JP5729221B2 - 結晶基板の製造方法 - Google Patents

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本発明は、結晶基板の製造方法に関するものである。
従来、結晶基板の製造方法として、例えば特許文献1に記載されているように、気相成長法により下地基板上に結晶膜を成長させ、その結晶膜を下地基板と分離させる方法がある。このような結晶基板の製造方法において、結晶膜は、予め一回り大きめの外径で成長され、下地基板と分離された後、デバイス工程などの装置や治具の設計に合わせ、その輪郭を2インチや3インチなど所定の直径の円形状に整形する研削加工(「丸め加工」という)が施される。
特開2010−248022号公報
しかしながら、上記従来の結晶基板の製造方法では、結晶膜に丸め加工を施すと、その周縁部にダメージが残留し、それによりクラック、チッピング、割れなどが発生して、歩留まりが低下する虞がある。
そこで、本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、結晶基板を安価に製造可能な手段を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、気相成長装置の基板保持具に保持される下地基板の結晶成長面上に結晶膜を成長させ、該結晶膜から、2インチ、2.5インチ、3インチ、4インチ、5インチ、6インチ、50mm、75mm、100mm、125mm、150mmのうちのいずれか1つに略等しい直径Φを有する結晶基板を製造する方法であって、前記基板保持具は、前記下地基板の結晶成長面の一部を露出させる開口部を備え、前記開口部は、その輪郭に円弧状部を含み、前記円弧状部は、前記直径Φと略等しい直径を有することを特徴とする。
また、本発明は、気相成長装置の基板保持具に保持される下地基板の結晶成長面上に結晶膜を成長させ、該結晶膜から、2インチ、2.5インチ、3インチ、4インチ、5インチ、6インチ、50mm、75mm、100mm、125mm、150mmのうちのいずれか1つに略等しい直径Φを有する結晶基板を製造する方法であって、前記基板保持具は、前記下地基板の結晶成長面の一部を露出させる開口部を備え、前記開口部は、その輪郭に円弧状部を含み、前記円弧状部は、前記直径Φより該直径Φの2%以下の範囲で大きい直径を有することを特徴とする。
本発明によれば、結晶基板のクラックなどの発生を抑制し、結晶基板を安価に製造することができる。
本発明の一実施の形態の結晶基板の製造方法に係る、基板保持具の概略上面図(a)と、そのX−X断面における概略断面図(b)である。 本発明の一実施の形態の結晶基板の製造方法により製造される、結晶基板の一例を示す概略上面図である。 本発明の一実施の形態の結晶基板の製造方法に係る、基板保持具の概略上面図である。
以下、発明の実施の形態について適宜図面を参照して説明する。但し、以下に説明する結晶基板の製造方法及び基板保持具は、本発明の技術思想を具体化するためのものであって、特定的な記載がない限り、本発明を以下のものに限定しない。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため、誇張していることがある。
<実施の形態1>
図1(a)は、実施の形態1の結晶基板の製造方法に係る基板保持具の概略上面図であり、図1(b)はそのX−X断面における概略断面図である。また、図2は、実施の形態1の結晶基板の製造方法により製造される結晶基板の一例を示す概略上面図である。図1,2に示すように、実施の形態1の結晶基板の製造方法は、気相成長装置の基板保持具10に保持される下地基板20の結晶成長面21上に結晶膜30を成長させ、その結晶膜30から結晶基板35を製造するものである。すなわち、結晶基板35は、下地基板20上に成長させた結晶膜30を、その下地基板20と分離させることで得られる。その後、下地基板20と分離された結晶膜30は、エッジの面取り加工や主面の研磨が適宜施されて、結晶基板35として仕上げられる。
図2に示すように、結晶基板35は、所定の直径Φを有している。本実施の形態において、この結晶基板35は、結晶膜30の丸め加工を行わずに製造されたものである。したがって、この直径Φは、下地基板20と分離された結晶膜30のアズグロウン(機械加工前の状態)の直径に略等しい。すなわち、この直径Φは、結晶膜30の成長過程において得られる。但し、エッジの面取り加工による若干の縮径は考慮されるものとする。
