以下、添付図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
本発明の実施形態である小便器装置について図1を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施形態である小便器装置USを示す断面図である。図1に示されるように、小便器装置USは、給水ユニット10と、小便器本体20と、給水管30,31(給水手段)と、スプレッダー35と、トラップ部TPとを備えている。小便器本体20及び給水ユニット10は、建築躯体の壁面WLに取り付けられている。
小便器本体20は、ボウル部201を備えている。ボウル部201は、小便器本体20の使用者からの尿流を受け止める部分である。ボウル部201の内面にはボウル壁面202が形成され、ボウル壁面202はボウル背壁面202aとボウル底面202bとを含む。使用者から放たれた尿流は、主にボウル背壁面202aに当たって下方に流れる。下方に流れた尿流は、ボウル底面202bのボウル背壁面202a側に開口した排水口203からトラップ部TPへと流れる。排水口203には目皿60が配置されている。目皿60の構成については後述する。
ボウル背壁面202aの上部には、スプレッダー35が取り付けられている。スプレッダー35には給水管31が繋がれていて、給水管31から供給される洗浄水を放出するように構成されている。スプレッダー35が放出する洗浄水は、ボウル背壁面202aに沿って幅方向(図1の紙面を貫く方向)に広がってボウル壁面202を洗浄する。ボウル壁面202を洗浄した洗浄水は、ボウル底面202bに開口した排水口203からトラップ部TPへと流れる。
給水管31は、小便器本体20内に配置されている給水管である。給水管31の上流側には給水管30が繋がれている。給水管30は、小便器本体20と給水ユニット10とを繋ぐ給水管である。給水ユニット10は、建築側給水管40に繋がれている。建築側給水管40は、壁面WLの裏面側に配置されており、給水源から水を供給し給水ユニット10に送り出している。給水ユニット10の構成については後述する。
トラップ部TPは、小便器本体20の排水口203に連通している。トラップ部TPは、封水を形成すると共に、排水口203から流れ込む尿や洗浄水を排水として器具排水管50側に送り出している。器具排水管50は、壁面WLの裏面側に配置されており、尿や洗浄水を含む排水を更に下流側へと搬送している。トラップ部TPの構成については後述する。
続いて、図2を参照しながら給水ユニット10について説明する。図2は、給水ユニット10の機能的な構成を示すブロック図である。図2に示されるように、給水ユニット10は、人感センサー101と、制御手段としての制御部102と、調整手段としての電磁弁103とを備えている。
人感センサー101は、小便器装置USを使用する使用者が、小便器本体20の前に立ったことを検知するためのセンサーである。人感センサー101としては、赤外線センサーやドップラーセンサーといったセンサーが適宜用いられる。人感センサー101は、使用者の検知結果を制御部102に出力する。
制御部102は、人感センサー101の検知結果に基づいて、使用者の排尿を洗浄するように所定のタイミングで、電磁弁103を所定の開度に開いたり閉じたりするための制御信号を出力する。制御部102が出力する制御信号の具体例については後述する。
電磁弁103は、建築側給水管40と給水管30との間に設けられている。電磁弁103が閉じられていると、建築側給水管40から供給される水は給水管30に流れないように止水される。電磁弁103が開いていると、建築側給水管40から供給される水は、電磁弁103の開度に応じた瞬間流量(電磁弁103近傍の管路を通過する際の瞬間流量(m3/s))で給水管30に流れる。
続いて、図3を参照しながらトラップ部TPについて説明する。図3は、トラップ部TPを示す概略図である。図3に示されるように、トラップ部TPは、流路断面積が大きい外側の流路と、流路断面積が小さい内側の流路とを備えている。外側の流路は上流側から順に、上流接続部TPawと、上流封水部TPbwと、底部TPcwと、下流封水部TPdwと、下流あふれ部TPewとを備えている。内側の流路は上流側から順に、上流接続部TPauと、上流封水部TPbuと、底部TPcuと、下流封水部TPduと、下流あふれ部TPeuとを備えている。上流接続部TPauの上端開口(第一流入口)は、上流接続部TPawの上端開口(第二流入口)よりも、ボウル背壁面202a側に形成される。
まず外側の流路について説明する。上流接続部TPawは、ボウル部201の排水口203に繋がる部分である。矢印Aの上流側に排水口203が繋がっており、ボウル部201から排水口203に流れ込んだ尿や洗浄水は矢印Aに沿って上流接続部TPawに流れ込む。
