JP5726494B2 - 断熱シート - Google Patents
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Description
このように構成された本発明においては、下側結合部が、下カバーと連結カバーとの結合を取り外し可能に構成されているので、この結合を外すことにより、上カバーと下カバーの間の空間にアクセス可能となり、内部の断熱材を出し入れすることが可能となる。したがって、例えば、断熱シートの上カバー及び下カバーと、内部の断熱材とを別々に搬送し、設置現場において上カバー及び下カバーを所定位置に配置した後、断熱材を内部に挿入することが可能になるから、断熱シートの搬送、設置作業が容易になる。また、長期間の使用においては、上カバー及び下カバーを設置したまま断熱材を交換することが可能となるので、メンテナンス作業が容易になるとともに、メンテナンスコストが削減される。
このように構成された本発明においては、上カバーと下カバーの間の空間に複数の断熱材収納部が形成されているので、例えば断熱シートを垂直方向や斜め方向に配置する場合にも、内部の断熱材が片側に寄ってしまうのを防止することができ、様々な使用態様においても良好な断熱性能を確保することができる。
このように構成された本発明においては、断熱収納部の短辺に設けられた下側結合部が、下カバーと連結カバーとの結合を取り外し可能に構成されているので、1つの断熱材収納部における下側結合部の長さが短いため、下カバーと連結カバーとの取り外し作業が容易になる。したがって、断熱材の交換作業等の断熱シートのメンテナンス作業が簡単になる。
このように構成された本発明においては、縫合部の上方を一方の断熱材収納部の上カバーが覆い、縫合部の下方を一方の断熱材収納部の下カバーが覆うので、縫合部が外部に露出しない。したがって、縫合部から水が断熱シートの内部に染み込むのを防止することができ、断熱シートの防水性が向上するとともに、これにより、断熱シートの耐久性が向上する。
このように構成された本発明においては、上カバーのみに連結具が設けられているので、隣接する断熱シートを連結する際には、上カバーの連結具を互いに連結すればよいので、連結作業が簡単になる。
このように構成された本発明においては、ウェイトホースが充填材を注入する注入口を備えているので、設置現場において充填材の注入作業を行うことができる。したがって、充填材を注入しない状態でウェイトホースを搬送し、設置現場においてこれらを配置してから、注入口から充填材を注入することができるから、搬送作業及び搬送コストが大幅に削減される。
また、ウェイトホースが断熱シートへ連結するための連結部を備えているので、ウェイトホースが断熱シートの設置位置からずれてしまうことがない。これは例えば、長期間にわたって屋外で使用する場合などに、ウェイトホースが風等によって断熱シートから離れてしまうのを防止する他、雪を山状に積み上げた雪山の上に断熱シートを設置した場合に、時間と共に雪山の形状が変化して断熱シートが傾斜しても、ウェイトホースが断熱シートから離れてしまうのを防止することができ、断熱シートが良好に雪山の形状に沿うことができる。
このように構成された本発明においては、内袋が収容されているので、ウェイトホースの本体にかかる充填材の圧力が緩和されるから、本体の寿命が長くなる。
このように構成された本発明においては、本体同士を互いに連結するための連結部を備えているので、ウェイトホースを連結して様々な長さや幅、または高さで構成することができるから、様々な形状、条件の断熱シートに使用でき、汎用性が高くなる。
このように構成された本発明においては、充填材が水であるので、設置現場において調達しやすい。また、ウェイトホースの使用後、水を排出することによってウェイトホースの撤去作業が簡便になる。
