JP2016041347A - 遊技機 - Google Patents

遊技機 Download PDF

Info

Publication number
JP2016041347A
JP2016041347A JP2015229436A JP2015229436A JP2016041347A JP 2016041347 A JP2016041347 A JP 2016041347A JP 2015229436 A JP2015229436 A JP 2015229436A JP 2015229436 A JP2015229436 A JP 2015229436A JP 2016041347 A JP2016041347 A JP 2016041347A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
effect
control unit
game
unit
winning
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2015229436A
Other languages
English (en)
Inventor
広美 服部
Hiromi Hattori
広美 服部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyoraku Sangyo Co Ltd
Original Assignee
Kyoraku Sangyo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyoraku Sangyo Co Ltd filed Critical Kyoraku Sangyo Co Ltd
Priority to JP2015229436A priority Critical patent/JP2016041347A/ja
Publication of JP2016041347A publication Critical patent/JP2016041347A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】回転体の回転演出を実現するための構成に求められる要求に対応する場合のコスト上昇を抑制することが可能な遊技機を提供する。
【解決手段】上側演出部が備えるゼネバ機構90は、駆動力により連続回転する原動車91と、原動車91と係合して断続的に回転する従動車92と、を含んで構成されている。すなわち、原動車91は、周面に形成されたピン部材93を有する。従動車92は、ピン部材93を受け入れ可能なU字凹部96,98を有する。原動車91が駆動回転すると、ピン93がU字凹部96,98に入り込み、これにより、従動車92が断続回転する。また、従動車92には、自身の位置を特定するための溝90aを、U字凹部96,98とは別に形成されている。
【選択図】図36

