以下に添付図面を参照して、この発明にかかる遊技機の好適な実施の形態1,2を詳細に説明する。
(実施の形態1)
(ぱちんこ遊技機の基本構成)
まず、本発明の実施の形態1にかかるぱちんこ遊技機の基本構成について説明する。図1は、本発明の実施の形態1にかかるぱちんこ遊技機の一例を示す正面図である。図1に示すように、実施の形態1のぱちんこ遊技機100は、遊技盤101を備えている。遊技盤101の下部位置には、発射部(図2中符号292参照)が配置されている。
発射部の駆動によって発射された遊技球は、レール102a,102b間を上昇して遊技盤101の上部位置に達した後、遊技領域103内を落下する。遊技領域103には、複数の釘(不図示)が設けられており、この釘によって遊技球は不特定な方向に向けて落下する。また、遊技領域103において遊技球の落下途中となる位置には、遊技球の落下方向を変化させる風車や各種入賞口(始動口や大入賞口など)が配設されている。
遊技盤101の略中央部分には、画像表示部104が配置されている。画像表示部104としては液晶表示器(LCD)などが用いられる。画像表示部104の下方には、第1始動口105と、第2始動口106とが配設されている。第1始動口105および第2始動口106は、始動入賞させるための入賞口である。なお、第1始動口105および第2始動口106に、それぞれ複数の遊技球が入賞した保留球状態においては、第2始動口106に入賞した保留球が、第1始動口105への入賞による保留球よりも優先して消化されるようになっている。
第2始動口106の近傍には、普通電動役物としての電動チューリップ107が設けられている。電動チューリップ107は、遊技球を第2始動口106へ入賞しにくくさせる閉状態(閉口された状態)と、閉状態よりも入賞しやすくさせる開状態(開放された状態)とを有する。これらの状態の制御は、電動チューリップ107が備えるソレノイド(図2中符号231参照)によっておこなわれる。
電動チューリップ107は、画像表示部104の左側に配設されたゲート108を遊技球が通過したことによりおこなわれる普通図柄抽選の抽選結果に基づいて開放される。ゲート108は、画像表示部104の左側(図示の位置)に限らず、遊技領域103内の任意の位置に配設してよい。
第2始動口106の下方には、大入賞口109が設けられている。大入賞口109は、大当たり遊技状態となったときに開放され、遊技球の入賞により所定個数(たとえば15個)の賞球を払い出すための入賞口である。
画像表示部104の側部や下方などには普通入賞口110が配設されている。普通入賞口110は、遊技球の入賞により所定個数(たとえば10個)の賞球を払い出すための入賞口である。普通入賞口110は、図示の位置に限らず、遊技領域103内の任意の位置に配設してよい。遊技領域103の最下部には、いずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を回収する回収口111が設けられている。
遊技盤101の右下部分には、特別図柄が表示される特別図柄表示部112が配置されている。特別図柄表示部112は、第1特別図柄(以下「特図1」という)が表示される第1特別図柄表示部(図2中符号112a参照)と、第2特別図柄(以下「特図2」という)が表示される第2特別図柄表示部(図2中符号112b参照)とを有する。
ここで、特図1は、遊技球が第1始動口105へ入賞することによっておこなわれる第1大当たり抽選の抽選結果をあらわす図柄である。特図2は、遊技球が第2始動口106へ入賞することによっておこなわれる第2大当たり抽選の抽選結果をあらわす図柄である。第1大当たり抽選および第2大当たり抽選は、遊技状態を大当たり遊技状態とするか否かの抽選である。
また、遊技盤101の右下部分には、普通図柄が表示される普通図柄表示部113が配置されている。ここで、普通図柄は、普通図柄抽選の抽選結果をあらわす図柄である。普通図柄抽選は、前述のように電動チューリップ107を開状態とするか否かの抽選である。なお、特別図柄表示部112および普通図柄表示部113としては7セグメントディスプレイが用いられる。
特別図柄表示部112および普通図柄表示部113の左側には、特別図柄または普通図柄に対する保留数を表示する保留球表示部114が配置されている。保留球は、特別図柄または普通図柄の変動中に入賞した遊技球を保留状態として保持したものである。保留球表示部114としては、たとえばLEDが用いられる。この保留球表示部114としてのLEDは複数配置され、点灯/消灯によって保留数をあらわす。たとえば、保留球表示部114を構成するLEDのうちの、上段のLEDが2個点灯している場合には、普通図柄に対する保留数は2であることをあらわす。なお、保留球の告知は、保留球表示部114のみならず、画像表示部104からの表示によってもおこなわれる。
遊技盤101の遊技領域103の外周部分には、枠部材115が設けられている。枠部材115において遊技領域103の上側および下側となる2辺には、演出ライト部(枠ランプ)116が設けられている。演出ライト部116は、それぞれ複数のランプを有する。各ランプは、ぱちんこ遊技機100の正面にいる遊技者を照射し、その照射位置が遊技者の頭上から腹部に沿って移動するように、光の照射方向を上下方向に変更可能になっている。各ランプは、演出ライト部116に設けられた不図示のモータによって、光の照射方向を上下方向に変更するように駆動される。
枠部材115の下部位置には、操作ハンドル117が配置されている。操作ハンドル117は、上記の発射部を駆動させて遊技球を発射させる発射指示部材118を備えている。発射指示部材118は、操作ハンドル117の外周部において、遊技者から見て右回りに回転可能に設けられている。発射部は、発射指示部材118が遊技者によって直接操作されている場合に、遊技球を発射させる。
枠部材115において、遊技領域103の下側となる辺には、遊技者からの操作を受け付ける演出ボタン(チャンスボタン)119が設けられている。また、演出ボタン119の隣には、遊技者からの操作を受け付ける十字キー120が設けられている。また、枠部材115には、音声を出力するスピーカ(図2中符号254参照)が組み込まれている。
また、図示を省略するが、遊技領域103内の所定位置(たとえば画像表示部104の周囲)には、ギミックと呼ばれる演出用の役物(以下「演出役物」という。図2中符号265参照)が設けられている。この演出役物は、不図示のソレノイドやモータを備えており、このソレノイドやモータの駆動によって駆動される。
(ぱちんこ遊技機の制御部の内部構成)
次に、図2を用いて、本発明の実施の形態1にかかるぱちんこ遊技機100の制御部の内部構成について説明する。図2は、本発明の実施の形態1にかかるぱちんこ遊技機100の制御部の内部構成を示すブロック図である。図2に示すように、ぱちんこ遊技機100の制御部200は、遊技の進行を制御する主制御部201と、演出内容を制御する演出制御部202と、賞球の払い出しを制御する賞球制御部203とを備えている。以下にそれぞれの制御部の構成について詳細に説明する。
(1.主制御部)
主制御部201は、CPU(Central Processing Unit)211と、ROM(Read Only Memory)212と、RAM(Random Access Memory)213と、不図示の入出力インターフェース(I/O)などを備えて構成される。
主制御部201は、CPU211がRAM213をワークエリアとして使用しながら、ROM212に記憶された各種プログラムを実行することによって、ぱちんこ遊技機100の遊技の進行を制御するように機能する。具体的には、主制御部201は、大当たり抽選(第1大当たり抽選、第2大当たり抽選)、普通図柄抽選、遊技状態の制御などをおこない、遊技の進行を制御する。主制御部201は、主制御基板によって実現される。
CPU211は、予めROM212に記憶された各種プログラムに基づき、遊技内容の進行に伴う基本処理を実行する。ROM212には、大当たり抽選プログラム、普通図柄抽選プログラム、電動チューリップ制御プログラム、大入賞口制御プログラム、遊技状態設定プログラム、保留消去プログラムなどが記憶されている。
大当たり抽選プログラムは、第1始動口SW221または第2始動口SW222によって遊技球が検出されることにより、大当たりの抽選、特別図柄の変動パターンの抽選などをおこなうプログラムである。
普通図柄抽選プログラムは、ゲート108への遊技球の通過を検出すると、電動チューリップ107を、当たり(開放)、または、ハズレ(閉状態を保持)とする普通図柄抽選をおこなうプログラムである。また、普通図柄抽選プログラムは、時短遊技状態や確変遊技状態など、特定の遊技状態においては、当選確率が高いテーブルを用いて普通図柄抽選をおこなうプログラムである。
電動チューリップ制御プログラムは、通常時には電動チューリップ107を閉状態としておく一方、普通図柄抽選の抽選結果に基づいて、所定期間、電動チューリップ107を開放状態にするプログラムである。また、電動チューリップ制御プログラムは、時短遊技状態や確変遊技状態においては、普通図柄抽選の抽選結果が当たりである場合、電動チューリップ107を、開放時間の長い(1.8秒×3回)開放状態にするプログラムである。
なお、通常遊技状態においては、普通図柄抽選の抽選結果が当たりである場合、電動チューリップ107を、開放時間の短い(0.15秒×1回)開放状態にする。なお、普通図柄抽選の当選確率を高くし、かつ、電動チューリップ107の開放時間を長くすることを電チューサポートという。
大入賞口制御プログラムは、大当たり時に、所定ラウンド数、大入賞口109を開放させるプログラムである。遊技状態設定プログラムは、遊技状態を、通常遊技状態、時短遊技状態、確変遊技状態、潜伏遊技状態のうち、いずれか一つに設定するプログラムである。通常遊技状態は、大当たり当選確率の低い低確率遊技状態であるとともに、電チューサポートを伴わない遊技状態である。
時短遊技状態は、低確率遊技状態であるとともに、電チューサポートを伴う遊技状態である。確変遊技状態は、高確率遊技状態であるとともに、電チューサポートを伴う遊技状態である。潜伏遊技状態は、高確率遊技状態であるとともに、電チューサポートを伴わない遊技状態である。
保留消去プログラムは、電チューサポートを伴う大当たり遊技後、電チューサポートを実行する直前に、第1始動口105から入賞した保留球を消去するプログラムである。
主制御部201には、遊技球を検出する各種スイッチ(SW)、大入賞口109などの電動役物を開閉動作させるためのソレノイド、上記の第1特別図柄表示部112a、第2特別図柄表示部112b、普通図柄表示部113、保留球表示部114などが接続される。
具体的に、上記の各種SWとしては、第1始動口105へ入賞した遊技球を検出する第1始動口SW221と、第2始動口106へ入賞した遊技球を検出する第2始動口SW222と、ゲート108を通過した遊技球を検出するゲートSW223と、大入賞口109へ入賞した遊技球を検出する大入賞口SW224と、普通入賞口110へ入賞した遊技球を検出する普通入賞口SW225とが主制御部201に接続される。
それぞれのSW(221〜225)による検出結果は主制御部201へ入力される。これらのSWには、近接スイッチなどが用いられる。なお、普通入賞口SW225は、普通入賞口110の配置位置別に複数個設けてもよい。
また、上記のソレノイドとしては、電動チューリップ107を開閉動作させる電動チューリップソレノイド231と、大入賞口109を開閉動作させる大入賞口ソレノイド232とが主制御部201に接続される。主制御部201は、それぞれのソレノイド(231,232)に対する駆動を制御する。たとえば、主制御部201は、普通図柄抽選の抽選結果に基づいて電動チューリップソレノイド231の駆動を制御する。また、主制御部201は、大当たり抽選の抽選結果に基づいて大入賞口ソレノイド232の駆動を制御する。
主制御部201は、大当たり抽選(第1大当たり抽選、第2大当たり抽選)、普通図柄抽選の抽選結果に基づいて、第1特別図柄表示部112a、第2特別図柄表示部112b、普通図柄表示部113の表示内容を制御する。たとえば、主制御部201は、第1大当たり抽選をおこなって、第1特別図柄表示部112aの特図1を変動表示させる。そして、所定期間経過後に、第1大当たり抽選の抽選結果を示す図柄にて特図1を停止表示させる。