このように構成された本発明においては、充填材が、水に水溶性ポリマーまたは吸水性ポリマーを所定濃度混合した液体である。ここで、水溶性ポリマーを用いた場合には、充填材の粘度が高くなり、吸水性ポリマーを用いた場合には、吸水性ポリマーが水を吸水してゲル状になる。よって、長期間の屋外等での過酷な条件下での使用により、本体、または内袋がある場合には内袋に微細な孔があいた場合でも、粘度の高い水溶性ポリマーまたはゲル状の吸水性ポリマーを含む充填材が孔から外に漏れるのを防止する。したがって、ウェイトホースの長寿命化を図ることができる。
このように構成された本発明においては、水溶性ポリマーまたは吸水性ポリマーが、紫外線分解性水溶性ポリマーまたは紫外線分解性吸水性ポリマーであるので、ウェイトホースの使用後、充填材を例えば日光に曝すなどして充填材に紫外線を照射すると、水溶性ポリマーまたは吸水性ポリマーが分解して離水し、粘度が低下する。したがって、その後充填材をウェイトホース内部から排出すれば、排出作業が簡便になり、ウェイトホースの撤去作業または交換作業が簡単になる。
以下、本発明の好ましい第1実施形態を添付図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態による断熱シート1の全体を示す平面図である。また、図2は、図1のII−II線に沿った断面図である。本実施形態の断熱シート1は、雪を集積して形成された雪山を覆って夏期まで保存し、その雪を夏期に冷房等の熱源として利用するために使用される。断熱シート1は、1枚が例えば約長さ8000mm、幅約4000mmの矩形のユニット状に形成されており、この断熱シート1を縦横に複数配置することにより、所望の領域の雪山を覆うように構成されている。
上カバー2は、全体として矩形のシート状に形成されている。この上カバー2の材料としては、雪山の上に敷設した状態で上カバー2の上を重機が走行したときに重機の底面との摩擦に耐えることができるような高い引張強度と引裂強度を有する材料を採用することが望ましく、本実施形態では、ポリエチレンから作られた紐状部材を編んで布状に形成されたものが採用されている。また、上カバー2の材料は、日光の吸収を低くして雪山の溶解を防止するため、光反射率が高い材料を採用することが好ましい。本実施形態では、上カバー2の表面は白色に着色され、これにより上カバー2の表面の光反射率が例えば約80%以上と高く設定されている。
連結カバー8は、その一端側が上カバー2及び下カバー4に固定され、他端側が上カバー2より外側に向かって突出可能に配置されており、図2に示すように、上カバー2の端部に結合される上側結合部16と、下カバー4の端部に結合される下側結合部18と、下側結合部18から上カバー2の外側に向かって突出するように延びるカバー部20とを有する。
このような上側結合部16の構造により、連結カバー8の一端は、裏面が上側に向くように、即ち、裏面が上カバー2の裏面に対向するように配置され、連結カバー8の一端は、外側に面するように配置される。
なお、このような上側結合部16及び下側結合部18の構造により、連結カバー8(8B)は、一方の端部で上側結合部16において上カバー2と結合され、上側結合部16よりも他方の端部寄りの位置で下側結合部18において下カバー4と結合される。したがって、連結カバー8(8B)は、上側結合部16と下側結合部18との間で略U字形に折り返される。また、上側結合部16と下側結合部18との間の連結カバー8により、上カバー2と下カバー4の端部の間の空間が塞がれている。
まず、断熱シート1の断熱材収納部14内に断熱材6を収納しない状態で、上カバー2及び下カバー4と、断熱材6とを設置現場に搬送する。設置現場において、上カバー2及び下カバー4を、雪山の上面及び斜面に縦横に敷き詰める。
図5に示すように、次に、隣接する連結カバー8同士を結合する。隣接する連結カバー8の端部を一緒に筒状に丸めて互いに結合する。この状態では、隣接する連結カバー8が、一方の上カバー2の端部から他方の上カバー2の端部の間を断面袋状に連結し、隣接する断熱シート1の間のスペース36は、隣接する一対の連結カバー8によって覆われるため、下カバー4が外部に露出することがない。その後、隣接する上カバー2の連結具22同士をロープ38で連結して、隣接する上カバー2を連結することにより、断熱シート1を連結する。
