JP5733496B2 - 青果物包装トレイのラップシート - Google Patents

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Description

本発明は、イチゴやぶどう等の青果物を収納して店頭に陳列する際の包装材に関し、とくに包装トレイの上面開口を被うラップシートに関するものである。
例えば、イチゴやぶどう等の青果物を店頭販売する際には、プラスチック製の深底トレイが使用される。そして、一般的には青果物を収納して透明なラップシートで被って封止される。このようなラップシートでトレイの開口部を被う場合、通常は接着テープを用いて容器の外側に貼着する(特許文献1参照)。また、特許文献2には、トレイの開口を被い、トレイの周面又は底面に延びる樹脂製フィルムの被覆片と、周面方向への延長片の反対側に被覆片より幅が広くトレイの一側全面にかぶさるガゼット折り袋部とを一体に連接し、トレイの一部をこの袋部に套嵌して装着するようにしたものが、特許文献3には、果実や野菜等の青果物が収納され、かつ底壁と上方に向けて外側方に広がるようにテーパ状に傾斜した前後左右の側壁とを有する上端が、開口した透明ビニール製トレイに、その開口部を被うように装着される青果物用パックフィルムが開示されている。
また、従来ラップシートでトレイを被う際に、セロハンテープ等の接着テープを使用して貼り付ける作業が非常に面倒であったため、剥離自在の離型紙を装着した貼着部をラップシートの両側に予め塗布加工したものが開発され、迅速かつ美観も良好にラップできるようになってきている。しかしながら、その開封に際してラップシートの接着部全面がトレイに強固に貼り付いてしまうため、開封する際に意外と剥がし難く、不均等に力が加わるとトレイが転倒したり、収納物が飛び出したりするという不具合が生じることがある。シートを刃物で切断したり、そのまま人手で引き裂く場合もあるが、刃物使用による安全性や人力によるフィルム剛性による手切れ難さに問題が残る。そこで、例えば、飲料ボトルのシュリンク包装体のミシン目に凸部や摘み片を付して被覆シートを裂き易くし開封性を改善したものなどがある(特許文献4、特許文献5参照。)。
実公平1−36775号公報 実開昭62−203855号公報 特許第2807163号公報 実開平5−77059号公報 特許第2922413号公報
飲料ボトルのシュリンク包装などは、その被覆シートにミシン目が入っていて一見すると裂き易く見えるが、ミシン目へのガイドがないため、それほどうまく引き裂けないという難点がある。本発明もまた、上記従来技術の課題に鑑み、人手による引き裂き性に優れ、ラップの開封を容易かつ確実に行うことができ、開封時のトレイの転倒や収納物の落下を防止することができる青果物包装トレイのラップシートを提供することを目的とする。
このため本発明は、果実や野菜等の青果物が収納され、上面が開口し、底面と該底壁から上方に向けて拡大するテーパ状に傾斜した前後左右の側壁とを有するトレイの前記開口を被覆する青果物包装トレイのラップシートであって、矩形透明フィルムシートの左右側辺裏面に前記トレイへの貼着部を形成すると共に、天地側辺の片側辺縁の一箇所のみに引き裂き用切り欠きを形成したことを第1の特徴とする。また、引き裂き用切り欠きが、ラップシートの天地側辺の略中央に設けられていることを第2の特徴とする。さらに、引き裂き用切欠きが、スリットであることを第3の特徴とする。
本発明によれば、切欠きを起点にして引き裂き力を付与すると抵抗なく一気に開封でき、開封性が極めて改善される。また、この切り欠き加工は既設装置の切断加工刃やミシン目加工刃を変更するだけで容易に実施できるので、経済的である。
本発明に係るラップシートの一実施例を示す斜視図である。 (a)は図1のラップシートの平面図、(b)は他の実施例を示す平面図である。 本発明に係るラップシートの他の実施例を示す平面図である。 本発明に係るラップシートの製造工程の一部を示す平面図である。
以下、本発明に係る青果物包装トレイのラップシートの実施形態を図面に示す実施例に基づいて説明する。
図1乃至図3に示すように、本発明に係るラップシート1は、イチゴやぶどうなどの青果物Fを店頭に陳列する際に使用されるプラスチック製の深底トレイ4の上面開口4aを被うための透明樹脂製フィルムで、例えば、延伸加工によりフィルム状に形成されたポリスチレン又はポリプロピレン等の合成樹脂からなり、青果物Fを収容した状態のトレイ4の上面開口4aを被う被覆部と、この被覆面の左右の折返し部とから横長矩形のシート状に一体に形成されており、折返し部の端部裏面には一対の貼着部2が形成されている。
すなわち、トレイ4は、底壁4cと、この底壁4cから上方に向けて拡大するテーパ状に傾斜した前後左右の側壁4bとを有し、これら左右の側壁4bに前述したラップシート1の左右側辺1c、1dに設けた貼着部2が貼着して封止される。粘着部2には、その粘着面にライナー2aが剥離自在に貼り付けられている。
ラップシート1は全体が上面開口4aの内法と同程度の寸法にされ、左右いずれか一方の貼着部2をトレイ1の側壁4bに貼り付け、これと逆方向に引っ張りながら他方の貼着部2をトレイ1の側壁4bに貼り付ける。これによりラップシート1は上面開口1aに水平且つ適度な張力を持って貼り付けることができ、トレイ4内部に収納された青果物Fを適度に押圧してその振動を防止することができる。また、ラップシート1の被覆面の表面には当該トレイ4に収納される果菜の品名、商標、販売者名、広告画像等が印刷される。
そして、ラップシート1の天地側辺縁1aにはシート1を開封するための引き裂き用の略V字状の切欠き(切込み)3が設けられ、切欠き3を起点にして人手により引き裂き力を付与するとシート1は抵抗なく一気に破断して極めて容易に開封することができる。尚、この切欠き3は、天地側辺1a、1bの少なくとも片側辺縁の一箇所のみに形成されていればよく、所期の効果は充分に得られるが、図3に示すように、天地側辺1a、1bが遊端である場合は、その略中央、すなわち被覆面の略中央に設けると、左右にバランス良く力が加わり、トレイが極めて安定した状態で開封することができて好ましい。しかしながら、通常、トレイ4にはイチゴやぶどうが盛り上がった状態で収容されるので、果実等が溢れ落ちることを防止するため天地が別途接着テープにより封止される場合があることを鑑みると、切欠き3はシート辺の中央部分を避けて設ける方が実用的ではある。尚、図3に示すように、切欠き(切込み)3は単純な形状のスリットでもよい。

