はじめに、本実施の形態から抽出され得る発明群を必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、発明の実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
手段1.遊技内容が払出遊技内容となったことに基づいて遊技媒体の払出を行う払出手段(払出装置224)を備えた遊技機において、
複数の記憶領域(第1記憶領域RA1〜第256記憶領域RA256等)を有し、前記払出遊技内容に応じた遊技媒体数の情報又はそれに対応した情報を、前記記憶領域の数の範囲内において払出遊技内容毎に異なる記憶領域に記憶する個別記憶手段(入賞記憶用リングバッファ313a又は賞球記憶用リングバッファ333b)と、
払出を行う遊技媒体数の情報を記憶する払出記憶手段(賞球数記憶エリア333a)と、
前記各記憶領域のうち一部の記憶領域に記憶されている情報に基づいて特定された遊技媒体数の情報を前記払出記憶手段に記憶させる記憶実行手段(払出制御基板322のCPU331におけるステップS907の処理を行う機能又は払出制御基板322のCPU331におけるステップS2907の処理を行う機能)と、
前記払出記憶手段に記憶されている情報に対応した遊技媒体数の払出を行うべく前記払出手段を駆動制御する駆動制御手段(払出制御基板322のCPU331におけるステップS1204の処理を行う機能又は払出制御基板322のCPU331におけるステップS2910の処理を行う機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
手段1によれば、払出遊技内容に応じた遊技媒体数の情報又はそれに対応した情報は、個別記憶手段の各記憶領域に個別に記憶される。そして、各記憶領域のうち一部の記憶領域に記憶されている情報に基づいて特定された遊技媒体数の情報が払出記憶手段において記憶され、その払出記憶手段に記憶されている情報に対応した遊技媒体数が払出手段を介して払い出される。
上記構成とすることにより、払出遊技内容に対する払出対象を特定するための情報は、それぞれ個別に個別記憶手段の各記憶領域に記憶され、払出に際しての遊技媒体数の特定を行うための情報は払出記憶手段に記憶されることとなる。よって、電気的なノイズ等の影響で払出記憶手段に記憶されている情報が書き換えられてしまったとしても、その書き換えられてしまった情報は払出を実行すべき遊技媒体数の情報のうち一部の情報であるため、当該書き換えられてしまったことによる影響を低減することができる。つまり、従来の遊技機のように払出記憶手段に、払出を実行すべき遊技媒体数の情報の全てを記憶させる構成を想定すると、電気的なノイズ等の影響で払出記憶手段に記憶されている情報が書き換えられてしまうと、払出を実行すべき全ての遊技媒体数に影響することとなるが、本構成によれば一部の遊技媒体数に対する影響だけで済む。
また、個別記憶手段の各記憶領域には払出遊技内容に対する払出対象を特定するための情報がそれぞれ個別に記憶されるため、一の記憶領域に記憶された情報が電気的なノイズ等の影響で書き換えられてしまったとしても、その影響を一の払出遊技内容に対する情報に留めることが可能となる。
以上より、ノイズ等の影響が低減され、遊技媒体の付与を良好に行うことができる。
なお、「払出遊技内容」は、遊技球が流下するとともに当該遊技球が入球可能な払出用入球部が設置された遊技領域を有する遊技機においては、払出用入球部に遊技球が入球することとしてもよい。また、絵柄の可変表示を実行する絵柄表示手段を有し、当該絵柄表示手段の停止絵柄に応じて遊技媒体が払い出される遊技機においては、絵柄表示手段の停止絵柄が遊技媒体の払出に対応した停止絵柄となることとしてもよい。
また、「遊技媒体数の情報又はそれに対応した情報」には、遊技媒体数そのものの情報だけでなく、遊技媒体数を特定する上で参照できる情報が含まれる。例えば、遊技媒体数の情報とそれに対応した参照基準情報とが設定され、さらにそれらの対応関係を記憶した対応関係情報が記憶されており、参照基準情報を参照することで遊技媒体数の情報が特定される構成においては、個別記憶手段の各記憶領域にて上記参照基準情報を記憶する構成としてもよい。また、参照基準情報として、第1参照基準情報と第2参照基準情報とを備えており、第1参照基準情報に基づいて第2参照基準情報が特定され、第2参照基準情報に基づいて遊技媒体数の情報が特定される構成においては、個別記憶手段の各記憶領域にて上記第1参照基準情報を記憶する構成としてもよい。
また、「特定された遊技媒体数の情報を前記払出記憶手段に記憶させる」には、特定された遊技媒体数の情報をそのまま払出記憶手段に記憶させる構成だけでなく、既に払出記憶手段に記憶されている遊技媒体数の情報に対して上記特定された遊技媒体数の情報を加算する構成も含まれる。なお、この「加算」は、処理として加算することのみに限定されることはなく、処理としては減算処理を実行したとしても、実質的に払出記憶手段に記憶される遊技媒体数が加算されるのであればよい。
手段2.手段1において、前記個別記憶手段の記憶領域に記憶されている情報を読み取る読取手段(主制御基板301のCPU311におけるステップS805の処理を行う機能又は払出制御基板322のCPU331におけるステップS2903の処理を行う機能)と、
前記記憶領域に記憶され得る遊技媒体数の情報又はそれに対応した情報を参照用情報として予め記憶する参照用記憶手段(入賞テーブル記憶エリア312a又は賞球テーブル記憶エリア332a)と、
前記読取手段が読み取った情報が前記参照用情報と一致しない場合に前記読取手段の読み取った情報を予め定められた修正用情報に修正する読取修正手段(主制御基板301のCPU311におけるステップS807の処理を行う機能又は払出制御基板322のCPU331におけるステップS2906の処理を行う機能)と、
を備え、
前記記憶実行手段は、前記読取手段が読み取った情報又は前記修正手段により修正された修正用情報に基づいて特定された前記遊技媒体数の情報を前記払出記憶手段に記憶させるものであることを特徴とする遊技機。
手段2によれば、個別記憶手段の記憶領域から読み取られた情報が参照用情報と一致しない場合には、その一致しない情報は修正用情報に修正される。そして、払出記憶手段には、記憶領域から読み取られた情報又は修正用情報に基づいて特定された遊技媒体数の情報が記憶される。これにより、個別記憶手段の記憶領域に記憶されている情報がノイズ等の影響で書き換えられてしまったとしても、その情報は修正用情報に修正されそれに対応した遊技媒体数の情報が払出記憶手段に記憶されることとなり、個別記憶手段についてもノイズ等の影響を低減することが可能となる。
手段3.手段2において、前記払出遊技内容は複数種類設定されているとともに、前記払出遊技内容に応じた遊技媒体数も複数種類設定されており、
前記修正用情報は、前記払出遊技内容に応じた遊技媒体数のうち、最大の遊技媒体数に対応した情報であることを特徴とする遊技機。
手段3によれば、修正用情報は、払出遊技内容に応じた遊技媒体数のうち最大の遊技媒体数に対応した情報であるため、個別記憶手段の記憶領域に記憶されている情報がノイズ等の影響で書き換えられてしまったとしても、遊技者が不利益を被らないようにすることができる。
手段4.手段1乃至3のいずれか1において、前記払出記憶手段に記憶されている情報に対応した遊技媒体数が予め定められた上限遊技媒体数を超えている場合に、当該上限遊技媒体数以下となるように前記払出記憶手段に記憶されている情報を修正する払出修正手段(払出制御基板322のCPU331におけるステップS1202又はステップS2909の処理を行う機能)をさらに備えていることを特徴とする遊技機。
手段4によれば、払出記憶手段に記憶されている遊技媒体数がノイズ等の影響で書き換えられて上限遊技媒体数を超えたとしても、その情報は上限遊技媒体数以下となるように修正される。これにより、ノイズ等の影響で払出記憶手段に記憶されている遊技媒体数が上限遊技媒体数を越えたとしても、遊技ホールが不利益を被らないようにすることができる。
手段5.手段1乃至4のいずれか1において、前記記憶実行手段は、前記払出記憶手段に記憶されていた情報に対応した遊技媒体数が前記払出手段により全て払い出された場合に、前記各記憶領域のうち一部の記憶領域に記憶されている情報に基づいて特定されたものであって次に払出を実行する遊技媒体数の情報を前記払出記憶手段に記憶させることを特徴とする遊技機。
手段5によれば、払出記憶手段に記憶されていた情報に対応した遊技媒体数が払出手段により全て払い出されることで、個別記憶手段の各記憶領域のうち一部の記憶領域に記憶されている情報に基づいて特定されたものであって次に払出を実行する遊技媒体数の情報が払出記憶手段に記憶される。これにより、払出を実行すべき遊技媒体数の情報の一部を払出記憶手段に記憶させるようにした構成において、遊技媒体の払出が円滑に行われる。
手段6.手段1乃至4のいずれか1において、前記払出手段により遊技媒体の払出が行われた場合にその払出が行われた数が前記払出記憶手段に記憶されている情報に反映されるように当該払出記憶手段に記憶されている情報を更新する更新手段(払出制御基板322のCPU331におけるステップS1205又はステップS2911の処理を行う機能)をさらに備え、
前記記憶実行手段は、前記払出記憶手段に記憶されている情報に対応した遊技媒体数が前記更新手段により更新されて予め定められた付加基準数となった場合に、前記各記憶領域のうち一部の記憶領域に記憶されている情報に基づいて特定されたものであって次に払出を実行する遊技媒体数を、前記払出記憶手段に既に記憶されている遊技媒体数に付加するものであることを特徴とする遊技機。
手段6によれば、払出記憶手段に記憶されている情報は、払出手段により払出が完了した遊技媒体の数が反映されるように更新されていく。そして、払出記憶手段に記憶されている情報に対応した遊技媒体数が付加基準数となった場合には、個別記憶手段の各記憶領域のうち一部の記憶領域に記憶されている情報に基づいて特定されたものであって次に払出を実行する遊技媒体数が払出記憶手段に既に記憶されている遊技媒体数に付加される。これにより、払出を実行すべき遊技媒体数の情報の一部を払出記憶手段に記憶させるようにした構成において、遊技媒体の払出が円滑に行われる。
特に、払出記憶手段に記憶されている遊技媒体数を全て払い出す前の段階で、次に払出を実行する遊技媒体数を付加するようにすることで、払出記憶手段に遊技媒体数の情報を付加する処理を実行する上である程度の処理時間を要するとしても、その処理時間の間は未だ払出記憶手段に記憶されている情報に対応した遊技媒体数の払出が継続されることとなる。つまり、上記処理時間の間、遊技媒体の払出が停止してしまうことはなく、遊技媒体の払出を連続的なものとすることが可能となる。
なお、「付加基準数」は自然数であればよい。
手段7.手段6において、前記付加基準数は、前記駆動制御手段により当該付加基準数の遊技媒体を払い出す上で要する払出時間よりも、前記付加実行手段が前記各記憶領域のうち一部の遊技媒体数を前記払出記憶手段に既に記憶されている遊技媒体数に付加する上で要する処理時間の方が短くなるように設定されていることを特徴とする遊技機。
手段7によれば、払出記憶手段に記憶されている遊技媒体数を全て払い出す前の段階で、次に払出を実行する遊技媒体数を付加するようにすることで、払出記憶手段に遊技媒体数の情報を付加する処理を実行する上である程度の処理時間を要するとしても、その処理時間の間は未だ払出記憶手段に記憶されている情報に対応した遊技媒体数の払出が継続されることとなる。つまり、上記処理時間の間、遊技媒体の払出が停止してしまうことはなく、遊技媒体の払出を連続的なものとすることが可能となる。
手段8.手段1乃至5のいずれか1において、前記個別記憶手段を有する主制御装置(主制御装置162)と、
前記払出記憶手段、前記記憶実行手段及び前記駆動制御手段を有する払出制御装置(払出制御装置242)と、を備え、
前記主制御装置は、前記各記憶領域のうち一部の記憶領域に記憶されている情報に対応した払出指令情報を前記払出制御装置に出力する指令情報出力手段(主制御基板301のCPU311におけるステップS501の処理を行う機能)をさらに備え、
前記記憶実行手段は、前記払出指令情報に基づいて特定された遊技媒体数の情報を前記払出記憶手段に記憶させるものであることを特徴とする遊技機。
手段8によれば、個別記憶手段が主制御装置に設けられ、払出記憶手段が払出制御装置に設けられており、さらに払出制御装置において払出記憶手段への記憶処理及び払出手段の駆動制御処理が実行される。これにより、遊技媒体の払出を行うための機能が複数の制御装置に分けられることとなり、上記各機能を一の制御装置が全て有する構成に比して、各制御装置の負荷が低減される。
また、上記各機能を一の制御装置が全て有する構成では、当該制御装置に対して電気的なノイズ等が発生すると、個別記憶手段及び払出記憶手段の両方がその影響を受けてしまうことが懸念される。これに対して、個別記憶手段が主制御装置に設けられ、払出記憶手段が払出制御装置に設けられていることにより、上記ノイズ等に対するリスクが分散される。さらには、主制御装置と払出制御装置とを離して設けることで、当該リスク分散の効果がより高められる。
また、上記構成において、主制御装置から払出制御装置へ、個別記憶手段の各記憶領域のうち一部の記憶領域に記憶されている情報に対応した払出指令情報が出力され、払出制御装置ではその入力した払出指令情報に基づいて遊技媒体数の情報を特定し、その特定した遊技媒体数の情報を払出記憶手段に記憶させる。これにより、上記のように主制御装置に個別記憶手段を設け、払出制御装置に払出記憶手段を設けた構成において、遊技媒体の払出が円滑に行われる。
手段9.手段1乃至5のいずれか1において、前記個別記憶手段を含む主制御側記憶手段を有する主制御装置(主制御装置162)と、
前記払出記憶手段を含む払出制御側記憶手段を有するとともに、前記記憶実行手段及び前記駆動制御手段を有する払出制御装置(払出制御装置242)と、
外部電源から供給される電力に基づいて前記主制御装置及び前記払出制御装置に動作電力を供給する電力供給手段(電入時用電源部321a)と、
を備え、
前記主制御装置は、前記各記憶領域のうち一部の記憶領域に記憶されている情報に対応した払出指令情報を前記払出制御装置に出力する指令情報出力手段(主制御基板301のCPU311におけるステップS501の処理を行う機能)をさらに備え、
前記記憶実行手段は、前記払出指令情報に基づいて特定された遊技媒体数の情報を前記払出記憶手段に記憶させるものであり、
さらに、前記主制御側記憶手段及び前記払出制御側記憶手段は共に自身に電力が供給されている間は情報の記憶保持を可能とするものであり、
前記外部電源からの電力供給が行われていない状況において前記主制御側記憶手段に電力を供給し、前記払出制御側記憶手段に電力を供給しない電断時用電源手段(電断時用電源部321c)を備えていることを特徴とする遊技機。
手段9によれば、個別記憶手段が主制御装置に設けられ、払出記憶手段が払出制御装置に設けられており、さらに払出制御装置において払出記憶手段への記憶処理及び払出手段の駆動制御処理が実行される。これにより、遊技媒体の払出を行うための機能が複数の制御装置に分けられることとなり、上記各機能を一の制御装置が全て有する構成に比して、各制御装置の負荷が低減される。
また、上記各機能を一の制御装置が全て有する構成では、当該制御装置に対して電気的なノイズ等が発生すると、個別記憶手段及び払出記憶手段の両方がその影響を受けてしまうことが懸念される。これに対して、個別記憶手段が主制御装置に設けられ、払出記憶手段が払出制御装置に設けられていることにより、上記ノイズ等に対するリスクが分散される。なお、主制御装置と払出制御装置とを離して設けることで、当該リスク分散の効果がより高められる。
また、上記構成において、主制御装置から払出制御装置へ個別記憶手段の各記憶領域のうち一部の記憶領域に記憶されている情報に対応した払出指令情報が出力され、払出制御装置ではその受け取った払出指令情報に基づいて遊技媒体数の情報を特定し、その特定した遊技媒体数の情報を払出記憶手段に記憶させる。これにより、上記のように主制御装置に個別記憶手段を設け、払出制御装置に払出記憶手段を設けた構成において、遊技媒体の払出が円滑に行われる。
さらには、個別記憶手段を含む主制御側記憶手段及び払出記憶手段を含む払出制御側記憶手段は共に自身に電力が供給されている間は情報の記憶保持を可能とするものであり、遊技機に対して外部電源から電力が供給されている間はこれら両記憶手段に電力が供給され、情報の記憶保持が行われる。これに対して、遊技機に対して外部電源から電力が供給されていない状況では、電断時用電源手段から主制御側記憶手段に電力が供給されるが、払出制御側記憶手段には電力が供給されず、主制御側記憶手段においては情報の記憶保持が行われるが、払出制御側記憶手段においては情報の記憶保持が行われない。これにより、払出制御側記憶手段にも電断時用電源手段から電力を供給する構成に比べ、電断時用電源手段の低容量化が図られ、それに伴って遊技機の低コスト化が図られる。
また、当該構成であっても、主制御側記憶手段には電断時用電源手段から電力が供給されるため、払出を実行すべき遊技媒体数の情報のうち多数の情報を記憶させておくことが可能な個別記憶手段において情報の記憶保持が行われる。
手段10.手段8又は9において、前記払出制御装置は、
前記払出手段により遊技媒体の払出が行われた場合にその払出が行われた数が前記払出記憶手段に記憶されている情報に反映されるように当該払出記憶手段に記憶されている情報を更新する更新手段(払出制御基板322のCPU331におけるステップS1205の処理を行う機能)と、
前記払出記憶手段に記憶されている遊技媒体数の情報が前記更新手段により更新されて予め定められた付加基準数の情報となった場合に、前記主制御装置に要求情報を出力する要求情報出力手段(払出制御基板322のCPU331におけるステップS1207の処理を行う機能)と、
をさらに備え、
前記指令情報出力手段は、前記要求情報の入力に応じて前記払出指令情報を出力するものであり、
前記記憶実行手段は、前記払出指令情報に基づいて特定された遊技媒体数を、前記払出記憶手段に既に記憶されている遊技媒体数に付加するものであることを特徴とする遊技機。
手段10によれば、払出記憶手段に記憶されている情報は、払出手段により払出が完了した遊技媒体の数が反映されるように更新されていく。そして、払出記憶手段に記憶されている情報に対応した遊技媒体数が付加基準数となった場合には、払出制御装置から主制御装置に要求情報を出力する。主制御装置では払出制御装置からの要求情報の入力に応じて、個別記憶手段の各記憶領域のうち一部の記憶領域に記憶されている情報に基づいて特定されたものであって次に払出を実行する遊技媒体数の情報に対応した払出指令情報を払出制御装置に出力する。払出制御装置ではその払出指令情報に基づいて特定された遊技媒体数を払出記憶手段に既に記憶されている遊技媒体数に付加する。これにより、主制御装置に個別記憶手段を設けるとともに払出制御装置に払出記憶手段を設け、払出を実行すべき遊技媒体数の情報の一部を払出記憶手段に記憶させるようにした構成において、遊技媒体の払出が円滑に行われる。
特に、払出記憶手段に記憶されている遊技媒体数を全て払い出す前の段階で、次に払出を実行する遊技媒体数を付加するようにすることで、主制御装置と払出制御装置との間での要求情報及び払出指令情報の入出力や、払出記憶手段に遊技媒体数の情報を付加する処理を実行する上である程度の時間を要するとしても、その時間の間は未だ払出記憶手段に記憶されている情報に対応した遊技媒体数の払出が継続されることとなる。つまり、上記時間の間、遊技媒体の払出が停止してしまうことはなく、遊技媒体の払出を連続的なものとすることが可能となる。
手段11.手段8乃至10のいずれか1において、前記払出制御装置は、
前記指令情報出力手段から出力され得る前記払出指令情報又はそれに対応した情報を払出指令参照用情報として予め記憶する払出指令参照用記憶手段(賞球テーブル記憶エリア332a)と、
前記指令情報出力手段から入力した払出指令情報が前記払出指令参照用情報と一致しない場合にその入力した払出指令情報を予め定められた払出指令修正用情報に修正する払出指令修正手段(払出制御基板322のCPU331におけるステップS906の処理を行う機能)と、
を備え、
前記記憶実行手段は、前記指令情報出力手段から入力した払出指令情報又は前記払出指令修正手段により修正された払出指令修正用情報に基づいて特定された前記遊技媒体数の情報を前記払出記憶手段に記憶させるものであることを特徴とする遊技機。
手段11によれば、払出制御装置では、主制御装置から入力した払出指令情報が払出指令参照用情報と一致しない場合には、その一致しない情報は払出指令修正用情報に修正される。そして、払出記憶手段には、主制御装置から入力した払出指令情報又は払出指令修正用情報に基づいて特定された遊技媒体数の情報が記憶される。これにより、主制御装置から出力され払出制御装置に入力されるまでの経路上において払出指令情報がノイズ等の影響で書き換えられてしまったとしても、その情報は払出指令修正用情報に修正されそれに対応した遊技媒体数の情報が払出記憶手段に記憶されることとなる。よって、個別記憶手段を主制御装置に設けるとともに、払出記憶手段を払出制御装置に設けた構成において、上記経路上で払出指令情報がノイズ等の影響で書き換えられてしまったとしても、その情報は払出指令修正用情報に修正されそれに対応した遊技媒体数の情報が払出記憶手段に記憶されることとなり、当該ノイズ等の影響を低減することが可能となる。
手段12.手段11において、前記払出遊技内容は複数種類設定されているとともに、前記払出遊技内容に応じた遊技媒体数及び前記払出指令情報も複数種類設定されており、
前記払出指令修正用情報は、前記払出遊技内容に応じた遊技媒体数のうち、最大の遊技媒体数に対応した情報であることを特徴とする遊技機。
手段12によれば、払出指令修正用情報は、払出遊技内容に応じた遊技媒体数のうち最大の遊技媒体数に対応した情報であるため、払出指令情報がノイズ等の影響で書き換えられてしまったとしても、遊技者が不利益を被らないようにすることができる。
手段13.手段1乃至7のいずれか1において、前記遊技内容が前記払出遊技内容となったか否かを判定する判定手段を有する主制御装置(主制御装置162)と、
前記個別記憶手段、前記払出記憶手段、前記記憶実行手段及び前記駆動制御手段を有する払出制御装置(払出制御装置242)と、
を備え、
前記主制御装置は、前記判定手段の判定結果に基づいて特定された遊技媒体数の情報又はそれに対応した情報を含む払出指令情報を前記払出制御装置に出力する指令情報出力手段(主制御基板301のCPU311におけるステップS501の処理を行う機能)をさらに備え、
前記個別記憶手段の前記記憶領域には、前記払出遊技内容に応じた遊技媒体数の情報又はそれに対応した情報として、前記払出指令情報又はそれに対応した情報を記憶するものであることを特徴とする遊技機。
手段13によれば、個別記憶手段及び払出記憶手段が払出制御装置に設けられていることで、遊技媒体の払出に関して主制御装置に必要な記憶容量の削減が図られる。また、払出記憶手段への記憶処理及び払出手段の駆動制御処理が払出制御装置にて実行されることで、遊技媒体の払出に関して主制御装置の制御処理負荷が低減される。
また、上記構成において、主制御装置から払出制御装置へ、判定手段の判定結果に基づいて特定された遊技媒体数の情報又はそれに対応した情報を含む払出指令情報が出力され、払出制御装置ではその入力した払出指令情報又はそれに対応した情報を個別記憶手段の各記憶領域に個別に記憶させる。そして、個別記憶手段の記憶領域に記憶された情報に基づいて特定された遊技媒体数の情報が払出記憶手段に記憶され、その記憶された情報に基づいて遊技媒体の払出が行われる。これにより、上記のように主制御装置と払出制御装置とを備えた構成において、遊技媒体の払出が円滑に行われる。
手段14.手段13において、前記主制御装置は、複数の記憶領域を有する主側個別記憶(第2の実施の形態における入賞記憶用リングバッファ313a)をさらに備えており、
前記記憶領域の数の範囲内において前記判定手段の判定結果に対応した情報がそれぞれ異なる前記主側個別記憶手段の記憶領域に記憶されることを特徴とする遊技機。
手段14によれば、判定手段における判定結果の管理も良好に行うことができる。
手段15.手段1乃至14のいずれか1において、前記記憶実行手段は、前記各記憶領域のうち一の記憶領域に記憶されている情報に基づいて特定された前記遊技媒体数の情報を前記払出記憶手段に記憶させるものであることを特徴とする遊技機。
手段15によれば、払出記憶手段に新たに記憶される遊技媒体数の情報は一の払出遊技内容に対応したものとなる。これにより、払出記憶手段に記憶されている情報が電気的なノイズ等の影響で書き換えられてしまったとしても、その影響を一程度の払出遊技内容に対するものに抑えることができる。
手段16.手段1乃至15のいずれか1において、前記個別記憶手段の前記各記憶領域は情報の記憶処理が実行される順序が予め設定されており、
当該設定されている順序に従って前記各記憶領域に情報を記憶させていく個別記憶実行手段(主制御基板301のCPU311における入賞特定処理を行う機能又は払出制御基板322のCPU331における賞球コマンド格納処理を行う機能)を備え、
当該個別記憶実行手段は、記憶対象となった記憶領域に既に情報が記憶されている場合にはその既に記憶されている情報に代えて新たな情報が記憶されるように当該記憶領域の情報を更新するものであることを特徴とする遊技機。
手段16によれば、個別記憶手段の各記憶領域には情報の記憶処理が順次実行されていき、記憶対象となった記憶領域に既に情報が記憶されている場合にはその既に記憶されている情報に代えて新たな情報が記憶されることとなる。これにより、個別記憶手段の記憶容量が極端に大きなものとなってしまうことを抑制することができる。
手段17.手段1乃至16のいずれか1において、前記個別記憶手段の前記各記憶領域のうち、前記払出記憶手段に前記遊技媒体数の情報として未だ記憶されていない情報を記憶している記憶領域の数が、それら記憶領域の総数よりも少ない数として予め定められた上限基準数に達しているか否かを特定する上限特定手段(主制御基板301のCPU311におけるステップS1702の処理を行う機能又は払出制御基板322のCPU331におけるステップS3002の処理を行う機能)と、
当該上限特定手段により前記上限基準数に達していると特定された場合に、予め定められた上限報知が実行されるように上限報知処理を実行する上限報知処理実行手段(主制御基板301のCPU311におけるステップS1703の処理を行う機能等又は払出制御基板322のCPU331におけるステップS3003の処理を行う機能等)と、
をさらに備えていることを特徴とする遊技機。
手段17によれば、払出記憶手段に遊技媒体数の情報として未だ記憶されていない情報を記憶している記憶領域の数が上限基準数に達している場合には、上限報知が実行される。これにより、何らかの理由で、個別記憶手段に記憶されている情報が払出対象の遊技媒体数の情報として扱われず、さらにその扱われない情報の数が上限基準数に達した場合には、それを遊技者等に報知することができる。よって、上記の状態に対処するよう促すことが可能となる。
特に、上記手段16を備えた構成においては、個別記憶手段の各記憶領域には情報の記憶処理が順次実行されていき、記憶対象となった記憶領域に既に情報が記憶されている場合にはその既に記憶されている情報に代えて新たな情報が記憶されることとなる。この場合、上記のように、個別記憶手段に記憶されている情報が払出対象の遊技媒体数の情報として扱われず蓄積されていくと、最終的には払出対象と扱われないまま次の情報に書き換えられてしまう。そうすると、遊技者にとっては本来得られたはずの利益が消失してしまうこととなり、好ましくない。これに対して、上記のように上限報知が実行されることにより、払出対象の遊技媒体数の情報として扱われない状態に対処するよう促すことが可能となり、上記利益の消失を阻止することが可能となる。
なお、「上限報知処理」としては、遊技機に設置された音出力手段から上限報知として報知音を出力させる処理、遊技機に設置された発光手段を上限報知として点灯又は点滅させる処理、又は遊技機に設置された表示装置の表示画面にて上限報知として報知表示を行わせる処理のいずれか1つ又は任意の組合せが考えられる。また、これらに加え又は代えて、遊技ホールの管理装置(例えば、ホールコンピュータ)に異常信号を出力する処理も考えられる。以下の各報知処理についても同様である。
また、「上限基準数に達している」には、実際の演算処理において上限基準数を超えているか否かを判定するようにしてもよく、上限基準数以上となっているか否かを判定するようにしてもよい。また、その判定の仕方は、加算式又は減算式のいずれであってもよい。
手段18.手段17において、前記払出手段による遊技媒体の払出を阻害する阻害状況に応じて当該払出手段による遊技媒体の払出が制限される構成であることを特徴とする遊技機。
手段18によれば、遊技媒体の払出を阻害する阻害状況に応じて払出手段による遊技媒体の払出が制限されることがある。この場合、個別記憶手段に記憶されている情報が払出対象の遊技媒体数の情報として扱われず蓄積されていくことがある。これに対して、上記手段17の構成を備え上限報知が実行されることにより、上記扱われず蓄積された情報が上限基準数に達した場合には上記阻害状況を解消するように、遊技者等を促すことが可能となる。
手段19.手段18において、前記阻害状況として第1阻害状況と第2阻害状況とが少なくとも設定されており、
前記上限報知処理実行手段は、
前記第1阻害状況に応じて前記払出手段による遊技媒体の払出が制限され、前記上限特定手段により前記上限基準数に達していると特定された場合に、第1上限報知が実行されるように第1上限報知処理を実行する第1上限報知処理実行手段(音声ランプ制御基板324のCPU341におけるステップS1902の処理を行う機能)と、
前記第2阻害状況に応じて前記払出手段による遊技媒体の払出が制限され、前記上限特定手段により前記上限基準数に達していると特定された場合に、前記第1上限報知とは異なる態様の第2上限報知が実行されるように第2上限報知処理を実行する第2上限報知処理実行手段(音声ランプ制御基板324のCPU341におけるステップS1904の処理を行う機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
