JP5720875B2 - 原稿照明装置、原稿読取装置、及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
また、LEDを光源とする場合、照明効率が高いほど省エネルギー効果が高いため、LED光源を用いた照明効率の高い読取照明系(原稿照明装置)を提供することは環境側面から重要である。
LED素子には青色発光チップ、及び該青色発光チップから発光される青色光を黄色光に変換するための蛍光体が内装されている。青色発光チップから放射される青色光の一部が黄色光に変換され、残余の青色光成分は青色光として透過し、これらの青色と黄色の2色の光が混合されることにより、疑似白色光が生成される。
〔1〕 原稿読取装置における原稿読取面を光照射する原稿照明装置であって、
光照射される光照射領域の主走査方向に沿って配設され、青色発光チップ及び該青色発光チップから発光される青色光を黄色光に変換する蛍光体を有する複数のLED素子を有する発光部と、前記発光部と前記原稿読取面の間に設けられた拡散部材とを備えた原稿照明ユニットを有し、
前記拡散部材は、拡散面における第1の方向の拡散率よりも、該第1の方向と直交する第2の方向の拡散率が大きい異方性拡散部材であり、
前記LED素子の発光面の法線ベクトルが、前記光照射領域の主走査方向断面であって、前記光照射領域がなす面と直交する断面においては前記拡散部材の拡散面に垂直に入射し、かつ前記光照射領域の副走査方向断面であって、前記主走査方向と前記副走査方向とに直交する方向を含む断面においては前記拡散部材の拡散面に傾斜して入射するように前記発光部及び前記拡散部材が配置され、
前記拡散部材の拡散面における前記第1の方向及び前記第2の方向が、前記光照射領域の主走査方向とは一致しないように配置されたことを特徴とする原稿照明装置である。
〔2〕 前記光照射領域の副走査方向断面であって、前記主走査方向と前記副走査方向とに直交する方向を含む断面において、前記LED素子の発光面の法線ベクトルが拡散面に対して入射する角度θが、θ<60°であることを特徴とする前記〔1〕に記載の原稿照明装置である。
〔3〕 前記光照射領域の副走査方向の中心に対し、副走査方向の一方に前記原稿照明ユニットを備え、他方に反射部材を備えることを特徴とする前記〔1〕または〔2〕に記載の原稿照明装置である。
〔4〕 前記光照射領域の副走査方向の軸Xの中心位置をX0としたとき、該X0を含む前記光照射領域の主走査方向の軸Yを含み、かつ前記原稿読取面と垂直な面Pに対し、前記原稿照明ユニットが副走査方向に対称に配置されたことを特徴とする前記〔1〕または〔2〕に記載の原稿照明装置である。
〔5〕 前記拡散部材の前記第2の方向と、前記光照射領域の主走査方向の軸Yとがなす角の絶対値が、対称に配置されたそれぞれの前記原稿照明ユニットにおいて等しいことを特徴とする前記〔4〕に記載の原稿照明装置である。
〔6〕 前記LED素子の発光面から、前記光照射領域の副走査方向の軸Xの中心位置X0までの法線ベクトルの長さが、対称に配置されたそれぞれの前記原稿照明ユニットにおいて等しいことを特徴とする前記〔4〕または〔5〕に記載の原稿照明装置である。
〔7〕 前記拡散部材を固定するための保持部材を備え、前記拡散部材は端部に保持固定領域を有し、前記拡散部材は前記保持固定領域を介して前記保持部材に固定されていることを特徴とする前記〔1〕から〔6〕のいずれかに記載の原稿照明装置である。
〔8〕 前記〔1〕から〔7〕のいずれかに記載の原稿照明装置を備え、
前記原稿照明装置により照明された原稿の情報を、第1、第2、及び第3の反射ミラーと結像レンズを介して撮像素子上に結像し、該撮像素子による受光信号を電気信号に変換して読み取り、前記原稿照明装置と前記第1の反射ミラーとを保持する第1の走行体と、前記第2の反射ミラーおよび前記第3の反射ミラーを保持する第2の走行体とを2:1の速度比で走査して前記原稿の情報を読み取ることを特徴とする原稿読取装置である。
