JP5738889B2 - オーミックシーム(ohmicseam)を含むトランスキャパシタンス型センサデバイス(transcapacitivesensordevice) - Google Patents

オーミックシーム(ohmicseam)を含むトランスキャパシタンス型センサデバイス(transcapacitivesensordevice) Download PDF

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Description

関連出願の相互参照
[0001]本出願は、参照により本明細書に完全に組み込まれた、2009年12月18日に出願され、本非仮出願の譲受人に譲渡された「大型タッチ画面における静電容量検知のための方法及び装置(METHOD AND APPARATUS FOR CAPACITIVE SENSING ON LARGE TOUCH SCREENS)」という名称の同時係属米国特許仮出願第61/288,124号の優先権及び利益を請求する。
[0002]近接センサデバイス(一般にタッチパッド又はタッチセンサデバイスとも呼ばれる)を含む入力デバイスは、様々な電子システムで広範に使用されている。近接センサデバイスは、通常、しばしば面によって画定される検知領域を含み、近接センサデバイスは、1つ又は複数の入力オブジェクトの存在、位置、及び/又は動きを決定する。近接センサデバイスは、インターフェースを電子システムに提供するために使用され得る。例えば、近接センサデバイスは、より大きいコンピューティングシステム用の入力デバイスとして使用されることが多い(ノートブック又はデスクトップコンピュータに組み込まれた、又はノートブック又はデスクトップコンピュータの周辺にある不透明なタッチパッドなど)。また、近接センサデバイスは、より小さいコンピューティングシステムで使用されることも多い(携帯電話に組み込まれたタッチ画面など)。
[0003]トランスキャパシタンス型検知デバイスは、オーミックシームと、複数の送信電極と、複数の受信電極と、処理システムとを有する。複数の送信電極は、オーミックシームによって区切られる。複数の受信電極も、オーミックシームによって区切られる。処理システムは、複数の送信電極及び複数の受信電極に通信可能に結合される。処理システムは、複数の送信電極のうちの第1の送信電極により第1の送信信号を送信し、第1の送信電極がオーミックシームの第1の側に配置され、複数の送信電極のうちの第2の送信電極により第2の送信信号を送信し、第2の送信電極がオーミックシームの第2の側に配置され、複数の受信電極のうちの第1の受信電極により第1の送信信号に対応する第1の応答を受信し、第1の受信電極がオーミックシームの第1の側に配置され、複数の受信電極のうちの第2の受信電極により第2の送信信号に対応する第2の応答を受信し、第2の受信電極がオーミックシームの第2の側に配置されるように構成される。
[0004]特に明記されない限り、この図面の簡単な説明に記載の図面は、一定の比率で描画されると理解されないものとする。実施形態の説明に組み込まれ、実施形態の説明の一部を構成する添付の図面は、本発明の様々な実施形態を例示し、実施形態の説明と共に、後述される原理を説明するのに役立つ。図中、類似の名称は、類似の要素を示す。
[図1] [0005] 本発明の実施形態による、入力デバイスの一例のブロック図である。
[図2] [0006] 一実施形態による、検知領域を実装するために使用され得る静電容量センサパターンの一例の一部を示す図である。
[図3] [0007] 一実施形態による、オーミックシームによって2つのセクションに分割されたセンサパターンの一例を示す図である。
[図4] [0008] 一実施形態による、2つの交差していないオーミックシームによって3つのセクションに分割されたセンサパターンの一例を示す図である。
[図5] [0009] 一実施形態による、2つの交差しているオーミックシームによって4つのセクションに分割されたセンサパターンの一例を示す図である。
[図6] [0010] 一実施形態による、単純な矩形形状のセンサ電極を含む4セクションセンサパターンの一例のレイアウトを示す図である。
[図7] [0011] 一実施形態による、単に単純な矩形形状ではないセンサ電極を含む4セクションセンサ電極センサパターンの一例のレイアウトを示す図である。
[図8及び図9] [0012] 様々な実施形態による、分割画素(split pixel)を含むセンサパターンの2つの例を示す図である。
[図10及び図12] [0013] 様々な実施形態による、複数に区切られたセンサパターン、及びコーディングパターンによる検知方式の例を示す図である。
[図13及び図14] [0014] いくつかの実施形態による、複数の集積回路がいくつかの入力デバイスによってどのように使用され得るかを示す図である。
[図15] [0015] 様々な実施形態による、入力デバイスにより使用され得る処理システムの一例を示す図である。
[図16A及び図16B] [0016] 様々な実施形態による、オーミックシームによって区切られた複数の送信電極、及びオーミックシームによって区切られた複数の受信電極を備える静電容量検知デバイスによる静電容量検知の方法の一例を示すフロー図である。
[0017]以下の実施形態の説明は、限定ではなく、単に一例として提供されている。さらに、上記の技術分野、背景、概要、又は以下の詳細な説明に示される任意の明示的又は黙示的な理論によって拘束されるものではない。
[0018]本発明の様々な実施形態は、改良された使いやすさを促進する入力デバイス及び方法を提供する。
[0019]次に図を参照すると、図1は、本発明の実施形態による入力デバイス100の例のブロック図である。入力デバイス100は、電子システム(図示せず)に入力を提供するように構成され得る。本文書で使用される場合、「電子システム」(又は「電子デバイス」)という用語は、情報を電子的に処理することができる任意のシステムを広く指す。電子システムのいくつかの非限定的な例としては、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、ネットブックコンピュータ、タブレット、ウェブブラウザ、電子ブックリーダー、及び個人用デジタル補助装置(PDA)などの、すべてのサイズ及び形状のパーソナルコンピュータがある。電子システムの追加の例としては、入力デバイス100を含む物理的なキーボード及び別個のジョイスティック又はキースイッチなどの複合入力デバイスがある。電子システムのさらなる例としては、データ入力デバイス(リモートコントロール及びマウスを含む)及びデータ出力デバイス(表示画面及びプリンタを含む)などの周辺機器がある。他の例としては、リモート端末、キオスク、及びビデオゲーム機(例えば、テレビゲーム機、携帯ゲーム機など)などがある。他の例としては、通信デバイス(スマートフォンなどの携帯電話を含む)及び媒体デバイス(レコーダ、エディタ、及びプレーヤ、例えばテレビ、セットトップボックス、音楽プレーヤ、デジタルフォトフレーム、及びデジタルカメラなどを含む)などがある。さらに、電子システムは、入力デバイスに対するホスト又はスレーブとすることができる。
[0020]入力デバイス100は、電子システムの物理的な一部として実装されてもよく、又は、電子システムとは物理的に別個としてもよい。適宜、入力デバイス100は、バス、ネットワーク、及び他の有線又は無線の相互接続のうちの任意の1つ又は複数を使用して、電子システムの部分と通信することができる。例としては、それだけには限定されないが、集積回路間通信(Inter−Integrated Circuit:IC)、シリアル周辺機器インターフェース(SPI)、パーソナルシステム2(Personal System 2:PS/2)、ユニバーサルシリアルバス(USB)、ブルートゥース(Bluetooth)、無線周波数(RF)、及び赤外線データ通信協会(Infrared Data Association:IrDA)などがある。
[0021]図1において、入力デバイス100は、検知領域120における1つ又は複数の入力オブジェクト140によって提供される入力を検知するように構成された近接センサデバイス(しばしば「タッチパッド」、又は「タッチセンサデバイス」とも呼ばれる)として示される。図1に示されるように、入力オブジェクト例には、指及びスタイラスを含む。
[0022]検知領域120は、入力デバイス100の上、周り、中、及び/又は近くの任意の空間を含み、入力デバイス100は、検知領域においてユーザ入力(例えば、1つ又は複数の入力オブジェクト140によって提供されるユーザ入力)を検出することができる。特定の検知領域のサイズ、形状、及び位置は、実施形態によって大幅に異なり得る。いくつかの実施形態では、検知領域120は、信号対雑音比が十分に正確なオブジェクト検出を阻止するまで、入力デバイス100の表面から1つ又は複数の方向の空間に伸びる。様々な実施形態において、この検知領域120が特定の方向に伸びる距離は、およそ1ミリメートル未満、数ミリメートル、数センチメートル、又はそれ以上とすることができ、使用される検知技術のタイプ及び所望の精度によって大幅に異なり得る。したがって、いくつかの実施形態は、入力デバイス100の任意の表面との接触がないこと、入力デバイス100の入力面(例えば、タッチ面)との接触、ある量の加えられた力又は圧力に結合された入力デバイス100の入力面との接触、及び/又はその組み合わせを含む入力を検知する。様々な実施形態において、センサ電極が存在するケーシングの表面によって、センサ電極又は任意のケーシングの上に貼られる面シートによってなど、入力面が設けられ得る。いくつかの実施形態では、検知領域120は、入力デバイス100の入力面に投影されるとき、矩形形状を有する。
[0023]入力デバイス100は、センサ構成部品と検知技術との任意の組み合わせを使用して、検知領域120におけるユーザ入力を検出することができる。入力デバイス100は、ユーザ入力を検出するための1つ又は複数の検知要素を備える。いくつかの非限定的な例として、入力デバイス100は、音響、超音波、静電容量式、エラスタンス性、抵抗性、誘導性、及び/又は光学的技術を使用することができる。
[0024]いくつかの実装形態は、1次元、2次元、3次元、又はより高い次元の空間に及ぶ画像を提供するように構成される。いくつかの実装形態は、特定の軸又は平面に沿って入力の投影を提供するように構成される。
[0025]入力デバイス100のいくつかの静電容量式の実装形態において、電界を作るために電圧又は電流が加えられる。近くの入力オブジェクトは、電界の変化を引き起こし、電圧、電流などの変化として検出され得る静電容量結合の検出可能な変化を生成する。
[0026]いくつかの静電容量式の実装形態は、静電容量式の検知要素のアレイ又は他の規則的又は不規則なパターンを使用して電界を作る。いくつかの静電容量式の実装形態において、別個の検知要素がオーム的に短絡して繋げられて、より大きいセンサ電極を形成するようにしてもよい。いくつかの静電容量式の実装形態は、均一の抵抗性があってもよい抵抗シートを使用する。
[0027]いくつかの静電容量式の実装形態は、センサ電極間の静電容量結合における変化に基づく「相互キャパシタンス」(又は「トランスキャパシタンス」)検知方法を使用する。様々な実施形態において、センサ電極の近くの入力オブジェクトは、センサ電極間の電界を変え、したがって、測定された静電容量結合を変える。一実装形態では、トランスキャパシタンス型検知方法は、1つ又は複数の送信センサ電極(「送信電極」又は「送信」とも呼ばれる)と1つ又は複数の受信センサ電極(「受信電極」又は「受信」とも呼ばれる)との間の静電容量結合を検出することによって動作する。送信センサ電極は、基準電圧(例えば系統接地)に対して変調されて送信信号を送信し、受信センサ電極は、結果として得られた信号の受信を容易にするために基準電圧に対して実質的に一定の状態に保たれるようにしてもよい。結果として得られた信号は、1つ又は複数の応答を含んでいてもよく、各応答が送信信号のうちの1つに対応する。センサ電極は、専用の送信電極又は受信電極でもよく、又は送信及び受信の両方を行うように構成されてもよい。
[0028]図1において、処理システム(又は「プロセッサ」)110は、入力デバイス100の一部として示される。処理システム110は、検知領域120における入力を検出するために、入力デバイス100のハードウェアを動作させるように構成される。処理システム110は、1つ又は複数の集積回路(IC)のうちの一部又はすべて、及び/又は他の回路構成要素を備え、いくつかの実施形態では、処理システム110は、電子的に読み取り可能な命令、例えばファームウェアコード、ソフトウェアコード、及び/又は類似のものなども含む。いくつかの実施形態では、例えば入力デバイス100の近くにある検知要素など、処理システム110を構成している構成要素は、一緒に配置される。他の実施態様において、処理システム110の構成要素は、物理的に別個であり、1つ又は複数の構成要素は入力デバイス100の検知要素(複数可)の近くにあり、1つ又は複数の構成要素はとこか他の場所にある。例えば、入力デバイス100は、デスクトップコンピュータに結合される周辺機器でもよく、処理システム110は、デスクトップコンピュータの中央演算処理装置上で稼働するように構成されたソフトウェア、及び中央演算処理装置とは別個の1つ又は複数のIC(場合によっては、関連のファームウェアを含む)を備え得る。別の一例として、入力デバイス100は、電話に物理的に組み込まれてもよく、処理システム110は、電話のメインプロセッサの一部である回路及びファームウェアを備え得る。いくつかの実施形態では、処理システム110は、入力デバイス100を実装するためのものである。他の実施態様において、処理システム110は、表示画面の動作、ハプティックアクチュエータの駆動など、他の機能も実行する。
[0029]処理システム110は、処理システム110の異なる機能を処理する1組のモジュールとして実装され得る。各モジュールは、処理システム110の一部の回路、ファームウェア、ソフトウェア、又はその組み合わせを備え得る。様々な実施形態において、モジュールの異なる組み合わせが使用され得る。モジュール例としては、センサ電極及び表示画面などのハードウェアを操作するためのハードウェア操作モジュール、センサ信号及び位置情報などのデータを処理するためのデータ処理モジュール、及び情報を報告するための報告モジュールなどがある。さらなるモジュール例としては、入力を検出するために検知要素(複数可)を操作するように構成されたセンサ操作モジュール、モード変更ジェスチャなどのジェスチャを識別するように構成された識別モジュール、及び操作モードを変更するためのモード変更モジュールがある。
[0030]いくつかの実施形態では、処理システム110は、1つ又は複数のアクションをもたらすことによって、検知領域120におけるユーザ入力(又はユーザ入力がないこと)に直接応答する。アクションの例としては、操作モードを変更すること、並びに例えばカーソルの動き、選択、メニューナビゲーション、及び他の機能などGUIアクションがある。いくつかの実施形態では、処理システム110は、電子システムのある部分(例えば、処理システム110とは別個の電子システムの中央処理システムが存在する場合、こうした別個の電子システムの中央処理システム)への入力(又は入力がないこと)に関する情報を提供する。いくつかの実施形態では、電子システムのある部分は、例えば、モード変更アクション及びGUIアクションを含む全部のアクションを容易にするためなど、ユーザ入力に従うために、処理システム110から受信された情報を処理する。