上流封水部TPbw、底部TPcw、及び下流封水部TPdwは、水が溜まるようにU字状を成すように形成されている。上流接続部TPawから流れ込んだ水は、下流あふれ部TPewの下側内壁面であるウェアWwよりも下側に溜まるように構成されている。封水深Wdwは、ウェアWwと、底部TPcwの上側内壁面であるディップDwとの間の鉛直方向の長さである。従って、上流封水部TPbwに溜まる上流封水WS1wと、下流封水部TPdwに溜まる下流封水WS3wとによって封水が形成されている。
本明細書では、底部TPcwに溜まる底溜水WS2wと、上流封水WS1w及び下流封水WS3wとを合わせて、トラップ部TPの外側流路における溜水Wswとしている。また、この溜水Wswを溜める部分である、上流封水部TPbwと底部TPcwと下流封水部TPdwとによって溜水部TPsw(第二溜水領域)を形成している。本実施形態において、溜水Wswの水量は、約75mLとなるように形成されている。
続いて、内側の流路について説明する。上流接続部TPauは、ボウル部201の排水口203に繋がる部分である。矢印Aの上流側に排水口203が繋がっており、ボウル部201から排水口203に流れ込んだ尿や洗浄水は矢印Aに沿って上流接続部TPauに流れ込む。
上流封水部TPbu、底部TPcu、及び下流封水部TPduは、水が溜まるようにU字状を成すように形成されている。上流接続部TPauから流れ込んだ水は、下流あふれ部TPeuの下側内壁面であるウェアWuよりも下側に溜まるように構成されている。封水深Wduは、ウェアWuと、底部TPcuの上側内壁面であるディップDuとの間の鉛直方向の長さである。従って、上流封水部TPbuに溜まる上流封水WS1uと、下流封水部TPduに溜まる下流封水WS3uとによって封水が形成されている。
本明細書では、底部TPcuに溜まる底溜水WS2uと、上流封水WS1u及び下流封水WS3uとを合わせて、トラップ部TPの内側流路における溜水Wsuとしている。また、この溜水Wsuを溜める部分である、上流封水部TPbuと底部TPcuと下流封水部TPduとによって溜水部TPsu(第一溜水領域)を形成している。本実施形態において、溜水Wsuの水量は、約25mLとなるように形成されている。
本実施形態において溜水Wswと溜水Wsuとの総量は約100mLとなるように形成されており、0.5L程度の少水量でも洗浄が可能となっている。なお、節水型ではない通常のタイプのトラップでは、溜水量が約400〜600mLであり、洗浄水量は約1.4Lであるので、本実施形態のトラップ部TPは極めて節水性が向上したものとなっている。なお、本実施形態ではU字型のトラップをトラップ部TPとして採用しているが、上述した機能を果たす限りその他の形態のトラップを採用することも好ましいものである。
続いて、図4を参照しながら、制御部102が出力する制御信号の具体例について説明する。図4は、人感センサー101及び制御部102の挙動を示すタイミングチャートである。図4の(A)は、人感センサー101から制御部102に出力される検知信号を示し、図4の(B)は、制御部102から電磁弁103に出力される制御信号を示している。
図4の(A)に示されているように、人感センサー101からは、時刻t1から時刻t2にかけて使用者が小便器本体20の前に立っていることを示す検知信号が出力されている。時刻t2を過ぎると検知信号が出力されなくなるので、制御部102は排尿が終わって使用者が立ち去ったと判断する。図4の(B)に示されているように、制御部102は、時刻t3から時刻t4にかけて電磁弁103を全開するための制御信号「1」を出力する。
このような制御を行った場合、トラップ部TPやその下流の配管内がどのようになっているかについて、図5〜図8を参照しながら説明する。図5は、小便器装置USに排尿した場合の、トラップ部TPの様子を示す概略図である。図6は、小便器装置USに排尿した場合の、小便器装置USに繋がっている器具排水管50及び排水横枝管51の内部の様子を示す概略図である。図7は、図5に示す状況から洗浄水を流した場合の、トラップ部TPの様子を示す概略図である。図8は、図5に示す状況から洗浄水を流した場合の、器具排水管50及び排水横枝管51の内部の様子を示す概略図である。
小便器装置USに排尿すると、ボウル部201のボウル壁面202に尿流が当たり、ボウル壁面202を伝って尿が排水口203から下流に流れる。図5の(A)に示されるように、排水口203に入った尿Urは矢印Aに沿ってトラップ部TPに流れ込む。トラップ部TPは、第一溜水領域である溜水部TPsuに尿が流れ込みやすく、第二溜水領域である溜水部TPswに尿が流れ込み難いように形成されている。従って、矢印Aに沿ってトラップ部TPに流れ込んだ尿Urは、第一流入口としての上流接続部TPauの上端開口から上流接続部TPauへと流れ込む。続いて、図5の(B)に示されるように、尿Urの流入によって溜水Wsuが下流あふれ部TPeuへと押し流される。
