麗に仕上げられることになる。
この実施の形態は、台車ガードとなるカバー材30の接続構造について示したものである。前記図1〜図8に示した前記実施の形態に比較して相違する点は、カバー材30の断面形状が異なること、そして、このカバー材30の端部30a,30a間に介挿される裏打ち板31の断面形状が異なることであり、その他の事項は略同じものとなる。
図11〜図15は、このカバー材30の壁面2に対する取付けを示したものである。予め壁面2の所定の高さ位置にねじ23によって固定した複数個の取付クリップ14‥‥に対してこれを跨ぐように渡し、補強板30Bの背面部から突設する係止突条36,37を取付クリップ14の掛け止め部15,16に掛け止めて取付けることになる。
この裏打ち板31の取付は、前記実施の形態において説明したのと略同様にして行われることになるが、ここではカバー材30の端部30aに揃う補強板30Bの上下の端部(取付基部)に対して裏打ち板31に形成する前記切込受け部34,35を臨ませ、押し込んでこの切込受け部に補強板30Bの端部を受け入れることにより取付けられることになる。
上記裏打ち板31の突出し部分は、他方の端部30aとの間に間隔38を形成し、またここに充填溝39を形成するものとなる。
そして、この場合の目地材の充填作業は、充填溝39に向けての作業であることから目地材が背面側に飛び出したり、定位置に止まらないと言った問題を起こすことがなく、安定的に確実に、容易迅速に作業することができ、しかも美麗に仕上げられることになる。
この両者においてカバー材1,30の断面形状は異なるものとなっているが、それぞれの端部1a,30aにおいてそれぞれの間隔5,38を塞ぐ裏打ち板4、31は、前述の実施の形態において説明した通り、共にそれぞれのカバー材の表面側の断面形状に対応した断面形に形成してそれぞれの背面部に添って止着するものとなり、カバー材1,1及び30,30に対して常に一定した充填溝7,39を形成することになる。従って、それぞれは安定した目地材6の充填が可能であり、カバー材間の密閉を確実に達成することができるものとなる。
1a カバー材の端部
2 壁面
3 床面
4 裏打ち板
5,38 カバー材の端部間の間隔
6 目地材
7,39 充填溝
8,10 係止部
12,13 係止突条
14 取付クリップ
15,16 取付クリップの掛け止め部
20,21 裏打ち板に形成する切込受け部
30 台車ガードたるカバー材
30a カバー材の端部
31 裏打ち板
34,35 裏打ち板の切込受け部
36,37 係止突条
Claims (2)
- 押出形材からなる長尺な巾木等のカバー材をその端部同士を衝き合せ状に接続することにより壁面に沿って連接されるカバー材の接続構造にあって、前記カバー材は衝き合せる端部の間に所要の間隔を設けて該間隔の背後をカバー材の背面側に添わせる裏打ち板で塞いで前面側に開放する充填溝を形成すると共に、該充填溝に前面側から目地材を充填して前記カバー材の端部間の前記間隔を埋め、連接されるカバー材の端部間を被い一体化を図るようにしてなる巾木等のカバー材の接続構造において、
前記カバー材の背面部には該カバー材を壁面に取付けるため予め壁面に固定して置く取付クリップの掛け止め部に掛け止める係止突条を長さ方向に沿って隆設し、該係止突条を前記取付クリップに掛け止めることにより前記壁面に固定する一方、前記裏打ち板の一側縁部には前記係止突条に対応させて切込受け部を形成して該切込受け部に前記連接する一方のカバー材の前記係止突条を受け入れ、これにより該裏打ち板を一方のカバー材の端部背面部に取付けると共に、該裏打ち板の他側縁部を連接する他方のカバー材の端部に渡して相互に連接し合うカバー材の端部同士の間に介挿し、これにより前記所要の間隔を形成すると同時に該間隔の背面側を塞いで前記目地材を充填する充填溝を形成することを特徴とした巾木等のカバー材の接続構造。 - 押出形材からなる長尺な巾木等のカバー材をその端部同士を衝き合せ状に接続することにより壁面に沿って連接されるカバー材の接続構造にあって、前記カバー材は衝き合せる端部の間に所要の間隔を設けて該間隔の背後をカバー材の背面側に添わせる裏打ち板で塞ぎ、前面側に開放する充填溝を形成すると共に該充填溝に前面側から目地材を充填して前記カバー材の端部間の前記間隔を埋め、連接されるカバー材の端部間を被い一体化を図るようにしてなる巾木等のカバー材の接続構造において、
前記カバー材の背面部には該カバー材を壁面に取付けるため予め壁面に固定して置く取付クリップの掛け止め部に掛け止める係止突条を長さ方向に沿って隆設し、該係止突条を前記取付クリップに掛け止めることにより前記壁面に固定する一方、前記カバー材の背面部の上下両端縁の各近傍間に補強板を渡して該カバー材を中空体に形成し、また一方、前記裏打ち板の一側縁部には前記補強板の取付基部に各対応させて切込受け部を設け、該切込受け部に連接する一方のカバー材の前記補強板の縁部を受け入れて該裏打ち板を一方のカバー材の端部背面部に取付けると共に、該裏打ち板の他側縁部を連接する他方のカバー材の端部に渡して連接するカバー材の端部同士の間に該裏打ち板を介挿し、これにより所要の間隔を形成すると同時に該間隔の背面側を塞いで目地材の充填溝を形成することを特徴とした巾木等のカバー材の接続構造。
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