JP5721322B2 - 更年期障害関連症候群の治療 - Google Patents

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Description

本発明は、エストラジオール含有医薬組成物およびゲルに、および同じものを使用する方法に関する。より詳細には、本発明は、低有効投与量で局所的にエストラジオールを投与することにより、更年期障害関連症候群を軽減することに関する。
更年期障害は、顔面紅潮のような症候群と関連していることが非常に多い。そのような症候群は、更年期後の女性の生活の質に、大きな否定的衝撃を有する。
エストラジオール(17-βエストラジオール)は、哺乳類において最も天然に存在するエストロゲンであり、哺乳類ではエストラジオールは卵巣、胎盤、睾丸、およびおそらく副腎皮質により形成される。エストラジオールを投与することにより、ある種の更年期障害関連症候群、特に顔面紅潮を軽減する効果があることが証明されている。しかし、より重要になっている患者の安全が必要であるために、必要な治療上の投与量を多く見積もることなく、そのような症候群を有効に軽減するための組成物、方法、および使用を提供することが高く望まれている。
「In Serum concentrations of 17beta-estradiol and estrone after multiple-dose administration of percutaneous estradiol gel in symptomatic menopausal women」Brennan JJ, Lu Z, Whitman M, Stafiniak P, van der Hoop RG. Ther Drug Monit. 2001 Apr; 23(2):134-8において、筆者らはエストラジオールを含む水アルコールゲルを使用した。彼らは、0.75 mg投与量のエストラジオール(1日あたり前記ゲル1.25 g)を毎日局所的に投与することにより、血清エストラジオールレベルが上昇し、血管運動症状(vasomotor symptom)における緩和に匹敵する値に達したことを発見した。さらに筆者らは、より低い投与量のエストラジオールは同様の血清レベルを達成せず、それゆえ血管運動症状を軽減する治療には効力が期待できないことを示した。
「In Serum concentrations of 17beta-estradiol and estrone after multiple-dose administration of percutaneous estradiol gel in symptomatic menopausal women」Brennan JJ, Lu Z, Whitman M, Stafiniak P, van der Hoop RG. Ther Drug Monit. 2001 Apr; 23(2):134-8
本発明は、エストラジオール含有医薬組成物、ならびに低有効投与量で局所的にエストラジオールを投与することにより、顔面紅潮のような更年期障害関連症候群を軽減するために同じものを使用する方法に関する。
本発明によれば、0.75 mg/日よりも低いエストロゲンの局所的投与量により更年期障害関連症候群が回避されることは、驚くべきことであり、かつ予想外のことであった。そうして当業者の強い先入観を克服し、本発明の実施態様は、更年期障害関連症候群、特に顔面紅潮を軽減するための、より低い有効投与量のエストラジオールを提供する。
複数の実施態様において、本発明は、少なくとも1つの更年期障害関連症候群を軽減するための医薬の製造におけるエストラジオールの使用を提供する。
別の実施態様において、本発明は、より低い有効投与量のエストラジオールを局所的に投与するための医薬の製造におけるエストラジオールの使用を提供し、前記医薬は少なくとも1つの更年期障害関連症候群を軽減するためのものである。
ある実施態様によれば、エストラジオールを含む局所投与に適する組成物または医薬が提供される。複数の実施態様において、前記組成物または医薬を配合して、エストラジオールを局所/経皮送達を提供する。
別の実施態様によれば、少なくとも1つの更年期障害関連症候群を軽減するための方法が提供される。複数の実施態様において、前記方法は、配合されてエストラジオールの局所/経皮送達を提供する組成物または医薬のような、エストラジオールを含む局所投与に適する組成物または医薬を局所的に投与する工程を含む。
複数の実施態様において、前記組成物または医薬は、少なくとも1つの更年期障害関連症候群を軽減するために有効であってよく、約0.375 mg/日のような、約0.35-0.40 mg/日を含む、約0.25- 0.42 mg/日のエストラジオール投与量を局所的に投与するために配合される。例えば前記医薬は、0.25-0.42 mg/日、0.26-0.42 mg/日、0.27-0.42 mg/日、0.28-0.42 mg/日、0.29-0.41 mg/日、0.30-0.41 mg/日、0.31-0.41 mg/日、0.32-0.40 mg/日、0.33-0.40 mg/日、0.34-0.40 mg/日、0.35-0.40 mg/日、0.355-0.395 mg/日、0.36-0.39 mg/日、0.365-0.385 mg/日、0.37-0.38 mg/日、または0.375 mg/日のような、約0.25-0.42 mg/日、約0.26-0.42 mg/日、約0.27-0.42 mg/日、約0.28-0.42 mg/日、約0.29-0.41 mg/日、約0.30-0.41 mg/日、約0.31-0.41 mg/日、約0.32-0.40 mg/日、約0.33-0.40 mg/日、約0.34-0.40 mg/日、約0.35-0.40 mg/日、約0.355-0.395 mg/日、約0.36-0.39 mg/日、約0.365-0.385 mg/日、約0.37-0.38 mg/日、または約0.375 mg/日の投与量であるエストラジオールを投与するために配合されてよい。
治療方法