続いて、図5の(C)に示されるように、溜水Wsuは完全に押し流されて、トラップ部TPの内側の流路である、上流接続部TPau,溜水部TPsu,下流あふれ部TPeu内は尿Urによって満たされる。排尿が終了すると、図5の(D)に示されるように、溜水部TPsuに尿Urが残存する。図5の(A)から(D)に示した状況は、図4の時刻t1から時刻t2に相当する。
図5の(B)に示したように溜水Wsuが矢印B方向に押し流されると、図6の(A)に示されるように、器具排水管50に流れ込む。器具排水管50は排水横枝管51に繋がっているので、溜水Wsuは排水横枝管51に流れ込む。図5の(B)では、排尿によって流れ込む尿Urに押し出されて溜水Wsuが下流側に流出しているので、その流れる速度は比較的緩やかなものであって、瞬間流量は少ないものである。従って、溜水Wsuは排水横枝管51に流れ込んでも、上流側Fに流れることはなく、下流側Eに流れていく。
図6の(B)に示されるように、溜水Wsuに続いて尿Urが流れ込んでも、やはりその流れる速度は比較的緩やかなものであって、瞬間流量は少ないものである。従って、尿Urは排水横枝管51に流れ込んでも、上流側Fに流れることはなく、下流側Eに流れていく。
続いて、図4の時刻t3から時刻t4に示すように、制御部102から電磁弁103を全開する制御信号「1」が出力されると、電磁弁103が全開され洗浄水がスプレッダー35からボウル部201のボウル壁面202に沿って流れる。ボウル壁面202を伝って洗浄水が排水口203から下流に流れる。図7の(A)に示されるように、排水口203に入った洗浄水Wfは矢印Aに沿ってトラップ部TPに流れ込む。トラップ部TPでは、第一溜水領域である溜水部TPsuにも第二溜水領域である溜水部TPswにも洗浄水Wfが流れ込むように構成されている。従って、第一流入口である上流接続部TPauの上端開口からも、第二流入口である上流接続部TPawの上端開口からも洗浄水Wfが流れ込む。
続いて、図7の(B)に示されるように、洗浄水Wfの流入によって、溜水部TPsuに溜まっていた尿Urが、下流あふれ部TPeuへと押し流される。また、洗浄水Wfの流入によって、溜水部TPswに溜まっていた溜水Wswが、下流あふれ部TPewへと押し流される。下流あふれ部TPeuと下流あふれ部TPewとは下流部分において合流しているので、溜水部TPsuに溜まっていた尿Urと溜水部TPswに溜まっていた溜水Wswとが混合される。このように混合され希釈された希釈尿Urdは、矢印B方向に流れて器具排水管50へと流出する。
続いて、図7の(C)に示されるように、尿Urは完全に押し流されて、トラップ部TP内は洗浄水Wfによって満たされる。このように洗浄が終了すると、図7の(C)に示されるように、溜水部TPswに洗浄水Wfが溜水Wswとして残存すると共に、溜水部TPsuに洗浄水Wfが溜水Wsuとして残存する。図7の(A)から(C)に示した状況は、図4の時刻t3から時刻t4に相当する。
図7の(B)に示したように希釈尿Urdが矢印B方向に押し流されると、図8の(A)に示されるように、器具排水管50に流れ込む。器具排水管50は排水横枝管51に繋がっているので、希釈尿Urdは排水横枝管51に流れ込む。図7の(B)では、洗浄水Wfに押し出されて希釈尿Urdが下流側に流出しているので、その流れる速度は比較的速いものであって、瞬間流量は多いものである。従って、希釈尿Urdは排水横枝管51に流れ込むと、上流側Fと下流側Eとに分かれる。
更にトラップ部TPに洗浄水Wfが流入すると、その下流側である器具排水管50から排水横枝管51にも、洗浄水Wfが流れ込む。図8の(B)に示されるように、比較的瞬間流量の多い洗浄水Wfが流れ込むと、希釈尿Urdを上流側Fに逆流した希釈尿Urd1と下流側Eに流れた希釈尿Urd2とに分断する。
洗浄水Wfの供給が終了すると、図8の(C)に示されるように、洗浄水Wfは下流側Eに流れた希釈尿Urd2と共に下流側Eへと流れていく。そのため、上流側Fに逆流した希釈尿Urd1は洗浄水Wfに流されることなく取り残される。残留した希釈尿Urd1は、排水横枝管51の内側管壁に付着して停滞することなく流れる場合もあれば、図8の(D)に示されるように排水横枝管51の内側管壁に付着して停滞する場合もある。図8の(D)に示されるように、希釈尿Urd1が残留してもその尿濃度が低いため、排水横枝管51への尿石の発生を著しく低減することができる。