図1に示すように、基板保持具10は、下地基板20の結晶成長面21の一部を露出させる開口部12を備えており、その開口部12の輪郭により、下地基板20の結晶成長面21内の結晶成長領域を制御することができる。したがって、基板保持具10の開口部12がその輪郭に円弧状部13を含み、その円弧状部13が所定の直径Φと略等しい直径dを有することで、所定の直径Φに略等しい直径を有する結晶膜30を成長させることができる。なお、円弧状部13は、結晶膜30を円形状(後述のオリフラなどの切り欠きは除いて考える)に成長しやすくして、結晶基板35のクラック、チッピング、割れなどの発生を抑制する働きがある。また、円弧状部13は、開口部12の輪郭の一部であってもよいし、開口部12の輪郭の全部(つまり開口部12の輪郭が真円状)であってもよい。
このように、本発明では、結晶膜30を下地基板20と分離させた後、結晶膜30に丸め加工を施す工程を省略することができ、結晶基板35を安価に製造することができる。また、その丸め加工に起因するクラック、チッピング、割れなどの発生を抑制することができ、歩留まりを高めることができる。そのうえ、基板保持具10は、繰り返し使用することができる。また、下地基板毎に保護膜の形成など特別な処理を必要としない。非常に簡便で有用な手段である。
以下、本発明の構成の好ましい態様について詳述する。
図1に示すように、基板保持具10は、上下に開口しており、筒状の筒状部101と、その一端から内側に張り出した支持部102と、を有する。そして、基板保持具10は、筒状部101内に挿入された下地基板20の周縁部を支持部102で支持する。そうすると、支持部102の開口部12に、下地基板20の結晶成長面21の一部、具体的には中央部が露出される。なお、その後、筒状部101内に均熱板40が挿入され、それにより下地基板20は支持部102に押さえ付けられる。
下地基板20は、その端面にオリエンテーションフラット23(以下、「オリフラ」と略すことがある)を有していることが好ましい。また、基板保持具10は、基準面17を備えていることが好ましい。この基準面17は、基板保持具10が下地基板20を保持した際、下地基板20のオリフラ23と略平行に対面するように設けられる。これにより、下地基板20を、基準面17によってその向きを規制して、基板保持具10に設置することができる。なお、基準面17は、基板保持具10の構成面の一部として設けられるほか、基板保持具10に設けられる2本のピンに接する平面(接平面)など仮想の平面であってもよい。
基板保持具10は、1つの部品で構成されてもよいし、例えば図示するように保持具本体100とリング110など複数の部品で構成されてもよい。リング110は、下地基板20と保持具本体100との間に介在し、支持部102の一部を構成する。このとき、円弧状部13(後述の弦状部が設けられる場合はその弦状部も)は、リング110の開口部の輪郭に設けられる。このように、基板保持具10の結晶膜30に接する部位と結晶膜30から離間する部位が別個の部品で構成されれば、それぞれの部位に好適な構成を選択しやすい。
以上のように下地基板20を保持した基板保持具10は、気相成長装置の反応炉内に設置される。そして、下地基板20の結晶成長面21上に、原料が供給され、結晶膜30が成長される。このとき、多くの場合、基板保持具10は回転される。なお、基板保持具10は、気相成長装置の反応炉内において、下地基板20の結晶成長面21が鉛直方向上側に向く状態で設置されてもよいし(フェイスアップ型)、逆に下地基板20の結晶成長面21が鉛直方向下側に向く状態で設置されてもよい(フェイスダウン型)。
基板保持具10の開口部12の円弧状部13の直径dは、求める結晶基板35の直径に合わせて適宜調整される。但し、結晶基板35の直径の一般的な規格として、2インチ、2.5インチ、3インチ、4インチ、5インチ、6インチ、50mm、75mm、100mm、125mm、150mmなどがある。したがって、所定の直径Φは、これらの値のうちのいずれか1つに略等しいことが好ましい。これにより、多くの製造装置や治具に対応し、利用しやすい結晶基板35を得ることができる。なお、±0.5mm程度の公差は考慮されるべきである。