上記のように本発明は、女性被験者における少なくとも1つの更年期障害関連症候群を軽減するための方法を提供する。複数の実施態様において、前記方法は、低投与量のエストラジオールを含む組成物を局所的に投与する工程を含む。ここで「低投与量」は、局所投与が、約0.375 mg/日のような、約0.35-0.40 mg/日を含む、約0.25- 0.42 mg/日のエストラジオールを被験者の皮膚に投与するようであるものを示す。例えば前記局所投与が、0.25-0.42 mg/日、0.26-0.42 mg/日、0.27-0.42 mg/日、0.28-0.42 mg/日、0.29-0.41 mg/日、0.30-0.41 mg/日、0.31-0.41 mg/日、0.32-0.40 mg/日、0.33-0.40 mg/日、0.34-0.40 mg/日、0.35-0.40 mg/日、0.355-0.395 mg/日、0.36-0.39 mg/日、0.365-0.385 mg/日、0.37-0.38 mg/日、または0.375 mg/日のエストラジオールが被験者の皮膚に投与されるような、約0.25-0.42 mg/日、約0.26-0.42 mg/日、約0.27-0.42 mg/日、約0.28-0.42 mg/日、約0.29-0.41 mg/日、約0.30-0.41 mg/日、約0.31-0.41 mg/日、約0.32-0.40 mg/日、約0.33-0.40 mg/日、約0.34-0.40 mg/日、約0.35-0.40 mg/日、約0.355-0.395 mg/日、約0.36-0.39 mg/日、約0.365-0.385 mg/日、約0.37-0.38 mg/日、または約0.375 mg/日の投与量のエストラジオールが被験者の皮膚に投与されるようである可能性がある。
前記局所投与は、1日あたり1回の局所塗布のような、1日あたり1回または2回(またはそれ以上)の塗布を含むことができる。別の実施態様において、前記局所投与は、1日おきのように、1日あたりの平均投与量が上記の範囲内であるように、1日あたり1回より少ない頻度で達成される。
ある態様によれば、前記組成物または医薬を、健康で、きれいでかつ乾燥した皮膚上、例えば肩、または腕に、例えば腕の外側部分、または手首から肩、腿、または脚に塗布する。あるいは、前記組成物または医薬を、胴、腿、または腰部に塗布してよい。他の適切な投与部位もまた包含される。
本発明のある態様において、前記更年期障害関連症候群は、以下より選択される:
- 血管運動症状
- 外陰部萎縮症
- 膣萎縮症、および
- それらの組み合わせ。
血管運動症状は当業者に既知であり、軽度の顔面紅潮、中程度の顔面紅潮、中程度から重度の顔面紅潮、および重度の顔面紅潮のような全ての顔面紅潮を含む。顔面紅潮は、一般に顔面および/または首および/または胸部のような上半身における、一般に熱感または温感を指す。顔面紅潮は典型的には、非常に突発的であり、および/または非常に短時間であり、急速な心拍および血管拡張を伴ってよい。そのような症状の持続時間はさまざまであり、典型的には毎回2分間から30分間であってよい。頻度もまたさまざまであり、例えば、兆候が毎週数回から1日12回およびそれ以上繰り返されてよい。顔面紅潮の中でもまた、強度はさまざまであってよい:
- 軽度の顔面紅潮は、発汗を伴わない熱の感覚を含む;
- 中程度の顔面紅潮は、発汗を伴う熱の感覚を含むが、被験者は自分の活動を継続することができる;
- 重度の顔面紅潮は、発汗を伴う熱の感覚を含み、活動を継続することができなくなるのに十分重度である。
外陰部および膣萎縮症は当業者に既知であり、性的活動に伴う腟部の痛み;性的活動に伴う出血;排尿障害;腟領域内および周辺における乾燥、炎症、かゆみ、および/または加熱;ならびにそれらの組み合わせを含む。
ここで「症候群を軽減する」の語により、前記症候群の緩和、例えば強度、(持続時間を含む)重篤度、および/またはそれらの頻度/発生に対する緩和を提供することを意味する。
有利には、複数の実施態様において、本発明による投与、例えばここで記載される前記組成物または医薬におけるエストラジオールを局所投与することにより、以下より選択される少なくとも1つの効果をもたらす:
- 血管運動症状の重篤度の軽減、
- 血管運動症状の頻度の軽減、
- 外陰部萎縮症の重篤度の軽減、
- 膣萎縮症の重篤度の軽減、
- およびそれらの組み合わせ。
ある実施態様によると、有利な効果は、本発明による投与量および方法を伴う治療の12、10、8、6、または4週間後のような、治療後に観察される血管運動症状の重篤度における軽減を含む。
別の実施態様によると、有利な効果は、本発明による投与量および方法を伴う治療の12、10、8、6、または4週間後のような、治療後に観察される血管運動症状の頻度における軽減を含む。
別の実施態様によると、有利な効果は、本発明による投与量および方法を伴う治療の12、10、8、6、4または2(またはそれ以下)週間後のような、治療後に観察される中程度から重度の顔面紅潮の重篤度における軽減を含む。
別の実施態様によると、有利な効果は、本発明による投与量および方法を伴う治療の12、10、8、6、4または2(またはそれ以下)週間後のような、治療後に観察される中程度から重度の顔面紅潮の頻度における軽減を含む。
別の実施態様によると、有利な効果は、本発明による投与量および方法を伴う治療の12、10、8、6、4または2(またはそれ以下)週間後のような、治療後に観察される外陰部および/または膣萎縮症の重篤度における軽減を含む。
本発明の特定の態様により取得される、更なる有利な効果は、以下よりなる群から選択される少なくとも1つの基準値の改善を含んでよい:
- 更年期障害評定尺度(Menopause Rating Scale) (MRS):健康関連の生活の質を測定するための尺度。
- 更年期障害特定の生活の質に対するアンケート(Menopause-Specific Quality of Life Questionnaire) (MNQOL):血管運動、身体的、心理的、および性的基準を評価するため。
当業者は、本発明による投与量でエストラジオールを局所的に投与するために適する組成物または医薬をどのように提供するかを知っているであろう。適する組成物および医薬を以下に記載する。
