JP5733689B2 - 洗浄水供給装置、この洗浄水供給装置を備えた洗浄水タンク装置、及び、この洗浄水タンク装置を備えた水洗大便器 - Google Patents
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また、このような従来の洗浄水供給装置では、洗浄水タンクの排水弁が開弁してから洗浄水タンクの水位の下降が開始して排水弁が閉弁するまでの間に、給水弁が開弁して洗浄水タンク内に給水され、予め洗浄水タンクに貯水されていた水と共に便器に流される洗浄水、いわゆる「追っかけ水」を低減するために、小タンクの底面に形成された開口を開閉する開閉弁(逆止弁)が設けられている。
このような開閉弁は、小タンクの底面の開口以外に形成された取付穴に一部が挿入されて取り付けられる構造となっており、この取付穴に挿入して取り付けられる開閉弁の支持部が小タンクの取付穴に対して上下方向に摺動可能となっている。
しかしながら、小タンクの開口以外にも取付穴から洗浄水が流出する構造となっているため、小タンクをコンパクトに設計する程、小タンクの取付穴から流出する洗浄水が、給水タイミングに大きく影響するため、給水のタイミングのばらつきの要因にもなるという問題がある。
給水のタイミングのばらつきとしては、例えば、洗浄水タンクから便器に洗浄水が供給されているときに、給水のタイミングが所望のタイミングよりも早まって給水が行われた場合には、この給水された洗浄水が予め洗浄水タンクに貯水されていた洗浄水と共に便器に無駄水として流される、いわゆる「追っかけ水」が発生するという問題や、給水のタイミングが所望のタイミングよりも遅くなって給水が行われた場合には、洗浄水タンクの貯水に時間がかかってしまうという問題がある。
このように構成された本発明においては、開閉弁を取り付けるための取付穴の周囲を取り囲むように上方に延びる筒体が小タンクの底面に形成されていることにより、小タンク内の洗浄水が開閉弁の取付穴から流出することを防ぐことができ、給水部から洗浄水タンク内への給水のタイミングを適切に制御することができる。したがって、洗浄水タンクから便器に洗浄水が供給されているときに、給水のタイミングが所望のタイミングよりも早まって給水が行われ、この給水された洗浄水が予め洗浄水タンクに貯水されていた洗浄水と共に便器に無駄水として流される、いわゆる「追っかけ水」が発生することを防ぐと共に、或いは給水のタイミングが所望のタイミングよりも遅くなって洗浄水タンクの貯水に時間がかかってしまうことを防ぐことができる。さらに、筒体の上端部が上方に開放されていても、フロートが止水時に上昇して小タンク内の洗浄水による浮力と釣り合う位置にあるときに、フロートの下端部よりも上方に位置しているため、小タンク内から筒体内部への水の進入を防ぐことができ、開閉弁を取り付けるための取付穴から小タンク内の洗浄水が流出することを防ぐことができる。したがって、給水部から洗浄水タンク内への給水のタイミングを適切に制御することができる。また、筒体をシンプルで且つコンパクトな構造にすることができる。さらに、筒体がフロートの内部に配置されているため、筒体がフロートと干渉することがなく、フロートの動作不良を防ぐことができる。
このように構成された本発明においては、開閉弁が小タンクに対して最も下降したときに、開閉弁の支持部の係止部が筒体の上端部に係止することにより、開閉弁が小タンクから脱落することを防ぐことができる。また、この開閉弁の支持部の係止部は、筒体の上端部自体に係止するため、開閉弁の支持部の係止部を係止するための手段を別途設ける必要がなく、シンプルな構造にすることができる。
このように構成された本発明においては、給水部から洗浄水タンク内への給水のタイミングを適切に制御することができる洗浄水タンク装置を提供することができる。
このように構成された本発明においては、給水部から洗浄水タンク内への給水のタイミングを適切に制御することができる水洗大便器を提供することができる。
まず、図1により、本発明の第1実施形態による洗浄水供給装置を備えた洗浄水タンク装置が適用された水洗便器について説明する。
図1は、本発明の第1実施形態による洗浄水供給装置を備えた洗浄水タンク装置が適用された水洗大便器において、便座及び便蓋を取り外した状態を示す斜視図である。
便器本体2のボウル部4の上縁部には、内側にオーバーハングしたリム8と、便器本体2の後方側の内部に形成される導水路(図示せず)から供給される洗浄水を吐水する第1吐水口10が形成され、この第1吐水口10から吐水された洗浄水は、旋回しながら下降してボウル部4を洗浄するようになっている。
