JP5738211B2 - ガスタービンにおけるディスク軸心調整機構 - Google Patents

ガスタービンにおけるディスク軸心調整機構 Download PDF

Info

Publication number
JP5738211B2
JP5738211B2 JP2012027334A JP2012027334A JP5738211B2 JP 5738211 B2 JP5738211 B2 JP 5738211B2 JP 2012027334 A JP2012027334 A JP 2012027334A JP 2012027334 A JP2012027334 A JP 2012027334A JP 5738211 B2 JP5738211 B2 JP 5738211B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
strut
gas turbine
flow rate
displacement
struts
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012027334A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013164009A (ja
Inventor
元春 植田
元春 植田
永護 加藤
永護 加藤
伊藤 栄作
栄作 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Heavy Industries Ltd filed Critical Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority to JP2012027334A priority Critical patent/JP5738211B2/ja
Priority to EP13746013.5A priority patent/EP2813685B1/en
Priority to US14/376,035 priority patent/US9567873B2/en
Priority to PCT/JP2013/053113 priority patent/WO2013118880A1/ja
Publication of JP2013164009A publication Critical patent/JP2013164009A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5738211B2 publication Critical patent/JP5738211B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Description

本発明は、ガスタービンのガスタービン排気部に設けられるディスク軸心調整機構に関する。
従来、ガスタービンのタービン部では、タービンからの燃焼ガスの静圧を回復させるために、タービンの燃焼ガス出口に接続した二重管構造の排気ディフューザを用いているのが、この排気ディフューザを含むガスタービン排気部も冷却対象となっているのが一般的となっている。
通常、ガスタービン排気部は、外側ディフューザと内側ディフューザとからなる排気ディフューザと、この排気ディフューザを覆うように設けた車室壁及びベアリングケースからなる排気キャビティと、排気ディフューザを貫通して車室壁とベアリングケースとを連結するストラットと、このストラットを覆うように外側ディフューザと内側ディフューザとを連結するストラットカバーと、を備えて概略構成されている。
このようなガスタービンでは、冷却系統によりストラット部や排気トンネル内の空気の置換を促進し、ガスタービン排気部の冷却効果を高めるようにした冷却構造が、例えば特許文献1に開示されている。
特許文献1には、排気キャビティの下流側の排気ディフューザを貫通して排気ディフューザの内側において、排気キャビティに連通する排気トンネルと車室外とを連通する空気取入口が設けられ、この空気取入口から取り入れた空気をストラットとストラットカバーとの間の空間を通して吸引排気手段としての配管により排気キャビティ外に排出する冷却系統を備えた構造について記載されている。
特許第4681458号公報
しかしながら、特許文献1に示す従来のガスタービン排気部に設けられる冷却構造では、ストラットとストラットカバーとの間に供給される空気量を制御していないため、その空気の供給量にバラツキが生じるおそれがあった。その場合、ストラット同士の間で温度差が発生し、これによりストラットのそれぞれに長さ方向(ロータに近接離反する方向)の熱伸び偏差が発生することとなり、ロータの軸心がずれるおそれがあった。そして、軸心のずれはロータに支持される動翼と車室壁とのクリアランスの偏差を引き起こすため、ラビング等が発生する可能性があった。
また、ストラットの剛性が不足している場合でも、ロータの重量によって軸心がずれてしまう可能性があり、継続的な監視が必要であることから、その点で改善の余地があった。