〔9〕 前記〔1〕から〔7〕のいずれかに記載の原稿照明装置を備え、
前記原稿照明装置により照明された原稿の情報を、少なくとも1枚の反射ミラーと結像レンズとを介して撮像素子上に結像し、該撮像素子による受光信号を電気信号に変換して読み取り、前記原稿照明装置と前記反射ミラーと前記結像レンズと前記撮像素子とを一つの走行体で保持し、該走行体を走査させて前記原稿の情報を読み取ることを特徴とする原稿読取装置である。
〔10〕 前記〔8〕または〔9〕に記載の原稿読取装置を備え、前記原稿読取装置により読み取られた原稿の情報に基づき、記録媒体に画像を形成する画像形成手段を備えることを特徴とする画像形成装置である。
請求項2の発明によれば、請求項1に記載の原稿照明装置において、前記LED光源の発光面の法線ベクトルが、前記拡散部材の拡散面の副走査方向断面に対して入射する角度θが、θ<60°であるため、原稿読取面に対する主照明角度を適切に配置することにより、照度分布の深度特性に優れた照明を行うことができ、例えば、ブック原稿のような原稿の一部が浮いた状態の原稿に対しても充分な光照射を行うことができる。
請求項3の発明によれば、請求項1または2に記載の原稿照明装置において、前記拡散部材の拡散面における前記第1の方向及び前記第2の方向が、前記光照射領域の主走査方向とは一致しないように配置されているため、副走査方向の白色照明領域をより大きく拡張することができ、読取光学系の静的なズレや振動等に伴う読取位置の副走査方向の動的なズレに対しても、カラーバランスの安定した原稿読取が可能となる。
請求項4の発明によれば、請求項1から3のいずれかに記載の原稿照明装置において、前記光照射領域の副走査方向の中心に対し、副走査方向の一方に前記原稿照明ユニットを備え、他方に反射部材を備えるため、対向照明を行うことができ、例えば、段差を有する原稿の読取時に、該段差部分からの照明反射光が撮像素子に受光されて、段差部が影線にならない。
請求項5の発明によれば、請求項1から3のいずれかに記載の原稿照明装置において、前記光照射領域の副走査方向の軸Xの中心位置をX0としたとき、該X0を含む前記光照射領域の主走査方向の軸Yを含み、かつ前記原稿読取面と垂直な面Pに対し、前記原稿照明ユニットが副走査方向に対称に配置されているため、対向照明側にも光源を備え、搭載可能なLED素子の個数を2倍にすることができ、原稿面を高い照度で照明できるので、読取の走査速度を高速化することができ、高照度照明が必要な中高速機へ適用することができる。
請求項6の発明によれば、請求項5に記載の原稿照明装置において、前記拡散部材の前記第2の方向と、前記光照射領域の主走査方向の軸Yとがなす角の絶対値が、対称に配置されたそれぞれの前記原稿照明ユニットにおいて等しいため、光照射領域の副走査方向の中心に対し、色度の分布を対称的にすることができ、副走査方向の白色照明領域をより大きく拡張することができ、読取光学系の静的なズレや振動等に伴う読取位置の副走査方向の動的なズレに対しても、カラーバランスの安定した原稿読取が容易となる。
請求項7の発明によれば、請求項5または6に記載の原稿照明装置において、前記LED光源の発光面から、前記光照射領域の副走査方向の軸Xの中心位置X0までの法線ベクトルの長さが、対称に配置されたそれぞれの前記原稿照明ユニットにおいて等しいため、副走査方向の照明特性の対称性が高くなり、白色照明領域をさらに広くすることができるとともに、副走査方向に色度の分布の対称性も維持することができるため、読取光学系の静的なズレや振動等に伴う読取位置の副走査方向の動的なズレが副走査方向のどちら側に発生しても、補正が容易であり、カラーバランスの安定した原稿読取を行うことができる。