[0031]例えば、いくつかの実施形態において、処理システム110は、検知領域120における入力(又は入力がないこと)を表す電気信号を生成するために、入力デバイス100の検知要素(複数可)を動作させる。処理システム110は、電子システムに提供される情報を生成する際の電気信号における任意の適切な量の処理を実行することができる。例えば、処理システム110は、センサ電極から取得されたアナログ電気信号をデジタル化することができる。別の例として、処理システム110は、フィルタリング又は他の信号調整を実行することができる。さらに別の例として、処理システム110は、減算する、そうでなければベースラインを考慮に入れ、したがって情報が電気信号とベースラインとの間の差を反映するようにすることができる。さらに別の例として、処理システム110は、位置情報を決定する、入力をコマンドとして認識する、手書きを認識するなどを行うことができる。
[0032]本明細書で使用される場合、「位置情報」は、絶対位置、相対位置、速度、加速、及び他のタイプの空間情報を広く含む。「0次元」の位置情報の例には、近い/遠い又は接触/非接触情報を含む。「1次元」の位置情報の例には、軸に沿った場所を含む。「2次元」の位置情報の例には、平面における動きを含む。「3次元」の位置情報の例には、空間における瞬間又は平均速度を含む。さらなる例には、空間情報の他の表現を含む。例えば、ある時間にわたる位置、動き、又は瞬間の速度を追跡する履歴データを含めて、1つ又は複数のタイプの位置情報に関する履歴データが決定され、及び/又は格納され得る。
[0033]いくつかの実施形態では、入力デバイス100は、処理システム110によって、又はいくつかの他の処理システムによって操作される追加の入力構成要素と共に実装される。こうした追加の入力構成要素は、検知領域120における入力の冗長機能、又は何らかの他の機能を提供することができる。図1は、入力デバイス100を使用して項目の選択を容易にするために使用され得る検知領域120の近くのボタン130を示す。他のタイプの追加の入力構成要素は、スライダ、ボール、ホイール、スイッチなどを含む。反対に、いくつかの実施形態において、入力デバイス100は、他の入力構成要素なしに実装され得る。
[0034]いくつかの実施形態では、入力デバイス100は、タッチ画面インターフェースを備え、検知領域120は、表示画面のアクティブエリアの少なくとも一部に重なる。例えば、入力デバイス100は、表示画面を覆っている実質的に透明なセンサ電極を備え、関連の電子システムのタッチ画面インターフェースを提供することができる。表示画面は、ユーザにビジュアルインターフェースを表示することができる任意のタイプの動的な表示でもよく、任意のタイプの発光ダイオード(LED)、有機LED(OLED)、ブラウン管(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマ、電界発光(EL)、又は他のディスプレイ技術を含み得る。入力デバイス100及び表示画面は、物理要素を共有することができる。例えば、いくつかの実施形態は、表示し、検知するための同じ電気構成要素の一部を使用することができる。別の例として、表示画面は、処理システム110によって部分的又は全体的に動作され得る。
[0035]本発明の多くの実施形態が、十分に機能している装置の文脈で説明されているが、本発明の機構を様々な形でプログラム製品(例えば、ソフトウェア)として配布することができることを理解されたい。例えば、本発明の機構は、電子プロセッサによって読み取り可能な、情報を載せて運ぶ媒体(例えば、処理システム110によって読み取り可能な固定のコンピュータ可読及び/又は記録可能/書き込み可能な情報を載せて運ぶ媒体)上のソフトウェアプログラムとして実装され、配布されるようにしてもよい。さらに、本発明の実施形態は、配布を行うために使用される媒体の特定のタイプに関係なく、等しく適用される。固定の電子的に読み取り可能な媒体の例としては、様々なディスク、メモリスティック、メモリカード、メモリモジュールなどがある。電子的に読み取り可能な媒体は、フラッシュ、光学、磁気、ホログラフィック、又は任意の他の記憶技術に基づいてもよい。
用語集
[0036]以下の用語集は、本明細書において使用される用語を定義するために設けられている。さらに、こうした用語、及び本明細書において使用される他の用語をさらに示し、理解できるようにするために、用語集に加えて、多くの図が用意され、以下で説明される。
[0037]「オーミックシーム」は、分離されたセンサ電極間のオームの切断(直流電流の孔)を提供する途切れ部分であり、分離されたセンサ電極のアライメント軸と実質的に直交することが多い(ここでは、「実質的に直交」は、正確に直交を含むために使用される)。例えば、「送信シーム」は、送信電極の組を分離するオーミックシームであり、送信シームは、分離された送信電極が配列される軸と実質的に直交することが多い。同様に、「受信シーム」は、受信電極の組を分離するオーミックシームであり、受信シームは、分離された受信電極が配列される軸と実質的に直交することが多い。オーミックシームは、通常、各セクションにおける送信電極及び受信電極の少なくとも一部が完全にそれぞれのセクションの中にあるような方法で、センサパターンを区切る。さらに以下に記載されるように、オーミックシームは、センサ電極に重なっていてもよく、又は重なっていなくてもよい。
[0038]オーミックシームは、そのオーミックシームによって分離されないセンサ電極に重なり、センサ電極に沿って走っていてもよい。例えば、送信シームは、マルチセクションの受信電極が複数のセクションに属するように、送信シームにわたって電気的に連続するこのマルチセクションの受信電極に沿って走っていてもよい。同じようなことが受信シーム及び送信電極についても当てはまる。この配列は、通常、分割画素(後述する)を作成する。
[0039]「ピッチ」とは、特定のタイプのセンサ電極(例えば、送信電極又は受信電極)の間の間隔を表す。ピッチは、同じタイプの隣接するセンサ電極の中心間の距離として測定され得る。
[0040]「対向するセンサ電極」は、オーミックシームの異なる側に配置されている同じタイプの実質的に同一線上のセンサ電極である。「対向する送信電極」は、送信シームを介して互いに対向する送信電極であり、「対向する受信電極」は、受信シームを介して互いに対向する受信電極である。対向するセンサ電極は、その電極間に別のタイプのセンサ電極が配置されてもよく、又はセンサ電極を形成しない導電材料(例えば、導電性シールド、ルーティングラインなど)が配置されるようにしてもよい。例えば、対向する送信電極は、送信電極の間で系統接地に保たれる受信電極及び/又は導電性細片を有していてもよい。対向するセンサ電極は、少なくとも部分的に同一直線上にある限り、わずかにオフセットされて、正確に同一直線上になくてもよい。
[0041]「隣接するセンサ電極」は、そのタイプの実質的に平行なセンサ電極(例えば、もう1つの送信電極又はもう1つの受信電極)が他には電極間に配置されていない、実質的に平行の、同一直線上にないセンサ電極である。隣接するセンサ電極は、その電極間に別のタイプのセンサ電極が配置されてもよく、又はセンサ電極を形成しない導電材料(例えば、導電性シールド、ルーティングラインなど)が配置されるようにしてもよい。隣接するセンサ電極は、センサパターンの同じセクションにあってもよく、又はシームによって分離され、異なるセクションにあってもよい。対向するセンサ電極は、互いにオフセットされ、したがって同一直線上にない場合、隣接するセンサ電極とはみなされない。
[0042]「画素」は、センサパターン及び検知方式によって定義されるセンサ画素を表すために使用される。トランスキャパシタンス型センサ電極のレイアウトは、送信機電極と受信機電極の間の局所的な静電容量結合の空間を画定し、その静電容量結合の強度は、入力オブジェクトの近さによって測定可能に変わる。局所的な静電容量結合のこうした空間は、トランスキャパシタンス型センサの画素であり、静電容量結合の強度の変化は、静電容量の変化として測定され得る。画素は、送信機電極と受信電極との間の交点にしばしば関連付けられる。「交点」は、本明細書では、本当の接触のない重なりを含むために使用される。送信電極は、ある画素で複数の受信電極に静電容量結合され、受信電極は、ある画素で複数の送信電極に静電容量結合され得る。
[0043]「分割されていない画素」は、局所的な静電容量結合が単一の受信電極と単一の送信電極との静電容量結合によって支配される画素である。
[0044]「分割画素」は、局所的な静電容量結合が少なくとも3つのセンサ電極(例えば、2つの対向する送信電極及び1つの受信電極、2つの対向する受信電極及び1つの送信電極、又は他の何らかの数及び配列の送信電極及び受信電極)の静電容量結合によって支配される画素である。分割画素は、いくつかのオーミックシームで見つかり得る。
[0045]「部分的な画素」は、分割画素を形成するセンサ電極のサブセットと関連する分割画素の一部である。このサブセットは、実質的に互いに静電容量結合する。
[0046]「フレーム」は、全検知領域における検出された入力(又は入力がないこと)のスナップショットである。トランスキャパシタンス型センサで、フレームは、画素の静電容量の変化の測定で構成され得る。これらの測定は、静電容量の直接の測定でもよく、又は代用(例えば、電圧、電流、電荷など)の測定でもよい。
[0047]「フレーム周期」は、トランスキャパシタンス型検知入力デバイスの全検知領域をスキャンするのにかかる時間である。フレーム周期は、別個の時間間隔に分割され得る。「フレームレート」(「フレーム周波数」とも呼ばれる)は、フレーム周期の逆である。フレーム周期及びフレームレートは、どれくらいの送信電極があるか、及び各送信をスキャンするのにどれくらいかかるかなどの要因に依存する。多くの用途では、ある最小レートを上回るフレームレートを必要とする。
オーミックシームを含むセンサパターン例
[0048]本明細書に記載されているセンサパターンは、センサ電極間のオーミックシームによって区切られる。これらのオーミックシームは、オーミックシームのないセンサパターンと比較して、性能の向上を可能にすることができるより小さいセクションを提供する。すなわち、センサパターンは、パターンが分割されていない場合より短いセンサ電極を含む複数のセクションに分割される。この区切られた手法は、区切られていないセンサパターンと比較されるとき、より高速なフレームレート、ノイズに対する弱さの低下など、より良好な性能を可能にし得る。また、これらのより小さいセクションのスキャンは、オーミックシーム(複数可)と関連した画像アーチファクトを回避又は低減するような方法で、同期され、順に行われ得る。入力デバイス100の検知領域120を含めて、任意の適切な入力デバイスの任意の適切な検知領域を実装するために、本明細書に記載されているセンサパターンのうちのいずれかが使用され得ることを理解されたい。
[0049]図2は、一実施形態による、検知領域(例えば、検知領域120)を実装するために使用され得る静電容量センサパターン200の一例の一部を示す。静電容量センサパターン200は、一般に本明細書に記載されているすべての実施形態に適用可能ないくつかの態様を紹介するために使用される。具体的には、静電容量センサパターン200は、トランスキャパシタンス型入力デバイスについてのものであり、複数の送信電極250と複数の受信電極260との間の相互の静電容量結合における変化を検出するために使用され得る。複数の送信電極250が交点270のグリッドで複数の受信電極260と重なる(図2において、3つの交点270−1、270−2及び270−3がラベル表示されている)。
[0050]センサパターン200において、複数の送信機電極250及び受信機電極260は、それぞれ水平及び垂直に配列される。他の実施形態は、いくつかの他の方法でそれらの電極を配列することができる。例えば、様々な実施形態は、センサパターン200のセンサ電極の配列方向から回転されるセンサ電極の全配列方向を有することができる。別の例として、様々な実施形態は、センサパターン200のものとは異なるセンサ電極間の角度を有し得る。すなわち、送信電極250又は受信電極260の対は、平行でなくてもよく、及び/又は複数の送信電極250は、複数の受信電極260に直交して配列されなくてもよい。さらなる例として、様々な実施形態は、センサパターン200の配列方向から回転される全配列方向、及びそのセンサ電極間の異なる角度を有することができる。
[0051]これら複数の送信機電極250及び受信機電極260は、図2の細い線として示され、実際には任意の適切な物理的形状のものとすることができる。例えば、様々なセンサ電極は、完全に線形の部分、完全に非線形の部分、又は線形及び非線形の部分の組み合わせから構成され得る。別の例として、様々なセンサ電極によって、複数の平行のセクションが歯又はループとして配列されたり、複数の多角形が直列に連結されたりし得る。本出願における様々な図は、単純な矩形、連結された矩形、及び溝付き矩形であるセンサ電極を表す。便宜上これらの形状が使用され、一般に、説明上、より単純な図を示すために、単純な矩形が使用される。
[0052]複数の送信機電極250及び受信機電極260は、材料の任意の適切な積み重ねにより形成され得る。いくつかの実施形態では、複数の送信機電極250及び受信機電極260は、材料の完全に異なる導電層に配置されている。例えば、複数の送信電極250は、導電材料の第1の層にすべて形成され、複数の受信電極260は、導電材料の第2の層にすべて形成され、誘電材料は、これら第1及び第2の層を分離し得る。別の例として、複数の送信電極250(又は複数の受信電極260)は、多層の導電材料から形成され得る。
[0053]いくつかの実施形態では、複数の送信機電極250及び受信機電極260は、材料の1つ又は複数の導電層を共有する。例えば、複数の送信電極250は、導電材料の第1の層にすべて形成され、複数の受信電極260は、導電材料の第1の層に部分的に形成され、導電材料の第2の層に部分的に形成され得る。第1の層は、複数の受信電極260の個別のセンサ素子を含み、第2の層は、選択のセンサ要素を完全な受信電極に接続する導電ジャンパを含むことができ、又は逆も同様である。誘電材料は、ジャンパがその複数と交差する複数の送信電極250との短絡からジャンパを分離することができる。別の例として、複数の送信電極250は、導電材料の第1の層に部分的に形成され、導電材料の第2の層に部分的に形成され、複数の受信電極260は、導電材料の第2の層にすべて形成され得る。様々な他の例において、複数の送信電極250(又は複数の受信電極260)は、導電材料のより多くの層から形成され得る。
[0054]センサパターンは、入力オブジェクトがある可能性が高いところに、複数の受信電極260が複数の送信電極250より近いように設計され得る。例えば、複数の受信電極260は、関連する入力面により近くてもよい。