結晶膜30は、基板保持具10の開口部12の内壁によって、横方向への成長を制限される。したがって、基板保持具10の開口部12の壁面15は、結晶膜30の直径を精度良く制御するために、下地基板20の結晶成長面21に対して略垂直に設けられることが好ましい。すなわち、基板保持具10の支持部102の下地基板の結晶成長面21と接する面と、壁面15とは、略垂直であることが好ましい。なお、円弧状部13の直径dは、壁面15の角度に関わらず、下地基板20の結晶成長面21に接する円弧状部13の内壁の端部における径で定義されるものとする。
また、基板保持具10によって結晶膜30の直径を精度良く制御するため、並びに基板保持具10に堆積する虞のある雑晶からの影響を軽減するために、基板保持具10の開口部12の内壁の厚さ(高さ)、すなわち図1に示す例ではリング110の厚さは、結晶膜30の膜厚以上とすることが好ましい。
結晶膜30は、下地基板20上に成長するにつれて、比較的安定な結晶面がファセット面として現れる傾向がある。特に、結晶膜30が六方晶系に属する結晶、例えば窒化物半導体である場合、比較的安定な結晶面としては、C面({0001}面)、M面({1−100}面)、R面({1−102}面)、{1−101}面、{11−22}面、{11−21}面、A面({11−20}面)などが挙げられる。また、このような結晶膜30におけるa軸方向<11−20>の結晶成長は、m軸方向<1−100>の結晶成長より速い傾向がある。そのため、結晶膜30の成長初期に{11−22}面、{11−21}面、A面などが現れ、結晶成長が進行するにつれて、より安定なC面、M面、R面、{1−101}面などが徐々に拡大してくる傾向がある。
このように、下地基板20と分離された結晶膜30は、その周縁部にファセット面を有することがある。そして、本実施の形態では、結晶膜30に丸め加工を行わないため、結晶基板35は、図2に示すように、その端面にアズグロウンのファセット面37を有することがある。なお、結晶膜30のエッジに面取り加工が施されても、多くの場合、そのファセット面37の一部は残留するであろう。例えば、本発明の製造方法により製造された、主面がC面に略平行な結晶基板35は、その端面に、M面、R面、{1−101}面、{11−22}面、{11−21}面、A面のうちの少なくとも1つのファセット面37を有する。なかでも、特に多く見られるファセット面37はR面であり、次いで{11−22}面がよく見られる。なお、このようなアズグロウンのファセット面37を、オリフラとして機能させることもできる。
また、上述のように、結晶膜30は、基板保持具10の開口部12の輪郭に依存した形状で成長させることができるが、その周縁部に現れるファセット面37によって、その端面が基板保持具10の開口部12の内壁から離間して成長する部位を有することがある。さらに、結晶膜30の周縁部は、基板保持具10の開口部12の内壁の陰となり、成長膜厚が比較的小さくなりやすい。このように、結晶膜30は、下地基板20上に成長するにつれて先細りしやすい。そこで、これを考慮し、基板保持具10の円弧状部13の直径dを、求める結晶基板35の直径より所定量大きくしてもよい。より詳細には、基板保持具10の円弧状部13は、所定の直径Φより該所定の直径Φの2%以下の範囲で大きい直径を有するようにしてもよい。これにより、結晶基板35の直径を、求める所定の直径Φに合わせやすい。
<実施の形態2>
図3は、実施の形態2の結晶基板の製造方法に係る基板保持具の概略上面図である。図3に示す例の基板保持具11は、複数の開口部12を備えており、複数の下地基板20を保持することが可能である。これにより、複数の下地基板20上に結晶膜30を同時に成長させ、結晶基板35を効率良く製造することができる。なお、複数の開口部12は、その中心が同心円上にほぼ位置するように設けられることが好ましい。そうすれば、各下地基板20上の結晶膜30の膜厚や結晶性の面内分布などの均一性を高めやすい。
ここで、下地基板20上に成長される結晶膜30の結晶面方位は、下地基板20の結晶面方位に依存する傾向があり、それにより予測することができる。さらに、下地基板20上に結晶膜30を試験的に成長させ、その結晶面方位を測定すれば、下地基板20の結晶面方位と結晶膜30の結晶面方位の関係をより正確に知ることができる。一例としては、下地基板20がサファイアであり、結晶膜30が窒化物半導体であってc軸方向[0001]に成長される場合、結晶膜30のM面は下地基板20のA面に略平行となる傾向があることがわかっている。したがって、基板保持具11の開口部12の輪郭の一部を、結晶膜30の結晶面方位に合わせて、その結晶面方位を識別可能なように切り欠いておく又は内側に突出させておくことで、結晶膜30の成長過程において、オリフラなどの切り欠きを形成することができる。
