JP5735343B2 - 電子機器ハウジング用の薄肉成形体 - Google Patents
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Description
ガラス繊維については段落番号0048、0049に記載されており、長いガラス繊維を排除することが記載されている。
表1の比較例(CE)1、2には、PAタイプA(PA12)とガラス繊維タイプB(長さ4.5mm、直径10μmの断面円形のもの)を組み合わせた例が記載されているが、シャルピー衝撃強度(ノッチ付き)は22kJ/m2、17kJ/m2と低い値になっている。これは、段落番号0058に記載されているポリアミド成形材料の調整方法においてガラス繊維が折れて小さくなって、実質的に短繊維を使用した場合と同じになったものと考えられる。
熱可塑性ポリアミドは請求項2に多数列挙されているが、実施例で使用しているのはPA10,10、PA6,6、PA6,I/6,Tのみである。
段落番号0021には、繊維状強化剤として長いガラス繊維が使用できることが記載されている。実施例で使用されたガラス繊維の種類は明記されていないが、表2に示されたシャルピー衝撃強度(ノッチ付き)の数値が小さいことから考えて、明らかに短繊維である。
ガラス長繊維を長さ方向に揃えた状態で束ね、前記ガラス長繊維の束に脂肪族ポリアミドを溶融させた状態で含浸させ一体化した後に、5〜15mmの長さに切断した樹脂含浸繊維束を含む樹脂組成物から得られる、厚みが0.8〜2.0mmで、含有されているガラス繊維の重量平均繊維長が0.5〜1.5mmである薄肉成形体であり、
前記樹脂含浸繊維束が、脂肪族ポリアミドとしてPA11、PA12、PA610、PA612から選ばれるものを含有し、ガラス繊維の含有量が40〜70質量%のものであり、
前記樹脂組成物が、それから得られる成形体が下記の(a)及び(b)の要件を満たすものである薄肉成形体を提供する。
(a)ISO多目的試験片(A形、厚さ2mm)を用いて500mm/minで引張試験をした場合の引張呼びひずみが2.0%以上であり、かつ絶乾状態での曲げ弾性率が10GPa以上であること。
(b)シャルピー衝撃強度(ISO179/1eA(エッジワイズ)に準拠した(試験片厚さ2mm、ノッチ有り))が30kJ以上であること。
請求項1〜5のいずれか1項記載の薄肉成形体の製造方法であって、
前記樹脂組成物を溶融させた後、射出成形して成形するとき、射出成形用金型としてピンゲートを有するものを使用する薄肉成形体の製造方法を提供する。
本発明で用いる樹脂組成物に含まれる樹脂含浸繊維束は、ガラス長繊維を長さ方向に揃えた状態で束ね、前記ガラス長繊維の束にポリアミドを溶融させた状態で含浸させ一体化した後に、5〜15mm(好ましくは6〜12mm)の長さに切断したものである。樹脂含浸繊維束に含まれるガラス繊維の長さは、樹脂含浸繊維束の長さと同一である。
なお、樹脂含浸繊維束中のガラス繊維と脂肪族ポリアミドの含有割合を調整するため、樹脂組成物中に樹脂含浸繊維束とは別に上記脂肪族ポリアミドを配合することができる。
このような滑剤としては、脂質類、特に、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、モンタン酸などの飽和C12−30脂肪酸、ステアリン酸カルシウムやステアリン酸マグネシウムなどの飽和C12−30脂肪酸金属塩、グリセリンモノ乃至トリステアリン酸エステルなどのグリセリンモノ乃至トリ飽和C12−30脂肪酸エステル、エチレンビスステアリン酸アミドなどのアルキレンビス飽和C12−30脂肪酸アミドなどが好ましく、特に、パルミチン酸、ステアリン酸などの飽和C16−22脂肪酸、ステアリン酸カルシウムやステアリン酸マグネシウムなどの飽和C16−22脂肪酸アルカリ土類金属塩などが好適に使用される。
