実施の形態1.
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例である遊技機1の全体の構成について説明する。図1は遊技機1を正面からみた正面図である。
遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9では、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄(飾り図柄)の可変表示(変動)が行われる。よって、演出表示装置9は、識別情報としての演出図柄(飾り図柄)の可変表示を行う可変表示装置に相当する。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
遊技盤6における演出表示装置9の上部の左側には、識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示手段)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。遊技盤6における演出表示装置9の上部の右側には、識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示手段)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。
この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器と総称することがある。
第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に入賞したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の可変表示時間中、および第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄(飾り図柄)の可変表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。同期とは、可変表示の開始時点および終了時点がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であって、可変表示の期間がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組み合わせが停止表示される。
遊技盤6における演出表示装置9の上部の中央には、回転自在に構成された円形の役物90が設けられている。役物90内部にはLED等が内蔵されており、役物90が回転(動作)しているときに点灯するように構成されている。この役物90は、特定の予告演出が実行されているときに回転・点灯することによって、特定の予告演出が実行されていることを報知する役割を果たす。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13は演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13の周辺での釘配列を遊技球を第1始動入賞口13に導きづらくして、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aの下部には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器(例えば、LED)からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
第2特別図柄表示器8bの下部には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器(例えば、LED)からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、演出表示装置9の表示画面には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(以下、合算保留記憶表示部18cという。)が設けられている。合計数を表示する合算保留記憶表示部18cが設けられているので、可変表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。なお、第1特別図柄保留記憶表示器18aおよび第2特別図柄保留記憶表示器18bのみを設けるようにし、演出表示装置9の表示画面上には合算保留記憶表示部18cを設けないようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、図1に示すように、第2始動入賞口14に対してのみ開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、および第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
遊技盤6の右側方下部には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」および「×」)を可変表示する。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。この実施の形態では、上下のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に下側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つの表示器(例えば、LED)を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯する表示器を1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯する表示器を1減らす。さらに、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間が長くなり、かつ、開放回数が増加される。すなわち、遊技球が始動入賞しやすくなる(つまり、特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における可変表示の実行条件が成立しやすくなる)ように制御された遊技状態である高ベース状態に移行する。また、この実施の形態では、時短状態(特別図柄の可変表示時間が短縮される遊技状態)においても、可変入賞球装置15の開放時間が長くなり、かつ、開放回数が増加される。
なお、可変入賞球装置15が開状態となる時間を延長する(開放延長状態ともいう)のでなく、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められる普通図柄確変状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)となると、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。この場合、普通図柄確変状態に移行制御することによって、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高まる。従って、普通図柄確変状態に移行すれば、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められ、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。すなわち、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であったり、特別図柄の停止図柄が確変図柄である場合等に高められ、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(始動入賞しやすい状態)に変化する。なお、開放回数が高められることは、閉状態から開状態になることも含む概念である。
また、普通図柄表示器10における普通図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される普通図柄時短状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄時短状態では、普通図柄の変動時間が短縮されるので、普通図柄の変動が開始される頻度が高くなり、結果として普通図柄が当りとなる頻度が高くなる。従って、普通図柄が当りとなる頻度が高くなることによって、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高くなり、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。
また、特別図柄や演出図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、有効な始動入賞が発生しやすくなり大当り遊技が行われる可能性が高まる。
さらに、上記に示した全ての状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか複数の状態に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾LED25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27R,27Lが設けられている。遊技領域7の外周上部、外周左部および外周右部には、前面枠に設けられた天枠LED28a、左枠LED28bおよび右枠LED28cが設けられている。また、左枠LED28bの近傍には賞球残数があるときに点灯する賞球LED51が設けられ、右枠LED28cの近傍には補給球が切れたときに点灯する球切れLED52が設けられている。天枠LED28a、左枠LED28bおよび右枠LED28cおよび装飾用LED25は、遊技機1に設けられている演出用の発光体の一例である。なお、上述した演出用(装飾用)の各種LEDの他にも演出のためのLEDやランプが設置されている。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄(飾り図柄)の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の可変表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄(飾り図柄)の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の可変表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
なお、図1には示していないが、打球供給皿3を構成する部材において、遊技者により操作可能な操作手段としての操作ボタン(後述する操作ボタン300)が設けられている。操作ボタンには、遊技者が押圧操作をすることが可能な押しボタンスイッチが設けられている。なお、操作ボタンは、遊技者による押圧操作が可能な押しボタンスイッチが設けられているだけでなく、遊技者による回転操作が可能なダイヤルも設けられている。遊技者は、ダイヤルを回転操作することによって、所定の選択(例えば演出の選択)を行うことができる。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従って遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路503は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路503が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路503が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aへの始動入賞が生じたときに乱数回路503から数値データをランダムRとして読み出し、特別図柄および演出図柄の変動開始時にランダムRにもとづいて特定の表示結果としての大当り表示結果にするか否か、すなわち、大当りとするか否かを決定する。そして、大当りとすると決定したときに、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に移行させる。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグや合算保留記憶数カウンタの値など)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
遊技制御用マイクロコンピュータ560のリセット端子には、電源基板からのリセット信号(図示せず)が入力される。電源基板には、遊技制御用マイクロコンピュータ560等に供給されるリセット信号を生成するリセット回路が搭載されている。なお、リセット信号がハイレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560等は動作可能状態になり、リセット信号がローレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560等は動作停止状態になる。従って、リセット信号がハイレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560等の動作を許容する許容信号が出力されていることになり、リセット信号がローレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560等の動作を停止させる動作停止信号が出力されていることになる。なお、リセット回路をそれぞれの電気部品制御基板(電気部品を制御するためのマイクロコンピュータが搭載されている基板)に搭載してもよい。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、電源基板からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号が入力される。すなわち、電源基板には、遊技機において使用される所定電圧(例えば、DC30VやDC5Vなど)の電圧値を監視して、電圧値があらかじめ定められた所定値にまで低下すると(電源電圧の低下を検出すると)、その旨を示す電源断信号を出力する電源監視回路が搭載されている。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、RAMの内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチが操作されたことを示すクリア信号(図示せず)が入力される。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。さらに、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を可変表示する演出表示装置9との表示制御を行う。
図3は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図3に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101およびRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、VDPによって生成された画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データを演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってキャラクタROM(図示せず)から必要なデータを読み出す。キャラクタROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形または記号等(演出図柄を含む)をあらかじめ格納しておくためのものである。演出制御用CPU101は、キャラクタROMから読み出したデータをVDP109に出力する。VDP109は、演出制御用CPU101から入力されたデータにもとづいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図3には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図2に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
また、演出制御用CPU101は、入力ポート106を介して、遊技者による操作ボタン300の押圧操作に応じて操作ボタン300からの信号を入力する。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLEDドライバ352に入力される。LEDドライバ352は、駆動信号を天枠LED28a、左枠LED28b、右枠LED28cなどの枠側に設けられている各LEDに供給する。また、遊技盤側に設けられている装飾LED25に駆動信号を供給する。なお、LED以外の発光体が設けられている場合には、それを駆動する駆動回路(ドライバ)がランプドライバ基板35に搭載される。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27R,27Lに出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
次に、遊技機の動作について説明する。主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理について説明する。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、メイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する。次に、割込モードを割込モード2に設定し、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後、RAMをアクセス可能状態に設定する。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号(クリア信号)の状態を確認する。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理を実行する。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、この処理では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。これらの処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する。なお、この処理において、バックアップRAMに保存されていた合算保留記憶数カウンタの値を設定した合算保留記憶数指定コマンドも演出制御基板80に対して送信する。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する。
これらの処理によって、例えば、普通図柄当り判定用乱数カウンタ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する。CPU56は、例えば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路503にランダムRの値を更新させるための設定を行う。
そして、CPU56は、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値として例えば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する。この実施の形態では、表示用乱数とは、大当りとしない場合の特別図柄の停止図柄を決定するための乱数や大当りとしない場合にリーチとするか否かを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施の形態では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
なお、この実施の形態では、リーチ演出は、演出表示装置9において可変表示される演出図柄(飾り図柄)を用いて実行される。また、特別図柄の表示結果を大当り図柄にする場合には、リーチ演出は常に実行される。特別図柄の表示結果を大当り図柄にしない場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数を用いた抽選によって、リーチ演出を実行するか否か決定する。ただし、実際にリーチ演出の制御を実行するのは、演出制御用マイクロコンピュータ100である。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、タイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電源監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行う。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23のいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う。CPU56は、例えば、特別図柄プロセス処理でセットされる開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて駆動信号を出力することによって、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bにおける第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示を実行する。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う。CPU56は、例えば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切り替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理における情報出力処理以外の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示態様を、可変表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」ともいう)の可変表示態様という。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示結果を、可変表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の可変表示態様という。