特に、その切り欠きをオリフラとする場合、基板保持具11の開口部12は、その輪郭に、円弧状部13と弦状部(第1の弦状部)14を含む。また、その弦状部14の内壁は、結晶膜30の結晶面に略平行な壁面15を有する。この結晶膜30の結晶面とは、例えば下地基板20のオリフラ23を下地基板20の中心軸を回転軸として30°又は90°の整数倍回転させた面に略平行な結晶面として定義される。なお、下地基板20の中心軸とは、結晶成長面21(オフ角は考慮しない)の中心における垂線である。これにより、弦状部14の内壁で結晶膜30の成長が制限されて、結晶膜30に略円形状の縁の一部を切り欠く切り欠きが形成される。そして、結晶膜30が壁面15に接して成長することで、その切り欠きに、結晶膜30の結晶面に略平行な平坦面を形成することができる。このほか、結晶基板35の切り欠きは、ノッチであってもよい。その場合、基板保持具11の開口部12は、その輪郭にV字形状に内側に突出する突出部を含む。そして、その突出部の先端を通る該突出部の中心軸が、結晶膜30の結晶面に略平行となるようにすればよい。
なお、結晶基板35のオリフラやノッチなどの切り欠きが示す結晶面方位の許容精度は、その結晶基板35の用途によって変わるが、例えば±3.0°以内、好ましくは±1.0°以内、より好ましくは±0.5°以内、最も好ましくは±0.1°以内である。また、結晶基板35のオリフラとなる切り欠きの長さは、オリフラとしての機能、並びに結晶基板35の主面の有効面積などの観点から、結晶基板の直径Φの20%以上40%以下程度とすることが好ましく、例えば直径が3インチや75mmの結晶基板35であれば、15mm以上30mm以下とすることが好ましい。
このように、本実施の形態では、結晶膜30を下地基板20と分離させた後、研削などの加工により切り欠きを形成する工程を省略することができ、結晶基板35を安価に製造することができる。また、そのような加工に起因するクラック、チッピング、割れなどの発生を抑制することができ、歩留まりを高めることができる。
なお、結晶膜30は、その結晶構造の対称性によって、等価に扱える複数の結晶面を有する。このため、結晶基板35において、切り欠きは、結晶面方位の識別のみを目的とするならば、形成され得る位置が複数存在する。しかしながら、結晶膜30は、下地基板20のオフ角や転位の分布などの特性を引き継ぐ傾向があり、切り欠きは、結晶面方位のほか、そのような他の特性も識別可能な位置に形成されることがより好ましい。本実施の形態では、結晶膜30の成長過程において切り欠きを形成するため、結晶膜30の結晶面方位に加え、その切り欠きの位置により結晶膜30のオフ角や転位の分布なども比較的容易に識別することができる。結晶膜30を下地基板20と分離させた後では、その結晶面方位を知る作業さえ煩雑になるため、本手段は非常に簡便で有用である。
また、基板保持具11は、開口部12毎に対応して、保持する下地基板20のオリフラ23と略平行に対面する基準面17を備えている。そして、弦状部14の位置及び方向、ひいては壁面15の位置及び方向は、この基準面17を基準として設定される。そうすると、下地基板20の結晶面方位に対する壁面15の設置精度を高めることができ、結晶基板35に切り欠きを精度良く形成しやすい。
結晶基板35のオリフラとなる切り欠きは、その主面(上面:表)に対して、斜めの面であってもよいが、多くの場合は略垂直な面で形成される。したがって、基板保持具11の弦状部14の壁面15は、下地基板20の結晶成長面21に対して略垂直に設けられることが好ましい。すなわち、基板保持具11の下地基板の結晶成長面21と接する面と、壁面15とは、略垂直であることが好ましい。また、上述のように、雑晶からの影響を軽減するため、基板保持具11の開口部12の内壁の厚さ(高さ)を、結晶膜30の膜厚以上とすることが好ましい。
結晶膜30が六方晶系に属する結晶である場合、そのC面とM面、及びC面とA面は、垂直な関係にある。また、A面とM面は、c軸を回転軸として30°回転した関係にある。例えば、主面がC面に略平行な結晶基板35の切り欠きは、M面又はA面に略平行に形成することができる。また例えば、主面がM面に略平行な結晶基板35の切り欠きは、C面又はA面に略平行に形成することができる。特に、基板保持具11の弦状部の壁面15は、結晶膜30のA面に略平行であることが好ましい。上述のように、a軸方向への結晶成長が比較的速いため、このようにすれば、結晶膜30が弦状部14の壁面15に接して成長しやすくなり、結晶基板35にオリフラとなる切り欠きを精度良く形成しやすい。