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、ストラットを冷却する空気の流量を調整することでロータの軸心の偏差を抑制することができ、しかもロータの軸心を継続的に監視することが可能となるガスタービンにおけるディスク軸心調整機構を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係るガスタービンにおけるディスク軸心調整機構では、タービンの下流側にそれぞれ接続された車室壁ベアリングケースとの間に設けられた外側ディフューザと内側ディフューザとを有する排気ディフューザと、排気ディフューザを貫通して車室壁とベアリングケースとを連結し、周方向に間隔をあけて複数設けられたストラットと、ストラットを覆うように、外側ディフューザと内側ディフューザとを連結するストラットカバーと、を備えたガスタービンにおけるディスク軸心調整機構であって、車室壁は、各ストラットに対応するようにそれぞれ設けられて、内外を連通する複数の空気導入孔を有し、ストラットの熱伸びに対応するパラメータを検出するセンサ部と、センサ部での検出値に基づいて空気導入孔を流通する空気の流量を調整する流量調整部と、を備えることを特徴としている。
本発明では、車室壁の外側の空気を、車室壁に設けられた複数の空気導入孔よりストラットとストラットカバーとの間を流通させることで、ストラットの温度を低下させることができる。そして、センサ部によってストラットの熱伸びに対応するパラメータを検出し、この検出値に基づいて流量調整部を調整することで、空気導入孔を流通する空気の流量を変更することができる。例えば、複数のストラットのそれぞれの熱伸び量に基づいて、それらストラットの熱伸び偏差を算出し、熱伸び量の大きなストラットを特定するとともに、その特定のストラットに対して適正な流量の空気を流通させて冷却することが可能となる。
このように、ストラットの熱伸び量を監視し、冷却により複数のストラットの熱伸び量を調整することができるので、ストラットによってベアリングケースを介して支持されたロータの軸心の偏差を抑制することができ、これによりロータに支持される各動翼と車室壁とのクリアランスの偏差も抑えることができる。
また、本発明のディスク軸心調整機構によれば、センサ部でストラットの熱伸びに対応するパラメータをリアルタイムで監視することができるので、上述した計算に基づいて空気導入孔を流通する空気の流量を調整する動作フローを継続することが可能となる。そのため、前記動作フローを続けることで複数のストラットの熱伸び量を平均化することができ、且つタービンの運転を継続的に安定させることができる。
また、本発明に係るガスタービンにおけるディスク軸心調整機構では、センサ部は、ストラットの温度を検出する温度センサであることが好ましい。
この場合、ストラットの温度を温度センサによって検出し、この検出した温度から熱伸び量を算出し、この流量調整部を調整することで、空気導入孔を流通する空気の流量を変更することができる。
また、本発明に係るガスタービンにおけるディスク軸心調整機構では、温度センサは、熱電対であり、ストラットの長さ方向に沿って複数設けられていることが好ましい。
この場合、ストラットの長さ方向の複数箇所の温度を検出することができるので、ストラットの長さ方向の温度のばらつきが小さくなって平均化される。したがって、検出値の精度を高めることができ、ロータの軸心の偏差の補正精度を向上させることができる。
また、本発明に係るガスタービンにおけるディスク軸心調整機構では、センサ部は、車室壁の外側に設けられ、ストラットが介在するストラットカバーの内側の領域にレーザ光線を通過させて、ベアリングケースの外周部までの変位量を計測するレーザ変位計であってもよい。
この場合、ストラットとストラットカバーとの間の空間でストラットに近接する位置にレーザ光線が通過し、ベアリングケースのストラットが固定される位置に近接する部分までの変位量をレーザ変位計で計測することができる。つまり、この変位量は、ストラットの長さ方向の寸法と同等となるので、この変位量からストラットの熱伸び量を算出し、流量調整部を調整することで、空気導入孔を流通する空気の流量を変更することができる。
また、本発明に係るガスタービンにおけるディスク軸心調整機構では、ストラットカバーと車室壁の内周面との間の空間を円周方向に区画する仕切り板が設けられ、1つのストラットが仕切り板によって区画された領域内に配置されていることが好ましい。
本発明では、各ストラットに対応する仕切り板で区画される領域が形成され、その領域内の車室壁に空気導入孔を配置することで、ストラットに個別に対応する空気導入孔を設けることができる。この場合、ストラットとストラットカバーとの間の空間を流通する空気の流量を安定させることができ、センサ部の検出値に基づくストラットの熱伸び量の補正精度を高めることができる。また、ストラット毎に対応する流量調整部を調整することができるので、複数のストラットを同時に冷却することも可能であり、ストラット全体の熱伸びに対応することができるという利点がある。
また、本発明に係るガスタービンにおけるディスク軸心調整機構では、車室壁には、車室壁の変位を測定する変位センサが設けられ、変位センサで検出した車室壁の変位に基づいて、車室壁の外周表面に空気を吹き掛けることがより好ましい。
