JP5729435B2 - モータ/ジェネレータの組み立て方法 - Google Patents

モータ/ジェネレータの組み立て方法 Download PDF

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Description

本発明は、電動機および発電機の何れにもなり得て、ハイブリッド車両などに有用なモータ/ジェネレータに関し、特に、
その組み立て性を改善したモータ/ジェネレータの組み立て方法に関するものである。
モータ/ジェネレータの組み立て技術については従来、特許文献1に記載のように、ロータを環状ステータ内に規定のエアギャップが存在するよう挿入して組み立てるに際し、
ロータ挿入方向後方におけるロータ軸の後端をステータと同心となるよう心出し保持し、
ロータ軸の反対側前端に延長軸を仮止めしてこれを介しロータ軸前端をステータと同心となるよう心出し保持し、
このロータ軸端心出し状態でロータを環状ステータ内に規定のエアギャップが存在するよう挿入するモータの組み立て技術が開示されている。
この技術を、例えばハイブリッド車両用モータ/ジェネレータの組み立てに用いる場合、図6(a)〜(d)につき以下に説明するような手順により当該組み立てを行うことになる。
つまり、先ず図6(a)に示すように、モータ/ジェネレータのハウジングa内に固設したステータbに対しロータcを同心に保つために、
ロータcと共に回転するモータ/ジェネレータ軸dのロータ挿入方向後端を組み立て治具eによりステータbに対し同心となるよう心出し保持し、
モータ/ジェネレータ軸dの反対側前端(ロータ挿入方向前端)に延長軸fを突き合わせると共にこの延長軸fをハウジングaの軸受(g)用嵌合孔hに挿通して、モータ/ジェネレータ軸dのロータ挿入方向前端をステータbに対し同心となるよう心出し保持する。
かかるモータ/ジェネレータ軸d(ロータc)の心出し状態で、組み立て治具eによりモータ/ジェネレータ軸d(ロータc)を、図6(b)に示すごとくステータbに対し相対的に軸線方向へ変位させて接近させ、
この変位(接近)を更に進めて図6(c)に示すごとく、ステータbに対するロータcの挿入を完了する。
このとき図6(c)に示すごとくハウジングaの内周フランジi上に乗った、軸受j用のベアリングサポートkを、ボルトpにより内周フランジi(ハウジングa)に取着し、その後に延長軸fを除去して、モータ/ジェネレータの全ての組み立てを終える。
なお、上記のごとくに組み立てたモータ/ジェネレータをハイブリッド車両に用いるため、モータ/ジェネレータ軸dを変速機T/Mの入力軸nに結合するに際しては、図6(d)に示すごとく、
上記組み立て後のモータ/ジェネレータを、モータ/ジェネレータ軸dが、変速機T/Mのケースmから突出した入力軸nの端部に結合関係に突き合わせ嵌合させ、
この状態でモータ/ジェネレータのハウジングaと変速機ケースmとを相互に結合させることになる。
実開平05−074183号公報
ところで、上記した従来のモータ組み立て技術にあっては、組み立てに当たりロータcおよびステータbを軸線方向に相対変位させるための組み立て治具eにより心出し保持するモータ/ジェネレータ軸dの後端と反対の側におけるモータ/ジェネレータ軸dの前端を、モータ/ジェネレータの構成と関係のない延長軸fにより心出し保持してモータ/ジェネレータの組み立てを遂行するため、
前記したごとく、モータ/ジェネレータの組み立て完了後にこの延長軸fを除去する手順が不可欠となる。
よって、モータ/ジェネレータをハイブリッド車両に用いるため、モータ/ジェネレータ軸dを変速機入力軸nに結合するに際し、図6(c)に示すごとくロータcをステータb内に挿入し終えたとき、自動的にモータ/ジェネレータ軸dが変速機入力軸nに結合関係に突き合わせ嵌合されるようにすることが不可能である。
このため図6(d)につき前述したごとく、組み立て後のモータ/ジェネレータから延長軸fを除去し、このモータ/ジェネレータを、その軸dが変速機ケースmから突出した入力軸nの端部に結合関係に嵌合されるよう、変速機T/Mに同軸に突き合わせ、