請求項8の発明によれば、請求項1から7のいずれかに記載の原稿照明装置において、前記拡散部材を固定するための保持部材を備え、前記拡散部材は端部に保持固定領域を有し、前記拡散部材は前記保持固定領域を介して前記保持部材に固定されているため、副走査方向の有効照明領域の幅の調整が可能であり、前記拡散部材を走行体に精度よく固定することができ、また面のたわみを防止することができるため、走行体の移動に伴い振動が発生しても、安定した原稿読取を行うことができる。
請求項9の発明によれば、請求項1から8のいずれかに記載の原稿照明装置を備え、前記原稿照明装置により照明された原稿の情報を、第1、第2、及び第3の反射ミラーと結像レンズを介して撮像素子上に結像し、該撮像素子による受光信号を電気信号に変換して読み取り、前記原稿照明装置と前記第1の反射ミラーとを保持する第1の走行体と、前記第2の反射ミラーおよび前記第3の反射ミラーを保持する第2の走行体とを2:1の速度比で走査して前記原稿の情報を読み取る原稿読取装置であるため、読取光学系の静的な位置ズレや、動的な位置変動に伴う撮像面上での受光信号の変動に強い原稿読取を実現できる。
請求項10の発明によれば、請求項1から8のいずれかに記載の原稿照明装置を備え、前記原稿照明装置により照明された原稿の情報を、少なくとも1枚の反射ミラーと結像レンズとを介して撮像素子上に結像し、該撮像素子による受光信号を電気信号に変換して読み取り、前記原稿照明装置と前記反射ミラーと前記結像レンズと前記撮像素子とを一つの走行体で保持し、該走行体を走査させて前記原稿の情報を読み取る原稿読取装置であるため、原稿照明装置,反射ミラー,結像レンズ,撮像素子が一つの走行体で保持されたことによって、読取光学系の静的な位置ズレや、動的な位置変動に伴う、撮像面上での受光信号の変動に強くなると共に、小型で読取走査駆動に付随して発生する信号雑音が少ない画像読取装置を実現できる。
請求項11の発明によれば、請求項9または10に記載の原稿読取装置を備えた画像形成装置であるため、副走査方向の照明領域における色ムラの低減効果に優れ、より広い白色照明領域が得られ、安定した原稿読取が可能な画像形成装置を実現できる。
図2(A)は、本発明の原稿照明装置の構成例の概略図の一例である。本発明の原稿照明装置は、原稿読取面3の光照射領域の主走査方向に沿って配設された複数のLED光源1からなる発光部と、前記発光部と原稿読取面3の間に設けられた拡散部材2とを備えた原稿照明ユニットを有し、拡散部材2は、拡散面における第1の方向の拡散率よりも、該第1の方向と直交する第2の方向の拡散率が大きい異方性拡散部材であり、前記発光部と拡散部材2とは、LED光源1の発光面の法線ベクトルが、拡散部材2の拡散面の主走査方向断面に対しては垂直に入射し、かつ副走査方向断面に対しては傾斜して入射するように配置されている。
以下、拡散率は拡散角度で表わすものとする。拡散角度は、拡散照明光の照度分布におけるピーク値(中心輝度)の半値となる位置を全幅の放射全角で表わしたものをいう。
また、前記第1の方向及び前記第2の方向とは、拡散率の大きな方向と小さな方向であって、楕円拡散における短軸と長軸である。(以下、第1の方向を「短軸」、第2の方向を「長軸」と表すことがある。)
図2(A)に示すように、原稿光源ユニットを構成する前記発光部と、拡散部材(以下、「異方性拡散シート」ともいう)2とを、LED光源(以下、「LED素子」ともいう)1の発光面の法線ベクトルが、異方性拡散シート2の法線ベクトルに対して角度θ(θ≠0)をなして入射するように配置した場合について説明する。
また、光拡散特性が60度×1度の異方性拡散シートである拡散部材2に、直径5mmの平行光束を入射させたとき、拡散部材2から、照射面3から30mmの距離における主走査方向の照射幅は約85mmに広がるが、副走査方向の照射幅は、散部材2から照射面3までの距離が短いため、ほとんど変わらないのに対し、前記光束を副走査方向断面内で45度の傾斜角で入射させたときには、副走査方向の照射幅は約15mmに広がる。