この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rに、演出図柄が揃って停止表示される。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当りである「5」が停止表示される場合には、演出表示装置9において、演出図柄の可変表示態様が「突然確変大当り」である場合と同様に演出図柄の可変表示が行われた後、所定の小当り図柄(突然確変大当り図柄と同じ図柄。例えば「135」)が停止表示されることがある。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当り図柄である「5」が停止表示されることに対応する演出表示装置9における表示演出を「小当り」の可変表示態様という。
ここで、小当りとは、大当りと比較して大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容される当りである。なお、小当り遊技が終了した場合、遊技状態は変化しない。すなわち、確変状態から通常状態に移行したり通常状態から確変状態に移行したりすることはない。また、突然確変大当りとは、大当り遊技状態において大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容されるが大入賞口の開放時間が極めて短い大当りであり、かつ、大当り遊技後の遊技状態を確変状態に移行させるような大当りである(すなわち、そのようにすることにより、遊技者に対して突然に確変状態となったかのように見せるものである)。つまり、この実施の形態では、突然確変大当りと小当りとは、大入賞口の開放パターンが同じである。そのように制御することによって、大入賞口の0.1秒間の開放が2回行われると、突然確変大当りであるか小当りであるかまでは認識できないので、遊技者に対して高確率状態(確変状態)を期待させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
図4は、あらかじめ用意された演出図柄の変動パターンを示す説明図である。図4に示すように、この実施の形態では、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、変動パターン♯1〜変動パターン♯9が用意されている。なお、図4に示すように、リーチしない場合に使用される擬似連の演出を伴う変動パターン♯6〜♯9については、再変動が1回〜2回行われる(図6(A)参照)。また、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様が「ノーマルリーチ」である場合に対応した変動パターンとして、変動パターン♯10〜♯17が用意されている。なお、ノーマルリーチとなる場合に使用される擬似連の演出を伴う変動パターン♯12〜♯17は、再変動が1回〜2回行われる(図6(B)参照)。また、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様が「スーパーリーチA」である場合に対応した変動パターンとして、変動パターン♯20〜♯35が用意されている。なお、スーパーリーチAとなる場合に使用される擬似連の演出を伴う変動パターン♯22〜♯35は、再変動が3回〜4回行われる(図7(C)参照)。また、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様が「スーパーリーチB」である場合に対応した変動パターンとして、変動パターン♯38〜♯53が用意されている。なお、スーパーリーチBとなる場合に使用される擬似連の演出を伴う変動パターン♯40〜♯53は、再変動が3回〜4回行われる(図7(C)参照)。また、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様が「スーパーリーチC」である場合に対応した変動パターンとして、変動パターン♯56〜♯71が用意されている。なお、スーパーリーチCとなる場合に使用される擬似連の演出を伴う変動パターン♯58〜♯71は、再変動が3回〜4回行われる(図7(C)参照)。
また、図4に示すように、この実施の形態では、可変表示結果が「大当り(突然確変大当りを除く)」であり演出図柄の可変表示態様が「ノーマルリーチ」である場合に対応した変動パターンとして、変動パターン♯74〜♯81が用意されている。なお、ノーマルリーチとなる場合に使用される擬似連の演出を伴う変動パターン♯76〜♯81は、再変動が1回〜2回行われる(図6(B)参照)。また、可変表示結果が「大当り(突然確変大当りを除く)」であり演出図柄の可変表示態様が「スーパーリーチA」である場合に対応した変動パターンとして、変動パターン♯84〜♯99が用意されている。なお、スーパーリーチAとなる場合に使用される擬似連の演出を伴う変動パターン♯86〜♯99は、再変動が3回〜4回行われる(図7(C)参照)。また、可変表示結果が「大当り(突然確変大当りを除く)」であり演出図柄の可変表示態様が「スーパーリーチB」である場合に対応した変動パターンとして、変動パターン♯102〜♯117が用意されている。なお、スーパーリーチBとなる場合に使用される擬似連の演出を伴う変動パターン♯104〜♯117は、再変動が3回〜4回行われる(図7(C)参照)。また、可変表示結果が「大当り(突然確変大当りを除く)」であり演出図柄の可変表示態様が「スーパーリーチC」である場合に対応した変動パターンとして、変動パターン♯120〜♯135が用意されている。なお、スーパーリーチCとなる場合に使用される擬似連の演出を伴う変動パターン♯120〜♯135は、再変動が3回〜4回行われる(図7(C)参照)。
また、図4に示すように、この実施の形態では、可変表示結果が「突然確変大当りまたは小当り」であり演出図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、変動パターン♯138〜変動パターン♯139が用意されている。
ここで、「擬似連」の変動パターンとは、図柄(識別情報)の変動が開始されてから停止図柄(表示結果)が導出表示されるまでに一旦チャンス目(特殊表示結果)を構成する図柄を仮停止させた後に全ての図柄について変動を再度実行する再変動(再可変表示)を1回または複数回実行することによって、1回の変動中に擬似的に複数回の変動が実行されたように見せる変動パターンをいう。また、「チャンス目」とは、遊技者に擬似連の変動が実行されていることを認識させることが可能な特殊なはずれ出目(左中右の演出図柄の特殊な組み合わせ)のことをいう。例えば、この実施の形態では、チャンス目として、例えば「112」「223」「334」「445」「556」「667」等の出目としている。
この実施の形態では、再変動が1回または複数回実行された後にリーチになる擬似連の変動パターンと、再変動が1回または複数回実行された後にリーチにならない擬似連の変動パターンとが設けられている。また、この実施の形態では、擬似連中の再変動の回数が増えるほど高い割合で大当りとなる(大当りも信頼度が高くなる)ように、大当りとなるときははずれとなるときよりも高い割合で再変動の回数の多い変動パターンを選択する(図17参照)。
なお、「大当りの信頼度」とは、特定の演出が実行されたことに起因して大当りとなる確率の程度のことをいう。例えば、擬似連の変動において再変動が1回しか実行されなかったときは大当りとなる確率は低く、再変動が4回実行されたときは大当りとなる確率が高い。また、大当り信頼度の低い予告演出が実行されたときはそのことに起因して大当りとなる確率が低く、大当り信頼度の低い予告演出が実行されたときはそのことに起因して大当りとなる確率が高い。
また、図4に示す「滑り」とは、先に停止する演出図柄(例えば最初に停止する左の演出図柄)を停止させた後に次に停止する演出図柄(例えば右の演出図柄)を低速で変動させ、次に停止する演出図柄が停止しそうになったときに当該演出図柄の変動を低速から高速にして、停止しそうになった演出図柄とは異なる演出図柄で停止させる演出である。このような滑り演出を実行することによって、右の演出図柄が停止している左の演出図柄(例えば「1」)と同じ図柄で停止しそうになることによりリーチ状態が成立しそうになったときに、右の演出図柄の変動を低速から高速にして、停止しそうになった演出図柄とは異なる演出図柄(例えば「2」)で停止させ、リーチ状態が成立しない場合でもリーチ状態が成立するように見せてリーチの期待を持たせることができる。また、右の演出図柄が停止している左の演出図柄(例えば「2」)とは異なる図柄(例えば「1」)で停止しそうになることによりはずれになりそうになったときに、右の演出図柄の変動を低速から高速にして、停止しそうになった演出図柄とは異なる演出図柄(例えば「2」)で停止させてリーチ状態を成立させ、リーチ状態の成立に対し驚きと喜びを与えることができる。
なお、この実施の形態では、変動中に実行される「擬似連」の演出や「滑り」の演出のことを特定演出という。
図5は、再変動を2回実行する疑似連の変動態様を示す説明図である。図5の上図に示すように、再変動を2回行う場合(リーチ成立)の擬似連の変動態様では、まず、左中右の演出図柄(および特別図柄)の変動が開始されてから所定時間が経過すると、左中右の演出図柄が順次仮停止する(丸数字1の仮停止)。例えば、最初に左の演出図柄が仮停止し、次に右の演出図柄が仮停止し、最後に中の演出図柄が仮停止する。そして、所定の仮停止時間が経過すると、左中右の演出図柄の再変動(再可変表示)が開始される。これが1回目の再変動である。再変動が開始されてから所定時間が経過すると、左中右の演出図柄が再び順次仮停止する(丸数字2の仮停止)。そして、所定の仮停止時間が経過すると、左中右の演出図柄の再変動(再可変表示)が開始される。これが2回目の再変動である。再変動が開始されてから所定時間が経過すると、図5の上図に示す例(リーチ成立)では左右の演出図柄(リーチ図柄)が停止してリーチが発生(成立)する。そして、リーチ状態において中の演出図柄が例えば低速で変動する。このとき、スーパーリーチA〜Cのいずれかに発展した場合は、遊技者を煽るために、例えばキャラクタが登場したり、背景が変化したりするような演出が実行される。そして、変動時間が経過すると、中の演出図柄が停止して停止図柄(リーチはずれ図柄または大当り図柄)が確定し、変動が終了する。一方、図5の下図に示す再変動を2回行う場合(リーチ不成立)の擬似連の変動態様では、図5の上図に示す場合と同様に、左中右の演出図柄(および特別図柄)の変動が開始されてから所定時間が経過すると、左中右の演出図柄が順次仮停止する(丸数字1の仮停止)。そして、所定の仮停止時間が経過すると、左中右の演出図柄の1回目の再変動(再可変表示)が開始される。再変動が開始されてから所定時間が経過すると、左中右の演出図柄が再び順次仮停止する(丸数字2の仮停止)。そして、所定の仮停止時間が経過すると、左中右の演出図柄の2回目の再変動(再可変表示)が開始される。再変動が開始されてから所定時間が経過すると、左中右の演出図柄が再び順次仮停止する(丸数字3の仮停止)。その後、図5の下図に示す例(リーチ不成立)では仮停止時間が経過しても再変動が開始されずにそのまま仮停止図柄が停止図柄として確定し、変動が終了する。
図6および図7は、疑似連変動中に実行される仮停止パターンの態様を示す説明図である。図6および図7に示すように、擬似連の変動パターンにおけるチャンス目を仮停止させるときのパターン(仮停止パターン)として、「通常仮停止パターン」と「特定仮停止パターン」とを設けている。ここで、「通常仮停止パターン」とは、チャンス目を仮停止させるときに、チャンス目を構成する左中右の演出図柄を順次仮停止させる通常の仮停止パターンをいう。「特定仮停止パターン」とは、チャンス目を仮停止させるときに、リーチ状態が成立可能な演出図柄(例えば左の演出図柄が停止している状態の場合の次に停止する右の演出図柄)に対して特定可変表示演出を実行した後にチャンス目を構成する左中右の演出図柄を仮停止させる特定の仮停止パターンのことをいう。
また、「特定可変表示演出」とは、上述した「滑り演出」や、「戻り演出」、「再変動演出」、「図柄置換演出」、「遮蔽演出」などのように、演出図柄が停止するときの通常の停止動作と異なる停止動作を行う演出をいう。「戻り演出」とは、演出図柄が停止しそうになったときに当該演出図柄を逆回転させ(逆向きに変動させ)、停止しそうになった演出図柄とは異なる演出図柄で停止させる演出である。「再変動演出」とは、演出図柄を一度揺れている状態(揺れ変動の状態)とした後に再度変動を開始させる演出である。「図柄置換演出」とは、演出図柄を一度揺れている状態(揺れ変動の状態)とした後に揺れている演出図柄を他の演出図柄に置換する演出である。「遮蔽演出」とは、演出図柄の表示領域を遮蔽状態とした後(例えばシャッターを閉じて演出表示装置9の表示領域を遮蔽した後)に非遮蔽状態とする(例えばシャッターを開く)演出である。
図6(A)には、可変表示結果が「はずれ」であり可変表示態様(リーチ演出)が非リーチの場合の擬似連1回〜2回の変動パターン♯6〜♯9を示している。ここで、例えば、変動パターン♯6では、再変動が1回行われる擬似連であって再変動前の仮停止のときに通常パターンで演出図柄が仮停止し、再変動後の仮停止のときに通常パターンで演出図柄が仮停止することを示している。また、変動パターン♯9では、再変動が2回行われる擬似連であって1回目の再変動前の仮停止のときに通常パターンで演出図柄が仮停止し、1回目の再変動後の仮停止のときに通常パターンで演出図柄が仮停止し、2回目の再変動後の仮停止のときに特定パターンで演出図柄が仮停止するがそのまま変動が終了することを示している。なお、図6(A)中の丸数字は変動中の仮停止の回数(図5参照)を示している。
図6(B)には、可変表示結果が「はずれまたは大当り」であり可変表示態様がノーマルリーチの場合の擬似連1回〜2回の変動パターン♯16〜♯17,♯76〜♯81を示している。なお、図6(B)中の「ノーマルリーチ」は仮停止後にノーマルリーチを実行する再変動が行われることを示している。また、図7(C)には、可変表示結果が「はずれまたは大当り」であり可変表示態様がスーパーリーチの場合の擬似連3回〜4回の変動パターン♯22〜♯35,♯40〜♯53,♯58〜♯71,♯86〜♯99,♯104〜♯117,♯122〜♯135を示している。なお、図7(C)中の「スーパーリーチ」は仮停止後にスーパーリーチを実行する再変動が行われることを示している。
この実施の形態では、演出図柄が特定パターンで仮停止した後に再変動が継続して実行された場合は、リーチ(ノーマルリーチまたはスーパーリーチ)が確定するように構成している。すなわち、演出図柄が特定パターンで仮停止した後に再変動が実行された場合は、リーチが確定するが、演出図柄が特定パターンで仮停止した後に再変動が実行されなかった場合は、リーチが確定せずに変動が終了する。具体的には、図6(B)に示す変動パターン♯16,80では、1回目の再変動の前に演出図柄が通常パターンで仮停止し、1回目の再変動の後に演出図柄が特定パターンで仮停止し、その後、2回目の再変動(ノーマルリーチを実行する再変動)が実行されるので、2回目の再変動が開始された時点でリーチが確定する。一方、図6(A)に示す変動パターン♯7では、1回目の再変動の前に演出図柄が通常パターンで仮停止し、1回目の再変動の後に演出図柄が特定パターンで仮停止したが、その後に2回目の再変動が実行されないので、リーチが成立せずに変動が終了する。このように、演出図柄が特定パターンで仮停止した後に再変動が継続して実行された場合はリーチが確定するように構成するために、図6および図7に示すように、演出図柄が特定パターンで仮停止した後に再変動が継続して実行される擬似連の変動パターンは、ノーマルリーチの変動パターンかスーパーリーチの変動パターンにのみ設定されている。
また、この実施の形態では、再変動を3回以上実行する擬似連であって演出図柄が特定仮停止パターンで仮停止した後に再変動が継続して実行された場合は、大当りの期待度が高いスーパーリーチが確定するように構成している。すなわち、演出図柄が特定仮停止パターンで仮停止した後に再変動が実行された場合は、リーチが確定し、さらに、再変動が3回以上実行された場合はスーパーリーチが確定する。このように、再変動が3回以上実行される擬似連であって演出図柄が特定仮停止パターンで仮停止した後に再変動が継続して実行された場合はスーパーリーチが確定するように構成するために、図7に示すように、演出図柄が特定仮停止パターンで仮停止した後に再変動が継続して実行され、かつ再変動が3回以上実行される擬似連の変動パターンは、スーパーリーチの変動パターンにのみ設定されている。
以上のような構成によれば、擬似連の変動中に特定仮停止パターンで仮停止が行われるか否かと、その後に再変動が継続し、さらに再変動が3回以上実行されるかどうかについて遊技者に注目させることができ、より一層、遊技の興趣を向上させることができる。
図8は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1(MR1):大当りの種類(後述する通常大当り、確変大当り、突然確変大当り)を決定する(大当り種別判定用)
(3)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)
(4)ランダム4(MR4):普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(5)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)
遊技制御処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(1)の大当り種別判定用乱数、および(4)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム3)または初期値用乱数(ランダム5)である。なお、遊技効果を高めるために、上記の乱数以外の乱数も用いてもよい。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数を用いる。
図9(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態)において用いられる通常時大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。通常時大当り判定テーブルには、図9(A)の左欄に記載されている各数値が設定され、確変時大当り判定テーブルには、図9(A)の右欄に記載されている各数値が設定されている。図9(A)に記載されている数値が大当り判定値である。
図9(B)は、小当り判定テーブルを示す説明図である。小当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される小当り判定値が設定されているテーブルである。また、図9(B)に記載されている数値が小当り判定値である。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図9(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(後述する通常大当り、確変大当り、突然確変大当り)にすることに決定する。また、大当り判定用乱数値が図9(B)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りにすることに決定する。なお、図9(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、図9(B)に示す「確率」は、小当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。また、小当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。
図9(C),(D)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブル131a,131bを示す説明図である。このうち、図9(C)は、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第1特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)131aである。また、図9(D)は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131bである。