この突き合わせ状態でモータ/ジェネレータのハウジングaと変速機ケースmとを相互に結合させる手順に頼らざるを得ず、
モータ/ジェネレータ自身の組み立て性については勿論のこと、これを変速機の入力軸に結合してハイブリッド車両を構築する場合も組み立て性が頗る悪いという問題があった。
また同様な理由から図6(d)に示すように、モータ/ジェネレータ軸dを回転自在に支持するモータ/ジェネレータのハウジング端壁a-1と、変速機入力軸nを回転自在に支持する変速機ケース端壁m-1とが個別に必要であり、
モータ/ジェネレータのハウジングaと、変速機ケースmとを結合した時に、ハウジング端壁a-1および変速機ケース端壁m-1が二重壁を構成して、モータ/ジェネレータおよび変速機よりなるハイブリッド駆動ユニットの軸長が増大するという問題や、モータ/ジェネレータのハウジングaと、変速機ケースmとを一体成形することができず、コスト上の不利益を被るという問題も生ずる。
本発明は、従来のごとく組み立て後に除去が不可避な延長軸のごとき別部品を用いる代わりに、モータ/ジェネレータに内蔵させた常設の部分により、組み立て中におけるロータおよびステータの相互心出しを行うようにして、上記の問題を解消し得るようにしたモータ/ジェネレータの組み立て方法を提供することを目的とする。
この目的のため、本発明によるモータ/ジェネレータの組み立て方法は、これを以下のごときものとする。
先ず前提となるモータ/ジェネレータを説明するに、これは、ハウジング内に固設したステータの内周または外周との間に所定のエアギャップを持たせて該ステータに同心にロータを配設して成り、該ロータと共に回転するモータ/ジェネレータ軸の出力端を伝動機の入力軸に回転係合するよう嵌合させて用いるものである。
本発明によるモータ/ジェネレータの組み立て方法は、上記のようなモータ/ジェネレータを組み立てるに際し、
前記ハウジングを、該ハウジング内に固設した前記ステータが前記伝動機の入力軸と同心となるよう配置して該伝動機のケースに一体となし、
前記ステータおよびロータを軸線方向へ相対変位させる組み立て治具を前記ハウジングに取着し、
前記組み立て治具による相対変位中、前記ステータおよび伝動機入力軸から遠い側における前記モータ/ジェネレータ軸の軸線方向後端側を前記組み立て治具により前記ステータおよび伝動機入力軸に対し同心となるよう保持し、
該組み立て治具によりステータおよびロータを相互に接近するよう軸線方向へ相対変位させ、
該接近によるステータおよびロータの相互嵌合中、前記ステータから径方向に張り出すよう設けた心出しガイド部により前記ロータを前記ステータに対し心出しガイドし、
ロータがこの心出しガイド部を通過し終えたところで前記組み立て治具による前記ステータおよびロータの軸線方向相対変位を終了して前記ステータおよびロータの相互嵌合を完了すると共に、前記モータ/ジェネレータ軸の出力端および伝動機入力軸の前記嵌合を完了することを特徴とする。
上記した本発明によるモータ/ジェネレータの組み立て方法によれば、
組み立て治具がステータおよびロータを軸線方向へ相対変位させて行うモータ/ジェネレータの組み立て中、ステータから径方向に張り出すよう設けた心出しガイド部がロータをステータに対し心出しガイドするため、ロータを、ステータの内周または外周との間に所定のエアギャップが存在するようステータと同心の位置に組み立てることができる。
そして、この組み立て後はロータが心出しガイド部を通過していて心出しガイド部がロータと干渉しないため、心出しガイド部の存在によっても、モータ/ジェネレータの作動が阻害されることはない。
ところで、上記の作用効果を達成するために設けた心出しガイド部は、上記の組み立て後もモータ/ジェネレータに内蔵させたままでよく、組み立て後にモータ/ジェネレータから除去する必要がないため、ロータおよびステータが組み立て時における所定の軸線方向相対位置になった時に組み立てが完了する。