一般的に言って、前記組成物/医薬の量、濃度、および1日あたり塗布する回数は、被験者の皮膚に対して処方されるエストラジオールの投与量が、0.25-0.42 mg/日、0.26-0.42 mg/日、0.27-0.42 mg/日、0.28-0.42 mg/日、0.29-0.41 mg/日、0.30-0.41 mg/日、0.31-0.41 mg/日、0.32-0.40 mg/日、0.33-0.40 mg/日、0.34-0.40 mg/日、0.35-0.40 mg/日、0.355-0.395 mg/日、0.36-0.39 mg/日、0.365-0.385 mg/日、0.37-0.38 mg/日、または0.375 mg/日であるような、約0.25-0.42 mg/日、約0.26-0.42 mg/日、約0.27-0.42 mg/日、約0.28-0.42 mg/日、約0.29-0.41 mg/日、約0.30-0.41 mg/日、約0.31-0.41 mg/日、約0.32-0.40 mg/日、約0.33-0.40 mg/日、約0.34-0.40 mg/日、約0.35-0.40 mg/日、約0.355-0.395 mg/日、約0.36-0.39 mg/日、約0.365-0.385 mg/日、約0.37-0.38 mg/日、または約0.375 mg/日であるようになっている。例えばそのように、同一の組成物または医薬を同一量塗布するためには:
投与量 = 量 × 濃度 × 回数
である。ここで、
投与量:1日あたり被験者の皮膚に投与されるエストラジオールの投与量
濃度:前記組成物または医薬のエストラジオール濃度
量:塗布1回あたりに投与される局所組成物の量
回数:1日あたり塗布する回数
である。
本発明の他の態様において、投与レジメンは、付加量を伴う治療フェーズ、続いて後に続く維持量を伴うフェーズを利用してよい。それゆえ患者は、より高い投与量を使用する短期間(例えば1、2、3、または4週間)の治療(負荷フェーズ)を開始し、その後より低い投与量を継続する(維持フェーズ)であろう。例えば患者は、本発明の投与量よりも高い投与量を伴う負荷フェーズで開始して、その後本発明の低投与量で継続してよい。あるいは患者は、本発明による投与量を伴う負荷フェーズで開始して、その後より低い投与量に切り替えてよい。そのようなフェーズを繰り返してよい。別の態様で患者は、短期間(例えば1、2、3、または4週間)、1日1回または2回の投与工程で開始して、その後1日おきの投与工程を伴う、より低い投与量のレジメンに切り替えてよい。そのときの毎日の投与量は、1日あたりの平均投与量であろう。当業者に既知の方法により特定の患者の必要性を満たすよう調整されてよい、他の投与レジメンもまた包含される。
それゆえ本発明は、(エストラジオールのような)エストロゲンを含む組成物を局所投与することを含む、女性被験者における更年期障害関連症候群を軽減するための方法を提供する。複数の実施態様において、0.25-0.42 mg/日、0.35-0.40 mg/日、または0.375 mg/日のような、約0.35-0.40 mg/日、または約0.375 mg/日を含む、約0.25-0.42 mg/日のエストラジオールに相当するエストロゲン効力を有する量で、被験者の皮膚上に前記エストロゲンを投与する。例えば本発明は、0.35-0.40 mg/日、または約0.375 mg/日を含む、約0.25-0.42 mg/日のエストラジオール投与量を投与する効果のあるエストラジオールを含む量の組成物を女性患者に局所的に投与することを含む、その必要にある前記女性患者における少なくとも1つの更年期障害関連症候群を軽減する方法を提供する。
組成物および医薬
本発明はまた、(エストラジオールのような)エストロゲンを含む組成物および医薬を提供する。複数の実施態様において、前記組成物および医薬は局所投与するために配合される。特定の実施態様において、前記組成物および医薬は、0.25-0.42 mg/日、0.35-0.40 mg/日、または0.375 mg/日のような、約0.35-0.40 mg/日、または約0.375 mg/日を含む、約0.25-0.42 mg/日のエストラジオールに相当するエストロゲン効力を有する1日あたりの量で、(エストラジオールのような)エストロゲンを局所/経皮送達するために配合される。複数の実施態様において、前記組成物または医薬は、約0.25-0.42 mg/日のエストラジオール投与量を投与する効果のある量のエストラジオールを含む。複数の実施態様において、そのような医薬は、少なくとも1つの更年期障害関連症候群を軽減するために有用である。
有利には本発明の複数の実施態様により、エストラジオールをゲル組成物中に提供することができる。ある態様において、本発明による前記組成物または医薬は、エストラジオール含有水アルコールゲルである。前記組成物または医薬は、エストラジオール、ゲル化剤、アルコール、および水を含んでよい。
エストラジオール
上記のように、本発明はエストラジオールを含む組成物および医薬を提供する。
ある態様において前記組成物または医薬は、0.025-0.035 %、0.026-0.034 %、0.027-0.033 %、0.028-0.032 %、0.0285-0.0315 %、0.029-0.031 %、0.0295- 0.0305 %、または0.03%のエストラジオールのような、約0.026-0.034 %、約0.027-0.033 %、約0.028-0.032 %、約0.0285-0.0315 %、約0.029-0.031 %、約0.0295- 0.0305 %、または約0.03%を含む、約0.025- 0.035 %のエストラジオールを含んでよい。
(他に記載されていない限り、パーセント(%)は、組成物の総重量に対する重量(% (w/w))を指す。)
前記エストラジオールは、天然源であってよく、あるいは半合成または合成過程より生じてよい。無水エストラジオール、ならびにエストラジオールの水和物、例えばエストラジオール半水和物としてエストラジオールを提供することができる。(所与のパーセントは無水エストラジオールの量を指す。
ゲル化剤
