JP5711629B2 - ソーシャルネットワーキングサービスシステム及び方法 - Google Patents

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Description

本発明は、携帯端末等のユーザ端末を利用したソーシャルネットワーキングサービスシステム及び方法に関し、特に、情報発信するユーザに手間をかけることなく適切な発信対象を設定することのできるシステム及び方法に関する。
既存のソーシャルネットワーキングサービスとしては、mixi(登録商標), Facebook(登録商標), GREE(登録商標)などがあげられる(非特許文献1〜3)。これらのサービスでは、登録したユーザが友人・知人などを検索し、つながり関係を構築することができる。そして、つながっているユーザ間で日記などの情報を公開しあったり、メッセージをやりとりしたりするなどして、Web上のコミュニケーションを楽しんでいる。
http://mixi.jp/ http://ja-jp.facebook.com/ http://gree.jp/
従来のソーシャルネットワーキングサービスには、ユーザの利便性の点から種々の課題がある。第一に、ユーザが参加する際に、自ら友人・知人を検索する必要があるため、手間が発生する。また、検索を行っても、探したいユーザが自らの情報を開示していない場合(例:匿名や擬似IDで登録・参加している)は、友人・知人を見つけることが難しいという課題もある。
第二に、ソーシャルネットワーキングサービス上で多数の友人・知人との関係が確立できているユーザの場合、自らが発信する情報(例:日記)が多数のユーザによって閲覧できることなどから、情報発信の内容について過剰に意識したり、情報発信頻度を減少させたりするなどして、結果的に同サービスから離れてしまうという課題がある。この課題を解決するための手段として、既存サービスでは、ユーザ発信情報が閲覧できる範囲をユーザが指定するためのオプションなどを設定している。しかし、こうしたオプションの設定方法としては、つながりが確立している友人のみに情報公開を限定するなど、粗っぽい範囲でしか範囲を指定できない。特に仲が良い友人のみを指定するオプションを提供しているサービスもあるが、細かい範囲を指定するためにはユーザの手間がかかるという課題がある。
本発明は上記のような従来技術の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)によりユーザが情報発信を行う際に、ユーザに手間をかけることなく適切な公開範囲の設定、すなわち発信対象ユーザの選定を行うことのできるSNSシステム及び方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明は、ユーザを当該ユーザの利用する端末に基づいて識別し、ユーザ同士の端末間での情報発信を補助するソーシャルネットワーキングサービス(SNS)システムにおいて、予め各ユーザの利用する端末の連絡先と各ユーザのSNS登録IDとが対応づけられて保存されているSNS登録情報データベースと、ユーザ端末より当該ユーザの登録している連絡先ユーザの情報を収集し、当該ユーザと連絡先ユーザとを対応づけ、前記SNS登録情報データベースを参照することでそれぞれSNS登録IDに変換してユーザ登録関係情報として記録するユーザ登録関係収集部と、ユーザ端末より当該ユーザのコミュニケーション履歴を収集し、前記ユーザ登録関係情報を参照してSNS登録IDの形式で当該コミュニケーション履歴を記録するコミュニケーション履歴収集部と、情報発信しようとする発信ユーザに対して、当該発信ユーザに対する前記コミュニケーション履歴に基づいてSNS登録IDの形式で発信対象ユーザを選定する発信対象ユーザ選定部とを備えることを特徴とする。
また本発明は、ユーザを当該ユーザの利用する端末に基づいて識別し、ユーザ同士の端末間での情報発信を補助するソーシャルネットワーキングサービス(SNS)の方法において、予め各ユーザの利用する端末の連絡先と各ユーザのSNS登録IDとを対応づけて保存するステップと、ユーザ端末より当該ユーザの登録している連絡先ユーザの情報を収集し、当該ユーザと連絡先ユーザとを対応づけ、それぞれSNS登録IDに変換してユーザ登録関係情報として記録するステップと、ユーザ端末より当該ユーザのコミュニケーション履歴を収集し、前記ユーザ登録関係情報を参照してSNS登録IDの形式で当該コミュニケーション履歴を記録するステップと、情報発信しようとする発信ユーザに対して、当該発信ユーザに対する前記コミュニケーション履歴に基づいてSNS登録IDの形式で発信対象ユーザを選定するステップとを備えることを特徴とする。
