JP5728838B2 - 電子楽器のペダル装置 - Google Patents

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Description

本発明は、アコースティックピアノにおけるダンパーペダルの反力特性に近い反力特性を持つ電子楽器のペダル装置に関するものである。
自然楽器であるアコースティックピアノにおいて、演奏者がダンパーペダルを踏み込むと、演奏者は、ダンパーペダルから受ける反力が、ダンパーペダルの踏み込み深さに応じて変化していることを感じる。
図12は、グランドピアノにおけるダンパーペダルの荷重特性の一例を示すグラフである。縦軸はダンパーペダルに加える荷重、横軸はダンパーペダルの変位である。
151は往行程の特性曲線であり、ダンパーペダルに加える荷重を増やして行くときの、ダンパーペダルの変位を示すものである。この荷重は、演奏者がダンパーペダルを踏み込んで行くときに、押下方向の変位(ストローク)に応じて演奏者に感じられる反力となる。
ダンパーペダルは、いくつかの連結部を介してダンパーに連結されている。
演奏者がダンパーペダルの踏み込みを開始した初期状態では、ダンパーや各種の連結部の重量などが初期反力として発生するため、反力の傾き(反力の変化率、すなわち、反力の増分値÷ストロークの増分値)が大きい。その後、ダンパーペダルのストロークが小さい間は、連結部にある遊びのため、ダンパーペダルの踏み込み力がダンパーにまで伝達されない。そのため、ダンパーペダルのストロークが、図示の領域A0にあるとき、初期状態を除いて反力の変化率は小さい。
演奏者がダンパーペダルのストロークを大きくすると、図示の領域A1に移行し、連結部を介しての踏み込み力がダンパーに伝達され、弦に当接していた各弦のダンパーを持ち上げ始める。その際、連結部の全体が有する弾性要素、隣接するダンパー同士の動きの不均一により生じる摩擦力の増加等により反力の変化率が大きくなる。
さらに、ダンパーペダルのストロークが増し、領域A2に移行すると、全てのダンパーが弦から完全に離れ、連結部全体が有する弾性要素からの反力が増えなくなる。その結果、反力の変化率が再び小さくなる。その後、さらにストロークが増すと、ダンパーペダルはストッパに当接し、領域A3に移行する。そのため、反力の変化率が急増する。
従来は、領域A1の後半から、領域A1と領域A2との境界近傍までの領域AH’をハーフペダル領域と呼んでいる。上級演奏者は、このハーフペダル領域において、ダンパーペダルのストロークを微妙に変えることにより、発音される楽音の音色、響きなどを変化させている。その際、上級演奏者は、領域A1と領域A2との境界において反力の変化率が変化していることを感じることにより、ハーフペダル領域AH’にあることを認識できる。
一方、図示の特性曲線152は、復行程の特性曲線であり、ダンパーペダルに加える荷重を減らして行くときのダンパーペダルの変位を示すものである。この荷重は、演奏者がダンパーペダルの踏み込みを緩めるときに、演奏者に感じられる反力となる。
復行程の特性曲線152は、往行程の特性曲線151に対し、同じ変位量に対し反力が小さくなる。これは、連結部の粘性や摩擦力により生じるヒステリシスによる。
ところが、電子鍵盤楽器のペダル装置においては、従来、ダンパーペダルを1個のばねで付勢するものが一般的である。そのため、反力の変化率はストロークの途中で変化しない。
しかし、電子鍵盤楽器のペダル装置においても、ペダルレバー(ダンパーペダル)から受ける反力の変化率を、ペダルレバーの踏み込み量(ストローク)に応じて変える技術が知られている(特許文献1参照)。
この従来技術では、ペダルレバーが第1のばね材に付勢されるとともに、全ストローク行程の途中からペダルレバーに結合するレバー又は平板が、第2のばね材に付勢される。レバーの回動量を可変抵抗器で検出したり、平板の変位量を発光部と受光部との複数対で検出したりすることにより、ハーフペダル制御が行われる。
しかし、この従来技術では、全ストローク行程の途中から反力がさらに増加する。この特性は、図12に示したグランドピアノのタッチ感とは異なるものとなり、また、ダンパーペダルを踏み切るのに大きな力を要するものである。
また、ペダル板(ダンパーペダル)を付勢するコイルばねと、ゴム製の接触片を有する3個のスイッチとを用いる電子鍵盤楽器用ペダルユニットが知られている(特許文献2参照)。
ペダルフレームの底テーパ面にコイルバネと基板が設置され、基板に3個のスイッチが設置されている。この技術においては、ペダル板の裏面にある押圧部材が、各スイッチの接触片の上方に、一定のクリアランスを持って配置されている。ペダル板が踏み込まれると、3個のスイッチが順次押圧される。
構造上、各スイッチはペダル板を介して演奏者に対し反力を与える。しかし、3個のスイッチは、そのオンオフによりペダル板の操作量を4段階に分けて検出するものである。従って、各スイッチの反力は、通常のゴム製の接触片を有するスイッチ、例えば、電子鍵盤楽器の鍵スイッチと同様に、十分に小さいと推測される。従って、3個のスイッチの反力を合わせても、コイルバネに比べて小さな反力しか得られない。仮に、反力の大きなスイッチを使用しても、コイルバネの反力と3個のスイッチの反力とを合わせたものの特性は、図12に示したダンパーペダルの反力特性とは異なるものになる。
特開2004−334008 特開2001−22355
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたもので、ペダルの操作感触が良好であり、ハーフペダル領域と反力の変化との対応がとれた電子楽器のペダル装置を提供することを目的とするものである。
本発明は、請求項1に記載の発明においては、演奏者の踏み込み操作により揺動するペダルと、該ペダルへの踏み込み操作により変位し前記ペダルに反力を与える付勢手段と、前記ペダルのストロークに対応する値を連続的に出力するストロークセンサと、該ストロークセンサの出力値にハーフペダル領域が設定され、前記ストロークセンサの出力値に応じてペダル操作値を出力するペダル操作出力手段を有する電子楽器のペダル装置において、前記付勢手段は、前記ペダルのストロークの全範囲において変位し該変位の増加に従って増加するという第1の特性の反力を発生する第1の付勢手段と、前記ペダルのストロークの途中から前記ペダルに結合して変位を開始し、該変位の増加する途中において当該反力の変化率が減少するという第2の特性の反力を発生する第2の付勢手段を有し、該第2の付勢手段は、当該第2の付勢手段の第1の変位位置を検出する第1のスイッチを有し、前記ペダル操作出力手段は、センサ出力抽出手段と変換特性設定手段と変換手段を有し、前記センサ出力抽出手段は、前記第1のスイッチにより前記第2の付勢手段の第1の変位位置が検出されたタイミングにおける前記ストロークセンサの出力値を第1の出力値として抽出し、前記変換特性設定手段は、前記ハーフペダル領域の下限及び上限が、それぞれ、前記第2の付勢手段の変位開始の直後において前記第2の付勢手段の反力の変化率が最も大きく増加する変位位置又はその近傍の変位位置、及び、前記第2の付勢手段の変位の増加する途中において前記第2の付勢手段の反力の変化率が最も大きく減少する変位位置又はその近傍の変位位置に対応し、かつ、前記ハーフペダル領域に対する記第1の出力値の相対位置が、前記第2の付勢手段の変位開始の直後において前記第2の付勢手段の反力の変化率が最も大きく増加する変位位置又はその近傍の変位位置から、前記第2の付勢手段の変位の増加する途中において前記第2の付勢手段の反力の変化率が最も大きく減少する変位位置又はその近傍の変位位置まで、の領域に対する前記第1の変位位置の相対位置と一致するように前記ハーフペダル領域を設定し、設定されたハーフペダル領域に基づいて、前記ストロークセンサの出力値を前記ペダル操作値に変換するための変換特性を設定し、前記変換手段は、前記変換特性設定手段により設定された変換特性に基づいて、前記ストロークセンサの出力値を前記ペダル操作値に変換して出力するものである。
従って、踏み込み操作の最初のうちは、ストロークの増加に従って増加する反力が発生するとともに、第2の付勢手段により、反力の変化率が、ペダルのストロークの途中から一旦増加し、その後、減少するという2段階に変化する反力特性が実現される。その結果、ペダルの操作感触が良好となり、アコースティックピアノにおけるダンパーペダルの反力特性に似た反力特性が簡単な構成で実現される。
また、第2の付勢手段の反力の変化に基づくペダルの反力の変化と、ストロークセンサの出力値により規定されるハーフペダル領域とが対応付けられる。すなわち、第1のスイッチは、反力の変化特性に対応するようにハーフペダル領域を設定する機能を実現する。
加えて、演奏者が、ペダルの反力が大きく増加したと感じたとき、ストロークがハーフペダル領域の下限になり、ハーフペダル制御が開始されることを認識できる。また、演奏者が、ペダルの反力が大きく減少したと感じたとき、ストロークがハーフペダル領域の上限になり、ペダルオン制御に移行することを認識できる。
