JP5727363B2 - コムギ種植物からのグルコース水溶液の製造方法 - Google Patents

コムギ種植物からのグルコース水溶液の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、コムギ類穀粒のデンプン成分からの、例えばライムギ、ライコムギまたは特にコムギ穀粒からのグルコース水溶液の製造方法に関する。本発明はさらに、発酵用に製造されるグルコースがコムギ類穀粒のデンプン成分から本発明の方法によって製造される、グルコース系発酵による有機化合物の製造方法に関する。
グルコース、特にはグルコース水溶液は、有機生成物を製造するための多くの化学的および発酵的方法の基本的な炭素源である。例えば、発酵の際に、グルコース分子は、使用される微生物によって代謝され、そうすることで所望の有用な有機産生物に変換される。このようにして産生される有機産生物の範囲には、例えば、エタノール、脂肪族カルボン酸類、アミノ酸類、ビタミン類、カロテノイド類、糖アルコール類、糖酸類および多価アルコール類などの低分子量揮発性化合物、さらには酵素類および有機ポリマー類が含まれる。
そのような通常知られている発酵法には、処理条件および製造されるべき生成物に応じて、多様な炭素源が使用される。その炭素源は、純粋なショ糖からサトウダイコン糖蜜およびサトウキビ糖蜜、デンプン加水分解物からのグルコース、さらにグリセリンに至る多様なものである。
従来のデンプンからグルコースの製造では、最初にデンプンをジャガイモ類、キャッサバ、穀類、例えばコムギ、トウモロコシ、オオムギ、ライムギ、ライコムギまたは米などの天然デンプン源から単離し、次に、通常は酵素液化によって加水分解し、その後に酵素的糖化を行う。
デンプンの液化および糖化によるグルコースの製造において、一般に使用される材料は前精製デンプンであり、すなわちジャガイモ類、キャッサバおよび穀類、例えばコムギ、トウモロコシ、オオムギ、ライムギ、ライコムギまたは米などの天然デンプン源を、デンプン成分および非デンプン成分に分別してから、液化/糖化を行う。
コムギ類植物の穀粒(以下、コムギ類穀粒)からのデンプンを単離する上での中心的な問題は、グルテンの分離である。核の浸漬時にデンプンとともにグルテンを抽出する、トウモロコシ核からトウモロコシデンプンを単離する場合とは異なり、コムギ類穀粒からのグルテンは浸漬時に穀粒に粘着して、デンプンを取り囲む。
現在、コムギ類、特にはコムギからのデンプンの単離は通常、マーチン(Martin)法またはバッター(batter)法と称されるマーチン法の変法(この関連では、CD-ROMでのUllmanns Encyclopedia of Industrial Chemistry(第5版)中のダニエル(J.R. Daniel)らの「Starch and other Polysaccharides」を参照する。)によって進行する。マーチン法では、最初に、コムギ類植物の穀粒を乾式製粉法によって製粉して、大半の殻成分(ふすま)が分離されている粒粉を形成する。次に、粒粉1重量部当たり約0.5重量部の水とともに粒粉を練って生地を形成し、静置時間後にその生地から、水での洗浄によってデンプン成分を抽出する。そうして得られたデンプン懸濁液から、残留繊維およびグルテン成分を分離する。バッター法は、生地の製造において、粒粉1重量部当たり約1重量部の水を用い、その後に得られた生地を2倍量の水に懸濁させ、篩分けによって、グルテンおよび残留繊維成分をこの懸濁液から取り除く点において、前記方法とは異なる。いずれの場合も、希デンプン懸濁液が得られ、それを次に、グルコース製造のための液化/糖化に送る。このようにして、非常に純粋なグルコースが得られる。分離されたグルテンは乾燥され、バイタルグルテンという名称で市販される。
しかしながら、従来技術のデンプン単離法は相対的に複雑であり、多量の廃水発生を伴う。さらに、タンパク質(グルテン)ならびに芽成分および繊維成分などのデンプンの単離で生じる副産物および廃棄物は、それ以降の処理を行う前に乾燥する必要があり、それにはかなりのエネルギー消費を伴う。さらに、装置面の要求度が高いことから、相当するシステムに非常に大きい資本が必要である。他方、穀類、特にコムギは重要なデンプン源であることから、これらのデンプン源から発酵工程に適したグルコースを単離するより有利な選択肢を提供する努力が惜しみなく行われてきた。
穀類のデンプン成分を利用可能とするために、基本的に、胚乳の成分(デンプン、脂肪、タンパク質、すなわちグルテン)以外に、通常は殻からの繊維成分をさらに含む乾式製粉によって製造される穀類粒粉を、全体として酵素液化/糖化に送ることができる。このようにして、穀類の非デンプン成分から生じる多量の不溶性固形物を含むグルコース水溶液が得られる。穀類の乾式製粉とそれに続く液化/糖化によってグルコースを製造する方法が知られており、例えばJaquesらの編著(″The Alcohol Textbook - A reference for the beverage, fuel and industrial alcohol industries″,Jaquesら(編), Nottingham Univ. Press 1995, ISBN 1-8977676-735,第2章,7から23頁)およびマカロンらの著作(McAloonら,″Determining the cost of producing ethanol from corn starch and lignocellulosic feedstocks″, NREL/TP-580-28893, National Renewable Energy Laboratory, October 2000)に記載されている。
製粉物全体の糖化によって得られるグルコースは今日までのところ、工業的規模では、バイオエタノール製造にしか利用されていない。その理由は、この方法に特有の多くの欠点であり、第1に、このようにして製造されるグルコース水溶液中での不溶成分の割合が高いために、グルコース濃度が低くてもグルコース水溶液の粘度が高くなり、さらにはそのグルコース溶液が偽塑性となるという点がある。従って、そのような方法で製造されるグルコース水溶液における最大グルコース濃度は、30重量%に制限されたままである。発酵によるバイオエタノールの製造には高いグルコース濃度は不必要であるが、または、発酵で形成されるエタノールの毒性のためにその高濃度は問題である一方で、他の化成品製造においてグルコース濃度が低いと、体積流量に望ましくない上昇を生じる。さらに、不溶成分は発酵に対して悪影響を与える可能性があり、例えば酸素移動速度および/または発酵に使用される微生物の酸素要求量に関して悪影響があり得る。さらに、これらの固形物のために、発酵によって生じた産生物の次に行われる後処理および単離が大幅に困難となる可能性がある。これらの問題は、嫌気性発酵によるバイオエタノールの製造とそれに続く蒸留による分離において、従属的な役割しか果たさない。さらに、コムギにおいて、例えばコムギに含まれる成分中ほぼ20重量%を占めるグルテン画分が利用されず、さらにはそれが廃水流を汚染するというのは不利益である。
最近、発酵によるファインケミカル製造で乾式製粉法によって製造されるグルコースの使用が、種々報告されている(WO2005/116228およびWO2007/028804参照)。これらの出願に記載されている乾式製粉方法とその後の液化/糖化によって、デンプン源に含まれている不溶固形物を分離する必要なしに、高い糖濃度を有するグルコース溶液の製造が可能となる。しかしながら、このようにして製造されるグルコースを使用することで、微生物の増殖の阻害や遅延が生じる場合がある。
上記ですでに述べたように、乾式製粉で生じた製粉物全体の液化/糖化によって製造されたグルコース水溶液は、発酵可能な糖成分以外に、発酵させることができない不溶固形物を多量に含む。バイオエタノールの製造であるかファインケミカルの製造であるかを問わず、そのようなグルコース水溶液を発酵で用いると、これらの固形物がその発酵法に投入されることとなるため、体積流量を上昇させる。発酵産物を分離した後、それは廃棄されるべき固形物として、またはいずれにしても動物飼料として使用可能な固形物として残る。しかしながら、発酵させることができない成分自体、ある程度は有用な生成物であることから、これら成分の一部または全てを発酵前に分離することに関して様々な報告が出されている。
したがって、液化後であって、糖化前に粒粉のグルテン成分を除く方法が各種報告されている(例えばUS4287304およびCN1173541参照)。本出願人自身の研究で、液化デンプンの段階での不溶成分の分離は問題があり、複雑であって、グルコース損失を伴うことが見出された。そのような方法は、コムギなどのコムギ類植物の穀粒からの粒粉については報告されていない。
しかしながら、特に欧州では、トウモロコシ以外に、特にはコムギ、ライムギおよびライコムギなどのコムギ類植物もデンプン源として重要である。しかしながら現時点では、最初にバイオエタノール製造について記載された方法を除き、コムギ類穀粒のデンプン成分を前精製した方法のみが報告されている。
国際公開第2005/116228号パンフレット 国際公開第2007/028804号パンフレット 米国特許第4,287,304号 中国特許第1173541号
J.R. Daniel et al., "Starch and other Polysaccharides" in Ullmanns Encyclopedia of Industrial Chemistry, 5th ed. on CD-ROM The Alcohol Textbook - A reference for the beverage, fuel and industrial alcohol industries", Jaques et al. (Ed.), Nottingham Univ. Press 1995, ISBN 1-8977676-735, chapter 2, pages 7 to 23 McAloon et al., "Determining the cost of producing ethanol from corn starch and lignocellulosic feedstocks", NREL/TP-580-28893, National Renewable Energy Laboratory, October 2000
本発明の目的は、先行技術の欠点を有しない、コムギ類穀粒からグルコース含有量が少なくとも32重量%、特には35重量%以上である濃厚グルコース溶液を製造する方法を提供することにある。特に、得られるグルコースは、バイオエタノールの製造に適しているだけでなく、特にそれからの各種ファインケミカルの製造にも適したものでなければならない。特に、その方法によって、グルコース損失をほとんど生じることなく、結合生成物であるグルテンを得ることが可能となるものでなければならない。
上記および他の目的は、以下に記載の方法によって達成される。
従って本発明は、コムギ類植物の穀粒のデンプン成分からグルコース含有量が少なくとも32重量%であるグルコース水溶液を製造する方法において、
a)前記穀粒の乾式製粉を分別して、当該穀粒をデンプン含有胚乳画分(粒粉)およびふすま画分に分離する工程、
b)前記胚乳画分を水系懸濁液に変換する工程、
c)前記水系懸濁液のデンプン成分を液化し、酵素的に糖化することでグルコース水溶液を得る工程であって、前記水系懸濁液が少なくとも30重量%のデンプン含有量を有する工程、
を有し、
前記胚乳画分に存在するグルテンの割合が、工程c)で得られる前記グルコース水溶液および/または工程c)を実施する前の前記胚乳画分の水系懸濁液から低下していることを特徴とする方法に関するものである。
本発明の方法には、多くの利点がある。その第1は要求される装置資源であるが、本発明の方法によってグルコース水溶液を製造する上でのエネルギー消費も、従来法による場合よりはるかに小さい。さらに、本発明の方法によって得ることができるグルコースは、化成品製造のための発酵法における炭素源として特に適している。それの適合性は、製粉物全体の液化/糖化によって得ることができるグルコース溶液の適合性よりはるかに良好であるだけでなく、純粋なグルコースまたは精製デンプンの液化および糖化によって得ることができるグルコースと比較して、多くの微生物において、発酵に使用される微生物のより良好な増殖および/または使用されるグルコース基準でより高い収率が得られる。さらに、本発明の方法によって、高いグルコース濃度を有するグルコース溶液を製造することができる。本発明に従って得ることができるグルコースの粘性は、製粉物全体を液化/糖化することで製造したグルコースの粘性と比較して大幅に優れたものである。
「ふすま」または「殻」という表現は、コムギ類穀粒の硬い外側の外皮、すなわち果皮(通常、穀粒の<10重量%)を意味するものとする。「ふすま成分」または「殻成分」は、断片またはそれの一部である。「ふすま画分」または「殻画分」は、実質的にふすまもしくは殻の画分を含むが、穀粒の他の成分、特には胚乳の一部を含むこともできる。
「胚乳」という表現は、コムギ類穀粒の主としてデンプン含有部分を意味するものとする(通常、穀粒の70から85重量%)。「胚乳画分」は、実質的に胚乳の一部を含むが、他の成分、例えばふすまの一部を含むこともできる。
「グルテン」という表現は、コムギ類穀粒のタンパク質成分を意味するものとする。このタンパク質成分は、実質的に胚乳内にある。コムギ類穀粒におけるタンパク質の割合は明らかに、個々のコムギ類植物の種類および品種によって決まるものであり、代表的には胚乳基準で6から13重量%、穀粒全体基準で約8から20重量%の範囲である。
本発明の方法によって製造されるグルコース溶液は、他の方法で製造されたグルコース溶液が持たない特徴的組成を有する。従って、その溶液は新規であり、同様に本発明の対象である。
本発明の方法では、胚乳画分におけるグルテンの割合が低下する。その低減は、工程c)を実施する前、すなわち工程c)での液化の前だけでなく、工程c)で得られたグルコースから、すなわち工程c)での糖化の後にも行うことができる。
好ましい実施形態において、グルテンの少なくとも部分量(部分量)が、工程c)で得られたグルコースから分離される(さらなる工程d)として)。グルコースから低減されるグルテンの量は、本発明の方法で低減されるグルテンの総量を基準として、好ましくは少なくとも30重量%、特には少なくとも40重量%、例えば30から100重量%、特には40から100重量%である。
同様に、工程c)を実施する前に、すなわち胚乳画分の水系懸濁液からグルテンを低減することも可能である。しかしながらこの場合、通常は部分量のグルテンのみが、工程c)に送られる胚乳画分から除去される。工程c)の前に低減されるグルテンの量は、本発明の方法で低減されるグルテンの総量を基準として、通常は70重量%以下、特には60重量%以下であり、例えば本発明の方法で低減されるグルテンの総量を基準として10から70重量%、特には20から60重量%である。従って、別の実施形態によれば、工程c)を実施する前に部分的グルテン低減を行い、工程c)で得られたグルコース水溶液から、グルテン低減を行う。
工程c)の実施前における分離の場合、本発明の方法で得ることができるグルテン成分は、バイタルグルテンの名称で利用および販売することができる。
対照的に、グルコースからの分離の際に本発明の方法で得られるグルテン成分は新規であり、特定の性質によって区別されるものであり、その性質によって、その成分は他の方法で得られるグルテン成分と区別され、多くの用途に好適なものとなる。従って本発明は、工程d)で得られるグルテンに関するものでもある。
工程a)
本発明の方法の工程a)では、コムギ類穀粒について分別乾式製粉を行う。分別製粉は、コムギ類穀粒を粉砕し、穀粒をそれの成分、すなわち胚、胚乳および殻成分(以下、ふすま成分とも称する)に分離するものである。
一般に、コムギ類植物からの穀粒は、コムギ、ライムギもしくはライコムギからの穀粒またはこれらの穀粒の混合物である。コムギからの穀粒、特には軟質コムギ品種からの穀粒が好ましい。しかしながら硬質コムギ品種も好適である。
本発明によれば、この時点で、コムギ類穀粒中に存在する殻成分の大半、すなわち少なくとも70重量%、特には少なくとも80重量%が、高繊維ふすま画分として、穀粒の残りの成分、すなわち胚乳から分離される。胚乳画分は、実質的にコムギ類穀粒のデンプンおよびタンパク質成分を含み、ふすま画分の残留物も含む。そしてふすま画分は、実質的に、すなわち少なくとも60重量%、特には少なくとも80重量%の穀粒に存在する殻成分、そして25%以下の胚乳画分を含む。
好ましくは、低減後の胚乳画分は、水以外の胚乳画分の成分の総量に基づいて20重量%以下、特には10重量%以下、特に好ましくは5重量%以下、特別には2重量%以下または1.5重量%以下のふすま成分(粗繊維)を含み、例えば0.1から20重量%、多くの場合0.1から10重量%、特には0.2から5重量%、特に好ましくは0.3から2重量%または0.3から1.5重量%である。
デンプンの損失を回避するため、ふすま画分を、胚乳成分の分離のためのさらなる後処理に供給することができ、その胚乳成分は本発明の方法に再循環される。あるいは、ふすま画分を別の用途に送り、胚乳画分および適宜に少量のふすま、すなわちコムギ類穀粒に存在するふすま成分を基準として20重量%未満のふすまのみを、工程b)での液化/糖化に送ることが可能である。
工程a)でのコムギ類穀粒の分別乾式製粉には、入荷したコムギ類穀粒をそのまま用いることができる。しかしながら好ましくは、清浄化したコムギ類穀粒を用いる。清浄化では、例えば木片、茎もしくは葉などの植物の構成要素、石、ガラス断片、ネジなどの粗い混入物だけでなく、破砕コムギ類穀粒、異種植物の種子、小石、砂などの微細混入物も、コムギ類穀粒から分離する。その分離は、自体公知の方法で、例えば篩がけ、篩分けまたはこれらの手段の組み合わせによって行うことができる。この場合、最初に粗い粒子がコムギ類穀粒から分離され、微細混入物と次に微粉砕粒子がコムギ類穀粒から分離されるように手順を行う。粗い粒子とは、粒径が少なくとも15から20mmの限度を超えるものとされる。微粉砕粒子とは、最大粒径が1.5から3.5mmの値を超えないものと見なされる。
