従来より、マイクロコンピューターによって全体の動作を制御され、媒体として、例えば、給紙装置によって供給された記録紙上に記録紙の幅方向(なお、本明細書においては、当該記録紙などの媒体の幅方向を、「主走査方向」と適宜称することとする。)で移動するインクヘッドを用い、インクジェット方式により粒子感の無い光沢のある印刷、即ち、グロス印刷を行うにしたインクジェットプリンタが知られている。
なお、本明細書においては、主走査方向と直交する方向(具体的には、後述する記録紙の搬送方向に沿う方向かつ記録紙の長手方向)を、以下、「副走査方向」と称する。
図1には、上記したようなインクジェットプリンタの一例を示す概略構成説明図が示されており、このインクジェットプリンタ110は、基台部材12に支持され主走査方向に延長して配設された固定系のベース部材14と、ベース部材14の左右両端でベース部材14に直交して配設された側方部材16L、16Rと、側方部材16R内に配設された6つのインクカートリッジ18−1〜18−6と、6つのインクカートリッジ18−1〜18−6のそれぞれから延長されたインクチューブ(図示せず。)を内部に挿通して支持する管状のインクチューブガイド20(図2を参照する。)と、左右2つの側方部材16L、16Rを連結する中央壁22と、中央壁22の壁面に平行して主走査方向に移動自在に配設されたワイヤー24と、ワイヤー24に固定的に配設されたインクヘッドホルダー130とを有して構成されている。
なお、こうしたインクジェットプリンタ110の全体の動作は、マイクロコンピューター200によって制御されており、図示しない操作子群を用いて動作の設定を行うようになされている。
ここで、図2に示すように、インクヘッドホルダー130には、主走査方向と一致する方向に一列に並んで6つのインクヘッド32−1〜32−6が配設されているとともに、6つのインクヘッド32−1〜32−6のうち主走査方向における最も左方側に配設されたインクヘッド32−1の左方側に隣接して紫外線ランプ34が記録紙100に対向するようにして配設されている。
記録紙100は、モーター(図示せず。)により駆動されて回転するグリッドローラー202と、上下方向に移動可能かつバネ(図示せず。)などにより下方向へ常時付勢された回転自在なピンチローラー204とにより挟持されている。
インクジェットプリンタ110においては、グリッドローラー202とピンチローラー204とにより搬送手段が構成されている。
なお、図2においては、ベース部材14に対して主走査方向の右側端部に位置するグリッドローラー202とピンチローラー204とのみを図示したが、ベース部材14に対して主走査方向の左側端部にも右側端部と同様にグリッドローラー202とピンチローラー204とが配設されている。
このインクジェットプリンタ110においては、マイクロコンピューター200によってモーター(図示せず。)の駆動を制御することによりグリッドローラー202を回転し、グリッドローラー202の回転により、図2の紙面の表面側に飛び出す方向に記録紙100は搬送される。
インクヘッド32−1〜32−6ならびに紫外線ランプ34は、主走査方向における左方側から紫外線ランプ34、インクヘッド32−1、インクヘッド32−2、インクヘッド32−3、インクヘッド32−4、インクヘッド32−5、インクヘッド32−6の順で、インクヘッドホルダー130に配設されている。
そして、6つのインクヘッド32−1〜32−6には、6つのインクカートリッジ18−1〜18−6に収容された液体状のインクがインクチューブを介してそれぞれ搬送されて供給される。
なお、6つのインクカートリッジ18−1〜18−6にそれぞれ収容されている液体状のインクは、所定の色彩を備えた紫外線で硬化するUVインクである。
また、インクヘッド32−1〜32−6の下面には、供給されたインクを記録紙100に対して射出する射出口として、複数個のインクジェットノズルを副走査方向に沿って配置したインクジェットノズル列44が配設されている。
一方、紫外線ランプ34は、インクヘッド32−1〜32−6のインクジェットノズルから射出されるUVインクの飛滴が落下する記録紙100上に紫外線を照射して、記録紙100上においてUVインクを硬化させる。
ここで、これらインクヘッド32−1〜32−6と紫外線ランプ34とは、図3(a)に示すように、紫外線ランプ34がインクヘッド32−1〜32−6に対して副走査方向の前方側、即ち、記録紙100の搬送方向側にずれて配置されている。
具体的には、図3(b)に示すように、インクヘッド32−1〜32−6のインクジェットノズル列44からUVインクが射出される際に、インクジェットノズル列44からUVインクが射出されて記録紙100上にUVインクのドットが形成される領域(印刷領域S)と、紫外線ランプ34により紫外線が照射される記録紙100上の領域(有効照射領域E)とが重ならないようになされている。
ワイヤー24に固定的に配設されたインクヘッドホルダー130は、ワイヤー24がモーターなどの駆動装置(図示せず。)によって巻き取られて主走査方向に移動すると、ワイヤー24の移動に伴って中央壁22の壁面に沿って主走査方向に移動する。
そして、このインクヘッドホルダー130の移動に伴って、インクヘッドホルダー130に固定的に配設されたインクヘッド32−1〜32−6ならびに紫外線ランプ34も、記録紙100上を側方部材16R側からインクジェットプリンタ110の中央を経て側方部材16L側へと主走査方向における行き方向で移動するとともに、側方部材16L側からインクジェットプリンタ110の中央を経て側方部材16R側へと主走査方向における帰り方向で移動する。
以上の構成において、このインクジェットプリンタ110を用いて記録紙100上に印刷を行う場合を説明すると、マイクロコンピューター200の制御により、給紙装置(図示せず。)によって記録紙100を搬送方向、即ち、副走査方向の前方側へ移動させながら、インクヘッドホルダー130に配設されたインクヘッド32−1〜32−6および紫外線ランプ34は、ワイヤー24の巻き取りによるワイヤー24の移動に伴って、給紙装置(図示せず。)によってベース部材14上に供給された記録紙100上を主走査方向における行き方向および帰り方向で一体的に往復移動する。
この際、主走査方向における行き方向と帰り方向との双方向において往復移動するインクヘッド32−1〜32−6は、マイクロコンピューター200の制御により、主走査方向の行き方向で側方部材16R側から側方部材16L側へと移動する往路のみ、あるいは、主走査方向の帰り方向で側方部材16L側から側方部材16R側へと移動する復路のみ、あるいは、主走査方向における行き方向と帰り方向との双方向の往路および復路において、インクジェットノズルからインクチューブによって搬送されたUVインクを射出し、射出されたUVインクの飛滴が記録紙100上の所定の位置に落下して、記録紙100上の所定の位置にドットが形成され、往路あるいは復路のみによる単方向印刷、あるいは、往路および復路による双方向印刷が行われる。
こうしたマイクロコンピューター200の制御による単方向印刷あるいは双方向印刷によって、記録紙100上に所望の画像が印刷される。
ここで、紫外線ランプ100は、インクヘッド32−1〜32−6よりもインクヘッド32−1〜32−6に対して副走査方向の前方側、即ち、記録紙100の搬送方向側にずれて配置されている。