続いて、図9〜図12を参照しながら目皿60について説明する。図9は、目皿を上方から見た場合の、目皿を示す概略平面図である。図10は、図9のI−I断面を示す概略断面図である。図11は、小便器装置に尿若しくは洗浄水を流した場合の目皿付近での流れの様子を示す概略図である。図12は、尿若しくは洗浄水が目皿上を流れる様子を示す概略図である。
図9及び図10に示すように、目皿60は、遮蔽部61と孔部62と塞止部63とを備えている。遮蔽部61は、トラップ部TPの上流接続部TPauの上端開口(第一流入口)及び上流接続部TPawの上端開口(第二流入口)を覆い、トラップ部TPへの異物の侵入を防止する。孔部62は、ボウル部201側の尿及び洗浄水をトラップ部TP側に通過させるために設けられている。
図11に示すように、塞止部63は、目皿60の上面から上方に向けて突出形成されており、この突出部分のうちボウル背壁面202a側に向かう面(以下「突出内壁面」という。)で、ボウル背壁面側から使用者側に向けて目皿60上を流れる尿Ur及び洗浄水Wfの流れを遮る。突出内壁面は、三壁面を連結して繋がっており、各壁面の垂線が目皿60の外周のうちボウル背壁面202aに最も近い点と目皿60の中心点とを結ぶ線上で1点に交わるように形成されている。このように突出内壁面を形成することで、ボウル背壁面202aを伝って比較的小流量で狭い範囲を流れて目皿60に到達する尿を効果的に堰き止め、尿が目皿60上を伝って使用者側に流れないように抑止することができる。なお、突出内壁面は三壁面により形成することには限定されず、多壁面や円弧により形成することも可能である。
塞止部63は、目皿60を排水口203に配置したときに、塞止部63よりもボウル背壁面側にある孔部62が、上流接続部TPauの上端開口の鉛直上方に位置するように設け、塞止部63よりも使用者側にある孔部62が、上流接続部TPawの上端開口の鉛直上方に位置するように設ける。図11では、塞止部63が上流接続部TPauと上流接続部TPawとを仕切る壁Xの略鉛直上方に設けられている。
このような目皿60を配置した場合に、尿若しくは洗浄水がボウル部201からトラップ部TPへどのように流れるのかについて、図11及び図12を参照しながら説明する。
図11及び図12に示す実線矢印は洗浄水Wfの流れを表し、点線矢印は尿Urの流れを表す。尿Urは、ボウル背壁面202aを伝って比較的小流量で狭い範囲を流れて目皿60に到達する。そのため尿Urは、塞止部63によって使用者側Gへの流れが遮られ、ボウル背壁面側Hに形成されている上流接続部TPauの上端開口に流れ込む。
一方、洗浄水Wfは、ボウル背壁面202aを伝って比較的大流量で広い範囲を流れて目皿60に到達する。そのため、洗浄水Wfの一部は塞止部63で流れが遮られて上流接続部TPauの上端開口に流れ込むものの、残りの洗浄水Wfは塞止部63を乗り越え若しくは塞止部63を迂回し、使用者側Gに形成されている上流接続部TPawの上端開口に流れ込む。
このように、塞止部63は、目皿60を通過する尿Urの上流接続部TPauの上端開口への指向性を、上流接続部TPawの上端開口への指向性よりも高めるもの(指向性調整手段)となる。従って、塞止部63を設けた目皿60を配置することで、尿Urの大部分若しくは全てを上流接続部TPauの上端開口に繋がる溜水部TPsu(第一溜水領域)に流入させ、洗浄水Wfを上流接続部TPauの上端開口に繋がる溜水部TPsu(第一溜水領域)及び上流接続部TPawの上端開口に繋がる溜水部TPsw(第二溜水領域)の双方に流入させることができる。これにより、尿Urと洗浄水Wfとを確実に並存させて溜めることが可能となる。
以下に、本実施形態における目皿60の変形例について説明する。
最初に、図13〜図16を参照しながら第一変形例としての目皿について説明する。図13は、第一変形例としての目皿を上方から見た場合の、目皿を示す概略平面図である。図14は、図13のII−II断面を示す概略断面図である。図15は、小便器装置に尿若しくは洗浄水を流した場合の目皿付近での流れの様子を示す概略図である。図16は、尿若しくは洗浄水が目皿上を流れる様子を示す概略図である。
図13及び図14に示すように、目皿60Aは、遮蔽部61と孔部62と傾斜部64とを備えている。第一変形例の目皿60Aは、上述した実施形態における塞止部63に替えて傾斜部64を備える点で実施形態の目皿60と異なる。
傾斜部64は、目皿60Aの上面に形成された勾配であり、目皿60Aのボウル背壁面側Hから使用者側Gに向けて昇り勾配となるように形成される。昇り勾配は、ボウル背壁面側Hから使用者側Gに向けて目皿60上を流れる尿が昇りきれない程度に形成する。
昇り勾配の終端64eは、図15に示すように目皿60Aを排水口203に配置したときに、昇り勾配の終端64eよりもボウル背壁面側Hにある孔部62が、上流接続部TPauの上端開口の鉛直上方に位置するように設ける。図15では、昇り勾配の終端64eが、上流接続部TPauと上流接続部TPawとを仕切る壁Xの鉛直上方の位置よりも少し上流接続部TPaw側に設けられている。
