メカシャーシに記録媒体収納テーブルと記録媒体ドライブ部を搭載すると共に、ドライブ移動部により記録媒体ドライブ部を記録媒体収納テーブルに対して接近及び離反可能に構成した。これにより、記録媒体ドライブ部を記録媒体収納テーブルに接近させた状態で円盤状記録媒体を記録媒体ドライブ部に装着し、記録媒体ドライブ部を記録媒体収納テーブルから離反させることなく、円盤状記録媒体を回転駆動することができる。そのため、ローディング動作の早い段階から円盤状記録媒体に対する情報信号の読み出しや書き込みを行うことができ、アクセスタイムの向上を図ることができる。
また、メカシャーシに記録媒体収納テーブルと複数の記録媒体ドライブ部を搭載すると共に、複数のドライブ移動部により複数の記録媒体ドライブ部を記録媒体収納テーブルに対して個別に接近及び離反可能に構成した。そして、情報の記録や再生を行っている記録媒体ドライブ部を離反させて記録媒体収納テーブルを回転可能とすることにより、収納されている任意の円盤状記録媒体を選択して他の記録媒体ドライブ部に装着することができる。そのため、複数の記録媒体ドライブ部を連動して動作させることができ、複数の円盤状記録媒体に対する情報信号の記録や再生を間断なく連続して行うことができる。
図1及び図2は、本発明の記録及び/又は再生装置の実施の形態の第1の実施例に係るディスク記録再生装置1を示すもので、情報信号の記録(書き込み)と情報信号の再生(読み出し)とが可能とされた装置である。しかしながら本発明は、情報信号の記録と再生の両方が可能な記録再生装置に限定されるものではなく、情報信号の記録を専用とした記録装置に適用することができ、また、情報信号の再生を専用とした再生装置に適用することができることは勿論である。
本発明に適用される円盤状記録媒体としては、光ディスク(CD,DVD等)や光磁気ディスク(MO、MD等)は勿論のこと、BD(Blu-ray Disc)その他の円盤状記録媒体(以下「ディスク」と総称する。)2を適用することができる。なお、CDとしては、例えば、CD−DA、CD−ROM、CD−R、CD−RW、ビデオCD等を挙げることができる。DVDとしては、例えば、DVD−ROM、DVD−R、DVD−RW、DVD−RAM、DVD+R、DVD+RW等を挙げることができる。また、BDとしては、例えば、BD−R(Recordable)、BD−RE(Rewritable)、BD−ROM、Blu-ray3D等を挙げることができる。
ディスク記録再生装置1は、1個のディスク収納テーブル3と、2台のディスクドライブ部4A,4Bと、1枚のメカシャーシ5と、2つのドライブ移動部6A,6Bと、2つの記録媒体搬送部33,33等を備えて構成されている。ディスク収納テーブル3は、記録媒体収納テーブルの一具体例を示すもので、メカシャーシ5の一面上に回転自在に支持されている。ディスクドライブ部4A,4Bは、記録媒体ドライブ部の一具体例を示すもので、メカシャーシ5の一面側にそれぞれ移動可能に支持されている。
ドライブ移動部6A,6Bは、メカシャーシ5上において2台のディスクドライブ部4A,4Bを個別に移動させるものである。これらのドライブ移動部6A,6Bによって2台のディスクドライブ部4A,4Bが、ディスク収納テーブル3に対して接近及び離反可能に構成されている。図3,図4で記録媒体搬送部の一具体例を示すディスク搬送部33は、各ディスクドライブ部4A,4Bのディスク2が着脱されるディスク装着部のディスク着脱位置と、ディスク2が収納されるディスク収納部のディスク収納位置との間にディスク2を搬送する。なお、ディスクドライブ部4は、3台以上を搭載する構成とすることができ、その場合には、ドライブ移動部6及びディスク搬送部33もディスクドライブ部と同数になる。3台以上のディスクドライブ部4A,4B,4C…,4Nを搭載した場合、各ディスクドライブ部4A〜4Nがディスク収納テーブル3に対して個別にアクセスし得る構成とする。
図20及び図21に示すように、ディスク記録再生装置1は、中空の筐体からなる外装ケース200を備えて構成されている。この外装ケース200の内部に、ディスク収納テーブル3やディスクドライブ部4A,4B等が搭載されたメカシャーシ5が収納されている。外装ケース200は、メカシャーシ5の上面を覆う上部パネル201と、メカシャーシ5の下面を覆う下部パネル202と、上部パネル201の前面の開口部を閉じるように着脱可能に取り付けられた前面パネル203等を備えている。下部パネル202は、図3に示すように、メカシャーシ5の下面に固定されていて、メカシャーシ5の四隅の4箇所に、下方に突出する脚体204が取り付けられている。これら4個の脚体204によってディスク記録再生装置1が、高さ調整可能に支持されている。
上部パネル201は、下部パネル202に対して着脱可能とされており、両パネル201,202は、装着された状態で図示しない固定ねじによりねじ止めされて一体的に連結されている。この上部パネル201と下部パネル202とからなるパネル組立体の前面に設けられた開口部に前面パネル203が着脱可能に装着されている。前面パネル203は、図示しない固定ねじによってパネル組立体にねじ止めされており、これにより外装ケース200が一体的に構成されている。
前面パネル203は横長の長方形に形成されており、前面パネル203の略中央部に、ディスク2を出し入れするためのディスク出入口205が設けられている。ディスク出入口205は、直径12cmのディスク2を縦向きにして出し入れすることができる大きさを有する長方形の開口部として形成されている。このディスク出入口205は、横開き式の開閉扉206によって開閉可能とされており、2枚の扉片が左右に分かれてスライド可能とされている。図20は開閉扉206を閉じた状態を示し、図21は開閉扉206を開いた状態を示している。
前面パネル203の前面には、電源をオン・オフする電源ボタン207と、モードダイヤル208と、操作ボタン209と、表示パネル210等が配設されている。モードダイヤル208は、ディスク収納テーブル3の回転動作によるディスク選択操作を含む各種の操作や動作のモードを選択可能とされている。操作ボタン209は、再生や早送りその他各種の操作を行うことができる。表示パネル210は、例えば、液晶ディスプレイによって構成されており、操作情報、再生中のディスクの情報、記録時の情報その他の各種情報が表示可能とされている。
図1及び図2に示すように、ディスク記録再生装置1は、メカシャーシ5の上面の一側に400枚のディスクを収納可能な1枚のディスク収納テーブル3を配置すると共に、他側に2台のディスクドライブ部4A,4Bを配置することによって構成されている。2台のディスクドライブ部4A,4Bは、ディスク収納テーブル3の周方向に所定の隙間をあけて配置されている。そして、1枚のディスク収納テーブル3に収納されている複数のディスク2に対して、2台のディスクドライブ部4A,4Bが、個別にアクセス可能に構成されている。
メカシャーシ5は、図5Aに示すような構成を有しており、1枚のディスク収納テーブル3と2台のディスクドライブ部4A,4Bを同時に搭載できる広さを有する略長方形をなす偏平の板材として構成されている。このメカシャーシ5の中央部から一側へ少し偏倚した位置に、ディスク収納テーブル3を回転自在に支持するためのテーブル軸受部材11が配置されており、このテーブル軸受部材11にディスク収納テーブル3が回転自在に支持されている。
テーブル軸受部材11は、図3及び図4に示すように、メカシャーシ5の所定位置に固定ねじでねじ止めされて固定される固定部11aと、この固定部11aの略中央部に立設された支持軸部11bとを備えている。支持軸部11bは、先細の円錐筒状をなす軸体からなり、この支持軸部11bにディスク収納テーブル3の回転軸部3aが回転自在に嵌合されている。そして、回転軸部3aの端面中央を貫通して支持軸部11bの端面中央に螺合された取付ねじ12により回転軸部3aからのディスク収納テーブル3の抜け出しが防止されている。
ディスク収納テーブル3は、図1〜図4に示すように、中央に設けた円盤状の回転軸部3aと、この回転軸部3aの外周縁に連続して同心に設けた環状載置部3bとを備えて構成されている。環状載置部3bの上面には、回転軸部3aを中心として円周方向へ横並びとなるように第1番地から第400番地までの400個のディスク収納部14…14が設けられている。400個のディスク収納部14…14は、隣り合うディスク収納部14,14間に上方に突出する放射状のリブ15…15を立設することにより、360°/400(=0.9°)の角度間隔をもって放射状に形成されている。そして、各ディスク収納部14のディスク2と接触する載置面は、ディスク2の外周縁に見合う曲率半径を有する円弧状の凹部として形成されている。これらのディスク収納部14にディスク2の下端部を嵌合することにより、各ディスク収納部14において1枚ずつディスク2を略垂直に立てた状態で支持することができる。
更に、ディスク収納テーブル3は、環状載置部3bの外周縁に連続して半径方向外側へ突出するリング状の番地表示部16を有しており、この番地表示部16には、400個のディスク収納部14…14に対応した番地が数字や符号等の形で表示されている。番地表示部16の裏面には、ディスク収納テーブル3を回転駆動するためのギア歯17が全周に亘って設けられている。また、環状載置部3bの裏面には、中央の回転軸部3aを中心にして同心円状に配置された第1から第4までの4つの環状凸部18,19,21,22が設けられている。
最外周に設けた第1の環状凸部18には、上記ギア歯17が設けられている。外側から2番目の第2の環状凸部19には、ディスク収納部14の400番地に対応する400個のスリット(以下「小番地検出用スリット」という。)が設けられている。小番地検出用スリットは、すべてが同一幅で等間隔に設定されている。外側から3番目の第3の環状凸部21には、ディスク収納部14の400番地の1/10(40番地)に対応する10個のスリット(以下「大番地検出用スリット」という。)が設けられている。大番地検出用スリットは、間隔が徐々に大きくなるように設定されており、その間隔の大小によって10の領域を識別できるようになっている。最内周に設けた第4の環状凸部22は、ディスク収納テーブル3をメカシャーシ5側から支えるもので、図示しないテーブル支持ローラによって支持され、ディスク収納テーブル3が円滑に回転できるようにしている。
メカシャーシ5に回転自在に支持されたディスク収納テーブル3に関連してディスク記録再生装置1には、図示しないが、ディスク有無検出部と番地検出部が設けられている。ディスク有無検出部は、選択された所望の番地のディスク収納部14にディスク2が収納されているか否かを検出するものである。このディスク有無検出部は、例えば、発光部と受光部とからなるフォトセンサによって構成される。発光部をディスク収納テーブル3の外側に配置すると共に、ディスク収納部14を挟んでディスク収納テーブル3の内側に受光部を配置し、ディスク収納部14に設けた切欠き部を経て発光部の光を受光部で検出できるようにする。このように構成することにより、ディスク収納部14にディスク2が収納されている場合には、発光部から発射された検出光がディスク2により遮断されて受光部で受光されないため、そのディスク収納部14にディスク2があることを検出することができる。