公知の添加剤としては、上記以外の熱可塑性樹脂(但し、上記以外の脂肪族ポリアミドは含まれない)、離型剤、帯電防止剤、難燃剤、着色剤、可塑剤、軟化剤、分散剤、安定化剤(ヒンダードフェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤などの酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定化剤など)、アンチブロッキング剤、結晶核成長剤、充填剤(シリカやタルクなどの粒状充填剤など)などを含んでいてもよい。
ISO多目的試験片(A形、厚さ2mm)を用いて500mm/minで引張試験をした場合の引張呼びひずみが2.0%以上であり、かつ絶乾状態での曲げ弾性率が10,000MPa以上であること。
要件(b)
シャルピー衝撃強度(ISO179/1eA(エッジワイズ)に準拠した(試験片厚さ2mm、ノッチ有り))が30kJ以上であること。
本発明の薄肉成形体は、上記の樹脂組成物(樹脂含浸繊維束、又は樹脂含浸繊維束と必要に応じて含有する他の成分)を用いて、射出成形機等の成形機により成形することができる。
ピンゲートの大きさ(径)は、0.5〜2.0mmが好ましく、0.7〜1.5mmがより好ましい。ピンゲートの大きさが0.5mm以上であると、ガラス繊維の折損が抑制され、薄肉成形体中の重量平均繊維長を0.5mm以上にすることができ、2.0mm以下であるとゲート切れが良好で成形性が良くなる。
なお、樹脂組成物が含有する樹脂含浸繊維束の長さ(即ち、ガラス繊維の長さ)は5〜15mmであり、好ましくは6〜12mmである。薄肉成形体の製造時において、前記範囲の樹脂含浸繊維束を用いて射出成形する過程において、ガラス繊維が折れて小さくなり、0.5〜1.5mmの範囲となる。このときの射出成形条件は次のとおりである。
シリンダー温度及び金型温度:ベース樹脂によって適宜調整(シリンダー温度200〜300℃、金型温度50〜120℃)
高速射出、射出一次圧力40〜200MPa、背圧0〜10MPa、回転数20〜200rpm
前記寸法変化率は、測定試験と同一厚みの薄肉成形体が具備している性質であり、厚みが0.8〜2.0mmの範囲で異なる厚みの薄肉成形体であっても、製品として高い品質を有するもの(吸水による寸法変化率の小さいもの)を提供することができる。
これらの中でも、特に携帯電話、携帯情報端末(PDA)、スマートフォンのハウジング(アッパーケースとロウワーケースの組み合わせ)やハウジング内部に配置される内部シャーシ用として適している。
PA12-1:ダイアミドL1600(ダイセル・エボニック(株)製)
PA12-1:ダイアミドL1700(ダイセル・エボニック(株)製)
PA612:ダイアミドBS1090(ダイセル・エボニック(株)製)
PA610:ベスタミド テラ HS16(ダイセル・エボニック(株)製)
(比較用ポリアミド)
MXD6:レニー6002(三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製)
PA6T-1:VESTAMID HTplusM1000(ダイセル・エボニック(株)製)
PA6:UBEナイロン 1013B(宇部興産(株)製)
PA66:UBEナイロン 2020B(宇部興産(株)製)
(ガラス繊維)
GF−1:RS240QR−483(日東紡製)[ガラス繊維ロービング,4000本繊維束,平均繊維径17.4μm;断面形状は円形]
GF−2:CSX−3J−451S(日東紡製)[ガラス繊維チョップドストランド]
(その他の成分)
外部滑剤:St−Ca(ステアリン酸カルシウム,SC−100(堺化学工業(株)製))
装置:(株)日本製鋼所製、J−150E II
スクリュー:長繊維専用スクリュー
スクリュー径:51mm
成形条件(背圧):0.3MPa(ゲージ)
(1)成形品1:ISO多目的試験片A型形状品(厚み2mm)
ゲート形状20mm幅サイドゲート
(2)成形品2:100角平板成形品(厚み1mm)
ゲート形状10mm幅サイドゲート
(1)シャルピー衝撃試験
ISO179/1eA(エッジワイズ)に準拠した。