また、かようにロータおよびステータが所定の軸線方向相対位置となった組み立て完了時に、モータ/ジェネレータ軸の出力端および伝動機入力軸の回転係合型式の相互嵌合も完了するため、ロータと共に回転するモータ/ジェネレータ軸の出力端を伝動機入力軸に結合するに際し、ロータおよびステータが組み立て時における所定の軸線方向相対位置になったとき、自動的にモータ/ジェネレータ軸の出力端が伝動機入力軸に結合されるようになし得る。
このためモータ/ジェネレータ自身の組み立て性が改善されるのに加え、これを伝動機入力軸に結合して、例えばハイブリッド駆動ユニットを構築する場合における組み立て性の改善も実現することができる。
また同様な理由から、当該ハイブリッド駆動ユニットの構築時に、モータ/ジェネレータ軸を回転自在に支持するモータ/ジェネレータのハウジング端壁と、伝動機入力軸を回転自在に支持する伝動機ケース端壁とを兼用して共通化することができ、
これらモータ/ジェネレータハウジング端壁と、伝動機ケース端壁とが二重壁構造になることがなく、モータ/ジェネレータおよび伝動機よりなるハイブリッド駆動ユニットの軸長が増大するという問題を解消し得ると共に、モータ/ジェネレータのハウジングと、伝動機ケースとを一体成形することが可能で、コスト上の有利さも大いに享受することができる。
なお本発明によるモータ/ジェネレータの組み立て方法は、前記した工程の順次組み合わせになるため、
組み立て後にモータ/ジェネレータから除去する必要のある別部品を何ら必要とせず、ロータおよびステータを組み立て時における所定の軸線方向相対位置にするだけで、モータ/ジェネレータ自身の組み立てと、伝動機へのモータ/ジェネレータの組み付けとが、揃って自動的に完了することとなる

本発明の組み立て方法を適用可能なモータ/ジェネレータを含むハイブリッド駆動装置を具えたハイブリッド車両のパワートレーンを示す概略平面図である。 図1におけるモータ/ジェネレータの実態構成と、その組み立て方法とを示す工程説明図で、 (a)は、モータ/ジェネレータの組み立て開始時における工程説明図、 (b)は、ロータがステータ内に挿入され始めた時におけるモータ/ジェネレータの組み立て工程説明図、 (c)は、ロータがステータ内に更に挿入された時におけるモータ/ジェネレータの組み立て工程説明図、 (d)は、ロータがステータ内に挿入され終えた時におけるモータ/ジェネレータの組み立て工程説明図である。 本発明の他の実施例になる方法により組み立てたモータ/ジェネレータを、その組み立てが完了した直後の状態で示す図2(d)と同様な説明図である。 本発明の更に他の実施例になる方法により組み立てたモータ/ジェネレータを、その組み立てが完了した直後の状態で示す図2(d)と同様な説明図である。 本発明の更に別の実施例になる方法により組み立てたモータ/ジェネレータと、その組み立て工程とを示す説明図で、 (a)は、モータ/ジェネレータの組み立て中で、環状ロータがステータに嵌合されている途中の状態を示すモータ/ジェネレータの組み立て工程説明図、 (b)は、環状ロータがステータに嵌合され終えた時におけるモータ/ジェネレータの組み立て工程説明図である。 従来の方法を用いた場合におけるモータ/ジェネレータの組み立て方法を示す工程説明図で、 (a)は、モータ/ジェネレータの組み立て開始時における工程説明図、 (b)は、ロータがステータ内に挿入され始める直前の状態である時のモータ/ジェネレータの組み立て工程説明図、 (c)は、ロータがステータ内に挿入され終えた時におけるモータ/ジェネレータの組み立て工程説明図、 (d)は、組み立て後のモータ/ジェネレータを変速機の入力軸に結合する時の組み立て工程説明図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面に示す実施例に基づき詳細に説明する。
図1は、本発明の組み立て方法を適用可能なモータ/ジェネレータを含むハイブリッド駆動装置を具えたフロントエンジン・リヤホイールドライブ式ハイブリッド車両のパワートレーンを示し、1はエンジン、2は駆動車輪(後輪)である。