同様に、主制御部201は、第2大当たり抽選をおこなって、第2特別図柄表示部112bの特図2を変動/停止表示させる。第2大当たり抽選では、第1大当たり抽選に用いられる抽選テーブルよりも、遊技者に有利な抽選テーブルが用いられる。また、普通図柄抽選をおこなって、普通図柄表示部113の普通図柄を変動/停止表示させる。
さらに、主制御部201は、演出制御部202および賞球制御部203にも接続され、それぞれの制御部に対して各種コマンドを出力する。たとえば、主制御部201は、演出制御部202に対しては、特図の変動開始を示す変動開始コマンドや、特図の変動停止を示す変動停止コマンドなどのコマンドを出力する。また、主制御部201は、賞球制御部203に対しては、払い出しをおこなわせるための賞球コマンドを出力する。ここで、賞球コマンドには、払い出させる賞球の個数を示す情報などが含まれている。
(2.演出制御部)
演出制御部202は、演出統括部202aと、画像・音声制御部202bと、ランプ制御部202cとによって構成され、ぱちんこ遊技機100の演出内容を制御する機能を有する。演出統括部202aは、主制御部201から受信した各種コマンドに基づいて演出制御部202全体を統括する。画像・音声制御部202bは、演出統括部202aからの指示内容に基づいて画像および音声の制御をおこなう。また、ランプ制御部202cは、遊技盤101および枠部材115などに設けられたランプの点灯を制御する。
(2−1.演出統括部)
まず、演出統括部202aの構成について説明する。演出統括部202aは、CPU241と、ROM242と、RAM243と、リアルタイムクロック(以下「RTC」という)244と、不図示の入出力インターフェース(I/O)などを備えて構成される。
CPU241は、予めROM242に記憶された各種プログラムに基づき、演出内容を決定する処理を実行する。ROM242には、CPU241が上記の処理を実行するために必要となる各種プログラムなどが記憶されている。具体的には、ROM242には、主制御部201から受信したコマンドに基づいて、特別図柄の変動表示に合わせて実行する演出内容を決定し、画像・音声制御部202b、ランプ制御部202cに所定の処理を実行するように指示出力する演出制御プログラムが記憶されている。演出制御部202は、この演出制御プログラムを実行することにより、演出統括部202a全体を統括制御する。
RAM243は、CPU241のワークエリアとして機能する。すなわち、演出統括部202aは、CPU241がRAM243をワークエリアとして使用しながら、ROM242に記憶された演出制御プログラムを実行することによって、演出制御部202全体を統括するように機能する。
RTC244は、実時間を計時出力する。RTC244は、ぱちんこ遊技機100の電源が遮断されているときもバックアップ電源(不図示)により計時動作を継続する。なお、RTC244は、演出統括部202aなど演出制御部202内に配置する例に限らず、主制御部201内に配置してもよい。また、RTC244は、単独で配置してもよい。
また、演出統括部202aには、演出ボタン119が接続されている。たとえば、演出ボタン119は、遊技者から操作を受け付けると、対応するデータを演出統括部202aへ入力する。また、図2において図示は省略するが、十字キー120も演出統括部202aに接続されている。十字キー120は、遊技者によって選択されたキーに対応するデータを演出統括部202aへ入力する。
(2−2.画像・音声制御部)
次に、画像・音声制御部202bの構成について説明する。画像・音声制御部202bは、CPU251と、ROM252と、RAM253と、不図示の入出力インターフェース(I/O)などを備えて構成される。
CPU251は、画像および音声の生成および出力処理を実行する。ROM252には、画像および音声の生成および出力処理のためのプログラム、当該処理に必要となる背景画像・図柄画像・キャラクタ画像など各種画像データや各種音声データなどが記憶されている。RAM253は、CPU251のワークエリアとして機能し、画像表示部104に表示させる画像データやスピーカ254から出力させる音声データが一時的に格納される。
すなわち、画像・音声制御部202bは、CPU251がRAM253をワークエリアとして使用しながら、ROM252に記憶された各種プログラムを実行することによって、演出統括部202aからの指示に基づいて画像および音声の制御をおこなうように機能する。
たとえば、CPU251は、演出統括部202aから指示された指示内容に基づいて、背景画像表示処理、演出図柄変動/停止表示処理、キャラクタ画像表示処理など各種画像処理と音声処理を実行する。このときには、CPU251は、処理に必要な画像データおよび音声データをROM252から読み出してRAM253に書き込む。
RAM253に書き込まれた背景画像や演出図柄画像などの画像データは、画像・音声制御部202bに接続された画像表示部104に対して出力され、画像表示部104の表示画面上において重畳表示される。すなわち、演出図柄画像は、背景画像よりも手前に見えるように表示される。なお、同一位置に背景画像と図柄画像とが重なる場合などには、Zバッファ法など周知の陰面消去法により各画像データのZバッファのZ値を参照することで、図柄画像を優先してRAM253に記憶させる。
また、RAM253に書き込まれた音声データは、画像・音声制御部202bに接続されたスピーカ254に対して出力され、音声データに基づく音声がスピーカ254から出力される。
(2−3.ランプ制御部)
次に、ランプ制御部202cの構成について説明する。ランプ制御部202cは、CPU261と、ROM262と、RAM263と、不図示の入出力インターフェース(I/O)などを備えて構成される。CPU261は、ランプを点灯させる処理などを実行する。ROM262には、上記の処理を実行するために必要となる各種プログラム、当該処理に必要となるランプ点灯に用いる制御データなどが記憶されている。RAM263は、CPU261のワークエリアとして機能する。
ランプ制御部202cは、演出ライト部(枠ランプ)116と、盤ランプ264と演出役物265と接続され、点灯制御するデータや動作制御するデータを出力する。これにより、ランプ制御部202cは、遊技盤101および枠部材115などに設けられたランプの点灯、演出役物265の動作を制御するように機能する。
演出制御部202は、演出統括部202aと画像・音声制御部202bとランプ制御部202cとがそれぞれ異なる基板機能として設けられるが、これらは同じプリント基板上に組み込んで構成してもよい。ただし、同じプリント基板上に組み込まれた場合であってもそれぞれの機能は独立しているものとする。
(3.賞球制御部)
次に、賞球制御部203の構成について説明する。賞球制御部203は、CPU281と、ROM282と、RAM283と、不図示の入出力インターフェース(I/O)などを備えて構成される。CPU281は、払い出す賞球を制御する賞球制御処理を実行する。ROM282には、当該処理に必要となるプログラムなどが記憶されている。RAM283は、CPU281のワークエリアとして機能する。
また、賞球制御部203は、払出部(払出駆動モータ)291と、発射部292と、定位置検出SW293と、払出球検出SW294と、球有り検出SW295と、満タン検出SW296と接続される。
賞球制御部203は、払出部291に対して入賞時の賞球数を払い出す制御をおこなう。払出部291は、遊技球の貯留部から所定数を払い出すためのモータからなる。具体的には、賞球制御部203は、払出部291に対して各入賞口(第1始動口105、第2始動口106、大入賞口109、普通入賞口110)に入賞した遊技球に対応した賞球数を払い出す制御をおこなう。
また、賞球制御部203は、発射部292に対する遊技球の発射の操作を検出して遊技球の発射を制御する。発射部292は、遊技のための遊技球を発射するものであり、遊技者による遊技操作を検出するセンサと、遊技球を発射させるソレノイド等を備える。賞球制御部203は、発射部292のセンサにより遊技操作を検出すると、検出された遊技操作に対応してソレノイド等を駆動させて遊技球を間欠的に発射させ、遊技盤101の遊技領域103に遊技球を送り出す。
また、この賞球制御部203には、払い出す遊技球の状態を検出する各所の検出部が接続され、賞球のための払い出し状態を検出する。これらの検出部としては、定位置検出SW293、払出球検出SW294、球有り検出SW295、満タン検出SW296等がある。たとえば、賞球制御部203は、賞球制御基板によってその機能を実現する。
また、主制御部201には、盤用外部情報端子基板297が接続されており、主制御部201が実行処理した各種情報を外部に出力することができる。賞球制御部203についても、枠用外部情報端子基板298が接続されており、賞球制御部203が実行処理した各種情報を外部に出力することができる。
上記構成の主制御部201と、演出制御部202と、賞球制御部203は、それぞれ異なるプリント基板(主制御基板、演出制御基板、賞球制御基板)に設けられるが、これに限らず、たとえば、賞球制御部203は、主制御部201と同一のプリント基板上に設けることもできる。
(ぱちんこ遊技機の基本動作)
上記構成によるぱちんこ遊技機100の基本動作の一例を説明する。主制御部201のCPU211により遊技中の制御がおこなわれ、各入賞口に対する遊技球の入賞状況を賞球制御部203に出力する。そして、賞球制御部203は、入賞状況に対応した賞球数の払い出しをおこなう。
また、主制御部201は、第1始動口105または第2始動口106への遊技球の入賞により、大当たりの抽選(大当たり抽選)、または小当たりの抽選(小当たり抽選)をおこなう。第1始動口105および第2始動口106に、それぞれ保留球がある場合、第2始動口106の保留球が優先して消化される。
大当たりには、15ラウンド確変大当たり(いわゆる、確変大当たり)、15ラウンド通常大当たり(いわゆる、通常大当たり)、2ラウンド時短無し確変大当たり(いわゆる、潜確大当たり)、2ラウンド時短付き確変大当たり(いわゆる、突確大当たり)、2ラウンド時短付き通常大当たり(いわゆる、突時大当たり)、などがある。
小当たりは、ハズレの一つであるが、たとえば、潜確大当たり後のモード演出内容と同様の振る舞い(演出)を実行させるイベントである。なお、突確大当たりと突時大当たりとは、それぞれ大当たり後のモード演出内容が同様の振る舞いとなる。
当たりの抽選結果は、演出制御部202にコマンドとして出力される。演出制御部202は、主制御部201からのコマンドに基づいて、画像表示部104に演出図柄を変動表示させた後、停止表示させる。たとえば、大当たりが確定したときには、演出制御部202は、対応するコマンドに基づいて、所定の演出図柄を揃えて停止させる。
また、大当たりの場合、主制御部201は、大当たり遊技状態として、大入賞口109を開放する制御をおこなう。たとえば、確変大当たりや通常大当たりの発生時には、大入賞口109が15回開放される。具体的には、1回の開放を1ラウンドとして、15回のラウンドが繰り返し実行される。1ラウンドの期間は、遊技球がたとえば10個入賞するまでの期間、または所定期間(たとえば30秒)としている。
この際に、賞球制御部203は、大入賞口109に対する遊技球1個の入賞あたり、たとえば15個の賞球数で払い出しをおこなう。大当たり終了後は、大当たり遊技状態が解除され、15ラウンド確変大当たりであった場合には確変遊技状態へ移行し、15ラウンド通常大当たりであった場合には時短遊技状態へ移行する。また、潜確大当たり後は、潜確遊技状態へ移行し、突確大当たり後は確変遊技状態へ移行し、突時大当たり後は時短遊技状態へ移行する。
なお、確変遊技状態および潜確遊技状態は、高確率遊技状態であり、高確率時用の乱数判定テーブルを用いた大当たり判定がおこなわれる。高確率時用の乱数判定テーブルは、低確率遊技状態において用いられる低確率時用の乱数判定テーブルに比べて、大当たりの発生確率がたとえば10倍程度高く設定されている。また、時短遊技状態および通常遊技状態は、低確率遊技状態であり、低確率時用の乱数判定テーブルを用いた大当たり判定がおこなわれる。
また、演出制御部202は、たとえば、大当たり中、および大当たり発生までのリーチ時や、リーチ予告時等には、画像表示部104に対して、演出図柄の変動表示に加えて各種の演出表示をおこなう。このほか、各種役物に対して特定の駆動をおこなったり、演出ライト部116や盤ランプ264の点灯状態を変更したりする演出をおこなう。
(主制御部の機能的構成)
