JP5712233B2 - 農園芸用ハウス - Google Patents

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Description

本発明は、農園芸用ハウスに関する。
農業用または園芸用ハウス(農園芸用ハウス)の冷暖房は、育成する植物のための最適な環境を作り出すために、ヒートパイプを用いる方法(特許文献1、2)等の種々の方式が提案されている。しかしながら、燃料費等のコストを削減し、CO排出を低減し、さらに効率的な方式を提供することが望まれている。
特開2003−35495号公報 特開2003−185368号公報
本発明は、上記の課題を解決し、農業用等のハウス内の土壌および植物のために効率的な、加温もしくは冷却の温度調節を可能にする農園芸用ハウスを提供することを目的とする。
本発明は上記の問題を解決するために、以下の発明を提供するものである。
(1)農園芸用ハウスの内面の少なくとも一部が、遠赤外線を放射・吸収し遠赤外線の放射率が0.6以上である遠赤外線放射物質を含む材料で構成されたハウス内面構成部材からなり、農園芸用ハウスの土壌内および/または土壌表面もしくはその近傍に、加熱または冷却用管が配設されてなり、かつ、前記ハウス内面構成部材の前記遠赤外線放射物質と同一の遠赤外線放射物質、またはそれと異なる下記の遠赤外線放射物質を含む材料を前記土壌に配合し、前記加熱用管により前記土壌が加熱されると、その加熱された土壌中の遠赤外線放射物質が放射する遠赤外線を前記ハウス内面構成部材の前記遠赤外線放射物質が吸収し、または前記冷却用管により前記土壌が冷却されると、その冷却された土壌中の遠赤外線放射物質が前記ハウス内面構成部材の前記遠赤外線放射物質の放射する遠赤外線を吸収する、ように構成された農園芸用ハウス。
異なる遠赤外線放射物質:ハウス内面構成部材の遠赤外線放射物質と分子種が異なる遠赤外線放射物質であり、遠赤外線放射物質を含む材料は、3〜25μmの波長範囲内での放射率がそれぞれ0.7以上であり、かつ、ハウス内の作動温度域における波長3〜25μmの分光放射スペクトル上での重複領域が黒体放射の60%以上である。
(2)農園芸用ハウスの内面が側壁面および/または天井面である上記(1)に記載の農園芸用ハウス。
(3)ハウス内面構成部材が前記遠赤外線放射物質を1質量%以上含む上記(1)または(2)に記載の農園芸用ハウス。
(4)土壌がその表面から20mmまでの深さの表面層において前記遠赤外線放射物質を0.01質量%以上含む、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の農園芸用ハウス。
(5)土壌が畝部の土壌である上記(1)〜(4)のいずれかに記載の農園芸用ハウス。
(6)加熱または冷却用管が、その内部に形成された流路に媒体を流すことにより、土壌に配合された遠赤外線放射物質を含む材料を加熱または冷却する上記(1)〜(5)のいずれかに記載の農園芸用ハウス。
(7)加熱または冷却用管の外側表面が、前記ハウス内面構成部材の前記遠赤外線放射物質と同一または異なる遠赤外線放射物質を1質量%以上含む材料で構成される被覆層を形成されている上記(1)〜(6)のいずれかに記載の農園芸用ハウス。
(8)加熱または冷却用管が、前記ハウス内面構成部材の前記遠赤外線放射物質と同一または異なる遠赤外線放射物質を1質量%以上含む材料で構成される上記(1)〜(6)のいずれかに記載の農園芸用ハウス。
(9)遠赤外線放射物質の遠赤外線の放射率が0.8以上である、上記(1)〜(8)のいずれかに記載の農園芸用ハウス。
(10)遠赤外線放射物質の遠赤外線の放射率が0.9以上である、上記(1)〜(9)のいずれかに記載の農園芸用ハウス。
(11)昼間と夜間のいずれかに加熱または冷却用管の流路に媒体を流すように構成された上記(1)〜(10)のいずれかに記載の農園芸用ハウス。
(12)昼間には、加熱または冷却用管の流路に媒体を流さないで日射によりハウス内面構成部材の遠赤外線放射物質を加熱し、加熱されたハウス内面構成部材の遠赤外線放射物質が放射する遠赤外線を土壌に配合された遠赤外線放射物質が吸収し、他方、夜間には、加熱または冷却用管の流路に加熱媒体を流して、土壌に配合された遠赤外線放射物質を含む材料を加熱し、その加熱された遠赤外線放射物質の放射する遠赤外線を前記ハウス内面構成部材の前記遠赤外線放射物質が吸収する、上記(1)〜(11)のいずれかに記載の農園芸用ハウス。
