JP5731859B2 - 干渉除去装置、レーダ装置、及び干渉除去方法 - Google Patents
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Description
このような干渉波の除去には、非線形なフィルタ、例えば、メディアンフィルタやランクフィルタなどが用いられている(例えば、特許文献1)。
また、スイープデータの量子化の度合い細かくしても、上記のように、メディアンフィルタやランクフィルタを用いるとスイープデータが平滑化されてしまい、エコーの小さい変化が失われたり、小さいエコーが消えたりしてしまうことがある。すなわち、スイープデータの量子化の度合いを細かくしても、その変更に見合った分解能の向上が得られないという問題がある。
これにより、方位方向の相関の算出には、1回前に算出したフィルタ出力値を記憶すればよいので、過去の情報を記憶するために用いるメモリ使用量を削減することができる。
また、干渉であるか否かの判定結果に基づいて、入力されるスイープデータ値を出力するので、情報量を維持することができ、分解能の低下を防ぐことができる。
送受信制御部1は、自装置が具備している空中線部2の送受信の制御を行う。
空中線部2は、送受信制御部1の制御に応じて、予め定められた回転周期で回転するアンテナから電波を送信し、物標などで反射した電波を受信し、受信した電波の電力レベル(振幅)に応じた受信信号をA/D変換部3に出力する。
レーダ信号処理部4は、誤警報確率をある一定水準以下に抑圧するCFAR(Constant False Alarm Rate)処理を入力されたデジタル信号に対して行う。また、レーダ信号処理部4は、CFAR処理を施したデジタル信号に対して、アンテナの回転方向(方位方向)に隣接するデータ間における干渉除去を行い、その結果をスイープメモリ部5に記憶させる。スイープメモリ部5には、反射波の受信電力レベルをデジタル化したデータが時系列順に記憶される。
ジャイロインターフェース部8は、自装置が設置されている船舶の針路を検出し、検出した針路を示す情報を距離角度信号制御部7に出力する。
距離角度信号制御部7は、空中線回転信号生成部6から入力されるパルス信号と、ジャイロインターフェース部8から入力される情報とから角度を算出し、算出した角度を示す情報を座標変換部9に出力する。
座標変換部9は、距離角度信号制御部7が算出した角度と、速度情報入力部10に入力された速度情報とに基づいて、表示メモリ部11における読み出しアドレス及び書き込みアドレスを算出する。換言すると、座標変換部9は、アンテナの方位、自船の針路、及び、速度情報に基づいて算出される自船の位置を用いて、極座標系から直交座標系への変換を行い、表示メモリ部11に記憶されているデータのうち、スイープメモリ部5に記憶されているデータに対応するデータを選択する読み出しアドレス及び書き込みアドレスを算出する。
画像合成部15は、表示メモリ部11に記憶されているデータと、グラフィックメモリ部14に記憶されている表示データとを合成し、合成したデータを表示部16に出力する。
表示部16は、画像合成部15から入力されたデータを画像として表示する。表示部16は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display;液晶表示装置)などである。
ノイズレベル調整部40は、A/D変換部3から出力されるデジタル信号の振幅を適切なレベルに調整して、レーダ装置における空中線部2の受信機におけるノイズなどを除去し、ノイズなどを除去したデジタル信号を出力する。ここで、ノイズレベル調整部40における適切なレベルとは、スイープごとに計測された雑音信号のレベルに基づいて算出されるレベルであり、雑音信号を除去することができるレベルのことである。
区分閾値記憶部451は、入力されるスイープデータ値の取り得る値に対する下限値から上限値までの数値範囲を区分するための複数のしきい値が記憶されている。例えば、区分閾値記憶部451には、数値範囲が0〜43である場合に、当該数値範囲を6つに区分された級に分けるように、各級の上限値(2、9、17、25、33、43)が小さい順に記憶されている。
級選択部452は、区分閾値記憶部451に記憶されている複数の上限値に基づいて、スイープデータ値の取り得る値に対する下限値から上限値までの数値範囲を区分した複数の級のうち、入力されるスイープデータ値に対応する級を選択し、選択した級をフィルタ処理部453に出力する。
フィルタ結果記憶部46は、平滑化フィルタ部45が有するフィルタ処理部453がフィルタ出力値を算出するたびに、算出されたフィルタ出力値を記憶する。
干渉候補判定部471は、干渉除去部42に入力されるスイープデータ値に対して平滑化フィルタ部45が算出したフィルタ出力値が、連なりしきい値以下である場合、当該スイープデータ値を干渉候補であると判定し、フィルタ出力値が連なりしきい値以下でない場合、当該スイープデータ値を干渉候補でないと判定する。すなわち、干渉候補判定部471は、スイープ間において、級値が1以上であるスイープデータ値の連続する数が、連なりしきい値以下である場合に、スイープデータ値を干渉の候補としている。