大当り種別判定テーブル131a,131bは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)にもとづいて、大当りの種別を「通常大当り」、「第1確変大当り」、「第2確変大当り」、「突然確変大当り」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。なお、この実施の形態では、図9(C),(D)に示すように、大当り種別判定テーブル131aには「通常大当り」、「第1確変大当り」、「第2確変大当り」および「突然確変大当り」の全てに対して判定値が割り当てられているのに対して、大当り種別判定テーブル131bには「通常大当り」、「第1確変大当り」および「第2確変大当り」にのみ判定値が割り当てられている場合を説明する。
「第1確変大当り」とは、確変図柄(左中右の演出図柄が奇数の図柄で揃った状態の演出図柄の組み合わせ)で大当りになったことにもとづいて、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行させる大当りである。また、「第2確変大当り」とは、非確変図柄(左中右の演出図柄が偶数の図柄で揃った状態の演出図柄の組み合わせ)で大当りになったことにもとづいて、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技の実行中(ラウンド中、インターバル中、エンディング中など)に確変大当りに昇格したこと(大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行すること)を報知する昇格演出をし、大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行させる大当りである。また、「通常大当り」とは、非確変図柄(左中右の演出図柄が偶数の図柄で揃った状態の演出図柄の組み合わせ)で大当りになったことにもとづいて、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行されない(この実施の形態では、時短状態にのみ移行される)大当りである。
大当り種別判定テーブル131a,131bには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「第1確変大当り」、「第2確変大当り」、「突然確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。CPU56は、ランダム1の値が大当り種別判定値のいずれかに一致した場合に、大当りの種別を、一致した大当り種別判定値に対応する種別に決定する。
図10は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図10に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して演出表示装置9において可変表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、図4に示された使用されうる変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において演出図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C06(H)は、大当りとするか否か、小当りとするか否か、および大当り種別を示す演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C01(H)〜8C06(H)の受信に応じて演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C06(H)を表示結果指定コマンドという。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。なお、第1特別図柄の可変表示を開始するのか第2特別図柄の可変表示を開始するのかを示す情報を、変動パターンコマンドに含めるようにしてもよい。
コマンド8F00(H)は、演出図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、演出図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド95XX(H)は、入賞時判定結果の内容(その後、開始条件が成立して変動表示が実行されるときにスーパーリーチとなるか否かの判定結果)を示す演出制御コマンド(入賞時判定結果指定コマンド)である。この実施の形態では、入賞時判定結果指定コマンドは、はずれの場合にはEXTデータが「00」のコマンド9500(H)であり、通常大当りの場合にはEXTデータが「01」のコマンド9501(H)であり、確変大当りの場合にはEXTデータが「02」のコマンド9502(H)である。なお、この実施の形態では、確変大当りの入賞時判定結果指定コマンドとして第1確変大当りの場合と第2確変大当りの場合とで分けていないが、第1確変大当りの場合と第2確変大当りの場合とで分けるようにしてもよい。また、この実施の形態では、突然確変大当りの場合と小当りの場合は、予告演出を実行しないので、入賞時判定結果指定コマンドが送信されない。ただし、突然確変大当りの判定結果を指定する入賞時判定結果指定コマンドを送信したり、小当りの判定結果を指定する入賞時判定結果指定コマンドを送信するようにして、突然確変大当りの場合や小当りの場合も予告演出を所定の割合で実行するようにしてもよい。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001〜A003(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。大当り開始指定コマンドには、大当りの種類に応じた大当り開始1指定コマンド、大当り開始指定2指定コマンドおよび小当り/突然確変大当り開始指定コマンドがある。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、突然大当りである場合に突然確変大当り開始指定用のファンファーレ指定コマンドを送信するものの、小当りである場合にはファンファーレ指定コマンドを送信しないように構成してもよい。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。
コマンドA301(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、通常大当りであったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了1指定コマンド:エンディング1指定コマンド)である。コマンドA302(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、確変大当りであったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了2指定コマンド:エンディング2指定コマンド)である。コマンドA303(H)は、小当りの遊技の終了または突然確変大当りの遊技の終了を指定する演出制御コマンド(小当り/突然確変大当り終了指定コマンド:エンディング3指定コマンド)である。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、突然大当りである場合に突然確変大当り終了指定用のエンディング指定コマンドを送信するものの、小当りである場合にはエンディング指定コマンドを送信しないように構成してもよい。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態であることを指定する演出制御コマンド(通常状態指定コマンド)である。コマンドB001(H)は、遊技状態が時短状態(確変状態を含む)であることを指定する演出制御コマンド(時短状態指定コマンド)である。
コマンドC000(H)は、第1始動入賞があったことを指定する演出制御コマンド(第1始動入賞指定コマンド)である。コマンドC100(H)は、第2始動入賞があったことを指定する演出制御コマンド(第2始動入賞指定コマンド)である。第1始動入賞指定コマンドと第2始動入賞指定コマンドとを、始動入賞指定コマンドと総称することがある。
コマンドC2XX(H)は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を指定する演出制御コマンド(合算保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC2XX(H)における「XX」が、合算保留記憶数を示す。コマンドC300(H)は、合算保留記憶数を1減算することを指定する演出制御コマンド(合算保留記憶数減算指定コマンド)である。この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、合算保留記憶数を減算する場合には合算保留記憶数減算指定コマンドを送信するが、合算保留記憶数減算指定コマンドを使用せず、合算保留記憶数を減算するときに、減算後の合算保留記憶数を合算保留記憶数指定コマンドで指定するようにしてもよい。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると、図10に示された内容に応じて画像表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞があり第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて特別図柄の可変表示が開始される度に、演出図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい
なお、演出制御コマンドの送出方式として、演出制御信号CD0〜CD7の8本のパラレル信号線で1バイトずつ主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に演出制御コマンドデータを出力し、演出制御コマンドデータの他に、演出制御コマンドデータの取込を指示するパルス状(矩形波状)の取込信号(演出制御INT信号)を出力する方式を用いる。演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。
図10に示す例では、変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動に対応した演出図柄の可変表示(変動)と第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動に対応した演出図柄の可変表示(変動)とで共通に使用でき、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示に伴って演出を行う画像表示装置9などの演出用部品を制御する際に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。
図11は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13aまたは第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち始動入賞が発生していたら、始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS311,S312)。そして、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。第1始動入賞口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aがオンしていなければ、内部状態に応じて、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS300〜S310の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に対応した値(この例では4)に更新する。
特別図柄停止処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける可変表示を停止して停止図柄を導出表示させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う。そして、大当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において演出図柄が停止されるように制御する。
大入賞口開放前処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
大入賞口開放中処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグや時短フラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
小当り開放前処理(ステップS308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。小当り開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS309に対応した値(この例では9)に更新する。なお、小当り開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、小当り開放前処理は小当り遊技を開始する処理でもある。
小当り開放中処理(ステップS309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS310に対応した値(この例では10(10進数))に更新する。
小当り終了処理(ステップS310):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図12および図13は、ステップS312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。第1始動口スイッチ13aと第2始動口スイッチ14aとのうちの少なくとも一方がオン状態の場合に実行される始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、オンしたのが第1始動口スイッチ13aであるか否かを確認する(ステップS211)。第1始動口スイッチ13aがオンしていれば、CPU56は、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4であるか否かを確認する(ステップS212)。第1保留記憶数カウンタの値が4であれば、ステップS221に移行する。
第1保留記憶数カウンタの値が4でなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS213)。また、CPU56は、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順を記憶するための保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第1」を示すデータをセットする(ステップS214)。
この実施の形態では、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合(すなわち、第1始動入賞口13に遊技球が始動入賞した場合)には「第1」を示すデータをセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合(すなわち、第2始動入賞口14に遊技球が始動入賞した場合)には「第2」を示すデータをセットする。例えば、CPU56は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合には「第1」を示すデータとして01(H)をセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合には「第2」を示すデータとして02(H)をセットする。なお、この場合、対応する保留記憶がない場合には、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、00(H)がセットされている。
図14は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留バッファ)の構成例を示す説明図である。図14に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。この実施の形態では、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。
始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(ステップS215)。なお、ステップS215の処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第1特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、第1始動入賞指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS216)。また、CPU56は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合算保留記憶数を示す合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS217)。そして、CPU56は、合算保留記憶数カウンタの値にもとづいて、合算保留記憶数を示す合算保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS218)。なお、合算保留記憶数指定コマンドを、第1始動入賞指定コマンドの前に送信してもよい。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する場合には、CPU56は、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(あらかじめROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(ステップS29)において演出制御コマンドを送信する。
次いで、CPU56は、ステップS215で抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図9(A)に示す大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(ステップS219A)。この実施の形態では、特別図柄および演出図柄の変動を開始するタイミングで、後述する特別図柄通常処理において大当りや小当りとするか否か、大当り種別を決定したり、変動パターン設定処理において変動パターンを決定したりするのであるが、それとは別に、遊技球が第1始動入賞口13や第2始動入賞口14に始動入賞したタイミングで、始動口スイッチ通過処理においてステップS219A〜S219HやステップS229A〜S229Hを実行することによって、あらかじめ演出図柄の変動表示中にスーパーリーチとなるか否かを確認する。そのようにすることによって、演出図柄の変動表示が実行されるより前にあらかじめスーパーリーチとなることを予測し、後述するように、演出制御用マイクロコンピュータ100によってスーパーリーチとなる旨の予告演出を実行する。
大当り判定用乱数(ランダムR)が大当り判定値と一致する場合には(ステップS219AのY)、CPU56は、図9(C)に示す第1特別図柄用の大当り種別判定用テーブルを選択する(ステップS219B)。そして、CPU56は、ステップS215で抽出した大当り種別判定用乱数(ランダム1)と、選択した第1特別図柄用の大当り種別判定用テーブルとにもとづいて、大当り種別を判定する(ステップS219C)。
大当り種別が通常大当りまたは確変大当りである場合には(ステップS219DのY)、CPU56は、ステップS215で抽出した変動パターン判定用乱数(ランダム3)の値にもとづいてスーパーリーチの変動パターンであるか否かを確認する(ステップS219E)。変動パターン判定用乱数(ランダム3)の値にもとづいてスーパーリーチの変動パターンであることを確認すれば、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して入賞時判定結果指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS219H)。なお、入賞時判定結果指定コマンドは、通常大当りのときのコマンドと確変大当りのときのコマンドとはずれのときのコマンドに分けられている(図10参照)。従って、CPU56は、ステップS219Hにおいて、ステップS219Cで決定した大当り種別が確変大当りの場合は確変大当りのときの入賞時判定結果指定コマンドを送信し、ステップS219Cで決定した大当り種別が通常大当りの場合は通常大当りのときの入賞時判定結果指定コマンドを送信する。