(13)昼間には、加熱または冷却用管の流路に冷却媒体を流して、土壌に配合された遠赤外線放射物質を含む材料を冷却し、その冷却された土壌中の遠赤外線放射物質が前記ハウス内面構成部材の前記遠赤外線放射物質の放射する遠赤外線を吸収し、他方、夜間には、加熱または冷却用管の流路に媒体を流さないで放射冷却によりハウス内面構成部材の遠赤外線放射物質を冷却し、冷却されたハウス内面構成部材の遠赤外線放射物質が土壌に配合された遠赤外線放射物質の放射する遠赤外線を吸収する、上記(1)〜(11)のいずれかに記載の農園芸用ハウス。
(14)ハウス内面構成部材の内側に、ハウス内の土壌および植物の上方を覆うためのフィルム覆いをハウス内面構成部材と間隔をおいて設け、ハウス内面構成部材とフィルム覆いの間には遮熱シートを設けてなる、上記(1)〜(13)のいずれかに記載の農園芸用ハウス。
(15)フィルム覆いおよび遮熱シートは開閉可能に構成される、上記(14)に記載の農園芸用ハウス。
(16)遮熱シートがアルミニウムシートである上記(14)または(15)に記載の農園芸用ハウス
本発明によれば、農業用等のハウス内の土壌および植物のために効率的な、加温もしくは冷却の温度調節を可能にし、省エネルギー効果に優れ、土壌の加熱が容易な、農園芸用ハウスを提供し得る。さらに、本発明によれば、植物の生育に好適な環境が付与されるため、生育される植物は根が張りやすく、耐病性に優れる。
本発明の農園芸用ハウスの一態様を模式的に示す図。 本発明の農園芸用ハウスのもう1つの態様を模式的に示す図。
本発明の農園芸用ハウスは、農園芸用ハウスの内面の少なくとも一部が、遠赤外線を放射・吸収し遠赤外線の放射率(積分放射率)が0.6以上である遠赤外線放射物質を含む材料で構成されたハウス内面構成部材からなる。農園芸用ハウスの内面は、ハウス空間内に露出した面を有し、側壁面および/または天井面であり、ドアや窓などのような開閉手段を備えることができる。また、側壁面の内側にカーテンを設け、夜間に下降させて、放射冷却を防止する場合等には、このカーテンも側壁面に含まれる。ハウス内面構成部材はそれらの面を構成している部材である。ハウス内面構成部材の少なくとも一部は、遠赤外線を放射・吸収する遠赤外線放射物質で構成されるか、遠赤外線放射物質を混入した材料で構成されるか、又は遠赤外線放射物質からなる皮膜を有する。遠赤外線の放射および吸収を効率よく行うため、ハウス内面構成部材に混入される遠赤外線放射物質は、ハウス内空間に露出していることが好ましい。ハウス内面構成部材中の遠赤外線放射物質は、ハウス内空間に直接露出されずに、遠赤外線放射物質の遠赤外線の放射・吸収を有意に妨げない程度の保護層(例えば、1mm程度以下の厚さの塗装膜)などで覆われていてもよい。
遠赤外線放射物質は遠赤外線を放射・吸収する物質をいうが、本発明で用いる遠赤外線放射物質は、遠赤外線の放射率が0.6以上、好ましくは0.8以上の遠赤外線放射物質である。このような遠赤外線放射物質は、通常、いわゆる無機材料であり、天然及び人工の鉱物、金属及び半金属の酸化物、窒化物、炭化物、硫化物、水酸化物等、炭酸塩などの塩やそれらの複合物(複塩)、炭などのほか、貝殻などの天然素材なども含まれる。また、本発明の遠赤外線放射物質の殆どは広義のセラミックス材料(金属以外の無機材料をいう。)であるが、有機物や有機物由来の物質であっても上記放射率の条件を満たすならば用いることができる。
本発明において、遠赤外線放射物質を含む部材中における遠赤外線放射物質の形態は、遠赤外線放射物質を含む部材が遠赤外線を放射・吸収できれば格別に制約はなく、代表的には、遠赤外線放射物質からなる、パネルまたはタイル状等の一体物、遠赤外線放射物質の粒子、粉末、骨材等(これらをもまとめて粒子ともいう。)を含む部材、遠赤外線放射物質の皮膜を有する部材などの形態であることができる。粒子の場合、その直径は通常〜100μm程度から選ばれる。
上記の遠赤外線放射物質を混入した材料とは、構成成分の一部として遠赤外線放射物質を含む材料をいう。この場合の遠赤外線放射物質は、典型的には天然又は人工の無機材料の粒子として、プラスチックフィルム等のハウス内面構成部材の製造材料中に混入される。