番地検出部は、例えば、ディスク収納テーブル3の第2の環状凸部19に設けた小番地用スリットを検出する一又は二以上のフォトセンサと、第3の環状凸部21に設けた大番地用スリットを検出する一のフォトセンサとを備えて構成される。大番地用スリットを検出する大番地用フォトセンサにより、40番地を一単位とする10の大番地を検出することができる。また、小番地用スリットを検出する小番地用フォトセンサにより、1番地から40番地までの小番地を検出することができる。そして、大番地と小番地の両者を検出することにより、第1番地から第400番地までのすべての番地を検出することが可能となっている。
図1、図2及び図14に示すように、2台のディスクドライブ部4A,4Bは、メカシャーシ5のディスク収納テーブル3が搭載された側と反対側において、メカシャーシ5の幅方向に所定の隙間をあけて配置されている。2台のディスクドライブ部4A,4Bは同様の構成を有するものであり、ディスク回転部24と光学ピックアップ25とピックアップ移動部26とディスクローディング部27等を備えて構成されている。ディスク回転部24は、例えば、スピンドルモータ37と、その回転軸に固定されたターンテーブル37aと、ターンテーブル37aに固定されたマグネットとの間でディスクを挟持するチャッキング用のクランパー36aとによって構成されている。
光学ピックアップ25は、ディスク2の情報記録面に臨む対物レンズと、その対物レンズをフォーカス方向やトラッキング方向に移動させる二軸アクチュエータ等を備えて構成されている。ピックアップ移動部26は、光学ピックアップ25を、ディスク回転部24に保持されているディスク2の半径方向に移動させるもので、送りねじや電動モータ、ガイドバー等を備えて構成されている。また、ディスクローディング部27は、ターンテーブル37aを有する第1のフレーム部材35と、クランパー36aを有する第2のフレーム部材36とによって構成されている。
第1のフレーム部材35には、スピンドルモータ37や、図示しない光学ピックアップ及びその光学ピックアップをスピンドルモータ37に対して接近及び離反させるピックアップ移動部等が設けられている。また、第2のフレーム部材36には、ターンテーブル37aとの間でディスク2をチャッキングするチャッキング用のクランパー36aが回転自在に支持されている。第1のフレーム部材35と第2のフレーム部材36は、所定の間隔をあけて略平行に配置されていて、一側の間隔を広狭変化させることによりローディング及びアンローディング動作が可能なように構成されている。
即ち、第1のフレーム部材35と第2のフレーム部材36は、ターンテーブル37aとクランパー36aを対向させた状態で配置され、ターンテーブル及びクランパーと反対側の一側部が、夫々枢軸38a,38bによってベース部材52に回動可能に支持されている。第1のフレーム部材35の枢軸38aと反対側の自由端の上部には第1のカム係合ピン41が設けられており、その第1のカム係合ピン41が、回転カム40の上面に設けられた上カム溝42に摺動可能に係合されている。第2のフレーム部材36の枢軸38bと反対側の自由端の下部には第2のカム係合ピン43が設けられており、その第2のカム係合ピン43が、カムプレート44に設けられたカム溝45に摺動可能に係合されている。
回転カム40は、円筒状に形成された円筒カム体46と、この円筒カム体46の下端に一体に設けられたカムギア47とを有している。円筒カム体46の上面には上カム溝42が設けられ、円筒カム体46の周面にはローディング部回動操作用の側面カム溝が設けられ、円筒カム体46の下面にはカムプレート操作用の下カム溝49が設けられている。
回転カム40を回転させると、上カム溝42の回転により、この上カム溝42に係合されている第1のカム係合ピン41の移動により第1のフレーム部材35が回動される。この第1のフレーム部材35の回動に連動して、下カム溝49に係合されている第2のカム係合ピン43の移動によりカムプレート44の動作を介して第2のフレーム部材36が回動される。この第1のフレーム部材35と第2のフレーム部材36の回動により、ターンテーブル37aとクランパー36aが接近又は離反される。即ち、ターンテーブル35aとクランパー36aが接近することにより、クランパー36a等に収納されているマグネットの磁力により吸着されてディスク2がターンテーブル37aとクランパー36aとでチャッキングされる。また、ターンテーブル37aとクランパー36aが離反することにより、マグネットの磁力に抗してクランパー36aがターンテーブル37aから引き離され、ディスク2のチャッキングが解除される。
ディスクドライブ部4Aは、ドライブ移動部6A(ディスクドライブ部4Bの場合は、ドライブ移動部6B)に搭載されており、その状態でディスク収納テーブル3に対して接近及び離反可能に構成されている。ドライブ移動部6A(ドライブ移動部6Bの場合も同様の構成となっている。)は、図5及び図10等に示すような構成を備えている。即ち、ドライブ移動部6Aは、スライド部材51と、このスライド部材51に搭載されるベース部材52と、スライド部材51等を所定の距離だけ進退移動させる駆動制御部53等を備えて構成されている。そして、スライド部材51の移動を規制して直線的に進退動作させるためのガイド溝54A,54Bがメカシャーシ5に設けられている。
スライド部材51は、図6A,6B,6Cに示すような構成を有している。即ち、スライド部材51は、略長方形をなす板状のスライダ55と、このスライダ55に回転自在に設けられた4個の走行ローラ56…56と、同じくスライダ55に回転自在に設けられた4個の転動ローラ57…57とを有している。スライダ55は、一面の幅方向中央部に長手方向に延びる溝を形成することによって幅方向の両側部に設けた突条部55a,55aを有しており、各突条部55aの突側と反対側の角部に斜面部55b,55bが設けられている。
突条部55a,55aの四隅には、走行ローラ56を収納可能な垂直穴58aを設けている。そして、走行ローラ56の下端部を突条部55aの下面から少し突出させた状態で側方から支持ねじ59を挿入することにより、走行ローラ56が回転自在に支持されている。また、4つの走行ローラ56…56の内側の斜面部55b,55bに、転動ローラ57を収納可能な斜方穴58bを設けている。そして、転動ローラ57の上端部を斜面部55bから少し突出させた状態で斜方から支持ねじ61を挿入することにより、転動ローラ57が回転自在に支持されている。
このような構成を有するスライド部材51が、図10〜図13等に示すように、メカシャーシ5のガイド溝54Aに嵌合されている。ガイド溝54Aの長手方向の長さは、スライド部材51の長手方向の長さに、スライド部材51のスライド距離を加えた長さを有している。また、ガイド溝54Aの幅方向の長さは、スライド部材51の幅方向の長さより少し大きく形成されている。ガイド溝54Aの幅方向の両側に、ガイド溝54Aの長手方向に沿って延在された2つの長溝62,62が設けられている。2つの長溝62,62には、それぞれスライド押え部材63,63が嵌合されている。
スライド押え部材63は、図7A,図7Bに示すような形状を有している。即ち、スライド押え部材63は、長溝62に嵌り合う大きさを有する棒状の部材からなり、その幅方向の一側には、転動ローラ57が転がり接触される斜面部65が設けられている。斜面部65は、スライド部材51の組立状態において、スライダ55の斜面部55bとの間に所定の隙間をあけて略平行をなすように形成されている。スライド押え部材63には、複数のねじ挿入穴66が設けられており、これらに挿入される複数の固定ねじ64によってメカシャーシ5に締め付け固定されている。
スライド部材51の組立状態において、スライド部材51の4つの走行ローラ56…56は、ガイド溝54Aの底面に転がり接触される。また、スライド部材51の4つの転動ローラ57…57は、スライド押え部材63の斜面部65に転がり接触される。これにより、スライド部材51の移動時の摺動摩擦抵抗を少なくしてスライド部材51の進退動作をスムース且つ正確に直線移動させることができる。このスライド部材51の上にベース部材52が搭載され、そのベース部材52が複数の固定ねじ67によってスライド部材51に締め付け固定されている。
ベース部材52は、図8A,図8Bに示すような形状・構成を有している。即ち、ベース部材52は、ディスクドライブ部4Aや後述するディスク間隔押開き部やディスク搬送部等が搭載されるスペースを有するベース部52aと、このベース部52aの周囲を囲う側面壁52bを有している。側面壁52bの一側であるディスク収納テーブル3側となる前部は、ディスク収納テーブル3の下に入り込むことができるように低く形成されている。ベース部52aには、回転カム40を回転自在に支持するためのカム支持軸68と、回転カム40を回転動作させる大径ギア69を回転自在に支持するためのギア支持軸71等が立設されている。
図2及び図8Bに示すように、ベース部52aには、電動モータの回転運動をベース部52aの直線運動に変換する第1のカム長穴72Aと第2のカム長穴72Bとが設けられている。第1のカム長穴72Aはベース部52aの幅方向の一側に設けられ、第2のカム長穴72Bはベース部52aの幅方向の他側に設けられている。第1のカム長穴72Aは第1のドライブ移動部6Aのためのものであり、第2のカム長穴72Bは第2のドライブ移動部6Bのためのものである。第1のカム長穴72A及び第2のカム長穴72Bは、ベース部材52がスライド部材51と共に移動する方向と直交する方向に直線状に延在されている。この第1のカム長穴72A(又は第2のカム長穴72B)に摺動可能に係合されるカムピン73を有するスライドギア74の回転運動に基づきベース部材52が所定の範囲内で前進運動又は後退運動される。
スライドギア74は、図9A,図9Bに示すような形状・構成を有している。即ち、スライドギア74は、適度な厚みを有し且つ全周に亘って歯を設けた円盤状の部材からなり、その一面には軸受部74aと2つの位置検出突起74b,74bが設けられている。軸受部74aはスライドギア74の中央に設定されていて、その中央にねじ挿通穴75が設けられている。2つの位置検出突起74b,74bは、軸受部74aを挟んで対称をなす位置に配置されている。位置検出突起74bは、スライド部材51の前進端と後進端を検出するもので、スライド部材51が所定の前端まで移動したときに前端検出スイッチをオンする。そして、スライド部材51の後退時に前端検出スイッチがオフされ、所定の後端まで移動したときに後端検出スイッチをオンし、その後前進動作に切り換えられたときに後端検出スイッチがオフされる。
なお、位置検出突起74b,74bを2つ設けた理由は、後述のようにスライドギア74が180度回転することでスライド部材51及びベース部材52が、前進端又は後進端のいずれかの先端まで到達するように構成されているからである。即ち、図示しない検出スイッチが横方向に左又は右のどちらから押されたかを識別して検出できるスイッチである場合に係る。そして、スライドギア74が時計回り又は反時計回りしたときに、2つの位置検出突起74b、74bが丁度180度回転することで、位置検出突起74bが検出スイッチに接触して、前端又は後端に到達したことを検出することができる。なお、本実施例では、検出スイッチが横方向に左又は右のどちらから押されたかを識別して検出できる1個の検出スイッチであっても、その役割によって前端検出スイッチ又は後端検出スイッチとすることができる。
更に、本実施例では、スライドギア74に設けられた2つの位置検出突起74b、74bによって前端又は後端に到達したことを検出したが、スライド部材51及びベース部材52に位置検出のための構造部を設けて検出する方法等を用いてもよい。