手段19によれば、第1阻害状況に起因して上限報知が実行される場合には第1上限報知が実行され、第2阻害状況に起因して上限報知が実行される場合には第2上限報知が実行される。そして、第1上限報知と第2上限報知とは態様が異なっている。これにより、上限報知が実行された場合には遊技者等に対して阻害状況の解消を的確に行わせることが可能となり、上限報知を実行するようにした効果が高められる。
手段20.手段17において、前記払出手段から払い出される遊技媒体を貯留する外側貯留部(下皿34)と、
当該外側貯留部が満杯状態であるか否かを特定する満杯特定手段(払出制御基板322のCPU331における払出側満杯特定処理を行う機能)と、
当該満杯特定手段により前記外側貯留部が満杯状態であると特定された場合に、前記払出手段による遊技媒体の払出を制限する払出制限手段(払出制御基板322のCPU331におけるステップS1201又はステップS2908の処理を行う機能等)と、
をさらに備えていることを特徴とする遊技機。
手段20によれば、外側貯留部が満杯状態となった場合には払出手段による遊技媒体の払出が制限されることとなる。この場合、個別記憶手段に記憶されている情報が払出対象の遊技媒体数の情報として扱われず蓄積されていくことがある。これに対して、上記手段17の構成を備え上限報知が実行されることにより、上記扱われず蓄積された情報が上限基準数に達した場合には上記満杯状態を解消するように、遊技者等を促すことが可能となる。
手段21.手段17において、遊技機内部にて遊技媒体を貯留する内側貯留部(タンク221)をさらに備え、前記払出手段は当該内側貯留部に貯留されている遊技媒体を払い出すものであることを特徴とする遊技機。
手段21によれば、内側貯留部に遊技媒体が貯留されていない場合には払出手段による遊技媒体の払出が行われなくなる。この場合、個別記憶手段に記憶されている情報が払出対象の遊技媒体数の情報として扱われず蓄積されていくことがある。これに対して、上記手段17の構成を備え上限報知が実行されることにより、上記扱われず蓄積された情報が上限基準数に達した場合には上記内側貯留部に遊技媒体が貯留されていない状態を解消するように、遊技ホールの管理者等を促すことが可能となる。
手段22.手段1乃至16のいずれか1において、前記払出手段による遊技媒体の払出を阻害する阻害状況に応じて当該払出手段による遊技媒体の払出が制限される構成であり、
前記払出手段による遊技媒体の払出が制限された場合に、予め定められた制限報知が実行されるように制限報知処理を実行する制限報知処理実行手段(主制御基板301のCPU311におけるステップS1503の処理を行う機能等)と、
前記個別記憶手段の前記各記憶領域のうち、前記払出記憶手段に前記遊技媒体数の情報として未だ記憶されていない情報を記憶している記憶領域の数が、それら記憶領域の総数よりも少ない数として予め定められた上限基準数に達しているか否かを特定する上限特定手段(主制御基板301のCPU311におけるステップS1702の処理を行う機能又は払出制御基板322のCPU331におけるステップS3002の処理を行う機能)と、
当該上限特定手段により前記上限基準数に達していると特定された場合に、前記制限報知とは異なる態様の上限報知が実行されるように上限報知処理を実行する上限報知処理実行手段(主制御基板301のCPU311におけるステップS1703の処理を行う機能等又は払出制御基板322のCPU331におけるステップS3003の処理を行う機能等)と、
をさらに備えていることを特徴とする遊技機。
手段22によれば、遊技媒体の払出を阻害する阻害状況に応じて払出手段による遊技媒体の払出が制限されることがある。これに対して制限報知が実行されることにより、当該阻害状況を解消するように、遊技者等を促すことが可能となる。
また、上記制限報知が実行されたとしても、上記阻害状況が解消されないことが想定される。この場合、個別記憶手段に記憶されている情報が払出対象の遊技媒体数の情報として扱われず蓄積されていくことがある。これに対して、払出記憶手段に遊技媒体数の情報として未だ記憶されていない情報を記憶している記憶領域の数が上限基準数に達している場合には、上限報知が実行される。これにより、上限基準数に達している旨を遊技者等に知らせることが可能となり、制限報知が実行された段階では阻害状況の解消を行わなかった遊技者等に対して、当該阻害状況の解消を再度促すことが可能となる。
特に、上記手段16を備えた構成においては、個別記憶手段の各記憶領域には情報の記憶処理が順次実行されていき、記憶対象となった記憶領域に既に情報が記憶されている場合にはその既に記憶されている情報に代えて新たな情報が記憶されることとなる。この場合、上記のように、個別記憶手段に記憶されている情報が払出対象の遊技媒体数の情報として扱われず蓄積されていくと、最終的には払出対象と扱われないまま次の情報に書き換えられてしまう。そうすると、遊技者にとっては本来得られたはずの利益が消失してしまうこととなり、好ましくない。これに対して、上記のように上限報知が実行されることにより、払出対象の遊技媒体数の情報として扱われない状態に対処するよう促すことが可能となり、上記利益の消失を阻止することが可能となる。
手段23.手段22において、前記阻害状況として第1阻害状況と第2阻害状況とが少なくとも設定されており、
前記制限報知処理実行手段は、
前記第1阻害状況に応じて前記払出手段による遊技媒体の払出が制限された場合に、第1制限報知が実行されるように第1制限報知処理を実行する第1制限報知処理実行手段(音声ランプ制御基板324のCPU341におけるステップS1803の処理を行う機能)と、
前記第2阻害状況に応じて前記払出手段による遊技媒体の払出が制限された場合に、前記第1制限報知とは異なる態様の第2制限報知が実行されるように第2制限報知処理を実行する第2制限報知処理実行手段(音声ランプ制御基板324のCPU341におけるステップS1808の処理を行う機能)と、
を備えており、
さらに、前記上限報知処理実行手段は、
前記第1阻害状況に応じて前記払出手段による遊技媒体の払出が制限され、前記上限特定手段により前記上限基準数に達していると特定された場合に、第1上限報知が実行されるように第1上限報知処理を実行する第1上限報知処理実行手段(音声ランプ制御基板324のCPU341におけるステップS1902の処理を行う機能)と、
前記第2阻害状況に応じて前記払出手段による遊技媒体の払出が制限され、前記上限特定手段により前記上限基準数に達していると特定された場合に、前記第1上限報知とは異なる態様の第2上限報知が実行されるように第2上限報知処理を実行する第2上限報知処理実行手段(音声ランプ制御基板324のCPU341におけるステップS1904の処理を行う機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
手段23によれば、第1阻害状況に起因して制限報知が実行される場合には第1制限報知が実行され、第2阻害状況に起因して制限報知が実行される場合には第2制限報知が実行される。そして、第1制限報知と第2制限報知とは態様が異なっている。これにより、制限報知が実行された場合には遊技者等に対して阻害状況の解消を的確に行わせることが可能となり、制限報知を実行するようにした効果が高められる。
また、第1阻害状況に起因して上限報知が実行される場合には第1上限報知が実行され、第2阻害状況に起因して上限報知が実行される場合には第2上限報知が実行される。そして、第1上限報知と第2上限報知とは態様が異なっている。これにより、上限報知が実行された場合には遊技者等に対して阻害状況の解消を的確に行わせることが可能となり、上限報知を実行するようにした効果が高められる。
手段24.手段1乃至16のいずれか1において、前記払出手段から払い出される遊技媒体を貯留する外側貯留部(下皿34)と、
当該外側貯留部が満杯状態であるか否かを特定する満杯特定手段(払出制御基板322のCPU331における払出側満杯特定処理を行う機能)と、
当該満杯特定手段により前記外側貯留部が満杯状態であると特定された場合に、前記払出手段による遊技媒体の払出を制限する払出制限手段(払出制御基板322のCPU331におけるステップS1201又はステップS2908の処理を行う機能等)と、
前記満杯特定手段により前記外側貯留部が満杯状態であると特定された場合に、予め定められた満杯報知が実行されるように満杯報知処理を実行する満杯報知処理実行手段(音声ランプ制御基板324のCPU341におけるステップS1803の処理を行う機能)と、
前記個別記憶手段の前記各記憶領域のうち、前記払出記憶手段に前記遊技媒体数の情報として未だ記憶されていない情報を記憶している記憶領域の数が、それら記憶領域の総数よりも少ない数として予め定められた上限基準数に達しているか否かを特定する上限特定手段(主制御基板301のCPU311におけるステップS1702の処理を行う機能又は払出制御基板322のCPU331におけるステップS3002の処理を行う機能)と、
当該上限特定手段により前記上限基準数に達していると特定された場合に、前記満杯報知とは異なる態様の上限報知が実行されるように上限報知処理を実行する上限報知処理実行手段(主制御基板301のCPU311におけるステップS1703の処理を行う機能等又は払出制御基板322のCPU331におけるステップS3003の処理を行う機能等)と、
をさらに備えていることを特徴とする遊技機。
手段24によれば、外側貯留部が満杯状態となった場合には払出手段による遊技媒体の払出が制限されることとなる。これに対して満杯報知が実行されることにより、当該満杯状態を解消するように、遊技者等を促すことが可能となる。
また、上記満杯報知が実行されたとしても、上記満杯状態が解消されないことが想定される。この場合、個別記憶手段に記憶されている情報が払出対象の遊技媒体数の情報として扱われず蓄積されていくことがある。これに対して、払出記憶手段に遊技媒体数の情報として未だ記憶されていない情報を記憶している記憶領域の数が上限基準数に達している場合には、上限報知が実行される。これにより、上限基準数に達している旨を遊技者等に知らせることが可能となり、満杯報知が実行された段階では満杯状態の解消を行わなかった遊技者等に対して、当該満杯状態の解消を再度促すことが可能となる。
特に、上記手段16を備えた構成においては、個別記憶手段の各記憶領域には情報の記憶処理が順次実行されていき、記憶対象となった記憶領域に既に情報が記憶されている場合にはその既に記憶されている情報に代えて新たな情報が記憶されることとなる。この場合、上記のように、個別記憶手段に記憶されている情報が払出対象の遊技媒体数の情報として扱われず蓄積されていくと、最終的には払出対象と扱われないまま次の情報に書き換えられてしまう。そうすると、遊技者にとっては本来得られたはずの利益が消失してしまうこととなり、好ましくない。これに対して、上記のように上限報知が実行されることにより、払出対象の遊技媒体数の情報として扱われない状態に対処するよう促すことが可能となり、上記利益の消失を阻止することが可能となる。
手段25.手段1乃至16のいずれか1において、遊技機内部にて遊技媒体を貯留する内側貯留部(タンク221)をさらに備え、前記払出手段は当該内側貯留部に貯留されている遊技媒体を払い出すものであり、
さらに、前記内側貯留部に遊技媒体が貯留されているか否かを特定する貯留特定手段(払出制御基板322のCPU331における払出側球無特定処理を行う機能)と、
当該貯留特定手段により前記内側貯留部に遊技媒体が貯留されていないと特定された場合に、予め定められた非貯留報知が実行されるように非貯留報知処理を実行する非貯留報知処理実行手段(音声ランプ制御基板324のCPU341におけるステップS1808の処理を行う機能)と、
前記個別記憶手段の前記各記憶領域のうち、前記払出記憶手段に前記遊技媒体数の情報として未だ記憶されていない情報を記憶している記憶領域の数が、それら記憶領域の総数よりも少ない数として予め定められた上限基準数に達しているか否かを特定する上限特定手段(主制御基板301のCPU311におけるステップS1702の処理を行う機能又は払出制御基板322のCPU331におけるステップS3002の処理を行う機能)と、
当該上限特定手段により前記上限基準数に達していると特定された場合に、前記非貯留報知とは異なる態様の上限報知が実行されるように上限報知処理を実行する上限報知処理実行手段(主制御基板301のCPU311におけるステップS1703の処理を行う機能等又は払出制御基板322のCPU331におけるステップS3003の処理を行う機能等)と、
をさらに備えていることを特徴とする遊技機。
手段25によれば、内側貯留部に遊技媒体が貯留されていない場合には払出手段による遊技媒体の払出が行われなくなる。これに対して非貯留報知が実行されることにより、当該非貯留状態を解消するように、遊技ホールの管理者等を促すことが可能となる。
また、上記非貯留報知が実行されたとしても、上記非貯留状態が解消されないことが想定される。この場合、個別記憶手段に記憶されている情報が払出対象の遊技媒体数の情報として扱われず蓄積されていくことがある。これに対して、払出記憶手段に遊技媒体数の情報として未だ記憶されていない情報を記憶している記憶領域の数が上限基準数に達している場合には、上限報知が実行される。これにより、上限基準数に達している旨を遊技者等に知らせることが可能となり、非貯留報知が実行された段階では非貯留状態の解消を行わなかった遊技者等に対して、当該非貯留状態の解消を再度促すことが可能となる。
特に、上記手段16を備えた構成においては、個別記憶手段の各記憶領域には情報の記憶処理が順次実行されていき、記憶対象となった記憶領域に既に情報が記憶されている場合にはその既に記憶されている情報に代えて新たな情報が記憶されることとなる。この場合、上記のように、個別記憶手段に記憶されている情報が払出対象の遊技媒体数の情報として扱われず蓄積されていくと、最終的には払出対象と扱われないまま次の情報に書き換えられてしまう。そうすると、遊技者にとっては本来得られたはずの利益が消失してしまうこととなり、好ましくない。これに対して、上記のように上限報知が実行されることにより、払出対象の遊技媒体数の情報として扱われない状態に対処するよう促すことが可能となり、上記利益の消失を阻止することが可能となる。
手段26.手段1乃至25のいずれか1において、前記個別記憶手段の前記各記憶領域には、前記遊技媒体数の情報又はそれに対応した情報のみが記憶されるものであることを特徴とする遊技機。
手段26によれば、個別記憶手段が遊技媒体数の情報又はそれに対応した情報のみを記憶するものであるため、払出記憶手段への遊技媒体数の情報の記憶を良好に行うことができる。
特に、上記手段16を備えた構成においては、個別記憶手段の各記憶領域には情報の記憶処理が順次実行されていき、記憶対象となった記憶領域に既に情報が記憶されている場合にはその既に記憶されている情報に代えて新たな情報が記憶されることとなる。この場合に、個別記憶手段に遊技媒体数の情報又はそれに対応した情報以外の情報が記憶される構成を想定すると、払出遊技内容に応じた情報が多く発生した場合に遊技媒体数の情報又はそれに対応した情報以外の情報が読み出されることなく消去されてしまう可能性がある。これに対して、本構成によれば、このような不都合の発生を防止できる。
手段27.遊技球が流下する遊技領域が形成された遊技板(遊技盤81)と、
当該遊技板に設けられ、前記流下する遊技球が入球可能な入球部(一般入賞口82、可変入賞装置83、作動口84)と、
当該入球部に遊技球が入球したことに基づいて遊技球の払出を行う払出手段(払出装置224)と、
を備えた遊技機において、
複数の記憶領域(第1記憶領域RA1〜第256記憶領域RA256等)を有し、前記入球部への入球に応じた遊技球数の情報又はそれに対応した情報を、前記記憶領域の数の範囲内において前記入球毎に異なる記憶領域に記憶する個別記憶手段(入賞記憶用リングバッファ313又は賞球記憶用リングバッファ333b)と、
払出を行う遊技球数の情報を記憶する払出記憶手段(賞球数記憶エリア333a)と、
前記各記憶領域のうち一部の記憶領域に記憶されている情報に基づいて特定された遊技球数の情報を前記払出記憶手段に記憶させる記憶実行手段と、
前記払出記憶手段に記憶されている情報に対応した遊技球数の払出を行うべく前記払出手段を駆動制御する駆動制御手段(払出制御基板322のCPU331におけるステップS907の処理を行う機能又は払出制御基板322のCPU331におけるステップS2907の処理を行う機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
手段27によれば、入球部への入球に応じた遊技球数の情報又はそれに対応した情報は、個別記憶手段の各記憶領域に個別に記憶される。そして、各記憶領域のうち一部の記憶領域に記憶されている情報に基づいて特定された遊技球数の情報が払出記憶手段において記憶され、その払出記憶手段に記憶されている情報に対応した遊技球数が払出手段を介して払い出される。
上記構成とすることにより、入球部への入球に対する払出対象を特定するための情報は、それぞれ個別に個別記憶手段の各記憶領域に記憶され、払出に際しての遊技球数の特定を行うための情報は払出記憶手段に記憶されることとなる。よって、電気的なノイズ等の影響で払出記憶手段に記憶されている情報が書き換えられてしまったとしても、その書き換えられてしまった情報は払出を実行すべき遊技球数の情報のうち一部の情報であるため、当該書き換えられてしまったことによる影響を低減することができる。つまり、従来の遊技機のように払出記憶手段に、払出を実行すべき遊技球数の情報の全てを記憶させる構成を想定すると、電気的なノイズ等の影響で払出記憶手段に記憶されている情報が書き換えられてしまうと、払出を実行すべき全ての遊技球数に影響することとなるが、本構成によれば一部の遊技球数に対する影響だけで済む。以上より、ノイズ等の影響が低減され、遊技球の払出を良好に行うことができる。
なお、「遊技球数の情報又はそれに対応した情報」には、遊技球数そのものの情報だけでなく、遊技球数を特定する上で参照できる情報が含まれる。例えば、遊技球数の情報とそれに対応した参照基準情報とが設定され、さらにそれらの対応関係を記憶した対応関係情報が記憶されており、参照基準情報を参照することで遊技球数の情報が特定される構成においては、個別記憶手段の各記憶領域にて上記参照基準情報を記憶する構成としてもよい。また、参照基準情報として、第1参照基準情報と第2参照基準情報とを備えており、第1参照基準情報に基づいて第2参照基準情報が特定され、第2参照基準情報に基づいて遊技媒体数の情報が特定される構成においては、個別記憶手段の各記憶領域にて上記第1参照基準情報を記憶する構成としてもよい。
また、「特定された遊技球数の情報を前記払出記憶手段に記憶させる」には、特定された遊技球数の情報をそのまま払出記憶手段に記憶させる構成だけでなく、既に払出記憶手段に記憶されている遊技球数の情報に対して上記特定された遊技球数の情報を加算する構成も含まれる。なお、この「加算」は、処理として加算することのみに限定されることはなく、処理としては減算処理を実行したとしても、実質的に払出記憶手段に記憶される遊技球数が加算されるのであればよい。
また、本手段27に対して上記手段2乃至26のいずれか1において限定した構成を適用してもよい。
手段28.遊技媒体の払出を行う払出手段と、
払出対象の遊技媒体数を特定する上で用いられる特定用情報を記憶する特定用記憶手段と、
前記特定用情報に基づいて特定された遊技媒体数の払出を行うべく前記払出手段を駆動制御する駆動制御手段と、
前記特定用記憶手段に記憶されている前記特定用情報に対応した遊技媒体数が加算され、当該遊技媒体数が前記特定用記憶手段にて記憶可能な最大遊技媒体数よりも少ない数として設定された報知基準数に達したことに基づいて、予め定められた増加報知が実行されるように増加報知処理を実行する増加報知処理実行手段と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
手段28によれば、特定用記憶手段に記憶されている特定用情報に対応した遊技媒体数が加算され、当該遊技媒体数が報知基準数に達したことに基づいて増加報知が実行される。これにより、特定用記憶手段に記憶されている特定用情報に対応した遊技媒体数が最大遊技媒体数に達するおそれがある場合には、最大遊技媒体数に達する前のタイミングで増加報知が実行され、遊技者等に対して当該状況に対処するよう促すことが可能となる。最大遊技媒体数に達すると、例えば、その後に特定用記憶手段への加算処理を実行することができなくなってしまうが、本構成によれば、このような不都合の発生を阻止することが可能となる。
上記手段によれば以下の課題を解決可能である。
遊技機の一種であるパチンコ遊技機として、主制御装置と払出制御装置とを備えたものが知られている。主制御装置では遊技領域に設けられた入球部に遊技球が入球したか否かの入球判定が行われ、遊技球の払出に係る入球部へ遊技球が入球した場合には主制御装置から払出制御装置へ賞球コマンドが出力される。払出制御装置では主制御装置から入力した賞球コマンドに基づいて払出装置を駆動制御し、遊技球の払出を実行する。
払出制御装置における遊技球の払出制御について詳細に説明する。払出制御装置は払い出すべき遊技球の総数を記憶しておくための総賞球個数記憶エリアを有しており、主制御装置から賞球コマンドを入力する度に、その賞球コマンドに対応した賞球個数を上記総賞球個数記憶エリアに加算する。そして、総賞球個数記憶エリアに記憶されている総賞球個数が「0」となるまで払出装置を駆動制御する。
しかしながら、上記のように総賞球個数に基づいて遊技球の払出を実行する構成では、以下の問題が懸念される。つまり、パチンコ遊技機においては電気的なノイズが発生してしまうことがあり、このノイズの影響で総賞球個数記憶エリアの情報が書き換えられてしまうおそれがある。そして、総賞球個数記憶エリアには、上記のとおり主制御装置から賞球コマンドを入力する度にその賞球コマンドに対応した賞球個数が加算されるため、総賞球個数記憶エリアの情報が書き換えられてしまうと、その書き換えられたタイミングにおいて払出が完了していない全ての賞球に影響が及ぶこととなってしまう。例えば、総賞球個数が500個である場合にノイズの影響で10個に書き換えられてしまうと、遊技者に相当な不利益を及ぼすこととなってしまう。
なお、以上の問題は、主制御装置と払出制御装置とで賞球の制御を行う遊技機に限定されるものではなく、主制御装置又は払出制御装置のいずれか一方にて賞球の制御を行う遊技機や、払出制御装置が不具備であり主制御装置にて賞球の制御を行う遊技機においても同様に発生する問題である。また、パチンコ遊技機に限定されることはなく、遊技結果に応じて遊技媒体が払い出される他の遊技機においても同様に発生する問題である。
以下に、以上の各手段を適用し得る各種遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル41)と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路(内,外レール部101,102)と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の入球部(各種センサ152〜155)に遊技球が入球した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の絵柄を可変表示させる絵柄表示装置を備え、始動操作手段の操作に起因して前記複数の絵柄の可変表示が開始され、停止操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより前記複数の絵柄の可変表示が停止され、その停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する遊技機。
(第1の実施の形態)
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2及び図3はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図、図4はパチンコ機10の背面図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機主部12とを有する。外枠11は木製の板材を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより、遊技ホールに設置される。
遊技機主部12は、ベース体としての本体枠13と、その本体枠13の前方に配置される前扉枠14と、本体枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。遊技機主部12のうち本体枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として本体枠13が前方へ回動可能とされている。
本体枠13には、図2に示すように、前扉枠14が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、本体枠13には、図3に示すように、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている。
次に、前扉枠14について説明する。なお、以下の説明では、図1〜図3を参照するとともに、前扉枠14の背面の構成については図5を参照する。図5は、前扉枠14の背面図である。
前扉枠14は本体枠13の前面側全体を覆うようにして設けられている。前扉枠14には後述する遊技領域のほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部21が形成されている。窓部21は、略楕円形状をなし、透明性を有するガラス22が嵌め込まれている。窓部21の周囲には、各種ランプ等の発光手段が設けられている。例えば、窓部21の周縁に沿ってLED等の発光手段を内蔵した環状電飾部23が設けられている。環状電飾部23では、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯や点滅が行われる。また、環状電飾部23の中央であってパチンコ機10の最上部には所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ部24が設けられ、さらにその左右側方には賞球払出中に点灯する賞球ランプ部25が設けられている。また、左右の賞球ランプ部25に近接した位置には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部26が設けられている。
前扉枠14における窓部21の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部31と下側膨出部32とが上下に並設されている。上側膨出部31内側には上方に開口した上皿33が設けられており、下側膨出部32内側には同じく上方に開口した下皿34が設けられている。上皿33は、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する遊技球発射機構側へ導くための機能を有する。また、下皿34は、上皿33内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。
下側膨出部32の右方には、手前側へ突出するようにして遊技球発射ハンドル41が設けられている。遊技球発射ハンドル41が操作されることにより、後述する遊技球発射機構から遊技球が発射される。
前扉枠14の背面には、図2及び図5に示すように、通路形成ユニット50が取り付けられている。通路形成ユニット50は、合成樹脂により成形されており、上皿33に通じる前扉側上皿通路51と、下皿34に通じる前扉側下皿通路52とが形成されている。通路形成ユニット50において、その上側隅部には後方に突出し上方に開放された受口部53が形成されており、当該受口部53を仕切壁54によって左右に仕切ることで前扉側上皿通路51と前扉側下皿通路52の入口部分とが形成されている。前扉側上皿通路51及び前扉側下皿通路52は上流側が後述する遊技球分配部に通じており、前扉側上皿通路51に入った遊技球は上皿33に導かれ、前扉側下皿通路52に入った遊技球は下皿34に導かれる。
通路形成ユニット50には、図5に示すように、前扉側下皿通路52を通る遊技球を検知するように満杯検知センサ59が設けられている。満杯検知センサ59は、磁気検知タイプの近接センサにて構成されており、検知範囲内を遊技球が通過する際の磁界の変化が検知されて電気信号として出力される。なお、満杯検知センサ59は磁気検知タイプの近接センサに限定されることはなく、遊技球を検知することができるのであれば任意であり、例えば、フォトセンサやリミットセンサなどを用いてもよい。
満杯検知センサ59は後述する払出制御装置242に対して電気信号を出力する。具体的には、遊技球を検知していない状態ではLOW信号を出力し、遊技球を検知している状態ではHI信号を出力する。なお、これに限定されることはなく、遊技球を検知していない状態ではHI信号を出力し、遊技球を検知している状態ではLOW信号を出力する構成としてもよく、また遊技球を検知している状態においてのみ電気信号を出力する構成としてもよい。
払出制御装置242では、満杯検知センサ59の検知結果に基づいて下皿214が満杯状態であるか否かを特定する。具体的には、満杯検知センサ59における遊技球の検知状態が予め定められた満杯判定継続期間が経過するまで継続された場合には、下皿214が満杯状態であると特定する。払出制御装置242において下皿214が満杯状態であると特定された場合、払出装置224による遊技球の払出が停止される。これにより、下皿214が満杯状態となり、前扉側下皿通路52において満杯検知センサ59の位置まで遊技球が連なった場合には、それ以上の遊技球の払出が停止される。かかる払出の停止は、下皿214の満杯状態が解除され満杯検知センサ59にて遊技球が検知されなくなることにより解除される。また、払出制御装置242において下皿214が満杯状態であると特定された場合、それに対応した報知処理が実行される。これについては後に説明する。
前扉枠14の背面における回動基端側(図5の右側)には、その上端部及び下端部に突起軸61,62が設けられている。これら突起軸61,62は本体枠13に対する組付機構を構成する。また、前扉枠14の背面における回動先端側(図5の左側)には、図2に示すように、後方に延びる鉤金具63が上下方向に複数並設されている。これら鉤金具63は本体枠13に対する施錠機構を構成する。