本発明では、上述したストラットの熱伸びに対応するパラメータを検出するセンサ部とは別で、変位センサで検出した車室壁の変位に基づいて車室壁の外周表面に空気を吹き掛けることで前記車室壁の変位を補正することができる。そして、この車室壁の変位をセンサ部で検出したストラットの熱伸びに対応させて流量調整部を調整し、車室壁と動翼とのクリアランスを考慮したロータの軸心における偏差の調整を行うことができる。
本発明のガスタービンにおけるディスク軸心調整機構によれば、センサ部によってストラットの熱伸びに対応するパラメータを検出し、この検出値に基づいて流量調整部を調整することで、空気導入孔を流通する空気の流量を変更することができ、これによりロータの軸心の偏差を抑制することができる。しかも、ロータの軸心を継続的に監視することができるという効果を奏する。
本発明の第1の実施の形態によるガスタービンの構成を示す半断面図である。 図1に示すA−A線断面図である。 図2に示す冷却流路の拡大図である。 (a)、(b)は、流量調整弁の断面図である。 (a)、(b)は、流量調整弁の交換フランジの平面図である。 流量調整弁の開閉状態を説明するための平面図である。 第1の実施の形態の冷却動作を示すフロー図である。 第1の実施の形態の変形例による冷却動作を示すフロー図である。 第2の実施の形態のディスク軸心調整機構を模式的に示した側面図である。 第2の実施の形態によるディスク軸心調整機構の断面図である。 第2の実施の形態の冷却動作を示すフロー図である。 第3の実施の形態のディスク軸心調整機構を模式的に示した断面図である。 第3の実施の形態の冷却動作を示すフロー図である。
以下、本発明の実施の形態によるガスタービンにおけるディスク軸心調整機構について、図面に基づいて説明する。かかる実施の形態は、本発明の一態様を示すものであり、この発明を限定するものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。
(第1の実施の形態)
図1に示すように、本第1の実施の形態のディスク軸心調整機構は、ガスタービン1において、排気ディフューザを含むガスタービン排気部2に設けられている冷却機構を制御することで、ディスク軸心を調整するものである。
ガスタービン1は、給気設備3において取り入れた空気を圧縮して燃焼用の圧縮空気を得る圧縮機4と、この圧縮機4からの圧縮空気を燃料とともに燃焼して高温高圧の燃焼ガスを発生させる燃焼器5と、この燃焼器5からの燃焼ガスによってロータ6(6A、6B)の回転動力を得るタービン7と、を備えて概略構成されている。
なお、タービン7は、1軸でも2軸でも構わないが、本実施の形態では1軸のものを一例として以下説明する。
タービン7のロータ6Aは、圧縮機4のロータ6Bに中間軸8を介して連結しており、燃焼器5からの燃焼ガスの流体エネルギーを回転エネルギーに変換し、この回転エネルギーを圧縮機4のロータ6Bに伝達して圧縮機4を駆動させると共に、圧縮機4のロータ6Bに連結した図示しない発電機を発電させる。タービン7から排出される燃焼ガス(排気ガス)は、ガスタービン排気部2及び排気ダクト9を通り図示しない煙突を介して大気に放出される。
ガスタービン排気部2は、図2にも示すように、タービン7の下流側にそれぞれ接続した円筒状の車室壁10とベアリングケース11とで画成された排気キャビティ12と、車室壁10とベアリングケース11との間に設けられた外側ディフューザ13aと内側ディフューザ13bとからなりタービン7の燃焼ガス出口に接続して同タービン7からの燃焼ガスの静圧を回復させる排気ディフューザ13と、排気ディフューザ13を貫通して車室壁10とベアリングケース11とを連結するストラット14と、ストラット14を覆うように、外側ディフューザ13aと内側ディフューザ13bとを連結するストラットカバー15と、を備えている。
車室壁10は、複数段のタービン静翼やストラット14等に対応して軸方向に複数分割されている。ストラット14は円周方向に等間隔でかつベアリングケース11の接線方向に6本設けられている。尚、ストラット14の本数は、これに限定されるものではない。
そして、本実施の形態では、車室壁10における各ストラット14の連結部に近接する位置には、内外(排気トンネル16と車室外(図示しないエンクロージャ内で略大気圧))を連通する空気導入孔17が設けられている。つまり、空気導入孔17から導入された空気がストラット14とストラットカバー15との間の空間(以下、冷却流路Rという)を流通して排気キャビティ12内へ送られる構成となっている。ここで、空気導入孔17の車室壁10における位置は、図2の紙面に向かって、周方向でストラット14を挟んで反時計回り側に近接する位置である。
空気導入孔17から導入される空気は、略大気圧下にある空気導入孔17と負圧下にある吸気設備3のベルマウス部との差圧により、ストラット14とストラットカバー15との間の冷却流路R内を空気導入孔17から吸気設備3のベルマウス部へと吸引される。