大当り判定用乱数(ランダムR)が大当り判定値と一致しなければ(ステップS219AのN)、CPU56は、ステップS215で抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図9(B)に示す小当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(ステップS219F)。大当り判定用乱数(ランダムR)が小当り判定値と一致しなければ(ステップS219FのN)、すなわち、はずれであれば、CPU56は、ステップS215で抽出した変動パターン判定用乱数(ランダム3)の値にもとづいてスーパーリーチの変動パターンであるか否かを確認する(ステップS219G)。変動パターン判定用乱数(ランダム3)の値にもとづいてスーパーリーチの変動パターンであることを確認すれば、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して入賞時判定結果指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS219H)。なお、CPU56は、ステップS219Hにおいて、ステップS219Aで「はずれ」と決定した場合は「はずれ」のときの入賞時判定結果指定コマンドを送信する。
なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、後述するように、ステップS219Hで送信された入賞時判定結果指定コマンドを受信したことにもとづいて、スーパーリーチを予告する予告演出を実行するのであるが、現在の合算保留記憶数に応じた演出態様で予告演出を実行する。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS218で送信された合算保留記憶数指定コマンドにもとづいて、現在の合算保留記憶数を把握する。なお、CPU56は、入賞時判定結果指定コマンドとして、現在の合算保留記憶数を指定したコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、例えば、CPU56は、現在の合算保留記憶数の値をEXTデータとして指定して入賞時判定結果指定コマンドを送信するようにしてもよい。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信した入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータを確認することによって、現在の合算保留記憶数を把握するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、第2始動口スイッチ14aがオンしたか否かを確認する(ステップS221)。第2始動口スイッチ14aがオンしていれば、CPU56は、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4であるか否かを確認する(ステップS222)。第2保留記憶数カウンタの値が4であれば、処理を終了する。なお、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値が4であれば、再度第1始動口スイッチ13aがオンしているか否かを確認する(ステップS211参照)処理を行うようにしてもよい。
第2保留記憶数カウンタの値が4でなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS223)。また、CPU56は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第2」を示すデータをセットする(ステップS224)。
次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(ステップS225)。なお、ステップS225の処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第2特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、第2始動入賞指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS226)。また、CPU56は、合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS227)。そして、CPU56は、合算保留記憶数カウンタの値にもとづいて合算保留記憶数指定コマンドを送信する(ステップS228)。なお、合算保留記憶数指定コマンドを、第2始動入賞指定コマンドの前に送信してもよい。
次いで、CPU56は、ステップS225で抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図9(A)に示す大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(ステップS229A)。大当り判定用乱数(ランダムR)が大当り判定値と一致する場合には(ステップS229AのY)、CPU56は、図9(D)に示す第2特別図柄用の大当り種別判定用テーブルを選択する(ステップS229B)。そして、CPU56は、ステップS225で抽出した大当り種別判定用乱数(ランダム1)と、選択した第2特別図柄用の大当り種別判定用テーブルとにもとづいて、大当り種別を判定する(ステップS229C)。
そして、CPU56は、ステップS225で抽出した変動パターン判定用乱数(ランダム3)の値にもとづいてスーパーリーチの変動パターンである否かを確認する(ステップS229E)。変動パターン判定用乱数(ランダム3)の値にもとづいてスーパーリーチの変動パターンであることを確認すれば、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して入賞時判定結果指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS229H)。なお、CPU56は、ステップS229Hにおいて、ステップS229Cで決定した大当り種別が確変大当りの場合は確変大当りのときの入賞時判定結果指定コマンドを送信し、ステップS229Cで決定した大当り種別が通常大当りの場合は通常大当りのときの入賞時判定結果指定コマンドを送信する。
なお、この実施の形態では、第2特別図柄の変動表示結果として突然確変大当りが含まれない場合(図9(D)参照)を示しているが、第2特別図柄の変動表示結果として突然確変大当りも決定されるように構成する場合には、ステップS229Aで大当り判定用乱数(ランダムR)が大当り判定値と一致すると判定したときに、ステップS219B〜S219Dと同様の処理を実行するようにすればよい。この場合、ステップS219Bと同様の処理を実行する場合には、第2特別図柄用の大当り種別判定用テーブルを選択し、大当り種別を判定するようにすればよい。そして、ステップS219Dと同様の処理に従って、大当り種別が通常大当りまたは確変大当りであると判定した場合にステップS229Eの処理に移行するようにすればよい。
大当り判定用乱数(ランダムR)が大当り判定値と一致しなければ(ステップS229AのN)、CPU56は、ステップS225で抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図9(B)に示す小当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(ステップS229F)。大当り判定用乱数(ランダムR)が小当り判定値と一致しなければ(ステップS229FのN)、すなわち、はずれであれば、CPU56は、ステップS225で抽出した変動パターン判定用乱数(ランダム3)の値にもとづいてスーパーリーチの変動パターンであるか否かを確認する(ステップS229G)。変動パターン判定用乱数(ランダム3)の値にもとづいてスーパーリーチの変動パターンであることを確認すれば、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して入賞時判定結果指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS229H)。なお、CPU56は、ステップS229Hにおいて、ステップS229Aで「はずれ」と決定した場合は「はずれ」のときの入賞時判定結果指定コマンドを送信する。
なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、後述するように、ステップS229Hで送信された入賞時判定結果指定コマンドを受信したことにもとづいて、スーパーリーチを予告する予告演出を実行するのであるが、入賞時判定結果指定コマンドの種類(はずれ、通常大当り、確変大当り)に応じて異なる割合で予告演出を実行する。
なお、ステップS213〜218,S219A〜S219Hの処理とステップS223〜228,S229A〜S229Hの処理とを、1つの共通ルーチンで実現してもよい。その場合、CPU56は、まず、第1始動口スイッチ13aがオン状態になったことを検出した場合に「第1」を示すデータをセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態になったことを検出した場合に「第2」を示すデータをセットし、共通ルーチンで、セットされているデータに応じて、保留記憶数バッファ(第1保留記憶数バッファまたは第2保留記憶数バッファ)を選択したり始動入賞指定コマンド(第1始動入賞指定コマンドまたは第2始動入賞指定コマンド)を選択する。なお、ステップS213〜218,S219A〜S219Hの処理とステップS223〜228,S229A〜S229Hの処理とを1つの共通ルーチンで実現する場合であっても、第1保留記憶バッファと第2保留記憶バッファとを、それぞれRAM55の別々の領域に、同じバッファ構造で用意しておく。
図15および図16は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、合算保留記憶数の値を確認する(ステップS51)。具体的には、合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。合算保留記憶数が0であれば処理を終了する。
合算保留記憶数が0でなければ、CPU56は、保留特定領域の最初に設定されているデータが「第1」を示すデータであるか否かを確認する(ステップS52)。保留特定領域の最初に設定されているデータが「第1」を示すデータであれば、CPU56は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのかを示すフラグ)に「第1」を示すデータを設定する(ステップS53)。保留特定領域の最初に設定されているデータが「第1」を示すデータでなければ(すなわち、「第2」を示すデータであれば)、CPU66は、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータを設定する(ステップS54)。
この実施の形態では、ステップS52〜S54の処理が実行されることによって、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14に始動入賞した順番に、対応する特別図柄の変動表示が実行される(すなわち、第1始動入賞口13への始動入賞に対応して第1特別図柄の変動表示が実行され、第2始動入賞口14への始動入賞に対応して第2特別図柄の変動表示が実行される)。
なお、始動入賞順ではなく、例えば、第2特別図柄の変動表示を優先して実行するようにしてもよい。この場合、CPU56は、ステップS52において、保留特定領域に1つでも「第2」を示すデータがあるか否かを確認する。そして、1つでも「第2」を示すデータがあれば、ステップS54に移行し、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータを設定する。一方、「第2」を示すデータが1つもなければ(すなわち、「第1」を示すデータのみが設定されていれば)、CPU56は、ステップS53に移行し、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する。また、第2特別図柄の変動表示を優先して実行する場合、保留特定領域を設けなくてもよい。この場合、まず、第2保留記憶バッファに保留記憶があるか否か(ランダムRやランダム1、ランダム2などの値が格納されているか否か)を確認し、保留記憶があれば、ステップS54に移行し、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータを設定すればよい。一方、第2保留記憶バッファに保留記憶がなければ(この場合、第1保留記憶バッファにのみ保留記憶があることになる)、ステップS53に移行し、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定すればよい。
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(ステップS55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶数バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶数バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、保留特定領域の最初に設定されている「第1」を示すデータを削除し、以降の保留特定領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶数バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、保留特定領域の最初に設定されている「第2」を示すデータを削除し、以降の保留特定領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶数バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶数バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
そして、CPU56は、合算保留記憶数カウンタのカウント値をRAM55の所定の領域に保存した後(ステップS57)、合算保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(ステップS58)。なお、CPU56は、カウント値が1減算される前の合算保留記憶数カウンタの値をRAM55の所定の領域に保存する。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、ステップS300〜S310の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読み出し、大当り判定モジュールを実行する。なお、この場合、CPU56は、始動口スイッチ通過処理のステップS215やS225で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り判定用乱数を読み出し、大当り判定を行う。大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている大当り判定値や小当り判定値(図9参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りや小当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定や小当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態(高確率状態)の場合は、遊技状態が非確変状態(通常遊技状態および時短状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、あらかじめ大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM54における図9(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM54における図9(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行い、遊技状態が通常遊技状態や時短状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図9(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(ステップS61)、ステップS71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行われる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的には、確変大当りまたは突然確変大当りとすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされ、大当りと決定されたときに特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(ステップS61のN)、CPU56は、小当り判定テーブル(図9(B)参照)を使用して小当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図9(B)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りとすることに決定する。小当りとすることに決定した場合には(ステップS62)、CPU56は、小当りであることを示す小当りフラグをセットし(ステップS63)、ステップS75に移行する。
なお、ランダムRの値が大当り判定値および小当り判定値のいずれにも一致しない場合には(ステップS62のN)、すなわち、はずれである場合には、そのままステップS75に移行する。
ステップS71では、CPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、特別図柄ポインタが示す方の大当り種別判定テーブルを選択する(ステップS72)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、図9(C)に示す第1特別図柄用の大当り種別判定用テーブル131aを選択する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、図9(D)に示す第2特別図柄用の大当り種別判定用テーブル131bを選択する。
次いで、CPU56は、選択した大当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した種別(「通常大当り」、「確変大当り」または「突然確変大当り」)を大当りの種別に決定する(ステップS73)。なお、この場合、CPU56は、始動口スイッチ通過処理のステップS215やS225で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り種別判定用乱数を読み出し、大当り種別の決定を行う。また、この場合に、図9(C),(D)に示すように、第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、第1特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、確変大当りが選択される割合が高い。また、この実施の形態では、図9(C),(D)に示すように、第1の特別図柄の変動表示が実行される場合にのみ、突然確変大当りが選択される場合がある。なお、例えば、第2の特別図柄の変動表示が実行される場合においても、突然確変大当りが選択されるようにしてもよく、第1の特別図柄の変動表示が実行される場合と第2の特別図柄の変動表示が実行される場合とで、各大当り種別の選択割合を同じにしてもよい。
また、CPU56は、決定した大当りの種別を示すデータをRAM55における大当り種別バッファに設定する(ステップS74)。例えば、大当り種別が「通常大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「01」が設定され、大当り種別が「確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「02」が設定され、大当り種別が「突然確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「03」が設定される。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を決定する(ステップS75)。具体的には、大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「1」、「3」、「7」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。すなわち、大当り種別を「突然確変大当り」に決定した場合には「1」を特別図柄の停止図柄に決定し、「通常大当り」に決定した場合には「3」を特別図柄の停止図柄に決定し、「確変大当り」に決定した場合には「7」を特別図柄の停止図柄に決定する。また、小当りフラグがセットされている場合には、小当り図柄となる「5」を特別図柄の停止図柄に決定する。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS76)。
図17は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、最初に、先擬似報知演出を実行するか否かを決定する(ステップS90)。ここで、先擬似報知演出とは、擬似連の変動が開始される前に、擬似連の変動が開始されることを遊技者に報知する演出である。例えば、擬似連が開始される前に背景画像を変化させて擬似連の変動が開始されることを報知する。なお、ステップS90で先擬似報知演出を実行すると決定した場合は、先擬似報知を実行する変動パターンを選択する。