遠赤外線放射物質からなる皮膜とは、ハウス内面構成部材の表面に形成した遠赤外線放射物質の皮膜をいう。この皮膜は、適当な皮膜形成技術、例えば熔射、蒸着などのPVD技術、あるいはCVD技術により、遠赤外線放射物質を対象表面にコーティングして形成することができる。
本発明で使用する遠赤外線放射物質の遠赤外線の放射率は、0.6以上であり、好ましくは0.8以上、より好ましくは0.9以上である。遠赤外線は、波長が3μm〜1000μmの電磁波のことをいう。材料の放射率は、同一条件における理想的な黒体の遠赤外線の放射エネルギーをW0とし、当該材料の遠赤外線の放射エネルギーをWとした場合に、W/W0によって定義される。
本発明においては、農園芸用ハウスの土壌内および/または土壌表面もしくはその近傍に、加熱または冷却用管が配設されてなり、かつ、ハウス内面構成部材の遠赤外線放射物質と同一の遠赤外線放射物質、またはそれと異なる遠赤外線放射物質を含む材料を土壌、好適には畝部、に配合する。それらの材料の粒径は、通常1μm〜2mm程度から選ばれる。
土壌は、ハウス内の圃場を形成するものであり、栽培する植物の種類により、適した条件が調整され、適宜畝部が形成される。この土壌内に、好適には畝部に、加熱または冷却用管が埋設され、その内部に形成された流路に媒体を流すことにより、土壌に配合された遠赤外線放射物質を含む材料を加熱または冷却することができる。媒体としては、通常、25〜55℃の温水もしくはその他の液体、または5〜20℃の冷水もしくは不凍液等の液体が用いられ、加熱または冷却用管は、通常1畝部あたり1〜4本程度埋め込まれ、好適には1畝部あたり2〜3本埋め込まれる。埋設深さは、土壌の深さにもよるが、通常、土壌の深さの中心付近に置かれ、10〜40cm程度が好適である。埋設に代えて、あるいは付加的に土壌表面もしくはその近傍に加熱または冷却用管を設置することもできる。
加熱または冷却用管の内径は、通常10〜30mm程度であり、厚さは、たとえば2mm程度である。
さらに本発明においては、加熱または冷却用管の外側表面が、ハウス内面構成部材の遠赤外線放射物質と同一または異なる遠赤外線放射物質を1質量%以上含む材料で構成される被覆層を形成されていてもよい。さらに、本発明においては、加熱または冷却用管自体が、前記ハウス内面構成部材の前記遠赤外線放射物質と同一または異なる遠赤外線放射物質を1質量%以上含む材料で構成されていてもよい。
これらの構成の採用は、加熱または冷却用管の内部に形成された流路に媒体を流すことにより、土壌に配合された遠赤外線放射物質を含む材料を加熱または冷却するする効率をさらに高めることができる。
ハウス内面構成部材の遠赤外線放射物質と土壌に遠赤外線放射物質とが同一である場合についてさらに説明する。この場合、同一分子種間における熱放射を介した熱移動が、同一分子種間でない場合に比較して高い効率で行われる現象を利用して、ハウス内面構成部材の遠赤外線放射物質と土壌内の遠赤外線放射物質との間で熱放射を介し熱移動を高い効率で行わせるものである。本発明では、同一分子種で構成されている、ハウス内面構成部材の遠赤外線放射物質と土壌内の遠赤外線放射物質のことを、同一であると称する。ここで「同一分子種」とは、遠赤外線を放射・吸収する性質を示し、遠赤外線の放射率が0.6以上、好ましくは0.8以上、さらに好ましくは0.9以上である一方の物質(例えば、室内面構成部材において使用する遠赤外線放射物質)と、遠赤外線を放射・吸収する性質を示し、遠赤外線の放射率が0.6以上、好ましくは0.8以上、さらに好ましくは0.9以上であるもう一方の物質(冷却及び/又は加熱源の冷却及び/又は加熱面で使用する遠赤外線放射物質)とが、分子レベルで同一であることをいう。ここでの「分子」とは、化学結合により結合された原子の集団を意味する。したがって、ここでいう「分子」には、例えば天然鉱物の結晶なども含まれる。類似元素が置換あるいは固溶した同一鉱物は同一分子種の物質と看做されている。天然の鉱物の場合、複数の化合物で構成されるのが普通であり、しかも巨視的レベルでは鉱物中の部位によりそれらの化合物の結晶構造に違いが見られることもある。とは言え、この場合は、実質的に同じ分子種の物質の実質的に同じ組成の集合体であり、全体として同一分子種の物質と同様に考えてよい。
ハウス内面構成部材は遠赤外線放射物質を1質量%以上含むのが好適であり、さらに好適には3質量%以上である。