また、本実施の形態では、ストラットカバー15と車室壁10の内周面との間には、円周方向に区画する仕切り板18が各ストラット14に対応するように6箇所に設けられている。仕切り板18は、図2で紙面に向かって周方向でストラット14を挟んで反時計回り側で、ストラット14とこれに近接する空気導入孔17との間に配置されている。これにより、所定位置の空気導入孔17から供給された空気は、図3に示すように、仕切り板18によって区画された所定の流路、すなわちストラットカバー15と車室壁10との間の空間Sと、ストラット14とストラットカバー15との間の冷却流路Rと、を通過して排気キャビティ12内へ流入することになる。
また、空気導入孔17には、車室壁10の外側の位置に流量調整弁20が設けられている。流量調整弁20は、図4(a)に示すように、空気導入孔17と同径の開口穴21aを有する鍔部21b付きの固定フランジ21と、固定フランジ21に対して重ね合わせるようにしてボルト等で着脱自在に設けられた開口穴22aを有する交換フランジ22と、交換フランジ22の開口穴22aを適宜な開度に調整可能な開閉板23と、を備えている(図6参照)。
交換フランジ22は、開口穴22aの開口面にメッシュ材22bが設けられており、開口穴22aの穴径の異なるものを固定フランジ21に対して適宜着脱して取り付けることがきる。つまり、交換フランジ22の開口穴22aは、図4(a)および図5(a)に示すように固定フランジ21の開口穴21aと同径のものや、図4(b)および図5(b)に示すような固定フランジ21の開口穴21aよりも小さなものでも良い。そして、交換フランジ22は、車室壁10の外側に設けられているので、ガスタービン1の運転中にも適宜な穴径のものに交換することが可能である。
図6に示すように、開閉板23は、交換フランジ22の開口面に沿ってスライド可能に設けられ、操作部23aを後述する流量調整制御部26によって得られた指示値に基づいて段階的に切り換えることで交換フランジ22の開口穴22aの開口面積を調整できる構成となっている。
図2に示すように、上述した流量調整手段は、各ストラット14に設けられ、ストラット14の熱伸びに対応するパラメータであるストラット14の温度を検出する熱電対などの温度センサ25(センサ部)と、温度センサ25での検出値(温度)に基づいて空気導入孔17を流通する空気の流量を調整する流量調整制御部26と、からなる。
温度センサ25は、ストラット14の長さ方向(ストラット14における車室壁10とベアリングケース11との延在方向)に沿って等間隔に複数(4つ)設けられている。なお、ストラット14あたりの温度センサ25の数量は、適宜設定することができ、本実施の形態では各ストラット14に対して4つの温度センサ25を設けているが、これに限定されず、ストラット14のそれぞれに少なくとも1つの温度センサ25が設けられていればよい。
図2に示す流量調整制御部26は、各温度センサ25による測定値に基づいて各ストラット14の熱伸び量を算出し、複数の流量調整弁20を開閉するものである。
ここで、上述した流量調整手段によって、空気導入孔17から供給される空気の導入量を調整する方法について、図面に基づいて説明する。
図2および図7に示すように、ステップS1では、各ストラット14に設けた温度センサ25によってストラット14のメタル温度が計測される。そして、流量調整制御部26において、検出した温度に基づいて、それぞれのストラット14の平均熱伸び量が算出される(ステップS2)。つまり、ストラット14の長さ方向に設けられている4つの温度センサ25の検出温度の平均値から熱伸び量を算出する。
ここで、ストラット14の熱伸びはストラット14で支持されるベアリングケース11に変位をもたらし、ロータ6の軸心に偏差が生じることになる。
次に、ステップS3において複数(6本)のストラット14の熱伸び偏差が計算され、それらストラット14のうち熱伸び量の大きなストラット14が特定される(ステップS4)。そして、本実施の形態では、ステップS4で特定されたストラット14の熱伸び量から特定したストラット14に必要な空気量を算出し、その特定されたストラット14に対応する流量調整弁20を手動で流量調整する(ステップS5)。
これにより、流量調整弁20で流量調整された空気が、特定されたストラット14に対応する冷却流路R(ストラット14とストラットカバー15との間の空間)内に流通するので、その特定されたストラット14が冷却されて熱伸び量が低減される。そのため、ベアリングケース11の変位を小さくすることができ、ロータ6の軸心の偏差を補正することができる。
ここで、ステップS1による温度センサ25による計測は、リアルタイムで行われており、流量調整弁20による流量調整後の状態においてもストラット14の熱伸び量が算出される。そのため、上述したステップS1〜S5の動作フローが循環している状態となり、ロータ6の軸心が常時監視されている。
次に、ガスタービンにおけるディスク軸心調整機構の作用について、図面に基づいてさらに具体的に説明する。
