JP5719905B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
本発明は、製造コストを考慮しつつ演出装置の固体差に起因する演出上の固体差を低減することが可能な遊技機を提供することを目的とする。
ここで、前記演出体115は、前記歯車36が持つ突出部37と係合する部材23と、前記部材23の移動により当該部材23に対する第1の位置から第2の位置への変更が可能な可動部材24,25と、をさらに持ち、前記歯車36が前記一方向(矢印A)へ回転することで前記本体部20が前記基台10の前記阻止部15に向けた回転を行う場合、前記可動部材24,25は前記第1の位置にあり、前記歯車36が前記本体部20に対して前記一方向(矢印A)に回転する場合、当該歯車36の前記突出部37により前記部材23が移動して前記可動部材24,25が前記第1の位置から前記第2の位置に変更することを特徴とすることができる。
〔遊技機の基本構成〕
図1は、本実施の形態に係るパチンコ遊技機100の概略正面図である。
同図に示す遊技機の一例としてのパチンコ遊技機100は、遊技者の指示操作により打ち出された遊技球が入賞すると賞球を払い出すように構成されたものである。このパチンコ遊技機100は、遊技球が打ち出される遊技盤110と、遊技盤110を囲む枠部材150とを備えている。遊技盤110は、枠部材150に着脱自在に取り付けられている。
本実施の形態では、遊技者により視認され易い遊技領域111の位置に、演出のための各種の画像を表示する画像表示部114が配設されている。この画像表示部114は、液晶ディスプレイ等による表示画面を備え、遊技者によるゲームの進行に伴い、例えば、図柄抽選結果(図柄変動結果)を遊技者に報知するための装飾図柄を表示したり、キャラクタの登場やアイテムの出現による演出画像を表示したりする。
また、遊技盤110の前面に、各種の演出に用いられる可動役物115および盤ランプ116を備えている。可動役物115は、遊技盤110上で動作することにより各種の演出を行い、また、盤ランプ116は、発光することで各種の演出を行う。
なお、本実施の形態では、遊技領域111に第1始動口121および第2始動口122が配設されているが、いずれか一方のみを配設する構成例やさらに他の始動口を配設する構成例も考えられる。また、本実施の形態では、遊技領域111に大入賞口125が1つ配設されているが、大入賞口125を複数配設する構成例も考えられる。
本実施の形態では、遊技盤110の右下の位置に、抽選結果や保留数に関する表示を行う表示器130が配設されている。
なお、本実施の形態では、皿153を上下皿一体で構成しているが、上皿と下皿とを分離する構成例も考えられる。また、発射装置のハンドル151を所定条件下で発光させる構成例も考えられる。
また、枠部材150は、パチンコ遊技機100の遊技状態や状況を告知したり各種の演出を行ったりするスピーカ156および枠ランプ157を備えている。スピーカ156は、楽曲や音声、効果音による各種の演出を行い、また、枠ランプ157は、点灯点滅によるパターンや発光色の違い等で光による各種の演出を行う。なお、枠ランプ157については、光の照射方向を変更する演出を行うことを可能にする構成例が考えられる。
また、枠部材150は、遊技盤110を遊技者と隔てるための透明板159を備えている。
パチンコ遊技機100の表示器130は、図2の(a)に示すように、第1始動口121の入賞に対応して作動する第1特別図柄表示器221と、第2始動口122の入賞に対応して作動する第2特別図柄表示器222と、ゲート124の通過に対応して作動する普通図柄表示器223と、を備えている。第1特別図柄表示器221は、第1始動口121の入賞による特別図柄を変動表示しその抽選結果を表示する。第2特別図柄表示器222は、第2始動口122の入賞による特別図柄を変動表示しその抽選結果を表示する。普通図柄表示器223は、遊技球がゲート124を通過することにより普通図柄を変動表示しその抽選結果を表示する。第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222および普通図柄表示器223の各々は、LED表示装置で構成され、その点灯態様によって各抽選結果を表す図柄が表示される。
なお、入力装置の形態としては、図示した演出ボタン161および演出キー162の他、レバーやダイヤル等、演出の内容等に応じて様々な入力形態を採用することができる。
次に、パチンコ遊技機100での動作制御や信号処理を行う制御ユニットについて説明する。
図3は、制御ユニットの内部構成を示すブロック図である。同図に示すように、制御ユニットは、メイン制御手段として、特別図柄の当選の判定等を行う遊技制御部200を備えている。また、サブ制御手段として、演出を統括的に制御する演出制御部300と、画像および音響を用いた演出を制御する画像/音響制御部310と、各種のランプおよび可動役物115を用いた演出を制御するランプ制御部320と、払出球の払い出し制御を行う払出制御部400と、を備えている。
遊技制御部200は、特別図柄の当選の判定等を行う際の演算処理を行うCPU201と、CPU201にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM202と、CPU201の作業用メモリ等として用いられるRAM203と、を備えている。
遊技制御部200は、第1始動口121または第2始動口122に遊技球が入賞すると特別図柄抽選を行い、その抽選結果を演出制御部300に送る。また、高確率状態と低確率状態の変更情報、時短無状態と時短状態の変更情報を演出制御部300に送る。
さらに、遊技制御部200は、普通図柄抽選の当たり当選確率を高確率にする、普通図柄変動時間を短縮する、あるいは電動チューリップ123の開時間を延長する制御を行う。また、遊技制御部200は、遊技球が連続的に第1始動口121または第2始動口122へ入賞したときの未変動分の限度個数(例えば4個)までの保留や、遊技球が連続的にゲート124を通過したときの未変動分の限度個数(例えば4個)までの保留を設定する。
さらにまた、遊技制御部200は、特別図柄抽選の結果に応じて、特別電動役物である大入賞口125が所定条件(例えば29.5秒経過または遊技球10個の入賞)を満たすまで開状態を維持するラウンドを所定回数だけ繰り返すように制御する。さらには、大入賞口125が開く際の開閉動作間隔を制御する。
払出制御部400が遊技制御部200の指示に従って賞球の払い出しを行った場合には、遊技制御部200は、払い出した賞球の個数に関する情報を払出制御部400から取得する。それにより、払い出した賞球の個数を管理する。
さらに、遊技制御部200には、大入賞口125への遊技球の入賞を検出する大入賞口検出部(大入賞口スイッチ(SW))215と、大入賞口125を閉状態と突出傾斜した開状態とに設定する大入賞口開閉部216と、普通入賞口126への遊技球の入賞を検出する普通入賞口検出部(普通入賞口スイッチ(SW))217と、が接続されている。
さらに、遊技制御部200には、第1始動口121への遊技球の入賞により行われる特別図柄の変動表示および特別図柄抽選の結果を表示する第1特別図柄表示器221と、第2始動口122への遊技球の入賞により行われる特別図柄の変動表示および特別図柄抽選の結果を表示する第2特別図柄表示器222と、普通図柄の変動表示および普通図柄抽選の結果を表示する普通図柄表示器223と、パチンコ遊技機100の状態を表示する状態表示器224と、が接続されている。