本発明によれば、ユーザを端末で識別することで端末と連携して運用されるSNSにて、ユーザ端末に登録されている連絡先ユーザの情報を、予めSNS登録IDと連絡先との対応が登録されているSNS登録情報データベースを用いてSNS登録IDに変換し、その中から当該SNS登録IDの形式によって発信対象ユーザを選定するので、発信ユーザは発信対象ユーザをSNS内において検索する等して見つけ出す手間から解放される。
また本発明によれば、発信ユーザのユーザ端末に登録されている連絡先ユーザとの間のコミュニケーション履歴に基づいて発信対象ユーザを選定するので、発信ユーザに選定の手間をかけることなく適切に発信対象ユーザの選定を行うことができる。
本発明のソーシャルネットワーキングサービス(SNS)システムの機能ブロック図である。 本発明の発信対象ユーザ選定方法のフローチャートである。 コミュニケーション履歴の例を示す図表である。 ソーシャルグラフの例を示す図である。
以下、図面を参照して本発明を詳細に説明する。図1は、本発明のソーシャルネットワーキングサービス(SNS)システムの機能ブロック図である。SNSシステム1は、所定のSNSを運用するシステムであって、SNS登録情報DB2、ユーザ登録関係収集部3、コミュニケーション履歴収集部4、信頼度算出部5、ソーシャル関係情報構築部6、発信対象ユーザ選定部7及び発信部8を備える。なお、本発明の説明においてDBとはデータベースの略である。ユーザ登録関係収集部3はユーザ登録関係DB30を含み、コミュニケーション履歴記録部4はコミュニケーション履歴DB40を含み、ソーシャル関係情報構築部6はソーシャルグラフ構築部60を含む。
ネットワーク等を介して当該SNSシステム1を利用するユーザ端末21は、典型的には携帯端末であって、情報発信部22、アドレス記録部23及びコミュニケーション履歴記録部24を備える。アドレス記録部23には、端末ユーザによって登録された当該ユーザの友人・知人等の連絡先情報が記録されている。コミュニケーション履歴記録部24には、当該ユーザ端末21による電話の発着信やメールの送受信などの履歴としての、コミュニケーション履歴の情報が記録されている。端末ユーザがSNSを利用して情報発信を行う場合には、当該情報発信を行う旨の情報及び具体的な内容としての発信情報が、情報発信部22よりSNSシステム1に送信される。
図1には、当該SNSシステム1を利用するその他のユーザ端末31、32及び33等も示されている。ここでは、ユーザ端末21が情報発信を行おうとしているユーザの端末であって、その他のユーザ端末31、32及び33等の中から、SNSシステム1を利用することで発信対象とすべきユーザの端末を自動選定する場合を想定して、本発明を説明する。
SNS登録情報DB2には、当該SNSに登録している各ユーザのSNS登録IDの情報や、当該SNSにおける各ユーザの登録プロフィールの情報などが記録されている。ユーザ登録関係収集部3は、アドレス記録部23の情報を収集して収集元のユーザ端末21の端末ユーザと対応づけ、SNS登録情報DB2を参照して、端末ユーザと当該端末ユーザの連絡先ユーザとをSNS登録IDの形式で対応づけてユーザ登録関係情報とし、ユーザ登録関係DB30に格納する。
コミュニケーション履歴収集部4は、コミュニケーション履歴記録部24の情報すなわち当該端末ユーザのコミュニケーション履歴を収集して、ユーザ登録関係DB30における当該端末ユーザに対するユーザ登録関係情報を参照して、コミュニケーション履歴をSNS登録IDの形式でコミュニケーション履歴DB40に格納する。
信頼度算出部5は、コミュニケーション履歴DB40に格納された各ユーザのコミュニケーション履歴に基づき、当該ユーザが連絡先としてアドレス記録部23に登録している各ユーザの信頼度の算出を行う。ソーシャル関係情報構築部6は、信頼度算出部5で算出された各連絡先ユーザに対する信頼度に対してさらに、SNS登録情報DB2に登録されているプロフィール情報を対応づけて、ソーシャル関係情報を構築する。
ソーシャルグラフ構築部60は、発信対象ユーザ選定部7が選定した発信対象ユーザが適切かの確認をユーザ端末21のユーザに対して行わせるために、ソーシャル関係情報をグラフ形式のソーシャルグラフとして構築した上で、ユーザ端末21に送信する。
発信対象ユーザ選定部7は、情報発信しようとするユーザの各連絡先ユーザに対するコミュニケーション履歴、信頼度、又はソーシャル関係情報に基づいて、連絡先ユーザの中から発信対象とすべきユーザをSNS登録IDの形式で選定する。例えば、端末31及び32のユーザに対しては情報発信し、端末33のユーザに対しては情報発信しない、等の選定を行う。