複数の実施態様において、前記組成物または医薬はゲル化剤を含んでよい。
ある態様において、前記組成物または医薬は、0.5-1.5 %、0.6-1.4 %、0.7-1.3 %、0.8-1.2 %、0.85-1.15、%、0.9- 1.1 %、0.95-1.05 %、または1%のゲル化剤のような、約0.6-1.4 %、約0.7-1.3 %、約0.8-1.2 %、約0.85- 1.15%、約0.9-1.1 %、約0.95-1.05 %、または約1%を含む、約0.5-1.5 %のゲル化剤を含んでよい。複数の実施態様において、前記ゲル化剤は、Carbopol(登録商標)934Pのようなポリアクリル酸ポリマーである。
他の態様において、前記組成物または医薬は、0.1-0.9 %、0.2-0.8 %、0.3-0.7 %、0.4-0.6 %、0.45-0.55 %、または0.5 %のゲル化剤のような、約0.2-0.8 %、約0.3-0.7 %、約0.4-0.6 %、約0.45-0.55 %、または約0.5 %を含む、約0.1-0.9 %のゲル化剤を含んでよい。複数の実施態様において、前記ゲル化剤は、Carbopol(登録商標)980Pのようなポリアクリル酸ポリマーである。
ゲル化剤は当業者に既知である。「ゲル化剤」の語は一般に、特定の溶媒、例えば水と接触させた際に、ゲル化する能力を有する、場合によりポリマー性の化合物を指す。ゲル化剤により、本発明による医薬組成物の粘性を増加させることができるが、ゲル化剤が可溶化剤としても働いてよい。ゲル化剤の例は、(ポリアクリル酸ポリマー、例えばB.F.Goodrich Specialty Polymers and Chemicals Division of Cleveland, OhioによるCARBOPOL(登録商標)を含む)アクリル酸ベースのポリマーのようなアニオン性ポリマー、セルロース誘導体、ポロキサマー、およびポロキサミンを含む。より詳細には、ゲル化剤は任意に、カルボマーまたはアクリル酸ベースのポリマー、例えばCarbopol (登録商標)980またはCarbopol (登録商標)940、Carbopol (登録商標)981またはCarbopol (登録商標)941、Carbopol (登録商標)1342またはCarbopol (登録商標)1382、Carbopol (登録商標)5984、Carbopol (登録商標)2984、Carbopol (登録商標)934またはCarbopol (登録商標)934P(Carbopol(登録商標)は通常、アリルスクロースまたはアリルペンタエリトリトールと架橋したアクリル酸のポリマーである)、Pemulen TRl (登録商標) またはTR2 (登録商標)、Ultrez、Synthalen CR他;エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)などのようなセルロース誘導体;Lutrol(登録商標)グレード68または127のようなポロキサマー、またはポリエチレン-ポリプロピレンコポリマー、ポロキサミン、ならびにキトサン、デキストラン、ペクチン、および天然ゴムのような他のゲル化剤より選択されてよい。これらのゲル化剤のいずれか、または薬剤として許容しうる他のゲル化剤のいずれかを、単独で、または本発明による前記組成物または医薬中で組み合わせて使用してよい。適切なゲル化剤の選択は、当業者に既知の方式、例えば、本発明による前記組成物のpHおよび所望の粘度を考慮して導かれてよい。Carbopol (登録商標)980およびCarbopol (登録商標)934Pが、本発明の文脈における使用に適切なゲル化剤の例である。
複数の実施態様において、所望の粘度に到達するために、前記ゲル化剤をさらなる成分(中和剤)と反応させてよい。例えば、ポリアクリル酸ポリマーをゲル化剤として使用する際、前記ポリアクリル酸ポリマーを塩基と中和することによりゲル組織を取得してよい。適切な塩基は、トリエタノールアミン、トロメタミン、水酸化ナトリウム、水酸化アンモニウム、水酸化カリウム、アルギニンおよびアミノメチルプロパノールを含む。当業者であれば、所与のポリマーに適切な中和剤をいかに選択するか知っており、また前記ゲル化剤と前記中和剤の間の比をいかに調節するか知っている。ポリアクリル酸ポリマーを使用する際、トリエタノールアミンが適切な中和剤である。例えば、前記組成物または医薬は、Carbopol (登録商標)980を約0.5%、またはCarbopol (登録商標)934Pを約1%含んでよい。適切な組織(粘度)を、それぞれトリエタノールアミン約0.5%または約1%と中和することにより取得してよい。
アルコール
複数の実施態様において、前記組成物または医薬はアルコールを含んでよい。
ある態様において前記組成物または医薬は、30-50 %、32-48 %、33-47 %、34-46 %、35-45%、36-44 %、37-43 %、38-42 %、39-41 %、または40 %のC2-C6アルコールのような、約32-48 %、約33-47 %、約34-46 %、約35-45 %、約36-44 %、約37-43 %、約38-42 %、約39-41 %、または約40 %を含む、約30-50 %のC2-C6アルコールを含んでよい。C2-C6アルコールは当業者に既知である。そのようなアルコールは、エタノール、プロパノール、イソプロパノール(プロパン-2-オール)、n-プロパノール(プロパン-1-オール)、ブタノール、ブタン-1-オール、ブタン-2-オール、ter-ブタノール、ペンタノール類、ヘキサノール類を包含する。適切なC2-C6アルコールは、エタノールである。
浸透促進剤
前記組成物または医薬は任意に、浸透促進剤を含んでよい。浸透促進剤は当業者に既知である。「浸透促進剤」は一般に、皮膚を通した薬物または活性成分の送達を加速することが知られている薬剤である。これらの薬剤はまた、浸透加速剤、アジュバント、および吸収促進剤としても言及されている。このクラスの薬剤は、薬物の溶解度および拡散性を改善する機能を有するもの、ならびに角質層の保湿能力を変化させる、皮膚を軟化させる、皮膚の浸透性を改善する、浸透補助剤または毛胞開放剤(hair-follicle opener)として働く、あるいは境界層のような皮膚の状態を一時的に変化させることにより、経皮吸収を改善するものを含む種々の作用の機構を有するものを含む。