Description

本発明は、遊技球の入賞によって大当たりの抽選を行うパチンコ遊技機や遊技媒体の投入の際の抽選結果を複数リールの停止時に図柄の組み合わせで表示するスロットマシン等の遊技機に関するものである。
パチンコ遊技機等の遊技機では、遊技球が始動口等の役物に入賞することにより大当たりの抽選が行われる。そして、大当たりに当選した場合には、遊技機は、大入賞口が開放されて、多くの賞球を獲得し得る大当たり遊技状態となる。また、遊技機では、遊技者による遊技球の遊技に伴って各種の演出が行われる。
このような各種の演出を行う装置として、従来から種々の構成・態様が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1には、遊技の進行に関連して作動する演出装置と、該演出装置を制御する演出制御手段と、を備えた遊技機において、演出装置は、周方向に沿って複数の表示面を有する回転可能な回転ドラムと、回転ドラムの所定の表示面を構成し、表面に遊技の進行に関連した所定の画像を示す異方性反射パターンが形成された透明な導光板と、導光板に対して所定の方向から光を照射する光照射手段と、を備え、光照射手段の消灯状態においては導光板の所定の画像は非表示状態となり、光照射手段が導光板に対して光を照射すると所定の画像が表示状態となるように構成され、演出制御手段は、遊技の進行に関連して回転ドラムを回転動作させて所定の表示面を前方に位置させ、光照射手段を点灯させることにより所定の画像を視認可能に制御する構成が開示されている。
特開2012−245128号公報
ここで、回転機構により回転演出を行う回転体が例えば発光演出を行う場合には、回転体との間で電気信号を送受信するための信号路を回転機構に配設する必要がある。このような信号路の形成にコストをかけることは遊技機の製造コストが上昇することにつながり、好ましくない。また、回転機構が備える駆動源を制御するために回転体の回転状態を検出する検出部を備える場合、かかる検出部の構成は、遊技機の使用環境に対応するものであることが求められるものの、やはりコストの観点にも配慮する必要もある。
本発明は、回転体の回転演出を実現するための構成に求められる要求に対応する場合のコスト上昇を抑制することが可能な遊技機を提供することを目的とする。
本発明が適用される遊技機は、回転演出を行う演出体1を備える遊技機100であって、前記演出体1は、駆動力により回転可能であり、突部93を有する第1部材91と、回転可能であり溝部96,98を有する第2部材92と、を備え、前記第1部材91が回転する際に前記第1部材91の前記突部93が前記第2部材92の前記溝部96,98に入りこんで前記第2部材92が回転可能で、前記第2部材92には、前記第2部材92の位置を特定するための、前記溝部96,98とは異なる特定溝90aが形成されていることを特徴とするものである。
なお、本欄における上記符号は、本発明の説明に際して例示的に付したものであり、この符号により本発明が減縮されるものではない。
本発明によれば、回転体の回転演出を実現するための構成に求められる要求に対応する場合のコスト上昇を抑制することが可能になる。
本実施の形態に係るパチンコ遊技機の概略正面図である。 (a)は遊技盤の右下に配設された表示器の一例を示す拡大図であり、(b)はパチンコ遊技機の部分平面図である。 本実施の形態のパチンコ遊技機の制御ユニットの内部構成を示す図である。 本実施の形態の遊技制御部の機能構成を示すブロック図である。 本実施の形態の遊技制御部の主要動作を示すフローチャートである。 始動口スイッチ処理の内容を示すフローチャートである。 ゲートスイッチ処理の内容を示すフローチャートである。 特別図柄処理の内容を示すフローチャートである。 大当たり判定処理の内容を示すフローチャートである。 変動パターン選択処理の内容を示すフローチャートである。 停止中処理の内容を示すフローチャートである。 客待ち設定処理の内容を示すフローチャートである。 普通図柄処理の内容を示すフローチャートである。 大入賞口処理の内容を示すフローチャートである。 遊技状態設定処理の内容を示すフローチャートである。 電動チューリップ処理の内容を示すフローチャートである。 本実施の形態で用いられる乱数の構成例を示す図であり、(a)は大当たり乱数の構成例を示す図、(b)は大当たり図柄乱数の構成例を示す図、(c)はリーチ乱数の構成例を示す図、(d)は当たり乱数の構成例を示す図である。 演出制御部の動作を示すフローチャートであり、(a)はメイン処理を示す図、(b)は割り込み処理を示す図である。 コマンド受信処理の内容を示すフローチャートである。 モードフラグの設定例を示す図である。 図19の演出選択処理の内容を示すフローチャートである。 図19の変動演出終了中処理の内容を示すフローチャートである。 図19の当たり演出選択処理の内容を示すフローチャートである。 図19のエンディング演出選択処理の内容を示すフローチャートである。 図19の客待ちコマンド受信処理の内容を示すフローチャートである。 演出ボタン処理の内容を示すフローチャートである。 遊技盤が備える遊技盤本体を説明する図である。 遊技盤が備える遊技盤本体を説明する図である。 遊技盤の構成部品相互の位置関係を説明する概略平面図である。 可動役物の外観を示す正面図である。 可動役物の外観を示す正面図である。 上側昇降機構部を説明する正面図である。 下側昇降機構部を説明する正面図である。 回転機構部の外観を示す斜視図である。 回転機構部の内部構造を示す斜視図である。 回転機構部のゼネバ機構の構成および作用を説明する図である。 回転機構部内に配設されるセンサの位置を説明する斜視図である。 センサの検出結果を用いる回転制御を説明する図である。 可動役物による動き演出例を説明する図である。 可動役物による動き演出例を説明する図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
〔遊技機の基本構成〕
図1は、本実施の形態に係るパチンコ遊技機100の概略正面図である。
同図に示す遊技機の一例としてのパチンコ遊技機100は、遊技者の指示操作により打ち出された遊技球が入賞すると賞球を払い出すように構成されたものである。このパチンコ遊技機100は、遊技球が打ち出される遊技盤110と、遊技盤110を囲む枠部材150とを備えている。遊技盤110は、枠部材150に着脱自在に取り付けられている。
遊技盤110は、前面に、遊技球により遊技を行うための遊技領域111と、下方から発射された遊技球が上昇して遊技領域111の上部位置へ向かう通路を形成するレール部材112と、遊技領域111の右側に遊技球を案内する案内部材113とを備えている。
本実施の形態では、遊技者により視認され易い遊技領域111の位置に、演出のための各種の画像を表示する画像表示部114が配設されている。この画像表示部114は、液晶ディスプレイ等による表示画面を備え、遊技者によるゲームの進行に伴い、例えば、図柄抽選結果(図柄変動結果)を遊技者に報知するための装飾図柄を表示したり、キャラクタの登場やアイテムの出現による演出画像を表示したりする。
また、遊技盤110の前面に、各種の演出に用いられる可動役物115および盤ランプ116を備えている。可動役物115は、遊技盤110上で動作することにより各種の演出を行い、また、盤ランプ116は、発光することで各種の演出を行う。
遊技領域111には、遊技球が落下する方向に変化を与えるための図示しない遊技くぎおよび風車等が配設されている。また、遊技領域111には、入賞や抽選に関する種々の役物が所定の位置に配設されている。また、遊技領域111には、遊技領域111に打ち出された遊技球のうち入賞口に入賞しなかったものを遊技領域111の外に排出する排出口117が配設されている。
本実施の形態では、入賞や抽選に関する種々の役物として、遊技球が入賞すると特別図柄抽選(大当たり抽選)が始動する第1始動口121および第2始動口122と、遊技球が通過すると普通図柄抽選(開閉抽選)が始動する始動ゲート(以下、単にゲートと呼ぶ)124と、が遊技盤110に配設されている。ここにいう第1始動口121および第2始動口122とは、予め定められた1の特別図柄表示器の作動契機となる入賞口をいう。具体的には、第1始動口121および第2始動口122には、入賞の際に遊技球の通過を検知するスイッチ(後述の第1始動口スイッチ211および第2始動口スイッチ212)が設けられている。そして、第1始動口121または第2始動口122に遊技球が入賞した際にこのスイッチが遊技球の通過を検知することが、特別図柄表示器を作動させる契機となる。
第2始動口122は、電動ソレノイドにより開閉すると共に点灯する普通電動役物としての電動チューリップ123を備えている。電動チューリップ123は、閉じていると、遊技球が第2始動口122へ入り難い一方で、開くと第2始動口122の入口が拡大して遊技球が第2始動口122へ入り易くなるように構成されている。そして、電動チューリップ123は、普通図柄抽選に当選すると、点灯ないし点滅しながら規定時間(例えば0.15秒ないし1.8秒間)および規定回数(例えば1回ないし3回)だけ開く。
通常の確率で大当たり抽選を行う低確率状態と、低確率状態よりも高い確率で大当たり抽選を行う高確率状態とを有している。なお、所定の条件において低確率状態と、高確率状態とのいずれかの状態に制御される。また、パチンコ遊技機100は、第2始動口122への入賞機会が少ない時短無状態と、時短無状態よりも第2始動口122への入賞機会が多い時短状態とを有している。なお、所定の条件において、時短無状態と、時短状態とのいずれかの状態に制御される。ここで、時短状態とは、たとえば、普通図柄抽選の当たり当選確率を高確率にする、普通図柄変動時間を短縮する、あるいは電動チューリップ123の開時間を延長する、のいずれか一つまたはすべての組合せによって制御される。なお、時短状態では、特別図柄の特別図柄変動時間が短縮されていてもよい。
また、本実施の形態では、入賞や抽選に関するその他の役物として、特別図柄抽選の結果に応じて開放する特別電動役物としての大入賞口125と、遊技球が入賞しても抽選が行わない普通入賞口126と、が遊技盤110に配設されている。
なお、本実施の形態では、遊技領域111に第1始動口121および第2始動口122が配設されているが、いずれか一方のみを配設する構成例やさらに他の始動口を配設する構成例も考えられる。また、本実施の形態では、遊技領域111に大入賞口125が1つ配設されているが、大入賞口125を複数配設する構成例も考えられる。
本実施の形態では、遊技盤110の右下の位置に、抽選結果や保留数に関する表示を行う表示器130が配設されている。
また、遊技盤110の裏面には、特別図柄の当選の判定等を行う遊技制御基板、演出を統括的に制御する演出制御基板、画像および音による演出を制御する画像制御基板、各種のランプおよび可動役物115による演出を制御するランプ制御基板などの図示しない各種の基板等が取り付けられる。また、遊技盤110の裏面には、供給された24VのAC電源をDC電源に変換して各種の基板等に出力するスイッチング電源(不図示)が配設されている。
枠部材150は、遊技者がハンドル151に触れてレバー152を時計方向に回転させる操作を行うとその操作角度に応じた打球力にて遊技球を所定の時間間隔(例えば1分間に100個)で電動発射する発射装置(不図示)を備えている。また、枠部材150は、遊技者のレバー152による操作と連動したタイミングで発射装置に遊技球を1つずつ順に供給する供給装置(不図示)と、供給装置が発射装置に供給する遊技球を一時的に溜めておく皿153(図2参照)と、を備えている。この皿153には、例えば払い出しユニットによる払出球が払い出される。
なお、本実施の形態では、皿153を上下皿一体で構成しているが、上皿と下皿とを分離する構成例も考えられる。また、発射装置のハンドル151を所定条件下で発光させる構成例も考えられる。
また、枠部材150は、発射装置のハンドル151に遊技者が触れている状態であっても遊技球の発射を一時的に停止させるための停止ボタン154と、皿153に溜まっている遊技球を箱(不図示)に落下させて取り出すための取り出しボタン155と、を備えている。
また、枠部材150は、パチンコ遊技機100の遊技状態や状況を告知したり各種の演出を行ったりするスピーカ156および枠ランプ157を備えている。スピーカ156は、楽曲や音声、効果音による各種の演出を行い、また、枠ランプ157は、点灯点滅によるパターンや発光色の違い等で光による各種の演出を行う。なお、枠ランプ157については、光の照射方向を変更する演出を行うことを可能にする構成例が考えられる。
また、枠部材150は、遊技盤110を遊技者と隔てるための透明板159を備えている。
図2は、パチンコ遊技機100を説明する図であり、(a)は、遊技盤110の右下に配設された表示器130の一例を示す拡大図であり、(b)は、パチンコ遊技機100の部分平面図である。
パチンコ遊技機100の表示器130は、図2の(a)に示すように、第1始動口121の入賞に対応して作動する第1特別図柄表示器221と、第2始動口122の入賞に対応して作動する第2特別図柄表示器222と、ゲート124の通過に対応して作動する普通図柄表示器223と、を備えている。第1特別図柄表示器221は、第1始動口121の入賞による特別図柄を変動表示しその抽選結果を表示する。第2特別図柄表示器222は、第2始動口122の入賞による特別図柄を変動表示しその抽選結果を表示する。普通図柄表示器223は、遊技球がゲート124を通過することにより普通図柄を変動表示しその抽選結果を表示する。第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222および普通図柄表示器223の各々は、LED表示装置で構成され、その点灯態様によって各抽選結果を表す図柄が表示される。
また、表示器130は、第1特別図柄表示器221での保留に対応して作動する第1特別図柄保留表示器218と、第2特別図柄表示器222での保留に対応して作動する第2特別図柄保留表示器219と、普通図柄表示器223での保留に対応して作動する普通図柄保留表示器220と、を備えている。第1特別図柄保留表示器218、第2特別図柄保留表示器219および普通図柄保留表示器220の各々は、LED表示装置で構成され、その点灯態様によって保留数が表示される。
ここで、保留について説明する。特別図柄の変動表示動作中(入賞1回分の変動表示が行なわれている間)にさらに第1始動口121または第2始動口122に遊技球が入賞した場合、特別図柄が変動中であるために、後の入賞に基づく特別図柄の変動表示動作を開始することができない。そのため、後の入賞は規定個数(例えば4個)を限度に記憶され、その入賞した遊技球に対する特別図柄を始動させるための権利が、先に入賞した遊技球に対する変動表示動作が終了するまで、保留される。なお、普通図柄に関しても、特別図柄と同様の処理を行う。このような保留がなされていることおよびその保留の数(未変動数)が、第1特別図柄保留表示器218、第2特別図柄保留表示器219および普通図柄保留表示器220に表示される。
さらに、表示器130は、パチンコ遊技機100の状態を表示する状態表示器224を備えている。本実施の形態では、状態表示器224は、2個のLEDを配列した表示装置で構成されている。2個のLEDのうち1つは、パチンコ遊技機100の状態が、特別図柄抽選の当選確率が高確率である高確率状態となっているか否かを点灯により報知するものである。他の1つは、パチンコ遊技機100の状態が、第2始動口122に入賞しやすい時短状態となっているか否かを点灯により報知するものである。なお、状態表示器224には、さらにLEDを設け、右打ちすることによって(遊技球の打球力を変更することによって)遊技者に有利な状態となっているか否かを点灯により報知してもよい。
パチンコ遊技機100の枠部材150は、遊技者が演出に対する入力を行うための入力装置を備えている。図2の(b)に示すように、本実施の形態では、入力装置の一例として、演出ボタン161と、演出ボタン161に隣接し、略十字に配列された複数のキーからなる演出キー162と、が枠部材150に配設されている。演出キー162は、その中央に1つの中央キーを配置し、また、中央キーの周囲に略同一形状の4つの周囲キーを配置して構成されている。遊技者は、4つの周囲キーを操作することにより、画像表示部114に表示されている複数の画像のいずれかを選ぶことが可能であり、また、演出ボタン161を操作することにより、選んだ画像を情報として入力することが可能である。
なお、入力装置の形態としては、図示した演出ボタン161および演出キー162の他、レバーやダイヤル等、演出の内容等に応じて様々な入力形態を採用することができる。
〔制御ユニットの構成〕
次に、パチンコ遊技機100での動作制御や信号処理を行う制御ユニットについて説明する。
図3は、制御ユニットの内部構成を示すブロック図である。同図に示すように、制御ユニットは、メイン制御手段として、特別図柄の当選の判定等を行う遊技制御部200を備えている。また、サブ制御手段として、演出を統括的に制御する演出制御部300と、画像および音響を用いた演出を制御する画像/音響制御部310と、各種のランプおよび可動役物115を用いた演出を制御するランプ制御部320と、払出球の払い出し制御を行う払出制御部400と、を備えている。
前述したように、遊技制御部200、演出制御部300、画像/音響制御部310、ランプ制御部320、および払出制御部400各々は、遊技盤110の後面に配設されたメイン基板としての遊技制御基板、サブ基板としての演出制御基板、画像制御基板、ランプ制御基板、および払出制御基板において個別に構成されている。
〔遊技制御部の構成・機能〕
遊技制御部200は、特別図柄の当選の判定等を行う際の演算処理を行うCPU201と、CPU201にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM202と、CPU201の作業用メモリ等として用いられるRAM203と、を備えている。
遊技制御部200は、第1始動口121または第2始動口122に遊技球が入賞すると特別図柄抽選を行い、その抽選結果を演出制御部300に送る。また、高確率状態と低確率状態の変更情報、時短無状態と時短状態の変更情報を演出制御部300に送る。
さらに、遊技制御部200は、普通図柄抽選の当たり当選確率を高確率にする、普通図柄変動時間を短縮する、あるいは電動チューリップ123の開時間を延長する制御を行う。また、遊技制御部200は、遊技球が連続的に第1始動口121または第2始動口122へ入賞したときの未変動分の限度個数(例えば4個)までの保留や、遊技球が連続的にゲート124を通過したときの未変動分の限度個数(例えば4個)までの保留を設定する。
さらにまた、遊技制御部200は、特別図柄抽選の結果に応じて、特別電動役物である大入賞口125が所定条件(例えば29.5秒経過または遊技球10個の入賞)を満たすまで開状態を維持するラウンドを所定回数だけ繰り返すように制御する。さらには、大入賞口125が開く際の開閉動作間隔を制御する。
さらに、遊技制御部200は、第1始動口121、第2始動口122、大入賞口125および普通入賞口126に遊技球が入賞すると、遊技球が入賞した場所に応じて1つの遊技球当たり所定数の賞球を払い出すように、払出制御部400に対する指示を行う。例えば、第1始動口121に遊技球が入賞すると3個の賞球、第2始動口122に遊技球が入賞すると4個の賞球、大入賞口125に遊技球が入賞すると13個の賞球、普通入賞口126に遊技球が入賞すると10個の賞球をそれぞれ払い出すように、払出制御部400に指示命令(コマンド)を送る。なお、ゲート124を遊技球が通過したことを検出しても、それに連動した賞球の払い出しは払出制御部400に指示しない。
払出制御部400が遊技制御部200の指示に従って賞球の払い出しを行った場合には、遊技制御部200は、払い出した賞球の個数に関する情報を払出制御部400から取得する。それにより、払い出した賞球の個数を管理する。
遊技制御部200には、検知手段として、図3に示すように、第1始動口121への遊技球の入賞を検出する第1始動口検出部(第1始動口スイッチ(SW))211と、第2始動口122への遊技球の入賞を検出する第2始動口検出部(第2始動口スイッチ(SW))212と、電動チューリップ123を開閉する電動チューリップ開閉部213と、ゲート124への遊技球の通過を検出するゲート検出部(ゲートスイッチ(SW))214と、が接続されている。
さらに、遊技制御部200には、大入賞口125への遊技球の入賞を検出する大入賞口検出部(大入賞口スイッチ(SW))215と、大入賞口125を閉状態と突出傾斜した開状態とに設定する大入賞口開閉部216と、普通入賞口126への遊技球の入賞を検出する普通入賞口検出部(普通入賞口スイッチ(SW))217と、が接続されている。
また、遊技制御部200には、特別図柄の変動中に第1始動口121へ入賞した未変動分の保留個数を限度個数内(例えば4個)で表示する第1特別図柄保留表示器218と、特別図柄の変動中に第2始動口122へ入賞した未変動分の保留個数を限度個数内で表示する第2特別図柄保留表示器219と、普通図柄の変動中にゲート124を通過した未変動分の保留個数を限度個数内で表示する普通図柄保留表示器220と、が接続されている。
さらに、遊技制御部200には、第1始動口121への遊技球の入賞により行われる特別図柄の変動表示および特別図柄抽選の結果を表示する第1特別図柄表示器221と、第2始動口122への遊技球の入賞により行われる特別図柄の変動表示および特別図柄抽選の結果を表示する第2特別図柄表示器222と、普通図柄の変動表示および普通図柄抽選の結果を表示する普通図柄表示器223と、パチンコ遊技機100の状態を表示する状態表示器224と、が接続されている。
そして、第1始動口スイッチ211、第2始動口スイッチ212、ゲートスイッチ214、大入賞口スイッチ215および普通入賞口スイッチ217にて検出された検出信号が、遊技制御部200に送られる。また、遊技制御部200からの制御信号が、電動チューリップ開閉部213、大入賞口開閉部216、第1特別図柄保留表示器218、第2特別図柄保留表示器219、普通図柄保留表示器220、第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222、普通図柄表示器223および状態表示器224に送られる。それにより、遊技制御部200は、上記した払い出し賞球数に関連する各種制御を行う。
さらに、遊技制御部200には、ホールに設置されたホストコンピュータ(不図示)に対して各種の情報を送信する盤用外部情報端子基板250が接続されている。そして、遊技制御部200は、払出制御部400から取得した、払い出した賞球数に関する情報や遊技制御部200の状態等を示す情報を、盤用外部情報端子基板250を介してホストコンピュータに送信する。
〔演出制御部の構成・機能〕
演出制御部300は、演出を制御する際の演算処理を行うCPU301と、CPU301にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM302と、CPU301の作業用メモリ等として用いられるRAM303と、日時を計測するリアルタイムクロック(RTC)304と、を備えている。
演出制御部300は、例えば遊技制御部200から送られる特別図柄抽選での当選か否かの判定結果および変動パターンに基づいて、演出内容を設定する。その際、演出ボタン161または演出キー162を用いたユーザからの操作入力を受けて、操作入力に応じた演出内容を設定する場合もある。この場合、例えば演出ボタン161等のコントローラ(不図示)から操作に応じた信号(操作信号)を受け付け、この操作信号により識別される操作内容を演出の設定に反映させる。
また、演出制御部300は、遊技が所定期間中断された場合には、演出の一つとして客待ち用の画面表示の設定を指示する。
さらには、演出制御部300は、遊技制御部200より受信した高確率状態と低確率状態の変更情報、時短無状態と時短状態の変更情報に基づいて演出内容を設定する。
また、演出制御部300は、設定した演出内容の実行を指示するコマンドを画像/音響制御部310およびランプ制御部320に送る。
〔画像/音響制御部の構成・機能〕
画像/音響制御部310は、演出内容を表現する画像および音響を制御する際の演算処理を行うCPU311と、CPU311にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM312と、CPU311の作業用メモリ等として用いられるRAM313と、を備えている。
そして、画像/音響制御部310は、演出制御部300から送られたコマンドに基づいて、画像表示部114に表示する画像およびスピーカ156から出力する音響を制御する。
具体的には、画像/音響制御部310のROM312には、画像表示部114において遊技中に表示する図柄画像や背景画像、遊技者に抽選結果を報知するための装飾図柄、遊技者に予告演出を表示するためのキャラクタやアイテム等といった画像データが記憶されている。