次に、図3を用いて、主制御部201の機能的構成について説明する。図3は、主制御部201の機能的構成を示す説明図である。図3において、主制御部201は、第1始動口SW221と、第2始動口SW222と、電動チューリップソレノイド231と、第1記憶部301と、実行部302と、消去部303と、第2記憶部304とを備えている。なお、通知制御部305については、実施の形態2にて後述する。
主制御部201は、上述したように、第1大当たり抽選と第2大当たり抽選をおこなう。第1大当たり抽選は、第1始動口SW221により第1始動口105への入賞が検出された遊技球に対する大当たり抽選である。第2大当たり抽選は、第2始動口SW222により第2始動口106への入賞が検出された遊技球に対する大当たり抽選である。第2大当たり抽選は、第1大当たり抽選に比べて、遊技者にとって有利な抽選である。
具体的には、第2大当たり抽選では、大当たりに、確変大当たりまたは通常大当たりのいずれか一方が選択されるテーブルを用いて抽選がおこなわれる。一方、第1大当たり抽選では、大当たりに、確変大当たり、通常大当たり、潜確大当たり、突確大当たり、または突時大当たりの、全ての種類の大当たりのうち、いずれか一つが選択されるテーブルを用いて抽選がおこなわれる。
第1記憶部301は、特別図柄の変動中または大当たり中に、第1始動口105に入賞した遊技球を保留球として記憶する。具体的には、第1記憶部301は、第1始動口SW221の検知回数をカウントした第1始動口検知カウンタのカウント値U1を記憶する。
実行部302は、所定の大当たりを契機に、電動チューリップ107を開口させやすくすることにより、第2始動口106への入賞を容易にする補助遊技(電チューサポート)を実行する。具体的には、実行部302は、普通図柄の当選確率を上げたり、普通図柄の変動時間を短縮させたり、電動チューリップ107の開放時間を長くしたりすることによって、電チューサポートを実行する。所定の大当たりは、電チューサポート機能を付随する大当たりであり、具体的には、確変大当たり、通常大当たり、突確大当たり、突時大当たりである。
消去部303は、実行部302による電チューサポートの実行開始直前に、第1記憶部301に保留球が記憶されている場合、第1記憶部301に記憶されている保留球を消去する。電チューサポートの実行開始直前とは、たとえば、大当たりが終了するときであり、具体的には、エンディングコマンドを受信してから図柄変動開始前までの予め設定した所定のエンディング時間が経過したときである。
なお、電チューサポートの実行開始直前は、これに限らず、エンディング時間が短い場合には、エンディングコマンドを受信したときとしてもよいし、また、突確大当たり、突時大当たりなど、たとえば、大当たりの実行時間が短く、かつ、エンディング時間も短い場合には、大当たりが発生したとき、すなわち、大当たりの開始を示すオープニングコマンドを受信したときとしてもよい。
なお、消去部303は、少なくとも第1記憶部301に記憶されている保留球を消去することができればよく、第2記憶部304に記憶されている保留球を含め、全ての保留球を消去するようにしてもよい。
第2記憶部304は、特別図柄の変動中または大当たり中に、第2始動口106に入賞した遊技球を保留球として記憶する。具体的には、第2記憶部304は、第2始動口SW222の検知回数をカウントした第2始動口検知カウンタのカウント値U2を記憶する。
なお、上述したように、第2大当たり抽選は、第2記憶部304に保留球が記憶されている場合、第1大当たり抽選よりも先に抽選がおこなわれる。消去部303は、実行部302による電チューサポートの実行開始直前に、第2記憶部304に保留球が記憶されている場合、第1記憶部301に記憶された保留球を消去しないようにする。
第1記憶部301と第2記憶部304とは、主制御部201のRAM213によって実現される。実行部302と、消去部303とは、主制御部201のCPU211によって実現される。すなわち、CPU211がROM212に記憶されている普通図柄抽選プログラムおよび電動チューリップ制御プログラムを実行することにより実行部302の機能を実現する。また、CPU211がROM212に記憶されている保留消去プログラムを実行することにより消去部303の機能を実現する。
(タイマ割込処理)
次に、図4を用いて、主制御部201がおこなうタイマ割込処理について説明する。図4は、主制御部201がおこなうタイマ割込処理を示したフローチャートである。なお、タイマ割込処理は、電源供給期間中、所定期間(たとえば4ms)毎に主制御部201が実行する主制御処理に割り込み動作する処理である。
図4において、主制御部201のCPU211は、乱数更新処理をおこなう(ステップS401)。乱数更新処理では、大当たり乱数、大当たり図柄乱数、リーチ乱数など、たとえば各乱数を+1して、各乱数の更新をおこなう処理である。
この後、第1始動口105または第2始動口106に入賞時のスイッチ処理をおこなう(ステップS402)。スイッチ処理には、図5を用いて後述する始動口SW処理や、ゲート108に設けられたゲートSW223が遊技球を検出する毎に、所定の保留数(たとえば4球)を上限として保留数毎に乱数を取得するゲートSW処理がある。
この後、図柄処理をおこなう(ステップS403)。図柄処理には、図6を用いて後述する普通図柄処理や、図8を用いて後述する特別図柄処理がある。さらに、電動役物制御処理をおこなう(ステップS404)。電動役物制御処理には、図7を用いて後述する電動チュー処理や、図15を用いて後述する大入賞口処理のほか、可動役物の動作を制御する処理がある。この後、賞球処理をおこない(ステップS405)、これらの出力処理をおこなう(ステップS406)。
(始動口SW処理)
次に、図5を用いて、主制御部201がおこなう始動口SW処理について説明する。図5は、主制御部201がおこなう始動口SW処理を示したフローチャートである。この始動口SW処理は、図4のステップS402に示したスイッチ処理に含まれる処理内容である。
図5において、主制御部201のCPU211は、第1始動口105の第1始動口SW221がONであるか否かの判定をおこない(ステップS501)、第1始動口SW221がONであると判定した場合(ステップS501:Yes)、第1始動口SW221の検知回数をカウントした第1始動口検知カウンタのカウント値U1が、「4」より小さいか否かの判定をおこなう(ステップS502)。
カウント値U1が「4」より小さい場合(ステップS502:Yes)、カウント値U1に「1」を加算する(ステップS503)。そして、乱数を取得するとともに、取得した乱数をRAM213に記憶する(ステップS504)。なお、乱数は、大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数などである。大当たり乱数は、大当たり、小当たり、ハズレ、のいずれかを決定するものであり、たとえば、「0」〜「600」の601個の乱数から一つの大当たり乱数が無作為に取得される。
図柄乱数は、大当たりの種類(確変大当たり、通常大当たり、潜確大当たり、突確大当たり、突時大当たり)を決定するものであり、たとえば、「0」〜「250」の251個の乱数から一つの図柄乱数が無作為に取得される。リーチ乱数は、リーチ有り演出をするか否かを決定するものであり、たとえば、「0」〜「250」の251個の乱数から一つのリーチ乱数が無作為に抽出される。
上記のように取得された各乱数は、RAM213に記憶される。なお、RAM213は、保留球4つ分の第1記憶部301を有している。第1記憶部301には、第1始動口105への入賞によるものであるという情報、大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数の情報などが記憶される。
図5のフローチャートに戻り、ステップS501において、第1始動口SW221がONではない場合(ステップS501:No)、ステップS505に移行する。ステップS502において、カウント値U1が「4」であると判定した場合(ステップS502:No)、ステップS505に移行する。
ステップS505では、第2始動口106の第2始動口SW222がONであるか否かの判定をおこない(ステップS505)、第2始動口SW222がONであると判定した場合(ステップS505:Yes)、第2始動口SW222の検知回数をカウントした第2始動口検知カウンタのカウント値U2が、「4」より小さいか否かの判定をおこなう(ステップS506)。
カウント値U2が「4」より小さい場合(ステップS506:Yes)、カウント値U2に「1」を加算する(ステップS507)。そして、乱数を取得するとともに、取得した乱数をRAM213に記憶し(ステップS508)、処理を終了する。なお、RAM213は、保留球4つ分の第2記憶部304を有している。第2記憶部304には、第2始動口106への入賞によるものであるという情報、大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数の情報などが記憶される。
ステップS505において、第2始動口SW222がONではない場合(ステップS505:No)、そのまま処理を終了する。ステップS506において、カウント値U2が「4」であると判定した場合(ステップS506:No)、そのまま処理を終了する。
(普通図柄処理)
次に、図6を用いて、主制御部201がおこなう普通図柄処理について説明する。図6は、主制御部201がおこなう普通図柄処理を示したフローチャートである。図6において、主制御部201のCPU211は、補助遊技フラグがONであるか否かを判定する(ステップS601)。補助遊技フラグは、電動チューリップ107の開放を示すものであり、具体的には、変動停止した際の普通図柄が当たり図柄である場合に、ONに設定されるものである。
補助遊技フラグがONである場合(ステップS601:Yes)、そのまま処理を終了する。補助遊技フラグがOFFである場合(ステップS601:No)、普通図柄が変動中であるか否かの判定をおこなう(ステップS602)。普通図柄が変動中でないと判定した場合(ステップS602:No)、ゲートSW223のゲートカウンタのカウント値Gが、G≧1であるか否かの判定をおこなう(ステップS603)。
カウント値GがG≧1ではない場合(ステップS603:No)、そのまま処理を終了する。カウント値GがG≧1である場合(ステップS603:Yes)、当たり乱数判定処理を実行する(ステップS604)。当たり乱数判定処理は、不図示の普通図柄テーブルを用いて、遊技球がゲート108を通過した際に取得した乱数が当たりであるか否かを判定する処理である。なお、時短遊技状態や確変遊技状態など電チューサポート機能を有する遊技状態においては、通常遊技状態に比べて普通図柄の当選確率の高い普通図柄テーブルが用いられる。
この後、停止図柄選択処理を実行する(ステップS605)。停止図柄選択処理は、当たり乱数判定処理における判定結果に応じて停止させる図柄を選択する処理である。そして、変動時間選択処理を実行する(ステップS606)。変動時間選択処理は、遊技状態に応じて普通図柄の変動時間を選択する処理であり、たとえば、確変遊技状態や時短遊技状態など電チューサポート機能を有する遊技状態では「1.5秒」が選択され、通常遊技状態など電チューサポート機能のない遊技状態では「4.0秒」が選択される。
この後、変動を開始し(ステップS607)、処理を終了する。一方、ステップS602において、普通図柄が変動中である場合(ステップS602:Yes)、変動時間が終了したか否かの判定をおこなう(ステップS608)。変動時間が終了していない場合(ステップS608:No)、そのまま処理を終了する。変動時間が終了した場合(ステップS608:Yes)、普通図柄の変動を停止させる(ステップS609)。
そして、停止した普通図柄が当たりであるか否かの判定をおこなう(ステップS610)。停止した普通図柄が当たりではない場合(ステップS610:No)、すなわち、ハズレである場合、そのまま処理を終了する。停止した普通図柄が当たりである場合(ステップS610:Yes)、補助遊技フラグをONにし(ステップS611)、処理を終了する。
(電チュー処理)
次に、図7を用いて、主制御部201がおこなう電チュー(電動チューリップ)処理について説明する。図7は、主制御部201がおこなう電チュー処理を示したフローチャートである。図7において、CPU211は、補助遊技フラグがONであるか否かの判定をおこない(ステップS701)、補助遊技フラグがOFFである場合(ステップS701:No)、そのまま処理を終了する。