従って、単方向印刷あるいは双方向印刷によりインクヘッド32−1〜32−6のインクジェットノズルからUVインクが射出されてUVインクのドットが形成される際において、記録紙100上におけるUVインクのドットが形成される領域たる印刷領域Sと、紫外線ランプ34により紫外線が照射される記録紙100上の領域たる有効照射領域Eとは一致していない(図3を参照する。)。
このため、インクヘッド32−1〜32−6から記録紙100上に吐出されたUVインクには紫外線が照射されず、当該記録紙100上に吐出されたUVインクは硬化することはない。
そして、記録紙100が搬送方向に移動して、記録紙100上に吐出されたUVインクが有効照射領域Eに入ると、記録紙100上に吐出されたUVインクに紫外線が照射されて硬化される。
その結果、記録紙100上に吐出されたUVインクが有効照射領域Eに入るまでの時間で、記録紙100上に吐出されたUVインクの飛滴が広がって互いに繋がった形状となり、紫外線ランプ100による紫外線によってUVインクの飛滴が広がって互いに繋がった形状で硬化される。
このため、記録紙100の表面において互いに繋がり平たい形状で硬化したUVインクによって、記録紙100の表面における凹凸は小さくなるので、記録紙100の表面は平滑な状態となり、粒子感が無くなり光沢のある印刷結果となりグロス印刷が実現される。
ところで、上記したグロス印刷を実現するためには、インクヘッド32−1〜32−6から記録紙100上に吐出されたUVインクに対して所定の時間経過後に紫外線を照射する必要がある。
即ち、インクヘッド32−1〜32−6による単方向印刷あるいは双方向印刷が終了しても、印刷終了箇所が有効照射領域Eに入るまで、記録紙100をグリッドローラー202とピンチローラー240とにより挟持して搬送方向に移動する必要がある。
このため、印刷終了後において記録紙100をグリッドローラー202とピンチローラー240とにより挟持して搬送方向へ移動可能とするために、印刷領域S全体を有効照射領域Eへ入れるための移動距離に相当する長さM(以下、この長さMを「余白長さM」と称する。)の領域の余白を、記録紙100に最低限設ける必要がある(図3を参照する。)。
従って、一定の長さに切断された合成樹脂製のボードなどを印刷する場合でも、印刷終了後に印刷終了箇所が有効照射領域Eに入るまでグリッドローラー202とピンチローラー240とにより挟持して搬送方向に移動可能とするために、ボードの長さを印刷が行われる領域の長さではなく、印刷が行われる領域とは無関係な余分な長さを保持するように切断する必要があった。
つまり、紫外線ランプを利用したグロス印刷において、ボードなどの媒体を印刷する場合に、印刷が行われる領域とは無関係な無駄な部分が生じてしまうという問題点があった。
なお、本願出願人が特許出願時に知っている先行技術は、上記において説明したようなものであって文献公知発明に係る発明ではないため、記載すべき先行技術情報はない。
以下、添付の図面に基づいて、本発明によるインクジェットプリンタおよび印刷方法の実施の形態の一例を詳細に説明するものとする。
図4には、本発明によるインクジェットプリンタの実施の形態の一例の概略構成説明図が示されており、図5には、図4の要部を拡大的に示した説明図が示されている。
なお、図4以降の図を参照する以下の説明において、図1乃至図3と同一あるいは相当する構成等に関しては、図1乃至図3において用いた符号を用いて示すことにより、その詳細な説明は適宜に省略する。
また、本発明によるインクジェットプリンタにおいても、媒体としては、記録紙を用いるものとし、当該記録紙は、幅方向たる主走査方向において所定の長さを有するとともに、主走査方向と直交する方向、即ち、記録紙の長手方向に搬送されるようになされている。なお、主走査方向と直交する方向(即ち、記録紙の搬送方向かつ記録紙の長手方向)を、以下、「副走査方向」と称する。
ここで、従来のインクジェットプリンタ110と本発明によるインクジェットプリンタ10とを比較すると、従来のインクジェットプリンタ110においてはインクヘッドホルダー130に紫外線ランプ34が配設されていたのに対して、本発明によるインクジェットプリンタ10においてはインクヘッドホルダー30に第1紫外線ランプ36ならびに第2紫外線ランプ38が移動自在に配設されている点において、両者は異なっている。
インクジェットプリンタ10においては、インクヘッドホルダー30により移動手段が構成されている。
即ち、本発明によるインクジェットプリンタ10においては、第1紫外線ランプ36が、インクヘッドホルダー30の内部30aに配設された6つのインクヘッド32−1〜32−6のうち主走査方向における最も左方側に配設されたインクヘッド32−1の左方側に隣接して移動自在に配設され、第2紫外線ランプ38が、6つのインクヘッド32−1〜32−6のうち主走査方向における最も右方側に配設されたインクヘッド32−6の右方側に隣接して移動自在に配設されている。
また、本発明によるインクジェットプリンタ10においては、本発明の実施に関連する操作子群として操作子群40が配設されている。
なお、こうしたインクジェットプリンタ10の全体の動作は、マイクロコンピューター200によって制御されている。
より詳細に説明すると、インクジェットプリンタ10のインクヘッドホルダー30は、内部30aが中空の略箱状体に形成されており、内部30aを形成するいずれも略矩形形状の底面部30b、左側面部30c、右側面部30d、正面部30e、背面部30fならびに上面部30gを備えている。
なお、図6においては、説明を容易にするために、インクヘッドホルダー30の正面部30eならびに上面部30gを省略した状態で現されている。
背面部30fは主走査方向と一致する方向に延長しているとともに、当該背面部30fと直交して位置する左側面部30cならびに右側面部30dは、主走査方向と直交する副走査方向に延長している。
また、背面部30fには、主走査方向に移動自在に配設されたワイヤー24が固定的に配設されている。
このインクヘッドホルダー30の内部30aには、6つのインクヘッド32−1〜32−6が左側面部30c側から主走査方向と一致する方向に一列に並んで順次配置されている。
これら6つのインクヘッド32−1〜32−6はそれぞれ同様な構成を備えており、インクヘッド32−1〜32−6の下面32a−1〜32a−6には、供給されたインクを記録紙100に対して射出する射出口として複数個のインクジェットノズル42が配設されている(図6(b)を参照する。)。
これら複数個のインクジェットノズル42は副走査方向に一列に並んで配置され、副走査方向における全長がLであるインクジェットノズル列44を形成しており、インクヘッドホルダー30の底面部30bに穿設された孔からインクヘッドホルダー30の外部に位置するように配設されている。
一方、第1紫外線ランプ36と第2紫外線ランプ38とはいずれも、同一の構成を備えており、全体が略中空直方体形状のケース33,35と、ケース33,35内に配置されるとともに所定の長さを有するフィラメント37a,39aを備えたランプ本体37,39とを有して構成されている。
また、ケース33,35は、後述するガイドレール62,68が係合可能なように側面33a,35aに形成された係合部33b,35bと、上面に形成された取り付け部33c,35cとを備えている。
これら第1紫外線ランプ36ならびに第2紫外線ランプ38は、インクヘッド32−1〜32−6のインクジェットノズル42から射出されたUVインクの飛滴が落下する記録紙100上にランプ本体37,39から出射された紫外線を照射して、記録紙100上においてUVインクを硬化させる。
