JP5721653B2 - データ管理装置及び該データ管理装置を備えた車両システム - Google Patents
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図8に示されるデータ管理装置50は、車両51に搭載される車載装置52と、軌道53に沿うように配置された地上設備54とから構成される。
地上設備54は、軌道53の車両走行経路に沿って、所定間隔をおいて複数のICタグ58が配置されたものであって、車両51の走行に伴いリーダーライター56及びアンテナ57を介して、該ICタグ58に対してデータ記憶装置55に記憶されている各種のデータが書込まれる。
本発明に係わるデータ管理装置では、移動体の移動方向の前側に位置する無線データ読取り手段及び該移動体の移動方向の後側に位置する無線データ書込み手段と、
前記移動体の移動方向に沿った地上側に間隔をおいて設けられて、前記無線データ読取り手段及び前記無線データ書込み手段を介してデータの授受が行われる複数のICタグと、を具備し、前記無線データ読取り手段の読取範囲及び前記無線データ書込み手段の書込範囲は互いに等しく、前記無線データ読取り手段及び前記無線データ書込み手段の相互間隔は、前記読取範囲及び書込範囲より広く、かつ前記地上側に設けられたICタグの設置間隔より狭く設定されていることを特徴とする。
すなわち、ICタグに対するデータの読取り及び書込みを、移動体の前後に搭載された一対の無線データ読取り手段及び無線データ書込み手段により行なうようにし、その際、同一アンテナで2つ以上のICタグに対する各読取り及び書込み処理を同時に行わないようにしたので、当該処理が他のICタグに影響を与えることがなく、その結果、該ICタグに対するデータの読取り及び書込みを確実かつ高速に行うことが可能となる。また、ICタグに対するデータの読取り及び書込みを、移動体の前後に搭載された一対の無線データ読取り手段及び無線データ書込み手段により行なうようにしたので、ICタグに書込むデータが多量であっても、これに対応することができる。
図1〜図3は本発明の実施形態に係わるデータ管理装置1であって、図1はデータ管理装置1の全体を示す概略構成図、図2は車両2に搭載される車載装置3、図3は軌道4に沿うように配置された地上設備5を示している。
なお、車載装置3のデータ記憶装置6には、ICタグ11を識別する識別番号と、識別番号に対応した保守点検情報(ICタグ及びその周辺の点検項目や点検手順など)がデータベースとして記憶されている。
図3に示されるように、無線データ読取り手段20の読取範囲20Aと、無線データ書込み手段21の書込範囲21Aは互いに等しく、また、無線データ読取り手段20のアンテナ9及び無線データ書込み手段21のアンテナ10の相互間隔(符号P1で示す)は、読取範囲20A及び書込範囲21Aより広く、かつ車両2の進行方向に沿って地上側に設けられたICタグ11の設置間隔(符号P2で示す)より狭く設定されている。
すなわち、ICタグ11に対するデータの読取り及び書込みを、車両2の前後に搭載された一対の無線データ読取り手段20及び無線データ書込み手段21により行なうようにし、その際、同一アンテナで2つ以上のICタグ11に対する読取り及び書込み処理を同時に行わないようにしたので、当該処理が他のICタグ11に影響を与えることが防止される。
〔ステップ10〕
無線データ読取手段20は、常にICタグ11の識別番号を読取る状態にしておく。そうすると、車両2の走行に伴い、ICタグ11が読取範囲20Aに入った際に、該車両2の前側に搭載された無線データ読取り手段20が、リーダーライター7及びアンテナ9を介してICタグ11の識別番号(NO.1とする)を読取り(図5(A)及び図6参照)、その後、該識別番号をデータ記憶装置6に送信する。このとき、無線データ読取り手段20によるICタグ11の識別番号(NO.1)の読取り処理は継続して、読取エラーが生じないようにすると共に、ICタグ11が読取範囲20Aから外れるタイミングを検出する(図5(B)及び図6参照)。
データ記憶装置6では、ステップ10で読取ったICタグ11の識別番号(NO.1)に基づき、データベースに保守点検情報として記憶されている書込みデータを検索し、識別番号(NO.1)のICタグ11がアンテナ読取範囲20Aから完全に外れていることを確認してから、該当するデータを選択して無線データ書込み手段21に送る(図5(C)及び図6参照)。
後側の無線データ書込み手段21は、データ記憶装置6から識別番号(NO.1)に対応した書込みデータを受け取った後、常に該書込みデータを書込む状態にしておく。車両2の走行に伴い、ICタグ11が書込範囲21Aに入ると、該無線データ書込み手段21のリーダーライター8及びアンテナ10を介して、当該ICタグ11に書込みデータの書込処理を行う(図5(D)及び図6参照)。なお、無線データ書込み手段21は、書込処理が終了したら、動作を停止させる。
一方、無線データ読取手段20は、常にICタグ11の識別番号を読取る状態にしてあるので、次に、ICタグ11が読取範囲20Aに入ると、識別番号(NO.2)を読取り、上記ステップ10〜12のフローチャートを繰り返し行うようにする。そして、これらステップ10〜12を、車両2が走行してICタグ11を通過する毎に繰り返し実施する。