請求項2に記載の発明においては、演奏者の踏み込み操作により揺動するペダルと、該ペダルへの踏み込み操作により変位し前記ペダルに反力を与える付勢手段と、前記ペダルのストロークに対応する値を連続的に出力するストロークセンサと、該ストロークセンサの出力値にハーフペダル領域が設定され、前記ストロークセンサの出力値に応じてペダル操作値を出力するペダル操作出力手段を有する電子楽器のペダル装置において、前記付勢手段は、前記ペダルのストロークの全範囲において変位し該変位の増加に従って増加するという第1の特性の反力を発生する第1の付勢手段と、前記ペダルのストロークの途中から前記ペダルに結合して変位を開始し、該変位の増加する途中において当該反力の変化率が減少するという第2の特性の反力を発生する第2の付勢手段を有し、該第2の付勢手段は、当該第2の付勢手段の第1の変位位置を検出する第1のスイッチと第2の変位位置を検出する第2のスイッチを有し、前記ペダル操作出力手段は、センサ出力抽出手段と変換特性設定手段と変換手段を有し、前記センサ出力抽出手段は、前記第1のスイッチにより前記第2の付勢手段の第1の変位位置が検出されたタイミングにおける前記ストロークセンサの出力値を第1の出力値として抽出するとともに、前記第2のスイッチにより前記第2の付勢手段の第2の変位位置が検出されたタイミングにおける前記ストロークセンサの出力値を第2の出力値として抽出し、前記変換特性設定手段は、前記ハーフペダル領域の下限及び上限が、それぞれ、前記第2の付勢手段の変位開始の直後において前記第2の付勢手段の反力の変化率が最も大きく増加する変位位置又はその近傍の変位位置、及び、前記第2の付勢手段の変位の増加する途中において前記第2の付勢手段の反力の変化率が最も大きく減少する変位位置又はその近傍の変位位置に対応し、かつ、前記ハーフペダル領域に対する記第1の出力値の相対位置及び前記第2の出力値の相対位置が、それぞれ、前記第2の付勢手段の変位開始の直後において前記第2の付勢手段の反力の変化率が最も大きく増加する変位位置又はその近傍の変位位置から、前記第2の付勢手段の変位の増加する途中において前記第2の付勢手段の反力の変化率が最も大きく減少する変位位置又はその近傍の変位位置まで、の領域に対する前記第1の変位位置の相対位置及び前記第2の変位位置の相対位置と一致するように前記ハーフペダル領域を設定し、設定されたハーフペダル領域に基づいて、前記ストロークセンサの出力値を前記ペダル操作値に変換するための変換特性を設定し、前記変換手段は、前記変換特性設定手段により設定された変換特性に基づいて、前記ストロークセンサの出力値を前記ペダル操作値に変換して出力するものである。
従って、請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明と比較して、第2の付勢手段の反力の変化に基づくペダルの反力の変化と、ストロークセンサの出力値により規定されるハーフペダル領域との対応が、より正確になる。すなわち、第1のスイッチ、第2のスイッチは、反力の変化特性に対応するようにハーフペダル領域をより正確に設定する機能を実現する。
請求項3に記載の発明においては、請求項2に記載の電子楽器のペダル装置において、前記第2の変位位置は、前記第2の付勢手段の変位の増加する途中において前記第2の付勢手段の反力の変化率が最も大きく減少する変位位置又はその近傍の変位位置であり、前記変換特性設定手段は、前記第出力値が、前記ハーフペダル領域の上限となるように前記ハーフペダル領域を設定するものである。
従って、第2の付勢手段の反力の変化に基づくペダルの反力の変化と、ストロークセンサの出力により規定されるハーフペダル領域の限との対応のずれが小さくなる。その結果、楽音制御において、ペダルオン制御に移行するタイミングが正確になる。
請求項4に記載の発明においては、請求項1から3までのいずれか1項に記載の電子楽器のペダル装置において、前記第1の変位位置は、前記第2の付勢手段の変位開始の直後において前記第2の付勢手段の反力の変化率が最も大きく増加する変位位置又はその近傍の変位位置であり、前記変換特性設定手段は、前記第出力値が、前記ハーフペダル領域の下限となるように前記ハーフペダル領域を設定するものである。
従って、第2の付勢手段の反力の変化に基づくペダルの反力の変化と、ストロークセンサの出力により規定されるハーフペダル領域の限との対応のずれが小さくなる。その結果、楽音制御において、ハーフペダル制を開始するタイミングが正確になる。
上述した各請求項に記載の発明において、上述した第2の付勢手段は、例えば、この第2の付勢手段の変位の増加する途中から座屈が生じることにより、変位の増加する途中において反力の変化率が減少する。従って、座屈現象により、反力の変化率が減少するという特性の反力を簡単な構造で実現することができる。
上述した第2の付勢手段は、具体的には、ドーム形状をしたゴム部材に可動接点が設けられたものである。従って、簡単な素材と形状、構成により、座屈を生じさせることができる。
上述した本発明によれば、ペダルの操作感触が良好になるとともに、アコースティックピアノにおけるダンパーペダルの反力特性に似た特性を簡単な構造で実現できるという効果がある。
加えて、ペダルの反力の変化とハーフペダル領域との対応が、構成部品のばらつき、経年変化等の影響を受けにくい。そのため、ペダルの反力の変化と、ペダル操作値により制御される音の変化との対応がとれる。従って、演奏者がペダルの反力の変化を感じることによって、ハーフペダル制御を容易に実行できるという効果がある。
本発明の実施の一形態を示す構造図である。 図1におけるドーム形状ゴム部材の具体例を示す断面構造図である。 図2(a)に示したドーム形状ゴム部材の変位−荷重特性の一例を示すグラフである。 図1に示した実施形態におけるダンパーペダルの反力特性の概要及びストロークセンサの出力特性の一例を示すグラフである。 図2(a)に示したドーム形状ゴム部材の望ましい変位−荷重特性モデルの説明図である。 図1に示した実施形態におけるダンパーペダルの反力特性モデルを示す概要図である。 図1に示した実施形態におけるストロークセンサ出力のずれ発生例1、及び、ずれのないペダル操作値を得る手法の説明図である。 図1に示した実施形態におけるストロークセンサ出力のずれ発生例2、及び、ずれのないペダル操作値を得る手法の説明図である。 図1に示した実施形態におけるストロークセンサ出力のずれ発生例3、及び、ずれのないペダル操作値を得る手法の説明図である。 本発明の実施形態の機能ブロック図である。 図1,図10に示した実施の形態を用いた電子鍵盤楽器の一例を示すハードウエア構成図である。 グランドピアノにおけるダンパーペダルの荷重特性の一例を示すグラフである。
図1は、本発明の実施の一形態を示す構造図である。図1(a)は構造の垂直断面を示し、図1(b)は構造の側面を示すものである。
図中、1はダンパーペダル、2はペダルフレームである。ペダルフレーム2は、ダンパーペダル1を揺動自在に支持するとともに、下限ストッパ3、上限ストッパ4、コイルばね5、主プリント配線板6、側板7(図1(b))等を固定的に支持する。主プリント配線板6にはドーム形状ゴム部材9、副プリント配線板8(図1(b))が固定され、側板7には可変抵抗器10(図1(b))が固定される。
コイルばね5は、主荷重となるものであり、例えば金属製のばねである。
ドーム形状ゴム部材9は、コイルばね5による反力特性に変化を付加するものであり、コイルばね5よりも小型で軽量である。
最初に、上述した構造の動作概要を説明する。
ダンパーペダル(ペダル)1が演奏者の踏み込み操作により、ストロークの所定範囲を揺動するとき、コイルばね(第1の付勢手段)5は、ダンパーペダル1への踏み込み操作により、ダンパーペダル1のストロークの全範囲において変位し、この変位の増加に従って増加するという第1の特性の反力(図4の例では、初期状態を除けば、変位にほぼ比例する反力)を発生する。
ドーム形状ゴム部材(第2の付勢手段)9は、ダンパーペダル1のストロークの途中からダンパーペダル1に結合し、ダンパーペダル1のさらなる踏み込み操作により変位を開始し、この変位の増加する途中においてその反力の変化率(反力の増分値÷ストロークの増分値)が減少するという第2の特性の反力を発生する。
ドーム形状ゴム部材9は、このドーム形状ゴム部材9の変位の増加する途中における第1の変位状態を検出する第1のスイッチを備える。加えて、このドーム形状ゴム部材9の変位の増加する途中における第2の変位状態を検出する第2のスイッチを備える場合もある。
可変抵抗器10は、ダンパーペダル1のストロークに対応する電圧の連続値(アナログ値)を連続的に出力するストロークセンサである。以後、可変抵抗器10を機能的に把握して説明するときは、単にストロークセンサ10という場合がある。
次に構造の細部を説明する。
ダンパーペダル1において、1aは操作部、1bは上面部、1cは左側面部、1dは右側面部(図1(b))、1eは支点部である。このダンパーペダル1の、操作部1aよりも後方(図示右側)部分は、下方向に凹部1fが開口したコの字状の垂直断面を有する。その上面部1bの孔から切り起こされた舌片が支点部1eとなる。
ダンパーペダルの凹部1fの内部には、アクチュエータ11がねじ12aにより取り付けられている。これは、例えば、合成樹脂材料の直方体であり、ダンパーペダル1の非押し込み状態において、間隙gを隔ててドーム形状ゴム部材9に対向する。
ダンパーペダルの上面部1bには、被ガイド部材13がねじ12bにより取り付けられている。これは、後方に開口する箱状に形成されている。被ガイド部材の左側板部13a、右側板部13b(図1(b))に、それぞれ、2個の小突起13c,13dが突設されている。
一方、ペダルフレーム2は、その底板2aに対し、前板2b,後板2cが垂直に折り曲げられたものである。
前板2bには、矩形状の前面開口部2dが形成され、ここから、ダンパーペダルの操作部1aが露出する。前面開口部2dの左右辺の上部は後方に折り曲げられ、左ガイド板2e,右ガイド板2f(図1(b))となる。これらは、被ガイド部材の小突起13c,13dに接触しながら、ペダルフレーム2の揺動を案内する。
また、前面開口部2dの下辺が後方に折り曲げられ、取付板2gとなる。ここにフェルト等による下限ストッパ3が貼着されている。一方、前板2bの上辺は、後方に折り曲げられて前上板2hとなる。この下面にフェルト等による上限ストッパ4が貼着されている。図示の状態において、被ガイド部材の上側板部13eは上限ストッパ4に当接している。