ROM312には、さらに、画像データと同期させて、または画像データとは独立にスピーカ156から出力させる楽曲や音声、さらにはジングル等の効果音等といった各種音響データが記憶されている。CPU311は、ROM312に記憶された画像データや音響データの中から、演出制御部300から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。さらには、読み出した画像データを用いて背景画像表示、図柄画像表示、図柄画像変動、およびキャラクタ/アイテム表示等のための画像処理と、読み出した音響データを用いた音声処理とを行う。
そして、画像/音響制御部310は、画像処理された画像データにより画像表示部114での画面表示を制御する。また、音声処理された音響データによりスピーカ156から出力される音響を制御する。
〔ランプ制御部の構成・機能〕
ランプ制御部320は、盤ランプ116や枠ランプ157の発光、および可動役物115の動作を制御する際の演算処理を行うCPU321と、CPU321にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM322と、CPU321の作業用メモリ等として用いられるRAM323と、を備えている。
そして、ランプ制御部320は、演出制御部300から送られたコマンドに基づいて、盤ランプ116や枠ランプ157の点灯/点滅や発光色等を制御する。また、可動役物115の動作を制御する。
具体的には、ランプ制御部320のROM322には、演出制御部300にて設定される演出内容に応じた盤ランプ116や枠ランプ157での点灯/点滅パターンデータおよび発光色パターンデータ(発光パターンデータ)が記憶されている。CPU321は、ROM322に記憶された発光パターンデータの中から、演出制御部300から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。そして、ランプ制御部320は、読み出した発光パターンデータにより盤ランプ116や枠ランプ157の発光を制御する。
また、ランプ制御部320のROM322には、演出制御部300にて設定される演出内容に応じた可動役物115の動作パターンデータが記憶されている。CPU321は、可動役物115に対しては、読み出した動作パターンデータによりその動作を制御する。
〔払出制御部の構成・機能〕
払出制御部400は、払出球の払い出しを制御する際の演算処理を行うCPU401と、CPU401にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM402と、CPU401の作業用メモリ等として用いられるRAM403と、を備えている。
そして、払出制御部400は、遊技制御部200から送られたコマンドに基づいて、払出球の払い出しを制御する。
具体的には、払出制御部400は、遊技制御部200から、遊技球が入賞した場所(第1始動口121等)に応じた所定数の賞球を払い出すコマンドを取得する。そして、コマンドに指定された数だけの賞球を払い出すように払出駆動部411を制御する。ここでの払出駆動部411は、遊技球の貯留部から遊技球を送り出す駆動モータで構成される。
また、払出制御部400には、払出駆動部411により遊技球の貯留部から実際に払い出された賞球の数を検出する払出球検出部412と、貯留部(不図示)での遊技球の貯留の有無を検出する球有り検出部413と、遊技者が遊技する際に使用する遊技球や払い出された賞球が保持される皿153が満タン状態に有るか否かを検出する満タン検出部414と、が接続されている。そして、払出制御部400は、払出球検出部412、球有り検出部413および満タン検出部414にて検出された検出信号を受け取り、これらの検出信号に応じた所定の処理を行う。
さらに、払出制御部400には、ホールに設置されたホストコンピュータに対して各種の情報を送信する枠用外部情報端子基板450が接続されている。そして、払出制御部400は、例えば払出駆動部411に対して払い出すように指示した賞球数に関する情報や払出球検出部412にて検出された実際に払い出された賞球数に関する情報等を枠用外部情報端子基板450を介してホストコンピュータに送信する。また、遊技制御部200に対しても、同様の情報を送信する。
〔遊技制御部の機能構成〕
続いて、遊技制御部200の機能構成を説明する。
図4は、遊技制御部200の機能構成を示すブロック図である。同図に示すように、遊技制御部200は、各種抽選処理を実行する機能部として、乱数取得部231と、普通図柄判定部232と、特別図柄変動制御部233と、特別図柄判定部234と、普通図柄変動制御部237と、を備えている。
また、遊技制御部200は、特別図柄変動に伴う処理を実行する機能部として、変動パターン選択部235を備えている。
さらに、遊技制御部200は、各種役物の動作制御や賞球等に関するデータ処理を実行する機能部として、大入賞口動作制御部238と、電動チューリップ動作制御部239と、賞球処理部240と、出力制御部241と、乱数制御部242と、を備えている。
乱数取得部231は、第1始動口121や第2始動口122に遊技球が入賞した場合に、特別図柄に関する乱数の取得を行う。具体的には、所定の範囲の数値の中から一つの数値(乱数値)が選択(取得)されて、特別図柄判定部234による判定に用いられる。
乱数取得部231は、ゲート124を遊技球が通過した場合に、普通図柄に関する乱数の取得を行う。具体的には、所定の範囲の数値の中から一つの数値(乱数値)が選択(取得)されて、普通図柄判定部232による判定に用いられる。
特別図柄変動制御部233は、特別図柄の抽選が行われた場合に、その抽選結果に応じて特別図柄の変動を制御する。
特別図柄判定部234は、特別図柄の変動開始時に、図17に示すような乱数テーブルを用いて、その抽選結果が「大当たりか否か」、「大当たりに当選した場合の大当たりの種類」、「大当たりに当選していない場合での小当たりかはずれか」を判定する。すなわち、乱数取得部231は、検知手段である第1始動口スイッチ211または第2始動口スイッチ212により遊技球の通過が検知されたことを契機として特別図柄に関する乱数値を取得し、特別図柄判定部234は、取得した乱数値に基づいて、遊技者にとって有利な特別遊技(大当たり遊技等)を行うか否かを判定する。なお、前述した特別図柄の抽選(大当たり抽選)は、乱数取得部231および特別図柄判定部234における処理のことを言う。
ここで、「大当たり」は、大当たり遊技の終了後に発生する遊技状態に応じて複数の種類に分けられる。具体的には、時短無状態か時短状態か、および高確率状態か低確率状態かの組み合わせによって大当たりの種類が決まる。すなわち、大当たりの種類としては、大当たり遊技の終了後に、時短状態および高確率状態の両方の状態を有する時短高確率遊技状態となる大当たり、時短状態および低確率状態の両方の状態を有する時短低確率遊技状態となる大当たり、時短無状態および高確率状態の両方の状態を有する時短無高確率遊技状態となる大当たり、時短無状態および低確率状態の両方の状態を有する時短無低確率遊技状態となる大当たりが有り得る。これらの大当たりは、各々個別の特別図柄に対応付けられており、特別図柄抽選において当選した特別図柄の種類に応じて大当たりの種類が確定する。
また、「大当たり」は、大当たり遊技の時間が長く多量の遊技球の払い出しが期待できる大当たりと、大当たり遊技の時間が短く遊技球の払出がほとんど期待できない大当たりとに分けられる場合がある。前者は「長当たり」と呼ばれ、後者は「短当たり」と呼ばれる。例えば、「長当たり」では、大入賞口125の開状態が所定条件(例えば29.5秒経過または10個の遊技球の入賞)を満たすまで維持されるラウンドが例えば15回繰り返される。また、「短当たり」では、一定時間(例えば0.1秒)だけ大入賞口125が開状態となるラウンドが例えば15回繰り返される。
また、大当たりに当選していない場合の「小当たり」は、例えば0.1秒だけ大入賞口125が開状態となる態様が15回行われる小当たり遊技が行われる。なお、小当たり当選時には、小当たり遊技が終了した後においても小当たり当選前の遊技状態を継続する。すなわち、小当たり当選時の遊技状態が時短高確率遊技状態である場合には、小当たり遊技の終了後においても時短高確率遊技状態が継続され、遊技状態は移行しない。同様に、小当たりの当選時の遊技状態が時短無低確率遊技状態である場合には、小当たり遊技の終了後においても時短無低確率遊技状態が継続され、遊技状態は移行しない。
また、「小当たり」は、「はずれ」の一種であり、遊技者に有利となる上記の遊技状態の何れも設定されない。
変動パターン選択部235は、第1特別図柄表示器221や第2特別図柄表示器222にて表示する特別図柄の変動パターン(変動時間)を選択する。ここでは、変動パターン選択部235は、大当たり遊技を行うか否かの判定結果およびリーチを行うか否かの判定結果等に基づいて、変動パターンを決定する。そして、変動パターン選択部235により選択された変動パターンに基づいて、特別図柄変動制御部233が特別図柄の変動を制御する。変動パターン選択部235および特別図柄変動制御部233の動作の詳細については後述する。
ここで、「リーチ」とは、後述する装飾図柄において遊技者に大当たりを期待させるための演出である。
普通図柄判定部232は、普通図柄の抽選が行われた場合に、普通図柄の抽選結果が「当選かはずれであるか」を判定する。
普通図柄変動制御部237は、普通図柄の抽選結果に応じて、普通図柄の変動を制御する。
電動チューリップ動作制御部239は、普通図柄の抽選により「当選」と判定された場合には、電動チューリップ123を規定時間および規定回数だけ開放し、第2始動口122に遊技球が入賞容易となる状態を発生させる。また、「はずれ」と判定された場合には、電動チューリップ123のこのような開放状態を発生させない。
大入賞口動作制御部238は、大入賞口125の開放動作を制御する。
賞球処理部240は、入賞や抽選に関する種々の役物への入賞個数の管理および入賞に応じた賞球の払い出しの制御用コマンドをセットする。
出力制御部241は、遊技制御部200から演出制御部300および払出制御部400へ制御用コマンドの出力を制御する。
乱数制御部242は、メイン制御手段による処理で用いられる各種の乱数値の更新を制御する。
〔遊技機の基本動作〕
次に、上記のように構成されたパチンコ遊技機100の基本動作を説明する。
パチンコ遊技機100の基本的な動作は、メイン制御手段である遊技制御部200により行われる。そして、この遊技制御部200の制御の下、サブ制御手段である演出制御部300により遊技上の演出の制御が行われ、払出制御部400により賞球の払い出しの制御が行われる。
図5は、遊技制御部200の主要動作を示すフローチャートである。
遊技制御部200は、電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、図5に示す各処理を一定時間(例えば4ミリ秒)ごとに繰り返し実行する。同図を参照すると、乱数更新処理、スイッチ処理、図柄処理、電動役物処理、賞球処理、出力処理が順次実行される(ステップ501〜506)。
乱数更新処理(ステップ501)では、遊技制御部200の乱数制御部242は、メイン制御手段による処理で用いられる各種の乱数の値を更新する。乱数の設定および乱数値の更新の詳細については後述する。
スイッチ処理(ステップ502)としては、始動口スイッチ処理、ゲートスイッチ処理が行われる。
始動口スイッチ処理では、遊技制御部200の乱数取得部231は、図3の第1始動口スイッチ211および第2始動口スイッチ212の状態を監視し、スイッチがONとなった場合に、特別図柄抽選のための処理を実行する。
ゲートスイッチ処理では、遊技制御部200の普通図柄判定部232は、図3のゲートスイッチ214の状態を監視し、スイッチがONとなった場合に、普通図柄抽選のための処理を実行する。
これらのスイッチ処理の詳細な内容については後述する。
図柄処理(ステップ503)としては、特別図柄処理、普通図柄処理が行われる。
特別図柄処理では、遊技制御部200の特別図柄変動制御部233、特別図柄判定部234、変動パターン選択部235により、特別図柄変動およびこの図柄変動に伴う処理が行われる。
普通図柄処理では、遊技制御部200の普通図柄変動制御部237により、普通図柄変動およびこの図柄変動に伴う処理が行われる。
これらの図柄処理の詳細な内容については後述する。
電動役物処理(ステップ504)としては、大入賞口処理、電動チューリップ処理が行われる。
大入賞口処理では、遊技制御部200の大入賞口動作制御部238は、所定の条件に基づいて大入賞口125の開放動作を制御する。
電動チューリップ処理では、遊技制御部200の電動チューリップ動作制御部239は、所定の条件に基づいて電動チューリップ123の開放動作を制御する。
これらの電動役物処理の詳細な内容については後述する。
賞球処理(ステップ505)では、遊技制御部200の賞球処理部240は、入賞個数の管理および入賞に応じた賞球の払い出しの制御用コマンドをセットする。
出力処理(ステップ506)では、遊技制御部200の出力制御部241は、演出制御部300および払出制御部400へ制御用コマンドを出力する。制御用コマンドは、ステップ505までの各処理において生成され、RAM203にセットされており、この出力処理で出力される。
〔遊技制御部での始動口スイッチ処理〕
図6は、図5のステップ502に示したスイッチ処理のうちの始動口スイッチ処理の内容を示すフローチャートである。
この始動口スイッチ処理は、第1始動口121における入賞に対する処理と、第2始動口122における入賞に対する処理とが順次行われる。図6を参照すると、遊技制御部200は、まず、第1始動口121に遊技球が入賞して第1始動口スイッチ211がONとなったか否かを判断する(ステップ601)。第1始動口スイッチ211がONとなったならば、次に遊技制御部200は、第1始動口121の入賞における未変動分の保留数U1が上限値未満か否かを判断する(ステップ602)。図6に示す例では、上限値を4個としている。保留数U1が上限値に達している場合は(ステップ602でNo)、それ以上未変動分の入賞を保留することができないので、第1始動口121における入賞に対する処理を終了する。
一方、保留数U1が上限値未満である場合(ステップ602でYes)、次に遊技制御部200は、保留数U1の値を1加算する(ステップ603)。そして、遊技制御部200の乱数取得部231は、今回の入賞による抽選のための乱数値を取得し、RAM203に格納する(ステップ604)。ここでは、第1始動口121の入賞なので、特別図柄抽選のための乱数値が取得される。このとき取得される乱数値は、ステップ501の乱数更新処理で更新された値である。そして、この乱数値により、後の特別図柄処理において特別図柄抽選の結果が確定される。ここにいう乱数値としては、大当たり、小当たりまたははずれを決定する大当たり乱数値、大当たりの種類(大当たり遊技の終了後における時短状態か時短無状態、高確率状態か低確率状態、長当たり、短当たり)を決定する図柄乱数値(大当たり図柄乱数値)、図柄変動における変動パターンを特定するための変動パターン乱数値、はずれのときにリーチ有り演出をするか否かを決定するリーチ乱数値、等が含まれる。
次に、遊技制御部200は、特別図柄の変動表示動作が保留されている(すなわち未抽選の)入賞球(保留球)に対して、抽選結果の予告演出を行うための事前判定処理を行う(ステップ605)。この事前判定処理は、抽選結果の判定を図柄変動開始時ではなく始動口入賞時に(すなわちステップ605において)行うものである。なお、事前判定に基づく予告演出を行わない遊技機においては、この事前判定処理を省略する場合がある。
この後、遊技制御部200は、ステップ603による保留数U1の増加を演出制御部300に通知するための保留数U1増加コマンドをRAM203にセットし(ステップ606)、第1始動口121における入賞に対する処理を終了する。ステップ605の事前判定処理が行われた場合は、保留数U1増加コマンドには、ステップ605で得られた事前判定の判定結果の情報が含まれる。
次に、第2始動口122における入賞に対する処理が行われる。図6を参照すると、次に遊技制御部200は、第2始動口122に遊技球が入賞して第2始動口スイッチ212がONとなったか否かを判断する(ステップ607)。第2始動口スイッチ212がONとなったならば、次に遊技制御部200は、第2始動口122の入賞における未変動分の保留数U2が上限値未満か否かを判断する(ステップ608)。図6に示す例では、上限値を4個としている。保留数U2が上限値に達している場合は(ステップ608でNo)、それ以上未変動分の入賞を保留することができないので、第2始動口122における入賞に対する処理を終了する。
一方、保留数U2が上限値未満である場合(ステップ608でYes)、次に遊技制御部200は、保留数U2の値を1加算する(ステップ609)。そして、遊技制御部200の乱数取得部231は、今回の入賞による抽選のための乱数値を取得し、RAM203に格納する(ステップ610)。ここでは、第2始動口122の入賞なので、上記のステップ604と同様に、特別図柄抽選のための乱数値(大当たり乱数値、大当たり図柄乱数値)、リーチ乱数値、変動パターン乱数値など)が取得される。このとき取得される乱数値は、ステップ501の乱数更新処理で更新された値である。そして、この乱数値により後の特別図柄処理において特別図柄抽選の結果が確定される。
次に、遊技制御部200は、特別図柄の変動表示動作が保留されている(すなわち未抽選の)入賞球(保留球)に対して、抽選結果の予告演出を行うための事前判定処理を行う(ステップ611)。この事前判定処理の内容は、上記のステップ605と同様である。この事前判定処理も、事前判定に基づく予告演出を行わないパチンコ遊技機100においては、この事前判定処理を省略する場合がある。
この後、遊技制御部200は、ステップ609による保留数U2の増加を演出制御部300に通知するための保留数U2増加コマンドをRAM203にセットし(ステップ612)、第2始動口122における入賞に対する処理を終了する。ステップ611の事前判定処理が行われた場合は、保留数U2増加コマンドには、ステップ611で得られた事前判定の判定結果の情報が含まれる。
〔遊技制御部でのゲートスイッチ処理〕
図7は、ゲート124を遊技球が通過した場合のゲートスイッチ処理の内容を示すフローチャートである。
このゲートスイッチ処理において、遊技制御部200は、まず、ゲート124を遊技球が通過してゲートスイッチ214がONとなったか否かを判断する(ステップ701)。ゲートスイッチ214がONとなったならば、次に遊技制御部200は、未変動分の保留数Gが上限値未満か否かを判断する(ステップ702)。図7に示す例では、上限値を4個としている。保留数Gが上限値に達している場合は(ステップ702でNo)、それ以上未変動分の入賞を保留することができないので、ゲートスイッチ処理を終了する。
一方、保留数Gが上限値未満である場合(ステップ702でYes)、次に遊技制御部200は、保留数Gの値を1加算する(ステップ703)。そして、遊技制御部200の乱数取得部231は、今回の入賞による抽選のための乱数値を取得し、RAM203に格納する(ステップ704)。ここでは、ゲート124の入賞なので、普通図柄抽選のための乱数値(当たり乱数値など)が取得される。
ステップ704で乱数値が取得された後、遊技制御部200は、ステップ703による保留数Gの増加を演出制御部300に通知するための保留数G増加コマンドをRAM203にセットし(ステップ705)、ゲート124における入賞に対する処理を終了する。
〔遊技制御部での特別図柄処理〕
図8は、図5のステップ503に示した図柄処理のうちの特別図柄処理の内容を示すフローチャートである。
この特別図柄処理において、遊技制御部200の特別図柄変動制御部233は、まず、RAM203においてセットされるフラグの設定(以下、フラグ設定)において当たり遊技フラグがONになっているか否かを調べる(ステップ801)。ここで、当たり遊技フラグは、特別図柄抽選の結果が大当たりであることを識別するためにセットされるフラグである。当たりの種類に応じて、長当たり遊技フラグ、短当たり遊技フラグの何れかがセットされる。本実施の形態では、これらを総称して当たり遊技フラグと呼ぶ。
当たり遊技フラグがONである場合、既にパチンコ遊技機100は大当たり中であるので、特別図柄変動を開始することなく特別図柄処理を終了する(ステップ801でYes)。一方、当たり遊技フラグがOFFである場合(ステップ801でNo)、次に特別図柄変動制御部233は、パチンコ遊技機100の現在の状態が特別図柄変動中か否かを判断する(ステップ802)。特別図柄変動中でない場合(ステップ802でNo)、次に特別図柄変動制御部233は、特別図柄の未変動分の保留数U1、U2(図6参照)に関する処理を行う(ステップ803〜806)。本実施の形態では、第1始動口121の入賞に係る保留数U1と第2始動口122の入賞に係る保留数U2とを区別しているので、この処理も対応する始動口ごとに個別に行う。
具体的には、特別図柄変動制御部233は、まず第2始動口122の入賞に係る保留数U2が1以上か判断する(ステップ803)。保留数U2が1以上である場合(ステップ803でYes)、特別図柄変動制御部233は、保留数U2の値を1減算する(ステップ804)。一方、保留数U2=0である場合は(ステップ803でNo)、特別図柄変動制御部233は、次に第1始動口121の入賞に係る保留数U1が1以上か判断する(ステップ805)。保留数U1が1以上である場合(ステップ805でYes)、特別図柄変動制御部233は、保留数U1の値を1減算する(ステップ806)。一方、保留数U1=0である場合は(ステップ805でNo)、特別図柄の抽選を始動するための入賞が無いことを意味するため、特別図柄変動を開始せず、別ルーチンの客待ち設定処理を実行して処理を終了する(ステップ816)。
ステップ804またはステップ806で保留数U1または保留数U2を減算した後、特別図柄変動制御部233は、RAM203のフラグ設定においてセットされた客待ちフラグをOFFとする(ステップ807)。客待ちフラグは、パチンコ遊技機100が客待ち状態であることを識別するためのフラグであり、客待ち設定処理(ステップ816、図12参照)においてセットされる。
次に、特別図柄変動制御部233は、別ルーチンによる大当たり判定処理および変動パターン選択処理を実行する(ステップ808、809)。詳しくは後述するが、この大当たり判定処理および変動パターン選択処理によって、第1特別図柄表示器221に変動表示される特別図柄の変動用の設定情報(大当たり図柄、遊技状態、変動パターン等)が決定される。なお、これらの情報は演出制御部300に送られる変動開始コマンドに含まれる。
この後、特別図柄変動制御部233は、大当たり判定処理および変動パターン選択処理で決定された設定内容に基づき、図2に示す第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222により表示される特別図柄の変動を開始する(ステップ810)。そして、この設定内容を示す設定情報(大当たり図柄、遊技状態、変動パターン等)を含んだ変動開始コマンドを生成し、RAM203にセットする(ステップ811)。ステップ811でセットされた変動開始コマンドは、図5のステップ506に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。
ステップ802で特別図柄変動中と判断された場合(ステップ802でYes)、またはステップ811で変動開始コマンドがセットされた後、特別図柄変動制御部233は、変動時間を経過したか否かを判断する(ステップ812)。すなわち、ステップ810で特別図柄の変動を開始してからの経過時間がステップ809の変動パターン選択処理で設定された変動時間に達したか否かが判断される。変動時間を経過していなければ(ステップ812でNo)、特別図柄変動が継続されるので、そのまま特別図柄処理が終了する。
一方、変動時間を経過した場合(ステップ812でYes)、特別図柄変動制御部233は、まず、第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222における特別図柄の変動をステップ808の大当たり判定処理で決定された図柄で停止する(ステップ813)。後述する装飾図柄を停止させるための変動停止コマンドをRAM203にセットする(ステップ814)。そして、別ルーチンの停止中処理を実行する(ステップ815)。停止中処理の内容については後述する。ステップ814でセットされた変動停止コマンドは、図5のステップ506に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。
〔遊技制御部による大当たり判定処理〕
図9は、大当たり判定処理(図8のステップ808)の内容を示すフローチャートである。
この大当たり判定処理において、遊技制御部200の特別図柄判定部234は、まず、今回の特別図柄抽選における大当たり乱数値の判定を行い(ステップ901)、大当たりまたは小当たりしたか否かを判断する(ステップ902、905)。大当たりまたは小当たりしたか否かは、図6のステップ604またはステップ610で取得した大当たり乱数の値が、大当たりの当選値として設定された値または小当たりの当選値として設定された値と一致したか否かを判断することによって決定される(図17(a)参照)。