また、結晶膜30が立方晶系に属する結晶である場合、その{100}面のうちの1つは、それに連続する4つの面と垂直な関係にある。また{011}面は、{100}面のうちの2つの面と垂直であり、{100}面のうちの残りの4つの面とは45°回転した関係にある。例えば、主面が(100)面に略平行な結晶基板35の切り欠きは、例えば(01−1)面又は(011)面に略平行に形成することができる。なお、この(01−1)面と(011)面は垂直な関係にある。
ここで、仮に結晶膜30の結晶面方位が下地基板20の結晶面方位と略一致すると考えると、結晶膜30は、下地基板20のオリフラ23が示す結晶面つまりオリフラ23に略平行な結晶面を、下地基板20の中心軸を回転軸として30°の整数倍回転させた面又は90°の整数倍回転させた面に略平行な結晶面を有する場合が多い。したがって、基板保持具11の弦状部の壁面15が、下地基板20のオリフラ23を下地基板20の中心軸を回転軸として又は基準面17を開口部12の中心軸を回転軸として、30°又は90°の整数倍回転させた面に略平行であることで、多くの晶系に対応して、結晶基板35にオリフラとなる切り欠きを精度良く形成しやすいので、好ましい。
また、この基板保持具11の開口部12は、その輪郭に、弦状部14と平行でなく且つ弦状部14と異なる大きさの第2の弦状部を含んでもよい。これにより、結晶膜30の成長過程において、結晶膜30に、インデックスフラットなど、結晶基板35の表裏を識別する切り欠きを容易に形成することができる。第2の弦状部は、視認できれば比較的小さいものでよく、例えば弦状部14より小さいことが好ましい。また、この第2の弦状部の内壁もまた、結晶膜30の結晶面に略平行な壁面を有するようにしてもよい。これにより、第2の弦状部により結晶基板35に形成される切り欠きを、副オリフラとしても機能させることができる。
結晶基板35の表裏を識別する切り欠きの形状は、弦状(直線状)に限定されない。その場合、第2の弦状部の代わりに、基板保持具11の開口部12は、その輪郭に、V字形状、U字形状、半円状など任意の形状で内側に突出する突出部を含む。そして、この突出部は、第1の弦状部14の中心線(垂直2等分線)上に位置しないか、又は開口部12の内壁における下地基板20側若しくはその反対側どちらか(好ましくは下地基板20側)に偏らせて設けられる。これにより、この突出部により形成される結晶基板35の切り欠きの位置が該基板の表向きと裏向きで異なるので、結晶基板35の表裏を識別することができる。
なお、各開口部12における、円弧状部13の直径d、並びに弦状部14と第2の弦状部の位置、方向、大きさは、揃えることが好ましいが、開口部12毎に変えてもよい。また、実施の形態1の基板保持具10においても、弦状部14及び第2の弦状部を適用することができる。
以下、本発明の各構成要素について説明する。
(基板保持具)
基板保持具10,11は、結晶膜30の成長時の高温雰囲気に耐え、下地基板20を保持するのに十分な機械的強度を有するものであればよい。また、結晶膜30の成長時の下地基板20の位置ずれや歪みを抑制するため、基板保持具10,11は、その熱膨張係数が下地基板20のそれ以上であることが好ましい。基板保持具10,11の材料としては、カーボン(炭素質、黒鉛質)、SiC、BNなどが挙げられ、特にカーボンが好ましい。
(下地基板)
下地基板20は、その上に結晶膜30の成長、好ましくはエピタキシャル成長が可能なものであればよい。下地基板20の材料としては、サファイア(Al)、スピネル(MgAl)、GaN、AlGaN、AlN、Si、SiC、GaAs、GaP、InP、ZnS、ZnO、ZnSe、ダイヤモンドなどが挙げられる。また、これらのうちで結晶膜30と異なる材料の自立基板上に、それとは異なる材料、好ましくは結晶膜30と近似する材料の層が形成された複合基板であってもよい。特に、結晶膜30が窒化物半導体である場合、結晶成長面21がC面(0001)に略平行なサファイア、又はその上に窒化物半導体の層が形成された複合基板が好ましい。なお、下地基板20の結晶成長面21は、特定の結晶面から所定角度傾斜(オフ)していてもよい。下地基板20の大きさは、例えば1インチ以上8インチ以下、好ましくは2インチ以上6インチ以下、より好ましくは2インチ以上4インチ以下とする。下地基板20の厚さは、例えば30μm以上3mm以下、好ましくは0.1mm以上2mm以下、より好ましくは0.5mm以上2mm以下とする。このような大きさ、厚さの下地基板20であれば、結晶膜30のクラックや割れを抑制しやすい。下地基板20の形状(オリフラ等の切り欠きを除いて考える)は、円形状が好ましいが、矩形状、三角形状、半円状、扇状などでもよい。