演出制御部300は、演出を制御する際の演算処理を行うCPU301と、CPU301にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM302と、CPU301の作業用メモリ等として用いられるRAM303と、日時を計測するリアルタイムクロック(RTC)304と、を備えている。
演出制御部300は、例えば遊技制御部200から送られる特別図柄抽選での当選か否かの判定結果および変動パターンに基づいて、演出内容を設定する。その際、演出ボタン161または演出キー162を用いたユーザからの操作入力を受けて、操作入力に応じた演出内容を設定する場合もある。この場合、例えば演出ボタン161等のコントローラ(不図示)から操作に応じた信号(操作信号)を受け付け、この操作信号により識別される操作内容を演出の設定に反映させる。
また、演出制御部300は、遊技が所定期間中断された場合には、演出の一つとして客待ち用の画面表示の設定を指示する。
さらには、演出制御部300は、遊技制御部200より受信した高確率状態と低確率状態の変更情報、時短無状態と時短状態の変更情報に基づいて演出内容を設定する。
また、演出制御部300は、設定した演出内容の実行を指示するコマンドを画像/音響制御部310およびランプ制御部320に送る。
画像/音響制御部310は、演出内容を表現する画像および音響を制御する際の演算処理を行うCPU311と、CPU311にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM312と、CPU311の作業用メモリ等として用いられるRAM313と、を備えている。
そして、画像/音響制御部310は、演出制御部300から送られたコマンドに基づいて、画像表示部114に表示する画像およびスピーカ156から出力する音響を制御する。
具体的には、画像/音響制御部310のROM312には、画像表示部114において遊技中に表示する図柄画像や背景画像、遊技者に抽選結果を報知するための装飾図柄、遊技者に予告演出を表示するためのキャラクタやアイテム等といった画像データが記憶されている。
ROM312には、さらに、画像データと同期させて、または画像データとは独立にスピーカ156から出力させる楽曲や音声、さらにはジングル等の効果音等といった各種音響データが記憶されている。CPU311は、ROM312に記憶された画像データや音響データの中から、演出制御部300から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。さらには、読み出した画像データを用いて背景画像表示、図柄画像表示、図柄画像変動、およびキャラクタ/アイテム表示等のための画像処理と、読み出した音響データを用いた音声処理とを行う。
そして、画像/音響制御部310は、画像処理された画像データにより画像表示部114での画面表示を制御する。また、音声処理された音響データによりスピーカ156から出力される音響を制御する。
ランプ制御部320は、盤ランプ116や枠ランプ157の発光、および可動役物115の動作を制御する際の演算処理を行うCPU321と、CPU321にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM322と、CPU321の作業用メモリ等として用いられるRAM323と、を備えている。
そして、ランプ制御部320は、演出制御部300から送られたコマンドに基づいて、盤ランプ116や枠ランプ157の点灯/点滅や発光色等を制御する。また、可動役物115の動作を制御する。
具体的には、ランプ制御部320のROM322には、演出制御部300にて設定される演出内容に応じた盤ランプ116や枠ランプ157での点灯/点滅パターンデータおよび発光色パターンデータ(発光パターンデータ)が記憶されている。CPU321は、ROM322に記憶された発光パターンデータの中から、演出制御部300から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。そして、ランプ制御部320は、読み出した発光パターンデータにより盤ランプ116や枠ランプ157の発光を制御する。
また、ランプ制御部320のROM322には、演出制御部300にて設定される演出内容に応じた可動役物115の動作パターンデータが記憶されている。CPU321は、可動役物115に対しては、読み出した動作パターンデータによりその動作を制御する。
払出制御部400は、払出球の払い出しを制御する際の演算処理を行うCPU401と、CPU401にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM402と、CPU401の作業用メモリ等として用いられるRAM403と、を備えている。
そして、払出制御部400は、遊技制御部200から送られたコマンドに基づいて、払出球の払い出しを制御する。
具体的には、払出制御部400は、遊技制御部200から、遊技球が入賞した場所(第1始動口121等)に応じた所定数の賞球を払い出すコマンドを取得する。そして、コマンドに指定された数だけの賞球を払い出すように払出駆動部411を制御する。ここでの払出駆動部411は、遊技球の貯留部から遊技球を送り出す駆動モータで構成される。
さらに、払出制御部400には、ホールに設置されたホストコンピュータに対して各種の情報を送信する枠用外部情報端子基板450が接続されている。そして、払出制御部400は、例えば払出駆動部411に対して払い出すように指示した賞球数に関する情報や払出球検出部412にて検出された実際に払い出された賞球数に関する情報等を枠用外部情報端子基板450を介してホストコンピュータに送信する。また、遊技制御部200に対しても、同様の情報を送信する。
続いて、遊技制御部200の機能構成を説明する。
図4は、遊技制御部200の機能構成を示すブロック図である。同図に示すように、遊技制御部200は、各種抽選処理を実行する機能部として、乱数取得部231と、普通図柄判定部232と、特別図柄変動制御部233と、特別図柄判定部234と、普通図柄変動制御部237と、を備えている。
また、遊技制御部200は、特別図柄変動に伴う処理を実行する機能部として、変動パターン選択部235を備えている。
さらに、遊技制御部200は、各種役物の動作制御や賞球等に関するデータ処理を実行する機能部として、大入賞口動作制御部238と、電動チューリップ動作制御部239と、賞球処理部240と、出力制御部241と、乱数制御部242と、を備えている。
乱数取得部231は、ゲート124を遊技球が通過した場合に、普通図柄に関する乱数の取得を行う。具体的には、所定の範囲の数値の中から一つの数値(乱数値)が選択(取得)されて、普通図柄判定部232による判定に用いられる。
特別図柄変動制御部233は、特別図柄の抽選が行われた場合に、その抽選結果に応じて特別図柄の変動を制御する。
また、「小当たり」は、「はずれ」の一種であり、遊技者に有利となる上記の遊技状態の何れも設定されない。
ここで、「リーチ」とは、後述する装飾図柄において遊技者に大当たりを期待させるための演出である。