土壌に遠赤外線放射物質を配合する場合、その表面から20mmまでの深さの表面層において遠赤外線放射物質を0.01質量%以上含むようにするのが好適であり、さらに好適には0.1質量%以上、もっと好適には1質量%以上である。
つぎに、ハウス内面構成部材の遠赤外線放射物質と土壌に遠赤外線放射物質とが異なる場合についてさらに説明する。
異なる遠赤外線放射物質とは、ハウス内面構成部材の遠赤外線放射物質と分子種が異なる遠赤外線放射物質であり、遠赤外線放射物質を含む材料は、3〜25μmの波長範囲内での放射率がそれぞれ0.7以上であり(a)、かつ、ハウス内の作動温度域における波長3〜25μmの分光放射スペクトル上での重複領域が黒体放射の60%以上である(b)ものをいう。「異なる分子種」とは、遠赤外線放射物質Aと遠赤外線放射物質Bが、分子レベルで異なることをいう。ここでの「分子」とは、化学結合(原子結合)により結合された原子の集団を意味する。したがって、ここでいう「分子」には、例えば天然石材を構成する鉱物の結晶なども含まれる。類似元素が置換あるいは固溶した同一鉱物は同一分子種の物質とみなされる。
本件発明者らは上述の常温型FT−IR分光放射率計(広帯域MCT検出器)を用いて、金属、無機材料(セラミックス)、有機高分子材料、塗料、天然物など様々な物体について、常温域における分光放射輝度曲線や分光放射スペクトルを取得して遠赤外線特性の評価を行ってきた。
30〜50℃の常温温度域において、上記(a)の要件を充たす、適な遠赤外線放射物質の例としては以下のようなものがある。
<物質名> <放射率>
α―アルミナ(Al2O)粉末: 0.89
多孔質アルミナ(Al2O)粉末: 0.91
窒化ケイ素(Si)粉末: 0.88
シリカ(SiO2)粉末: 0.88
遠赤外放射セラミックス(Al2O-SiO2系)粉末: 0.94
セラミックス(Al2O-SiO2系)粉末添加合繊織布: 0.88
セラミックス(Al2O-SiO2系)粉末添加アクリル板(厚さ3mm):0.82
セラミックス(Al2O-SiO2系)粉末添加ポリプロピレン(PP)シート(厚さ2mm):0.91
セラミックス(Al2O-SiO2系)粉末添加ポリエチレン(PE)シート(厚さ1mm):0.83
陽極酸化処理したアルミニウム合金板(Al-Si-Fe)(厚さ2mm):0.85
異種物質間での放射・吸収によるエネルギー授受の場合、双方の物質の固有振動数は一致しないか、一部が一致するだけである。2つの遠赤外線放射物質AとBの固有振動数が一致しない場合、波長に対して示される積分放射率曲線(放射率曲線)は、曲線の交点を除き、一致しない。それらが一致しない領域では、一方の遠赤外線放射物質Aから放射された遠赤外線は、他方の遠赤外線放射物質Bに一部だけ吸収される(一方の物質の放射率>他方の物質の放射率の場合)か、あるいは他方の物質が吸収できる量の一部しか満たさない(一方の物質の放射率<他方の物質の放射率の場合)。このことからも、また本発明者の体験からも、このような制約を課された異種物質間での放射・吸収では、エネルギーの無駄が多くて実用的な農園芸用ハウスのための温度調節システムを構築できるとは考えられなかった。すなわち、双方の遠赤外線放射物質の積分放射率が高くても、それらの放射率曲線が一致しない以上、それらの間でのエネルギーの授受は同一物質間でのそれに到底及ばないと考えられたのであった。
にもかかわらず異種物質間での遠赤外線エネルギーの効率的な授受を可能にする技術をあきらめず、それを追求した末に、本発明者は、遠赤外線放射物質Bを含むハウス内面構成部材と土壌内の遠赤外線放射物質Aおける双方の材料の放射率が0.70以上であるという要件に加えて、ハウス内面構成部材の遠赤外線放射物質Bと土壌中の遠赤外線放射物質Aにおける双方の、作動温度域における波長3〜25μmの分光スペクトル上での重複領域が黒体放射の60%以上であるという要件を満たせば、実用的なハウス内環境の調整を実現することができることを見出した。
特に、本発明の農園芸用ハウスにおいては、遠赤外線放射物質Aを含む材料と遠赤外線放射物質Bを含む材料が、27℃における、黒体からの放射エネルギー(分光放射エネルギー輝度)値が最大になる波長領域を挟んだ領域である、7〜12μmの分光放射スペクトル上での重複領域が60%以上であるのが好適である。