図1に示すハイブリッド車両のパワートレーンにおいては、通常の後輪駆動車と同様にエンジン1の車両前後方向後方に自動変速機3をタンデムに配置し、エンジン1(クランクシャフト1a)からの回転を自動変速機3の入力軸3aへ伝達する軸4に結合してモータ/ジェネレータ5を設ける。
モータ/ジェネレータ5は、ハウジング5a内に固設した環状のステータ5bと、このステータ5b内に所定のエアギャップεを持たせて同心に配置したロータ5cとよりなり、モータ(電動機)として作用したり、ジェネレータ(発電機)として作用するもので、エンジン1および自動変速機3間に配置する。
モータ/ジェネレータ5は、ロータ5cの中心に軸4を貫通して結着し、この軸4をモータ/ジェネレータ軸として利用する。
かかるモータ/ジェネレータ5およびエンジン1間、詳しくは、モータ/ジェネレータ軸4とエンジンクランクシャフト1aとの間に第1クラッチ6を介挿し、この第1クラッチ6によりエンジン1およびモータ/ジェネレータ5間を切り離し可能に結合する。
ここで第1クラッチ6は、伝達トルク容量を連続的に変更可能なものとし、例えば、比例ソレノイドでクラッチ作動油流量およびクラッチ作動油圧を連続的に制御して伝達トルク容量を変更可能な湿式多板クラッチで構成する。
モータ/ジェネレータ5および自動変速機3間は、モータ/ジェネレータ軸4と変速機入力軸3aとの直接結合により相互に直結させる。
自動変速機3は、例えば2003年1月、日産自動車(株)発行「スカイライン新型車(CV35型車)解説書」第C−9頁〜第C−22頁に記載されたと同じものとし、複数の変速摩擦要素(クラッチやブレーキ等)を選択的に締結させたり解放することで、これら変速摩擦要素の締結・解放の組み合わせにより伝動系路(変速段)を決定するものとする。
従って自動変速機3は、入力軸3aからの回転を選択変速段に応じたギヤ比で変速して出力軸3bに出力する。
この出力回転は、ディファレンシャルギヤ装置7により左右後輪2へ分配して伝達され、車両の走行に供される。
但し自動変速機3は、上記したような有段式のものに限られず、無段変速機であってもよいのは言うまでもない。
なおハイブリッド車両にあっては、モータ/ジェネレータ5および駆動車輪2を切り離し可能に結合する第2クラッチ8が必要であるが、
本実施例においてはこの第2クラッチ8を自動変速機3の前、若しくは、後に追加して新設する構成を採用せず、
この代わりに第2クラッチ8として、自動変速機3内に既存する前記した変速摩擦要素のうち、前進変速段選択用の変速摩擦要素または後退変速段選択用の変速摩擦要素を流用する。
ちなみに、第2クラッチ8として用いる自動変速機3内に既存の前進変速段選択用の変速摩擦要素または後退変速段選択用の変速摩擦要素はもともと、前記した第1クラッチ6と同様、伝達トルク容量を連続的に変更可能なものである。
上記した図1のパワートレーンにおいては、停車状態からの発進時などを含む低負荷・低車速時に用いられる電気走行(EV)モードが要求される場合、第1クラッチ6を解放し、自動変速機3を第2クラッチ8の締結により動力伝達可能状態にする。
この状態でモータ/ジェネレータ5を駆動すると、当該モータ/ジェネレータ5からの出力回転のみが変速機入力軸3aに達することとなり、自動変速機3が当該入力軸3aへの回転を、選択中の変速段に応じ変速して変速機出力軸3bより出力する。
変速機出力軸3bからの回転はその後、ディファレンシャルギヤ装置8を経て後輪2に至り、車両をモータ/ジェネレータ5のみによって電気走行(EV走行)させることができる。
高速走行時や大負荷走行時などで用いられるハイブリッド走行(HEV走行)モードが要求される場合、第1クラッチ6を締結させると共に、自動変速機3を第2クラッチ8の締結により動力伝達可能状態にする。
この状態では、エンジン1からの出力回転、または、エンジン1からの出力回転およびモータ/ジェネレータ5からの出力回転の双方が変速機入力軸3aに達することとなり、自動変速機3が当該入力軸3aへの回転を、選択中の変速段に応じ変速して、変速機出力軸3bより出力する。