次に、本体枠13について詳細に説明する。図6は本体枠13の正面図である。
本体枠13は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース71を主体に構成されている。樹脂ベース71の前面における回動基端側(図6の左側)には、その上端部及び下端部に支持金具72,73が取り付けられている。図示は省略するが、支持金具72,73には軸孔が形成されており、それら軸孔に前扉枠14の突起軸61,62が挿入されることにより、本体枠13に対して前扉枠14が回動可能に支持されている。
樹脂ベース71の前面における回動先端側(図6の右側)には、前扉枠14の背面に設けられた鉤金具63を挿入するための挿入孔74がそれぞれ設けられている。本パチンコ機10では、本体枠13や前扉枠14を施錠状態とするための施錠装置が本体枠13の背面側に隠れて配置される構成となっている。したがって、鉤金具63が挿入孔74を介して施錠装置に係止されることによって、前扉枠14が本体枠13に対して開放不能に施錠される。
樹脂ベース71の右下隅部には、施錠装置の解錠操作を行うためのシリンダ錠75が設置されている。シリンダ錠75は施錠装置に一体化されており、シリンダ錠75の鍵穴に差し込んだキーを右に回すと本体枠13に対する前扉枠14の施錠が解かれるようになっている。なお、シリンダ錠75の鍵穴に差し込んだキーを左に回すと外枠11に対する本体枠13の施錠が解かれるようになっている。
樹脂ベース71の中央部には略楕円形状の窓孔76が形成されている。樹脂ベース71には遊技盤81が着脱可能に取り付けられている。遊技盤81は合板よりなり、遊技盤81の前面に形成された遊技領域が樹脂ベース71の窓孔76を通じて本体枠13の前面側に露出した状態となっている。
ここで、遊技盤81の構成を図7に基づいて説明する。遊技盤81には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口82,可変入賞装置83,作動口84,スルーゲート85及び可変表示ユニット86等がそれぞれ設けられている。一般入賞口82は、左右にそれぞれ2個ずつ合計4個設けられている。一般入賞口82、可変入賞装置83及び作動口84に遊技球が入ると、それが後述する検知センサにより検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。その他に、遊技盤81の最下部にはアウト口87が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口87を通って遊技領域から排出される。また、遊技盤81には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘88が植設されていると共に、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
可変表示ユニット86には、作動口84への入賞をトリガとして図柄を可変表示する図柄表示装置91が設けられている。また、可変表示ユニット86には、図柄表示装置91を囲むようにしてセンターフレーム92が配設されている。センターフレーム92の上部には、第1特定ランプ部93及び第2特定ランプ部94が設けられている。また、センターフレーム92の上部及び下部にはそれぞれ保留ランプ部95,96が設けられている。下側の保留ランプ部95は、図柄表示装置91及び第1特定ランプ部93に対応しており、遊技球が作動口84を通過した回数は最大4回まで保留され保留ランプ部95の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。上側の保留ランプ部96は、第2特定ランプ部94に対応しており、遊技球がスルーゲート85を通過した回数は最大4回まで保留され保留ランプ部96の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
図柄表示装置91は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。図柄表示装置91には、例えば左、中及び右に並べて図柄が表示され、これらの図柄が上下方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。そして、予め設定されている有効ライン上に所定の組合せの図柄が停止表示された場合には、特別遊技状態(以下、大当たりという)が発生することとなる。
第1特定ランプ部93では、作動口84への入賞をトリガとして所定の順序で発光色の切り替えが行われ、予め定められた色で停止表示された場合には大当たりが発生する。また、第2特定ランプ部94では、遊技球のスルーゲート85の通過をトリガとして所定の順序で発光色の切り替えが行われ、予め定められた色で停止表示された場合には作動口84に付随する電動役物が所定時間だけ開放状態となる。
可変入賞装置83は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉状態になっており、大当たりの際に遊技球が入賞しやすい所定の開放状態に切り換えられるようになっている。可変入賞装置83の開放態様としては、所定時間(例えば30秒間)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として可変入賞装置83が繰り返し開放されるものが一般的である。
遊技盤81には、内レール部101と外レール部102とが取り付けられており、これら内レール部101と外レール部102とにより誘導レールが構成され、後述する遊技球発射機構から発射された遊技球が遊技領域の上部に案内されるようになっている。
遊技球発射機構110は、図6に示すように、樹脂ベース71における窓孔76の下方に取り付けられている。遊技球発射機構110は、電磁式のソレノイド111と、発射レール112と、球送り機構113とからなり、ソレノイド111への電気的な信号の入力により当該ソレノイド111の出力軸が伸縮方向に移動し、球送り機構113によって発射レール112上に置かれた遊技球を遊技領域に向けて打ち出す。
発射レール112と遊技盤81に取り付けられた内,外レール部101,102との間には所定間隔の隙間があり、この隙間より下方には前扉枠14の通路形成ユニット50に形成されたファール球通路55が配設されている。したがって、仮に遊技球発射機構110から発射された遊技球が遊技領域の上部に到達せずに、内,外レール部101,102によって構成される誘導レールを逆戻りする場合には、そのファール球がファール球通路55内に入る。ファール球通路55は前扉側下皿通路52に通じており、ファール球通路55に入った遊技球は下皿34に排出される。
樹脂ベース71において発射レール112の左方には、樹脂ベース71を前後方向に貫通させて通路形成部121が設けられている。通路形成部121には図3に示すように本体側上皿通路122と本体側下皿通路123とが形成されている。本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123の上流側は、後述する遊技球分配部に通じている。また、通路形成部121の下方には前扉枠14に取り付けられた通路形成ユニット50の受口部53が入り込んでおり、本体側上皿通路122の下方には前扉側上皿通路51が配置され、本体側下皿通路123の下方には前扉側上皿通路51が配置されている。
樹脂ベース71において通路形成部121の下方には、本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123を開閉する開閉部材124が取り付けられている。開閉部材124はその下端に設けられた支軸125により前後方向に回動可能に支持されており、さらに本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123を閉鎖する前方位置に付勢する図示しない付勢部材が設けられている。したがって、前扉枠14を本体枠13に対して開いた状態では開閉部材124が図示の如く起き上がり、本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123を閉鎖する。これにより、本体側上皿通路122又は本体側下皿通路123に遊技球が貯留されている状態で前扉枠14を開放した場合、その貯留球がこぼれ落ちてしまうといった不都合が防止できる。これに対し、前扉枠14を閉じた状態では、前扉枠14の通路形成ユニット50に設けられた受口部53により付勢力に抗して開閉部材124が押し開けられる。この状態では、本体側上皿通路122と前扉側上皿通路51とが連通し、さらに本体側下皿通路123と前扉側下皿通路52とが連通している。
次に、本体枠13の背面構成について説明する。図8は本体枠13の背面図である。
樹脂ベース71の背面における回動先端側(図8の左側)には、施錠装置131が設けられており、シリンダ錠75におけるキー操作に対して施錠装置131が連動し、本体枠13及び前扉枠14の解錠が行われる。
樹脂ベース71の背面における回動基端側(図8の右側)には、軸受け金具132が取り付けられている。軸受け金具132には、上下に離間させて軸受け部133が形成されており、これら軸受け部133により本体枠13に対して裏パックユニット15が回動可能に取り付けられている。また、樹脂ベース71の背面には、裏パックユニット15を本体枠13に締結するための被締結孔134が設けられている。
樹脂ベース71の背面には、係止金具135が複数設けられており、これら係止金具135によって上述したように樹脂ベース71に対して遊技盤81が取り付けられている。ここで、遊技盤81の背面の構成を説明する。図9は遊技盤81を後方より見た斜視図、図10は遊技盤81から主制御装置ユニット160を取り外した状態を示す背面図である。
遊技盤81の中央に配置される可変表示ユニット86には、センターフレーム92を背後から覆う合成樹脂製のフレームカバー141が後方に突出させて設けられており、フレームカバー141に対して後側から上述した図柄表示装置91が取り付けられるとともに、その図柄表示装置を駆動するための表示制御装置が取り付けられている(図示は省略)。これら図柄表示装置91及び表示制御装置は前後方向に重ねて配置され(図柄表示装置が前、表示制御装置が後)、さらにその後方に音声ランプ制御装置ユニット142が搭載されている。音声ランプ制御装置ユニット142は、音声ランプ制御装置143と、取付台144とを具備する構成となっており、取付台144上に音声ランプ制御装置143が装着されている。
音声ランプ制御装置143は、後述する主制御装置からの指示に従い音声やランプ表示、及び表示制御装置の制御を司る音声ランプ制御基板を具備しており、音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス145に収容されて構成されている。
遊技盤81の背面には、図10に示すように、可変表示ユニット86の下方に集合板ユニット150が設けられている。集合板ユニット150には、各種入賞口に入賞した遊技球を回収するための遊技球回収機構や、各種入賞口等への遊技球の入賞を検知するための入賞検知機構などが設けられている。
遊技球回収機構について説明すると、集合板ユニット150には、前記一般入賞口82、可変入賞装置83、作動口84の遊技盤開口部に対応して且つ下流側で1カ所に集合する回収通路151が形成されている。したがって、一般入賞口82等に入賞した遊技球は何れも回収通路151を介して遊技盤81の下方に集合する。遊技盤81の下方には後述する排出通路があり、回収通路151により遊技盤81の下方に集合した遊技球は排出通路内に導出される。なお、アウト口87も同様に排出通路に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球もアウト口87を介して排出通路内に導出される。
入賞検知機構について説明すると、集合板ユニット150には、遊技盤81表側の各一般入賞口82と対応する位置にそれぞれ入賞口センサ152a〜152dが設けられている。また、可変入賞装置83と対応する位置にカウントセンサ153が設けられ、作動口84に対応する位置に作動口センサ154が設けられている。これらセンサ152〜154により遊技球の入賞がそれぞれ検知される。また、集合板ユニット150外における可変表示ユニット86の右側には、スルーゲート85を通過する遊技球を検知するゲートセンサ155が設けられている。これらセンサ152〜155は後述する主制御装置162に対して電気信号を出力する。具体的には、遊技球を検知していない状態ではLOW信号を出力し、遊技球を検知している状態ではHI信号を出力する。なお、これに限定されることはなく、遊技球を検知していない状態ではHI信号を出力し、遊技球を検知している状態ではLOW信号を出力する構成としてもよく、また遊技球を検知している状態においてのみ電気信号を出力する構成としてもよい。
遊技盤81の背面には、集合板ユニット150を後側から覆うようにして主制御装置ユニット160が搭載されている。主制御装置ユニット160の構成について図11を用いて説明する。図11は主制御装置ユニット160の構成を示す斜視図である。
主制御装置ユニット160は、合成樹脂製の取付台161を有し、取付台161に主制御装置162が搭載されている。主制御装置162は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)と、電源を監視する機能(停電監視回路)とを有する主制御基板を具備しており、当該主制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス163に収容されて構成されている。
基板ボックス163は、略直方体形状のボックスベース(表ケース体)とこのボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(裏ケース体)とを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印手段としての封印部164によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス163が封印されている。封印部164は、基板ボックス163の長辺部に5つ設けられ、そのうち少なくとも一つが用いられて封印処理が行われる。
封印部164はボックスベースとボックスカバーとを開封不能に結合する構成であれば任意の構成が適用できるが、封印部164を構成する長孔に係止爪を挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開封不能に結合されるようになっている。封印部164による封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度封印処理を行うこと自体は可能である。すなわち、5つの封印部164のうち、少なくとも一つの長孔に係止爪を挿入することにより封印処理が行われる。そして、収容した主制御基板の不具合発生の際や主制御基板の検査の際など基板ボックス163を開封する場合には、係止爪が挿入された封印部と他の封印部との連結部分を切断する。これにより、基板ボックス163のボックスベースとボックスカバーとが分離され、内部の主制御基板を取り出すことができる。その後、再度封印処理する場合は他の封印部の長孔に係止爪を挿入する。基板ボックス163の開封を行った旨の履歴を当該基板ボックス163に残しておけば、基板ボックス163を見ることで不正な開封が行われた旨が容易に発見できる。
基板ボックス163の一方の短辺部には、その側方に突出するようにして複数の結合片165が設けられている。これら結合片165は、取付台161に形成された複数の被結合片166と1対1で対応しており、結合片165と被結合片166とにより基板ボックス163と取付台161との間で封印処理が行われる。
次に、裏パックユニット15について説明する。図12は裏パックユニット15の正面図、図13は裏パックユニット15の分解斜視図である。
裏パックユニット15は、裏パック201を備えており、当該裏パック201に対して、払出機構部202、排出通路盤203、及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。裏パック201は透明性を有する合成樹脂により成形されており、払出機構部202などが取り付けられるベース部211と、パチンコ機10後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部212とを有する。保護カバー部212は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも可変表示ユニット86を囲むのに十分な大きさを有する。
ベース部211には、その右上部に外部端子板213が設けられている。外部端子板213には各種の出力端子が設けられており、これらの出力端子を通じて遊技ホール側の管理制御装置に対して各種信号が出力される。また、ベース部211にはパチンコ機10後方からみて右端部に上下一対の掛止ピン214が設けられており、掛止ピン214を本体枠13に設けられた前記軸受け部133に挿通させることで、裏パックユニット15が本体枠13に対して回動可能に支持されている。また、ベース部211には、本体枠13に設けられた被締結孔134に対して締結するための締結具215が設けられており、当該締結具215を被締結孔134に嵌め込むことで本体枠13に対して裏パックユニット15が固定されている。
ベース部211には、保護カバー部212を迂回するようにして払出機構部202が配設されている。すなわち、裏パック201の最上部には上方に開口したタンク221が設けられており、タンク221には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク221の下方には、下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール222が連結され、タンクレール222の下流側には上下方向に延びるケースレール223が連結されている。また、ケースレール223の最下流部には払出装置224が設けられている。
ケースレール223には、図12に示すように、当該ケースレール223内に形成された通路を通じてタンク221から払出装置224まで連なった遊技球を検知するように球無検知センサ223aが設けられている。球無検知センサ223aは、磁気検知タイプの近接センサにて構成されており、検知範囲内を遊技球が通過する際の磁界の変化が検知されて電気信号として出力される。なお、球無検知センサ223aは磁気検知タイプの近接センサに限定されることはなく、遊技球を検知することができるのであれば任意であり、例えば、フォトセンサやリミットセンサなどを用いてもよい。
球無検知センサ223aは後述する払出制御装置242に対して電気信号を出力する。具体的には、遊技球を検知していない状態ではLOW信号を出力し、遊技球を検知している状態ではHI信号を出力する。なお、これに限定されることはなく、遊技球を検知していない状態ではHI信号を出力し、遊技球を検知している状態ではLOW信号を出力する構成としてもよく、また遊技球を検知している状態においてのみ電気信号を出力する構成としてもよい。
払出制御装置242では、球無検知センサ223aの検知結果に基づいてタンク221が球無状態であるか否かを特定する。具体的には、予め定められた球無判定継続期間が経過するまで球無検知センサ223aにおける遊技球の非検知状態が継続された場合には、タンク221が球無状態であると特定する。払出制御装置242においてタンク221が球無状態であると特定された場合、払出装置224による遊技球の払出動作が停止される。これにより、タンク221が球無状態であるにも係らず、払出装置224が動作し続けることが防止される。かかる払出動作の停止は、タンク221の球無状態が解除され球無検知センサ223aにて遊技球が検知され出すことにより解除される。また、払出制御装置242においてタンク221が球無状態であると特定された場合、それに対応した報知処理が実行される。これについては後に説明する。なお、タンク221において球詰まりが発生し、払出装置224側へ遊技球が流れていかない場合も球無状態であると特定される。
払出装置224は、当該払出装置224に内蔵された回転体を回転させる払出モータ224aを備えており、払出モータ224aに駆動されて回転体が回転することにより、当該回転体とタンク221との間に待機している遊技球が下流側へ払い出される。また、払出装置224は、下流側へと払い出された遊技球を検知する払出球検知センサ224bを備えている。払出モータ224a及び払出球検知センサ224bは共に後述する払出制御装置242と電気的に接続されており、払出モータ224aは払出制御装置242により駆動制御されるとともに、払出球検知センサ224bの検知結果に基づいて払出制御装置242において下流側へと払い出された遊技球の数が特定される。
払出装置224より払い出された遊技球は、当該払出装置224の下流側に設けられた図示しない払出通路を通じて、裏パック201のベース部211に設けられた遊技球分配部225に供給される。遊技球分配部225は、払出装置224より払い出された遊技球を上皿33、下皿34又は後述する排出通路の何れかに振り分けるための機能を有し、内側の開口部226が上述した本体側上皿通路122及び前扉側上皿通路51を介して上皿33に通じ、中央の開口部227が本体側下皿通路123及び前扉側下皿通路52を介して下皿34に通じ、外側の開口部228が排出通路に通じるように形成されている。
払出機構部202には、裏パック基板229が設置されている。裏パック基板229には、例えば交流24ボルトの主電源が供給され、電源スイッチ229aの切替操作により電源ON又は電源OFFとされるようになっている。
ベース部211の下端部には、当該下端部を前後に挟むようにして排出通路盤203及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。排出通路盤203は、制御装置集合ユニット204と対向する面に後方に開放された排出通路231が形成されており、当該排出通路231の開放部は制御装置集合ユニット204によって塞がれている。排出通路231は、遊技ホールの島設備等へ遊技球を排出するように形成されており、上述した回収通路151等から排出通路231に導出された遊技球は当該排出通路231を通ることでパチンコ機10外部に排出される。
制御装置集合ユニット204は、横長形状をなす取付台241を有し、取付台241に払出制御装置242と電源及び発射制御装置243とが搭載されている。これら払出制御装置242と電源及び発射制御装置243とは、払出制御装置242がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置242は、基板ボックス244内に払出装置224を制御する払出制御基板が収容されている。なお、払出制御装置242から払出装置224への払出指令の信号は上述した裏パック基板229により中継される。また、払出制御装置242には状態復帰スイッチ245が設けられている。例えば、払出装置224における球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ245が押されると、球詰まりの解消が図られるようになっている。
電源及び発射制御装置243は、基板ボックス246内に電源及び発射制御基板が収容されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電力が生成されて出力され、さらに遊技者による遊技球発射ハンドル41の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。また、電源及び発射制御装置243にはRAM消去スイッチ247が設けられている。本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。したがって、例えば遊技ホールの営業終了の場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持されるが、RAM消去スイッチ247を押しながら電源を投入すると、RAMデータが初期化されるようになっている。
次に、パチンコ機10の電気的構成について、図14のブロック図に基づいて説明する。図14では、電力の供給ラインを二重線矢印で示し、信号ラインを実線矢印で示す。
主制御装置162に設けられた主制御基板301には、主制御回路302と停電監視回路303(電断監視回路)とが内蔵されている。主制御回路302には、CPU311が搭載されている。
CPU311には、当該CPU311により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM312(不揮発性記憶手段)と、そのROM312内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM313(揮発性記憶手段)と、割込回路やタイマ回路、データ入出力回路などの各種回路が内蔵されている。なお、CPU311、ROM312及びRAM313の一部又は全部をそれぞれ別のチップとして設けてもよい。
RAM313は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源及び発射制御装置243に設けられた電源及び発射制御基板321から記憶保持用電力が供給されて情報が記憶保持される構成となっている。
CPU311には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。CPU311の入力側には、主制御基板301に設けられた停電監視回路303、払出制御装置242に設けられた払出制御基板322及びその他図示しないセンサ群などが接続されている。この場合に、停電監視回路303には電源及び発射制御基板321が接続されており、CPU311(主制御回路302)には停電監視回路303を介して電力が供給される。
一方、CPU311の出力側には、停電監視回路303、払出制御基板322及び中継端子板323が接続されている。払出制御基板322には、賞球コマンドなどといった各種コマンドが出力される。中継端子板323を介して主制御回路302から音声ランプ制御装置143に設けられた音声ランプ制御基板324に対して各種コマンドなどが出力される。
停電監視回路303は、主制御回路302と電源及び発射制御基板321とを中継し、また電源及び発射制御基板321から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。そして、この電圧が22ボルト未満になると電源遮断の発生と判断し、主制御回路302に停電信号を送信する。
払出制御基板322は、払出装置224により賞球などの払出制御を行うものである。演算装置であるCPU331は、そのCPU331により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM332と、ワークメモリ等として使用されるRAM333とを備えている。なお、CPU331、ROM332及びRAM333の一部又は全部をそれぞれ別のチップとして設けてもよい。
払出制御基板322のCPU331には、入出力ポートが設けられている。CPU331の入力側には、主制御回路302、電源及び発射制御基板321、及び裏パック基板229が接続されている。また、CPU331の出力側には、主制御回路302及び裏パック基板229が接続されている。
電源及び発射制御基板321は、電入時用電源部321aと発射制御部321bとを備えている。電入時用電源部321aは、例えば、遊技ホール等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御回路302や払出制御基板322等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を二重線矢印で示す経路を通じて主制御回路302や払出制御基板322等に対して供給する。その概要としては、電入時用電源部321aは、裏パック接続基板229を介して供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種センサやモータ等を駆動するための+12V電力、ロジック用の+5V電力などを生成し、これら+12V電力、+5V電力を主制御回路302や払出制御基板322等に対して供給する。
発射制御部321bは、遊技者による遊技球発射ハンドル41の操作にしたがって遊技球発射機構110の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構110は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
また、電源及び発射制御基板321には、電断時用電源部321cが搭載されている。電断時用電源部321cはコンデンサからなり、パチンコ機10の電源がON状態の場合(外部電源からの電力供給が行われている場合)に充電される。また、パチンコ機10の電源がOFF状態の場合や商用電源における停電発生時といった電源遮断状態(外部電源からの電力供給が遮断されている場合)では、電断時用電源部321cから放電され主制御基板301のRAM313に対して記憶保持用電力が供給される。よって、かかる状況であっても、電断時用電源部321cから記憶保持用電力が供給されている間はRAM313に記憶された情報が消去されることなく記憶保持される。
ちなみに、電断時用電源部321cの容量は比較的大きく確保されており、電源遮断前にRAM313に記憶されていた情報は所定の期間内(例えば、1日や2日)保持される。また、電断時用電源部は、コンデンサに限定されることはなく、バッテリや非充電式電池などであってもよい。非充電式電池の場合、パチンコ機10の電源がON状態の際に電断時用電源手段への蓄電を行う必要はないが、定期的に交換する必要が生じる。
また、電源及び発射制御基板321には、上記電断時用電源部321cとは異なる停電時処理用電源部が設けられている。電源及び発射制御基板321では、直流安定24ボルトの電源が22ボルト未満になった後においても、停電時処理用電源部から放電することにより、後述する停電時処理の実行に十分な時間の間、制御系の駆動電源である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。これにより、主制御回路302などは、停電時処理を正常に実行し完了することができる。