[0055]センサパターン200は、任意の適切な材料によって物理的に実装され得る。例えば、センサ電極は、FR4タイプのガラス繊維強化エポキシ積層PCBの1つ又は複数の層に配置されている銅で形成され得る。他の例として、センサ電極は、例えば導電性インク(例えば、炭素インク、銀インク)、ITO(酸化インジウムスズ)、導電性のナノ粒子、金属メッシュなど、他の導電材料で形成され得る。また、センサ電極は、数ある中でも例えばガラス、ポリイミド、ポリエステル(例えば、PET又はポリエチレンテレフタレート)など、適切な絶縁材(複数可)に配置され得る。
[0056]図2には示されていないが、送信電極250及び受信電極260は、例えば処理システム110などの処理システムの検知回路(それぞれ、送信回路及び受信回路)に結合される。いくつかの実施形態では、送信電極のうちの1つ又は複数は、複数の位置で送信回路に結合され得る。例えば、TX1は、その第1の端部、及びその第2の端部上でも検知回路に結合され得る。これらの結合によって、TX1が一方の端部のみから充電される場合より急速に、TX1に充電することができる。
[0057]図2において、送信機電極と受信電極との間の局所的な静電容量結合の空間は、その交点の周りに配置される。したがって、画素の中心は、送信電極と受信電極との交点にある。
[0058]以下で代替と共にさらに説明されるように、区切られたセンサパターンを有する様々な実施形態は、複数のセクションで送信やスキャンを平行して(複数のセクションが少なくともある時に同時に送信するように、並行して)行ってもよい。これによって、送信電極がフレーム当たり送信を行う時間間隔の数を低減し、フレームレートを増加させることができる。いくつかの実施形態は、ジッタ(例えば、入力オブジェクト(複数可)について検出される場所における)、整定からの有害な影響、隣接する又は対向する送信電極からの漏話などを低減する検知方式を使用する。例えば、いくつかの実施形態において、対向する送信電極は、実質的に重なり合う時間間隔で、部分的に重なり合う時間間隔で、又は重なり合わない時間間隔で意図的に稼働され得る。別の例として、いくつかの実施形態は、送信信号、送信時間、及び/又は結果として得られた信号の取得を調整することによって、2つ以上のセクションのスキャンを調整する。
[0059]いくつかの実施形態では、処理システム(例えば、処理システム110)の部分は、各セクションから送信信号に対応する応答を表す別々の値を集め、次いで、単一のより大きい画像としてこれらの値を中央で処理する。例えば、いくつかの実施形態は、複数のICを使用している処理システムを備え、これらのICは、セクションを別々にスキャンし、中央制御装置による中央処理のために結果を提供することができる。実装形態に応じて、中央制御装置は、結果を、まるで単一の大きいセクションから取得されたかのように処理することができる。
[0060]さらに、いくつかの実施形態は、オーミックシームの近くで生じ得る測定アーチファクトを低減するように物理的に構成される。例えば、いくつかの実施形態は、入力オブジェクトによる静電容量の変化がオーミックシームの近くの画素について、及び任意のオーミックシーム(例えば、各セクションの内部における)から離れた画素について、実質的に同じであるように設計されるシームを備える。別の例として、いくつかの実施形態は、規則的なピッチ及び対称的な寸法を、オーミックシームの近く、オーミックシームから離れて、又はオーミックシームにおいてなど、センサパターンの全体にわたって使用する。さらに別の例として、いくつかの実施形態は、送信シームにおける送信電極間の小さいギャップを含む、及び/又は受信シームにおける受信電極間の小さいギャップを含むセンサパターンを使用する。
[0061]図3〜5は、様々な実施形態による、センサパターンがオーミックシームによってどのようにより小さいセクションに分割され得るかのいくつかの例を示す。図3は、オーミックシーム305によって、2つのセクション301、302(半分が示される)に分割されたセンサパターン300を示す。図4は、オーミックシーム405及び415によって3つのセクション401、402、403(1/3が示される)に分割されたセンサパターン400を示す。図5は、オーミックシーム505及び515と垂直に交差することによって、4つのセクション501、502、503、504(1/4が示される)に分割されたセンサパターン500を示す。他の実施形態は、他の数及び配列のオーミックシーム及びセクションのセンサパターンを有し得る。例えば、一実施形態は、1つの送信シーム及び2つの受信シームによって分割される6つのセクションを有していてもよい。
[0062]図3〜5は、3つの例のみを提供する。任意の数のセクションが許容可能であり、セクションは異なる形状及び/又はサイズであってもよいことを理解されたい。いくつかの実施形態では、オーミックシームは、センサ電極のいくつかにおける物理的な途切れ部分に対応していてもよく、そうでなくてもよい。例えば、送信電極が受信シームの両側にあってもよく、受信電極が送信シームの両側にあってもよい。この配列は、一般に、オーミックシームに沿って、部分的な画素から成る分割画素を作成する。分割画素については、図8及び図9の記述に関連して、さらに説明される。
[0063]図6は、単純な矩形形状のセンサ電極を含む4セクションセンサパターン600の一例のレイアウトを示す。送信電極(TX)は、第1の層にすべて形成されてもよく、受信電極(RX)は、第2の層にすべて形成されてもよく、これらの層は、誘電材料によって分離される。送信シーム605は、セクション1及び3のセンサ電極をセクション2及び4のセンサ電極から分離し、こうしたセクションの送信電極(TX)間のオーム的な途切れ部分を提供する。受信シーム615は、セクション1及び2のセンサ電極をセクション3及び4のセンサ電極から分離し、こうしたセクションの受信電極(RX)の間のオーム的な途切れ部分を提供する。合わせて、送信機シーム605及び受信機シーム615は、4つのセクション(1、2、3、4)のそれぞれにおける送信電極及び受信電極を、他のセクションにおける送信機電極及び受信電極から物理的に分離する。送信シーム605は、隣接する受信電極RX3,1とRX4,1(及びさらにはRX1,1とRX2,1)とを区切り、対向する送信電極を分離する。受信シーム615は、隣接する送信電極TX3,1とTX1,1(及びTX4,1とTX2,1)とを区切り、対向する受信電極を分離する。別々の送信電極はTXi,jとラベル表示され、別々の受信電極はRXi,jとラベル表示されており、この場合、iがセンサ部を表し、jがセクション内のセンサ電極の番号を表す。セクション及びセンサ電極の番号付けは、任意である。このTX、RX、i、及びjの表記及び番号付け方式は、本明細書において類似の方法で記載されている他のセンサパターンにおいて使用される。
[0064]円620は、TX4,4とRX4,4との交点に中心が置かれる画素を表す(他のセンサ電極形状又はレイアウトでは、画素は送信機電極と受信機電極の交点に中心が置かれていなくてもよい)。円、楕円形、その他画素を表すために本明細書で使用されるインジケータは、こうした画素の位置を特定するためのものであり、その画素の空間を示すためのものではない。例えば、円620は、図6においてその画素の位置を特定するためのものであり、その画素の空間と同一の広がりを示すためのものではない。円621及び622は、この例では送信機電極と受信機電極の間の静電容量結合の局所的な空間の中央に中心が置かれてはいないので、画素を表さない。円630は、センサパターン600への指タッチ(センサパターン600上に配置された関連する入力面へのタッチとして認識されることが多い)と関連したエリア例を表す。わかるように、センサパターン600への指タッチは、通常、いくつかの画素の静電容量応答に影響を及ぼす。
[0065]PTXは、送信電極ピッチを表す。WTXは、送信電極の有効幅を表す。PRXは、受信電極ピッチを表す。WRXは、受信電極の有効幅を表す。これら4つの表記は、他の図の類似の測定に使用される。センサパターン600は、図に示される他の例のように、規則的な送信ピッチ及び規則的な受信ピッチを有する。しかし、他の実施形態は、可変のピッチを有することができる。同様に、センサパターン600は、同じ有効幅の送信電極及び同じ有効幅の受信電極を有する。しかし、他の実施形態は、異なる幅の送信電極を有することができる。
[0066]図6は、複数の受信シームではなく、単一の受信シームを介して互いに対向している、対向する受信電極(例えば、受信シーム615を介して互いに対向するRX1,1とRX3,1)を示す。同様に、図6は、複数の送信シームではなく、単一の送信シームを介して互いに対向している、対向する送信電極(例えば、送信シーム605を介して互いに対向するTX1,1及びTX2,1)を示す。必須ではないが、対向するセンサ電極は、図6にあるように、正確に互いに同一直線上にあることが多い。
[0067]図6は、隣接するセンサ電極も示す。例えば、RX3,3とRX3,4とは隣接する受信電極であり、RX3,1とRX4,1も隣接する受信電極である。別の例として、TX3,3とTX3,4とは隣接する送信電極であり、TX1,1とTX3,1も隣接する送信電極である。
[0068]図6は、送信機電極及び受信機電極の両方がいずれかのタイプのシームで物理的に終わることを示すが、いずれかのタイプのシームで物理的に終わることは必須ではない。例えば、送信電極は、受信シームを介して物理的に隣接していてもよい。別の例として、受信電極は、送信シームを介して物理的に隣接していてもよい。こうした隣接するレイアウトは、分割画素を生成することができ、これについては以下でさらに説明される。
[0069]図6は、送信機シーム及び受信機シームの両方を含む一実施形態を示す。しかし、実施形態は、送信機シーム及び受信機シームの両方を含む必要はない。すなわち、実施形態の中には送信シーム(複数可)のみを有するものもあり、実施形態の中には受信シーム(複数可)のみを有するものもあり、実施形態の中には送信シーム(複数可)及び受信シーム(複数可)を両方有するものもある。
[0070]図7は、一実施形態による、単に単純な矩形形状でないセンサ電極を含む4セクションセンサ電極センサパターン700の一例のレイアウトを示す。センサパターン700において、全送信電極(TX)は、導電材料の第1の層に配置されている。受信電極(RX)のセンサ要素も、材料の第1の層に配置されている。これらのセンサエレメントは、導電材料の第2の層に配置されている導電性ジャンパ730(図7において1つのジャンパ730がラベル表示されている)によって接続される。ジャンパは、誘電材料(図示せず)によって送信電極から分離される。
[0071]オーミックシーム705は、送信シームであり、オーミックシーム715は、受信シームである。送信シーム705は、セクション1及び3のセンサ電極をセクション2及び4のセンサ電極から分離し、それらのセクションにおける受信電極の間のオーム的な途切れ部分を提供する。受信シーム715は、セクション3及び4のセンサ電極をセクション1及び2のセンサ電極から分離し、それらのセクションにおける受信電極の間のオーム的な途切れ部分を提供する。受信シーム715は、TX1,1とTX3,1との間、及びTX2,1とTX4,1との間を走る。送信シーム705は、RX1,1とRX2,1との間、及びRX3,1とRX4,1との間を走る。センサパターン700は分割画素を有していないことに留意されたい。
[0072]図7によって示されるように、また、図2に関して上述したように、本明細書に記載されている実施形態によって、多くの他のタイプのセンサパターン及びセンサ電極形状が企図される。センサパターン700において、送信機電極及び受信電極は、交点でより薄くなるように設計されており、その交点でより薄くない場合と比較して、重なりが低減される。
[0073]センサパターン700の画素は、円720によって位置が特定され、TX4,2とRX4,2との交点の周りに中心が置かれる。円721及び722は一見したところ他の画素の中心の位置を特定するように見えるが、そうではない。すなわち、複数のセンサ電極が円721及び722において互いに近くにあるにもかかわらず、これらの円721及び722は、送信機電極と受信電極との間の局所的な静電容量結合の空間の中心の位置を特定しない。代わりに、円721は、実際の画素の中心の間に配置される。第1の近くの画素は、TX4,1とRX4,2との交点に配置され、第2の近くの画素は、TX2,1とRX2,2との交点に配置される。同様に、円722は、実際の画素の中心の間に配置される。第1の近くの画素は、TX1,2とRX1,1との交点に配置され、第2の近くの画素は、TX2,2とRX2,1との交点に配置される。
[0074]図8〜9は、いくつかの実施形態による、分割画素を含むセンサパターン800、900の例を示す。具体的には、各センサパターン800、900に、センサ電極と重なる少なくとも1つのオーミックシームがある。したがって、それぞれの複数の送信電極及び受信電極は、この少なくとも1つのオーミックシームと一致している複数の分割画素を形成する。図8及び図9はいずれも、それぞれ3つのセンサ電極(センサパターン800では1つの送信電極及び2つの受信電極、及びセンサパターン900では2つの送信電極及び1つの受信電極)から形成される分割画素を表す。しかし、他のセンサパターンは、送信機電極又は受信電極の他の数及び比率で形成される分割画素を有していてもよい。同様に、図8及び図9はいずれも、それぞれ2つの部分的な画素から形成された分割画素を表す。他のセンサパターンは、他の数の部分的な画素から形成される分割画素を有していてもよい。
[0075]分割画素での全応答は、部分的な画素での応答の組み合わせとして決定され得る。例えば、一実施形態において、全応答は、それが構成される部分的な画素の応答の単純な合計として計算される。別の例として、一実施形態において、分割画素での全応答は、部分的な画素の応答のスケール変更された及び/又は加重された合計として計算される。すなわち、スケーリング及び/又は加重は、少なくとも1つの他の画素の重み(変更がない場合、1とみなされる)とは異なる少なくとも1つの部分的な画素に適用される。このスケーリング又は加重は、前記少なくとも1つの部分的な画素と関連したシグナル増幅の量、部分的な画素を形成しているセンサ電極の構成などに基づいてもよい。
[0076]部分的な画素と関連したスケーリング又は加重は、設計時、製造時、又は製造後(例えば、操作中)に決定され得る。例えば、センサ電極及び入力オブジェクトの静電容量式の相互作用は、設計の間にモデル化され得る。別の例として、センサデバイスの分割画素の応答は、製造中に測定されてもよい。さらなる例として、操作中、分割画素の応答は、現場で測定されてもよい。部分的な画素に割り当てられた適切な重みは、関連の処理システムのメモリ又は何らかの他の部分(例えば図15に示される処理システム1510のメモリ1525を参照)に格納され得る。
[0077]図8は、一実施形態による、受信シーム815によって2つのセクション(セクション1、セクション2)に分割されたセンサパターン800の一例を示す。受信シーム815は、受信シーム815でオームの切断を有していない送信電極TX1/2,0に重なり、それに沿って走る。すなわち、受信シーム815は、TX1/2,0をオーム的に分割しない。表記TX1/2,0は、受信シーム815を介して隣接しており、セクション1及びセクション2に部分的にあることを示す。センサパターン800は、例えば分割されていない画素820などの分割されていない画素、及び例えば分割画素826などの分割画素を含むセンサパターンを示す。分割されていない画素820は、TX2,2とRX2,5との交点に配置される。パターン800の分割画素はそれぞれ、3本のセンサ電極、すなわち1つの送信電極(TX1/2,0)及び2つの受信電極によって支配される局所的な静電容量結合の空間から成る。例えば、分割画素826は、1つはTX1/2,0とRX1,5との交点、1つはTX1/2,0とRX2,5との交点に配置された2つの部分的な画素で構成される。