変速機出力軸3bからの回転はその後、ディファレンシャルギヤ装置8を経て後輪2に至り、車両をエンジン1およびモータ/ジェネレータ5の双方によってハイブリッド走行(HEV走行)させることができる。
かかるHEV走行中において、エンジン1を最適燃費で運転させるとエネルギーが余剰となる場合、この余剰エネルギーによりモータ/ジェネレータ5を発電機として作動させることで余剰エネルギーを電力に変換し、この発電電力をモータ/ジェネレータ5のモータ駆動に用いるよう蓄電しておくことでエンジン1の燃費を向上させることができる。
ところで本実施例においては、モータ/ジェネレータ5を以下のような構成とする。
このモータ/ジェネレータを基本的には前記した通り、また図2(d)の組み立て完了図から明らかなように、ハウジング5a内に固設した環状のステータ5bと、このステータ5b内に所定のエアギャップεを持たせて同心に配置したロータ5cと、該ロータ5cの中心に貫通して結着したモータ/ジェネレータ軸4とで構成する。
しかして本実施例では特に、図2(a)〜(d)の組み立て工程説明図から明らかなように、環状ステータ5bの中心孔内に所定のエアギャップεを持たせて同心にロータ5cを挿入することにより行うモータ/ジェネレータ5の組み立て中、ロータ5cをステータ5bに対し心出しガイドすべく、ステータ5bの内周面から径方向内方へ張り出す心出しガイド部11を設ける。
ただし当該心出しガイド部11は、図2(d)に示す組み立て完了後はロータ5cと干渉しない軸線方向位置、つまり、ステータ5bのロータ挿入開始端近傍においてステータ5bの内周面に突設する。
かかる構成になるモータ/ジェネレータ5の組み立て方法を以下に説明する。
この組み立てに先立ち図2(a)〜(d)に示すごとく、モータ/ジェネレータ軸4を含むロータ5cと、モータ/ジェネレータ軸4のロータ挿入方向前端に嵌合した前方軸受12およびのロータ挿入方向後端に嵌合した後方軸受13と、後方軸受13を支持するためのベアリングサポート14とを一体ユニットとして予備組み立てしておく。
なお、モータ/ジェネレータ5のハウジング5aは自動変速機3の変速機ケース3cに一体成形し、この時、モータ/ジェネレータ軸4および変速機入力軸3aの相互に隣接する端部を回転自在に支持するための共通な端壁15を、モータ/ジェネレータハウジング5aおよび変速機ケース3c間に成形されるようになすと共に、この共通な端壁15に組み立て完了時において前方軸受12の外周が嵌合するための軸受嵌合孔15aを設ける。
モータ/ジェネレータ5の組み立てに際しては、先ず図2(a)に示すように、この組み立てに当たりロータ5cをステータ5bに向け軸線方向に相対変位させるための組み立て治具16をモータ/ジェネレータハウジング5aに同心に取着する。
そして、ロータ挿入方向後方におけるモータ/ジェネレータ軸4の後端がステータ5bと同心となる心出し位置に保持されるよう、該モータ/ジェネレータ軸4の後端を組み立て治具16に取り付ける。
次いで、組み立て治具16によりロータ5cを図2(a)に示す位置からステータ5bに接近するよう軸線方向(図の下方)へ変位させる。
この接近によりロータ5cは、図2(b)に示すごとく心出しガイド部11によりステータ5bに対し心出しされた状態で該ステータ5b内に挿入され、この挿入中、心出しガイド部11は図2(c)にも示すようにロータ5cをステータ5bに対し心出しガイドし続ける。
ロータ5cが組み立て治具16により図2(c)の位置から更にステータ5b内に挿入され、心出しガイド部11を通過し終える手前で、前方軸受12が共通端壁15の軸受嵌合孔15aに嵌合し始め、
ロータ5cが図2(d)に示すごとく心出しガイド部11を通過し終えて、ロータ5cの図中下端面がステータ5bの図中下端面と同レベルに達したところで、組み立て治具16によるロータ5cの軸線方向変位を終了させる。