試験片形状:長さ80mm×幅10mm×厚み2mm ノッチ付き(深さ2mm)
[ISO多目的試験片A型形状品(厚み2mm)]からノッチングマシーン(自動ノッチ加工機
No.189-PNCA-2((株)安田精機製作所製))を使用して加工した。
成形品1を使用し、つかみ具間距離115mm、試験速度500mm/minで測定した。
成形品1を使用し、支点間距離32mm、試験速度1mm/minで測定した。
成形品1と成形品2それぞれの絶対乾燥状態の成形品質量を測定した後、それぞれ60℃の水中に96時間浸漬した。
その後、成形品1、2を取り出して、ペーパータオルで十分に水分を拭き取った後、成形品質量を測定した。
その後、23℃/50%RH雰囲気下に放置して、質量の経時変化を記録、質量変化が確認できなくなった状態を23℃/50%RH雰囲気下の飽和吸水状態、つまり吸水(吸
湿)状態とした。
水分率と寸法変化率(図1に示す矢印間の長さL)の変化率)を下記計算式から求めた。
水分率(%)=(吸水(吸湿)状態の成形品質量−絶乾状態の成形品質量)/絶乾状態の成形品質量×100
寸法変化率(%)=吸水状態の長さL/絶乾状態の長さL×100
曲げ弾性率(表1、2に示す吸水状態及絶乾状態)を「(3)曲げ試験(曲げ弾性率)」により測定した。
成形品1、2から約3gの試料を切出し、650℃で加熱して灰化させて繊維を取り出した。取り出した繊維の一部(500本)から重量平均繊維長を求めた。計算式は、特開2006−274061号公報の〔0044〕、〔0045〕を使用した。
射出成形機:S-2000i 100B (スクリュー径32),ファナック(株)製
射出成形機のホッパーにペレットを投入して、下記条件での計量時間を求めた。ばらつきについては10ショット分で確認した。計量時間(sec)は射出成形機操作パネル画面から確認した。
・計量値:40mm
・回転数:80rpm
・背圧:3MPa
・シリンダー温度:250℃
連続繊維の通路を波状に加工したクロスヘッドダイを通して、ガラス繊維ロービング(GF−1)を引きながら、熱可塑性樹脂としてPA12-1をクロスヘッドダイに接続された押出機から溶融状態(260℃)で供給して、ガラス繊維に含浸させた。
その後、賦形ダイを通してストランドとして引取り、冷却後、裁断し、ガラス繊維含有量60質量%、長さ9mmのペレット(樹脂含浸繊維束)を得た。
得られたペレットに外部滑剤としてステアリン酸カルシウム(St−Ca)200ppmを添加したものを射出成形(シリンダー温度250℃、金型温度90℃(実測))して、それぞれの測定のための試験片を作製した。
連続繊維の通路を波状に加工したクロスヘッドダイを通して、ガラス繊維ロービング(GF−1)を引きながら、熱可塑性樹脂としてPA12-1をクロスヘッドダイに接続された押出機から溶融状態(260℃)で供給して、ガラス繊維に含浸させた。
その後、賦形ダイを通してストランドとして引取り、冷却後、裁断し、ガラス繊維含有量60質量%、長さ9mmのペレット(樹脂含浸繊維束)を得た。
得られたペレットをそのまま射出成形(シリンダー温度250℃、金型温度90℃(実測))して、それぞれの測定のための試験片を作製した。
連続繊維の通路を波状に加工したクロスヘッドダイを通して、ガラス繊維ロービング(GF−1)を引きながら、熱可塑性樹脂としてPA12-1をクロスヘッドダイに接続された押出機から溶融状態(260℃)で供給して、ガラス繊維に含浸させた。
その後、賦形ダイを通してストランドとして引取り、冷却後、裁断し、ガラス繊維含有量60質量%、長さ9mmのペレット(樹脂含浸繊維束)を得た。
得られたペレットに外部滑剤としてステアリン酸カルシウム(St−Ca)200ppmを添加したものを射出成形(シリンダー温度250℃、金型温度90℃(実測))して、それぞれの測定のための試験片を作製した。この時の試験片作成成形条件の背圧を1.98MPa(ゲージ表示)とした。