普通図柄変動制御部237は、普通図柄の抽選結果に応じて、普通図柄の変動を制御する。
電動チューリップ動作制御部239は、普通図柄の抽選により「当選」と判定された場合には、電動チューリップ123を規定時間および規定回数だけ開放し、第2始動口122に遊技球が入賞容易となる状態を発生させる。また、「はずれ」と判定された場合には、電動チューリップ123のこのような開放状態を発生させない。
賞球処理部240は、入賞や抽選に関する種々の役物への入賞個数の管理および入賞に応じた賞球の払い出しの制御用コマンドをセットする。
出力制御部241は、遊技制御部200から演出制御部300および払出制御部400へ制御用コマンドの出力を制御する。
乱数制御部242は、メイン制御手段による処理で用いられる各種の乱数値の更新を制御する。
次に、上記のように構成されたパチンコ遊技機100の基本動作を説明する。
パチンコ遊技機100の基本的な動作は、メイン制御手段である遊技制御部200により行われる。そして、この遊技制御部200の制御の下、サブ制御手段である演出制御部300により遊技上の演出の制御が行われ、払出制御部400により賞球の払い出しの制御が行われる。
遊技制御部200は、電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、図5に示す各処理を一定時間(例えば4ミリ秒)ごとに繰り返し実行する。同図を参照すると、乱数更新処理、スイッチ処理、図柄処理、電動役物処理、賞球処理、出力処理が順次実行される(ステップ501〜506)。
始動口スイッチ処理では、遊技制御部200の乱数取得部231は、図3の第1始動口スイッチ211および第2始動口スイッチ212の状態を監視し、スイッチがONとなった場合に、特別図柄抽選のための処理を実行する。
ゲートスイッチ処理では、遊技制御部200の普通図柄判定部232は、図3のゲートスイッチ214の状態を監視し、スイッチがONとなった場合に、普通図柄抽選のための処理を実行する。
これらのスイッチ処理の詳細な内容については後述する。
特別図柄処理では、遊技制御部200の特別図柄変動制御部233、特別図柄判定部234、変動パターン選択部235により、特別図柄変動およびこの図柄変動に伴う処理が行われる。
普通図柄処理では、遊技制御部200の普通図柄変動制御部237により、普通図柄変動およびこの図柄変動に伴う処理が行われる。
これらの図柄処理の詳細な内容については後述する。
大入賞口処理では、遊技制御部200の大入賞口動作制御部238は、所定の条件に基づいて大入賞口125の開放動作を制御する。
電動チューリップ処理では、遊技制御部200の電動チューリップ動作制御部239は、所定の条件に基づいて電動チューリップ123の開放動作を制御する。
これらの電動役物処理の詳細な内容については後述する。
出力処理(ステップ506)では、遊技制御部200の出力制御部241は、演出制御部300および払出制御部400へ制御用コマンドを出力する。制御用コマンドは、ステップ505までの各処理において生成され、RAM203にセットされており、この出力処理で出力される。
図6は、図5のステップ502に示したスイッチ処理のうちの始動口スイッチ処理の内容を示すフローチャートである。
この始動口スイッチ処理は、第1始動口121における入賞に対する処理と、第2始動口122における入賞に対する処理とが順次行われる。図6を参照すると、遊技制御部200は、まず、第1始動口121に遊技球が入賞して第1始動口スイッチ211がONとなったか否かを判断する(ステップ601)。第1始動口スイッチ211がONとなったならば、次に遊技制御部200は、第1始動口121の入賞における未変動分の保留数U1が上限値未満か否かを判断する(ステップ602)。図6に示す例では、上限値を4個としている。保留数U1が上限値に達している場合は(ステップ602でNo)、それ以上未変動分の入賞を保留することができないので、第1始動口121における入賞に対する処理を終了する。
この後、遊技制御部200は、ステップ603による保留数U1の増加を演出制御部300に通知するための保留数U1増加コマンドをRAM203にセットし(ステップ606)、第1始動口121における入賞に対する処理を終了する。ステップ605の事前判定処理が行われた場合は、保留数U1増加コマンドには、ステップ605で得られた事前判定の判定結果の情報が含まれる。
この後、遊技制御部200は、ステップ609による保留数U2の増加を演出制御部300に通知するための保留数U2増加コマンドをRAM203にセットし(ステップ612)、第2始動口122における入賞に対する処理を終了する。ステップ611の事前判定処理が行われた場合は、保留数U2増加コマンドには、ステップ611で得られた事前判定の判定結果の情報が含まれる。
図7は、ゲート124を遊技球が通過した場合のゲートスイッチ処理の内容を示すフローチャートである。
このゲートスイッチ処理において、遊技制御部200は、まず、ゲート124を遊技球が通過してゲートスイッチ214がONとなったか否かを判断する(ステップ701)。ゲートスイッチ214がONとなったならば、次に遊技制御部200は、未変動分の保留数Gが上限値未満か否かを判断する(ステップ702)。図7に示す例では、上限値を4個としている。保留数Gが上限値に達している場合は(ステップ702でNo)、それ以上未変動分の入賞を保留することができないので、ゲートスイッチ処理を終了する。
図8は、図5のステップ503に示した図柄処理のうちの特別図柄処理の内容を示すフローチャートである。
この特別図柄処理において、遊技制御部200の特別図柄変動制御部233は、まず、RAM203においてセットされるフラグの設定(以下、フラグ設定)において当たり遊技フラグがONになっているか否かを調べる(ステップ801)。ここで、当たり遊技フラグは、特別図柄抽選の結果が大当たりであることを識別するためにセットされるフラグである。当たりの種類に応じて、長当たり遊技フラグ、短当たり遊技フラグの何れかがセットされる。本実施の形態では、これらを総称して当たり遊技フラグと呼ぶ。
図9は、大当たり判定処理(図8のステップ808)の内容を示すフローチャートである。
この大当たり判定処理において、遊技制御部200の特別図柄判定部234は、まず、今回の特別図柄抽選における大当たり乱数値の判定を行い(ステップ901)、大当たりまたは小当たりしたか否かを判断する(ステップ902、905)。大当たりまたは小当たりしたか否かは、図6のステップ604またはステップ610で取得した大当たり乱数の値が、大当たりの当選値として設定された値または小当たりの当選値として設定された値と一致したか否かを判断することによって決定される(図17(a)参照)。
図10は、変動パターン選択処理(図8のステップ809)の内容を示すフローチャートである。
この変動パターン選択処理において、遊技制御部200の変動パターン選択部235は、まず、大当たり判定処理(図9)のステップ902の判断結果を用いて今回の特別図柄抽選で大当たりしたか否かを判断する(ステップ1001)。そして、大当たりだった場合(ステップ1001でYes)、変動パターン選択部235は、大当たり用の変動パターンテーブルをROM202から読み出してRAM203にセットする(ステップ1002)。
