JP5719666B2 - 直流モータ、及び巻線巻装方法 - Google Patents
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Description
この6極9スロット9セグメントの直流モータに巻装される巻線は、各ティースに集中巻方式にて巻回される。そして、コンミテータとアーマチュアコアとの間の巻線の巻太りを解消し、直流モータの小型化を図る技術が開示されている。
図7は、従来のアーマチュア106の展開図である。
ここで、符号112はティースであり、アーマチュア106のアーマチュアコア108は、9つのティース112を有している。また、隣接するティース112間の空隙がスロット113に相当している。さらに、符号110はコンミテータであり、9つのセグメント115を有している。
なお、各セグメント115、及び各ティース112に順に番号を付すると共に、ティース112に巻装された巻線114に符号を付して説明する。
また、9つのセグメント115のうち、同電位となるセグメント115は、2枚の他のセグメント115を間に挟んで存在する。このため、例えば、1番、4番、及び7番セグメント115は、同電位同士のセグメント115に設定されている。
続いて、巻線114を、7番セグメント15に対応するティース12(7番ティース12)よりも巻装方向前方に存在し、かつ巻線114の巻き始め端134が接続されている1番セグメント115に対応する1番ティース112に巻回する。そして、巻線114は、1番ティース12に第1U相コイル191Uを形成する。
ここで、7番セグメント15と1番ティース12とが離れているので、巻線114が不図示の回転軸に掛け回される。
第3U相コイル193Uを形成した巻線114は、巻き始め端34が接続されている1番セグメント115に隣接する2番セグメント115に接続される。これにより、巻線114は、1番ティース112、4番ティース112、及び7番ティース112にそれぞれ第1U相コイル191U、第2U相コイル192U、及び第3U相コイル193Uで構成されるU相のアーマチュアコイル109Uを形成したことになる。そして、このU相のアーマチュアコイル109Uの巻き終わり端144が2番セグメント15に接続されたことになる。
ここで、第3U相コイル193Uを形成した後、巻線114を近くのセグメント115に配線せず、離れた位置のセグメント115に配線することで、巻線114を不図示の回転軸に掛け回すことができる。
すなわち、巻線114の巻き始め端134を2番、5番、8番セグメント115の順に接続し、この後、2番、5番、8番ティース112に、それぞれ第1V相コイル191V、第2V相コイル192V、及び第3V相コイル193Vを形成する。そして、巻線114の巻き終わり端144を3番セグメント115に接続する。
次に、この発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、直流モータ1の概略構成図、図2は、図1のA−A線に沿う断面図である。
図1、図2に示すように、直流モータ1は、例えば減速機2に取り付けられた状態で車両のパワーウインドウ装置等に用いられるものである。
直流モータ1は、有底筒状のヨーク5内に、アーマチュア6を回転自在に配置した構成となっている。
ヨーク5の底壁51には、中央に軸方向外側に向かって突出するボス57が形成され、ここに回転軸3の一端を軸支するための軸受18が圧入固定されている。
金属板11の外周部にはT字型の9つのティース12が周方向に沿って等間隔で放射状に形成されている。9つのティース12は、それぞれU相、V相、W相の順に割り振られている。すなわち、同相同士のティース12は、それぞれ3つずつ存在し、かつ周方向に等間隔で存在していることになる。
ティース12の外周部12bは軸方向平面視で弧状に形成されているのに対し、これに対向する永久磁石7は平板状に形成されている。このため、永久磁石7の中央から周方向両端に向かうに従って徐々に永久磁石7とアーマチュアコア8との間のエアギャップが大きくなる。
これらスロット13間にエナメル被覆の巻線14(図3参照)を挿通し、ティース12の巻胴部12aに絶縁材であるインシュレータ39を介して巻線14が巻装される。これにより、アーマチュアコア8の外周に、複数のアーマチュアコイル9が形成される。
したがって、この実施形態の直流モータ1は、永久磁石7が6つ、スロット13が9つ、セグメント15が9つの所謂6極9スロット9セグメントで構成された直流モータとなっている。
ライザ16には、アーマチュアコイル9を形成する巻線14が掛け回わされるようになっている。そして、巻線14は、ヒュージングによりライザ16に固定される。これにより、セグメント15とこれに対応するアーマチュアコイル9とが導通される。