音声ランプ制御基板324は、各種ランプ部23〜25やスピーカ部26、及び表示制御装置325を制御するものである。演算装置であるCPU341は、そのCPU341により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM342と、ワークメモリ等として使用されるRAM343とを備えている。
音声ランプ制御基板324のCPU341には入出力ポートが設けられている。CPU341の入力側には中継端子板323に中継されて主制御回路302が接続されており、主制御回路302から出力される各種コマンドに基づいて、各種ランプ部23〜25、スピーカ部26、及び表示制御装置325を制御する。表示制御装置325は、音声ランプ制御基板324から入力する表示コマンドに基づいて図柄表示装置91を制御する。
次に、図柄表示装置91の表示内容について、図15に基づいて説明する。
図柄表示装置91には、左・中・右の3つの図柄列が設定されている。各図柄列は、例えば「0」〜「9」の数字を各々付した主図柄と、例えば菱形状の絵図柄からなる副図柄とにより構成されている。各主図柄及び副図柄がそれぞれ第1図柄を構成している。各図柄列では、数字の昇順又は降順に主図柄が配列されると共に各主図柄の間に副図柄が配されている。すなわち、各図柄列には、10個の主図柄及び10個の副図柄の計20個の第1図柄が備えられている。そして、図柄表示装置91には、各図柄列毎に20個の第1図柄が周期性をもって上から下へとスクロールするように変動表示されるようになっている。図柄表示装置91には、各図柄列毎に上・中・下の3段の第1図柄が表示されるようになっている。従って、図柄表示装置91には、3段×3列の計9個の第1図柄が表示される。また、図柄表示装置91には、5つの有効ライン、すなわち上ラインL1、中ラインL2、下ラインL3、右上がりラインL4、左上がりラインL5が設定されている。そして、左図柄列→右図柄列→中図柄列の順に変動表示が停止し、その停止時にいずれかの有効ライン上に大当たり図柄の組合せ(本実施の形態では、同一の主図柄の組合せ)で揃えば大当たりとして大当たり動画が表示されるようになっている。
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。
本実施の形態では、主制御装置162内のCPU311は、遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり抽選、第1特定ランプ部93の発光色の設定や、図柄表示装置91の図柄表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図16に示すように、大当たりの抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、確変大当たりや通常大当たり等の大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置91が外れ変動する際のリーチ抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、図柄表示装置91の変動パターン選択に使用する第1変動種別カウンタCS1と、第1特定ランプ部93に表示される色の切り替えを行う期間を決定する第2変動種別カウンタCS2と、左列、中列及び右列の各外れ図柄の設定に使用する左・中・右の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRとを用いることとしている。
このうち、カウンタC1〜C3,CINI,CS1,CS2は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。また、外れ図柄カウンタCL,CM,CRは、CPU311内のRレジスタ(リフレッシュレジスタ)を用いてレジスタ値が加算され、結果的に数値がランダムに変化する構成となっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM313の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM313には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる保留球格納バッファが設けられており、これらの各エリアには、作動口84への遊技球の入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値が時系列的に格納されるようになっている。
各カウンタについて詳しくは、大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜676の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり676)に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜676)。大当たり乱数カウンタC1は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球が作動口84に入賞したタイミングでRAM313の保留球格納
バッファに格納される。
大当たり種別カウンタC2は、0〜49の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり49)に達した後0に戻る構成となっている。そして、本実施の形態では、大当たり種別カウンタC2によって、大当たりが終了した後に、確変状態とするか通常状態とするかを決定することとしている。大当たり種別カウンタC2は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球が作動口84に入賞したタイミングでRAM313の保留球格納バッファに格納される。
リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり238)に達した後0に戻る構成となっている。本実施の形態では、リーチ乱数カウンタC3によって、リーチ発生した後最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」と、同じくリーチ発生した後最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」と、リーチ発生しない「完全外れ」とを抽選することとしている。リーチ乱数カウンタC3は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球が作動口84に入賞したタイミングでRAM313の保留球格納バッファに格納される。
第1変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっており、第2変動種別カウンタCS2は、例えば0〜240の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり240)に達した後0に戻る構成となっている。第1変動種別カウンタCS1によって、いわゆるノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等、第1図柄のリーチ種別やその他大まかな図柄変動態様といった図柄表示装置91の表示態様が決定され、第2変動種別カウンタCS2によって、第1特定ランプ部93に表示される色の切り替えを行う期間としての切替表示時間が決定される。また、この切替表示時間は、図柄表示装置91の図柄の変動時間に相当する。従って、当該第2変動種別カウンタCS2によって、図柄表示装置91においてリーチが発生した後に最終停止図柄(本実施の形態では中図柄)が停止するまでの経過時間(言い換えれば、変動図柄数)などより細かな図柄変動態様も決定されることとなる。つまり、図柄表示装置91に関しては、これらの両変動種別カウンタCS1,CS2を組み合わせることで、変動パターンの多種多様化を容易に実現できる。両変動種別カウンタCS1,CS2は、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、第1特定ランプ部93に表示される色の切り替え開始時及び図柄表示装置91による第1図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して両変動種別カウンタCS1,CS2のバッファ値が取得される。
左・中・右の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRは、大当たり抽選が外れとなった時に左列第1図柄、中列第1図柄、右列第1図柄の外れ停止図柄を決定するためのものであり、各列では主図柄及び副図柄の合わせて20の第1図柄の何れかが表示されることから、各々に20個(0〜19)のカウンタ値が用意されている。外れ図柄カウンタCLにより左図柄列の上・中・下段の各図柄が決定され、外れ図柄カウンタCMにより中図柄列の上・中・下段の各図柄が決定され、外れ図柄カウンタCRにより右図柄列の上・中・下段の各図柄が決定される。
本実施の形態では、CPU311に内蔵のRレジスタの数値を用いることにより各カウンタCL,CM,CRの値をランダムに更新する構成としている。すなわち、各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新時には、前回値にRレジスタの下位3ビットの値が加算され、その加算結果が最大値を超えた場合に20減算されて今回値が決定される。各外れ図柄カウンタCL,CM,CRは更新時期が重ならないようにして通常処理内で更新され、それら外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせが、RAM313の前後外れリーチ図柄バッファ、前後外れ以外リーチ図柄バッファ及び完全外れ図柄バッファの何れかに格納される。そして、第1図柄の変動開始時における変動パターン決定に際し、リーチ乱数カウンタC3の値に応じて前後外れリーチ図柄バッファ、前後外れ以外リーチ図柄バッファ及び完全外れ図柄バッファの何れかのバッファ値が取得される。
なお、図示は省略するが、第2特定ランプ部94の抽選には第2特定ランプ乱数カウンタが用いられる。第2図柄乱数カウンタは、例えば0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり250)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。第2特定ランプ乱数カウンタは定期的に(本実施の形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球がスルーゲート85を通過したことが検知された時に取得される。
次に、主制御基板301のCPU311により実行される各制御処理を図17〜図21のフローチャート等を参照しながら説明する。かかるCPU311の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理とがあり、説明の便宜上、はじめにNMI割込み処理とタイマ割込み処理とを説明し、その後メイン処理を説明する。
図17は、NMI割込み処理であり、当該処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に実行される。すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号が電源監視回路303からCPU311のNMI端子に出力され、CPU311は実行中の制御を中断してNMI割込み処理を開始する。NMI割込み処理では、ステップS101にてRAM313に設けられた停電フラグ格納エリアに停電フラグを格納し、本処理を終了する。その後、後述する通常処理にて停電フラグが格納されていることが確認されることで、停電時処理が実行される。
次に、タイマ割込み処理について図18のフローチャートを用いて説明する。
先ずステップS201では、各種センサや払出制御基板322などからの信号読み込み処理を実行する。なお、信号読み込み処理のうち、遊技球の払出等に関する処理の詳細については後に説明する。
その後、ステップS202では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では676)に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM313の該当するバッファ領域に格納する。続くステップS203では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態ではそれぞれ、676,49,238)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C3の更新値を、RAM313の該当するバッファ領域に格納する。その後、ステップS204にて始動入賞処理を実行する。
始動入賞処理では、図19のフローチャートに示すように、先ずステップS301にて、RAM313の作動口フラグ格納バッファに作動口フラグが格納されているか否かを判定することにより、遊技球が作動口84に入賞(始動入賞)したか否かを判定する。遊技球が作動口84に入賞したと判定すると、続くステップS302において、第1特定ランプ部93及び図柄表示装置91の作動保留球数Nが上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判定する。作動口84への入賞があり、且つ作動保留球数N<4であることを条件にステップS303に進み、作動保留球数Nを1加算する。続くステップS304では、前記ステップS203で更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を、RAM313の保留球格納バッファの空き記憶エリアのうち最初のエリアに格納する。そして、始動入賞処理の後、CPU311は本タイマ割込み処理を一旦終了する。
次に、電源投入時のリセットに伴い起動されるメイン処理について、図20のフローチャートを用いて説明する。
先ずステップS401では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、従側の制御基板(払出制御基板322等)が動作可能な状態になるのを待つために例えば1秒程度、ウェイト処理を実行する。続くステップS402では、RAM313のアクセスを許可する。
その後、ステップS403では、電源及び発射制御装置243に設けたRAM消去スイッチ247がオンされているか否かを判定し、続くステップS404ではRAM313の停電フラグ格納バッファに停電フラグが格納されているか否かを判定する。また、ステップS405ではRAM判定値を算出し、続くステップS406では、そのRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわち記憶保持されたデータの有効性を判定する。RAM判定値は、例えばRAM313の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。なお、RAM313の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かにより記憶保持されたデータの有効性を判断することも可能である。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ247を押しながら電源が投入される。従って、RAM消去スイッチ247が押されていれば、ステップS407〜S408の処理に移行する。また、電源遮断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)により記憶保持されたデータの異常が確認された場合も同様にステップS407〜S408の処理に移行する。
ステップS407では、RAM313の使用領域を0にクリアし、ステップS408ではRAM313の初期化処理を実行する。その後、ステップS409にて割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。
一方、RAM消去スイッチ247が押されていない場合には、停電フラグが格納されていること、及びRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、ステップS410にて停電フラグ格納バッファに格納されている停電フラグをクリアする。その後、ステップS409にて割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。これにより、電源遮断前の状態に復帰する。
次に、通常処理について、図21のフローチャートを用いて説明する。この通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS501〜S508の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS510,S511のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
通常処理において、ステップS501では、前回の処理で更新されたコマンド等の出力データを従側の各制御基板に出力する。続くステップS502では、両変動種別カウンタCS1,CS2の更新を実行する。具体的には、両変動種別カウンタCS1,CS2を1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態では198,240)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、両変動種別カウンタCS1,CS2の更新値を、RAM313の該当するバッファ領域に格納する。続くステップS503では、左図柄列、中図柄列及び右図柄列の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新を実行する。
外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新処理では、左・中・右図柄列のいずれかの更新時期か否かを判定し、更新時期となった図柄列の外れ図柄カウンタCL,CM,CRを更新する。各外れ図柄カウンタCL,CM,CRは、重複することなく1回の通常処理で1つずつ順に更新され、通常処理を3回実行する毎に外れ図柄カウンタCL,CM,CRの1セット分が更新されるようになっている。そして、更新した外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせが、前後外れリーチとなる外れリーチ図柄の組合せである場合、前後外れ以外リーチ図柄の組合せである場合、リーチとならない完全外れ図柄の組合せである場合には、その組合せがそれぞれに対応したバッファ内に格納される。なお、更新した外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合せが大当たり図柄の組合せである場合には、そのまま更新処理を終了する。
外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新処理の後は、ステップS504にて第1特定ランプ部93に表示される色の切り替えを行うための第1特定ランプ部制御処理を実行する。第1特定ランプ部制御処理では、大当たり判定や第1特定ランプ部93に配設されたLEDランプの光源スイッチのオンオフ制御などが行われる。また、第1特定ランプ部制御処理において、図柄表示装置91による第1図柄の変動表示の設定も行われる。
具体的には、大当たり乱数カウンタC1の値に基づいて大当たりか否かを判定し、さらに大当たり種別カウンタC2の値に基づいて大当たりの種類を決定する(いわゆる、確変大当たりか否かを決定する)。なお、この際、第1図柄における大当たり図柄の種類及び大当たり図柄の組合せの停止ラインも決定し、停止図柄コマンドとして設定する。また、大当たりが発生しないと判定された場合には、リーチ乱数カウンタC3の値に基づいて第1図柄における外れ図柄の組合せの態様を決定する。かかる場合に、上記外れ図柄カウンタ更新処理にて更新されバッファ内に格納された図柄の組合せを停止図柄コマンドとして設定する。さらに、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいて、第1特定ランプ部93に表示される色の切替表示時間、及び第1図柄の変動表示時間を決定する。さらに、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいて第1図柄におけるリーチ種別やその大まかな図柄変動態様を決定し、変動態様コマンドとして設定する。なお、当該第1特定ランプ部制御処理にて第1特定ランプ部93のオンオフ制御が開始される毎に作動保留球数Nが1減算され、作動保留球数Nが0の場合にはオンオフ制御が開始されない。
第1特定ランプ部制御処理の後は、ステップS505にて大入賞口開閉処理を実行する。大入賞口開閉処理では、大当たり状態である場合において可変入賞装置83の大入賞口を開放又は閉鎖する。すなわち、大当たり状態のラウンド毎に大入賞口を開放し、大入賞口の最大開放時間が経過したか、又は大入賞口に遊技球が規定数だけ入賞したかを判定する。この規定数だけ入賞したか否かの判定は、上述した大入賞口用カウンタを確認することにより行われる。そして、これら何れかの条件が成立すると大入賞口を閉鎖する。
その後、ステップS506では、第2特定ランプ部94に表示される色の切り替え処理を行うための第2特定ランプ部制御処理を実行する。第2特定ランプ部制御処理では、ゲート保留球数が1以上であることを条件に第2特定ランプ部94における表示色の切り換えを開始する。この際、表示色の切り換え時間も設定する。また、既に取得されている第2特定ランプ乱数カウンタの値に基づいて停止表示する色を設定する。この停止表示される色として所定の色が設定された場合には、その色の停止表示後に、作動口84に付随する電動役物が所定時間開放される。
ステップS506の後は、ステップS507にて、遊技球発射制御処理を実行する。遊技球発射制御処理では、電源及び発射制御基板321の発射制御部321bから発射許可信号を入力していることを条件として、所定期間(例えば、0.6sec)に1回、遊技球発射機構110のソレノイド111を励磁する。これにより、発射レール112上にある遊技球が遊技領域に向けて打ち出される。ちなみに、発射許可信号は、CPU311における入力ポート311以外の入力ポートに入力されており、当該遊技球発射制御処理にてその入力ポートに発射許可信号があるか否かを確認する。
ステップS507の後はステップS508にて、RAM313内に設けられた停電フラグ格納バッファに停電フラグが格納されているか否かを判定する。停電フラグが格納されていない場合は、繰り返し実行される複数の処理の最後の処理が終了したこととなるので、ステップS509にて次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4msec)が経過したか否かを判定する。そして、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び両変動種別カウンタCS1,CS2の更新を繰り返し実行する。つまり、ステップS510では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では676)に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM313の該当するバッファ領域に格納する。また、ステップS511では、両変動種別カウンタCS1,CS2の更新を実行する。具体的には、両変動種別カウンタCS1,CS2を1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態では198,240)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、両変動種別カウンタCS1,CS2の更新値を、RAM313の該当するバッファ領域に格納する。
一方、ステップS508にて、停電フラグが格納されていると判定した場合は、電源遮断が発生したことになるので、ステップS512以降の停電時処理を実行する。つまり、ステップS512では、タイマ割込み処理の発生を禁止し、その後、ステップS513にて電源が遮断されたことを示す停電コマンドを払出制御基板322等の他の制御基板に対して出力する。そして、ステップS514にてRAM判定値を算出、保存し、ステップS515にてRAM313のアクセスを禁止した後に、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
(遊技球の払出及び当該払出に付随した報知に関する電気的構成)
次に、遊技球の払出及び当該払出に付随した報知に関する電気的構成及び処理構成について詳細に説明する。先ず、電気的構成について、図22のブロック図を参照しながら説明する。図22では、電力の供給ラインを二重線矢印で示し、信号ラインを実線矢印で示す。
既に説明したように主制御基板301と払出制御基板322とは電気的に接続されており、主制御基板301から払出制御基板322に指令情報としてのコマンドが出力されるとともに、払出制御基板322から主制御基板301にも指令情報としてのコマンドが出力される。
電源及び発射制御基板321の電入時用電源部321aからの電力は、主制御基板301のCPU311のVCC端子、及び払出制御基板322のCPU331のVCC端子に供給される。VCC端子に供給された電力により、外部電源からの電力供給が行われている状況において、各CPU311,331にて各種制御処理が実行されるとともに、各RAM313,333にて情報の記憶保持が行われる。
また、電源及び発射制御基板321の電断時用電源部321cからの電力は、主制御基板301のCPU311のVBB端子に供給される。つまり、電断時用電源部321cからの電力は、主制御基板301のRAM313に供給されるが、払出制御基板322のRAM333には供給されない。VBB端子に供給された電力により、外部電源からの電力供給が遮断されている状況において、主制御基板301のRAM313にて情報の記憶保持が行われる。なお、既に説明したように、電入時用電源部321a及び電断時用電源部321cから主制御基板301のCPU311に供給される電力は、停電監視回路303にて中継される。
主制御基板301の入力側には、払出制御基板322以外にも、入賞口センサ152、カウントセンサ153及び作動口センサ154が接続されており、これら各種センサ152,153,154から入力する電気信号に基づいて、主制御基板301のCPU311では一般入賞口82,可変入賞装置83,作動口84への入球の有無が特定される。
詳細には、主制御基板301のRAM313には個別記憶手段としての入賞記憶用リングバッファ313aが設けられている。入賞記憶用リングバッファ313aは、入賞情報の記憶専用のものであり、図23(a)に示すように、第1記憶領域RA1〜第256記憶領域RA256の256個の記憶領域からなる。なお、各記憶領域は1バイト(複数ビット)で構成されているが、これに限定されることはなく2バイト、又は3バイト以上で構成してもよい。また、記憶領域の数は、払出装置224による遊技球の払出が停止されていない状況(遊技球の払出が制限されていない状況)であって、大当たり状態などの多数の入賞が連続して発生し得る状況において、全ての記憶領域に払出対象の入賞情報が記憶されてしまわないのであれば任意であり、150個や300個などであってもよい。
入賞記憶用リングバッファ313aに対しては、書き込みポインタ(書き込み特定用手段)と読み出しポインタ(読み出し特定用手段)とが設定されている。書き込みポインタに基づき、第1記憶領域RA1から第256記憶領域RA256に至るまで規則性を持って入賞情報が格納(記憶)され、全ての記憶領域に入賞情報が格納された場合には、第1記憶領域RA1に戻り入賞情報が更新されるよう構成されている。各記憶領域には1個の入賞情報が格納される。
ここで、本パチンコ機10には既に説明したように、入球口(入球部又は入賞部)として、一般入賞口82,可変入賞装置83,作動口84が設けられており、各入球口ごとに入球に対する賞球個数(払い出される遊技球の個数)が異なっている。具体的には、一般入賞口82に遊技球が入球した場合の賞球個数は3個であり、可変入賞装置83に遊技球が入球した場合の賞球個数は15個であり、作動口84に遊技球が入球した場合の賞球個数は4個である。これに対応させて、入賞記憶用リングバッファ313aに記憶される入賞情報には、3個入賞情報,15個入賞情報,4個入賞情報が設定されており、入球が発生した入球口に対応した入賞情報が入賞記憶用リングバッファ313aの各記憶領域に格納される。なお、上記賞球個数は一例示であり、その個数は任意である。また、入球部は上記の3種類に限定されることはなく、1種類、2種類又は4種類以上であってもよい。
また、入賞記憶用リングバッファ313aにおいては読み出しポインタに基づき、第1記憶領域RA1から第256記憶領域RA256に至るまで規則性を持って、それら記憶領域に記憶されている入賞情報の読み出しが行われる。なお、書き込みポインタ及び読み出しポインタは、初期状態(入賞記憶用リングバッファ313aに何ら入賞情報が記憶されていない状体)において、第1記憶領域RA1に設定されている。そして、第256記憶領域RA256に向けたポインタの更新は、入賞情報の入力に応じて書き込みポインタが先に行われ、入賞情報の読み出しに応じて読み出しポインタが後に行われる。当該構成であるため、書き込みポインタと読み出しポインタとが同一の記憶領域に設定されている状況では、読み出すべき入賞情報が存在していないことを意味する。
図22に示すように、主制御基板301のRAM313には入賞記憶用リングバッファ313aの他に入賞情報カウンタエリア313bが設けられている。入賞情報カウンタエリア313bは入賞記憶用リングバッファ313aに記憶されている入賞情報の数をCPU311において特定する上で用いられる。