異方性拡散シート2の拡散面における前記第1の方向及び前記第2の方向が、図6に示すように、光照射領域の主走査方向とは一致しないように配置された態様について説明する。
また、光拡散特性が60度×1度の異方性拡散シート2を、その長軸を照射領域の主走査方向に対し45度回転させて配置し、直径5mmの平行光束を入射させたとき、拡散部材2から、照射面3から30mmの距離における主走査方向の照射幅は約85mmに広がるが、副走査方向の照射幅は、散部材2から照射面3までの距離が短いため、ほとんど変わらないのに対し、前記光束を副走査方向断面内で45度の傾斜角で入射させたときには、副走査方向の照射幅は約21mmに広がる。
原稿照明ユニットの配置について図9に基づき説明する。図9に示すように、LED素子1は、発光面の法線ベクトルが原稿読取面3の中央近傍を横切る位置に配置され、異方性拡散シート2は、原稿台4と略水平に配置されている。LED素子1の発光面の法線ベクトルは、異方性拡散シート2に対して斜めに入射する条件を満しているので、上述の実施態様1及び2に示した効果が得られる。また、異方性拡散シート2の長軸を主走査方向と一致させず、副走査方向に傾けて配置させることによって、上述の実施態様2に示した効果が得られる。
LED素子1の発光面の法線ベクトルが原稿読取面の中央近傍を横切る位置にLED素子1を構成配置するとともに、異方性拡散シート2を、原稿読取面とは略垂直に配置することもできる。この場合、異方性拡散シート2の拡散面が原稿読取面に対向していないため、原稿読取面で反射した照明光が異方性拡散シート2の拡散面に戻って再反射することが無く、フレア光が生じないという利点がある。フレア光が少ないほど画像の黒レベルを下げることができる。
LED素子1と異方性拡散シート2との間に、照明光路を偏向する手段を配置した例を図13に示す。図13では偏向手段として反射面8が設けられている。反射面8の角度や曲率形状を調整することによって、LED素子1を、発光面の法線ベクトルが原稿読取面と水平になるように配置することもできる。このような配置とすることで、原稿読取面と垂直な方向の該原稿照明装置の厚さを薄くすることができる。反射面8の面数は1面に限定されず、複数面であってもよい。
図9、図11、及び図13に示した構成例では、光照射領域5の副走査方向の中心に対し、副走査方向の一方にLED素子1及び異方性拡散シート2からなる原稿照明ユニット、他方に反射部材を備えており、このような構成とすることにより、両側から原稿を照明することができ、特に段差のある原稿を読取る際に、段差部の影が発生しにくくなる。
図10、図12、及び図14に示した構成例では、光照射領域5の副走査方向の中心に対し、対称にLED素子1及び異方性拡散シート2からなる原稿照明ユニット(図14はさらに光偏向部材を備える)を備えており、このような構成とすることにより、原稿読取面上における白色照明領域の副走査方向の幅を広くすることができ、さらに主走査方向は照射パターンが重なることで白色度の均一性が高くなる。すなわち、光照射領域5の副走査方向の軸Xの中心位置をX0としたとき、該X0を含む光照射領域5の主走査方向の軸Yを含み、かつ前記原稿読取面と垂直な面Pに対し、原稿照明ユニットが副走査方向に対称に配置されていることが好ましい。特に、このような構成とすることで、多くのLEDアレイを実装できるので、より高い照度が得られ、読取速度の速い原稿読取装置に適用することができる。また、両側から原稿を照明することができ、特に段差のある原稿を読取る際に、段差部の影が発生しにくくなる。
図16の特性は、図5に示した特性と該図5の特性が左右に反転した特性とが重なった特性になっている。青色成分が存在する副走査方向の幅はX4で示されている。図16における副走査方向の対称性は図5よりも優れている。
LED光源1の発光面から、光照射領域5の副走査方向の軸Xの中心位置X0までの法線ベクトルの長さが、対称に配置されたそれぞれの原稿照明ユニットにおいて等しいことが好ましい。