ブラシホルダ20には、それぞれブラシ31がスプリング21を介して付勢された状態で出没自在に内装されている。ブラシ31は、減速機2に一体成形されているコネクタ2aを介して不図示の外部電源に電気的に接続される。また、各ブラシ31の先端部は、スプリング21によって付勢され、コンミテータ10に摺接した状態になっている。これにより、ブラシ31、及びコンミテータ10を介してアーマチュアコイル9に電流が供給される。
より詳しく、図2〜図4に基づいて説明する。
図3は、アーマチュア6の展開図であり、隣接するティース12間の空隙がスロット13に相当している。図4は、巻線14と、アーマチュアコイル9、及びセグメント15との結線状態を示す結線図である。
なお、以下の説明において、図2における時計回り方向の巻線14の巻装方向、及び図3における左方向の巻線14の巻装方向を、右巻き(以下、単に「R」と表現する場合がある)とすると共に、図2における反時計回り方向の巻線14の巻装方向、及び図3における右方向の巻線14の巻装方向を、左巻き(以下、単に「L」と表現する場合がある)とする。また、各セグメント15、及び各ティース12に、それぞれ左巻き方向に向かって順に番号を付すると共に、ティース12に巻装された巻線14に符号を付して説明する。
また、9つのセグメント15のうち、同電位となるセグメント15は、2つの他のセグメント15を間に挟んで存在する。このため、例えば、1番、4番、及び7番セグメント15は、同電位同士のセグメント15に設定されている。
そして、このように、1番、4番、及び7番セグメント15間に配線された巻線14は、同電位同士のセグメント15を短絡する接続線19として機能する。
また、巻線14は、7G番ティース12の近傍のセグメント15から、右巻き方向に12個先(図3、図4参照、以下、単に「R12」という場合がある)に存在するセグメント15に至る間に配線されたことになる。
これに対し、V相のアーマチュアコイル9Vは、2B番ティース12、5E番ティース12、8H番ティース12に巻線14を巻回することにより形成されるが、この順番は、2B番ティース12からではなく、番号の大きさ順が1つずれる。つまり、5E番ティース12から順に、8H番ティース12、2B番ティース12へと巻線14が巻回され、V相のアーマチュアコイル9Vが形成される。
続いて、5番セグメント15、8番セグメント15、2番セグメント15の順に対応するように、5E番ティース12、8H番ティース12、2B番ティース12の順に巻線14を巻回し、それぞれ第1V相コイル91V、第2V相コイル92V、第3V相コイル93Vをこの順で形成する。これにより、V相のアーマチュアコイル9Vが形成される。
ここで、各セグメント15,15間に配線される巻線14の長さと配線方向、及び各ティース12,12間に配線される渡り線14aの長さと配線方向は、図4に示すように、R6と、R5となる。
続いて、9番セグメント15、3番セグメント15、6番セグメント15の順に対応するように、9I番ティース12、3C番ティース12、6F番ティース12の順に巻線14を巻回し、それぞれ第1W相コイル91W、第2W相コイル92W、第3W相コイル93Wをこの順で形成する。これにより、W相のアーマチュアコイル9Wが形成される。
ここで、各セグメント15,15間に配線される巻線14の長さと配線方向、及び各ティース12,12間に配線される渡り線14aの長さと配線方向は、図4に示すように、R5と、R6と、R12となる。
したがって、上述の実施形態によれば、スロット13を9つ有し、セグメント15を9つ有する所謂9スロット9セグメントの直流モータ1において、セグメント15とティース12との間に配線される巻線14を周方向にほぼ均等に分散するように配線することができる。このため、巻線14が1箇所に偏ることもなく、重量バランスの優れた直流モータ1を提供でき、直流モータ1の回転駆動時の振動を抑えることができる。
図5は、巻線14が隣接するセグメント15,15間を跨る回数を1としたとき、接続線19を形成する場合、渡り線14aを形成する場合、及びセグメント15とアーマチュアコア8との間に配線される場合のそれぞれについて、各隣接するセグメント15,15間を巻線14が跨る回数を算出した表である。図6は、各隣接するセグメント15,15間を巻線14が跨った回数をまとめた表である。
図5、図6に示すように、巻線14は全周に亘ってほぼ均等に配線されており、巻線14が跨る回数が最も多い(最大)セグメント15,15間と、巻線14が跨る回数が最も少ない(最小)セグメント15,15間との差が2であることが確認できる。したがって、アーマチュアコア8とコンミテータ10との間の回転軸に掛け回された巻線14が回転軸周方向の1箇所に偏ることなく、重量バランスの優れた直流モータ1を提供できる。