後板2cには、後面開口部2iが形成されている。この後面開口部2iは、コの字形状であり、ここにダンパーペダル1の後端が挿入され、その支点部1eが後面開口部2iに当接し、上面部1bはねじ12cにより抜け止めされる。後板2cがダンパーペダル1の支持部となる。後板2cの上辺は、後方に折り曲げられて後上板2jとなる。
ダンパーペダル1は、操作部1aに対する演奏者の踏み込み操作により支点部1eを支点として揺動する。下限ストッパ3と上限ストッパ4とは、ダンパーペダル1のストロークの全範囲を規定する。
底板2aに、ばね取付部2kが形成されている。コイルばね5は、その一端がばね取付部2kに載置され、その他端がダンパーペダルの凹部1fを付勢する。
図示の例では、ダンパーペダル1の長手方向において、支点部1eの側から順に、ドーム形状ゴム部材9、コイルばね5が配置されているが、逆の配置でもよい。
ペダルフレーム2は、その前上板2h及び後上板2jにおいて、電子鍵盤楽器の本体部又はその脚柱に結合固定される。ペダルフレーム2は、その底板2aに図示を省略したねじ込み式のアジャスタを備えることにより、ペダルフレーム2と床面との間隔を調整することができる。
図1(b)に示すように、ダンパーペダル1の上面部1bには、ピン取付部材14がねじ12dにより取り付けられている。このピン取付部材14の右側面板にピン14aが突設されている。
一方、底板2aから切り起こされた取付部2m,2nに側板7が、ねじ12eにより垂直に取り付けられている。側板7に固定された可変抵抗器10の出力端子は、副プリント配線板8を介して主プリント配線板6の配線に接続される。
リンク部材15は、その軸孔15aが可変抵抗器の軸部10aに嵌合固定されるとともに、ピン14aに係合する切欠部15bを有する。ダンパーペダル1が揺動すると、リンク部材15により、可変抵抗器10の軸が回転する。可変抵抗器10の固定端子間に電圧が印加され、可変抵抗器10の可動端子の出力電圧は、ダンパーペダル1のストロークに応じた値(ストロークセンサの出力値)となる。
図2は、図1におけるドーム形状ゴム部材9の具体例を示す断面構造図である。ドーム形状ゴム部材9を、その中心軸を通る垂直面で切断したときの片方を示す。
図2(a)に示すものはドーム形状ゴム部材9の第1の変位状態を検出する第1のスイッチ(第1の可動接点22、第1の固定接点対24a,24b)、ドーム形状ゴム部材9の第2の変位状態を検出する第2のスイッチ(第2の可動接点23、第1の固定接点対25a,25b)を備える。
これらのスイッチがドーム形状ゴム部材9に内蔵されているので、ドーム形状ゴム部材9の変位状態を検出する検出部材を新たに追加したり、これらの検出部材の設置スペースを、ドーム形状ゴム部材9の近傍に確保したりする必要がない。
これらのスイッチは、ドーム形状ゴム部材9により実現される反力の変化と、ストロークセンサ10の出力により規定されるハーフペダル領域AHとの対応付けをするためのものであり、詳細は、図7〜図10を参照して説明する。
21は弾性を有するゴム部材、22,23は導電性を有する第1,第2の可動接点である。主プリント配線板6の上面には、第1の固定接点対24a,24bと第2の固定接点対25a,25bが形成されている。
ゴム部材21において、21aは基盤部であって、主プリント配線板6に取り付けられる部分である。21bは、その肉部が、この基盤部21aから上方に向けて輪状に膨出し、その肩部において中心側に曲がる第1の外ドームである。21cは、その肉部が、この第1の外ドーム21bの上端の中心側に結合して一体化され、上方に向けて輪状に膨出し、肩部において中心側に曲がる第2の外ドームである。
第2の外ドーム21cの裾部分は、第1の外ドーム21bとの結合部から、第1の外ドーム21bの下方に延長され、その下端部が第1の可動部21dとなる。この下面に、導電性を有する第1の可動接点22が形成されている。第1の可動接点22は、第1の固定接点対24a,24bに対して、第1の所定距離を隔てて対向している。
21eは、第2の外ドーム21cの上端の中心側に結合し、上方に垂直に延びる円筒状の被駆動部である。これはドーム形状ゴム部材9の頭頂部となり、ダンパーペダル1のアクチュエータ11に対向する。被駆動部21eは、必ずしも中空の円筒状である必要はなく、円柱状(中実の円筒状)、矩形平板状であってもよい。
21fは、第2の外ドーム21cの上端の中心側に結合して一体化され下方に膨出する内ドームである。この底部が第2の可動部21gとなり、その下面に可動接点23が形成されている。第2の可動接点23は、主プリント配線板6に形成された第2の固定接点対25a,25bに対して、第2の所定距離を隔てて対向している。
図示の基盤部21aは、矩形の平面外形状を有し、その上面の周辺の4箇所に穴21hが成型され、一方、その下面から、穴21hの軸心の延長上に、脚部21iが突出するように成型されている。脚部21iが、主プリント配線板6及びペダルフレームの底板2aに設けられた貫通穴(図示省略)に嵌合することにより、基盤部21aが主プリント配線板6に取り付けられる。
ゴム部材21と主プリント配線板6との間に内部空間が形成される。図示の基盤部21aは、その底面の一部(図示の例では、ダンパーペダル1の長手方向に直交する方向)に溝21jが形成され、空気の流通孔となる。
主プリント配線板6における第1の固定接点対24a,24b、第2の固定接点対25a,25bの導体パターンは、図示の輪状又は円板状に限らず、異なる導体パターンを用いることができる。
上述した各固定接点対と回路部品とを接続する配線パターンの図示は省略した。この配線パターンは、主プリント配線板6の上面に設けられたり、層間を接続する導体を介して、主プリント配線板6の下面や中間層に設けられたりする。
図2(b)に示すものは第1のスイッチ(可動接点32、固定接点対33a,33b)のみを備える。
31は弾性を有するゴム部材、32は可動接点である。主プリント配線板6の上面には、固定接点対33a,33bが形成されている。
ゴム部材31において、31aは基盤部である。31bは、その肉部が、基盤部31aから上方に向けて輪状に膨出し、肩部において中心側に曲がる外ドームである。
31cは、外ドーム31bの上端部31dにおいて、上端部31dの内径よりも若干径方向に離れた部分に結合して上方に垂直に延びる、円筒状の被駆動部である。被駆動部31cは、ドーム形状ゴム部材9の頭頂部となり、アクチュエータ11に対向する。
31eは、上端部31dの中心側に結合して一体化され下方に膨出する内ドームである。この底部が可動部31fとなり、その下面に導電性を有する可動接点32が形成されている。
基盤部31aは、図2(a)に示した基盤部21aと同様に、矩形の平面外形状を有し、その上面に穴31g、その下面に脚部31hが成型されている。
主プリント配線板6の上面には、輪形状と円形状の固定接点対33a,33bが、上述した可動接点32に対向し、所定距離を隔てて形成されている。その導体パターンは、図示の輪状又は円板状とは異なる導体パターンを用いることができる。
基盤部31aが主プリント配線板6に取り付けられることにより内部空間が形成され、溝31gにより空気流通孔が形成される。
上述した図2(a)に示した第1の外ドーム21b、第2の外ドーム21c、内ドーム21f、図2(b)に示した外ドーム31b,内ドーム31dは、中心軸に対して回転対称であるが、必ずしもその必要はなく、座屈変形を起こすドーム形状を備えるものであれば、平面図で見たときに楕円,矩形等になるものであってもよい。
図3(a)は、図2(a)に示したドーム形状ゴム部材9の変位−荷重特性の一例を示すグラフである。図中、縦軸はドーム形状ゴム部材9に加える荷重であり、横軸はドーム形状ゴム部材9の頭頂部(被駆動部21e)の変位である。
図3(b)は、変位に対する荷重の変化率の概要を示す説明図である。図中、縦軸は荷重の変化率であり、横軸はドーム形状ゴム部材9の変位である。
ダンパーペダル1がドーム形状ゴム部材9を押圧するとき、ダンパーペダル1は、荷重に等しい大きさの反力を受け、この反力に応じた大きさの反力がダンパーペダル1を介して演奏者に伝達される。
図示の特性曲線41は往行程の荷重特性、特性曲線42は復行程の反力特性、特性曲線43は往行程の荷重変化率(荷重の増分値÷変位の増分値)、言い換えれば、特性曲線41の1次微分を示すものである。
往行程の特性曲線41の押圧初期の変位開始領域においては、荷重が小さく荷重の変化率も小さい。
この変位開始領域において、開始時の特性点41aから僅かに荷重が加わることにより、図2(a)に示した第1の外ドーム21bが圧縮され、特性点41bにおいて、第1の可動接点22により第1の固定接点対24a,24bが導通することにより、第1のスイッチSWaがオンとなるように設計されている。
第1のスイッチSWaがオンとなるときの変位位置は、上述した変位開始領域内の任意の変位位置、変位開始領域の上限位置(特性点41d)、又は、これより僅かに大きい範囲内の変位位置であってもよい。図示の例では、変位開始領域の上限位置(特性点41d)は、荷重の変化率が最大となった位置としている。
第1のスイッチSWaは、必ずしも図示の特性点41bでオンとなる必要はない。第1のスイッチSWaは、ドーム形状ゴム部材9の変位開始の直後における、荷重の変化率が最も大きく増加する変位状態、又は、その近傍の変位状態を検出すればよい。その結果、第1のスイッチSWaがオンとなるタイミングで、演奏者がダンパーペダル1を介して感じられる、反力の変化率が最も大きく増加する変位状態、又は、その近傍の変位状態が検出される。