すなわち、ICタグ11に対するデータの読取り及び書込みを、車両2の前後に搭載された一対の無線データ読取り手段20及び無線データ書込み手段21により行なうようにし、その際、同一アンテナで2つ以上のICタグ11に対する読取り及び書込み処理を同時に行わないようにしたので、当該処理が他のICタグ11に影響を与えることがなく、その結果、該ICタグ11に対するデータの読取り及び書込みを確実かつ高速に行うことが可能となる。
上記実施形態では、図4のステップに示すように、車両2の前後に搭載された一対の無線データ読取り手段20及び無線データ書込み手段21により、同一のICタグ11に対する読取り及び書込み処理を同時に行わないようにしたが、仮に無線データ書込み手段21がICタグ11にデータ書込みを行っている最中に、ICタグ11が書込範囲21Aを通過して外れてしまうと、ICタグ11へのデータの書込みは正常に行なわれないため、当該ICタグ11には、保守点検情報が入力されていないことになるが、当該箇所の点検については、別途、点検作業時に作業員がセンターに問い合わすなどして対処すると良い。
なお、無線データ書込み手段21により、書込みが正常に行なわれなかった場合、次に書込範囲21Aに入るICタグ11に誤ったデータを書込むことを防止するため、書込み途中のデータは、次のICタグ11が書込範囲21Aに入るまでにクリアする。
上記実施形態では、図4のステップ10を開始するに際して、車両2のいずれの側を無線データ読取り手段20として、いずれの側を無線データ書込み手段21とするかは、適宜選択されるものとする。具体的には初期段階では、車両2の前後いずれの側も無線データ読取り手段20とし、常にICタグ11の識別番号を読取る状態にしておく。そして、ICタグ11が設置されていない場所から車両2を走行させ、これらの2つの無線データ読取り手段20の中で、先にICタグ11の識別番号を検出した側(例えば、図1に矢印aで示す方向)を正式な無線データ読取り手段20とし、先にICタグ11を検出しない側(例えば、図1に矢印aで示す方向と反対側)を正式な無線データ書込み手段21とすると良い。これにより移動方向を判定するための特別なセンサ又は処理装置を設けることなく、簡易に、無線データ読取り手段20及び無線データ書込み手段21を設定することが可能となる。
上記実施形態では、軌道4を走行する車両2に車載装置3を設けた場合の例を説明した。ここで、軌道4とは道路である場合に、車両2は道路を走行する自動車を意味する。また、軌道4がレールである場合には、車両2はレールを走行する電車又は気動車又は軌道の保守用車両などを意味する。
また、車両2が磁気浮上式鉄道車両または磁気浮上式鉄道用軌道の保守用車両である場合には、軌道4は、図7に示すように、車両2を浮上走行させるための浮上力及び案内力及び推進力を発生させる地上コイル30が所定の設置間隔で配置されたガイドウェイ31であることを意味する。
そして、この変形例3においては、無線データ書込み手段21からICタグ11に書込まれるデータとして、地上コイル30の保守点検情報を記憶させるようにすれば、膨大な数の地上コイル30の管理を効率的かつ容易に行うことができる。
2 車両
3 車載装置
4 軌道
5 地上設備
6 データ記憶装置
11 ICタグ
20 無線データ読取り手段
20A 読取範囲
21 無線データ書込み手段
21A 書込範囲
30 地上コイル
31 ガイドウェイ
Claims (8)
- 移動体の移動方向の前側に位置する無線データ読取り手段及び該移動体の移動方向の後側に位置する無線データ書込み手段と、
前記移動体の移動方向に沿った地上側に間隔をおいて設けられて、前記無線データ読取り手段及び前記無線データ書込み手段を介してデータの授受が行われる複数のICタグと、を具備し、
前記無線データ読取り手段の読取範囲及び前記無線データ書込み手段の書込範囲は互いに等しく、
前記無線データ読取り手段及び前記無線データ書込み手段の相互間隔は、前記読取範囲及び書込範囲より広く、かつ前記地上側に設けられたICタグの設置間隔より狭く設定されていることを特徴とするデータ管理装置。 - 前記無線データ読取り手段は、前記ICタグに設定されている識別番号を読取り、
前記無線データ書込み手段は、前記ICタグの識別番号に対応して予めデータベースに記憶されている書込みデータを、当該ICタグに対して書込むことを特徴とする請求項1に記載のデータ管理装置。 - 前記書込みデータは、前記ICタグの設置箇所における保守点検情報であることを特徴とする請求項2に記載のデータ管理装置。
- 前記無線データ読取り手段及び前記無線データ書込み手段が搭載される移動体は車両であり、
前記ICタグは前記車両が走行する軌道に沿って配置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両システム。 - 前記軌道は、前記車両が走行するレール軌道であることを特徴とする請求項4に記載の車両システム。
- 前記軌道は、前記車両が走行する道路であることを特徴とする請求項4に記載の車両システム。
- 前記車両は磁気浮上式鉄道車両または磁気浮上式鉄道用軌道の保守用車両であり、
前記軌道は、前記車両を走行させるための浮上力及び案内力及び推進力を発生させる地上コイルが所定の設置間隔で配置されたガイドウェイであり、
前記ICタグは前記地上コイル表面に配置されていることを特徴とする請求項4に記載の車両システム。 - 前記書込みデータは、前記ICタグの設置箇所における前記地上コイルの保守点検情報であることを特徴とする請求項7に記載の車両システム。
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