発信部8は、当該選定されたユーザに対して、SNSシステム1の運用するSNSにより情報発信する、あるいは、新たな発信情報の存在を伝え当該情報を閲覧可能な状態にするなどして情報発信可能な状態とする。
図2は、本発明の発信対象ユーザ選定方法のフローチャートである。図2を参照して、図1の各機能ブロックの説明をより詳細に行う。ステップS0で当該フローを開始する前の前提として、ユーザ端末21、31、32及び33等の各端末ユーザは、SNSシステム1にて運用されるSNSにそれぞれの端末経由で登録を済ませ、SNS登録IDが付与されているものとする。当該登録に必要となる情報には、登録する際に用いた端末の識別情報、端末で利用するメールアドレスの情報、端末の電話番号の情報などが含まれ、SNS登録IDと対応づけてSNS登録情報DB2に格納される。当該メールアドレス及び電話番号は登録端末に対応するものであり、ユーザは当該登録端末を用いて当該SNSを利用することとなる。すなわち当該SNSはこのような意味で、ユーザをユーザ端末に基づいて識別するSNSである。
また、当該SNS登録IDと対応づけてさらに、SNSにおける各ユーザのプロフィール情報もSNS登録情報DB2に格納される。なお、各情報の登録に際しては、各端末ユーザの許諾を経るものとする。さらに、登録された各情報を利用して本発明に係る発信対象ユーザの自動選定を以下のように行うに際しても、各端末ユーザの許諾を経るものとする。
以上のような前提のもと、ステップS0でフローが開始されると、ステップS1では、当該SNSにより情報発信を行おうとするユーザ端末21のユーザ(「発信ユーザ」とする)より、情報発信を行う旨の情報をSNSシステム1が受信する。当該受信の際に、発信情報も合わせて受信してよい。
発信情報は例えば、SNSに投稿する日記などを含み、テキスト及び/又は画像で構成される。その他例えばTwitter(登録商標)などのミニブログサービスで発信されている「ツイート」(所定文字数以内のテキスト文)や、ユーザが撮影した写真や動画などを含むこととする。
ステップS2では、発信ユーザのユーザ端末21のアドレス記録部23に記録されている情報を、ユーザ登録関係収集部3が収集する。当該情報はいわゆるアドレス帳の情報に相当し、発信ユーザにより登録された連絡先の情報である。当該連絡先には、連絡先ユーザの端末を特定する電話番号とメールアドレスとのうちの少なくとも一方が含まれる。
ステップS2ではユーザ登録関係収集部3がさらにSNS登録情報DB2を参照して、収集した発信ユーザの連絡先をSNS登録IDに変換したうえで、当該発信ユーザ自身のSNS登録IDと対応づけてユーザ登録関係情報を作成し、ユーザ登録関係DB20に格納する。アドレス記録部23より収集された、当該連絡先ユーザの電話番号及び/又はメールアドレスなどとして与えられるユーザ特定情報をキーとして、ユーザ登録関係収集部3がSNS登録情報DB2を検索することで、当該連絡先ユーザのSNS登録IDが見つかる。なお、当該検索によりSNS登録IDが見つからない連絡先は当該SNSに参加していないので、当該連絡先はユーザ登録関係情報には含まれないこととなる。
なおまた、本発明の特記すべき効果として、ある連絡先ユーザについて電話番号とメールアドレスとの片方のみしか登録されておらず、しかも当該連絡先ユーザのSNSにおけるIDが発信ユーザに不明の場合であっても、上記のようにSNS登録情報DB2を利用することで、自動的に当該連絡先ユーザのSNS登録IDが判明するという点がある。すなわち、発信ユーザは発信対象ユーザ(ただし、当該ステップS2の時点では、連絡先ユーザすなわち発信対象ユーザの候補である)を手動で設定するという手間から解放される。この際、SNS登録情報DB2には当該連絡先ユーザの電話番号とメールアドレスとの両者が登録されているものとする。
ステップS3では、コミュニケーション履歴収集部4が、当該発信ユーザのユーザ端末21のコミュニケーション履歴記録部24より、コミュニケーション履歴を収集する。そして当該収集したコミュニケーション履歴のうち、コミュニケーション相手がアドレス記録部23における連絡先に含まれるものを選別し、連絡先に含まれない相手とのコミュニケーション履歴を削除する。コミュニケーション履歴収集部4はさらに、選別されたコミュニケーション履歴を、ステップS2のユーザ登録関係情報を参照してSNS登録IDの形式でのコミュニケーション履歴に変換し、コミュニケーション履歴DB40に格納する。