微細混入物は、砂および粉塵成分以外に、破砕コムギ類穀粒も含むことから、微細混入物について再度分別を行なえば有利である。そのために、微細混入物を、実質的に砂および他の塵埃物を含む最大粒径が0.5から2.5mmの第1の画分と実質的に小粒または破砕したコムギ類穀粒を含む少なくとも2.5から3.5mmの粒径を有する若干粗い画分とに分ける。後者の画分は、デンプン損失を少なくするために、清浄化穀粒に戻すことができる。第1の画分は、分別で得られるふすま画分に加えることができる。
次に、そうして清浄化されたコムギ類穀粒について分別乾式製粉を行う。分別製粉は、それ自体公知の方法で行う。通常、乾式製粉は、殻を除去し、胚乳画分とふすま画分への分離を行う第1の製粉工程と、胚乳画分を製粉して所望の粒径とする第2の製粉工程とに分けられる。分離は一般に完全ではなく、画分についての所望の純度まで行われるのみであり、すなわち胚を分離した後の胚乳画分は通常、穀粒に存在する殻成分を30重量%以下、好ましくは20重量%以下でなおも含むものであることは、当業者には明らかである。
脱ぷ(だっぷ)または剥皮と称される場合も多い第1の工程では、コムギ類穀粒を、例えばローラーミルによって粉砕する。第1の工程は、一つの製粉ステップ(製粉通過)として実施することができ、好ましくは複数の製粉ステップで行う。1回の製粉通過の後、それ自体公知の方法で、製粉物を胚乳画分およびふすま画分に分離する。この場合、胚乳画分およびふすま画分への第1の分離が行われるように手順を実施し、その場合にふすま画分はなお、胚乳画分の一部を含む。分離され、胚乳の一部を含むふすま画分を、第2の製粉通過でそれの成分に分離する。製粉物の胚乳成分は通常、製粉物のふすま画分の粒子より小さい粒径を有することから、第1の分離は、篩がけ法または篩分けによって簡単な方法で行うことができる。当然のことながら、個々の分離工程は、これらの手段の組み合わせを含むことができる。
工程a)については、穀粒の総重量基準で10から30重量%の範囲、多くの場合10から25重量%の範囲、特には13から20重量%の範囲の一定の含水量を穀粒が有する場合に、それが有利であることがわかっている。従って、所望の含水量を持たない穀粒を、乾式製粉の前またはそれの最中に、ある量の水と混合する。水を加えた後、コムギを好ましくは0.5から36時間にわたって保存してからその後の処理に供するようにすることで、表面に付着する水分を穀粒の内部に拡散させることができる。従って、工程a)における製粉は、使用されるコムギ類穀粒の重量に基づいて10から30重量%、多くの場合で10から25重量%の水の存在下で実施する。好ましくは、水の量は13から20重量%、特には14から18重量%である。水は好ましくは、第1の製粉工程の前に加えるが、第1の製粉工程中に加えることもできる。第1の製粉工程の多段階手順の場合、個々の製粉ステップの間で含水量をもう1回調節することができる。水は、蒸気の状態で加えても良い。使用されるコムギ類穀粒と個々の工程で得られる製粉物を分析することで、当業者は、含水量を容易に求め、必要な追加の水の量を容易に決定することができる。
第2の製粉工程では、胚乳画分をさらに粉砕する。この場合、繊維成分を、蒸気の方法で再度分離することができる。2から4段階法が代表的である。その多段階的な特徴により、より高純度の個々の画分が得られ、胚乳画分のデンプン収量がより高くなる。この場合、胚乳画分を、液化/糖化に最も好ましい粒径に調節する。このステップは多くの場合、微製粉とも称される。微製粉において、胚乳画分は通常、0.01から1.5mmの範囲の粒子直径中央値まで、好ましくは0.025から1mmの範囲、特別には0.05から0.6mmの範囲の粒径まで粉砕する。粒子直径中央値は質量に関連するものであり、好ましくは当業者に公知の方法での篩分析によって測定する。特に、少なくとも80重量%、特には少なくとも90重量%、特別には少なくとも95重量%の粒子が0.4mm以下の直径を有する場合が有利であることが明らかになっている。多段階微製粉手順の場合に、好ましくは各製粉通過後に、所望の最大径より大きい径の粒子と所望の上限を超えない径の粒子への分離を行う。次に、大きすぎる粒子のみを、さらなる製粉通過に送る。
同様に、ふすま画分を、それに付着している胚乳部分を分離するためにさらに粉砕することができ、その工程では胚乳成分およびふすま成分への分離を行う。この工程で得られる胚乳豊富画分は、第1の製粉段階の胚乳画分に再循環することができる。好ましくは、微製粉の前または微製粉中に戻しを行う。
そうして分離された画分は代表的には、下記に示す組成を有する。ふすま成分は代表的には、下記の量で下記の成分を含む(総乾燥重量基準)。すなわち、
粗タンパク質:8から18重量%、
デンプン:8から20重量%、
粗繊維:25から65重量%、
粗脂肪:2から10重量%、
粗灰分:3から12重量%。
ふすまの含水量は代表的には、5から20重量%、好ましくは8から14重量%である。
胚乳画分は代表的には、下記の量で下記の成分を有する(総乾燥重量基準)。すなわち、
粗タンパク質:3から30重量%、好ましくは5から15重量%、
デンプン:50から90重量%、好ましくは55から85重量%、
粗繊維:0.1から20重量%、好ましくは0.1から10重量%、特には0.2から5重量%、特別には0.3から2重量%または0.3から1.5重量%、
粗脂肪:0.1から5重量%、好ましくは0.2から2重量%、
粗灰分:0から15重量%、好ましくは0.1から3重量%。
胚乳の含水量は代表的には、5から20重量%、好ましくは8から14重量%である。
ふすま画分および胚乳画分については、代表的な分析によって得られた、飼料に関連する成分のみを報告している。この場合、粗タンパク質について示した値は、係数6.25を掛けた総ケルダール窒素を含む。すなわち、タンパク質以外に、例えば他の遊離アミノ酸、核酸および無機窒素も含まれる。粗繊維について示した値は、主要成分として、セルロースおよびヘミセルロースを含むが、リグニンなどの外皮形成物質も検出される。粗脂肪について示した値は、例えばトリグリセリド類、遊離脂肪酸類およびリン脂質類のように、石油エーテルまたはヘキサンなどの脂肪族溶媒に溶解する全ての物質を含む。粗灰分は、550℃まで加熱してから比較的長期間経過させた後に残っている全ての無機成分を含む。これらは実質的に、酸化物および塩の形での無機物である。別個に分析されるデンプン以外に、ペントサン類などの非デンプン性の多糖類は、選択された分析技術によっては、含まれていないか、不正確にしか含まれていない。
本明細書で使用される粗タンパク質、粗繊維成分、粗脂肪および粗灰分という名称は、当業者であれば熟知しているものであり、例えばナウマンらの著作(Naumann, C., Bassler, R., 1976. VDLUFA-Methodenbuch, Band 3, Die chemische Untersuchung von Futtermitteln [ドイツ農業分析および研究施設学会(VDLUFA)手法誌, 第3巻, 飼料の化学分析](ルーズリーフ集であって1983, 1988, 1993, 1997 および2004の補遺あり), VDLUFA-Verlag, Darmstadt, Germany [飼料評価に関連するドイツにおけるすべてのパラメータ/手法の編集])にて定義されている。
工程b)
次に、実質的に胚乳画分、従ってデンプン成分を含む得られた製粉物(以下において、粒粉とも称する)を、水系懸濁液に変換する。
本発明の第1の実施形態によれば、水系液体、例えば新鮮な水、例えば後段の発酵もしくは蒸発からの再生プロセス水と、またはこれら液体の混合物と製粉物の総量が混和するように手順を行い、その場合、デンプン含有量が少なくとも30重量%である水系懸濁液が得られる。この手順は多くの場合、スラリー化とも称される。
粒粉の量は好ましくは、懸濁液が、懸濁液(マッシュ)の総重量基準で30から55重量%、好ましくは32から50重量%、非常に好ましくは35から45重量%のデンプンを含むような形で選択される。デンプン1kgは通常、液化/糖化において単糖類、二糖類およびオリゴ糖類>1.0から1.1kgを生じることから、糖化後に得られるグルコース中の単糖類、二糖類および/またはオリゴ糖類の総濃度は、少なくとも320g/kg、多くの場合で>320から600g/kgの範囲、好ましくは330から500g/kgの範囲、特には350から495g/kgの範囲、特別には380から495g/kgの範囲である。この場合、グルコースは通常、単糖類、二糖類および/またはオリゴ糖類の総量基準で80重量%、特には少なくとも90重量%を占める。
使用される水の温度は通常、懸濁液の温度が30から53℃、好ましくは40から50℃、非常に好ましくは44から48℃の範囲となるように選択する。好ましくは温度53℃を超えないようにして、デンプンの望ましくないゼラチン化を防止すべきである。
粒粉懸濁液は、断続的または連続的に製造することができ、その場合に、水酸化カルシウムおよび/または硫酸などのpHを設定するための補助剤および工程c)で必要な液化酵素を事前に水系液と混合することができるか、あるいは個別に粒粉/水混合物に加えることができる。添加の順序は、この場合は適宜である。粒粉懸濁液の断続的製造の場合、あらゆる種類の混合リアクターを用いることが可能である。連続製造の場合、低速または高速の連続ミキサーを用いる。
本実施形態において、グルテンは工程c)での糖化後に低減される。
本発明の第2の実施形態によれば、グルテンは糖化の前に低減される。その低減は、工程c)で用いられる胚乳画分の部分量でのみ行うことから、工程c)ではグルテンが存在し、工程c)の後に、さらなるグルテン低減を行う。
グルテンは、冒頭で説明した方法、例えばバッター法またはマーチン法と同様にして低減する。
好ましい実施形態によれば、
i)胚乳画分の部分量、代表的には20から70%、特には30から60%、を30重量%未満、代表的には20から<30重量%、例えば20から28重量%のデンプン含有量を有する胚乳画分の希水系懸濁液に変換し、
ii)この懸濁液から、好ましくは少なくとも70%、特には少なくとも80%、特別には少なくとも90%の低減度までグルテン成分を低減し、そこでグルテン低減胚乳画分の希水系懸濁液を得て、
iii)懸濁液中のデンプン含有量が少なくとも30重量%となるように、工程ii)で得られた水系懸濁液にさらに別の胚乳画分を懸濁させる。
工程i)では、所望の部分量を約0.8から1.1重量部の水系液体、例えば新鮮な水、例えば後段の発酵または蒸発からの再生プロセス水またはこれら液体の混合物と混練して生地を形成するように手順を行う。この生地は、胚乳画分のデンプンおよびグルテン成分を含む。短い静置期間(通常は10分から1時間であることができる)の後、生地を前述のように水系液体に懸濁させても良い。液体の量は代表的には、生地1重量部当たり1.7から3重量部である。グルテン成分は通常篩がけによって懸濁液から実質的に低減または除去される。繊維成分を除去するための微細篩がけを行っても良い。
あるいは、所望の部分量を約0.4から0.6重量部の水系液体、例えば新鮮な水、例えば後段の発酵または蒸発からの再生プロセス水またはこれら液体の混合物と混練して生地を形成することができる。短い静置期間(通常は10分から1時間であることができる)の後、前述の方法に従って水系液体で処理し、例えば混練による力学的エネルギーの作用によって、グルテン低減デンプン画分を生地から洗い流しても良い。グルテンおよび繊維成分の残留物を除去するための微細篩がけを行っても良い。
これらのいずれの場合も、デンプン含有量が30重量%未満、代表的には20から30重量%である胚乳画分の希グルテン低減水系懸濁液が得られる。次に、デンプン含有量が少なくとも30重量%である胚乳画分の水系懸濁液が得られるように、工程a)で得られた胚乳画分(粒粉)を加えることで、この希懸濁液を混合する。粒粉の量は好ましくは、懸濁液の総重量基準で、懸濁液のデンプン量が30から55重量%、好ましくは32から50重量%、非常に好ましくは35から45重量%となるように選択する。
工程iii)における懸濁液は、第1の実施形態の粒粉懸濁液の製造と同様にして製造することができ、その際に水酸化カルシウムおよび/または硫酸などのpHを設定するための補助剤および工程c)で必要な液化酵素を事前に希水系懸濁液と混合することができるか、あるいは個別に粒粉懸濁液に加えることができる。添加の順序は、この場合適宜である。
工程c)
次に、工程b)で製造された懸濁液について酵素液化および糖化を行い、その際に胚乳画分のデンプン成分を加水分解してグルコースとする。最初の工程c.1)では、懸濁液中のデンプン成分の液化を行い、その際にデンプン成分は代表的には消化もしくは加水分解されて、4から20、特には8から12グルコース単位を有する糖鎖が形成される。以下、このステップは液化とも称する。
液化は通常、酵素を加えることで進行させることができる。その方法は冒頭で引用の先行技術から、例えば冒頭で引用した「The Alcohol Textbook-A reference for the beverage,fuel and industrial alcohol industries」第2章7から23頁から公知である。
粒粉中のデンプン部分を液化する上で、基本的に全てのデンプン液化酵素を用いることができ、特にはα−アミラーゼ類(酵素分類EC3.2.1.1)、例えばとりわけバイオエタノール製造の関連で乾式製粉法によって得られる材料を液化するのに用いられるバチルスリケニフォルミス(Bacillus lichenformis)またはバチルス・ステアロサーモフィルス(Bacillus stearothermophilus)から得られるα−アミラーゼ類がある。液化に好適なα−アミラーゼ類はさらに、例えばターマミル(Termamyl)120L、L型の名称でノボザイムズから市販されているか、ジェネンコア(Genencor)からスペザイム(Spezyme)の名称で市販されている。液化に、各種α−アミラーゼ類を併用することもできる。デンプン含有量基準でのマッシュにおける酵素の濃度は、通常は0.01から0.4重量%、好ましくは0.02から0.3重量%、多くの場合0.03から0.2重量%、とりわけ好ましくは0.04から0.1重量%である。
場合により、キシラナーゼをさらに加えても良い。キシラナーゼは、2.0重量%以下(使用されるデンプン基準)、例えば0.01から2重量%、多くの場合0.02から1重量%、好ましくは0.05から0.5重量%の量で用いる。例えばシアルザイム(Shearzyme(登録商標))500L(ノボザイムズA/S)の名称で市販されているそのような酵素は、液化および糖化時のデンプン懸濁液の粘度および最終グルコース溶液の粘度を低下させる。特には、本発明の方法を工業的に行う場合、キシラナーゼの必要量はごく少量である場合が非常に多いことから、そのような工程で用いられるキシラナーゼの量は、使用されるデンプン基準で、0.02から0.5重量%、特には0.05から0.2重量%であることができる。
有利には、例えば攪拌機によって懸濁液を効果的に混合できるようにする上で十分な程度までゲル化工程時の粘度が低下するように、デンプン液化酵素および粒粉の量を選択する。好ましくは、ゲル化時の反応混合物の粘度は、最大20Pas、特に好ましくは最大15Pas、とりわけ好ましくは最大8Pasである。粘度は、ハーケ(Haake)粘度計、M5測定システムを用いるロト・ビスコ(Roto Visko)RV20型および温度50℃および剪断速度200s−1であるMVDIN測定ユニットを用いて測定する。
多くの場合、液化は少なくとも1種類のカルシウム塩の存在下に行う。マッシュ中のカルシウム濃度は、カルシウム塩を通常は10から200ppm、好ましくは15から100ppm、とりわけ好ましくは20から60ppmまで加えることで設定する。しかしながら、カルシウムの存在は必須ではなく、液化および糖化には、カルシウムの非存在下でも良好な変換率および収量を与える液化酵素が多く知られていることから、その場合にはカルシウム塩の添加を回避することができる。
デンプン液化酵素の活性を至適とするために、液化は好ましくは、少なくとも時々は液化酵素の至適なpHで、多くの場合で若干酸性範囲のpHで、通常は4.0から7.0の範囲、好ましくは5.0から6.5の範囲、特に好ましくは5.3から6.0の範囲で実施する。通常、液化開始の前または開始時点で、pH調整を行う。このpHは液化中にモニタリングし、適宜に調整する。pHは好ましくは、HCl、HNO、HSOもしくはHPOなどの希無機酸、酢酸などの有機酸、NaOHもしくはKOHなどのアルカリ金属水酸化物、または水酸化マグネシウムもしくは水酸化カルシウムなどのアルカリ土類金属水酸化物を用いて調整する。好ましくはpHは、水酸化カルシウムおよび/または硫酸を用いて調整する。
液化において、工程b)で製造される懸濁液は好ましくは、デンプンのゼラチン化温度より高い温度まで加熱する。通常、80から120℃、好ましくは90から115℃の範囲、特に好ましくは95から110℃の範囲の温度を選択し、その際に温度は、ゼラチン化温度(コムギデンプンのゼラチン化温度)より好ましくは少なくとも5K、特には10K、特に好ましくは少なくとも20K、例えば10から80K、特には20から60K高いものである。液化は、例えばWO2004/113551に記載の酵素または酵素の組み合わせを用いて、ゼラチン化温度より低い温度で実施することも可能である。
デンプン部分の液化における好ましい実施形態では、最初に、直接蒸気を導入することで、デンプンのゼラチン化温度より高い温度までマッシュを加熱する。代表的には加熱は、個々のゼラチン化温度より少なくとも10K、特には少なくとも20K、例えば10から80K、特には20から60K高い温度まで行う。好ましくは、懸濁液は、80から120℃の範囲、特には90から115℃の範囲、特別には95から110℃の範囲の温度まで加熱する。