なお、第1紫外線ランプ36と第2紫外線ランプ38との点灯ならびに消灯は、マイクロコンピューター200によってそれぞれ制御される。
また、インクヘッドホルダー30の左側面部30cには、モーター50が内部30a内に位置するようにして配設されている。
このモーター50の回転軸50aは、左側面部30cを貫通してインクヘッドホルダー30の外部へ突出し、その先端部にプーリー52が固定されている。
さらに、インクヘッドホルダー30には、回転軸54がその両端部を左側面部30cならびに右側面部30dにそれぞれ貫通させて、軸線方向を主走査方向に一致させた状態で回転自在に配設されている。
この回転軸54の左側面部30cを貫通してインクヘッドホルダー30の外部に突出した一方の端部にはプーリー56が固定され、回転軸54の右側面部30dを貫通してインクヘッドホルダー30の外部に突出した他方の端部にはプーリー58が固定されている。
そして、インクヘッドホルダー30の左側面部30cにおいては、プーリー52とプーリー56との間に駆動ベルト60が無端状に張設されており、駆動ベルト60の下方側の左側面部30cには副走査方向に延長されたガイドレール62が配設されている。
一方、インクヘッドホルダー30の右側面部30dにおいては、インクヘッドホルダー30の外部に位置するようにして配設された回転軸64の先端部に固定されたプーリー66とプーリー58との間に駆動ベルト70が無端状に張設され、駆動ベルト70の下方側の右側面部30dには副走査方向に延長されたガイドレール68が配設されている。
次に、第1紫外線ランプ36ならびに第2紫外線ランプ38のインクヘッドホルダー30への取り付け状態について説明すると、第1紫外線ランプ36は、ケース33の側面33aの係合部33bを左側面部30cのガイドレール62に係合させるとともに取り付け部33cを駆動ベルト60に固定させ、フィラメント37aの延長方向が副走査方向と一致するようにしてインクヘッドホルダー30の左側面部30cに配設されている。
また、第2紫外線ランプ38は、ケース35の側面35aの係合部35bをガイドレール68に係合させるとともに取り付け部35cを駆動ベルト70に固定させ、フィラメント39aの延長方向が副走査方向と一致するようにしてインクヘッドホルダー30の右側面部30dに配設されている。
従って、モーター50が駆動されて回転軸50aとともにプーリー52が回転にすると、プーリー52の回転に伴い駆動ベルト60も回転し、駆動ベルト60に固定された第1紫外線ランプ36がガイドレール62に沿って副走査方向に移動される。
また、駆動ベルト60の回転は、プーリー56および回転軸54を介してプーリー58へ伝達され、プーリー58の回転に伴い駆動ベルト70も回転し、駆動ベルト70に固定された第2紫外線ランプ38がガイドレール68に沿って副走査方向に移動される。
具体的には、モーター50の回転軸50aが矢印A方向に回転した場合には、プーリー56は矢印B方向に回転して、駆動ベルト60に固定された第1紫外線ランプ36が、副走査方向の後方側から前方側に向かって矢印C方向で移動するとともに、プーリー58が矢印D方向に回転して、駆動ベルト70に固定された第2紫外線ランプ38が副走査方向の後方側から前方側に向かって矢印E方向で移動する(図5を参照する。)。
反対に、モーター50の回転軸50aが矢印F方向に回転した場合には、プーリー56は矢印G方向に回転して、駆動ベルト60に固定された第1紫外線ランプ36が、副走査方向の前方側から後方側に向かって矢印H方向で移動するとともに、プーリー58が矢印I方向に回転して、駆動ベルト70に固定された第2紫外線ランプ38が副走査方向の前方側から後方側に向かって矢印J方向に移動する(図6(a)を参照する。)。
また、当然のことながら、インクヘッドホルダー30の移動に伴って、インクヘッド32−1〜32−6、第1紫外線ランプ36ならびに第2紫外線ランプ38は、所定の走査位置において記録紙100上を、側方部材16R側の主走査方向の一方の端部から、インクジェットプリンタ10の中央を経て側方部材16L側の主走査方向の他方の端部へと、主走査方向における行き方向で往路において移動するとともに、側方部材16L側の主走査方向の他方の端部から、インクジェットプリンタ10の中央を経て側方部材16R側の主走査方向の一方の端部へと、主走査方向における帰り方向で復路において移動する。
つまり、インクヘッド32−1〜32−6、第1紫外線ランプ36ならびに第2紫外線ランプ38は一体的に、主走査方向の一方の端部と他方の端部との間を往復移動し、行き方向に移動して主走査方向の他方の端部に到達したならば、その移動方向を帰り方向に変更して一方の端部まで移動し、到達した一方の端部において移動方向を再び行き方向に変更して移動するというように、往路・復路・往路・復路・・・の移動を所定の走査位置において繰り返すものである。
なお、走査位置は、媒体たる記録紙100が副走査方向の後方側から前方側に向かって搬送されることにより、所定の間隔で順次変化するものである。
なお、図面より明らかであるが、インクヘッド32−1〜32−6、第1紫外線ランプ36ならびに第2紫外線ランプ38が一体的に往路において行き方向で移動するときには、インクヘッド32−1〜32−6の前段に第1紫外線ランプ36が位置し、インクヘッド32−1〜32−6の後段に第2紫外線ランプ38が位置する。
これに対して、インクヘッド32−1〜32−6、第1紫外線ランプ36ならびに第2紫外線ランプ38が一体的に復路において帰り方向で移動するときには、インクヘッド32−1〜32−6の前段に第2紫外線ランプ38が位置し、インクヘッド32−1〜32−6の後段に第1紫外線ランプ36が位置する。
次に、操作子群40について説明すると、操作子群40は側方部材16Rに配設されており、ユーザーは画面上に所定のメニューを表示する表示装置(図示せず。)を参照しながら操作子群40を操作して、インクジェットプリンタ10を使用するユーザーの所望の指示を入力することになる。
操作子群40の操作により行われた各種設定の内容は、マイクロコンピューター200によって処理されて、本発明による印刷処理に用いられる情報としての所定のエリアに記憶される。
この実施の形態においては、ユーザーが操作子群40を操作することにより、単一パス印刷または複数パス印刷のいずれかを選択することができる。
この単一パス印刷と複数パス印刷とのいずれにおいても、グロス印刷たる光沢有り印刷が行われる。
つまり、インクジェットプリンタ10においては、操作子群40の操作によって、
(i)単一パス印刷で光沢有り印刷(グロス印刷)モード
(ii)複数パス印刷で光沢有り印刷(グロス印刷)モード
という2つのモードが設定可能になっている。
ここで、インクジェットプリンタ10において設定可能な単一パス印刷と複数パス印刷について詳細に説明することとする。
インクジェットプリンタ10において、インクヘッド32−1〜32−6、第1紫外線ランプ36ならびに第2紫外線ランプ38が一体的に、所定の走査位置において主走査方向の一方の端部と他方の端部との間を行き方向あるいは帰り方向で1回移動したときに、当該移動に伴い記録紙100上に印刷される最大の範囲は、インクヘッド32−1〜32−6が主走査方向に移動した距離を長さとするとともに、インクヘッド32−1〜32−6のインクジェットノズル列44の副走査方向における全長L(図6(b)を参照する。)を幅とする1本のラインに一致する。