ステップ901の乱数判定の結果が大当たりだった場合(ステップ902でYes)、次に特別図柄判定部234は、大当たり図柄乱数値の判定を行う(ステップ903)。この判定の結果に応じて、大当たりの種類(高確率状態か低確率状態、時短状態か時短無状態、長当たり、短当たり)が決定される。何れの大当たりとなるかは、図6のステップ604または610で取得した大当たり図柄乱数の値が、大当たりの種類ごとに予め設定された値のうちの何れと一致したかによって決定される(図17(b)参照)。
以上の判定の後、特別図柄判定部234は、大当たり図柄乱数の判定により決定された大当たりの種類を表す図柄(大当たり図柄)を設定情報としてRAM203にセットする(ステップ904)。
ステップ901の乱数判定の結果が小当たりだった場合(ステップ902でNo、ステップ905でYes)、次に特別図柄判定部234は、小当たりであることを表す図柄(以下、小当たり図柄)を設定情報としてRAM203にセットする(ステップ906)。
ステップ901の乱数判定の結果が大当たりでも小当たりでもない場合(ステップ902、ステップ905でNo)、次に特別図柄判定部234は、抽選にはずれたことを表す図柄(以下、はずれ図柄)を設定情報としてRAM203にセットする(ステップ907)。
〔遊技制御部による変動パターン選択処理〕
図10は、変動パターン選択処理(図8のステップ809)の内容を示すフローチャートである。
この変動パターン選択処理において、遊技制御部200の変動パターン選択部235は、まず、大当たり判定処理(図9)のステップ902の判断結果を用いて今回の特別図柄抽選で大当たりしたか否かを判断する(ステップ1001)。そして、大当たりだった場合(ステップ1001でYes)、変動パターン選択部235は、大当たり用の変動パターンテーブルをROM202から読み出してRAM203にセットする(ステップ1002)。
一方、大当たりしなかった場合(ステップ1001でNo)、次に変動パターン選択部235は、遊技者に大当たりを期待させるためのいわゆるリーチ演出を行うか否かを決定するための乱数値の判定を行う(ステップ1003)。リーチ演出を行うか否かは、図6のステップ604またはステップ610で取得したリーチ乱数の値が予め設定された値と一致したか否かを判断することによって決定される(図17(c)参照)。
乱数値を用いた判定の結果、リーチ演出を行う場合(ステップ1004でYes)、変動パターン選択部235は、リーチ用の変動パターンテーブルをROM202から読み出してRAM203にセットする(ステップ1005)。また、リーチ演出を行わない場合(ステップ1004でNo)、変動パターン選択部235は、はずれ用の変動パターンテーブルをROM202から読み出してRAM203にセットする(ステップ1006)。
ここで、変動パターンテーブルとは、予め用意されている複数の変動パターン(変動時間10秒、30秒、60秒、90秒など)と変動パターン乱数の値とを対応付けたテーブルである。
次に、変動パターン選択部235は、図6のステップ604またはステップ610で取得した変動パターン乱数値およびステップ1002、1005、1006でセットされた変動パターンテーブルを用いて、変動パターン乱数値の判定を行う(ステップ1007)。すなわち、変動パターン選択部235は、RAM203にセットされた変動パターンテーブルを参照し、変動パターン乱数の乱数値に応じた変動パターンを選択する。したがって、同じ乱数値が取得された場合でも、特別図柄抽選の結果が、大当たりしたか否か、大当たりしていない場合はリーチ演出を行うか否か、といった状態の違いに応じて参照される変動パターンテーブルが異なるので、決定される変動パターンが異なる。
この後変動パターン選択部235は、ステップ1007で選択した変動パターンを設定情報としてRAM203にセットする(ステップ1008)。ステップ1008でセットされた変動パターンの設定情報は、図8のステップ811でセットされる変動開始コマンドに含まれ、図5のステップ506に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。
〔遊技制御部による停止中処理〕
図11は、停止中処理(図8のステップ815)の内容を示すフローチャートである。
この停止中処理において、遊技制御部200は、まず、RAM203のフラグ設定において時短状態であることを示すフラグ(以下、時短フラグ)がONになっているか否かを調べる(ステップ1101)。時短フラグがONである場合(ステップ1101でYes)、遊技制御部200は、時短状態での抽選回数(変動回数)Jの値を1減算し(ステップ1102)、抽選回数Jが0になったか否かを調べる(ステップ1103)。そして、抽選回数J=0であれば(ステップ1103でYes)、時短フラグをOFFにする(ステップ1104)。なお、時短フラグをONにする操作と、抽選回数Jの初期値の設定は、後述の大入賞口処理(図14)における遊技状態設定処理(図15)で行われる。
時短フラグがOFFであった場合(ステップ1101でNo)またはステップ1104で時短フラグをOFFにした後、あるいは抽選回数Jの値が0でない場合(ステップ1103でNo)、次に遊技制御部200は、RAM203のフラグ設定において高確率状態であることを示すフラグ(以下、確変フラグ)がONになっているか否かを調べる(ステップ1105)。なお、この確変フラグと先の時短フラグが共にONである場合は、高確率時短遊技状態であり、確変フラグがONであり時短フラグがOFFである場合は、高確率時短無遊技状態である。
確変フラグがONである場合(ステップ1105でYes)、遊技制御部200は、高確率状態での抽選回数(変動回数)Xの値を1減算し(ステップ1106)、抽選回数Xが0になったか否かを調べる(ステップ1107)。そして、抽選回数X=0であれば(ステップ1107でYes)、確変フラグをOFFにする(ステップ1108)。なお、確変フラグをONにする操作と、抽選回数Xの初期値の設定は、後述の大入賞口処理(図14)における遊技状態設定処理(図15)で行われる。
確変フラグがOFFであった場合(ステップ1105でNo)またはステップ1108で確変フラグをOFFにした後、あるいは抽選回数Xの値が0でない場合(ステップ1107でNo)、次に遊技制御部200は、今回の特別図柄抽選で大当たりしたか否かを判断する(ステップ1109)。そして、大当たりだった場合(ステップ1109でYes)、次に遊技制御部200は、大当たりの種類が長当たりか否かを判断する(ステップ1110)。
ここで、大当たりか否かの判断は、大当たり判定処理(図9)の判定結果に基づいて判断することができる。例えば、後述する図17(b)の図表に示す図柄の何れかがセットされているならば、ステップ1109でYesである。大当たり判定処理によりRAM203に、はずれ図柄または小当たり図柄がセットされているならば、ステップ1109でNoである。
大当たりの種類が長当たりであった場合(ステップ1110でYes)、遊技制御部200は、長当たり遊技フラグをONにする(ステップ1111)。これにより、RAM203の遊技状態の設定が、大当たりの種類が長当たりである大当たり遊技状態(長当たり遊技状態)となる。なお、ここでは長当たりにおいて、高確率状態か低確率状態かを区別していない。高確率状態となるか低確率状態となるかは、後述の大入賞口処理(図14)における遊技状態設定処理(図15)で該当するフラグをONにすることによって特定される。
大当たりの種類が長当たりでなかった場合(ステップ1110でNo)、遊技制御部200は、短当たり遊技フラグをONにする(ステップ1112)。これにより、RAM203の遊技状態の設定が、大当たりの種類が短当たりである大当たり遊技状態(短当たり遊技状態)となる。長当たりの場合と同様、短当たりの場合も高確率状態か低確率状態かを区別していない。
ステップ1111またはステップ1112で当たり遊技フラグをONにした後、遊技制御部200は、抽選回数J、Xの値を初期化する(ステップ1113)。また、遊技制御部200は、ステップ1101において時短フラグがONであって、ステップ1103において抽選回数Jが0でなかった場合に、時短フラグをOFFにする(ステップ1114)。同様に、ステップ1105において確変フラグがONであって、ステップ1107において抽選回数Xが0でなかった場合に、確変フラグをOFFにする(ステップ1114)。
一方、今回の特別図柄抽選の結果が大当たりでなかった場合(ステップ1109でNo)、次に遊技制御部200は、今回の特別図柄抽選の結果が小当たりであったか否かを判断する(ステップ1115)。小当たりでなかった場合は(ステップ1115でNo)、停止中処理を終了する。
一方、小当たりであった場合(ステップ1115でYes)、遊技制御部200は、小当たり遊技を開始する(ステップ1116)。これにより、RAM203の遊技状態の設定が小当たり遊技状態となる。なお、小当たり遊技では、前述したように、大入賞口125を所定回数開閉し、所定時間経過後に終了する。
ステップ1113で抽選回数J、Xの値を初期化した後、遊技制御部200は、オープニング動作を開始する(ステップ1117)。ここで、オープニング動作の内容は、ステップ1111、1112の何れで当たり遊技フラグがONとなったかに応じて異なる。すなわち、当たり遊技フラグの状態に応じて、長当たり遊技、短当たり遊技の各遊技状態において設定されたオープニング動作の何れかが行われることとなる。
この後、遊技制御部200は、演出制御部300において当たり遊技フラグに応じたオープニング動作における演出を行うためのオープニングコマンドをRAM203にセットして(ステップ1118)、停止中処理を終了する。このオープニングコマンドは、図5のステップ506に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。
〔遊技制御部による客待ち設定処理〕
図12は、客待ち設定処理(図8のステップ816)の内容を示すフローチャートである。
この客待ち設定処理において、遊技制御部200は、まず、RAM203のフラグ設定において客待ちフラグがONになっているか否かを調べる(ステップ1201)。ここで、客待ちフラグは、パチンコ遊技機100が客待ち状態であることを識別するためにセットされるフラグである。
客待ちフラグがONである場合、パチンコ遊技機100は客待ち状態であるので、そのまま処理を終了する(ステップ1201でYes)。一方、客待ちフラグがOFFである場合、遊技制御部200は、客待ちコマンドを生成してRAM203にセットし(ステップ1202)、客待ちフラグをONにする(ステップ1203)。ステップ1202でセットされた客待ちコマンドは、図5のステップ506に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。なお、客待ちフラグとは、特別図柄の変動が停止して、保留が無い状態でセットされるものである。
〔遊技制御部による普通図柄処理〕
図13は、図5のステップ503に示した図柄処理のうちの普通図柄処理の内容を示すフローチャートである。
この普通図柄処理において、遊技制御部200の普通図柄変動制御部237は、まず、RAM203のフラグ設定において補助遊技フラグがONになっているか否かを調べる(ステップ1301)。ここで、補助遊技フラグは、普通図柄抽選で当選した場合にセットされるフラグである。補助遊技フラグが設定されている状態は、電動チューリップ123が後述の電動チューリップ処理(図16)にしたがって開放され、第2始動口122に入賞し易い状態である(補助遊技状態)。
補助遊技フラグがONである場合、既に補助遊技状態となっており、普通図柄が停止している状態なので、普通図柄変動を開始することなく普通図柄処理を終了する(ステップ1301でYes)。一方、補助遊技フラグがOFFである場合(ステップ1301でNo)、次に普通図柄変動制御部237は、パチンコ遊技機100の現在の状態が普通図柄変動中か否かを判断する(ステップ1302)。普通図柄変動中でない場合(ステップ1302でNo)、次に普通図柄変動制御部237は、普通図柄の未変動分の保留数G(図7参照)が1以上か判断する(ステップ1303)。保留数G=0である場合は(ステップ1303でNo)、普通図柄の抽選を始動するための入賞が無いことを意味するため、普通図柄変動を開始せずに処理を終了する。
これに対し、保留数Gが1以上である場合(ステップ1303でYes)、普通図柄変動制御部237は、保留数Gの値を1減算し(ステップ1304)、今回の普通図柄抽選における当たり乱数の判定を行って、普通図柄抽選に当選したか否かを判断する(ステップ1305)。当選したか否かは、図7のステップ704で取得した当たり乱数の値が、後述する図17(d)に示すテーブル等において当選値として設定された値と一致したか否かを判断することによって決定される。
次に、普通図柄変動制御部237は、普通図柄抽選の結果に応じて普通図柄の設定を行う(ステップ1306)。すなわち、普通図柄抽選に当選した場合は、当選したことを表す図柄(以下、当たり図柄)を設定情報としてRAM203にセットする。一方、普通図柄抽選に当選しなかった場合は、抽選にはずれたことを表す図柄(以下、はずれ図柄)を設定情報としてRAM203にセットする。
次に、普通図柄変動制御部237は、普通図柄の変動時間の設定を行う(ステップ1307)。この変動時間は、図11におけるステップ1104、1114、後述の図15におけるステップ1504、1507等の処理で設定される時短フラグに基づいて設定される。すなわち、ステップ1307による設定の際に時短フラグがONである場合は、短時間(例えば1.5秒)に設定され、時短フラグがOFFである場合は、長時間(例えば4.0秒)に設定される。この設定の後、普通図柄変動制御部237は、ステップ1307の設定内容に基づき、図2(a)および図3に示す普通図柄表示器223における普通図柄の変動を開始する(ステップ1308)。
ステップ1308で普通図柄の変動を開始した後、またはステップ1302で普通図柄変動中と判断された場合(ステップ1302でYes)、普通図柄変動制御部237は、変動時間を経過したか否かを判断する(ステップ1309)。すなわち、ステップ1308で普通図柄の変動を開始してからの経過時間がステップ1307で設定された変動時間に達したか否かが判断される。変動時間を経過していなければ(ステップ1309でNo)、普通図柄変動が継続されるので、そのまま普通図柄処理が終了する。
一方、変動時間が終了した場合(ステップ1309でYes)、普通図柄変動制御部237は、普通図柄表示器223における普通図柄の変動を停止する(ステップ1310)。そして、普通図柄変動制御部237は、停止した普通図柄に基づき普通図柄抽選に当選したか否かを判断する(ステップ1311)。当選したならば(ステップ1311でYes)、補助遊技フラグをONにする(ステップ1312)。一方、抽選にはずれたならば(ステップ1311でNo)、補助遊技フラグをONにすること無く普通図柄処理を終了する。
〔遊技制御部による大入賞口処理〕
図14は、図5のステップ504に示した電動役物処理のうちの大入賞口処理の内容を示すフローチャートである。
この大入賞口処理において、遊技制御部200の大入賞口動作制御部238は、まず、RAM203のフラグ設定において当たり遊技フラグがONになっているか否かを調べる(ステップ1401)。当たり遊技フラグがOFFである場合、大入賞口125への入賞はないので、大入賞口処理を終了する(ステップ1401でNo)。一方、当たり遊技フラグがONである場合(ステップ1401でYes)、次に大入賞口動作制御部238は、パチンコ遊技機100が停止中処理(図11)で開始された大当たり時の動作制御におけるオープニング動作の最中か否かを判断する(ステップ1402)。
パチンコ遊技機100がオープニング中である場合(ステップ1402でYes)、次に大入賞口動作制御部238は、予め設定されたオープニング動作が行われるべき時間(オープニング時間)を経過したか否かを判断する(ステップ1403)。オープニング時間を経過していないならば、大入賞口125でのオープニング動作が継続されるので、大入賞口処理を終了する(ステップ1403でNo)。一方、オープニング時間を経過したならば(ステップ1403でYes)、次に大入賞口動作制御部238は、大入賞口125の作動設定を行い(ステップ1404)、入賞個数Cを初期化(C=0)し(ステップ1405)、大入賞口125の作動ラウンド数Rの値を現在の値から1加算して(ステップ1406)、大入賞口125を作動開始(開放)する(ステップ1407)。
ステップ1404の作動設定では、大入賞口125の作動パターンと、その作動パターンで作動させるラウンド数(作動ラウンド数)とが設定される。大入賞口125が作動する場合としては、特別図柄抽選で、長当たりまたは短当たりの大当たりであった場合と、小当たりであった場合がある。作動パターンおよびラウンド数は、これらの当たりの種類に応じて様々に設定される。長当たりの場合、例えば、15ラウンド(15R)作動させ、1ラウンドでは29.5秒の開放を1回行う。短当たりの場合、例えば、15ラウンド(15R)作動させ、1ラウンドでは0.1秒の開放を1回行う。小当たりの場合、例えば、1ラウンド(1R)作動させ、この1ラウンドで0.1秒の開放を15回行う。ここで、短当たりでの作動と小当たりでの作動を上記の例で比較すると、共に0.1秒の開放が15回行われることとなる。すなわち、遊技者から見える大入賞口125の動作は、短当たりの場合と小当たりの場合とで同じであり、遊技盤110上の大入賞口125の動作のみから短当たりと小当たりとを区別することはできない。
また、別の例としては、長当たりでは、15ラウンド(15R)作動させ、1ラウンドでは29.5秒の開放を1回行い、短当たりでは、2ラウンド(2R)作動させ、1ラウンドでは0.9秒の開放を2回行い、小当たりでは、1ラウンド(1R)作動させ、この1ラウンドで0.9秒の開放を2回行う。この場合も、短当たりでの作動と小当たりでの作動を比較すると、共に0.9秒の開放が2回行われることとなり、遊技者から見える大入賞口125の動作は、短当たりの場合と小当たりの場合とで同様となる。
なお、小当たりの際には、大入賞口125の開放累積時間が1.8秒以内に設定されなければならないことが法令により定められている。一方で、大当たり(長当たりまたは短当たり)の際には、大入賞口125を複数回連続開放させなければならない。そこで、上記のように小当たりでの作動と短当たりでの作動を外見上区別し難くしようとする場合、小当たりでは、1作動での開放累積時間が1.8秒以内を満たす範囲で、大入賞口125が2回以上開放する作動形態が設定され、短当たりでは、小当たりの開放回数と同数のラウンド数が設定される。
次に、大入賞口動作制御部238は、ステップ1404で設定された作動パターンにおける開放時間を経過したか否かを判断する(ステップ1408)。大入賞口125での開放状態が開放時間を経過していない場合(ステップ1408でNo)、次に大入賞口動作制御部238は、大入賞口125への入賞個数Cが規定の個数(例えば9個)以上か否かを判断する(ステップ1409)。開放時間を経過しておらず、かつ入賞個数Cが規定個数未満である場合は、大入賞口125の作動状態(開放状態)が継続されるので、大入賞口処理を終了する(ステップ1409でNo)。一方、開放時間を経過したか(ステップ1408でYes)、または入賞個数Cが規定個数に達した場合(ステップ1409でYes)、大入賞口動作制御部238は、大入賞口125を作動終了(閉口)する(ステップ1410)。
次に、大入賞口動作制御部238は、大入賞口125の作動のラウンド数Rがステップ1404で設定された最大値に達したか否かを判断する(ステップ1411)。そして、最大値に達していないならば、残りの作動が行われるため、大入賞口処理を終了する(ステップ1411でNo)。
大入賞口125の作動のラウンド数Rが最大値に達したならば(ステップ1411でYes)、次に大入賞口動作制御部238は、エンディング動作を開始する(ステップ1412)。ここで、エンディング動作の内容は、長当たり遊技、短当たり遊技の各遊技状態において設定されたエンディング動作のうち、当たり遊技フラグの状態に対応するものとなる。
この後、大入賞口動作制御部238は、演出制御部300において当たり遊技フラグに応じたエンディング動作における演出を行うためのエンディングコマンドをRAM203にセットする(ステップ1413)。このオープニングコマンドは、図5のステップ506に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。
次に、大入賞口動作制御部238は、大入賞口125の作動のラウンド数Rを0にリセットした後(ステップ1414)、エンディング動作の開始からの経過時間が予め設定されたエンディング動作が行われるべき時間(エンディング時間)を経過したか否かを判断する(ステップ1417)。エンディング時間を経過していないならば、エンディング動作が継続されるので、大入賞口処理を終了する(ステップ1417でNo)。一方、エンディング時間を経過したならば(ステップ1417でYes)、次に大入賞口動作制御部238は、遊技制御部200による遊技状態設定処理を経た後(ステップ1418)、当たり遊技フラグをOFFにして、大入賞口処理を終了する(ステップ1419)。遊技状態設定処理の内容については後述する。
ステップ1402で、パチンコ遊技機100がオープニング中ではないと判断した場合(ステップ1402でNo)、次に大入賞口動作制御部238は、エンディング中か否かを判断する(ステップ1415)。そして、エンディング中であるならば(ステップ1415でYes)、上記ステップ1417以降の動作を実行する。
一方、パチンコ遊技機100がエンディング中でもないならば(ステップ1415でNo)、次に大入賞口動作制御部238は、大入賞口125が作動(開放)中か否かを判断する(ステップ1416)。そして、作動中でないならば(ステップ1416でNo)、上記ステップ1405以降の動作を実行し、作動中であるならば(ステップ1416でYes)、上記ステップ1408以降の動作を実行する。
なお、前述した小当たり遊技で行われる演出は、短当たり遊技で行われる演出と同様であり、演出から短当たりと小当たりとを区別することはできない。
〔遊技状態設定処理〕
エンディング時間が経過した場合(ステップ1417でYes)に実行される、遊技制御部200による遊技状態設定処理(ステップ1418)の内容を図15に示す。
遊技状態設定処理が行われる場合、前提として、図14のステップ1401で当たり遊技フラグがONとなっている。そこで、図15に示すように、遊技制御部200は、まず、その当たりの種類を判断する(ステップ1501、1502、1503、1506)。これらの判断は、例えば大当たり判定処理(図9)でRAM203に設定情報としてセットされた図柄の種類に基づいて判断することができる。なお、これらの判断は大当たり判定処理(図9)のステップ902、903、905と概ね同様であるので、ステップ902、903、905の判断結果を用いても良い。
小当たりである場合(ステップ1501でYes)、遊技状態(パチンコ遊技機100の内部状態)は変更しないので、遊技状態設定処理を終了する。
当たりの種類が低確率時短遊技状態の大当たりである場合(ステップ1501でNo、ステップ1502、1503でYes)、遊技制御部200は、時短フラグをONにする(ステップ1504)。これにより、RAM203の遊技状態の設定が低確率時短遊技状態となる。また、遊技制御部200は、抽選回数Jの初期値を設定し(ステップ1505)、遊技状態設定処理を終了する。抽選回数Jの初期値は、図示の例では100回である。したがって、低確率時短遊技状態における抽選が100回行われたならば、低確率時短遊技状態が終了し、低確率時短無遊技状態となる。
一方、当たりの種類が低確率時短無遊技状態の大当たりである場合(ステップ1501でNo、1502でYes、ステップ1503でNo)、遊技制御部200は、時短フラグ、確変フラグともONにせずに処理を終了する。したがって、この大当たりの後の遊技に対するRAM203の遊技状態の設定は、低確率時短無遊技状態となる。
当たりの種類が高確率時短遊技状態の大当たりである場合(ステップ1501、1502でNo、ステップ1506でYes)、遊技制御部200は、時短フラグをONにし(ステップ1507)、抽選回数Jの初期値を設定する(ステップ1508)。この場合の抽選回数Jの初期値は、図示の例では10000回である。また、遊技制御部200は、確変フラグをONにし(ステップ1509)、抽選回数Xの初期値を設定する(ステップ1510)。抽選回数Xの初期値は、図示の例では10000回である。これにより、RAM203の遊技状態の設定が高確率時短遊技状態となる。そして、この高確率時短遊技状態における抽選が10000回行われたならば、高確率時短遊技状態が終了し、低確率時短無遊技状態となる。