また、主制御基板301のROM312には、入賞テーブル記憶エリア312aが設けられている。入賞テーブル記憶エリア312aには、図23(b)に示すように、入賞記憶用リングバッファ313aの各記憶領域に記憶される入賞情報と、主制御基板301から払出制御基板322に出力される賞球コマンドとの対応関係が記憶されている。入賞記憶用リングバッファ313aに記憶されている入賞情報に基づいて、主制御基板301のCPU311から払出制御基板322に賞球コマンドが出力される場合、入賞テーブル記憶エリア312aに記憶されている情報に基づいて賞球コマンドの種類が特定され、その特定された賞球コマンドが払出制御基板322に出力される。
払出制御基板322では、主制御基板301のCPU311から入力した賞球コマンドに基づいて賞球数を特定し、その特定した賞球数の遊技球が払い出されるように払出制御を実行する。詳細には、払出制御基板322のROM332には賞球テーブル記憶エリア332aが設けられている。賞球テーブル記憶エリア332aには、図24(a)に示すように、主制御基板301から入力する賞球コマンドと、賞球数との対応関係が記憶されている。
また、払出制御基板322のRAM333には払出記憶手段としての賞球数記憶エリア333aが設けられている。賞球数記憶エリア333aは図24(b)に示すように1バイト(複数ビット)で構成されており、賞球テーブル記憶エリア332aに記憶された情報に基づいて特定された賞球数は賞球数記憶エリア333aに加算される。例えば、賞球数記憶エリア333aに記憶されている賞球数が0個である状況において上記特定された賞球数が15個である場合には、賞球数記憶エリア333aは「00001111」となる。なお、賞球数記憶エリア333aは、1バイトに限定されることはなく、2バイト、又は3バイト以上で構成してもよい。
払出制御基板322の出力側には払出装置224の払出モータ224aが接続されており、賞球数記憶エリア333aに記憶された賞球数分の遊技球が払い出されるように払出モータ224aが駆動される。また、払出制御基板322の入力側には払出装置224の払出球検知センサ224bが接続されており、払出モータ224aの駆動に応じて実際に遊技球が払い出されたか否かは払出球検知センサ224bの検知結果に基づいて払出制御基板322のCPU331にて特定される。
また、払出制御基板322の入力側には、上記のもの以外にも、満杯検知センサ59及び球無検知センサ223aが接続されている。これらセンサ59,223aの検知結果に基づいて、払出制御基板322のCPU331にて下皿34の満杯状態及びタンク221の球無状態が特定され、その特定結果が主制御基板301に出力される。主制御基板301のCPU311では、払出制御基板322から入力したコマンドに応じて、音声ランプ制御装置143にコマンドを出力し、各種報知を実行する。
(遊技球の払出に関する処理構成)
次に、遊技球の払出に関する、主制御基板301のCPU311における処理構成について説明する。
先ず、タイマ割込み処理(図18)のステップS201にて実行される信号読み込み処理について、図25のフローチャートを参照しながら説明する。
信号読み込み処理では、ステップS601にて入賞特定処理を実行し、ステップS602にて賞球特定処理を実行し、ステップS603にて主側満杯特定処理を実行し、ステップS604にて主側球無特定処理を実行し、ステップS605にて入賞情報数特定処理を実行する。このうち、ステップS601の入賞特定処理及びステップS602の賞球特定処理が遊技球の払出に関する処理であり、その他は遊技球の払出に付随した報知に関する処理である。なお、信号読み込み処理では、上記ステップS601〜ステップS605の処理の他に、作動口センサ154の検知結果に基づく作動口フラグの格納処理等が実行される。
次に、入賞特定処理について、図26のフローチャートを参照しながら説明する。
入賞特定処理では、先ずステップS701にて入賞信号が有るか否かを判定する。つまり、入賞口センサ152、カウントセンサ153又は作動口センサ154のいずれかから入賞信号を入力しているか否かを判定する。いずれのセンサ152〜154からも入賞信号を入力していない場合には、そのまま本入賞特定処理を終了する。
入賞口センサ152、カウントセンサ153又は作動口センサ154のいずれかから入賞信号を入力している場合には、ステップS702にて、入賞記憶用リングバッファ313aの各記憶領域のうち、今回入力した入賞信号の入賞情報をいずれの記憶領域に格納するかを特定すべく、書き込みポインタを参照する。続くステップS703では、今回入力した入賞信号に対応した入賞情報を、ステップS702にて特定した記憶領域に格納する処理を実行する。
その後、ステップS704にて入賞情報カウンタエリア313bに記憶されている値を1加算し、さらにステップS705にて入賞記憶用リングバッファ313aの書き込みポインタの更新処理を実行した後に、本入賞特定処理を終了する。
次に、賞球特定処理について、図27のフローチャートを参照しながら説明する。
賞球特定処理では、先ずステップS801にて、払出制御基板322から要求コマンドを入力しているか否か、又は主制御基板301のRAM313に設けられた要求フラグ格納エリアに要求フラグが格納されているか否かを判定する。ここで、要求コマンドとは、払出制御基板322のCPU331から主制御基板301のCPU311に出力されるコマンドであり、払出制御基板322の賞球数記憶エリア333aに記憶されている賞球数が少なくなり、新たな賞球コマンドの要求をする際に出力されるコマンドである。また、要求フラグとは、既に払出制御基板322から要求コマンドを入力しており、それに対する賞球コマンドの出力が行われていない状況であることを特定するためのフラグであり、格納されている要求フラグは要求コマンドの出力に際して消去される。
要求コマンド及び要求フラグのいずれも存在していない場合には、払出制御基板322において賞球コマンドの出力を要求していないことを意味するため、ステップS801にて否定判定をし、そのまま本賞球特定処理を終了する。一方、要求コマンド又は要求フラグのいずれかが存在している場合には、払出制御基板322において賞球コマンドの出力を要求していることを意味するため、ステップS801にて肯定判定をし、ステップS802以降の処理を実行する。
ステップS802では、入賞情報カウンタエリア313bに記憶されている値が1以上か否かを判定する。1以上でない場合には、入賞記憶用リングバッファ313aに読み出しを行うべき入賞情報が存在していないことを意味するため、否定判定をし、ステップS803に進む。ステップS803では、要求フラグ格納エリアに要求フラグを格納する。なお、既に要求フラグが格納されている場合には、その格納された状態を維持する。その後、本賞球特定処理を終了する。
一方、入賞情報カウンタエリア313bに記憶されている値が1以上の場合には、入賞記憶用リングバッファ313aに読み出しを行うべき入賞情報が存在していることを意味するため、ステップS802にて肯定判定をし、ステップS804に進む。
ステップS804では、入賞記憶用リングバッファ313aの各記憶領域のうち、いずれの記憶領域に記憶されている入賞情報を賞球コマンドとして出力するかを特定すべく、読み出しポインタを参照する。続くステップS805では、賞球コマンド特定処理を実行する。具体的には、ROM312の入賞テーブル記憶エリア312aに記憶されている情報に基づいて、今回読み出した入賞情報がいずれの賞球コマンドに対応しているかを特定する。
続くステップS806では、ステップS805において賞球コマンドが特定できたか否かを判定する。すなわち、パチンコ機10においては電気的なノイズの発生により、入賞記憶用リングバッファ313aの記憶領域に記憶されている情報が書き換えられてしまうおそれがある。例えば、15個入賞情報として1バイトの情報で「00001111」と設定されている場合に、ノイズの影響で当該情報が「00011111」又は「00000111」となってしまうおそれがある。そうすると、入賞情報に対応した賞球コマンドがROM312の入賞テーブル記憶エリア312aに存在しないこととなり、賞球コマンドを特定することができない。
賞球コマンドが特定できなかった場合には、ステップS807にてコマンド修正処理を実行する。コマンド修正処理では、入賞情報の情報形態に関係なく15個賞球コマンドを選択する。このように15個賞球コマンドを選択することにより、遊技者の利益を担保することができる。つまり、15個入賞情報がノイズ等の影響で書き換えられてしまった場合に、その入賞情報を無視して何ら賞球コマンドを出力しない構成とすると、遊技者にとっては本来得られた15個の遊技球の払出を受けられないこととなってしまう。また、15個入賞情報がノイズ等の影響で書き換えられてしまった場合に、3個賞球コマンド又は4個賞球コマンドを選択する構成としたとしても、同様である。これに対して、コマンド修正処理にて、予め設定されている賞球数のうち最大賞球数に対応した15個賞球コマンドを選択するようにすることで、上記のような不利益を遊技者が被ることが防止されている。また、「00001111」であった入賞情報が「11111111」と書き換えられた場合に、その書き換えられた入賞情報の賞球数となるように賞球コマンドが選択されるとすると、遊技ホールにとっては多大な不利益を被ることとなる。これに対して、上記のようにコマンド修正処理が実行され、15個賞球コマンドが選択されるようにすることで、上記のような不利益を遊技ホールが被ることが防止されている。
ステップS807にてコマンド修正処理を実行した後は、ステップS808に進む。また、ステップS806にて、賞球コマンドが特定できた場合も、ステップS808に進む。ステップS808では、ステップS805にて特定した賞球コマンド又はステップS807にて選択した賞球コマンドをセットする。ここでセットされた賞球コマンドは、上述した通常処理(図21)のステップS501における外部出力処理にて払出制御基板322に出力される。
その後、ステップS809では、入賞情報カウンタエリア313bに記憶されている値を1減算する。続くステップS810では、RAM313の要求フラグ格納エリアに要求フラグが格納されている場合には当該要求フラグを消去する。その後、ステップS811にて、入賞記憶用リングバッファ313aの読み出しポインタの更新処理を実行した後に、本賞球特定処理を終了する。
次に、払出制御基板322のCPU331における処理構成について説明する。かかるCPU331の処理としては大別して、主制御基板301のCPU311からのコマンドの入力により起動される入力時割込み処理と、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では2msec周期で)起動されるタイマ割込み処理とがあり、説明の便宜上、はじめに入力時割込み処理を説明し、その後、メイン処理、タイマ割込み処理の順で説明する。
入力時割込み処理では、図28のフローチャートに示すように、先ずステップS901にて入力したコマンドが停電コマンドか否かを判定する。停電コマンドである場合には、ステップS902にてRAM333の停電フラグ格納バッファに停電フラグを格納した後に、本入力時割込み処理を終了する。
一方、入力したコマンドが停電コマンドでない場合には、ステップS901にて否定判定をし、ステップS903に進む。ステップS903では、入力したコマンドが賞球コマンドか否かを判定する。賞球コマンドでない場合には、そのまま本入力時割込み処理を終了する。
賞球コマンドである場合には、ステップS904にて、コマンド解析処理を実行する。具体的には、ROM332の賞球テーブル記憶エリア332aに記憶されている情報に基づいて、今回入力した賞球コマンドがいずれの賞球数に対応しているかを特定する。
続くステップS905では、ステップS904において賞球コマンドに対応した賞球数を特定できたか否かを判定する。すなわち、パチンコ機10においては電気的なノイズの発生により、主制御基板301から払出制御基板322に到達する過程で賞球コマンドが書き換えられてしまうおそれがある。例えば、15個賞球コマンドとして1バイトの情報で「00001111」と設定されている場合に、ノイズの影響で当該情報が「00011111」又は「00000111」となってしまうおそれがある。そうすると、賞球コマンドに対応した賞球数がROM332の賞球テーブル記憶エリア332aに存在しないこととなり、賞球数を特定することができない。
賞球数が特定できなかった場合には、ステップS906にて賞球数修正処理を実行する。賞球数修正処理では、賞球コマンドの情報形態に関係なく15個の賞球数を選択する。このように15個の賞球数を選択することにより、遊技者の利益を担保することができる。つまり、15個賞球コマンドがノイズ等の影響で書き換えられてしまった場合に、その賞球コマンドを無視して何ら賞球数を加算しない構成とすると、遊技者にとっては本来得られた15個の遊技球の払出を受けられないこととなってしまう。また、15個賞球コマンドがノイズ等の影響で書き換えられてしまった場合に、3個の賞球数又は4個の賞球数を選択する構成としたとしても、同様である。これに対して、賞球数修正処理にて、予め設定されている賞球数のうち最大賞球数である15個の賞球数が選択されるようにすることで、上記のような不利益を遊技者が被ることが防止されている。また、「00001111」であった賞球コマンドが「11111111」と書き換えられた場合に、その書き換えられた賞球コマンドに対応した賞球数が選択されるとすると、遊技ホールにとっては多大な不利益を被ることとなる。これに対して、上記のように賞球数修正処理が実行され、15個の賞球数が選択されるようにすることで、上記のような不利益を遊技ホールが被ることが防止されている。
ステップS906にて賞球数修正処理を実行した後は、ステップS907に進む。また、ステップS905にて、賞球数が特定できた場合も、ステップS907に進む。ステップS907では、ステップS904にて特定した賞球数又はステップS906にて選択した賞球数を、賞球数記憶エリア333aに記憶されている賞球数に加算する。
続くステップS908では、入力時マスク処理を実行する。入力時マスク処理では、賞球数記憶エリア333aに記憶されている賞球数が上限賞球数(上限遊技媒体数)である18個を越えている場合に18個以下となるように賞球数を修正する処理である。具体的には、払出制御基板322のROM332には1バイト構成のマスク用情報が予め記憶されている。マスク用情報としては、「00001111」、「00010000」、「00010001」、「00010010」の各情報が記憶されている。入力時マスク処理では、1バイト構成の賞球数記憶エリア333aの情報をCPU331のレジスタに呼び出し、その呼び出した情報に対して上記各マスク用情報を個別にAND処理する。そして、AND処理したもののうち、最大賞球数となるものを賞球数記憶エリア333aに記憶させる。これにより、ノイズの影響で賞球数記憶エリア333aに記憶されている情報が上限賞球数を越えたとしても、それを上限賞球数以下とすることができる。よって、遊技ホールが不利益を被ってしまうことを抑制できる。また、上限賞球数を越えた場合にそれを無効とする(すなわち、「0」とする)のではなく、マスク用情報とAND処理した数となるため、遊技者が不利益を被ってしまうことが極力抑制される。入力時マスク処理を実行した後に、本入力時割込み処理を終了する。
次に、払出制御基板322のCPU331にて実行されるメイン処理を、図29のフローチャートを参照しながら説明する。このメイン処理は、電源投入時のリセットに伴い起動される。
先ず、ステップS1001では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、割込みモードを設定する。そして、ステップS1002に進んでRAMアクセスを許可すると共に、ステップS1003で外部割込みベクタの設定を行う。その後、ステップS1004にてRAM333の全領域を0にクリアし、ステップS1005にてCPU周辺デバイスの初期設定を行う。続くステップS1006では割込みを許可し、ステップS1007にてRAM333の停電フラグ格納バッファに停電フラグが格納されているか否かを判定し、停電フラグが格納されていなければ、停電フラグが格納されるまで待機する。
一方、停電フラグ格納されている場合には、停電が発生したことになるので、停電時処理としてステップS1008以降の処理を実行する。停電時処理では、先ずステップS1008にて各割込み処理の発生を禁止する。その後、ステップS1009にてRAM333のアクセスを禁止して、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループが継続する。
次に、払出制御基板322のCPU331により例えば2msec毎に実行されるタイマ割込み処理について、図30のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップS1101にて状態復帰スイッチ245をチャックして、状態復帰動作開始と判定した場合に状態復帰動作を実行する。その後、ステップS1102にて払出側満杯特定処理を実行し、ステップS1103にて払出側球無特定処理を実行し、ステップS1104にて賞球制御処理を実行した後に、本タイマ割込み処理を終了する。ステップS1102〜ステップS1104の処理のうち、ステップS1104の賞球制御処理が遊技球の払出に関する処理であり、その他は遊技球の払出に付随した報知に関する処理である。なお、タイマ割込み処理では、上記ステップS1101〜ステップS1104の処理の他に、貸球に関する処理などが実行される。
次に、賞球制御処理について、図31のフローチャートを参照しながら説明する。
賞球制御処理では、先ずステップS1201にて払出不可状態であるか否かを判定する。払出不可状態に該当する状況としては、下皿34の満杯状態又はタンク221の球無状態が含まれる。なお、払出制御基板322のRAM333には満杯状態フラグ格納エリア及び球無状態フラグ格納エリアが設けられており、下皿34が満杯状態である場合には後述するように満杯状態フラグ格納エリアに満杯状態フラグが格納され、タンク221が球無状態である場合には後述するように球無状態フラグ格納エリアに球無状態フラグが格納される。したがって、ステップS1201では、満杯状態フラグ又は球無状態フラグの少なくとも一方が格納されているか否かを判定することで、払出不可状態であるか否かを判定する。
払出不可状態である場合にはステップS1201にて肯定判定をし、そのまま本賞球制御処理を終了する。一方、払出不可状態でない場合にはステップS1201にて否定判定をし、ステップS1202に進む。ステップS1202では、払出時マスク処理を実行する。払出時マスク処理では、入力時マスク処理と同様に、賞球数記憶エリア333aに記憶されている賞球数が上限賞球数である18個を越えている場合に18個以下となるように賞球数を修正する処理である。具体的な内容については、入力時マスク処理と同様であるため、説明を省略する。
続くステップS1203では、賞球数記憶エリア333aに記憶されている賞球数が「0」か否かを判定する。賞球数が「0」である場合には、払出を行うべき賞球が存在していないことを意味するため、そのままステップS1207に進む。一方、賞球数が「0」でない場合には、ステップS1204に進み、1個の遊技球の払出を実行する。続くステップS1205では払出球検知センサ224bにて遊技球の通過を検知したことを条件として、賞球数記憶エリア333aに記憶されている賞球数を1減算する。
なお、ステップS1204にて遊技球の払出を実行した直後のステップS1205にて、払出球検知センサ224bにて遊技球を検知しないことが想定される。これに対応すべく、ステップS1204にて遊技球の払出を実行した後であって払出球検知センサ224bにて遊技球を検知していない状況では、ステップS1205以降の処理を実行することなく本賞球制御処理を終了するとともに、その後の各賞球制御処理では、払出球検知センサ224bにて遊技球を検知するまでステップS1201〜ステップS1207の全ての処理を実行しないようにし、払出球検知センサ224bにて遊技球を検知した場合にステップS1205以降の処理を実行するようにする。
ステップS1205の処理を実行した後は、ステップS1206にて賞球数記憶エリア333aに記憶されている賞球数が要求基準数としての「3」以下か否かを判定する。賞球数が「3」以下でない場合には、そのまま本賞球制御処理を終了する。一方、賞球数が「3」以下の場合には、ステップS1207にて要求コマンドを主制御基板301のCPU311に出力する。既に説明したように、主制御基板301のCPU311では、入賞記憶用リングバッファ313aに入賞情報が記憶されている状況において要求コマンドを受け取ることにより、払出制御基板322のCPU331に対して賞球コマンドを出力する。なお、ステップS1203にて肯定判定をした場合にも、ステップS1207にて要求コマンドを主制御基板301のCPU311に出力する。ステップS1207にて要求コマンドを出力した後に、本賞球制御処理を終了する。
次に、入賞とそれに対応する賞球との様子について、図32のタイムチャートを参照して説明する。
払出制御基板322(CPU331)から既に要求コマンドが出力されている状況において、t1のタイミングで入賞が発生することにより、主制御基板301のRAM313の入賞記憶用リングバッファ313aに入賞情報が格納される。そして、その入賞情報に対応した賞球コマンドが主制御基板301(CPU311)から払出制御基板322に出力されることで、その賞球コマンドに対応した賞球数が払出制御基板322のRAM333の賞球数記憶エリア333aに加算される。これにより、払出装置224からの遊技球の払出が開始される。この場合に、主制御基板301における賞球コマンドの特定に際して、特定不可であったコマンドについてはコマンド修正処理が行われるため、ノイズ等の影響で遊技者が不利益を被ることが防止される。また、払出制御基板322における賞球コマンドの解析に際して、解析不可であった賞球数については賞球数修正処理が行われるため、ノイズ等の影響で遊技者が不利益を被ることが防止される。さらには、賞球数が加算された賞球数記憶エリア333aについて上限賞球数を越えないように、入力時マスク処理及び払出時マスク処理が実行されることにより、ノイズ等の影響で遊技ホールが多大な不利益を被ることが防止される。これらの修正処理及びマスク処理に関する効果は、各賞球コマンドごとに果たされる。
その後、t2のタイミングで、賞球数記憶エリア333aに記憶されている賞球数が要求基準数(3個)に達することで、払出制御基板322から主制御基板301に要求コマンドが出力される。
主制御基板301においては、t1のタイミングからt2のタイミングまでに複数の入賞が発生していることに起因して、未だ読み出しが行われていない複数の入賞情報が入賞記憶用リングバッファ313aに記憶されている。上記要求コマンドに応じて、t3のタイミングで、上記未読み出しの入賞情報のうち最も古い入賞情報に対応した賞球コマンドが主制御基板301から払出制御基板322に出力される。これにより、払出制御基板322の賞球数記憶エリア333aに、上記賞球コマンドに対応した賞球数が加算される。上記のように賞球数記憶エリア333aに記憶されている賞球数が「0」ではない(「1」以上である)要求基準数に達することで主制御基板301から賞球コマンドが出力されるようにすることで、払出不可状態でない状況において入賞情報があるにも係らず遊技球の払出が停止されてしまうことはなく、遊技球の払出が連続的なものとなり、遊技球の払出が円滑に行われる。
その後、t4のタイミング、t5のタイミング、t6のタイミングで、上記の要求コマンドと賞球コマンドとのやり取りが行われ、遊技球の払出が円滑に行われていく。
ここで、ノイズ等の影響で、払出制御基板322の賞球数記憶エリア333aが書き換えられてしまうおそれがある。例えば、図32においてt7のタイミングで示すように、15個であった賞球数がノイズ等の影響で5個に書き換えられてしまうことがある。また、t8のタイミングで示すように、5個であった賞球数がノイズ等の影響で18個に書き換えられてしまうことがある。
これに対して、本パチンコ機10では、入賞記憶用リングバッファ313aと賞球数記憶エリア333aとを設け、入賞情報は入賞記憶用リングバッファ313aの各記憶領域に個別に記憶しておき、賞球数記憶エリア333aに記憶される上限賞球数を、1回の入賞に対する最大賞球数(具体的には、15個)と連続的な遊技球の払出を可能とするための要求基準数(具体的には、3個)との和とした。したがって、t7のタイミングで示すような書き換えが発生したとしても、遊技者が被る不利益を低減することができ、t8のタイミングで示すような書き換えが発生したとしても、遊技ホールが被る不利益を低減することができる。つまり、従来のパチンコ機のように未払出の賞球を総賞球数として賞球数記憶エリアに記憶しておく構成においては、その数は比較的多くなる。例えば、賞球数記憶エリアに記憶されている賞球数が500個である状況においてt7のタイミングで示すような書き換えが発生して5個になってしまったとすると、遊技者が被る不利益は多大なものとなる。また、例えば、賞球数記憶エリアに記憶されている賞球数が5個である状況においてt8のタイミングで示すような書き換えが発生して500個になってしまったとすると、遊技ホールが被る不利益は多大なものとなる。これに対して、本パチンコ機10では、上記のとおり、遊技者が被る不利益及び遊技ホールが被る不利益を低減することができる。
(遊技球の払出に付随した報知に関する処理構成)
次に、遊技球の払出に付随した報知に関する処理構成について説明する。ここでは、説明の便宜上、報知に関する払出制御基板322のCPU331における処理構成について先ず説明し、その後、主制御基板301のCPU311における処理構成、及び音声ランプ制御基板324のCPU341における処理構成を説明する。
払出制御基板322のタイマ割込み処理(図30)における払出側満杯特定処理について、図33のフローチャートを参照しながら説明する。
払出側満杯特定処理では、先ずステップS1301にて、RAM333に設けられた払出側満杯状態フラグ格納バッファに払出側満杯状態フラグが格納されているか否かを判定する。この満杯状態フラグは、下皿34が満杯状態となっていることを示すフラグであり、満杯検知センサ59から遊技球を検知している旨の電気信号を満杯判定継続期間に亘って受け取った場合に格納され、当該電気信号の入力が途切れた場合に消去されるフラグである。
払出側満杯状態フラグが格納されていない場合には、ステップS1302〜ステップS1303の払出側満杯監視処理を実行し、払出側満杯状態フラグが格納されている場合には、ステップS1304〜ステップS1305の払出側満杯解除監視処理を実行する。
払出側満杯監視処理では、先ずステップS1302にて満杯検知センサ59から遊技球を検知している旨の電気信号を入力しているか否かを判定する。より詳細には、当該電気信号を上記満杯判定継続期間に亘って入力しているか否かを判定する。入力していない場合には、そのまま本払出側満杯特定処理を終了する。入力している場合には、ステップS1303にて、主制御基板301に満杯コマンドを出力し、さらに払出側満杯状態フラグを格納した後に、本払出側満杯特定処理を終了する。
払出側満杯解除監視処理では、先ずステップS1304にて満杯検知センサ59から遊技球を検知していない旨の電気信号を入力しているか否かを判定する。入力していない場合には、そのまま本払出側満杯特定処理を終了する。入力している場合には、ステップS1305にて、主制御基板301に満杯解除コマンドを出力し、さらに払出側満杯状態フラグを消去した後に、本払出側満杯特定処理を終了する。
次に、払出制御基板322のタイマ割込み処理(図30)における払出側球無特定処理について、図34のフローチャートを参照しながら説明する。
払出側球無特定処理では、先ずステップS1401にて、RAM333に設けられた払出側球無状態フラグ格納バッファに払出側球無状態フラグが格納されているか否かを判定する。この球無状態フラグは、タンク221が球無状態となっていることを示すフラグであり、球無検知センサ223aから遊技球を検知していない旨の電気信号を球無判定継続期間に亘って受け取った場合に格納され、当該電気信号の入力が途切れた場合に消去されるフラグである。
球無状態フラグが格納されていない場合には、ステップS1402〜ステップS1403の払出側球無監視処理を実行し、球無状態フラグが格納されている場合には、ステップS1404〜ステップS1405の払出側球無解除監視処理を実行する。
払出側球無監視処理では、先ずステップS1402にて球無検知センサ223aから遊技球を検知していない旨の電気信号を入力しているか否かを判定する。より詳細には、当該電気信号を上記球無判定継続期間に亘って入力しているか否かを判定する。入力していない場合には、そのまま本払出側球無特定処理を終了する。入力している場合には、ステップS1403にて、主制御基板301に球無コマンドを出力し、さらに球無状態フラグを格納した後に、本払出側球無特定処理を終了する。
払出側満杯解除監視処理では、先ずステップS1404にて球無検知センサ223aから遊技球を検知している旨の電気信号を入力しているか否かを判定する。入力していない場合には、そのまま本払出側球無特定処理を終了する。入力している場合には、ステップS1405にて、主制御基板301に球無解除コマンドを出力し、さらに球無状態フラグを消去した後に、本払出側球無特定処理を終了する。
次に、主制御基板301の信号読み込み処理(図25)における主側満杯特定処理について、図35のフローチャートを参照しながら説明する。
主側満杯特定処理では、先ずステップS1501にて、RAM313に設けられた主側満杯状態フラグ格納バッファに主側満杯状態フラグが格納されているか否かを判定する。この満杯状態フラグは、下皿34が満杯状態となっていること及び満杯報知が行われていることを主制御基板301において把握するためのフラグであり、払出制御基板322から満杯コマンドを入力することにより格納され、払出制御基板322から満杯解除コマンドを入力することにより消去されるフラグである。
主側満杯状態フラグが格納されていない場合には、ステップS1502〜ステップS1503の主側満杯監視処理を実行し、主側満杯状態フラグが格納されている場合には、ステップS1504〜ステップS1505の主側満杯解除監視処理を実行する。