加熱に使用される直接蒸気は代表的には、少なくとも105℃、特には少なくとも110℃、例えば110から210℃の温度を有する過熱蒸気である。しかしながら、飽和蒸気の使用も同様に可能である。好ましくは蒸気は、懸濁液に大気圧より高い圧力で導入する。従って、蒸気は好ましくは、少なくとも0.15MPa(1.5バール)、例えば0.15から1.6MPa(1.5から16バール)、特には0.2から1.2MPa(2から12バール)の圧力を有する。
過圧下、好ましくは0.1から1もしくは1.1MPa(1から10もしくは11バール)、特には0.15から0.5MPa(1.5から5バール)の過圧で、好ましくは高速度で蒸気が懸濁液に導入されるように、直接蒸気をマッシュに導入する。蒸気の導入により、懸濁液は直ちに90℃を超える温度まで、すなわちゼラチン化温度より高い温度まで加熱される。
好ましくは、直接蒸気による加熱は連続装置で行われ、その装置には、懸濁液の粘度、供給速度および装置の幾何形状によって生じる一定の供給圧でマッシュが連続的に供給され、懸濁液の供給の領域(またはゾーン)で制御可能ノズルを介して、供給圧基準で過圧下に熱蒸気が供給される。過圧下での蒸気供給により、懸濁液が加熱されるだけでなく、力学的エネルギーも系に導入され、それによって粒粉粒子のさらなる混和が促進され、特に均一なエネルギー投入が行われることから、粒粉中の粒状デンプン粒子の特に均一なゼラチン化が生じる。代表的には、これらの装置はチューブ状の幾何形状を有する。好ましくは、蒸気は、チューブ状装置の長軸方向で導入される。懸濁液は通常、蒸気に対して浅い角度で供給され、通常は50°を超えない。制御可能ノズルは代表的には、蒸気流の方向で先細となる円錐形状を有する。このノズルには、針またはコーンが配置されており、それは長手方向で移動可能である。針であれコーンであれ、それはノズルのコーンとともに、ギャップを形成する。針またはロッドを長手方向に移動させることで、ギャップの大きさとそれによってノズル開口の断面積を簡単な方法で設定することができ、その結果、蒸気導入の速度を簡単に調節することができる。
代表的には、これらの装置はさらに、蒸気導入後に懸濁液を移し入れ、装置から排出する混合チューブを有する。この混合チューブは通常、蒸気導入の方向に配置される。混合チューブは代表的には、ノズルとともに、懸濁液が通過するギャップを形成する。このギャップを介して、移動時に、さらなる剪断力が懸濁液に作用し、それによって懸濁液への力学的エネルギー導入が大きくなる。混合チューブは、長手方向で移動可能なように配置することができる。混合チューブを移動させることで、ギャップ開口の大きさとそれにより装置での圧力低下を簡単な方法で調節することができる。
そのような装置は、ジェットクッカーの名称で先行技術から公知であり、例えば「The Alcohol Textbook」、第2章、前掲、図13に示した装置があり、例えばヒドロ・サーマル社(Hydro Thermal Corp., Waukesha, WI, USA)からヒドクルード・イーター(HYDCRUDE EATER;登録商標)またはジェットクッカー(JetCooker(登録商標))の名称で市販されている。
次に、直接蒸気によって加熱されたマッシュを、後反応ゾーンに送って、デンプン成分のゼラチン化を継続する。同時に、液化酵素がデンプンの加水分解を開始する。代表的には後反応ゾーンでは、過圧がかかっており、代表的には0.2から0.8MPa(2から8バール)の範囲の絶対圧力がかかっている。後反応ゾーンでの温度は、代表的には80から120℃の範囲、特には90から115℃の範囲である。この後反応ゾーンでの滞留時間は、懸濁液の温度によって決まるが、1から30分、多くの場合2から20分、特には5から10分の範囲であることができる。後反応ゾーンは代表的には、チューブ状または円柱状の幾何形状を有する。1実施形態において、後反応ゾーンは鉛直方向に配置された円柱の幾何形状を有する。この場合の懸濁液は、蒸気処理のための装置を出た後、円柱の上側領域に投入され、下側領域で取り出される。本発明の別の実施形態では、後反応ゾーンはチューブ状幾何形状を有する。
後反応ゾーンから出た後、懸濁液は通常冷却され、第2の液化が行われる。この冷却は、加圧溶液の膨張によって進行させることができる。好ましくは膨張は、好ましくは110℃以下、特には105℃以下、例えば80から110℃、好ましくは90から105℃、とりわけ好ましくは95から100℃の範囲の温度でフラッシュ蒸発として実施して、懸濁液を冷却させる。通常は、そうして分離したデンプンの液化を、別個の反応容器で進行させる。場合により、加熱前もしくは加熱中に液化酵素を全量加えるのではなく、第2の液化の温度を設定した後に、その酵素の部分量を加えることが有利となる可能性がある。この部分量は、液化酵素全量の0から80%、好ましくは10から60%、とりわけ好ましくは15から40%であることができる。第2の液化は、30から240分間、好ましくは45から180分間、とりわけ好ましくは60から120分間の期間をかけて進行させることができる。第2の液化は、連続流チューブで、撹拌槽列で連続的に、または断続的な撹拌槽で進行させることができる。撹拌槽を用いる場合、能力を低下させることなく、処理運転と並行して個々の撹拌槽のクリーニングができるだけの十分な数の撹拌槽を提供することが有利である。
デンプンを完全に分解してデキストリンとするためには、デンプン検出のためのヨウ素または適宜に別の試験によるデンプン検出が陰性であるか少なくとも実質的に陰性となるまで、反応混合物を設定温度に維持するか、さらに加熱しても良い。この場合は適宜に、例えば使用されるデンプン源の総量基準で0.001から0.5重量%、好ましくは0.002から0.2重量%の範囲での1以上の追加の部分量のα−アミラーゼを、反応混合物にさらに加えることができる。
直接蒸気によるマッシュの加熱に代えて、「ワイドギャップ(wide gap)」熱交換器と称されるもので、マッシュを蒸気などの加熱媒体を用いて間接的に加熱して所望の温度とすることができ、それによって導入される蒸気による粒粉懸濁液の希釈が防止される。この場合さらに、直接蒸気による加熱について説明した方法に従って、後反応および第2の液化を行う。ここで用いられる手段に関しては、前述の内容が同様に適用される。
このようにして、水系部分デンプン加水分解物が得られ、それは粒粉からの液化デンプン部分、代表的にはデキストリン類を含み、さらなるオリゴ糖類や単糖類もしくは二糖類、そして粒粉のタンパク質成分の少なくとも一部を含むこともあり得る。
デンプンの液化完了後、水系部分デンプン加水分解物に存在するデキストリン類の糖化が進行し、すなわちそれらが分解してグルコースまたはショ糖となる。その糖化は、それ自体公知の方法で連続的または断続的に行うことができる。
液化デンプン溶液中のデキストリン類(すなわち、オリゴ糖類)は、酵素的に、すなわちデキストリン類を糖化する少なくとも1種類の酵素を用いて糖化する。それには、基本的に全てのグルコアミラーゼ類(酵素分類EC3.2.1.3)を用いることができ、特にはコウジカビから得られたグルコアミラーゼ類、特別にはバイオエタノール製造の関連で乾式製粉法によって得られた材料を糖化するのに用いられるものがある。糖化に適したグルコアミラーゼ類は、例えばノボザイムズ(Novozymes)からデキストロザイム(Dextrozyme)GAの名称で、またはジェネンコル(Genencor)からオプティデクス(Optidex)の名称で市販もされている。各種グルコアミラーゼの組み合わせも用いることができる。
通常は、使用されるデンプン源の総量基準で0.001から5.0重量%、好ましくは0.005から3.0重量%、特に好ましくは0.01から2重量%、特別には0.05から1.0重量%の量で、少なくとも1種類の糖化酵素、特には少なくとも1種類のグルコアミラーゼを、液化後に得られたデキストリン含有液体媒体に加える。
液化デンプン溶液は通常、冷却して糖化酵素の至適な温度またはそれより若干低い温度、例えば40から70℃、好ましくは50から65℃、特には60から63℃とするか、その温度としてそれを維持し、次に糖化酵素と混合する。好ましくは、液化直後に、得られた水系部分デンプン加水分解物について糖化を行う。次に、高温の水系部分デンプン加水分解物を上記の温度まで冷却してから、糖化酵素を加える。この冷却は有利には、熱交換器で進行させ、そこでは、放出されているエネルギーを用いて他のプロセス流の前加熱を行うことができる。
有利には、糖化は、使用される酵素の至適活性範囲内のpHで、好ましくは3.0から5.5の範囲、特には4.0から5.0の範囲、特に好ましくは4.2から4.8の範囲のpHで進行させる。好ましくは、pHを所望の値に設定してから、糖化酵素、特にはグルコアミラーゼの添加を行う。
糖化は、撹拌リアクター中で断続的に、あるいは流管で連続に、または特に好ましくは撹拌槽列で進行させることができる。撹拌槽を用いる場合、能力を低下させることなく、処理運転と並行して個々の撹拌槽のクリーニングができるだけの十分な数の撹拌槽を提供することが有利である。
糖化酵素を添加した後、デキストリン含有懸濁液は好ましくは、例えば8から72時間またはそれ以上、必要に応じて、多くの場合12から60時間、好ましくは24から54時間、特に好ましくは36から48時間の期間にわたり設定温度に保持し、その際にデキストリン類は糖化されて単糖類および二糖類となる。糖化の進行は、当業者に公知の方法、例えばHPLC、酵素試験またはグルコース試験スティックによって追跡することができる。単糖類の濃度にほとんど上昇がなくなるか、再度降下すると、糖化は完了である。
工程d)
糖化によってグルコース水溶液が製造され、それは、グルコース以外に、懸濁物中の固形物として粒粉の加水分解されていない成分をさらに含んでいても良い。その固形物は主として、胚乳画分のグルテン部分である。
工程c)を実施する前にグルテンがまだ完全に低減されていなければ、本発明によれば、工程c)に従って、グルコースからグルテンの低減を行う。工程c)を実施する前だけでなく、その工程後にも、そのような低減を実施することも可能であり、多くの場合で適切である。この場合、最初に、例えば部分量の胚乳画分中でグルテン成分を実質的もしくは完全に低減し、グルテンに関して低減したその部分量を、グルテン成分に関して低減されていない工程a)からの胚乳画分の残りと合わせることで、例えば、それを懸濁液に移し入れ、次に工程c)および工程d)を実施することで、糖化されるデンプン材料からの部分量のグルテンを低減させる。
グルコースからのグルテンの低減を行うには、工程c)で製造されるグルテン含有グルコース溶液全量について固形物分離を行うように手順を実施する。しかしながら、工程b)で製造されたグルテン含有グルコース溶液の部分流のみについて固形物分離を行い、残りのグルテン含有グルコースを別の用途、例えばバイオエタノール製造に供することができる。
通常、グルコース溶液に含まれる少なくとも70重量%、好ましくは少なくとも85重量%および特には少なくとも90重量%、またはさらに少なくとも95重量%のグルテン成分が分離させる程度まで、低減を実施する。
グルテンおよび存在していても良いふすまは、いずれか公知の液体/固体分離で分離することができ、その場合に、遠心、傾斜法および濾過などの物理的方法が、これら手段の組み合わせも含めて好ましい。
グルコース溶液から固形物を分離するには、分離に供給されるグルコース溶液が60から100℃の範囲、特には70から90℃の範囲、特に好ましくは75から85℃の範囲の温度を有することが有利であることが明らかになっている。そのためには、固形物成分であるグルテンおよびふすまの低減の前に、工程b)で得られたグルコース溶液を加熱して所望の温度とする。その加熱は有利には熱交換器で進行させ、その場合に、必要なエネルギーを利用して他のプロセス流の冷却を行うことができる。
さらに、固形物低減の前に、グルコース溶液のpHを4.0から6.5の範囲、特には4.5から6.0の範囲、特に好ましくは5.0から5.5の範囲の範囲に設定すると有利であることが明らかになっている。pHを調整するには、適宜の塩基を用いることができるが、好ましくは水酸化ナトリウム溶液などのアルカリ金属水酸化物またはアンモニアを用いることができる。
その低減により、低固形物グルコース溶液と固形物豊富画分が生じ、後者はグルテンおよび場合によってふすま成分を含み、低固形物グルコース溶液より低いグルコース率を有する。
低固形物グルコース溶液はまだ、少量の不溶固形物を含んでいる可能性があり、その量はグルコース水溶液の総体積基準で通常は15体積%、特には10体積%、特別には5重量%を超えないものであり、グルコース水溶液の総体積基準で、多くの場合で0.001から15体積%の範囲、特には0.01から10体積%の範囲、特に好ましくは0.02から5体積%の範囲である。不溶固形物は、15分間かけた1650gでの目盛付き遠心管でのグルコース溶液の遠心と、それに続く不溶固形物量の読み取りによって測定する。
高グルコース収量を達成する上で、固体/液体分離で得られる固形物豊富画分を水に再懸濁させてから、繰り返し固体/液体分離を行う場合が有利である。水の量は代表的には、乾燥物として計算した懸濁固形物1kg当たり1から15リットルの範囲、または湿った分離固体1リットル当たり1から20リットルの範囲である。この第2の固体/液体分離によって、第1の固体/液体分離の固形物相に含まれる溶解型でのグルコース部分を含む液相が得られる。次に、その液相を、第1の固体/液体分離の液相に加える。グルコース収量をさらに高めるには、この工程、すなわち得られた固体の水への懸濁およびそれに続く固体/液体分離を1回もしくは数回繰り返すことができ、その際には、各場合で、得られたグルコース水溶液を、第1の固体/液体分離で得られたグルコース溶液に加える。
第2および適宜に他の固体/液体分離を実施する温度は、代表的には60から100℃の範囲、好ましくは70から90℃の範囲、特に好ましくは75から85℃の範囲である。pHに関しては、第1の固体/液体分離について前述したものが適用される。
第1および他の固体/液体分離の固体豊富画分を再懸濁するのに用いる水は、新鮮な水であることができる。しかしながら多くの場合、再懸濁のためには、後者の固体/液体分離のグルコース水溶液を用いて、個々の固体/液体分離工程の合わせた低固形物グルコース溶液の新鮮な水による希釈を低減し、全体での新鮮な水の必要量を低下させる。例えば、3回連続の固体/液体分離では、第3の固体/液体分離の液相を、第2の固体/液体分離の固相の再懸濁に用い、第2の固体/液体分離の液相を、第1の固体/液体分離の固体豊富相の再懸濁に用いる。新鮮な水に加えて、別の形態として、例えばグルコース溶液の蒸発による後の濃縮で凝縮物として生じるか、副産物(例:グルテンまたはバイオマス)の乾燥で生じるプロセス水も用いることができる。
そうして得られるグルコース水溶液中の固形物の割合をさらに低下させるには、それに対して磨き工程と称される処理を行って、それに存在する他の固形物を低減することが有利となり得る。そのさらなる低減は、例えば精密濾過および限外濾過などの膜濾過、従来の濾過、浮遊、遠心、傾斜法または分離などのいずれか公知の種類の固体/液体分離によって行うことができる。本明細書で言及している方法の所望の相互関連から生じる多工程実施形態も想到され得る。
工程b)で得られたグルコース水溶液からのグルテンおよび場合によって存在するふすまの低減後に得ることができる低固形物グルコース溶液は新規であり、化成品製造に特に適している。従って、そのグルコース水溶液も同様に、本願の主題である。
乾燥物の割合または乾燥物含有量は、グルコース水溶液中の溶解固形物および不溶固形物の総量を意味するものとする。これらは自体公知の方法でグルコース溶液を溶媒留去することで求めることができる。そのためには、所定量の個々のグルコース溶液を、80℃の乾燥キャビネットでの乾燥によって溶媒留去する。乾燥残留物を秤量することで、乾燥物含有量を得る。別の方法として、例えばPCEドイツ社(PCE Deutschland, Meschede)によってそのために販売されている、乾燥トロリーを用いることができる。
グルコース水溶液中に存在する固形物、すなわち乾燥物含有量基準で、グルコース水溶液は下記の特徴的成分を有する。すなわち、
a)80から98重量%、好ましくは93から97重量%のグルコースおよび場合によりショ糖、マルトースおよびイソマルトースなどの二糖類の形態での糖、
b)0.5から7.0重量%、好ましくは1.0から4.0重量%の粗タンパク質、
c)0.01重量%から0.1重量%の粗繊維、
d)80から1000mg/kg、(0.008から0.1重量%)、好ましくは100から800mg/kgの遊離アミノ酸、および
e)0.01から1.0重量%の粗灰分成分。
そのような組成を有するグルコース溶液は新規であり、同様に本発明の主題である。
さらに、グルコース溶液はまだ、少量の胚からの油/脂肪を含んでいる可能性がある。しかしながら、油/脂肪成分の大半は、工程d)でグルテンとともに分離されている。同じことが、工程c)を実施する前に分離されていないふすま成分にも当てはまる。
本発明はさらに、本発明の方法の工程d)で生じるグルテンに関するものでもある。本発明の方法において、それは、使用される穀粒の乾燥物基準で4から40重量%、特には8から30重量%の量で生じる。そのグルテンは通常、下記の全体組成を有しており、その組成において数値は、各場合でグルテンの総乾燥物を基準としたものである。すなわち、
a)10から60重量%、特には20から55重量%の粗タンパク質;
b)1から65重量%、特には2から60重量%の糖成分;
c)20重量%以下、多くの場合で0.5から10重量%の粗脂肪、植物性脂肪および/または植物油;
d)20重量%以下、特には1から12重量%の粗繊維成分;および
e)15重量%以下、例えば0.1から10重量%の上記とは異なる固体成分(粗灰分とも称される)。
工程d)で分離されたグルテンは微粉砕固体であり、分離後には、分離されたグルテンの総重量基準で50から85重量%の範囲、特には55から75重量%の範囲の含水量を有する。そのグルテンは、自体公知の方法で乾燥させて、微粉砕の非ダスト形成性ないしは若干ダスト形成性で非粘着性の粉末を得ることができる。そして含水量は、代表的には50重量%未満、通常は30重量%未満、特別には15重量%未満である。乾燥物の割合が35重量%であるか、乾燥グルテン基準で含水量が185%である含水グルテンは、固体のように挙動する。