変位が特性点41dを超えた後も荷重を徐々に増やすと、反力は、正の変化率で増加するが、その変化率は減少し、特性点41cにおいて、反力の変化率が0から、負の値に転じ、その後は、反力が微減する。これは、ドーム形状ゴム部材9の第2の外ドーム21cが、変位の途中から徐々に座屈変形することによる。
ここで、特性点41cにおいて、第2の可動接点23により第2の固定接点対25a,25bが導通することにより、第2のスイッチSWbがオンとなるように設計されている。
図3(b)の特性曲線43に示されるように、特性点41bから、特性点41cより若干大きい変位状態までにおいて、図3(b)に示す反力の変化率の減少率はほぼ一定であるが、反力の変化率が最も大きく減少する領域でもある。
従って、第2のスイッチSWbがオンとなるタイミングで、ドーム形状ゴム部材9の変位の増加する途中において、その反力の変化率が最も大きく減少する変位状態又はその近傍の変位状態が検出される。
変位が特性点41cを超えた後は、内ドーム21fも圧縮されて変形するが、その反力が十分小さくなるように設計されている。
最終的に、第2の外ドーム21cが底付き(主プリント配線板6に当接)するので、図示のように、変化率が急上昇する。しかし、ドーム形状ゴム部材9は、このような底付きに至らない範囲内で使用する。
一方、復行程の特性曲線42においては、ドーム形状ゴム部材9の材料及び構造に起因するヒステリシスにより、同じ変位量に対する荷重が小さくなるが、最終的には初期の形状に復帰する。この復工程において、上述した第2のスイッチSWb及び第1のスイッチSWaは、往工程においてオフからオンとなった変位位置で、オンからオフに変化する。
図2(b)に示したドーム形状ゴム部材9の荷重特性は図示を省略するが、原理的には図3に似た荷重特性となる。
変位開始領域において、僅かに荷重が加わることにより、図2(b)に示した外ドーム31bが圧縮され、それとともに、内ドーム31eが下方に移動し、可動接点32により固定接点対33a,33bが導通することにより、第1のスイッチSWaがオンとなる。第1のスイッチSWaは、ドーム形状ゴム部材9の変位開始の直後において、反力の変化率が最も大きく増加する変位状態、又は、その近傍の変位状態を検出する。
可動接点32により固定接点対33a,33bが導通した後は、図3の特性曲線41と同様に、反力は、急激に増加するが、その変化率は減少し、特性点41cにおいて、変化率が0となって、負に転じ、その後は反力が微減する。これは、ドーム形状ゴム部材9の外ドーム31bが徐々に座屈変形することによる。
図4(a)は、図1に示した実施形態におけるダンパーペダル1の反力特性の概要を示すグラフである。図中、横軸はダンパーペダル1のストロークであり、縦軸はダンパーペダル1が演奏者に与える反力である。ドーム形状ゴム部材9として、図3に示す荷重特性を有した図2(a)のものを使用する場合を説明する。
51はダンパーペダル1の往工程の特性曲線である。復工程の特性曲線は、図示を省略するが、図3に示したドーム形状ゴム部材9のヒステリシスに加え、図1に示した構造の摩擦力に起因するヒステリシスにより、特性曲線51とは異なるものとなる。復行程において、第2のスイッチSWb及び第1のスイッチSWaは、往工程においてオフからオンとなったストロークの値において、オンからオフになる。
特性曲線51は、図12に示したグランドピアノの特性曲線151の領域A0,A1,A2,A3に対応するように4領域に区分される。
ダンパーペダル1のストロークが小さい領域A0においては、コイルばね5のみによる反力が働く。図1に示した状態から、演奏者がダンパーペダル1の踏み込みを開始すると、ダンパーペダル1が回動を始める。
その際、反力の変化率(反力の増分値÷ストロークの増分値)は、初期反力により一時的に大きくなるものの、ほぼ一定の変化率で増加する。
演奏者がダンパーペダル1の踏み込みを深くしてストロークが大きくなる途中で、特性点51aにおいて、アクチュエータ11がドーム形状ゴム部材9の被駆動部21eに当接し、間隙g=0となり、第1の外ドーム21bの変形が始まるとともに、その後、コイルばね5とドーム形状ゴム部材9との合力がダンパーペダル1に加わるので、反力の変化率が大きくなる。
特性点51aとなるときのストロークは、図1における間隙gにより決まる。
図4(a)において、点線で示す特性線52は、アクチュエータ11がドーム形状ゴム部材9に当接した後における、コイルばね5の反力寄与分を示す特性曲線である。なお、ドーム形状ゴム部材9の寄与分は、ドーム形状ゴム部材9の配設位置によっても異なる。
演奏者がさらにダンパーペダル1を踏み込むと、ダンパーペダル1の反力の変化率は、図3に示したドーム形状ゴム部材9の反力の変化率に伴って変化する。
特性点51cは、図3(a)の特性点41cに対応し、ドーム形状ゴム部材9の変位の増加する途中において、ダンパーペダル1の反力の変化率が最も大きく減少する変位位置又はその近傍である。図示の特性点51cは、また、反力の変化率が特性曲線52の変化率と等しい。すなわち、領域A0における反力の変化率と等しくなる。
ストロークが特性点51cを超えると領域A2となる。ダンパーペダル1の左側面部1c,右側面部1dの下端が下限ストッパ3に当接すると、領域A3となり、反力の変化率が正方向に急増し、反力も大きくなる。
図4(a)に示した特性曲線51は、図12に示したグランドピアノにおける特性曲線151とは、全く同じにはならない。しかし、反力の変化率が一定であったり、反力の変化率が途中から増加したりする従来技術と比較すると、特性曲線51は、アコースティックピアノにおけるダンパーペダルの反力特性に近い特性になる。
図4(b)は、図1に示した実施形態における可変抵抗器(ストロークセンサ)10の出力特性の一例を示すグラフである。図中、横軸はストローク、縦軸はセンサ出力値V、55は入出力特性線である。
図示の例では、センサ出力値Vはダンパーペダル1のストロークに比例する。第1のスイッチSWaがオンとなったタイミングにおいて、センサ出力Vは第1の出力値Vaとなり、第2のスイッチSWbがオンとなったタイミングにおいて、センサ出力Vは第2の出力値Vbとなる。
ここで、図2(b)に示したドーム形状ゴム部材9を用いた場合は、第2のスイッチSWbが存在しない。
図3を参照して説明したドーム形状ゴム部材9の特性は一例である。そこで、図5、図6を参照し、ダンパーペダル1の反力特性として望ましい特性を説明する。
図5は、図2(a)に示したドーム形状ゴム部材9として望ましい変位−荷重特性モデルの説明図である。
図5(a)は、ドーム形状ゴム部材9の変位−荷重特性モデルを示す説明図である。
図5(b)は、変位に対する荷重の変化率の概要を示す説明図である。
図中、61はドーム形状ゴム部材9の往方向の特性を示す特性曲線である。復方向の特性曲線については図示を省略する。61’は特性曲線61の荷重の変化率(荷重の増分値÷変位の増分値)を示す。
荷重は、押圧初期の変位開始領域(変位位置d2まで)においては、荷重が小さく荷重の変化率も小さい。ドーム形状ゴム部材9に設けられた第1のスイッチSWaにより、この変位開始領域において、荷重の変化率が最も大きく増加する変位状態(変位位置d1)、又は、その近傍の変位状態(目安として変位位置0点からd2まで)を検出する。
荷重は、徐々に上昇し、変位位置d2からは、ほぼ一定の正の変化率で上昇する。荷重は、変位位置d3から徐々に変化率が小さくなり、その後、変位位置d5から、ほぼ一定の小さな正の変化率となる。
ドーム形状ゴム部材9に設けられた第2のスイッチSWbにより、変位位置d3とd5との間において、その反力の変化率が最も大きく減少する変位状態(変位位置d4)、又は、その近傍の変位状態(目安として変位位置d3からd5まで)を検出する。
上述した特性曲線61は、ドーム形状ゴム部材9の屈曲部の肩の部分が変形して下に潜り込むことによる。ドーム形状ゴム部材9は、屈曲部が底付きしない変位の範囲内で使用する。復行程においては、ヒステリシスにより、同じ変位量に対する荷重が小さくなるが、最終的には座屈変形が解消して初期の形状に復帰する。
図6は、図1に示した実施形態におけるダンパーペダル1の反力特性モデルを示す説明図である。
図中、71はダンパーペダル1の往行程の特性曲線、76はコイルバネ4の反力寄与分を示す特性曲線である。
ドーム形状ゴム部材9の特性は、図5に示した特性曲線61であるとする。
ダンパーペダル1の踏み込み操作において、ダンパーペダル1の反力の変化率は、初期反力により一時的に大きくなるものの、領域A0においては、コイルバネ5により、ほぼ一定の変化率で増加する。
その後、ダンパーペダル1の反力の変化率は、ストロークの途中の特性点71aから増加(ドーム形状ゴム部材9がダンパーペダル1に当接)し、特性点71bのストローク値S1において、反力の変化率が最も大きく増加(微分で表現すれば、反力の2次微分が極大となる)する。
その後のストロークの途中において、ダンパーペダル1の反力は単調増加するが、やがて変化率が減少し始め、特性点71cのストローク値S2において、その反力の変化率が最も大きく減少(微分で表現すれば、反力の2次微分が極小となる)した後、変化率は、ほぼ一定の小さな正の値をとる。
ダンパーペダル1が下限ストッパ3に当接することによりダンパーペダル1の反力の変化率は急増する。
第1のスイッチSWaは、上述したストローク値S1又はその近傍でオンとなり、第2のスイッチSWbは、上述したストローク値S2又はその近傍でオンとなる。
ただし、ダンパーペダル1がドーム形状ゴム部材9に当接した直後に、第1のスイッチSWaがオンになるように設計されていると、僅かな変位で第1のスイッチSWaがオンになってしまう。そのため、ドーム形状ゴム部材9の製造誤差や変形があると、ダンパーペダル1がドーム形状ゴム部材9に接触する前においても、第1のスイッチSWaが常時オン状態になる恐れがある。従って、ダンパーペダル1がドーム形状ゴム部材9に当接してから、ある程度の変形をした状態を第1のスイッチSWaが検出することが望ましい。