そして、この時ハウジング5aの内周フランジ5d上に乗るベアリングサポート14を、ボルト17などにより当該内周フランジ5dに取着する。
以上によりモータ/ジェネレータ5の組み立てが完了し、組み立て治具16をモータ/ジェネレータハウジング5aから取り外すが、
この組み立ての過程でモータ/ジェネレータ軸4のロータ挿入方向前端が図2(c)のごとく変速機入力軸3aの対応端に回転係合関係に嵌合し始め、
ロータ5cが図2(d)に示すごとく心出しガイド部11を通過し終えて最終組み立て位置に達した時、自動的にモータ/ジェネレータ軸4および変速機入力軸3a間の直結が完了すると共に、
これらモータ/ジェネレータ軸4および変速機入力軸3aが、両者の相互結合端部において軸受12を介し共通な端壁15に回転自在に支持される。
上記した本実施例のモータ/ジェネレータ5およびその組み立て方法によれば、
心出しガイド部11が、ロータ5cをステータ5bに対し軸線方向へ接近させて行うモータ/ジェネレータ5の組み立て中、図2(b)〜(c)に示すごとくロータ5cをステータ5bに対し心出しガイドするため、ロータ5cを図2(d)に示すごとく、ステータ5bの内周との間に所定のエアギャップεが存在するようステータ5bと同心の位置に組み立てることができる。
そして、この組み立て後は心出しガイド部11がロータ5cと干渉しないため、心出しガイド部11の存在によっても、モータ/ジェネレータ5の作動が阻害されることはない。
ところで、上記の作用効果を達成するために設けた心出しガイド部11は、上記の組み立て後もモータ/ジェネレータ5に内蔵させたままでよく、組み立て後にモータ/ジェネレータ5から除去する必要がないため、当該除去のための工程が不要で、
ロータ5cおよびステータ5bが図2(d)に示す所定の組み立て時軸線方向相対位置になった時に組み立てが完了する。
従って、モータ/ジェネレータ5を図示例のようにハイブリッド車両に用いるため、ロータ5cと共に回転するモータ/ジェネレータ軸4を変速機入力軸3aに結合するに際し、ロータ5cおよびステータ5bが図2(d)に示す所定の組み立て時軸線方向相対位置になったとき、自動的にモータ/ジェネレータ軸4が変速機入力軸3aに結合されるようになし得る。
このためモータ/ジェネレータ5自身の組み立て性が改善されるのは勿論のこと、これを変速機入力軸3aに結合してハイブリッド車両を構築する場合においても組み立て性の改善を実現することができる。
また同様な理由から、ハイブリッド車両の構築時に、モータ/ジェネレータ軸4を回転自在に支持するモータ/ジェネレータハウジング5aの端壁15と、変速機入力軸3aを回転自在に支持する変速機ケース3cの端壁15とを兼用して本実施例のように共通化することができ、
これらモータ/ジェネレータハウジング端壁15と、変速機ケース端壁15とが二重壁構造になることがなく、モータ/ジェネレータ5および自動変速機3よりなるハイブリッド駆動ユニットの軸長が増大するという問題を解消し得ると共に、モータ/ジェネレータハウジング5aと変速機ケース3cとを本実施例のように一体成形することが可能で、コスト上の有利さも大いに享受することができる。
更に前記したごとく、ロータ5cが組み立て治具16により図2(c)の位置から更にステータ5b内に挿入され、心出しガイド部11を通過し終える手前で、前方軸受12が共通端壁15の軸受嵌合孔15aに嵌合し始めるようにしたから、
ロータ5cが心出しガイド部11を通過し終えた後も、前方軸受12および軸受嵌合孔15aの相互嵌合によりロータ5cの挿入方向前方側をステータ5bに対し心出しし続けることができ、ロータ5cが心出しガイド部11を通過した後にステータ5bと接触してこれを損傷させるという問題を回避することができる。
更に、ロータ5cが図2(d)に示す最終組み立て位置に変位したとき、先ず、ベアリングサポート14をボルト17などによりハウジング5aの内周フランジ5dに取着し、その後に、組み立て治具16をモータ/ジェネレータハウジング5aから取り外すことから、
組み立て完了時におけるロータ5cとステータ5bとの同心状態を一層確実なものにすることができる。
