JP5736729B2 - マイクロレンズ装飾体 - Google Patents

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本発明は、マイクロレンズを利用した、特殊な視覚効果を有する装飾体に関する。
従来からモアレを利用した模様が建装材や、装飾材として用いられている。最も初歩的なモアレ模様は、同じ網点スクリーンを2枚重ねて、1枚のスクリーンを一定角度回転させることによって得られるものであり、この原理を応用して、模様の単位となる絵柄の形状や回転角度をさまざまに変えることにより、無限とも言える種類の模様を生み出すことができる。
一方、透明な合成樹脂板の表面に、微細な凸レンズであるマイクロレンズを規則正しく配列したマイクロレンズシートを利用して、特殊な視覚効果を発揮するようにした装飾材料が知られている。マイクロレンズシートは、精密な金型を用いて熱可塑性樹脂シートの表面に微細な凹凸を賦型して製造するシートであるため、高価なものである。特許文献1に記載された装飾シートは、透明性シートの表面に複数の凸レンズ形状の突起を連続した任意のパターンで設けると共に、該シートの裏面に表面と同じ連続パターンをもつ模様を表面の連続パターンに対して変位させて印刷したことを特徴とする装飾シートである。
特許文献1に記載された装飾シートは、金型によるレンズシートを用いるためにどうしても高価なものとならざるを得ない。また金型によるレンズシートを用いる限り、レンズによる効果を部分的に配置するようなデザインを実現することは、不可能ではないが、コスト面でさらに困難なものとなる。
マイクロレンズを賦型法ではなく、印刷法によって形成しようとする試みもなされている。特許文献2に記載された点描画模様の装飾体は、透明基板の表面に透明性を有する印刷インキにより透明性を有する多数の独立した凸状集光素が一定の微細なピッチにて規則正しい配列状態に印刷され、透明基板の裏面に表面の凸状集光素と同形状で同配列状態又は異形状で同配列状態の多数の着色画素が印刷され、かつ、交差角度により、着色画素の視認サイズが大幅に変化するように表面の凸状集光素に対し交差角をずらせた位置関係となっており、着色画素が表面から見て立体感を有する拡大画像として現出し、視点を移動させると拡大画像が揺らぎ感を呈することを特徴とする点描画模様の装飾体である。
この装飾体は、網点のように規則的なパターンを重ねて交差角をずらすと振幅が大きくなったり小さくなったりして網点が揺らいで見える現象を利用して、立体的な点描画模様を現出せしめた装飾体である。
特許文献3に記載された立体模様装飾体は、透明又は不透明な装飾体の表面に、所望の色に着色したドット状の模様を連続して所定のパターンに複数層または単一層付設し、上記装飾体及び各模様の表面に、略半球形状断面を有する透明なドット状の凸レンズを連続して上記模様と略同一のパターンに付設し、上記各模様及び凸レンズの各パターンをモアレ模様が現出する角度に変位させて、上記各模様及び凸レンズを、上記装飾体表面に設定した密領域に向けて徐々に密状態となるように配列し、該密領域から遠くなる部分に設定した粗領域に向けて徐々に粗状態となるようなグラデーションに配列した立体模様装飾体である。この装飾体は、密領域及び粗領域を有するグラデーションのモアレ模様を立体的に現出することができる。
特許文献2に記載された点描画模様の装飾体、および特許文献3に記載された立体模様
装飾体は、いずれも印刷手段によってレンズを形成するものであるから、高価な金型を用いることはないが、レンズを形成する手段として比較的インキの厚盛りが容易なスクリーン印刷法を用いているため、大面積にわたって微細なレンズを精度よく形成し、精度よく配列することには限界がある。またスクリーン印刷法は印刷スピードが遅く、大量生産には不向きである。