目皿60上の昇り勾配の終端64eから使用者側Gまでは下り勾配に形成されている。これにより、比較的大流量で広い範囲を流れ、使用者側Gからも目皿60Aに到達する洗浄水を効率良くトラップ部TPへ導くことができる。
このような目皿60Aを配置した場合に、尿及び洗浄水がボウル部201からトラップ部TPへどのように流れるのかについて、図15及び図16を参照しながら説明する。
図15及び図16に示す実線矢印は洗浄水Wfの流れを表し、点線矢印は尿Urの流れを表す。尿Urは、ボウル背壁面202aを伝って比較的小流量で狭い範囲を流れて目皿60Aに到達する。そのため尿Urは、傾斜部64による昇り勾配で流れがボウル背壁面側Hに戻されるため、ボウル背壁面202a側Hに形成されている上流接続部TPauの上端開口に流れ込む。
一方、洗浄水Wfは、ボウル背壁面202aを伝って比較的大流量で広い範囲を流れて目皿60Aに到達する。そのため、洗浄水Wfの一部は傾斜部64による昇り勾配で流れがボウル背壁面側Hに戻されて上流接続部TPauの上端開口に流れ込むものの、残りの洗浄水Wfは傾斜部64による昇り勾配を昇りきって若しくは傾斜部64を迂回し、使用者側Gに形成されている上流接続部TPawの上端開口に流れ込む。
このように、傾斜部64は、目皿60Aを通過する尿Urの上流接続部TPauの上端開口への指向性を、上流接続部TPawの上端開口への指向性よりも高めるもの(指向性調整手段)となる。従って、傾斜部64を設けた目皿60Aを配置することで、尿Urの大部分若しくは全てを上流接続部TPauの上端開口に繋がる溜水部TPsu(第一溜水領域)に流入させ、洗浄水Wfを上流接続部TPauの上端開口に繋がる溜水部TPsu(第一溜水領域)及び上流接続部TPawの上端開口に繋がる溜水部TPsw(第二溜水領域)の双方に流入させることができる。これにより、尿Urと洗浄水Wfとを確実に並存させて溜めることが可能となる。
続いて、図17〜図20を参照して目皿の第二変形例について説明する。図17は、第二変形例としての目皿の外観を示す概略斜視図である。この第二変形例の目皿60Bを説明する前に、図17に示す第二変形例におけるトラップ部TP1について説明する。図18は、図17のIII−III断面を示す概略断面図である。
図17及び図18に示されるように、トラップ部TP1は、外筒70と内筒80とを備えている。外筒70の側部からは排水筒90が延出している。外筒70と内筒80との間には空間が形成されるように、内筒80の外径は外筒70の内径よりも十分小さくなるように構成されている。外筒70と内筒80との間の空間を二つに分けるように、一対のリブ701が立てられている。リブ701は、外筒70と内筒80との間の空間を二つに分割する。このように二つに分割された一方の空間(流路断面積が小さい空間)は、第一溜水領域を含むように形成され上流接続部TP1auとなっており、他方の空間(流路断面積が大きい空間)は、第二溜水領域を含むように形成され上流接続部TP1awとなっている。
図17のIV−IV断面を図19に断面図として示す。図19に示されるように、トラップ部TP1は、外筒70と、内筒80と、排水筒90とによって構成されている。外筒70は、略円形の底板702と、底板702の外周から一方向に立ち上がるように形成される円筒状の側板703とを備えている。内筒80は、略円形の天板801と、天板801の外周から一方向に立ち上がるように形成される円筒状の側板802とを備えている。外筒70の底板702の外周よりも、内筒80の天板801の外周が小さくなるように形成されている。
外筒70の側板703によって囲まれた空間に、内筒80が収められるように配置されている。外筒70に内筒80を収める際には、内筒80の側板802が外筒70の底板702に向かうように配置される。内筒80の天板801が、外筒70の側板703の先端部分に位置し、その位置が保持可能なように内筒80はリブ701(図17参照)に嵌め合わされている。内筒80の側板802の先端は、外筒70の底板702から離隔するように配置されている。
外筒70の側板703及び内筒80の側板802の一部には穴が形成されており、この穴の内周に密着しつつ貫通するように排水筒90が設けられている。排水筒90は、外筒70の側板703及び内筒80の側板802の一部を貫通し、その先端が内筒80の側板802に囲まれた空間内に入るように配置されている。排水筒90の先端に設けられる開口部901は、内筒80の天板801から離隔した位置で内筒80の天板801に向かうように形成される。