なお上記では、ロータ5cの軸線方向長さがステータ5bの軸線方向長さより小さく、図2(d)に示すようにロータ5cの図中下端面がステータ5bの図中下端面と同レベルになった時のロータ挿入位置をロータ5cおよびステータ5bの組み立て時軸線方向相対位置とする場合においても、ロータ挿入方向後方におけるステータ中心孔の端部内にロータ5cの存在しない空所が発生することから、
当該ステータ中心孔の端部内周面に直接、該内周面から径方向内方へ張り出すよう心出しガイド部11を突設した。
しかし、図3のようにロータ5cの軸線方向長さがステータ5bの軸線方向長さと同じである場合、磁束密度を最大にするため同図に示すごとく、ロータ5cの図中下端面がステータ5bの図中下端面と同レベルになった時のロータ挿入位置をロータ5cおよびステータ5bの組み立て時軸線方向相対位置にすると、ロータ挿入方向後方におけるステータ中心孔の端部内にロータ5cが存在することになるため、
図2に示すごとく当該ステータ中心孔の端部内周面に直接、該内周面から径方向内方へ張り出すよう突設した心出しガイド部11は、ロータ5cと干渉してその回転を妨げることになり、図2の構成を採用し得ない。
そこで、ロータ5cの軸線方向長さがステータ5bの軸線方向長さと同じである場合は、図3に示すごとく、心出しガイド部11を前記したと同様に機能するよう、環状ステータ5bの中心孔内周面を含む円筒面から径方向内方へ張り出させて、ステータ5bのロータ挿入開始端面に沿うよう配置し、この心出しガイド部11をステータ5bのロータ挿入開始端面およびモータ/ジェネレータハウジング5aの内周に取着する。
そして、ロータ5cの挿入終了位置を図3に示すように、ロータ5cが心出しガイド部11を通過し終えた後のロータ位置とする。
かかる本実施例のモータ/ジェネレータ5も、その組み立てを図2につき前述したと同様な順次工程により遂行することができる。
そして本実施例においては、心出しガイド部11をステータ5bのロータ挿入開始端面に沿うよう配置して当該ステータ端面およびモータ/ジェネレータハウジング5aの内周に取着したため、
ロータ5cの軸線方向長さがステータ5bの軸線方向長さと同じである場合においても、心出しガイド部11が組み立て後のロータ5cに干渉することがなく、前述したと同様な作用効果を達成することができる。
なお図3では、ステータ5bのロータ挿入開始端面に沿うよう配置した心出しガイド部11を当該ステータ端面およびモータ/ジェネレータハウジング5aの内周に取着したが、図4に示すごとくステータ5bのロータ挿入開始端面のみに取着するようにしてもよいのは言うまでもない。
上記した実施例は何れも、円環状ステータ5b内にロータ5cを同心に配置したモータ/ジェネレータ5について説明したが、
図5(a),(b)に示すごとくモータ/ジェネレータ5が、ハウジング5aに固設したステータ5bと、該ステータ5bの外周にエアギャップεを持たせて嵌合させた環状のロータ5cとよりなるものである場合も、本発明の前記した着想は同様に適用し得る。
この場合、図5(a)に示すごとく環状ロータ5cを軸線方向に変位させてステータ5bに対し接近させ、該ステータ5bの外周に被せるよう嵌合させることになるが、
この間、環状ロータ5cの内周に嵌り合って当該環状ロータ5cをステータ5bの外周に対し心出しガイドする心出しガイド部11をステータ5bに設ける。
ただし心出しガイド部11は、図5(b)に示す組み立て後は環状ロータ5cと干渉しないよう、ステータ5bのロータ嵌合開始端側における端面に沿って位置させ、且つ、この軸線方向位置においてステータ5bの外周から径方向外方に同心状態で張り出すようステータ5bのロータ嵌合開始端側における端面に固設する。
かかる本実施例のモータ/ジェネレータにおいても、
心出しガイド部11が、環状ロータ5cをステータ5bに対し軸線方向へ接近させて行うモータ/ジェネレータ5の組み立て中、図5(a)に示すごとく環状ロータ5cをステータ5bに対し心出しガイドするため、ロータ5cを図5(b)に示すごとく、ステータ5bの内周との間に所定のエアギャップεが存在するようステータ5bと同心の位置に組み立てることができる。