(結晶膜)
結晶膜30は、気相成長法により下地基板20上に結晶成長可能なものであればよい。結晶膜30は、単層膜でも多層膜でもよく、自立基板となるもののほか、半導体素子構造を含むものでもよい。結晶膜30の材料としては、例えばGaN、AlGaN、InGaNなど、主として一般式AlInGa1−x−yN(0≦x≦1,0≦y≦1,x+y≦1)で表される窒化物半導体が挙げられる。なお、III族元素の一部がBで置換されてもよく、Nの一部がP、Asなどで置換されてもよい。窒化物半導体はバルク結晶を比較的得難く、その結晶基板は他の材料に比べ未だ高価であり、本発明が特に効果を奏する。このほか、結晶膜30の材料は、GaAs系化合物(主として一般式AlInGa1−v−wAs(0≦v≦1,0≦w≦1,v+w≦1)で表される)、GaP系化合物(主として一般式AlInGa1−s−tP(0≦s≦1,0≦t≦1,s+t≦1)で表される)、ZnS、ZnSe、ZnO、Si、SiC、ダイヤモンドなどでもよい。また、結晶膜30は、その導電型を制御するために、適宜不純物がドープされてもよい。特に、結晶膜30が窒化物半導体である場合、n型不純物はSi、O、Sなどを、p型不純物はMg、Zn、Cなどを用いることができる。なかでも、n型不純物はSi、p型不純物はMgが好ましい。これらの不純物の濃度は、例えば1×1017/cm以上1×1021/cm以下とするとよい。
また、結晶膜30を下地基板20と分離させる方法としては、下地基板20を研磨により除去する方法、結晶膜30と下地基板20の界面近傍に薬液処理やレーザ照射などを施して結晶膜30を下地基板20から剥離させる方法、結晶膜30の成長後の熱応力などにより結晶膜30を下地基板20から自然に剥離させる方法などが挙げられる。特に、自然剥離を利用することで、安価に結晶膜30を下地基板20と分離させやすい。
(気相成長装置)
気相成長法(装置)は、例えば、気相エピタキシー法(VPE:Vapor Phase Epitaxy)、化学気相成長法(CVD:Chemical Vapor Deposition)、分子線エピタキシー(MBE:Molecular Beam Epitaxy)などの方法(装置)を用いることができる。特に、VPE法、CVD法が好ましく、より具体的には、比較的高速の結晶成長が可能なハイドライド気相エピタキシー法(HVPE:Hydride Vapor Phase Epitaxy)、成長速度や膜厚の制御がしやすい有機金属化学気相成長法(MOCVD:Metal Organic Chemical Vapor Deposition)が好適である。これらの方法を組み合わせて用いてもよい。特に、結晶膜30が窒化物半導体である場合、HVPE法では、主原料としてアンモニア(NH)とIII族元素のハロゲン化物(例えばGaCl)を用いる。MOCVD法では、主原料としてNHとトリメチルガリウム(TMG)などを用いる。また上述のような不純物をドープする場合には、これらの主原料と共に、例えばシラン(SiH)やシクロペンタジエニルマグネシウム(CpMg)などのドーパントを用いる。また、このような不純物をドープすることで、結晶膜30の成長モードを制御する(例えば横方向成長を促進させる)こともできる。
以下、本発明に係る実施例について詳述する。なお、本発明は以下に示す実施例のみに限定されないことは言うまでもない。
<実施例1>
まず、MOCVD装置で、サファイア基板上に、バッファ層と、GaNの下地層を25μm成長させ、これを下地基板とする。このとき、バッファ層と下地層は、この上に成長される結晶膜の自然剥離を促進する条件で成長させる。なお、このサファイア基板は、直径89mm、厚さ0.5mmで、その端面に長さ15mm、A面のオリフラを有する。また、サファイア基板の結晶成長面は、オリフラを手前にしたとき右側が高くなるように、C面(0001)から0.35°以下のオフ角が付いている。