例えば、上述の実施形態では、図3に示す巻線14の巻装方法について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、U相のアーマチュアコイル9Uを、1A番ティース12、4D番ティース12、7G番ティース12に、この順で巻線14を右巻き方向に向かって引き出しながら巻回することにより形成し、V相のアーマチュアコイル9Vを、5E番ティース12、8H番ティース12、2B番ティース12に、この順で巻線14を右巻き方向に向かって引き出しながら巻回することにより形成し、W相のアーマチュアコイル9Wを、9I番ティース12、3C番ティース12、6F番ティース12に、この順で巻線14を右巻き方向に向かって引き出しながら巻回することにより形成すると共に、アーマチュアコア8とコンミテータ10との間に配線される巻線14を、回転軸3に掛け回すように配線すればよい。
3 回転軸
5 ヨーク
6 アーマチュア
8 アーマチュアコア
9 アーマチュアコイル
9U U相のアーマチュアコイル
9V V相のアーマチュアコイル
9W W相のアーマチュアコイル
10 コンミテータ
12 ティース
13 スロット
15 セグメント
19 接続線(短絡部材)
34 巻き始め端(端末)
44 巻き終わり端(端末)
91U 第1U相コイル
92U 第2U相コイル
93U 第3U相コイル
91V 第1V相コイル
92V 第2V相コイル
93V 第3V相コイル
91W 第1W相コイル
92W 第2W相コイル
93W 第3W相コイル
R 右巻き(周回り他方向)
L 左巻き(周回り一方向)
Claims (2)
- ヨークと、
前記ヨークに回転自在に支持される回転軸と、
前記回転軸に取り付けられ、径方向に向かって放射状に延びる9つのティースと、これらティース間に形成される9つのスロットとを有するアーマチュアコアと、
前記回転軸に前記アーマチュアコアと隣接して設けられ、9つのセグメントを周回り方向に配置したコンミテータと、
各セグメントのうち、同電位となるセグメント同士をそれぞれ短絡する短絡部材とを備えた直流モータであって、
各ティースに周回り一方向に向かって順に1番〜9番まで番号を付すると共に、各セグメントに、前記ティースの番号に対応するように周回り一方向に順に1番〜9番まで番号を付したとき、
1番、4番、及び7番ティースをU相に割り当て、
2番、5番、及び8番ティースをV相に割り当て、
3番、6番、及び9番ティースをW相に割り当て、
それぞれのティースに巻線を集中巻方式にて巻装し、U相のアーマチュアコイル、V相のアーマチュアコイル、及びW相のアーマチュアコイルを形成した直流モータであって、
前記巻線を周回り他方向に向かって配線しながら1番、4番、7番セグメントに、この順で前記巻線を接続した後、
前記巻線を周回り他方向に向かって配線しながら1番、4番、7番ティースに、この順で前記巻線を巻回し、
さらに、前記巻線を周回り他方向に向かって配線しながら5番、8番、2番セグメントに、この順で前記巻線を接続した後、
前記巻線を周回り他方向に向かって配線しながら5番、8番、2番ティースに、この順で前記巻線を巻回し、
さらに、前記巻線を周回り他方向に向かって配線しながら9番、3番、6番セグメントに、この順で前記巻線を接続した後、
前記巻線を周回り他方向に向かって配線しながら9番、3番、6番ティースに、この順で前記巻線を巻回し、
前記U相のアーマチュアコイルを、1番、4番、7番ティースに、形成し、
前記V相のアーマチュアコイルを、5番、8番、2番ティースに、形成し、
前記W相のアーマチュアコイルを、9番、3番、6番ティースに、形成したことを特徴とする直流モータ。 - 請求項1に記載の直流モータの巻線巻装方法であって、
各セグメントに、前記ティースの番号に対応するように周回り一方向に順に1番〜9番まで番号を付したとき、
前記巻線を周回り他方向に向かって配線しながら1番、4番、7番セグメントに、この順で前記巻線を接続した後、
前記巻線を周回り他方向に向かって配線しながら1番、4番、7番ティースに、この順で前記巻線を巻回し、
さらに、前記巻線を周回り他方向に向かって配線しながら5番、8番、2番セグメントに、この順で前記巻線を接続した後、
前記巻線を周回り他方向に向かって配線しながら5番、8番、2番ティースに、この順で前記巻線を巻回し、
さらに、前記巻線を周回り他方向に向かって配線しながら9番、3番、6番セグメントに、この順で前記巻線を接続した後、
前記巻線を周回り他方向に向かって配線しながら9番、3番、6番ティースに、この順で前記巻線を巻回したことを特徴とする巻線巻装方法。
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