表1の実施例3と他の例と比べたとき、繊維束の長さに比べて重量平均繊維長が短いのは、上記のように射出成形時の背圧が他の例の背圧(0.3MPa)よりも高い(1.98MPa)からである。このように射出成形条件を調整することで、成形体中のガラス繊維の重量平均繊維長を調整することができる。
連続繊維の通路を波状に加工したクロスヘッドダイを通して、ガラス繊維ロービング(GF−1)を引きながら、熱可塑性樹脂としてPA12-1をクロスヘッドダイに接続された押出機から溶融状態(260℃)で供給して、ガラス繊維に含浸させた。
その後、賦形ダイを通してストランドとして引取り、冷却後、裁断し、ガラス繊維含有量50質量%、長さ6mmのペレット(樹脂含浸繊維束)を得た。
得られたペレットに外部滑剤としてステアリン酸カルシウム(St−Ca)200ppmを添加したものを射出成形(シリンダー温度250℃、金型温度90℃(実測))して、それぞれの測定のための試験片を作製した。
連続繊維の通路を波状に加工したクロスヘッドダイを通して、ガラス繊維ロービング(GF−1)を引きながら、熱可塑性樹脂としてPA12-1をクロスヘッドダイに接続された押出機から溶融状態(260℃)で供給して、ガラス繊維に含浸させた。
その後、賦形ダイを通してストランドとして引取り、冷却後、裁断し、ガラス繊維含有量50質量%、長さ12mmのペレット(樹脂含浸繊維束)を得た。
得られたペレットに外部滑剤としてステアリン酸カルシウム(St−Ca)200ppmを添加したものを射出成形(シリンダー温度250℃、金型温度90℃(実測))して、それぞれの測定のための試験片を作製した。
連続繊維の通路を波状に加工したクロスヘッドダイを通して、ガラス繊維ロービング(GF−1)を引きながら、熱可塑性樹脂としてPA12-2をクロスヘッドダイに接続された押出機から溶融状態(270℃)で供給して、ガラス繊維に含浸させた。
その後、賦形ダイを通してストランドとして引取り、冷却後、裁断し、ガラス繊維含有量50質量%、長さ9mmのペレット(樹脂含浸繊維束)を得た。
得られたペレットに外部滑剤としてステアリン酸カルシウム(St−Ca)200ppmを添加したものを射出成形(シリンダー温度250℃、金型温度90℃(実測))して、それぞれの測定のための試験片を作製した。
連続繊維の通路を波状に加工したクロスヘッドダイを通して、ガラス繊維ロービング(GF−1)を引きながら、熱可塑性樹脂としてPA612をクロスヘッドダイに接続された押出機から溶融状態(280℃)で供給して、ガラス繊維に含浸させた。
その後、賦形ダイを通してストランドとして引取り、冷却後、裁断し、ガラス繊維含有量50質量%、長さ9mmのペレット(樹脂含浸繊維束)を得た。
得られたペレットに外部滑剤としてステアリン酸カルシウム(St−Ca)200ppmを添加したものを射出成形(シリンダー温度280℃、金型温度90℃(実測))して、それぞれの測定のための試験片を作製した。
連続繊維の通路を波状に加工したクロスヘッドダイを通して、ガラス繊維ロービング(GF−1)を引きながら、熱可塑性樹脂としてPA612をクロスヘッドダイに接続された押出機から溶融状態(280℃)で供給して、ガラス繊維に含浸させた。
その後、賦形ダイを通してストランドとして引取り、冷却後、裁断し、ガラス繊維含有量40質量%、長さ9mmのペレット(樹脂含浸繊維束)を得た。
得られたペレットに外部滑剤としてステアリン酸カルシウム(St−Ca)200ppmを添加したものを射出成形(シリンダー温度280℃、金型温度90℃(実測))して、それぞれの測定のための試験片を作製した。
連続繊維の通路を波状に加工したクロスヘッドダイを通して、ガラス繊維ロービング(GF−1)を引きながら、熱可塑性樹脂としてPA610をクロスヘッドダイに接続された押出機から溶融状態(290℃)で供給して、ガラス繊維に含浸させた。
その後、賦形ダイを通してストランドとして引取り、冷却後、裁断し、ガラス繊維含有量50質量%、長さ9mmのペレット(樹脂含浸繊維束)を得た。