また上記いずれの装飾体もモアレパターンの発生を、一方のパターンの角度を変化させる方法によって実現しているため、発生するモアレパターン自体も何らかの角度を伴っており、制御されたきちっとした印象を与えるものとは言えないものである。
特許第2761861号公報 特許第3338860号公報 特開2005-193501号公報
特許文献3に記載された立体模様装飾体は、モアレ模様を立体的に現出させしかもこのモアレ模様にグラデーションを付与することができるものであるが、グラデーション効果を出すために、ドット状の模様とドット状のレンズとを同調させて粗密の程度を変えるという手法を採用しているため、模様とレンズの設計が難しい。
本発明の解決しようとする課題は、基材/反射層/視覚表現絵柄/マイクロレンズの構成を有し、微細なマイクロレンズが精度よく形成配列され、正確に方向性が制御された、視覚効果による視覚表現絵柄の拡大模様を現出する装飾体において、グラデーション効果を伴った拡大模様を現出することが可能であり、しかも、視覚表現絵柄やマイクロレンズの設計が容易なマイクロレンズ装飾体を提供しようとするものである。
上記の課題を解決するための手段として、請求項1に記載の発明は、基材上に反射層と、ピッチAでパターン状に設けた視覚表現絵柄と、該視覚表現絵柄面に撥液性を有するニスを用いてピッチBで抜き柄状に設けた撥液パターンと、該撥液パターン上に透明ニスを塗布して前記抜き柄部分に形成したマイクロレンズとを有し、前記ピッチAとピッチBを異なるピッチにすることによって、前記視覚表現絵柄が拡大された干渉模様を等ピッチで現出して立体的に視覚させるマイクロレンズ装飾体において、前記視覚表現絵柄が、FMスクリーンによって網掛けされたグラデーションを形成し、前記反射層と視覚表現絵柄の間に、FMスクリーンによって網掛けされ、網点面積率が30%以上90%未満である絵柄層を有することを特徴とするマイクロレンズ装飾体である。
また、請求項2に記載の発明は、前記視覚表現絵柄の解像度が、150DPI以上4000DPI未満であることを特徴とする請求項1に記載のマイクロレンズ装飾体である。
また、請求項に記載の発明は、前記絵柄層の解像度が、150DPI以上4000DPI未満であることを特徴とする請求項1または2に記載のマイクロレンズ装飾体である。
本発明に係る装飾体は、撥液性を有するニスを用いて抜き柄状に設けた撥液パターンと、撥液パターン上に塗布した透明ニスによりマイクロレンズを形成するので、微細かつ正確なマイクロレンズを印刷法によって能率良く形成することができる。このため本発明に係る装飾体は、精緻な視覚効果を伴った巧緻な装飾体となる。
また、本発明に係る装飾体は、基材上にパターン状に設けた視覚表現絵柄とマイクロレンズのピッチを変えることにより、干渉によって視覚表現絵柄が拡大された模様(以下拡大模様と略す)を発生させるものであるから、拡大模様は視覚表現絵柄やマイクロレンズのパターンと共通の同一の方向性を保っており、きちっと制御された印象を与えるものである。また発生した拡大模様は視点の移動により動いて見えるため、立体感が表現される。
また、本発明に係る装飾体は、基材と視覚表現絵柄との間に反射層を設けたため、拡大模様が強く表現される。
また視覚表現絵柄を、グラデーションを有するものとしたので、拡大模様自体にグラデーションが生じ、特異な効果を現出するものとなった。またグラデーションをFMスクリーンを用いて表現したので、通常のAMスクリーンを用いた場合と異なり、マイクロレンズとの間に不必要な干渉を生じることがない。
また、反射層と視覚表現絵柄との間にFMスクリーンによって網掛けされ、網点面積率が30%以上90%未満である絵柄層を設けた場合においては、絵柄層が特定のピッチによって配列している視覚表現絵柄やマイクロレンズとの間に干渉によるモアレを生じることがなく、さらに自由な印刷表現を可能とするものとなる。
視覚表現絵柄や絵柄層の解像度が、150DPI以上4000DPI未満である場合には、ざらつき感が生じることもなく、また印刷技術上も問題なく実施できる。