この1本のラインを印刷単位としての「バンド」と称することとし、また、1バンドが印刷されるべき記録紙100上の範囲を単位印刷領域Pと称することとする。
そして、インクヘッド32−1〜32−6、第1紫外線ランプ36ならびに第2紫外線ランプ38が一体的に、主走査方向の一方の端部と他方の端部との間を行き方向あるいは帰り方向で移動することを「パス」と称する。
上記したような1バンド分の印刷を、インクヘッド32−1〜32−6、第1紫外線ランプ36ならびに第2紫外線ランプ38が一体的に主走査方向の一方の端部と他方の端部との間を行き方向あるいは帰り方向で1回移動して完了する、即ち、1パスで行うのが単一パス印刷である。
一方、1バンド分の印刷を、インクヘッド32−1〜32−6、第1紫外線ランプ36ならびに第2紫外線ランプ38が一体的に主走査方向の一方の端部と他方の端部との間を行き方向ならびに帰り方向で2回以上移動して完了する、即ち、複数のパスで行うのが複数パス印刷である。
なお、インクジェットプリンタ10においては、単一パス印刷の場合には、1パスで1バンド分の印刷が行われるので、1パス毎に単位印刷領域P分だけ、記録紙100を副走査方向における後方側から前方側に向かって送り出すように設定されている。
従って、単一パス印刷の場合、インクヘッド32−1〜32−6が対向する記録紙100上のインクジェットノズル列44の副走査方向における全長Lを有する印刷領域Sと単位印刷領域Pとは常に一致する。
また、複数パス印刷の場合には、複数パスで1バンド分の印刷が行われるので、1パス毎に「単位印刷領域P/1バンド分の印刷を完了するパスの総数」分だけ、記録紙100を副走査方向における後方側から前方側に向かって送り出すように設定されている。
例えば、4パスで1バンド分の印刷を行う場合には、1パス毎に「単位印刷領域P/4」分だけ記録紙100が搬送され、4パスで記録紙100が4回送られたときに単位印刷領域P分の記録紙100が搬送されるようになる。
従って、複数パス印刷の場合、印刷領域Sと単位印刷領域Pとは常に一致するものではない。
以上の構成において、インクジェットプリンタ10を用いて上記した(i)および(ii)の2つのモードで記録紙100上に印刷を行う場合を説明する。
まず、全体に共通な動作を説明すると、ワイヤー24の巻き取りによるワイヤー24の移動に伴って、インクヘッドホルダー30に配設されたインクヘッド32−1〜32−6と第1紫外線ランプ36と第2紫外線ランプ38とが一体的に、給紙装置(図示せず。)によってベース部材14上に供給された記録紙100上を、所定の走査位置において主走査方向における行き方向および帰り方向に往復移動する。
この際に、各モードに応じたマイクロコンピューター200の処理によって、インクヘッド32−1〜32−6のインクジェットノズルからのインクの射出や、第1紫外線ランプ36ならびに第2紫外線ランプ38の位置が制御されて所定の印刷が行われる。
なお、この実施の形態においては、マイクロコンピューター200の処理によって、印刷中は第1紫外線ランプ36ならびに第2紫外線ランプ38が常時点灯するように設定されている。
また、この実施の形態においては、マイクロコンピューター200の処理によって、所定の印刷を双方向印刷により行うように設定されている。
つまり、インクヘッドホルダー30とともにインクヘッド32−1〜32−6、第1紫外線ランプ36、第2紫外線ランプ38が一体的に、主走査方向の一方の端部たる側方部材16R側から側方部材16L側へと往路において行き方向で移動するとき、ならびに、側方部材16L側から側方部材16R側へと復路において帰り方向で移動するときのいずれにおいても、インクヘッド32−1〜32−6のインクジェットノズル42からインクチューブによって搬送されたUVインクが射出される。
次に、上記した2つのモードについて詳細に説明するが、以下の説明においては、第1紫外線ランプ36ならびに第2紫外線ランプ38の副走査方向における位置が、印刷開始時点において、副走査方向における最も前方側の位置となっている図6(a)に示す状態である場合を、インクジェットプリンタ10の初期状態として説明することとする(上記した2つのモード以外の場合には、印刷開始時点で必ずしも初期状態になっている必要はない。)。
なお、図5に示す状態から図6(a)に示す初期状態に設定するには、モーター50の駆動を制御して回転軸50aを矢印A方向に回転し、プーリー56を矢印B方向に回転するとともにプーリー58を矢印D方向に回転する。
すると、駆動ベルト60に配設された第1紫外線ランプ36が副走査方向において矢印C方向に移動するとともに、駆動ベルト70に配設された第2紫外線ランプ38が副走査方向において矢印E方向に移動する(図5を参照する。)。
こうして第1紫外線ランプ36ならびに第2紫外線ランプ38を副走査方向における後方側から前方側に向かって移動させ、インクヘッドホルダー30に配設される第1紫外線ランプ36ならびに第2紫外線ランプ38の位置を、図5に示す状態から副走査方向における最も前方側の位置(図6(a)ならびに図7(a)を参照する。)の初期状態に変化する。
(i)単一パス印刷で光沢有り印刷モードの場合
このモードの場合には、記録紙100は1パス毎に単位印刷領域P分だけ副走査方向における後方側から前方側に向かって送り出されるように搬送され、また、インクヘッド32−1〜32−6のインクジェットノズル42からのUVインクの射出により1パスで1バンド分の印刷が行われる。
第1紫外線ランプ36ならびに第2紫外線ランプ38が副走査方向における最も前方側に位置した初期状態の場合には、ランプ本体37,39から紫外線が照射される記録紙100上における有効照射領域Eが、インクヘッド32−1〜32−6が対向する記録紙100上における1バンド分の単位印刷領域P1と一致する印刷領域Sと重なり合うことはなく、副走査方向において印刷領域Sより前方側に位置している(図7(b)ならびに図8(a)(b)(c)を参照する。)。
こうして第1紫外線ランプ36ならびに第2紫外線ランプ38が副走査方向における最も前方側に位置した状態で印刷を開始すると、印刷開始位置となる主走査方向の一方の端部たる側方部材16R側から側方部材16L側へ向かう往路における行き方向でインクヘッドホルダー30とともにインクヘッド32−1〜32−6、第1紫外線ランプ36、第2紫外線ランプ38が一体的に移動し、このときにインクジェットノズル42からインクチューブによって搬送されたUVインクが射出される。
すると、射出されたUVインクの飛滴は、インクヘッド32−1〜32−6が対向する記録紙100上の単位印刷領域P1内の所定の位置に落下する(図8(a)を参照する)。
ここで、往路においてUVインクが射出されるときに、第1紫外線ランプ36ならびに第2紫外線ランプ38は点灯しているものの、第1紫外線ランプ36ならびに第2紫外線ランプ38の有効照射領域Eと往路において印刷が行われる単位印刷領域P1と一致する印刷領域Sとが記録紙100上において重なり合っていないので、往路において主走査方向の行き方向において移動するインクヘッド32−1〜32−6のインクジェットノズル42から射出されたUVインクの飛滴が落下した記録紙100上に、即ち、単位印刷領域P1に、当該往路においては第1紫外線ランプ36ならびに第2紫外線ランプ38からの紫外線は照射されない。