このような変換を可能にするために、ユーザ登録関係情報にはSNS登録IDに変換する前の形式における連絡先の情報も含んでいるものとする。コミュニケーション履歴についても同様に、SNS登録IDへ変換後も、変換前の形式における連絡先の情報を適宜参照可能なように含んでいるものとする。
図3に、コミュニケーション履歴の例を図表の形で示す。コミュニケーション履歴はユーザ端末21における各コミュニケーションの、コミュニケーション相手と、コミュニケーション日時と、コミュニケーション種別とを特定する情報を含む。コミュニケーション相手は欄F1にユーザIDとして示されている。ここでは電話番号によるIDの例が示されているが、前述の通り、当該IDに一意に対応する不図示のSNS登録IDが存在してコミュニケーション履歴を構成する。
欄F2に示されるコミュニケーション日時は、各コミュニケーションの発生日時である。欄F3に示されるコミュニケーション種別は、各コミュニケーションの媒体や送受信区別を特定する。媒体は、ユーザ端末21で利用可能な例えば電話又はメール等のいずれを用いたかにより特定される。媒体がメールである場合さらに、特定情報にはメールサービスの区別が含まれていてもよい。たとえばSMS(ショートメッセージサービス)であるかの区別が含まれていてもよい。またさらに、メールのデータサイズ、画像を含むか否か等の情報も含まれていてもよい。媒体が電話である場合もまた、電話の継続時間の情報などが含まれていてもよい。
なお、ユーザ端末21が携帯端末であれば一般に上記のような各媒体が利用可能であるが、一部の媒体のみ利用できる(例えば電話は使えずメールのみが使える)ようなユーザ端末21であっても、本発明は適用可能である。
ステップS4では、発信対象ユーザ選定部7が、SNSにおける発信情報を実際に発信する対象とする発信対象ユーザを選定する。当該選定については各種の実施形態がある。いずれの実施形態でも発信対象ユーザはSNS登録IDの形で選定されるので、図2のフローをステップS5にて終了した後の不図示のステップにて、発信部8が当該SNS登録IDを利用することで、発信情報を当該SNSによって発信対象ユーザに発信する。以下、選定の各実施形態を説明する。
第一実施形態では、ステップS3で収集されSNS登録IDの形式に変換されたコミュニケーション履歴に基づいて、発信対象ユーザを選定する。例えば、当該情報発信を行う時点までの所定範囲の過去で、所定基準を満たす頻度でコミュニケーション相手となっているユーザを、発信対象ユーザとして選定する。
第一実施形態では、ステップS3で得られるコミュニケーション履歴が発信ユーザの情報発信を行う時点での最新の履歴であるので、当該時点において発信ユーザとコミュニケーションが頻繁であるユーザ等が動的かつタイムリーに、適切な発信対象ユーザとして自動選定されるという効果がある。すなわち、ある時点での発信対象ユーザと当該時点から例えば1週間前での発信対象ユーザとは一般に異なる。
なお、以下説明する第二及び第三実施形態においても、最新の情報として得られるコミュニケーション履歴に基づく選定が行われるので、当該第一実施形態と共通の効果がある。第二及び第三実施形態では、上記説明した第一実施形態にステップS3におけるコミュニケーション履歴収集部4の処理を引き継いで、当該ステップS3にて各機能ブロックが追加処理を行ってから、ステップS4での発信対象ユーザ選定部による選定が行われる。
第二実施形態では、ステップS3での追加処理として、信頼度算出部5がコミュニケーション履歴を用いて発信ユーザの各連絡先ユーザの信頼度を算出し、ステップS4では信頼度に基づいて、例えば信頼度が上位の所定数を、発信対象ユーザ選定部7が発信対象ユーザとして選定する。信頼度の算出は具体的には、コミュニケーション履歴より得られるコミュニケーション種別及び頻度の情報、また必要に応じてさらにコミュニケーション日時の情報に基づいて各連絡先ユーザの信頼度を算出する。
コミュニケーション種別の区別は、たとえば電話(音声通話)のコミュニケーション履歴が存在するユーザの信頼度が高く、メールのみのコミュニケーション履歴しか発生していないユーザの信頼度が相対的に低いといった仮説に基づき、ユーザ間の信頼度を算出する際に利用することができる。たとえば、以下の数式(1)により、コミュニケーション種別に基づく信頼度を算出することができる。