主側満杯監視処理では、先ずステップS1502にて払出制御基板322から満杯コマンドを入力しているか否かを判定する。入力していない場合には、そのまま本主側満杯特定処理を終了する。入力している場合には、ステップS1503にて、満杯報知コマンドをセットするとともに満杯状態フラグを格納した後に、本主側満杯特定処理を終了する。ここでセットされた満杯報知コマンドは通常処理(図21)のステップS501における外部出力処理にて音声ランプ制御基板324に出力される。音声ランプ制御基板324では、満杯報知コマンドを受け取ることにより満杯報知を開始する。これについては後に説明する。
主側満杯解除監視処理では、先ずステップS1504にて払出制御基板322から満杯解除コマンドを入力しているか否かを判定する。入力していない場合には、そのまま本主側満杯特定処理を終了する。入力している場合には、ステップS1505にて、満杯報知解除コマンドをセットするとともに満杯状態フラグを消去した後に、本主側満杯特定処理を終了する。ここでセットされた満杯報知解除コマンドは通常処理(図21)のステップS501における外部出力処理にて音声ランプ制御基板324に出力される。音声ランプ制御基板324では、満杯報知解除コマンドを受け取ることにより満杯報知を終了する。これについては後に説明する。
次に、主制御基板301の信号読み込み処理(図25)における主側球無特定処理について、図36のフローチャートを参照しながら説明する。
主側球無特定処理では、先ずステップS1601にて、RAM313に設けられた主側球無状態フラグ格納バッファに主側球無状態フラグが格納されているか否かを判定する。この球無状態フラグは、タンク221が球無状態となっていること及び球無報知が行われていることを主制御基板301において把握するためのフラグであり、払出制御基板322から球無コマンドを入力することにより格納され、払出制御基板322から球無解除コマンドを入力することにより消去されるフラグである。
主側球無状態フラグが格納されていない場合には、ステップS1602〜ステップS1603の主側球無監視処理を実行し、主側球無状態フラグが格納されている場合には、ステップS1604〜ステップS1605の主側球無解除監視処理を実行する。
主側球無監視処理では、先ずステップS1602にて払出制御基板322から球無コマンドを入力しているか否かを判定する。入力していない場合には、そのまま本主側球無特定処理を終了する。入力している場合には、ステップS1603にて、球無報知コマンドをセットするとともに球無状態フラグを格納した後に、本主側球無特定処理を終了する。ここでセットされた球無報知コマンドは通常処理(図21)のステップS501における外部出力処理にて音声ランプ制御基板324に出力される。音声ランプ制御基板324では、球無報知コマンドを受け取ることにより球無報知を開始する。これについては後に説明する。
主側球無解除監視処理では、先ずステップS1604にて払出制御基板322から球無解除コマンドを入力しているか否かを判定する。入力していない場合には、そのまま本主側球無特定処理を終了する。入力している場合には、ステップS1605にて、球無報知解除コマンドを格納するとともに球無状態フラグを消去した後に、本主側球無特定処理を終了する。ここで格納された球無報知解除コマンドは通常処理(図21)のステップS501における外部出力処理にて音声ランプ制御基板324に出力される。音声ランプ制御基板324では、球無報知解除コマンドを受け取ることにより球無報知を終了する。これについては後に説明する。
次に、主制御基板301の信号読み込み処理(図25)における入賞情報数特定処理について、図37のフローチャートを参照しながら説明する。
入賞情報数特定処理では、先ずステップS1701にて、RAM313に設けられた異常フラグ格納バッファに異常フラグが格納されているか否かを判定する。この異常フラグは、後述する異常報知が行われていることを主制御基板301において把握するためのフラグであり、RAM313の入賞情報カウンタエリア313bの値が上限基準数としての「100」以上となり音声ランプ制御基板324に異常報知コマンドが出力される場合に格納され、入賞情報カウンタエリア313bの値が「100」未満となり音声ランプ制御基板324に異常報知解除コマンドが出力される場合に消去されるフラグである。なお、この上限基準数は「100」に限定されることはなく、入賞記憶用リングバッファ313aの記憶領域の数よりも少ない数であれば任意であり、例えば、「150」又は「200」としてもよい。
異常フラグが格納されていない場合には、ステップS1702〜ステップS1703の異常監視処理を実行し、異常フラグが格納されている場合には、ステップS1704〜ステップS1705の異常解除監視処理を実行する。
異常監視処理では、先ずステップS1702にて入賞情報カウンタエリア313bの値が「100」以上か否かを判定する。「100」以上でない場合には、そのまま本入賞情報数特定処理を終了する。「100」以上である場合には、ステップS1703にて、異常報知コマンドをセットするとともに異常信号を遊技ホールに設けられたホールコンピュータ(遊技ホールに設置された多数の遊技機を管理する管理装置)に出力する。さらには異常フラグを格納する。その後、本入賞情報数特定処理を終了する。ここでセットされた異常報知コマンドは通常処理(図21)のステップS501における外部出力処理にて音声ランプ制御基板324に出力される。音声ランプ制御基板324では、異常報知コマンドを受け取ることにより異常報知を開始する。これについては後に説明する。また、異常信号がホールコンピュータに出力されることにより、ホールコンピュータにおいてパチンコ機10の入賞情報数が上限基準数に達していることを把握することができ、遊技ホールの管理者等にそれに対処するよう促すことが可能となる。
異常解除監視処理では、先ずステップS1704にて入賞情報カウンタエリア313bの値が「100」未満か否かを判定する。「100」未満でない場合には、そのまま本入賞情報数特定処理を終了する。「100」未満である場合には、ステップS1705にて、異常報知解除コマンドをセットするとともに異常解除信号をホールコンピュータに出力する。さらには異常フラグを消去する。その後、本入賞情報数特定処理を終了する。ここでセットされた異常報知解除コマンドは通常処理(図21)のステップS501における外部出力処理にて音声ランプ制御基板324に出力される。音声ランプ制御基板324では、異常報知解除コマンドを受け取ることにより異常報知を終了する。これについては後に説明する。また、異常解除信号がホールコンピュータに出力されることにより、ホールコンピュータにおいてパチンコ機10の入賞情報数が上限基準数に達していた状態が解除されたことを把握することができる。
次に、音声ランプ制御基板324のCPU341にて実行される報知制御処理について、図38のフローチャートを参照しながら説明する。なお、ここでは音声ランプ制御基板324のCPU341において実行される報知制御処理のうち、遊技球の払出に付随した報知に関する処理のみについて説明する。また、当該報知制御処理は予め定められた周期(例えば、2msec)で起動される。
報知制御処理では、先ずステップS1801〜ステップS1805にて、満杯報知用処理を実行する。当該満杯報知用処理では先ずステップS1801にて、RAM343に設けられた満杯報知フラグ格納バッファに満杯報知フラグが格納されているか否かを判定する。この満杯報知フラグは、満杯報知を実行していることを音声ランプ制御基板324において把握するためのフラグであり、主制御基板301から満杯報知コマンドを入力することにより格納され、主制御基板301から満杯報知解除コマンドを入力することにより消去されるフラグである。
満杯報知フラグが格納されていない場合には、ステップS1802〜ステップS1803の満杯報知開始監視処理を実行し、満杯報知フラグが格納されている場合には、ステップS1804〜ステップS1805の満杯報知終了監視処理を実行する。
満杯報知開始監視処理では、先ずステップS1802にて主制御基板301から満杯報知コマンドを入力しているか否かを判定する。入力していない場合には、そのままステップS1806に進む。入力している場合には、ステップS1803にて、満杯報知開始処理を実行するとともに満杯報知フラグを格納した後に、ステップS1806に進む。満杯報知開始処理が実行されることにより、満杯報知として「下皿の遊技球を抜いて下さい。」といった満杯報知音が定期的にスピーカ部26から出力される。なお、満杯報知の態様は任意であり、例えば、上記音の出力と同時に又は代えて、エラー表示ランプ部24の点灯といった発光部による報知や、図柄表示装置91の表示画面に報知用の文字若しくは図形を表示するといった表示画面による報知を行うようにしてもよい。さらにまた、定期的であることは必須ではなく、不定期であっても単発的であってもよい。
満杯報知終了監視処理では、先ずステップS1804にて主制御基板301から満杯報知解除コマンドを入力しているか否かを判定する。入力していない場合には、そのままステップS1806に進む。入力している場合には、ステップS1805にて、満杯報知終了処理を実行するとともに満杯報知フラグを消去した後に、ステップS1806に進む。満杯報知終了処理が実行されることにより、上記定期的な満杯報知音の出力が停止される。
満杯報知用処理を実行した後は、ステップS1806〜ステップS1810の球無報知用処理を実行する。当該球無報知用処理では先ずステップS1806にて、RAM343に設けられた球無報知フラグ格納バッファに球無報知フラグが格納されているか否かを判定する。この球無報知フラグは、球無報知を実行していることを音声ランプ制御基板324において把握するためのフラグであり、主制御基板301から球無報知コマンドを入力することにより格納され、主制御基板301から球無報知解除コマンドを入力することにより消去されるフラグである。
球無報知フラグが格納されていない場合には、ステップS1807〜ステップS1808の球無報知開始監視処理を実行し、球無報知フラグが格納されている場合には、ステップS1809〜ステップS1810の球無報知終了監視処理を実行する。
球無報知開始監視処理では、先ずステップS1807にて主制御基板301から球無報知コマンドを入力しているか否かを判定する。入力していない場合には、そのままステップS1811に進む。入力している場合には、ステップS1808にて、球無報知開始処理を実行するとともに球無報知フラグを格納した後に、ステップS1811に進む。球無報知開始処理が実行されることにより、満杯報知とは異なる態様(満杯報知とは識別可能な態様)である球無報知として「遊技球が不足しています。係員を呼んで下さい。」といった球無報知音が定期的にスピーカ部26から出力される。なお、球無報知の態様は、満杯報知の態様と異なるのであれば任意であり、例えば、上記音の出力と同時に又は代えて、エラー表示ランプ部24の点灯といった発光部による報知や、図柄表示装置91の表示画面に報知用の文字若しくは図形を表示するといった表示画面による報知を行うようにしてもよい。さらにまた、定期的であることは必須ではなく、不定期であっても単発的であってもよい。
球無報知終了監視処理では、先ずステップS1809にて主制御基板301から球無報知解除コマンドを入力しているか否かを判定する。入力していない場合には、そのままステップS1811に進む。入力している場合には、ステップS1810にて、球無報知終了処理を実行するとともに球無報知フラグを消去した後に、ステップS1811に進む。球無報知終了処理が実行されることにより、上記定期的な球無報知音の出力が停止される。
球無報知用処理を実行した後は、ステップS1811〜ステップS1815の異常報知用処理を実行する。当該異常報知用処理では先ずステップS1811にて、RAM343に設けられた異常報知フラグ格納バッファに異常報知フラグが格納されているか否かを判定する。この異常報知フラグは、異常報知を実行していることを音声ランプ制御基板324において把握するためのフラグであり、主制御基板301から異常報知コマンドを入力することにより格納され、主制御基板301から異常報知解除コマンドを入力することにより消去されるフラグである。
異常報知フラグが格納されていない場合には、ステップS1812〜ステップS1813の異常報知開始監視処理を実行し、異常報知フラグが格納されている場合には、ステップS1814〜ステップS1815の異常報知終了監視処理を実行する。
異常報知開始監視処理では、先ずステップS1812にて主制御基板301から異常報知コマンドを入力しているか否かを判定する。入力していない場合には、そのまま本報知制御処理を終了する。入力している場合には、ステップS1813にて、その他報知禁止設定を行う。その他報知禁止設定が行われることにより、満杯報知が既に開始されている場合にはその満杯報知が終了される。また、その後の満杯報知の開始を禁止する。また、球無報知が既に開始されている場合にはその球無報知が終了される。また、その後の球無報知の開始を禁止する。
ステップS1813では、その他報知禁止設定を行うだけでなく、異常報知開始処理を実行する。ここで、異常報知開始処理について詳細には、図39のフローチャートを示すように、先ずステップS1901にてRAM343に満杯報知フラグが格納されているか否かを判定する。満杯報知フラグが格納されている場合には、下皿34が満杯状態となったことに起因して入賞情報カウンタエリア313bの値が上限基準数に達したことを意味するため、ステップS1902にて満杯系異常報知を設定した後に、本異常報知開始処理を終了する。
満杯系異常報知が設定されることにより、下皿34が満杯状態となっていることにより入賞情報カウンタエリア313bの値が上限基準数に達したことを示す満杯系異常報知が開始される。この満杯系異常報知は、既に説明した満杯報知及び球無報知とは異なる態様(識別可能な態様)で実行される。具体的には、満杯系異常報知として、「下皿が満杯であることにより払出対象の遊技球の数が増加しています。払出対象の遊技球が消失してしまう可能性があります。」といった満杯系異常報知音が定期的にスピーカ部26から出力される。なお、満杯系異常報知の態様は任意であり、例えば、上記音の出力と同時に又は代えて、エラー表示ランプ部24の点灯といった発光部による報知や、図柄表示装置91の表示画面に報知用の文字若しくは図形を表示するといった表示画面による報知を行うようにしてもよい。さらにまた、定期的であることは必須ではなく、不定期であっても単発的であってもよい。
ステップS1901にて、満杯報知フラグが格納されていない場合には、ステップS1903に進む。ステップS1903では、RAM343に球無報知フラグが格納されているか否かを判定する。球無報知フラグが格納されている場合には、タンク221が球無状態となったことに起因して入賞情報カウンタエリア313bの値が上限基準数に達したことを意味するため、ステップS1904にて球無系異常報知を設定した後に、本異常報知開始処理を終了する。
球無系異常報知が設定されることにより、タンク221が球無状態となっていることにより入賞情報カウンタエリア313bの値が上限基準数に達したことを示す球無系異常報知が開始される。この球無系異常報知では、既に説明した満杯報知、球無報知及び満杯系異常報知とは異なる態様(識別可能な態様)で実行される。具体的には、球無系異常報知として、「遊技球が不足していることにより払出対象の遊技球の数が増加しています。払出対象の遊技球が消失してしまう可能性があります。係員を呼んで下さい。」といった球無系異常報知音が定期的にスピーカ部26から出力される。なお、球無系異常報知の態様は任意であり、例えば、上記音の出力と同時に又は代えて、エラー表示ランプ部24の点灯といった発光部による報知や、図柄表示装置91の表示画面に報知用の文字若しくは図形を表示するといった表示画面による報知を行うようにしてもよい。さらにまた、定期的であることは必須ではなく、不定期であっても単発的であってもよい。
ステップS1901にて満杯報知フラグが格納されておらず、さらにはステップS1903にて球無報知フラグが格納されていない場合には、入賞情報カウンタエリア313bの値が上限基準数に達した理由が、下皿34が満杯状態であること及びタンク221が球無状態であることのいずれでもないことを意味するため、ステップS1905にて、その他系異常報知を設定した後に、本異常報知開始処理を終了する。
その他系異常報知が設定されることにより、下皿34が満杯状態であること及びタンク221が球無状態であることのいずれでもない状況で入賞情報カウンタエリア313bの値が上限基準数に達したことを示すその他系異常報知が開始される。その他系異常報知は、既に説明した満杯報知、球無報知、満杯系異常報知及び球無系異常報知とは異なる態様(識別可能な態様)で実行される。具体的には、その他系異常報知として、「払出対象の遊技球の数が増加しています。払出対象の遊技球が消失してしまう可能性があります。係員を呼んで下さい。」といったその他系異常報知音が定期的にスピーカ部26から出力される。なお、その他系異常報知の態様は任意であり、例えば、上記音の出力と同時に又は代えて、エラー表示ランプ部24の点灯といった発光部による報知や、図柄表示装置91の表示画面に報知用の文字若しくは図形を表示するといった表示画面による報知を行うようにしてもよい。さらにまた、定期的であることは必須ではなく、不定期であっても単発的であってもよい。
報知制御処理(図38)の説明に戻り、ステップS1813では、その他報知禁止設定及び異常報知開始処理だけでなく、異常報知フラグを格納する。その後、本報知制御処理を終了する。
異常報知終了監視処理では、先ずステップS1814にて主制御基板301から異常報知解除コマンドを入力しているか否かを判定する。入力していない場合には、そのまま本報知制御処理を終了する。入力している場合には、ステップS1815にて、その他報知許可設定を実行するとともに、異常報知終了処理を実行する。その他報知許可設定が実行されることにより、その後の満杯報知や球無報知の実行が許容される。また、異常報知終了処理が実行されることにより、上記定期的な異常報知音の出力が停止される。また、ステップS1815では、異常報知フラグが消去される。その後、本報知制御処理を終了する。
次に、遊技球の払出に付随した報知の様子について、図40のタイムチャートを参照して説明する。
先ず、下皿34が満杯状態となるものの、入賞情報数(すなわち、入賞情報カウンタエリア313bの値)が上限基準数に達しない場合について説明する。
t1のタイミングで満杯検知センサ59における遊技球の検知継続期間が満杯判定継続期間に達することで、満杯報知が開始される。また、下皿34が満杯状態である場合には払出装置224による遊技球の払出が停止されるため、例えば、可変入賞装置83への入賞が短期間で多く発生する大当たり状態(特別遊技状態)では、主制御基板301のRAM313の入賞記憶用リングバッファ313aに記憶された入賞情報数が増加する。
その後、入賞情報数が上限基準数に達していないタイミングであるt2のタイミングで、満杯検知センサ59における遊技球の検知が終了することで、満杯報知が終了される。また、払出装置224からの遊技球の払出が開始されるため、t2のタイミング以降、入賞情報数が減少していく。
次に、タンク221が球無状態となるものの、入賞情報数が上限基準数に達しない場合について説明する。
t3のタイミングで球無検知センサ223aにおける遊技球の非検知継続期間が球無判定継続期間に達することで、球無報知が開始される。また、タンク221が球無状態である場合には払出装置224による遊技球の払出が行われないため、例えば、上記大当たり状態では、主制御基板301のRAM313の入賞記憶用リングバッファ313aに記憶された入賞情報数が増加する。
その後、入賞情報数が上限基準数に達していないタイミングであるt4のタイミングで、球無検知センサ223aにおける遊技球の検知が終了することで、球無報知が終了される。また、払出装置224からの遊技球の払出が開始されるため、t4のタイミング以降、入賞情報数が減少していく。
次に、下皿34が満杯状態となり、さらには入賞情報数が上限基準数に達する場合について説明する。
t5のタイミングで満杯検知センサ59における遊技球の検知継続期間が満杯判定継続期間に達することで、満杯報知が開始される。また、下皿34が満杯状態である場合には払出装置224による遊技球の払出が停止されるため、例えば、上記大当たり状態では、入賞記憶用リングバッファ313aに記憶された入賞情報数が増加する。
その後、t6のタイミングで入賞情報数が上限基準数に達することで、満杯報知が終了されるとともに、異常報知が開始される。ここで開始される異常報知は、下皿34が満杯状態である状況で開始された異常報知であるため、満杯系異常報知である。これにより、満杯報知の状況では下皿34の球抜きを行おうとしなかった遊技者に対して、満杯報知の場合よりも重度のメッセージを送る(重度の報知を行う)ことで、下皿34の球抜きを行うことを促すことが可能となる。また、この際、ホールコンピュータに異常信号も合わせて出力されるため、遊技ホールの管理者等に対して、下皿34の球抜きを行うべきであることを遊技者に警告するよう促すことができる。
その後、t7のタイミングで下皿34の球抜きが行われ、満杯検知センサ59にて遊技球を検知していない旨の電気信号を入力するようになることで、払出装置224からの遊技球の払出が開始される。これにより、t7のタイミング以降、入賞情報数が減少していく。但し、t7のタイミング直後においては、未だ入賞情報数が上限基準数に達した状態が維持されているため、異常報知は継続される。その後、t8のタイミングで入賞情報数が上限基準数を下回ることにより、異常報知が終了される。
次に、タンク221が球無状態となり、さらには入賞情報数が上限基準数に達する場合について説明する。
t9のタイミングで球無検知センサ223aにおける遊技球の非検知継続期間が球無判定継続期間に達することで、球無報知が開始される。また、タンク221が球無状態である場合には払出装置224による遊技球の払出が行われないため、例えば、上記大当たり状態では、入賞記憶用リングバッファ313aに記憶された入賞情報数が増加する。
その後、t10のタイミングで入賞情報数が上限基準数に達することで、球無報知が終了されるとともに、異常報知が開始される。ここで開始される異常報知は、タンク221が球無状態である状況で開始された異常報知であるため、球無系異常報知である。これにより、球無報知の状況では遊技ホールの管理者等を呼ばなかった遊技者に対して、球無報知の場合よりも重度のメッセージを送る(重度の報知を行う)ことで、遊技ホールの管理者等を呼ぶよう促すことが可能となる。また、この際、ホールコンピュータに異常信号も合わせて出力されるため、遊技ホールの管理者等に対して、タンク221の球無状態を解除するよう促すことができる。
その後、t11のタイミングでタンク221への遊技球の補充が行われ、球無検知センサ223aにて遊技球を検知していない旨の電気信号を入力するようになることで、払出装置224からの遊技球の払出が開始される。これにより、t11のタイミング以降、入賞情報数が減少していく。但し、t11のタイミング直後においては、未だ入賞情報数が上限基準数に達した状態が維持されているため、異常報知は継続される。その後、t12のタイミングで入賞情報数が上限基準数を下回ることにより、異常報知が終了される。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
主制御基板301のRAM313に入賞記憶用リングバッファ313aを設けるとともに、払出制御基板322のRAM333に賞球数記憶エリア333aを設けた。そして、入賞記憶用リングバッファ313aの各記憶領域に入賞情報を個別に記憶するとともに、賞球数記憶エリア333aに上記各記憶領域のうち一の記憶領域に記憶されている情報に基づいて特定された賞球数を記憶するようにし、さらにはこの賞球数記憶エリア333aに記憶されている賞球数の遊技球を払出装置224により払い出すようにした。これにより、電気的なノイズ等の影響で賞球数記憶エリア333aに記憶された情報が書き換えられてしまったとしても、その影響を低減することができる。
つまり、従来のパチンコ機のように未払出の賞球を総賞球数として賞球数記憶エリアに記憶しておく構成においては、その数は比較的多くなる。この場合に、例えば、賞球数記憶エリアに記憶されている賞球数が500個である状況においてノイズ等の影響で書き換えが発生して5個になってしまったとすると、遊技者が被る不利益は多大なものとなる。これに対して、本パチンコ機10では、上記のとおり賞球数記憶エリア333aに記憶された情報が書き換えられ賞球数が減少してしまったとしても、それは1回の入賞に対する賞球数程度が影響を受けるだけであるため遊技者が被る不利益を低減することができる。
また、払出制御基板322のCPU331において入力時マスク処理(図28の入力時割込み処理におけるステップS908)及び払出時マスク処理(図31の賞球制御処理におけるステップS1202)を実行するようにした。これにより、賞球数記憶エリア333aに記憶される上限賞球数が、1回の入賞に対する最大賞球数と連続的な遊技球の払出を可能とするための要求基準数の和となる。上記のようなマスク処理が実行されない構成を想定すると、例えば、賞球数記憶エリアに記憶されている賞球数が5個である状況においてノイズ等の影響で書き換えが発生して500個になってしまうことが考えられる。この場合、遊技ホールが被る不利益は多大なものとなる。これに対して、本パチンコ機10では、賞球数記憶エリア333aの上限賞球数が上記のとおり規定されることとなるため、遊技ホールが被る不利益を低減することができる。
入賞記憶用リングバッファ313aは一の記憶領域に一の入賞情報が記憶される構成である。したがって、一の記憶領域の情報がノイズ等の影響で書き換えられてしまったとしても、その影響は一の入賞情報に留まることとなる。よって、入賞記憶用リングバッファ313aについてもノイズ等の影響を低減することができる。
また、主制御基板301のCPU311においてコマンド修正処理(図27の賞球特定処理におけるステップS807)を実行するようにした。これにより、入賞記憶用リングバッファ313aの記憶領域に記憶されている入賞情報がノイズ等の影響で書き換えられてしまったとしても、その入賞情報は無視されるのではなく、修正用の賞球コマンドが払出制御基板322に出力されることとなる。よって、入賞記憶用リングバッファ313aについてもノイズ等の影響を低減することが可能となる。
特に、上記修正用の賞球コマンドは、最大賞球数に対応した15個賞球コマンドとした。これにより、入賞記憶用リングバッファ313aの記憶領域がノイズ等の影響で書き換えられてしまったとしても、遊技者が不利益を被らないようにすることができる。
上記のように、主制御基板301(主制御装置162)のRAM313に入賞記憶用リングバッファ313aを設けるとともに、払出制御基板322(払出制御装置242)のRAM333に賞球数記憶エリア333aを設けた。これにより、遊技球の払出を行うための機能が複数の制御装置に分けられることとなり、上記各機能を一の制御装置が全て有する構成に比して、各制御装置の負荷が低減される。また、入賞記憶用リングバッファ313a及び賞球数記憶エリア333aを一の制御装置が全て有する構成では、当該制御装置に対して電気的なノイズ等が発生すると、入賞記憶用リングバッファ313a及び賞球数記憶エリア333aの両方がその影響を受けてしまうことが懸念される。これに対して、入賞記憶用リングバッファ313aと賞球数記憶エリア333aとをそれぞれ異なる制御装置に設けることで、上記ノイズ等に対するリスクが分散される。特に、本パチンコ機10では、主制御装置162と払出制御装置242とが離して設けられているため、当該リスク分散の効果がより高められる。
電源及び発射制御基板321の電断時用電源部321cからの電力を、主制御基板301のRAM313に供給する一方、払出制御基板322のRAM333には供給しないようにした。これにより、払出制御基板322のRAM333にも電断時用電源部321cから電力を供給する構成に比べ、電断時用電源部321cの低容量化が図られ、それに伴ってパチンコ機10の低コスト化が図られる。また、当該構成であっても、主制御基板301のRAM313に電断時用電源部321cから電力が供給され、払出を実行すべき賞球数の情報のうち多数の情報を記憶しておく機能を有する入賞記憶用リングバッファ313aにおいて情報の記憶保持が行われる。よって、外部電源からの電力供給が遮断されたとしても、払出を実行すべき賞球数の情報のうち多数の情報は消去されることなく記憶保持される。
払出制御基板322のCPU331において賞球数修正処理(図28の入力時割込み処理におけるステップS906)を実行するようにした。これにより、主制御基板301から出力され払出制御基板322に入力されるまでの信号経路上において賞球コマンドがノイズ等の影響で書き換えられてしまったとしても、その賞球コマンドは無視されるのではなく、修正用の賞球数が賞球数記憶エリア333aに記憶されることとなる。これにより、上記信号経路上のノイズ等の影響を低減することが可能となる。
特に、上記修正用の賞球数は、最大賞球数である15個とした。これにより、上記信号経路上で賞球コマンドがノイズ等の影響で書き換えられてしまったとしても、遊技者が不利益を被らないようにすることができる。
賞球数記憶エリア333aに記憶されている賞球数が「0」ではない要求基準数に達することで払出制御基板322から主制御基板301に要求コマンドを出力し、それに応じて主制御基板301から払出制御基板322に賞球コマンドを出力するようにした。これにより、払出不可状態でない状況において入賞情報があるにも係らず遊技球の払出が停止されてしまうことはなく、遊技球の払出が連続的なものとなり、遊技球の払出が円滑に行われる。
入賞記憶用リングバッファ313aの各記憶領域には入賞情報の記憶処理が予め定められた順序で順次実行されるようにし、さらには記憶対象となった記憶領域に既に入賞情報が記憶されている場合にはその既に記憶されている入賞情報に代えて新たな入賞情報を記憶させるようにした。これにより、入賞記憶用リングバッファ313aの記憶容量が極端に大きなものとなってしまうことを抑制することができる。
入賞記憶用リングバッファ313aにおいて、未だ賞球コマンドとして出力が行われていない入賞情報が記憶されている記憶領域の数が上限基準数に達している場合には、異常報知を実行するようにした。これにより、下皿34が満杯状態となり又はタンク221が球無状態となること等により、入賞記憶用リングバッファ313aに記憶されている入賞情報が賞球コマンドとして出力されず、さらにそのような入賞情報の数が上限基準数に達した場合には、それを遊技者等に報知することができる。よって、上記の状態に対処するよう促すことが可能となる。