[0078]図9は、一実施形態による、送信シーム905によって2つのセクション(セクション1、セクション2)に分割されたセンサパターン900の一例を示す。図9において、受信電極(例えば、RX1,1)のそれぞれは、複数の平行したセクションから成る。具体的には、受信電極はそれぞれ、互いに両端で接続される2つの平行したセクションから構成され、溝付き矩形の一般形状を有する。送信シーム905は、オーミックシームでオームの切断を有していない受信電極RX1/2,0に重なり、それに沿って走る。すなわち、送信シーム905は、RX1/2,0をオーム的に分割しない。RX1/2,0の表記は、受信電極RX1/2,0がセクション1に及びセクション2に部分的にあることを示す。
[0079]センサパターン900は、分割されていない画素(例えば、円920は分割されていない画素を表す)、及び分割画素(例えば、円926は分割画素を表す)を含む。分割画素は、例えばTX1,5とRX1/2,0との交点にある円924、及びTX2,5とRX1/2,0との交点にある円925によって表される部分的な画素などの部分的な画素から形成される。センサパターン900において、分割画素のそれぞれは、3つのセンサ電極、すなわち1つの受信電極(RX1/2,0)及び2つの送信電極によって支配される局所的な静電容量結合の空間から成る。例えば、分割画素926は、RX1/2,0とTX1,1との交点、及びRX1/2,0とTX2,1との交点に配置される2つの部分的な画素で構成される。
[0080]上述されたセンサパターンによって示されるように、様々な実施形態は、様々なセンサパターンレイアウト及びセンサパターン形状を有する。様々な実施形態は本明細書に示されるものと異なっていてもよいことも念を押さなければならない。例えば、いくつかの実施形態において、送信シーム(又は受信シーム)は、こうしたシームが分割する送信電極(又は受信電極)の配向方向に直交しない。別の例として、いくつかの実施形態は、センサパターン中を垂直に走るまっすぐな送信電極、及びセンサパターン中を水平に走るまっすぐな受信電極を有し、送信機電極及び受信電極は実質的に互いに直交に配列される。同様に、いくつかの実施形態は、水平に走るまっすぐな送信電極、及び垂直に走るまっすぐな受信電極を有し、送信機電極及びセンサ電極は実質的に互いに直交に配列される。さらなる例として、センサ電極は、任意の適切な形のものでもよく、単一のセンサパターンは、送信電極(又は受信電極)又は異なる形状及びサイズを使用することができる。これらのセンサ電極は、一部(区分的線形)、又は全部(まったく線形でない)非線形でもよく、同じタイプの他のセンサ電極と平行又は異なるタイプのセンサ電極に対して垂直でなくてもよく、又は他の点において図に表されるものとは異なっていてもよい。
[0081]多くの他の変形が可能であり、企図される。例えば、オーミックシームは、センサパターン全体にわたって伸びなくてもよい。特定の例として、受信シームを含むセンサパターンは、その受信シームで互いに対向するようにセンサパターンにわたって途中まで伸びる受信電極を有していてもよい。このセンサパターンは、センサパターン全体にわたって伸び、受信シームと交差しない他の受信電極を有することもできる。これらのセンサパターンにわたって部分的に伸びる送信シームを含むセンサパターンについて、逆もまた当てはまる。
[0082]別の例として、センサパターンは、非対称セクションを有することができる。セクションは、センサ電極の数、センサ電極のサイズ、センサ電極のピッチなどにおいて異なり得る。特定の例として、奇数の送信電極及び1つの受信シームを有するセンサパターンは、送信電極上(おそらく受信シームでの分割画素をもたらす可能性がある)の代わりに、送信電極間(受信シームでの分割画素をもたらさない)に受信シームを配置し得る。
検知方式
[0083]セクションをスキャンし、入力情報のフレームを取得するために、送信電極が稼働されて適切な検知方式に従って送信する。様々な実施形態に従って、区切られたセンサパターンをスキャンするために、様々な検知方式が使用され得る。説明を簡単にするために、ここで説明される検知方式例はしばしば、図6及びセンサパターン600を参照する。しかし、ここに記載される検知方式は、任意の数のセクションを含む任意の適切なセンサパターンについて類推され、適用され得る。説明を簡単にするために、以下の説明は、上記で紹介されたTXi,jの表記も参照し、追加の数学的表記を導入する。
[0084]送信電極は、送信信号を送信するために稼働され、駆動されるとき、送信信号(「検知信号」とも呼ばれる)によって調整される。送信電極は、送信信号を送信するように駆動されないとき、送信信号によって調整されない。送信電極は、ハイインピーダンス(電気的に浮動)又は定常電圧(例えば、基準電圧、系統接地、又は何らかの他の電圧)で保持され得る。
[0085]あるセクションの送信シーケンスは、数学的方法で説明され得る。送信電極が送信する時間間隔t中に、変化しない(またこの場合、t∈[n,n+1)であり、nは整数である)、どの送信電極(ある場合)がその時間間隔中に関連のiセクションにおいて送信しているかを表すために、関数Mi()の適用可能な出力が使用されてもよい。例えば、値nについて、Mi(n)=jの出力は、送信TX(i,j)(セクションiの送信j)がその時間n中に送信していることを示す。様々な入力及びMi()について、出力は、対応する時間間隔中、スカラ、ベクトル(セクションiにおいて複数の送信電極が並行して送信していることを示す)、又はヌル(セクションiにおいて送信している送信電極がないことを示す)でもよい。説明を簡単にするため、ここでは、セクション内のセンサ電極のjの番号付けが単調であると仮定される(シームを介して隣接するセンサ電極についての可能な例外を含む)。このように、Mi()は、その時現行の時間間隔nを、その時間間隔n中にどの送信電極がiセクションにおいて送信しているかをマップする送信パターンを表す便利な方法を提供する。
[0086]実施形態の中にはフレーム周期を時間が等しい均等な時間間隔に分割するものもあり、実施形態の中にはフレーム周期を不均等な時間間隔に分割するものもあり、実施形態の中には時間間隔を均等又は不均等とすることができるものもある。例えば、実施形態の中には、時間が等間隔となるように、どの送信電極が送信しているかに潜在的な変化を必要とするものもあり、実施形態の中には、時間が等しい又は等しくない間隔に関してこうした任意の要件を課さないものもある。時間間隔の長さは、送信電極がどれくらい長く送信するかに影響を及ぼす。
[0087]一実施形態は、セクションにおいてフレームごとに繰り返す送信パターンを使用することができる。このことは、フレームごとにセクション(複数可)について同じMi()関数を繰り返すことによって表され得る。一実施形態は、フレームの倍数でセクションにおいて繰り返す送信パターンを使用することができる。このことは、セクションについて一連の異なるMi()関数を繰り返すことによって表され得る。一実施形態は、フレームの任意の倍数を超えて繰り返さない非周期的送信パターンを使用し得る。このことは、異なるMi()関数の非反復シーケンスにより表され得る。
[0088]いくつかの実施形態は、各セクションが同じMi()関数によって表される送信パターンを有する検知方式を使用する。すなわち、すべてのiについて、Mi()=同じM()である。送信パターンは、同じ時間ごとに同一である、同一であるが時間的にずれる、ミラー対称である、他の対称を有するなどの場合、関連がある。いくつかの実施形態は、各セクションが異なるMi()関数によって表される送信パターンを有する検知方式を使用する。すなわち、2つのセクションは、関連した送信パターンを有しない。いくつかの実施形態は、セクションのいくつかは同じMi()関数によって表される送信パターンを有し、セクションのいくつかは異なるMi()関数によって表される送信パターンを有する検知方式を使用する。すなわち、セクションの中には、関連した送信パターンを有するものもあり、セクションの中には、関連した送信パターンを有していないものもある。
[0089]いくつかの実施形態は、異なるセクションの送信電極によって並行して送信する。すなわち、これらの実施形態は、これらのセクションにおいて同時に異なる送信電極で送信することによって、異なるセクションを平行してスキャンする。様々な実施形態において、このことは、オーミックシームの第1の側に配置されている第1の送信電極によって第1の送信信号、及びオーミックシームの第2の側に配置されている第2の送信電極によって第2の送信信号を並行して送信することに対応する。第1の送信信号及び第2の送信信号は、同一又は異なる信号とすることができる。このオーミックシームが送信シームである場合、第1の送信電極と第2の送信電極とは、対向する送信電極(又は非対向の送信電極)とすることができる。このオーミックシームが受信シームである場合、第1の送信電極と第2の送信電極とは、非隣接のセンサ電極(又は隣接する送信電極)でなくてもよい。
[0090]送信電極は、受信電極において結果として得られた信号を同時にもたらすとき、「並行して送信する」。したがって、並行して送信する送信電極は、同じ期間中に、又は互いに重なり合う異なる期間中に送信することができる。例えば、第1の送信電極は、第1の期間中に第1の送信信号を送信することができ、第2の送信電極は、第2の期間中に第2の送信信号を送信することができる。第1及び第2の期間が少なくとも部分的に互いに重なり合う場合、及びこれら第1及び第2の送信信号が関連の受信電極に及ぼす影響が同時に生じる場合、第1及び第2の送信電極は、これら第1及び第2の送信信号を並行して送信する。
[0091]並行の送信を伴う検知方式の具体例として、いくつかの実施形態は、複数の送信電極によって並行して送信し、この場合、各送信電極は、異なるセクションに配置されている。並行の送信を伴う検知方式の別の具体例として、いくつかの実施形態は、受信シームによって互いから分離される送信電極によって並行して送信する。並行の送信を伴う検知方式のさらにもう1つの具体例として、いくつかの実施形態は、対向する送信電極によって並行して送信する。1つの送信電極が複数の他の送信電極に対向するように複数の送信シームがある場合、これらの送信電極の一部又は全部は、並行して送信する。
[0092]複数のセクションにおいて並行して送信する(「パラレルスキャン」とも呼ばれる)ことによって、全センサパターンを、(パラレルスキャンなしで、例えば「シリアルスキャン」によるなど)複数のセクションにおいて並行して送信しない場合より迅速にスキャンすることができる。
[0093]上述したように、いくつかの実施形態は、あるセクションにおける少なくとも1つの受信が混合応答を受信するように、そのセクションの複数の送信電極によって並行して送信する。すなわち、少なくとも1つの受信電極は、そのセクションにおける複数の送信電極によって並行して送信される複数の送信信号に対応する応答を結合する、結果として得られた信号を受信する。セクションの複数の送信電極によって並行して送信することは、雑音抵抗の向上を提供し、より多くの電力を使用することができる。このことは、1つ又は複数の入力nについてベクトル(多くの送信電極を示す)を出力するMi()関数によって表され得る。
[0094]特定の例として、いくつかの実施形態において、あるセクションにおける第1の送信電極は、そのセクションにおける第2の送信電極と並行して送信する。第1の送信電極は、第1の送信信号を送信し、第2のセンサ電極は、第2の送信信号を送信する。第1の送信信号及び第2の電気が数学的に独立した応答を生成する場合、並行した送信は、これらの応答と関連した独立した結果(例えば、第1の応答と関連した第1の結果、及び第2の応答と関連した第2の結果、この場合、第1及び第2の応答が第1及び第2の送信信号にそれぞれ対応する)を決定する際に使用され得る、結果として得られた信号を生成する。
[0095]いくつかの実施形態は、特定の時に、複数のセクションにおいて送信電極が送信し、これらのセクションの少なくとも1つにおいて複数の送信電極が送信する検知方式を使用する。
[0096]いくつかの実施形態は、オーミックシームに対して空間的に移動するシーケンスで送信することを含む検知方式を使用する。受信シームを含む第1の実施形態例において、送信シーケンスは、受信シームのより近くで始まり、前記受信シームから離れる。受信シームを含む第2の実施形態例において、シーケンスは、受信シームから離れて始まり、受信シームの方に進む。これらのシーケンスは、以下の送信関係に対応する。第1に、受信シームの第1の側に配置されている第1の送信電極は、第1の送信信号を送信し、受信シームの第2の側に配置されている第2の送信電極は、第2の送信信号を送信する。第2に、第1の送信電極が第1の送信信号を送信した後、第3の送信電極は第3の送信信号を送信し、第2の送信電極が第2の送信信号を送信した後、第4の送信電極は第4の送信信号を送信する。第1の実施形態例において、第3の送信電極は、受信シームの第1の側に配置されており、第1の送信電極より受信シームから遠く、第4の送信電極は、受信シームの第2の側に配置されており、第2の送信電極より受信シームから遠い。第2の実施形態例において、第3の送信電極は、受信シームの第1の側に配置されており、第1の送信電極より受信シームに近く、第4の送信電極は、受信シームの第2の側に配置されており、第2の送信電極より受信シームに近い。いずれの場合でも、第1の送信信号は、第2の送信信号と並行して送信されてもよく、又は並行して送信されなくてもよく、第3の送信信号は、第4の送信信号と並行して送信されてもよく、又は並行して送信されなくてもよい。
[0097]以下は、シームの近くから始まり、オーミックシームから離れる空間シーケンスを伴う検知方式の1つの具体例である。一実施形態例において、検知方式は、すべてのセクションについて同じMi()を伴って説明され得る。ここで、Mi(n)=(n modulo N)+1であり、Nはiセクションにおける送信電極の合計数であり、nは0〜N−1までの整数である。センサパターン600では、N=4であり、nは0〜3で変化する。センサパターン600では、この検知方式は、以下を意味する。1)対向する送信電極は、並行して、同じ期間中に送信する、及び2)送信シーケンスは、センサパターン600の中央で、受信シーム615で始まり、センサパターン600の縁部で、送信電極の方に外側に、受信シーム615から離れる。すなわち、このMi(n)=(n modulo N)+1が一実施形態におけるセンサパターン600のセクションのすべてを記述する状態で、以下は、この実施形態の送信シーケンスに当てはまる。TX1,1、TX2,1、TX3,1、及びTX4,1は、初期時間間隔(間隔1)中に送信し、TX1,2、TX2,2、TX3,2、及びTX4,2は、次の時間間隔(間隔2)中に送信し、TX1,3、TX2,3、TX3,3、及びTX4,3は、次の時間間隔(間隔3)中に送信し、TX1,4、TX2,4、TX3,4、及びTX4,4は、次の時間間隔(間隔4)中に送信する。同じMi()が次のフレーム周期に繰り返されるいくつかの実施形態において、最後の時間間隔の後、送信シーケンスは、センサパターン600の中央から繰り返し、受信シーム615でもう一度始まる。