X0よりも負の側に設けたLED光源1の発光面の法線が原稿読取面と交わる位置からX0までの距離をΔXL、X0よりも正の側に設けたLED光源1の発光面の法線が原稿読取り面と交わる位置からX0までの距離をΔXRとするとき、ΔXLとΔXRが等しくなるように交点位置をずらしたときの照射パターンを図17に模式的に示す。図17は図15と比べて、副走査方向の照明幅X5がX4よりも広がっている。このときの副走査方向の照度分布特性を図18に模式的に示す。図18において青色成分が存在する白色照射領域の副走査方向の幅をX5で示している。図16におけるX4と比較するとX4<X5であることがわかる。
図19は、光照射領域5の副走査方向の中心に対して対称に原稿照明ユニットを配置した原稿照明装置において、それぞれの原稿照明ユニットの異方性拡散シート2を、その長軸を光照射領域5の主走査方向に対して傾斜させて配置し、主走査方向の軸Yとがなす角がそれぞれ等しい場合の照射パターンを模式的に示している。図19における副走査方向照射幅X6と、異方性拡散シートの軸を傾けない場合の照射パターンである図15における副走査方向照射幅X4とを比較すると、X4<X6であることがわかる。
図20は、光照射領域5の副走査方向の中心に対して対称に原稿照明ユニットを配置した原稿照明装置において、それぞれの原稿照明ユニットの異方性拡散シート2を、その長軸を光照射領域5の主走査方向に対して傾斜させて配置し、かつ光照射領域5の副走査方向の軸Xの中心位置X0までの法線ベクトルの長さが、対称に配置されたそれぞれの原稿照明ユニットにおいて等しいことが好ましい。X0よりも負の側に設けたLED光源1の発光面の法線が原稿読取面と交わる位置からX0までの距離をΔXL、X0よりも正の側に設けたLED光源1の発光面の法線が原稿読取り面と交わる位置からX0までの距離をΔXRとするとき、ΔXLとΔXRが等しくなるように交点位置をずらしているため、副走査方向の照射幅X7は、図19に示した幅X6よりもさらに広くなっている。
図21は、光照射領域5の副走査方向の中心に対して対称に原稿照明ユニットを配置した原稿照明装置において、それぞれの原稿照明ユニットの異方性拡散シート2を、その長軸を光照射領域5の主走査方向に対して傾斜させて配置し、主走査方向の軸Yとがなす角φ1とφ2の絶対値がそれぞれ等しく、具体的にはφ2=−φ1である場合の照射パターンを模式的に示している。図19に示した照射パターンとは異なるパターンが得られる。
また、図21は、X0よりも負の側に設けたLED光源1の発光面の法線が原稿読取面と交わる位置からX0までの距離をΔXL、X0よりも正の側に設けたLED光源1の発光面の法線が原稿読取り面と交わる位置からX0までの距離をΔXRとするとき、ΔXLとΔXRが等しくなるように交点位置をずらしているため、副走査方向の照射幅X8は、図19に示した幅X6よりもさらに広くなっている。
異方性拡散シート2は、主走査方向に長い長尺状形状であることが好ましいが、導光拡散作用が要求される領域の外側となる端部に保持固定領域を有していることが好ましい。該保持固定領域を介し、高強度の保持部材に固定されていることが好ましく、前記保持部材に保持面に対して直接的に固定されていてもよく、接着剤等の接着手段を介して間接的に保持固定されていてもよい。特に、異方性拡散シート2としてフィルム状のシートを用いる場合、シート側の保持固定領域の面と前記保持部材の面とをたわみなく接着し、装着固定させることが好ましい。例えば、フィルム側に延伸力を与え、所定の張力が作用している状態で前記保持部材を圧着して接合面同士を接着させるなどの方法が挙げられる。ここで、張力が強すぎると拡散面の形状や拡散特性が変化することがあり、接着後にフィルムが収縮して接着面が剥がれることもあるため、張力の調整が必要である。一方、フィルムが厚い場合には特に延伸を与えなくても接着固定できる。
また、異方性拡散シート2の前記保持部材には、後述する原稿読取装置の走行体との保持連結部を設けることが好ましい。