図6は、ウェイトホース40を示す斜視図である。この図6に示すように、本実施形態のウェイトホース40は、上カバー2と同じシート材料を矩形に形成して周囲を縫合することにより、矩形の袋状に形成されている。ウェイトホース40の短辺には、複数のハトメ42が等間隔に固定され、また、ウェイトホース40の長辺にも、複数のハトメ44が等間隔に固定されている。
ウェイトホース40の内部には、内袋41(図5)が収納され、この内袋41の内部に水を収容可能となっている。また、ウェイトホース40の外面には、内袋41に水を注入するための注入バルブ46が設けられている。
断熱シート1が、上カバー2の外側に突出するように配置された連結カバー8を有するので、隣接する断熱シート1の間のスペース36を連結カバー8で覆うことができる。したがって、複数の断熱シート1を敷き詰めた場合にも、断熱シート1の間から雨水が入るのを防止できるので、断熱シート1の防水性を向上させることができる。これにより、断熱シート1の劣化を防ぐことができるから断熱シート1の耐久性を向上させることができる。また、連結カバー8によって断熱シート1の間のスペース36を覆うことができるので、良好な断熱性を維持することができる。
更に、隣接する連結カバー8同士が筒状に丸められることによって断熱シート1の間のスペース36を覆っているので、例えば雪山の雪が多少溶けて雪山の形状が変化する等によって断熱シート1が多少移動しても、連結シート8が或る程度の断熱シート1の移動を許容しながらスペース36を確実に覆うことができる。したがって、長期間にわたって良好な防水性及び断熱性を維持することができる。
また、連結カバー8が下側結合部18,34において下カバー4とも結合しているので、上カバー2と下カバー4の間の隙間を連結カバー8で覆うことができ、断熱シート1の防水性をより一層高めることができる。
ウェイトホース40が内部に水を注入可能に構成されているので、ウェイトホース40を断熱シート1の上に配置する際には、水を注入しない状態で配置し、ウェイトホース40の配置後に、注入バルブ46から水を注入することができる。したがって、ウェイトホース40の設置作業を簡単に行うことができ、労力を大幅に軽減することができる。また、ウェイトホース40の内部に水が注入されるので、例えば雪山の形状の変化に伴って断熱シート1が傾斜した場合でも、ウェイトホース40の形状が柔軟に断熱シート1の形状に追従することができる。
更に、ウェイトホース40をハトメ44及びロープ45によって断熱シート1の端部に結合することができるので、従来の一般の土嚢の場合とは異なり、長期間の設置の間に断熱シート1の位置が変化してもウェイトホース40の設置位置がずれてしまうのを防止することができる。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態は、ウェイトホースの構成が、第1実施形態のウェイトホース40の構成と異なる他は、第1実施形態と同様の構成である。
また、水溶性ポリマーとしては、例えばポリビニルピロリドン等を採用できる。水溶性ポリマーは、水に溶け、水溶液の粘度を高くする。水溶性ポリマーの水に対する濃度は、0.15〜0.17%の範囲であることが望ましい。
ここで、本実施形態では、吸水性ポリマーまたは水溶性ポリマーは、紫外線を照射されることにより離水して分解する、紫外線分解性吸水性ポリマーまたは紫外線分解性水溶性ポリマーが採用されている。
断熱シート及びウェイトホースを使用後、ウェイトホースを撤去する場合には、本体を外して内袋を露出させ、断熱シートが屋外で使用されている場合には、日光を照射する等により、内袋内の液体に紫外線を照射する。本実施形態では、水溶性ポリマーまたは吸水性ポリマーとして、紫外線分解性水溶性ポリマーまたは紫外線分解性吸水性ポリマーが採用されているので、紫外線を浴びると内袋内の液体が分解し、粘度が低くなる。その後、注入口から内袋内の液体を外部に排出してウェイトホースを収縮させればよい。