得られたペレットに外部滑剤としてステアリン酸カルシウム(St−Ca)200ppmを添加したものを射出成形(シリンダー温度280℃、金型温度90℃(実測))して、それぞれの測定のための試験片を作製した。
熱可塑性樹脂としてPA12-1を50質量%とガラス繊維チョップドストランド(GF−2)50質量%をタンブラーブレンダーにて混合後、押出機(220℃)で溶融混練してペレット状の樹脂組成物を得た。
得られたペレットを射出成形(シリンダー温度250℃、金型温度90℃(実測))して、それぞれの測定のための試験片を作製した。
熱可塑性樹脂としてPA612を50質量%とガラス繊維チョップドストランド(GF−2)50質量%をタンブラーブレンダーにて混合後、押出機(240℃)で溶融混練してペレット状の樹脂組成物を得た。
得られたペレットを射出成形(シリンダー温度280℃、金型温度90℃(実測))して、それぞれの測定のための試験片を作製した。
連続繊維の通路を波状に加工したクロスヘッドダイを通して、ガラス繊維ロービング(GF−1)を引きながら、熱可塑性樹脂としてMXD6をクロスヘッドダイに接続された押出機から溶融状態(290℃)で供給して、ガラス繊維に含浸させた。
その後、賦形ダイを通してストランドとして引取り、冷却後、裁断し、ガラス繊維含有量50質量%、長さ6mmのペレット(樹脂含浸繊維束)を得た。
得られたペレットに外部滑剤としてステアリン酸カルシウム(St−Ca)200ppmを添加したものを射出成形(シリンダー温度280℃、金型温度130℃(実測))して、それぞれの測定のための試験片を作製した。
連続繊維の通路を波状に加工したクロスヘッドダイを通して、ガラス繊維ロービング(GF−1)を引きながら、熱可塑性樹脂としてPA6T−1をクロスヘッドダイに接続された押出機から溶融状態(340℃)で供給して、ガラス繊維に含浸させた。
その後、賦形ダイを通してストランドとして引取り、冷却後、裁断し、ガラス繊維含有量50質量%、長さ9mmのペレット(樹脂含浸繊維束)を得た。
得られたペレットに外部滑剤としてステアリン酸カルシウム(St−Ca)200ppmを添加したものを射出成形(シリンダー温度330℃、金型温度140℃(実測))して、それぞれの物性測定のための試験片を作製した。
連続繊維の通路を波状に加工したクロスヘッドダイを通して、ガラス繊維ロービング(GF−1)を引きながら、熱可塑性樹脂としてPA66をクロスヘッドダイに接続された押出機から溶融状態(320℃)で供給して、ガラス繊維に含浸させた。
その後、賦形ダイを通してストランドとして引取り、冷却後、裁断し、ガラス繊維含有量60質量%、長さ9mmのペレット(樹脂含浸繊維束)を得た。
得られたペレットに外部滑剤としてステアリン酸カルシウム(St−Ca)200ppmを添加したものを射出成形(シリンダー温度300℃、金型温度100℃(実測))して、それぞれの測定のための試験片を作製した。
連続繊維の通路を波状に加工したクロスヘッドダイを通して、ガラス繊維ロービング(GF−1)を引きながら、熱可塑性樹脂としてPA6をクロスヘッドダイに接続された押出機から溶融状態(290℃)で供給して、ガラス繊維に含浸させた。
その後、賦形ダイを通してストランドとして引取り、冷却後、裁断し、ガラス繊維含有量60質量%、長さ9mmのペレット(樹脂含浸繊維束)を得た。
得られたペレットにステアリン酸カルシウム(St−Ca)200ppmを外部滑剤として添加したものを射出成形(シリンダー温度280℃、金型温度100℃(実測))によりそれぞれの物性測定のための試験片を作成した。
連続繊維の通路を波状に加工したクロスヘッドダイを通して、ガラス繊維ロービング(GF−1)を引きながら、熱可塑性樹脂としてPA12-1をクロスヘッドダイに接続された押出機から溶融状態(270℃)で供給して、ガラス繊維に含浸させた。
その後、賦形ダイを通してストランドとして引取り、冷却後、裁断し、ガラス繊維含有量30質量%、長さ9mmのペレット(樹脂含浸繊維束)を得た。