補助遊技フラグがONである場合(ステップS701:Yes)、電動チューリップ107が開放作動中であるか否かを判定する(ステップS702)。電動チューリップ107が開放作動中ではない場合(ステップS702:No)、開放作動パターン選択処理を実行する(ステップS703)。開放作動パターン選択処理は、遊技状態に応じて電動チューリップ107を開放させるパターンを選択する処理であり、たとえば、確変遊技状態や時短遊技状態など電チューサポート機能を有する遊技状態では「1.80秒×3回」が選択され、通常遊技状態など電チューサポート機能のない遊技状態では「0.15秒×1回」が選択される。
この後、電動チューリップ107の開放作動を開始する(ステップS704)。そして、開放作動が終了したか否かを判定し(ステップS705)、開放作動が終了していない場合(ステップS705:No)、そのまま処理を終了する。開放作動が終了した場合(ステップS705:Yes)、補助遊技フラグをOFFにし(ステップS706)、処理を終了する。ステップS702において、電動チューリップ107が開放作動中である場合(ステップS702:Yes)、ステップS705に移行する。
(特別図柄処理)
次に、図8を用いて、主制御部201がおこなう特別図柄処理について説明する。図8は、主制御部201がおこなう特別図柄処理を示したフローチャートである。この特別図柄処理は、図4に示したステップS403の図柄処理に含まれる処理内容である。
図8において、主制御部201のCPU211は、大当たり中であるか否かを判定し(ステップS801)、大当たり中であれば(ステップS801:Yes)、特別図柄を変動させずに処理を終了する。大当たり中でなければ(ステップS801:No)、特別図柄の変動表示中であるか否かを判定し(ステップS802)、変動表示中ではない場合(ステップS802:No)、第2始動口106に入賞した遊技球の保留数としての第2始動口検知カウンタのカウント値U2が最低1個あるか否かを判定する(ステップS803)。
カウント値U2が1個以上ある場合(ステップS803:Yes)、カウント値U2を1個分減算したものを新たな保留数とし(ステップS804)、ステップS807に移行する。ステップS803において、カウント値U2がない場合(ステップS803:No)、すなわち「U2=0」の場合、第1始動口105に入賞した遊技球の保留数としての第1始動口検知カウンタのカウント値U1が最低1個あるか否かを判定する(ステップS805)。カウント値U1がない場合(ステップS805:No)、すなわち「U1=0」の場合、特別図柄を変動させずに処理を終了する。
カウント値U1が1個以上ある場合(ステップS805:Yes)、カウント値U1を1個分減算したものを新たな保留数とし(ステップS806)、記憶領域をシフトする(ステップS807)。なお、記憶領域のシフトは、たとえば、第1始動口105または第2始動口106にそれぞれ最も先に入賞した遊技球(保留球)の消化に伴い、残りの保留球の記憶領域を順次移行させることであり、たとえば、3つ目の保留球を2つ目の保留球として記憶させることである。
この後、大当たり判定処理をおこなう(ステップS808)。大当たり判定処理については、詳細は図9を用いて後述するが、始動口SW処理(図5参照)にて取得した乱数を基に、大当たりか否か、および大当たりの場合には、確変大当たり、通常大当たり、潜確大当たり、突確大当たり、突時大当たり、小当たりなどを選択する処理である。なお、ステップS803〜ステップS806に示したように、第1始動口105に入賞した遊技球よりも、第2始動口106入賞した遊技球が先に消化されるようになっている。
この後、変動パターン選択処理をおこなう(ステップS809)。この変動パターン選択処理は、大当たり判定処理の判定結果に応じて、大当たりやリーチ等の各変動パターンを選択する処理である。そして、変動開始コマンドをRAM213にセットし(ステップS810)、特別図柄の変動表示を開始させる(ステップS811)。そして、特別図柄が変動している変動時間の計測を開始して(ステップS812)、処理を終了する。
ステップS802において、特別図柄の変動表示中の場合(ステップS802:Yes)、特別図柄の変動時間が終了したか否かを判定する(ステップS813)。変動時間が終了していない場合(ステップS813:No)、そのまま処理を終了する。変動時間が終了した場合(ステップS813:Yes)、特別図柄の変動停止を示す変動停止コマンドをセットし(ステップS814)、特別図柄の変動を停止させる(ステップS815)。この際、特別図柄の変動時間をリセットし(ステップS816)、停止中処理をおこない(ステップS817)、処理を終了する。なお、停止中処理は、図14を用いて後述する。
(大当たり判定処理)
次に、図9を用いて主制御部201がおこなう大当たり判定処理について説明する。図9は、主制御部201がおこなう大当たり判定処理を示したフローチャートである。この大当たり判定処理は、図8のステップS808に示した処理である。
図9において、大当たり判定処理は、現在の遊技状態が高確率遊技状態であるか否かを判定し(ステップS901)、高確率遊技状態であると判定した場合(ステップS901:Yes)、高確率用判定テーブルを選択する(ステップS902)。なお、高確率用判定テーブルについては、図10を用いて後述する。現在の遊技状態が高確率遊技状態ではないと判定した場合(ステップS901:No)、低確率用判定テーブルを選択する(ステップS903)。なお、低確率用判定テーブルについては、図11を用いて後述する。
ステップS902およびステップS903においてテーブルを選択した後、始動口SW処理(図5参照)にて取得した乱数が大当たり値に一致するか否かの大当たり乱数判定をおこない(ステップS904)、大当たりか否かを判定する(ステップS905)。大当たりであると判定した場合(ステップS905:Yes)、入賞した始動口105,106に応じた図柄乱数判定テーブルを用いて、大当たり図柄の乱数判定をおこなう(ステップS906)。なお、大当たり図柄の乱数判定に用いられる図柄乱数判定テーブルについては、図12および図13を用いて後述する。この後、大当たり図柄をセットし(ステップS907)、処理を終了する。
ステップS905において、大当たりではないと判定した場合(ステップS905:No)、小当たりか否かを判定する(ステップS908)。小当たりであると判定した場合(ステップS908:Yes)、小当たり時の図柄乱数判定テーブル(不図示)を用いた小当たり図柄の乱数判定をおこなう(ステップS909)。そして、小当たり図柄をセットし(ステップS910)、処理を終了する。ステップS908において、小当たりではないと判定した場合(ステップS908:No)、ハズレ図柄をセットし(ステップS911)、処理を終了する。
(高確率用判定テーブルの一例)
図10は、高確率用判定テーブルの一例を示した説明図である。図10において、高確率用判定テーブル1000は、範囲1001と、種類1002と、当たり乱数1003と、割合1004とからなる。範囲1001は、取得する乱数の取り得る範囲を示しており、たとえば「0〜600」になっている。種類1002は、大当たりまたは小当たりを示している。当たり乱数1003は、0〜600のうち、予め定めた大当たりまたは小当たりを示す数字であり、大当たりについては20個あり、小当たりについては2個ある。割合1004は、範囲1001に対する当たり乱数1003の比率を示している。
このような高確率用判定テーブル1000を用いることにより、たとえば、ランダムに取得した乱数が、当たり乱数1003に合致する場合には大当たりまたは小当たりとなり、当たり乱数1003に合致するものではない場合にはハズレとなる。
(低確率用判定テーブルの一例)
図11は、低確率用判定テーブルの一例を示した説明図である。図11に示す低確率用判定テーブル1100は、図10に示した高確率用判定テーブル1000に比べて、大当たり時の当たり乱数1003の数値、および割合1004が異なる。具体的には、大当たりの当たり乱数1003は2個になっており、その分、割合1004が低くなっている。具体的には、高確率用判定テーブル1000を用いた場合に比べて、大当たりの発生する確率が、1/10程低くなっている。
このような低確率用判定テーブル1100を用いることにより、たとえば、ランダムに取得した乱数が、当たり乱数1003に合致する場合には大当たりまたは小当たりとなり、当たり乱数1003に合致するものではない場合にはハズレとなる。
(第1始動口への入賞による大当たり時の図柄乱数判定テーブルの一例)
次に、図12を用いて、第1始動口105への入賞による大当たり時の図柄乱数判定テーブルについて説明する。図12は、第1始動口105への入賞による大当たり時の図柄乱数判定テーブルの一例を示した説明図である。図12において、図柄乱数判定テーブル1200は、高確率用判定テーブル1000または低確率用判定テーブル1100を用いた大当たり判定の結果、大当たりに当選した場合に用いられるテーブルである。図柄乱数判定テーブル1200は、大当たり種類1201と、範囲1202と、図柄乱数1203と、割合1204とからなる。
大当たり種類1201は、文字通り、大当たりの種類を示しており、15ラウンド確変大当たり(確変大当たり)、15ラウンド通常大当たり(通常大当たり)、2ラウンド時短無し確変大当たり(潜確大当たり)、2ラウンド時短付き確変大当たり(突確大当たり)、2ラウンド時短付き通常大当たり(突時大当たり)、からなる。
なお、突確大当たり後の演出モードと突時大当たり後の演出モードとは、それぞれ同様の突確演出モードであり、すなわち、遊技者に対して、高確率遊技状態または低確率遊技状態のいずれをも示唆する演出モードになっている。また、潜確大当たり後の演出モードと小当たり後の演出モードとは同様の演出内容であり、すなわち、遊技者に対して、高確率遊技状態または低確率遊技状態のいずれをも示唆する演出モードになっている。
本実施の形態において、時短遊技の遊技回数は、100回としている。範囲1202は、取得する乱数の取り得る範囲を示しており、0〜250になっている。図柄乱数1203は、0〜250のうち、予め定めた数字であり、15ラウンド確変大当たりについては106個あり、15ラウンド通常大当たりについては55個あり、その他の大当たりについては、それぞれ30個ある。割合1204は、0〜250の範囲1202に対する図柄乱数1203の比率を示している。
このような図柄乱数判定テーブル1200を用いることにより、ランダムに取得した乱数に対応する種類の大当たりが発生するようになっており、たとえば、取得した乱数が0〜105の場合には15ラウンド確変大当たりとなる。
(第2始動口への入賞による大当たり時の図柄乱数判定テーブルの一例)
次に、図13を用いて、第2始動口106への入賞による大当たり時の図柄乱数判定テーブルについて説明する。図13は、第2始動口106への入賞による大当たり時の図柄乱数判定テーブルの一例を示した説明図である。
なお、図13に示す図柄乱数判定テーブル1300は、図12に示した第1始動口105用の図柄乱数判定テーブル1200と同様に、高確率用判定テーブル1000または低確率用判定テーブル1100を用いた大当たり判定の結果、大当たりに当選したと判定された場合に用いられるテーブルである。図13において、図柄乱数判定テーブル1300は、図12に示した図柄乱数判定テーブル1200と比較して、大当たり種類1201が2種類になっている点が異なる。
図柄乱数判定テーブル1300において、大当たり種類1201は、15ラウンド確変大当たり、15ラウンド通常大当たりの2種類となっている。なお、割合1204において、15ラウンド確変大当たりは、図12に示した図柄乱数判定テーブル1200における確変移行割合と同等になっている。すなわち、図柄乱数判定テーブル1300の割合1204に示す15ラウンド確変大当たり(166/251)は、図12の図柄乱数判定テーブル1200の割合1204に示した、15ラウンド確変大当たり(106/251)と、潜確大当たり(30/251)と、突確大当たり(30/251)とを加算した値に等しくなっている。
第2始動口106用の図柄乱数判定テーブル1300には、2ラウンド大当たりを設けていない理由は、遊技者に多くの出玉を獲得させるためである。すなわち、たとえば、15ラウンド確変大当たりが終了した確変遊技状態においては、電チューサポート機能により、第2始動口106への入賞が多くなり、その分の払い出しにより、遊技者が獲得した出玉の減少を抑制している。さらに、当選する大当たりを、15ラウンド確変大当たり、または15ラウンド通常大当たりとすることにより、遊技者に出玉をより獲得させるようにしている。