特に、上記のとおり、入賞記憶用リングバッファ313aの各記憶領域には入賞情報の記憶処理が順次実行されていき、記憶対象となった記憶領域に既に入賞情報が記憶されている場合にはその既に記憶されている入賞情報に代えて新たな入賞情報が記憶されることとなる。この場合、上記のように、入賞記憶用リングバッファ313aに記憶されている入賞情報が賞球コマンドとして出力されず蓄積されていくと、最終的には払出対象として扱われないまま次の入賞情報に書き換えられてしまう。そうすると、遊技者にとっては本来得られたはずの利益が消失してしまうこととなり、好ましくない。これに対して、上記のように異常報知が実行されることにより、入賞情報が賞球コマンドとして扱われない状態に対処するよう促すことが可能となり、上記利益の消失を阻止することが可能となる。
下皿34が満杯状態となった場合に満杯報知を実行するようにしたことで、当該満杯状態を解消するように遊技者等を促すことが可能となる。また、上記満杯報知が実行されたとしても、上記満杯状態が解消されないことが想定される。この場合、入賞記憶用リングバッファ313aに記憶されている入賞情報が賞球コマンドとして出力されず蓄積されていくことがある。これに対して、上記のとおり、入賞記憶用リングバッファ313aにおいて、未だ賞球コマンドとして出力が行われていない入賞情報が記憶されている記憶領域の数が上限基準数に達している場合には、異常報知が実行される。これにより、上限基準数に達している旨を遊技者等に知らせることが可能となり、満杯報知が実行された段階では満杯状態の解消を行わなかった遊技者等に対して、当該満杯状態の解消を再度促すことが可能となる。
タンク221が球無状態となった場合に球無報知を実行するようにしたことで、当該球無状態を解消するように遊技者等を促すことが可能となる。また、上記球無報知が実行されたとしても、上記球無状態が解消されないことが想定される。この場合、入賞記憶用リングバッファ313aに記憶されている入賞情報が賞球コマンドとして出力されず蓄積されていくことがある。これに対して、上記のとおり、入賞記憶用リングバッファ313aにおいて、未だ賞球コマンドとして出力が行われていない入賞情報が記憶されている記憶領域の数が上限基準数に達している場合には、異常報知が実行される。これにより、上限基準数に達している旨を遊技者等に知らせることが可能となり、球無報知が実行された段階では球無状態の解消を行わなかった遊技者等に対して、当該球無状態の解消を再度促すことが可能となる。
また、異常報知では、遊技球の払出が停止されている理由に応じて、満杯系異常報知及び球無系異常報知を実行するようにした。そして、各異常報知では、遊技球の払出が停止されている理由を示唆するようにした。これにより、異常報知が実行された場合には遊技者等に対して遊技球の払出が停止されている原因の解消を的確に行わせることが可能となり、異常報知を実行するようにした効果が高められる。
ちなみに、遊技ホールのホールコンピュータでは、パチンコ機10の賞球の管理を行っている。この場合に、入賞タイミングに対して賞球タイミングが大きくずれてしまうと好ましくない。これに対して、上記のように報知が行われることにより、入賞タイミングに対して賞球タイミングが大きくずれてしまうことが抑制される。
(第2の実施の形態)
本実施の形態では、遊技球の払出及び当該払出に付随した報知に関する電気的構成及び処理構成が上記第1の実施の形態と異なっている。そこで、以下に上記第1の実施の形態と相違する構成について説明する。
先ず、本実施の形態の電気的構成について、図41のブロック図に基づいて説明する。図41では、電力の供給ラインを二重線矢印で示し、信号ラインを実線矢印で示す。
本実施の形態では、電源及び発射制御基板321の電断時用電源部321cからの電力が、主制御基板301のCPU311のVBB端子だけでなく、払出制御基板322のCPU331のVBB端子に供給される。各VBB端子に供給された電力により、外部電源からの電力供給が遮断されている状況において、各RAM313,333にてデータの記憶保持が行われる。
また、本実施の形態では、主制御基板301のRAM313に入賞記憶用リングバッファ313aが設けられいるとともに、払出制御基板322のRAM333に賞球記憶用リングバッファ333bが設けられている。入賞記憶用リングバッファ313aは、上記第1の実施の形態と異なり128個の記憶領域からなる。これら各記憶領域は1バイトで構成されている。また、賞球記憶用リングバッファ333bは、256個の記憶領域からなる。これら各記憶領域は2バイトで構成されている。賞球記憶用リングバッファ333bの構成は、記憶領域の数及び各記憶領域を構成するバイト数を除き、入賞記憶用リングバッファ313aと同様である。つまり、賞球記憶用リングバッファ333b用の書き込みポインタ及び読み出しポインタが設定されており、各記憶領域に順次情報が格納されていくとともに、各記憶領域に記憶されている情報が順次読み出されていく。なお、入賞記憶用リングバッファ313aや賞球記憶用リングバッファ333bの記憶領域の数は、上記のものに限定されることはなく、払出装置224による遊技球の払出が停止されていない状況(遊技球の払出が制限されていない状況)であって、大当たり状態などの多数の入賞が連続して発生し得る状況において、全ての記憶領域に払出対象の入賞情報や賞球コマンドが記憶されてしまわないのであれば任意である。
入賞記憶用リングバッファ313aの各記憶領域には、上記第1の実施の形態と同様に、入賞情報が個別に格納される。賞球記憶用リングバッファ333bの各記憶領域には、主制御基板301から払出制御基板322に出力された賞球コマンドが個別に格納される。この場合に、賞球コマンドは、2バイトで構成されており、一方のバイトには自身が賞球コマンドであることを示す情報が格納されており、他方のバイトには賞球数の情報が格納されている。上記のとおり、賞球記憶用リングバッファ333bの各記憶領域が賞球コマンドと同一のバイト数である2バイトで構成されていることにより、各記憶領域には賞球コマンドをそのまま格納することができる。なお、賞球記憶用リングバッファ333bの各記憶領域は、賞球コマンドを格納することができるのであれば、1バイト又は3バイト以上であってもよい。
また、本実施の形態では、払出制御基板322のRAM333にはコマンドカウンタエリア333cが設けられている。コマンドカウンタエリア333cは賞球記憶用リングバッファ333bに記憶されている賞球コマンドの数をCPU331において特定する上で用いられる。
次に、主制御基板301のCPU311により実行される、本実施の形態におけるメイン処理について、図42のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップS2001では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、従側の制御基板(払出制御基板322等)が動作可能な状態になるのを待つために例えば1秒程度、ウェイト処理を実行する。続くステップS2002では、RAM313のアクセスを許可する。
その後、ステップS2003では、電源及び発射制御装置243に設けたRAM消去スイッチ247がオンされているか否かを判定し、続くステップS2004ではRAM313の停電フラグ格納バッファに停電フラグが格納されているか否かを判定する。また、ステップS2005ではRAM判定値を算出し、続くステップS2006では、そのRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわち記憶保持されたデータの有効性を判定する。RAM判定値は、例えばRAM313の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。なお、RAM313の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かにより記憶保持されたデータの有効性を判断することも可能である。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ247を押しながら電源が投入される。従って、RAM消去スイッチ247が押されていれば、ステップS2009〜S2011の処理に移行する。また、電源遮断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)により記憶保持されたデータの異常が確認された場合も同様にステップS2009〜S2011の処理に移行する。
ステップS2009では、従側の制御基板となる払出制御基板322等を初期化するために、払出初期化コマンド等を出力する。続くステップS2010ではRAM313の使用領域を0にクリアし、ステップS2011ではRAM313の初期化処理を実行する。その後、ステップS2012にて割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。
一方、RAM消去スイッチ247が押されていない場合には、停電フラグが格納されていること、及びRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、ステップS2007にて停電フラグ格納バッファに格納されている停電フラグをクリアする。その後、ステップS2008にて従側の制御基板を電源遮断前の遊技状態に復帰させるための復電コマンドを出力する。その後、ステップS2012にて割込み許可を設定し、通常処理(図21)に移行する。これにより、電源遮断前の状態に復帰する。
次に、主制御基板301のCPU311により実行される、本実施の形態における信号読み込み処理について、図43のフローチャートを参照しながら説明する。
図43に示すように、本実施の形態における信号読み込み処理では、ステップS2101にて入賞特定処理を実行し、ステップS2102にて賞球特定処理を実行し、ステップS2103にて主側満杯特定処理を実行し、ステップS2104にて主側球無特定処理を実行し、ステップS2105にて主側賞球コマンド数特定処理を実行する。つまり、上記第1の実施の形態におけるステップS605の入賞情報数特定処理に代えて、ステップS2105の主側賞球コマンド数特定処理が実行される。
次に、主制御基板301のCPU311により実行される、本実施の形態における賞球特定処理について、図44のフローチャートを参照しながら説明する。
賞球特定処理では、先ずステップS2201にて、入賞情報カウンタエリア313bに記憶されている値が1以上か否かを判定する。1以上でない場合には、入賞記憶用リングバッファ313aに読み出しを行うべき入賞情報が存在していないことを意味するため、否定判定をし、そのまま本賞球特定処理を終了する。
一方、入賞情報カウンタエリア313bに記憶されている値が1以上の場合には、入賞記憶用リングバッファ313aに読み出しを行うべき入賞情報が存在していることを意味するため、ステップS2201にて肯定判定をし、ステップS2202に進む。
ステップS2202では、入賞記憶用リングバッファ313aの各記憶領域のうち、いずれの記憶領域に記憶されている入賞情報を賞球コマンドとして出力するかを特定すべく、読み出しポインタを参照する。続くステップS2203では、ステップS2202にて特定した賞球コマンドをセットする。ここでセットされた賞球コマンドは、通常処理(図21)のステップS501における外部出力処理にて払出制御基板322に出力される。
なお、2msec周期で起動されるタイマ割込み処理の一部の処理として本賞球特定処理が実行されるのに対して、通常処理は4msec周期で一連の処理が繰り返し実行されるものであり、外部出力処理も概ね4msec周期で実行される。したがって、一の通常処理が実行される度に2個の賞球コマンドが出力されることがある。但し、この賞球コマンドの数は、2個に限定されることはなく任意であり、1個であってもよく、また通常処理の一連の処理が4msecの範囲内で完了するのであれば3個以上であってもよい。
その後、ステップS2204では、入賞情報カウンタエリア313bに記憶されている値を1減算する。その後、ステップS2205にて、入賞記憶用リングバッファ313aの読み出しポインタの更新処理を実行した後に、本賞球特定処理を終了する。
次に、主制御基板301のCPU311により実行される、主側賞球コマンド数特定処理について、図45のフローチャートを参照しながら説明する。
主側賞球コマンド数特定処理では、先ずステップS2301にて、RAM313に設けられた主側異常フラグ格納バッファに主側異常フラグが格納されているか否かを判定する。この主側異常フラグは、払出制御基板322のRAM333の賞球記憶用リングバッファ333bに記憶されている賞球コマンドの数が上限基準数に達していること及び異常報知が行われていることを主制御基板301において把握するためのフラグであり、払出制御基板322から異常コマンドを入力することにより格納され、払出制御基板322から異常解除コマンドを入力することにより消去されるフラグである。
主側異常フラグが格納されていない場合には、ステップS2302〜ステップS2303の主側異常監視処理を実行し、主側異常フラグが格納されている場合には、ステップS2304〜ステップS2305の主側異常解除監視処理を実行する。
主側異常監視処理では、先ずステップS2302にて払出制御基板322から異常コマンドを入力しているか否かを判定する。異常コマンドを入力していない場合には、そのまま本主側賞球コマンド数特定処理を終了する。異常コマンドを入力している場合には、ステップS2303の処理を実行した後に、本主側賞球コマンド数特定処理を終了する。なお、ステップS2303の処理は、上記第1の実施の形態におけるステップS1703の処理と同様であるため、ここでは説明を省略する。
主側異常解除監視処理では、先ずステップS2304にて払出制御基板322から異常解除コマンドを入力しているか否かを判定する。異常解除コマンドを入力していない場合には、そのまま本主側賞球コマンド数特定処理を終了する。異常解除コマンドを入力している場合には、ステップS2305の処理を実行した後に、本主側賞球コマンド数特定処理を終了する。なお、ステップS2305の処理は、上記第1の実施の形態におけるステップS1705の処理と同様であるため、ここでは説明を省略する。
次に、払出制御基板322のCPU331により実行される、本実施の形態におけるメイン処理について、図46のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップS2401では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、割込みモードを設定する。そして、ステップS2402に進んでRAMアクセスを許可すると共に、ステップS2403で外部割込みベクタの設定を行う。
その後、ステップS2404では、RAM333の停電フラグ格納バッファに停電フラグが格納されているか否かを判定する。また、ステップS2405ではRAM判定値を算出し、続くステップS2406では、そのRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわち記憶保持されたデータの有効性を判定する。RAM判定値は、例えばRAM333の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。なお、RAM333の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かにより記憶保持されたデータの有効性を判断することも可能である。
停電フラグが格納されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)により記憶保持されたデータの異常が確認された場合はRAM333の初期化処理(ステップS2411〜S2413)に移行する。つまり、ステップS2411ではRAM333の全領域を0にクリアし、続くステップS2412ではRAM333の初期化処理を実行する。また、ステップS2413ではCPU周辺デバイスの初期設定を行う。
一方、停電フラグが格納されており、さらにRAM判定値(チェックサム値等)が正常である場合は、復電時の処理(停電による電源遮断後の復旧時の処理)を実行する。つまり、ステップS2407にて停電フラグをクリアすると共に、ステップS2408にて賞球の払出を許可する払出許可フラグをクリアする。また、ステップS2409ではCPU周辺デバイスの初期設定を行う。なお、RAM判定値は、例えばRAM333の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。
ステップS2409又はステップS2413の処理の後は、ステップS2410にて割込みを許可し、ステップS2414にてRAM333の停電フラグ格納バッファに停電フラグが格納されているか否かを判定し、停電フラグが格納されていなければ、停電フラグが格納されるまで待機する。
一方、停電フラグが格納されている場合には、停電が発生したことになるので、停電時処理としてステップS2415以降の処理を実行する。停電時処理では、先ずステップS2415にて各割込み処理の発生を禁止する。その後、ステップS2416にてRAM判定値を算出、保存し、ステップS2417にてRAM333のアクセスを禁止して、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。なお、電源が完全に遮断された後も、電源及び発射制御基板321からRAM333のデータ記憶保持用電力が供給されるため、電源遮断前にRAM333に記憶されていた情報は所定の期間内(例えば、1日や2日)保持される。
次に、払出制御基板322のCPU331により実行される、本実施の形態における入力時割込み処理について、図47のフローチャートを参照しながら説明する。
入力時割込み処理では、先ずステップS2501にて、今回入力したコマンドが賞球コマンドか否かを判定する。賞球コマンドである場合には、ステップS2502にて賞球コマンド格納処理を実行した後に、本入力時割込み処理を終了する。一方、賞球コマンドでない場合には、ステップS2503にて、その他コマンド格納処理を実行し、ステップS2504にて、RAM333に設けられたコマンド入力フラグ格納バッファにコマンド入力フラグを格納した後に、本入力時割込み処理を終了する。ここで、払出制御基板322のRAM333には、賞球記憶用リングバッファ333bの他に、その他記憶用リングバッファが設けられており、賞球コマンド以外のコマンドは、ステップS2503におけるその他コマンド格納処理が実行されることで、その他記憶用リングバッファに格納される。
次に、払出制御基板322のCPU331により実行される賞球コマンド格納処理について、図48のフローチャートを参照しながら説明する。
賞球コマンド格納処理では、先ずステップS2601にて、賞球記憶用リングバッファ333bの各記憶領域のうち、今回入力した賞球コマンドをいずれの記憶領域に格納するかを特定すべく、書き込みポインタを参照する。続くステップS2602では、今回入力した賞球コマンドを、ステップS2601にて特定した記憶領域に格納する処理を実行する。
その後、ステップS2603にて払出制御基板322のRAM333のコマンドカウンタエリア333cに記憶されている値を1加算し、ステップS2604にて賞球記憶用リングバッファ333bの書き込みポインタの更新処理を実行し、ステップS2605にてRAM333に設けられた払出許可フラグ格納バッファに払出許可フラグを格納した後に、本賞球コマンド格納処理を終了する。払出許可フラグが格納されている状況というのは、主制御基板301により払出制御基板322に対して遊技球の払出が許可されている状況であることを意味する。
次に、払出制御基板322のCPU331により実行される、本実施の形態におけるタイマ割込み処理について、図49のフローチャートを参照しながら説明する。
タイマ割込み処理では、先ずステップS2701にてコマンド判定処理を実行する。ここで、コマンド判定処理について、図50のフローチャートを参照しながら説明する。コマンド判定処理では、先ずステップS2801にて、RAM333のコマンド入力フラグ格納バッファにコマンド入力フラグが格納されているか否かを判定する。コマンド入力フラグが格納されていない場合は、新たなコマンドが主制御基板301のCPU311から出力されていないので、そのまま本処理を終了する。一方、コマンド入力フラグが格納されている場合は、ステップS2802にてコマンド読出し処理を実行する。コマンド読出し処理では、入力したコマンドをRAM333のコマンドバッファから読出し、さらにコマンド入力フラグをクリアする。
その後、読み出されたコマンドの種類を、ステップS2803、ステップS2805及びステップS2810の各処理にて判定し、各コマンドに対応した処理を実行する。つまり、ステップS2803では、停電コマンドであるか否かを判定し、当該コマンドである場合には、ステップS2804にてRAM333の停電フラグ格納バッファに停電フラグを格納して、本処理を終了する。
ステップS2805では、払出初期化コマンドであるか否かを判定し、当該コマンドである場合には、電源投入時に主制御基板301のCPU311からRAM333の初期化が指示されていることになるので、ステップS2806〜ステップS2809の処理を実行した後に本処理を終了する。ステップS2806では、RAM333に設けられた払出許可フラグ格納バッファに払出許可フラグが格納されているか否かを判定し、当該フラグが格納されていない場合は、ステップS2807にてRAM333の作業領域を0にクリアし、さらにステップS2808にてRAM333の初期値を設定する。その後、ステップS2809にて払出許可フラグを格納することで、賞球の払出が許可される。
なお、ステップS2806において払出許可フラグが格納されている場合は、ステップS2807及びステップS2808の処理を行うことなく本処理を終了する。かかる構成とすることにより、RAM消去スイッチ247が押されていないにも関わらずノイズなどの原因で払出初期化コマンドの入力を認識したとしても、その際に残っている賞球が遊技者に払い出されることなく消去されることを防止できる。
ステップS2810では、復電コマンドであるか否かを判定し、当該コマンドである場合には、払出制御基板322が停電による電源遮断の前の状態に復帰するので、ステップS2809にて払出許可フラグを格納した後に本処理を終了する。かかる構成とすることにより、電源遮断前に賞球が残っていた場合に当該賞球を即座に払い出すことができる。
タイマ割込み処理(図49)の説明に戻り、コマンド判定処理を実行した後は、ステップS2702にて払出許可フラグが格納されているか否かを判定する。払出許可フラグが格納されていない場合は、そのまま本タイマ割込み処理を終了する。一方、払出許可フラグが格納されている場合は、ステップS2703に進む。
ステップS2703では、状態復帰スイッチ245をチェックして、状態復帰動作開始と判定した場合に状態復帰動作を実行する。その後、ステップS2704にて払出側満杯特定処理を実行し、ステップS2705にて払出側球無特定処理を実行し、ステップS2706にて賞球制御処理を実行し、ステップS2707にて払出側賞球コマンド数特定処理を実行した後に、本タイマ割込み処理を終了する。これらステップS2704〜ステップS2707の処理のうち、ステップS2704の払出側満杯特定処理及びステップS2705の払出側球無特定処理については、上記第1の実施の形態にて説明したとおりであるためここでは説明を省略し、ステップS2706の賞球制御処理及びステップS2707の払出側賞球コマンド数特定処理について以下に説明する。
先ず賞球制御処理について、図51のフローチャートを参照しながら説明する。
賞球制御処理では、先ずステップS2901にて賞球数記憶エリア333aに記憶されている賞球数が「0」か否かを判定する。賞球数が「0」である場合には、ステップS2902〜ステップS2907の賞球数更新処理を実行し、賞球数が1以上である場合には、ステップS2908〜ステップS2911の払出用処理を実行する。
賞球数更新処理では、先ずステップS2902にて、コマンドカウンタエリア333cの値が1以上か否かを判定する。コマンドカウンタエリア333cの値が「0」である場合には、払出対象となる賞球コマンドが賞球記憶用リングバッファ333bに記憶されていないことを意味するため、そのまま本賞球制御処理を終了する。一方、コマンドカウンタエリア333cの値が1以上である場合には、払出対象となる賞球コマンドが賞球記憶用リングバッファ333bに記憶されていることを意味するため、ステップS2903に進む。
ステップS2903では、賞球記憶用リングバッファ333bの各記憶領域のうち、いずれの記憶領域に記憶されている賞球コマンドを今回の解析対象とするかを特定すべく、賞球記憶用リングバッファ333bに対応した読み出しポインタを参照する。続くステップS2904では、コマンド解析処理を実行する。具体的には、ROM332の賞球テーブル記憶エリア332aに記憶されている情報に基づいて、今回入力した賞球コマンドがいずれの賞球数に対応しているかを特定する。
続くステップS2905では、ステップS2904において賞球コマンドに対応した賞球数を特定できたか否かを判定する。賞球数を特定できなかった場合には、ステップS2906にて賞球数修正処理を実行する。賞球数修正処理では、賞球コマンドの情報形態に関係なく15個の賞球数を選択する。具体的な内容は、上記第1の実施の形態にて説明したとおりであるため、ここでは説明を省略する。
ステップS2906にて賞球数修正処理を実行した後は、ステップS2907に進む。また、ステップS2905にて、賞球数が特定できた場合も、ステップS2907に進む。ステップS2907では、ステップS2904にて特定した賞球数又はステップS2906にて選択した賞球数を、賞球数記憶エリア333aに記憶されている賞球数に加算する。ステップS2907の処理を実行した後は、ステップS2908〜ステップS2911の払出用処理を実行する。
払出用処理では、先ずステップS2908にて、払出不可状態であるか否かを判定する。本実施の形態において払出不可状態とは、下皿34の満杯状態、タンク221の球無状態又は払出許可フラグが格納されていない状態の少なくとも1の状態であることをいう。
払出不可状態である場合にはステップS2908にて肯定判定をし、そのまま本賞球制御処理を終了する。一方、払出不可状態でない場合にはステップS2908にて否定判定をし、ステップS2909に進む。ステップS2909では、払出時マスク処理を実行する。払出時マスク処理では、賞球数記憶エリア333aに記憶されている賞球数が本実施の形態における上限賞球数である15個を越えている場合に15個以下となるように賞球数を修正する処理である。具体的には、払出制御基板322のROM332には1バイト構成のマスク用情報が予め記憶されている。マスク用情報としては、「00001111」の単一の情報が記憶されている。払出時マスク処理では、1バイト構成の賞球数記憶エリア333aの情報をCPU331のレジスタに呼び出し、その呼び出した情報に対して上記マスク用情報をAND処理する。そして、AND処理したものを賞球数記憶エリア333aに更新させる。これにより、ノイズの影響で賞球数記憶エリア333aに記憶されている情報が上限賞球数を越えたとしても、それを上限賞球数以下とすることができる。よって、遊技ホールが不利益を被ってしまうことを抑制できる。また、上限賞球数を越えた場合にそれを無効とする(すなわち、「0」とする)のではなく、マスク用情報とAND処理した数となるため、遊技者が不利益を被ってしまうことが極力抑制される。
払出時マスク処理を実行した後は、ステップS2910に進み、1個の遊技球の払出を実行する。続くステップS2911では払出球検知センサ224bにて遊技球の通過を検知したことを条件として、賞球数記憶エリア333aに記憶されている賞球数を1減算する。
なお、ステップS2910にて遊技球の払出を実行した直後のステップS2911にて、払出球検知センサ224bにて遊技球を検知しないことが想定される。これに対応すべく、ステップS2910にて遊技球の払出を実行した後であって払出球検知センサ224bにて遊技球を検知していない状況ではステップS2911の処理を実行することなく本賞球制御処理を終了するとともに、その後の各賞球制御処理では、払出球検知センサ224bにて遊技球を検知するまでステップS2901〜ステップS2911の全ての処理を実行しないようにし、払出球検知センサ224bにて遊技球を検知した場合にステップS2911の処理を実行するようにする。ステップS2911の処理を実行した後は、本賞球制御処理を終了する。
次に、払出側賞球コマンド数特定処理について、図52のフローチャートを参照しながら説明する。
払出側賞球コマンド数特定処理では、先ずステップS3001にて、RAM333に設けられた払出側異常フラグ格納バッファに払出側異常フラグが格納されているか否かを判定する。この払出側異常フラグは、異常報知が行われていることを払出制御基板322において把握するためのフラグであり、RAM333のコマンドカウンタエリア333cの値が上限基準数としての「100」以上となり主制御基板301に異常コマンドが出力される場合に格納され、コマンドカウンタエリア333cの値が「100」未満となり主制御基板301に異常解除コマンドが出力される場合に消去されるフラグである。なお、この上限基準数は「100」に限定されることはなく、賞球記憶用リングバッファ333bの記憶領域の数よりも少ない数であれば任意であり、例えば、「150」又は「200」としてもよい。
払出側異常フラグが格納されていない場合には、ステップS3002〜ステップS3003の払出側異常監視処理を実行し、払出側異常フラグが格納されている場合には、ステップS3004〜ステップS3005の払出側異常解除監視処理を実行する。
払出側異常監視処理では、先ずステップS3002にてコマンドカウンタエリア333cの値が「100」以上か否かを判定する。「100」以上でない場合には、そのまま本払出側賞球コマンド数特定処理を終了する。「100」以上である場合には、ステップS3003にて、異常コマンドを主制御基板301に出力するとともに払出側異常フラグを格納する。その後、本払出側賞球コマンド数特定処理を終了する。