図1は、本発明に係るマイクロレンズ装飾体の一実施態様を示した断面説明図である。 図2は、図1に示したマイクロレンズ装飾体の拡大平面説明図である。 図3は、本発明に係るマイクロレンズ装飾体において拡大模様の発生する機序を示した拡大平面説明図である。 図4は、本発明に係るマイクロレンズ装飾体において拡大模様の発生する機序を示した拡大平面説明図であり、図3よりも拡大倍率を下げたものである。 図5は、FMスクリーンの概念を示した模式図である。
以下、図面に従って本発明に係るマイクロレンズ装飾体について詳細に説明する。
図1は、本発明に係るマイクロレンズ装飾体の一実施態様を示した断面説明図であり、図2は、図1に示したマイクロレンズ装飾体の拡大平面説明図である。
本発明に係るマイクロレンズ装飾体は、基材1上に反射層2とピッチA(7)でパターン状に設けた視覚表現絵柄4(4a〜4d)と、視覚表現絵柄面に撥液性を有するニスを用いてピッチB(8)で抜き柄状に設けた撥液パターン5と、撥液パターン5上に透明ニスを塗布して前記抜き柄部分に形成したマイクロレンズ6とを有し、ピッチAとピッチBを
異なるピッチにすることによって、視覚表現絵柄4が拡大された干渉模様を等ピッチで現出して立体的に視覚させる装飾体であり、視覚表現絵柄4a、4b、4c、4dが、FMスクリーンによって網掛けされたグラデーションを形成していることを特徴とするマイクロレンズ装飾体である。
図1、2に示した実施態様においては、反射層2と視覚表現絵柄4の間に、FMスクリーンによって網掛けされ、網点面積率が30%以上90%未満である絵柄層3を有する。
基材1としては、紙、合成樹脂フィルム、合成樹脂板など任意の材質の基材が使用できるが、大面積の基材であっても微細なマイクロレンズを精度よく形成できるという本発明の特徴を生かすためには、オフセット印刷法やグラビア輪転印刷法が使用できる紙や合成樹脂フィルムが望ましい。合成樹脂板などの板材を基材として、スクリーン印刷法による印刷を適用してもよい。
反射層2としては、金属箔、金属蒸着層、金属粉末顔料やパール顔料等の光輝性顔料を含むインキ層などが用いられる。紙やフィルムにアルミニウムを蒸着した蒸着紙や蒸着フィルムを反射層つきの基材として使用してもよい。反射層2が存在することにより、入射した外光が反射層2で反射して射出するため、反射する光量が増大することによって、拡大模様が強く現出する。
絵柄層3および視覚表現絵柄4は、FMスクリーンで網掛けされた絵柄であることが必要である。FMスクリーンは、Frequency Modulation Screenの略であり、従来の一定ピッチで配列された網点の大小によって階調を表現するAMスクリーンに対して、一定の大きさの網点の密度を変えることによって階調を表現するものである。図5は、FMスクリーンの概念を示した模式図である。等しい大きさの網点20が左から右にかけて徐々に密度が高くなるように、不規則に配置されている。
FMスクリーンは、数社より仕様の異なるものが提供されているが、基本原理は同じであるから、本発明に適用するに当って特に制約されるものではない。具体的には、Kodac社のstaccato(商品名)や、富士フィルム社のTAFFETA(商品名)、大日本スクリーン社のFairdot(商品名)などが挙げられる。
絵柄層3や視覚表現絵柄4に従来のAMスクリーンを用いると、網点が一定のピッチに従って配列されているため、絵柄層と、視覚表現絵柄やマイクロレンズとが相互に干渉して、意図しない干渉模様が発生したり、あるいは、これらが打ち消し合って、干渉模様が現出しないことがあるが、FMスクリーンには、特定のピッチが存在しないため、FMスクリーンを用いた場合には、そのような不具合が発生することはない。
絵柄層3としては、不透明ないし半透明の通常の印刷インキを用いた絵柄を用いることができる。但し透明性の低いインキを用いた場合に、網点面積率の大きな絵柄を使用すると反射層2を隠蔽する結果となるため、干渉による拡大模様の発現を妨げるので好ましくない。