グルテン粒子の粒径中央値(光散乱または篩分析によって求めた加重平均)は代表的には、50から600μmの範囲、特には100から500μmの範囲である。
本発明によるグルテンは高い水吸収能力を有しており、粘着性になることなく、自体の乾燥重量基準で185重量%までの水を吸収することができる。従って、特には水分または自体が互いに粘着する傾向を有する糊状物質の固体製剤を製造するための製剤補助剤として特に好適である。特には、本発明によるグルテンは、発酵で生じるバイオマスを製剤するのに好適である。このようにして、バイオマスおよびグルテンを含む非粘着性生成物が得られ、それを例えば飼料または飼料成分として用いることができる。
本発明によるグルテンはさらに、油およびオイル状物質、特には植物油に対する高い吸収能力によって区別される。従ってそれは、高値植物油または植物油成分、またはトコフェロール類に匹敵する特性を有する物質の固体製剤を製造する上で特に適している。
本発明によるグルテン中に存在するタンパク質の加水分解により、好適なペプチドを製造することができ、それは加水分解されていないグルテン成分の分離後に、例えば人間栄養で使用しても良い。その加水分解は、例えば酵素的に、相当するプロテアーゼによって行うことができる。加水分解されていないタンパク質成分を分離するには、固体/液体分離の従来法を用いることができ、それには例えば、特殊な遠心および膜濾過法での濾過法などがある。
固体/液体分離後に得られるグルコース水溶液は、蒸発による1段階または多段階で所望のグルコース濃度まで濃縮しても良い。それには、50から100℃の範囲、好ましくは70から95℃の範囲、特に好ましくは80から90℃の範囲の温度で、好ましくは減圧下にグルコース水溶液を濃縮する。好ましくは、少なくとも40重量%、特には少なくとも50重量%、特に好ましくは少なくとも55重量%およびとりわけ好ましくは少なくとも60重量%、例えば40から80重量%の範囲、好ましくは50から75重量%の範囲、特に好ましくは55から70重量%の範囲、とりわけ好ましくは60から65重量%の範囲のグルコース濃度となるまで濃縮の操作を行う。
有機物質製造におけるグルコースの使用
こうして得られたグルコース溶液を次に、有機物質、すなわち化成品の製造のための炭素源として用いることができる。
化成品という表現は、広い意味で解釈すべきであり、全ての有機物質、すなわち明確な低分子量化合物、オリゴマー、酵素を含むポリマーだけでなく、グルコースを原料として製造されるか製造可能な酵母または単細胞タンパク質などの特徴的な特性を有するバイオマスをも含む。有機物の製造は、発酵によってだけでなく、発酵が関与しない方法によっても行うことができる。グルコースの品質についてより大きい需要があることから、本発明の方法は特に、エタノールとは異なる化成品の製造において有利である。
発酵が関与しない経路によるグルコースから製造可能な有機物質の例には、5−ヒドロキシメチルフルフラール、レブリン酸、グルコン酸、グルクロン酸、2−ケトグルコン酸、グルタル酸、ソルビトール、イソソルビドおよびアルキルポリグルコシド類、エチレングリコール、プロピレングリコールなどの多価アルコールならびに高果糖コーンシロップ(HFCS)などがある。
発酵が関与する経路によってグルコースから製造可能な有機物質の例には、例えば、
− 2から10個の炭素原子を有する水酸基を有していても良いモノ、ジおよびトリカルボン酸、例えば酒石酸、イタコン酸、コハク酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸、3−ヒドロキシプロピオン酸、フマル酸、マレイン酸、2,5−フランジカルボン酸、グルタル酸、レブリン酸、グルコン酸、アコニット酸およびジアミノピメリン酸およびクエン酸;
− タンパク質生成アミノ酸および非タンパク質生成アミノ酸、例えばリジン、グルタミン酸、メチオニン、フェニルアラニン、アスパラギン酸、トリプトファンおよびトレオニン;
− プリン塩基およびピリミジン塩基;
− ヌクレオシド類およびヌクレオチド類、例えばニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)およびアデノシン5′−一リン酸(AMP);
− 脂質、
− 好ましくは10から22個の炭素原子を有する飽和および不飽和脂肪酸、例えばγ−リノレン酸、ジホモ−γ−リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸およびドコサヘキサエン酸;
− 3から10個の炭素原子を有するジオール類、例えばプロパンジジオールおよびブタンジオール;
− 3以上の水酸基、例えば3、4、5もしくは6個のOH基を有する多価アルコール、例えばグリセロール、ソルビトール、マニトール、キシリトールおよびアラビニトール;
− 少なくとも4個の炭素原子、例えば4から22個の炭素原子を有する長鎖アルコール、例えばブタノール;
− 炭水化物、例えばヒアルロン酸およびトレハロース;
−脂肪族アミン類、特には1,5−ペンタンジアミンなどの3から10個の炭素原子を有する脂肪族ジアミン類;
− 芳香族化合物、例えば芳香族アミン類、バニリンおよびインディゴ;
− ビタミン類およびプロビタミン類、例えばアスコルビン酸、ビタミンB、ビタミンB12およびリボフラビン;
− 補因子および、栄養補助食品;
− タンパク質、例えばアミラーゼ類、ペクチナーゼ類、酸、ハイブリッドもしくは中性セルラーゼ類などの酵素、リパーゼ類、パンクレアーゼ類、プロテアーゼ類、キシラナーゼ類などのエステラーゼ類、ならびにラッカーゼ、カタラーゼおよびペルオキシダーゼなどのオキシドレダクターゼ類、グルカナーゼ類およびフィターゼ類;
− 酵母、例えばパン酵母および醸造用酵母;
− カロテノイド類、例えばリコペン、β−カロテン、アスタキサンチン、ゼアキサンチンおよびカンタキサンチン;
− 3から10個の炭素原子を有するケトン類、例えばアセトンおよびアセトイン;
− ラクトン類、例えばγ−ブチロラクトン;
− ポリヒドロキシアルカノエート類、例えばポリヒドロキシアセテート;
− ポリラクチド類;
− 多糖類、例えばグルカン、マンナン、ガラクタン;
− ポリイソプレノイド類;
− ポリアミド類および
− シクロデキストリン類
がある。
「補因子」という表現は、通常の酵素活性を発現させる上で必要な非タンパク質性化合物を含む。その化合物は有機または無機であることができ、本発明による補因子分子は好ましくは有機である。そのような分子の例には、NADおよびニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(NADP)であり、これら補因子の前駆体はナイアシンである。
「栄養補助食品」という表現は、植物および動物、特にはヒトの場合に健康を増進する食品添加物を含む。そのような分子の例には、ビタミン類、抗酸化物質およびある種の脂質、例えば多価不飽和脂肪酸がある。
発酵におけるグルコースの使用
本発明は好ましくは、上記で定義の有機物質の発酵による製造のためのグルコース源としての、本発明に従って得ることができるグルコース溶液の使用に関するものである。
従って本発明はさらに、下記の工程:
i.例えば本発明の方法に従ってグルコース溶液を製造することで本発明によるグルコース水溶液を提供する工程および
ii.有機物質の過剰産生を行うことができる微生物を含む発酵媒体に前記グルコース溶液を加える工程
を有する、発酵によって有機物質を製造する方法に関するものである。
発酵は、当業者に公知の通常の方法で行うことができる。それには、それぞれ所望の微生物を、本発明によるグルコース水溶液を用いて培養する。
発酵法は、断続的(バッチ式)だけでなく、半連続的(中間で回収を行う流加バッチなどの流化バッチ手順)にも操作することができ、半連続的操作が好ましい。
例えば、適宜に慣用の糖源とともに、そして適宜に水による希釈および緩衝剤、栄養塩、硫酸アンモニウム、尿素などの窒素源、酵母抽出物などのアミノ酸類、ペプトン、CSLなどを含む複合栄養素培地成分のような一般的な培地成分の添加後に、本発明の方法によって得られるグルコース水溶液(下記においては、本発明によるグルコースとも称する)に所望の微生物を接種し、微生物濃度が発酵に所望の定常状態に達するまで、これらを発酵条件下で増殖させる。この場合、本発明によるグルコース溶液中に存在する糖は代謝され、有用な所望の産生物が形成される(バッチ手順またはバッチ相と称されるもの)。
本発明との関連での慣用の糖源とは、本発明の方法によって得られるものではない基本的に全ての代謝可能な単糖類、二糖類および/またはオリゴ糖類を意味する。それには、純粋な形態の単糖類、二糖類および/またはオリゴ糖類およびそれらの混合物ならびに少なくとも45重量%の濃度で代謝可能な単糖類、二糖類および/またはオリゴ糖類を含み、代表的には実質的に水不溶固形物を含まない組成物、例えば45および50重量%の糖を有する低品質糖蜜の両方が含まれる。
本発明によるグルコース中の遊離アミノ酸の割合が高いことで、驚くべきことに、他の複合栄養培地成分の添加を割愛することができるか、それの量を大幅に減らすことができ、それは本発明によるグルコース溶液のさらに別の利点である。
流加バッチ手順では、本発明に従って得ることができるグルコース溶液を加えることで、発酵工程をさらに続ける。この場合、微生物が過剰産生した代謝産物が発酵ブロスに蓄積し、その代謝産物は微生物の細胞中だけでなく、発酵培地の水相にも存在し得る。
好ましくは、発酵は、半連続的に、すなわち流加バッチ工程で行われる。この場合、最初に、発酵槽中で所望の微生物濃度が達成されるまで、本発明によるグルコース溶液および/または別の糖源を用いて、微生物が増殖されるように手順を行う。次に、適宜に1以上の他の糖源とともに、本発明によるグルコース水溶液を発酵槽に供給する。これによって発酵プロセスが維持され、微生物が過剰産生した代謝産物が発酵ブロスに蓄積される(上記参照)。糖含有量は、特には本発明によるグルコース水溶液の供給速度を介して、発酵ブロス中で制御することができる。その供給速度は、発酵ブロス中のグルコース濃度が>0重量%から約5重量%の範囲となり、特には3重量%の値を超えないように調節する。
本発明によるグルコースは、発酵前に滅菌しても良く、その場合に汚染微生物は通常、熱で殺す。それには、本発明によるグルコースを、通常は80℃を超える温度まで加熱する。汚染物の殺菌または溶解を行ってから、直ちに発酵を行うことができる。それには、糖含有液体培地全体を滅菌に送る。
本発明は特には、バイオエタノールとは異なる有機化合物、特には有機の、好ましくは少なくとも3個の炭素原子を有するか、少なくとも2個の炭素原子と少なくとも1個の窒素原子を有する非揮発性化合物を製造する方法に関するものである。これらの化合物は、その性質上、水素と別の原子として適宜に酸素および適宜にリンおよび/または硫黄を有する。この場合、非揮発性有機化合物とは、蒸留によっては、分解されずに発酵ブロスから得ることのできない化合物を意味するものとする。これらの化合物は、大気圧で水の沸点より高い、多くの場合150℃より高い、特には200℃より高い沸点を有する。通常これらは、標準条件(298K、101.3kPa)下に固体状態で存在する化合物である。しかしながら、大気圧下で、水の沸点より低い融点および/またはオイル状の稠度を有する非揮発性代謝産物を製造するための発酵で、本発明による糖含有液体培地を用いることも可能である。
特には、本発明の方法は、酵素類、アミノ酸類、ビタミン類、ヌクレオチド類、二糖類、オリゴ糖類および多糖類、炭素原子数3から10の脂肪族モノおよびジカルボン酸、炭素原子数3から10の脂肪族ヒドロキシカルボン酸、炭素原子数3から10のケトン、炭素原子数4から10のアルカノールおよび炭素原子数3から10、特には3から8のアルカンジオールならびにアミン、特には炭素原子数3から10の脂肪族ジアミンを製造する上で好適である。
そのような方法で発酵によって製造される化合物が、各場合において、使用される微生物によってエナンチオマーの形態で得られる(異なるエナンチオマーが存在する場合)ことは、当業者には公知である。例えば、アミノ酸は、個々のL−エナンチオマーとして得られるのが一般的である。
発酵で使用される微生物は、自体公知の方法で、下記に詳細に記載の個々の代謝産物を生じる。それらは天然起源のものであるか、遺伝子組換えしたものであることができる。好適な微生物および発酵法の例を、例えば表Aに示してある。
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本発明の好ましい実施形態において、製造される有機化合物は、ヒドロキシルを有していても良い3から10個の炭素原子を有するモノ、ジおよびトリカルボン酸、タンパク質生成アミノ酸および非タンパク質生成アミノ酸、プリン塩基、ピリミジン塩基;ヌクレオシド類、ヌクレオチド類、脂質;飽和および不飽和脂肪酸;4から10個の炭素原子を有するジオール類、3以上の水酸基を有する多価アルコール、少なくとも4個の炭素原子を有する長鎖アルコール、炭水化物、特には単糖類、二糖類および多糖類、芳香族化合物、ビタミン類、プロビタミン類、補因子、栄養補助食品、タンパク質、カロテノイド類、3から10個の炭素原子を有するケトン類、ラクトン類、アミン類、生体高分子およびシクロデキストリン類から選択される。
本発明の第1の好ましい実施形態は、酵素、例えばフィターゼ類、キシラナーゼ類またはグルカナーゼ類などの上記の酵素の発酵による製造での本発明に従って得ることができるグルコース水溶液の使用に関する。
本発明の第2の好ましい実施形態は、アミノ酸、例えばリジン、メチオニン、トレオニンまたはグルタミン酸などの上記アミノ酸の発酵による製造での本発明に従って得ることができるグルコース水溶液の使用に関する。
本発明のさらに別の好ましい実施形態は、ビタミン類、例えばパントテン酸およびリボフラビン、前駆体およびそれらの二次生成物などの上記ビタミンの発酵による製造での本発明に従って得ることができるグルコース水溶液の使用に関する。
本発明の別の好ましい実施形態は、下記のもの:
−モノ、ジおよびトリカルボン酸、特には酢酸、プロピオン酸、フマル酸およびコハク酸などの炭素原子数2から10の脂肪族モノおよびジカルボン酸;
−乳酸などの炭素原子数3から10の脂肪族ヒドロキシカルボン酸;
−本明細書で前述の長鎖アルカノール、特にはブタノールなどの炭素原子数4から10のアルカノール;
−本明細書で前述のジオール類、特にはプロパンジオールなどの炭素原子数3から10、特には3から8のアルカンジオール;
−本明細書で前述のケトン、特にはアセトンなどの炭素原子数3から10のケトン;
−アミン、特には1,5−ジアミノペンタンなどの炭素原子数3から10の脂肪族ジアミン;
−5′−IMPおよび5′−GMPなどのヌクレオチド;
−本明細書で前述の炭水化物、特にはトレハロースなどの二糖類、オリゴ糖類およびグルカンなどの多糖類
の発酵による製造での本発明に従って得ることができるグルコース水溶液の使用に関するものである。
別の特に好ましい実施形態では、発酵で微生物によって産生される代謝産物は、ポリ(3−ヒドロキシブチレート)などのポリヒドロキシアルカノエートおよび3−ヒドロキシ吉草酸、4−ヒドロキシ酪酸およびシュタインビュッケル(Steinbuchel)(前掲)に記載されている他のものなどの他の有機ヒドロキシカルボン酸とのコポリエステルであり、例えば3−ヒドロキシオクタン酸、3−ヒドロキシデカン酸および3−ヒドロキシテトラデカン酸などの長鎖(相対的に長い鎖とも称される)ヒドロキシカルボン酸、そしてそれらの混合物もある。発酵を実施するには、本発明においては、例えばリーらの著作(S. Y. Lee, Plastic Bacteria Progress and prospects for polyhydroxyalkanoate production in bacteria, Tibtech, vol.14, (1996), pp.431-438)での他の炭素源について記載されているものと同様の条件を手順を用いることができる。
従って、好ましい実施形態において、発酵で使用される微生物は、下記の代謝産物:
−フィターゼ、キシラナーゼまたはグルカナーゼなどの酵素;
−リジン、トレオニン、グルタミン酸またはメチオニンなどのアミノ酸;
−パントテン酸およびリボフラビンなどのビタミン類;それの前駆体および/または二次生成物;
−トレハロースなどの二糖類;
−グルカンなどの多糖類;
−プロピオン酸、フマル酸およびコハク酸などの炭素原子数3から10の脂肪族モノカルボン酸;
−乳酸などの炭素原子数3から10の脂肪族ヒドロキシカルボン酸;
−ポリ(3−ヒドロキシブチレート)および3−ヒドロキシ酪酸のコポリエステルなどのポリヒドロキシアルカノエート;
−アセトンなどの炭素原子数3から10のケトン;
−アミン、特には1,5−ジアミノペンタンなどの炭素原子数3から10の脂肪族ジアミン;
−ブタノールなどの炭素原子数4から10のアルカノール;およびプロパンジオールなどの炭素原子数3から8のアルカンジオール
のうちの少なくとも一つを過剰産生する天然もしくは組換え微生物から選択される。
好適な微生物は通常、コリネバクテリア属、ブレビバクテリウム属、桿状菌属、アシュビア属、大腸菌属、アスペルギルス属、アルカリゲネス属、アクチノバチルス属、アネロビオスピリルム属、乳酸杆菌属、プロピオン酸菌属、クモノスカビ属、クロストリジウム属、スエヒロタケ属およびスクレロティウム属から選択され、特にはCorynebacterium glutamicum、コリネバクテリウム属AJ-1526、 Brevibacterium ammoniagenes、枯草菌、巨大菌、Ashbya gossypii、大腸菌、クロカビ、Aspergillus terreus、Aspergillus itaconicus、Alcaligenes latus、Anaerobiospirillum succiniproducens、Actinobacillus succinogenes、Lactobacillus delbruckii、Lactobacillus leichmannii、Propionibacterium arabinosum、Propionibacterium schermanii、Propionibacterium freudenreichii、Clostridium propionicum、Clostridium formicoaceticum、Clostridium acetobutylicum、Rhizopus arrhizus、Rhizopus oryzae、Schizophyllum communeおよびSclerotium rolfsiiの菌株から選択される。