本発明による前記組成物および医薬は任意に、1つまたは複数の浸透促進剤を含んでよい。有利には、浸透促進剤の存在により、血中濃度および他の薬物動態パラメーターを詳細に調整することが可能となる。当業者であれば、適切な浸透促進剤、および前記組成物/医薬中において相当する適切な内容物をいかに選択するか知っているであろう。本発明の文脈におけるそのような浸透促進剤は、例えば脂肪酸のイソステアリン酸修飾物を含む、脂肪酸の官能誘導体、あるいは脂肪酸のカルボキシル官能基、またはそれらのイソステアリン酸修飾物の非酸性誘導体を含む可能性がある。ある実施態様において、脂肪酸の官能誘導体は、不飽和アルカン酸であり、その中で-COOH基は、アルコール類、ポリオール類、アミド類、およびそれらの置換誘導体のような、その官能性誘導体と置換されている。「脂肪酸」の語は、4個から24個の炭素原子を有する脂肪酸を意味する。浸透促進剤の非限定的例は、以下を含む:イソステアリン酸、オクタン酸、およびオレイン酸のようなC8-C22脂肪酸;オレイルアルコールおよびラウリルアルコールのようなC8-C22脂肪族アルコール;エチルオレイエート、イソプロピルミリステート、ブチルステアレート、およびメチルラウレートのようなC8-C22脂肪酸の低級アルキルエステル;ジイソプロピルアジペートのようなC6-C8二酸のジ(低級)アルキルエステル;グリセリルモノラウラレートのようなC8-C22脂肪酸のモノグリセリド;テトラヒドロフルフリルアルコールポリエチレングリコールエーテル;ポリエチレングリコール、プロピレングリコール;ジエチレングリコールモノエチルエーテルを含むグリコールエーテル;ジエチレングリコールモノメチルエーテル;ポリエチレンオキシドのアルキルアリールエーテル;ポリエチレンオキシドモノメチルエーテル;ポリエチレンオキシドジメチルエーテル;ジメチルスルフォキシド;グリセロール;エチルアセテート;アセト酢酸エステル;ピロリドン類およびN-アルキルピロリドン類;テルペン類;ヒドロキシ酸類;尿素;エッセンシャルオイル;ならびにそれらの混合物。特定の例は、プロピレングリコール、オレイン酸、グリセリン、乳酸、ロイシン酸、エチルグリコール酸を含む。これら全ての浸透促進剤を単独で、あるいは組み合わせて、例えば、2つまたは3つ(またはそれ以上)の異なる浸透促進剤を組み合わせて、使用することができる。
他の任意成分
複数の実施態様において、本発明による前記組成物または医薬は、1つまたは複数の、塩、皮膚軟化剤、安定化剤、抗微生物剤、芳香剤、および/または推進剤(propellant)を含む他の通常の医薬添加物を任意に含んでよい。前記組成物または医薬はまた、少なくとも1つの活性成分、例えば他のホルモンも任意に含んでもよい。

複数の実施態様において、前記組成物または医薬は、水を含んでよい。ある態様において前記組成物または医薬は、100 %に達するために十分な量(q.s.)で、水を含んでよい。
ある実施態様において、前記組成物または医薬は、
- 約0.025-0.035 %のエストラジオール、
- 約0.1-1.5 %のゲル化剤、
- 約30-50 %のC2-C6アルコール
- 100 %に達するために十分な量(q.s.)の水
を含む。
別の実施態様において、前記組成物または医薬は、
- 約0.03 %のエストラジオール、
- 約0.5-1 %のポリアクリル酸ポリマー(例えば、0.5 %のトリエタノールアミンで中和された0.5 %のCarbopol 980(登録商標);さらなる例として、1 %のトリエタノールアミンで中和された1 %のCarbopol 934P(登録商標))、
- 約40 %の無水エタノール、
- 100 %に達するために十分な量(q.s.)の水
を含む。
ある態様において、前記組成物または医薬は、
- 約0.03 %のエストラジオール、
- 約40 %の無水エタノール、
を含み、30- 120 Pa.s.、35-110 Pa.s.、35-100 Pa.s.、35-90 Pa.s.、35-80 Pa.s.、40-70 Pa.s.または50-60 Pa.s.の間である20°Cにおけるブルックフィールド(Brookfield)粘度のような、約35-110 Pa.s.、約35-100 Pa.s.、約35-90 Pa.s.、約35-80 Pa.s.、約40-70 Pa.s.、または約50-60 Pa.s.を含む、約30-120 Pa.s.の間である20°Cにおけるブルックフィールド粘度を有する。
ある態様において、前記組成物または医薬は、30-70 Pa.s.、31-69 Pa.s.、32-68 Pa.s.、33-67 Pa.s.、34-66 Pa.s.、または35-65 Pa.s.の間である20°Cにおけるブルックフィールド粘度を含め、約31-69 Pa.s.、約32-68 Pa.s.、約33-67 Pa.s.、約34-66 Pa.s.、または約35-65 Pa.s..を含む、約30-70 Pa.s.の間である20°Cにおけるブルックフィールド粘度を有する。
ある態様において、前記組成物および医薬は、40-120 Pa.s.、42-116 Pa.s.、44-112 Pa.s.、46-108 Pa.s.、48-104 Pa.s.、または50-100 Pa.s.のような、約42-116 Pa.s.、約44-112 Pa.s.、約46-108 Pa.s.、約48-104 Pa.s.、または約50-100 Pa.s.を含む、約40-120 Pa.s.の間である20°Cにおけるブルックフィールド粘度を有する。
前記20°Cにおけるブルックフィールド粘度を、以下のように測定してよい:組成物の試料を20°Cで、例えば水浴中で平衡させる。5 rpmのRVT BROOKFIELD粘度計でTC針を使用して、粘度を測定する。
方法および製造
ここで記載される前記組成物または医薬を、当業者に既知の方法で取得してよい。特定の実施態様を生ずる例示的方法を以下に記載する。