[0098]以下は、センサパターン600に関して、少なくとも1つのセクションについて、シームの近くから始まり、オーミックシームから離れ、少なくとも1つの他のセクションについて、オーミックシームの遠くから始まり、オーミックシームに近づく空間シーケンスを伴う検知方式の1つの具体例である。この例は、セクションを使用して、1組の同様に配向された個別のセンサデバイスをエミュレートする。セクションは、オーミックシームなどローカルな基準ではなく、グローバルな基準に対して同一である送信シーケンスを有する。この例では、以下の送信電極は、指定された時間間隔中に送信し、他の送信電極は送信しない。第1の時間間隔中に、TX1,4、TX2,4、TX3,1、及びTX4,1は送信する。第2の時間間隔中に、TX1,3、TX2,3、TX3,2、及びTX4,2は送信する。第3の時間間隔中に、TX1,2、TX2,2、TX3,3、及びTX4,3は送信する。第4の時間間隔中に、TX1,1、TX2,1、TX3,4、及びTX4,4は送信する。これら4つの時間間隔によってフレーム周期を終了し、シーケンスは、繰り返す、逆方向に動く、又は何らかの他の方法で変化し得る。いくつかの実施形態では、セクション2及び4は、セクション1及び3と平行して、及び/又は同じシーケンスにおいてスキャンされない。
[0099]いくつかの実施形態は、フレーム周期の一部の間、1つ又は複数のセクションにおいて送信しない(したがってスキャンしない)検知方式を使用する。例えば、いくつかの実施形態は、フレーム周期の第1の部分の間、あるセクションにおいて送信し、そのフレーム周期の第2の部分の間、そのセクションにおいて送信しない。具体例として、センサパターン600によって使用され得る検知方式は、以下の通りである。フレーム周期の第1の部分の間、実施形態は、類似又は異なる方法で、セクション1及び3において送信し、セクション2及び4において送信しない。次いで、フレーム周期の第1の部分のすぐ後のフレーム周期の第2の部分の間、実施形態は、類似又は異なる方法で、セクション2及び4において送信する(セクション1又は3の送信パターンに類似していてもよく、又は異なってもよい)。次いで、実施形態は、追加フレームについてのこのシーケンスを繰り返す。すなわち、実施形態は、同様の方法で、セクション1及び3で(セクション2及び4ではない)再度送信し、次いでセクション2及び4で(セクション1及び3ではない)再度送信し、以下同様である。
[00100]以下は、こうした検知方式の別の具体例である。センサパターン600を参照すると、フレーム周期の第1の部分の間、セクション1及び2は送信し、セクション3及び4は送信しない。具体的には、以下の送信電極は、そのフレーム周期の連続した時間間隔中に送信し、他の送信電極は送信しない。TX1,4及びTX2,4は、第1の時間間隔(時間間隔1)中に送信する。TX1,3及びTX2,3は、次の時間間隔(時間間隔2)中に送信する。TX1,2及びTX2,2は、次の時間間隔(時間間隔3)中に送信する。TX1,1及びTX2,1は、次の時間間隔(時間間隔4)中に送信する。TX3,1及びTX4,1は、次の時間間隔(時間間隔5)中に送信する。TX3,2及びTX4,2は、次の時間間隔(時間間隔6)中に送信する。TX3,3及びTX4,3は、次の時間間隔(時間間隔7)中に送信する。TX3,4及びTX4,4は、次の時間間隔(時間間隔8)中に送信する。このシーケンスは、検知方式に応じて、追加の時間間隔について、繰り返す、逆方向に動く、又は何らかの他の方法で変化することができる。例えば、いくつかの実施形態において、フレーム周期が終了した後、シーケンスは、TX1,4及びTX2,4が送信することでもう一度開始する。
[00101]上述した送信シーケンスから、いくつかの実施形態が受信シームの異なる側の隣接する送信電極で並行して送信しないことがわかり得る。例えば、様々な実施形態において、受信シームを介して隣接する送信電極は並行して送信しない。対向する送信電極が並行して送信してもよく、又は並行して送信しなくてもよい。こうした送信シーケンスの一例において、またセンサパターン600を参照して、TX1,1及びTX2,1はいずれも、第1の時間間隔中に送信し(TX3,1及びTX4,1は送信しない)、TX3,1及びTX4,1は、次の時間間隔中に送信する(TX1,1及びTX2,1は送信しない)。
[00102]以下は、図6を引き続き参照して説明される具体例であり、以下の送信電極がフレーム周期の連続する時間間隔中に送信し、他の送信電極は送信しない。第1の時間間隔中に、TX1,4、TX2,4、TX3,4、及びTX4,4は送信する。次の時間間隔である第2の時間間隔中に、TX1,3、TX2,3、TX3,3、及びTX4,3は送信する。次の時間間隔である第3の時間間隔中に、TX1,2、TX2,2、TX3,2、及びTX4,2は送信する。次の時間間隔である第4の時間間隔中に、TX3,1及びTX4,1は送信する。次の時間間隔である第5の時間間隔中に、TX1,1及びTX2,1は送信する。したがって4つの送信電極を有しているセクションのこのフレーム周期はそれぞれ、5つの時間間隔を備える。この後、シーケンスは、初めからやり直し、繰り返すことができる。このスキャンシーケンスが受信シーム615から離れたところから(例えば、センサパターンの縁部で)始まり、受信シーム615の方に進むことを理解されたい。他の検知方式は、受信シーム615で始まり、受信シーム615から離れる(例えば、センサパターンの縁部の方に)スキャンシーケンスを備え得る。例えば、上記の送信シーケンスの逆方向への動きが使用され得る。すなわち、図6を参照して、第1の時間間隔は、TX1,1及びTX2,1による送信を伴い、第2の時間間隔は、TX3,1及びTX4,1による送信を伴い、第3の時間間隔は、TX1,2、TX2,2、TX3,2、及びTX4,2による送信を伴い、以下同様となり得る。
[00103]上述された送信シーケンスから、いくつかの実施形態がフレーム周期の部分の間のみ、送信電極によって並行して送信することもわかり得る。例えば、いくつかの実施形態は、受信シームによって分離されるセクションを有する。受信シームに非常に近い(例えば、受信シームのすぐ隣)送信電極が1つのセクションにおいて送信しているとき、受信シームの反対側のセクションにおける送信電極は送信しない。一例として、また図6を参照して、セクション1のTX1,1が送信する時間間隔中、セクション3(受信シーム615を介してセクション1の向こう側)の送信電極は送信しない。この送信は、送信シームによって分離される送信電極にも運ばれ得る。さらに、図6を参照して、一実施形態において、セクション3又はセクション4のいずれかにおいて送信電極が送信しない時間間隔中、TX1,1は、セクション1において送信する。
[00104]いくつかの実施形態は、フレーム周期の1つ又は複数の非送信の時間間隔(「静止時間間隔(quiet time interval)」とも呼ばれる)中に送信を中断する検知方式を使用する。例えば、いくつかの検知方式は、送信電極が送信しない(すべての送信電極TXが送信していない)間に、フレーム内で及び/又はフレーム間に静止時間間隔を使用する。中断された送信がある期間を含めることは、例えば干渉検出のため、又は漏話を低減するためなど、任意の数の理由のためであり得る。
[00105]干渉検出に関して、いくつかの実施形態は、静止時間間隔中に1つ又は複数の受信電極において受信する。送信電極は静止時間間隔中に送信しないので、受信電極によって受信される信号は、(例えば環境からの)干渉に対応する。
[00106]漏話を低減させる観点から、いくつかの実施形態において、より高いフレームレートに対する改良された信号対雑音比(SNR)を達成するために、特定の送信による送信に費やされる時間の間のトレードオフがある。このトレードオフは、様々な要因に起因し得る。要因例には、送信又は受信で起こり得る任意の種類のフィルタリングの過渡応答などがある。いくつかの実施形態では、任意のフィルタリング効果としての効果が完全に落ち着く(例えば、ノイズのレベルに、必要条件によって設定されるあるレベルになど)ことができるには時間間隔が足りなくなるように、フレームレートは設定される。したがって、初期の時間間隔(例えば、時間間隔k)から残った残余は、最近の時間間隔(例えば、時間間隔k+1)の間になされる測定に影響を及ぼし得る。多くの実施形態において、この残余は、あるフレームの端部から次の先頭への移行時にさらに顕著になる。こうした残余情報は、誤った検知をもたらす影響を有し得る。例えば、受信シームにある入力オブジェクトは、時間間隔kの間に送信する受信シームの第1の側の第1の送信電極、及び時間間隔k+1の間に送信する受信シームの第2の側の第2の送信電極と対話することができる。この入力オブジェクトは、センサの縁部にあると検出され、セクションの内部に対してシームにわたって不均等の影響を及ぼしたり、位置決定におけるエラーをもたらしたりし得る。フレーム周期の初め及び/又は終わりに1つ又は複数の静止時間間隔を使用することで、多数のこうした問題の有害な効果を低減することができる。
[00107]フレーム周期当たり1つ又は複数の静止時間間隔を使用するものを含めて、異なる送信パターンを有する多くの検知方式が可能であり、企図されることを理解されたい。例えば、本明細書に記載されている検知方式のいずれかでは、1つ又は複数の静止時間間隔が追加され得る。これらの追加された静止時間間隔(複数可)は、第1の時間間隔、最後の時間間隔、中間の時間間隔、又はその組み合わせでもよい。具体例として、1つの静止時間間隔は、追加のフレームスキャンが行われる前に、フレーム周期の終わりに追加され得る。
[00108]一実施形態例において、静止時間間隔を含む送信パターンは、受信シームに配置される送信電極(複数可)の送信で始まり、送信パターンが受信シームから離れて空間的に(例えば、センサパターンの縁部の方に外側に)移動する。例えば、引き続き図6を参照して、一実施形態において、フレーム周期の時間間隔中、次の送信電極は送信し、他の送信電極は送信しない。第1の時間間隔中、送信電極は送信しない。第1の時間間隔のすぐ後の第2の時間間隔中に、TX1,1が送信する。第2の時間間隔のすぐ後の第3の時間間隔中に、TX3,1が送信する。第3の時間間隔のすぐ後の第4の時間間隔中に、TX1,2及びTX3,2が送信する。第4の時間間隔のすぐ後の第5の時間間隔中に、TX1,3及びTX3,3が送信する。第5の時間間隔のすぐ後の第6の時間間隔中に、TX1,4及びTX3,4が送信する。これによって、6つの時間間隔で、それぞれ4つの送信電極を有している2つのセクションをスキャンすることになる。セクション2及び/又はセクション4は、セクション1及び3のスキャンと平行してスキャンされ得る。この後、シーケンスは、初めからやり直すことができる。又は、セクション2及び4は、セクション1及び3と平行してスキャンされない場合、次にスキャンされ得る。
[00109]いくつかの実施形態は、対向する送信電極を同期することによって受信シームの近くのアーチファクトを低減する、又は防止する。いくつかの実施形態は、対向する送信電極を厳密に同期させる。すなわち、いくつかの実施形態は、対向する送信電極で、実質的に同じ位相、振幅、波形形状、及び/又は周波数の(又はフレーム間で実質的に一定した位相、振幅、波形形状、及び/又は周波数関係を有する)送信信号を送信し、さらに実質的に同じ時に送信を開始し、終了する。この手法は、受信シームの近くの信号の低下を低減するのを助けることができる。1つの具体例として、図6を参照すると、一実施形態において、同じ位相で同じ時間間隔(例えば、TX1,4及びTX2,4)中に送信するために、送信シーム605で出会う送信電極が同期される。
[00110]分割画素を含むセンサパターンを伴う検知方式は、多くの実施形態において、上述したものと類似している。例えば、送信パターンは、空間的にオーミックシームの方に進む、又はオーミックシームから離れる方法での送信を意味し得る。他の例として、送信パターンは、対向する送信電極における並行した送信を伴う、又は静止時間間隔を含み得る。さらなる例として、互いに隣接し、シームの反対側にある送信電極は、異なる時に送信することができる。しかし、分割画素が、重なる受信シームを伴い、送信電極に沿って走る場合、送信電極の組は、互いに隣接しておらず、このシームの反対側にはない。
符号化送信
[00111]検知方式が複数の送信電極による並行した送信を伴う場合、これらの複数の送信電極のうちの一部又はすべては、一意に符号化される送信信号を送信し得る。例えば、送信信号は、例えばウォルシュコード、アダマールコード、及び擬似乱数などのコードを含む様々な異なる変調コードに従い得る。コードは、任意の適当な長さのものでもよい。送信信号は、例えば周波数、振幅、位相などの差を介してなど、任意の適切な方法でコードを表すことができる。例えば、いくつかの実施形態は、並行した送信の周波数を異なるように調整し、独立した結果を取得するために、受信された結果として得られた信号を適切に復調する。独立した各結果は、並行した送信のうちの1つに対応する応答と関連付けられている。図10〜図12は、様々な実施形態による、特定の複数に区切られたセンサパターンの例、及びコーディングパターンを有する検知方式の具体例を示す。他の実装形態は、異なるセンサパターン及び/又は他のコーディングパターンを有し得る。
[00112]図10〜図12において、コーディングパターンを含む検知方式は、表として示される。列は、異なる連続した時間間隔(例えば、t1、t2など)を示す。行は、それぞれに配列された送信電極の符号化状態を含む。表における「+」記号は、その時間間隔中に対応する送信電極によって送信された送信信号が符号化特性の第1の値を有することを意味する。これに対して、表における「−」記号は、その時間間隔中に対応する送信電極によって送信された送信信号が符号化特性の第2の値を有することを意味する。空の欄は、送信信号が送信されていないことを意味する。
[00113]例えば、いくつかの実施形態は、送信するときの周期波形により送信電極を調整する。周期波形例としては、矩形波、鋸波、三角波、正弦波、その組み合わせ、より複雑な波形などがある。こうした実施形態の符号化特性としての位相の場合、「+」は、送信が第1の位相で適用可能な波形で送信することを意味し、「−」記号は、送信が第2の位相で適用可能な波形で送信することを示す。一実施形態において、第1及び第2の位相は、180度離れている。他の実施態様において、他の位相差が使用される。
[00114]図10は、受信シーム1015によって2つのセクション(セクション1、セクション2)に分割されるセンサパターン1000を示す。複数の送信電極及び受信電極が示される。検知方式1075は、センサパターン1000によって使用され得る1つのコーディングパターン例を示す。具体的には、検知方式1075は、t1〜t4の連続した時間間隔中に並行して送信するセクション2の全4つの送信電極による、長さ4のアダマールコードによる並行した送信を伴う。検知方式1075は、t5〜t8の連続した時間間隔中のセクション1の全4つの送信電極による、長さ4の同じアダマールコードによる並行した送信をさらに伴う。