本発明の目的からは、上記の重複領域は大きいほど好ましい。すなわち、重複領域が黒体放射の、例えば、70%、80%、85%、90%と大きくなるほど、本発明のシステムのエネルギー効率が向上する。
本発明の農園芸用ハウスで使用する2つの異種物質を含む材料の分光放射スペクトル(分光放射エネルギー輝度)は、例えばFT−IR分光法を利用して求めることができる。FT−IR分光法によれば、本発明の農園芸用ハウスが稼働する温度(作動温度領域)における遠赤外線放射物質の分光放射スペクトルを容易に求めることができる。
本発明において、遠赤外線放射スペクトルの測定は次の方法によって行った。測定に際しては、試料の形状・形態が重要であり、試料の物理的条件を、本発明の農園芸用ハウスにおいて実際に使用するものとできるだけ同じにするのが望ましい。この測定法において、試料を垂直方向に固定する方式を用いる場合には、粉体試料はそのままでは測定が困難である。したがって、物質AまたはBが粉体である場合に、それ自体の放射特性を測定するときは、その粉体を直接プレス成形(圧力100kg/cm以上)、またはそれ自体で成形困難な場合には、赤外領域での透過性が大きいKBr(Merck社製、赤外分析用)を希釈媒体として用いて(媒体中での濃度1wt%)、混合、プレス成形(圧力100kg/cm以上)して、固体試料とすることができる。
(1)放射特性の評価
装置: 日本電子(株)製FT−IR JIR−3505/赤外放射ユニットIR−IRR200
分解能:16cm−1
積算回数:200回
測定波長域:3〜25μm
測定温度:試料表面の温度で約30〜50℃(標準40℃)
(2)試料のセット方法
i 固形試料
試料ステージ上にアルミニウム鏡面を載せ、その上にシート、板等の固形試料を置き、治具で固定する。
ii 布、織物等の薄物試料
試料ステージ上にアルミニウム板を置き、さらに中央にアルミニウム鏡面を固定する。その上に伸縮性薄物試料(通常、厚さ10μm〜3mm)を載せ、鏡面上の試料が均一な温度分布となるように引っ張りながら、両脇をアルミニウム板で押さえ、アルミニウムスペーサー(30mmφ、50mmφのドーナツ状)を用いて上から固定する。
(3)測定試料の温度計測方法
熱電対:石川産業(株)製T熱電対(0.05mmφ)
記録計:山武ハネウエル製デジタルプロセスレポータDPR330
温度計測は、熱電対を試料の表面と試料下地のアルミニウム板にAgペーストを用いて固定し、測定温度で熱電対のバイアス設定を行う。
(4)環境放射(バックグラウンド放射)の補正
アルミニウム鏡面の反射率を98%とし、アルミニウム鏡面の放射輝度より鏡面自体の放射輝度(測定温度の黒体輝度の2%を計算で求める)を差し引いたものを環境放射として補正を行う。
また、「波長3〜25μmの分光放射エネルギー(輝度)曲線上での重複領域」の面積は、次のようにして求めることができる。物質Aと物質Bの分光放射エネルギー(輝度)曲線を同一画面上に併記し、測定した波長域内で両者が交差する点をP1、P2、P3、・・・Pn、各点に相当する波長λ1、λ2、λ3、・・・λnとする。隣り合う2点の波長区間の下側線についての分光放射エネルギー(輝度)を積算した後、全区間を合算する。この合算値と同一温度、同一区間における黒体の放射エネルギー(輝度)の積算値との比率を求めることにより、物質Aと物質Bの分光放射輝度の重複部分についての積分放射率が求まる。
本発明において、「作動温度域」とは、実使用するときにハウス内で観測される温度の範囲である。遠赤外線の授受によってハウス内環境の調整を行う本発明の農園芸用ハウスにおいて、遠赤外線の授受は、ハウス内面構成部材と、土壌中の遠赤外物質との間で行われる。もっと具体的には、冷却作用による環境調整の場合、ハウス内面構成部材側の物質Bから放射された遠赤外線が土壌中の物質Aに吸収され、放射した物質内部の原子間結合の振動エネルギーレベルが下位へ遷移することで放射側の物質Bの温度が低下する(放射冷却)。加熱作用による環境調整の場合、土壌中の物質Aから放射された遠赤外線がハウス内面構成部材側の物質Bに吸収され、吸収された物質内部の原子間結合の振動エネルギーレベルが上位へ移ることで吸収される側の物質Bの温度上昇をもたらす(放射加熱)。