一方、当たりの種類が高確率時短無遊技状態の大当たりである場合(ステップ1501、1502、ステップ1506でNo)、遊技制御部200は、確変フラグのみをONにし(ステップ1509)、抽選回数Xの初期値(10000回)を設定する(ステップ1510)。これにより、RAM203の遊技状態の設定が高確率時短無遊技状態となる。そして、この高確率時短無遊技状態における抽選が10000回行われたならば、高確率時短無遊技状態が終了し、低確率時短無遊技状態となる。
〔遊技制御部による電動チューリップ処理〕
図16は、図5のステップ504に示した電動役物処理のうちの電動チューリップ処理の内容を示すフローチャートである。
電動チューリップ処理において、遊技制御部200の電動チューリップ動作制御部239は、まず、RAM203のフラグ設定において補助遊技フラグがONになっているか否かを調べる(ステップ1601)。補助遊技フラグがOFFである場合、電動チューリップ123は開放しないため、電動チューリップ処理を終了する(ステップ1601でNo)。一方、補助遊技フラグがONである場合(ステップ1601でYes)、次に電動チューリップ動作制御部239は、電動チューリップ123が作動中か否かを判断する(ステップ1602)。
電動チューリップ123が作動中でない場合(ステップ1602でNo)、電動チューリップ動作制御部239は、電動チューリップ123の作動パターンの設定を行い(ステップ1603)、設定した作動パターンで電動チューリップ123を作動させる(ステップ1604)。ここで、作動パターンは、図11におけるステップ1104、1114、図15におけるステップ1504、1507等の処理で設定される時短フラグに基づいて設定される。例えば、ステップ1603による設定の際に時短フラグがOFFである場合は、0.15秒の開放時間で1回開放する作動パターンが設定され、時短フラグがONである場合は、1.80秒の開放時間で3回開放する作動パターンが設定される。このように、通常、時短フラグがONであるとき(時短遊技状態のとき)は、電動チューリップ123が長時間、複数回開放され、第2始動口122に入賞し易くなる入賞サポート(電チューサポート)が行われる。
ステップ1602で電動チューリップ123が作動中と判断された場合(ステップ1602でYes)、またはステップ1604で電動チューリップ123を作動させた後、電動チューリップ動作制御部239は、設定されている作動パターンにおける開放時間が経過したか否かを判断する(ステップ1605)。開放時間を経過していなければ、電動チューリップ123の作動状態(開放状態)が継続されるので、電動チューリップ処理を終了する(ステップ1605でNo)。一方、開放時間を経過したならば(ステップ1605でYes)、電動チューリップ動作制御部239は、補助遊技フラグをOFFとして、電動チューリップ処理を終了する(ステップ1606)。
〔乱数による判定の手法〕
ここで、大当たり判定処理(図9)、変動パターン選択処理(図10)、普通図柄処理(図13)等で行われる、乱数による判定の手法について詳細に説明する。
図17は、本実施の形態で用いられる乱数の判定(判定テーブル)の構成例を示す図である。
図17(a)には大当たり乱数の判定の構成例、図17(b)には大当たり図柄乱数の判定の構成例、図17(c)にはリーチ乱数の判定の構成例、図17(d)には当たり乱数の判定の構成例が、それぞれ示されている。
図17(a)を参照すると、大当たり乱数の判定値として、パチンコ遊技機100の遊技状態が低確率状態の大当たりと高確率状態の大当たりの2種類と、小当たりとが設定されている。乱数(大当たり乱数)の値の範囲は何れも0〜299の300個である。低確率状態の特別図柄抽選(大当たり抽選)の場合、当選値は1つだけが設定され、当選確率は1/300である。また高確率状態の特別図柄抽選の場合、当選値は10個設定され、当選確率は10/300(=1/30)である。すなわち図示の例では、高確率状態で始動口121、122に入賞し特別図柄抽選が行われると、低確率状態で特別図柄抽選が行われる場合に比べて、当選確率が10倍となる。また、小当たりの当選値は、低確率状態か高確率状態かに関わらず3個設定され、当選確率は3/300(=1/100)である。
図17(b)を参照すると、大当たり図柄には、低確率図柄A、低確率図柄B、高確率図柄A、高確率図柄B、潜確図柄の5種類が用意されている。ここで、低確率図柄Aおよび低確率図柄Bは、低確率状態の大当たりであることを表す図柄であり、このうち低確率図柄Aは長当たり(低確率時短遊技状態)、低確率図柄Bは短当たり(低確率時短無遊技状態)をそれぞれ表す。高確率図柄Aおよび高確率図柄Bは、高確率状態の大当たりであることを表す図柄であり、このうち高確率図柄Aは長当たり(高確率時短遊技状態)、高確率図柄Bは短当たり(高確率時短無遊技状態)をそれぞれ表す。潜確図柄は、高確率時短無遊技状態の大当たりであることを表す図柄である。したがって、高確率図柄Bと潜確図柄とは大当たり遊技後の遊技状態が同じであるが、潜確図柄は、高確率状態であることを遊技者に明確に報知しない潜伏演出を行う条件とするために高確率図柄Bとは分けて設けられている。乱数の値の範囲は0〜249の250個である。また、大当たり図柄乱数では、特別図柄抽選が行われる契機となる第1始動口121と第2始動口122の各々について当選値が設定される。
低確率図柄Aでは、第1始動口121および第2始動口122ともに、当選値として35個の値が割り当てられている。したがって、大当たりに当選した場合に低確率図柄Aでの当選となる確率は、35/250(=7/50)である。
低確率図柄Bでは、第1始動口121および第2始動口122ともに、当選値として15個の値が割り当てられている。したがって、大当たりに当選した場合に低確率図柄Bでの当選となる確率は、15/250(=3/50)である。
高確率図柄Aでは、第1始動口121に入賞した場合の当選値として25個の値が割り当てられている。したがって、第1始動口121に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に高確率図柄Aでの当選となる確率は、25/250(=1/10)である。
一方、第2始動口122に入賞した場合の当選値として175個の値が割り当てられている。したがって、第2始動口122に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に高確率図柄Aでの当選となる確率は、175/250(=7/10)である。
高確率図柄Bでは、第1始動口121に入賞した場合の当選値として75個の値が割り当てられている。したがって、第1始動口121に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に高確率図柄Bでの当選となる確率は、75/250(=3/10)である。
一方、第2始動口122に入賞した場合の当選値として25個の値が割り当てられている。したがって、第2始動口122に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に高確率図柄Bでの当選となる確率は、25/250(=1/10)である。
潜確図柄では、第1始動口121に入賞した場合の当選値として100個の値が割り当てられている。したがって、第1始動口121に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に潜確図柄での当選となる確率は、100/250(=2/5)である。
一方、第2始動口122には潜確図柄での当選値が割り当てられておらず、第2始動口122に入賞した場合に潜確図柄での当選となることはない。
以上のように、図17(b)に示す例では、第1始動口121に入賞した場合の大当たりは、高確率時短無遊技状態の大当たり(高確率図柄B、潜確図柄)となる確率が高く、第2始動口122に入賞した場合の大当たりは、高確率時短遊技状態の大当たり(高確率図柄A)となる確率が高い。このように、第1始動口121に入賞した場合と第2始動口122に入賞した場合における大当たりの種類の当選確率を相違させることにより、様々な遊技性を持たせることができる。また、遊技盤110における第1始動口121と第2始動口122の配置を工夫し、特定の状態(モード)では第1始動口121と第2始動口122の何れか一方を狙い易くなるように構成することによって、遊技者にさらに積極的な遊技への参加を促すことも可能である。
次に、リーチ乱数の判定について説明する。
図17(c)を参照すると、乱数の値の範囲は0〜249の250個であり、リーチ演出を行う抽選結果(リーチ有)に22個の乱数値が割り当てられ、リーチ演出を行わない抽選結果(リーチ無)に228個の乱数値が割り当てられている。すなわち図示の例では、特別図柄抽選で大当たりしなかった場合に、22/250(=11/125)の確率でリーチ演出が行われる。
次に、普通図柄抽選に用いられる当たり乱数の判定について説明する。
図17(d)を参照すると、乱数の値の範囲は0〜9の10個であり、時短フラグOFFのときの当選値として1個の値が割り当てられ、時短フラグONのときの当選値として9個の値が割り当てられている。したがって、時短無状態のときにゲート124を遊技球が通過して普通図柄抽選(開閉抽選)が行われると、1/10の確率で当選する。これに対し、時短状態のときにゲート124を遊技球が通過して普通図柄抽選(開閉抽選)が行われると、9/10の確率で当選する。
各種の抽選に用いられる判定情報としての乱数値は、所定の初期値から始まって、図5に示す乱数更新処理(ステップ501)が行われるたびに1ずつ加算される。そして、各抽選が行われた時点の値が始動口スイッチ処理(図6)およびゲートスイッチ処理(図7)で取得され、特別図柄処理(図8)や普通図柄処理(図13)で使用される。なお、この乱数値のカウンタは無限ループカウンタであり、設定されている乱数の最大値(例えば大当たり乱数では1009)に達した後は再び0に戻る。また、乱数更新処理は一定時間ごとに行われるため、各乱数の初期値が特定されてしまうと、これらの情報に基づいて当選値が推定される恐れがある。そこで、一般に、適当なタイミングで各乱数の初期値をランダムに変更する仕組みが導入されている。
なお、図17の各乱数の構成例に示した乱数の範囲、当選値の割合、当選値の各値は例示に過ぎず、図示の値に限定されるものではない。
〔演出制御部の動作〕
次に、演出制御部300の動作を説明する。
図18は、遊技制御部200からコマンドを受信した際の演出制御部300の動作を示すフローチャートである。
演出制御部300の動作は、図18(a)に示すメイン処理と、図18(b)に示す割り込み処理とからなる。図18(a)を参照すると、演出制御部300は、まず起動時に初期設定を行い(ステップ1801)、CTC(Counter/Timer Circuit)の周期設定を行った後(ステップ1802)、設定された周期にしたがって、演出制御において用いられる乱数を更新しながら(ステップ1803)、割り込み処理を受け付ける。
割り込み処理は、ステップ1802で設定された周期にしたがって定期的に行われる。図18(b)を参照すると、この割り込み処理において、演出制御部300は、遊技制御部200からのコマンドを受信してコマンド受信処理を行う(ステップ1811)。このコマンド受信処理において、演出パターンが選択される。また、演出制御部300は、遊技者による演出ボタン等の操作を受け付けるための演出ボタン処理を行う(ステップ1812)。この後、演出制御部300は、選択した演出パターンの情報を含むコマンドを画像/音響制御部310およびランプ制御部320に送信するコマンド送信を行う(ステップ1813)。これにより、画像表示部114への画像表示や音響出力、可動役物115の動作、盤ランプ116や枠ランプ157の発光等による演出が行われる。
〔演出制御部によるコマンド受信処理〕
図19は、コマンド受信処理(図18(b)のステップ1811)の内容を示すフローチャートである。
このコマンド受信処理において、演出制御部300は、まず、受信したコマンドが保留数を増加するためのコマンド(保留数増加コマンド)か否かを判断する(ステップ1901)。この保留数増加コマンドは、遊技制御部200において、図6に示した始動口スイッチ処理においてセットされ(ステップ606、612)、図5に示した出力処理(ステップ506)で演出制御部300へ送信される。保留数増加コマンドであった場合(ステップ1901でYes)、演出制御部300は、RAM303(図3参照)に保持されている保留数の値を1加算し(ステップ1902)、加算後の保留数の値を示す保留数コマンドをRAM303にセットする(ステップ1903)。
受信したコマンドが保留数増加コマンドでない場合(ステップ1901でNo)、またはステップ1903の保留数増加コマンドのセット後にコマンドを受信した場合、演出制御部300は、受信したコマンドが変動開始コマンドか否かを判断する(ステップ1904)。この変動開始コマンドは、遊技制御部200において、図8に示した特別図柄処理においてセットされ(ステップ811)、図5に示した出力処理(ステップ506)で演出制御部300へ送信される。
受信したコマンドが変動開始コマンドであった場合(ステップ1904でYes)、演出制御部300は、演出選択処理を実行する(ステップ1905)。演出選択処理の詳細については後述する。
受信したコマンドが変動開始コマンドでない場合(ステップ1901およびステップ1904でNo)、またはステップ1905の演出選択処理の実行後にコマンドを受信した場合、演出制御部300は、受信したコマンドが変動停止コマンドか否かを判断する(ステップ1906)。この変動停止コマンドは、遊技制御部200において、図8に示した特別図柄処理においてセットされ(ステップ814)、図5に示した出力処理(ステップ506)で演出制御部300へ送信される。
受信したコマンドが変動停止コマンドであった場合(ステップ1906でYes)、演出制御部300は、変動演出終了中処理を実行する(ステップ1907)。変動演出終了中処理の詳細については後述する。
受信したコマンドが変動開始コマンドおよび変動停止コマンドでない場合(ステップ1901、ステップ1904およびステップ1906でNo)、またはステップ1907の変動演出終了中処理の実行後にコマンドを受信した場合、演出制御部300は、受信したコマンドが大当たり演出におけるオープニングを開始するためのオープニングコマンドか否かを判断する(ステップ1908)。このオープニングコマンドは、図11に示した停止中処理においてセットされ(ステップ1118)、図5に示した出力処理(ステップ506)で演出制御部300へ送信される。
受信したコマンドがオープニングコマンドであった場合(ステップ1908でYes)、演出制御部300は、当たり演出選択処理を実行する(ステップ1909)。当たり演出選択処理の詳細については後述する。
受信したコマンドが変動開始コマンド、変動停止コマンドおよびオープニングコマンドでない場合(ステップ1901、ステップ1904、ステップ1906およびステップ1908でNo)、またはステップ1909の当たり演出選択処理の実行後にコマンドを受信した場合、演出制御部300は、受信したコマンドが大当たり演出におけるエンディングを開始するためのエンディングコマンドか否かを判断する(ステップ1910)。このエンディングコマンドは、図14に示した大入賞口処理においてセットされ(ステップ1413)、図5に示した出力処理(ステップ506)で演出制御部300へ送信される。
受信したコマンドがエンディングコマンドであった場合(ステップ1910でYes)、演出制御部300は、エンディング演出選択処理を実行する(ステップ1911)。エンディング演出選択処理の詳細については後述する。
受信したコマンドが変動開始コマンド、変動停止コマンド、オープニングコマンドおよびエンディングコマンドでない場合(ステップ1901、ステップ1904、ステップ1906、ステップ1908およびステップ1910でNo)、またはステップ1911のエンディング演出選択処理の終了後にコマンドを受信した場合、次に演出制御部300は、受信したコマンドが客待ち状態に移行するための客待ちコマンド受信処理を実行する(ステップ1912)。客待ちコマンド受信処理の詳細については後述する。
図20は、モードフラグの設定例を示す図である。
演出制御部300により演出が行われる場合、設定される演出モードに基づき、種々の演出パターンが選択されて実行される。この演出モードは、RAM303にセットされるモードフラグによって決定される。ここで、モードフラグは、0〜4の値のいずれかが設定されており、それぞれAモードからEモードまでの5種類の演出モードが割り当てられている。なお、モードフラグは、特別図柄抽選の抽選結果または特別図柄抽選の抽選回数に応じて設定される。
高確率図柄Aの大当たりにはモードフラグ1が、低確率図柄Aの大当たりにはモードフラグ2が、高確率図柄Bおよび低確率図柄Bの大当たりにはモードフラグ3が、潜確図柄の大当たりおよび小当たりにはモードフラグ4が、それぞれ割り当てられている。ここで、これらの図柄の種類は、図17(b)に示したものと同様である。何れの当たりにもモードフラグ0は割り当てられていない。なお、モードフラグ1〜4において、特別図柄抽選を所定回数実行することでモードフラグ0が設定される。
さらに、図20に示す例では、変動演出終了中処理で用いられるパラメータM(M値)が、Aモードを除く各モードに対して個別に設定されている。
図21は、図19の演出選択処理(ステップ1905)の内容を示すフローチャートである。
この演出選択処理において、演出制御部300は、まず受信した変動開始コマンドを解析する(ステップ2101)。また、演出制御部300は、RAM303の設定からパチンコ遊技機100の現在のモードフラグを参照し(ステップ2102)、RAM303に保持されている保留数の値を1減算する(ステップ2103)。そして、演出制御部300は、変動開始コマンドの解析結果から得られる各種の設定情報(大当たりの種類、大当たり遊技後の遊技状態、変動パターン等の情報)およびモードフラグにより決定される演出モードに基づき、その演出モードで画像表示部114に表示する画像による図柄変動の演出パターン(変動演出パターン)を選択する(ステップ2104)。最後に、演出制御部300は、選択した演出パターンによる演出に用いられる画像データや音響データをROM302から読み出し、これらのデータと共に、選択した演出の実行開始を指示する変動演出開始コマンドをRAM303にセットして、演出選択処理を終了する(ステップ2105)。
詳述しないが、ステップ2104における図柄変動の演出パターンの選択処理では、演出モードと変動パターンと演出乱数(図18のステップ1801において更新されている乱数の一つであり、変動開始コマンド受信時に演出乱数を取得している)とに基づいて演出パターンが決定される。ここで決定された演出パターンに基づいて、装飾図柄の変動表示、背景演出および予告演出が決定される。なお、装飾図柄の変動表示とは、第1特別図柄表示器221または第2特別図柄表示器222で行われる特別図柄の変動表示に伴い、画像表示部114にて行われる演出表示である。この装飾図柄の変動表示において、リーチ演出等が実行される。
図22は、図19の変動演出終了中処理(ステップ1907)の内容を示すフローチャートである。
この変動演出終了中処理において、演出制御部300は、まず受信した変動停止コマンドを解析する(ステップ2201)。また、演出制御部300は、RAM303(図3参照)の設定からパチンコ遊技機100の現在のモードフラグを参照する(ステップ2202)。そして、演出制御部300は、変動停止コマンドの解析の結果から得られる特別図柄変動が停止した際の図柄の種類を示す情報に基づいて特別図柄抽選の抽選結果が当たり(大当たりまたは小当たり)か否かを判断する(ステップ2203)。何らかの当たりである場合は(ステップ2203でYes)、その当たりの種類に応じて、図20に示した設定例に基づきRAM303にセットされているモードフラグを変更する(ステップ2204)。
一方、特別図柄抽選の抽選結果が当たりでない場合(ステップ2203でNo)、次に演出制御部300は、モードフラグの値が0か否かを調べる(ステップ2205)。モードフラグが0でない場合(ステップ2205でNo)、演出制御部300は、パラメータMを1減算し(ステップ2206)、Mの値が0になったか否かを調べる(ステップ2207)。Mの値が0になったならば(ステップ2207でYes)、演出制御部300は、モードフラグを0に設定する(ステップ2208)。
ステップ2205でモードフラグが0であった場合(ステップ2205でYes)、ステップ2207でパラメータMの値が0にならなかった場合(ステップ2207でNo)、またはステップ2208でモードフラグを0に設定した後、あるいはステップ2204でモードフラグを変更した後、演出制御部300は、図柄変動の演出の終了を指示するための変動演出終了コマンドをRAM303にセットして、変動演出終了中処理を終了する(ステップ2209)。ここで、図20を参照すると、ステップ2204でモードフラグを変更した場合は、変動演出終了後の演出モードは当たりの種類に応じた演出モードとなる。また、ステップ2205でモードフラグが0であった場合およびステップ2208でモードフラグを0に設定した場合は、変動演出終了後の演出モードはAモードとなる。また、ステップ2207でパラメータMの値が0にならなかった場合は、これまでの演出モードが継続される。
図23は、図19の当たり演出選択処理(ステップ1909)の内容を示すフローチャートである。
この当たり演出選択処理において、演出制御部300は、まず受信したオープニングコマンドを解析し(ステップ2301)、モードフラグに基づく演出モードの内容に応じて演出のパターン(当たり演出パターン)を選択する(ステップ2302)。そして、演出制御部300は、選択した演出パターンによる演出に用いられる画像データや音響データをROM302から読み出し、これらのデータと共に、選択した演出を指示する当たり演出開始コマンドをRAM303にセットして、当たり演出選択処理を終了する(ステップ2303)。これにより、大当たり中の演出が決定される。
図24は、図19のエンディング演出選択処理(ステップ1911)の内容を示すフローチャートである。
このエンディング演出選択処理において、演出制御部300は、まず受信したエンディングコマンドを解析し(ステップ2401)、モードフラグに基づく演出モードの内容に応じて演出のパターン(エンディング演出パターン)を選択する(ステップ2402)。そして、演出制御部300は、選択した演出パターンによる演出に用いられる画像データや音響データをROM302から読み出し、これらのデータと共に、選択した演出を指示するエンディング演出開始コマンドをRAM303にセットして、エンディング演出選択処理を終了する(ステップ2403)。
図25は、図19の客待ちコマンド受信処理(ステップ1912)の内容を示すフローチャートである。
演出制御部300は、客待ち状態に移行するための客待ちコマンドを受信したか否かを判断する(ステップ2501)。客待ちコマンドを受信した場合(ステップ2501でYes)、演出制御部300は、経過時間の計測を開始し(ステップ2502)、RAM303において計測フラグをONにする(ステップ2503)。一方、受信したコマンドが客待ちコマンドでなかった場合(ステップ2501でNo)、演出制御部300は、RAM303に保持されている計測フラグがONになっているか否かを判断する(ステップ2504)。計測フラグがOFFであれば(ステップ2504でNo)、客待ちコマンド受信処理を終了する。
計測フラグがONである場合(ステップ2504でYesまたはステップ2503でONにした後)、次に演出制御部300は、計測時間があらかじめ定められたタイムアップ時間に達したか否かを判断する(ステップ2505)。タイムアップしていない場合(ステップ2505でNo)、客待ちコマンド受信処理を終了する。一方、タイムアップした場合(ステップ2505でYes)、演出制御部300は、RAM303に保持されている計測フラグをOFFにし(ステップ2506)、客待ち演出を行うための客待ち演出コマンドをRAM303にセットして客待ちコマンド受信処理を終了する(ステップ2507)。
以上のようにして客待ちコマンド受信処理が完了すると、RAM303には、変動演出開始コマンド、変動演出終了コマンド、当たり演出開始コマンド、エンディング演出開始コマンド、客待ち演出コマンドのいずれかがセットされている。
図26は、演出ボタン処理(図18(b)のステップ1812)の内容を示すフローチャートである。
この変動演出終了中処理において、演出制御部300は、まず遊技者による演出ボタン等が操作されたか否かを判断する(ステップ2601)。ここで、演出ボタン等の操作とは、演出ボタン161が押下されてONとなること、演出キー162の中央キーや周囲キーが押下されてONとなることを含む。また、タッチパネル等、演出ボタン161および演出キー162以外の操作用デバイスがパチンコ遊技機100に設けられている場合は、そのデバイスの操作を検知したことを含む。演出制御部300は、これらのデバイスのコントローラから操作信号を受け付けて、操作が行われたことを検知する。