図3に示すように、本実施の形態のディスク軸心調整機構では、車室壁10の外側の空気を、車室壁10に設けられた複数の空気導入孔17よりストラット14とストラットカバー15との間を流通させることで、ストラット14の温度を低下させることができる。そして、温度センサ25によってストラット14の熱伸びに対応するパラメータを検出し、この検出値に基づいて図7に示すように流量調整弁20を調整することで、空気導入孔17を流通する空気の流量を変更することができる。
このように、ストラット14の熱伸び量を監視し、冷却により複数のストラット14の熱伸び量を調整することができるので、ストラット14によってベアリングケース11を介して支持されたロータ6の軸心の偏差を抑制することができ、これによりロータ6に支持される各動翼と車室壁10とのクリアランスの偏差も抑えることができる。
また、温度センサ25でストラット14の熱伸びに対応するパラメータをリアルタイムで監視することができるので、上述した計算に基づいて空気導入孔17を流通する空気の流量を調整する動作フローを継続することが可能となる。そのため、前記動作フローを続けることで複数のストラット14の熱伸び量を平均化することができ、且つガスタービン1の運転を継続的に安定させることができる。
さらに、温度センサ25が熱電対であり、ストラット14の長さ方向に沿って複数設けられていることから、ストラット14の長さ方向の複数箇所の温度を検出することができるので、ストラット14の長さ方向の温度のばらつきが小さくなって平均化される。したがって、検出値の精度を高めることができ、ロータ6の軸心の偏差の補正精度を向上させることができる。
さらにまた、本実施の形態のディスク軸心調整機構では、各ストラット14に対応する仕切り板18で区画される領域が形成され、その領域内の車室壁10に空気導入孔17を配置することで、ストラット14に個別に対応する空気導入孔17を設けることができる。この場合、ストラット14とストラットカバー15との間の冷却流路Rを流通する空気の流量を安定させることができ、温度センサ25の検出値に基づくストラット14の熱伸び量の補正精度を高めることができる。また、ストラット14毎に対応する流量調整弁20を調整することができるので、複数のストラット14を同時に冷却することも可能であり、ストラット全体の熱伸びに対応することができるという利点がある。
また、本実施の形態では、流量調整弁20の開閉動作を開閉板23によって手動操作で行う構造であるので、自動調整などの複雑な機能が不要であり、運転中に作業員が流量調整を行い、ロータ6の軸心の偏差を調整することができる。つまり、複雑な調整機構に頼らないのでコストを削減することができる。
上述した本第1の実施の形態によるガスタービンにおけるディスク軸心調整機構では、温度センサ25によってストラット14の熱伸びに対応するパラメータを検出し、この検出値に基づいて流量調整弁20を調整することで、空気導入孔17を流通する空気の流量を変更することができ、これによりロータ6の軸心の偏差を抑制することができる。
しかも、ロータ6の軸心を継続的に監視することができる効果を奏する。
次に、本発明のガスタービンにおけるディスク軸心調整機構による他の実施の形態および変形例について、添付図面に基づいて説明するが、上述の第1の実施の形態と同一又は同様な部材、部分には同一の符号を用いて説明を省略し、第1の実施の形態と異なる構成について説明する。
(変形例)
上述した第1の実施の形態では流量調整弁20の開閉板23(図6参照)を手動で開閉する構成としていたが、本変形例では、図2に示す流量調整制御部26の指令に基づいて流量調整弁20の開閉板23の開閉動作を自動で制御する構成となっている。
すなわち、図8に示すように、ステップS4で特定したストラット14の熱伸び量と、複数のストラット14の偏差値とに基づいて、特定したストラット14に対応する開閉板23の開閉量(開度)、すなわち空気の流量が計算される(ステップSS4A)。そして、ステップS5では、ステップS4Aで求められた開閉量に基づいて、所定の流量調整弁20が調整される。
(第2の実施の形態)
次に、図9および図10に示すように、第2の実施の形態によるガスタービンにおけるディスク軸心調整機構では、上述した第1の実施の形態で各ストラット14に設けた温度センサ25(図3)に加え、センサ部としてレーザ変位計27を設けた構成となっている。レーザ変位計27は、上述した温度センサ25と同様にストラット14の熱伸びに対応するパラメータを検出するためのものであり、車室壁10の外側に設けられ、ストラット14が介在するストラットカバー15の内側の領域にレーザ光線Lを通過させて、ベアリングケース11の外周部11aの所定部分までの変位量を計測するものである。
レーザ変位計27は、ストラット14とストラットカバー15との間の空間(冷却流路R)の延長線上に位置する車室壁10にガラス製などから形成された透過部28が設けられ、その透過部28の外周側に発光・受光するレーザ光線Lが透過部28を通過するようにして配置されている。このレーザ光線Lは、ストラットカバー15内において、ストラット14に近接する位置で、そのストラット14の略長さ方向に沿って照射される。