また、ボウル部4の溜水面W0の上方位置には、便器本体2の後方側の内部に形成される導水路(図示せず)から供給される洗浄水を吐水する第2吐水口14が形成され、この第2吐水口14から吐水される洗浄水が溜水部12の溜水を上下方向に旋回させる旋回流を生じさせるようになっている。
なお、本実施形態では、上述したサイホン式の水洗大便器に洗浄水タンク装置16を適用した例について説明するが、このようなサイホン式の水洗大便器に限定されず、ボウル部内の水の落差による流水作用で汚物を押し流す、いわゆる、洗い落し式の水洗大便器等の他のタイプの水洗便器にも適用可能である。
図2は、本発明の第1実施形態による洗浄水供給装置を備えた洗浄水タンク装置の内部構造を示す正面断面図である。なお、図2においては、貯水タンクの満水水位、止水水位及び死水水位のそれぞれをWL0、WL1及びDWLで示している。また、洗浄水供給装置22による給水が開始される貯水タンク18内の水位及び小タンク内の水位のそれぞれをWL2及びwlでそれぞれ示している。
図1及び図2に示すように、洗浄水タンク装置16は、水洗大便器1を洗浄する洗浄水を貯水する貯水タンク18を備え、この貯水タンク18の底部には、便器本体2の導水路(図示せず)と連通する排水口20が形成され、貯水タンク18内の洗浄水が便器本体2の導水路(図示せず)へと供給されるようになっている。また、貯水タンク18は、便器の種類に応じて、貯水する洗浄水の量が異なっている。
まず、図3は本発明の第1実施形態による洗浄水供給装置を示す分解斜視図であり、図4は本発明の第1実施形態による洗浄水供給装置を示す正面断面図である。なお、図4においては、貯水タンクの満水水位、止水水位及び死水水位のそれぞれをWL0、WL1及びDWLで示している。また、洗浄水供給装置22による給水が開始される貯水タンク18内の水位及び小タンク内の水位のそれぞれをWL2及びwlでそれぞれ示している。
また、図5は本発明の第1実施形態による給水時(開弁時)の状態の洗浄水供給装置について部分的に拡大した部分拡大断面図であり、図6は本発明の第1実施形態による止水時(閉弁時)の状態の洗浄水供給装置について部分的に拡大した部分拡大断面図である。
なお、図4及び図5については、一次側給水路及び二次側給水路内の給水の流れを矢印で示している。
また、洗浄水供給装置22は、給水管30に着脱可能に取り付けられる小タンク34と、この小タンク34の底面34aに形成された逆止弁取付用の取付穴34bに取り付けられ且つ小タンク34の底面34aに形成された2つの小穴34cを開閉する逆止弁36と、小タンク34内に設けられて小タンク34内の水位の変動に応じて上下動するフロート38と、一方がフロート38に接続されると共に他方が給水バルブ32に接続され、フロート38が上下動することにより、給水バルブ32の近傍の支点Pを中心に揺動して給水バルブ32を開閉させる揺動部材40とを備えている。
さらに、洗浄水供給装置22は、給水管30の上方且つ側方に固定されて給水管30に対する小タンク34の上下方向の位置を調整することができる小フロート位置調整用の固定軸部材42と、揺動部材40の先端部とフロート38とを接続するように取り付けられ、フロート38のほぼ中央部に形成された取付穴38aに螺合されて揺動部材40の先端部とフロート38との鉛直方向の相対位置を調整可能な調整用軸部材44とを備えている。
さらに、この給水路形成部材46の1次側給水路46a内には、給水をろ過するためのフィルター部材48が取り付けられている。
また、給水路形成部材46の上下方向に延びる1次側給水路46aと給水路形成部材46の水平方向に延びる2次側給水路46bとの間に介在するように、ダイアフラム式の給水バルブ32が設けられている。
図5及び図6に示すように、給水バルブ32は、水平方向に延びる中心軸A1を持つバルブハウジング32aと、このハブルハウジング32aの中心軸A1に取り付けられ且つこの中心軸A1に沿って図5及び図6の左右方向に移動可能なダイアフラム32bと、このダイアフラム32bに取り付けられ、バルブハウジング32a内においてダイアフラム32bと共に一体的に図5及び図6の左右方向に移動可能な弁体32cとを備えている。
なお、図5においては、小タンク34内の水位がほぼ零となり、フロート38が最低位置まで下降するように揺動部材40が支点Pを中心に揺動した結果、弁部材40aが給水バルブ32のパイロット穴32fを開放し、弁体32cが図5の左側に移動し、給水路形成部材46の2次側給水路46bの上流側端部に位置する弁座46cを開放した状態(給水状態)を示している。