そこで絵柄層3としては、網点面積率を30%以上90%未満とすることが好ましい。これは、反射層を隠蔽することなく着色することができるためである。30%未満では、絵柄層を設けた効果が十分得られないし、90%以上では、反射層2を隠蔽する結果、光の反射が弱くなり、干渉による拡大模様発現効果が弱まる。
視覚表現絵柄4および絵柄層3の解像度としては、150DPI(dot per inch)以上は必要であり、好ましくは300DPI〜2500DPI程度である。40
00DPI以上では、再現性に問題が生じる恐れがある。なおこれらの解像度を発生するためのレーザー露光光源の解像度としては、10000DPI程度であることが好ましい。
絵柄層3を透明顔料や染料を用いて着色した透明ニスによるものとすると、さまざまな種類の金属光沢を表現することが可能となる。例えば反射層2をアルミニウム箔とし、絵柄層3を黄褐色にすると金色を表現することができる。同様に絵柄層3をグレー色にするとステンレススチールの質感を与えることができる。
絵柄層3をグラデーションを伴ったべた柄とすることもできる。この場合も、網点面積率としては、30%以上90%未満であることが望ましい。
視覚表現絵柄4としては、円形、四角形、三角形、ハート形、あるいは文字等任意の図形を微細化して用いることができる。視覚表現絵柄4は、ドットパターン状に配列して印刷方式に応じて通常使用される透明着色インキまたは不透明着色インキを用いて印刷する。
視覚表現絵柄4としては、独立したドットパターン状に配列されたものではなくても、一定のピッチを持った柄であればよく、例えばハニカム形状などのように繋がった柄でも良い。
視覚表現絵柄4に、FMスクリーンによる網掛けを施し、グラデーションを付与することにより、マイクロレンズとのモアレによって発生する拡大模様もグラデーションを伴ったものとなる。図1、図2の例では、視覚表現絵柄4aから4b、4c、4dの順番に網点面積率が下がるグラデーションを形成している。
視覚表現絵柄4の網点面積率としては、100%から0%までの範囲で選択することができる。
撥液パターン5は、撥液性を有するインキを用いて、抜き柄状に形成する。撥液性のインキとしては、通常使用するインキやニスにシリコーンオイルやシリコーン樹脂を少量添加したインキや、シリコーン樹脂やフッ素系樹脂をバインダーとするインキを使用することができる。通常撥液パターンは無色透明とするのが一般的であるが、デザイン上の効果を求めて、適宜着色することもできる。撥液パターン5の形状は、図3に示したような正三角形状に配列した水玉模様のネガや、正方形状に配列した水玉模様のネガ、あるいは、碁盤目、ハニカム形状など任意である。
撥液パターン5の表面に透明ニスを塗布して撥液パターンに沿ってはじかせると、透明ニスは、撥液パターンの抜き柄部に集まり、凸状に盛り上がってマイクロレンズ6を形成する。透明ニスとしては、マット剤などの充填剤を含まない透明性のよい樹脂組成物で、固形分の多いものが好ましい。紫外線硬化型の固形分100%の透明グロスニスは、好ましく使用できるものである。
図示はしないが、反射層2と絵柄層3の間に透明層を設けても良い。透明層は、入射光と反射光の光路を長くして拡大模様の立体感を強める働きをする。透明層としては、透明樹脂の塗膜や、透明フィルムを使用することができる。
図3は、本発明に係る装飾体において拡大模様の発生する機序を示した拡大平面説明図である。この説明図においては、視覚表現絵柄4が円形のドットであり、一定の視覚表現絵柄ピッチ7(A)で正三角形状に配列されている。なお、図3、図4においては、説明