次に、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS91)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、大当り用変動パターン判定テーブルを選択する(ステップS92)。そして、ステップS102に移行する。
大当りフラグがセットされていない場合には、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS93)。小当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、小当り用変動パターン判定テーブルを選択する(ステップS94)。そして、ステップS102に移行する。
小当りフラグもセットされていない場合には、CPU56は、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS95)。なお、時短フラグは、遊技状態を時短状態に移行するとき(確変状態に移行するときを含む)にセットされ、時短状態を終了するときにリセットされる。具体的には、通常大当り、確変大当りまたは突然確変大当りとすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされ、時短回数を消化したタイミングや、大当りと決定されたときに特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。時短フラグがセットされていれば(ステップS95のY)、CPU56は、ステップS98に移行する。
時短フラグがセットされていなければ(ステップS95のN)、CPU56は、合算保留記憶数が3以上であるか否かを確認する(ステップS96)。合算保留記憶数が3未満であれば(ステップS96のN)、CPU56は、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン判定テーブル(非短縮用)を選択する(ステップS97)。そして、ステップS102に移行する。
時短フラグがセットされている場合(ステップS95のY)または合算保留記憶数が3以上である場合(ステップS96のY)には、CPU56は、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル(短縮用)を選択する(ステップS98)。そして、ステップS102に移行する。
この実施の形態では、ステップS95〜S98の処理が実行されることによって、遊技状態が時短状態である場合(確変状態である場合を含む)または合算保留記憶数が3以上である場合には、はずれ用変動パターン種別判定テーブル(短縮用)が選択される。従って、この実施の形態では、遊技状態が時短状態である場合(確変状態である場合を含む)または合算保留記憶数が3以上である場合には、短縮変動の変動表示が行われる場合がある。
なお、この実施の形態では、遊技状態が時短状態である場合であっても、合算保留記憶数がほぼ0である場合(例えば、0であるか、0または1である場合)には、短縮変動の変動表示を行わないようにしてもよい。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム3(変動パターン判定用乱数)を読み出し、ステップS92、S94、S97またはS98の処理で選択したテーブルを参照することによって、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS105)。
次いで、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS106)。
また、特別図柄の変動を開始する(ステップS107)。例えば、ステップS33の特別図柄表示制御処理で参照される特別図柄に対応した開始フラグをセットする。また、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(ステップS108)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS109)。
また、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定する場合にも、合算保留記憶数(第1保留記憶数や第2保留記憶数でもよい)に応じて、リーチの選択割合が異なるリーチ判定テーブルを選択して、保留記憶数が多くなるに従ってリーチ確率が低くなるようにリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。この場合、CPU56は、例えば、始動口スイッチ通過処理における始動入賞時の判定において、リーチの選択割合が低い方のリーチ判定テーブルを用いてリーチとなるか否かをあらかじめ判定するようにしてもよい。なお、予告演出の実行割合が低下してしまうことを考慮すると、この実施の形態で示したように、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理を行うことなく、変動パターン種別によってスーパーリーチとなるか否かを事前判定して予告演出を行うように構成することが好ましい。
なお、変動パターン設定処理が実行された後、大当り判定の判定結果、小当り判定の判定結果、大当り種別の決定結果に応じた表示結果指定コマンドを送信するための表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)が実行される。なお、表示結果指定コマンド送信処理において、合算保留記憶数減算指定コマンドを送信する処理が実行される。そして、変動パターン設定処理で決定された変動パターンで特定可能な変動時間において特別図柄を変動させるための特別図柄変動中処理(ステップS303)が実行される。そして、特別図柄を停止させるための特別図柄停止処理(ステップS304)が実行される。なお、特別図柄停止処理では、大当り遊技の終了後からカウントしている時短回数が時短状態が継続可能な所定回数(例えば100回)に達したときに時短フラグをリセットして時短状態を終了させる(通常状態に移行させる)処理なども実行される。その後、停止図柄がはずれ図柄であったときは特別図柄通常処理に移行され、停止図柄が大当り図柄であったときは大入賞口開放前処理に移行され、停止図柄が小当り図柄であったときは小当り開放前処理に移行される。
なお、この実施の形態では、第2確変大当りになったときは、大当り遊技中に昇格演出が実行され、大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行される。
図18は、疑似連中のステップアップ予告の実行タイミングを示す説明図である。図18に示すように、再変動を2回行う場合(リーチ成立)の擬似連の変動態様では、図5において説明したように、左中右の演出図柄(および特別図柄)の変動(丸数字の1の変動)が開始されてから所定時間が経過すると、左中右の演出図柄が順次仮停止する。変動が開始されてから仮停止するまでの間にステップアップ予告(図18に示す例では、ステップ1のみが実行されるステップアップ予告:図26参照)が実行される。そして、所定の仮停止時間が経過すると、左中右の演出図柄の1回目の再変動(丸数字2の再変動)が開始される。1回目の再変動の実行中にステップアップ予告(図18に示す例では、ステップ1からステップ2に発展するステップアップ予告:図26参照)が実行される。再変動が開始されてから所定時間が経過すると、左中右の演出図柄が再び順次仮停止する。そして、所定の仮停止時間が経過すると、左中右の演出図柄の2回目の再変動(丸数字3の再変動)が開始される。再変動が開始されてから所定時間が経過すると、図8に示す例(リーチ成立)では左右の演出図柄(リーチ図柄)が停止してリーチが発生(成立)する。そして、リーチ状態において中の演出図柄が例えば低速で変動する。このとき、スーパーリーチA〜Cのいずれかに発展した場合は、遊技者を煽るために、例えばキャラクタが登場したり、背景が変化したりするような演出が実行される。そして、変動時間が経過すると、中の演出図柄が停止して停止図柄(リーチはずれ図柄または大当り図柄)が確定し、変動が終了する。このように、この実施の形態では、擬似連変動の場合、変動が開始されてから最初に仮停止するまでの期間および各再変動中においてステップアップ予告を実行する。
この実施の形態において、ステップアップ予告演出とは、予め定められた順番に従って1段階から複数段階まで演出の態様を段階的に変化させる予告演出のことをいう。この実施の形態では、特定表示結果(大当り)とする場合は特定表示結果としない場合よりもステップアップ予告演出において多い段階まで演出の態様を段階的に変化させる予告演出を実行する割合が高くなる。すなわち、ステップアップ予告のステップ数が最大4ステップまである場合、1段階のステップで終了するよりも2段階のステップまで発展したステップアップ予告の方が大当りの可能性が高いことを予告し、2段階のステップで終了するよりも3段階のステップまで発展したステップアップ予告の方が大当りの可能性が高いことを予告し、3段階のステップで終了するよりも4段階のステップまで発展したステップアップ予告の方が大当りの可能性が高いことを予告する。ステップアップ予告演出の具体例は、図26および図27を用いて詳細に説明する。
なお、ステップアップ予告演出は、1つのキャラクタの形状や色が変化するようなものでもよく、遊技者からみて予告する手段(表示、音、ランプ、可動物等)の状態が段階的に変化したと認識可能なものであれば「ステップアップ予告」と言える。例えば、段階的にキャラクタの数が増える、段階的に動くキャラクタの数が増える、キャラクタの動く回数や頻度などが段階的に増える、キャラクタの大きさが段階的に大きくなる、などの態様であってもよい。また、キャラクタを可動部材に置き換えた場合も同様である。すなわち、可動部材が複数設けられている場合に段階的に動く可動部材の数が増える、可動部材の動く回数や頻度などが段階的に増える、などの態様であってもよい。
図19および図20は、疑似連中の各再変動におけるステップアップ予告の態様を示す説明図である。図19および図20に示すように、擬似連の変動開始から仮停止までの期間および各再変動中におけるステップアップ予告の態様(予告パターン)として、再変動の回数が増える毎に再変動中に実行されるステップアップ予告のステップ数が増える関係(規則性のある関係)である通常予告パターンと、再変動の回数と再変動中に実行されるステップアップ予告のステップ数とが無関係(規則性のない関係)である特定予告パターンとを設けている。例えば、「通常予告パターン」としては、変動開始から仮停止までの期間にステップ1のみを実行するステップアップ予告を実行し、1回目の再変動中にステップ1およびステップ2を実行するステップアップ予告を実行するような予告パターンである。また、例えば、「特定予告パターン」としては、変動開始から仮停止までの期間にステップ1およびステップ2を実行するステップアップ予告を実行し、1回目の再変動中にステップ1のみを実行するステップアップ予告を実行するような予告パターンである。
図19(A)には、判定結果コマンドで特定される可変表示結果が「はずれ」であり、変動パターンコマンドで特定される変動パターンが非リーチ時の擬似連1回〜2回の変動パターン♯6〜♯9である場合の予告パターンを示している。ここで、「ステップ1」とは、ステップ1のみを実行するステップアップ予告を示し、「ステップ1,2」とは、ステップ1およびステップ2を実行するステップアップ予告(ステップ1を実行した後にステップ2を実行するステップアップ予告)を示している。また、丸数字は、擬似連中の変動開始から仮停止を丸数字1とし、再変動1回目から4回目を丸数字2から丸数字5としています。例えば、図19(A)の再変動2回の予告パターンでは、変動開始から最初の仮停止までにステップ1のみのステップアップ予告を実行し、1回目の再変動でステップ1およびステップ2を実行するステップアップ予告を実行し、2回目の再変動でステップ1〜ステップ3を実行するステップアップ予告を実行する。
図19(B)には、判定結果コマンドで特定される可変表示結果が「はずれまたは大当り」であり、変動パターンコマンドで特定される変動パターンがノーマルリーチ時の擬似連1回〜2回の変動パターン♯12〜♯17,♯76〜♯81である場合の予告パターンを示している。また、図20(C)には、判定結果コマンドで特定される可変表示結果が「はずれまたは大当り」であり、変動パターンコマンドで特定される変動パターンがスーパーリーチ時の擬似連3回〜4回の変動パターン♯22〜♯35,♯40〜♯53,♯58〜♯71,♯86〜♯99,♯104〜♯117,♯122〜♯135である場合の予告パターンを示している。なお、図1で説明したように、最後に実行される再変動(再変動が2回実行される場合は2回目の再変動)が行われた後にリーチ(ノーマルリーチまたはスーパーリーチ)が発生してリーチ演出が実行されるので、最後に実行される再変動に「リーチ」と記載している。
この実施の形態では、各再変動中のステップアップ予告の予告パターンが特定予告パターンである場合は、擬似連が継続することが確定するように構成している。例えば、変動開始から仮停止までステップ1およびステップ2を実行するステップアップ予告が実行された場合(再変動の回数とステップ数とが対応していない場合)は、その後の擬似連の継続(つまり再変動の実行)が確定する。この実施の形態では、再変動の回数が多くなるほど大当りの信頼度が高くなるように構成されているので、遊技者は特定予告パターンとなった時点(再変動の回数とステップ数とが対応していないと認識した時点)で擬似連の継続を認識し、大当りの期待感を持つことになる。
次に、演出制御手段の動作を説明する。まず、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理について説明する。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理)。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行う。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。
次いで、大当り図柄決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する。また、合算保留記憶表示部18cの表示状態の制御を行う保留記憶表示制御処理を実行する。その後、タイマ割込の発生に応じてタイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする処理に移行する。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図10参照)であるのか解析する。
図21は、メイン処理における演出制御プロセス処理を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S807のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄(飾り図柄)の可変表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄(飾り図柄)の可変表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄(飾り図柄)の可変表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を予告演出設定処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
予告演出設定処理(ステップS801):予告演出を実行するか否かと、予告演出を実行する場合に予告演出の態様を決定する、そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS802)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(ステップS802):演出図柄(飾り図柄)の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(ステップS803):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS804)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(ステップS804):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことにもとづいて、演出図柄(飾り図柄)の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS805)または変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(ステップS805):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(ステップS806)に対応した値に更新する。
大当り遊技中処理(ステップS806):大当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、演出表示装置9におけるラウンド数の表示制御等を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(ステップS807)に対応した値に更新する。
大当り終了処理(ステップS807):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
図22は、予告演出設定処理を示すフローチャートである。なお、この実施の形態では、予告演出として、「通常の予告演出」と、「先読み予告演出」と、「擬似連予告演出」とを実行可能に構成している。ここで、「先読み予告」とは、始動入賞にもとづく変動表示を実行する前に(遊技領域に設けられた始動入賞口13,14に遊技球が始動入賞したタイミングで)、あらかじめ各乱数値を先読みし、その始動入賞に対応した変動表示が実行されるときに大当りとなるか否かやリーチとなるか否かを判定し、その判定結果にもとづいて、その始動入賞に対応した変動表示よりも以前に実行される1回または複数回の変動表示中において、大当りの可能性があること(この実施の形態ではスーパーリーチに発展すること)を予告する予告演出のことをいう。また、「擬似連予告」とは、擬似連の変動パターンにもとづいて1回の変動中に実行される複数回(1回〜4回)の再変動(再可変表示)中において、大当りの可能性があることを予告する予告演出のことをいう。また、「通常の予告演出」とは、先読み予告演出や擬似連予告演出とは異なり、擬似連の変動パターン以外の変動パターンにもとづいて実行される今回の変動表示中において、大当りの可能性があることやリーチとなること(リーチとなる可能性があること)を予告する予告演出のことをいう。
なお、通常の予告演出では、例えば、演出表示装置9の画面上にキャラクタを登場させたり、ランプ・LEDを特定パターンで点灯させたり、特定の効果音をスピーカ27から出力することによって、当該変動中に大当りとなること(大当りになる可能性があること)やリーチとなること(リーチとなる可能性があること)を予告する。
予告演出設定処理において、演出制御用CPU101は、まず、入賞時判定結果指定コマンドを受信したかどうかを確認する(ステップS901)。入賞時判定結果指定コマンドを受信していなければ、そのまま処理を終了する。入賞時判定結果指定コマンドを受信していれば、演出制御用CPU101は、保留記憶数カウンタの値にもとづいて保留記憶数(合算保留記憶数)を確認する(ステップS902)。なお、演出制御用CPU101は、コマンド解析処理において、合算保留記憶数指定コマンドを受信した場合に保留記憶数カウンタの値を合算保留記憶数指定コマンドで指定された値とし、合算保留記憶数減算指定コマンドを受信した場合に保留記憶数カウンタの値を1減算する。
次に、演出制御用CPU101は、入賞時判定結果指定コマンドで指定された大当り種別等(はずれ、通常大当り、確変大当り)とステップS902で確認した保留記憶数に応じた先読み予告選択テーブルを選択する(ステップS903)。具体的には、大当り種別等(はずれ、通常大当り、確変大当り)と保留記憶数が1,2,3,4以上のそれぞれに対応した先読み予告選択テーブルが用意されている。すなわち、はずれ用の保留記憶数1のときの先読み予告選択テーブル、はずれ用の保留記憶数2のときの先読み予告選択テーブル、はずれ用の保留記憶数3のときの先読み予告選択テーブル、はずれ用の保留記憶数4のときの先読み予告選択テーブル、通常大当り用の保留記憶数1のときの先読み予告選択テーブル、通常大当り用の保留記憶数2のときの先読み予告選択テーブル、通常大当り用の保留記憶数3のときの先読み予告選択テーブル、通常大当り用の保留記憶数4のときの先読み予告選択テーブル、確変大当り用の保留記憶数1のときの先読み予告選択テーブル、確変大当り用の保留記憶数2のときの先読み予告選択テーブル、確変大当り用の保留記憶数3のときの先読み予告選択テーブル、確変大当り用の保留記憶数4のときの先読み予告選択テーブルが用意されている。