このスライドギア74に、カムピン73が一体的に設けられている。そのため、スライドギア74には、2つのねじ孔77,77が設けられている。2つのねじ孔77,77は、2つの位置検出突起74b,74bを避けた位置で、軸受部74aを挟んで対称をなす位置に配置されている。カムピン73は、ねじ孔77に螺合されるねじ軸部73aを有しており、そのねじ軸部73aをねじ孔77に螺合することにより、位置検出突起74bと反対側に突出するように構成されている。なお、ねじ孔77,77を2つ設けた理由は、左右対称の配置構造となる第2のディスクドライブ部4Bにも使用できるようにするためである。
このスライドギア74を収納するための凹部78と、スライドギア74に回転力を伝達するギアを収納するための凹部79とが、メカシャーシ5に設けられている。第2のディスクドライブ部4Bの2つの凹部78,79は、第1のディスクドライブ部4A用の2つの凹部78,79に対して隣接するように2つのガイド溝54A,54B間に配置されている。第1の凹部78の中央部にはねじ孔78aが設けられており、ねじ挿通穴75に挿通される枢軸ねじ76をねじ孔78aに螺合して締付固定することにより、スライドギア74が第1の凹部78内に回転自在に取り付けられている。
図10に示すように、第1の凹部78に設けたねじ孔78aの位置は、第1のカム長穴72Aが延在する方向と直交する方向であって、第1のカム長穴72Aからの距離がスライドギア74Aの中心からカムピン73の中心までの長さに相当する位置である。第2のドライブ移動部6Bの場合、第1の凹部78のねじ孔78aの位置は、第2のカム長穴72Bが延在する方向と直交する方向であって、第2のカム長穴72Bからの距離がスライドギア74Bの中心からカムピン73の中心までの長さに相当する位置である。
図2に示すように、ドライブ移動部6Aの場合、カム長穴72Aに係合しているカムピン73がスライドギア74Aの回転中心よりディスク収納テーブル3に近い側であって、カム長穴72Aの最外端に位置するとき、ドライブ移動部6Aは最先端の位置にある。このときのドライブ移動部6Aの位置は、図示しない先端検出スイッチによって検出される。この状態から、スライドギア74Aが図2において時計方向に回転すると、スライドギア74Aと一体のカムピン73がカム長穴72Aに沿ってベース部材52の内側に移動する。このとき、スライドギア74Aの回転中心からカムピン73までの距離が不変であるため、スライドギア74Aの回転量に応じて、ベース部材52がディスク収納テーブル3から離反する方向へ移動(後退)する。
スライドギア74Aが時計方向に90度回転すると、カムピン73がカム長穴72Aの最内端に到達する。このとき、ベース部材52は、その移動ストローク量Lの前半分(L/2)を後退する。更に、スライドギア74Aが時計方向に回転を続けると、カムピン73の移動方向が反転し、カム長穴72Aにガイドされてベース部材52の外側に移動する。これにより、スライドギア74Aの回転量に応じて、ベース部材52がディスク収納テーブル3から離反する方向へ移動(後退)する。そして、スライドギア74Aが時計方向に180度回転したところで、カムピン73がカム長穴72Aの最外端に到達する。このとき、ベース部材52は、その移動ストローク量Lの後半分(L/2)を後退する。このときのドライブ移動部6Aの位置は、図示しない後端検出スイッチによって検出される。
第1のドライブ移動部6Aが前進する場合は、スライドギア74Aを逆転させる(図2において反時計方向に回転)ことにより、後退時と同様の動作を介して実現される。また、第2のドライブ移動部6Bの場合、スライドギア74Bと第2のカム長穴72Bとが第1のドライブ移動部6Aと逆側に配置されているため、スライドギア74Bの回転方向が逆方向となるが、その他の動作は同様である。
本実施例の場合、スライド部材51に4つの走行ローラ56…56を設ける構成としたため、メカシャーシ5との間の摺動摩擦抵抗を極めて少なくすることができ、小さな外力を持って進退動作させることが可能である。しかも、スライド部材51の走行ローラ56と反対側の角に斜面部55b,55bを設け、その斜面部55bから転動ローラ57の一部を露出させてスライド押え部材63の斜面部65に摺動接触させる構成とした。そのため、2つのスライド押え部材63,63の2つの斜面部65,65によるクサビ作用を利用して、ドライブ移動部6A(及び6B)の直進性能の向上を図ることができる。
第1のドライブ移動部6Aを進退動作させる駆動制御部81Aと、第2のドライブ移動部6Bを進退動作させる駆動制御部81Bは、その構成部品及び動作は同様であるが、その配置が若干異なっている。そこで、第1の駆動制御部81Aの構成部品には各符号にAを付して説明し、第2の駆動制御部81Bの構成部品には同じ符号にBを付すか若しくは同じ符号を付して、重複した説明を省略する。
図10〜図12に示すように、第1の駆動制御部81Aは、電動モータ82Aと、この電動モータ82Aの回転力を伝達するギア列83Aと、スライドギア74Aとによって構成されている。電動モータ82Aは、回転軸を垂直に立てた状態でメカシャーシ5に固定されており、その回転軸の先端に出力ギア82aが固定されている。ギア列83Aは、第1のギア84と、第2のギア85と、第3のギア86と、第4のギア87とによって構成されている。第1のギア84は、メカシャーシ5に回転自在に支持されていて、出力ギア82aと第2のギア85とに噛合されている。第2のギア85は、ギアベース88に設けた第1の支持軸88aに回転自在に支持されていると共に、取付ねじ89aで固定された座金91aによって抜け止めされている。
第2のギア85は、筒軸部に設けた小径ギア85aを有しており、その小径ギア85aに第3のギア86が噛合されている。第3のギア86は、ギアベース88に設けた第2の支持軸88bに回転自在に支持されていると共に、取付ねじ89bで固定された座金91bによって抜け止めされている。ギアベース88は、図示しない固定ねじによってメカシャーシ5に固定されている。第3のギア86の筒軸部には小径ギア86aが設けられており、その小径ギア86aに第4のギア87が噛合されている。第4のギア87は、メカシャーシ5の凹部79に配置されていて、枢軸ねじ92によってメカシャーシ5に回転自在に支持されている。第4のギア87は小径ギア87aを有しており、その小径ギア87aに、メカシャーシ5の凹部78に配置されているスライドギア74Aが噛合されている。
第1のドライブ移動部6Aでは、スライドギア74Aの上面側に立設されたカムピン73が、ベース部材52に設けた一対のカム長穴72A,72Bのうち左側部に位置する第1のカム長穴72Aに摺動可能に係合されている。これに対して、第2のドライブ移動部6Bでは、スライドギア74Bの上面側に立設されたカムピン73が、ベース部材52に設けた一対のカム長穴72A,72Bのうち右側部に位置する第2のカム長穴72Bに摺動可能に係合されている。ベース部材52に設けた第1のカム長穴72Aと、第1のスライドギア74Aに設けたカムピン73とによって第1の駆動制御部81Aの運動変換部が構成されている。そして、ベース部材52に設けた第2のカム長穴72Bと、第2のスライドギア74Bに設けたカムピン73とによって第2の駆動制御部81Bの運動変換部が構成されている。
第1のドライブ移動部6A及び第2のドライブ移動部6Bの動作は、例えば、次のようなものである。図11は、第1のディスクドライブ部4A及び第2のディスクドライブ部4Bが共に後退端(ディスク収納テーブル3から最も離反した位置)に移動している状態を示している。そして、図12は、第1のディスクドライブ部4A及び第2のディスクドライブ部4Bが共に前進端(ディスク収納テーブル3に最も接近した位置)に移動している状態を示している。
図11に示す状態から、第1のドライブ移動部6Aの駆動制御部81Aの電動モータ82Aを駆動すると、その出力軸の回転力が出力ギア82aから第1のギア列83Aの第1のギア84に入力される。第1のギア84に伝達された回転力は、複数のギア85,86を介して第4のギア87から第1のスライドギア74Aに伝達される。そして、第1のスライドギア74Aが、図11において反時計方向へ180度回転すると、カムピン73が第1のカム長穴72Aに沿って1往復し、その第1のカム長穴72Aの外側部の位置に戻る。これにより、ベース部材52が、第1のスライドギア74Aの回転中心からカムピン73の中心までの距離の2倍の距離だけディスク収納テーブル3に近づく方向へ移動し、図12に示す前進端に到達する。
この動作は、第2のドライブ移動部6Bの場合には、駆動制御部81Bの電動モータ82Bの回転方向が逆方向(本実施例では反時計方向)となり、その回転力が第2のギア列83Bを介して第2のスライドギア74Bに伝達される。第2のスライドギア74Bが、図11において時計方向へ180度回転すると、カムピン73が第2のカム長穴72Bに沿って1往復し、その第2のカム長穴72Bの外側部の位置に戻る。これにより、ベース部材52が、第2のスライドギア74Bの回転中心からカムピン73の中心までの距離の2倍の距離だけディスク収納テーブル3に近づく方向へ移動し、図12に示す前進端に到達する。
第1のドライブ移動部6A及び第2のドライブ移動部6Bが、前進端から後退端まで移動するときの動作は、電動モータ82A及び電動モータ82Bを逆回転させることによって実現される。そのため、電動モータ82A及び電動モータ82Bには、スライドギア74A,74Bを時計方向及び反時計方向の何れにも回転させることができる正回転及び逆回転が可能なモータが用いられている。図12において、第1のドライブ移動部6Aの場合には、電動モータ82Aの回転軸を反時計方向に回転させ、第2のドライブ移動部6Bの場合には、電動モータ82Bの回転軸を時計方向に回転させるようにする。
これにより、第1の駆動制御部81Aでは、スライドギア74Aが時計方向に180度回転するため、ベース部材52が前進端から後退端まで移動する。一方、第2の駆動制御部81Bでは、スライドギア74Bが反時計方向に180度回転するため、ベース部材52が前進端から後退端まで移動する。このときの第1のディスクドライブ部4Aの前進端が、スライドギア74Aに設けた2つの位置検出突起74b,74bのうち一方の位置検出突起74bが前端位置検出センサを動作させることによって検出される。また、他方の位置検出突起74bが後端位置検出センサを動作させることにより、第1のディスクドライブ部4Aの後退端が検出される。この第1のディスクドライブ部4Aの前進端及び後退端の位置検出は、第2のディスクドライブ部4Bの場合も同様である。
第1の駆動制御部81A及び第2の駆動制御部81Bの近傍には、ディスク収納テーブル3を回転駆動するためのテーブル駆動制御部93が設けられている。テーブル駆動制御部93は、図13に示すような構成を有している。即ち、テーブル駆動制御部93は、電動モータ94と、この電動モータ94の回転力を伝達するギア列95とを備えて構成されている。電動モータ94は、ディスク収納テーブル3を時計方向及び反時計方向の何れにも回転させることができるように正回転及び逆回転が可能なモータが用いられている。電動モータ94は、回転軸を垂直に立てた状態でメカシャーシ5に固定されていて、その回転軸の先端に出力ギア94aが固定されている。ギア列95は、第1のギア96と、第2のギア97と、第3のギア98と、第4のギア99とによって構成されている。