これから明らかなように、本発明において、その実使用時に室内で最も低い温度(加温時)又は最も高い温度(冷却時)にあるのは、一般的に、システム始動時のハウス内面構成部材の温度(特に外気温の影響を一番受けやすい壁面の温度)であるとみなすことができる。そして本発明の農園芸用ハウスは、例えば、外気温が−30℃程度の極寒温度から+55℃程度の極暑温度までの様々な気候条件下で利用され、その気候条件に応じてハウス内面構成部材の温度も外気温と同等近くになる可能性を考慮して、本発明の農園芸用ハウスの作動温度域は−30〜+55℃程度であるとすることができる。実用上の吸放熱表面では、冷却時5〜20℃程度、加温時25〜55℃程度を作動温度域として差し支えない。作動温度域における遠赤外線放射物質Aを含む材料と遠赤外線放射物質Bを含む材料の波長3〜25μmでのそれぞれの分光放射スペクトルは、この程度の温度範囲においては、あまり大きく変化しないので、実用的には、遠赤外線放射物質Aを含む材料および遠赤外線放射物質Bを含む材料について、作動温度域(−30〜+55℃)の範囲内のいずれかの温度における遠赤外線放射の分光放射スペクトルを測定して比較してもよいが、厳密には、遠赤外線放射物質Aを含む材料の作動温度域の範囲内のいずれかの温度における遠赤外線放射の分光放射スペクトルと、遠赤外線放射物質Bを含む材料の作動温度域の範囲内のいずれかの温度における遠赤外線放射の分光放射スペクトルとの重複領域が60%以上であれば、本発明の要件(b)を満たす。
「遠赤外線」とは、上記のように、一般に波長が約3μm〜1000μmの電磁波のことをいうが、本発明では作動温度域における遠赤外線として、波長が3〜25μm(好適には、7〜12μm)のものに着目するものである。これは、現状の技術では、常温域にある物質の遠赤外線放射特性を安定して測定できる波長がこの範囲に限られるからであるとともに、常温(27℃前後)の黒体からの放射エネルギー(分光放射エネルギー密度)値が最大になる波長領域が約10μmの波長を挟んだこの領域にあって、すなわち3〜25μm(特に、7〜12μm)の波長領域が黒体以外の遠赤外線放射物質の放射エネルギーが大きい領域に相当するとみなすことができるからである。そしてこのことから、本発明においては、遠赤外線放射側と吸収側との重複共有領域が黒体放射の60%以上であるとする波長範囲を3〜25μmと規定している。
本発明において、上記の要件(a)、(b)を同時に満たす材料に含まれる物質AとBの組み合わせの例としては、たとえば
A(またはB):多孔質アルミナ(Al2O)粉末 積分放射率0.91
B(またはA):シリカ(SiO)粉末 積分放射率0.93
両者の分光放射スペクトルの重複部分の積分放射率 0.89
(すなわち、重複共有領域が黒体放射の89%)
A(またはB):遠赤外放射セラミックス(Al2O-SiO2系)粉末 積分放射率0.94
B(またはA):窒化ケイ素(Si)粉末 積分放射率0.88
両者の分光放射スペクトルの重複部分の積分放射率 0.85
(すなわち、重複共有領域が黒体放射の85%)
、等を挙げることができる。
一方、要件(a)を満たす物質の組み合わせであっても、要件(b)を満たさない組み合わせとしては、たとえば
A(またはB):アルミナ焼結基板(厚さ0.6mm) 積分放射率0.72
B(またはA):ポリエステル系合繊織布 積分放射率0.71
両者の分光放射スペクトルの重複部分の積分放射率 0.58
(すなわち、重複共有領域が黒体放射の58%)
を挙げることができる。
本発明の農園芸用ハウスにおいては、加熱用管により土壌が加熱されると、その加熱された土壌中の遠赤外線放射物質が放射する遠赤外線をハウス内面構成部材の遠赤外線放射物質が吸収し、または冷却用管により土壌が冷却されると、その冷却された土壌中の遠赤外線放射物質がハウス内面構成部材の遠赤外線放射物質の放射する遠赤外線を吸収することになる。すなわち、
さらに、本発明の農園芸用ハウスにおいては、昼間と夜間のいずれかに加熱または冷却用管の流路に媒体を流すことにより、ハウス内の効率的な温度調節を行うことができる。
たとえば、本発明の1態様において、昼間には、加熱または冷却用管の流路に媒体を流さないで日射によりハウス内面構成部材の遠赤外線放射物質を加熱し、加熱されたハウス内面構成部材の遠赤外線放射物質が放射する遠赤外線を土壌に配合された遠赤外線放射物質が吸収し、他方、夜間には、加熱または冷却用管の流路に加熱媒体を流して、土壌に配合された遠赤外線放射物質を含む材料を加熱し、その加熱された遠赤外線放射物質の放射する遠赤外線を前記ハウス内面構成部材の前記遠赤外線放射物質が吸収する。