そして、図2に示す流量調整制御部26では、図11に示すように、車室壁10とベアリングケース11との間の距離は決まっているので、ステップS6においてレーザ変位計27で計測されると、ステップS7で変位量がストラット14の熱伸び量として換算され、複数のストラット14のそれぞれの熱伸び偏差が計算される。
このステップS6、S7は、温度センサ25におけるステップS1〜S3(上述)と並列なフローとなり、それぞれのフローF1、F2(温度センサ25による第1計算フローF1とレーザ変位計27による第2計算フローF2)に基づいて、ステップS8においてストラット14のうち熱伸び量の大きなストラット14が特定される。そして、空気の流量が計算され(ステップS9)、ステップS10においてステップS9で求めた流量に基づいて、所定の流量調整弁20が調整される。
本第2の実施の形態では、図11に示すように、ストラット14とストラットカバー15との間の空間でストラット14に近接する位置にレーザ光線Lが通過し、ベアリングケース11のストラット14が固定される位置に近接する部分までの変位量をレーザ変位計27で計測することができる。つまり、この変位量は、ストラット14の長さ方向の寸法と同等となるので、この変位量からストラット14の熱伸び量を算出し、流量調整弁20を調整することで、空気導入孔17を流通する空気の流量を変更することができる。
(第3の実施の形態)
図12に示すように、第3の実施の形態によるガスタービンにおけるディスク軸心調整機構では、車室壁10の外側の上端10a、および下端10bの位置に、車室壁10の変位を接触により測定する変位センサ30を設け、これら変位センサ30で検出した車室壁10の変位に基づいて車室壁10の外周表面に空気を吹き掛ける構成となっている。
具体的には、車室壁10の外周面の測定箇所(ここでは上端10a、下端10b)に計測用突起31を設け、この計測用突起31に変位センサ30の検出部30aを接触させている。そして、車室壁10の外周面の上半部分は、保温材32で被覆されるとともに、その保温材32を外側から貫通して空気導入口33が設けられている。この空気導入口33は、例えば小型圧縮空気装置34(コンプレッサ)に接続されている。これにより、空気導入口33から吹き出された空気を車室壁10の上半部分の外周表面に直接吹き掛けて冷却するとともに、保温材32の内側にもその空気が供給されるので、その上半部分の温度を低下させ、車室壁10自体の偏心を抑制することができる。これにより、車室壁10における各動翼(ロータ6)とのクリアランス偏差を小さくすることができる。
また、図13は、本第3の実施の形態による動作フローであって、上述した第2の実施の形態による動作フローに基づくものである。
図13に示すように、変位センサ30によって検出した車室壁10の変位を小さくするための冷却フローF3は、温度センサ25やレーザ変位計27に基づく流量調整フローF0とは別の動作フローとなっている。
なお、ストラット14が取り付けられている車室壁10自体が楕円変形していた場合は、その分が誤差となってロータ6の偏心につながる可能性がある。つまり、上記クリアランスは、流量調整弁20による流量調整によっても補正できるので、変位センサ30によって検出された変位についても流量調整弁20の調整条件としている。
具体的に図13の流量調整フローF0において、図9に示す温度センサ25およびレーザ変位計27で検出したストラット14の熱伸びに対応するパラメータ(ステップS7)は、ステップS11で空気の流量が計算された後、ステップS12において流量調整弁20が調整される。
また、ステップS12の流量調整後に再び変位センサ30で車室壁10の変位が検出され、流量調整前後のクリアランスが比較され(ステップS13)、更にクリアランス偏差が計算され(ステップS14)、ステップS9で計算された空気の流量が補正されるフローとなり、これにより車室壁10と各動翼(ロータ6)とのクリアランスの最適条件が計算される。
本第3の実施の形態では、上述したストラット14の熱伸びに対応するパラメータを検出する温度センサ25やレーザ変位計27とは別で、変位センサ30で検出した車室壁10の変位に基づいて車室壁10の外周表面に空気を吹き掛けることで前記車室壁10の変位を補正することができる。
そして、この検出した車室壁10の変位を上記温度センサ25などのセンサ部で検出したストラット14の熱伸びに対応させて流量調整弁20を調整し、車室壁10と動翼とのクリアランスを考慮してロータ6の軸心の偏差を調整することができる。
以上、本発明によるガスタービンにおけるディスク軸心調整機構の実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
1 ガスタービン
2 ガスタービン排気部
6 ロータ
6A タービンのロータ
6B 圧縮機のロータ
7 タービン
9 排気ダクト
10 車室壁
11 ベアリングケース
12 排気キャビティ
13 排気ディフューザ
14 ストラット
15 ストラットカバー
17 空気導入孔
18 仕切り板
20 流量調整弁(流量調整部)
21 固定フランジ
22 交換フランジ
23 開閉板
25 温度センサ(センサ部)
26 流量調整制御部
27 レーザ変位計(センサ部)
28 透過部
30 変位センサ
R 冷却流路