第1のギア96と第2のギア97と第3のギア98と第4のギア99は、メカシャーシ5に固定される図示しないギア支持軸ベースに立設された4本の支持軸にそれぞれ回転自在に支持されている。第1のギア96は、出力ギア94aと第2のギア97とに噛合されている。第2のギア97は、筒軸部に設けた小径ギア97aを有しており、その小径ギア97aに第3のギア98が噛合されている。第3のギア98は小径ギア98aを有しており、その小径ギア98aに第4のギア99が噛合されている。第4のギア99は駆動ギア99aを有しており、その駆動ギア99aが、ディスク収納テーブル3の外周縁に設けた第1の環状凸部18に形成されたギア歯17に噛合されている。
テーブル駆動制御部93の動作は、例えば、次のようなものである。図13は、ディスク収納テーブル3が回転可能な状態を示しており、ディスク収納テーブル3の回転動作は、2組のドライブ移動部6A,6Bのベース部材52等が共に後退端に移動したときにのみ回転可能とされている。その理由は、ディスク装着部にディスク2がチャッキングされている場合、ベース部材52等が前進端又は移動範囲の中間位置にあるときには、そのディスクの一部がディスク収納部14に収納されているディスク2の一部と平面方向において重なり合う。そのため、これらのディスクが重なり合わなくなる後退端までベース部材52等を後退させたときにのみ、ディスク収納テーブル3の回転動作を可能としたものである。
図13において、電動モータ94の回転軸を図示した矢印のように時計方向に回転させると、その回転力が出力ギア94aからギア列95を介してディスク収納テーブル3のギア歯17に伝達される。これにより、ディスク収納テーブル3が、図13において反時計方向に回転駆動される。一方、電動モータ94の回転軸を図示した矢印と逆側の反時計方向に回転させると、その回転力が出力ギア94aからギア列95を介してディスク収納テーブル3のギア歯17に伝達される。これにより、ディスク収納テーブル3が、図13において時計方向に回転駆動される。なお、第1のディスクドライブ部4A及び第2のディスクドライブ部4Bの回転動作は、これらが前進端に位置する場合でも可能である。
このような構成を有するディスクドライブ部4A,4Bが、ドライブ移動部6A,6Bのベース部材52に夫々搭載されて、ディスク収納テーブル3に対して直線的に接近及び離反可能に構成されている。各ドライブ移動部6A,6Bのベース部材52には、ディスク収納テーブル3を位置決めして仮固定するテーブルロック部31と、ディスクドライブ部4A,4Bの動作を補助するディスク間隔押開き部32及びディスク搬送部33等が設けられている。
図3,図4,図15〜19に示すように、テーブルロック部31は、ディスク2の搬送時にディスク収納テーブル3をロックし、選択された所望のディスク収納部14をディスクドライブ部4A,4Bに対して位置決めすることで、該当するディスク2を取出可能な状態にするものである。また、ディスク間隔押開き部32は、ディスクドライブ部4A,4Bをディスク収納テーブル3に接近させる際に、選択されたディスク収納部14の両側に収納されているディスク2を外側にそれぞれ押し開くものである。そして、所望のディスク収納部に収納されているディスク2と、その両側に収納されているディスク2,2との間隔を広くして、所望のディスク2を容易に把持できるようにする。
テーブルロック部31は、メカシャーシ5に回動可能に支持された回動レバー101と、この回動レバー101に一体に設けられたロック部102と、回動レバー101を押圧して回動操作させる操作軸103とによって構成されている。また、ディスク間隔押開き部32は、回動レバー101と、この回動レバー101に一体に設けられた押開き片105と、操作軸103とによって構成されている。回動レバー101は、下端部が軸部101aによってメカシャーシ5に回動可能に支持されており、自由端側の上端にロック部102と押開き片105が一体的に設けられている。ロック部102は、ディスク収納テーブル3のギア歯17と対向するように配設され、押開き片105は、ディスク収納部14の外周縁側に臨むように配設されている。
回動レバー101は、図示しないコイルばねのばね力により、図15において反時計方向に付勢されている。これにより、回動レバー101は、常時は、ディスク収納テーブル3から離れる方向へ付勢されていて、ロック部102はギア歯17との間に所定の隙間をあけて対向され、押開き片105はディスク収納部14の半径方向外側に対向されている。この状態から、ドライブ移動部6Aがディスク収納テーブル3に近づく方向へ移動すると、ベース部材52に設けた操作軸103が回動レバー101に設けた軸受部106に入り込み、コイルばねのばね力に抗して回動レバー101を回動させる。
また、ディスク搬送部33は、ディスク間隔押開き部32によって押し広げられたスペース内に入り込み、選択されたディスクを把持して、ディスク収納部14のディスク収納位置とディスク装着部のディスク装着位置との間に搬送するものである。ディスク搬送部33は、操作軸103によってベース部材52に回動可能に支持されたクランプレバー107と、クランプレバー107の先端部に設けられた把持部108と、クランプレバー107を回動させて把持部108を開閉させるカム部とを有している。把持部108は、ディスク2の外周縁の表裏両面を把持する部分で、その把持状態で、操作軸103を中心にクランプレバー107を回動させることにより、ディスク2をディスク収納位置とディスク着脱位置との間に搬送することができる。このディスク2の搬送動作は、回転カム40を回転させてカム部を動作させ、把持部108を開閉させてディスク2をチャッキングした後クランプレバー107を回動させることによって実現される。
図16に示すように、ドライブ移動部6Aの移動の第1段階においては、回動レバー101のロック部102がディスク収納テーブル3のギア歯17に係合される。これにより、ディスク収納テーブル3の選択された番地のディスク収納部14が、ディスクドライブ部4Aの所定位置に位置合わせされる。このとき、ディスク間隔押開き部32の押開き片105は、隣り合うディスク収納部14との間に未だ入り込んでおらず、また、ディスク搬送部33のクランプレバー107は、当初の後方へ倒れた状態を維持している。この状態から、ディスクドライブ部4Aが最先端まで移動すると、図16に示す状態から図17に示す状態に変化する。
図17は、ディスクドライブ部4Aが最先端まで移動した状態を示しており、操作軸103が最先端まで移動することによって回動レバー101が略垂直に立ち上げられた状態となる。これにより、ロック部102がギア歯17に嵌まり込み、ディスク収納テーブル3がロックされる。この際に、ディスク間隔押開き部32の押開き片105が、隣り合うディスク収納部14との間に入り込み、選択されたディスク収納部14の両隣に位置するディスク収納部14,14に収納されているディスク2を夫々周方向外側へ押し開く。
このとき、カム部の作用によってクランプレバー107が略垂直に立ち上げられた状態となり、把持部108によって所望のディスク2の外周縁の一部が把持される。この状態から、操作軸103を回動中心としてクランプレバー107を外側(図17において反時計方向)へ回動する。これにより、図18に示すように、ディスク収納部14内に収納されていたディスク2を、ディスクドライブ部4Aのディスク装着部であるディスク着脱位置まで搬送することができる。
この状態から回転カム40が回転すると、第1のフレーム部材35と第2のフレーム部材36が回動され、ターンテーブル37aとクランパー36aとがディスク2を両側から挟持する。これにより、所望のディスク2がディスク装着部にチャッキングされ、そのディスク2に対する情報信号の再生或いは記録動作が可能となる。そこで、ディスクドライブ部4Aを動作させることにより、ディスク2に対する情報信号の再生又は記録を実行することができる。
なお、回転カム40を回転動作させる回転カム駆動部110は、図14に示すような構成を有している。即ち、回転カム駆動部110は、電動モータ111と、4枚のギアを有するギア列113とを備えて構成されている。電動モータ111は、回転軸を上下方向へ向けた状態でベース部材52の後部にねじ止めされている。電動モータ111には、回転カム40を時計方向及び反時計方向の何れにも回転させることができるように正回転及び逆回転が可能なモータが用いられている。この電動モータ111の回転軸に出力ギア112が固定されている。
ギア列113は、4枚のギア114〜117を有しており、第1のギア114が出力ギア112と第2のギア115に噛合されている。第2のギア115は小径ギア115aを有しており、その小径ギア115aが第3のギア116に噛合されている。第3のギア116は小径ギア116aを有しており、その小径ギア116aが第4のギア117に噛合されている。第4のギア117は小径ギア117aを有しており、その小径ギア117aが回転カム40のカムギア47に噛合されている。このギア列113を介して電動モータ111の回転力が回転カム40に伝達され、回転カム40の回転動作により第1のフレーム部材35と第2のフレーム部材36等が動作され、ディスクのローディングやアンローディング等が実行される。
ディスクドライブ部4A,4Bによる情報信号の記録や再生は、ドライブ移動部6A,6Bの動作如何に係らず、いずれの位置においても行うことができる。即ち、ディスクドライブ部4A,4Bが後退端にある場合は勿論のこと、図18に示すように、ディスクドライブ部4A,4Bをディスク収納テーブル3に最も近づけた前進端においても行うことができる。
ディスクドライブ部4A,4Bが前進端に位置する場合において、ディスク2の搬送距離は、クランプレバー107を70°程度回動させただけの距離である。そのため、ディスク2に対するアクセスタイムを極めて短くすることができ、アクセスタイムの向上を図ることができる。なお、図18に示す状態では、ディスク収納テーブル3を回転操作することはできない。ディスクドライブ部4Aに装着されているディスク2の一部が、ディスク収納テーブル3に収納されているディスク2の一部と重なり合っているためである。この状態でディスク収納テーブル3を回転すると、ディスク装着部24に装着されているディスク2とディスク収納部14に収納されているディスク2とが衝突することになるからである。
1台のディスクドライブ部(例えば、4A)でディスク2を記録・再生しているときに、他のディスクドライブ部(例えば、4B)に、ディスク収納テーブル3内にある所望のディスク2をセットする場合には、ディスクドライブ部4Aを後退端まで移動させる。図19は、ディスクドライブ部4A(又は4B)にディスク2をセットした状態のまま、そのディスクドライブ部4Aを後退端まで移動した状態を示している。
ディスクドライブ部4Aが後退端まで移動すると、ディスク装着部24に装着されているディスク2とディスク収納部14に収納されているディスク2との重なり合いが完全に解消される。これと共に、ベース部材52の後退動作によって操作軸103が回動レバー101の軸受部106から抜け出すことにより回動レバー101の支持が解除される。そして、リターンばねのばね力により軸部101aを回動中心として回動レバー101がディスク収納テーブル3から離れる方向へ回動される。これにより、ディスク間隔押開き部32の押開き片105による隣接するディスク収納部14,14に収納されているディスク2を周方向外側へ押し開く力が解除され、また、ロック部102がギア歯17から外れてディスク収納テーブル3のロックが解除される。