上述したダンパーペダル1の特性曲線71によれば、ダンパーペダル1のストロークの途中から、ダンパーペダルの反力の変化率が増加する第1段階(領域A1)と、その後、ダンパーペダルの反力の変化率が減少する第2段階(領域A2)という、階段状の感触変化が得られる。
第1段階から第2段階に至るまでの階段状の反力変化量は、ストローク開始時の初期反力と同程度がよく、初期反力の1/2以上2倍以下の範囲内にあることが望ましい。
また、上述した第2段階ではダンパーペダル1の反力の変化率が減少することから、ダンパーペダル1が下限ストッパ3に当接するに至ったときの反力(押し切り荷重)の増大が抑制される。
ここで、図6において、ダンパーペダル1の特性曲線が、仮想線74未満の領域(仮想線74を含まない)にあれば、比較的明確な2段階の感触変化が得られる。
この仮想線74は、特性点71aから変化率が増加した後は変化率が減少することなく一定の正の変化率で増加するというものである。
これに対応する図5に示したドーム形状ゴム部材9の特性曲線は、仮想線64未満の領域(仮想線64を含まない)にある。
この仮想線64は、特性曲線61の押圧初期の領域を過ぎたときの変化率のまま、変化率が減少することなく、一定の正の変化率で増加するというものである。
図6において、特性点71cにおいて反力の変化率の減少が小さければ第2段階への感触変化を感じにくい。従って、ストロークの途中における反力の変化率の減少後(領域A2)において、反力の変化率が、仮想線74の変化率と仮想線73の変化率の和の半分以下になることが好ましい。さらには、仮想線73の変化率の値未満になることが望ましい。
この仮想線73は、反力の変化率が特性曲線76(コイルバネ4の反力寄与分を示す特性曲線)の変化率に等しくなるまで減少する特性である。言い換えれば、特性曲線72のように、仮想線73未満の領域(仮想線73を含まない)にあることが望ましい。
これに対応する図5に示すドーム形状ゴム部材9の特性曲線の変化率は、仮想線64の変化率の半分以下とする。さらには、特性曲線62のように、仮想線63未満の領域(仮想線63を含まない)にあるようにする。先に図3に示した特性曲線41もこの条件を満たす。
仮想線63は、荷重が押圧初期の変位開始領域を過ぎた後、特性曲線64の正の変化率を維持して増加するが、徐々に変化率が小さくなり、その後、変化率がゼロとなるものである。従って、ドーム形状ゴム部材9としては、その変位に対するその反力の変化率が、その変位の途中において、正から負に変化する特性のものを使用すればよい。
一方、ドーム形状ゴム部材9の特性として、図5において、仮想線64未満(仮想線64を含まない)、仮想線63以上(仮想線63を含む)のハッチングを付した領域65を通るものを使用する利点もある。
この特性は、段差が小さくなったり、押し切りの荷重が重くなったりするものの、ドーム形状ゴム部材9の変位に対する反力の変化率が、その変位の途中において、負の値になることなく減少するという特性である。この場合、ドーム形状ゴム部材9の耐久性が向上するとともに、ドーム形状ゴム部材9の変形動作が安定する。
例えば、図2(a),(b)において、ドーム形状ゴム部材9の屈曲部である第2の外ドーム21c,外ドーム31bの、肩より下の円筒部の肉厚を、基盤部21a,31a側に近づくほど厚くして行けば、変位の途中における変化率の減少が小さくなり、仮想線64に近づく特性となる。
これに対し、ドーム形状ゴム部材9の屈曲部である第2の外ドーム21c,外ドーム31bの、肩より下の円筒部の肉厚を等しくし、かつ、円筒の直径を同じになるようにして行けば、特性曲線62のように、変位の途中における変化率の減少が大きくなる。
なお、ドーム形状ゴム部材9は、図2に示した形状に限らず、半球形、半楕円球形、円錐台形、円柱形であってもよい。
次に、図6を参照し、ハーフペダル領域AHについて説明する。
図12を参照して説明したように、グランドピアノにおいては、従来、領域AH'がハーフペダル領域と言われている。
これに対し、本願の電子鍵盤楽器のダンパーペダル装置においては、領域AHを典型的なハーフペダル領域とし、領域A0をペダルオフ領域、領域A1をペダルオン領域とする。
演奏者は、このハーフペダル領域AHで、ダンパーペダル1の踏み込みを微妙に調整して楽音を制御できるようにする。
アコースティックピアノにおいて、図12に示したストロークが領域A0から領域AHに移行するタイミングで、弦に当接していたダンパーが持ち上がり始めることから、機構上は、発音される楽音の音色,響き等も、このタイミングで僅かではあるが、変化し始めていると推測される。従って、ハーフペダル領域をAHとしても、アコースティックピアノの音色制御とかけ離れない。
また、ハーフペダル領域AHの下限は、ストローク値S1又はその近傍である。ハーフペダル領域AHの上限は、ストローク値S2又はその近傍である。その結果、ダンパーペダル1の反力の変化率の2段階の変化により、演奏者がハーフペダル領域AHを感知しやすくなる。
また、ハーフペダル領域AHは、従来のハーフペダル領域AH’よりも下限値が低くなる。そのため、演奏者がダンパーペダルを最大限まで踏み込む力に対して、まだ踏み込み力が弱いときからハーフペダル制御をすることが可能になる。その結果、力をあまりかけないで微妙なハーフペダル制御をすることができる。
しかし、ハーフペダル領域AH(下限となるストローク値及び上限となるストローク値)は、ユーザの好みに合わせるようにする。ユーザの選択操作により、任意に設定できるようにする。
例えば、図示のAHa,AHbのように設定してもよい。ハーフペダル領域AHaは、特性点71aのストローク位置を下限とするものであり、また、ハーフペダル領域AHbは、図12に示したハーフペダル領域AH’に対応するものである。
図7〜図9を参照して説明するように、ハーフペダル領域の下限位置、上限位置と、第1,第2のスイッチSWa,SWbがオンとなるタイミングにより検出されるストローク位置S1,S2とは、一致していなくてよい。
演奏者のダンパーペダル操作を容易にするには、ダンパーペダルの反力の変化に対応するようにハーフペダル領域AHを設定することが望ましい。
ダンパーペダルの反力の段階的変化は、ドーム形状ゴム部材9の反力の変化に基づいている。しかし、ストロークセンサ10の出力は、ドーム形状ゴム部材9の変位状態を直接的には検出できない。一方、ハーフペダル領域AHは、ストロークセンサ10の出力値により規定される。
そのため、ドーム形状ゴム部材9の反力の変化とハーフペダル領域AHとを対応付ける必要がある。しかし、構成部品、例えば、上限ストッパ4、ドーム形状ゴム部材9、リンク部材15等、の製造誤差(公差)や、経年変化による摩耗,変形等により、ドーム形状ゴム部材9により実現されるダンパーペダル1の反力の変化と、ストロークセンサ10の出力値により規定されるハーフペダル領域AHとの対応がずれるという問題がある。
そのため、ドーム形状ゴム部材9の変位状態を、第1のスイッチSWa,第2のスイッチSWbを用いて検出することにより、ドーム形状ゴム部材9の反力の変化を基準にして、ストロークセンサ10の出力により規定されるハーフペダル領域AHのずれをなくした上で、ストロークセンサ10の出力をペダル操作値Pに変換する変換特性を設定する。
その結果、ダンパーペダル1の反力の変化と、このダンパーペダル1により制御される楽音の変化とを対応付けることができる。
そのため、図10を参照して後述する処理を実行する。この処理を説明する前に、対応関係のずれについて、図7〜図9を参照して説明する。
図7は、図1に示した実施形態におけるストロークセンサ出力のずれ発生例1、及び、ずれのないペダル操作値Pを得る手法の説明図である。
図7(a)は、図1に示したダンパーペダル1の反力特性モデルを示す説明図である。破線で示す特性曲線71は、図6に示した特性曲線71であり、図6と同様な部分には同じ符号を付している。
ただし、図示の例では、第1のスイッチSW1は、ハーフペダル領域AHの20%(下限位置を0%、上限位置を100%とする)の相対位置においてオンとなるような設定にしてある。そのため、図3〜図6に示した第1のスイッチSWaとは異なる符号SW1を使用している。
第1のスイッチSW1がオンとなるときの相対位置は任意に決めることができる。この相対位置の設定を変更すれば、ハーフペダル領域AHを変更することができる。
例えば、第1のスイッチSW1がオンとなるタイミングは、相対位置を0%にすれば、ハーフペダル領域AHの下限位置を検出することになる。この場合、第1のスイッチSW1は、図3,4,5,6に示した第1のスイッチSWaとなる。
第1のスイッチSW1がオンとなるときの相対位置は、ハーフペダル領域AHを超えてもよく、例えば、相対位置を120%とすることもできる。その結果、ハーフペダル領域AHの上限となるストロークS1、下限となるストロークS2を自由に設定できる。
なお、この出力ずれ例1では、第2のスイッチを必要としない。
この例は、図1に示した実施形態の構造において、間隙gが設計値からずれた場合の例である。
間隙gが設計値より大きいと、特性曲線81に示すように、ドーム形状ゴム部材9がダンパーペダル1に当接するストロークSがΔsだけ大きくなる。ドーム形状ゴム部材9の全体的な反力特性は経年変化が少ないので、特性点71a〜71cは、いずれもΔsだけ平行移動して特性点81a〜81cとなる。ハーフペダル領域AHは、ドーム形状ゴム部材9の反力の変化に対応するように設定する。従って、特性曲線71でのハーフペダル領域AH(S1'≦S≦S2’)は、特性曲線81において、Δsだけ平行移動し、ハーフペダル領域AH(S1≦S≦S2)となる。第1のスイッチSW1が検出する特性点71dもΔsだけ移動して特性点82へと移動する。