のため、視覚表現絵柄4にグラデーションを設けていない。次に視覚表現絵柄4の上から撥液性のインキを用いて形成した撥液パターン5が設けられている。撥液パターン5は、一定のマイクロレンズピッチ8(B)で正三角形状に配列した円形のドットのネガパターンすなわち抜き柄状となっており、撥液パターン5の上に塗布された透明ニスが弾かれて抜き柄である円形のドット部に集まってマイクロレンズ6を形成する。マイクロレンズ6の大きさとしては、0.05mm〜0.5mm程度が適当である。
視覚表現絵柄ピッチ7(A)とマイクロレンズピッチ8(B)を、異なる値に設定すると、視覚表現絵柄4のドットとマイクロレンズ6の位置は徐々にずれていき、1ピッチずれた位置で再び一致しようとする。両者が一致した部分では、視覚表現絵柄4の中央部がマイクロレンズ6で拡大され、両者が一致しない部分では、視覚表現絵柄4の中間部がマイクロレンズ6で拡大される。このように、拡大される視覚表現絵柄の部分が徐々にずれて移動して行き、1ピッチずれた位置で、元に戻る。このピッチの一致、不一致が繰返す結果、肉眼で見ると、あたかも視覚表現絵柄4が拡大されたかのように認識されるのである。視覚表現絵柄ピッチ7(A)およびマイクロレンズピッチ8(B)の値としては、0.05mm〜1.0mm程度が好ましい。
図4は、本発明に係る装飾体において拡大模様の発生する機序を示した拡大平面説明図であり、図3よりも拡大倍率を下げたものである。図から分かるように、視覚表現絵柄4の中央部が拡大される領域9と、視覚表現絵柄4の中間部が拡大される領域10とが周期的に一定の間隔で現れる。これが拡大模様となって現出し、肉眼によって認識されるのである。
本発明に係る装飾体においては、視覚表現絵柄ピッチ7(A)とマイクロレンズピッチ8(B)を変えるだけで、角度は変更していないため、現出する拡大模様の角度も元の視覚表現絵柄4の角度と等しく、図4の場合であると水平方向と左右に60°傾いた方向である。一般に絵柄の角度を変更した場合に現出するモアレ模様は、元の絵柄の角度とは異なる角度に現出するので、偶然成り行きで現れたような印象を与えるものであり、制御された印象を与えるものではないが、本発明に係る装飾体は、絵柄の角度と等しい方向に拡大模様が現出するため、きちっと制御された拡大模様となることを特徴とする。
視覚表現絵柄ピッチ7(A)がマイクロレンズピッチ8(B)よりも小さい場合には、拡大模様は、元の視覚表現絵柄4と同じ向きの正立拡大像となるが、視覚表現絵柄ピッチ7(A)がマイクロレンズピッチ8(B)よりも大きい場合には、元の視覚表現絵柄4と逆向きの倒立拡大像となる。
以下実施例に基づき、具体的に説明する。
坪量310gのコートボール紙に厚さ12μmのアルミニウム蒸着PETを貼り合わせたVM−PET貼合紙を反射層付き基材とした。反射層の表面にオフセット印刷機により、図3に示したようなドット形状の視覚表現絵柄を墨インキを用いて印刷した。ドット径は0.2mm、ピッチは0.31mmとした。視覚表現絵柄には、FMスクリーン(Kodak社製、商品名Staccato)による網掛を施し、網点面積率で100%から0%までのグラデーションを含むものとした。また視覚表現絵柄の解像度は、2400DPIとした。次にこの上に、インキメジュームにシリコーンオイルを添加したはじきインキを用いて、水玉模様の抜き柄である撥液パターンを印刷した。マイクロレンズとなるべき水玉の直径は、0.3mm、ピッチは0.33mmとした。この上から、透明グロスニスを全面に塗布し、マイクロレンズを形成した。得られたマイクロレンズ装飾体は、規則正しく配列した約5.5mmピッチの視覚表現絵柄のドットパターンが拡大された模様を現出し、視点の移動によって模様が動くために、立体感を表現することが出来た。またこの
マイクロレンズ装飾体は、視覚表現絵柄がFMスクリーンによるグラデーションを有するために、変化に富んだ表現が可能となった。またさらに表面にマイクロレンズの凹凸に基づく微細なエンボスを有するために、手触りの良い高級感のある装飾体となった。