好ましい実施形態において、発酵で使用される微生物は、コリネバクテリア属、特にはCorynebacterium glutamicumの菌株である。特には、それは、アミノ酸、特にはリジン、メチオニンおよびグルタミン酸を過剰産生するコリネバクテリア属、特別にはCorynebacterium glutamicumの菌株である。
別の好ましい実施形態では、発酵で使用される微生物は、大腸菌属、特には大腸菌の菌株である。特にはそれは、アミノ酸、特にはリジン、メチオニンおよびトレオニンを過剰産生する大腸菌属、特には大腸菌の菌株である。
特別に好ましい実施形態において、発酵で微生物が産生する代謝産物はリジンである。その発酵を実施するには、この場合、例えばプフェッフェルルらの報告(Pfefferleら、前掲)およびUS3708395で他の炭素源について記載されているものと同様の条件および手順を用いることができる。基本的に、連続手順だけでなく、断続的(バッチまたは流加バッチ)手順も考えられ、好ましくは流加バッチ手順である。
別の特に好ましい実施形態において、発酵で微生物が産生する代謝産物はメチオニンである。その発酵を実施するには、この場合、例えばWO03/087386およびWO03/100072で他の炭素源について記載のものと同様の条件および手順を用いることができる。リジン製造の場合、リジンの発酵培地は、栄養塩類および複合栄養培地成分、例えば糖蜜とともに本発明によって得られるグルコース溶液から製造される。この培地は、直接または蒸気を介して間接に滅菌することができる。滅菌後、通常の微生物、例えばCorynebacterium glutamicumでリジンを製造する発酵で、その培地を用いる。発酵完了後、発酵ブロスは、リジン以外に、微生物(バイオマス)、栄養培地の溶解成分および場合によって固体/液体分離によって完全に分離できなかったデンプン源の非デンプン含有固体成分(第2.2.3章参照)をも含む。リジンの取得は従来の方法で進行させることができ、それについて下記でより詳細に説明する。
別の特に好ましい実施形態において、発酵で微生物が産生する代謝産物はパントテン酸である。その発酵を実施するには、例えばWO01/021772で他の炭素源について記載されているものと同様の条件および手順を、ここで用いることができる。
別の特に好ましい実施形態において、発酵で微生物が産生する代謝産物はリボフラビンである。その発酵を実施するには、例えばWO01/011052、DE19840709、WO98/29539、EP1186664およびFujioka, K.:New biotechnology for riboflavin (vitamin B2) and character of this riboflavin. Fragrance Journal(2003), 31(3), 44-48で他の炭素源について記載されているものと同様の条件および手順を、ここで用いることができる。
別の特に好ましい実施形態において、発酵で微生物が産生する代謝産物はフマル酸である。その発酵を実施するには、例えばRhodesら,Production of Fumaric Acid in 20-L Fermentors, Applied Microbiology, 1962, 10(1), 9-15で他の炭素源について記載されているものと同様の条件および手順を、ここで用いることができる。
別の特に好ましい実施形態において、発酵で微生物が産生する代謝産物は乳酸である。その発酵を実施するには、例えばNarayananら, Electronic J. Biotechnol., 2004, 7、http://www.ejbiotechnology.info/content/vol7/issue2/full/7/pdfで他の炭素源について記載されているものと同様の条件および手順を、ここで用いることができる。
別の特に好ましい実施形態において、発酵で微生物が産生する代謝産物はコハク酸である。その発酵を実施するには、例えばInt. J. Syst. Bacteriol. 26498-504 (1976); EP249773 (1987)、発明者:LemmeおよびDatta;US5504004(1996)、発明者:Guettler、JainおよびSoni; Arch. Microbiol. 167, 332-342 (1997);Guettler MV, Rumler D, Jain MK., Actinobacillus succinogenes sp. nov., a novel succinic-acid-producing strain from the bovine rumen. Int J Syst Bacteriol. 1999 Jan;49 Pt 1:207-16;US5723322、US5573931、US5521075、WO99/06532、US5869301またはUS5770435で他の炭素源について記載されているものと同様の条件および手順を、ここで用いることができる。
別の特に好ましい実施形態において、発酵で微生物が産生する代謝産物はイタコン酸である。その発酵を実施するには、例えばKautola, H., Appl. Microb. Biotechnol., 1990, 33,7およびWillkeら,Appl. Microbiol. Biotechnol., 2001, 56, 289で他の炭素源について記載されているものと同様の条件および手順を、ここで用いることができる。
別の特に好ましい実施形態において、発酵で微生物が産生する代謝産物はフィターゼである。その発酵を実施するには、例えばWO98/55599で他の炭素源について記載されているものと同様の条件および手順を、ここで用いることができる。
別の特に好ましい実施形態において、発酵で微生物が産生する代謝産物はグルカンである。その発酵を実施するには、例えばSchillingら:Repression of oxalic acid biosynthesis in the unsterile scleroglucan production process with Sclerotium rolfsii ATCC 15205、Bioprocess Engineering 22(2000),51-55またはRauら:Oxygen controlled batch cultivations of Schizophyllum commune for enhanced production of branched β-1,3-glucans,Bioprocess Engineering 11(1994),161-165で他の炭素源について記載されているものと同様の条件および手順を、ここで用いることができる。
別の特に好ましい実施形態において、発酵で微生物が産生する代謝産物は5′-IMPおよび5′−GMPなどのヌクレオチドである。その発酵を実施するには、Satoら,Accumulation of Guanosine Polyphosphates by Brevibacterium ammoniagenes: Isolation and Identification of the Products. Agr. Biol. Chem. 40(3), 1976, 465-474; Mori et al: A novel process of inosine 5′-monophosphate production using overexpressed guanosine/inosine kinase. Appl. Microbiol. Biotechnol. (1997) 48: 693-698またはGB01188885で他の炭素源について記載されているものと同様の条件および手順を、ここで用いることができる。
別の特に好ましい実施形態において、発酵で微生物が産生する代謝産物はグルタミン酸である。その発酵を実施するには、例えばE. Kimura, L-Glutamate Production, Handbook of Corynebacterium glutamicum, CRC press, Boca Raton, Fl, 439-464で他の炭素源について記載されているものと同様の条件および手順を、ここで用いることができる。
別の特に好ましい実施形態において、発酵で微生物が産生する代謝産物は1,5−ジアミノペンタンである。その発酵を実施するには、例えばJP2004222569で他の炭素源について記載されているものと同様の条件および手順を、ここで用いることができる。
別の特に好ましい実施形態において、発酵で微生物が産生する代謝産物は5−ケトグルコン酸である。その発酵を実施するには、例えばElfari, M. et al., Appl. Microbiol. Biotechnol. 2005, 66, 668およびHerrmann U., et al., Appl. Microbiol. Biotechnol. 2004, 64, 86で他の炭素源について記載されているものと同様の条件および手順を、ここで用いることができる。
別の特に好ましい実施形態において、発酵で微生物が産生する代謝産物は5−ケトグルコン酸である。その発酵を実施するには、例えばElfari, M. et al., Appl. Microbiol. Biotechnol. 2005, 66, 668およびHerrmann U., et al., Appl. Microbiol. Biotechnol. 2004, 64, 86で他の炭素源について記載されているものと同様の条件および手順を、ここで用いることができる。
別の特に好ましい実施形態において、発酵で微生物が産生する代謝産物は2,5−ジケトグルコン酸である。その発酵を実施するには、例えばRoper, H., Starch-Starke 1990, 42342またはZelic, B. et al., Chem. Biochem. Eng. Q. 2002, 16, 7で他の炭素源について記載されているものと同様の条件および手順を、ここで用いることができる。
発酵の後処理
発酵によって有機物質を製造する本発明の方法は、所望の代謝産物に加えて、実質的に発酵中に生じたバイオマスおよび使われなかった糖および使われなかった緩衝剤塩および栄養塩を含む発酵ブロスを生じる。従って、発酵の後に発酵ブロスをさらに処理することで、重要生成物、すなわち発酵法によって製造され、取扱可能であるか販売可能な形態に変換される有機物質を得て、さらには発酵で生じるバイオマスおよび水系成分などの副産物を廃棄したり、さらなる利用に送る。
後処理とそれに必要なステップの種類は、自体公知の形態で、発酵ブロスの材料特性、特には産生される代謝産物の種類によって決まるものである。
代表的には、後処理法は、下記のステップの1以上を有し、それらはいずれか所望の順序および表現で関連付けることが可能である。すなわち、
−例えば以下に記載の方法での滅菌による微生物の失活;
−発酵ブロスからのバイオマスの分離;
−まだバイオマスを含むか、バイオマスからすでに分離されている発酵ブロスからの非揮発性代謝産物の単離;
−所望の代謝産物の精製;
−代謝産物の濃縮;
−バイオマスの濃縮。
この場合のこれらステップは、全てが後処理法の必須の構成要素である必要はない。例えば、生成物の純度に対する要求が高くない場合には、代謝産物または生成物のさらなる精製は割愛することができる。
バイオマスは、固体−液体相分離の一般的方法によって発酵ブロスから分離され(例えば、Belter, P.A., Bioseparations :Downstream Processing for Biotechnology, John Wiley & Sons (1988)およびCD-ROMでのUllmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry(第5版),Wiley-VCHに記載)、傾斜法、分離、浮遊、遠心、沈降、濾過または膜法などの物理的方法によって進行する。この場合、ある方法を多段階で連結したり、異なる方法を組み合わせることも考えられ、例えば傾斜法と分離を組み合わせる。さらに、洗浄水を用いて、バイオマスの分離における非揮発性代謝産物の収量を高めることもできる。好ましくは、代謝産物が発酵ブロスに溶解して存在する物質である場合に、上記方法を用いる。オイル状または固体代謝産物の場合、バイオマスと代謝産物の間に密度差がある場合には、傾斜法、分離、浮遊、遠心、沈降による物理的分離が好都合である。あるいはまた、特には、クロマトグラフィー法、蒸留法または抽出法も考えられる。
重要生成物は発酵ブロスから単離または低減され、その際に少なくとも1種類の生成物が発酵ブロスから低減されるか単離されるようにし、その際に残る発酵ブロス中のその重要生成物の含有量が、いずれも残る発酵ブロスの総重量基準で最大で20重量%、特には最大で10重量%、特別には最大で5重量%、とりわけ最大で2.5重量%となるようにする。重要生成物は、1以上のステップで発酵ブロスから単離または低減することができる。
発酵ブロスに溶解した重要生成物を単離するには、有利には、最初に、例えば遠心または濾過によってバイオマスおよび他の不溶成分を発酵ブロスから除去し、次に重要生成物を、例えば結晶化、沈澱、吸着、蒸留、クロマトグラフィー、抽出、イオン交換、膜法(好ましくは拡散透析、電気透析、ナノ濾過)によって液相から単離するように手順を行う。あるいは、重要生成物は、例えばクロマトグラフィー法、抽出法、膜法、吸着法および蒸留を用いることで、発酵ブロスから直接単離することもできる。言及することができるクロマトグラフィー法は特にはイオン交換クロマトグラフィーであり、その方法では、重要生成物をクロマトグラフィーカラムから選択的に単離することができる。
重要生成物を分離するには、例えばエステル化または塩形成により、第1ステップで発酵ブロス中で重要生成物を化学修飾して、分離性を高めることが好都合となり得る。
結晶化は、発酵ブロスからの重要生成物の分離だけでなく、重要生成物のさらなる精製も可能とする方法である。そして好ましくは、前記ですでに言及した物理的分離とそれを組み合わせ、その場合に結晶が母液から分離される。
揮発性またはオイル状化合物の場合、後処理時、特には乾燥時に最高温度を制御することが必要である。有利には、これら化合物は、それらを吸着剤上で半固体形態(擬似固体形態)に製剤することで単離することも可能である。この目的に適した吸着剤は、例えば本出願人のWO2005/116228に具体的に記載されており、例えば活性炭、酸化アルミニウム類、シリカゲル類、シリカ、クレー、煤煙、ゼオライト、無機ナトリウム、カリウム、マグネシウムおよびカルシウムの水酸化物、炭酸塩、ケイ酸塩、硫酸塩、リン酸塩などのアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩、特にはマグネシウム塩およびカルシウム塩、例えばMg(OH)、MgCO、MgSiO、CaSO、CaCO、アルカリ土類金属酸化物、例えばMgOおよびCaO、他の無機リン酸塩および硫酸塩、例えばZnSO、有機酸の塩、特にはそれのアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩、特にはそれのナトリウム塩およびカリウム塩、例えば酢酸、ギ酸、ギ酸水素およびクエン酸のナトリウムおよびカリウム塩、修飾されていても良いデンプン類、セルロース、リグニンなどの高分子量有機支持体(それらはさらに下記で、生成物製剤化で言及した支持材料と組み合わせる)、そして本発明によるグルテンなどがある。この方法で有利に単離することができる重要生成物の例には、プロピオン酸、乳酸、プロパンジオール、ブタノールおよびアセトンに加えて、γ−リノレン酸、ジホモ−γ−リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸およびドコサヘキサエン酸がある。擬似固体製剤中のこれらの化合物も、本発明の関連で固体での非揮発性代謝産物または重要生成物を意味するものとする。
上記の後処理加工ステップでは、添加剤の使用が必要となる場合もあり得るし(例えば、イオン交換体の再生用、抽出用溶媒など)、ないしは副産物流が起こる場合もあり得る(例えば、結晶化の母液、イオン交換体の溶出液)。重要生成物、バイオマス、デンプン源として用いたコムギの非デンプン含有固体および部分量の添加剤をなおも含んでいる場合があり得るこれらの副産物流を、さらに後処理するか、工程全体におけるいずれかの加工ステップに部分的に再循環させるか、廃棄するか、さらに使用することができる。
上記の流れの全て、好ましくはバイオマス含有流、重要生成物含有流および生成物流が、状況によっては高い水分濃度(発酵または後処理での洗浄水のため)を含むものであり、濃縮することができる(水含有量の低減)。例えば蒸発、乾燥による濃縮によって熱的に、または膜プロセス、濾過などによって物理的に、これは達成することができる。その水は廃棄することができるか、プロセス水として再循環することができ、例えば胚乳画分をスラリー化したり、多段階グルテン分離で分離される固体をスラリー化するのに使用することができる。
別の特別の実施形態は、事前の単離または重要生成物の低減を行うことなく、適宜にバイオマスの事前の分離を行うことなく、発酵ブロスの揮発性成分を実質的または完全に除去する方法に関するものであり、その方法では重要生成物の固体製剤が得られる。そのような方法の実施についてのより正確な記述は、本出願人のWO2007/028804(参照によって本明細書に組み込まれる)に記載されている。
支持体およびコーティング材料、結合剤、他の添加剤などの製剤助剤を加えることで、発酵の固体成分とともに存在する乾燥重要生成物の特性を、有効成分含有量、粒径、粒子形状、ダスト形成傾向、吸湿性、安定性、特には貯蔵安定性、色、臭気、流動挙動、凝集傾向、静電帯電、光および温度に対する感受性、力学的安定性および際分散性などの各種パラメータに関して具体的に、自体公知の方法で変えることができる。