演出ボタン等が操作されたならば(ステップ2601でYes)、演出制御部300は、演出ボタン等の操作内容を示す情報を含む演出ボタンコマンドをRAM303(図3参照)にセットして演出ボタン処理を終了する(ステップ2602)。
この後、演出制御部300は、図18(b)のコマンド送信処理(ステップ1813)を行って、上記のコマンド受信処理および演出ボタン処理でRAM303にセットされたコマンドを画像/音響制御部310およびランプ制御部320に送信する。そして、画像/音響制御部310およびランプ制御部320が、受信したコマンドに基づき、画像表示部114への画像表示、音響出力、可動役物115の動作、盤ランプ116や枠ランプ157の発光等を制御して、設定された演出を実行する。
〔遊技盤110が有する遊技盤本体Bについて〕
本実施の形態に係る遊技盤110は、遊技盤本体Bを有する。この本実施の形態に係る遊技盤本体Bは、ベニヤ(合板、木)製ではなく、光を透過する樹脂製の板状部材であり、透明遊技板である。より詳しくは、遊技盤本体Bは、凹凸形状や切欠き形状を成形により一体形成されるものであり、ポリカーボネート(PC)製である。すなわち、本実施の形態に係る遊技盤本体Bは、凹凸形状や切欠き形状を切削する工程を省略することが可能であり、このために、凹凸形状や切欠き形状の端面が磨りガラス状に形成されない。
本実施の形態に係る遊技盤本体Bを、素材としてのアクリル製の板材を切削加工により凹凸形状や切欠き形状を形成する場合にも適用することが考えられる。この場合には、凹凸形状や切欠き形状の端面が磨りガラス状に形成される。
また、本実施の形態に係る遊技盤本体Bを、樹脂製部材を接着剤で互いに貼り合わせることで構成する場合にも適用することが考えられる。
ここで、遊技盤本体Bがベニヤ製の場合に比べてアクリル製の方が優れている点としては、まず役物構成の自由度が向上することが挙げられる。すなわち、アクリル製の場合は、ゲージ部分の裏側にも役物や電飾を配置して見せることが可能になり、遊技盤の更なる作り込みが可能になる。また、見た目のインパクトや高級感に優れていること等も挙げられる。
付言すると、アクリル製を採用するときにベニヤ製の場合に比べて懸念される事項としては、コスト高、量産性の低下、遊技くぎの破損、剛性の低下が挙げられる。剛性の低下について補足説明すると、アクリル製の場合は厚さが10mmであり、厚さ19mmとなるベニヤ製の場合よりも薄くなり、たわみ易い。
また、遊技盤本体Bがアクリル製の場合に比べてポリカーボネート製の方が優れている点としては、まずコストが安いことが挙げられる。より具体的には、成形法の違いによるNC加工工数の違いや、成形後の管理の違い、材料自体の単価とその使用量の違いを起因とするコスト削減である。
すなわち、アクリル製の場合には、押出成形による素材としての板材を、外形加工、大径穴小径穴の加工、ルーター加工、遊技くぎの下穴加工および外形面取りの順でNC加工を行う。その一方で、ポリカーボネート製の場合には、射出成形で成形した後に、小径穴の加工、ゲートカット処理および遊技くぎの下穴加工の順でNC加工を行う。このため、成形法の違いによるNC加工工数の違いが顕著である。
また、アクリルは吸水することで変形が起こるために外気の温度や湿度の管理を必要とするものである。その一方で、ポリカーボネートは、成形後の変形がほとんどなく、外気の温度や湿度の管理をアクリルの場合よりも厳密に行う必要がない。このため、成形後の管理の違いが顕著である。
また、アクリル製の場合は、アクリルにゴム成分が入った高価な押し出し材料であり、ルーター加工分の無駄な材料費の削減が困難である。その一方で、ポリカーボネート製の場合には、アクリル製の場合に比べて材料が安価であり、射出成形後のNC加工が少ないことから、無駄な材料費がほとんど発生しない。このため、材料自体の単価とその使用量の違いが顕著である。
また、他の優れている点としては、環境に良いこと、遊技盤自体に形状が設けられること、量産性に優れていること、遊技くぎが折れ難いこと、管理がし易いこと、重量が軽くなること等も挙げられる。
付言すると、ポリカーボネート製を採用するときにアクリル製の場合に比べて懸念される事項としては、耐薬品性が弱くなること、形状の変更が困難であること、耐傷性が弱くなること等が挙げられる。
次に、遊技盤本体Bの構成について説明する。
図27および図28は、遊技盤110が備える遊技盤本体Bを説明する図である。図27の(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は左側面図、(d)は右側面図、(e)は底面図である。図28の(a)は背面図であり、(b)は、(a)の線X−Xによる断面図である。
図27および図28に示すように、樹脂製の遊技盤本体Bは、各種役物等を取り付けるための切欠き形状を有する。例えば、遊技盤本体Bには、センター飾り(不図示)取り付け用の開口部101や、第1始動口121および第2始動口122取り付け用の開口部102、大入賞口125取り付け用の開口部103等が形成されている。これらの開口部101,102,103は、遊技盤本体Bの前面Baから後面Bbへ貫通している。なお、開口部101は、ゲート124取り付け用の領域101aを有する。
遊技盤本体Bの前面Baは、遊技盤110の遊技領域111を形成するものであり、略平たんに形成されている(図27参照)。その一方で、遊技盤本体Bの後面Bbは、凹凸形状に形成されている(図28参照)。
さらに説明すると、遊技盤本体Bは、縁部に沿って全周にわたって延びる縁リブ104を備えている。この縁リブ104は、前面Baから後方に向けて立設して形成されている。言い換えると、縁リブ104は、遊技盤本体Bの厚さ方向に突出している。このような縁リブ104を備える構造を採用することで、遊技盤本体Bに各種役物等の部品を取り付ける際に縁リブ104を利用することで作業性を向上させることが可能になる。また、遊技盤110を遊技盤保持枠に取り付ける際に作業者が縁リブ104に指をかけて行うことにより作業性を向上させることが可能になる。
このように、樹脂製の遊技盤本体Bが形成されることで、遊技盤本体Bの厚さTが確保される。ここにいう厚さTは、遊技盤本体Bの前面Baと後面Bbとの間の離間距離をいう。より詳しくは、遊技盤本体Bの後面Bbは、上述の縁リブ104の端面等により画定される。
また、樹脂製の遊技盤本体Bの厚さTは、ベニヤ製の遊技盤の厚さと同じであり、19mmである。
また、樹脂製の遊技盤本体Bでは、後面Bb側をくり抜いた形にすることにより、遊技領域111(図1参照)に対応する後面Bbの部分105を板厚t1とし、それ以外の後面Bbの部分106を板厚t2としている(t2<t1<T)。すなわち、遊技盤本体Bの縁部に縁リブ104を形成し、かつ、縁リブ104で囲まれた部分の後面Bb側をへこますことにより縁リブ104で囲まれた部分の板厚を薄くしている。このため、本実施の形態では、遊技盤本体Bの必要な強度を確保しつつ、遊技盤本体Bの軽量化を図ることが可能である。
また、板厚t1に形成された遊技盤本体Bの部分105を設けることにより、遊技盤本体Bに取り付けられる各種役物等がなるべく前面Ba寄りに位置することになる。このため、遊技盤本体Bの後面Bbのスペースをより広く確保することが可能になり、各種の機構部品等の設計条件を緩和することが可能になる。
なお、後面Bbの部分105は、遊技くぎを取り付けるために必要な厚さを確保すべく、それ以外の後面Bbの部分の板厚t2よりも厚い板厚t1を採用している。
〔遊技盤110における可動役物115の位置〕
次に、遊技盤110における可動役物115の位置を説明する。
図29は、遊技盤110の構成部品相互の位置関係を説明する概略平面図である。
同図に示すように、遊技盤110において、可動役物115は、遊技盤本体Bと画像表示部114との間に位置する。すなわち、遊技盤110は、画像を表示する表示面114aを持つ画像表示部114と、画像表示部114の表示面114a前に位置する遊技盤本体Bと、を含んで構成されている。また、可動役物115は、遊技盤本体Bと画像表示部114とに挟まれて位置する。
より詳細には、遊技盤110を覆う透明板159に近い側から遠い側に、遊技盤本体B、可動役物115および画像表示部114の順で配設されている。さらに説明すると、可動役物115は、遊技盤本体Bの後面Bbよりも透明板159に遠く、かつ、画像表示部114の表示面114aよりも透明板159に近い。
このため、可動役物115は、画像表示部114の表示面114aの前にて、動きの演出を行う。したがって、可動役物115の動きを表示面114aによる画像と関連させて遊技に伴う演出を実行することが可能になる。
また、可動役物115は、遊技領域111を形成する遊技盤本体Bの前面Baとは反対の側の面である後面Bb側に配設されている。したがって、遊技領域111に起因する動く範囲の制約を受けることなく、より大きな範囲で動きによる演出を行うことが可能になる。
〔可動役物115の構成〕
次に、可動役物115の構成について説明する。
図30および図31は、可動役物115の外観を示す正面図である。すなわち、図30は、通常時における可動役物115の外観を示す正面図であり、図31は、その背面図である。
両図に示すように、可動役物115は、遊技盤110の上部に位置する上演出部A1と、遊技盤110の下部に位置する下演出部A2と、を備えている。これら上演出部A1および下演出部A2は、上述したように、遊技盤110の後ろ側に位置する(図29参照)。
かかる上演出部A1は、所定の演出が可能な上側演出部1と、上側演出部1と共におよび上側演出部1とは別に移動可能な上方演出部4Uと、を含んで構成されている。また、下演出部A2は、所定の演出が可能な下側演出部2と、下側演出部2と共におよび下側演出部2とは別に移動可能な下方演出部4Dと、を含んで構成されている。上側演出部1、上方演出部4U、下側演出部2および下方演出部4Dは、パチンコ遊技機100の左右方向に延びる長手形状に形成されている。
なお、上演出部A1の一部を構成する上側演出部1と下演出部A2の一部を構成する下側演出部2とは、上下方向略中央の位置にて互いに隣接することで中央演出部A3(例えば図40参照)が構成される。
さらに説明すると、可動役物115は、図30および図31に示すように、上側演出部1ないし下側演出部2の正面視右側方に配設される右縦構造部5Rと、正面視左側方に配設される左縦構造部5Lと、を備えている。右縦構造部5Rおよび左縦構造部5Lの各々は、上下方向に延びるように構成され、かつ、互いに略平行に配設されている。
より詳細には、右縦構造部5Rと左縦構造部5Lとは、互いに離間して位置し、かつ、右縦構造部5Rと左縦構造部5Lとの間に、上側演出部1、下側演出部2、上方演出部4Uおよび下方演出部4Dが位置する。
〔上側演出部1について〕
ここで、上側演出部1における前面m1および後面m2の外観を説明する。
上演出部A1の上側演出部1は、前面m1を用いる演出のみならず、後面m2を用いる演出を行うことが可能に構成されている。このため、上側演出部1は、前面m1側と後面m2側とで互いに異なる意匠を有することになる。付言すると、上側演出部1の前面m1と後面m2との間の切り換えは、図30または図31における左右方向(横方向)に延びる回転軸周りを回転させる後述の回転機構部8により実現される。
なお、上演出部A1の上方演出部4Uは、上演出部A1の上側演出部1とは異なり、回転可能に構成されていない。しかしながら、上方演出部4Uは、遊技盤110に対して固定されているのではなく、後述するように、上側演出部1に持ち上げられることで、上演出部A1として上方向へのわずかな距離の移動が可能なように構成されている。
すなわち、上側演出部1の前面m1側では、図30を参照すると、左右方向の略中央に演出上の風車が配置されるように凹形状に構成されている。その一方で、上側演出部1の後面m2側では、図31を参照すると、左右方向の左端部および右端部のそれぞれに演出上の風車が配置されるように凹形状に構成されている。このように、上側演出部1の前面m1側では略中央の風車51を用いる風車演出を行うことが可能であり、上側演出部1の後面m2側では左右の風車52を用いる風車演出を行うことが可能である。
なお、ここにいう風車51,52は、演出として用いられるものであり、遊技盤110の遊技領域111(図1参照)に配設されて遊技球の落下方向を左右に振り分けるための風車とは異なる。
ここで、上側演出部1の前面m1側での風車演出は、上演出部A1の上方演出部4Uが備える風車51(図30参照)を用いて行われ、また、上側演出部1の後面m2側での風車演出は、下演出部A2の下側演出部2が備える風車52(図31参照)を用いて行われる。なお、下側演出部2でも風車演出が行われ、かかる風車演出は、下方演出部4Dが備える風車51(図30参照)を用いて行われる。
また、上側演出部1の外面は、前面m1側では1つのカバー部材により構成されている一方で(図30参照)、後面m2側では、相対移動が可能(横方向へのスライド可能)な複数のカバー部材を含んで構成されている(図31参照)。このように、上側演出部1の後面m2側では、上側演出部1の前面m1側で行われない左右方向へのスライドによる演出を行うことが可能である。
〔下側演出部2について〕
下演出部A2の下側演出部2は、上演出部A1の上側演出部1と同じような外観構成を有する。例えば、下側演出部2は、前面m1を用いる演出のみならず、後面m2を用いる演出を行うことが可能に構成されている。
なお、下側演出部2の前面m1と後面m2との相互切り換えは、後述の回転機構部8により実現される。また、下方演出部4Dは、回転可能ではないものの、下側演出部2に押し下げられることで、下演出部A2として下方向へのわずかな距離の移動が可能なように構成されている。
〔可動役物115が備える各種の機構について〕
ここで、図30および図31に示す可動役物115は、上側演出部1を昇降させるための上側昇降機構部6と、下側演出部2を昇降させるための下側昇降機構部7と、を備えている。上側昇降機構部6は、上側演出部1を昇降させるための駆動力を発生する不図示のモータを持ち、また、下側昇降機構部7は、下側演出部2を昇降させるための駆動力を発生する不図示のモータを持つ。すなわち、上側昇降機構部6および下側昇降機構部7の各々は、各自が持つモータ(不図示)の駆動力により昇降動作を実現する。
上側昇降機構部6は、上側演出部1の右端および左端のそれぞれを支持しており、上側演出部1を両端支持する。また、下側昇降機構部7は、下側演出部2の右端および左端のそれぞれを支持しており、下側演出部2を両端支持する。このため、上側昇降機構部6の一部は、右縦構造部5R内に位置すると共に、左縦構造部5L内にも位置する。同じく、下側昇降機構部7の一部は、右縦構造部5R内に位置すると共に、左縦構造部5L内に位置する。
本実施の形態では、両端部のいずれか一方で支持される所謂片持ちの構造ではなく、上述の両端支持の構造を採用する。そして、上側演出部1は、自身の姿勢を保持しつつ上側昇降機構部6により昇降可能であり、また、下側演出部2もまた、自身の姿勢を保持しつつ下側昇降機構部7により昇降可能である。
また、図30および図31に示す可動役物115は、上側演出部1と下側演出部2のそれぞれを、長手方向に延びる回転軸周りに回転させるための回転機構部8を備えている。より具体的には、回転機構部8を上側演出部1に配設すると共に、下側演出部2にも回転機構部8を配設している。
また、回転機構部8は、回転させるための駆動力を発生する不図示のモータを内蔵する。このため、上側演出部1に配設した回転機構部8は、上側演出部1を正回転と逆回転の双方向に回転させることが可能である。同じく、下側演出部2に配設した回転機構部8は、下側演出部2を正回転と逆回転の双方向に回転させることが可能である。
したがって、上側演出部1は、自身に配設された回転機構部8によって、下側演出部2とは別個に回転可能であり、また、下側演出部2は、自身に配設された回転機構部8によって、上側演出部1とは別個に回転可能である。当然ながら、上側演出部1と下側演出部2は、互いに同期して回転することが可能である。
また、上側昇降機構部6と下側昇降機構部7の各々は、昇降機構部6,7による昇降動作中に回転機構部8による回転動作が可能である。
なお、本実施の形態では、上側演出部1の回転機構部8は、上側演出部1における左端側に位置し、また、下側演出部2の回転機構部8は、下側演出部2における左端側に位置する。すなわち、回転機構部8は、上側演出部1と下側演出部2とで互いに同じ左端側に位置する。
さらに、図30および図31に示す可動役物115は、上側演出部1と下側演出部2とを互いに隣接させた状態の中央演出部A3(例えば図40参照)が所定の演出を行うのに必要な駆動力を中央演出部A3側に供給するための駆動力供給機構部9を備えている。
駆動力供給機構部9は、中央演出部A3(例えば図40参照)に供給する駆動力を発生する不図示のモータを内蔵する。すなわち、中央演出部A3は、中央演出部A3の外部から駆動力が供給されることで、所定の演出を行う。言い換えると、中央演出部A3として所定の演出を行うためのモータを上側演出部1が持っておらず、また、下側演出部2も持っていない。
また、駆動力供給機構部9は、上下方向に直線状に延びる突出部9aを含んで構成される。かかる突出部9aは、右縦構造部5Rに形成されている。
なお、本実施の形態では、所定の演出として、中央演出部A3(例えば図40参照)の形態が変化して意匠的に変わるものを実行する。また、本実施の形態では、駆動力供給機構部9は右縦構造部5R内に配設されており、左縦構造部5Lには配設されていない。
〔上側昇降機構部6〕
可動役物115の上側昇降機構部6について説明する。図32は、上側昇降機構部6を説明する正面図であり、昇降対象である上側演出部1を合わせて図示する。
なお、同図では、原点位置の上側演出部1を実線で示し、原点位置に対して最も遠い位置(下限位置)の上側演出部1を破線で示している。付言すると、同図では、下限位置において上側演出部1の前面m1側が前に位置する状態(図30参照)を示すが、演出上、降下の途中で回転機構部8(図30参照)により表裏反転するように回転動作を行い、後面m2側が前に位置する状態(図31参照)になるように動作制御される。
図32に示すように、上側昇降機構部6は、正面視で上部左端に位置し、駆動力を発生して駆動軸から出力するモータ61と、モータ61の駆動軸に連結される歯車列を介して駆動力が伝達されるタイミングベルト62と、タイミングベルト62に上側演出部1の左端部(一端部)を固定するための固定部63と、を備えている(左端(モータ側)駆動伝達系)。
また、上側昇降機構部6は、歯車列からモータ61の駆動力が伝達される連結シャフト64と、連結シャフト64を介して駆動力が伝達されるタイミングベルト65と、タイミングベルト65に上側演出部1の右端部(他端部)を固定するための固定部66と、を備えている(右端駆動伝達系)。
さらには、上側演出部1の昇降を円滑なものとするために、上側昇降機構部6は、上側演出部1の左端部と右端部のそれぞれに配設されて上側演出部1を案内するスライドレール67を備えている。なお、スライドレール67の各々は、2つのタイミングベルト72に挟まれた領域に位置する。
このように、上側昇降機構部6は、上側演出部1の左端部と右端部の両方を保持する構造を採用し、かつ、上側演出部1を昇降させるための駆動源として一つのモータ61を備えている。より詳細には、モータ61の駆動力は途中で2つに分岐され(左端駆動伝達系および右端駆動伝達系)、上側演出部1の左端部と右端部のそれぞれに伝達される。
ここで、図32に示すように、上側演出部1は、略平たんな面を持つ接続部1aを備えている。この接続部1aは、上演出部A1の場合に上方演出部4Uと接続(図30参照)すると共に中央演出部A3の場合に下側演出部2と接続(図40参照)するものである。
また、図32に示すように、上側演出部1は、回転軸部に臨む端面部において半径方向に延びる窪み形状の受け入れ部1bを備えている。すなわち、この受け入れ部1bは、上側演出部1の正面視右側だけに形成されている。
付言すると、上側演出部1が下側演出部2と共に中央演出部A3(例えば図40参照)となる場合、上側演出部1の受け入れ部1bは駆動力供給機構部9の突出部9a(図30または図31参照)を受け入れて係合する。なお、上側演出部1が上演出部A1の一部を構成する場合、上側演出部1の受け入れ部1bは、右縦構造部5Rの上部に形成された不図示の突出部と係合することになる。
〔下側昇降機構部7〕
可動役物115の下側昇降機構部7について説明する。図33は、下側昇降機構部7を説明する正面図であり、昇降対象である下側演出部2を合わせて図示する。
なお、同図では、原点位置の下側演出部2を実線で示し、原点位置に対して最も遠い位置(上限位置)の下側演出部2を破線で示している。付言すると、上側演出部1を図示する図32の場合と同様、図33では、上限位置において下側演出部2の前面m1側が前に位置する状態(図30参照)を示すが、演出上、上昇の途中で回転機構部8(図30参照)により表裏反転するように回転動作を行い、後面m2側が前に位置する状態(図31参照)になるように動作制御される。
図33に示すように、下側昇降機構部7の基本的な構成は、上側昇降機構部6と略同じである。すなわち、下側昇降機構部7は、正面視で上側昇降機構部6のモータ61(図32参照)の位置とは反対側である上部右端に位置し、駆動力を発生して駆動軸から出力するモータ71を備えている。また、下側昇降機構部7は、モータ71の駆動軸に連結される歯車列を介して駆動力が伝達されるタイミングベルト72と、タイミングベルト72に下側演出部2の右端部(一端部)を固定するための固定部73と、を備えている(右端(モータ側)駆動伝達系)。
また、下側昇降機構部7は、歯車列からモータ71の駆動力が伝達される連結シャフト74と、連結シャフト74を介して駆動力が伝達されるタイミングベルト75と、タイミングベルト75に下側演出部2の左端部(他端部)を固定するための固定部76と、を備えている(左端駆動伝達系)。
また、下側昇降機構部7は、下側演出部2の円滑な昇降を確保すべく、下側演出部2の右端部に配設されると共に左端部に配設されて下側演出部2を案内するスライドレール77を備えている。なお、スライドレール77の各々は、隣接するタイミングベルト72に対して正面視右方に位置する。
このように、下側昇降機構部7は、下側演出部2の右端部と左端部の両方を保持する構造を採用し、かつ、上側演出部1を昇降させるための駆動源として一つのモータ71を備えている。より詳細には、モータ71の駆動力は途中で2つに分岐され(右端駆動伝達系および左端駆動伝達系)、下側演出部2の右端部と左端部にそれぞれ伝達される。
ここで、図33に示すように、下側演出部2は、略平たんな面を持つ接続部2aを備えている。この接続部2aは、下演出部A2の場合に下方演出部4Dと接続(図30参照)すると共に中央演出部A3の場合に上側演出部1と接続(図38参照)するものである。
また、図33に示すように、下側演出部2は、回転軸部に臨む端面部において半径方向に延びる窪み形状の受け入れ部2bを備えている。すなわち、この受け入れ部2bは、下側演出部2の正面視右側だけに形成されている。
付言すると、下側演出部2が上側演出部1と共に中央演出部A3(例えば図38参照)となる場合、下側演出部2の受け入れ部2bは駆動力供給機構部9の突出部9a(図30または図31参照)を受け入れて係合する。なお、下側演出部2が下演出部A2の一部を構成する場合、下側演出部2の受け入れ部2bは、右縦構造部5Rの下部に形成された不図示の突出部と係合することになる。
〔回転機構部8〕
可動役物115の回転機構部8について説明する。
図34は、回転機構部8の外観を示す斜視図である。すなわち、同図の(a)は、上側昇降機構部6に取り付けられる回転機構部8の外観を示し、(b)は、下側昇降機構部7に取り付けられる回転機構部8の外観を示す。同図の(a)に示す回転機構部8と(b)に示す回転機構部8とは、基本的な機構が同じである。
なお、同図の(a)の回転機構部8は、上側演出部1(例えば図30参照)を回転させるためのものであり、図34の(b)に示す回転機構部8は、下側演出部2(例えば図30参照)を回転させるためのものである。
図34の(a)および(b)に示すように、回転機構部8は、回転対象物(上側演出部1、下側演出部2)を回転させる駆動力を発生させる駆動源であるモータ81と、回転対象物と連結される回転軸82と、モータ81の駆動力を回転軸82に伝達するための後述する駆動伝達系と、を備えている。回転軸82は、モータ81の正転逆転によって、一方向に回転したり他方向に回転したりする。
また、回転機構部8は、回転対象物と電気的に接続するためのフレキシブルケーブル83を備えている。このフレキシブルケーブル83は、回転軸82の内部に配設されている。そして、フレキシブルケーブル83の保護等のために、駆動伝達系は、回転軸82が回転可能な数が制限されるように構成されている。
また、回転機構部8は、外面を構成するカバー84,85を備えている。
図35は、回転機構部8の内部構造を示す斜視図である。同図の(a)は、図34に示す回転機構部8からカバー84,85を取り外した状態を示す斜視図であり、(b)は、さらにゼネバ機構90を取り外した状態を示す斜視図である。なお、このゼネバ機構90は、原動車91および従動車92を含んで構成されている。