ところが、仮に、確変遊技中に、突確大当たりが発生したとすると、獲得出玉がほとんどなく、遊技者にとって利益にならないばかりか、遊技者に煩わしさを与える。特に、確変遊技中に、潜確大当たりが発生してしまうと、電チューサポート機能が終了してしまい、また、突時大当たりが発生してしまうと、低確率遊技状態に移行してしまい、遊技者にとって大きな不利益となり、遊技者の遊技意欲を損ねてしまう。同様に、15ラウンド通常大当たりが終了した時短遊技状態においても、突時大当たりが発生してしまうと、遊技者にとって利益にならないばかりか、遊技者に煩わしさを与えてしまう。
また、実施の形態1では、第2始動口106に入賞した遊技球を第1始動口105に入賞した遊技球に対して優先して消化するようにしているのも、遊技者に多くの出玉を獲得させるためである。すなわち、実施の形態1では、第1始動口105と第2始動口106とが近接配置されているため、電動サポート中であっても、第1始動口105への遊技球の入賞が見込まれる。
ここで、仮に、第1始動口105または第2始動口106への入賞順に遊技球を消化したとすると、第1始動口105に入賞した遊技球に対して、図柄乱数判定テーブル1200(図12参照)を用いた、遊技者にとって不利な抽選がおこなわれ、たとえば、確変遊技中に突時大当たりに移行してしまうことがある。
このような理由から、第2始動口106用の図柄乱数判定テーブル1300には、2ラウンド大当たりを設けないようにするとともに、第2始動口106に入賞した遊技球を優先して消化するようにしている。
(停止中処理)
次に、図14を用いて、主制御部201がおこなう停止中処理について説明する。図14は、主制御部201がおこなう停止中処理を示したフローチャートである。図14において、主制御部201のCPU211は、大当たりであるか否かを判定し(ステップS1401)、大当たりではない場合(ステップS1401:No)、時短遊技状態を示す時短遊技フラグがONであるか否かを判定する(ステップS1402)。なお、時短遊技フラグは、通常大当たりまたは突時大当たりによる大当たり遊技の終了後に設定されるフラグである。
時短遊技フラグがONである場合(ステップS1402:Yes)、遊技残余回数Jから「1」減算した値を新たな遊技残余回数Jとする(ステップS1403)。遊技残余回数Jは、時短遊技状態における遊技の残余回数を示したものであり、通常大当たり終了後、または突時大当たり後に、それぞれ、たとえば100回にセットされる数値である。
この後、遊技残余回数Jが0であるか判定し(ステップS1404)、遊技残余回数Jが0である場合(ステップS1404:Yes)、時短遊技フラグをOFFにする(ステップS1405)。遊技残余回数Jが0ではない場合(ステップS1404:No)、ステップS1406に移行する。ステップS1402において、時短遊技フラグがOFFである場合(ステップS1402:No)、ステップS1406に移行する。
ステップS1406では、確変遊技状態を示す確変遊技フラグ、または潜確遊技状態を示す潜確遊技フラグがONであるか否かを判定する(ステップS1406)。なお、確変遊技フラグは、確変大当たりまたは突確大当たりによる大当たり遊技の終了後に設定されるフラグであり、潜確遊技フラグは、潜確大当たりによる大当たり遊技の終了後に設定されるフラグである。
確変/潜確遊技フラグがONである場合(ステップS1406:Yes)、遊技残余回数Xから「1」減算した値を新たな遊技残余回数Xとする(ステップS1407)。遊技残余回数Xは、確変遊技状態、潜確遊技状態、または突確遊技状態における遊技の残余回数を示したものであり、確変大当たり終了後、潜確大当たり終了後、または突確大当たり終了後に、それぞれ、たとえば10000回にセットされる数値である。なお、10000回という数値は、次の大当たりに当選するまで高確率遊技状態が変更されないようにするために、便宜上定めた数字である。
この後、遊技残余回数Xが0であるか判定し(ステップS1408)、遊技残余回数Xが0である場合(ステップS1408:Yes)、確変/潜確遊技フラグをOFFにする(ステップS1409)。遊技残余回数Xが0ではない場合(ステップS1408:No)、ステップS1410に移行する。ステップS1406において、確変/潜確遊技フラグがOFFである場合(ステップS1406:No)、ステップS1410に移行する。
ステップS1410では、小当たりか否かを判定する(ステップS1410)。ステップS1410において、小当たりであると判定した場合(ステップS1410:Yes)、小当たり遊技フラグをONにし(ステップS1411)、オープニングコマンドをセットし(ステップS1412)、処理を終了する。また、ステップS1410において、小当たりではない場合(ステップS1410:No)、処理を終了する。
ステップS1401において、大当たりである場合(ステップS1401:Yes)、15ラウンド大当たりの長当たりであるか否かを判定する(ステップS1413)。長当たりである場合(ステップS1413:Yes)、長当たり遊技フラグをONにする(ステップS1414)。
この後、時短遊技フラグ、確変遊技フラグ、または潜確遊技フラグのうちONになっているフラグをOFFにし(ステップS1415)、すなわち、大当たり中における遊技状態を通常遊技状態とし、ステップS1412に移行する。なお、大当たり中の通常遊技状態においては、電チューサポートを実行しない。
ステップS1413において、長当たりではない場合(ステップS1413:No)、すなわち、2ラウンド大当たりの短当たりである場合、短当たり遊技フラグをONにし(ステップS1416)、ステップS1415に移行する。
(大入賞口処理)
次に、図15を用いて、主制御部201がおこなう大入賞口処理について説明する。図15は、主制御部201がおこなう大入賞口処理を示したフローチャートである。図15に示す大入賞口処理は、図4のステップS404に示した電動役物制御処理に含まれる一処理である。
図15において、主制御部201のCPU211は、当たり遊技フラグがONであるか否かを判定する(ステップS1501)。なお、当たり遊技フラグは、図14に示した停止中処理にて設定される、長当たり遊技フラグ、短当たり遊技フラグまたは小当たり遊技フラグである。
ステップS1501において、当たり遊技フラグがOFFである場合(ステップS1501:No)、そのまま処理を終了する。当たり遊技フラグがONである場合(ステップS1501:Yes)、オープニング中であるか否かを判定する(ステップS1502)。ここで、オープニングとは、大入賞口109を開放する前の所定の時間をいう。
オープニング中であれば(ステップS1502:Yes)、所定のオープニング時間が経過したか判定する(ステップS1503)。オープニング時間が経過していない場合(ステップS1503:No)、そのまま処理を終了する。
オープニング時間が経過していれば(ステップS1503:Yes)、ラウンド数設定処理を実行する(ステップS1504)。ラウンド数設定処理では、当たり遊技フラグに応じたラウンド数が設定される。たとえば、確変大当たりや通常大当たりに当選している場合には15ラウンドを設定する。また、潜確大当たり、突確大当たり、突時大当たり、または小当たりに当選している場合には2ラウンドを設定する。
ステップS1504において、ラウンド数設定処理を実行した後、ラウンド数Rを1加算した値を新たなRとする(ステップS1505)。ステップS1505において、新たなラウンド数Rを得ると、大入賞口ソレノイド232を制御して、大入賞口109を開放させる(ステップS1506)。
ステップS1506において大入賞口109を開放させた後、開放開始時からの所定時間(たとえば30秒)の開放作動時間が経過したか判定する(ステップS1507)。この時間は、大当たりの種別毎に設定される。たとえば、確変大当たりや通常大当たりでは30秒に設定され、潜確大当たりや小当たりでは0.5秒に設定される。開放作動時間が経過していないときには(ステップS1507:No)、大入賞口109への遊技球の入賞数Cが9であるか否かを判定する(ステップS1508)。
入賞数Cが9であるときには(ステップS1508:Yes)、大入賞口109を閉口させる(ステップS1509)。入賞数Cが9ではないときには(ステップS1508:No)、処理を終了する。
ステップS1507において、開放作動時間が経過したときには(ステップS1507:Yes)、ステップS1509へ移行し、大入賞口109を閉口させる(ステップS1509)。すなわち、大入賞口109は、開放作動時間の経過または所定の入賞数のいずれか一方が満たされた場合に閉口される。特に、潜確大当たりなどの2ラウンド大当たりでは開放作動時間が0.5秒に設定されるため、この間に大入賞口109へ入賞させることは困難になっている。そのため、2ラウンド大当たりは、確変大当たりや通常大当たりに比べて、得られる賞球数が極めて少ない当たりとなっている。
ステップS1509において大入賞口109を閉口させた後、最終ラウンドとなったか否かを判定する(ステップS1510)。たとえば、ステップS1504のラウンド数設定処理において設定されたラウンド数が15ラウンドであれば、R=15の場合に最終ラウンドとなる。また、ラウンド数設定処理において設定されたラウンド数が2ラウンドであれば、R=2の場合に最終ラウンドとなる。
ステップS1510において最終ラウンドではないときには(ステップS1510:No)、処理を終了する。最終ラウンドであるときには(ステップS1510:Yes)、エンディングを開始する(ステップS1511)。ここで、エンディングは、大入賞口109閉口後の所定の演出用の時間をいう。
ステップS1511においてエンディングを開始すると、エンディングコマンドをセットする(ステップS1512)。そして、ラウンド数Rを0とし(ステップS1513)、エンディング時間が経過したか判定する(ステップS1514)。エンディング時間が経過していれば(ステップS1514:Yes)、遊技状態設定処理を実行する(ステップS1515)。なお、遊技状態設定処理については、図16を用いて後述する。
この後、保留数消去処理を実行する(ステップS1516)。保留数消去処理については、図17を用いて後述する。そして、当たり遊技フラグをOFFにし(ステップS1517)、処理を終了する。エンディング時間が経過していなければ(ステップS1514:No)、そのまま処理を終了する。
一方、ステップS1502において、オープニング中ではない場合には(ステップS1502:No)、大入賞口109が開放中であるか否かを判定する(ステップS1518)。大入賞口109が開放中の場合(ステップS1518:Yes)、ステップS1507へ移行する。大入賞口109が開放中ではない場合(ステップS1518:No)、インターバル中であるか否かを判定する(ステップS1519)。なお、インターバルとは、大入賞口109の前回の開放(たとえば1ラウンド目の開放)から次回の開放(たとえば2ラウンド目の開放)までの時間である。
ステップS1519において、インターバル中ではない場合(ステップS1519:No)、ステップS1514へ移行する。一方、インターバル中である場合(ステップS1519:Yes)、所定のインターバル時間が経過したか判定する(ステップS1520)。インターバル時間が経過したときには(ステップS1520:Yes)、ステップS1505へ移行する。インターバル時間が経過していない場合(ステップS1520:No)、処理を終了する。
(遊技状態設定処理)
次に、図16を用いて、主制御部201がおこなう遊技状態設定処理について説明する。図16は、遊技状態設定処理を示すフローチャートである。なお、遊技状態設定処理は、図15のステップS1515に示した処理である。図16において、主制御部201のCPU211は、小当たりであるか否かを判定する(ステップS1601)。小当たりである場合(ステップS1601:Yes)、そのまま処理を終了する。
小当たりではない場合(ステップS1601:No)、15ラウンド通常大当たりであるか否かを判定する(ステップS1602)。15ラウンド通常大当たりである場合(ステップS1602:Yes)、時短遊技フラグをONにする(ステップS1603)。そして、時短遊技の遊技残余回数Jを100にセットし(ステップS1604)、処理を終了する。