乱数値を用いた判定の結果、リーチ演出を行う場合(ステップ1004でYes)、変動パターン選択部235は、リーチ用の変動パターンテーブルをROM202から読み出してRAM203にセットする(ステップ1005)。また、リーチ演出を行わない場合(ステップ1004でNo)、変動パターン選択部235は、はずれ用の変動パターンテーブルをROM202から読み出してRAM203にセットする(ステップ1006)。
ここで、変動パターンテーブルとは、予め用意されている複数の変動パターン(変動時間10秒、30秒、60秒、90秒など)と変動パターン乱数の値とを対応付けたテーブルである。
図11は、停止中処理(図8のステップ815)の内容を示すフローチャートである。
この停止中処理において、遊技制御部200は、まず、RAM203のフラグ設定において時短状態であることを示すフラグ(以下、時短フラグ)がONになっているか否かを調べる(ステップ1101)。時短フラグがONである場合(ステップ1101でYes)、遊技制御部200は、時短状態での抽選回数(変動回数)Jの値を1減算し(ステップ1102)、抽選回数Jが0になったか否かを調べる(ステップ1103)。そして、抽選回数J=0であれば(ステップ1103でYes)、時短フラグをOFFにする(ステップ1104)。なお、時短フラグをONにする操作と、抽選回数Jの初期値の設定は、後述の大入賞口処理(図14)における遊技状態設定処理(図15)で行われる。
一方、小当たりであった場合(ステップ1115でYes)、遊技制御部200は、小当たり遊技を開始する(ステップ1116)。これにより、RAM203の遊技状態の設定が小当たり遊技状態となる。なお、小当たり遊技では、前述したように、大入賞口125を所定回数開閉し、所定時間経過後に終了する。
この後、遊技制御部200は、演出制御部300において当たり遊技フラグに応じたオープニング動作における演出を行うためのオープニングコマンドをRAM203にセットして(ステップ1118)、停止中処理を終了する。このオープニングコマンドは、図5のステップ506に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。
図12は、客待ち設定処理(図8のステップ816)の内容を示すフローチャートである。
この客待ち設定処理において、遊技制御部200は、まず、RAM203のフラグ設定において客待ちフラグがONになっているか否かを調べる(ステップ1201)。ここで、客待ちフラグは、パチンコ遊技機100が客待ち状態であることを識別するためにセットされるフラグである。
図13は、図5のステップ503に示した図柄処理のうちの普通図柄処理の内容を示すフローチャートである。
この普通図柄処理において、遊技制御部200の普通図柄変動制御部237は、まず、RAM203のフラグ設定において補助遊技フラグがONになっているか否かを調べる(ステップ1301)。ここで、補助遊技フラグは、普通図柄抽選で当選した場合にセットされるフラグである。補助遊技フラグが設定されている状態は、電動チューリップ123が後述の電動チューリップ処理(図16)にしたがって開放され、第2始動口122に入賞し易い状態である(補助遊技状態)。
図14は、図5のステップ504に示した電動役物処理のうちの大入賞口処理の内容を示すフローチャートである。
この大入賞口処理において、遊技制御部200の大入賞口動作制御部238は、まず、RAM203のフラグ設定において当たり遊技フラグがONになっているか否かを調べる(ステップ1401)。当たり遊技フラグがOFFである場合、大入賞口125への入賞はないので、大入賞口処理を終了する(ステップ1401でNo)。一方、当たり遊技フラグがONである場合(ステップ1401でYes)、次に大入賞口動作制御部238は、パチンコ遊技機100が停止中処理(図11)で開始された大当たり時の動作制御におけるオープニング動作の最中か否かを判断する(ステップ1402)。
この後、大入賞口動作制御部238は、演出制御部300において当たり遊技フラグに応じたエンディング動作における演出を行うためのエンディングコマンドをRAM203にセットする(ステップ1413)。このオープニングコマンドは、図5のステップ506に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。
なお、前述した小当たり遊技で行われる演出は、短当たり遊技で行われる演出と同様であり、演出から短当たりと小当たりとを区別することはできない。
エンディング時間が経過した場合(ステップ1417でYes)に実行される、遊技制御部200による遊技状態設定処理(ステップ1418)の内容を図15に示す。
遊技状態設定処理が行われる場合、前提として、図14のステップ1401で当たり遊技フラグがONとなっている。そこで、図15に示すように、遊技制御部200は、まず、その当たりの種類を判断する(ステップ1501、1502、1503、1506)。これらの判断は、例えば大当たり判定処理(図9)でRAM203に設定情報としてセットされた図柄の種類に基づいて判断することができる。なお、これらの判断は大当たり判定処理(図9)のステップ902、903、905と概ね同様であるので、ステップ902、903、905の判断結果を用いても良い。
当たりの種類が低確率時短遊技状態の大当たりである場合(ステップ1501でNo、ステップ1502、1503でYes)、遊技制御部200は、時短フラグをONにする(ステップ1504)。これにより、RAM203の遊技状態の設定が低確率時短遊技状態となる。また、遊技制御部200は、抽選回数Jの初期値を設定し(ステップ1505)、遊技状態設定処理を終了する。抽選回数Jの初期値は、図示の例では100回である。したがって、低確率時短遊技状態における抽選が100回行われたならば、低確率時短遊技状態が終了し、低確率時短無遊技状態となる。
図16は、図5のステップ504に示した電動役物処理のうちの電動チューリップ処理の内容を示すフローチャートである。
電動チューリップ処理において、遊技制御部200の電動チューリップ動作制御部239は、まず、RAM203のフラグ設定において補助遊技フラグがONになっているか否かを調べる(ステップ1601)。補助遊技フラグがOFFである場合、電動チューリップ123は開放しないため、電動チューリップ処理を終了する(ステップ1601でNo)。一方、補助遊技フラグがONである場合(ステップ1601でYes)、次に電動チューリップ動作制御部239は、電動チューリップ123が作動中か否かを判断する(ステップ1602)。
ここで、大当たり判定処理(図9)、変動パターン選択処理(図10)、普通図柄処理(図13)等で行われる、乱数による判定の手法について詳細に説明する。
図17は、本実施の形態で用いられる乱数の判定(判定テーブル)の構成例を示す図である。
図17(a)には大当たり乱数の判定の構成例、図17(b)には大当たり図柄乱数の判定の構成例、図17(c)にはリーチ乱数の判定の構成例、図17(d)には当たり乱数の判定の構成例が、それぞれ示されている。
低確率図柄Bでは、第1始動口121および第2始動口122ともに、当選値として15個の値が割り当てられている。したがって、大当たりに当選した場合に低確率図柄Bでの当選となる確率は、15/250(=3/50)である。