その結果、ディスク収納テーブル3が回転方向へフリーな状態となり、ディスク収納テーブル3が回転しても、そのディスク収納部14に収納されているディスク2がディスク装着部24に装着されているディスク2と干渉するおそれはない。そこで、ディスク収納テーブル3を回転させ、所望のディスク収納部14をディスクドライブ部4Bのディスク装着部24に対向させる。これにより、ディスクドライブ部4Bのディスク装着部24に対して、ディスク収納部14に収納されている所望のディスク2を装着することが可能となる。このディスクドライブ部4Bに対するディスク2の装着作業は、ディスクドライブ部4Aによる情報信号の記録又は再生中に行うことができ、しかも、ディスク2の装着を受けた位置でディスクドライブ部4Bによる情報信号の記録・再生が可能である。そして、ディスクドライブ部4Bを後退端へ移動させることにより、ディスクドライブ部4Bに対するディスク2の交換作業を行うことが可能となる。
従って、本実施例によれば、1枚目のディスク2に対するアクセスタイムを極めて早いものとすることができると共に2枚目のディスク2に対するアクセスタイムを不要とし、2枚以上のディスクに対する記録・再生動作を間断なく連続して行うことができる。このように、本実施例では、2台のディスクドライブ部4A,4B又は3台以上N台のディスクドライブ部4A,4B,4C…4Nに、ディスク収納テーブル3に対して近い位置と遠い位置とを取ることができるようにスライド機構を設ける構成とした。これにより、ディスクチェンジ動作におけるディスク搬送距離が最短となるように制御することができると共に、スライド動作の動作中においてもディスク装着部を回転及びその回転制御を行うことができる。従って、複数のディスクドライブ部を備えた記録及び/又は再生装置において、アクセスタイムを極めて早いものにできると共に、2枚以上のディスクに対する記録・再生動作を間断なく連続して行うことができる。
次に、本実施例に係る2台のディスクドライブ部4A,4Bを備えたディスク記録再生装置1の、代表的な3つの動作パターンについて説明する。
第1の動作パターンは、ディスク収納テーブル3にディスクドライブ部4A,4Bを接近させた状態において、本来の機能である記録再生機能を有効にして、テーブルの近くでディスク2を回転させて記録再生を行う場合である。
第2の動作パターンは、ディスク収納テーブル3からディスクドライブ部4A,4Bを離反させた状態において、本来の機能である記録再生機能を有効にして、テーブルから離れてからディスク2を回転させて記録再生を行う場合である。
第3の動作パターンは、第1及び第2の動作パターンから派生したもので、ディスク収納テーブル3にディスクドライブ部4A,4Bを近づけた状態で、記録再生機能を有効にし、テーブルの近くでディスク2を回転させる。しかしながら、ディスク2は低速で回転を開始し、ディスクドライブ部4A,4Bを移動して所定距離離れた状態で、ディスク2の高速回転を許可する場合である。
図22及び図23は、第1の動作パターンを説明する図である。図24及び図25は、第2の動作パターンを説明する図である。また、図26乃至図29は、第3の動作パターンを説明する図である。図22〜図29において、ユーザ指示は、ディスク記録再生装置1を操作する者の指示(処理状態)を現したもので、一般に、モード選択ダイヤル、操作ボタン、又は、外部接続されたコンピュータPC(図示しない)からのコマンドや信号等によって入力される。制御部(コントローラ)は、ユーザ指示に基づいてディスク記録再生装置1の動作を制御するもので、図示しないマイクロコンピュータ、ROMやRAM等の記憶装置、入出力装置等を備えて構成されている。
ドライブ1の記録再生部はディスクドライブ部4Aに対応するもので、ドライブ1の移動部はドライブ移動部6Aに対応するものである。同様に、ドライブ2の記録再生部はディスクドライブ部4Bに対応するもので、ドライブ2の移動部はドライブ移動部6Bに対応するものである。また、ディスク収納部は、ディスク収納テーブル3に対応するものである。
第1の動作パターンを示す図22において、ディスク記録再生装置1の初期状態では、第1のディスクドライブ部4Aは第1のドライブ移動部6Aの動作によってディスク収納テーブル3から離れた状態(例えば、後端部)にある(S11)。このとき、ディスクドライブ部4Aのディスク装着部24にはディスク2は装着されていない(D11)。同様に、第2のディスクドライブ部4Bは第2のドライブ移動部6Bの動作によってディスク収納テーブル3から離れた状態(例えば、後端部)にある(S21)。このとき、ディスクドライブ部4Bのディスク装着部24にもディスク2は装着されていない(D21)。一方、ディスク収納テーブル3の全てのディスク収納部14…14には、それぞれディスク2が1枚ずつ収納されているものとする(T1)。
この状態からユーザが、例えば、100番地のディスク収納部14に収納されているディスク2を選択し、操作ボタンや外部からのコマンド等を操作してディスク番号100のディスクの再生を入力する(Y1)。これにより、制御部がディスク番号100のディスク2をドライブ1で再生するための制御信号を出力する(C1)。その結果、ディスク収納テーブル3の100番地をドライブ1のディスク着脱位置に一致させるようにディスク収納テーブル3を回転駆動する(T2)。これの動作の後に連動するように、制御部が第1のドライブ移動部6Aに制御信号を出力し、第1のディスクドライブ部4Aをディスク収納テーブル3に近づける(S12)。そして、第1のディスクドライブ部4Aが前進端まで移動すると、テーブルロック部31が作動してディスク収納テーブル3をロックし、ドライブ1のディスク着脱位置に100番地のディスク収納部14を対向させて固定する(T3)。
次に、制御部の作動によりディスク搬送部33が、ディスク収納部14に収納されているディスク2を把持し、そのディスク収納位置からディスク装着部24のディスク着脱位置まで搬送する。そして、回転カム40が回転することにより、第1のフレーム部材35と第2のフレーム部材36の動作を介してディスク装着部24(ターンテーブル37aとクランパー36a)にディスク2がチャッキングされる(D12)。次いで、制御部から出力される制御信号に基づいて第1のディスクドライブ部4Aが駆動され、ディスク2が回転されて情報信号の読み出し(再生)が行われる(D13)。
この場合、ディスク2は、ディスク収納テーブル3に最も近づいた状態で回転駆動されるため、極めて早い時期に情報信号の再生動作を開始することができる。その一方、回転しているディスク2の近傍には、隣のディスク収納部14に収納されている他のディスク2が存在し、そのディスク2と部分的に重なって、接近した状態にある。そのため、例えば、ディスク装着部24に装着されているディスク2に大きな反りや歪みがあった場合、ディスク装着部24のディスク2を高速回転させると、他のディスク2と接触する可能性がある。このディスク相互の接触を防止する対策として、第1のディスクドライブ部4Aをディスク収納テーブル3から離反させることが有効である。
そこで、第1のディスクドライブ部4Aによるディスク2に対する再生動作が開始された後は、第1のディスクドライブ部4Aをディスク収納テーブル3から遠ざける制御をすることが好ましい。即ち、制御部からドライブ1の移動部に制御信号を出力し、ドライブ移動部6Aを後退動作させて、ディスクドライブ部4Aを後退端まで移動させる(S13)。この後退動作により、ディスク装着部24のディスク2が他のディスク2と接触する可能性を無くすことができる。また、第1のディスクドライブ部4Aが前進端から後退端に向けて移動すると、テーブルロック部31が作動してディスク収納テーブル3のロックが解除され、ディスク収納テーブル3は回転駆動が可能な状態になる。これにより、ディスク番号100のディスクに対する再生の開始処理が完了する(Y2)。
次に、図22において、ユーザが、例えば、200番地のディスク収納部14に収納されているディスク2を選択し、操作ボタンや外部からのコマンド等を操作してディスク番号200のディスクに対する情報信号の記録を入力する(Y3)。これにより、制御部がディスク番号200のディスク2をドライブ2で記録するための制御信号を出力する(C2)。その結果、ディスク収納テーブル3の200番地をドライブ2のディスク着脱位置に一致させるようにディスク収納テーブル3を回転駆動する(T4)。これの動作後に連動するように、制御部が第2のドライブ移動部6Bに制御信号を出力し、第2のディスクドライブ部4Bをディスク収納テーブル3に近づける(S22)。そして、第2のディスクドライブ部4Bが前進端まで移動すると、テーブルロック部31が作動してディスク収納テーブル3をロックし、ドライブ2のディスク着脱位置に200番地のディスク収納部14を対向させて固定する(T5)。
次に、制御部の作動によりディスク搬送部33が、ディスク収納部14に収納されているディスク2を把持し、そのディスク収納位置からディスク装着部24のディスク着脱位置まで搬送する。そして、回転カム40が回転することにより、第1のフレーム部材35と第2のフレーム部材36の動作を介してディスク装着部24にディスク2がチャッキングされる(D22)。次いで、制御部から出力される制御信号に基づいて第2のディスクドライブ部4Bが駆動され、ディスク2が回転されて情報信号の書き込み(記録)が行われる(D23)。
この場合、ディスク2は、ディスク収納テーブル3に最も近づいた状態で回転駆動されるため、極めて早い時期に情報信号の記録動作を開始することができる。その一方、回転しているディスク2の近傍にも、隣のディスク収納部14に収納されている他のディスク2が存在し、そのディスク2と部分的に重なって、接近した状態にある。そのため、仮にディスク装着部24に装着されているディスク2に大きな反りや歪みがあった場合、ディスク装着部24のディスク2を高速回転させると、他のディスク2と接触する可能性がある。そこで、ディスク相互の接触を防止する対策として、第2のディスクドライブ部4Bをディスク収納テーブル3から離反させることが好ましい。
そこで、第2のディスクドライブ部4Bによるディスク2に対する記録動作が開始された後は、第2のディスクドライブ部4Bをディスク収納テーブル3から遠ざける制御をすることが好ましい。即ち、制御部からドライブ2の移動部に制御信号を出力し、ドライブ移動部6Bを後退動作させて、ディスクドライブ部4Bを後退端まで移動させる(S23)。この後退動作により、ディスクドライブ部4Bをディスク収納テーブル3から離して、ディスク装着部24のディスク2が他のディスク2と接触する可能性を無くすことができる。また、第2のディスクドライブ部4Bが前進端から後退端に向けて移動すると、テーブルロック部31が作動してディスク収納テーブル3のロックが解除され、ディスク収納テーブル3は回転駆動が可能な状態になる。これにより、ディスク番号200のディスクに対する記録の開始処理が完了する(Y4)。