その結果、往路において射出されたUVインクの飛滴は、記録紙100上の単位印刷領域P1内の所定の位置に落下したままで、記録紙100上において硬化することはない(図9(a)を参照する。)。
そして、往路における1パスで1バンド分の単位印刷領域P1における印刷がなされると、記録紙100が単位印刷領域P分だけ副走査方向における後方側から前方側に向かって送り出される。
これにより、往路においてインクヘッド32−1〜32−6が対向して印刷を行った記録紙100上の単位印刷領域P1と隣接する次の単位印刷領域P2上に、インクヘッド32−1〜32−6が対向するようになる(図9(b)を参照する。)。
ここで、有効照射領域Eは、復路においてこれから印刷が行われる記録紙100上の印刷領域Sたる単位印刷領域P2とは重なり合わず、副走査方向において単位印刷領域P2より前方側に位置している。
このため、有効照射領域Eは、往路においてインクヘッド32−1〜32−6が対向して既に印刷が行われた記録紙100上の単位印刷領域P1と重なり合うようになる(図8(b)に示す状態を参照する。)。
次に、側方部材16L側から側方部材16R側へ向かう復路における帰り方向でインクヘッドホルダー30とともにインクヘッド32−1〜32−6、第1紫外線ランプ36、第2紫外線ランプ38が一体的に移動するときにも、行き方向と同様に、インクジェットノズル42からインクチューブによって搬送されたUVインクが射出される。
こうして射出されたUVインクの飛滴は、インクヘッド32−1〜32−6が対向する記録紙100上の単位印刷領域P2内の所定の位置に落下する(図8(b)を参照する。)。
ここで、復路においてUVインクが射出されるときに、第1紫外線ランプ36ならびに第2紫外線ランプ38は点灯しているものの、第1紫外線ランプ36ならびに第2紫外線ランプ38の有効照射領域Eと復路において印刷が行われる単位印刷領域P2と一致する印刷領域Sとが記録紙100上において重なり合っていないので、復路において主走査方向の帰り方向において移動するインクヘッド32−1〜32−6のインクジェットノズル42から射出されたUVインクの飛滴が落下した記録紙100上に、即ち、単位印刷領域P2に、当該復路においては第1紫外線ランプ36ならびに第2紫外線ランプ38からの紫外線は照射されない。
その結果、復路において射出されたUVインクの飛滴は、記録紙100上の単位印刷領域P2内の所定の位置に落下したままで、記録紙100上において硬化することはない(図9(a)を参照する。)。
一方、復路においてUVインクが射出されるときに、点灯している第1紫外線ランプ36ならびに第2紫外線ランプ38の有効照射領域Eは、副走査方向において単位印刷領域P2より前方側に位置し先の往路においてインクヘッド32−1〜32−6が対向して印刷を行った記録紙100上の単位印刷領域P1と重なり合っている。
その結果、往路において主走査方向の行き方向において移動するインクヘッド32−1〜32−6のそれぞれから射出されたUVインクの飛滴が落下した記録紙100上の単位印刷領域P1に、復路において帰り方向で移動する第1紫外線ランプ36ならび第2紫外線ランプ38から紫外線が照射されて、往路において射出されたUVインクの飛滴が記録紙100上の単位印刷領域P1において硬化する。
こうして、一体的に移動するインクヘッド32−1〜32−6、第1紫外線ランプ36ならびに第2紫外線ランプ38が、印刷開始位置たる主走査方向の一方の端部から行き方向に移動して他方の端部に到達し、行き方向とは反対の帰り方向に移動して印刷開始位置に復帰するときに、インクジェットノズルからUVインクを射出した往路(図8(a)を参照する。)の直後の復路(図8(b)を参照する。)において、当該往路において射出されたUVインクが落下した記録紙100上に第1紫外線ランプ36ならびに第2紫外線ランプ38によって紫外線が照射される。
ここで、インクヘッド32−1〜32−6、第1紫外線ランプ36ならびに第2紫外線ランプ38が一体的に、主走査方向の一方の端部から行き方向で移動して側方部材16L側に到達し、その移動方向を変えて帰り方向で移動する往復移動の際には、行き方向に移動するインクヘッド32−1〜32−6から往路においてUVインクを射出したときから、そのインクの飛滴が落下した記録紙100上に復路において紫外線が照射されるまでの間に、所定の時間tが経過している。
例えば、インクジェットプリンタ10の主走査方向における全長(即ち、主走査方向の一方の端部と他方の端部との間の距離)がおよそ1mで、インクヘッドホルダー30がおよそ500mm/secで主走査方向に移動する場合には、この所定の時間tはおよそ2秒となる。
このため、この所定の時間tの間に、UVインクが記録紙100上の所定の位置に落下したときの形状(図9(a)を参照する。)、即ち、記録紙100の表面100aに表面張力で丸く半球様に載ったままの形状のUVインクが次第に拡散してしまう(図9(b)を参照する。)。
その結果、復路において第1紫外線ランプ36ならびに第2紫外線ランプ38から照射された紫外線によって記録紙100上において硬化したUVインクは、図9(c)に示すように、記録紙100上の所定の位置に落下したインクの飛滴が広がって互いに繋がった形状で硬化している。このため、表面100aにおいて互いに繋がり平たい形状で硬化したUVインクによって、記録紙100の表面100aにおける凹凸は小さくなるので、記録紙100の表面100aは平滑な状態となり、粒子感が無くなり光沢のある印刷結果となる。
なお、復路における1パスで1バンド分の単位印刷領域P2における印刷がなされたならば、記録紙100が単位印刷領域P分だけ送り出されて、次の往路においては、上記と同様にして、1パスで1バンド分の単位印刷領域P3における印刷を行うとともに、先の復路において単位印刷領域P2に射出されたUVインクの飛滴を第1紫外線ランプ36ならびに第2紫外線ランプ38から照射された紫外線によって記録紙100上に硬化させる(図8(c)を参照する。)。
このように、記録紙100の副走査方向への搬送と、インクヘッド32−1〜32−6、第1紫外線ランプ36ならびに第2紫外線ランプ38の主走査方向における往復移動による印刷とを繰り返し行うことにより、記録紙100上の所望の範囲に所望の印刷が光沢のある仕上がりで行われることになる。
上記のようにして印刷が進み、マイクロコンピューター20の制御により予め設定された画像の印刷が終了した時点では、最終の単位印刷領域PEには第1紫外線ランプ36あるいは第2紫外線ランプ38から紫外線は照射されていない(図10(a)を参照する。)。
そこで、本発明においては、マイクロコンピューター20の制御により予め設定された画像の印刷の終了を当該マイクロコンピューター20で検出し、マイクロコンピューター20が印刷の終了を検出した時点で、マイクロコンピューター20の制御によりグリッドローラー202とピンチローラー240とによる記録紙100の搬送を停止し、マイクロコンピューター20の制御により第1紫外線ランプ36を矢印K方向(図10(a)を参照する。)に移動するとともに第2紫外線ランプ38を矢印L方向(図10(a)を参照する。)に移動して、第1紫外線ランプ36ならびに第2紫外線ランプ38を図6(a)に初期状態から図5に示す状態へ移動する(図10(b)を参照する。)。
ここで、図6(a)に示す初期状態から図5に示す状態に移動するには、モーター50の駆動を制御して回転軸50aを矢印F方向に回転し、プーリー56を矢印G方向に回転するとともにプーリー58を矢印I方向に回転する。