[00115]図10において、検知方式1075の最上行は、符号化特性の第1の値を有している送信信号が時間間隔t1の間にTX2,4において送信され、符号化特性の第2の値を有している送信信号が時間間隔t2〜t4の間にTX2,4において送信されることを示し、TX2,4は、時間間隔t5〜t8の間は送信しない。例えば、TX2,4は、時間間隔t1の間に第1の位相の波形で送信し、時間間隔t2〜t4の間に第2の位相の波形で送信し、時間間隔t5〜t8の間は送信しないようにしてもよい。検知方式1075の他の行は、同じような方法で解釈され得る。すなわち、TX2,3は、時間間隔t1、t3、及びt4の間は符号化特性の第2の値を有している送信信号で送信し、時間間隔t2の間は符号化特性の第1の値を有している送信信号で送信し、時間間隔t5〜t8の間は送信しない。また、TX2,2は、時間間隔t1、t2、及びt4の間は符号化特性の第2の値を有している送信信号で送信し、時間間隔t3の間は符号化特性の第1の値を有している送信信号で送信し、時間間隔t5〜t8の間は送信しない。また、TX2,1は、時間間隔t1〜t3の間は符号化特性の第2の値を有している送信信号で送信し、時間間隔t4の間は符号化特性の第1の値を有している送信信号で送信し、時間間隔t5〜t8の間は送信しない。同様に、検知方式1075は、TX1,1、TX1,2、TX1,3、及びTX1,4についての符号化を示す。
[00116]検知方式1075は、センサパターン1000のセクション1及びセクション2における送信電極による並行した送信がない一実施形態例を表す。しかし、コーディングパターンを含む検知方式の他の実施形態は、異なるセクションの送信電極による並行した送信を有し得る。例えば、一実施形態は、同じセンサパターン1000を有し、検知方式1075のものと同じ長さ4のコードを使用し、しかし、(4つの時間間隔中にセクション1の4つの送信電極で並行して送信し、他の4つの時間間隔中にセクション2の4つの送信電極で並行して送信する代わりに)4つの時間間隔中、全8つの送信電極で並行して送信し得る。
[00117]図11は、図10の検知方式1075より少ない時間間隔を有する異なる検知方式1175、及びセンサパターン1000を示す。図11において、検知方式1175の最上行は、TX2,4が時間間隔t1の間に符号化特性の第1の値を有している送信信号を送信し、TX2,4が時間間隔t2の間に符号化特性の第2の値を有している送信信号を送信し、TX2,4は、時間間隔t3〜t4の間は送信しないことを示す。例えば、時間間隔t1の間、TX2,4は、第1の位相の波形で送信し、時間間隔t2の間、TX2,4は、第2の位相の波形で送信することができる。検知方式1175の他の行は、同じような方法で解釈され得る。検知方式1175は、センサパターン1000のセクション1及びセクション2における送信電極による並行した送信を含む一実施形態を表す。
[00118]図12は、受信シーム1215によって2つのセクション(セクション1、セクション2)に分割されたセンサパターン1200、及び検知方式1275を示す。図12において、検知方式1275の最上行は、TX2,6が時間間隔t1〜t4の間に第1の値を有している送信信号を送信し、時間間隔t5〜t6の間は送信しないことを示す。例えば、T2,6は、時間間隔t1〜t4の間、第1の相の波形を有する送信信号を送信し、時間間隔t5〜t6の間は送信しなくてもよい。検知方式1275の他の行は、同じような方法で解釈され得る。検知方式1275は、センサパターン1200のセクション1及び2における送信電極の並行した駆動を表す。また、検知方式1275は、異なるコード長(コード長4及び2)及び符号タイプを使用する。括弧1276によって識別される4つの行は、アダマール符号化の4×4のウォルシュタイプを表す。括弧1277によって識別される2つの行は、直交の2×2符号化を表し、括弧1278によって識別される2つの行も同様である。括弧1279によって識別される4つの行は、アダマール符号化の4×4の非ウォルシュタイプを表す。したがって、検知方式1275は、異なるコードタイプ及びコード長が、検知方式内で使用され得ることも強調する。
センサパターンを有する1つ又は複数の集積回路の使用
[00119]いくつかの実施形態に従って、例えば入力デバイス100などの入力デバイスの区切られたセンサパターンを含む1つ又は複数の集積回路(IC)が使用され得る。1つ又は複数のICはそれぞれ、特定用途向け集積回路(ASIC)を備えていてもよく、又は汎用集積回路であってもよい。
[00120]単一のICを有する実施形態において、この単一のICは、関連する検知領域における入力(又は入力がないこと)の画像を取得するために、センサ電極を動作させるように構成され得る。この単一のICは、画像にさらなる処理を実行する、画像を別のプロセッサ(例えば、電子システムのCPUなど)に提供するなどのように構成されてもよい。
[00121]複数のICを有する実施形態において、個々のICは、類似の、又は異なる機能を実行するように構成され得る。例えば、いくつかの実施形態は、異なる組のセンサ電極に通信可能に結合されるように構成される複数のセンサ電極IC(SEIC)を備える。これらのSEICは、送信電極のみ、受信電極のみ、又は送信機電極及び受信電極の組み合わせに通信可能に結合され得る(そしておそらく動作させるように構成され得る)。同様に、これらのSEICは、1つのセクションのみのセンサ電極に、オーミックシームを介して隣接するセンサ電極に、又は、複数のセクションの異なるセンサ電極に通信可能に結合され得る。いくつかのマルチIC実施形態は、SEICに通信可能に結合される追加のICを備え、センサ電極の直接の操作とは別の機能を実行することができる。
[00122]図13〜図14は、複数の集積回路を有するいくつかの実施形態を示す。図13は、入力デバイス100Bの一部を示す。入力デバイス100Bは、4つに区切られたセンサパターン1300を使用する。一実施形態において、センサパターン1300は、図6のセンサパターン600と類似している、又は同一である。入力デバイス100Bは、セクションの送信機電極及び受信電極のすべてに通信可能にそれぞれ結合される複数のセンサ電極集積回路(SEIC1〜4)を備える。矢印1311、1321、1331、及び1341はそれぞれ、SEIC1、2、3、及び4からセクション1、2、3、及び4の送信電極へのルーティングラインを示す。同様に、矢印1312、1322、1332、及び1342はそれぞれ、セクション1、2、3、及び4の受信電極からSEIC1、2、3、及び4へのルーティングラインを示す。入力デバイス100Bは、1つ又は複数のICを備え得る中央制御装置1310をさらに備える。中央制御装置1310は、SEIC1〜4を調整し、検知領域における入力についてSEIC1〜4から受信された情報を分析し、適宜他の構成要素と通信するために使用される。例えば、中央制御装置1310は、入力デバイス100Bの検知方式を調整することができる。別の例として、中央制御装置1310は、異なる送信信号に対応するSEIC1〜4から応答を受信し、適宜スケール変更し、単一画像にコンパイルすることができる。中央制御装置1370は、画像へのさらなる処理を実行することができ、及び/又は画像を別のプロセッサ、例えば電子システムのCPU(図示せず)などに提供することができる。
[00123]図14に、入力デバイス100Cが示される。入力デバイス100Cは、(図13の入力デバイス100Bに示される4つのSEICではなく)6つのSEIC(SEIC1〜6)に通信可能に結合された4つに区切られたセンサパターン1400を備える。一実施形態において、センサパターン1400は、図6のセンサパターン600と類似している、又は同一である。SEIC5及び6は、セクション間で共有される(例えば、セクション1及び2はSEIC5を共有し、セクション3及び4はIC6を共有する)。入力デバイス100Cにおいて、SEIC1〜4のそれぞれは、セクションの送信電極のすべて、及び受信電極の一部に通信可能に結合される。これに対して、SEIC5〜6は、受信電極のみに通信可能に結合する受信集積回路である。具体的には、SEIC5は、セクション1及び2のいくつかの受信電極に通信可能に結合され、SEIC6は、セクション3及び4のいくつかの受信電極に通信可能に結合される。矢印1411、1421、1431、及び1441はそれぞれ、IC1、2、3、及び4からセクション1、2、3、及び4の送信電極へのルーティングラインを示す。一方、矢印1412、1422、1432、1442、1452、及び1462は、センサ電極からSEIC、すなわち、セクション1からSEIC1、セクション2からSEIC2、セクション3からSEIC3、セクション4からSEIC4、セクション1及び2からSEIC5、及びセクション3及び4からSEIC6へのルーティングラインを示す。入力デバイス100Cは、1つ又は複数のICを備え得る中央制御装置1410をさらに備える。中央制御装置1410は、SEIC1〜6を調整し、検知領域における入力についてSEIC1〜6から受信された情報を分析し、適宜他の構成要素と通信するために使用される。
[00124]複数のICを有するいくつかの実施形態は、これら複数のICの中で、受信された結果として得られた信号を入力情報に変換するための処理を分割する。例えば、図13の入力デバイス100Bは、信号対入力情報処理をSEIC1〜4及び入力デバイス100Bの中央制御装置1310の中で分けることができる。これらのICは、任意の様々な方法で、ベースラインの測定値の格納、加重又はスケーリング、信号調整、検知周波数の選択、送信パターンの調整、信号処理、位置情報の決定、バリスティクスの適用、ジェスチャの認識、スリープ及びスリープ解除の入力デバイス100Bの制御、例えばホストPCなど入力デバイス100Bの外側の構成要素との通信などの、責任(システムに適用可能である場合)を分けることができる。
[00125]複数のICを有するいくつかの実施形態は、これら複数のICを同期させる。こうした同期によって、例えばオーミックシーム又は複数のICによってもたらされる潜在的なアーチファクトを低減することによって、性能を向上させることができる。例えば、いくつかの実施形態は、共通クロックを含み、共通クロックに結合されるすべてのICが同期されるようにする。共通クロックは、例えば、ICによって使用される送信信号がすべて同じ周波数である、又は受信電極がすべて適当な期間中に動作することを確実にするために使用され得る。この同期は、相殺的干渉から生じるうなり周波数を低減することができる。これらのうなり周波数は、結果として誤った入力となり得る。様々な実施形態において、1つのICにそのクロック信号を駆動させ、他のICにそのクロック信号を受信させることによって、共通クロックは取得され得る。例えば、図13を参照すると、制御装置1310又はSEIC1〜4のうちのいずれかは、このクロック信号を提供し得る。さらに、制御装置1310は、新しいフレームのスキャンを開始するために同期信号を提供し、さらにICを同期させることができる。
処理システム例
[00126]図15は、様々な実施形態による、入力デバイスにより使用され得る処理システム1510の例を示す。処理システム1510は、入力デバイス100の処理システム110の実装形態とすることができる。他の処理システムは、同じように実装され得る。一実施形態において、処理システム1510は、複数の送信電極及び複数の受信電極(例えば、様々な図に示されるもの)に通信可能に結合されるように構成される。処理システム1510は、送信回路1505及び受信回路1515を含む。様々な実施形態において、送信回路1505は、1つ又は複数のICに配置される。すなわち、いくつかの実施形態では、送信回路1505は、完全に単一のICに配置され、いくつかの実施形態では、送信回路1505は、複数のICに配置される。同様に、様々な実施形態では、受信回路1515は、1つ又は複数のICの一部を備えることができる。送信回路1505を実装するICは、受信回路1515を実装してもよく、又は実装しなくてもよい。すなわち、関連のICは、受信回路のみ、送信回路のみ、又はいくつかの受信回路及びいくつかの送信回路を含むことができる。いくつかの実施形態は、メモリ1525、分析回路1535、及び符号化構成要素1545のうちの1つ又は複数をさらに含む。これらの回路構成要素のうちのいずれか又はすべては、処理システム1510の1つ又は複数のICの一部又はすべてによって実装され得る。
[00127]送信回路1505は、本明細書に記載されている方法又はその均等物のいずれかで、1つ又は複数の送信電極により送信信号を送信する、又は送信しないように動作する。例えば、所与の時間間隔において、送信回路1505によって、複数の送信電極のうちの1つ又は複数の送信電極が送信するようにできる。複数の並行した送信がある場合、送信回路1505は、符号化されない、又は符号化される送信をもたらすように構成され得る。
[00128]受信回路1515は、本明細書に記載されている方法又はその均等物のいずれかで、送信された送信信号に対応する応答を含む結果として得られた信号を、受信電極を介して受信するように動作する。例えば、受信電極は、直列で(一度に1つ)、又は平行して(複数の受信電極が並行して受信する)受信することができる。
[00129]送信回路1505が複数のICに配置される場合、同じICが動作し、同じ又は異なるセクションの送信電極によって送信をもたらすようにしてもよい。また、送信回路1505の異なるICが動作し、同じ又は異なるセクションの送信電極によって送信をもたらすようにしてもよい。
[00130]同様に、受信回路1515が複数のICに配置されている場合、同じICが動作し、結果として得られた信号を同じ又は異なるセクションの受信電極から受信するようにしてもよい。また、受信回路1515の異なるICが、結果として得られた信号を同じ又は異なるセクションの受信電極から受信するようにしてもよい。
[00131]結果として得られた信号は、送信信号に対応する応答を含む。送信信号に対応する応答は、静電容量結合による受信電極上の送信信号の効果を反映する。結果として得られたこれらの信号は、干渉(例えば、環境雑音)などによる効果も含む。受信電極によって受信される結果として得られた信号は、例えば、受信電極のすぐ近くの複数の送信電極が並行して送信するときなど、複数の送信信号からの応答を含み得る。
[00132]受信回路1515を実装する複数のICを備える一実施形態において、ICによって提供される応答が比較可能なように、結果として得られた信号から導出される応答は、スケール変更される、又はそうでなければ調節される。例えば、異なるICによって提供される値は、これらのICに対応する異なるベースライン値と比較され得る。別の例として、第1のICは、第1の送信信号に対応する第1の応答と比例した第1の値を提供することができ、第2のICは、第1の送信信号又は第2の送信信号に対応する第2の応答と比例した第2の値を提供することができる。第1及び第2の値は、実際の電気的応答が異なるためではなく、第1と第2のIC間の(例えば、利得における)差のため異なり得る。処理システム1510は、第1及び第2の値のうちの少なくとも一方を比較可能なように調節するために、例えばメモリ1525などのメモリに格納された校正情報を使用することができる。