そして、この組み立て後は心出しガイド部11がロータ5cと干渉しないため、心出しガイド部11の存在によっても、モータ/ジェネレータ5の作動が阻害されることはない。
ところで、上記の作用効果を達成するために設けた心出しガイド部11は、上記の組み立て後もモータ/ジェネレータ5に内蔵させたままでよく、組み立て後にモータ/ジェネレータ5から除去する必要がないため、当該除去のための工程が不要で、
ロータ5cおよびステータ5bが図5(b)に示す所定の組み立て時軸線方向相対位置になった時に組み立てが完了し、前記したと同様な作用効果を達成することができる。
1 エンジン
2 駆動車輪(後輪)
3 自動変速機
3a 変速機入力軸
3b 変速機出力軸
3c 変速機ケース
4 伝動軸(モータ/ジェネレータ軸)
5 モータ/ジェネレータ
5a ハウジング
5b ステータ
5c ロータ
5d 内周フランジ
6 第1クラッチ
7 ディファレンシャルギヤ装置
8 第2クラッチ
11 心出しガイド部
12 前方軸受
13 後方軸受
14 ベアリングサポート
15 共通端壁
15a 軸受嵌合孔

Claims (4)

  1. ハウジング内に固設したステータの内周または外周との間に所定のエアギャップを持たせて該ステータに同心にロータを配設して成り、該ロータと共に回転するモータ/ジェネレータ軸の出力端を伝動機の入力軸に回転係合するよう嵌合させて用いるモータ/ジェネレータを組み立てるに際し、
    前記ハウジングを、該ハウジング内に固設した前記ステータが前記伝動機の入力軸と同心となるよう配置して該伝動機のケースに一体となし、
    前記ステータおよびロータを軸線方向へ相対変位させる組み立て治具を前記ハウジングに取着し、
    前記組み立て治具による相対変位中、前記ステータおよび伝動機入力軸から遠い側における前記モータ/ジェネレータ軸の軸線方向後端側を前記組み立て治具により前記ステータおよび伝動機入力軸に対し同心となるよう保持し、
    該組み立て治具によりステータおよびロータを相互に接近するよう軸線方向へ相対変位させ、
    該接近によるステータおよびロータの相互嵌合中、前記ステータから径方向に張り出すよう設けた心出しガイド部により前記ロータを前記ステータに対し心出しガイドし、
    ロータがこの心出しガイド部を通過し終えたところで前記組み立て治具による前記ステータおよびロータの軸線方向相対変位を終了して前記ステータおよびロータの相互嵌合を完了すると共に、前記モータ/ジェネレータ軸の出力端および伝動機入力軸の前記嵌合を完了することを特徴とするモータ/ジェネレータの組み立て方法。
  2. 請求項1に記載のモータ/ジェネレータの組み立て方法において、
    前記ロータが前記心出しガイド部を通過し終える前に、ロータと共に回転する前記モータ/ジェネレータ軸の前記ロータ軸線方向後端側から遠い前記出力端が前記ハウジングおよびケース間の共通端壁に対し軸受され始めるよう該モータ/ジェネレータ軸の長さが決定されていることを特徴とするモータ/ジェネレータの組み立て方法。
  3. 請求項1または2に記載のモータ/ジェネレータの組み立て方法において、
    前記組み立て治具による前記ステータおよびロータの軸線方向相対変位を終了したところで、ロータと共に回転する前記モータ/ジェネレータ軸の前記ロータ軸線方向後端側における後端を前記ハウジングに対し軸受することを特徴とするモータ/ジェネレータの組み立て方法。
  4. 請求項3に記載のモータ/ジェネレータの組み立て方法において、
    前記モータ/ジェネレータ軸の後端をハウジングに対し軸受した後に前記組み立て治具を前記ハウジングから取り外すことを特徴とするモータ/ジェネレータの組み立て方法。
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