JP5727068B2 - シンチレータ部材 - Google Patents
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また、本実施の形態のシンチレータ部材は、放射線の入射表面が平坦化処理されたシンチレータと、前記シンチレータの前記放射線入射表面に直接形成された遮光層と、前記遮光層上に形成された保護層と、を備え、前記保護層は、樹脂フィルム層の片面又は両面にアルミニウム薄膜を形成したものであって、前記遮光層の上に接着剤を介して形成されていることを特徴とする。
さらに、本実施の形態のシンチレータ部材は、放射線の入射表面が平坦化処理されたシンチレータと、前記シンチレータの前記放射線入射表面に直接形成された遮光層と、前記遮光層上に形成された保護層と、を備え、前記保護層は、前記遮光層側から順に緩衝層、バリア層、導電性樹脂層からなる積層薄膜であることを特徴とする。
(シンチレータの表面平坦化方法)
図1は、シンチレータの表面平坦化方法の一実施の形態を示す断面図である。
例えば、β線検出を目的としたプラスチック母材のシンチレータ1は、バックグラウンド線種であるγ線の反応確率を抑制するために薄く加工されており、その厚さはおよそ0.1mm〜0.4mmであり、望ましくは0.2mmである。このような薄く加工されたプラスチックシンチレータは外力に対して脆くなっているので、シンチレータ1と補強材2とを接合し、一体化させることによってシンチレータ1の強度が確保され、かつ平坦化される。
補強材2は、シンチレータ1の発する蛍光を透過できるように例えば無色透明アクリル系樹脂で形成され、その面サイズはシンチレータ1と同じか、或いは多少大きめとすることが望ましい。シンチレータ1の面サイズが600mm×300mmとした場合、補強材2の厚みは3mm〜5mm程度で必要十分な強度が得られる。あまり厚くすると、蛍光の吸収が大きくなり感度低下を招く可能性がある。
シンチレータ1と補強材2との接合に用いる接合剤は、例えばBC600(サンゴバン株式会社)、アロンアルファ(R)201(東亞合成株式会社)などが適用できる。この接合剤を介して補強材2にシンチレータ1を全面接着する。このとき、接着層に接着剤の余剰分や気泡、異物が混入しないように留意する。接着剤の余剰分や気泡を排除するには、シンチレータ1にポリエチレンなどの保護フィルムを敷いてその上からローラなどで押し出すと比較的容易である。
ここで、製品としてのシンチレータ1には、図1(a)に示すように、製造過程でその表面に付着したと考えられる数μm程度から10μmを超えるような複数の突起物3が、シンチレータ1の表面にその一部が埋め込まれた状態となって存在している場合がある。
シンチレータ1の平坦化処理方法として、本実施の形態では、シンチレータ1の表面に機械的にバフ研磨加工を行う(図2のS2)。
具体的な研磨加工手順として、先ず、回転機6にバフ部材5を装着し、研磨材を100cm2あたり、2〜4g程度を目安にバフ部材5につけて、バフ部材5をシンチレータ1の表面に軽く押し当てて回転機6を動作させることにより、シンチレータ1の表面を研磨加工する。
研磨加工後、研磨液に含まれる砥粒がシンチレータ1の表面に強く密着している場合があるが、砥粒が残ったままだと、これが新たな突起物となってしまう。このため、本実施の形態では、中性洗剤を用いた洗浄処理を行って砥粒を除去する(図2のS3)。
(平坦化されたシンチレータを用いた第1のシンチレータ部材)
図3は、シンチレータ部材の一実施の形態を示す断面図である。
遮光層7は、例えば蒸着(スパッタリングや真空蒸着など)によって形成されたアルミニウム層などで形成できる。遮光層7は、放射線(α線やβ線)の吸収を抑制する必要性からできるだけ低密度(薄膜化)としなければならないが、アルミニウム層の場合、その厚さは、0.07〜0.25μm程度が好ましい。
保護層9は、シンチレータ部材の表面層となって通常は気中に晒されるため、帯電等によって気中の粉塵を吸着し、埃に含まれるラドン系放射性物質の影響でバックグラウンドが増加する可能性が懸念される。このため、保護層9としては、表面抵抗値が帯電防止の目安となる1010Ω/sq.以下を有する導電性バリアフィルムとすることが望ましい。この際、保護層9は接地しておくことが好ましい。
図4は、シンチレータ部材10の製造方法を説明するフローチャートである。
(平坦化されたシンチレータを用いた第2のシンチレータ部材)
図5は、シンチレータ部材の別の実施の形態を示す断面図である。
保護層11は、例えば、バリア膜及び帯電防止膜として、導電性樹脂フィルム12の表面にアルミニウム薄膜13を蒸着形成したアルミナイズドマイラーとすることができる。
(平坦化されたシンチレータを用いた第3のシンチレータ部材)
図6は、シンチレータ部材の更に別の実施の形態を示す断面図である。
2… 補強材
3… 突起物
4… 表面キズ・空孔
5… バフ部材
6… 回転機
7… 遮光層
8… 接着層
9… 保護層
10…シンチレータ部材
11…保護層
12…導電性樹脂フィルム
13…アルミニウム薄膜
14…緩衝層
15…バリア層
16…導電性樹脂層
17…保護層
20…シンチレータ部材
30…シンチレータ部材
Claims (4)
- 放射線の入射表面が平坦化処理されたシンチレータと、
前記シンチレータの前記放射線入射表面に直接形成された遮光層と、
前記遮光層上に形成された保護層と、を備え、
前記保護層は、表面抵抗値が10 10 Ω/sq.以下の導電性フィルム層であって、前記遮光層の上に接着剤を介して形成されていることを特徴とするシンチレータ部材。 - 放射線の入射表面が平坦化処理されたシンチレータと、
前記シンチレータの前記放射線入射表面に直接形成された遮光層と、
前記遮光層上に形成された保護層と、を備え、
前記保護層は、樹脂フィルム層の片面又は両面にアルミニウム薄膜を形成したものであって、前記遮光層の上に接着剤を介して形成されていることを特徴とするシンチレータ部材。 - 放射線の入射表面が平坦化処理されたシンチレータと、
前記シンチレータの前記放射線入射表面に直接形成された遮光層と、
前記遮光層上に形成された保護層と、を備え、
前記保護層は、前記遮光層側から順に緩衝層、バリア層、導電性樹脂層からなる積層薄膜であることを特徴とするシンチレータ部材。 - 前記緩衝層は遮光性を有する色素を含有しており、かつ、前記緩衝層及び前記導電性樹脂層は、UV硬化樹脂を用いたことを特徴とする請求項3記載のシンチレータ部材。
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