回転機構部8は、モータ81の駆動力を回転軸82に伝達するための駆動伝達系として、図35の(b)に示すように、モータ81の出力軸と同軸の歯車(モータギア)86と、回転軸82と同軸に配設され、歯車86と噛合する歯車87と、を備えている。なお、歯車87の歯幅は、歯車86の歯幅よりも大きい。
より具体的には、回転軸82は、長手方向中間位置にフランジ部を持ち、このフランジ部の一方の側(図35の(b)の奥側)に上述の歯車87が形成されている。さらに説明すると、回転軸82のフランジ部の他方の側(同図の(b)の手前側)に、歯車87よりも小径の歯車88が形成されている。歯車87および歯車88は、同軸であり、また、両者の回転比は1:1である。すなわち、歯車87が一回転すると、歯車88も同じく1回転する。
このように、モータ81の駆動力は、歯車86から歯車87を介して回転軸82に伝達される。
また、回転機構部8は、駆動伝達系として、歯車88と噛合する歯車89を備えている。付言すると、回転機構部8の歯車86,87,88,89はいずれも平歯車である。
また、回転機構部8は、駆動伝達系として、一軸の連続回転を間欠的に他軸に伝える機構であるゼネバ機構90を備えている。かかるゼネバ機構90は、歯車89と噛合して連続回転する原動車91と、原動車91と係合して断続的に回転する従動車92と、を含んで構成される。付言すると、ゼネバ機構90の原動車91に歯車89が同軸に形成されている。
図36は、回転機構部8のゼネバ機構90の構成および作用を説明する図である。同図の(a)〜(h)に、モータ81の駆動力による回転に伴うゼネバ機構90の動きを時系列で示す。
図36に示すゼネバ機構90は、上述したように、円板状に形成された連続回転する原動車91と、円板状に形成された断続回転する従動車92と、を備えている。原動車91の回転軸と従動車92の回転軸とは互いに略平行である。
また、ゼネバ機構90は、原動車91に形成されたピン部材93およびリブ94を備えている。ピン部材93は、歯車89とは反対側の端面である原動車91の一端面に形成されている。また、リブ94は、原動車91の一端面に位置し、原動車91の回転軸周りに円弧形状に形成されている。
なお、原動車91のリブ94が原動車91の回転軸の全周にわたって形成されてはおらず、円形状ではない。すなわち、リブ94は円弧形状であり、回転軸の周囲においてリブ94が形成されていない部分が存在する。これは、後述する従動車92の間欠的な回転に伴う原動車91と従動車92との間の相互干渉を防止するためのものである。
また、従動車92は、周面92aにて半径方向に円弧状に窪む円弧凹部95,97,99と、周面92aにて半径方向に略U字状に窪むU字凹部96,98と、を備えている。より詳細には、U字凹部96は円弧凹部95と円弧凹部97との間に位置し、また、U字凹部98は円弧凹部97と円弧凹部99との間に位置する。
さらに説明すると、従動車92の円弧凹部95,97,99の各々は、原動車91のリブ94と係合可能である。従動車92のU字凹部96,98の各々は、原動車91のピン部材93と係合可能であり、また、従動車92は、ピン部材93と係合可能な周面92aの部分を有する。
このようなゼネバ機構の構造によって、モータ81の駆動力は、原動車91に伝達されて原動車91を連続回転させる。そして、従動車92は、原動車91のピン部材93との係合で間欠回転する。
ゼネバ機構90の動きによる作用を図36の(a)〜(h)によって具体的に説明する。なお、同図の(b)〜(g)では、原動車91が反時計方向に連続的に回転する。
図36の(a)に示す状態は、原動車91のリブ94が従動車92の円弧凹部95と係合し、また、原動車91のピン部材93が従動車92の周面92aに当接している。このため、原動車91は、時計方向には回転できない。このようなゼネバ機構90の位置を原点とする。なお、図36の(a)に示す原点の位置では、上側演出部1または下側演出部2が前面m1を見せる位置にある(図30参照)。
そして、同図の(a)に示す状態において、原動車91がモータ81の駆動力により反時計方向(矢印の方向)に回転すると、同図の(b)に示すように、リブ94と円弧凹部95との係合状態を維持しつつ、原動車91のピン部材93の位置は変わっている。
リブ94と円弧凹部95とが係合した状態で原動車91がさらに反時計方向に連続回転すると、図36の(c)に示すように、原動車91のピン部材93が従動車92のU字凹部96に進入する。そして、ピン部材93がU字凹部96と係合することで従動車92が時計方向に回転し、それまで円弧凹部95と係合していたリブ94が、同図の(d)に示すように円弧凹部97と係合し、その後、ピン部材93がU字凹部96から退出する。これにより、原動車91が連続して反時計方向に回転する一方で、従動車92の時計方向への回転が停止する。
なお、原動車91のリブ94が係合相手を円弧凹部95から円弧凹部97に変える際、円弧凹部95とU字凹部96との間で突出するように存在する従動車92の部分は、リブ94が形成されていない領域に入り込むことで、原動車91と干渉せずに従動車92の円滑な回転が確保される。
連続する原動車91の反時計方向への回転により、図36の(e)に示すように、原動車91のピン部材93が従動車92のU字凹部98に進入し、ピン部材93がU字凹部98と係合することで従動車92が時計方向に回転する。その後、同図の(f)に示すように、リブ94が円弧凹部99と係合し、ピン部材93がU字凹部98から退出すると、従動車92の時計方向への回転が停止する。
図36の(g)に示すように、リブ94と円弧凹部99とが係合した状態で原動車91が反時計方向に連続回転すると、同図の(h)に示すように、原動車91のピン部材93が従動車92の周面92aに当接し(回転止め機構)、原動車91の反時計方向への回転が阻止される。こうして、予め定められた所定数を超える回転が制限される。
このように、原動車91の反時計方向への連続回転に伴い、従動車92が時計方向に間欠的に回転(断続回転)する。
さらに説明すると、従動車92は、周面92aを部分的に切り欠いて形成された溝90aを有する。従動車92の溝90aの位置は、従動車92の間欠運動により変わっていく。すなわち、リブ94が円弧凹部95と係合する図36の(a)〜(c)では、溝90aの原動車91に対する位置は同じである(第1の位置)。また、リブ94が円弧凹部97と係合する同図の(d)〜(e)では、溝90aの原動車91に対する位置は同じである(第2の位置)。また、リブ94が円弧凹部99と係合する同図の(f)〜(h)では、溝90aの原動車91に対する位置は同じである(第3の位置)。
このように、従動車92が停止している間における溝90aの位置は、上述の第1の位置、第2の位置または第3の位置のいずれかになる。すなわち、従動車92の溝90aは、従動車92の1回目の断続回転が開始されるまでの間、第1の位置にある。そして、従動車92の1回目の断続回転が終了してから2回目の断続回転が開始されるまでの間、第2の位置にあり、また、従動車92の2回目の断続回転が終了してから3回目の断続回転が開始されるまでの間、第3の位置にある。
言い換えると、従動車92の溝90aは、原点位置(図36の(a)参照)から原動車91が1回転目の途中までは第1の位置にある。そして、原動車91が2回転目になると溝90aは第2の位置にあり、3回転目になると第3の位置にある。
さらに説明すると、従動車92の溝90aが第1の位置にあるときは、原動車91が1回転目である。そして、溝90aが第2の位置にあるときは、原動車91が2回転目であり、第2の位置にあるときは3回転目である。したがって、従動車92の溝90aの位置により、原動車91が何回転目であるかを検出することが可能である。このような作用に着目すると、本実施の形態に係るゼネバ機構90は、機構的なカウンタを構成するということができる。
なお、図36の(a)〜(h)では、原動車91が反時計方向に回転する場合を図示するが、原動車91が反時計方向に回転するときには、同図の(h)〜(a)の順で移行するので、その説明を省略する。
図37は、回転機構部8内に配設されるセンサの位置を説明する斜視図である。付言すると、同図は、図35の(a)または(b)の奥側から手前側の方向に見た場合の斜視図であり、説明の便宜上、回転機構部8を構成する部材の一部を図示省略している。
図37に示すように、回転機構部8は、回転軸82に形成された1つの溝82aを備えている。この溝82aは、回転軸82の回転方向に延びるリング形状部の円周面を部分的に切り欠くことで形成されている。
そして、回転機構部8は、回転軸82の溝82aの位置を検出するためのセンサ57,58を備えている。センサ57とセンサ58は、円周面における対向する位置に配設され、溝82aの検出結果を演出制御部300(図3参照)に出力する。すなわち、演出制御部300は、センサ57およびセンサ58の検出結果により、回転軸82が半回転(0.5回転)したことを検知することができる。より詳細には、センサ57およびセンサ58の検出結果では、回転軸82の回転方向が時計方向であるか反時計方向であるかの区別をすることができない。このような回転軸82の回転方向を検出するために、回転機構部8は、センサ59を備えている。
なお、本実施の形態に係る回転機構部8では、センサ57〜59として、発光部の光を受光部で受けることで物体の存否を検出するフォトセンサを用いているが、他の検出方法によるセンサを用いることも考えられる。
回転機構部8が備えるセンサ59は、ゼネバ機構90の溝90a(図36参照)の位置を検出するためのものである。なお、上述したように、溝90aは、間欠運動を行う従動車92に形成されるものであり、かつ、原動車91の歯車89と回転軸82の歯車88との回転比は1:1である。このため、原点に対して原動車91ないし回転軸82が何回転した状態であるかにより、原動車91に対する溝90aの位置が異なる(図36参照)。すなわち、溝90aが所定の位置にあるか否かを検出することで、回転軸82が何回転目であるかを検知することができる。言い換えると、回転機構部8により回転する上側演出部1または下側演出部2(図30参照)が前面m1を見せる位置にあるのか後面m2(図31参照)を見せる位置にあるのか他の位置にあるのかを検知することができる。
このように、演出制御部300(図3参照)は、回転機構部8のセンサ57,58,59の検出結果を組み合わせることにより、回転軸82がどのような状態にあるかを検知することができる。したがって、演出制御部300のCPU301(図3参照)は、センサ57〜59の検出結果を基に、回転機構部8におけるモータ81の回転制御を行うことができる。
図38は、センサ57〜59の検出結果を用いる回転制御を説明する図である。
図38に示すように、回転軸82の回転の際、対向するセンサ57,58のいずれかが溝82a(図37参照)を検出することで、回転軸82の状態すなわち、上側演出部1または下側演出部2の前面m1(図30参照)の向きが把握される。
そして、回転軸82の回転の際、センサ59がゼネバ機構90の溝90a(図36参照)を検出することで、回転軸82が何回転目であるかが把握される。より具体的には、センサ59は、回転軸82が2回転目すなわち1.5回転と2回転との間である場合に検出するように配設されている。
このように、センサ57は、回転軸82が原点の位置、1回転した位置および2回転した位置のいずれかを検出し、また、センサ58は、回転軸82が0.5回転した位置、1.5回転した位置および2.5回転した位置のいずかを検出する。さらに、センサ59は、回転軸82が回転した数を検出する。
このため、演出制御部300のCPU301(図3参照)は、回転軸82の回転位置および回転した数を検知することができる。
より具体的に説明すると、CPU301(図3参照)は、例えば図38の矢印方向に回転する場合、センサ59によりゼネバ機構90の溝90a(図36参照)が検出された後にセンサ57により回転軸82の溝82aの位置が検出されると、原点から2回転した時点であることを把握できる。したがって、原点から所定数の回転例えば2回転ちょっとの回転を行った時点でモータ81を停止させることにより、回転制限位置までの回転が行われなくなる。
また、原点に戻る回転動作では、図38の矢印方向とは反対の方向に回転し、センサ59の検出後に、センサ57の検出が2度行われた時点でモータ81を停止させることにより、原点位置(図36の(a)参照)で停止させることができる。
なお、本実施の形態に係る回転機構部8では、3つのセンサ57〜59を備えるが、これに限られない。例えば、センサ59により回転軸82が2回転目であるか否かを検出する構成を採用するが、回転軸82が2回転目であるか否かを検出する他のセンサ(不図示)を追加する構成例も考えられる。
ここで、本実施の形態に係る回転機構部8では、上側演出部1または下側演出部2を無制限に回転可能な構成を採用しない。例えば、接点による接続構造を採用することで、回転対象物を制限なく回転させることも考えられる。しかしながら、接点構造よりもコストの面で有利なコネクタ接続構造を採用することで、製造コストの低減を容易に実現することが可能になる。
その一方で、コネクタ接続構造を採用すると、無制限な回転に伴うフレキシブルケーブル83(図34参照)の破損やコネクタ外れを防止するため、回転する数を制限する必要がある。その場合、回転する数を電子的なカウンタで行うと、例えば電断時にはカウント値を失ってしまうという事態が想定され、再開時の制御が困難になる。付言すると、パチンコ遊技機100の設置店によっては、パチンコ遊技機100に対する電源供給が必ずしも安定的なものではないという事情等がある。また、落雷等による電断対策が十分でない場合もある。
そこで、本実施の形態に係る回転機構部8では、上述したゼネバ機構90およびセンサ57〜59を備え、回転する数を制限すると共に機構的なカウンタ作用により、電断時の不具合の発生を防止する。また、このような回転機構部8の構成を採用することにより、コストの上昇分を抑制することが可能になる。
なお、上述したように、電断時等の対応を考慮し、本実施の形態では機構的なカウンタを採用するが、センサ57,58の検出回数をカウントする電子的なカウンタに代える構成例や、機構的なカウンタおよび電子的なカウンタの両方を備える構成例も考えられる。
〔可動役物115による動き演出について〕
次に、可動役物115による動き演出を説明する。
上述したように、可動役物115は、上演出部A1および下演出部A2を備え(図30〜図31参照)、上演出部A1は上側演出部1および上方演出部4Uを含んで構成され(例えば図30〜図31参照)、下演出部A2は下側演出部2および下方演出部4Dを含んで構成される(例えば図30〜図31参照)。また、上方演出部4Uおよび下方演出部4Dは、演出としての風車51を備え(例えば図30参照)、下側演出部2は、演出としての風車52を備える(例えば図31参照)。
そして、可動役物115は、駆動機構として、上側昇降機構部6(図32参照)、下側昇降機構部7(図33参照)、回転機構部8(図34〜図38参照)および駆動力供給機構部9(図30参照)を備える。なお、動き演出の一例を説明するための図39〜図40では、これらの駆動機構の図示を省略し、また、右縦構造部5Rおよび左縦構造部5L(図30参照)の図示も省略する。図39〜図40の各々は、可動役物115の正面図である図30に対応するものである。
〔可動役物115による動き演出例〕
可動役物115による動き演出例について説明する。ここにいう第1の動き演出は、上演出部A1および下演出部A2の状態(図30参照)から中央演出部A3の状態(図38参照)に移行する演出である。
なお、上述したように、上演出部A1は、上側演出部1および上方演出部4Uを含んで構成され、下演出部A2は、下側演出部2および下方演出部4Dを含んで構成され、中央演出部A3は、上側演出部1および下側演出部2を含んで構成される。すなわち、上側演出部1は、上演出部A1の演出を担うと共に中央演出部A3の演出をも担う。また、下側演出部2は、下演出部A2の演出を担うと共に中央演出部A3の演出をも担う。
図39および図40は、可動役物115による動き演出例を説明する図であり、かかる動き演出例において演出の進行に伴う可動役物115の動きを図39の(a)〜(c)および図40の(a)〜(c)の順に時系列で示している。
動き演出例が開始される前は、図39の(a)に示すように、上演出部A1および下演出部A2の状態である。すなわち、上演出部A1において、上側演出部1が上方演出部4Uの下に隣接して位置し、かつ、回転可能な上側演出部1の接続部1aが上に位置する。そして、上側演出部1の接続部1aが上方演出部4Uの下面42bと接するように接続している。
また、下演出部A2において、下側演出部2が下方演出部4Dの上に隣接して位置し、かつ、回転可能な下側演出部2の接続部2aが下に位置する。そして、下側演出部2の接続部2aが下方演出部4Dの上面46hと接するように接続している。
なお、図39の(a)では、上方演出部4Uの風車51は展開状態であり、下方演出部4Dの風車51は収納状態(通常時)であるが、これは風車演出の一例を示すものであり、他の状態とすることも考えられる。
付言すると、風車51は、半円形状に形成され回転可能な一対の羽根と、モータ(不図示)の駆動力により回転可能な、一対の羽根に共通する回転軸と、を含んで構成される。風車51は、一対の羽根が前後方向に互いに重なっている状態の収納状態(通常時)のほか、例えば、収納状態で回転する通常時の回転状態と、一対の羽根が互いに重ならないように展開する展開状態(展開時)と、展開状態で回転する展開時の回転状態と、を風車演出として、実行可能である。
また、風車52の構造や風車演出は、上述した風車51の構造や風車演出と同じものを採用することが可能である。
そして、図39の(b)に示す状態では、上側演出部1が上方演出部4Uから離れると共に、下側演出部2が下方演出部4Dから離れている。これにより、上側演出部1は、上演出部A1の一部としてではなく、下側演出部2と合体するまでの間、単独で動き演出を行うことが可能になる。また、下側演出部2は、下演出部A2の一部としてではなく、上側演出部1と合体するまでの間、単独で動き演出を行うことが可能になる。
より具体的には、上側演出部1はその姿勢を維持しつつ所定位置(回転位置)まで降下し(スライド移動)、かつ、下側演出部2がその姿勢を維持しつつ所定位置(回転位置)まで上昇する(スライド移動)。付言すると、図39の(b)に示す状態では、上側演出部1および下側演出部2は回転していないことから、上側演出部1において接続部1aが上に位置し、下側演出部2において接続部2aが下に位置する。上側演出部1と下側演出部2とが互いに接しておらず、離間している。
なお、図39の(b)では、上方演出部4Uの風車51は、収納状態であるが、これは風車演出の一例を示すものであり、他の状態例えば通常時の回転状態とすることも考えられる。
さらに、図39の(c)に示す状態では、上側演出部1と下側演出部2の各々が昇降することなく、前面m1および後面m2が交互に見えるように回転している。より具体的には、上側演出部1の回転方向と下側演出部2の回転方向とが互いに逆になるように、上側演出部1および下側演出部2が回転している。回転方向はその一例を示すものである。
付言すると、上側演出部1の回転と下側演出部2の回転とは互いに同期して行われる。すなわち、回転を開始する時点が同じであり、回転を終了する時点も同じである。また、上側演出部1が前面m1を見せるときに下側演出部2も前面m1を見せ(例えば図39の(b)参照)、上側演出部1が後面m2を見せるときに下側演出部2も後面m2を見せる(同図の(c)参照)。なお、上側演出部1の回転と下側演出部2の回転とが互いに同期しない制御例も考えられる。
なお、図39の(c)には、上側演出部1の後面m2および下側演出部2の後面m2が図示され、下側演出部2の風車52も図示されている。下側演出部2の風車52は、このような回転動作では、他の部材との干渉を防止するために、収納状態になっている。
図39の(c)に続く図40の(a)に示す状態では、上側演出部1および下側演出部2の各々が、回転動作前の状態(図39の(a)ないし(b)参照)に対して上下逆さまで回転動作を終了している。このため、上側演出部1の接続部1aが下に位置し、下側演出部2の接続部2aが上に位置する。
付言すると、上側演出部1および下側演出部2は、上述したように2.5回転し、回転動作を終了する。すなわち、整数の回転に半回転を足した回転動作である。上側演出部1および下側演出部2が回転する数は互いに同じである場合のほか、互いに異なる場合も考えられる。
また、図40の(a)に示す状態では、上側演出部1と下側演出部2とが互いに近接する方向に移動し、これにより、上側演出部1と下側演出部2とが互いに隣接して位置する。より具体的には、上側演出部1の接続部1aと下側演出部2の接続部2aとが互いに接するように接続し、上下方向の移動を停止している。このようにして、中央演出部A3が構成される。
また、同図の(a)に示す状態では、中央演出部A3において、下側演出部2が持つ2つの風車52の間に、アルファベットの小文字「v」が形成される。
なお、図40の(a)に示す状態では、上側演出部1の受け入れ部1b(図32参照)および下側演出部2の受け入れ部2b(図33参照)は、駆動力供給機構部9の突出部9aと係合する(例えば図30〜図31参照)。これにより、上側演出部1および下側演出部2の相対的な位置決めがなされる。
そして、図40の(b)に示す状態では、上側演出部1と下側演出部2とが互いに合体して中央演出部A3としての動き演出が行われる。すなわち、駆動力供給機構部9の作用により、上側演出部1の上演出部材14,15の各々が回転して登場し、さらに上演出部材14,15が上方に突出するまで回転する。また、駆動力供給機構部9の作用により、下側演出部2の下演出部材24も回転して登場し、下方に突出するまで回転する。なお、このような上演出部材14,15および下演出部材24の回転は、下側演出部2が持つ2つの風車52の離間距離が大きくなるような動作に伴って行われる。
こうして、中央演出部A3において、下側演出部2が持つ2つの風車52の間に、アルファベットの大文字「V」が形成される。
さらには、図40の(c)に示す状態では、下側演出部2が持つ2つの風車52が展開状態であり、風車演出が行われる。なお、このような風車演出は、その一例を示すものであり、風車52を展開時の回転状態とすることも考えられ、さらに、風車51を通常時の回転状態や展開状態、展開時の回転状態とすることも考えられる。
このようにして、可動役物115は、第1の動き演出として、上演出部A1および下演出部A2から中央演出部A3に移行する演出および中央演出部A3での演出(大文字「V」演出および風車演出)を行う。
なお、中央演出部A3での演出が終了した後には、当初の上演出部A1および下演出部A2に戻ることになるが、その場合の動き演出は、上述した時系列の動作を逆にすることで行われる。
このように、可動役物115は、上側演出部1と下側演出部2とが互いに合体して中央演出部A3を構成する演出を行い、かつ、中央演出部A3において上側演出部1は上演出部A1の場合とは異なる演出を行い、下側演出部2が下演出部A2の場合とは異なる演出を行う。すなわち、上側演出部1および下側演出部2は、中央演出部A3が構成される前に例えば回転等の動き演出を行い、さらに、中央演出部A3が構成された後には、中央演出部A3としての演出を行う。言い換えると、上側演出部1および下側演出部2は、互いに協働して演出を行うことが可能なように構成されている。
また、可動役物115は、上側演出部1および下側演出部2の各々の昇降により演出態様が切り換わるように構成されている。また、上側演出部1および下側演出部2は、中央演出部A3を構成することになる合体の前後で異なる演出を行い、変化に富む演出を実行することが可能である。
以上説明したように、本実施の形態に係る可動役物115は、フレキシブルケーブル83により回転機構部8が上側演出部1または下側演出部2と電気的に接続する構成を採用し、かつ、回転軸82の溝82aの位置をセンサ57,58により検出する電子的なカウンタと共にゼネバ機構90の溝90aを検出するセンサ59により回転機構部8の回転軸82が原点の位置から回転した数を検出するという機構的なカウンタを備えることから、簡易な構成で電断対応を施すことが可能になる。
ここで、パチンコ遊技機100(図1参照)は遊技機の一例である。
上側演出部1(図30、図31、図32参照)は演出体の一例である。
原動車91(図35、図36、図37参照)は第1部材の一例であり、ピン部材93(図36参照)は、突部の一例である。従動車92(図35、図36、図37参照)は第2部材の一例であり、U字凹部96,98(図36、図37参照)は、溝部の一例である。
ゼネバ機構90の溝90a(図36参照)は特定溝の一例である。
1…上側演出部、2…下側演出部、8…回転機構部、57,58,59…センサ、81…モータ、82…回転軸、82a,90a…溝、83…フレキシブルケーブル、90…ゼネバ機構、91…原動車、92…従動車、100…パチンコ遊技機、115…可動役物、300…演出制御部、301…CPU

