JP5738211B2 - ガスタービンにおけるディスク軸心調整機構 - Google Patents
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Description
特許文献1には、排気キャビティの下流側の排気ディフューザを貫通して排気ディフューザの内側において、排気キャビティに連通する排気トンネルと車室外とを連通する空気取入口が設けられ、この空気取入口から取り入れた空気をストラットとストラットカバーとの間の空間を通して吸引排気手段としての配管により排気キャビティ外に排出する冷却系統を備えた構造について記載されている。
また、ストラットの剛性が不足している場合でも、ロータの重量によって軸心がずれてしまう可能性があり、継続的な監視が必要であることから、その点で改善の余地があった。
このように、ストラットの熱伸び量を監視し、冷却により複数のストラットの熱伸び量を調整することができるので、ストラットによってベアリングケースを介して支持されたロータの軸心の偏差を抑制することができ、これによりロータに支持される各動翼と車室壁とのクリアランスの偏差も抑えることができる。
図1に示すように、本第1の実施の形態のディスク軸心調整機構は、ガスタービン1において、排気ディフューザを含むガスタービン排気部2に設けられている冷却機構を制御することで、ディスク軸心を調整するものである。
ガスタービン1は、給気設備3において取り入れた空気を圧縮して燃焼用の圧縮空気を得る圧縮機4と、この圧縮機4からの圧縮空気を燃料とともに燃焼して高温高圧の燃焼ガスを発生させる燃焼器5と、この燃焼器5からの燃焼ガスによってロータ6(6A、6B)の回転動力を得るタービン7と、を備えて概略構成されている。
なお、タービン7は、1軸でも2軸でも構わないが、本実施の形態では1軸のものを一例として以下説明する。
図2および図7に示すように、ステップS1では、各ストラット14に設けた温度センサ25によってストラット14のメタル温度が計測される。そして、流量調整制御部26において、検出した温度に基づいて、それぞれのストラット14の平均熱伸び量が算出される(ステップS2)。つまり、ストラット14の長さ方向に設けられている4つの温度センサ25の検出温度の平均値から熱伸び量を算出する。
ここで、ストラット14の熱伸びはストラット14で支持されるベアリングケース11に変位をもたらし、ロータ6の軸心に偏差が生じることになる。
図3に示すように、本実施の形態のディスク軸心調整機構では、車室壁10の外側の空気を、車室壁10に設けられた複数の空気導入孔17よりストラット14とストラットカバー15との間を流通させることで、ストラット14の温度を低下させることができる。そして、温度センサ25によってストラット14の熱伸びに対応するパラメータを検出し、この検出値に基づいて図7に示すように流量調整弁20を調整することで、空気導入孔17を流通する空気の流量を変更することができる。
このように、ストラット14の熱伸び量を監視し、冷却により複数のストラット14の熱伸び量を調整することができるので、ストラット14によってベアリングケース11を介して支持されたロータ6の軸心の偏差を抑制することができ、これによりロータ6に支持される各動翼と車室壁10とのクリアランスの偏差も抑えることができる。
しかも、ロータ6の軸心を継続的に監視することができる効果を奏する。
上述した第1の実施の形態では流量調整弁20の開閉板23(図6参照)を手動で開閉する構成としていたが、本変形例では、図2に示す流量調整制御部26の指令に基づいて流量調整弁20の開閉板23の開閉動作を自動で制御する構成となっている。
すなわち、図8に示すように、ステップS4で特定したストラット14の熱伸び量と、複数のストラット14の偏差値とに基づいて、特定したストラット14に対応する開閉板23の開閉量(開度)、すなわち空気の流量が計算される(ステップSS4A)。そして、ステップS5では、ステップS4Aで求められた開閉量に基づいて、所定の流量調整弁20が調整される。
次に、図9および図10に示すように、第2の実施の形態によるガスタービンにおけるディスク軸心調整機構では、上述した第1の実施の形態で各ストラット14に設けた温度センサ25(図3)に加え、センサ部としてレーザ変位計27を設けた構成となっている。レーザ変位計27は、上述した温度センサ25と同様にストラット14の熱伸びに対応するパラメータを検出するためのものであり、車室壁10の外側に設けられ、ストラット14が介在するストラットカバー15の内側の領域にレーザ光線Lを通過させて、ベアリングケース11の外周部11aの所定部分までの変位量を計測するものである。