あるいは、本発明のもう1つの態様において、昼間には、加熱または冷却用管の流路に冷却媒体を流して、土壌に配合された遠赤外線放射物質を含む材料を冷却し、その冷却された土壌中の遠赤外線放射物質が前記ハウス内面構成部材の前記遠赤外線放射物質の放射する遠赤外線を吸収し、他方、夜間には、加熱または冷却用管の流路に媒体を流さないで放射冷却によりハウス内面構成部材の遠赤外線放射物質を冷却し、冷却されたハウス内面構成部材の遠赤外線放射物質が土壌に配合された遠赤外線放射物質の放射する遠赤外線を吸収する。
さらに、本発明のもう1つの態様において、農園芸用ハウスは、ハウス内面構成部材の内側に、ハウス内の土壌および植物の上方を覆うためのフィルム覆いをハウス内面構成部材と間隔をおいて設け、ハウス内面構成部材とフィルム覆いの間には遮熱シートを設けてなる。これらのフィルム覆いおよび遮熱シートは開閉可能に構成される。開閉は巻き上げ、上下移動等のいずれの方式であってもよい。フィルム覆いは、通常夜間に用いられるが、気温が低い場合には昼間も用いられる。遮熱シートは、昼間は太陽光を取り入れるために用いられず、夜間に用いられのが通常であり、放射冷却を防止し、土壌に配合された遠赤外線放射物質から放射された遠赤外線を内側に反射させ、これらの往復の遠赤外線で保温効果を促進することができる。
フィルム覆いは、農園芸用ハウスに一般的に用いられるプラスチックフィルム、たとえば塩化ビニル製フィルム等が好適に用いられ、遮熱シートは厚さ10μm〜1mm程度のアルミニウムシートであるのが反射効率、コストの点から好適である。強度、保形等のために、紙、不織布等の基材上に貼付もしくは蒸着することができる。アルミニウム以外に、たとえば銀等の蒸着も使用し得る。
また、遠赤外線放射物質の0.01wt%〜3wt%水溶液、好ましくは0.01wt%〜1wt%水溶液、を土壌中にさらに添加することにより、本発明による効果を一層向上し得る。すなわち、植物が水溶液中の遠赤外線放射物質を取り込むことにより、植物自体が遠赤外線の前記吸収機構に直接関与(いわゆる共鳴)し得ることになる。遠赤外線放射物質の水溶液の調製は、常法によることができる。
以下に、図面とともに本発明の農園芸用ハウスについてさらに具体的に説明する。図1は、本発明の農園芸用ハウスの一態様を模式的に示す図である。図1において、1は農園芸用ハウスであり、内部に側壁面2、天井面3、および土壌(畝部)4を有する。側壁面2および天井面3の表面には、バインダー成分(塗料)98%および遠赤外線放射物質2質量%からなるハウス内面構成部材が、厚さ1mmでスプレー法により塗布されている(図示されていない)。土壌(畝部)4中には、2本の、加熱または冷却用管5が埋め込まれており、土壌(畝部)4の表面20mm以内には、ハウス内面構成部材に含まれるものと同一の遠赤外線放射物質粒子(10〜500μm程度)6が約0.5質量%配合されている。遠赤外線放射物質として遠赤外放射セラミックス(Al2O-SiO2系)粉末(放射率0.94)が用いられた。
図2は、本発明の農園芸用ハウスのもう1つの態様を模式的に示す。ここでは、加熱または冷却用管5は、土壌中への埋設に代えて、土壌表面に設置されている。
本発明によれば、農業用等のハウス内の土壌および植物のために効率的な、加温もしくは冷却の温度調節を可能にする農園芸用ハウスを提供し得る。
1 農園芸用ハウス
2 側壁面
3 天井面
4 土壌(畝部)
5 加熱または冷却用管
6 遠赤外線放射物質粒子

Claims (16)

  1. 農園芸用ハウスの内面の少なくとも一部が、遠赤外線を放射・吸収し遠赤外線の放射率が0.6以上である遠赤外線放射物質を含む材料で構成されたハウス内面構成部材からなり、
    農園芸用ハウスの土壌内および/または土壌表面もしくはその近傍に、加熱または冷却用管が配設されてなり、かつ、
    前記ハウス内面構成部材の前記遠赤外線放射物質と同一の遠赤外線放射物質、またはそれと異なる下記の遠赤外線放射物質を含む材料を前記土壌に配合し、