得られたペレットに外部滑剤としてステアリン酸カルシウム(St−Ca)200ppmを添加したものを射出成形(シリンダー温度250℃、金型温度90℃(実測))して、それぞれの測定のための試験片を作製した。
連続繊維の通路を波状に加工したクロスヘッドダイを通して、ガラス繊維ロービング(GF−1)を引きながら、熱可塑性樹脂としてPA12-1をクロスヘッドダイに接続された押出機から溶融状態(270℃)で供給して、ガラス繊維に含浸させた。
その後、賦形ダイを通してストランドとして引取り、冷却後、裁断し、ガラス繊維含有量50質量%、長さ18mmのペレット(樹脂含浸繊維束)を得た。
得られたペレットに外部滑剤としてステアリン酸カルシウム(St−Ca)200ppmを添加したものを射出成形(シリンダー温度250℃、金型温度90℃(実測))しようとしたが、ペレットがスクリューに喰い込んでいかず、射出成形できなかった。
連続繊維の通路を波状に加工したクロスヘッドダイを通して、ガラス繊維ロービング(GF−1)を引きながら、熱可塑性樹脂としてPA12-1をクロスヘッドダイに接続された押出機から溶融状態(270℃)で供給して、ガラス繊維に含浸させた。
その後、賦形ダイを通してストランドとして引取り、冷却後、裁断し、ガラス繊維含有量50質量%、長さ4mmのペレットを作製しようとしたが、ペレットが割れてしまい、ペレットを得ることができなかった。
実施例4〜7と比較例3、4との対比から、本願発明とは異なるポリアミドを使用した場合には、シャルピー衝撃強度、引張強度と引張呼びひずみが明らかに劣ること(比較例3、4は要件(a)、(b)を具備できないこと)が確認できた。
なお、特許文献1の表1の比較例1、2は、PA12と、長さ4.5mm、直径10μmのガラス繊維(断面円形)を使用したものであり、樹脂含浸繊維束を使用していない例であるから、シャルピー衝撃強度の値が表2の比較例1、2と近似した結果を示しており、他の結果も同様になるものと考えられる。
Claims (4)
- ガラス長繊維を長さ方向に揃えた状態で束ね、前記ガラス長繊維の束に脂肪族ポリアミドを溶融させた状態で含浸させ一体化した後に、5〜15mmの長さに切断した樹脂含浸繊維束を含む樹脂組成物から得られる、厚みが0.8〜2.0mmで、含有されているガラス繊維の重量平均繊維長が0.5〜1.5mmである薄肉成形体であり、
前記樹脂含浸繊維束が、脂肪族ポリアミドとしてPA11、PA12、PA610、PA612から選ばれるものを含有し、前記脂肪族ポリアミドの結晶化温度を2℃以上低下させる物質を含まず、ガラス繊維の含有量が40〜70質量%のものであり、
前記樹脂組成物が、それから得られる成形体が下記の(a)及び(b)の要件を満たし、さらに前記樹脂組成物が、それから得られる成形体の吸水による寸法変化率が0.05%以下(23℃/50%RH雰囲気下の飽和吸水状態)を満たすものである薄肉成形体。
(a)ISO多目的試験片(A形、厚さ2mm)を用いて500mm/minで引張試験をした場合の引張呼びひずみが2.0%以上であり、かつ絶乾状態での曲げ弾性率が10GPa以上であること。
(b)シャルピー衝撃強度(ISO179/1eA(エッジワイズ)に準拠した(試験片厚さ2mm、ノッチ有り))が30kJ以上であること。 - 前記樹脂組成物が、樹脂含浸繊維束と滑剤が混合されたものである、請求項1記載の薄肉成形体。
- 薄肉成形体が電子機器のハウジング又は内部シャーシ用であり、電子機器のハウジング又は内部シャーシが、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、スマートフォンのハウジング又は内部シャーシである請求項1又は2記載の薄肉成形体。
- 請求項1〜3のいずれか1項記載の薄肉成形体の製造方法であって、
前記樹脂組成物を溶融させた後、射出成形して成形するとき、射出成形用金型としてピンゲートを有するものを使用する薄肉成形体の製造方法。
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