Claims (1)

  1. 回転演出を行う演出体を備える遊技機であって、
    前記演出体は、
    駆動力により回転可能であり、突部を有する第1部材と、
    回転可能であり溝部を有する第2部材と、
    を備え、
    前記第1部材が回転する際に前記第1部材の前記突部が前記第2部材の前記溝部に入りこんで前記第2部材が回転可能で、
    前記第2部材には、前記第2部材の位置を特定するための、前記溝部とは異なる特定溝が形成されていることを特徴とする遊技機。
JP2015229436A 2015-11-25 2015-11-25 遊技機 Pending JP2016041347A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015229436A JP2016041347A (ja) 2015-11-25 2015-11-25 遊技機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015229436A JP2016041347A (ja) 2015-11-25 2015-11-25 遊技機

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013187203A Division JP5847778B2 (ja) 2013-09-10 2013-09-10 遊技機

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2016041347A true JP2016041347A (ja) 2016-03-31

Family

ID=55591473

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015229436A Pending JP2016041347A (ja) 2015-11-25 2015-11-25 遊技機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2016041347A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016041348A (ja) * 2015-11-25 2016-03-31 京楽産業.株式会社 遊技機

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014226452A (ja) * 2013-05-27 2014-12-08 株式会社浅間製作所 遊技機の可動装飾装置
JP2016041348A (ja) * 2015-11-25 2016-03-31 京楽産業.株式会社 遊技機

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014226452A (ja) * 2013-05-27 2014-12-08 株式会社浅間製作所 遊技機の可動装飾装置
JP2016041348A (ja) * 2015-11-25 2016-03-31 京楽産業.株式会社 遊技機

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016041348A (ja) * 2015-11-25 2016-03-31 京楽産業.株式会社 遊技機

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2016041348A (ja) 遊技機
JP2016041347A (ja) 遊技機
JP5809678B2 (ja) 遊技機
JP5830070B2 (ja) 遊技機
JP5706939B2 (ja) 遊技機
JP5750481B2 (ja) 遊技機
JP5847778B2 (ja) 遊技機
JP5847779B2 (ja) 遊技機
JP5705085B2 (ja) 遊技機
JP5814981B2 (ja) 遊技機
JP5968500B2 (ja) 遊技機
JP6050200B2 (ja) 遊技機
JP5809679B2 (ja) 遊技機
JP5870068B2 (ja) 遊技機
JP5805722B2 (ja) 遊技機
JP2012223501A (ja) 遊技機
JP5347005B2 (ja) 遊技機
JP5719905B2 (ja) 遊技機
JP2016172111A (ja) 遊技機
JP6131302B2 (ja) 遊技機
JP5894121B2 (ja) 遊技機
JP2015120015A (ja) 遊技機
JP6141945B2 (ja) 遊技機
JP5529799B2 (ja) 遊技機
JP5529798B2 (ja) 遊技機

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20161101

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20170425