図7(b)は、ストロークセンサ10の特性を示す説明図であり、図4(b)と同じ特性である。55は入出力特性線である。
ハーフペダル領域AHが平行移動するとき、S1,S2の値は変化するが、(S2−S1)の値は変わらない。また、入出力特性線55の傾きは変わらないから、ストロークセンサ10の出力(出力電圧)で規定するハーフペダル領域AHの幅(V2−V1)も変わらない。
第1のスイッチSW1は、ハーフペダル領域AHに対する第1の相対位置(20%)においてオンとなるように設定されている。ハーフペダル領域AHが移動しても相対位置は変化しない。
従って、第1のスイッチSW1がオンとなるタイミングにおけるセンサ出力値Vsw1を取得すれば、相対位置(20%)に応じた(V2−V1)の比例配分により、S1,S2におけるセンサ出力値V1,V2がわかる。その結果、センサ出力Vで規定するハーフペダル領域AHがわかる。
図7(c)は、センサ出力Vとペダル操作値Pとの関係を示すグラフである。横軸はセンサ出力V、縦軸はペダル操作値Pである。83は変換特性線であり、ハーフペダル制御の効果曲線となる。
センサ出力値V<V1のダンパーオフ領域A0においてペダル操作値P=Pa、センサ出力値V(V1≦V≦V2)のハーフペダル領域AHにおいては、センサ出力値Vに比例したペダル操作値P(Pa≦P≦Pb)となり、センサ出力値V>V2のダンパーオン領域A1においてペダル操作値P=Pbとなる。
ここで、パーセント表記をすればPa=0%、Pb=100%となり、MIDI規格におけるダンパーペダルの操作出力で表記すれば、P0=0,P1=127となる。
この変換特性線83に従ってペダル操作値Pを出力すれば、ダンパーペダル1の反力の変化に対応したペダル操作値Pが出力される。
以下、具体的な数値を例示して動作を説明する。
ストロークS1=5mm〜S2=15mmをハーフペダル領域AH(0〜100%)とする。第1のスイッチSW1がオンとなるタイミングが、ハーフペダル領域AHの20%のストロークである場合、第1のスイッチSW1はSsw1=7mmのストロークでオンとなる。
ここで、機構部品の経年変化のために、第1のスイッチSW1がオンとなるタイミングにおいて、ストロークSsw1=9mmであったとする(センサ出力Vと、入出力特性線55により算出される)。
上述した場合、ストロークSsw1=9mmを、ハーフペダル領域AHの20%の位置にしなければならない。言い換えれば、次回から、ストロークS1=7mm〜S2=17mmをハーフペダル領域AHとして、電子鍵盤楽器が動作するように設定を変更する。その結果、反力の変化とハーフペダル領域とが合うようになる。
図8は、図1に示した実施形態におけるストロークセンサ出力のずれ発生例2、及び、ずれのないペダル操作値Pを得る手法の説明図である。
図8(a)は、図1に示したダンパーペダル1の反力特性モデルを示す説明図である。特性曲線71は、図6に示した特性曲線71と同じものである。
第1のスイッチSW1は、ハーフペダル領域AHの20%の第1の相対位置においてオンとなる設定にしてある。
この例は、図1に示した実施形態の構造において、ストロークセンサ10の入出力特性線55がストロークS方向にΔsだけずれた場合の例である。
図8(b)は、ストロークセンサ10の特性を示す説明図である。55はストロークセンサ10の入出力特性線であり、図4(b)に示したものと一致する。92は、入出力特性線55がストロークS方向にΔsだけシフトしたときのストロークセンサ10の入出力特性線である。
この例では特性曲線71自体は変化しないから、ハーフペダル領域AH(S1〜S2)も、第1のスイッチSW1がオンとなる第1の相対位置(20%)も変わらない。入出力特性線92の傾きは、入出力特性線55の傾きと変わらないから、(V2−V1)の値も変わらない。
従って、第1のスイッチSW1がオンとなるタイミングにおけるセンサ出力値Vsw1を取得すれば、相対位置(20%)に応じた(V2−V1)の比例配分により、S1,S2におけるセンサ出力値V1,V2がわかる。その結果、センサ出力Vで規定するハーフペダル領域AHがわかる。
図8(c)は、センサ出力Vとペダル操作値Pとの関係を示すグラフである。83は変換特性線である。
図9は、図1に示した実施形態におけるストロークセンサ出力のずれ発生例3、及び、ずれのないペダル操作値Pを得る手法の説明図である。
図9(a)は、図1に示したダンパーペダル1の反力特性モデルを示す説明図である。特性曲線71は、図6に示した特性曲線71と同じものである。
この例では、第2のスイッチSW2を必要とする。
図示の例では、第1のスイッチSW1,第2のスイッチSW2は、それぞれ、ハーフペダル領域AHの20%,80%の相対位置においてオンとなるように設定してある。
第1のスイッチSW1が検出する第1の変位状態と、第2のスイッチSW2が検出する第2の変位状態との間の変位位置の差は、経年変化が十分小さいことが知られている。
この例は、可変抵抗器(ストロークセンサ)10の入出力特性線の傾きが変化した場合の例である。例えば、可変抵抗器10の炭素皮膜の塗布厚の製造上のばらつきにより、部品毎に抵抗値がばらついている場合である。
図9(b)は、可変抵抗器(ストロークセンサ)10の特性を示す説明図である。
55は可変抵抗器(ストロークセンサ)10の入出力特性線であり、図4(b)に示したものと一致する。102は、入出力特性線55に対し、傾きが変化した入出力特性線である。
この例では特性曲線71自体は変わらないから、ハーフペダル領域AH(S1〜S2)も変わらない。第1のスイッチSW1、第2のスイッチSW2がオンとなる相対位置も変わらない。従って、入出力特性線102の傾きは、第1のスイッチSW1、第2のスイッチSW2がオンとなるタイミングにおけるセンサ出力値の差(Vsw2−Vsw1)÷(Ssw2−Ssw1)として取得される。
従って、第1,第2のスイッチSW1,SW2がオンとなるタイミングにおけるセンサ出力値Vsw1,Vsw2を取得すれば、相対位置(20%,80%)に応じた(V2−V1)の比例配分により、S1,S2におけるセンサ出力値V1,V2がわかる。その結果、センサ出力Vで規定するハーフペダル領域AHがわかる。
図9(c)は、センサ出力Vとペダル操作値Pとの関係を示すグラフである。103は変換特性線である。
上述した説明では、ずれの発生要因を3例に分けて説明したが、これらのずれが複合している場合においても、ドーム形状ゴム部材9の変位状態に対応した第1のスイッチSW1、第2のスイッチSW2を用いて、センサ出力値を抽出すれば、図9に示した例3と同様に、センサ出力Vで規定するハーフペダル領域AHが取得される。
その結果、ダンパーペダル1の反力の変化と、ストロークセンサ10の出力値により規定されるハーフペダル領域AHとの対応が、機構部品のバラツキ、経年変化によってもずれなくなるから、ストロークセンサ10の出力値Vを、ずれの影響のないペダル操作値Pに変換することができる。
また、第1のスイッチSW1、第2のスイッチSW2がオンとなる変位状態を、ハーフペダル領域AHの下限値、上限値に対応させれば、ハーフペダル制御において重要な下限、上限を規定するセンサ出力V1,V2の計算誤差がなくなる。
図10は、本発明の実施形態の機能ブロック図である。
図10(a)は、第1の実施形態の機能ブロック図である。
図中、図1に示した構成部材に対応するブロックには同じ符号を付して説明を省略する。しかし、図1に示したものとは異なる部材を用いることもできる。
ドーム形状ゴム部材(第2の付勢手段)9は、その第1の変位状態を検出する第1のスイッチ111、必要に応じて、さらに、その第2の変位状態を検出する第2のスイッチ112を備える。
例えば、第1のスイッチ111は、ドーム形状ゴム部材9の変位開始の直後において、ドーム形状ゴム部材9の反力の変化率が最も大きく増加する変位状態又はその近傍の変位状態を検出し、第2のスイッチ112は、ドーム形状ゴム部材9の変位の増加する途中において、ドーム形状ゴム部材9の反力の変化率が最も大きく減少する変位状態又はその近傍の変位状態を検出する。
第1のスイッチ111,第2のスイッチ112としては、図2に示したような電気接点式スイッチに限られない。例えば、第1のスイッチ111,第2のスイッチ112として、フォトカプラを用いる。図2(a),図2(b)におけるドーム形状ゴム部材9において、その可動部21d,21g,31fの下面に反射率の高い塗料を塗布しておき、主プリント配線板6の上面にフォトカプラを設ける。フォトカプラの受光量が閾値(第1の閾値、第2の閾値)を超えることにより、第1の変位状態、第2の変位状態を検出する。
また、例えば、第1のスイッチ111として導電性ゴム、圧電センサ等を用いる。図2(b)におけるドーム形状ゴム部材9に対し、内ドーム31eをなくし、外ドーム31bの上端部を閉じ、その上に被駆動部31cを設ける。この被駆動部31cの頭頂部に、導電性ゴム、圧電センサ等を貼着し、その端子とプリント配線板6とを接続する配線をゴム部材31に設ける。アクチュエータ11が被駆動部31cに当接したことを、導電性ゴムの抵抗値変化、圧電センサの電圧発生により検出する。
可変抵抗器10は、ダンパーペダル1のストロークに対応する値を連続的に検出するストロークセンサの一具体例である。ストロークセンサとして、反射式光センサを用いることもできる。反射式光センサを、ダンパーペダルの上面部1bよりも上に配置する。発光部から放射された光は上面部1bで反射され、反射光を受光部が受光する。反射式光センサと上面部1bとの距離に応じて受光量が変化するため、反射式光センサは、ダンパーペダル1のストローク量に応じた連続量を出力する。