坪量310gのコートボール紙に厚さ12μmのアルミニウム蒸着PETを貼り合わせたVM−PET貼合紙を反射層付き基材とした。反射層の表面にオフセット印刷機により絵柄層を印刷した。絵柄層には、FMスクリーン(Kodak社製、商品名Staccato)による網点面積率80%の網掛を施した絵柄を使用し、通常のオフセット墨インキを用いて印刷した。次にこの上に、同じくオフセット印刷機により、図3に示したようなドットの視覚表現絵柄を赤インキを用いて印刷した。ドット径は0.2mm、ピッチは0.31mmとした。視覚表現絵柄には、FMスクリーン(Kodak社製、商品名Staccato)による網掛を施し、網点面積率で100%から0%までのグラデーションを含むものとした。なお、絵柄層および視覚表現絵柄の解像度は、2400DPIとした。次にこの上に、インキメジュームにシリコーンオイルを添加したはじきインキを用いて、水玉模様の抜き柄である撥液パターンを印刷した。マイクロレンズとなるべき水玉の直径は、0.3mm、ピッチは0.33mmとした。この上から、透明グロスニスを全面に塗布し、マイクロレンズを形成した。得られたマイクロレンズ装飾体は、規則正しく配列した約5.5mmピッチの視覚表現絵柄のドットパターンが拡大された模様を現出し、視点の移動によって模様が動くために、立体感を表現することが出来た。このマイクロレンズ装飾体は、視覚表現絵柄がFMスクリーンによるグラデーションを有するために、変化に富んだ表現効果を有し、またFMスクリーンによる絵柄層が存在するために、さらに複雑な表現が可能となった。またさらに表面にマイクロレンズの凹凸に基づく微細なエンボスを有するために、手触りの良い高級感のある装飾体となった。
<比較例1>
視覚表現絵柄のスクリーンを通常の175線45°のAMスクリーンとした以外は、実施例1と同様にして、マイクロレンズ装飾体を作成した。得られた装飾体は、視覚表現絵柄とマイクロレンズの干渉による拡大絵柄が、AMスクリーンとの干渉によって減殺され、発現しないため装飾効果の劣るものとなった。
<比較例2>
絵柄層のスクリーンを通常の175線45°のAMスクリーンとし、視覚表現絵柄を網掛しないドット柄とした以外は、実施例2と同様にして、マイクロレンズ装飾体を作成した。得られた装飾体は、視覚表現絵柄とマイクロレンズの干渉による拡大絵柄は発現するが、絵柄層のAMスクリーンに起因する干渉によってモアレを生じ、装飾効果の劣るものとなった。
1・・・基材
2・・・反射層
3・・・絵柄層
4(4a〜4d)・・・視覚表現絵柄
5・・・撥液パターン
6・・・マイクロレンズ
7・・・視覚表現絵柄ピッチ
8・・・マイクロレンズピッチ
9・・・視覚表現絵柄の中央部が拡大される領域
10・・・視覚表現絵柄の中間部が拡大される領域
20・・・網点

Claims (3)

  1. 基材上に反射層と、ピッチAでパターン状に設けた視覚表現絵柄と、該視覚表現絵柄面に撥液性を有するニスを用いてピッチBで抜き柄状に設けた撥液パターンと、該撥液パターン上に透明ニスを塗布して前記抜き柄部分に形成したマイクロレンズとを有し、前記ピッチAとピッチBを異なるピッチにすることによって、前記視覚表現絵柄が拡大された干渉模様を等ピッチで現出して立体的に視覚させるマイクロレンズ装飾体において、前記視覚表現絵柄が、FMスクリーンによって網掛けされたグラデーションを形成し、前記反射層と視覚表現絵柄の間に、FMスクリーンによって網掛けされ、網点面積率が30%以上90%未満である絵柄層を有することを特徴とするマイクロレンズ装飾体。
  2. 前記視覚表現絵柄の解像度は、150DPI以上4000DPI未満であることを特徴とする請求項1に記載のマイクロレンズ装飾体。
  3. 前記絵柄層の解像度は、150DPI以上4000DPI未満であることを特徴とする請求項1または2に記載のマイクロレンズ装飾体。
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