    前記加熱用管により前記土壌が加熱されると、その加熱された土壌中の遠赤外線放射物質が放射する遠赤外線を前記ハウス内面構成部材の前記遠赤外線放射物質が吸収し、または前記冷却用管により前記土壌が冷却されると、その冷却された土壌中の遠赤外線放射物質が前記ハウス内面構成部材の前記遠赤外線放射物質の放射する遠赤外線を吸収する、
    ように構成された農園芸用ハウス。
    異なる遠赤外線放射物質:ハウス内面構成部材の遠赤外線放射物質と分子種が異なる遠赤外線放射物質であり、遠赤外線放射物質を含む材料は、3〜25μmの波長範囲内での放射率がそれぞれ0.7以上であり、かつ、ハウス内の作動温度域における波長3〜25μmの分光放射スペクトル上での重複領域が黒体放射の60%以上である。
  2. 農園芸用ハウスの内面が側壁面および/または天井面である請求項1に記載の農園芸用ハウス。
  3. ハウス内面構成部材が前記遠赤外線放射物質を1質量%以上含む請求項1または2に記載の農園芸用ハウス。
  4. 土壌がその表面から20mmまでの深さの表面層において前記遠赤外線放射物質を0.01質量%以上含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の農園芸用ハウス。
  5. 土壌が畝部の土壌である請求項1〜4のいずれか1項に記載の農園芸用ハウス。
  6. 加熱または冷却用管が、その内部に形成された流路に媒体を流すことにより、土壌に配合された遠赤外線放射物質を含む材料を加熱または冷却する請求項1〜5のいずれか1項に記載の農園芸用ハウス。
  7. 加熱または冷却用管の外側表面が、前記ハウス内面構成部材の前記遠赤外線放射物質と同一または異なる遠赤外線放射物質を1質量%以上含む材料で構成される被覆層を形成されている請求項1〜6のいずれか1項に記載の農園芸用ハウス。
  8. 加熱または冷却用管が、前記ハウス内面構成部材の前記遠赤外線放射物質と同一または異なる遠赤外線放射物質を1質量%以上含む材料で構成される請求項1〜6のいずれか1項に記載の農園芸用ハウス。
  9. 遠赤外線放射物質の遠赤外線の放射率が0.8以上である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の農園芸用ハウス。
  10. 遠赤外線放射物質の遠赤外線の放射率が0.9以上である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の農園芸用ハウス。
  11. 昼間と夜間のいずれかに加熱または冷却用管の流路に媒体を流すように構成された請求項1〜10のいずれか1項に記載の農園芸用ハウス。
  12. 昼間には、加熱または冷却用管の流路に媒体を流さないで日射によりハウス内面構成部材の遠赤外線放射物質を加熱し、加熱されたハウス内面構成部材の遠赤外線放射物質が放射する遠赤外線を土壌に配合された遠赤外線放射物質が吸収し、他方、
    夜間には、加熱または冷却用管の流路に加熱媒体を流して、土壌に配合された遠赤外線放射物質を含む材料を加熱し、その加熱された遠赤外線放射物質の放射する遠赤外線を前記ハウス内面構成部材の前記遠赤外線放射物質が吸収する、請求項1〜11のいずれか1項に記載の農園芸用ハウス。
  13. 昼間には、加熱または冷却用管の流路に冷却媒体を流して、土壌に配合された遠赤外線放射物質を含む材料を冷却し、その冷却された土壌中の遠赤外線放射物質が前記ハウス内面構成部材の前記遠赤外線放射物質の放射する遠赤外線を吸収し、他方、
    夜間には、加熱または冷却用管の流路に媒体を流さないで放射冷却によりハウス内面構成部材の遠赤外線放射物質を冷却し、冷却されたハウス内面構成部材の遠赤外線放射物質が土壌に配合された遠赤外線放射物質の放射する遠赤外線を吸収する、請求項1〜11のいずれか1項に記載の農園芸用ハウス。
  14. ハウス内面構成部材の内側に、ハウス内の土壌および植物の上方を覆うためのフィルム覆いをハウス内面構成部材と間隔をおいて設け、ハウス内面構成部材とフィルム覆いの間には遮熱シートを設けてなる、請求項1〜13のいずれか1項に記載の農園芸用ハウス。
  15. フィルム覆いおよび遮熱シートは開閉可能に構成される、請求項14に記載の農園芸用ハウス。
  16. 遮熱シートがアルミニウムシートである請求項14または15に記載の農園芸用ハウス。
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