例えば混合または撹拌により、C2-C6アルコールのようなアルコール中にエストラジオールを溶解させる。水を添加し、再び混合または撹拌する。その後ゲル化剤を添加し、再び混合または撹拌する。その後再び撹拌下で中和剤(例えば、塩基)を添加する。その後、以下に記載するような適切な包装中に、前記組成物を封入することができる。
包装/分注
他の実施態様において、前記組成物または医薬を、1回分包装、単位量包装、または複数回分包装で提供してよい。有利には、そのような包装により、患者にとって適用および服用がより容易になる。したがって、これらの包装の形態は、適用のスケジュールを反映することができる。各包装が1回の投与工程に対応する、個々の単位量包装として前記組成物または医薬を提供することにより、患者の順守(compliance)を大幅に改善することができる。例えば、前記単位量包装は小袋であってよく、それを一方の側または一つの角で破いて開くことができる。当業者であれば、そのような小袋をいかにして提供するか知っているであろう。例えば、前記小袋は単層または多層材料、例えば多金属箔(multi-foil)材料であってよい。前記小袋は、それ自身内層を有してよい。有利には前記小袋は、その両端をシールしてあり、その主軸に平行な長軸方向もシールしてある、棒状のパックの形態であってよい。例えば、多層材料に使用される前記材料は、PET、および/またはアルミニウム、および/またはポリエチレン(PE)のような少なくとも1つのポリオレフィン、およびそれらの組み合わせを含んでよい。それは、ポリエチレン(PE)を内層に有するPET/アルミニウム/PE多金属箔であってよい。他の単位量包装構造および複数回分包装を含む、他の1回分包装もまた包含される。
他の態様によれば、分注器、例えば、任意にメーターつきハンドポンプまたはバルブを有し、前記組成物または医薬を含むビンなどが提供されてよい。本発明による所望の服用量を正確に提供するように前記分注器が設計されてよいため、そのような分注器により患者の順守を改善することができる。例えば、前記分注器は、メーターつきポンプを有する無気システムで、多金属箔袋を含むプラスチックビンであってよい。前記ポンプ/バルブは、容器内にガスが存在することを防ぐ点で有利である。前記多金属箔袋は、シールされたPET/アルミニウム/PEからなる他の層とともに共押出されるプラスチック(例えば、PEのようなポリオレフィン)の層を含んでよい。他のメーターつき投与量分注器を含む、他の分注器もまた包含される。
他の態様によれば、前記小袋はチューブであってよく、組成物または医薬の量を正確に定量するための手段を有する部分キットとして提供されてよい。例えば、(例えばゲルを分注するための)チューブは、投与される組成物またはゲルの必要量(例えば容量)を患者が測定することができる、メーターつき測定器または容器とともに提供されてよい。
ある実施態様によれば、前記小袋または分注器は、その使用者に説明をする通知/小冊子を伴うことができる。
他の小袋または分注デバイスもまた包含される。
併用療法
他のホルモンまたはステロイドのような、他の医薬活性薬剤、例えばプロゲステロンまたは黄体ホルモン薬(progestagen)とともに、「併用療法」でもまた本発明を使用することができる。黄体ホルモン薬は、唯一の天然黄体ホルモン薬であるプロゲステロンに似た効果を一般に生ずるホルモンである。前記黄体ホルモン薬は、プロゲスチンであってよい。プロゲスチンは、合成黄体ホルモン薬である。プロゲスチンは、C 19およびC21黄体ホルモン薬を含む。それらの例は、以下を含む:ノルエチンドロン、ノルエチンドロンアセテート、シプロテロン、シプロテロンアセテート、ジドロゲステロン、メドロキシプロゲステロン、メドロキシプロゲステロンアセテート、クロルマジノンアセテート、メゲストロール、メゲストロールアセテート、プロメゲストン、ノレルゲストロミンエチノジオールジアセテート、ドロスピレノン、ノルエチステロン、(レボ)ノルゲストレル、リネストレノール、デソゲストレル、ノルゲスチマート、ゲストデンジメチステロン、17α-ヒドロキシプロゲステロンカプロエート、リノエストレノール、ノルエチノドレル、ノルゲストレル、ノルチンドロンアセテートおよびチボロン。
当業者であれば、そのような黄体ホルモン薬をいかに投与するか(投与経路、投与量など)を知っているであろう。前記黄体ホルモン薬を、別個に(例えば経口経路で)、またはさらなる局所的組成物の成分として提供してよい。
本発明にける複数の有利な効果が、単に説明として以下に与えられ、制限的ではない、下記の実施例より明らかになるであろう。
当業者であれば、本発明が上記の特徴点をいくつでも取り込むことができることを理解するであろう。
ここで言及される全ての引用は、ここで全体を言及して引用されている。
ここで示されないが当業者に自明である本発明の一実施態様は、本発明の範囲および精神の中にある。他に別途示さない限り、本発明の実施には、当業者の技術範囲内である薬理学および薬剤学の伝統的な技術が使用されるであろう。
<実施例>
<更年期障害関連症候群の治療における、0.27mg/日および0.375mg/日のエストラジオール局所投与とプラセボを比較する、効果研究>
方法論
この研究は、多中心、二重盲式、プラセボ対照、平行群比較であった。総計351名の被験者を、アメリカ合衆国内の78ヶ所で登録した。前記被験者は、45歳から65歳までの女性であり、天然または外科的更年期であり、無作為化の前に、2週間の前治療フェーズの間に確認された、1日あたり最低7回から8回の重度の顔面紅潮、または1週間あたり平均50回以上の中程度および/または重度の顔面紅潮を有していた。
2週間の、投薬をしない(medication free)前治療フェーズを使用して、被験者の血管運動症状を測定した。有効性評価は、1日あたりの顔面紅潮の回数および強度、ならびに外陰部および膣萎縮症の重篤度を含んだ。この研究は、以下の配合物(w/w)を有する局所ゲルを使用する:
- 0.03 % エストラジオール、
- 1 %のトリエタノールアミンで中和された、1 % Carbopol (登録商標)、
- 40 %の無水エタノール、
- 100 %に達するために十分な量(q.s.)の水。