ただし、Comscoretype(i)は発信ユーザから見た連絡先ユーザiの信頼度を表すこととし、Callは発信ユーザの全コミュニケーション履歴数、Ctel(i)は連絡先ユーザiとの電話によるコミュニケーション履歴数、Csms(i)は連絡先ユーザiとのショートメッセージサービスによるコミュニケーション履歴数、Cmail(i)は連絡先ユーザiとのメールによるコミュニケーション履歴数をそれぞれ示すこととする。また、α1, α2, α3はそれぞれ予め定められた重み係数とし、通常は正の定数である。このような手法により、発信ユーザのコミュニケーション履歴に含まれる全てのユーザとの間の信頼度を算出する。
なお、数式(1)では、複数のコミュニケーション種別による履歴頻度の重みつき和により、各ユーザに対して1つの信頼度を算出する方式を示しているが、たとえばコミュニケーション種別ごとに個別の信頼度を定義する方法も適用可能である。その場合は、数式(1)の右辺の各項を、それぞれのコミュニケーション種別に対する信頼度として定義することとする。
さらに、数式(1)の信頼度算出において、時間情報を重みとして付与してもよい。具体的には、数式(1)の右辺の各項(連絡先ユーザiとの各種別におけるコミュニケーション頻度を示す)に対し、信頼度算出時点とコミュニケーション履歴が発生した時刻の差分を元に重み付け係数としての忘却係数をかける方法などを適用する。
例えば、数式(1)右辺各項のコミュニケーション種別毎の頻度を、当該種別のコミュニケーションが発生した直近の日時から信頼度算出時点までの経過時間で割ることで、経過時間が長いほど信頼度が下がるような重み付けを行ってもよい。また、個別に発生した各コミュニケーションの全てに同様な重み付けを行ってもよい。例えば、連絡先ユーザiに対するある種別のコミュニケーションが3回あった場合、数式(1)の右辺の1つの履歴数(Ctel(i)、Csms(i)又はCmail(i))の値として、頻度3として利用する代わりに、当該3回の各々が180分前、120分前、60分前に発生したという情報を利用して、
1/180+1/120+1/60
のような経過時刻に基づく重み付けを行った頻度を利用してもよい。また同様に、所定期間よりも過去にあるコミュニケーション履歴は利用せず、所定期間以内のコミュニケーション履歴のみを利用するようにしてもよい。
さらに、経過時刻に基づく重み付けと同様の手法で、各コミュニケーション種別における特有の重みづけを付与してもよい。例えば電話であれば電話時間や、メールであれば文字数等のデータ量をコミュニケーション履歴より参照して重みとして、例えば時間が長い又はデータが多い場合に重く評価する等して利用してもよい。文字数においては、通常の文字と区別される絵文字に対して別途重みを付与してもよい。絵文字は、特別な種類の画像として識別してもよい。送受信の区別、発着信の区別による重みを利用してもよい。
当該第二実施形態では第一実施形態での前記効果に加えてさらに、特にコミュニケーション種別も考慮して信頼度を算出するので、次のような効果がある。例えば電話は発信ユーザの身内との間では頻繁に利用するが当該身内はSNS利用していない又は利用に積極的でなく、電話はあまり利用しないがメール連絡は頻繁に行う知人がSNS利用をするような傾向が前もってわかっている場合に、予めメールの重み係数(α2及びα3等)を電話の重み係数(α1)より大きく設定することで、当該知人などを優先的に発信対象として自動で選定することができる。
第三実施形態では、上記第二実施形態に対してさらに追加処理が行われる。すなわちステップS3においてさらに、信頼度算出部5が算出した信頼度を利用してソーシャル関係情報構築部6がソーシャル関係情報を構築する。当該構築には信頼度と、SNS登録情報DB2に登録されている各ユーザのプロフィール情報とが利用される。ステップS4では発信対象ユーザ選定部7がソーシャル関係情報に基づいて発信対象ユーザを選定する。
ソーシャル関係情報とは、信頼度と、発信ユーザ及び連絡先ユーザの間の社会的な関係の情報とを対応づけた情報である。当該社会的な関係の情報は、ソーシャル関係情報構築部6がSNS登録情報DB2を参照して、発信ユーザ及び連絡先ユーザの各ユーザに対するプロフィール情報を解析することで、特に共通プロフィール等を抽出することにより得ることができる。なお、プロフィール情報は各ユーザが自身で登録した情報(例えば所属団体など)や、別ユーザが当該ユーザを紹介する旨の情報(例えば家族である、同一サークルに所属するなど)などとして予めSNS登録情報DB2に格納されている。
ソーシャル関係情報の一部の例を以下に示す。当該例は発信ユーザとその連絡先ユーザであるユーザXとが共にサークルAに所属しており、信頼度50が算出されていることと、発信ユーザの連絡先ユーザであるユーザYが発信ユーザの家族であって、信頼度40が算出されていることを示している。