[00133]処理システム1510は、校正情報を使用して、第1の応答に対する第1の調節された値の第1の比例が第2の応答に対する第2の値の第2の比例に実質的に等しくなるように、第1の値を調節して、第1の調節された値を生成することができる。このことは、ある値を、別の値に一致するように調節する。別の例として、処理システム1510は、校正情報を使用して、第1の応答に対する第1の調節された値の第1の比例が第2の応答に対する第2の調節された値の第2の比例に実質的に等しくなるように、第1の値及び第2の値を調節して、それぞれ第1及び第2の調節された値を生成することができる。これによって、複数の値が共通のスケールに調節される。値を調節することは、異なるICにわたる応答の正規化を容易にし、(例えば、増幅の)異なる回路間の差を補償するのを助けることができる。これらの調節は、線形であってもよく、又は非線形であってもよい。
[00134]調節された値を生成するための校正情報は、ICにより校正機能を実行することによって取得され得る。例えば、製造中、周知の入力に対する出力値は、(例えば、IC当たり、受信電極当たり、画素当たりなど)適切なレベルで取得され、この校正情報を生成するために使用され得る。この校正情報は、メモリ1525に格納され得る。複数のICを有するいくつかの実施形態において、各ICは、受信電極及びそのICと関連した回路のための校正情報を格納するためのメモリ1525の一部を有し、各SEICは、それが提供する値を調節する。中央制御装置(例えば、図13〜14の中央制御装置1310及び1410など)を含む複数のICを有するいくつかの実施形態において、中央制御装置は、校正値を格納し、SEICから受信された値を校正する。SEIC及び中央制御装置を含む複数のICを有するいくつかの実施形態において、SEIC(複数可)及び中央制御装置は、校正情報を格納し、値を調節する。例えば、各SEICは、そのSEICの受信回路間の校正のための補正関数又は表を格納することができ、中央制御装置は、SEIC間の校正のための補正関数又は表を格納することができる。
[00135]処理システム1510は、分析回路1535を備えることもできる。この分析回路は、第1の受信電極から第1の受信回路によってそれ自体受信される第1の応答に基づいて情報を受信するように構成される。分析回路は、第2の受信電極から第2の受信回路によってそれ自体受信される第2の応答に基づいて情報を受信するようにも構成される。第1及び第2の受信回路は、受信回路1515の一部であり、同じICの一部又は異なるICの一部でもよい。分析回路1535は、上記の調節を実行するように構成され得る。
[00136]いくつかの実施形態では、分析回路1535は、異なる画素と関連した静電容量結合の量を推定するようにも構成される。複数の分割画素を有する実施形態において、分析回路1535は、適切な部分的な画素の応答に基づいて情報を使用して分割画素と関連した静電容量結合の量を推定する。分析回路1535は、部分的な画素測定を組み合わせることを含めて、任意の適切な方法でこの推定を行うことができる。いくつかの場合、部分的な画素測定は、(例えば、メモリ1525からの校正情報を使用して)適宜、スケール変更され、又は調節される。個別のICが分割画素の部分的な画素と関連した受信回路を含む場合、こうしたスケーリング又は調節は、より可能性が高い。
[00137]具体例として、分析回路1535は、まず、分割画素を構成する部分的な画素のすべてから情報を受信する。次いで、分析回路1535は、加重を分割画素の少なくとも1つの部分的な画素に適用する。こうした加重の適用によって、部分的な画素の貢献(複数可)を、比較可能なように調節する。加重は、数ある中でも、少なくとも1つの部分的な画素の局所的な静電容量結合を提供しているセンサ電極のサイズ、形状、又は配列に基づき得る。次いで、分析回路1535は、分割画素の静電容量結合の推定を生成するために、部分的な画素の加重/非加重の測定値を合計することができる。
[00138]分析回路1535は、他の機能を実行することもできる。例えば、分析回路1535は、区切られたセンサパターンの複数のセクションから受信された異なる画素応答からのフレーム画像をコンパイルすることができる。
[00139]処理システム1510は、符号化構成要素1545を含むこともできる。処理システム1510に含まれるときに、符号化構成要素1545は、センサパターンの複数の送信電極のうちの少なくとも2つで並行して送信される送信信号を一意にコード化するように動作する。符号化構成要素1545によって達成され得る符号化のいくつかの例は、上述されている。こうした符号化は、送信信号の並行した送信のために、同じ結果として得られた信号において混在する受信された応答を区別するのを助けることができる。
静電容量検知の方法例
[00140]図16A及び16Bは、様々な実施形態による、静電容量検知デバイスによる静電容量検知の方法例のフロー図1600を示す。静電容量検知デバイスは、オーミックシームによって区切られた複数の送信電極と、オーミックシームによって区切られた複数の受信電極とを備える。説明上、図6のセンサパターン600が参照される。しかし、フロー図1600の方法に記載されている手順は、本明細書に記載されている他のセンサパターン及びその均等物を含めて、他のセンサパターンを使用して実施されてもよいことを理解されたい。例えば、フロー図1600は、より多い又はより少ない送信機シーム又は受信シームを含む、より多い又はより少ないセクションを含む、分割画素を含むなどのセンサパターンにも適用される。さらに、説明上、図1の処理システム110及び図15の処理システム1510が参照される。しかし、他の実装形態において、別の構成要素(例えば、ホスト計算)がフロー図1600に示される手順の一部又は全部を実施することができることを認識されたい。いくつかの実施形態では、フロー図1600に記載されている手順のすべてが実施されるというわけではない。いくつかの実施形態では、記載されているものに加えて他の手順が実施されてもよい。いくつかの実施形態では、フロー図1600に記載されている手順は、例示され、及び/又は記載されているものとは異なる順序で実施されてもよい。
[00141]フロー図1600の1610で、一実施形態において、第1の送信信号は、複数の送信電極の第1の送信電極で送信される。第1の送信電極は、オーミックシームの第1の側に配置されている。図6を参照すると、センサパターン600を有する一実施形態を動作させる1つの方法で、これは、セクション1〜4のうちの1つにおけるセンサ電極(例えば、TX1,1)で第1の送信信号を送信するステップを含む。
[00142]フロー図1600の1620で、一実施形態において、第2の送信信号は、複数の送信電極の第2の送信電極で送信される。第2の送信電極は、第1の送信電極からのオーミックシームの第2の側に配置されている。再度図6を参照すると、センサパターン600を有する一実施形態を動作させる1つの方法で、これは、オーミックシーム605又はオーミックシーム615によって分離され得るセクション1〜4のうちの別の1つにおける送信電極で送信するステップを含む。
[00143]一実施形態において、1610及び1620のオーミックシームは、送信シームであり、第2の送信電極は、第1の送信電極の反対側に配置される(例えば、TX2,1は、送信シーム605を介して対向するTX1,1である)。こうした一実施形態において、第2の送信電極で第2の送信信号を送信するステップは、第1の送信信号が第1の送信電極で送信される第1の期間と少なくとも部分的に重なる第2の期間中に第2の送信電極で第2の送信信号を送信するステップを含み得る。こうした重なりは、様々な実施形態で、部分的でもよく、又は完全でもよい。
[00144]一実施形態において、1610及び1620のオーミックシームは、受信シームであり、第2の受信電極は、第1の受信電極から非隣接の方法で配置される(例えば、TX3,2は、受信シーム615のTX1,1とは異なる側に配置されており、TX1,1と隣接していない)。こうした一実施形態において、第2の送信電極で第2の送信信号を送信するステップは、第1の送信信号が第1の送信電極で送信される第1の期間と少なくとも部分的に重なる第2の期間中に第2の送信電極で第2の送信信号を送信するステップを備え得る。こうした重なりは、様々な実施形態で、部分的でもよく、又は完全でもよい。
[00145]一実施形態において、1610及び1620のオーミックシームは、受信シームであり、第2の受信電極は、第1の受信電極に隣接する方法で配置されている(例えば、TX3,1は、受信シーム615のTX1,1とは異なる側に配置されており、また、隣接するTX1,1でもある)。こうした実施形態において、第2の送信電極で第2の送信信号を送信するステップは、第1の送信信号が第1の送信電極で送信される第1の期間と少なくとも部分的に重ならない第2の期間中に第2の送信電極で第2の送信信号を送信するステップを備え得る。こうした非重なりは、部分的でもよく、又はまったく重なっていなくてもよい。
[00146]フロー図1600の1630で、一実施形態において、第1の送信信号に対応する第1の応答は、複数の受信電極の第1の受信電極で受信され、ここで、第1の受信電極は、オーミックシームの第1の側に配置されている。引き続き図6の例を参照すると、このことは、第1の送信電極と同じセクションにおける任意の受信電極で受信するステップを含むことができる。
[00147]フロー図1600の1640で、一実施形態において、第2の送信信号に対応する第2の応答は、複数の受信電極の第2の受信電極で受信され、ここで、第2の受信電極は、オーミックシームの第2の側にある。引き続き図6の例を参照すると、このことは、第2の送信電極と同じセクションにおける任意の受信電極で受信するステップを含むことができる。
[00148]フロー図1600の1650で、一実施形態において、方法は、オーミックシーム(受信シームとすることができる)に対して空間的に移動するシーケンスで送信信号を送信するステップをさらに含む。シーケンスは、オーミックシームから離れる第1のシーケンス、又はオーミックシームの方に進む第2のシーケンスであり得る。様々なこうしたシーケンスは、本明細書に記載されている。
[00149]フロー図1600の1660で、第3の送信電極は、オーミックシームの第1の側に配置されており、フロー図1600の方法は、第1の送信電極による第1の送信信号の送信と並行して第3の送信電極によって第3の送信信号を送信するステップをさらに含む。この送信は、第1の受信電極が、第1の応答と、第3の送信信号に対応する第3の応答とを組み合わせる、結果として得られた信号を受信するようになされる。第1の送信信号及び第3の送信信号は、本明細書に記載されている方法又はその均等物のいずれかで一意に符号化され得る。
[00150]フロー図1600の1670で、第1の応答及び第3の応答と関連した個別の結果は、結果として得られた信号を使用して決定される。いくつかの実施形態では、第1及び第2の送信信号の一意の符号化を使用し、したがって、組み合わされた結果として得られた信号から個別の結果を決定することによって、処理システム1510の分析回路1535(図15参照)などの分析回路は、デコードすることができる。
[00151]したがって、本明細書に記載されている実施形態及び例は、本発明及びその特定の用途を最適に説明し、それによって当業者が本発明を製作し使用することができるようにするために提示されている。しかし、上記の記述及び例が単に例示及び実施例のために提示されていることを当業者であれば理解されたい。記載された説明は、網羅的なもの、又は本発明を開示された正確な形に限定するためのものではない。
[00152]本明細書に記載されているすべての要素、部分、及びステップは、好適に含まれる。当業者であれば明らかであるように、これらの要素、部分、及びステップのいずれかが他の要素、部分、及びステップと置き換えられ得る、又はまったく削除され得ることを理解されたい。
[00153]広範には、この文書は、複数の送信電極を区切り、複数の受信電極も区切るオーミックシームを有しているトランスキャパシタンス型検知デバイスを開示する。処理システムは、送信電極及び受信電極に通信可能に結合され、オーミックシームの第1の側に配置された第1の送信電極により第1の送信信号を送信し、オーミックシームの第2の側に配置された第2の送信電極により第2の送信信号を送信し、オーミックシームの第1の側に配置された第1の受信電極により前記第1の送信信号に対応する第1の応答を受信し、オーミックシームの第2の側に配置された第2の受信電極により前記第2の送信信号に対応する第2の応答を受信するように構成される。
概念
[00154]この文書は、少なくとも以下の概念を開示している。
概念1 オーミックシームを有しているトランスキャパシタンス型検知デバイスであって、
前記オーミックシームによって区切られる複数の送信電極と、
前記オーミックシームによって区切られる複数の受信電極と、
前記複数の送信電極及び前記複数の受信電極に通信可能に結合される処理システムであり、
前記複数の送信電極のうちの第1の送信電極により第1の送信信号を送信し、前記第1の送信電極が前記オーミックシームの第1の側に配置され、
前記複数の送信電極のうちの第2の送信電極により第2の送信信号を送信し、前記第2の送信電極が前記オーミックシームの第2の側に配置され、
前記複数の受信電極のうちの第1の受信電極により前記第1の送信信号に対応する第1の応答を受信し、前記第1の受信電極が前記オーミックシームの前記第1の側に配置され、
前記複数の受信電極のうちの第2の受信電極により前記第2の送信信号に対応する第2の応答を受信し、前記第2の受信電極が前記オーミックシームの前記第2の側に配置される
ように構成される処理システムと
を備えるトランスキャパシタンス型検知デバイス。
概念2 前記処理システムが、
前記第1の応答と比例した第1の値を提供するように構成された第1の受信回路と、
前記第2の応答と比例した第2の値を提供するように構成された第2の受信回路と、
校正情報を格納するように構成されたメモリであり、前記校正情報が前記第1の値を調節して第1の調節された値を生成するように構成され、前記第1の応答に対する前記第1の調節された値の第1の比例が、前記第2の応答に対する前記第2の値又は調節された第2の値の第2の比例に実質的に等しい、メモリと
を備える概念1に記載のトランスキャパシタンス型検知デバイス。
概念3 前記処理システムが、
第1の集積回路に配置されている第1の受信回路であり、前記第1の受信電極から前記第1の応答を受信するように構成された、第1の受信回路と、
第2の集積回路に配置されている第2の受信回路であり、前記第2の受信回路が前記第2の受信電極から前記第2の応答を受信するように構成され、前記第2の集積回路が前記第1の集積回路と物理的に分離している、第2の受信回路と、
前記第1の受信回路からの前記第1の応答に基づく情報、及び前記第2の受信回路からの前記第2の応答に基づく情報を受信するように構成された分析回路と
を備える概念1に記載のトランスキャパシタンス型検知デバイス。
概念4 前記処理システムが、
前記複数の送信電極のうちの少なくとも2つより並行して送信される送信信号を一意に符号化するように構成された符号化構成要素
を備える概念1に記載のトランスキャパシタンス型検知デバイス。
概念5 前記処理システムが、
非送信期間中に前記複数の送信電極による送信を中断する
ようにさらに構成された概念1に記載のトランスキャパシタンス型検知デバイス。