次に、このように作製した下地基板を、基板保持具に固定する。この基板保持具は、保持具本体と、リングと、の2つの部品で構成されている。両部品ともカーボン製である。保持具本体の筒状部の内壁は、下地基板の輪郭に対応して、直径89.2mmの円の一部が長さ15mmの弦で切り欠かれた輪郭を有しており、この弦の部位の壁面が基準面となっている。なお、保持具本体の支持部の開口部の輪郭は、直径83mmの円である。リングの外郭は、この保持具本体の筒状部の内壁の輪郭と略一致している(嵌め合い公差は考慮する)。これにより、リングは、保持具本体にほぼ固定される。リングの開口部の輪郭は、直径76.7mmの円である。リングの厚さは、1mmである。そして、下地基板は、保持具本体の筒状部に挿入され、そのオリフラを基準面と略平行に対面させて、リング上に設置される。これにより、下地基板もまた、保持具本体にほぼ固定される。最後に、均熱板が下地基板の裏面上に載せられる。
以上のように、下地基板を保持した基板保持具をHVPE装置の反応炉内に設置し、1020℃で下地基板上にGaNを1mm程度成長させる。このとき、周縁部の成長膜厚が中央部のそれよりやや大きくなるように条件を調整することが好ましい。その後、HVPE装置から基板保持具を取り出すと、降温時にサファイア基板から自然に剥離したGaNの結晶膜を得ることができる。この結晶膜は、輪郭がほぼ円であって、76.24〜76.51mmの直径を有する。その後、この結晶膜は、両面研磨加工とエッジの面取り加工が施されて、直径約3インチのGaNの結晶基板に仕上げられる。なお、このGaNの結晶基板の端面には、エッジの面取り加工により形成される面のほか、アズグロウンのR面、{11−22}面などが観測される。
<実施例2>
実施例2において、基板保持具のリングを除く構成及び工程は、実施例1と同様である。実施例2におけるリングの開口部は、直径76.7mmの円の一部が長さ16mmの弦(弦状部)で切り欠かれた輪郭を有する。この弦状部は、外郭の弦の部位から反時計回りに90°回転した向きに設けられている。このような基板保持具を用いて、実施例1と同様にすると、直径約3インチの円の一部が長さ約16mmの弦で切り欠かれた輪郭を有する、GaNの結晶基板を得ることができる。そして、その結晶膜の切り欠きの端面は、X線回折法により評価すると、GaNのA面からのズレ量が約0.83°の面であることが確認できる。
本発明に係る結晶基板の製造方法は、LEDやLD等の発光デバイス、トランジスタ等の電子デバイスなど半導体素子のウエハ、又はそのようなウエハの結晶成長用基板の製造に利用することができる。
10,11…基板保持具、100…保持具本体、101…筒状部、102…支持部、110…リング、12…開口部、13…円弧状部、14…弦状部(第1の弦状部)、15…壁面、17…基準面
20…下地基板、21…結晶成長面、23…オリエンテーションフラット
30…結晶膜、35…結晶基板、37…ファセット面
40…均熱板

Claims (3)

  1. 気相成長装置の基板保持具に保持される下地基板の結晶成長面上に結晶膜を成長させ、該結晶膜から、2インチ、2.5インチ、3インチ、4インチ、5インチ、6インチ、50mm、75mm、100mm、125mm、150mmのうちのいずれか1つに略等しい直径Φを有する結晶基板を製造する方法であって、
    前記基板保持具は、前記下地基板の結晶成長面の一部を露出させる開口部を備え、
    前記下地基板は、サファイアからなる自立基板上に窒化物半導体の層が形成され、且つオリエンテーションフラットを有する複合基板であり、
    前記結晶膜は窒化物半導体であり、
    前記開口部は、その輪郭に円弧状部及び弦状部を含み、
    前記円弧状部は、前記直径Φの100%以上102%以下である直径を有し、
    前記弦状部の内壁は、前記オリエンテーションフラットを前記下地基板の中心軸を回転軸として30°又は90°の整数倍回転させた面に略平行な壁面を有する結晶基板の製造方法。
  2. 前記下地基板は、その厚さが30μm以上3mm以下である、請求項1に記載の結晶基板の製造方法。
  3. 前記結晶膜は、一般式Al In Ga 1−x−y N(0≦x≦1、0≦y≦1、x+y≦1)で表される窒化物半導体である、請求項1又は2に記載の結晶基板の製造方法。
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