Claims (6)

  1. タービンの下流側にそれぞれ接続された車室壁ベアリングケースとの間に設けられた外側ディフューザと内側ディフューザとを有する排気ディフューザと、
    該排気ディフューザを貫通して前記車室壁と前記ベアリングケースとを連結し、周方向に間隔をあけて複数設けられたストラットと、
    前記ストラットを覆うように、前記外側ディフューザと前記内側ディフューザとを連結するストラットカバーと、
    を備えたガスタービンにおけるディスク軸心調整機構であって、
    前記車室壁は、各前記ストラットに対応するようにそれぞれ設けられて、内外を連通する複数の空気導入孔を有し、
    前記ストラットの熱伸びに対応するパラメータを検出するセンサ部と、
    該センサ部での検出値に基づいて前記空気導入孔を流通する空気の流量を調整する流量調整部と、
    を備えることを特徴とするガスタービンにおけるディスク軸心調整機構。
  2. 前記センサ部は、前記ストラットの温度を検出する温度センサであることを特徴とする請求項1に記載のガスタービンにおけるディスク軸心調整機構。
  3. 前記温度センサは、熱電対であり、
    前記ストラットの長さ方向に沿って複数設けられていることを特徴とする請求項2に記載のガスタービンにおけるディスク軸心調整機構。
  4. 前記センサ部は、前記車室壁の外側に設けられ、前記ストラットが介在する前記ストラットカバーの内側の領域にレーザ光線を通過させて、前記ベアリングケースの外周部までの変位量を計測するレーザ変位計であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のガスタービンにおけるディスク軸心調整機構。
  5. 前記ストラットカバーと前記車室壁の内周面との間の空間を円周方向に区画する仕切り板が設けられ、
    1つの前記ストラットが該仕切り板によって区画された領域内に配置されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のガスタービンにおけるディスク軸心調整機構。
  6. 前記車室壁には、該車室壁の変位を測定する変位センサが設けられ、
    該変位センサで検出した前記車室壁の変位に基づいて、前記車室壁の外周表面に空気を吹き掛けることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のガスタービンにおけるディスク軸心調整機構。
JP2012027334A 2012-02-10 2012-02-10 ガスタービンにおけるディスク軸心調整機構 Active JP5738211B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012027334A JP5738211B2 (ja) 2012-02-10 2012-02-10 ガスタービンにおけるディスク軸心調整機構
EP13746013.5A EP2813685B1 (en) 2012-02-10 2013-02-08 Disc shaft center adjusting mechanism in gas turbine
US14/376,035 US9567873B2 (en) 2012-02-10 2013-02-08 Disc axis adjusting mechanism in gas turbine
PCT/JP2013/053113 WO2013118880A1 (ja) 2012-02-10 2013-02-08 ガスタービンにおけるディスク軸心調整機構