一方、第2始動口122に入賞した場合の当選値として175個の値が割り当てられている。したがって、第2始動口122に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に高確率図柄Aでの当選となる確率は、175/250(=7/10)である。
一方、第2始動口122に入賞した場合の当選値として25個の値が割り当てられている。したがって、第2始動口122に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に高確率図柄Bでの当選となる確率は、25/250(=1/10)である。
一方、第2始動口122には潜確図柄での当選値が割り当てられておらず、第2始動口122に入賞した場合に潜確図柄での当選となることはない。
図17(c)を参照すると、乱数の値の範囲は0〜249の250個であり、リーチ演出を行う抽選結果(リーチ有)に22個の乱数値が割り当てられ、リーチ演出を行わない抽選結果(リーチ無)に228個の乱数値が割り当てられている。すなわち図示の例では、特別図柄抽選で大当たりしなかった場合に、22/250(=11/125)の確率でリーチ演出が行われる。
図17(d)を参照すると、乱数の値の範囲は0〜9の10個であり、時短フラグOFFのときの当選値として1個の値が割り当てられ、時短フラグONのときの当選値として9個の値が割り当てられている。したがって、時短無状態のときにゲート124を遊技球が通過して普通図柄抽選(開閉抽選)が行われると、1/10の確率で当選する。これに対し、時短状態のときにゲート124を遊技球が通過して普通図柄抽選(開閉抽選)が行われると、9/10の確率で当選する。
なお、図17の各乱数の構成例に示した乱数の範囲、当選値の割合、当選値の各値は例示に過ぎず、図示の値に限定されるものではない。
次に、演出制御部300の動作を説明する。
図18は、遊技制御部200からコマンドを受信した際の演出制御部300の動作を示すフローチャートである。
演出制御部300の動作は、図18(a)に示すメイン処理と、図18(b)に示す割り込み処理とからなる。図18(a)を参照すると、演出制御部300は、まず起動時に初期設定を行い(ステップ1801)、CTC(Counter/Timer Circuit)の周期設定を行った後(ステップ1802)、設定された周期にしたがって、演出制御において用いられる乱数を更新しながら(ステップ1803)、割り込み処理を受け付ける。
図19は、コマンド受信処理(図18(b)のステップ1811)の内容を示すフローチャートである。
このコマンド受信処理において、演出制御部300は、まず、受信したコマンドが保留数を増加するためのコマンド(保留数増加コマンド)か否かを判断する(ステップ1901)。この保留数増加コマンドは、遊技制御部200において、図6に示した始動口スイッチ処理においてセットされ(ステップ606、612)、図5に示した出力処理(ステップ506)で演出制御部300へ送信される。保留数増加コマンドであった場合(ステップ1901でYes)、演出制御部300は、RAM303(図3参照)に保持されている保留数の値を1加算し(ステップ1902)、加算後の保留数の値を示す保留数コマンドをRAM303にセットする(ステップ1903)。
受信したコマンドが変動開始コマンドであった場合(ステップ1904でYes)、演出制御部300は、演出選択処理を実行する(ステップ1905)。演出選択処理の詳細については後述する。
受信したコマンドが変動停止コマンドであった場合(ステップ1906でYes)、演出制御部300は、変動演出終了中処理を実行する(ステップ1907)。変動演出終了中処理の詳細については後述する。
受信したコマンドがオープニングコマンドであった場合(ステップ1908でYes)、演出制御部300は、当たり演出選択処理を実行する(ステップ1909)。当たり演出選択処理の詳細については後述する。
受信したコマンドがエンディングコマンドであった場合(ステップ1910でYes)、演出制御部300は、エンディング演出選択処理を実行する(ステップ1911)。エンディング演出選択処理の詳細については後述する。
演出制御部300により演出が行われる場合、設定される演出モードに基づき、種々の演出パターンが選択されて実行される。この演出モードは、RAM303にセットされるモードフラグによって決定される。ここで、モードフラグは、0〜4の値のいずれかが設定されており、それぞれAモードからEモードまでの5種類の演出モードが割り当てられている。なお、モードフラグは、特別図柄抽選の抽選結果または特別図柄抽選の抽選回数に応じて設定される。
高確率図柄Aの大当たりにはモードフラグ1が、低確率図柄Aの大当たりにはモードフラグ2が、高確率図柄Bおよび低確率図柄Bの大当たりにはモードフラグ3が、潜確図柄の大当たりおよび小当たりにはモードフラグ4が、それぞれ割り当てられている。ここで、これらの図柄の種類は、図17(b)に示したものと同様である。何れの当たりにもモードフラグ0は割り当てられていない。なお、モードフラグ1〜4において、特別図柄抽選を所定回数実行することでモードフラグ0が設定される。
さらに、図20に示す例では、変動演出終了中処理で用いられるパラメータM(M値)が、Aモードを除く各モードに対して個別に設定されている。
この演出選択処理において、演出制御部300は、まず受信した変動開始コマンドを解析する(ステップ2101)。また、演出制御部300は、RAM303の設定からパチンコ遊技機100の現在のモードフラグを参照し(ステップ2102)、RAM303に保持されている保留数の値を1減算する(ステップ2103)。そして、演出制御部300は、変動開始コマンドの解析結果から得られる各種の設定情報(大当たりの種類、大当たり遊技後の遊技状態、変動パターン等の情報)およびモードフラグにより決定される演出モードに基づき、その演出モードで画像表示部114に表示する画像による図柄変動の演出パターン(変動演出パターン)を選択する(ステップ2104)。最後に、演出制御部300は、選択した演出パターンによる演出に用いられる画像データや音響データをROM302から読み出し、これらのデータと共に、選択した演出の実行開始を指示する変動演出開始コマンドをRAM303にセットして、演出選択処理を終了する(ステップ2105)。
この変動演出終了中処理において、演出制御部300は、まず受信した変動停止コマンドを解析する(ステップ2201)。また、演出制御部300は、RAM303(図3参照)の設定からパチンコ遊技機100の現在のモードフラグを参照する(ステップ2202)。そして、演出制御部300は、変動停止コマンドの解析の結果から得られる特別図柄変動が停止した際の図柄の種類を示す情報に基づいて特別図柄抽選の抽選結果が当たり(大当たりまたは小当たり)か否かを判断する(ステップ2203)。何らかの当たりである場合は(ステップ2203でYes)、その当たりの種類に応じて、図20に示した設定例に基づきRAM303にセットされているモードフラグを変更する(ステップ2204)。