次に、図23に示すように、ユーザが、ディスク番号200のディスク2に対する情報の記録を終了するために、操作ボタンや外部からのコマンド等を操作してディスク番号200のディスク2に対する情報信号の記録を終了する(Y5)。これにより、制御部が、ディスクドライブ部4Bによるディスク2に対する情報記録を終了すると共にそのディスク2をディスク収納テーブル3のディスク番地200のディスク収納部14に返却するための制御信号を出力する(C3)。その結果、ディスク収納テーブル3の200番地をドライブ2のディスク着脱位置に一致させるようにディスク収納テーブル3を回転駆動する(T6)。これの動作後に連動するように、制御部が第2のドライブ移動部6Bに制御信号を出力し、第2のディスクドライブ部4Bをディスク収納テーブル3に近づける(S24)。そして、第2のディスクドライブ部4Bが前進端まで移動すると、テーブルロック部31が作動してディスク収納テーブル3をロックし、ドライブ2のディスク着脱位置に200番地のディスク収納部14を対向させて固定する(T7)。
これと連動するように、制御部からの制御信号の出力が停止されることによりドライブ2のディスクドライブ部4Bの動作が停止され、記録動作が終了する(D24)。更に、制御部の作動に基づき回転カム40が回転することにより、第1のフレーム部材35と第2のフレーム部材36の動作を介してディスク装着部24に装着されているディスク2のチャッキングが解除される。そして、制御部の作動に基づきディスク搬送部33が、ディスク装着部24に装着されているディスク2を把持し、そのディスク2をディスク着脱位置からディスク収納部14のディスク収納位置まで搬送し、ディスク収納部14に返却する(D25)。次いで、第2のドライブ移動部6Bが後退動作され、ディスクドライブ部4Bが後退端まで移動されてディスク収納テーブル3から引き離される(S25)。また、第2のディスクドライブ部4Bが後退端に向けて移動すると、テーブルロック部31が作動してディスク収納テーブル3のロックが解除され、再びディスク収納テーブル3は回転駆動が可能な状態になる。そして、ディスク番号200のディスク2に対する記録の終了処理が完了する(Y6)。
第2のディスクドライブ部4Bによるディスク番号200のディスク2に対する記録の開始から終了までの間、第1のディスクドライブ部4Aによるディスク番号100のディスク2に対する再生動作はそのまま継続される。従って、第2のディスクドライブ部4Bによるディスク2への情報記録は、第1のディスクドライブ部4Aによるディスク2に対する情報再生が実行されている間も行われており、2台のディスクドライブ部4A,4Bで記録と再生を同時に行うことができる。
次に、図23において、ユーザが、ディスク番号100のディスクに対する情報の再生を終了するために、操作ボタンや外部からのコマンド等を操作してディスク番号100のディスクに対する情報信号の再生を終了する(Y7)。これにより、制御部が、ディスクドライブ部4Aによるディスク2に対する情報再生を終了すると共にそのディスク2をディスク収納テーブル3のディスク番号100のディスク収納部14に返却するための制御信号を出力する(C4)。その結果、ディスク収納テーブル3の100番地をドライブ1のディスク着脱位置に一致させるようにディスク収納テーブル3を回転駆動する(T8)。これの動作後に連動するように、制御部が第1のドライブ移動部6Aに制御信号を出力し、第1のディスクドライブ部4Aをディスク収納テーブル3に近づける(S14)。そして、第1のディスクドライブ部4Aが前進端まで移動すると、テーブルロック部31が作動してディスク収納テーブル3をロックし、ドライブ1のディスク着脱位置に100番地のディスク収納部14を対向させて固定する(T9)。
これと連動するように、制御部からの制御信号の出力が停止されることによりドライブ1のディスクドライブ部4Aの動作が停止され、再生動作が終了する(D14)。更に、制御部の作動に基づき回転カム40が回転することにより、第1のフレーム部材35と第2のフレーム部材36の動作を介してディスク装着部24に装着されているディスク2のチャッキングが解除される。そして、制御部の作動に基づきディスク搬送部33が、ディスク装着部24に装着されているディスク2を把持し、そのディスク2をディスク着脱位置からディスク収納部14のディスク収納位置まで搬送し、ディスク収納部14に返却する(D15)。次いで、第1のドライブ移動部6Aが後退動作され、ディスクドライブ部4Aが後退端まで移動されてディスク収納テーブル3から引き離される(S15)。また、第1のディスクドライブ部4Aが後退端に向けて移動すると、テーブルロック部31が作動してディスク収納テーブル3のロックが解除され、再びディスク収納テーブル3は回転駆動が可能な状態になる。そして、ディスク番号100のディスク2に対する再生の終了処理が完了する(Y8)。
第2の動作パターンを示す図24において、ディスク記録再生装置1の初期状態では、第1のディスクドライブ部4Aは第1のドライブ移動部6Aの動作によってディスク収納テーブル3から離れた状態(例えば、後端部)にある(S111)。このとき、ディスクドライブ部4Aのディスク装着部24にはディスク2は装着されていない(D111)。同様に、第2のディスクドライブ部4Bは第2のドライブ移動部6Bの動作によってディスク収納テーブル3から離れた状態(例えば、後端部)にある(S211)。このとき、ディスクドライブ部4Bのディスク装着部24にもディスク2は装着されていない(D211)。一方、ディスク収納テーブル3の全てのディスク収納部14…14には、それぞれディスク2が1枚ずつ収納されているものとする(T11)。
この状態からユーザが、例えば、100番地のディスク収納部14に収納されているディスク2を選択し、操作ボタンや外部からのコマンド等を操作してディスク番号100のディスク2の再生を入力する(Y11)。これにより、制御部がディスク番号100のディスク2をドライブ1で再生するための制御信号を出力する(C11)。その結果、ディスク収納テーブル3の100番地をドライブ1のディスク着脱位置に一致させるようにディスク収納テーブル3を回転駆動する(T12)。これの動作後に連動するように、制御部が第1のドライブ移動部6Aに制御信号を出力し、第1のディスクドライブ部4Aをディスク収納テーブル3に近づける(S112)。そして、第1のディスクドライブ部4Aが前進端まで移動すると、テーブルロック部31が作動してディスク収納テーブル3をロックし、ドライブ1のディスク着脱位置に100番地のディスク収納部14を対向させて固定する(T13)。
次に、制御部の作動によりディスク搬送部33が、ディスク収納部14に収納されているディスク2を把持し、そのディスク収納位置からディスク装着部24のディスク着脱位置まで搬送する。そして、回転カム40が回転することにより、第1のフレーム部材35と第2のフレーム部材36の動作を介してディスク装着部24(ターンテーブル37aとクランパー36a)にディスク2がチャッキングされる(D112)。次いで、制御部からドライブ1の移動部に制御信号を出力し、ドライブ移動部6Aを後退動作させて、ディスクドライブ部4Aを後退端まで移動させる(S113)。この場合、ディスクドライブ部4Aを後退動作させることにより、ディスク装着部24に装着されているディスク2が、ディスク収納部14に収納されている他のディスク2と接触する可能性を無くすことができる。また、第1のディスクドライブ部4Aが前進端から後退端に向けて移動すると、テーブルロック部31が作動してディスク収納テーブル3のロックが解除され、ディスク収納テーブル3は回転駆動が可能な状態になる。
次に、制御部から出力される制御信号に基づいて第1のディスクドライブ部4Aが駆動され、ディスク2が回転されて情報信号の読み出し(再生)が行われる(D113)。この場合、ディスク2は、ディスク収納テーブル3から離れた状態で回転駆動されるため、そのディスク2が他のディスク2と接触するおそれをなくすことができ、情報の再生動作を安全に行うことができる。これにより、ディスク番号100のディスクに対する再生の開始処理が完了する(Y12)。
次に、図24において、ユーザが、例えば、200番地のディスク収納部14に収納されているディスク2を選択し、操作ボタンや外部からのコマンド等を操作してディスク番号200のディスクに対する情報信号の記録を入力する(Y13)。これにより、制御部がディスク番号200のディスク2をドライブ2で記録するための制御信号を出力する(C12)。その結果、ディスク収納テーブル3の200番地をドライブ2のディスク着脱位置に一致させるようにディスク収納テーブル3を回転駆動する(T14)。これの動作後に連動するように、制御部が第2のドライブ移動部6Bに制御信号を出力し、第2のディスクドライブ部4Bをディスク収納テーブル3に近づける(S212)。そして、第2のディスクドライブ部4Bが前進端まで移動すると、テーブルロック部31が作動してディスク収納テーブル3をロックし、ドライブ2のディスク着脱位置に200番地のディスク収納部14を対向させて固定する(T15)。
次に、制御部の作動によりディスク搬送部33が、ディスク収納部14に収納されているディスク2を把持し、そのディスク収納位置からディスク装着部24のディスク着脱位置まで搬送する。そして、回転カム40が回転することにより、第1のフレーム部材35と第2のフレーム部材36の動作を介してディスク装着部24にディスク2がチャッキングされる(D212)。次いで、制御部からドライブ2の移動部に制御信号を出力し、ドライブ移動部6Bを後退動作させて、ディスクドライブ部4Bを後退端まで移動させる(S213)。この後退動作により、ディスクドライブ部4Bをディスク収納テーブル3から離して、ディスク装着部24のディスク2が他のディスク2と接触するおそれをなくすことができ、情報の記録動作を安全に行うことができる。また、第2のディスクドライブ部4Bが前進端から後退端に向けて移動すると、テーブルロック部31が作動してディスク収納テーブル3のロックが解除され、ディスク収納テーブル3は回転駆動が可能な状態になる。
次に、制御部から出力される制御信号に基づいて第2のディスクドライブ部4Bが駆動され、ディスク2が回転されて情報信号の書き込み(記録)が行われる(D213)。この場合、ディスク2は、ディスク収納テーブル3から離れた状態で回転駆動されるため、そのディスク2が他のディスク2と接触するおそれをなくすことができ、情報の記録動作を安全に行うことができる。これにより、ディスク番号200のディスク2に対する記録の開始処理が完了する(Y14)。
次に、図25に示すように、ユーザが、ディスク番号200のディスク2に対する情報の記録を終了するために、操作ボタンや外部からのコマンド等を操作してディスク番号200のディスク2に対する情報信号の記録を終了する(Y15)。これにより、制御部が、ディスクドライブ部4Bによるディスク2に対する情報記録を終了すると共にそのディスク2をディスク収納テーブル3のディスク番地200のディスク収納部14に返却するための制御信号を出力する(C13)。その結果、ディスク収納テーブル3の200番地をドライブ2のディスク着脱位置に一致させるようにディスク収納テーブル3を回転駆動する(T16)。そして、制御部からの制御信号の出力が停止されることにより、ドライブ2のディスクドライブ部4Bの動作が停止され、記録動作が終了する(D214)。
次に、制御部が第2のドライブ移動部6Bに制御信号を出力し、第2のディスクドライブ部4Bをディスク収納テーブル3に近づける(S214)。そして、第2のディスクドライブ部4Bが前進端まで移動すると、テーブルロック部31が作動してディスク収納テーブル3をロックし、ドライブ2のディスク着脱位置に200番地のディスク収納部14を対向させて固定する(T17)。次いで、制御部から出力される制御信号に基づいて回転カム40が回転することにより、第1のフレーム部材35と第2のフレーム部材36の動作を介してディスク装着部24に装着されているディスク2のチャッキングが解除される。