すると、駆動ベルト60に配設された第1紫外線ランプ36が副走査方向において矢印H方向に移動するとともに、駆動ベルト70に配設された第2紫外線ランプ38が副走査方向において矢印J方向に移動する(図6(a)を参照する。)。
こうして第1紫外線ランプ36ならびに第2紫外線ランプ38を副走査方向における前方側から後方側に向かって移動させ、インクヘッドホルダー30に配設される第1紫外線ランプ36ならびに第2紫外線ランプ38の位置を、図6(a)に示す初期状態から副走査方向における最も後方側の位置(図5を参照する。)の状態に変化する。
これにより、最終の単位印刷領域PEにも紫外線が照射されることになり、最終の単位印刷領域PEにおけるグロス印刷が実現される。
こうして、単一パス印刷で光沢有り印刷モードによる印刷が終了する。
上記において説明したように、本発明においては、印刷終了後において記録紙100をグリッドローラー202とピンチローラー240とにより挟持して搬送方向へ移動しないため、余白の長さNを従来の技術における余白長さMよりも大幅に短縮することができ、媒体の無駄な消費を抑制することができる。
(ii)複数パス印刷で光沢有り印刷モードの場合
この実施の形態においては、4パスで1バンド分の印刷を行う場合を例にして、説明することとする。
なお、1バンド分の印刷を完了するパスの総数は、4パスに限られるものではないことは勿論であり、8パスや16パスなど任意に設定可能なものである。
従って、操作子群40により複数パス印刷で光沢有り印刷モードが設定された場合には、記録紙100は1パス毎に単位印刷領域P/4分だけ副走査方向における後方側から前方側に向かって送り出されるように搬送され、また、インクヘッド32−1〜32−6のインクジェットノズル42からのUVインクの射出により4パスで1バンド分の印刷が行われる。
また、複数パス印刷で光沢有り印刷モードの場合には、操作子群40により、光沢有り印刷結果の光沢の程度を設定可能なものであり、以下、操作子群40によって設定可能な3つのタイプ(iii−A)高光沢タイプ、(iii−B)中光沢タイプ、(iii−C)低光沢タイプのそれぞれについて詳細に説明することとする。
(iii−A)高光沢タイプ
この高光沢タイプが選択された場合には、光沢度の高い印刷結果が得られるものである。
まず、記録紙100への印刷開始前に、インクヘッドホルダー30に配設される第1紫外線ランプ36ならびに第2紫外線ランプ38の位置を、上記した(i)単一パス印刷で光沢有り印刷モードの場合と同様に、図6(a)に示す副走査方向における最も前方側の位置の初期状態とする。
副走査方向における最も前方側の位置に位置するようになった第1紫外線ランプ36ならびに第2紫外線ランプ38の有効照射領域Eは、インクヘッド32−1〜32−6が対向する記録紙100上のインクジェットノズル列44の副走査方向における全長Lを有する印刷領域Sと互いに重なり合う部分はなく、副走査方向において印刷可能領域Sより前方側に位置している(図7(b)ならびに図11(a)(b)(c)(d)(e)を参照する。)。
なお、図11(a)に示すように、1パス目においては、印刷領域Sは単位印刷領域P1と一致している。
そして、1パス目の往路において射出されたUVインクの飛滴は、記録紙100上の単位印刷領域P1内の所定の位置に落下するが、第1紫外線ランプ36ならびに第2紫外線ランプ38の有効照射領域Eと単位印刷領域P1と一致している印刷領域Sとが記録紙100上において重なり合っていないので、記録紙100上の単位印刷領域P1内の所定の位置に落下したままで、記録紙100上において硬化することはない(図9(a)を参照する。)。
そして、往路における1パス目が終了したので、記録紙100が単位印刷領域P/4分だけ副走査方向における後方側から前方側に向かって送り出される。
これにより、2パス目においては印刷領域Sと単位印刷領域Pとは一致しなくなり、先の往路においてインクヘッド32−1〜32−6が対向して印刷を行った記録紙100上の単位印刷領域P1の副走査方向における後方側3/4の部分(図11(b)に示す符号P1−b,P1−c,P1−dを参照する。)と、単位印刷領域P1に隣接する次の単位印刷領域P2の副走査方向における前方側1/4の部分(図11(b)に示す符号P2ーaを参照する。)とに、インクヘッド32−1〜32−6が対向するようになる。
ここで、有効照射領域Eは、既に1パス目で印刷が行われた記録紙100上の単位印刷領域P1のうち、印刷領域S外に位置するようになった副走査方向における前方側1/4の部分(図11(b)に示す符号P1−aを参照する。)と重なり合うようになる。
従って、復路における2パス目で、有効照射領域Eと重なり合っている記録紙100上の単位印刷領域P1の副走査方向における前方側1/4の部分においては、復路において帰り方向で移動する第1紫外線ランプ36ならび第2紫外線ランプ38から紫外線が照射されて、往路の1パス目において射出されたUVインクの飛滴が記録紙100上において硬化する(図9(c)を参照する。)。
一方、印刷領域S内の単位印刷領域P1の副走査方向における後方側3/4の部分と、次の単位印刷領域P2の副走査方向における前方側1/4の部分においては、紫外線は照射されず、復路において射出されたUVインクが所定の位置に落下したままで、記録紙100上において硬化することはない(図9(a)を参照する。)。
そして、2パス目の印刷が終了したならば、記録紙100の副走査方向へ単位印刷領域P/4分だけ搬送し、3パス目の印刷を行って(図11(c)を参照する。)、3パス目の印刷が終了したならば、記録紙100の副走査方向へ単位印刷領域P/4分だけ搬送し、4パス目の印刷(図11(d)を参照する。)を行ってから、記録紙100の副走査方向へ単位印刷領域P/4分だけ搬送する(図11(e)を参照する。)。
こうして1パス目においてインクヘッド32−1〜32−6の直下の印刷領域Sと一致していた単位印刷領域P1(図11(a)に示す状態を参照する。)が、印刷領域S内から徐々に有効照射領域E内へと送り出され、印刷領域S内においてインクの飛滴が落下した記録紙100上には所定の時間が経過した後に紫外線が照射され、記録紙100の表面100aは平滑な状態となって(図9(c)を参照する。)、粒子感が無くなり光沢のある印刷結果となる。
この際、第1紫外線ランプ36ならびに第2紫外線ランプ38が副走査方向における最も前方側の位置に位置しているので、印刷領域Sと有効照射領域Eとは互いに重なり合う部分が全くない。このため、高光沢タイプの場合には、インクジェットノズル42から射出されたUVインクに当該UVインクが射出されたパスと同一のパスにおいて紫外線が照射されることはなく、射出された全てのUVインクは、インクジェットノズル42から射出されて記録紙100上に落下した後、所定の時間が経過した後に紫外線が照射されて硬化するため(図9(c)に示す状態を参照する。)、光沢度の高い印刷結果が得られる。
上記のようにして印刷が進み、マイクロコンピューター20の制御により予め設定された画像の印刷が終了した時点では、最終の単位印刷領域PEには第1紫外線ランプ36あるいは第2紫外線ランプ38から紫外線は照射されていない(図10(a)を参照する。)。