払出側異常解除監視処理では、先ずステップS3004にてコマンドカウンタエリア333cの値が「100」未満か否かを判定する。「100」未満でない場合には、そのまま本払出側賞球コマンド数特定処理を終了する。「100」未満である場合には、ステップS3005にて、異常解除コマンドを主制御基板301に出力するとともに払出側異常フラグを消去する。その後、本払出側賞球コマンド数特定処理を終了する。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
払出制御基板322のRAM333に賞球数記憶エリア333a及び賞球記憶用リングバッファ333bを設けた。そして、賞球記憶用リングバッファ333bの各記憶領域に賞球コマンドを個別に記憶するとともに、賞球数記憶エリア333aに上記各記憶領域のうち一の記憶領域に記憶されている情報に基づいて特定された賞球数を記憶するようにし、さらにはこの賞球数記憶エリア333aに記憶されている賞球数の遊技球を払出装置224により払い出すようにした。これにより、電気的なノイズ等の影響で賞球数記憶エリア333aに記憶された情報が書き換えられてしまったとしても、その影響を低減することができる。
つまり、従来のパチンコ機のように未払出の賞球を総賞球数として賞球数記憶エリアに記憶しておく構成においては、その数は比較的多くなる。この場合に、例えば、賞球数記憶エリアに記憶されている賞球数が500個である状況においてノイズ等の影響で書き換えが発生して5個になってしまったとすると、遊技者が被る不利益は多大なものとなる。これに対して、本パチンコ機10では、上記のとおり賞球数記憶エリア333aに記憶された情報が書き換えられ賞球数が減少してしまったとしても、それは1回の入賞に対する賞球数程度が影響を受けるだけであるため遊技者が被る不利益を低減することができる。
また、払出制御基板322のCPU331において払出時マスク処理(図51の賞球制御処理におけるステップS2909)を実行するようにした。これにより、賞球数記憶エリア333aに記憶される上限賞球数が、1回の入賞に対する最大賞球数となる。上記のようなマスク処理が実行されない構成を想定すると、例えば、賞球数記憶エリアに記憶されている賞球数が5個である状況においてノイズ等の影響で書き換えが発生して500個になってしまうことが考えられる。この場合、遊技ホールが被る不利益は多大なものとなる。これに対して、本パチンコ機10では、賞球数記憶エリア333aの上限賞球数が上記のとおり規定されることとなるため遊技ホールが被る不利益を低減することができる。
賞球記憶用リングバッファ333bは一の記憶領域に一の賞球コマンドが記憶される構成である。したがって、一の記憶領域の賞球コマンドがノイズ等の影響で書き換えられてしまったとしても、その影響は一の賞球コマンドに留まることとなる。よって、賞球記憶用リングバッファaについてもノイズ等の影響を低減することができる。
また、払出制御基板322のCPU331において賞球数修正処理(図51の賞球制御処理におけるステップS2906)を実行するようにした。これにより、賞球記憶用リングバッファ333bの記憶領域に記憶されている賞球コマンドがノイズ等の影響で書き換えられてしまったとしても、その賞球コマンドは無視されるのではなく、修正用の賞球数が賞球数記憶エリア333aに記憶されることとなる。よって、賞球記憶用リングバッファ333bについてもノイズ等の影響を低減することが可能となる。
特に、上記修正用の賞球数は、最大賞球数である15個とした。これにより、賞球記憶用リングバッファ333bの記憶領域がノイズ等の影響で書き換えられてしまったとしても、遊技者が不利益を被らないようにすることができる。
主制御基板301のRAM313に入賞記憶用リングバッファ313aを設け、当該入賞記憶用リングバッファ313aの各記憶領域に個別に入賞情報を記憶し、それら入賞情報毎に賞球コマンドを特定し、その特定した賞球コマンドを払出制御基板322に出力するようにした。これにより、主制御基板301における入賞情報の管理も良好に行うことができる。
賞球数記憶エリア333aに記憶されている賞球数が「0」となることで、賞球記憶用リングバッファ333bに記憶されている賞球コマンドを解析し、新たな賞球数を賞球数記憶エリア333aに記憶させるようにした。これにより、賞球数記憶エリア333aに記憶される賞球数は一の賞球コマンド分(一の入賞情報分)となり、賞球数記憶エリア333aの情報がノイズ等の書き換えられたとしても、その影響を一の賞球コマンド分に留めることができる。さらには、上記のとおり、賞球記憶用リングバッファ333bは一の記憶領域に一の賞球コマンドが記憶される構成である。つまり、払出制御基板322において賞球記憶用リングバッファ333bにて待機するもの及び賞球数記憶エリア333aにて払出対象となるもののいずれについても一の賞球コマンド分となり、ノイズ等で情報が書き換えられてしまったとしてもその影響を最小限に留めることが可能となる。
賞球記憶用リングバッファ333bの各記憶領域には賞球コマンドの記憶処理が予め定められた順序で順次実行されるようにし、さらには記憶対象となった記憶領域に既に賞球コマンドが記憶されている場合にはその既に記憶されている賞球コマンドに代えて新たな賞球コマンドを記憶させるようにした。これにより、賞球記憶用リングバッファ333bの記憶容量が極端に大きなものとなってしまうことを抑制することができる。
賞球記憶用リングバッファ333bにおいて、未だ賞球数の情報として賞球数記憶エリア333aに記憶されていない賞球コマンドが記憶されている記憶領域の数が上限基準数に達している場合には、異常報知を実行するようにした。これにより、下皿34が満杯状態となり又はタンク221が球無状態となること等により、賞球記憶用リングバッファ333bに記憶されている賞球コマンドが賞球数として記憶されず、さらにそのような賞球コマンドの数が上限基準数に達した場合には、それを遊技者等に報知することができる。よって、上記の状態に対処するよう促すことが可能となる。
特に、上記のとおり、賞球記憶用リングバッファ333bの各記憶領域には賞球コマンドの記憶処理が順次実行されていき、記憶対象となった記憶領域に既に賞球コマンドが記憶されている場合にはその既に記憶されている賞球コマンドに代えて新たな賞球コマンドが記憶されることとなる。この場合、上記のように、賞球記憶用リングバッファ333bに記憶されている賞球コマンドが賞球数として記憶されず蓄積されていくと、最終的には払出対象として扱われないまま次の賞球コマンドに書き換えられてしまう。そうすると、遊技者にとっては本来得られたはずの利益が消失してしまうこととなり、好ましくない。これに対して、上記のように異常報知が実行されることにより、賞球コマンドが賞球数として扱われない状態に対処するよう促すことが可能となり、上記利益の消失を阻止することが可能となる。
下皿34が満杯状態となった場合に満杯報知を実行するようにしたことで、当該満杯状態を解消するように遊技者等を促すことが可能となる。また、上記満杯報知が実行されたとしても、上記満杯状態が解消されないことが想定される。この場合、賞球記憶用リングバッファ333bに記憶されている賞球コマンドが賞球数として記憶されず蓄積されていくことがある。これに対して、上記のとおり、賞球記憶用リングバッファ333bにおいて、未だ賞球数として記憶されていない賞球コマンドが記憶されている記憶領域の数が上限基準数に達している場合には、異常報知が実行される。これにより、上限基準数に達している旨を遊技者等に知らせることが可能となり、満杯報知が実行された段階では満杯状態の解消を行わなかった遊技者等に対して当該満杯状態の解消を再度促すことが可能となる。
タンク221が球無状態となった場合に球無報知を実行するようにしたことで、当該球無状態を解消するように遊技者等を促すことが可能となる。また、上記球無報知が実行されたとしても、上記球無状態が解消されないことが想定される。この場合、賞球記憶用リングバッファ333bに記憶されている賞球コマンドが賞球数として記憶されず蓄積されていくことがある。これに対して、上記のとおり、賞球記憶用リングバッファ333bにおいて、未だ賞球数として記憶されていない賞球コマンドが記憶されている記憶領域の数が上限基準数に達している場合には、異常報知が実行される。これにより、上限基準数に達している旨を遊技者等に知らせることが可能となり、球無報知が実行された段階では球無状態の解消を行わなかった遊技者等に対して当該球無状態の解消を再度促すことが可能となる。
また、異常報知では、遊技球の払出が停止されている理由に応じて、満杯系異常報知及び球無系異常報知を実行するようにした。そして、各異常報知では、遊技球の払出が停止されている理由を示唆するようにした。これにより、異常報知が実行された場合には遊技者等に対して遊技球の払出が停止されている原因の解消を的確に行わせることが可能となり、異常報知を実行するようにした効果が高められる。
(他の実施の形態)
なお、上述した各実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
(1)上記各実施の形態では、主制御基板301から払出制御基板322に出力された賞球コマンドを、単一の入賞情報に対応した賞球数の情報が含まれた(又は反映された)ものとしたが、これを変更してもよい。例えば、一の賞球コマンドには、最大で2個又は3個の入賞情報に対応した賞球数の和の情報が含まれる構成としてもよい。当該構成であっても、入賞記憶用リングバッファ313aと賞球数記憶エリア333aとが設けられており、賞球数記憶エリア333aには入賞記憶用リングバッファ313aの各記憶領域のうち一部の記憶領域に記憶されている情報に基づいて特定された賞球数の情報が記憶されることとなるため、ノイズ等の影響で賞球数記憶エリア333aに記憶されている情報が書き換えられてしまったとしても、その影響を低減することができる。
(2)上記各実施の形態では、主制御基板301のRAM313に入賞情報カウンタエリア313bを設け、当該エリア313bにおいて入賞記憶用リングバッファ313aの各記憶領域のうち賞球コマンドとして未だ出力されていない入賞情報が記憶された記憶領域の数を主制御基板301のCPU311において特定するようにしたが、これを変更してもよい。例えば、上記入賞情報カウンタエリア313bを不具備とし、書き込みポインタと読み出しポインタとを比較することで、入賞記憶用リングバッファ313aの各記憶領域のうち賞球コマンドとして未だ出力されていない入賞情報が記憶された記憶領域の数を主制御基板301のCPU311において特定するようにしてもよい。
(3)上記第2の実施の形態において、払出制御基板322のRAM333にコマンドカウンタエリア333cを設け、当該エリア333cにおいて賞球記憶用リングバッファ333bの各記憶領域のうち賞球数記憶エリア333aへの賞球数の記憶対象となっていない賞球コマンドが記憶された記憶領域の数を払出制御基板322のCPU331において特定するようにしたが、これを変更してもよい。例えば、上記コマンドカウンタエリア333cを不具備とし、書き込みポインタと読み出しポインタとを比較することで、賞球記憶用リングバッファ333bの各記憶領域のうち賞球数記憶エリア333aへの賞球数の記憶対象となっていない賞球コマンドが記憶された記憶領域の数を払出制御基板322のCPU331において特定するようにしてもよい。
(4)上記各実施の形態において、入賞記憶用リングバッファ313aの各記憶領域に入賞情報を記憶させる構成に代えて、賞球コマンドを記憶させる構成としてもよい。具体的には、主制御基板301のCPU311において入賞口センサ152、カウントセンサ153、作動口センサ154から遊技球が入球した旨の電気信号を入力した場合には、その電気信号に対応した賞球コマンドを特定するコマンド特定処理を先ず実行し、そのコマンド特定処理にて特定した賞球コマンドを入賞記憶用リングバッファ313aの記憶領域に格納するようにしてもよい。
(5)上記第2の実施の形態において、賞球記憶用リングバッファ333bの各記憶領域に賞球コマンドを記憶させる構成に代えて、賞球数の情報を記憶させる構成としてもよい。具体的には、払出制御基板322のCPU331において主制御基板301から賞球コマンドを入力した場合には、その賞球コマンドに対応した賞球数を特定する賞球数特定処理を先ず実行し、その賞球数特定処理にて特定した賞球数を賞球記憶用リングバッファ333bの各記憶領域に格納するようにしてもよい。
(6)上記第1の実施の形態において、払出制御基板322のCPU331は、賞球数記憶エリア333aに記憶されている情報に対応した賞球数が3個となった場合に、主制御基板301に要求コマンドを出力する構成としたが、これを変更してもよい。例えば、要求基準数を、1個、2個、又は4個以上であって一の入賞情報の最大賞球数を越えない数としてもよい。また、賞球数記憶エリア333aに記憶されている情報に対応した賞球数が0個となった場合に要求コマンドを出力する構成としてもよい。この場合、未だ払出対象となっていない入賞情報が入賞記憶用リングバッファ313aに記憶されているにも係らず、主制御基板301と払出制御基板322との間で要求コマンド及び賞球コマンドの入出力を行っている間、払出装置224による遊技球の払出が停止してしまうおそれがあるものの、賞球数記憶エリア333aに記憶される賞球数は一の賞球コマンド分(一の入賞情報分)となり、賞球数記憶エリア333aの情報がノイズ等の影響で書き換えられたとしても、その影響を一の賞球コマンド分に留めることができる。なお、本構成においては、入力時マスク処理及び払出時マスク処理における上限賞球数を、一の入賞情報に対する最大賞球数とすればよい。
(7)上記第2の実施の形態において、払出制御基板322のCPU331は、賞球数記憶エリア333aに記憶されている情報に対応した賞球数が0個となった場合に、賞球記憶用リングバッファ333bの記憶領域に記憶された賞球コマンドから賞球数を特定し、その特定した賞球数を賞球数記憶エリア333aに記憶させるようにしたが、これを変更してもよい。例えば、賞球数記憶エリア333aに記憶されている情報に対応した賞球数が0個ではない加算基準数となった場合に、賞球記憶用リングバッファ333bの記憶領域に記憶された賞球コマンドから賞球数を特定し、その特定した賞球数を賞球数記憶エリア333aに記憶させるようにしてもよい。具体的には、賞球制御処理(図51)におけるステップS2901にて、賞球数記憶エリア333aに記憶されている賞球数が1以上として設定された加算基準数に達しているか否かを判定するようにし、達している場合にステップS2902以降の処理を実行するようにする。この場合、賞球数記憶エリア333aに記憶される賞球数は一の賞球コマンド分を越えることとなるが、未だ払出対象となっていない賞球コマンドが賞球記憶用リングバッファ333bに記憶されているにも係らず、払出装置224による遊技球の払出が停止してしまうことが抑制される。
(8)遊技球の払出が実行され、賞球数記憶エリア333aに記憶されている賞球数が予め定められた低速切換基準数に達した場合に、払出装置224の払出速度をそれまでよりも遅い低速周期に変更させる構成としてもよい。例えば、通常周期を60msecとするとともに、低速周期を1.2secとする。また、低速切換基準数を2個又は3個等といったように1個以上とする。賞球数記憶エリア333aに賞球数の情報が記憶されていない状況では、払出装置224の駆動は停止される。この場合に、払出装置224の駆動開始には駆動状態を維持する場合よりも大きな駆動力を要するため、単発的な入賞が所定の間隔を置いて繰り返し発生した場合に、払出装置224の駆動開始及び駆動停止を繰り返し行う必要が生じるのは好ましくない。これに対して、賞球数記憶エリア333aに記憶されている賞球数の情報が低速切換基準数に達した場合に払出装置224の払出速度を低速周期に切り換えることで、単発的な入賞が所定の間隔を置いて繰り返し発生したとしても、低速切換基準数の賞球を低速周期で実行している間に次の入賞が発生する可能性が高まり、払出装置224の駆動開始及び駆動停止が繰り返し行われてしまう可能性が低減される。
なお、払出装置224の払出速度を常に低速とする構成も考えられるが、この場合、遊技球の払出速度が慢性的に遅くなり、遊技者にとっては入賞が発生したにも関わらずそれに対する賞球を受けるのに相当な時間を要することとなり好ましくない。
また、上記第1の実施の形態において、上記のように払出装置224の払出速度を低速周期に変更させる場合、要求基準数を低速切換基準数よりも大きい数に設定するとともに、主制御基板301のRAM313の入賞記憶用リングバッファ313aに入賞情報が記憶されている状況において払出制御基板322のCPU331から要求コマンドが出力された場合、低速基準切換数に達する前のタイミングで賞球数記憶エリア333aへの賞球数の加算処理が完了する構成としてもよい。この場合、払出装置224の払出速度を低速周期に切り換えるようにしたことによる上記優れた効果を奏しつつ、入賞記憶用リングバッファ313aに入賞情報が記憶されている場合には、払出装置224の払出速度が低速周期に変更されず、通常周期が維持されるようにすることができる。なお、要求基準数を低速切換基準数よりも「1」のみ大きい数としてもしてもよい。
また、上記第2の実施の形態において、上記のように払出装置224の払出速度を低速周期に変更させる場合、賞球記憶用リングバッファ333bに賞球コマンドが格納されている状況では、賞球数記憶エリア333aに記憶されている賞球数が上記低速切換基準数よりも大きい数として設定された加算基準数に達した場合に、賞球数の加算処理を実行するようにしてもよい。この場合、払出装置224の払出速度を低速周期に切り換えるようにしたことによる上記優れた効果を奏しつつ、賞球数記憶用リングバッファ333bに賞球コマンドが記憶されている場合には、払出装置224の払出速度が低速周期に変更されず、通常周期が維持されるようにすることができる。なお、加算基準数を低速切換基準数よりも「1」のみ大きい数としてもよい。
(9)上記第1の実施の形態では、主制御基板301のCPU311において、入賞記憶用リングバッファ313aの記憶領域に記憶されている入賞情報を特定できない場合にはコマンド修正処理(図27の賞球制御処理におけるステップS807)を実行することで、15個賞球コマンドをセットするようにしたが、これを変更してもよい。例えば、特定できない入賞情報については、賞球コマンドのセットを行わないようにしてもよい。この場合、一の入賞情報が消失してしまうものの、CPU311の処理負荷を低減することが可能となる。また、コマンド修正処理において最大の賞球数に対応した賞球コマンドをセットするのではなく、3個賞球コマンド又は4個賞球コマンドといったように、複数種ある賞球コマンドのうち少ない方の賞球数に対応した賞球コマンドをセットする構成としてもよい。
(10)上記各実施の形態では、払出制御基板322のCPU331において、賞球コマンドを特定できない場合には賞球数修正処理を実行することで、15個の賞球数を賞球数記憶エリア333aに記憶させるようにしたが、これを変更してもよい。例えば、特定できない賞球コマンドについては、賞球数の記憶を行わないようにしてもよい。この場合、一の賞球コマンド(入賞情報)が消失してしまうものの、CPU311の処理負荷を低減することが可能となる。また、賞球数修正処理において最大の賞球数を記憶させるのではなく、3個又は4個といったように、複数種ある賞球数のうち少ない方の賞球数を記憶させる構成としてもよい。
(11)上記第1の実施の形態において、払出制御基板322のCPU331では、入力時マスク処理又は払出時マスク処理のうち、一方のみを実行する構成としてもよい。但し、賞球数記憶エリア333aに記憶された情報の管理を良好に行うためには、少なくとも払出時マスク処理を実行する構成とすることが好ましい。
(12)上記第2の実施の形態において、主制御基板301のCPU311は、入賞記憶用リングバッファ313aに記憶された入賞情報から賞球コマンドを特定できなかった場合に、上記第1の実施の形態におけるコマンド修正処理を実行する構成としてもよい。
(13)上記各実施の形態における遊技球の払出に関する発明を、払出制御基板322を備えず、主制御基板301により払出装置224の駆動制御を実行する遊技機に適用してもよい。この場合、主制御基板301のRAM313が入賞記憶用リングバッファ313a及び賞球数記憶エリア333aを有することとなる。
また、上記各実施の形態における遊技球の払出に関する発明を、入賞口センサ152、カウントセンサ153及び作動口センサ154の電気信号が払出制御基板322に出力される遊技機に適用してもよい。この場合、主制御基板301から払出制御基板322へ賞球コマンドが出力されることはなく、遊技球の払出に関する処理が払出制御基板322において完結することとなるため、払出制御基板322のRAM333が入賞記憶用リングバッファ313a及び賞球数記憶エリア333aを有することとなる。
(14)上記各実施の形態では、異常報知を実行する場合、それまで実行されていた満杯報知や球無報知を終了させる構成としたが、終了させない構成としてもよい。例えば、異常報知の開始後は、それまで実行されていた満杯報知又は球無報知と異常報知とが交互に実行される構成としてもよい。この場合、異常報知において遊技球の払出が制限されている原因を示唆しなくても、当該異常報知と交互に実行される満杯報知又は球無報知にて遊技球の払出が制限されている原因が示唆されるため、原因がいずれであったとしても異常報知の態様を同一のものとしてもよい。
(15)上記各実施の形態では、払出不可状態となった場合、払出装置224による遊技球の払出を停止する構成としたが、これに代えて、払出装置224による遊技球の払出速度を通常時よりも極端に遅くし、その払出速度を実質的に遊技球が払い出されない程度とする構成としてもよい。
(16)払出装置224の払出モータ224aが故障した場合には遊技球の払出は行えなくなる。そうすると、上記第1の実施の形態では入賞記憶用リングバッファ313aに入賞情報が蓄積されることとなり、上記第2の実施の形態では賞球記憶用リングバッファ333bに賞球コマンドが蓄積されることとなり、遊技球の払出が実行されることなく入賞情報又は賞球コマンドが消失してしまうおそれがある。これに対して、払出モータ224aの故障を検知するようにし、払出モータ224aの故障が特定された場合には、それを示す報知を実行するようにしてもよい。また、払出モータ224aの故障報知を実行するとともに、その後に入賞情報又は賞球コマンドが上限基準数に達した場合には払出モータ224aの故障に起因して入賞情報又は賞球コマンドが上限基準数に達したことを示す故障系異常報知を実行するようにしてもよい。
(17)払出装置224の払出球検知センサ224bが故障した場合には遊技球の払出が正確に行えなくなるため、払出装置224による遊技球の払出を停止した方が好ましい。そうすると、上記第1の実施の形態では入賞記憶用リングバッファ313aに入賞情報が蓄積されることとなり、上記第2の実施の形態では賞球記憶用リングバッファ333bに賞球コマンドが蓄積されることとなり、遊技球の払出が実行されることなく入賞情報又は賞球コマンドが消失してしまうおそれがある。これに対して、払出球検知センサ224bの故障を報知するようにし、払出球検知センサ224bの故障が特定された場合には、それを示す報知を実行するようにしてもよい。また、払出球検知センサ224bの故障報知を実行するとともに、その後に入賞情報又は賞球コマンドが上限基準数に達した場合には払出球検知センサ224bの故障に起因して入賞情報又は賞球コマンドが上限基準数に達したことを示す故障系異常報知を実行するようにしてもよい。
(18)上記各実施の形態において、満杯検知センサ59の電気信号を主制御基板301に出力するようにしてもよい。この場合、主制御基板301のCPU311において下皿34が満杯状態であるか否かを特定し、満杯状態であると特定した場合には払出制御基板322に払出制限コマンドを出力するようにする。また、球無検知センサ223aの電気信号を主制御基板301に出力するようにしてもよい。この場合、主制御基板301のCPU311においてタンク221が球無状態であるか否かを特定し、球無状態であると特定した場合には払出制御基板322に払出制限コマンドを出力するようにする。
(19)上記第1の実施の形態において、満杯報知(又は球無報知)が実行された後において入賞記憶用リングバッファ313aの記憶領域に新たに入賞情報が格納された場合に、異常報知を開始する構成としてもよい。この場合、異常報知が行われる頻度が必要以上に高まるおそれがあるものの、異常報知が開始されるタイミングを上記第1の実施の形態よりも早めることが可能となる。
また、上記第2の実施の形態において、満杯報知(又は球無報知)が実行された後において賞球記憶用リングバッファ333bの記憶領域に新たに賞球コマンドが格納された場合に、異常報知を開始する構成としてもよい。この場合、異常報知が行われる頻度が必要以上に高まるおそれがあるものの、異常報知が開始されるタイミングを上記第2の実施の形態よりも早めることが可能となる。
(20)上記各実施の形態において、入賞記憶用リングバッファ313aの記憶領域には入賞情報だけでなく、その他の情報も記憶させる構成としてもよい。また、上記第2の実施の形態において、賞球記憶用リングバッファ333bの記憶領域には賞球コマンドだけでなく、その他のコマンドも記憶させる構成としてもよい。
(21)上記各実施の形態では、音声ランプ制御装置143が表示制御装置325を制御する構成としたが、これに代えて、表示制御装置325が音声ランプ制御装置143を制御する構成としてもよい。また、音声ランプ制御装置143と表示制御装置325との両機能を有する単一の制御装置を設けてもよい。
(22)上記各実施の形態では、賞球数記憶エリア333aに賞球数の情報を記憶させ、遊技球の払出を行うごとにその記憶させた値を減算させていく構成としたが、これに限定されることはなく、これを加算式で行う構成としてもよい。
(23)上記各実施の形態において、停電監視装置を主制御装置162とは別に設けることで、主制御基板301は主制御回路302のみの機能を有する構成としてもよい。
(24)払出制御基板322のCPU331において入力時割込み処理を実行する構成に代えて、主制御基板301のCPU311からコマンドを入力しているか否かをタイマ割込み処理(図30又は図49)内にて監視するようにするとともに、コマンドの格納処理等を実行するようにしてもよい。
(25)上記第1の実施の形態において、主制御基板301のCPU311は停電コマンドを出力しない構成としてもよい。この場合、払出制御基板322のCPU331は停電コマンドを入力することがないため、停電フラグの格納処理(ステップS902)や停電時処理(ステップS1007〜ステップS1009)を実行する必要がない。当該構成においては、払出制御基板322のCPU331におけるメイン処理(図29)では、ステップS1007にて停電フラグが格納されているか否かを判定する構成に代えて、割込み許可の設定を繰り返し実行する構成としてもよい。
(26)上記第1の実施の形態では、払出制御基板322のCPU331は要求コマンドを出力することで、主制御基板301のCPU311に賞球コマンドの出力を要求する構成としたが、これに代えて、「0」又は「1」の情報からなる要求信号を出力することで、主制御基板301のCPU311に賞球コマンドの出力を要求する構成としてもよい。この場合、払出制御基板322のCPU331は、賞球数記憶エリア333aに記憶されている賞球数が要求基準数としての「3」以下に達している場合には要求信号の出力を継続し、賞球コマンドを入力した場合又は賞球数記憶エリア333aに記憶されている賞球数が要求基準数を上回った場合に要求信号の出力を停止する構成としてもよい。
(27)上記第1の実施の形態では、入賞記憶用リングバッファ313aに記憶されている入賞情報の数が「100」以上となることで異常報知を開始し、「100」未満となることで異常報知を終了させる構成としたが、これを変更してもよい。例えば、入賞記憶用リングバッファ313aに記憶されている入賞情報の数が報知開始基準数に達することで異常報知を開始し、当該報知開始基準数よりも少ない数である報知終了基準数に達することで異常報知を終了させる構成としてもよい。この場合、異常報知の開始契機となる入賞情報の数と終了契機となる入賞情報の数とが異なるものとなり、異常報知の開始と終了とが短期間で繰り返されないようにすることが可能となる。なお、当該構成を上記第2の実施の形態において適用してもよい。
(28)払出制御基板322のRAM333の賞球数記憶エリア333aに入賞に対する賞球数の一部のみを記憶させる構成に代えて、賞球数記憶エリア333aに総賞球数を記憶させる構成としてもよい。本構成において、賞球数記憶エリア333aに記憶されている総賞球数が、賞球数記憶エリア333aの最大記憶可能数(例えば、255個)よりも少ない数の報知基準数(例えば、100個)に達している場合に異常報知を実行することで、入賞に対する賞球数の情報が無効化されてしまう前に何らかの対処をするよう遊技者等に対して促すことが可能となる。
(29)上記各実施の形態では、個別記憶手段としてリングバッファを設けたが、これを変更してもよい。例えば、個別記憶手段として、複数の記憶領域を有するとともに、そのいずれか1つの記憶領域が読み出し用領域として設定された記憶エリアを設け、当該記憶エリアを、情報の読み出しが行われるごとに各記憶領域に記憶されている情報が読み出し用領域側に順次シフトされる構成としてもよい。
(30)上記各実施の形態では、外側貯留部として上皿33と下皿34とを備えたパチンコ機10に本発明を適用したが、これに代えて、単一の外側貯留部を備えたパチンコ機に本発明を適用してもよい。この場合、満杯検知センサ59はその単一の外側貯留部が満杯状態か否かを検知するように設け、外側貯留部が満杯状態であることが特定された場合に遊技球の払出を制限するようにする。
(31)上記実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組合せが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも、本発明を適用できる。特に、メダルの払出が完了していない状況であっても次回の遊技回を開始することが可能なスロットマシンに本発明を適用すると、より効果的である。
また、取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも、本発明を適用できる。特に、遊技球の払出が完了していない状況であっても次回の遊技回を開始することが可能な遊技機に本発明を適用すると、より効果的である。