また、各々の先読み予告選択テーブルには、1回〜4回の変動中に実行される先読み予告演出の複数種類の演出態様と先読み予告を実行しないとする「先読み予告なし」とが設定され、それぞれの演出態様と「先読み予告なし」に所定数の判定値が割り振られている。例えば、はずれでかつ保留記憶数が1に対応した先読み予告選択テーブル(はずれ用の保留記憶数1のときの先読み予告選択テーブル)には、1回の変動中に実行される先読み予告演出の演出態様が複数設定されるとともに「先読み予告なし」が設定され、それぞれの演出態様と「先読み予告なし」に所定数の判定値が割り振られている。また、はずれでかつ保留記憶数が2に対応した先読み予告選択テーブル(はずれ用の保留記憶数2のときの先読み予告選択テーブル)には、2回の変動に亘って実行される先読み予告演出の演出態様が複数設定されるとともに「先読み予告なし」が設定され、それぞれの演出態様と「先読み予告なし」に所定数の判定値が割り振られている。なお、保留記憶数が0のときは、先読み予告演出を実行することができないため、先読み予告演出を実行しないと決定することになる。
はずれ用の先読み予告選択テーブルと通常大当り用の先読み予告選択テーブルと確変大当り用の先読み予告選択テーブルでは、先読み予告演出を実行すると決定される割合(「先読み予告なし」を選択する割合)が異なるように、「先読み予告なし」に対して割り振られる判定値の数が異なっている。ここで、はずれのときが最も先読み予告が実行される割合が低くなるように設定され、通常大当りのときがはずれのときよりも先読み予告が実行される割合が高くなるように設定され、確変大当りのときが最も先読み予告が実行される割合が高くなるように設定されている。従って、先読み予告が実行されることにより、遊技者は確変大当りの発生を期待することになる。
そして、演出制御用CPU101は、予告演出決定用乱数を抽出し、抽出した乱数値とステップS903で選択した先読み予告選択テーブルに設定された判定値とを比較することにより先読み予告演出の内容(実行回数(繰り返し回数、変動回数)、演出態様)を決定する(ステップS904)。
先読み予告の実行割合は、大当り種別に応じて異なる割合であればよいが、この実施の形態では、遊技者に付与する遊技価値の高い大当りが発生する場合に高い割合とされている。上記の例では、確変大当りが通常大当りよりも高い実行割合とされている。また、突然確変大当りのときは、先読み予告が実行されないので、先読み予告が実行された場合には、15ラウンドの大当り(通常大当り、確変大当り)を遊技者は期待することになる。なお、大当り種別として、大当り遊技の終了後の時短回数の異なる大当りが設けられている場合には(例えば、時短回数が50回と100回)、時短回数の多い大当りが発生する場合に先読み予告の実行割合を高くする。また、ラウンド数の異なる大当りが設けられている場合には(例えば7ラウンドと15ラウンド)、ラウンド数の多い大当りが発生する場合に先読み予告の実行割合を高くする。また、ラウンド数は同じであってもラウンド中の開放時間が異なる大当りが設けられている場合には(例えば15ラウンド全ての開放時間が30秒と、7ラウンドまでは開放時間が30秒で8ラウンド以降は開放時間が0.5秒)、開放時間の長い大当りが発生する場合に先読み予告の実行割合を高くする。このように、遊技者に付与する遊技価値の高い大当りが発生する場合に先読み予告を高い割合で実行するように構成されているので、遊技者は、先読み予告に対し一層高い期待を持たせることができる。
また、この実施の形態では、第1確変大当りの場合よりも第2確変大当りの場合の方が先読み予告の実行割合が高くなるように構成するのが好ましい。仮に、第1確変大当りの場合の方が第2確変大当りよりも先読み予告の実行割合が高くなるように構成すると、先読み予告が実行された場合に確変図柄でリーチとならなかったときは、大当りの可能性が低いと遊技者は認識してがっかりすることになるが、第1確変大当りの場合よりも第2確変大当りの場合の方が先読み予告の実行割合が高くなるように構成した場合には、先読み予告が実行された場合に確変図柄でリーチとならなかった場合でも、大当りが発生し、さらに大当り中に昇格演出が実行されて確変大当りに昇格するとの期待を持たせることができる。
次に、演出制御用CPU101は、擬似連の変動パターンコマンドを受信したかどうかを確認する(ステップS905)。擬似連の変動パターンコマンドを受信していなければ、非擬似連用(通常の予告演出用)の予告選択テーブルを選択する(ステップS906)。そして、予告演出決定用乱数を抽出し、抽出した乱数値とステップS906で選択した非擬似連用の予告選択テーブルに設定された判定値とを比較することにより通常の予告演出の内容(演出態様)を決定する(ステップS907)。
一方、演出制御用CPU101は、擬似連の変動パターンコマンドを受信したことを確認した場合は、当該変動パターンコマンドにもとづいて擬似連回数を確認し、可変表示態様(非リーチかノーマルリーチかスーパーリーチか)を確認し、確認した擬似連回数およびリーチ態様に応じた擬似連予告選択テーブルを選択する(ステップS908)。具体的には、擬似連回数が1〜4および可変表示態様(非リーチ、ノーマルリーチ、スーパーリーチ)のそれぞれに対応した擬似連予告選択テーブルが用意されている。例えば、非リーチの場合の擬似連回数が1に対応した擬似連予告選択テーブル(図19(A)参照)には、1回の再変動において実行される擬似連予告演出(ステップアップ予告演出)の演出態様が設定され、その演出態様に所定数の判定値が割り振られている。非リーチの場合の擬似連回数が2に対応した擬似連予告選択テーブル(図19(A)参照)には、2回の再変動に亘って実行される擬似連予告演出の演出態様が複数設定され、それぞれの演出態様に所定数の判定値が割り振られている。ノーマルリーチの場合の擬似連回数が2〜4に対応した擬似連予告選択テーブル(図19(B)参照)や、スーパーリーチの場合の擬似連回数が3〜4に対応した擬似連予告選択テーブル(図20(C)参照)についても同様である。
そして、演出制御用CPU101は、予告演出決定用乱数を抽出し、抽出した乱数値とステップS908で選択した擬似連予告選択テーブルに設定された判定値とを比較することにより擬似連予告演出の内容(実行回数(繰り返し回数、擬似連回数)、演出態様(予告パターン))を決定する(ステップS909)。
その後、演出制御用CPU101は、演出図柄プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS802)に対応した値にする(ステップS910)。なお、ステップアップ予告演出は、再可変表示パターン(擬似連の変動パターン)以外の変動パターンにて実行された場合、ステップ数の少ない予告演出(第1予告演出)よりもステップ数の多い予告演出(第2予告演出)が実行された場合の方が大当りの可能性が高いことを予告する。
図23は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、まず、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを読み出す(ステップS820)。なお、コマンド解析処理において、変動パターンコマンドの受信に応じて変動パターンコマンド格納領域に変動パターンコマンドが格納される。次いで、表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて演出図柄(飾り図柄)の表示結果(停止図柄)を決定する(ステップS821)。なお、コマンド解析処理において、表示結果指定コマンドの受信に応じて表示結果指定コマンド格納領域に表示結果指定コマンドが格納される。
また、演出制御用CPU101は、ステップS820で読み出した変動パターンコマンドで指定されている変動パターンが擬似連の変動パターンである場合は、複数回の再変動後に仮停止される仮停止図柄として特殊表示結果(チャンス目)を決定する(ステップS822)。この実施の形態では、チャンス目として、例えば「334」「445」「556」「667」等の出目としている。
なお、演出制御用CPU101は、ステップS821,S822で決定した演出図柄の停止図柄および仮停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納する。
次いで、演出制御用CPU101は、変動パターンに応じたプロセステーブルを選択する(ステップS823)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS824)。
ここで、プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、役物制御実行データおよび音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄(飾り図柄)の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。役物制御実行データには、役物90の回転・点灯の態様を示すデータ等が記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御を行い、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ役物制御実行データに設定されている態様で役物90を回転・点灯させる制御を行う。
プロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。
なお、リーチ演出を伴う変動パターンについて演出制御を実行する場合に用いられるプロセステーブルには、変動開始から所定時間が経過したときに左図柄を停止表示させ、さらに所定時間が経過すると右図柄を停止表示させることを示すプロセスデータが設定されている。なお、停止表示させる図柄をプロセステーブルに設定するのではなく、決定された停止図柄、擬似連や滑り演出における仮停止図柄に応じて、図柄を表示するための画像を合成して生成するようにしてもよい。
なお、擬似連中の演出図柄の仮停止パターンもプロセステーブルに設定されている制御データに従って実行される。
また、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27R,27L)の制御を実行する(ステップS825)。例えば、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27R,27Lからの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに1対1に対応する変動パターンによる演出図柄の可変表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
そして、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定し(ステップS826)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS803)に対応した値にする(ステップS827)。
図24は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(ステップS803)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、ステップS814,S816,S817にて予告演出を実行すると決定されている場合には、決定されている所定の予告演出を所定のタイミングで実行する(ステップS840)。
次に、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算するとともに(ステップS841)、変動時間タイマの値を1減算する(ステップS842)。プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS843)、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(ステップS844)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置に対する制御状態を変更する(ステップS845)。
次いで、演出制御用CPU101は、変動時間タイマがタイムアウトしていれば(ステップS846)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS804)に応じた値に更新する(ステップS848)。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされていたら(ステップS847)、ステップS848に移行する。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても図柄確定指定コマンドを受信したら変動を停止させる制御に移行するので、例えば、基板間でのノイズ等に起因して長い変動時間を示す変動パターンコマンドを受信したような場合でも、正規の変動時間経過時(特別図柄の変動終了時)に、演出図柄の変動を終了させることができる。
演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理の終了後、演出図柄変動停止処理(ステップS804)が実行され、演出図柄の停止図柄が大当り図柄または小当り図柄であれば大当り表示処理に移行され、演出図柄の停止図柄がはずれ図柄であれば変動パターンコマンド受信待ち処理に移行される。
次に、擬似連の変動における仮停止パターンの具体例について説明する。図25は、通常仮停止パターンと特定仮停止パターンの表示例を示す説明図である。図25(1)〜(4)に示す表示例が通常仮停止パターンを説明するための表示例であり、図25(11)〜(16)に示す表示例が特定仮停止パターンを説明するための表示例である。
通常仮停止パターンの場合は、図25(1)に示すように演出表示装置9にて擬似連の変動が実行されている(左中右の演出図柄が変動している)状態において、所定時間が経過すると最初に左の演出図柄が「1」で仮停止し(図25(2))、次に右の演出図柄が「2」で仮停止し(図25(3))、最後に中の演出図柄が「1」で仮停止する(図25(4))。このように、通常仮停止パターンでは、左中右の演出図柄の変動が開始されてから所定時間が経過すると、左中右の演出図柄が順次仮停止する。なお、仮停止図柄「112」はチャンス目である。その後、演出図柄の再変動が実行され、擬似連(再変動)が継続して実行されるか、または、そのまま変動が終了する。
特定仮停止パターンの場合は、図25(11)に示すように演出表示装置9にて擬似連の変動が実行されている(左中右の演出図柄が変動している)状態において、所定時間が経過すると最初に左の演出図柄が「1」で仮停止し(図25(12))、次に右の演出図柄が低速変動となった後(図25(13))、右の演出図柄「1」が図柄停止位置に来て仮停止しそうになるが(図25(14))、図柄停止位置で回転する(図25(15))。その後、回転が止まることにより右の演出図柄が「2」で仮停止し、そして、中の演出図柄が「1」で仮停止する(図25(16))。このように、特定仮停止パターンでは、チャンス目を仮停止させるときに、リーチ状態が成立可能な演出図柄(図25の例では右の演出図柄)に対して特定可変表示演出を実行した後にチャンス目を構成する左中右の演出図柄を仮停止させる。図25に示す特定可変表示演出は、右の演出図柄を図柄停止位置(リーチ状態を成立させる図柄停止のライン上)で回転させる演出を行っているが、このような演出に限られず、滑り演出や戻り演出等であってもよい。その後、演出図柄の再変動が実行され、擬似連(再変動)が継続して実行されると、リーチが確定する。さらに、再変動が3回以上実行された場合は、スーパーリーチが確定する。
次に、ステップアップ予告における各予告演出の内容について説明する。図26は、ステップアップ予告の各ステップを示す説明図である。ステップアップ予告では、4つの予告演出(予告演出A、予告演出B、予告演出C、予告演出D)で構成されている。図26に示すように、ステップ1にて実行する予告演出Aとして、演出表示装置9の表示画面において人のキャラクタAが画面右から登場し、画面左へ去っていく演出が行われる。ステップ2にて実行する予告演出Bとして、演出表示装置9の表示画面において人のキャラクタBが画面右から登場し、画面左へ去っていく演出が行われる。ステップ3にて実行する予告演出Cとして、演出表示装置9の表示画面において人のキャラクタCが画面右から登場し、画面左へ去っていく演出が行われる。ステップ4にて実行する予告演出Dとして、演出表示装置9の表示画面においてキャラクタA,B,Cが同時に画面左から登場し、画面の中央で停止する演出が行われる。
次に、擬似連の変動における再変動中に実行するステップアップ予告の具体例について説明する。図27は、擬似連中のステップアップ予告における通常予告パターンと特定予告パターンを示す説明図である。なお、「通常予告パターン」は特許請求の範囲における「通常パターン」に相当し、「特定予告パターン」は特許請求の範囲における「特定パターン」に相当する。図27の左側に示す「通常予告パターン」では、変動開始から仮停止までに、演出表示装置9の表示画面において人のキャラクタA200が画面右から登場し、画面左へ去っていくステップ1の予告演出Aが行われる(図27(21))。そして、所定時間が経過すると左中右の演出図柄がチャンス目(「112」)で仮停止する(図27(22))。その後、1回目の再変動が開始され、1回目の再変動が実行されているときに、人のキャラクタA200が画面右から登場し、画面左へ去っていくステップ1の予告演出Aが行われる(図27(23))。続いて、演出表示装置9の表示画面において人のキャラクタB210が画面右から登場し、画面左へ去っていくステップ2の予告演出Bが行われる(図27(24))。そして、所定時間が経過すると左中右の演出図柄がはずれ出目(「394」)で停止し、擬似連の変動が終了する(図27(25))。
図27の右側に示す「特定予告パターン」では、変動開始から仮停止までに、演出表示装置9の表示画面において人のキャラクタA200が画面右から登場し、画面左へ去っていくステップ1の予告演出Aが行われる(図27(31))。続いて、演出表示装置9の表示画面において人のキャラクタB210が画面右から登場し、画面左へ去っていくステップ2の予告演出Bが行われる(図27(32))。所定時間が経過すると左中右の演出図柄がチャンス目(「112」)で仮停止する(図27(33))。その後、1回目の再変動が開始され、1回目の再変動が実行されているときに、演出表示装置9の表示画面において人のキャラクタA200が画面右から登場し、画面左へ去っていくステップ1の予告演出Aが行われるが(図27(34))、ステップ2の予告演出Bは行われずに(図27(35))、左中右の演出図柄がチャンス目(「223」)で仮停止する(図27(36))。この場合、変動開始から仮停止までの期間においてステップ2の予告演出Bが実行され、1回目の再変動においてステップ1の予告演出Bしか実行されていないことから(変動開始時に第2段階の予告演出Bまで実行されたにもかかわらず、1回目の再変動で第1段階の予告演出Aしか実行されていないことから)、遊技者は再変動の回数とステップ数とが対応しない(規則性のある関係でない)特定予告パターンが実行されたと認識し、擬似連の継続が確定したこと(2回目の再変動が実行されること)を認識する。その後、2回目の再変動が実行される。
図28は、予告演出の履歴の表示例を示す説明図である。上述したように、擬似連中の予告パターンが通常予告パターンであるか特定予告パターンであるかを認識するためには、遊技者は各再変動中に実行されるステップアップ予告のステップ数(段階数)を認識する必要がある。そこで、図28に示すように、例えば演出表示装置9の表示画面における上部の履歴表示領域900において、各再変動でステップアップ予告がどのステップ数まで実行されたかを示す予告演出の履歴を表示する。図28に示す例では、変動開始から仮停止までにステップ1の予告演出Aが実行され、1回目の再変動でステップ2の予告演出Bまで実行されたことを表している。このように、履歴表示領域900において各再変動でステップアップ予告がどのステップ数まで実行されたかを示す予告演出の履歴を表示することにより、遊技者は容易に通常予告パターンが実行されたか特定予告パターンが実行されたかを認識することができる。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、擬似連の変動中の仮停止パターンとして通常仮停止パターンと特定仮停止パターンを設け、特定仮停止パターンで仮停止した後に擬似連(再変動)が継続して実行された場合はリーチが確定するように構成しているので、擬似連の変動パターンにおける再変動の実行回数だけでなく、再変動が特定仮停止パターンで仮停止するか否かについても遊技者に注目させることにより、再変動の実行回数による特定遊技状態の期待と、特定仮停止パターンによるリーチ態様が成立するか否かの期待とを2段階で煽ることができ、遊技者にとって認識し易い演出で期待を高めて遊技の興趣を向上させることができる。
また、この実施の形態では、再変動を所定実行回数(3回)以上実行しかつ再変動が特定仮停止パターンで仮停止する場合はスーパーリーチが確定するように構成しているので、所定実行回数以上の再変動が実行されるか否かと特定仮停止パターンが実行されるか否かについても遊技者に注目させることができ、より一層、期待感を向上させることができる。
また、この実施の形態では、擬似連の変動中の予告パターンとして通常予告パターンと特定予告パターンとを設け、特定予告パターンで再変動中のステップアップ予告が実行された場合に、擬似連の継続が確定するように構成しているので、擬似連の変動中において各再変動中にどのステップ数まで予告演出が実行されるかについて注目させて遊技者の大当りに対する期待を煽り、遊技の興趣を向上させることができる。