エッジ検出部472は、今回のフィルタ出力値が前回のフィルタ出力値より大きい場合、立ち上がりエッジを検出する。一方、エッジ検出部472は、今回のフィルタ出力値が前回のフィルタ出力値以下の場合、立ち上がりエッジを検出しない。
ここで、方位方向に隣接するスイープデータ値とは、空中線部2におけるアンテナの回転方向(方位方向)に隣接するスイープデータ値であって、1つの前のスイープにおけるスイープデータ値のうち、距離方向における距離が一致するスイープデータ値である。
命令記憶部455には、前回フィルタ処理部453が算出したフィルタ出力値(級を示す値)と、級選択部452が選択した級を示す値との組合せそれぞれに、今回のフィルタ出力値を算出する演算を示す命令コードが対応付けられた命令テーブルが予め記憶されている。命令テーブルには、前回算出されたフィルタ出力値と、今回入力されるスイープデータ値に対応する級を示す値とから、スイープデータ値の方位方向の相関を示す値を算出する命令コードが対応付けられている。
演算部457は、命令読出部456から入力された命令コードに基づいて、前回フィルタ処理部453が算出したフィルタ出力値と、級選択部452から出力されたフィルタ出力値とから今回のフィルタ出力値を算出する。
フィルタ処理部453は、フィルタ結果記憶部46に記憶されている前回のフィルタ出力値を読み出し、読み出した前回のフィルタ出力値と、級選択部452が選択した級値とから今回のフィルタ出力値を算出する平滑化フィルタ処理を行い、今回のフィルタ出力値をフィルタ結果記憶部に記憶させる(ステップS2)。
一方、今回のフィルタ出力値が連なりしきい値以下である場合(ステップS3:No)、干渉抑圧部47は、立ち上がりエッジの検出を行う(ステップS4)。
一方、ステップS4において、立ち上がりエッジを検出した場合(ステップS4:Yes)、干渉抑圧部47は、予め定められた抑圧値を出力する(ステップS6)。
干渉除去部42において、1スイープに含まれる各スイープデータ値に対して上述のステップS1からステップS6までの処理が繰り返して行われる。
これにより、干渉除去部42は、方位方向の相関の算出に、1回前に算出したフィルタ出力値を記憶すればよいので、過去の情報を記憶するために用いるメモリ使用量を削減することができる。その結果、干渉を除去する処理をASICに実装する場合に、ASICのチップサイズを削減することができ、ASICチップの製造コストを削減することができる。また、干渉でないと判定された場合、入力されるスイープデータ値をそのまま出力するので、スイープデータ値の情報量を損なうことなく、干渉の除去を行うことができる。
また、今回の入力されるスイープデータ値に対応する級が、前回の算出されたフィルタ出力値(級)と同じ組合せに対して、前回の算出されたフィルタ出力値を出力する演算が命令コードとして対応付けられている。
また、今回の入力されるスイープデータ値に対応する級が、前回の算出されたフィルタ出力値(級)より大きい組合せに対して、前回の算出されたフィルタ出力値に「1」を加算した値を今回のフィルタ出力値とし出力する演算が命令コードとして対応付けられている。
干渉除去部42において、図5(a)に示すように、「42,41,42,43,0,0,0,14,20,28,31,31,31,31,20,14,9,0」が順にスイープデータ値として干渉除去部42に入力されると、級選択部452は、図5(b)に示すように、入力された各スイープデータ値に対して、「5,5,5,5,0,0,0,2,3,4,4,4,4,4,3,2,1,0」を対応する級を示す値(級値)として出力する。
干渉候補判定部471は、演算部457が算出したフィルタ出力値が、連なりしきい値「2」以下である場合に、入力されたスイープデータ値が干渉候補であると判定し、連なりしきい値「2」以下でない場合に、入力されたスイープデータ値が干渉候補でないと判定する。干渉候補判定部471は、図5(d)で示されるフィルタ出力値に対して干渉候補であるか否かの判定を行い、図5(e)に示すように、「1,1,1,1,1,1,1,1,0,0,0,0,0,0,0,1,1,1」を出力する。ここでは、干渉候補判定部471は、干渉候補である場合「1」を出力し、干渉候補でない場合「0」を出力している。
干渉判定部473は、干渉候補判定部471が出力した判定結果と、エッジ検出部472が出力した検出結果とに基づいて、入力されたスイープデータ値が干渉であるか否かの判定を行い、図5(g)に示す判定結果「1,1,1,1,0,0,0,1,0,0,0,0,0,0,0,0,0,0」を得る。ここでは、「1」が干渉であることを示し、「0」が干渉でないことを示している。干渉判定部473は、図5(g)に示す判定結果に基づいて、図5(h)に示すように「0,0,0,0,0,0,0,0,20,28,31,31,31,31,20,14,9,0」が干渉除去後のスイープデータ値として出力される。