(発信ユーザ:サークルA所属)(連絡先ユーザX:サークルA所属)(信頼度:50)
(発信ユーザ)(連絡先ユーザY:発信ユーザの家族)(信頼度40)
発信対象ユーザ選定部7では、上記のように信頼度及び各ユーザのプロフィール情報によって構成されるソーシャル関係情報に基づいて発信対象ユーザを選定する。例えば、第二実施形態の効果の例で説明したような場合であって且つコミュニケーション種別では知人と身内の区別ができない場合であっても、プロフィール情報を信頼度に対する追加的な重み付け等として利用して明示的に知人(例えばサークルの知人)のみを発信対象として選定するようにすることができる。
第三実施形態ではさらに、発信対象ユーザ選定部7においてソーシャル関係情報に加えてさらに、情報発信部22から送信された発信ユーザの発信情報(日記テキストなど)を解析することで、発信対象ユーザを選定することができる。例えば、日記テキストに付与されたタイトルやカテゴリ分類と、プロフィール情報との組み合わせで発信対象ユーザを振り分けるようにすることができる。例えば日記が仕事での出来事に関するものであれば、プロフィール情報により職場共通であるユーザを予め候補として絞り込んだ上で、当該候補ユーザ内で信頼度に基づいて発信対象ユーザを選定することができる。
このような絞り込みを自動で行うために、発信対象ユーザ選定部7では発信情報の種別分類と、各種別項目において優先的に発信対象とすべきユーザのプロフィール情報との対応付けの情報を予め保持しておくものとする。例えば、種別が「仕事」に対してプロフィール情報が「職場」の共通、種別が「ショッピング」に対してプロフィール情報は特に指定無し、種別が「音楽」に対してプロフィール情報が「音楽サークル」の共通、等の対応づけを保持しておくものとする。
なおまた、絞り込みの代わりに、信頼度に対してプロフィール情報と発信情報の種別とに基づく重み付けを、発信対象ユーザ選定部7にてさらに行うようにしてもよい。当該重み付けとほぼ同様の効果となるが、発信情報の種別に基づいて発信対象ユーザの選定基準を変動させてもよい。例えば通常の内容よりもプライベートな内容の発信情報であれば、ソーシャル関係情報を参照し、選定基準として、より緊密である連絡先ユーザのみを選定するようにしてもよい。
上記発信情報の種別の判定を発信対象ユーザ選定部7にて行うに際しては、発信情報がテキストを含む場合であれば公知の各技術によるテキスト解析を適用してもよい。当該テキストがHTMLなどで構成されニュースサイトなどへのリンクを含んでいれば、リンク先を含めてテキスト解析を行ってもよい。画像を含む場合であれば、公知の各技術による画像内容解析を適用してもよい。特に画像が人物を含む場合であれば、顔検出を適用してもよい。
また、種別の判定の特別の場合として、発信情報が発信ユーザのある連絡先ユーザの特定情報を含む場合であれば、発信対象ユーザを当該特定の連絡先ユーザと共通のプロフィール情報(所属団体など)を有するユーザに限定するようにしてもよい。当該特定情報は例えば、発信情報がテキストを含めば人物名等のテキストとして、発信情報が画像を含めば顔検出などによって、得ることができる。
第三実施形態における追加実施形態では、ソーシャルグラフ構築部60が利用されて、ステップS4での選定結果をソーシャル関係情報と共に、発信ユーザに対してグラフィカルに提示して選定結果の過不足を確認させ、必要があれば修正させるようにすることができる。当該提示に際しては、ソーシャル関係情報がソーシャルグラフの形式で表現され、選定結果の情報がソーシャルグラフに付記される。
ソーシャルグラフ構築部60が構築するソーシャルグラフの例を図4に示す。ユーザU1は発信ユーザであり、典型的には図示するようにソーシャルグラフの中央にその識別画像によって描かれる。ユーザU2〜U7は発信ユーザU1の連絡先ユーザであり、それぞれの識別画像によって描かれている。発信ユーザU1は親ノードを形成し、連絡先ユーザU2〜U7は子ノードを形成し、それらの間を接続する枝としてそれぞれE2〜E7が描かれる。
各ユーザを描くための識別画像には、当該SNSに登録している当該ユーザの識別画像を用いてよい。このような識別画像の代わりに、発信ユーザの連絡先としてアドレス記録部23に登録されていた名前等の情報や、各ユーザの当該SNSに登録している名前等の情報を用いてもよい。識別画像及び名前等を組み合わせて用いてもよい。
各枝E2〜E7は対応する連絡先ユーザU2〜U7の信頼度に基づいて描かれる。図4では、算出された信頼度を「高」「中」「低」の3ランクに分けた上で、「高」となった連絡先ユーザU2〜U4に対応する枝E2〜E4は太く強調表記で描かれ、「中」となった連絡先ユーザU5及びU6に対応する枝E5及びE6は通常の太さの表記で描かれ、「低」となった連絡先ユーザU7に対応する枝E7は弱く点線を用いて描かれている。