また、再変動中に実行する予告演出がステップアップ予告演出であり、通常予告パターンは再変動の回数が増えるほどステップ数が増える関係(規則性のある関係)の予告パターンとし、特定予告パターンは再変動の回数とステップ数とが規則性のない関係の予告パターンとしているので、ステップ数によって予告演出における大当りの期待度の違いが認識し易くなるとともに、通常予告パターンが実行されたか特定予告パターンが実行されたかについても認識し易くなり、より一層、遊技者の大当りに対する期待を煽ることができる。
また、擬似連の各再変動中に実行されたステップアップ予告のステップ数(予告演出の種類)を特定可能に表示する(予告演出の履歴を表示する)ように構成しているので、各再変動においてどのステップ数の予告演出まで実行されたかについて遊技者が認識し易くなり、特定予告パターンでステップアップ予告が実行されるかどうかについてより一層注目させることができる。
上述した実施の形態では、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて変動パターンを決定するだけであったが、実際の遊技機では、図4に示した変動パターンの数よりも多くの変動パターンが用意されており、また、擬似連の変動パターンや滑り演出を行う演出パターンといった特殊な演出を行う変動パターンも用意されている。従って、開発時において変動パターンの振り分けを最適な振り分けに設定するのが困難であるなどの課題があった。そこで、上記の実施の形態の変形例として、変動パターン判定用乱数(ランダム3)のほかに変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を設け、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する(すなわち、2段階の抽選処理によって変動パターンを決定する)ように構成するのが好ましい。このような構成によれば、開発時において可変表示パターンの振分を容易に設定することができ、開発工数の削減を図れる。また、プログラム容量の増加を招くことなく、例えばリーチ状態とならない場合においても多様な演出(擬似連の演出や滑り演出)を実行して遊技の興趣を向上させることができる。
なお、変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴に従ってグループ化したものである。例えば、複数の変動パターンをリーチの種類でグループ化して、ノーマルリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチAを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチBを伴う変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを擬似連の再変動の回数でグループ化して、擬似連を伴わない変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動1回の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動2回の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動3回の変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを擬似連や滑り演出などの特定演出の有無でグループ化してもよい。
上記のような変形例の構成では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、はずれ用変動パターン種別判定テーブルを用いて変動パターン種別を決定して変動パターンを決定する。この場合、はずれ用変動パターン種別判定テーブルは、スーパーリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別に対しては、保留記憶数にかかわらず、共通の判定値(例えば230〜251)が割り当てられている。また、はずれ用変動パターン種別判定テーブルは、スーパーリーチ以外の変動パターン(ノーマルリーチや非リーチ)を含む変動パターン種別に対しては、保留記憶数に応じて異なる判定値が割り当てられている。そのため、保留記憶数が多くなるに従って可変表示時間の短い変動パターンを含む変動パターン種別に対する判定値の割合が多くなるように割り当てを行うことによって、可変表示の作動率が低下してしまう事態を極力防止することができる。
図29は、はずれ用変動パターン種別判定テーブルにおける判定値の割り当て状態を示す説明図である。この実施の形態では、例えば、保留記憶数が3以上である場合には、第1のはずれ用変動パターン種別判定テーブル(図29の左側のテーブル)が用いられ、保留記憶数が0〜2(3以下)である場合には、第2のはずれ用変動パターン種別判定テーブル(図29の右側のテーブル)が用いられるものとする。図29に示すように、保留記憶数が3以上である場合には、保留記憶数が0〜2である場合に比較して、リーチ(ノーマルリーチ、スーパーリーチ)となる割合が少ない。また、保留記憶数が3以上である場合には、変動時間の短い非リーチはずれの変動パターンが高い割合で選択され得るので、保留記憶数が多くなるに従って平均的な変動時間を短くすることができる。これによって、可変表示の作動率が低下してしまう事態を極力防止することができる。すなわち、保留記憶数が多いとき(例えば保留記憶数が3や4のとき)は、変動時間の短い変動パターンを選択されやすくして無駄な始動入賞(保留記憶が4のときに発生する保留記憶されない始動入賞)が発生するのを防止するとともに、保留記憶数が少ないとき(例えば保留記憶数が0〜2のとき)は、変動時間の長い変動パターンを選択されやすくして変動が途切れないようにすることができる。また、保留記憶数が少ないときに変動時間を長くするためにスーパーリーチの変動パターンを選択されやすくすると、スーパーリーチの大当り信頼度が低下してしまい(スーパーリーチが頻繁に発生するにもかかわらず大当りにならない事態が生じてしまい)、遊技者のスーパーリーチに対する信頼度を著しく低下させてしまうおそれがあるため、図29に示す構成では、保留記憶数にかかわらず、スーパーリーチの変動パターンについては一定の割合で選択されるようにしている。
また、この実施の形態では、図29に示すように、保留記憶数にかかわらず、スーパーリーチ(スーパーリーチA、スーパーリーチB)を伴う変動パターン種別に対して、共通の判定値(230〜251)が割り当てられている。そのため、始動入賞時において、抽出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)の値さえ確認すれば、スーパーリーチとなるか否かをあらかじめ容易に判定することができる。従って、その始動入賞に対応した可変表示よりも以前に、スーパーリーチとなることを報知することができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
さらに、始動入賞時(始動口スイッチ通過処理)において保留記憶数が少なく(例えば保留記憶数が2であり)、保留記憶数が少ないときの第1のはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いてスーパーリーチの変動パターンを決定したにもかかわらず、変動開始時(変動パターン設定処理)において保留記憶数が多くなり(例えば保留記憶数が4となり)、保留記憶数が多いときの第2のはずれ変動パターン種別判定用テーブルを用いて非リーチはずれの変動パターンを決定するような場合も生じ得る。この場合、例えば始動入賞時に先読み判定(大当りとするか否か、リーチとするか否か等の判定)を実行し、先読み判定の結果として入賞時判定結果コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信し、演出制御用マイクロコンピュータ100が入賞時判定結果コマンドにもとづいて予告演出を実行するように構成したような場合には、始動入賞時の先読み判定にてスーパーリーチの変動パターンが決定され、その変動パターンを指定する入賞時判定結果コマンドにもとづいて予告演出を実行すると決定され、予告演出が実行されたにもかかわらず、リーチがかからずはずれになってしまい、遊技者の予告演出に対する信頼度を低下させてしまうおそれがある。しかし、図29に示す構成では、保留記憶数にかかわらず、スーパーリーチの変動パターンについては一定の割合で選択されるようにしているので、そのような事態が生じるのを確実に防止することができる。
なお、この実施の形態では、保留記憶数が0〜2であるか3以上であるかの2種類について、はずれ用変動パターン種別判定テーブルの判定値の振り分けを異ならせる場合を示したが、はずれ用変動パターン種別判定テーブルの判定値の振り分けの異ならせ方は、この実施の形態で示したものに限られない。例えば、保留記憶数に応じてさらに細かく段階的に振り分けを異ならせてもよい。この場合、例えば、保留記憶数が0,1用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルと、保留記憶数2個用、保留記憶数3個用および保留記憶数4個用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルとをあらかじめ用意しておき、リーチを伴う変動パターン種別や短縮変動の変動パターン種別の振り分けをさらに段階的に異ならせるようにしてもよい。また、このような例にかぎらず、あらかじめ用意しておくはずれ用変動パターン種別判定テーブルの組合せは、様々なものが考えられる。例えば、保留記憶数の値ごとに別々のはずれ変動パターン種別判定テーブルをそれぞれ備えてもよい(すなわち、保留記憶数0個用、保留記憶数1個用、保留記憶数2個用、保留記憶数3個用、保留記憶数4個用・・・のはずれ変動パターン種別判定テーブルをそれぞれ別々に用いるようにしてもよい)。また、例えば、保留記憶数0〜2用、保留記憶数3用、保留記憶数4用・・・のはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。
また、この実施の形態では、保留記憶数にかかわらず、スーパーリーチ(スーパーリーチA、スーパーリーチB)を伴う変動パターン種別に対して、全く共通の判定値(230〜251)が割り当てられている場合を示したが、一方のはずれ用変動パターン種別判定テーブルにおけるスーパーリーチに対する判定値が、他方のはずれ用変動パターン種別判定テーブルにおけるスーパーリーチに対する判定値を包含しているものであってもよい。図30は、はずれ用変動パターン種別判定テーブルにおける判定値の割り当て状態の他の例を示す説明図である。
図30に示す変形例では、保留記憶数3以上の場合には、スーパーリーチを伴う変動パターン種別に対して判定値230〜251が割り当てられているのに対して、保留記憶数0〜2の場合には、スーパーリーチを伴う変動パターン種別に対して判定値200〜251が割り当てられている。しかし、このような場合であっても、始動入賞時において、抽出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)の値が少なくとも230〜251の範囲であれば、スーパーリーチとなることをあらかじめ容易に判定することができる。従って、その始動入賞に対応した可変表示よりも以前に、スーパーリーチとなることを報知することができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
具体的には、図30に示すように、保留記憶数が3以上である場合における非リーチの変動パターン種別に割り当てられている判定値0〜199のうち、判定値100〜199の範囲については、保留記憶数が0〜2である場合における非リーチの変動パターン種別に割り当てられている判定値の範囲0〜99には含まれていない。これに対して、保留記憶数が3以上である場合におけるスーパーリーチを伴う変動パターン種別に割り当てられている判定値の範囲230〜251は、保留記憶数が0〜2である場合におけるスーパーリーチを伴う変動パターン種別に割り当てられている判定値の範囲200〜251にすべて含まれている。そのため、始動入賞時において、抽出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)の値が少なくとも230〜251の範囲であれば、スーパーリーチとなることをあらかじめ容易に判定することができる。
なお、図30に示す変形例では、保留記憶数0〜2の場合には、ノーマルリーチを伴う変動パターン種別に対して判定値100〜199が割り当てられ、保留記憶数3以上の場合には、ノーマルリーチを伴う変動パターン種別に対して判定値200〜229が割り当てられ、ノーマルリーチを伴う変動パターンに対して判定値が割り当てられている範囲が重複していないが、保留記憶数0〜2の場合と3以上の場合とで、ノーマルリーチを伴う変動パターン種別に対して割り当てられている判定値の範囲が重複するようにしてもよい。例えば、保留記憶数0〜2の場合には、ノーマルリーチを伴う変動パターン種別に対して判定値100〜199が割り当てられ、保留記憶数3以上の場合には、ノーマルリーチを伴う変動パターン種別に対して判定値180〜229が割り当てられるように構成してもよい。なお、このように構成した場合であっても、保留記憶数が3以上である場合におけるノーマルリーチを伴う変動パターン種別に割り当てられている判定値180〜229のうちの一部の判定値180〜199の範囲のみが、保留記憶数が0〜2である場合におけるノーマルリーチを伴う変動パターン種別に割り当てられている判定値の範囲100〜199に含まれていることになる。
また、この実施の形態では、スーパーリーチを伴う変動パターンを一括りの変動パターン種別としてはずれ用変動パターン種別判定テーブルを構成する場合を示したが、スーパーリーチの種類ごと(例えば、スーパーリーチAとスーパーリーチB)に変動パターン種別を分けてもよい。図31は、はずれ用変動パターン種別判定テーブルにおける判定値の割り当て状態のさらに他の例を示す説明図である。
図31に示す変形例では、保留記憶数にかかわらず、スーパーリーチAを伴う変動パターン種別に対して判定値230〜237が割り当てられているとともに、スーパーリーチBを伴う変動パターン種別に対して判定値237〜251が割り当てられている。しかし、このような場合であっても、始動入賞時において、抽出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)の値が230〜251の範囲であれば、スーパーリーチとなることをあらかじめ容易に判定することができる。従って、その始動入賞に対応した可変表示よりも以前に、スーパーリーチとなることを報知することができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、はずれ用変動パターン種別判定テーブルを図31に示すように構成する場合であっても、スーパーリーチAとスーパーリーチBとの判定値の振り分けはテーブルごとに異なるようにしてもよく、図30に示した変形例と同様に、例えば、一方のはずれ用変動パターン種別判定テーブルにおけるスーパーリーチA,Bに対する判定値が、他方のはずれ用変動パターン種別判定テーブルにおけるスーパーリーチA,Bに対する判定値を包含しているものであってもよい。また、テーブル間でスーパーリーチAとスーパーリーチBに対する判定値の振り分けが一部重複するように構成してもよい。このことは、この実施の形態およびこの実施の形態で示す各変形例のいずれにおいても、同様に当てはめて考えることができる。
また、この実施の形態によれば、スーパーリーチを伴う変動パターン以外の変動パターンとして、擬似連を伴う変動パターンを含む。そのため、スーパーリーチとなることを報知する演出が実行されない場合であっても、擬似連を伴う可変表示が行われることによって、大当り遊技状態となることに対する期待感を高めることができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、この実施の形態によれば、スーパーリーチを伴う変動パターン以外の変動パターンとして擬似連を伴う変動パターンを決定するときには、保留記憶数が少ない場合には、保留記憶数が多い場合と比較して、擬似連の再変動の実行回数が多い変動パターンを決定する。そのため、保留記憶数が多いとき(保留記憶が溜まっているとき)に再変動の実行回数が多い擬似連を伴う可変表示が頻繁に行われる事態を防止することができ、可変表示の作動率が低下してしまう事態をより防止することができる。
図32は、スーパーリーチを伴う変動パターン以外の変動パターンとして、擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別にも着目して見た場合のはずれ用変動パターン種別判定テーブルにおける判定値の割り当て状態を示す説明図である。この実施の形態では、例えば、保留記憶数が3以上である場合には、スーパーリーチを伴う変動パターン以外の変動パターンを含む変動パターン種別として、はずれ用変動パターン種別(短縮用)が選択された場合、図32に示すように、再変動回数2回の擬似連を伴う変動パターンが選択される。一方、保留記憶数が0〜2である場合には、スーパーリーチを伴う変動パターン以外の変動パターンを含む変動パターン種別として、はずれ用変動パターン種別(非短縮用)が選択された場合、図32に示すように、再変動回数3回の擬似連を伴う変動パターンが選択される。
図32に示すように、スーパーリーチとなることを報知する演出が実行されない場合であっても、擬似連を伴う可変表示が行われる場合があるので、大当り遊技状態となることに対する期待感を高めることができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。また、図32に示すように、擬似連を伴う可変表示が行われる場合には、保留記憶数が0〜2と少ないときには、再変動3回の擬似連を伴う可変表示が実行され、保留記憶数が3以上と多い場合には、再変動回数が2回と少ない擬似連を伴う可変表示が実行される。そのようにすることによって、保留記憶数が多いとき(保留記憶が溜まっているとき)に再変動の実行回数が多い擬似連を伴う可変表示が頻繁に行われる事態を防止することができ、可変表示の作動率が低下してしまう事態をより防止することができる。
また、この実施の形態によれば、スーパーリーチを伴う変動パターンとして擬似連を伴う変動パターンを決定する場合には、再変動の実行回数が所定回数以上(この実施の形態では4回)である擬似連を伴う変動パターンを決定可能である。また、スーパーリーチを伴う変動パターン以外の変動パターンとして擬似連を伴う変動パターンを決定する場合には、再変動の実行回数が所定回数未満(この実施の形態では2回または3回)である擬似連を伴う変動パターンを決定可能である。そのため、再変動回数が所定回数(例えば4回)以上である擬似連が実行されることによって、スーパーリーチになるかもしれないとの期待感を遊技者に抱かせることができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
図33は、擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別にも着目して見た場合のはずれ用変動パターン種別判定テーブルにおける判定値の割り当て状態を示す説明図である。この実施の形態では、保留記憶数にかかわらず、スーパーリーチを伴う変動パターンの変動パターン種別が選択されると、図32に示すように、再変動回数4回の擬似連を伴う変動パターンが選択されることがある。一方、保留記憶数が3以上である場合には、スーパーリーチとならないノーマルCA2−5の変動パターン種別が選択されると、図32に示すように、再変動回数2回の擬似連を伴う変動パターンが選択されることがある。また、保留記憶数が0〜2である場合には、スーパーリーチとならない変動パターン種別が選択されると、図32に示すように、再変動回数3回の擬似連を伴う変動パターンが選択されることがある。
図33に示すように、再変動回数が4回以上である擬似連が実行されることによって、スーパーリーチになるかもしれないとの期待感を遊技者に抱かせることができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、はずれ用変動パターン種別判定テーブルにおけるスーパーリーチを伴う変動パターン種別が割り当てられている範囲内において、いずれの種類のスーパーリーチを伴う変動パターンを割り当てるようにするかや、擬似連を伴う変動パターンをどの程度の割合で割り当てるようにするかは、この実施の形態で示したものにかぎられない。図34は、スーパーリーチを伴う変動パターン種別が割り当てられている範囲における割り当て例を示す説明図である。
例えば、図34(A)に示すように、全ての種類のリーチを割り当てるのではなく、一部の大当りに対する信頼度が高いリーチ(例えば、スーパーリーチA〜Cの中のスーパーリーチC)のうち、擬似連を伴うものであって、その擬似連回数が多いもの(例えば4回)を、まとめて判定値230〜251の範囲に割り当てるようにしてもよい。また、例えば、図34(B)に示すように、リーチの種類にかかわらず、全てのリーチ(例えば、スーパーリーチA〜スーパーリーチC)について、擬似連を伴うものであって、その擬似連回数が多いものを、まとめて判定値230〜251の範囲に割り当てるようにしてもよい。さらに、例えば、図34(C)に示すように、スーパーリーチのみ(例えば、スーパーリーチAで擬似連を伴わない)の変動パターンとは別に、擬似連を伴うものであってその擬似連回数が多い変動パターンを、特定の変動パターンとして判定値230〜251の範囲に割り当てるようにしてもよい。
実施の形態2.