15ラウンド通常大当たりではない場合(ステップS1602:No)、突時大当たりであるか否かを判定する(ステップS1605)。突時大当たりである場合(ステップS1605:Yes)、ステップS1603に移行する。
ステップS1605において、突時大当たりではない場合(ステップS1605:No)、15ラウンド確変大当たりであるか否かを判定する(ステップS1606)。15ラウンド確変大当たりである場合(ステップS1606:Yes)、確変遊技フラグをONにする(ステップS1607)。そして、確変遊技の遊技残余回数Xを10000にセットし(ステップS1608)、処理を終了する。なお、10000は、次の大当たりに当選するまで遊技状態が変更されないようにするために、便宜上定めた数字である。
ステップS1606において、15ラウンド確変大当たりではない場合(ステップS1606:No)、潜確大当たりであるか否かを判定する(ステップS1609)。潜確大当たりである場合(ステップS1609:Yes)、潜確遊技フラグをONにし(ステップS1610)、ステップS1608に移行する。潜確大当たりではない場合(ステップS1609:No)、すなわち、突確大当たりである場合、ステップS1607に移行する。
(保留数消去処理)
次に、図17を用いて、主制御部201がおこなう保留数消去処理について説明する。図17は、保留数消去処理を示すフローチャートである。なお、保留数消去処理は、図15のステップS1516に示した処理である。図17において、主制御部201のCPU211は、電チューサポートを有する遊技場他であるか否かの判定として、時短遊技フラグまたは確変遊技フラグのうち、いずれか一方がONであるか否かを判定する(ステップS1701)。
時短/確変遊技フラグのうち、いずれもがOFFである場合(ステップS1701:No)、そのまま処理を終了する。時短/確変遊技フラグのうち、いずれか一方がONである場合(ステップS1701:Yes)、第1始動口SW221の検知回数をカウントした第1始動口検知カウンタのカウント値U1が「1」以上であるか否かを判定する(ステップS1702)。すなわち、第1始動口105への入賞による保留球があるか否かを判定する。
U1が「0」の場合(ステップS1702:No)、そのまま処理を終了する。すなわち、大当たり終了後、U1が「0」の状態から遊技が開始される。U1が「1」以上である場合(ステップS1702:Yes)、第2始動口SW222の検知回数をカウントした第2始動口検知カウンタのカウント値U2が「1」以上であるか否かを判定する(ステップS1703)。
U2が「1」以上である場合(ステップS1703:Yes)、そのまま処理を終了する。すなわち、大当たり終了後、U2に相当する保留球を用いて、大当たりの抽選や特別図柄の変動などが開始される。U2が「0」である場合(ステップS1703:No)、U1を「0」にし(ステップS1704)、処理を終了する。すなわち、大当たり終了後、U1が「0」の状態から遊技が開始されることとなる。
以上説明したように、実施の形態1によれば、電チューサポートの開始前に、保留球として記憶されているカウント値U1を消去するようにしたので、電チューサポートを開始した直後に、第1始動口105への入賞による保留球によって、第1大当たり抽選がおこなわれることを抑止することができる。
具体的には、たとえば確変遊技開始直後の最初の変動時に通常遊技状態に移行させる2ラウンド大当たりが発生することを抑止することができる。したがって、電チューサポートを開始した後には、第2始動口106への入賞による遊技者にとって有利な抽選をおこなうことが可能になる。これにより、遊技者の遊技意欲を減退させることを抑止することができる。
また、実施の形態1によれば、保留球として記憶されているカウント値U1を消去するタイミングを、時短/確変/突確/突時大当たりが終了するとき、すなわち、電チューサポートの開始まで極めて短時間となるエンディング時間が経過したときとした。したがって、最終ラウンド終了後に打ち出され、エンディング中に第1始動口105に入賞した遊技球の保留球についても、確実に消去することができる。
また、実施の形態1のぱちんこ遊技機100では、第1始動口105と第2始動口106とが近接配置されているため、大当たり中に第1始動口105に遊技球が入賞することが想定される。また、実施の形態1のぱちんこ遊技機100は、第2始動口106への入賞による第2大当たり抽選が、第1始動口105への入賞による第1大当たり抽選よりも先に実行される。すなわち、大当たり終了後の電チューサポートの開始時にカウント値U1が記憶されていたとしても、カウント値U2が記憶されている場合には、第2大当たり抽選が先におこなわれるため、カウント値U1を消去しないようにすることが可能である。したがって、必要に応じてカウント値U1の消去を適切におこなうことができる。
(実施の形態2)
次に、図18を用いて、本発明の実施の形態2にかかるぱちんこ遊技機について説明する。図18は、本発明の実施の形態2にかかるぱちんこ遊技機の一例を示す正面図である。なお、実施の形態2にかかるぱちんこ遊技機は、いわゆる、旧第一種タイプ(デジパチタイプ)および旧第二種タイプ(ハネモノ)の混合タイプであり、遊技手法や、第1始動口と第2始動口とが離間配置されている点などが、実施の形態1に示したぱちんこ遊技機100と異なる。実施の形態2において、実施の形態1と同様の説明となる点については、適宜説明を省略する。
図18において、ぱちんこ遊技機1800は、矩形形状の枠1801を有し、この枠1801の窓孔に対して遊技盤1802が着脱可能に取り付けられている。遊技盤1802の前面側には、図示しないガラス枠が開閉可能に取り付けられている。また、遊技盤1802の下部には遊技球を貯留する受け皿部1803と、この受け皿部1803の遊技球を発射する発射レバー1804等が設けられている。
受け皿部1803の上面には、たとえば遊技者自身に操作をおこなわせて遊技に参加させるための演出ボタン1805が設けられている。また、図示しないが受け皿部1803の上面には遊技球の購入ボタン、購入取り消しボタン、受け皿部1803内の遊技球を下方から外部に抜くための球抜きボタン等が設けられている。
次に、このぱちんこ遊技機1800の遊技の流れについて、主要構成部の構成とともに説明する。なお、主要構成部の詳細な構成については、図19を用いて後述する。ぱちんこ遊技機1800は、第1始動口1810と、第1特図表示部1820と、普通図柄表示部1821と、第2特図表示部1822と、画像表示部1825と、上大入賞口1830と、ハネ1831と、V入賞領域(Vゾーン)1832と、ゲート1840と、第2始動口1841と、電動チューリップ1842と、下大入賞口1850とを備えている。以下の説明では、遊技手順として括弧書きの番号を用いて説明する。なお、この番号は、図18に記載した括弧書きの番号に対応する。
まず、通常遊技状態において、遊技者は、通常打ちとしての左打ちをして第1始動口1810を狙う(1)。遊技球が第1始動口1810に入賞すると、上大入賞口1830のハネ1831を開放させるための抽選をおこない、第1特図表示部1820が変動する(2)。停止した第1特別図柄(以下「特図1」という)がハネ1831の開放を示すものである場合、所定のインターバル時間が経過した後に、上大入賞口1830のハネ1831を2回開放する(3)。なお、2回の開放の詳細については後述するが、たとえば、1回目が0.1秒の開放、2回目が0.8秒の開放である。この開放を第1開放という。
なお、ハネ1831の開放を示す特図1には、図柄の色や番号により、大当たり(第1大当たり)遊技に移行後の継続ラウンド数の情報や、第1大当たり遊技後の遊技を時短遊技とするか否かの情報が含まれる。なお、実施の形態2において、第1大当たりの継続ラウンド数は、たとえば、2ラウンドとする。すなわち、第1開放時に表示される特図1は、「継続2ラウンド、時短無し」を示す図柄、「継続2ラウンド、時短付き」を示す図柄、または「ハズレ」を示す図柄である。なお、第1開放時に表示される特図1には、後述する第2大当たりを示す「直撃大当たり」を示す図柄もある。
実施の形態2において用いたハネ1831の開放時間や、大当たりの継続ラウンド数などについては、一例を挙げているに過ぎず、他の時間または他のラウンド数とすることも可能である。
遊技球が上大入賞口1830に入賞し、Vゾーン1832を通過すると(4)、下大入賞口1850を2ラウンド開放する第1大当たりとなる(5)。なお、第1大当たりが「継続2ラウンド、時短無し」である場合、第1大当たり終了後、通常遊技状態に戻る。一方、第1大当たりが「継続2ラウンド、時短付き」である場合、第1大当たり終了後に、100回の時短遊技状態に移行する。
時短遊技状態においては、まず、画像表示部1825を介して、特別打ちとしての右打ちをする旨の通知をおこなう。遊技者は、右打ちをおこない、ゲート1840を狙う(6)。遊技球がゲート1840を通過すると、普通図柄表示部1821が3秒変動する(7)。停止した普通図柄が当たり図柄「○」の場合、電動チューリップ1842は1.2秒間の開放を3回おこなう(8)。なお、(7)および(8)に示した内容が補助遊技としての電チューサポートである。
遊技球が第2始動口1841に入賞すると、上大入賞口1830のハネ1831を開放させるための抽選をおこない、第2特図表示部1822が変動する(9)。停止した第2特別図柄(以下「特図2」という)が、ハネ1831の開放を示すものである場合、所定のインターバル時間が経過した後に、上大入賞口1830のハネ1831を、たとえば1.6秒開放する(10)。なお、この開放を第2開放という。
なお、ハネ1831の開放を示す特図2には、図柄の色や番号により、大当たり(第2大当たり)遊技に移行後の継続ラウンド数の情報や、第2大当たり遊技後の遊技を時短遊技とするか否かの情報が含まれる。なお、実施の形態2において、第2大当たりの継続ラウンド数は、たとえば、4ラウンドまたは16ラウンドとする。すなわち、第2開放時に表示される特図2は、「継続4ラウンド、時短付き」を示す図柄、「継続16ラウンド、時短付き」を示す図柄、または「ハズレ」を示す図柄である。
遊技球が上大入賞口1830に入賞し、Vゾーン1832を通過すると(11)、特図2の表示内容に応じて、下大入賞口1850を4ラウンドまたは16ラウンド開放する第2大当たりとなる(12)。第2大当たりが終了すると、新たに100回の時短遊技状態に移行する。なお、時短遊技状態における100回とは、上大入賞口1830のハネ1831が開放した回数に相当する。
なお、時短遊技状態時に5回ほど第2大当たりが続くと、リミッタ機能により、たとえば5回目の第2大当たり終了後に、通常遊技状態に移行するようにしてもよい。また、通常遊技状態において、遊技球が第1始動口1810に入賞し、第1特図表示部1820に表示される特別図柄が、第2大当たり(直撃大当たり)を示す場合があり、この場合は、たとえば、16ラウンド継続の第2大当たりとなる。
ここで、通常遊技状態において、遊技球がゲート1840を通過した場合について補足しておく。通常遊技状態において、遊技球がゲート1840を通過すると、普通図柄表示部1821が29秒変動する。また、通常遊技状態において、停止した普通図柄が当たり図柄「○」の場合、第2始動口(電動式チューリップ)1841は0.2秒間の開放を1回おこなう。
このように、通常遊技状態においては普通図柄の変動時間を長くし、かつ、電動チューリップ1842の開放時間を短くしているため、通常遊技状態における第2開放および第2大当たりの発生を抑え、遊技者がゲート1840を狙うといった不適切な遊技を抑止できるようになっている。一方、時短遊技状態においては、普通図柄の変動時間を短くし、かつ、電動チューリップ1842の開放を長くすることにより、第2大当たりを発生させやすくし、迅速な遊技を可能にしている。
(ぱちんこ遊技機の詳細な構成)
図19は、遊技盤1802の一例を示した正面図である。図19において、遊技盤1802の略中央には、上大入賞口1830が設けられている。上大入賞口1830の上部両側には、開閉自在な一対のハネ1831(1831L,1831R)が設けられている。上大入賞口1830の内部には、Vゾーン1832と、可動体1903とが設けられている。可動体1903は、ハネ1831を介して入賞した遊技球がVゾーン1832に到達しやすい特別通路1901(図中左側)、または遊技球がVゾーン1832まで到達し難い通常通路1902(図中右側)に振り分けるように作動する。