上述のように、干渉除去部42において、平滑化フィルタ部45が、前回のフィルタ出力値と、今回のスイープデータ値に対応する級値とから、方位方向におけるスイープデータ値の連なり具合(相関)を算出し、干渉抑圧部47が平滑化フィルタ部45により算出された今回のフィルタ出力値と、前回のフィルタ出力値とから、今回のスイープデータ値が干渉であるか否かを判定して、出力値を選択することにより、干渉を除去することができる。
Claims (5)
- スイープデータ値が取り得る値に対する下限値から上限値までの数値範囲を区分した複数の級のうち、入力されるスイープデータ値に対応する級を選択する級選択部と、
前記入力されるスイープデータ値と方位方向に隣接するスイープデータ値に対して算出されたフィルタ出力値であって前記複数の級のいずれかの級により方位方向の相関を示すフィルタ出力値と、前記入力されるスイープデータ値に対応する級とに基づいて、前記入力されるスイープデータ値に対する方位方向の相関を示すフィルタ出力値を算出するフィルタ処理部と、
前記フィルタ処理部が算出した前記入力されるスイープデータ値に対するフィルタ出力値と予め定められたしきい値とを比較し、前記入力されるスイープデータ値に対して算出されたフィルタ出力値が前記方位方向に隣接するスイープデータ値に対して算出されたフィルタ出力値より大きい場合に立ち上がりエッジを検出し、比較の結果と立ち上がりエッジの検出の有無とに基づいて前記入力されるスイープデータ値が干渉であるか否かを判定し、干渉であると判定された場合、予め定められた抑圧値を出力し、干渉でないと判定された場合、前記入力されるスイープデータ値を出力する干渉抑圧部と
を備えることを特徴とする干渉除去装置。 - 前記干渉抑圧部は、
前記入力されるスイープデータ値に対して算出されたフィルタ出力値が、前記しきい値以下である場合、前記入力されるスイープデータ値を干渉候補であると判定し、前記しきい値以下でない場合、前記入力されるスイープデータ値を干渉でないと判定する干渉候補判定部と、
前記入力されるスイープデータ値に対して算出されたフィルタ出力値が、前記方位方向に隣接するスイープデータ値に対して算出されたフィルタ出力値より大きい場合、立ち上がりエッジを検出し、前記方位方向に隣接するスイープデータ値に対して算出されたフィルタ出力値以下の場合、立ち上がりエッジを検出しないエッジ検出部と、
前記干渉候補判定部が干渉候補であると判定し、かつ前記エッジ検出部が立ち上がりエッジを検出した場合、前記入力されるスイープデータ値を干渉であると判定し、前記干渉候補判定部が干渉候補でないと判定するか、又は前記エッジ検出部が立ち上がりエッジを検出しない場合、前記入力されるスイープデータ値を干渉でないと判定する干渉判定部と
を有していることを特徴とする請求項1に記載の干渉除去装置。 - 前記級選択部には、誤警報確率を一定以下に抑えるCFAR処理が施されたスイープデータが入力される
ことを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の干渉除去装置。 - 請求項1又は請求項2のいずれかに記載の干渉除去装置と、
電波の送受信ごとに得られる前記スイープデータ値を前記干渉除去装置に入力するレーダ送受信部と、
前記干渉除去装置に備えられている干渉抑圧部から出力される値に基づいた表示画像データを出力する表示部と
を具備することを特徴とするレーダ装置。 - スイープデータ値が取り得る値に対する下限値から上限値までの数値範囲を区分した複数の級のうち、入力されるスイープデータ値に対応する級を選択する級選択ステップと、
前記入力されるスイープデータ値と方位方向に隣接するスイープデータ値に対して算出されたフィルタ出力値であって前記複数の級のいずれかの級により方位方向の相関を示すフィルタ出力値と、前記入力されるスイープデータ値に対応する級とに基づいて、前記入力されるスイープデータ値に対する方位方向の相関を示すフィルタ出力値を算出するフィルタ処理ステップと、
前記フィルタ処理ステップにおいて算出された前記入力されたスイープデータ値に対するフィルタ出力値と予め定められたしきい値とを比較し、前記入力されるスイープデータ値に対して算出されたフィルタ出力値が前記方位方向に隣接するスイープデータ値に対して算出されたフィルタ出力値より大きい場合に立ち上がりエッジを検出し、比較の結果と立ち上がりエッジの検出の有無とに基づいて前記入力されるスイープデータ値が干渉であるか否かを判定し、干渉であると判定された場合、予め定められた抑圧値を出力し、干渉でないと判定された場合、前記入力されたスイープデータ値を出力する干渉抑圧ステップと
を有することを特徴とする干渉除去方法。
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