図12に示すように、第3の実施の形態によるガスタービンにおけるディスク軸心調整機構では、車室壁10の外側の上端10a、および下端10bの位置に、車室壁10の変位を接触により測定する変位センサ30を設け、これら変位センサ30で検出した車室壁10の変位に基づいて車室壁10の外周表面に空気を吹き掛ける構成となっている。
図13に示すように、変位センサ30によって検出した車室壁10の変位を小さくするための冷却フローF3は、温度センサ25やレーザ変位計27に基づく流量調整フローF0とは別の動作フローとなっている。
なお、ストラット14が取り付けられている車室壁10自体が楕円変形していた場合は、その分が誤差となってロータ6の偏心につながる可能性がある。つまり、上記クリアランスは、流量調整弁20による流量調整によっても補正できるので、変位センサ30によって検出された変位についても流量調整弁20の調整条件としている。
また、ステップS12の流量調整後に再び変位センサ30で車室壁10の変位が検出され、流量調整前後のクリアランスが比較され(ステップS13)、更にクリアランス偏差が計算され(ステップS14)、ステップS9で計算された空気の流量が補正されるフローとなり、これにより車室壁10と各動翼(ロータ6)とのクリアランスの最適条件が計算される。
そして、この検出した車室壁10の変位を上記温度センサ25などのセンサ部で検出したストラット14の熱伸びに対応させて流量調整弁20を調整し、車室壁10と動翼とのクリアランスを考慮してロータ6の軸心の偏差を調整することができる。
2 ガスタービン排気部
6 ロータ
6A タービンのロータ
6B 圧縮機のロータ
7 タービン
9 排気ダクト
10 車室壁
11 ベアリングケース
12 排気キャビティ
13 排気ディフューザ
14 ストラット
15 ストラットカバー
17 空気導入孔
18 仕切り板
20 流量調整弁(流量調整部)
21 固定フランジ
22 交換フランジ
23 開閉板
25 温度センサ(センサ部)
26 流量調整制御部
27 レーザ変位計(センサ部)
28 透過部
30 変位センサ
R 冷却流路
Claims (6)
- タービンの下流側にそれぞれ接続された車室壁とベアリングケースとの間に設けられた外側ディフューザと内側ディフューザとを有する排気ディフューザと、
該排気ディフューザを貫通して前記車室壁と前記ベアリングケースとを連結し、周方向に間隔をあけて複数設けられたストラットと、
前記ストラットを覆うように、前記外側ディフューザと前記内側ディフューザとを連結するストラットカバーと、
を備えたガスタービンにおけるディスク軸心調整機構であって、
前記車室壁は、各前記ストラットに対応するようにそれぞれ設けられて、内外を連通する複数の空気導入孔を有し、
前記ストラットの熱伸びに対応するパラメータを検出するセンサ部と、
該センサ部での検出値に基づいて前記空気導入孔を流通する空気の流量を調整する流量調整部と、
を備えることを特徴とするガスタービンにおけるディスク軸心調整機構。 - 前記センサ部は、前記ストラットの温度を検出する温度センサであることを特徴とする請求項1に記載のガスタービンにおけるディスク軸心調整機構。
- 前記温度センサは、熱電対であり、
前記ストラットの長さ方向に沿って複数設けられていることを特徴とする請求項2に記載のガスタービンにおけるディスク軸心調整機構。 - 前記センサ部は、前記車室壁の外側に設けられ、前記ストラットが介在する前記ストラットカバーの内側の領域にレーザ光線を通過させて、前記ベアリングケースの外周部までの変位量を計測するレーザ変位計であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のガスタービンにおけるディスク軸心調整機構。
- 前記ストラットカバーと前記車室壁の内周面との間の空間を円周方向に区画する仕切り板が設けられ、
1つの前記ストラットが該仕切り板によって区画された領域内に配置されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のガスタービンにおけるディスク軸心調整機構。 - 前記車室壁には、該車室壁の変位を測定する変位センサが設けられ、
該変位センサで検出した前記車室壁の変位に基づいて、前記車室壁の外周表面に空気を吹き掛けることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のガスタービンにおけるディスク軸心調整機構。
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