内筒80の側板802に囲まれた空間内に位置する排水筒90から外筒70の底板702に向けて壁板902が設けられる。壁板902を含む排水筒90と一対のリブ701とで、内筒80の側板802に囲まれた空間のうち、排水筒90の開口部901よりも外筒70の底板702側に形成される空間を二つに分割する。
上述したように外筒70と内筒80と排水筒90とを組み合わせることで、外筒70の側板703と内筒80の側板802との間、内筒80の側板802の先端と外筒70の底板702との間、壁板902を含む排水筒90と内筒80の側板802との間、のそれぞれに空間を形成し、これらの空間が封水を行うための溜水部を形成する。
このように、第二変形例のトラップ部TP1は、流路断面が大きい図19中左側の流路(図3の外側の流路に相当する)と、流路断面が小さい図19中右側の流路(図3の内側の流路に相当する)とを備える。左側の流路は上流側から順に、上流接続部TP1awと、上流封水部TP1bwと、底部TP1cwと、下流封水部TP1dwと、下流あふれ部TP1eとを備える。右側の流路は上流側から順に、上流接続部TP1auと、上流封水部TP1buと、底部TP1cuと、下流封水部TP1duと、下流あふれ部TP1eとを備える。
続いて、第二変形例の目皿60Bについて説明する。図17に示すように、目皿60Bは、環状の底板65と、底板65の外周から一方向に立ち上がるように形成される円筒状の側板66と、底板65の内周から一方向に立ち上がるように形成される円筒状の側板67と、側板67の天板を形成する遮蔽部61と、側板67および遮蔽部61の一部に開口して形成される孔部62とを備えている。
目皿60Bをトラップ部TP1に嵌め込んだ際に、目皿60Bの側板67とトラップ部TP1の外筒70とが密着するように、側板67の内径はトラップ部TP1の外筒70の外径よりもわずかに大きくなるように形成されている。
遮蔽部61は、トラップ部TP1の上流接続部TP1auの上端開口(第一流入口)及び上流接続部TP1awの上端開口(第二流入口)を覆い、トラップ部TP1への異物の侵入を防止する。孔部62は、ボウル部201側の尿及び洗浄水をトラップ部TP1側に通過させるために設けられている。
ここで、尿は比較的小流量で狭い範囲を流れることから、目皿に流入するときの尿の流速は比較的遅くなるのに対し、洗浄水は比較的大流量で広い範囲を流れることから、目皿に流入するときの洗浄水の流速は比較的速くなるという特性がある。従って、この第二変形例では、尿と洗浄水との間の流速差を調整することで、尿と洗浄水との指向性を操作し、尿の上流接続部TP1auの上端開口への指向性を上流接続部TP1awの上端開口への指向性よりも高めることとした。
具体的には、目皿60Bに向かって流入してくる尿及び洗浄水の流路を孔部62で小さく絞ることで、尿と洗浄水との間の流速差を拡大させる。つまり、孔部62を絞り部として用いることで、尿と洗浄水との間の流速差を拡大させる。
流路を小さく絞ることで、比較的大流量で広い範囲を流れる洗浄水の流速を、比較的小流量で狭い範囲を流れる尿の流速よりも大きく上昇させることができるため、尿と洗浄水との間の流速差を拡大させることができる。このとき、孔部62の開口の向きを、上流接続部TP1auの上端開口の上方を経て上流接続部TP1awの上端開口の上方に向かうように構成することで、上流接続部TP1auの上端開口側から上流接続部TP1awの上端開口側に向かう方向の上記流速差を拡大させることができる。これにより、流速が遅い尿を上流接続部TP1auの上端開口に流入しやすくし、流速が速い洗浄水を上流接続部TP1auの上端開口のみならず上流接続部TP1awの上端開口にも流入することができる。
このような目皿60Bを配置した場合に、尿及び洗浄水がボウル部201からトラップ部TP1へどのように流れるのかについて、図19及び図20を参照しながら説明する。図20は、尿若しくは洗浄水が目皿上を流れる様子を示す概略図である。
図19及び図20に示す実線矢印は洗浄水Wfの流れを表し、点線矢印は尿Urの流れを表す。尿Urは、ボウル背壁面202aを伝って比較的小流量で狭い範囲を流れて目皿60Bに到達する。そのため、尿Urは目皿60Bの孔部62を通過しても流速がほとんど変化せずに、ボウル背壁面側に形成されている上流接続部TP1auの上端開口に流れ込む。
一方、洗浄水Wfは、ボウル背壁面202aを伝って比較的大流量で広い範囲を流れて目皿60Bに到達する。そのため、洗浄水Wfは目皿60Bの孔部62を通過する際に流速が上昇する。したがって、洗浄水Wfの一部はボウル背壁面側に形成されている上流接続部TP1auの上端開口に流れ込むものの、残りの洗浄水Wfは使用者側に形成されている上流接続部TP1awの上端開口に流れ込む。