〔実施態様13〕
本発明の原稿照明装置を備えた原稿読取装置の一実施態様の例を図22に示す。
本発明の原稿照明装置により照明された原稿18の情報を、第1の反射ミラー14、第2の反射ミラー15、及び第3の反射ミラー16と結像レンズ10を介して撮像素子11上に結像し、撮像素子11による受光信号を電気信号に変換して読み取る。原稿照明装置と第1の反射ミラー14とを保持する第1の走行体13と、第2の反射ミラー15及び第3の反射ミラー16を保持する第2の走行体17とを2:1の速度比で走査して原稿18の情報を読み取る。撮像素子11としては、例えばCCDが挙げられる。
なお、LED光源1は、主走査方向に等間隔ではなく配列されていることが好ましい。
本発明の原稿照明装置を備えた原稿読取装置の他の実施態様の例を図23に示す。
本発明の原稿照明装置により照明された原稿の情報を、少なくとも1枚の反射ミラー9と結像レンズ10とを介して撮像素子11上に結像し、撮像素子11による受光信号を電気信号に変換して読み取り、前記原稿照明装置と反射ミラー9と結像レンズ10と撮像素子11とを一つの走行体12で保持し、走行体12を走査させて原稿台4上の前記原稿の情報を読み取る。なお、LED光源1は、主走査方向に等間隔ではなく配列されていることが好ましい。
本発明の画像形成装置は、少なくとも上述の本発明の原稿照明装置を備え、本発明の原稿読取装置を備える。本発明の画像形成装置の構成と動作について以下に説明する。
図24は本発明の一実施形態であるフルカラーの複写機101の内部構造を示す概略正面図である。複写機101の装置本体102内の中央部にはカラー画像を形成するための画像形成部103が設けられている。この画像形成部103は、等間隔に離間させて水平向きに並列に配設された4つのドラム状の感光体104、感光体104の外周面を一様に帯電する帯電ローラ105、帯電ローラ105により帯電された各感光体104の外周面を画像データに応じて露光することにより静電潜像を形成する露光装置106、静電潜像にトナーを供給することにより静電潜像をトナー像として顕像化する現像装置107、感光体104上のトナー像が順次転写される中間転写ベルト108、中間転写ベルト108上へのトナー像の転写後に感光体104上に残留したトナーを除去するクリーニング装置109、中間転写ベルト108上に転写されたトナー像を記録媒体Sに転写させる転写ローラ110等により構成されている。なお、4つの感光体104上にはそれぞれ異なる色のトナー像(Y;イエロー、M;マゼンタ、C;シアン、K;ブラック)が形成され、これらの各色のトナー像が中間転写ベルト108上に転写されることにより、中間転写ベルト108上ではカラーのトナー像が形成され、このカラーのトナー像が記録媒体Sに転写される。
原稿読取装置113は、コンタクトガラス112と平行に2:1の速度で走行可能な第1・第2走行体114,115、レンズ116、画像読取部であるCCD117等により構成されている。第1走行体114には、コンタクトガラス112上に載置された原稿、又は、ADF111で搬送される原稿の原稿面を照明するための本発明の原稿照明装置118と、原稿面で反射されて読取光軸に沿って進行する読取光を反射させる第1ミラー119とが搭載されている。第2走行体115には、第1ミラー119で反射された光をさらに反射させる第2ミラー120と第3ミラー121とが搭載されている。第1〜第3ミラー119,120,121で順次反射された読取光の進行方向前方には、レンズ116とCCD117とが配置されている。
なお、原稿読取装置113はスキャナ装置として独立に動作させることも可能である。
2 拡散部材(異方性拡散シート)
3 原稿読取面(照射面)
4 原稿台
5 原稿読取領域(光照射領域)
Claims (10)
- 原稿読取装置における原稿読取面を光照射する原稿照明装置であって、