ペダル操作出力部113は、センサ出力抽出部114と変換特性設定部115と変換部116を備える。
センサ出力抽出部114は、第1のスイッチ111によりドーム形状ゴム部材(第2の付勢手段)9の第1の変位状態が検出されたタイミングにおける、可変抵抗器(ストロークセンサ)10の出力値Vを第1の出力値(Vsw1)として抽出し、第2のスイッチ112(使用する場合)によりドーム形状ゴム部材(第2の付勢手段)9の第2の変位状態が検出されたタイミングにおける、ストロークセンサ10の出力値を第2の出力値(Vsw2)として抽出する。
変換特性設定部115は、センサ出力抽出部114により抽出された第1の出力値(Vsw1),第2の出力値(Vsw2)が、ハーフペダル領域AHに対する第1の相対位置(例えば、20%)、第2の相対位置(例えば、80%)を示す値となるように、ストロークセンサ10の出力値V1,V2で規定するハーフペダル領域AHを設定する。設定されたハーフペダル領域AHに基づいて、ストロークセンサ10の出力値Vをペダル操作値Pに変換するための変換特性を設定する。
変換特性設定部115は、予め決められている更新タイミングにおいて変換特性を更新する。
変換特性設定部115は、また、第1の相対位置を示す値が、例えば、ハーフペダル領域AHの下限(0%)を示す値となるよう変換特性を設定したり、第2の相対位置を示す値が、ハーフペダル領域AHの上限(100%)を示す値となるように変換特性を変更したりすることにより、ハーフペダル領域AHを変更することもできる。
変換部116は、変換特性設定部115により設定された変換特性(図7(c)、図8(c)、図9(c))に基づいて、ストロークセンサ10の出力値をペダル操作値Pに変換して出力し、後続する楽音制御ブロックに対し、電子鍵盤楽器が発音する楽音の特性を制御させる。
演奏者がダンパーペダル1を踏むことにより、ストロークセンサ10のセンサ出力値Vが増加し、ペダル操作出力部113の出力するペダル操作値PがPa(図7(c)、図8(c)、図9(c))より大きくなる。このとき、楽音が発音されていれば、ハーフペダル領域AHに入り、楽音制御ブロックは、発音されている楽音の特性を、ハーフペダル効果が掛かり始めるように制御する。
変換特性設定部115が、上述した変換特性の更新を実行した後、更新された変換特性は、次回以降のダンパーペダル1の操作において有効とする。この変換特性の更新の過程においては、予め設定されていた変換特性を使用する。
しかし、更新が過去に適度な頻度で行われていれば、変換特性のずれは僅かである。従って、実演奏時のダンパーペダル1の操作時に、変換特性を更新しても変換特性はさほど変化しないから、更新された変換特性に基づいて出力されるペダル操作値Pで楽音を制御しても違和感は生じない。
次に、更新をするタイミングについて説明する。
第1に、演奏者が実演奏時にダンパーペダル1を操作する毎に、変換特性の更新を実行する。更新を毎回実行していれば、1回毎の更新による変換特性の差異がほとんどないから、実質的に更新処理をしていないことと同じことになる。
第2に、電子鍵盤楽器の電源投入後の初回のダンパーペダル操作など、決められたタイミングで変換特性の更新を実行する。また、ダンパーペダル操作の平均、例えば、電源投入直後の初回から10回目までの平均値、をとって更新をする。
第3に、演奏者が、更新をしたいときに、更新プログラムを呼び出して更新を実行する。
いずれの場合でも、図9に示したように、第1のスイッチ(SW1)、第2のスイッチ(SW2)を用いる場合に、小さいストロークでオンとなる方のスイッチ、例えば、第1のスイッチ(SW1)がオンとなったときに、第1の出力値(Vsw1)を抽出し、第2のスイッチ(SW2)がオンとなるタイミングの前には、この第1の出力値(Vsw1)と、第2の出力値(Vsw2)の既に設定保存されている第2の出力値(Vsw2)値とを使用して、更新をすることができる。
図10(b)は、本発明の第2の実施形態の機能ブロック図である。
この実施形態は、図10(a)に示した実施形態における変換部116を、補正部117と基準変換部118とで構成し、ストロークセンサ10の出力を補正部117にて基準となるストロークセンサの出力になるように補正した後、基準変換部118においてペダル操作値に変換するものである。
変換特性設定部119は、ストロークセンサ10の出力を、基準となるストロークセンサの出力(例えば、図4に示される特性曲線71に従うダンパーペダル1の反力特性で、入出力特性線55に従うストロークセンサ10の出力とする)に補正するための補正特性を設定する。
例えば、センサ出力抽出部114により抽出された第1の出力値(Vsw1)、第2の出力値(Vsw2)(必要な場合)に基づいて、ストロークセンサ10の出力値V1,V2で規定するハーフペダル領域AHを設定する。次に、基準となるセンサの出力とストロークセンサ10の出力との差分を算出し、これを補正値とする。
補正部117は、変換特性設定部119により設定された補正特性に従って、ストロークセンサ10の出力を、基準となるストロークセンサの出力になるように補正する。この補正によって得られた基準となるストロークセンサの出力は、基準変換部118において、基準となるハーフペダル領域AHに基づく基準変換特性を用いてペダル操作値に変換される。基準変換特性は、基準変換特性設定部120において設定されている。
ハーフペダル領域AHを変更する場合は、基準変換特性設定部120において、基準となるハーフペダル領域AHを変更し、変更されたハーフペダル領域AHに基づいて、基準となるストロークセンサの出力をペダル操作値に変換すればよい。
図11は、図1,図10に示した実施の形態を用いた電子鍵盤楽器の一例を示すハードウエア構成図である。
バス121は、CPU(Central Processing Unit)122をはじめ、複数のハードウエアブロックを相互接続し、CPU122の制御下でデータやプログラムを転送する。
ROM(Read Only Memory)123は、例えば、フラッシュROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)であり、プログラム、パラメータの設定データ、曲データや伴奏データのファイル等が記憶されている。
CPU122は、RAM(Random Access Memory)124に作業領域を設けてプログラムを実行することにより、各ブロックの機能、ブロック間のデータ転送が統一的に実行されるようにする。時間割り込み処理は、タイマ125により指示される割り込みタイミングで実行される。
RAM124の作業領域には、例えば、キーバッファ、ペダルバッファ、フラグ等の一時記憶領域が設けられている。
外部記憶装置126は、HDD(ハード磁気ディスク駆動装置)、USB(Universal Serial Bus)メモリ等である。
上述したROM123、外部記憶装置126等が記憶するプログラム、データは、サーバ装置129により、通信ネットワーク130、ネットワークインタフェース131を経由して、アップデートされることができる。
他のMIDI機器127から転送されるMIDIメッセージを、MIDIインタフェース128を経由して入力したり、逆に、MIDIメッセージを他のMIDI機器127に転送したりすることができる。
ペダル装置132、鍵盤134の操作は、検出回路133,135において検出される。検出回路133は、図10に示した可変抵抗器(ストロークセンサ)10が出力する電圧値をディジタル値に変換し、第1のスイッチ111、第2のスイッチ112のオン,オフ状態を検出し、検出結果を出力する。これらは、バス121を経てRAM124に転送され、ペダルバッファに一時記憶される。ペダルバッファには、ダンパーペダル、シフトペダル等に対応して、ストローク値、オンオフ状態、図7(c)、図8(c)、図9(c)に示した変換特性83,93,103に従って変換されたペダル操作値P等が記憶される。
パネル操作子136は、演奏者により演奏モード選択や制御パラメータの設定をするためのスイッチ類、音量レベル等の設定値を可変調整するためのノブ類である。パネル操作子136の操作は、検出回路137において検出されバス121に出力される。表示回路138は、表示器139を制御し、設定操作入力をするために、表示画像データの転送、点灯制御データの転送をする。
CPU122は、図10に示したペダル操作出力部113の機能、及び、後続する楽音制御部の機能を実現する。楽音制御部は、ペダル操作値Pに応じて、音源回路140が生成する楽音にダンパー効果を付与させたり、効果回路141が発生する楽音の響き(音響効果)を制御したりする。
CPU122は、また、パネル操作子136により設定された音色等に基づいて作成した音源パラメータを音源回路140に出力する。
CPU122は、発音指示、消音指示、押鍵速度、楽音制御部が出力する楽音制御パラメータ等を音源回路140や効果回路141に転送する。
音源回路140は、一般的には音源LSI(Large Scale Integrated Circuit)である。音源回路140は、ある鍵のキーオン(発音指示)を入力し、この鍵に割り当てられた音高の楽音信号の生成を開始し、この鍵におけるキーオフ(消音指示)を入力して、消音処理を開始する。
効果回路141は、楽音波形信号にリバーブ等の効果を付与してサウンドシステム142に出力し、サウンドシステム142は、楽音信号の音量調整をして増幅しスピーカやヘッドホン等に出力する。
ダンパーペダルオン領域A2、及び、ハーフペダル領域AHにおける音色制御には種々の方法が知られている。ここでは、その一具体例を簡単に説明する。
音源回路140は、楽音波形データメモリに、通常押鍵における音源波形データとともに、共鳴音の音源波形データを、各音高に対応して記憶している。