Vゾーン1832内には、後述するV入賞領域スイッチ(SW)が設けられている。特別通路1901を通過した遊技球は第1の回転体1904に誘導される。一方、通常通路1902を通過した遊技球は第2の回転体1905に誘導される。
第1の回転体1904には、遊技球を収容する回転収容部1904aがたとえば3つ設けられている。3つの回転収容部1904aのうち1つは、遊技球をVゾーン1832へ誘導する特定の収容領域となっている。それ以外の回転収容部1904aに遊技球が収容された場合、遊技球はVゾーン1832以外の領域(非特定領域)へ誘導される。
一方、第2の回転体1905には、遊技球を収容する回転収容部1905aがたとえば5つ設けられている。5つの回転収容部1905aのうち1つは、遊技球をVゾーン1832へ誘導する特定の収容領域となっている。それ以外の回転収容部1905aに遊技球が収容された場合、遊技球は非特定領域へ誘導される。よって、上大入賞口1830に入賞後の遊技球がVゾーン1832に入賞する入賞率は、第1の回転体1904が設けられている特別通路1901に誘導されたほうが、第2の回転体1905が設けられている通常通路1902に誘導された場合より高くなっている。
また、上大入賞口1830内の前面下方には、特図1の変動と表示をおこなう第1特図表示部1820と、普通図柄の変動と表示をおこなう普通図柄表示部1821と、第2特別図柄(特図2)の変動と表示をおこなう第2特図表示部1822とが設けられている。第1特図表示部1820および第2特図表示部1822は、たとえば7セグメント表示部により構成されており、表示される数字や当該数字の色により、それぞれ大当たり時の時短の有無や、継続ラウンド回数などがあらわされるようになっている。
本実施の形態においては、第1特図表示部1820に、たとえば、「3」が表示されると「継続2ラウンド、時短無し」といった第1大当たり移行後の継続ラウンド数、および第1大当たり終了後の時短遊技の有無を示すようになっている。緑色の「7」が表示されると「継続2ラウンド、時短付き」といった第1大当たり移行後の継続ラウンド数、および第1大当たり終了後の時短遊技の有無を示すようになっている。また、たとえば、赤色の「7」が表示されると「継続16ラウンド(直撃大当たり)」を示すようになっている。なお、それ以外の数字は、ハズレを示すようになっている。
また、第2特図表示部1822に、たとえば、「3」が表示されると「継続4ラウンド」といった第2大当たり移行後の継続ラウンド数を示し、「7」が表示されると「継続16ラウンド」といった第2大当たり移行後の継続ラウンド数を示すようになっている。普通図柄表示部1821は、たとえば「○」と「×」を表示するLEDによって構成されている。
上大入賞口1830の下方領域には、第1特図表示部1820に表示される特図1を作動させるための第1始動口1810が設けられている。第1始動口1810の内部には第1始動口SWが設けられており、第1始動口SWにより遊技球が検出されると、第1特図表示部1820の特図1を変動表示する。
上大入賞口1830の右側領域に配置されているゲート1840の内部には、ゲートSWが設けられており、ゲートSWによって遊技球が検出されると、普通図柄表示部1821の普通図柄を変動表示する。普通図柄表示部1821に特定の普通図柄(この例では「○」)が停止した場合に、電動チューリップ1842が開放される。
ゲート1840の下方には、第2特図表示部1822に表示される第2特別図柄を作動させるための第2始動口1841が設けられている。第2始動口1841の近傍には、第2始動口1841への入賞を容易にする電動チューリップ1842が設けられている。第2始動口1841の内部には、第2始動口SWが設けられており、第2始動口SWにより遊技球が検出されると、第2特図表示部1822の特図2が変動表示する。
第2始動口1841の下方には、下大入賞口1850が設けられている。下大入賞口1850は、第1大当たり遊技状態または第2大当たり遊技状態のときに開放状態になる開閉扉1940を有しており、その内部には下大入賞口SWが設けられている。遊技盤1802の最下部にはアウト口1941が設けられている。
(ぱちんこ遊技機の制御部の内部構成)
次に、図20を用いて、本発明の実施の形態2にかかるぱちんこ遊技機1800の制御部の内部構成について説明する。図20は、本発明の実施の形態2にかかるぱちんこ遊技機1800の制御部2000の内部構成を示すブロック図である。なお、図20では、制御部2000のうち主制御部2001を中心に説明し、実施の形態1にて説明した構成部には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
主制御部2001は、CPU2011と、ROM2012と、RAM2013と、不図示の入出力インターフェース(I/O)などを備えて構成される。CPU2011には、上大入賞口1830内の可動体1903、第1始動口1810に設けられた第1始動口SW2021、第2始動口1841に設けられた第2始動口SW2022、電動チューリップ1842を開閉動作させるための電チューソレノイド2031、ゲート1840に設けられたゲートSW2023、上大入賞口1830に入賞した遊技球を検出する上大入賞口SW2024、下大入賞口1850に入賞した遊技球を検出する下大入賞口SW2025が接続されている。
また、CPU2011には、上大入賞口1830のハネ1831L,1831Rを開閉動作させるための上大入賞口ソレノイド2032、下大入賞口1850の開閉扉1940を開閉動作させるための下大入賞口ソレノイド2033、普通図柄表示部1821、Vゾーン1832に設けられたV入賞領域SW2026、第1特図表示部1820、第2特図表示部1822等が接続されている。
ROM2012には、保留消去プログラム、通知制御プログラムなど各種プログラムが記憶されている。保留消去プログラムは、電チューサポートを実行する直前に、すなわち、右打ちによる遊技状態に移行する直前に、第1始動口1810から入賞した保留球を消去するプログラムである。通知制御プログラムは、右打ちによる遊技状態に移行する直前に、右打ちにて遊技する旨を通知するプログラムである。
(主制御部の機能的構成)
次に、図3を用いて、実施の形態2にかかる主制御部2001の機能的構成について、実施の形態1と異なる点のみを説明しておく。まず、実施の形態2にかかるぱちんこ遊技機1800は、第1始動口1810と第2始動口1841とが離間配置されている。このぱちんこ遊技機1800では、第1始動口1810に入賞させて遊技がおこなわれる通常打ち(左打ち)と、第2始動口1841に入賞させて遊技がおこなわれる所定の大当たり(時短付き大当たり)終了後の特別打ち(右打ち)とによって遊技がおこなわれる。
なお、実施の形態2において、電動チューリップ1842が遊技盤1802の右側に設けられているため、特別打ちを右打ちとしているが、仮に、電動チューリップ1842が遊技盤1802の左側に設けられており、さらに、第1始動口1810が遊技盤1802の右側に設けられている場合には、特別打ちは左打ちとなる。なお、この場合、通常打ちは右打ちとなる。
実施の形態2において、主制御部2001は、通知制御部305を備えている。通知制御部305は、特別打ちによる遊技状態に移行させる前に、右打ちにて遊技する旨を通知する。消去部303は、通知制御部305による通知をおこなうときに、第1記憶部301に記憶された保留球を消去する。なお、消去部303は、少なくとも第1記憶部301に記憶されている保留球を消去することができればよく、第2記憶部304に記憶されている保留球を含め、全ての保留球を消去するようにしてもよい。
なお、消去部303によって保留球を消去するタイミングは、実行部302による時短遊技の実行開始直前であればよい。時短遊技の実行開始直前とは、具体的には、上述したように、通知制御部305による通知をおこなうときであるが、これに限らず、たとえば第1大当たりの終了時、すなわち、エンディングコマンドを受信してから図柄変動開始前までの予め設定した所定のエンディング時間が経過したときとしてもよい。
なお、時短遊技の実行開始直前は、これに限らず、エンディング時間が短い場合には、エンディングコマンドを受信したときとしてもよいし、また、たとえば第1大当たりの実行時間が短く、かつ、エンディング時間も短い場合には、第1大当たりが発生したとき、すなわち、第1大当たりの開始を示すオープニングコマンドを受信したときとしてもよい。
通知制御部305は、主制御部2001のCPU2011によって実現される。すなわち、CPU2011がROM2012に記憶される通知制御プログラムを実行することにより、通知制御部305の機能を実現する。
(第1始動口への入賞による第1大当たり時の図柄乱数判定テーブルの一例)
次に、図21を用いて、第1始動口1810への入賞による第1大当たり時の図柄乱数判定テーブルについて説明する。図21は、第1始動口1810への入賞による第1大当たり時の図柄乱数判定テーブルの一例を示した説明図である。図21において、図柄乱数判定テーブル2100は、第1開放をおこなうか否かの判定の結果、第1開放に当選した場合に用いられるテーブルである。図柄乱数判定テーブル2100は、第1大当たり種類2101と、範囲2102と、図柄乱数2103と、割合2104とからなる。
第1大当たり種類2101は、遊技球がVゾーン1832を通過することにより、第1大当たりに移行した場合の第1大当たりの種類と、第1大当たり終了後の時短遊技の有無とを示している。具体的には、第1大当たり種類2101は、「2ラウンド時短無し第1大当たり」と、「2ラウンド時短付き第1大当たり」とからなる。
範囲2102は、取得する乱数の取り得る範囲を示しており、0〜100になっている。図柄乱数2103は、0〜100のうち、予め定めた数字であり、「2ラウンド時短無し第1大当たり」については51個あり、「2ラウンド時短付き第1大当たり」については50個ある。割合2104は、0〜100の範囲2102に対する図柄乱数2103の比率を示している。
このような図柄乱数判定テーブル2100を用いることにより、ランダムに取得した乱数に対応する種類の大当たりが発生するようになっており、たとえば、取得した乱数が0〜50の場合には、第1大当たりに移行後の継続ラウンド数は2ラウンドであり、第1大当たり終了後には時短遊技が付かない遊技となる。
(第2始動口への入賞による第2大当たり時の図柄乱数判定テーブルの一例)
次に、図22を用いて、第2始動口1841への入賞による第2大当たり時の図柄乱数判定テーブルについて説明する。図22は、第2始動口1841への入賞による第2大当たり時の図柄乱数判定テーブルの一例を示した説明図である。
なお、図22に示す図柄乱数判定テーブル2200は、第2開放をおこなうか否かの判定の結果、第2開放に当選した場合に用いられるテーブルである。図22において、図柄乱数判定テーブル2200は、図21に示した図柄乱数判定テーブル2100と比較して、大当たり種類2101が異なる。
図柄乱数判定テーブル2200において、大当たり種類2101は、遊技球がVゾーン1832を通過することにより、第2大当たりに移行した場合の第2大当たりの種類と、第2大当たり終了後の時短遊技の有無とを示している。具体的には、第2大当たり種類2101は、「4ラウンド時短付き第2大当たり」と、「16ラウンド時短付き第2大当たり」とからなる。
ここで、第2始動口1841用の図柄乱数判定テーブル2200には、2ラウンド大当たりを設けていない理由は、遊技者に多数の出玉を獲得させるためである。すなわち、「2ラウンド時短付き第1大当たり」に当選して第1大当たりがおこなわれた後、または第2大当たりがおこなわれた後は、時短遊技状態となり、電チューサポートの機能により、第2始動口1841に遊技球が入賞しやすくなる。さらに、時短遊技状態では、時短遊技が可能な4ラウンドまたは16ラウンドの第2大当たりに当選することにより、遊技者に多数の出玉を獲得させるようにしている。
なお、実施の形態2においては、第2始動口1841に入賞した遊技球を第1始動口1810に入賞した遊技球に対して優先して消化しないようにしているが、この理由について補足しておく。実施の形態2においては、第1始動口1810と第2始動口1841とが離間配置されているため、時短遊技中の右打ちによって、第1始動口1810に遊技球が入賞してしまうことがほとんどない。
つまり、時短遊技中には、第1始動口1810用の図柄乱数判定テーブル2100を用いた判定が、ほとんどおこなわれないようになっている。そのため、実施の形態2では、第2始動口1841に入賞した遊技球を第1始動口1810に入賞した遊技球に対して優先して消化せずに、各始動口1810,1841への入賞順に保留球が消化されるようになっている。