次に、制御部の出力に基づきディスク搬送部33が、ディスク装着部24に装着されているディスク2を把持し、そのディスク2をディスク着脱位置からディスク収納部14のディスク収納位置まで搬送し、ディスク収納部14に返却する(D215)。次いで、第2のドライブ移動部6Bが後退動作され、ディスクドライブ部4Bが後退端まで移動されてディスク収納テーブル3から引き離される(S215)。また、第2のディスクドライブ部4Bが後退端に向けて移動すると、テーブルロック部31が作動してディスク収納テーブル3のロックが解除され、ディスク収納テーブル3は回転駆動が可能な状態になる。そして、ディスク番号200のディスク2に対する記録の終了処理が完了する(Y16)。
次に、図25において、ユーザが、ディスク番号100のディスク2に対する情報の再生を終了するために、操作ボタンや外部からのコマンド等を操作してディスク番号100のディスクに対する情報信号の再生を終了する(Y17)。これにより、制御部が、ディスクドライブ部4Aによるディスク2に対する情報再生を終了すると共にそのディスク2をディスク収納テーブル3のディスク番号100のディスク収納部14に返却するための制御信号を出力する(C14)。
その結果、制御部からの出力に基づいてディスク収納テーブル3の100番地をドライブ1のディスク着脱位置に一致させるようにディスク収納テーブル3を回転駆動する(T18)。次に、制御部からの制御信号の出力が停止されることによりドライブ1のディスクドライブ部4Aの動作が停止され、再生動作が終了する(D114)。この場合、ディスクドライブ部4Bによるディスク番号200のディスク2に対する記録の開始から終了までの間、ディスクドライブ部4Aによるディスク番号100のディスク2に対する再生動作はそのまま継続されている。従って、第1のディスクドライブ部4Aによるディスク2に対する再生動作は、第2のディスクドライブ部4Bによるディスク2への記録動作と並行して行われており、2台のディスクドライブ部4A,4Bで記録と再生を同時に行うことができる。
次に、制御部が第1のドライブ移動部6Aに制御信号を出力し、第1のディスクドライブ部4Aをディスク収納テーブル3に近づける(S114)。そして、第1のディスクドライブ部4Aが前進端まで移動すると、テーブルロック部31が作動してディスク収納テーブル3をロックし、ドライブ1のディスク着脱位置に100番地のディスク収納部14を対向させて固定する(T19)。
次いで、制御部から出力される制御信号に基づいて回転カム40が回転することにより、第1のフレーム部材35と第2のフレーム部材36の動作を介してディスク装着部24に装着されているディスク2のチャッキングが解除される。そして、制御部からの出力に基づきディスク搬送部33が、ディスク装着部24に装着されているディスク2を把持し、そのディスク2をディスク着脱位置からディスク収納部14のディスク収納位置まで搬送し、ディスク収納部14に返却する(D115)。次に、第1のドライブ移動部6Aが後退動作され、ディスクドライブ部4Aが後退端まで移動されてディスク収納テーブル3から引き離される(S115)。また、第1のディスクドライブ部4Aが後退端に向けて移動すると、テーブルロック部31が作動してディスク収納テーブル3のロックが解除され、ディスク収納テーブル3は回転駆動が可能な状態になる。そして、ディスク番号100のディスク2に対する再生の終了処理が完了する(Y18)。
第3の動作パターンを示す図26において、ディスク記録再生装置1の初期状態では、第1のディスクドライブ部4Aは第1のドライブ移動部6Aの動作によってディスク収納テーブル3から離れた状態(例えば、後端部)にある(S121)。このとき、ディスクドライブ部4Aのディスク装着部24にはディスク2は装着されていない(D121)。同様に、第2のディスクドライブ部4Bは第2のドライブ移動部6Bの動作によってディスク収納テーブル3から離れた状態(例えば、後端部)にある(S221)。このとき、ディスクドライブ部4Bのディスク装着部24にもディスク2は装着されていない(D221)。一方、ディスク収納テーブル3の全てのディスク収納部14…14には、それぞれディスク2が1枚ずつ収納されているものとする(T21)。
この状態からユーザが、例えば、100番地のディスク収納部14に収納されているディスク2を選択し、操作ボタンや外部からのコマンド等を操作してディスク番号100のディスク2の再生を入力する(Y21)。これにより、制御部がディスク番号100のディスク2をドライブ1で再生するための制御信号を出力する(C21)。その結果、ディスク収納テーブル3の100番地をドライブ1のディスク着脱位置に一致させるようにディスク収納テーブル3を回転駆動する(T22)。これの動作後に連動するように、制御部が第1のドライブ移動部6Aに制御信号を出力し、第1のディスクドライブ部4Aをディスク収納テーブル3に近づける(S122)。そして、第1のディスクドライブ部4Aが前進端まで移動すると、テーブルロック部31が作動してディスク収納テーブル3をロックし、ドライブ1のディスク着脱位置に100番地のディスク収納部14を対向させて固定する(T23)。
次に、制御部の作動によりディスク搬送部33が、ディスク収納部14に収納されているディスク2を把持し、そのディスク収納位置からディスク装着部24のディスク着脱位置まで搬送する。そして、回転カム40が回転することにより、第1のフレーム部材35と第2のフレーム部材36の動作を介してディスク装着部24(ターンテーブル37aとクランパー36a)にディスク2がチャッキングされる(D122)。次いで、制御部から出力される制御信号に基づいて第1のディスクドライブ部4Aが駆動され、ディスク2が低速で回転されて情報信号の読み出し(再生)が行われる(D123)。この場合、ディスク2は、ディスク収納テーブル3に接近した状態で回転駆動されるが、そのディスク2の回転は低速度であるため、他のディスク2と接触するおそれを少なくすることができる。
次に、制御部からドライブ1の移動部に制御信号が出力されることによりドライブ移動部6Aを後退動作させ、ディスクドライブ部4Aを後退端まで移動させる(S123)。また、第1のディスクドライブ部4Aが前進端から後退端に向けて移動すると、テーブルロック部31が作動してディスク収納テーブル3のロックが解除され、ディスク収納テーブル3は回転駆動が可能な状態になる。このようにディスクドライブ部4Aを後退動作させることにより、ディスク装着部24に装着されているディスク2が、ディスク収納部14に収納されている他のディスク2と接触する可能性を無くすことができる。そして、ディスクドライブ部4Aが後退端へ移動したところで、ディスクドライブ部4Aによるディスク2の回転速度を高速回転に切り換える(D124)。この場合、ディスク装着部24に装着されているディスク2が他のディスク2から十分に離されており、互いのディスク2が接触するおそれがないため、情報の再生を安全に行うことができる。これにより、ディスク番号100のディスクに対する再生の開始処理が完了する(Y22)。
次に、図27に示すように、ユーザが、例えば、200番地のディスク収納部14に収納されているディスク2を選択し、操作ボタンや外部のコマンド等を操作してディスク番号200のディスクに対する情報信号の記録を入力する(Y23)。これにより、制御部がディスク番号200のディスク2をドライブ2で記録するための制御信号を出力する(C22)。その結果、ディスク収納テーブル3の200番地をドライブ2のディスク着脱位置に一致させるようにディスク収納テーブル3を回転駆動する(T24)。これの動作後に連動するように、制御部が第2のドライブ移動部6Bに制御信号を出力し、第2のディスクドライブ部4Bをディスク収納テーブル3に近づける(S222)。そして、第2のディスクドライブ部4Bが前進端まで移動すると、テーブルロック部31が作動してディスク収納テーブル3をロックし、ドライブ2のディスク着脱位置に200番地のディスク収納部14を対向させて固定する(T25)。
次に、制御部の作動によりディスク搬送部33が、ディスク収納部14に収納されているディスク2を把持し、そのディスク収納位置からディスク装着部24のディスク着脱位置まで搬送する。そして、回転カム40が回転することにより、第1のフレーム部材35と第2のフレーム部材36の動作を介してディスク装着部24にディスク2がチャッキングされる(D222)。次いで、制御部から出力される制御信号に基づいて第2のディスクドライブ部4Bが駆動され、ディスク2が低速度で回転されて情報信号の書き込み(記録)が行われる(D223)。この場合、回転するディスク2の近傍には他のディスク2が存在するが、ディスク2の回転速度が低速度であるため、回転するディスク2が他のディスク2に接触するおそれを少なくすることができる。
次いで、制御部からドライブ2の移動部に制御信号を出力し、ドライブ移動部6Bを後退動作させて、ディスクドライブ部4Bを後退端まで移動させる(S223)。また、第2のディスクドライブ部4Bが前進端から後退端に向けて移動すると、テーブルロック部31が作動してディスク収納テーブル3のロックが解除され、ディスク収納テーブル3は回転駆動が可能な状態になる。この後退動作により、ディスクドライブ部4Bをディスク収納テーブル3から離して、ディスク装着部24のディスク2が他のディスク2と接触するおそれをなくすことができる。そして、ディスクドライブ部4Bが後退端へ移動したところで、ディスクドライブ部4Bによるディスク2の回転速度を高速回転に切り換える(D224)。この場合、ディスク装着部24に装着されているディスク2が他のディスク2から十分に離されており、互いのディスク2が接触するおそれがないため、情報の記録を安全に行うことができる。
これにより、ディスク番号200のディスクに対する記録の開始処理が完了する(Y24)。この場合、ドライブ1のディスクドライブ部4Aでは、ディスク番号100のディスク2に対する情報信号の再生動作が継続され、ドライブ2のディスクドライブ部4Bでは、ディスク番号200のディスク2に対する情報信号の記録動作が継続されている。
次に、図28に示すように、ユーザが、ディスク番号200のディスク2に対する情報の記録を終了するために、操作ボタンや外部からのコマンド等を操作してディスク番号200のディスク2に対する情報信号の記録を終了する(Y25)。これにより、制御部が、ディスクドライブ部4Bによるディスク2に対する情報記録を終了すると共にそのディスク2をディスク収納テーブル3のディスク番地200のディスク収納部14に返却するための制御信号を出力する(C23)。その結果、ディスク収納テーブル3の200番地をドライブ2のディスク着脱位置に一致させるようにディスク収納テーブル3を回転駆動する(T26)。そして、制御部からの制御信号の出力が低下されることにより、ドライブ2のディスクドライブ部4Bの回転速度が低速度に切り換えられる(D225)。
次に、制御部が第2のドライブ移動部6Bに制御信号を出力し、第2のディスクドライブ部4Bをディスク収納テーブル3に近づける(S224)。そして、第2のディスクドライブ部4Bが前進端まで移動すると、テーブルロック部31が作動してディスク収納テーブル3をロックし、ドライブ2のディスク着脱位置に200番地のディスク収納部14を対向させて固定する(T27)。そして、制御部からの制御信号の出力が停止されることにより、ドライブ2のディスクドライブ部4Bの動作が停止され、記録動作が終了する(D226)。次いで、制御部から出力される制御信号に基づいて回転カム40が回転することにより、第1のフレーム部材35と第2のフレーム部材36の動作を介してディスク装着部24に装着されているディスク2のチャッキングが解除される。