ペダル操作値P=Pbのとき、ある音高の楽音が発音継続状態であれば、この楽音の音量レベルの減衰率を、ペダル操作値P=Paにあるときよりも緩やかにする。同時に、この発音継続中の楽音によって付加される共鳴音を生成する。
ペダル操作値PがPa<P<Pbにおいては、そのペダル操作値Pに応じて、上述した発音継続状態にある音高の楽音及び共鳴音の減衰率を制御する。ペダル操作値Pが大きくなるほど、音量レベルの減衰量を小さくする。
ペダル操作値Pに応じて、楽音波形の減衰量を制御することに代えて、音源波形データ自体を異なるものに切り替えてもよい。
図1,図5に示したペダル装置は、図11に示したような電子鍵盤楽器の一部として実現されるだけでなく、ペダル装置単体製品であってもよい。このペダル装置単体製品は、図11に示された電子鍵盤楽器本体に、MIDIインタフェース、USBインタフェース等を介して接続され、ペダル操作値Pを出力する。
しかし、ハーフペダル領域AHの設定を電子鍵盤楽器本体において変更する場合、図10(a)に示す機能ブロック図において、例えば、ストロークセンサ10の出力電圧V、センサ出力抽出部114の第1の出力値Vsw1、第2の出力値Vsw2を電子鍵盤楽器本体に転送する必要がある。電子鍵盤楽器本体は、変換特性設定部115、変換部116を有し、変換特性設定部115において、ハーフペダル領域AHの設定を変更する。
これに対し、図10(b)に示す機能ブロック図においては、補正部117から出力される基準となるストロークセンサの出力Vを電子鍵盤楽器本体に転送すればよい。電子鍵盤楽器本体は、基準変換部118、基準変換特性設定部120を有し、基準変換特性設定部120において、ハーフペダル領域AHの設定を変更することができる。
上述した説明では、電子鍵盤楽器のダンパーペダル装置について説明したが、ダンパー効果とは異なる楽音特性を制御することも可能である。従って、本願発明は、電子楽器一般において、楽音特性の制御をする操作子として実施することができる。
1…ダンパーペダル(ペダル)、1a…操作部、1b…上面部、1c…左側面部、1d…右側面部、1e…支点部、1f…凹部、
2…ペダルフレーム、2a…底板、2b…前板、2c…後板、2d…前面開口部、2e…左ガイド板、2f…右ガイド板、2g…取付板、2h…前上板、2i…後面開口部、2j…後上板、2k…ばね取付部、2m,2n…取付部、
3…下限ストッパ、4…上限ストッパ、5…コイルばね(第1の付勢手段)、6…主プリント配線板、7…側板、8…副プリント配線板、9…ドーム形状ゴム部材(第2の付勢手段)、10…可変抵抗器(ストロークセンサ)、10a…軸部、11…アクチュエータ、12a〜12e…ねじ、13…被ガイド部材、13a…左側板部、13b…右側板部、13c,13d…小突起13e…上側板部、14…ピン取付部材、14a…ピン、15…リンク部材、15a…軸孔、15b…切欠部、
21…ゴム部材、21a…基盤部、21b…第1の外ドーム、21c…第2の外ドーム、21d…第1の可動部、21e…被駆動部、21f…内ドーム、21g…第2の可動部、21h…穴、21i…脚部、21j…溝、22…第1の可動接点、23…第2の可動接点、24a,24b…第1の固定接点対、25a,25b…第2の固定接点対、
31…ゴム部材、31a…基盤部、31b…外ドーム、31c…被駆動部、31d…上端部、31d…内ドーム、31f…可動部、31g…穴、31g…溝、31h…脚部、32…可動接点、33a,33b…固定接点対

Claims (4)

  1. 演奏者の踏み込み操作により揺動するペダルと、該ペダルへの踏み込み操作により変位し前記ペダルに反力を与える付勢手段と、前記ペダルのストロークに対応する値を連続的に出力するストロークセンサと、該ストロークセンサの出力値にハーフペダル領域が設定され、前記ストロークセンサの出力値に応じてペダル操作値を出力するペダル操作出力手段を有する電子楽器のペダル装置において、
    前記付勢手段は、前記ペダルのストロークの全範囲において変位し該変位の増加に従って増加するという第1の特性の反力を発生する第1の付勢手段と、前記ペダルのストロークの途中から前記ペダルに結合して変位を開始し、該変位の増加する途中において当該反力の変化率が減少するという第2の特性の反力を発生する第2の付勢手段を有し、
    該第2の付勢手段は、当該第2の付勢手段の第1の変位位置を検出する第1のスイッチを有し、
    前記ペダル操作出力手段は、センサ出力抽出手段と変換特性設定手段と変換手段を有し、
    前記センサ出力抽出手段は、前記第1のスイッチにより前記第2の付勢手段の第1の変位位置が検出されたタイミングにおける前記ストロークセンサの出力値を第1の出力値として抽出し、
    前記変換特性設定手段は、前記ハーフペダル領域の下限及び上限が、それぞれ、前記第2の付勢手段の変位開始の直後において前記第2の付勢手段の反力の変化率が最も大きく増加する変位位置又はその近傍の変位位置、及び、前記第2の付勢手段の変位の増加する途中において前記第2の付勢手段の反力の変化率が最も大きく減少する変位位置又はその近傍の変位位置に対応し、かつ、前記ハーフペダル領域に対する記第1の出力値の相対位置が、前記第2の付勢手段の変位開始の直後において前記第2の付勢手段の反力の変化率が最も大きく増加する変位位置又はその近傍の変位位置から、前記第2の付勢手段の変位の増加する途中において前記第2の付勢手段の反力の変化率が最も大きく減少する変位位置又はその近傍の変位位置まで、の領域に対する前記第1の変位位置の相対位置と一致するように前記ハーフペダル領域を設定し、設定されたハーフペダル領域に基づいて、前記ストロークセンサの出力値を前記ペダル操作値に変換するための変換特性を設定し、
    前記変換手段は、前記変換特性設定手段により設定された変換特性に基づいて、前記ストロークセンサの出力値を前記ペダル操作値に変換して出力する、
    ことを特徴とする電子楽器のペダル装置。
  2. 演奏者の踏み込み操作により揺動するペダルと、該ペダルへの踏み込み操作により変位し前記ペダルに反力を与える付勢手段と、前記ペダルのストロークに対応する値を連続的に出力するストロークセンサと、該ストロークセンサの出力値にハーフペダル領域が設定され、前記ストロークセンサの出力値に応じてペダル操作値を出力するペダル操作出力手段を有する電子楽器のペダル装置において、
    前記付勢手段は、前記ペダルのストロークの全範囲において変位し該変位の増加に従って増加するという第1の特性の反力を発生する第1の付勢手段と、前記ペダルのストロークの途中から前記ペダルに結合して変位を開始し、該変位の増加する途中において当該反力の変化率が減少するという第2の特性の反力を発生する第2の付勢手段を有し、
    第2の付勢手段は、当該第2の付勢手段の第1の変位位置を検出する第1のスイッチと第2の変位位置を検出する第2のスイッチを有し、
    前記ペダル操作出力手段は、センサ出力抽出手段と変換特性設定手段と変換手段を有し、
    前記センサ出力抽出手段は、前記第1のスイッチにより前記第2の付勢手段の第1の変位位置が検出されたタイミングにおける前記ストロークセンサの出力値を第1の出力値として抽出するとともに、前記第2のスイッチにより前記第2の付勢手段の第2の変位位置が検出されたタイミングにおける前記ストロークセンサの出力値を第2の出力値として抽出し、
    前記変換特性設定手段は、前記ハーフペダル領域の下限及び上限が、それぞれ、前記第2の付勢手段の変位開始の直後において前記第2の付勢手段の反力の変化率が最も大きく増加する変位位置又はその近傍の変位位置、及び、前記第2の付勢手段の変位の増加する途中において前記第2の付勢手段の反力の変化率が最も大きく減少する変位位置又はその近傍の変位位置に対応し、かつ、前記ハーフペダル領域に対する記第1の出力値の相対位置及び前記第2の出力値の相対位置が、それぞれ、前記第2の付勢手段の変位開始の直後において前記第2の付勢手段の反力の変化率が最も大きく増加する変位位置又はその近傍の変位位置から、前記第2の付勢手段の変位の増加する途中において前記第2の付勢手段の反力の変化率が最も大きく減少する変位位置又はその近傍の変位位置まで、の領域に対する前記第1の変位位置の相対位置及び前記第2の変位位置の相対位置と一致するように前記ハーフペダル領域を設定し、設定されたハーフペダル領域に基づいて、前記ストロークセンサの出力値を前記ペダル操作値に変換するための変換特性を設定し、
    前記変換手段は、前記変換特性設定手段により設定された変換特性に基づいて、前記ストロークセンサの出力値を前記ペダル操作値に変換して出力する、
    ことを特徴とする電子楽器のペダル装置。
  3. 前記第2の変位位置は、前記第2の付勢手段の変位の増加する途中において前記第2の付勢手段の反力の変化率が最も大きく減少する変位位置又はその近傍の変位位置であり、
    前記変換特性設定手段は、前記第出力値が、前記ハーフペダル領域の上限となるように前記ハーフペダル領域を設定する、
    ことを特徴とする請求項2に記載の電子楽器のペダル装置。
  4. 前記第1の変位位置は、前記第2の付勢手段の変位開始の直後において前記第2の付勢手段の反力の変化率が最も大きく増加する変位位置又はその近傍の変位位置であり、
    前記変換特性設定手段は、前記第出力値が、前記ハーフペダル領域の下限となるように前記ハーフペダル領域を設定する、
    ことを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項に記載の電子楽器のペダル装置。
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