典型的には、この局所ゲルは30-120 Pa.s.の間である20°Cにおけるブルックフィールド粘度を有する
被験者は無作為化され、毎日:
- 0.27 mgのエストラジオール投与量に相当する、0.9 gのゲル、
- 0.375 mg のエストラジオール投与量に相当する、1.25 gのゲル、または
- プラセーボゲル
を受け取った。
前記3治療群は、以下の投与を含む:
- 12週間の間、1日1回、一方の腕に0.375 mgの投与量(0.03 %のゲル1.25 g)を塗布し、もう一方の腕に0.9 gのプラセボゲルを塗布する;
- 12週間の間、1日1回、一方の腕に0.27 mgの投与量(0.03 %のゲル0.9 g)を塗布し、もう一方の腕に1.25 gのプラセボゲルを塗布する;および
- 12週間の間、1日1回、一方の腕にプラセボゲル0.9 gを塗布し、もう一方の腕に1.25 gのプラセボゲルを塗布する。
前記治療フェーズは12週間であった。2週間の前治療期間を使用して、最初に各被験者の血管運動症状を評価した。
全てのデータを、Observed Cases (OC)のアプローチを使用して解析した。
統計方法
全ての連続一次および二次有効性評価基準に対して、記述的統計表、ならびに固定要素である治療(treatment)および中心(centre)、ならびに共変量として基礎値(baseline value)を有する双方向ANCOVAが与えられた。治療および中心の相互作用を、共変量としての基礎値を有し、固定要素である治療、中心、および治療による中心の相互作用を有する双方向ANCOVAを使用して調査した。1型誤差率を制御するために、対照を使用したステップダウン法を実行して、各治療群とプラセボ群を比較した。第一に、0.375 mg投与量を伴う群を、α = 0.05レベル(2- sided)でプラセボ群と比較した。帰無仮説が棄却されれば、0.27 mg投与量を伴う群を、α = 0.05レベル(2- sided)でプラセボ群と比較した。グラフを使用して投与量反応を特徴づけた。モデルの推測が満たされなければ、層別変数(stratification variable)として中心を有するファン・エエルテレン検定(van Elteren's test)を、ステップダウン法で使用した。カテゴリーデータのために、フィッシャーの直接確率検定を使用して、治療群を比較した。
研究の変数
研究により以下の変数を評価した。
- 基礎値から4週までの、中程度から重度である血管運動症状の頻度における平均変化
- 基礎値から12週までの、中程度から重度である血管運動症状の頻度における平均変化
- 基礎値から4週までの、中程度から重度である血管運動症状の重篤度における平均変化
- 基礎値から12週までの、中程度から重度である血管運動症状の重篤度における平均変化
- 各週における、中程度から重度である顔面紅潮の頻度における平均変化
- 各週における、中程度から重度である顔面紅潮の重篤度における平均変化
- 基礎値から12週までの、被験者にとって最も厄介である(膣痛、乾燥、炎症/かゆみ、出欠、排尿障害)と被験者が同定している、外陰部および膣萎縮症の中程度から重度である兆候における平均変化。
前治療フェーズの2週間の間における、中程度から重度である顔面紅潮の1日の平均として、基礎値を定義した。「1日の平均」を、「各週、または前治療フェーズの週における報告日にわたる平均」より計算した。いずれかの日に軽度の顔面紅潮のみが報告された場合、その日の被験者における中程度から重度である顔面紅潮値はゼロであった。10日間以下のデータしか基礎期間として利用できない場合、基礎1日平均は失われたものとみなされた。
中程度から重度である血管運動症状の重篤度を、
(2*中程度の顔面紅潮の回数 + 3*重度の顔面紅潮の回数)/中程度から重度である顔面紅潮の総回数
として定義した。
頻度に関して、10日間以下のデータしか基礎期間として利用できない場合、基礎重篤度は失われたものとみなされた。
顔面紅潮(血管運動症状)の評価
毎日の基準により、被験者は、以下の4点基準に基づいて、顔面紅潮の回数および関連するそれぞれの強度を記録する:
0:(無し)
1:(軽度)発汗を伴わない熱の感覚
2:(中程度)発汗を伴う熱の感覚、しかし被験者は自分の活動を継続することができる
3:(重度)発汗を伴う熱の感覚、活動を継続することができなくなるのに十分重度である。
外陰部および膣萎縮症兆候における重篤度の評価
被験者により、中程度から重度、および最も厄介であると同定される、外陰部および膣萎縮症兆候における重篤度(性的活動に伴う腟部の痛み、乾燥、炎症/かゆみ、性的活動に伴う出血、または排尿障害)を、1週、12週、または早期終了時に、以下の評価基準を使用して評価した:
0:無し
1:軽度
2:中程度
3:重度
エストラジオールおよび非共役エストロンの血漿濃度
全血の単独10 mLを基礎値、4週、8週、および12週で集めた。試料が汚染している可能性を除くために、エストラジオール適用に使用されない腕から取得された標本のみについて報告した。エストラジオールおよび非共役エストロンの血漿濃度を、MS/MS検出によるHPLCを使用して解析した。
<実施例1>
4週および12週における血管運動症状の頻度および重篤度
4週および12週における中程度から重度である顔面紅潮の頻度および重篤度の観察例データを一次解析することにより、4基準全てに対して、0.375 mg投与量とプラセボとの間で統計的に有意な差異が示された。それゆえ、0.375 mg投与量が、プラセボに対して有効であることが示された(表1参照)
Figure 0005721322
これらの2組のデータにより、本発明の投与量は、驚くべきことに、および予想外であることに、更年期障害関連症候群、すなわち血管運動症状の頻度および重篤度を有効に治療することを示す。
<実施例2>
各週における中程度から重度である顔面紅潮の頻度
表2は、各週における中程度から重度である顔面紅潮の頻度における評価項目の結果を概括している。結果は、最初の効力の結果と矛盾しない。
0.375 mg投与量の群は、2週で統計的有意性を達成し、12週まで統計的有意性を維持した。