この当たり演出選択処理において、演出制御部300は、まず受信したオープニングコマンドを解析し(ステップ2301)、モードフラグに基づく演出モードの内容に応じて演出のパターン(当たり演出パターン)を選択する(ステップ2302)。そして、演出制御部300は、選択した演出パターンによる演出に用いられる画像データや音響データをROM302から読み出し、これらのデータと共に、選択した演出を指示する当たり演出開始コマンドをRAM303にセットして、当たり演出選択処理を終了する(ステップ2303)。これにより、大当たり中の演出が決定される。
このエンディング演出選択処理において、演出制御部300は、まず受信したエンディングコマンドを解析し(ステップ2401)、モードフラグに基づく演出モードの内容に応じて演出のパターン(エンディング演出パターン)を選択する(ステップ2402)。そして、演出制御部300は、選択した演出パターンによる演出に用いられる画像データや音響データをROM302から読み出し、これらのデータと共に、選択した演出を指示するエンディング演出開始コマンドをRAM303にセットして、エンディング演出選択処理を終了する(ステップ2403)。
演出制御部300は、客待ち状態に移行するための客待ちコマンドを受信したか否かを判断する(ステップ2501)。客待ちコマンドを受信した場合(ステップ2501でYes)、演出制御部300は、経過時間の計測を開始し(ステップ2502)、RAM303において計測フラグをONにする(ステップ2503)。一方、受信したコマンドが客待ちコマンドでなかった場合(ステップ2501でNo)、演出制御部300は、RAM303に保持されている計測フラグがONになっているか否かを判断する(ステップ2504)。計測フラグがOFFであれば(ステップ2504でNo)、客待ちコマンド受信処理を終了する。
この変動演出終了中処理において、演出制御部300は、まず遊技者による演出ボタン等が操作されたか否かを判断する(ステップ2601)。ここで、演出ボタン等の操作とは、演出ボタン161が押下されてONとなること、演出キー162の中央キーや周囲キーが押下されてONとなることを含む。また、タッチパネル等、演出ボタン161および演出キー162以外の操作用デバイスがパチンコ遊技機100に設けられている場合は、そのデバイスの操作を検知したことを含む。演出制御部300は、これらのデバイスのコントローラから操作信号を受け付けて、操作が行われたことを検知する。
本実施の形態に係る遊技盤110は、遊技盤本体Bを有する。この本実施の形態に係る遊技盤本体Bは、ベニヤ(合板、木)製ではなく、光を透過する樹脂製の板状部材であり、透明遊技板である。より詳しくは、遊技盤本体Bは、凹凸形状や切欠き形状を成形により一体形成されるものであり、ポリカーボネート(PC)製である。すなわち、本実施の形態に係る遊技盤本体Bは、凹凸形状や切欠き形状を切削する工程を省略することが可能であり、このために、凹凸形状や切欠き形状の端面が磨りガラス状に形成されない。
また、本実施の形態に係る遊技盤本体Bを、樹脂製部材を接着剤で互いに貼り合わせることで構成する場合にも適用することが考えられる。
付言すると、アクリル製を採用するときにベニヤ製の場合に比べて懸念される事項としては、コスト高、量産性の低下、遊技くぎの破損、剛性の低下が挙げられる。剛性の低下について補足説明すると、アクリル製の場合は厚さが10mmであり、厚さ19mmとなるベニヤ製の場合よりも薄くなり、たわみ易い。
すなわち、アクリル製の場合には、押出成形による素材としての板材を、外形加工、大径穴小径穴の加工、ルーター加工、遊技くぎの下穴加工および外形面取りの順でNC加工を行う。その一方で、ポリカーボネート製の場合には、射出成形で成形した後に、小径穴の加工、ゲートカット処理および遊技くぎの下穴加工の順でNC加工を行う。このため、成形法の違いによるNC加工工数の違いが顕著である。
また、アクリルは吸水することで変形が起こるために外気の温度や湿度の管理を必要とするものである。その一方で、ポリカーボネートは、成形後の変形がほとんどなく、外気の温度や湿度の管理をアクリルの場合よりも厳密に行う必要がない。このため、成形後の管理の違いが顕著である。
また、アクリル製の場合は、アクリルにゴム成分が入った高価な押し出し材料であり、ルーター加工分の無駄な材料費の削減が困難である。その一方で、ポリカーボネート製の場合には、アクリル製の場合に比べて材料が安価であり、射出成形後のNC加工が少ないことから、無駄な材料費がほとんど発生しない。このため、材料自体の単価とその使用量の違いが顕著である。
付言すると、ポリカーボネート製を採用するときにアクリル製の場合に比べて懸念される事項としては、耐薬品性が弱くなること、形状の変更が困難であること、耐傷性が弱くなること等が挙げられる。
図27および図28は、遊技盤110が備える遊技盤本体Bを説明する図である。図27の(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は左側面図、(d)は右側面図、(e)は底面図である。図28の(a)は背面図であり、(b)は、(a)の線X−Xによる断面図である。
図27および図28に示すように、樹脂製の遊技盤本体Bは、各種役物等を取り付けるための切欠き形状を有する。例えば、遊技盤本体Bには、センター飾り(不図示)取り付け用の開口部101や、第1始動口121および第2始動口122取り付け用の開口部102、大入賞口125取り付け用の開口部103等が形成されている。これらの開口部101,102,103は、遊技盤本体Bの前面Baから後面Bbへ貫通している。なお、開口部101は、ゲート124取り付け用の領域101aを有する。
さらに説明すると、遊技盤本体Bは、縁部に沿って全周にわたって延びる縁リブ104を備えている。この縁リブ104は、前面Baから後方に向けて立設して形成されている。言い換えると、縁リブ104は、遊技盤本体Bの厚さ方向に突出している。このような縁リブ104を備える構造を採用することで、遊技盤本体Bに各種役物等の部品を取り付ける際に縁リブ104を利用することで作業性を向上させることが可能になる。また、遊技盤110を遊技盤保持枠に取り付ける際に作業者が縁リブ104に指をかけて行うことにより作業性を向上させることが可能になる。
また、樹脂製の遊技盤本体Bの厚さTは、ベニヤ製の遊技盤の厚さと同じであり、19mmである。
また、板厚t1に形成された遊技盤本体Bの部分105を設けることにより、遊技盤本体Bに取り付けられる各種役物等がなるべく前面Ba寄りに位置することになる。このため、遊技盤本体Bの後面Bbのスペースをより広く確保することが可能になり、各種の機構部品等の設計条件を緩和することが可能になる。
なお、後面Bbの部分105は、遊技くぎを取り付けるために必要な厚さを確保すべく、それ以外の後面Bbの部分の板厚t2よりも厚い板厚t1を採用している。
次に、遊技盤110における可動役物115の位置を説明する。
図29は、遊技盤110の構成部品相互の位置関係を説明する概略平面図である。
同図に示すように、遊技盤110において、可動役物115は、遊技盤本体Bと画像表示部114との間に位置する。すなわち、遊技盤110は、画像を表示する表示面114aを持つ画像表示部114と、画像表示部114の表示面114a前に位置する遊技盤本体Bと、を含んで構成されている。また、可動役物115は、遊技盤本体Bと画像表示部114とに挟まれて位置する。