図35は、実施の形態2における疑似連変動における仮停止パターンの態様を示す説明図である。上記の実施の形態1では、擬似連の変動中において演出図柄が特定仮停止パターンで仮停止した後に再変動が継続して実行された場合にリーチが確定するように構成していたが、この実施の形態2では、擬似連の変動中において演出図柄が特定仮停止パターンで仮停止した時点でリーチが確定するように構成したものである。すなわち、上記の実施の形態1では、演出図柄が特定仮停止パターンで仮停止した後に再変動が実行された場合にリーチが確定するが、この実施の形態では、演出図柄が特定仮停止パターンで仮停止すれば、その後に再変動が実行されるかどうかにかかわらずリーチが確定する。図35に示す例では、図6および図7に示した例と異なり、擬似連中の最終回の再変動(例えば再変動が3回実行される変動の場合の3回目の再変動)が実行された後の最終の仮停止タイミングにおいて演出図柄が特定仮停止パターンで仮停止された場合もリーチが確定するように、そのような変動パターンはノーマルリーチまたはスーパーリーチの変動パターンにのみ設定されている。なお、上記の構成(非リーチはずれのときの擬似連の変動パターンに特定パターンで仮停止する変動パターンを設定していない構成)以外の構成については、上記の実施の形態1と同様である。
このような構成によっても、上記の実施の形態1の場合と同様に、擬似連の変動パターンにおける再変動の実行回数だけでなく、再変動が特定パターンで仮停止するか否かについても遊技者に注目させることにより、再変動の実行回数による特定遊技状態の期待と、特定パターンによるリーチ態様が成立するか否かの期待とを2段階で煽ることができ、遊技者にとって認識し易い演出で期待を高めて遊技の興趣を向上させることができる。さらに、特定パターンが実行されれば常にリーチが成立するので、より一層、演出図柄が仮停止するときの仮停止パターンに注目させることができる。
実施の形態3.
図36は、実施の形態3における特定仮停止パターンの態様とリーチ態様の選択率との関係を示す説明図である。上記の実施の形態1,2では、特定仮停止パターンは1種類しか設けていなかったが、実施の形態3では、図36に示すように3種類の特定仮停止パターンA〜Cを設ける。そして、特定仮停止パターンA〜Cのいずれかが選択された場合のスーパーリーチA〜Cの選択率を図36に示すように設定する。例えば、特定仮停止パターンAが選択された場合は、ノーマルリーチの選択率が高く、スーパーリーチA,Bの選択率は中程度であり、スーパーリーチCの選択率は低くなるように設定する。このような構成を実現するためには、特定仮停止パターンA〜Cに対応する変動パターン種別を用意し、その変動パターン種別の中にノーマルリーチ、スーパーリーチA〜Cのいずれかを実行する変動パターンを設定し、特定仮停止パターンA〜Cに対応した変動パターン種別の中の変動パターンを図36に示した選択率となるように変動パターン判定テーブルに設定することにより可能である。なお、この実施の形態3の構成を上記の実施の形態1,2の構成と適宜組み合わせて適用することが可能である。
実施の形態4.
図37は、実施の形態4における先擬似報知が実行される場合の疑似連変動中に実行される仮停止パターンの態様を示す説明図である。上記の実施の形態1では、CPU56が、先擬似報知演出を実行するか否かを決定し(ステップS90)、先擬似報知演出を実行すると決定すると、擬似連の変動の開始前に先擬似報知演出を実行する変動パターンを選択し、その変動パターンにもとづいて、演出制御用CPU101が先擬似報知演出を実行するようにしていた。しかし、この実施の形態では、先擬似報知演出が実行され、かつ、擬似連の変動中に特定仮停止パターンで仮停止した場合は、スーパーリーチが確定するように構成したものである。具体的には、図6および図7に示した変動パターンに加えて、図37に示す先擬似報知演出が実行される場合の変動パターンを用意する。図37に示す変動パターンは、特定仮停止パターンが実行されるとスーパーリーチが確定するように、スーパーリーチの変動パターンにのみ設定されている。このような構成によれば、先擬似報知演出が実行されるか否かと特定仮停止パターンが実行されるか否かについても遊技者に注目させることができ、より一層、期待感を向上させることができる。なお、この実施の形態4の構成を上記の実施の形態1〜3の構成と適宜組み合わせて適用することが可能である。
実施の形態5.
上記の実施の形態1では、予告演出としてステップアップ予告演出を実行する例を示していたが、そのような予告演出に限られず、以下に示すようなボタン予告を実行するようにしてもよい。なお、ステップアップ予告演出では、ステップ数が多くなるほど大当りの可能性が高いことを予告していたが、ボタン予告演出では、操作ボタンの操作回数が多くなるほど大当りの可能性が高いことを予告するものである。
図38および図39は、実施の形態5におけるボタン予告の表示例を示す説明図である。図27に示した例では、擬似連の再変動中にステップアップ予告を実行するように構成していたが、図38および図39に示すように、擬似連の再変動中にボタン予告を実行するようにしてもよい。ここで、「ボタン予告」とは、遊技者による操作ボタン300の操作に応じて大当りとなる可能性があることを予告する予告演出のことをいう。なお、ボタン予告では、1回の変動中(擬似連の変動の場合を除く)に操作ボタン300の操作回数が増えるほど、大当りの信頼度が高くなるように構成されているものとする。
図38において、擬似連の変動開始から仮停止までの期間において演出表示装置9の表示画面上に「ボタンを押してメールを開けてね!」という文字を表示するとともに、封筒の画像230と操作ボタンの画像231を表示する(図38(41))。遊技者による操作ボタン300の操作が行われると、封筒の画像230が開き、封筒の画像230の中から「がんばって」という文字が表示されたメールを出現させる(図38(42))。その後、左中右の演出図柄がチャンス目「112」で仮停止する(図38(43))。次に、擬似連の1回目の再変動中に、演出表示装置9の表示画面上に再び「ボタンを押してメールを開けてね!」という文字を表示するとともに、封筒の画像230と操作ボタンの画像231を表示する(図38(44))。そして、遊技者による操作ボタン300の操作が行われると、封筒の画像230が開き、封筒の画像230の中から「がんばって」という文字が表示されたメールを出現させる(図38(45))。続いて、演出表示装置9の表示画面上に「ボタンを押してメールを開けてね!」という文字を表示するとともに、封筒の画像230とは色の異なる封筒の画像240と操作ボタンの画像231を表示する(図38(46))。そして、遊技者による操作ボタン300の2回目の操作が行われると、封筒の画像240が開き、封筒の画像240の中から「アツイかも」という文字が表示されたメールを出現させる(図38(47))。その後、左中右の演出図柄がはずれ出目「394」で仮停止する(図38(48))。図38に示す例では、変動開始から仮停止までの期間に実行されるボタン予告では遊技者による操作ボタン300の操作回数が1回であり、1回目の再変動中に実行されるボタン予告では遊技者による操作ボタン300の操作回数が2回である。この実施の形態では、再変動の回数が増えるほどボタン予告における操作ボタン300の操作回数が増える関係(規則性のある関係)の予告パターンを通常予告パターンとしている。
図39において、擬似連の変動開始から仮停止までの期間において演出表示装置9の表示画面上に「ボタンを押してメールを開けてね!」という文字を表示するとともに、封筒の画像230と操作ボタンの画像231を表示する(図39(51))。遊技者による操作ボタン300の操作が行われると、封筒の画像230が開き、封筒の画像230の中から「がんばって」という文字が表示されたメールを出現させる(図39(52))。続いて、演出表示装置9の表示画面上に「ボタンを押してメールを開けてね!」という文字を表示するとともに、封筒の画像230とは色の異なる封筒の画像240と操作ボタンの画像231を表示する(図39(53))。そして、遊技者による操作ボタン300の2回目の操作が行われると、封筒の画像240が開き、封筒の画像240の中から「アツイかも」という文字が表示されたメールを出現させる(図39(54))。その後、左中右の演出図柄がチャンス目「112」で仮停止する(図39(55))。次に、擬似連の1回目の再変動中に、演出表示装置9の表示画面上に再び「ボタンを押してメールを開けてね!」という文字を表示するとともに、封筒の画像230と操作ボタンの画像231を表示する(図39(56))。そして、遊技者による操作ボタン300の操作が行われると、封筒の画像230が開き、封筒の画像230の中から「がんばって」という文字が表示されたメールを出現させる(図39(57))。その後、2回目の再変動中において2回目の操作にもとづくボタン予告(「アツイかも!」のメールを出現させるボタン予告)を実行させずに(図39(58))、左中右の演出図柄がチャンス目「223」で仮停止する(図39(59))。図39に示す例では、変動開始から仮停止までの期間に実行されるボタン予告では遊技者による操作ボタン300の操作回数が2回であり、1回目の再変動中に実行されるボタン予告では遊技者による操作ボタン300の操作回数が1回である。この実施の形態では、再変動の回数とボタン予告における操作ボタン300の操作回数とが無関係(規則性のない関係)の予告パターンを特定予告パターンとしている。なお、ボタン予告演出は、再可変表示パターン(擬似連の変動パターン)以外の変動パターンにて実行された場合、操作回数の少ない予告演出(第1予告演出)よりも操作回数の多い予告演出(第2予告演出)が実行された場合の方が大当りの可能性が高いことを予告する。
以上のように、この実施の形態では、変動開始から仮停止までの期間および再変動中に実行する予告演出がボタン予告演出であり、通常予告パターンは再変動の回数が増えるほど操作ボタン300の操作回数が増える関係(規則性のある関係)の予告パターンとし、特定予告パターンは再変動の回数と操作ボタン300の操作回数とが規則性のない関係の予告パターンとしているので、操作ボタン300の操作回数によって予告演出における大当りの期待度の違いが認識し易くなるとともに、通常予告パターンが実行されたか特定予告パターンが実行されたかについても認識し易くなり、より一層、遊技者の大当りに対する期待を煽ることができる。なお、この実施の形態5の構成を上記の実施の形態1〜4の構成と適宜組み合わせて適用することが可能である。
なお、この実施の形態では、スーパーリーチとしてスーパーリーチA〜Cの3種類のリーチを用いる場合を示しているが、実行可能なスーパーリーチの種類は3種類にかぎらず、4種類以上のスーパーリーチを実行可能に構成してもよい。
また、この実施の形態では、擬似連中の仮停止を行うときにチャンス目を仮停止表示させるように構成されていたが、チャンス目に限られず、リーチとならない左中右の演出図柄の組合せ(左右図柄が同一図柄とならず、チャンス目でもない左中右の演出図柄の組合せ)を仮停止表示させるようにしてもよい。
また、この実施の形態によれば、大当りとすることに決定した場合には、大当りとしないことに決定した場合と比較して、高い割合でスーパーリーチを伴う変動パターンとする。そのため、スーパーリーチを伴う可変表示が行われるときの大当り遊技状態への期待感を高めることができ、遊技に対する興趣をさらに向上させることができる。
また、この実施の形態によれば、スーパーリーチを伴う変動パターン以外の変動パターンとして、ノーマルリーチを伴う変動パターンまたは非リーチの変動パターンとすることに決定する。そのため、スーパーリーチを伴う可変表示が行われないときであっても、ノーマルリーチを伴う可変表示が実行されて、大当り遊技状態になるかもしれないとの期待感を与えることができ、遊技に対する興趣をさらに向上させることができる。
また、この実施の形態によれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、変動パターン種別として、スーパーリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別、またはスーパーリーチを伴う変動パターンを含まない変動パターン種別とすることに決定する。そして、演出図柄の可変表示パターン種別がスーパーリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別となると判定したときに、演出図柄の変動パターンがスーパーリーチを伴う変動パターンとなると判定する。そのため、変動パターン種別の振り分けを変更するだけで、スーパーリーチを伴う変動パターンとそれ以外の変動パターンとの振り分けを設計段階で容易に変更することができる。
また、上記の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27R,27Lなど)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
また、上記の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(例えば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。