一方、図6においては、フロート38が最高位置まで上昇するように揺動部材40が支点Pを中心に揺動した結果、弁部材40aが給水バルブ32のパイロット穴32fを閉鎖することにより、弁体32cが図6の右側に移動し、2次側給水路46bの上流側端部に位置する弁座46cを閉鎖した状態(止水状態)を示している。
図7は、本発明の第1実施形態による洗浄水供給装置の小タンクを示す斜視図であり、図8は、本発明の第1実施形態による洗浄水供給装置の小タンクを示す平面図であり、図9は、図5に示す本発明の第1実施形態による洗浄水供給装置の小タンク、フロート、及び逆止弁の部分を拡大して示す部分拡大断面図である。
なお、上述した筒体部34fについては、その内壁34gが小タンク34の底面34aの取付穴34bから連続的に上方へ延びるような形態に限られず、筒体部34fの内壁が、小タンク34の底面34aの取付穴34bの径方向外側に向って所定距離だけ離間した位置から上方に延びるように形成されていてもよい。
また、図5、図6及び図9に示すように、フロート38の下方のみが開口している形状となっており、フロート38の内部空間には、この内部空間内の空気と小タンク34内の洗浄水により浮力を発生させる浮力発生部38bを備えている。
また、図6は、フロート38が止水時に上昇して小タンク34内の洗浄水による浮力と釣り合う位置にあるときの小タンク34内の水位を符号wl0で示している。このとき、フロート38の内部空間(浮力発生部38b)内に空気が滞留しており、フロート38の内部空間内に小タンク34内の洗浄水がほとんど流入していないが、フロート38の下端部38c付近の洗浄水の水圧により、この小タンク34内の水位wl0は、フロート38の下端部38cよりもわずかに上方に位置している。
また、この小タンク34内の水位wl0は、実質的には、図2に示す洗浄水供給装置22による給水が開始される小タンク34内の水位wlに相当している。
なお、これらの小穴34cについては、小タンク34の筒体部34fの基端部に対して前側と後側に位置する領域にそれぞれ配置してもよい。
なお、以下、本発明の第1実施形態による排水弁装置を備えた洗浄水タンク装置により実行される大洗浄モードと小洗浄モードの2種類の洗浄モードのうち、大洗浄モード時の操作ワイヤ28による排水弁装置24の弁体(図示せず)の引き上げ量が小洗浄モード時よりも大きくなり、貯水タンク18の排水口20を開放している時間が長い点と、大洗浄モード時の死水水位DWLが小洗浄モード時よりも低くなる点以外については、大洗浄モードと小洗浄モードの基本動作は共通しているため、大洗浄モードについてのみ説明する。
これにより、図9に流れfで示すように、小タンク34の底面34aの小穴34cから小タンク34内の洗浄水が流出し、小タンク34内の水位が小タンク34の上縁34iの高さと同一の満水水位から低下し始める。このとき、小タンク34内の水位が給水開始水位wl0に低下するまでは、小タンク34内の洗浄水によってフロート38の浮力発生部38bに作用している浮力がフロート38の自重を上回るため、フロート38は依然として上昇して静止した状態に維持される。ここで、小タンク34内の給水開始水位wl(wl0)は、貯水タンク18内の水位WL2よりも高くなっている。
そして、貯水タンク18内の水位が水位WL2まで上昇すると、逆止弁36が上昇して小タンク34の小穴34c及び取付穴34cを閉止する。
このとき、小タンク34内の水位は依然として零となっているが、貯水タンク18内の水位がさらに上昇して小タンク34の上縁34iを乗り越えて小タンク34内に流入すると、この小タンク34内の水位が急激に上昇し、フロート38を迅速に上昇させて給水バルブ32を速やかに止水する。
さらに、逆止弁36を取り付けるための取付穴34bから小タンク34内の洗浄水が流出することを防ぐ手段として、小タンク34の底面34aに設けた単純な筒状の構造である筒体部34fを採用することにより、シンプルで且つコンパクトな構造にすることができる。
また、図9に示すように、筒体部34fがフロート38の内部空間(浮力発生部38c)に配置されており、フロート38が小タンク34に対して最も下降した状態であっても、小タンク34の筒体部34fや逆止弁36の支持部36aの先端部(係止部36d)がフロート38と接触することがないため、筒体部34fがフロート38と干渉することがなく、フロート38の動作不良を防ぐことができる。
図10は本発明の第2実施形態による洗浄水供給装置の小タンク、フロート及び逆止弁を示す断面図である。
なお、図10において、上述した本発明の第1実施形態による洗浄水供給装置の部分と同一部分については同一の符号を付し、これらの説明は省略する。