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012027334A JP5738211B2 (ja) 2012-02-10 2012-02-10 ガスタービンにおけるディスク軸心調整機構

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013164009A JP2013164009A (ja) 2013-08-22
JP5738211B2 true JP5738211B2 (ja) 2015-06-17

Family

ID=49175516

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012027334A Active JP5738211B2 (ja) 2012-02-10 2012-02-10 ガスタービンにおけるディスク軸心調整機構

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5738211B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7452345B2 (ja) 2020-09-17 2024-03-19 村田機械株式会社 回転装置及びコンベヤ装置

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6601948B2 (ja) * 2015-09-02 2019-11-06 三菱日立パワーシステムズ株式会社 ガスタービン
CN105673097B (zh) * 2016-04-15 2017-08-29 中国科学院工程热物理研究所 一种低进气度部分进气涡轮级间过渡段结构及其设计方法
KR101764059B1 (ko) 2016-07-04 2017-08-01 두산중공업 주식회사 가스 터빈 엔진용 프리 스월러
DE112021000203T5 (de) 2020-04-24 2022-08-25 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. Wärmeisolationsmaterialanordnung und Gasturbine
CN113431801B (zh) * 2021-08-26 2022-01-28 中国航发上海商用航空发动机制造有限责任公司 孔探辅助装置、静子机匣和孔探方法

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE10303088B4 (de) * 2002-02-09 2015-08-20 Alstom Technology Ltd. Abgasgehäuse einer Wärmekraftmaschine
JP4969500B2 (ja) * 2008-03-28 2012-07-04 三菱重工業株式会社 ガスタービン
JP4958967B2 (ja) * 2009-12-15 2012-06-20 川崎重工業株式会社 換気構造を改良したガスタービンエンジン

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7452345B2 (ja) 2020-09-17 2024-03-19 村田機械株式会社 回転装置及びコンベヤ装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013164009A (ja) 2013-08-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2013118880A1 (ja) ガスタービンにおけるディスク軸心調整機構
JP5738211B2 (ja) ガスタービンにおけるディスク軸心調整機構
JP4806012B2 (ja) ガスタービン燃焼室の動作系を制御するための方法および装置
JP4969500B2 (ja) ガスタービン
JP4274666B2 (ja) ガスタービン
US7819623B2 (en) Clearance control apparatus
JP2017155744A (ja) 配管故障検知方法及びシステム
JP2003239705A (ja) 熱機関の排気ケーシング
US9249686B2 (en) Housing and turbomachine
JPH11173106A (ja) ガスタービン静翼の段間シールアクティブクリアランス制御システム
JP2015041384A (ja) システム筐体換気監視システム
JP6776092B2 (ja) 蒸気タービン及び温度制御方法
KR102395354B1 (ko) 냉각 공기 조정 밸브의 밸브 개방도 결정 장치, 디스크 캐비티 목표 온도 결정 장치, 및 디스크 캐비티 온도 제어 장치
JP5738214B2 (ja) ガスタービンにおけるディスク軸心調整機構
US20160102577A1 (en) Power turbine cooling air metering ring
JP6472267B2 (ja) エコノマイザ、コンポジットボイラ、及び使用方法
US10309246B2 (en) Passive clearance control system for gas turbomachine
JP2008180220A (ja) 高馬力ガスタービン用の予測モデル式制御システム
JP6797658B2 (ja) エアサイクルマシン内の少なくとも1つの軸受の温度を管理するためのシステムおよび方法
US8322202B2 (en) Method for inspecting a turbine installation and corresponding device
JP2008506063A (ja) タービンの冷却空気システムを監視するための方法および装置
JP2005240573A (ja) 二軸式ガスタービン及びその冷却空気供給方法
US10215059B2 (en) Active draft control for combined cycle power plant shutdown
JP3784808B2 (ja) 流体機械とその冷却方法
US20130276458A1 (en) Gas turbine inlet system and method

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140221

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150217

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150318

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20150319

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150407

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150421

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5738211

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151