このように、孔部62は、目皿60Bを通過する尿Urの上流接続部TP1auの上端開口への指向性を、上流接続部TP1awの上端開口への指向性よりも高めるもの(指向性調整手段)となる。従って、このような孔部62を有する目皿60Bを配置することで、尿Urの大部分若しくは全てを上流接続部TP1auの上端開口に繋がる溜水部TP1su(第一溜水領域)に流入させ、洗浄水Wfを上流接続部TP1auの上端開口に繋がる溜水部TP1su(第一溜水領域)及び上流接続部TP1awの上端開口に繋がる溜水部TP1sw(第二溜水領域)の双方に流入させることができる。これにより、尿Urと洗浄水Wfとを確実に並存させて溜めることが可能となる。
なお、第二変形例では、上流接続部TP1auの上端開口をボウル背壁面側に形成し、上流接続部TP1awの上端開口を使用者側に形成しているが、これに限定されない。例えば、上流接続部TP1auの上端開口を使用者側に形成し、上流接続部TP1awの上端開口をボウル背壁面側に形成することも可能である。この場合には、使用者側に形成した上流接続部TP1auの上端開口の上方に目皿60Bの孔部62が位置するように構成する。これにより、尿と洗浄水との間の流速差を拡大させ、尿の大部分若しくは全てを上流接続部TP1auの上端開口に繋がる溜水部TP1su(第一溜水領域)に流入させるとともに、洗浄水を上流接続部TP1auの上端開口に繋がる溜水部TP1su(第一溜水領域)及び上流接続部TP1awの上端開口に繋がる溜水部TP1sw(第二溜水領域)の双方に流入させることができる。
上述したように本実施形態に係る小便器装置USは、水平方向に延在する排水横枝管51に対して上方から尿及び洗浄水を排水として排出する小便器装置である。この小便器装置USは、上下方向に延在し使用者と対向するボウル背壁面202a及びボウル背壁面202aの下方に位置するボウル底面202bを有し、使用者からの尿流を受けるボウル部201と、このボウル部201のボウル底面202bに開口した排水口203と、この排水口203に連通するとともに封水を形成し、封水を形成するために水を溜める第一溜水領域である溜水部TPsu及び第二溜水領域である溜水部TPsw並びに溜水部TPsuに繋がる第一流入口(上流接続部TPauの上端開口部)及び溜水部TPswに繋がる第二流入口(上流接続部TPawの上端開口部)を有するトラップ部TPと、少なくともボウル部201に洗浄水を供給するための給水手段としての給水管30,31と、トラップ部TPの第一流入口及び第二流入口側を覆う遮蔽部61並びにボウル部201側からの尿及び洗浄水を通過させる孔部62を有する目皿60と、を備える。また、小便器装置USは、溜水部TPsu及び溜水部TPswは、ボウル部201に供給された洗浄水が流入して下流側へと流出するように構成され、溜水部TPsuと溜水部TPswとが流路に沿って並行するように形成されている。さらに、小便器装置USは、目皿60を通過する尿の第一流入口への指向性を第二流入口への指向性よりも高める指向性調整手段を設けている。
本実施形態に係る小便器装置USでは、トラップ部TPに封水を形成するために水を溜める溜水部TPsuと溜水部TPswとを形成しているので、ボウル部201からトラップ部TPに流れ込む尿や洗浄水を溜水部TPsuと溜水部TPswとで受け入れることができる。この溜水部TPsu及び溜水部TPswは、ボウル部201に供給された洗浄水が流入してそのまま下流側へと流出するように構成されている。
一般に、ボウル部201が受けた尿は比較的小流量で狭い範囲を流れるのに対し、洗浄水はボウル部201を満遍なく洗浄するために比較的大流量で広い範囲を流れるという特性がある。従って、ボウル部201が受けた尿は、第一流入口に繋がる溜水部TPsu若しくは第二流入口に繋がる溜水部TPswのいずれか一方に流入しやすいのに対し、ボウル部201に供給された洗浄水は、第一流入口に繋がる溜水部TPsu及び第二流入口に繋がる溜水部TPswの双方に流入することになる。これにより、尿が主に溜められる溜水領域と洗浄水が主に溜められる溜水領域とを分離することができるため、トラップ部TP全体の溜水量を低減させても尿と洗浄水とを並存させて溜めることが可能になる。このように尿と洗浄水とを並存させて溜めることで、排尿後にボウル部201に洗浄水が供給されたときに、一方の溜水領域から流出する尿と他方の溜水領域から流出する洗浄水とを排水横枝管51の手前側で混ぜ合わせることができるため、排水横枝管51に流れ込む排水の初期段階から尿濃度を抑制することが可能となる。
ここで、小便器装置USでは、トラップTPへの異物の侵入を防止するために、トラップTPの上方に目皿60を配置している。ところが、この目皿にはトラップを覆う遮蔽部が形成されているため、一般的な目皿を配置すると、尿が目皿の遮蔽部上を伝って、本来洗浄水のみを流入させたい溜水領域にも尿が流入してしまう。つまり、第一流入口に繋がる溜水部TPsu及び第二流入口に繋がる溜水部TPswの双方に尿が流入してしまい、上述した洗浄時の尿濃度を抑制する効果を低減させるおそれがある。