光照射される光照射領域の主走査方向に沿って配設され、青色発光チップ及び該青色発光チップから発光される青色光を黄色光に変換する蛍光体を有する複数のLED素子を有する発光部と、前記発光部と前記原稿読取面の間に設けられた拡散部材とを備えた原稿照明ユニットを有し、
前記拡散部材は、拡散面における第1の方向の拡散率よりも、該第1の方向と直交する第2の方向の拡散率が大きい異方性拡散部材であり、
前記LED素子の発光面の法線ベクトルが、前記光照射領域の主走査方向断面であって、前記光照射領域がなす面と直交する断面においては前記拡散部材の拡散面に垂直に入射し、かつ前記光照射領域の副走査方向断面であって、前記主走査方向と前記副走査方向とに直交する方向を含む断面においては前記拡散部材の拡散面に傾斜して入射するように前記発光部及び前記拡散部材が配置され、
前記拡散部材の拡散面における前記第1の方向及び前記第2の方向が、前記光照射領域の主走査方向とは一致しないように配置されたことを特徴とする原稿照明装置。 - 前記光照射領域の副走査方向断面であって、前記主走査方向と前記副走査方向とに直交する方向を含む断面において、前記LED素子の発光面の法線ベクトルが拡散面に対して入射する角度θが、θ<60°であることを特徴とする請求項1に記載の原稿照明装置。
- 前記光照射領域の副走査方向の中心に対し、副走査方向の一方に前記原稿照明ユニットを備え、他方に反射部材を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の原稿照明装置。
- 前記光照射領域の副走査方向の軸Xの中心位置をX0としたとき、該X0を含む前記光照射領域の主走査方向の軸Yを含み、かつ前記原稿読取面と垂直な面Pに対し、前記原稿照明ユニットが副走査方向に対称に配置されたことを特徴とする請求項1または2に記載の原稿照明装置。
- 前記拡散部材の前記第2の方向と、前記光照射領域の主走査方向の軸Yとがなす角の絶対値が、対称に配置されたそれぞれの前記原稿照明ユニットにおいて等しいことを特徴とする請求項4に記載の原稿照明装置。
- 前記LED素子の発光面から、前記光照射領域の副走査方向の軸Xの中心位置X0までの法線ベクトルの長さが、対称に配置されたそれぞれの前記原稿照明ユニットにおいて等しいことを特徴とする請求項4または5に記載の原稿照明装置。
- 前記拡散部材を固定するための保持部材を備え、前記拡散部材は端部に保持固定領域を有し、前記拡散部材は前記保持固定領域を介して前記保持部材に固定されていることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の原稿照明装置。
- 請求項1から7のいずれかに記載の原稿照明装置を備え、
前記原稿照明装置により照明された原稿の情報を、第1、第2、及び第3の反射ミラーと結像レンズを介して撮像素子上に結像し、該撮像素子による受光信号を電気信号に変換して読み取り、前記原稿照明装置と前記第1の反射ミラーとを保持する第1の走行体と、前記第2の反射ミラーおよび前記第3の反射ミラーを保持する第2の走行体とを2:1の速度比で走査して前記原稿の情報を読み取ることを特徴とする原稿読取装置。 - 請求項1から7のいずれかに記載の原稿照明装置を備え、
前記原稿照明装置により照明された原稿の情報を、少なくとも1枚の反射ミラーと結像レンズとを介して撮像素子上に結像し、該撮像素子による受光信号を電気信号に変換して読み取り、前記原稿照明装置と前記反射ミラーと前記結像レンズと前記撮像素子とを一つの走行体で保持し、該走行体を走査させて前記原稿の情報を読み取ることを特徴とする原稿読取装置。 - 請求項8または9に記載の原稿読取装置を備え、前記原稿読取装置により読み取られた原稿の情報に基づき、記録媒体に画像を形成する画像形成手段を備えることを特徴とする画像形成装置。
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