ウェイトホースの内袋が、水溶性ポリマーまたは吸水性ポリマーを所定濃度含有した液体を充填可能となっているので、内袋内の充填材の粘度が高まるか、ゲル状に形成される。したがって、長期にわたる屋外での使用等の過酷な条件下での使用によって、ウェイトホースの内袋に微細な孔が空いた場合でも、内部の液体が孔からしみ出すのを防止することができる。これにより、内袋の長寿命化を図ることができる。また、内袋だけが多少損傷しても、内袋だけを交換するという作業を頻繁に行う必要がないため、メンテナンスが容易になる。
また、水溶性ポリマーまたは吸水性ポリマーは、必ずしも紫外線分解性のものでなくても良い。
本発明は、以下のような態様とすることもできる。
(1)断熱シート用のウェイトホースであって、袋状の本体と、前記本体の内部に充填材を注入する注入口と、前記ウェイトホースを前記断熱シートへ連結するための連結部と、を備える、ことを特徴とする断熱シート用のウェイトホース。
(2)前記本体の内部には、内袋が収容され、前記注入口は、前記内袋に接続する、上記(1)に記載の断熱シート用のウェイトホース。
(3)前記本体同士を互いに連結するための連結部を更に備える、上記(1)または(2)に記載の断熱シート用のウェイトホース。
(4)前記充填材は、水である、上記(1)から(3)のいずれか1つに記載のウェイトホース。
(5)前記充填材は、水に水溶性ポリマーまたは吸水性ポリマーが所定濃度混合された液体である、上記(1)から(3)のいずれか1つに記載のウェイトホース。
(6)前記水溶性ポリマーまたは吸水性ポリマーは、紫外線分解性水溶性ポリマーまたは紫外線分解性吸水性ポリマーである、上記(5)に記載のウェイトホース。
2 上カバー
4 下カバー
6 断熱材
8(8A,8B) 連結カバー
10,11 カバー部材
12 縫合部
14 断熱材収納部
16 上側結合部
18,34 下側結合部
20 カバー部
22 連結具
32 面ファスナー
40 ウェイトホース
Claims (5)
- 上カバーと、下カバーと、前記上カバー及び前記下カバーの間に配置される断熱材と、を備えた断熱シートであって、
隣接する断熱シートの間のスペースを覆うための連結カバーを備え、
前記連結カバーは、前記隣接する断熱シートの前記連結カバーとともに前記スペースを覆うように構成され、前記上カバーの端部に結合される上側結合部と、前記下カバーの端部に結合される下側結合部と、前記上カバーの外側に突出するように配置可能なカバー部とを有し、
前記下側結合部は、前記下カバーと前記連結カバーとの結合を取り外し可能に構成される、
ことを特徴とする断熱シート。 - 前記上カバーと前記下カバーとの間の空間が複数に区切られ、各々に前記断熱材が収納される複数の断熱材収納部が形成されている、
請求項1に記載の断熱シート。 - 各前記断熱材収納部は矩形状に形成され、その短辺に設けられた前記下側結合部は、前記下カバーと前記連結カバーとの結合を取り外し可能に構成される、
請求項2に記載の断熱シート。 - 隣接する前記断熱材収納部の区切り部分において、一方の前記断熱材収納部を構成する前記上カバーの上面と他方の前記断熱材収納部を構成する前記上カバーの上面が対向し、且つ一方の前記断熱材収納部を構成する前記下カバーの下面と他方の前記断熱材収納部を構成する前記下カバーの下面が対向した状態で、両方の前記断熱材収納部の前記上カバー及び前記下カバーが縫い合わされた縫合部を形成し、前記縫合部の上方では一方の前記断熱材収納部の前記上カバーが折り返されて前記縫合部を覆い、前記縫合部の下方では一方の前記断熱材収納部の前記下カバーが折り返されて前記縫合部を覆うように構成される、 請求項2または3に記載の断熱シート。
- 前記上カバーは、隣接する断熱シートと連結可能な連結具を有し、前記下カバーは、隣接する断熱シートと連結可能な連結具を有していない、
請求項1から4のいずれか1項に記載の断熱シート。
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