そこで、本実施形態に係る小便器装置USでは、遮蔽部61と孔部62とを有する目皿60を備えつつ、指向性調整手段を設けることで、目皿60を通過する尿の第一流入口への指向性を第二流入口への指向性よりも高めることとした。これにより、目皿60の遮蔽部61によってトラップ部TPへの異物侵入が防止されるうえ、指向性調整手段によって目皿を通過する尿が第一流入口に繋がる溜水部TPsuに流入しやすくなるため、ボウル部201が受けた尿の大部分若しくは全てを溜水部TPsuに溜めることができる。
よって本実施形態に係る小便器装置USでは、尿が主に溜められる溜水部TPsuと洗浄水が主に溜められる溜水部TPswとを分離することができるため、トラップ部TP全体の溜水量を低減させても尿と洗浄水とを並存させて溜めることが可能となる。このように尿と洗浄水とを並存させて溜めることで、排尿後にボウル部201に洗浄水が供給されたときに、溜水部TPsuから流出する尿と溜水部TPswから流出する洗浄水とを排水横枝管51の手前側で混ぜ合わせることができるため、排水横枝管51に流れ込む排水の初期段階から尿濃度を抑制することが可能となる。それゆえに、節水性能を確保しつつ、排水横枝管51内における尿石の発生を抑制することが可能となる。
また本実施形態に係る小便器装置USでは、第一流入口は、第二流入口よりも使用者側から見てボウル背壁面202a側に形成されることも好ましい。
この好ましい態様によれば、第一流入口が第二流入口よりも使用者側から見てボウル部201のボウル背壁面202a側に形成されているので、ボウル背壁面202a側から流れる液体が流入しやすい位置に第一流入口を形成することができる。このように、第一流入口をボウル部201のボウル背壁面202a側に形成するという簡単な手法を採用することで、比較的小流量かつ狭い範囲でボウル部201のボウル背壁面202aを流れ落ちる尿をボウル背壁面202a側の第一流入口に流入させ、比較的大流量かつ広い範囲で流れる洗浄水を第一流入口のみならず第二流入口にも流入させることが可能となる。
また本実施形態に係る小便器装置USでは、指向性調整手段は、ボウル背壁面202a側を流れて目皿60に至った尿及び洗浄水が、目皿60上を使用者側に向けて流れる際に、尿及び洗浄水の流れに抵抗を付与することも好ましい。
この好ましい態様によれば、比較的小流量で狭い範囲を流れて目皿60に至った尿は、指向性調整手段による抵抗を受けて使用者側への流れが阻害されるため、ボウル背壁面202a側の第一流入口に流入する。一方、比較的大流量で広い範囲を流れて目皿60に至った洗浄水は、指向性調整手段による抵抗に打ち勝って若しくは抵抗を回避するように迂回して使用者側へも流れるため、第一流入口のみならず第二流入口にも流入する。従って、尿と洗浄水とを確実に並存させて溜めることが可能となる。
また本実施形態に係る小便器装置USでは、指向性調整手段は、目皿60上を使用者側に向けて流れる尿及び洗浄水の流れを遮る塞止部63であることも好ましい。
この好ましい態様によれば、塞止部63を設けることで、比較的小流量で狭い範囲を流れて目皿に至った尿は、塞止部63によって使用者側への流れが遮られるため、ボウル背壁面202a側の第一流入口に流入する。一方、比較的大流量で広い範囲を流れて目皿60に至った洗浄水は、塞止部63を乗り越え若しくは塞止部63を迂回して使用者側へも流れるため、第一流入口のみならず第二流入口にも流入する。従って、尿と洗浄水とを確実に並存させて溜めることが可能となる。
また本実施形態に係る小便器装置USでは、指向性調整手段は、目皿60A上を使用者側に向けて流れる尿及び洗浄水にとって昇り勾配となる傾斜部64であることも好ましい。
この好ましい態様によれば、傾斜部64を設けることで、比較的小流量で狭い範囲を流れて目皿60Aに至った尿は、傾斜部64による昇り勾配によって流れが戻されるため、ボウル背壁面202a側の第一流入口に流入する。一方、比較的大流量で広い範囲を流れて目皿60Aに至った洗浄水は、傾斜部64による昇り勾配でも流れが戻されずに使用者側へも流れるため、第一流入口のみならず第二流入口にも流入する。従って、尿と洗浄水とを確実に並存させて溜めることが可能となる。
以上、具体例を参照しつつ本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。すなわち、これら具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、前述した各具体例が備える各要素及びその配置、材料、条件、形状、サイズなどは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。