各連絡先ユーザU2〜U7の識別画像にはそれぞれ、発信ユーザとの関係でのプロフィール情報P2〜P7がそれぞれテキストとして付記される。すなわち、連絡先ユーザU2は発信ユーザU1の「家族」(P2)であり、U3は「職場」関係(P3)であり、U4は「職場」関係かつ「サークル」関係(P4)であり、U5は「サークル」関係(P5)であり、U6及びU7には特記すべきプロフィール情報が存在しない(P6及びP7)。
また、信頼度及びプロフィール情報として構成されるソーシャル関係情報に基づいて発信対象ユーザとして選定された連絡先ユーザはU2〜U4であり、当該選定ユーザの識別画像には選定された旨を表すチェックマークCが付記される。
発信ユーザは図4のようなソーシャルグラフ形式によって選定結果をユーザ端末21において受け取ることで、当該選定結果が妥当か一目瞭然に確認することができる。選定結果を修正したい場合には、チェックマークCを付け変えることによって修正結果を発信対象ユーザ選定部7に返信し、当該修正結果に基づく発信を行うよう発信部8に設定することができる。
また、選定結果を修正したい場合の別実施形態として、ソーシャルグラフに付記された選定結果の算出情報自体をユーザ端末21に送信して別パラメータを発信ユーザに設定させるようにしてもよい。この場合もソーシャルグラフによりグラフィカルに設定することができる。すなわち数式(1)の各パラメータα1, α2, α3や、あるいは発信対象ユーザとするか否かの閾値などを、その位置に値が対応するスクロールバー等のGUI(グラフィカルユーザインタフェース)部品としてさらにソーシャルグラフに付記し、且つ算出式もユーザ端末21に通知することにより、当該バーを調整することで選定パラメータを変動させて連続的にユーザ端末21において再選定の計算を行い、選定結果をソーシャルグラフの形式で連続的に変動させて発信ユーザが適切な選定結果を決定するようにしてもよい。さらに、どのプロフィール情報を前記絞り込みに利用するかを設定したり、信頼度算出において経過時間の重み付けを行うか否かを設定したりするような、各算出条件のチェックボックス等をソーシャルグラフに付記して、同様に調整できるようにしてもよい。当該パラメータ調整の後にさらにチェックマークCの付け変えを行うようにしてもよい。
以上、本発明によれば、ユーザ端末に登録されている連絡先ユーザの情報を、ユーザを端末で識別することで端末と連携して運用されるSNSにて予め登録されているSNS登録IDに変換し、その中から当該SNS登録IDの形式によって発信対象ユーザを選定するので、発信ユーザは発信対象ユーザをSNS内において検索する等して見つけ出す手間から解放される。また本発明によれば、発信ユーザのユーザ端末に登録されている連絡先ユーザとの間のコミュニケーション履歴に基づいて発信対象ユーザを選定するので、適切に発信対象ユーザの選定を行うことができる。
1…SNSシステム、2…SNS登録情報DB、3…ユーザ登録関係収集部、4…コミュニケーション履歴収集部、5…信頼度算出部、6…ソーシャル関係情報構築部、60…ソーシャルグラフ構築部、7…発信対象ユーザ選定部、8…発信部

Claims (7)

  1. ユーザを当該ユーザの利用する端末に基づいて識別し、ユーザ同士の端末間での情報発信を補助するソーシャルネットワーキングサービス(SNS)システムにおいて、
    予め各ユーザの利用する端末の連絡先であって当該端末で利用するメールアドレスの情報及び/又は当該端末の電話番号の情報を含む連絡先と各ユーザのSNS登録IDとが対応づけられて保存されているSNS登録情報データベースと、
    ユーザ端末より当該ユーザの登録している連絡先ユーザの情報を収集し、当該ユーザと連絡先ユーザとを対応づけ、前記SNS登録情報データベースを参照することでそれぞれSNS登録IDに変換してユーザ登録関係情報として記録するユーザ登録関係収集部と、
    ユーザ端末より当該ユーザのコミュニケーション履歴のうちそのコミュニケーション相手が前記収集した連絡先ユーザに該当するものを収集し、前記ユーザ登録関係情報を参照してSNS登録IDの形式で当該コミュニケーション履歴を記録するコミュニケーション履歴収集部と、
    情報発信しようとする発信ユーザに対して、当該発信ユーザに対する前記コミュニケーション履歴に基づいてSNS登録IDの形式で発信対象ユーザを選定する発信対象ユーザ選定部とを備え