また、本実施形態による洗浄水供給装置122においては、小タンク134の底面134aの逆止弁取付用の取付穴134bの周囲を取り囲むように上方に延びるように形成された筒体部134fを備え、この筒体部134fがフロート138の内部空間(浮力発生部138b)の外側に配置されている。
なお、本実施形態では、フロート138が止水時に上昇して小タンク134内の洗浄水による浮力と釣り合う位置にあるときの小タンク34内の水位wl0が小タンク134の上縁134iよりも低い位置に設定されている形態について説明したが、他の形態として、小タンク34内の水位wl0が小タンク134の上縁134i(小タンク134の満水水位)に達したときに、止水時のフロート138が小タンク134内の洗浄水による浮力と釣り合うように設定してもよい。このような他の形態の場合においても、止水時に小タンク134内の水位wl0が満水水位であるときにも、小タンク134内から筒体部134fの内部への水の進入を防ぐことができ、逆止弁136を取り付けるための取付穴134bから小タンク134内の洗浄水が流出することを防ぐことができる。
図11は、本発明の第3実施形態による洗浄水供給装置の小タンク、フロート及び逆止弁を示す断面図である。
なお、図11において、上述した本発明の第1実施形態による洗浄水供給装置の部分と同一部分については同一の符号を付し、これらの説明は省略する。
また、本実施形態による洗浄水供給装置222においては、小タンク234の筒体部234fは、その上方が閉鎖されるように形成された上端部234hを備えている。
2 便器本体
4 ボウル部
6 トラップ管路
6a 排水トラップ管路の入口
8 リム
10 第1吐水口
12 溜水部
14 第2吐水口
16 洗浄水タンク装置
18 貯水タンク
18a 貯水タンクの底面
20 排水口
22 洗浄水供給装置
24 排水弁装置
26 操作レバー
28 操作ワイヤ
30 給水管(給水部)
30a 1次側給水路
30b 2次側給水路
30c 2次側給水路の流出口
30d 給水管の側面
32 給水バルブ(給水弁、給水部)
32a バルブハウジング
32b ダイアフラム
32c 弁体
32d ブリード穴
32e 背圧室
32f パイロット穴
34 小タンク
34a 底面
34b 逆止弁取付用の取付穴
34c 小穴
34d 給水管取付部
34e 固定部
34f 筒体部(筒体)
34g 筒体部の内壁
34h 筒体部の上端部
34i 小タンクの上縁
36 逆止弁(開閉弁)
36a 支持部
36b 弁部
36c 浮力発生部
36d 係止部
38 フロート
38a 調整用軸部材取付け用の取付穴
38b フロートの浮力発生部
38c フロートの下端部
40 揺動部材
40a 弁部材
42 固定軸部材
44 調整用軸部材
46 給水路形成部材
46a 一次側給水路
46b 二次側給水路
46c 弁座
48 フィルター部材
50 補給水装置
50a 補給水管
Claims (4)
- 便器の洗浄水タンクに洗浄水を供給する洗浄水供給装置であって、
外部の給水源に上流側が接続された給水管と、この給水管から供給される洗浄水の洗浄水タンク内への給水及び止水を切り替える給水弁と、を備えた給水部と、
この給水部に取り付けられて洗浄水を貯水する小タンクであって、この小タンク内の洗浄水を流出させる小穴が形成された上記小タンクと、
この小タンク内に設けられ、上記小タンク内の水位の変動に応じて上下動することにより上記給水弁を開閉させるフロートと、
上記小タンクの底面に形成された取付穴に取り付けられ、上記洗浄水タンク内の水位の変動に応じて上下動することにより上記小タンクの小穴を開閉する開閉弁と、を有し、
上記開閉弁は、上記洗浄水タンク内の洗浄水により浮力を発生させる浮力発生部と、上記取付穴に挿入されて上記浮力発生部による浮力に応じて上下方向に摺動可能な支持部と、上記洗浄水タンク内の水位の変動に応じて上下動することにより上記小タンクの小穴を開閉する弁部と、を備え、上記小タンクの底面には、上記取付穴の周囲を取り囲むように上方に延びる筒体が形成され、
上記筒体は、その上方が開放されるように形成された上端部を備え且つ上記フロートの内部に配置され、上記筒体の上端部は、上記フロートが止水時に上昇して上記小タンク内の洗浄水による浮力と釣り合う位置にあるときに、上記フロートの下端部よりも上方に位置していることを特徴とする洗浄水供給装置。 - 上記開閉弁の支持部は、上記開閉弁が上記小タンクに対して最も下降したときに上記筒体の上端部に係止する係止部を備えている請求項1記載の洗浄水供給装置。
- 請求項1又は2に記載の洗浄水供給装置を備えた洗浄水タンク装置。
- 上記請求項3記載の洗浄水タンク装置を備えた水洗大便器。
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