次に、ラップシート1の製造に際しては、図4に示すように、シート状の原反に印刷し、貼着部2を加工した後、順次移動して裁断したりミシン目を入れることは従来と同様であるが、従来は単に直線状の切断刃やミシン刃を用いていたのに対し、本発明ではこれらの刃の一部に所望する切欠き3の形状の突起部をつくることで自動的に加工できる。すなわち、既設装置の切断加工刃やミシン目加工刃を変更するだけで容易に実施できるので製造コストも安価である。
1 ラップシート
1aラップシートの天側辺
1bラップシートの地側辺
1cラップシートの左側辺
1dラップシートの右側辺
2 貼着部
2aライナー
3 切欠き
4 青果物包装トレイ
4aトレイの上面開口
4bトレイの側壁
4cトレイの底壁
5 ミシン目
F 青果物

Claims (3)

  1. 果実や野菜等の青果物が収納され、上面が開口し、底面と該底壁から上方に向けて拡大するテーパ状に傾斜した前後左右の側壁とを有するトレイの前記開口を被覆する青果物包装トレイのラップシートであって、矩形透明フィルムシートの左右側辺裏面に前記トレイへの貼着部を形成すると共に、天地側辺の片側辺縁の一箇所のみに引き裂き用切り欠きを形成したことを特徴とする青果物包装トレイのラップシート。
  2. 引き裂き用切り欠きが、ラップシートの天地側辺の略中央に設けられていることを特徴とする請求項1記載の青物物包装トレイのラップシート。
  3. 引き裂き用切欠きが、スリットであることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の青果物包装トレイのラップシート。
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