次に、制御部の出力に基づきディスク搬送部33が、ディスク装着部24に装着されているディスク2を把持し、そのディスク2をディスク着脱位置からディスク収納部14のディスク収納位置まで搬送し、ディスク収納部14に返却する(D227)。次いで、第2のドライブ移動部6Bが後退動作され、ディスクドライブ部4Bが後退端まで移動されてディスク収納テーブル3から引き離される(S225)。また、第2のディスクドライブ部4Bが後退端に向けて移動すると、テーブルロック部31が作動してディスク収納テーブル3のロックが解除され、再びディスク収納テーブル3は回転駆動が可能な状態になる。そして、ディスク番号200のディスク2に対する記録の終了処理が完了する(Y26)。
次に、図29において、ユーザが、ディスク番号100のディスク2に対する情報の再生を終了するために、操作ボタンや外部からのコマンド等を操作してディスク番号100のディスクに対する情報信号の再生を終了する(Y27)。これにより、制御部が、ディスクドライブ部4Aによるディスク2に対する情報再生を終了すると共にそのディスク2をディスク収納テーブル3のディスク番号100のディスク収納部14に返却するための制御信号を出力する(C24)。
その結果、制御部からの出力に基づいてディスク収納テーブル3の100番地をドライブ1のディスク着脱位置に一致させるようにディスク収納テーブル3を回転駆動する(T28)。次に、制御部からの制御信号の出力を低下させることによりドライブ1のディスクドライブ部4Aの回転速度を低速度に切り換える(D125)。次いで、制御部が第1のドライブ移動部6Aに制御信号を出力し、第1のディスクドライブ部4Aをディスク収納テーブル3に近づける(S124)。そして、第1のディスクドライブ部4Aが前進端まで移動すると、テーブルロック部31が作動してディスク収納テーブル3をロックし、ドライブ1のディスク着脱位置に100番地のディスク収納部14を対向させて固定する(T29)。
次に、制御部からの制御信号の出力が停止されることによりドライブ1のディスクドライブ部4Aの動作が停止され、再生動作が終了する(D126)。次いで、制御部から出力される制御信号に基づいて回転カム40が回転することにより、第1のフレーム部材35と第2のフレーム部材36の動作を介してディスク装着部24に装着されているディスク2のチャッキングが解除される。そして、制御部からの出力に基づきディスク搬送部33が、ディスク装着部24に装着されているディスク2を把持し、そのディスク2をディスク着脱位置からディスク収納部14のディスク収納位置まで搬送し、ディスク収納部14に返却する(D127)。次に、第1のドライブ移動部6Aが後退動作され、ディスクドライブ部4Aが後退端まで移動されてディスク収納テーブル3から引き離される(S125)。また、第1のディスクドライブ部4Aが後退端に向けて移動すると、テーブルロック部31が作動してディスク収納テーブル3のロックが解除され、ディスク収納テーブル3は回転駆動が可能な状態になる。そして、ディスク番号100のディスク2に対する再生の終了処理が完了する(Y28)。
図30及び図31は、本実施例に係る記録及び/又は再生装置の変形実施例の概略構成を示すものである。図30に示す記録及び/又は再生装置の第2の実施例は、ディスク搬送部をディスクドライブ部と一体的に構成したものである。記録及び/又は再生装置120は、多数のディスク2が縦置きで収納されるディスク収納テーブル121と、ディスクドライブ部122と、ドライブ移動部123と、ディスク搬送部124とを備えて構成されている。ディスク収納テーブル121は、前述した実施例のディスク収納テーブルと略同様の形状及び構成を有するもので、メカシャーシの上面に回転自在に支持されている。このディスク収納テーブル121の半径方向外側に、メカシャーシの上面に固定されたドライブ移動部123が配設されている。ドライブ移動部123にはディスクドライブ部122が移動可能に支持されており、ドライブ移動部123の動作を介してディスクドライブ部122がディスク収納テーブル121に対して接近及び離反可能に構成されている。
ディスクドライブ部122は、ディスク2と同じく縦置きに構成されており、ドライブ移動部123と反対側の上面にディスク搬送部124が設けられている。ディスク搬送部124の先端は、ディスク収納テーブル121の上面に設けたディスク収納部の上方に突出可能とされている。そして、ディスクドライブ部122をディスク収納テーブル121に接近させた状態で、選択されたディスク2をディスク収納部からディスク装着部に搬送し、又は、ディスク装着部からディスク収納部まで搬送し得るように構成されている。
これらのように本実施例では、ディスク収納テーブル121の回転動作によってディスクの選択動作を行うことにより、出し入れ動作(ローディング動作)を含むディスクに対するアクセスタイムを速くするよう向上させることができる。また、ディスク2のローディング動作を行うディスク搬送部124と、ディスクドライブ部122がディスク収納テーブル121に対して接近及び離反の動作を行うドライブ移動部123によって、前述の実施例と同様に連動した動作を行う。これにより、出し入れ動作(ローディング動作)を含むディスクに対するアクセスタイムを速くするよう向上させることができる。
図31に示す記録及び/又は再生装置の第3の実施例は、カートリッジに複数のディスクを収納し、複数のカートリッジをテーブル上に配置して構成したものである。記録及び/又は再生装置130は、カートリッジ収納テーブル131と、複数のディスクカートリッジ132と、ディスクドライブ部133と、ドライブ移動部134と、ディスク搬送部135とを備えて構成されている。カートリッジ収納テーブル131は、使用するディスクカートリッジ132を周方向に並べて配置できる大きさを有する円盤状の部材からなっている。ディスクカートリッジ132は、複数のディスク2を層状に重ねて収納できる筒状の部材からなり、任意の高さにおいて側方から各ディスク2を取り出すことができるように構成されている。このような構成を有する複数のディスクカートリッジ132が、カートリッジ収納テーブル131の上に、周方向へ所定の間隔をあけて配置されている。
ドライブ移動部134は、メカシャーシに立設された上下移動部134aと、上下移動部134aに対して上下方向へ昇降動作可能に取り付けられた前後移動部134bとを有している。このドライブ移動部134の前後移動部134bに、ディスクドライブ部133が進退移動可能に支持されている。そして、ディスクドライブ部133の前後移動部134bと反対側にディスク搬送部135が設けられている。ディスク搬送部135の先端は、カートリッジ収納テーブル131の上面に載置されたディスクカートリッジ132の側方に突出可能とされている。そして、ディスクドライブ部133をディスクカートリッジ132に接近させた状態で、選択されたディスク2をディスク搬送部135でディスク収納部からディスク装着部に搬送し、又はディスク装着部からディスク収納部まで搬送し得るように構成されている。
これらのように本実施例では、ディスク収納テーブル131の回転動作と上下移動部134aによってディスクの選択動作を行うことにより、出し入れ動作(ローディング動作)を含むディスクに対するアクセスタイムを速くするよう向上させることができる。また、ディスク2のローディング動作を行うディスク搬送部135と、カートリッジ収納テーブル131に載置されたディスクカートリッジ132に対してディスクドライブ部133を接近及び離反させる前後移動部134bとが互いに連動した動作を行う。これにより、前述の実施例と同様に、出し入れ動作(ローディング動作)を含むディスクに対するアクセスタイムを速くするよう向上させることができる。
本実施例によれば、複数のディスクドライブ部4A,4Bを個別に移動させる複数のドライブ移動部6A,6Bを設ける構成とした。そのため、一方のディスクドライブ部4Aにディスク2がチャッキングされている状態でも、そのディスク2が他のディスク2と干渉しない位置までディスクドライブ部4Aを遠ざけることができる。これにより、他方のディスクドライブ部4Bに対してディスク2をチャッキングさせることが可能となり、ディスク収納テーブル3に収納されているすべてのディスクに対するアクセスを可能とすることができる。
更に、本実施例によれば、ディスク選択時におけるディスクドライブ部4が取る位置はディスク収納部14に最も近い位置である。一方、ディスクに対する読み取りや書き込みが行われているときのディスクドライブ部4が取る位置はディスク収納部14から最も離れている位置である。即ち、ディスクドライブ部4A,4Bは、そのディスクドライブ部にディスクが無いときはディスク収納部の近くで待機していて、ディスクが有るときはディスク収納部から離れた位置に退避している。そのため、ディスク収納部に最も近い位置でディスク2をチャッキングすることができると共に、その時点ですぐにディスクドライブ部4A,4Bの回転をスタートさせることができる。
これにより、ディスクドライブ部4A,4Bに指定されたディスク2がチャッキングされた時点でディスク装着部のスピンドルモータを回転することにより、ディスクに対するアクセスタイムを極めて早いものとすることができる。また、ディスクドライブ部4A,4Bにチャッキングされているディスク2をディスク収納部14に返却する工程においても、ドライブ移動部6A,6Bの動作中においては、状況に応じてスピンドルモータの回転制御を行うようにする。一般に、ディスクチェンジャーにおけるディスク返却時の工程では、ディスクドライブ部4A,4Bの回転が止まってから返却動作に移行する。これは、ディスクに傷を付けないためと、ディスクチェンジャー自体の保護のためである。
しかしながら、本実施例の場合、ディスクドライブ部4A,4Bのスライド動作の工程中においては、ディスク装着部に装着されているディスク2が回転していても何らの問題も生じ無い。そのため、スピンドルモータのブレーキングが完全に終わらない状態であっても、ディスク返却動作におけるディスクドライブ部4A,4Bのスライド動作をスタートさせることができる。そして、スピンドルモータの回転が完全に止まってから、ディスクドライブ部4A,4B内のディスク2をディスク収納部14に返却することができる。
このように、本実施例によれば、複数のディスクドライブ部に夫々ドライブ移動部を設け、各ディスクドライブ部がディスク収納テーブルのディスク収納部に対して近い位置と遠い位置を取れるように構成した。そのため、ディスクの交換動作におけるディスク搬送距離を最短に設定することができ、アクセスタイムの向上を図ることができる。
以上説明したが、本発明は上述実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で各種の変形実施が可能である。前述の実施例では、ディスクに対する情報の記録再生を行う記録再生装置に適用した例について説明したが、再生のみを行うディスク再生装置、記録のみを行うディスク記録装置に適用することができる。また、ディスクドライブ部を3台以上設ける構成とすることができることは勿論である。