そこで、本発明においては、マイクロコンピューター20の制御により予め設定された画像の印刷の終了を当該マイクロコンピューター20で検出し、マイクロコンピューター20が印刷の終了を検出した時点で、マイクロコンピューター20の制御によりグリッドローラー202とピンチローラー240とによる記録紙100の搬送を停止し、マイクロコンピューター20の制御により第1紫外線ランプ36を矢印K方向(図10(a)を参照する。)に移動するとともに第2紫外線ランプ38を矢印L方向(図10(a)を参照する。)に移動して、第1紫外線ランプ36ならびに第2紫外線ランプ38を図6(a)に初期状態から図5に示す状態へ移動する(図10(b)を参照する。)。
図6(a)に示す初期状態から図5に示す状態に移動するには、モーター50の駆動を制御して回転軸50aを矢印F方向に回転し、プーリー56を矢印G方向に回転するとともにプーリー58を矢印I方向に回転する。
すると、駆動ベルト60に配設された第1紫外線ランプ36が副走査方向において矢印H方向に移動するとともに、駆動ベルト70に配設された第2紫外線ランプ38が副走査方向において矢印J方向に移動する(図6(a)を参照する。)。
ここで、この実施の形態では4パスで1バンド分の印刷を行うものであるので、第1紫外線ランプ36ならびに第2紫外線ランプ38を図6(a)に初期状態から図5に示す状態へ移動する際にも、4パスで移動するようにする。具体的には、1パスにおける記録紙100の搬送方向への移動距離に応じた距離を、1パス毎に徐々に移動するようにして、4パスで移動が完了するようにする。
即ち、紫外線を照射している第1紫外線ランプ36ならびに第2紫外線ランプ38を初期状態から図5に示す状態へ移動する際には、記録紙100を搬送方向に沿って移動するときの移動単位に応じた移動単位で移動するものである。
第1紫外線ランプ36ならびに第2紫外線ランプ38は、1パス毎に単位印刷領域P/4分の距離だけ副走査方向における前方側から後方側に向かって移動しながら紫外線を照射する。
こうして第1紫外線ランプ36ならびに第2紫外線ランプ38を副走査方向における前方側から後方側に向かって4パスで移動させると、インクヘッドホルダー30に配設される第1紫外線ランプ36ならびに第2紫外線ランプ38の位置は、図6(a)に示す初期状態から副走査方向における最も後方側の位置(図5を参照する。)の状態に変化する。
これにより、最終の単位印刷領域PEにも紫外線が照射されることになり、最終の単位印刷領域PEにおけるグロス印刷が実現される。
こうして、複数パス印刷で光沢有り印刷モードの高光沢タイプによる印刷が終了する。
上記において説明したように、本発明においては、印刷終了後において記録紙100をグリッドローラー202とピンチローラー240とにより挟持して搬送方向へ移動しないため、余白の長さNを従来の技術における余白長さMよりも大幅に短縮することができ、媒体の無駄な消費を抑制することができる。
なお、グロス印刷の仕上がりの均一化を図るためには、1バンドを印刷する際のパス数と第1紫外線ランプ36ならびに第2紫外線ランプ38を図6(a)に初期状態から図5に示す状態へ移動する際のパス数とを一致させることが好ましい。
しかしながら、1バンドを印刷する際のパス数と第1紫外線ランプ36ならびに第2紫外線ランプ38を図6(a)に初期状態から図5に示す状態へ移動する際のパス数とを必ずしも一致させる必要はなく、1バンドを印刷する際のパス数よりも少ないパス数で移動させるようにしてもよいし、1バンドを印刷する際のパス数よりも多いパス数で移動させるようにしてもよい。
(iii−B)中光沢タイプ
この中光沢タイプが選択された場合には、光沢度が中程度の印刷結果が得られるものである。
まず、記録紙100への印刷開始前に、インクヘッドホルダー30に配設される第1紫外線ランプ36ならびに第2紫外線ランプ38の位置を、図6に示す初期状態から副走査方向における後方側に向かって移動して、副走査方向における最も前方側の位置から距離W1分だけ後方側の位置(図12(a)を参照する。)に変化する。
従って、副走査方向における最も前方側の位置から距離W1分だけ後方側に位置するようになった第1紫外線ランプ36ならびに第2紫外線ランプ38の有効照射領域Eは、印刷領域Sの一部分と重なり合っており、印刷領域Sの全長(即ち、インクジェットノズル列44の副走査方向における全長L)のうち距離W1分だけをカバーするように位置している(図12(b)ならびに図13(a)(b)(c)(d)(e)を参照する。)。
なお、図13(a)に示すように、1パス目においては、印刷領域Sは単位印刷領域P1と一致している。
従って、記録紙100上の単位印刷領域P1の副走査方向における後方側(図13(a)に示す符号P1−bの一部,P1−c,P1−dを参照する。)は有効照射領域Eと重なり合っていないものの、単位印刷領域P1の副走査方向における前方側(図13(a)に示す符号P1−a,P1−bの一部を参照する。)は有効照射領域Eと重なり合っている。
そして、1パス目の往路において射出されたUVインクの飛滴は、一部分が有効照射領域E内に位置している記録紙100上の単位印刷領域P1内の所定の位置に落下することになる。
その結果、1パス目の往路において、有効照射領域Eと重なり合っていない単位印刷領域P1の副走査方向における後方側に落下したUVインクは、紫外線が照射されずに記録紙100上の所定の位置に落下したままで、記録紙100上において硬化することはない(図9(a)を参照する。)。
一方、有効照射領域Eと重なり合っている単位印刷領域P1の副走査方向における前方側に落下したUVインクは、第2紫外線ランプ38から紫外線が照射されて記録紙100上において硬化する(図9(d)を参照する。)。
なお、上記した1パス目の往路において、有効照射領域Eと重なり合っていない単位印刷領域P1の副走査方向における後方側に落下したUVインクは、2パス目(図13(b)を参照する。)、3パス目(図13(c)を参照する。)と単位印刷領域P1が印刷領域S内から徐々に有効照射領域E内へと送り出されるのに伴って、所定の時間が経過した後に紫外線が照射されて記録紙100上において硬化する(図9(c)を参照する。)。
このように、中光沢タイプの場合には、第1紫外線ランプ36ならびに第2紫外線ランプ38が副走査方向における最も前方側の位置から距離W1分だけ後方側に位置しているので、印刷領域Sの一部と有効照射領域Eとが互いに一部分だけ重なり合っている。このため、インクジェットノズル42から射出された全てのUVインクのうちの一部は、UVインクが射出されたパスと同一のパスにおいて紫外線が照射され、インクジェットノズル42から射出されて記録紙100上に落下した後直ちに硬化してしまい、その残余の部分のUVインクは当該UVインクが射出されたパスと同一のパスにおいて紫外線が照射されずに、所定の時間が経過した後に紫外線が照射されて硬化する。
その結果、インクジェットノズル42から射出されて記録紙100上に落下した後、直ちに紫外線が照射されて硬化したインク(図9(d)を参照する。)と所定の時間が経過した後に紫外線が照射されて硬化したインク(図9(c)を参照する。)とが、第1紫外線ランプ36ならびに第2紫外線ランプ38の位置に応じた比率で混在するようになり、上記した(iii−A)高光沢タイプのように射出された全てのUVインクが所定の時間が経過した後に紫外線が照射されて硬化する場合に比べると光沢が少なく、光沢度が中程度の印刷結果が得られる。