通常使用される製剤助剤には、着色顔料、殺生物剤、分散剤、消泡剤、粘度調節剤、酸、苛性アルカリ溶液、抗酸化物、酵素安定剤、酵素阻害剤、吸着剤、脂肪、脂肪酸、オイル類またはこれらの混合物に加えて、例えば結合剤、支持材料、粉砕/流動助剤などがある。特には製剤化ならびに噴霧乾燥、流動床乾燥および凍結乾燥などの乾燥方法を用いる場合、有利には、そのような製剤助剤を乾燥助剤として用いる。さらなる詳細については、WO2007/028804を参照することができる。
上記添加物および適宜にコーティング材料などの他の添加剤の割合は、個々の重要生成物の特殊な要件によって決まり、そして使用される添加剤の特性によって決まるものであり、大きく変動し得るものであり、例えば各場合において最終製剤生成物または物質混合物の総重量基準で0.1から80重量%の範囲、特には1から30重量%の範囲であることができる。
製剤助剤は、発酵ブロスの後処理(生成物製剤化または固体設計とも称される)の前、途中または後に、特には乾燥中に加えることができる。発酵ブロスまたは重要生成物の後処理前の製剤助剤の添加が有利であることができ、特には後処理される物質または生成物の加工性を高める上で有利である。製剤助剤は、固体形態で得られる重要生成物だけでなく、その重要生成物を含む溶液または懸濁液にも加えることができ、例えば発酵完了後、発酵ブロスに直接、または最終乾燥ステップ前の後処理の途中で得られる溶液もしくは懸濁液に加えることができる。
従って、補助剤は、例えば重要生成物の懸濁液に加えることができる。そのような懸濁液も、例えば噴霧または混合によって支持材料に加えることができる。乾燥時の製剤助剤の添加は、例えば重要生成物を含む溶液または懸濁液を噴霧する場合に役立ち得る。製剤助剤は、特には乾燥後に、例えば被覆剤またはコーティング/コーティング層を乾燥粒子に塗布する際に加える。乾燥後だけでなくいずれか可能なコーティングステップでも、追加の補助剤を生成物に加えることができる。
揮発性成分は、自体公知の方法で、濾過法および液相からの揮発性成分の蒸発法などの液相から固相を分離する通常の方法により、発酵ブロスから除去される。重要物質の粗精製のためのステップやカスタマイズするための工程も含み得るそのような方法は、例えばBelter, P. A, Bioseparations: Downstream Processing for Biotechnology, John Wiley & Sons (1988)およびCD-ROMでのUllmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry(第5版),Wiley-VCHに記載されている。当業者には公知で、生成物製剤化もしくは発酵完了後の後処理において使用可能な方法、装置、補助剤ならびに一般的実施形態および特殊な実施形態については、EP1038527、EP0648076、EP835613、EP0219276、EP0394022、EP0547422、EP1088486、WO98/55599、EP0758018およびWO92/12645にさらに記載されている。
この実施形態の第1の変形形態では、非揮発性重要生成物が液相に溶解した形で存在する場合、それは結晶化または沈澱によって液相から固相に変換する。次に、重要生成物を含む非揮発性固体成分を、例えば遠心、傾斜法または濾過によって分離する。同様にして、オイル状重要生成物も分離することができ、その場合には、個々のオイル状発酵生成物を、例えばシリカ、シリカゲル、泥、クレーおよび活性炭などの吸着剤を加えることで固体に変換することができる。
この実施形態の第2の変形形態では、揮発性成分を蒸発によって除去する。蒸発は、自体公知の方法で進行させることができる。揮発性成分を蒸発させる上での好適な方法の例には、噴霧乾燥、流動床乾燥および流動床凝集、凍結乾燥、フラッシュ乾燥機および接触乾燥機、そして押出乾燥がある。上記の方法の押出、ペレット化もしくは小粒化などの成形方法との組み合わせも行うことができる。これらの最後に言及した方法の場合、好ましくは部分的または実質的に前乾燥した重要生成物を含む材料混合物を用いる。
好ましい実施形態において、発酵ブロスの揮発性成分の除去は、噴霧乾燥方法または流動床造粒などの流動床乾燥方法を含む。それには、適宜、重要生成物を含まないか、またはごく小さい割合での非揮発性重要生成物を含む粗固体粒子を除去するための前分離の後に、発酵ブロスを1以上の噴霧乾燥装置または流動床乾燥装置に送る。固形物を添加した発酵ブロスの輸送または供給は有利には、固形物含有液体用の通常の輸送装置、例えば偏心スクリューポンプ(例えば、Delasco PCMから)または高圧ポンプ(例えば、LEWA Herbert Ott GmbHから)などのポンプによって行う。
リジン製造の特殊な場合、後処理方法は、分離装置によるバイオマスの分離を含む。次に、バイオマス含有画分を、例えばドラム乾燥機または伝熱管乾燥機で乾燥させる。適宜に、乾燥前に、「BFR」(ビタミンB発酵残留物)と称されるビタミンB発酵の発酵残留物を、バイオマス含有画分に加える。次に、その低固形物画分を酸性とし、イオン交換体に通過させる。リジンは、このイオン交換体に結合する。イオン交換体を出たリジン低減発酵ブロスは通常、水の留去によって濃縮し、それの途中で結晶化した固形物を分離し、乾燥する。得られた生成物は「肥料」と称され、工程に再循環させるか、肥料としてまたは他の用途に用いることができる。結晶化の母液は、濃縮糖蜜可溶物(CMS)として、さらなる加工に送られる。イオン交換体に結合したリジンはアンモニア水で溶出し、水を留去することで濃縮する。リジンは、液体製剤の形態で遊離塩基として、この濃縮ブロスから取ることができる。次の処理ステップでは、塩酸を加えることで、リジンをリジン塩酸塩として結晶化させる。得られた結晶を遠心によって分離し、乾燥させる。結晶化の母液は、イオン交換体の溶出液に再循環させるか、液体製剤中のリジンとして取ることができる。
上記の後処理の代替法として、発酵後にリジン含有発酵ブロスを直接噴霧乾燥する。適宜に、ビタミンB製造に発酵残留物を加えることができる。発酵ブロスの可能な一段階または多段階の前蒸発により、エネルギーコストおよび資本コストを下げることができる。
発酵が関与しない反応でのグルコースの使用
本発明はさらに好ましくは、発酵が関与しない上記で定義の有機物質製造におけるグルコース源としての、本発明に従って得ることができるグルコース溶液の使用に関する。
従って、本発明はさらに、
下記の工程:
i.例えば本発明の方法によってグルコース溶液を製造することで、本発明によるグルコース水溶液を提供する工程、および
ii.所望の有機物質を製造するための発酵が関与しない反応で前記グルコース溶液または前記本発明によるグルコース溶液を濃縮することで得られる実質的に水を含まないグルコース(含水量<10重量%)を用いる工程
を有する、発酵が関与しない反応によって有機物質を製造する方法に関するものである。
発酵が関与しない反応は、当業者には公知の通常の方法で行うことができる。それには、本発明に従って製造されるグルコース溶液または本発明によるグルコース溶液の濃縮によって得られる実質的に水を含まないグルコースを、触媒を用いて反応させても良い。
特に好ましい実施形態では、発酵が関与しない方法によってグルコースから製造可能な有機物質は、5−ヒドロキシメチルフルフラールである。その反応を行うには、例えばCottierら, Trends Heterocycl. Chem. 1991, 2233; Lewkowski, J., Arkivoc 2001, 2, 17; Kuster, B.F.M.ら, Carbohydr. Res. 1977, 54, 159、 EP0230250、 FR2464260またはDE3601281で他の炭素源について記載のものと同様の条件および手順を、この場合に用いることができる。
別の特に好ましい実施形態では、発酵が関与しない形態でグルコースから製造可能な有機物質はレブリン酸である。その反応を行うには、例えばHorvat et al, Tetrahedron Lett. 1985, 26, 2111またはUS3258481で他の炭素源について記載のものと同様の条件および手順を、この場合に用いることができる。
別の特に好ましい実施形態では、発酵が関与しない形態でグルコースから製造可能な有機物質はグルコン酸である。その反応を行うには、例えばLichtenthaler, F.W., Acc. Chem. Res. 2002, 35728、 Besson, M.ら, J. Catal. 1995, 152, 116またはEP233816で他の炭素源について記載のものと同様の条件および手順を、この場合に用いることができる。
別の特に好ましい実施形態では、発酵が関与しない形態でグルコースから製造可能な有機物質はグルクロン酸である。その反応を行うには、例えばCorma, A.ら,Chemical Routes for the Transformation of Biomass into Chemicals., Chem. Rev. 2007, 107, 2411-2502で他の炭素源について記載のものと同様の条件および手順を、この場合に用いることができる。
別の特に好ましい実施形態では、発酵が関与しない形態でグルコースから製造可能な有機物質は2−ケトグルコン酸である。その反応を行うには、例えばUS2002177198、WO9915673またはEP867446で他の炭素源について記載のものと同様の条件および手順を、この場合に用いることができる。
別の特に好ましい実施形態では、発酵が関与しない形態でグルコースから製造可能な有機物質はグルタル酸である。その反応を行うには、例えばBesson, M.ら, Recl. Trav. Chim. Pys-Bas 1996,115217およびDirkx, J.M.H.ら, J. Catal., 1981, 67, 1で他の炭素源について記載のものと同様の条件および手順を、この場合に用いることができる。
別の特に好ましい実施形態では、発酵が関与しない形態でグルコースから製造可能な有機物質はソルビトールである。その反応を行うには、例えばDechamp, N.ら,Catal. Today 1995, 24, 29およびMaranhao, L.C.A.ら,Ind. Eng. Chem. Res. 2005, 44, 9624、WO02100537、WO02100539およびWO2004052813で他の炭素源について記載のものと同様の条件および手順を、この場合に用いることができる。
別の特に好ましい実施形態では、発酵が関与しない形態でグルコースから製造可能な有機物質はイソソルビドである。その反応を行うには、例えばWO9804540、WO9200947およびUS4297290で他の炭素源について記載のものと同様の条件および手順を、この場合に用いることができる。
別の特に好ましい実施形態では、発酵が関与しない形態でグルコースから製造可能な有機物質はアルキルポリグルコシド類である。その反応を行うには、例えばUS5480979およびUS5698684で他の炭素源について記載のものと同様の条件および手順を、この場合に用いることができる。
別の特に好ましい実施形態では、発酵が関与しない形態でグルコースから製造可能な有機物質は高果糖トウモロコシシロップ(HFCS)である。その反応を行うには、例えばMarshallら,Enzymatic Conversion of d-Glucose to d-Fructose 1957, Science 125(3249), 648およびUS4523960で他の炭素源について記載のものと同様の条件および手順を、この場合に用いることができる。
副産物の製剤
上記ですでに説明したように、本発明によるグルコース製造方法のステップa)およびc)だけでなく、発酵によるグルコースのさらなる処理による重要生成物取得においても、多くの材料流が副産物または複合生成物として生じる。通常、これらは、好ましくは記載の量での下記材料流:
−生じる場合には、代表的には5重量%以下、特には0.1から3重量%の量で穀粒清浄化のダスト状微細物部分;
−代表的には7重量%以下、例えば1から6重量%の量でのふすま;
−代表的には0から10重量%の量、好ましくは2から6重量%の量でのバイタルグルテンおよび/または代表的には1から15重量%、好ましくは2から10重量%の量でのグルコースからのグルテンを含む代表的には1から20重量%の量でのグルテン;
−代表的には1から40重量%、好ましくは5から20重量%の量でのバイオマスおよび
−場合により、生じる場合には、代表的には100重量%以下、好ましくは0.2から50重量%、特に好ましくは0.3から20重量%の量で、重要生成物の後処理方法で生じ得る副産物流、
のうちの1以上であり、重量%の数字はいずれも、グルコース製造に用いられる穀粒の総質量に関係するものである。
これらの材料流は、別個に処理することができるか、廃棄に送ることができる。さらなる処理を行うという状況で、いずれか所望の組み合わせで、すなわち部分的または完全にこれら材料流を互いに混合することも同様に可能である(すなわち、少なくとも二つの材料流を一緒にする)。通常、さらなる処理を行う前に、乾燥を行い、その場合に互いに混合すべき材料流を、混合前または混合後に乾燥させても良い。多くの場合、少なくとも部分的に水を除去した材料流の固体粒子を互いに凝集させるか、互いに粉砕するように手順を行う。
乾燥、凝集および製粉の加工ステップを、適宜にいずれか所望の順序で実施および組み合わせて、各種流れを混合することができる。好ましくは、材料流を混合する際に、好ましくは飼料に好適で、コムギ処理(例:糖製造)の材料流の少なくとも一部を含み、発酵ブロスの後処理からの少なくとも一つの成分(バイオマスまたは副産物流)を含む副産物が得られるように、手順を行う。
そうして得られた副産物に、製剤助剤、有効成分または1以上のバイオマスまたは他の発酵プロセスの1以上の副産物流を加えても良く、その添加は、方法のいずれかの所望の時点で行うことができる。
これら副産物の残留含水量は、乾燥していない状態では、10から90重量%、好ましくは40から80重量%である。乾燥状態では、副産物の残留含水量は、1から20重量%、好ましくは3から18重量%、特に好ましくは5から15重量%である。
副産物の固体部分の粒子直径の中央値は、50μmから8mm、好ましくは100μmから5mm、特に好ましくは150μmから3mmである。
副産物が各種固体画分の混合物である場合、混合の前に、その副産物を構成している個々の材料流の粒径分布を、その材料流の分離が生じないか、少なくとも低く留まるように選択または設定する。混合される材料流ができるだけ同様の粒径を有している場合、または副産物混合物のSPAN値と称される値が4未満、好ましくは3未満、特に好ましくは2未満、特には1.8未満である場合に、それは確保される。この場合、副産物混合物のSPAN値は下記のように定義される。すなわち、
SPAN=(D90−D10)/D50
この場合のD50値は、副産物混合物の加重平均粒子直径、すなわち質量を基準とした値であり、D50値は、50重量%の粒子がそれより大きく、50%重量%がそれより小さい粒子直径を与えるものである。D90値は、90重量%の粒子がそれより小さく、10重量%の粒子がそれより大きい直径である。D10値は、10重量%の粒子がそれより小さく、90重量%の粒子がそれより大きい直径である。Span値および粒子直径およびそれらの分布は、自体公知の方法で、例えば篩分析または光散乱によって求めることができる。
少なくとも一つの乾燥材料流および少なくとも一つの液体流から副産物を製造する場合、最初に、液体材料流を最初に乾燥させ、その後に固体流として処理することができる(上記参照)。これら材料流の混合物については、すでに最初に乾燥している材料流の混合の場合と同じことが当てはまる。しかしながら第2に、液体流および乾燥材料流を、乾燥前または乾燥中に互いに混合することができる。これは、液体または懸濁液のような材料流で存在する固体が容易に混合され、乾燥材料流に分配されるという利点、または液体材料流を乾燥材料流の固体成分にコーティングとして加えたり、液体材料流を用いて乾燥材料流の固体粒子を凝集もしくは結合させるという利点を有する。
本発明の1実施形態において、ダスト状微細物部分を廃棄し、副産物に混合しない。
本発明の1実施形態において、ふすまを副産物に混合せずに、独立の生成物として用いる。
本発明の1実施形態において、グルテンを副産物に混合せずに、独立の生成物として用いる。
本発明の1実施形態において、バイオマスを副産物に混合せずに、独立の生成物として用いる。
本発明の1実施形態において、副産物流を副産物に混合せずに、独立の生成物として用いるか、廃棄するか、処理する。
本発明の特定の実施形態において、得られたふすまの一部または全量、例えば生じるふすま全体の乾燥物含有量基準で10および100重量%を、少なくとも一つの副産物流、例えば個々の副産物流基準で10から100重量%と混合し、乾燥して、このようにして、ふすま含有副産物を得る。適宜に、150から1400μm、特に好ましくは200μmから800μmの粒径中央値を設定するように、混合前にふすまを粉砕することができる。さらに別の選択肢として、ふすまに対して、コムギの得られたダスト状微細物部分の一部、例えば10から100重量%を成分の前または後に加える。
発酵によるリジンの製造方法において、例えば乾燥物の割合が40から90重量%であるシロップ状副産物流CMSが生じ、それを例えば噴霧によってふすまと混合または組み合わせることができ、その後一緒に乾燥させることができる。乾燥後、得られる凝集物の粉砕を行っても良い。この方法で得られる副産物の組成(乾燥物基準)は、通常は下記の通りである。すなわち、
粗タンパク質:5から60重量%、好ましくは10から50重量%、
デンプン:1から50重量%、好ましくは5から40重量%、
粗繊維:1から20重量%、好ましくは2から10重量%、
粗脂肪:1から20重量%、好ましくは1から10重量%、