また、可動役物115は、遊技領域111を形成する遊技盤本体Bの前面Baとは反対の側の面である後面Bb側に配設されている。したがって、遊技領域111に起因する動く範囲の制約を受けることなく、より大きな範囲で動きによる演出を行うことが可能になる。
次に、可動役物115の構成について説明する。
図30は、可動役物115の構成を示す分解斜視図である。
同図に示すように、可動役物115は、遊技盤本体B(図27または図28参照)に固定される板状の固定部材10と、固定部材10に対して可動の可動体20と、可動体20を駆動する駆動機構30と、を備えている。
可動役物115の可動体20は、図30に示すように、長手形状に形成され、駆動機構30の駆動力が入力される一端部(基端部)と、一端部とは反対側に位置する他端部(先端部)と、を持ち、内部に収容空間が形成されている下ベース部材21を備えている。
また、可動体20は、下ベース部材21の一端部と係合して固定部材10への取り付けに用いられる押さえ部材22と、下ベース部材21の収容空間に配設されるスライド板23と、を備えている。また、可動体20は、スライド板23のスライドに伴って開閉する、外装部品としての羽根部材24,25を備えている。なお、羽根部材24,25を一対の板状部材ということもできる。
また、可動体20は、発光演出を行う不図示の光源や不図示レンズ部材等の発光部もまた備えている。
可動役物115の駆動機構30は、図30に示すように、駆動力を発生する駆動軸31aを持ち、正逆回転可能なモータ31と、モータ31の駆動軸31aが通る穴32aを持ち、モータ31を固定部材10に取り付ける取り付け板32と、を含んで構成されている。また、駆動機構30は、モータ31の駆動軸31aに取り付けられる継ぎ手33と、継ぎ手33を介してモータ31の駆動軸31aと連結される平歯車34と、を含んで構成されている。これらモータ31、取り付け板32、継ぎ手33および平歯車34は、固定部材10の後面(同図の奥側の面)側に位置する。
また、駆動機構30は、カバー部11から露出する平歯車34の部分と噛合してモータ31の駆動力が伝達される平歯車35と、平歯車35と噛合する平歯車36と、を含んで構成されている。
また、駆動機構30は、平歯車36の端面に取り付けられた直線状のピン37を含んで構成されている。ピン37は、下ベース部材21に向けて立設する。
可動役物115の固定部材10は、固定部材10の前面(同図の手前側の面)に形成され、駆動機構30の平歯車34の一部を覆うカバー部11を備えている。また、固定部材10は、固定部材10の前面(同図の手前側の面)に立設される保持軸12を備えている。そして、平歯車35は、この保持軸12に回転可能に軸支される。
さらに、固定部材10は、平歯車36に対応する部分に形成され、板厚方向に貫通する貫通穴13を備えている。また、固定部材10は、貫通穴13の近傍に位置し、固定部材10の前面(同図の手前側の面)から突出するストッパ14およびストッパ15を備えている。なお、固定部材10のストッパ15の近傍位置に、対象物を光学的に検出するフォトセンサ16(図31の(a)〜(c)参照)が取り付けられる。
ここで、可動体20の下ベース部材21を押さえ部材22を用いて固定部材10に取り付けるための構成について説明する。
図30に示すように、可動体20の下ベース部材21は、固定部材10の前面(図30の手前側の面)側に位置し、可動体20の押さえ部材22は、固定部材10の後面(同図の奥側の面)側に位置する。そして、固定部材10の貫通穴13を介して、下ベース部材21の一端部(同図における上端部)と押さえ部材22とが、固定部材10の貫通穴13の周縁部を挟む形で互いに連結される。
こうして、下ベース部材21は固定部材10に取り付けられる。
このような構成によって、組み立て状態では、可動体20の下ベース部材21と押さえ部材22との間に、平歯車36が介装される。言い換えると、下ベース部材21は、押さえ部材22との間に、駆動機構30の平歯車36および固定部材10を挟んだ状態で固定部材10に取り付けられる。
次に、可動体20が備える部品のより詳細な構成および作用について、以下説明する。
図30に示すように、可動体20の下ベース部材21は、一端部(同図における上端部)にて平歯車36のピン37が通るように形成される円弧状の円弧孔21aを備えている。なお、平歯車36のピン37は、可動体20のスライド板23と係合する。
なお、上述したように、下ベース部材21は、固定部材10に対して押さえ部材22と一体に回転する。
また、下ベース部材21は、円弧突出部21c,21dが形成されていない部分(切り欠かれた部分)に形成され、取り付け穴を持つボス21f,21gを備えている。
また、押さえ部材22は、図30または図31の(a)に示すように、下ベース部材21の突部21eに対応して形成される開口部22cを備えている。
そして、このような位置合わせ状態で、ねじ部材(不図示)を固定部材10の後面側(図30の奥側)から窪み部22a,22bに挿入し、工具(不図示)でネジ締めする。これにより、押さえ部材22を介して固定部材10を挟み込んだ状態で下ベース部材21が取り付けられる。
すなわち、平歯車36の回転に伴って平歯車36の小突起部36bが下ベース部材21の凹部21hの端部を押すことで、下ベース部材21が平歯車36と共に回転する。ところが、平歯車36の小突起部36bが凹部21h内を移動しているときには、平歯車36が一方向に回転しているにもかかわらず下ベース部材21が回転しない。いわゆる下ベース部材21の回転停止状態である。
このように、下ベース部材21の凹部21hは、平歯車36の小突起部36bが移動可能な領域を規制するためのものである。
次に、可動体20の羽根部材24,25の開閉について説明する。まず、開閉機構を担う構成を説明した後に、構成による作用を説明する。
図30に示すように、可動体20の下ベース部材21には、互いに離間する位置にピン26,27が取り付けられている。そして、スライド板23には、他端部(同図の下端部)に円柱状に形成された小ピン部23b,23cが形成されている。
また、羽根部材24は、下ベース部材21のピン26を受け入れて保持する保持部24aと、保持部24aの周面に形成され、スライド板23の小ピン部23bと係合可能な係合部24bと、を備えている。同じく、羽根部材25は、下ベース部材21のピン27を受け入れて保持する保持部25aと、保持部25aの周面に形成され、スライド板23の小ピン部23cと係合可能な係合部25bと、を備えている。
なお、保持部24a,25aおよび係合部24b,25bは、羽根部材24,25の一端部(同図の下端部)に形成されている。すなわち、羽根部材24,25は、一端部を基部として開閉する。
図32は、可動体20の羽根部材24,25の開閉動作を説明する図である。同図の(a)は、羽根部材24,25の閉鎖状態(閉状態)を示し、(b)は、羽根部材24,25の開放状態(開状態)を示す。
なお、すでに説明した内容であるが、羽根部材24の取り付けは、羽根部材24の保持部24aにピン26が挿入されると共に係合部24bにスライド板23の小ピン部23bが係合されることで行われる。また、羽根部材25の取り付けは、羽根部材25の保持部25aにピン27が挿入されると共に係合部25bに小ピン部23cが係合されることで行われる。