そして、この中光沢タイプの場合においても、上記した高光沢タイプの場合と同様に、マイクロコンピューター20の制御により予め設定された画像の印刷が終了した時点では、最終の単位印刷領域には第1紫外線ランプ36あるいは第2紫外線ランプ38から紫外線は照射されていない領域が存在する。
このため、上記した高光沢タイプの場合について説明したと同様に、マイクロコンピューター20が印刷の終了を検出した時点で、マイクロコンピューター20の制御によりグリッドローラー202とピンチローラー240とによる記録紙100の搬送を停止し、マイクロコンピューター20の制御により第1紫外線ランプ36を矢印K方向(図10(a)を参照する。)に移動するとともに第2紫外線ランプ38を矢印L方向(図10(a)を参照する。)に移動して、第1紫外線ランプ36ならびに第2紫外線ランプ38を図6(a)に初期状態から図5に示す状態へ移動する(図10(b)を参照する。)。
これにより、最終の単位印刷領域には第1紫外線ランプ36あるいは第2紫外線ランプ38から紫外線は照射されていない領域にも紫外線が照射されることになる。
(iii−C)低光沢タイプ
この低光沢タイプが選択された場合には、光沢度が低い印刷結果が得られるものである。
まず、記録紙100への印刷開始前に、インクヘッドホルダー30に配設される第1紫外線ランプ36ならびに第2紫外線ランプ38の位置は、図5に示す初期状態から副走査方向における前方側に向かって移動して、副走査方向における最も前方側の位置から距離W2分だけ後方側の位置(図14(a)を参照する。)に変化する。
従って、副走査方向における最も前方側の位置から距離W2分だけ後方側に位置するようになった第1紫外線ランプ36ならびに第2紫外線ランプ38の有効照射領域Eは、印刷領域Sの一部分と重なり合っており、印刷領域Sの全長(即ち、インクジェットノズル列44の副走査方向における全長L)のうち距離W2分だけをカバーするように位置している(図14(b)を参照する。)。
ここで、距離W2は、上記した(iii−B)中光沢タイプの距離W1(図12(a)(b)を参照する。)に比べて長く設定されている(距離W2>距離W1)。
従って、有効照射領域Eと印刷領域Sとが重なりあっている部分は、中光沢タイプの場合に比べて低光沢タイプの場合の方が多くなる。
すると、低光沢タイプの場合には、上記した(iii−B)中光沢タイプと同様にして印刷が進行した場合、インクジェットノズル42から射出されて記録紙100上に落下した後直ちに紫外線が照射されて硬化したインクが、所定の時間が経過した後に紫外線が照射されて硬化したインクに比べて多くなる。
その結果、インクジェットノズル42から射出された全てのUVインクのうちの多くが、インクジェットノズル42から射出されて記録紙100上に落下した後直ちに紫外線が照射されて硬化したインク(図9(d)を参照する。)となり、直ちに紫外線が照射されて硬化したインクと所定の時間が経過した後に紫外線が照射されて硬化したインクとの混在の比率が、上記した(iii−B)中光沢タイプとは異なるようになり、中光沢タイプより光沢が少なく、光沢度が低程度の印刷結果が得られる。
そして、この低光沢タイプの場合においても、上記した高光沢タイプの場合と同様に、マイクロコンピューター20の制御により予め設定された画像の印刷が終了した時点では、最終の単位印刷領域には第1紫外線ランプ36あるいは第2紫外線ランプ38から紫外線は照射されていない領域が存在する。
このため、上記した高光沢タイプの場合について説明したと同様に、マイクロコンピューター20が印刷の終了を検出した時点で、マイクロコンピューター20の制御によりグリッドローラー202とピンチローラー240とによる記録紙100の搬送を停止し、マイクロコンピューター20の制御により第1紫外線ランプ36を矢印K方向(図10(a)を参照する。)に移動するとともに第2紫外線ランプ38を矢印L方向(図10(a)を参照する。)に移動して、第1紫外線ランプ36ならびに第2紫外線ランプ38を図6(a)に初期状態から図5に示す状態へ移動する(図10(b)を参照する。)。
これにより、最終の単位印刷領域には第1紫外線ランプ36あるいは第2紫外線ランプ38から紫外線は照射されていない領域にも紫外線が照射されることになる。
上記したように本発明によるインクジェットプリンタにおいては、印刷終了時に媒体の搬送を行うことなく、紫外線ランプを移動させるようにしているため媒体の無駄な消費を抑制することができる。
なお、上記した実施の形態は、以下の(1)乃至(5)に説明するように変形してもよい。
(1)上記した実施の形態においては、図5に示すような構成により、第1紫外線ランプ36ならびに第2紫外線ランプ38を副走査方向に沿って移動自在に配設するようにしたが、これに限られるものではないことは勿論であり、インクヘッドホルダーや紫外線ランプのケースの形状などを変更するなどして、その他構成により紫外線ランプが副走査方向に沿って移動自在な状態でインクヘッドホルダーに配設されるようにしてもよい。
この際、紫外線ランプの副走査方向における移動は、上記した実施の形態のようにマイクロコンピューター200の処理によって自動的に行うのに限られずに、手動で調整可能なように構成してもよい。
また、単一のインクヘッドホルダーに紫外線ランプとインクヘッドとが配設されるのに限られるものではなく、紫外線ランプが副走査方向に沿って移動自在に配設可能であって主走査方向に移動する移動手段を、インクヘッドホルダーとは別に配設するようにしてもよい。
(2)上記した実施の形態において、インクヘッド32−1〜32−6、第1紫外線ランプ36ならびに第2紫外線ランプ38を一体的に、主走査方向における往復移動の途中において、主走査方向の一方の端部や他方の端部において停止させて待機させたり、その移動速度を変更するなどして、インクヘッド32−1〜32−6から往路(または復路)においてUVインクを射出したときから紫外線が照射されるまでの間の所定の時間tが所定の時間以上となるように調節するようにしてもよい。インクの射出から紫外線の照射までの時間がある程度長いほど、光沢感のある高い品質の画質を得ることができる。
(3)上記した実施の形態においては、6つのインクヘッド32−1〜32−6を有するようにしたが、これに限られるものではないことは勿論であり、印刷に必要な色彩などの応じてインクヘッドの総数を増減させるなど、各種変更を行うようにしてもよい。
また、上記した実施の形態においては、双方向印刷を行うにしたが、これに限られるものではないことは勿論であり、単方向印刷による印刷を行うようにしたり、単方向印刷ならびに双方向印刷が可能なように構成してもく、それに応じて各種構成を変更してもよい。
例えば、単方向印刷のみ可能な装置とする場合には、第1紫外線ランプ36と第2紫外線ランプ38とのいずれか一方のみを配設するか、あるいは、第1紫外線ランプ36と第2紫外線ランプ38とのいずれか一方のみを印刷中に点灯させるようにしてもよい。
(4)上記した実施の形態においては、記録紙100上に紫外線を照射する第1紫外線ランプ36ならびに第2紫外線ランプ38とUVインクとを用いるようにしたが、これに限られるものではないことは勿論であり、紫外線とは異なる放射線の可視光や電子線あるいはその他の光を照射する手段を用い、媒体上に照射される光によって固化あるいは増粘する性質を有する各種インクを用いるようにしてもよい。
(5)上記した実施の形態ならびに上記(1)乃至(4)に示す変形例は、適宜に組み合わせるようにしてもよい。