0.27 mg投与量の群は、4週で、その後再び7週で統計的有意性を達成し、10週を顕著な例外として、12週まで統計的有意性を維持した。
このように先行技術と対照的に、本発明の投与量は、更年期女性における血管運動症状の頻度を軽減させるために有効である。
Figure 0005721322
<実施例3>
各週における中程度から重度である顔面紅潮の重篤度
表3は、各週における中程度から重度である顔面紅潮の重篤度における評価項目の結果を概括している。結果は、最初の効力の結果と矛盾しない。
0.375 mg投与量の群は、4週で統計的有意性を達成し、12週まで統計的有意性を維持した。
0.27 mg投与量の群は、8週で統計的有意性を達成し、12週まで統計的有意性を維持した。
このように先行技術の教訓と対照的に、本発明の投与量は、更年期女性における血管運動症状の重篤度を減少させるために有効である。
Figure 0005721322
<実施例4>
外陰部および膣萎縮症
表4は、基礎値および評価項目における、中程度から重度である外陰部および膣萎縮症兆候の概括を提示している。0.375 mg投与量および0.27 mg投与量の群は、観察例解析に対する評価項目の統計的有意性を達成している(それぞれp=0.012およびp=0.016)。これらの結果は、本発明の投与量は、予想されなかったことに、更年期障害関連症候群、すなわち外陰部および膣萎縮症を治療する効果があることを示す。
Figure 0005721322
<実施例5>
エストラジオール(E2)および非共役エストロン(E1)の血漿濃度
E2(エストラジオール)、E1(非共役エストロン)の血漿濃度の幾何平均値、および両方の投与量に対するE2/E1比を以下の表5に概括している。
Figure 0005721322
12週間の治療期間にわたって、0.375mg投与量に対する血漿E2濃度は、16 pg/mLから21 pg/mLの範囲であった。
上記のデータは、以下を示す:
中程度から重度である顔面紅潮の頻度に関して、0.375 mg投与量に対して2週で、0.27投与量に対して4週で統計的有意性を達成した。中程度から重度である顔面紅潮の重篤度に対する統計的に有意な効果は、前記二投与量に対して、それぞれ4週および8週に顕著となった。0.375 mg投与量および0.27投与量両方とも、中程度から重度である外陰部および膣萎縮症の兆候を統計的に有意に改善した。このように、先行技術からの教訓とは対照的に、本発明の(低)投与量により、更年期障害関連症候群が回避される。

Claims (11)

  1. 0.25mg/日 - 0.42 mg/日のエストラジオール投与量を女性患者に局所的に投与することによる、前記女性患者における、血管運動症状、外陰部萎縮症、膣萎縮症、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される少なくとも1つの更年期障害関連症候群を軽減するための、エストラジオールを含む組成物であって、(i)0.025重量% - 0.035重量%のエストラジオール、(ii)0.1重量% - 1.5重量%のゲル化剤、(iii)30重量% - 50重量%のC2-C6アルコール、および(iv)水を含む、水アルコールゲルである、女性患者における少なくとも1つの更年期障害関連症候群を軽減するための組成物
  2. 前記エストラジオール投与量が0.35mg/日 - 0.40 mg/日である、請求項1に記載の女性患者における少なくとも1つの更年期障害関連症候群を軽減するための組成物。
  3. 前記エストラジオール投与量が0.375 mg/日である、請求項1または2に記載の女性患者における少なくとも1つの更年期障害関連症候群を軽減するための組成物。
  4. 前記更年期障害関連症候群が顔面紅潮である、請求項1から3のいずれか一項に記載の女性患者における少なくとも1つの更年期障害関連症候群を軽減するための組成物。
  5. 血管運動症状の重篤度を軽減する、血管運動症状の頻度を軽減する、外陰部萎縮症の重篤度を軽減する、膣萎縮症の重篤度を軽減する、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、少なくとも1つの効果を達成するために有効である、請求項1から4のいずれか一項に記載の女性患者における少なくとも1つの更年期障害関連症候群を軽減するための組成物。
  6. 前記ゲル化剤が、少なくとも1つのポリアクリル酸を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の女性患者における少なくとも1つの更年期障害関連症候群を軽減するための組成物。
  7. 前記ゲル化剤が、少なくとも1つのカルボマーを含む、請求項に記載の女性患者における少なくとも1つの更年期障害関連症候群を軽減するための組成物。
  8. (i)0.03 重量%のエストラジオール、(ii)0.5重量% - 1重量%のポリアクリル酸ポリマー、(iii)40 %の無水エタノール、および(iv)水を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の女性患者における少なくとも1つの更年期障害関連症候群を軽減するための組成物。
  9. (i)0.03 重量%のエストラジオール、および(ii)40 %の無水エタノールを含む水アルコールゲルであり、30 Pa.s. - 120 Pa.s.の間である20 °Cにおけるブルックフィールド粘度を有する、請求項1からのいずれか一項に記載の女性患者における少なくとも1つの更年期障害関連症候群を軽減するための組成物。
  10. 前記ブルックフィールド粘度が35 Pa.s. - 100 Pa.s.である、請求項に記載の女性患者における少なくとも1つの更年期障害関連症候群を軽減するための組成物。
  11. 前記ブルックフィールド粘度が50Pa.s. - 60 Pa.s.である、請求項に記載の女性患者における少なくとも1つの更年期障害関連症候群を軽減するための組成物。
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