概念6 前記オーミックシームが受信シームであり、前記第2の受信電極が前記第1の受信電極の反対側に配置され、前記第1の送信電極が前記第2の送信電極に隣接して配置される概念1に記載のトランスキャパシタンス型検知デバイス。
概念7 前記オーミックシームが送信シームであり、前記第2の送信電極が前記第1の送信電極の反対側に配置され、前記第2の受信電極が前記第1の受信電極に隣接して配置される概念1に記載のトランスキャパシタンス型検知デバイス。
概念8 前記オーミックシームが送信シームであり、前記第2の送信電極が前記第1の送信電極の反対側に配置され、前記処理システムが、
前記第1の送信電極によって前記第1の送信信号と、前記第2の送信電極によって前記第2の送信信号とを並行して送信する
ように構成された概念1に記載のトランスキャパシタンス型検知デバイス。
概念9 前記オーミックシームが受信シームであり、前記第2の送信電極が前記第1の送信電極に隣接せずに配置され、前記処理システムが、
前記第1の送信電極によって前記第1の送信信号と、前記第2の送信電極によって前記第2の送信信号とを並行して送信する
ように構成された概念1に記載のトランスキャパシタンス型検知デバイス。
概念10 前記複数の送信電極が第2のオーミックシームによってさらに区切られ、前記複数の受信電極が前記第2のオーミックシームによってさらに区切られる概念1に記載のトランスキャパシタンス型検知デバイス。
概念11 前記オーミックシームが第1の受信シームであり、前記第2のオーミックシームが第2の受信シームである概念10に記載のトランスキャパシタンス型検知デバイス。
概念12 前記オーミックシームが送信シームであり、前記第2のオーミックシームが受信シームである概念10に記載のトランスキャパシタンス型検知デバイス。
概念13 オーミックシームによって区切られた複数の送信電極と、前記オーミックシームによって区切られた複数の受信電極とを備える静電容量検知デバイスによる静電容量検知の方法であって、
前記複数の送信電極のうちの第1の送信電極により第1の送信信号を送信するステップであり、前記第1の送信電極が前記オーミックシームの第1の側に配置されている、ステップと、
前記複数の送信電極のうちの第2の送信電極により第2の送信信号を送信するステップであり、前記第2の送信電極が前記オーミックシームの第2の側に配置されている、ステップと、
前記複数の受信電極のうちの第1の受信電極により前記第1の送信信号に対応する第1の応答を受信するステップであり、前記第1の受信電極が前記オーミックシームの前記第1の側に配置されている、ステップと、
前記複数の受信電極のうちの第2の受信電極により前記第2の送信信号に対応する第2の応答を受信するステップであり、前記第2の受信電極が前記オーミックシームの前記第2の側に配置されている、ステップと
を含む方法。
概念14 前記オーミックシームが受信シームであり、前記複数の送信電極のうちの第3の送信電極が、前記第1の側に配置され、前記第1の送信電極より前記受信シームから遠く、前記複数の送信電極のうちの第4の送信電極が、前記第2の側に配置され、前記第2の送信電極より前記受信シームから遠く、前記方法が、
前記受信シームに対して空間的に移動しているシーケンスで送信信号を送信するステップであり、前記シーケンスが、前記受信シームから離れる第1のシーケンスと、前記受信シームの方に進む第2のシーケンスとから成る群から選択され、
前記第1のシーケンスが、
前記第1の送信電極により前記第1の送信信号を送信した前記ステップの後、前記第3の送信電極により第3の送信信号を送信するステップと、
前記第2の送信電極により前記第2の送信信号を送信した前記ステップの後、前記第4の送信電極により第4の送信信号を送信するステップと
に対応し、前記第2のシーケンスが、
前記第1の送信電極により前記第1の送信信号を送信する前記ステップの前に、前記第3の送信電極により第3の送信信号を送信するステップと、
前記第2の送信電極により前記第2の送信信号を送信する前記ステップの前に、前記第4の送信電極により第4の送信信号を送信するステップと
に対応する、ステップ
をさらに含む概念13に記載の方法。
概念15 前記オーミックシームが送信シームであり、前記第2の送信電極が前記第1の送信電極の反対側に配置され、第2の送信電極により前記第2の送信信号を送信する前記ステップが、
前記第1の送信信号が前記第1の送信電極より送信される第1の期間と少なくとも部分的に重なる第2の期間中に、前記第2の送信電極より前記第2の送信信号を送信するステップ
を含む概念13に記載の方法。
概念16 前記オーミックシームが受信シームであり、前記第2の受信電極が前記第1の受信電極の反対側に配置され、前記第2の送信電極が前記第1の送信電極に隣接せずに配置され、第2の送信電極により前記第2の送信信号を送信する前記ステップが、
前記第1の送信信号が前記第1の送信電極より送信される第1の期間と少なくとも部分的に重なる第2の期間中に、前記第2の送信電極より前記第2の送信信号を送信するステップ
を含む概念13に記載の方法。
概念17 前記オーミックシームが受信シームであり、前記第2の受信電極が前記第1の受信電極の反対側に配置され、前記第2の送信電極が前記第1の送信電極に隣接して配置され、第2の送信電極により前記第2の送信信号を送信する前記ステップであって、
前記第1の送信信号が前記第1の送信電極より送信される第1の期間と少なくとも部分的に重ならない第2の期間中に、前記第2の送信電極より前記第2の送信信号を送信するステップ
を含む概念13に記載の方法。
概念18 第3の送信電極が前記オーミックシームの前記第1の側に配置される方法であって、
前記第1の受信電極が、前記第1の応答と、第3の送信信号に対応する第3の応答とを組み合わせる、結果として得られた信号を受信するように、前記第1の送信電極により第1の送信信号を送信する前記ステップと並行して、前記第3の送信電極により前記第3の送信信号を送信するステップと、
前記結果として得られた信号を使用して、前記第1の応答及び前記第3の応答と関連した独立した結果を決定するステップと
をさらに含む概念13に記載の方法。
概念19 第1の方向に沿って配列され、オーミックシームによって区切られる複数の送信電極と、
前記第1の方向と非平行の第2の方向に沿って配列され、前記オーミックシームによって区切られる複数の受信電極であり、前記複数の送信電極及び前記複数の受信電極が、前記オーミックシームと一致している複数の分割画素を形成する、複数の受信電極と
を備えるトランスキャパシタンス型センサ電極配列。
概念20 前記オーミックシームが、前記複数の送信電極の第1の送信電極に重なっている受信シームであり、前記複数の分割画素のそれぞれが、前記第1の送信電極、及び前記複数の受信電極のうちの少なくとも2つの受信電極から形成される概念19に記載のトランスキャパシタンス型センサ電極配列。
概念21 前記オーミックシームが、前記複数の受信電極の第1の受信電極に重なっている送信シームであり、前記複数の分割画素のそれぞれが、前記第1の受信電極、及び前記複数の送信電極のうちの少なくとも2つの送信電極から形成される概念19に記載のトランスキャパシタンス型センサ電極配列。
概念22 静電容量検知デバイスを動作させるように構成された処理システムであって、
前記静電容量検知デバイスの複数の送信電極により送信するように構成された送信回路であり、前記複数の送信電極が第1の軸に沿って配置され、オーミックシームによって区切られる、送信回路と、
前記静電容量検知デバイスの複数の受信電極により受信するように構成された受信回路であり、前記複数の受信電極が前記第1の軸に非平行な第2の軸に沿って配置され、前記オーミックシームによって区切られ、前記複数の送信電極及び前記複数の受信電極が、前記オーミックシームと一致している複数の分割画素を形成する、受信回路と、
前記複数の分割画素の各分割画素と関連した静電容量結合の量を推定するように構成された分析回路と
を備える処理システム。
概念23 前記分析回路が、
前記複数の分割画素の各分割画素について、前記複数の受信電極を使用して取得された関連の部分的な画素測定を組み合わせること
によって前記複数の分割画素の各分割画素と関連した静電容量結合の量を推定するように構成された概念22に記載の処理システム。
概念24 前記分析回路が、
少なくとも1つの部分的な画素と関連した信号増幅の量に基づいて前記複数の分割画素の前記少なくとも1つの部分的な画素に加重を適用すること
によって前記複数の分割画素の各分割画素と関連した静電容量結合の量を推定するように構成された概念22に記載の処理システム。

Claims (7)

  1. オーミックシームを有しているトランスキャパシタンス型検知デバイスであって、
    前記オーミックシームによって区切られる複数の送信機電極と、
    前記オーミックシームによって区切られる複数の受信機電極であって、前記複数の送信機電極と前記複数の受信機電極とは同じセンサパターン内で交互に配置される、複数の受信機電極と、
    前記複数の送信機電極及び前記複数の受信機電極に通信可能に結合される処理システムであり、
    前記複数の送信機電極のうちの第1の送信機電極により第1の送信機信号を送信し、前記第1の送信機電極が前記オーミックシームの第1の側に配置され、
    前記複数の送信機電極のうちの第2の送信機電極により第2の送信機信号を送信し、前記第2の送信機電極が前記オーミックシームの第2の側に配置され、
    前記複数の受信機電極のうちの第1の受信機電極により前記第1の送信機信号に対応する第1の応答を受信し、前記第1の受信機電極が前記オーミックシームの前記第1の側に配置され、
    前記複数の受信機電極のうちの第2の受信機電極により前記第2の送信機信号に対応する第2の応答を受信し、前記第2の受信機電極が前記オーミックシームの前記第2の側に配置され、
    前記第1の送信機電極と前記第1の受信機電極とは異なる電極であり、
    前記第2の送信機電極と前記第2の受信機電極とは異なる電極である
    ように構成される処理システムと
    前記第1の応答と比例した第1の値を提供するように構成された第1の受信機回路と、
    前記第2の応答と比例した第2の値を提供するように構成された第2の受信機回路と、
    前記第2の値に対して前記第1の値を校正するように構成される校正情報を格納するように構成されたメモリと
    を備えるトランスキャパシタンス型検知デバイス。
  2. 前記処理システムが、
    第1の集積回路に配置されている第1の受信機回路であり、前記第1の受信機電極から前記第1の応答を受信するように構成された、第1の受信機回路と、
    第2の集積回路に配置されている第2の受信機回路であり、前記第2の受信機回路が前記第2の受信機電極から前記第2の応答を受信するように構成され、前記第2の集積回路が前記第1の集積回路と物理的に分離している、第2の受信機回路と、
    前記第1の受信機回路からの前記第1の応答に基づく情報、及び前記第2の受信機回路からの前記第2の応答に基づく情報を受信するように構成された分析回路と
    を備える請求項に記載のトランスキャパシタンス型検知デバイス。
  3. 前記処理システムが、
    前記複数の送信機電極のうちの少なくとも2つより並行して送信される送信機信号を一意に符号化するように構成された符号化構成要素
    を備える請求項1又は2に記載のトランスキャパシタンス型検知デバイス。
  4. 前記処理システムが、前記第1の送信機電極による前記第1の送信機信号の送信と、前記第2の送信機電極による前記第2の送信機信号の送信とを並行して実行するように構成され、
    記第2の送信機電極が前記第1の送信機電極の反対側に配置される請求項1〜の何れか一項に記載のトランスキャパシタンス型検知デバイス。
  5. オーミックシームによって区切られた複数の送信機電極と複数の受信機電極とを備える静電容量検知デバイスであって、前記複数の受信機電極は前記複数の送信機電極に直交して配置され、前記オーミックシームは、前記複数の送信機電極のうちの一つの送信機電極に重なる受信機シームを含み、該受信機シームが重なる送信機電極の第1の部分と第2の部分とは前記オーミックシームの反対側にあり、該受信機シームが重なる前記送信機電極と、前記複数の受信機電極のうちの少なくとも2つの受信機電極とによって分割画素が形成される、静電容量検知デバイスによる静電容量検知の方法であって、
    前記複数の送信機電極のうちの第1の送信機電極により第1の送信機信号を送信するステップであり、前記第1の送信機電極が前記オーミックシームの第1の側に配置されている、ステップと、
    前記複数の送信機電極のうちの第2の送信機電極により第2の送信機信号を送信するステップであり、前記第2の送信機電極が前記オーミックシームの第2の側に配置されている、ステップと、
    前記複数の受信機電極のうちの第1の受信機電極により前記第1の送信機信号に対応する第1の応答を受信するステップであり、前記第1の受信機電極が前記オーミックシームの前記第1の側に配置され、前記第1の送信機電極と前記第1の受信機電極とは異なる電極である、ステップと、
    前記複数の受信機電極のうちの第2の受信機電極により前記第2の送信機信号に対応する第2の応答を受信するステップであり、前記第2の受信機電極が前記オーミックシームの前記第2の側に配置され、前記第2の送信機電極と前記第2の受信機電極とは異なる電極である、ステップと
    を含む方法。
  6. 前記オーミックシームが受信機シームであり、前記複数の送信機電極のうちの第3の送信機電極が、前記第1の側に配置され、前記第1の送信機電極より前記受信機シームから遠く、前記複数の送信機電極のうちの第4の送信機電極が、前記第2の側に配置され、前記第2の送信機電極より前記受信機シームから遠く、前記方法が、
    前記受信機シームに対して空間的に移動するシーケンスで送信機信号を送信するステップであり、前記シーケンスが、前記受信機シームから離れる第1のシーケンスと、前記受信機シームの方に進む第2のシーケンスとから成る群から選択され、
    前記第1のシーケンスが、
    前記第1の送信機電極により前記第1の送信機信号を送信した前記ステップの後、前記第3の送信機電極により第3の送信機信号を送信するステップと、
    前記第2の送信機電極により前記第2の送信機信号を送信した前記ステップの後、前記第4の送信機電極により第4の送信機信号を送信するステップと
    に対応し、前記第2のシーケンスが、
    前記第1の送信機電極により前記第1の送信機信号を送信する前記ステップの前に、前記第3の送信機電極により第3の送信機信号を送信するステップと、
    前記第2の送信機電極により前記第2の送信機信号を送信する前記ステップの前に、前記第4の送信機電極により第4の送信機信号を送信するステップと
    に対応する、ステップ
    をさらに含む請求項に記載の方法。
  7. 第2の送信機電極により前記第2の送信機信号を送信する前記ステップが、
    前記第1の送信機信号が前記第1の送信機電極より送信される第1の期間と少なくとも部分的に重なる第2の期間中に、前記第2の送信機電極より前記第2の送信機信号を送信するステップ
    を含む請求項又はに記載の方法。
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