    前記ユーザ端末より収集した当該ユーザのコミュニケーション履歴における、コミュニケーション相手、コミュニケーション種別並びに当該相手及び種別の頻度の情報に基づいて、当該ユーザの登録している各連絡先ユーザの信頼度を算出する信頼度算出部をさらに備え、
    前記発信対象ユーザ選定部が、前記信頼度に基づいて前記発信ユーザの各連絡先ユーザの中から発信対象ユーザを選定し、
    前記ユーザ登録関係収集部が、前記収集された連絡先ユーザの情報に含まれる電話番号又はメールアドレスのうちの少なくとも一方に基づいて当該連絡先ユーザのSNS登録IDに変換することを特徴とするSNSシステム。
  2. 前記信頼度算出部が、前記コミュニケーション履歴における、コミュニケーション相手及びコミュニケーション種別並びに当該相手及び種別の頻度の情報に対してさらに、各コミュニケーションの発生日時からの経過時間に基づく重み付けを行って前記信頼度を算出することを特徴とする請求項1に記載のSNSシステム。
  3. SNS登録情報データベースには予めさらに各ユーザのSNS登録プロフィール情報がSNS登録IDと対応づけて保存され、
    前記ユーザ端末より収集した当該ユーザのコミュニケーション履歴に基づいて、各連絡先ユーザにつき算出された信頼度に対して、前記SNS登録情報データベースを参照して当該ユーザ及び連絡先ユーザのそれぞれのSNS登録プロフィール情報を対応づけてソーシャル関係情報を構築するソーシャル関係情報構築部をさらに備え、
    前記発信対象ユーザ選定部が、前記ソーシャル関係情報に基づいて発信対象ユーザを選定することを特徴とする請求項1または2に記載のSNSシステム。
  4. 前記発信ユーザに対して前記発信対象ユーザ選定部により選定された発信対象ユーザが適切であるかを確認させるために、前記ソーシャル関係情報を用いて、前記発信ユーザを親ノードとして識別画像を付与し、前記発信ユーザの各連絡先ユーザを子ノードとして識別画像を付与し、当該親子ノード間の枝を対応する信頼度に基づいて描き、子ノードである各ユーザの識別画像に対応する前記SNS登録プロフィール情報及び発信対象ユーザとして選定されたか否かの情報を付記したソーシャルグラフを構築するソーシャルグラフ構築部をさらに備えることを特徴とする請求項3に記載のSNSシステム。
  5. 前記発信対象選定部がさらに、前記情報発信しようとする発信ユーザによる発信情報の種別に基づいて発信対象ユーザを選定することを特徴とする請求項3または4に記載のSNSシステム。
  6. 前記発信情報が、テキスト又は画像のうち少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項5に記載のSNSシステム。
  7. ユーザを当該ユーザの利用する端末に基づいて識別し、ユーザ同士の端末間での情報発信を補助するソーシャルネットワーキングサービス(SNS)の方法において、
    予め各ユーザの利用する端末の連絡先であって当該端末で利用するメールアドレスの情報及び/又は当該端末の電話番号の情報を含む連絡先と各ユーザのSNS登録IDとを対応づけて保存する第一ステップと、
    ユーザ端末より当該ユーザの登録している連絡先ユーザの情報を収集し、当該ユーザと連絡先ユーザとを対応づけ、それぞれSNS登録IDに変換してユーザ登録関係情報として記録する第二ステップと、
    ユーザ端末より当該ユーザのコミュニケーション履歴のうちそのコミュニケーション相手が前記収集した連絡先ユーザに該当するものを収集し、前記ユーザ登録関係情報を参照してSNS登録IDの形式で当該コミュニケーション履歴を記録する第三ステップと、
    情報発信しようとする発信ユーザに対して、当該発信ユーザに対する前記コミュニケーション履歴に基づいてSNS登録IDの形式で発信対象ユーザを選定する第四ステップとを備え
    前記第四ステップでは、前記ユーザ端末より収集した当該ユーザのコミュニケーション履歴における、コミュニケーション相手、コミュニケーション種別並びに当該相手及び種別の頻度の情報に基づいて、当該ユーザの登録している各連絡先ユーザの信頼度を算出し、当該算出した信頼度に基づいて前記発信ユーザの各連絡先ユーザの中から発信対象ユーザを選定し、
    前記第二ステップでは、前記収集された連絡先ユーザの情報に含まれる電話番号又はメールアドレスのうちの少なくとも一方に基づいて当該連絡先ユーザのSNS登録IDに変換することを特徴とする方法。
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