粗灰分:0から15重量%、好ましくは0.1から7重量%、および
リジン:0から10重量%、好ましくは0から5重量%。
本発明の別の特に好ましい実施形態において、各場合で、得られたグルテンの10から100重量%、好ましくは30から100重量%、特に好ましくは全量、そして得られたバイオマスの10から100重量%、好ましくは30から100重量%、特に好ましくは全量を互いに混合した副産物Aが得られる。適宜に、この副産物において、得られるふすまの割合が0から100重量%であり、微細物の割合が0から100重量%であることができる。
この副産物Aについては、下記の変法が可能である。
第1の変法では、全ての流れ(グルテン、バイオマスおよび適宜にふすまおよび/または微細物部分)を混合し、乾燥させる。適宜に、上記の粒径中央値および残留含水量を設定できるように、乾燥副産物または乾燥飼料材料ふすまをさらに粉砕することができる。第2の変法では、湿ったグルテン流およびバイオマス流のみを最初に混合してから、一緒に乾燥させる。これは、乾燥ふすまを不必要に乾燥機に通過させる必要がないという利点を有する。成分を乾燥させた後、全ての流れを直接混合することができるか、最初に個々の流れを粉砕し、次に混合することができる。混合の後、再度製粉を行うことができる。上記で記載の粒径中央値および残留含水量を設定することができる。第3の変法では、二つの湿ったバイオマス流およびグルテン流を最初に別個に乾燥させる。これは、例えば糖と流れの中に存在し得るタンパク質成分との間のメイラード反応などの望ましくない分解反応が回避または低減されるという利点を有し得る。グルテン、バイオマスおよび適宜にふすまの乾燥流は、粉砕および混合しても良いか、製粉を混合の後に行っても良い。上記で記載の粒径中央値および残留含水量を設定することができる。第4の変法では、10から100%の割合の少なくとも1種類の得られた固体流を、乾燥中または乾燥前に、少なくとも一つの乾燥すべき流れに供給する。これは、所望の凝集物を形成することができ、生成物の流動挙動が改善され、または生成物のダスト化傾向が低下されるという利点を有する。例えば、湿った状態で得られるグルテン(またはそれの部分量)を、乾燥前または乾燥中に、ふすま(粉砕していても良い)の部分量もしくは微細物部分の部分量またはそれらのいずれか所望の組み合わせと混合することができる。同様に、乾燥前または乾燥中に、湿った状態で得られるバイオマス(またはそれの部分量)を、ふすま(粉砕していても良い)の部分量もしくは微細物部分の部分量またはいずれか所望のそれらの組み合わせと混合できる可能性がある。
本発明の特別な実施形態では、副産物Aの製造において、リジン発酵からのバイオマスを用いる。グルテンおよびバイオマスの流れを、各場合で、それぞれに生じる流れの総量基準で50から100重量%の量で使用し、上記の方法を用いて処理して副産物を形成する。この副産物は新規であり、同様に本発明の主題である。その副産物の好ましい組成(乾燥物基準)は下記の特徴を有する。すなわち、
粗タンパク質:10から60重量%、特に好ましくは20から50重量%、
総糖:0.1から50重量%、特に好ましくは5から45重量%、
粗繊維:0から10重量%、特に好ましくは0から7重量%、
粗脂肪:1から30重量%、特に好ましくは5から20重量%、
粗灰分:0から15重量%、特に好ましくは0.1から7重量%、および
リジン:0.1から20重量%、好ましくは0.2から10重量%。
副産物Aの製造の別の実施形態では、異なる発酵のバイオマスを混合する。そうすることで、各種バイオマスを再度、最初に互いに別個に乾燥させ、混合し、そして一緒に乾燥させることができる。それらのバイオマスは、いずれか所望の混合比で互いに混合することができる。好ましくはこの場合、個々の発酵で得られるバイオマスの30から100%、好ましくは50から100%を互いに混合する。
本発明の別の実施形態では、少なくとも一つの別の発酵工程のバイオマスを、加工プロセスのいずれか所望の時点で、いずれか所望の(上記の)副産物に加える。ある特定の実施形態では、リジン発酵のバイオマス(やはり前述)だけでなくB発酵のバイオマス(BFR、やはり上記で定義)も含む副産物が関与する。好ましくはここでは、個々の発酵で得られたバイオマスの30から100%、好ましくは50から100%を一緒に混合する。副産物は、得られるコムギ胚の50から100%および/または得られるグルテンの50から100%および/または得られるふすまの50から100%、そして得られる微細物部分の0から100%の部分を含んでいても良い。
別の実施形態では、これは、例えばリジン発酵またはグルタミン酸発酵などの化学発酵からのバイオマスだけでなく、バイオエタノール発酵からのバイオマスも含む副産物である。
少なくとも二つのバイオマスの混合には、本発明の特定の実施形態では、それぞれ本発明によるコムギデンプン糖化から得られるグルコース流を用いて操作される発酵からのバイオマスが関係する。この場合、その二つの発酵に同一のグルコース流が関与するように手順を行うことができる。別の実施形態では、各場合で、本発明の方法から得られたグルコース流を用いるが、これらは通常は異なるグルコース純度を有する別個に製造されたグルコース流である。この場合、少なくとも二つのグルコース流は、代表的には非デンプン含有固体成分の濃度において異なる。乾燥物基準では、非デンプン含有固体成分の高い割合を有する少なくとも一つの流れおよび低い割合を有する一つの流れがが形成される。傾斜法、分離、遠心、沈降、濾過または膜プロセスなどの方法によって、異なる純度のグルコース流が生じ得る。例えば傾斜法と分離など、一つの方法を多段階で連結したり、異なる方法を組み合わせることも想到される。
しかしながら、それらの発酵は異なる炭水化物源(炭素源)に基づいたものであることもでき、その場合に少なくとも一つの炭素源が、本発明の方法によって得られるグルコースである。
少なくとも二つの異なる発酵のバイオマスを含む副産物は、少なくとも二つの異なる代謝産物を含むこともできる。
グルテン、トウモロコシ胚およびバイオマス(適宜に、ふすま)を含む上記の副産物Aおよび関連する製造方法と同様に、グルテンおよびバイオマス(適宜に、ふすまおよび/または製剤助剤)のみを含む副産物が製造されることもあり得る。可能な製造方法は、上記のものと同様である。
全ての副産物がさらに、製剤助剤、食物繊維、充填剤または他の有効成分を含むことができ、それらは製造のいずれか所望の加工ステップに加えられる。
支持材料およびコーティング材料、結合剤、さらには他の添加剤などの製剤助剤を加えることで、穀粒径、粒子形状、ダスト形成傾向、吸湿性、安定性、特には貯蔵安定性、色、臭気、流動挙動、凝集傾向、静電気電荷、光および温度感受性、物理的安定性および再分散性などの各種パラメータに関して、副産物の特性を、自体公知の方法で具体的にカスタマイズすることができる。
通常使用される製剤助剤には、着色顔料、殺生物剤、分散剤、消泡剤、粘度調節剤、酸、苛性アルカリ溶液、抗酸化物、酵素安定剤、酵素阻害剤、吸着剤、脂肪、脂肪酸、オイル類またはこれらの混合物に加えて、例えば結合剤、支持材料、粉砕/流動助剤などがある。特には製剤化ならびに噴霧乾燥、流動床乾燥および凍結乾燥などの乾燥方法を用いる場合、有利には、そのような製剤助剤を乾燥助剤として用いる。
結合剤の例には、炭水化物、特には単糖類、二糖類および多糖類などの糖類、例としてはデキストリン類、トレハロース、グルコース、グルコースシロップ、マルトース、ショ糖、果糖および乳糖;動物性タンパク質(例えば、ゼラチン、カゼイン、特にはカゼイン酸ナトリウム)、植物性タンパク質(例えば、大豆タンパク質、エンドウ豆タンパク質、豆タンパク質、ルピナス、ゼイン、コムギタンパク質、トウモロコシタンパク質および米タンパク質)、合成ポリマー(例えば、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(ビニルアルコール))などのコロイド状物質、特にはBASFのコリドンブランド製品群、例えばリグニン、キチン、キトサン、ポリ乳酸などの加工されていても良い生体ポリマー、および加工デンプン(例えば、オクテニルコハク酸無水物(OSA);ガム類、例えばアカシアガム;セルロース誘導体、例えばメチルセルロース、エチルセルロース、(ヒドロキシエチル)メチルセルロース(HEMC)、(ヒドロキシプロピル)メチルセルロース(HPMC)、カルボキシメチルセルロース(CMC);粒粉類、例えば粒粉、コムギ粒粉、ライムギ粒粉、オオムギ粒粉および米粒粉がある。
支持材料および繊維もしくは充填剤の例には、炭水化物、特には結合剤として前述した糖類および例えばトウモロコシ、米、ジャガイモ、コムギおよびキャッサバのデンプン類;オクテニルコハク酸無水物などの加工デンプン;セルロースおよび微結晶セルロース;クレー、石炭、珪藻土、シリカ、獣脂およびカオリンなどの無機鉱物または壌土;コムギセモリナなどのセモリナ、コムギふすまなどのふすま、結合剤として前述した粒粉;金属塩、特には有機酸のアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩、例えばクエン酸、酢酸、ギ酸および水素ギ酸Mg、Ca、Zn、Na、Kなどの塩類、例えば硫酸、炭酸、ケイ酸およびリン酸Mg、Ca、Zn、Na、Kなどの無機塩;CaOおよびMgOなどのアルカリ土類金属酸化物;リン酸水素アルカリ金属塩類、特にはリン酸水素ナトリウムおよびカリウム、例えばKHPO、KHPOおよびNaHPOなどの無機緩衝剤;さらには低融点もしくはオイル状の粘稠性を有する代謝産物の本発明による製造に関連して言及した吸着剤がある。さらに別の充填剤または繊維には、例えば大豆粒粉、大豆かすまたはトウモロコシ、ライムギ、コムギ、オオムギまたはエンドウマメの粒粉もしくは穀粉などの脂肪性の製品もあり得る。
粉砕剤または流動助剤の例には、珪藻土、シリカ、例えばデグッサ(Degussa)からのシペルナト(Sipernat)ブランド製品群;クレー、クレー鉱物、セピオライト類、ケナイト(kenite)類、モンモリロナイト類、ゼオライト類、石炭、獣脂およびカオリン;支持材料として上述したデンプン類、加工デンプン類、無機塩類、有機酸の塩類および緩衝剤;セルロースおよび微結晶セルロースがある。
他の添加剤に関連して言及することができる例には、TiOなどの着色顔料;殺生物剤;分散剤;消泡剤;粘度調節剤;リン酸、硝酸、塩酸、硫酸などの無機酸;飽和および不飽和のモノおよびジカルボン酸、例えばギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、パルミチン酸、ステアリン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、マレイン酸およびフマル酸などの有機酸;アルカリ金属水酸化物、例えばNaOHおよびKOHなどの苛性アルカリ溶液;抗酸化剤;酵素安定剤;酵素阻害剤;吸着剤;脂肪;脂肪酸およびオイル類がある。
上記添加剤および適宜にコーティング材料などの他の添加剤の割合は、個々の副産物の特殊な要件に応じて、そして使用される添加剤の特性に依存してかなり変動し得るものであり、例えば、製剤生成物の総重量基準で、0.1から80重量%の範囲であることができる。
製剤助剤の添加は、いずれか所望の副産物製造ステップで、特には適宜に必要な乾燥中に行うことができる。製剤助剤は、固体の形態で得られる副産物だけでなく、それを含む溶液または懸濁液にも加えることができる。特には、乾燥後、例えば被覆剤またはコーティング剤/コーティング層を乾燥粒子に塗布する際に、製剤助剤を加える。乾燥後およびいずれかのコーティングステップ後の両方で、別の補助剤を生成物に加えることができる。
適宜に、発酵の個々の代謝産物に加えて、他の有効成分、好ましくは飼料工業で一般的な有効成分を、製造方法のいずれか所望のステップで副産物に加えることができる。有効成分とは、全てのビタミン類(好ましくはA、B1、B2、B5、B6、C、D3およびE)、カロテノイド類、酵素類(好ましくはフィターゼ、キシラナーゼ、グルカナーゼ、アミラーゼ、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼ、ペクチナーゼ、ホスファターゼ類)、プロバイオティクス(例:腸球菌亜種、乳酸菌亜種、バシラス亜種、ペジオコックス亜種)、抗生物質;有機酸およびアミノ酸(メチオニン、リジンなど)を意味するものである。有効成分は好ましくは、副産物の0.001から20重量%、特に好ましくは0.01から5重量%の部分(乾燥物基準)を占める。
本発明は以下の実施形態を包含する。
(1)コムギ類植物の穀粒のデンプン成分からグルコース含有量が少なくとも32重量%であるグルコース水溶液を製造する方法において、
a)前記穀粒の乾式製粉を分別して、当該穀粒をデンプン含有胚乳画分(粒粉)およびふすま画分に分離する工程;
b)前記胚乳画分を水系懸濁液に変換する工程;
c)前記水系懸濁液のデンプン成分を液化し、酵素的に糖化することでグルコース水溶液を得る工程であって、前記水系懸濁液が少なくとも30重量%のデンプン含有量を有する工程
を有し;
前記胚乳画分に存在するグルテン部分を、工程c)で得られる前記グルコース水溶液および/または工程c)を実施する前の前記胚乳画分の水系懸濁液から低減することを特徴とする方法。
(2)工程a)での前記粉砕を、前記使用される穀粒の質量基準で10から30重量%の水の存在下に行う上記(1)記載の方法。
(3)工程a)で、前記胚乳画分を、粒径中央値が0.01から1.0mmの範囲となるまで製粉する上記(1)または(2)記載の方法。
(4)前記使用される胚乳画分中に存在する総グルテン成分基準で、前記グルテンの少なくとも70%を分離する上記(1)〜(3)のいずれか記載の方法。
(5)前記胚乳画分のグルテン部分の少なくとも一部を、工程c)で得られた前記グルコース水溶液から低減する上記(1)〜(4)のいずれか記載の方法。
(6)工程c)を実施する前に、前記胚乳画分のグルテン部分の一部を低減する上記(1)〜(5)のいずれか記載の方法。
(7)工程c)を実施する前の前記グルテン低減が、下記の下位工程、すなわち
i)前記胚乳画分の一部を、デンプン含有量が30重量%未満である前記胚乳画分の希水系懸濁液に変換する工程、
ii)前記胚乳画分の前記水系懸濁液から前記グルテンを低減して、前記グルテン低減胚乳画分の希水系懸濁液を得る工程、
iii)懸濁液でデンプン含有量が少なくとも30重量%となるように、前記胚乳画分の残りを、工程ii)で得られた前記水系懸濁液に懸濁させる工程、
を有する上記(6)記載の方法。
(8)前記胚乳画分の前記グルテン部分の残りを、工程c)で得られた前記グルコース水溶液から低減する上記(6)または(7)記載の方法。
(9)前記得られたグルコース溶液が10体積%未満の固形物を含むように、前記グルテンを低減する上記(1)〜(8)いずれか記載の方法。
(10)コムギ類植物の前記穀粒がコムギ穀粒である上記(1)〜(9)いずれか記載の方法。
(11)上記(1)から(10)のうちのいずれか記載の方法によって得ることができるグルコース溶液。
(12)乾燥物含有量基準で、
a)グルコースの形態および二糖類の形態であっても良い80から98重量%の糖、
b)0.5から7.0重量%の粗タンパク質、
c)0.01重量%から0.1重量%の粗繊維、
d)0.008から0.1重量%の遊離アミノ酸および
e)0.01から1.0重量%の粗灰分成分
を含む上記(11)記載のグルコース溶液。
(13)前記グルコース溶液の総重量基準で少なくとも40重量%のグルコース濃度を有する上記(11)または(12)記載のグルコース溶液。
(14)有機物質を製造するための炭素源としての、上記(11)から(13)のうちのいずれか記載のグルコース溶液の使用。
(15)有機物質の発酵による製造におけるグルコース源としての、上記(14)に記載の使用。
(16)i.上記(1)から(10)のうちのいずれかに記載の方法によってグルコース溶液を提供する工程、および
ii.有機物質の過剰産生を行うことができる微生物を含む発酵培地に前記グルコース溶液を加える工程、
を有する発酵によって有機物質を製造する方法。
(17)前記有機物質が、3から10個の炭素原子を有するヒドロキシルを有していても良いモノ、ジおよびトリカルボン酸、タンパク質生成アミノ酸および非タンパク質生成アミノ酸、プリン塩基、ピリミジン塩基;ヌクレオシド類、ヌクレオチド類、脂質、飽和および不飽和脂肪酸、4から10個の炭素原子を有するジオール類、3以上の水酸基を有する多価アルコール、少なくとも4個の炭素原子を有する長鎖アルコール、炭水化物、芳香族化合物、ビタミン類、プロビタミン類、補因子、栄養補助食品、タンパク質、酵素、カロテノイド類、3から10個の炭素原子を有するケトン類、ラクトン類、ポリヒドロキシアルカノエート類、ポリ乳酸類、多糖類、ポリイソプレノイド類、ポリアミド類およびシクロデキストリン類から選択される上記(16)記載の方法。
(18)前記有機物質がアミノ酸である上記(17)記載の方法。
(19)前記アミノ酸がリジン、メチオニン、トレオニンおよびグルタミン酸から選択される上記(18)記載の方法。
(20)前記有機物質がビタミン類およびプロビタミン類から選択される上記(17)記載の方法。
(21)前記有機物質が、2から10個の炭素原子を有する脂肪族モノ、ジおよびトリカルボン酸から選択される上記(17)記載の方法。
(22)前記有機物質が、3から10個の炭素原子を有する脂肪族ヒドロキシカルボン酸から選択される上記(17)に記載の方法。
(23)前記有機物質が、3から10個の炭素原子を有するアルカンジオール類から選択される上記(17)に記載の方法。
(24)前記有機物質が、3から10個の炭素原子を有する脂肪族ケトン類から選択される上記(17)に記載の方法。
(25)前記有機物質が、3から10個の炭素原子を有する脂肪族ジアミン類から選択される上記(17)に記載の方法。
(26)前記有機物質がヌクレオチド類から選択される上記(17)記載の方法。
(27)前記有機物質が二糖類、オリゴ糖類および多糖類から選択される上記(17)記載の方法。
(28)前記微生物から得られる前記バイオマスを、前記発酵産物の過剰産生された有機物質から分離し、バイオマス含有組成物を得る上記(16)から(27)のうちのいずれか記載の方法。