そして、スライド板23の小ピン部23bおよび小ピン部23cは、スライド板23の移動により同じ方向に同じ距離だけ位置が変わる。すなわち、小ピン部23bおよび小ピン部23cは、スライド板23と共に、連れ動く。このため、羽根部材24が閉鎖状態であれば羽根部材25も閉鎖状態であり、羽根部材24が開放状態であれば羽根部材25も開放状態である。言い換えると、羽根部材24と羽根部材25とが互いに連動して一緒に開閉するように構成され、いずれか一方のみが単独で開閉するものではない。
これにより、スライド板23は、下ベース部材21に対してスライド移動する。言い換えると、スライド板23は、モータ31の駆動力によりスライド移動する。
なお、下ベース部材21は、モータ31の駆動力によりスライド移動せず、後述するように一端部(同図の上端部)を中心にした回転運動を行う。
言い換えると、歯車36のピン37がスライド板23の案内穴23a内を移動しているときには、羽根部材24,25の開閉が行われない。このような開閉が行われない状態は、案内穴23aを円形状にすると、ほとんど現れない。この意味において、案内穴23aを長孔形状とすることで、遊びを持たせている。
次に、可動体20による演出について説明する。
図33、図34、図35および図36は、可動体20による演出を説明する図である。より詳細には、図33〜図35は、可動体20の正面図であり、演出を開始してからの演出の様子を時系列で示している。図33は、可動体20が待機位置にある状態をパチンコ遊技機100の正面から見た場合を示す。また、図34は、可動体20が登場する位置(登場位置)にある状態を示し、図35は、可動体20の羽根部材24,25が全開する位置(全開位置)にある状態を示す。
また、図36の(a)は、可動体20の動きをまとめて図示するものであり、(b)は、待機位置から登場位置を経て全開位置に移行する場合の作用を説明する図である。
なお、待機位置では、羽根部材24,25が閉じている閉鎖状態(図32の(a)参照)である。また、待機位置では、平歯車36の突出片36c(図31の(a)または(b)参照)がフォトセンサ16により検出されている。
なお、登場位置でも、羽根部材24,25が閉じている閉鎖状態(図32の(a)参照)である。
図35に示す全開状態では、このようなスライド板23の下ベース部材21に対する相対移動により、羽根部材24,25が全開している開放状態(図32の(b)参照)になる。このようなスライド板23の相対移動は、平歯車36の例えば3〜4歯分のものを設定することが考えられる。
なお、すでに説明した内容であるが、このような全開状態では、モータ31(図30参照)の作動が停止しており、平歯車36の回転が停止し、したがって、可動体20の回転も停止している。
このような状態維持の存在によって、可動役物115の固体差に起因して動き演出の内容にバラツキが生じることを防止することが可能になる。すなわち、製造上の公差等により可動役物115の動きに関するバラツキが大きいと、演出内容が変わってしまうおそれがある構造の場合にとりわけ技術的な意義を持つ。仮に、本実施の形態に係る可動体20を回転動作に続けて開放動作を行うような機構を採用すると、固体差のバラツキにより、開放動作を行うタイミングがずれてしまう等の不具合が考えられる。本実施の形態では、上述したように、回転動作から状態維持を介して開放動作に移行するので、そのような不具合を防止することが可能である。
また、このような状態維持を介在させることで、回転動作と開放動作とが明確に区別されることから、演出の選択が可能になる。例えば、回転動作だけを行う場合にも対応でき、さらに回転動作および開放動作を行う場合にも対応することができる。
また、同図の(b)に示す図は、矢印Aの方向(同図における時計方向)に回転する場合を示すものであるが、反対の方向(同図における反時計方向)に回転する場合には、矢印Aの方向の場合と反対の順になるが、異なるものとすることも考えられる。例えば、図35に示す全開位置で羽根部材24,25の開放状態が維持される状態維持の後に、羽根部材24,25が開放したまま可動体20が回転動作し、その後、羽根部材24,25の閉鎖動作が行われる変形例である。
また、本実施の形態に係る可動体20の羽根部材24,25は、可動体20の回転動作後に開放動作を行う構成を採用するが、回転動作の際に、回転とは別の動き演出を行う構成も考えられる。
可動役物115(図1、図29〜図35または図36の(a)参照)は、演出体の一例である。
可動体20(図30〜図35または図36の(a)参照)ないし下ベース部材21(図30〜図35参照)は本体部の一例であり、固定部材10(図29、図30または図33〜図35参照)は基台の一例である。モータ31(図29または図30参照)は駆動源の一例である。スライド板23、ストッパ14,15、平歯車36(図30参照)は、機構の一例である。羽根部材24,25(図31、図32、図35または図36の(a)参照)は、可動部材の一例である。
図33に示す待機位置と図34に示す登場位置との間における回転動作は、第1の状態の一例であり、図35に示す全開状態は第2の状態の一例である。図36の(b)に示す状態維持は、第3の状態の一例である。
図32の(a)に示す閉鎖状態は第1の位置の一例であり、同図の(b)に示す開放状態の一例である。
Claims (2)
- 遊技に応じて演出を行う演出体を備える遊技機であって、
前記演出体は、
基台に立設され当該基台に対して回転可能な本体部と、
前記本体部を前記基台に対して回転する駆動力を発生する駆動源と、
前記本体部と同軸の回転軸を有し、前記駆動源の駆動力を当該本体部に伝達する歯車と、
を持ち、
前記基台は、前記本体部の回転を所定位置で阻止する阻止部を持ち、
前記本体部が持つ係合部と前記歯車が持つ係合部とが係合する場合、前記駆動源の駆動力により当該歯車が一方向に回転することで当該本体部が前記基台の前記阻止部に向けた回転を行い、
前記基台の前記阻止部により前記本体部が前記所定位置で阻止される場合、さらに前記駆動源が作動すると当該本体部の前記係合部と前記歯車の前記係合部との係合が解かれて当該歯車の前記一方向への回転が許容され、当該歯車が当該本体部に対して回転することを特徴とする遊技機。 - 前記演出体は、
前記歯車が持つ突出部と係合する部材と、
前記部材の移動により当該部材に対する第1の位置から第2の位置への変更が可能な可動部材と、
をさらに持ち、
前記歯車が前記一方向へ回転することで前記本体部が前記基台の前記阻止部に向けた回転を行う場合、前記可動部材は前記第1の位置にあり、
前記歯車が前記本体部に対して前記一方向に回転する場合、当該歯車の前記突出部により前記部材が移動して前記可動部材が前記第1の位置から前記第2の位置に変更することを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
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-
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- 2013-10-30 JP JP2013225925A patent/JP5719905B2/ja active Active
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