(V入賞領域SW処理)
次に、図23を用いて主制御部2001がおこなうV入賞領域SW処理について説明する。図23は、主制御部2001のCPU2011がおこなうV入賞領域SW処理を示したフローチャートである。図23において、CPU2011は、上大入賞口1830内のVゾーン1832の有効期間中、すなわち、第1開放または第2開放の動作を開始してから所定期間内であるか否かを判定する(ステップS2301)。Vゾーン1832の有効期間中ではない場合(ステップS2301:No)、そのまま処理を終了する。
Vゾーン1832の有効期間中である場合(ステップS2301:Yes)、Vゾーン1832の有効期間が経過したか否かを判定する(ステップS2302)。Vゾーン1832の有効時間を経過した場合(ステップS2302:Yes)、時短遊技フラグがONであるか否かを判定する(ステップS2303)。なお、時短遊技フラグは、第1大当たり遊技の終了後、または第2大当たり遊技の終了後に設定される時短遊技(右打ち遊技)を示すフラグである。
時短遊技フラグがOFFの場合(ステップS2303:No)、そのまま処理を終了する。時短遊技フラグがONの場合(ステップS2303:Yes)、時短遊技の遊技残余回数Kから「1」を減算する(ステップS2304)。この後、時短遊技の遊技残余回数Kが「0」であるか否かを判定する(ステップS2305)。遊技残余回数Kが「0」である場合(ステップS2305:Yes)、時短遊技フラグをOFFにし(ステップS2306)、処理を終了する。一方、遊技残余回数Kが「0」ではない場合(ステップS2305:No)、そのまま処理を終了する。
ステップS2302において、Vゾーン1832の有効時間が経過していない場合(ステップS2302:No)、V入賞領域SW2026がONであるか否かを判定する(ステップS2307)。V入賞領域SW2026がOFFの場合(ステップS2307:No)、そのまま処理を終了する。V入賞領域SW2026がONの場合(ステップS2307:Yes)、遊技球のVゾーン1832への入賞が第1始動口1810経由であるか否かを判定する(ステップS2308)。
なお、ステップS2308の判定は、具体的には、第1始動口1810への遊技球の入賞を契機として、上大入賞口1830の可動片1831L,1831Rが開放動作することにより、上大入賞口1830のVゾーン1832に遊技球が入賞したか否かの判定である。第1始動口1810経由の場合(ステップS2308:Yes)、下大入賞口1850を、たとえば2ラウンド開閉する第1大当たりを示す第1大当たり遊技フラグをONにする(ステップS2309)。この後、オープニングコマンドをセットし(ステップS2310)、処理を終了する。
一方、ステップS2308において、遊技球のVゾーン1832への入賞が第1始動口1810経由ではない場合(ステップS2308:No)、すなわち、遊技球のVゾーン1832への入賞が第2始動口1841への遊技球の入賞を契機としたものである場合、下大入賞口1850を、たとえば16ラウンド開閉する第2大当たりを示す第2大当たり遊技フラグをONにし(ステップS2311)、ステップS2310に移行する。
(下大入賞口処理)
次に、図24を用いて、主制御部2001がおこなう下大入賞口処理について説明する。図24は、主制御部2001がおこなう下大入賞口処理を示したフローチャートである。図24において、主制御部2001のCPU2011は、当たり遊技フラグがONであるか否かを判定する(ステップS2401)。なお、当たり遊技フラグは、図23のV入賞領域SW処理にて設定される第1当たりフラグまたは第2当たりフラグである。
当たり遊技フラグがOFFである場合(ステップS2401:No)、そのまま処理を終了する。当たり遊技フラグがONである場合(ステップS2401:Yes)、オープニング中であるか否かを判定する(ステップS2402)。ここで、オープニングとは、下大入賞口1850を開放する前の所定の時間をいう。
オープニング中であれば(ステップS2402:Yes)、所定のオープニング時間が経過したか判定する(ステップS2403)。オープニング時間が経過していない場合(ステップS2403:No)、そのまま処理を終了する。
オープニング時間が経過していれば(ステップS2403:Yes)、ラウンド数設定処理を実行する(ステップS2404)。ラウンド数設定処理では、当たり遊技フラグに応じたラウンド数が設定され、具体的には、2ラウンド、4ラウンド、16ラウンドが設定される。
ステップS2404において、ラウンド数設定処理を実行した後、ラウンド数Rを1加算した値を新たなRとする(ステップS2405)。ステップS2405において、新たなラウンド数Rを得ると、下大入賞口ソレノイド2033を制御して、下大入賞口1850を開放させる(ステップS2406)。
ステップS2406において下大入賞口1850を開放させた後、開放開始時からの所定時間(たとえば30秒)の開放作動時間が経過したか判定する(ステップS2407)。開放作動時間が経過していないときには(ステップS2407:No)、下大入賞口1850への遊技球の入賞数Cが9であるか否かを判定する(ステップS2408)。
入賞数Cが9であるときには(ステップS2408:Yes)、下大入賞口1850を閉口させる(ステップS2409)。入賞数Cが9ではないときには(ステップS2408:No)、処理を終了する。
ステップS2407において、開放作動時間が経過したときには(ステップS2407:Yes)、ステップS2409へ移行し、下大入賞口1850を閉口させる(ステップS2409)。ステップS2409において下大入賞口1850を閉口させた後、最終ラウンドとなったか否かを判定する(ステップS2410)。
ステップS2410において最終ラウンドではないときには(ステップS2410:No)、処理を終了する。最終ラウンドであるときには(ステップS2410:Yes)、エンディングを開始する(ステップS2411)。ここで、エンディングは、下大入賞口1850閉口後の所定の演出用の時間をいう。
ステップS2411においてエンディングを開始すると、エンディングコマンドをセットする(ステップS2412)。そして、ラウンド数Rを0とし(ステップS2413)、エンディング時間が経過したか判定する(ステップS2414)。エンディング時間が経過していれば(ステップS2414:Yes)、遊技状態設定処理を実行する(ステップS2415)。なお、遊技状態設定処理については、図25を用いて後述する。
この後、通知処理を実行する(ステップS2416)。なお、通知処理については、図26を用いて後述する。この後、保留数消去処理を実行する(ステップS2417)。保留数消去処理については、図27を用いて後述する。そして、当たり遊技フラグをOFFにし(ステップS2418)、処理を終了する。エンディング時間が経過していなければ(ステップS2414:No)、そのまま処理を終了する。
一方、ステップS2402において、オープニング中ではない場合には(ステップS2402:No)、下大入賞口1850が開放中であるか否かを判定する(ステップS2419)。下大入賞口1850が開放中の場合(ステップS2419:Yes)、ステップS2407へ移行する。下大入賞口1850が開放中ではない場合(ステップS2419:No)、インターバル中であるか否かを判定する(ステップS2420)。
ステップS2420において、インターバル中ではない場合(ステップS2420:No)、ステップS2414へ移行する。一方、インターバル中である場合(ステップS2420:Yes)、所定のインターバル時間が経過したか判定する(ステップS2421)。インターバル時間が経過したときには(ステップS2421:Yes)、ステップS2405へ移行する。インターバル時間が経過していない場合(ステップS2421:No)、処理を終了する。
(遊技状態設定処理)
次に、図25を用いて、主制御部2001がおこなう遊技状態設定処理について説明する。図25は、遊技状態設定処理を示すフローチャートである。なお、遊技状態設定処理は、図24のステップS2415に示した処理である。図25において、主制御部2001のCPU2011は、時短付き大当たりであるか否かを判定する(ステップS2501)。時短付き大当たりは、具体的には、2ラウンド時短付き第1大当たり、または第2大当たりである。
時短付き大当たりではない場合(ステップS2501:No)、すなわち、2ラウンド時短無し第1大当たりの場合、そのまま処理を終了する。時短付き大当たりである場合(ステップS2501:Yes)、時短遊技フラグをONにする(ステップS2502)。この後、時短遊技の遊技残余回数Kを100にセットし(ステップS2503)、処理を終了する。
(通知処理)
次に、図26を用いて、主制御部2001がおこなう通知処理について説明する。図26は、通知処理を示すフローチャートである。なお、通知処理は、図24のステップS2416に示した処理である。図26において、主制御部2001のCPU2011は、時時短遊技フラグがONであるか否かを判定する(ステップS2601)。時短遊技フラグがOFFである場合(ステップS2601:No)、そのまま処理を終了する。
時短遊技フラグがONである場合(ステップS2601:Yes)、右打ちにて遊技する旨を示す右打ち遊技通知コマンドをセットし(ステップS2602)、処理を終了する。なお、演出制御部202は、この右打ち遊技通知コマンドを受けて、画像表示部1825やスピーカ254から右打ちにて遊技する旨を、画像または音声にて遊技者に通知する。
(保留数消去処理)
次に、図27を用いて、主制御部2001がおこなう保留数消去処理について説明する。図27は、保留数消去処理を示すフローチャートである。なお、保留数消去処理は、図24のステップS2417に示した処理である。図27において、主制御部2001のCPU2011は、時短遊技フラグがONであるか否かを判定する(ステップS2701)。時短遊技フラグがOFFである場合(ステップS2701:No)、そのまま処理を終了する。
時短遊技フラグがONである場合(ステップS2701:Yes)、第1始動口SW2021の検知回数をカウントした第1始動口検知カウンタのカウント値P1が「1」以上であるか否を判定する(ステップS2702)。すなわち、第1始動口1810への入賞による保留球があるか否かを判定する。
P1が「0」の場合(ステップS2702:No)、そのまま処理を終了する。すなわち、第1大当たりまたは第2大当たり終了後、P1が「0」の状態から遊技が開始される。P1が「1」以上である場合(ステップS2702:Yes)、P1を「0」にし(ステップS2703)、処理を終了する。すなわち、第1大当たりまたは第2大当たり終了後、P1が「0」の状態から遊技が開始されることとなる。
なお、上述した処理では、カウント値P1の有無を判定し、カウント値P1のみを消去するようにしているが、このような判定をおこなわずに、常に、全てのカウント値P1およびP2を消去するようにしてもよい。
以上説明したように、実施の形態2によれば、実施の形態1と同様の効果を奏する。特に、実施の形態2にかかるぱちんこ遊技機1800は、第1始動口1810または第2始動口1841への入賞順に各抽選がおこなわれるタイプの遊技機であるが、このようなタイプの遊技機に対しても、電チューサポートの開始直後に、第1大当たり抽選がおこなわれることを抑止することができる。したがって、電チューサポートを開始した後には、第2始動口1841への入賞による遊技者にとって有利な抽選をおこなうことが可能になる。これにより、遊技者の遊技意欲を減退させることを抑止することができる。
また、実施の形態2では、右打ちによる遊技状態に移行する前に、右打ちにて遊技する旨を通知するようにするとともに、当該通知をおこなうときに、保留球としてのカウント値P1を消去するようにした。すなわち、たとえば、右打ちによる遊技状態に移行した場合であっても、遊技方法を知らない遊技者が継続して左打ちによる遊技をおこなうと、第1始動口1810に遊技球が入賞してしまうという不具合が想定されるが、このような不具合を解消することができる。このように、遊技者に右打ち遊技を促した後に、カウント値P1を消去するようにしたので、右打ちを開始する前の左打ち時に第1始動口1810に入賞した保留球を確実に消去することができるとともに、左打ちによる第1始動口1810への入賞を抑止することができる。