(29)前記グルコース溶液から前記グルテンを低減させることで、上記(1)から(10)のうちのいずれか記載の方法によって得ることができるグルテン。
(30)下記の成分、すなわち、
25から55重量%のコムギ類穀粒からのタンパク質、
5から45重量%の糖類、
0.5から8重量%の植物性脂肪および/または植物油、
10重量%以下の粗繊維成分、および
15重量%以下の前記とは異なる固体成分
を含み、前記の量が前記グルテンの乾燥重量基準のものである上記(29)記載のグルテン。
(31)粉末の形態での上記(29)または(30)記載のグルテン。
(32)前記グルテンの粉末粒子が、50から900μmの範囲の粒径中央値を有する上記(31)記載のグルテン。
(33)製剤助剤としての上記(29)から(32)のうちのいずれか記載のグルテンの使用。
(34)発酵で得られたバイオマスを製剤するための上記(33)記載の使用。
(35)飼料成分としての上記(29)から(32)のうちのいずれか記載のグルテンの使用。
(36)上記(29)から(32)のうちのいずれか記載の発酵で得られるバイオマスおよびグルテンを実質的に含む飼料組成物。

下記の実施例は本発明を説明するためのものであり、限定的なものと理解すべきではない。
実施例で使用されるDMという略称は、乾燥物を意味する。
液化/糖化に関して下記の実施例1から4に記載の実験は、0.75リットルの作業容量を有する実験用撹拌槽で実施した。実験用撹拌槽は、馬蹄形攪拌機を用いて混合した。撹拌槽での粘度は、攪拌機モーターのトルクおよび回転速度からオンラインで測定した。撹拌槽中の温度は、Pt100温度センサーによって測定し、撹拌槽のジャケットを介し、外部油浴で調節した。pH測定は、Ag/AgCl電極を介して行った。pHは、50%強度のNaOHまたは50%強度のHSOを用いて調整した。
実施例1:全穀粒粒粉の液化および糖化
下記の実験では、コムギ全穀粒粒粉を用いた。コムギ全穀粒粒粉は、下記の特徴的組成を有していた。すなわち、
11.2重量%の水
13重量%の粗タンパク質
1.8重量%の粗脂肪
2.1重量%の粗繊維
1.7重量%の灰分
70.2重量%の可溶性無窒素物(炭水化物)。
粒粉の粒径中央値は54μmであった。
実験1
実験用撹拌槽における800gの1バッチについて、Shearzyme500L(Novozymes A/S(デンマーク);使用した粒粉のDM基準で2.0重量%を有するキシラナーゼ)6.06mLおよびLiquozyme SD CS(Novozymes A/S(テ゛ンマーク);使用した粒粉のDM基準で0.1重量%を有するα−アミラーゼ)0.288mLを、水386gとともに撹拌槽に入れ、前加熱して58℃とした。合計で、前記全穀粒粒粉414gをバッチに入れ(46重量%の総DM含有量)、その際に添加は二段階で行った。第1の段階では、293gを加えた。50%強度のHSOを用いてpHをpH5.0に調整した後、懸濁液を1時間インキュベートした。50%強度NaOHを用いてpHを5.5から5.8に調整した後、混合物を加熱して85℃とし、残りの量の粒粉を加えた。次に、槽の内容物を100℃で10分間加熱し、再度冷却して85℃とした。新たなモニタリングを行い、PHを5.5から8.0に調整した後、Liquozyme SD CS 0.288mLを追加で加えた。これらの条件下で、ヨウ素−デンプン試験で陰性の結果が出るまで、槽含有物を撹拌した。次に、リアクター内容物を冷却して60℃とし、50%強度HSOによって、pHをpH4.3に調整した。Dextrozyme GA(Novozyme A/S(デンマーク);使用した粒粉のDM基準で1.5重量%を有するグルコアミラーゼ)4.75mLを加えることで、糖化を開始した。2時間糖化した後、リアクター内容物を短時間加熱して100℃として、グルコアミラーゼの失活を行った。
添加量に応じて、36重量%のデンプンがバッチ中に存在した。最終のグルコース分析で、338g/Lのグルコースが測定された。液化時の粘度中央値は0.22Pa・sであり、糖化時は0.25Pa・sであった。
実験2
別の実験で、合計487gの粒粉を、実験1と同様の方法で800gバッチで用いた。従って、総DM含有量54重量%でのバッチにおけるデンプンの割合は43重量%であった。使用した酵素の量は、より高いDM含有量に従った実験で調整した。同様の実験手順において、グルコース濃度342g/Lが得られた。液化時の粘度中央値は1.31Pa・sであり、糖化時には0.98Pa・sであった。
実施例2:ふすまを含まないコムギ粒分の液化および糖化
下記の実験では、分別乾式製粉によるふすま成分を実質的に含まないコムギ粒粉を用いた。そのコムギ粒粉は、下記の特徴的組成を有していた。すなわち、
11.3重量%の水
12重量%の粗タンパク質
1.2重量%の粗脂肪
0.8重量%の粗繊維
0.8重量%の灰分
73.9重量%の可溶性無窒素物(炭水化物)。
粒粉の粒径中央値は55μmであった。
実施例1に記載の手順に応じて、各種量の本粒粉を、各800gバッチで液化および糖化した。使用した粒粉の量、得られたデンプン含有量、測定されたグルコース濃度および液化および糖化時の測定粘度中央値を、下記の表に示してある。
Figure 0005727363
実施例3:コムギデンプンの液化および糖化
下記の実験では、コムギデンプンを用い、それの製造には、最初に、ふすま成分を実質的に含まないコムギ粒粉を、コムギ穀粒の分別乾式製粉によって製造し、次に、従来の方法によって、それからグルテン成分を除去し、乾燥した。コムギデンプンは、下記の特徴的組成を有していた。すなわち、
10.8重量%の水
0.9重量%の粗タンパク質
0.2重量%の粗脂肪
0.3重量%の粗繊維
0.3重量%の灰分
87.5重量%の可溶性無窒素物(炭水化物)。
粒粉の粒径中央値は27μmであった。
実施例1に記載の手順に応じて、各種量の本コムギデンプンを、各場合で800gバッチで液化および糖化した。使用したコムギデンプンの量、懸濁液中の得られたデンプン含有量、測定されたグルコース濃度および液化および糖化時の測定粘度中央値を、下記の表に示してある。
Figure 0005727363
実施例4:ふすまを含まないコムギ粒粉およびコムギデンプンの混合物の液化および糖化
実施例1に記載の手順に対応して、実施例2のコムギ粒粉および実施例3のコムギデンプンの各種混合物を、各場合で800gバッチで液化および糖化した。コムギデンプンの使用量、懸濁液中の得られたデンプン含有量、測定グルコース濃度ならびに液化および糖化時の測定粘度中央値を表に示してある。
実施例1に記載の手順に対応して、ふすまを含まないコムギ粒粉(実施例2参照)およびコムギデンプン(実施例4参照)の各種混合物を、各場合で800gバッチで液化および糖化した。その二つのデンプン源の使用量、得られた総乾燥物およびデンプンの含有量、測定グルコース濃度ならびに液化および糖化時の測定粘度中央値を表に示してある。
Figure 0005727363
実施例5:実施例1の全穀粒コムギ粒粉加水分解物のグルテン除去
実施例1実験1で製造したグルコース濃度338g/Lを有する全穀粒コムギ粒粉加水分解物から固形物画分を分離し、洗浄してグルコース損失を減らした。それには、加水分解物10gを加熱して40℃とし、その温度に維持し、pHを4.3に調整し、混合物を15分間にわたり1650gでRotana96RSC実験用遠心機で分離した。その途中で、グルコース濃度357g/Lを有する上清2.73gが形成され、グルコース濃度307g/Lを有するペレット7.27gが形成された。
得られたペレットを脱イオン水9.68gで再懸濁させ、再度遠心した(25℃、1650g)。この途中で、グルコース濃度137g/Lの第2の上清10.67gが形成され、グルコース濃度108g/Lのペレット6.28gが形成された。
得られた固形物を乾燥し、分析したところ、下記の組成が得られた。すなわち、
7.7重量%の水
32.3重量%の粗タンパク質
4.0重量%の粗脂肪
6.2重量%の粗繊維
1.4重量%の灰分
48.4重量%の可溶性無窒素物(炭水化物)。
得られたグルコース溶液は、乾燥物基準で下記の組成を有していた。すなわち、
93.4重量%の糖
4.0重量%の粗タンパク質
0.1重量%の粗繊維
0.03重量%の遊離アミノ酸
1.0重量%の粗灰分。
実施例6:実施例2の加水分解物からのグルテン除去
グルコース濃度330g/Lを有する実施例2実験1で製造されたコムギ粒粉加水分解物から、固形物画分を除去し、洗浄して、グルコース損失を低下させた。それには、加水分解物10gを加熱して40℃とし、その温度に維持し、pHを4.3に調整し、混合物を15分間にわたり1650gでRotana96RSC実験用遠心機で分離した。その途中で、グルコース濃度350g/Lを有する上清5.58gが形成され、グルコース濃度304g/Lを有するペレット4.41gが形成された。
得られたペレットを脱イオン水6.19gで再懸濁させ、再度遠心した(25℃、1650g)。この途中で、グルコース濃度132g/Lの第2の上清6.75gが形成され、グルコース濃度115g/Lのペレット3.85gが形成された。
得られた固体を乾燥し、分析したところ、下記の組成が得られた。すなわち、
8.8重量%の水
38.5重量%の粗タンパク質
2.6重量%の粗脂肪
2.1重量%の粗繊維
0.8重量%の灰分
47.2重量%の可溶性無窒素物(炭水化物)。
得られたグルコース溶液は、乾燥物基準で下記の組成を有していた。すなわち、
94.1重量%の糖
2.9重量%の粗タンパク質
0.1重量%の粗繊維
0.02重量%の遊離アミノ酸
0.5重量%の粗灰分。
実施例7:実施例4の加水分解物からのグルテン除去
グルコース濃度404g/Lを有するコムギ粒粉/コムギデンプン混合物の実施例4実験2で製造した加水分解物から、固形物画分を除去し、洗浄して、グルコース損失を低下させた。それには、加水分解物10gを加熱して40℃とし、その温度に維持し、pHを4.3に調整し、混合物を15分間にわたり1650gでRotana96RSC実験用遠心機で分離した。その途中で、グルコース濃度411.5g/Lを有する上清5.01gが形成され、グルコース濃度385g/Lを有するペレット4.98gが形成された。
得られたペレットを脱イオン水5.85gで再懸濁させ、再度遠心した(25℃、1650g)。この途中で、グルコース濃度178g/Lの第2の上清7.62gが形成され、グルコース濃度158g/Lのペレット3.21gが形成された。
得られた固形物を乾燥し、分析したところ、下記の組成が得られた。すなわち、
6.4重量%の水
28.3重量%の粗タンパク質
3.0重量%の粗脂肪
1.3重量%の粗繊維
1.5重量%の灰分
59.5重量%の可溶性無窒素物(炭水化物)。
得られたグルコース溶液は、乾燥物基準で下記の組成を有していた。すなわち、
94.3重量%の糖
2.3重量%の粗タンパク質
0.11重量%の粗繊維
0.01重量%の遊離アミノ酸
0.3重量%の粗灰分。
実施例8:加水分解物の濃縮
実施例2での手順に対応して、実施例2で用いたコムギ粒粉を液化および糖化することで加水分解物を製造した。次に、遠心、再懸濁(洗浄)および繰り返し遠心によって実施例6と同様にして、そこから固体を除去した。第1の固形物除去からの上清を合わせることで、そして洗浄後に、21.8重量%のグルコースを含む溶液575gを製造した。この溶液から、水366gを80℃および220から160hPa(220から160ミリバール)でロータリーエバポレータで留去した。ロータリーエバポレータで、60%強度グルコース溶液209gが残った。選択された条件下で、ロータリーエバポレータの内部に堆積は認められなかった。製造された溶液は、60℃で、粘度0.4Pa・sを有していた(Haake RheoStress1、100s−1剪断速度)。そうして濃縮したグルコース溶液を次に、発酵で用いた。
実施例9:発酵で製造されたグルコース溶液の使用
全ての発酵は、Corynebacterium glutamicumの遺伝子組換え株を用いて実施した。株ATCC13032lysCfbrについての正確な説明は、WO2005/116228にある。細胞は、無菌CM寒天プレートで30℃にて終夜にわたり細胞をインキュベートし(121℃で20分間滅菌した培地組成については下記表を参照)、次に0.9%強度NaCl溶液に再懸濁させた。この懸濁液から、610nmで光学濃度1.5が得られるように、適切な容量を振盪フラスコでインキュベートした。
Figure 0005727363
10mLの作業容量を有する100mL三角フラスコで、振盪フラスコ実験を実施した。この振盪実験は、30℃、200分−1および80%相対湿度で48時間にわたって実施した。
振盪フラスコ培地の組成を表に示した。対照培地については、ビタミン溶液を除く全ての培地成分を、水1リットルに一緒に溶かした。水酸化アンモニウムを用いて培地のpHを7.8に調整し、次に培地を121℃で20分間滅菌した。ビタミン溶液を滅菌後に無菌濾過し(0.2μm)、加えた。コムギ粒粉加水分解物を用いた場合、下記の表におけるグルコースを相当する量のグルコース溶液に置き換えた。他の成分は水600mLに溶かして、グルコース60gに相当する量のコムギ粒粉加水分解物を加えることができるようにした。コムギ粒粉加水分解物を用いた場合、無菌水を用いて培地を構成した。
Figure 0005727363
液化および糖化については実施例1、2および4に応じて、グルテン除去については実施例5から7に応じて、下記のグルコース濃度を有するグルコース溶液を製造した。すなわち、
グルコース溶液1:251g/Lの実施例2実験1の加水分解物、実施例6と同様の方法でのグルテン低減、
グルコース溶液2:186g/Lの実施例1実験1の加水分解物、実施例5と同様の方法でのグルテン低減、
グルコース溶液3:266g/Lの実施例4実験2の加水分解物、実施例7と同様の方法でのグルテン低減、
二重反復による実験で、それぞれリジン濃度8.08g/L(対照、純粋グルコース)、8.48g/L(グルコース溶液2)、8.36g/L(グルコース溶液1)および10.75g/L(グルコース溶液3)が得られた。

Claims (19)

  1. コムギ類植物の穀粒のデンプン成分からグルコース含有量が少なくとも32重量%であるグルコース水溶液を製造する方法において、
    a)前記穀粒の乾式製粉を分別して、当該穀粒をデンプン含有胚乳画分(粒粉)およびふすま画分に分離する工程;
    b)前記胚乳画分を水系懸濁液に変換する工程;および
    c)前記水系懸濁液のデンプン成分を液化し、酵素的に糖化することでグルコース水溶液を得る工程であって、前記水系懸濁液が少なくとも30重量%のデンプン含有量を有する工程を有し;
    前記胚乳画分に存在するグルテン部分を、工程c)で得られる前記グルコース水溶液から低減することを特徴とする方法。
  2. 工程a)での前記粉砕を、前記使用される穀粒の質量基準で10から30重量%の水の存在下に行う請求項1に記載の方法。
  3. 工程a)で、前記胚乳画分を、粒径中央値が0.01から1.0mmの範囲となるまで製粉する請求項1または2記載の方法。
  4. 前記使用される胚乳画分中に存在する総グルテン成分基準で、前記グルテンの少なくとも70%を分離する請求項1〜3のいずれか1項記載の方法。
  5. 前記得られたグルコース溶液が10体積%未満の固形物を含むように、前記グルテンを低減する請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
  6. コムギ類植物の前記穀粒がコムギ穀粒である請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
  7. i.請求項1からのうちのいずれか1項に記載の方法によってグルコース溶液を提供する工程、および
    ii.有機物質の過剰産生を行うことができる微生物を含む発酵培地に前記グルコース溶液を加える工程、
    を有する発酵によって有機物質を製造する方法。
  8. 前記有機物質が、3から10個の炭素原子を有するヒドロキシルを有していても良いモノ、ジおよびトリカルボン酸、タンパク質生成アミノ酸および非タンパク質生成アミノ酸、プリン塩基、ピリミジン塩基;ヌクレオシド類、ヌクレオチド類、脂質、飽和および不飽和脂肪酸、4から10個の炭素原子を有するジオール類、3以上の水酸基を有する多価アルコール、少なくとも4個の炭素原子を有する長鎖アルコール、炭水化物、芳香族化合物、ビタミン類、プロビタミン類、補因子、栄養補助食品、タンパク質、酵母、カロテノイド類、3から10個の炭素原子を有するケトン類、ラクトン類、ポリヒドロキシアルカノエート類、ポリ乳酸類、多糖類、ポリイソプレノイド類、ポリアミド類およびシクロデキストリン類から選択される請求項に記載の方法。
  9. 前記有機物質がアミノ酸である請求項に記載の方法。
  10. 前記アミノ酸がリジン、メチオニン、トレオニンおよびグルタミン酸から選択される請求項に記載の方法。
  11. 前記有機物質がビタミン類およびプロビタミン類から選択される請求項に記載の方法。
  12. 前記有機物質が、2から10個の炭素原子を有する脂肪族モノ、ジおよびトリカルボン酸から選択される請求項に記載の方法。
  13. 前記有機物質が、3から10個の炭素原子を有する脂肪族ヒドロキシカルボン酸から選択される請求項に記載の方法。
  14. 前記有機物質が、3から10個の炭素原子を有するアルカンジオール類から選択される請求項に記載の方法。
  15. 前記有機物質が、3から10個の炭素原子を有する脂肪族ケトン類から選択される請求項に記載の方法。
  16. 前記有機物質が、3から10個の炭素原子を有する脂肪族ジアミン類から選択される請求項に記載の方法。
  17. 前記有機物質がヌクレオチド類から選択される請求項に記載の方法。
  18. 前記有機物質が二糖類、オリゴ糖類および多糖類から選択される請求項に記載の方法。
  19. 前記微生物から得られる前記バイオマスを、前記発酵産物の過剰産生された有機物質から分離し、バイオマス含有組成物を得る請求項から18のうちのいずれか1項に記載の方法。
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